JP2021072294A - 基板のエッチング方法 - Google Patents

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【課題】枚葉式の処理装置を用いる基板のエッチング処理において、基板のエッチング量を所望の分布とすることが可能なエッチング方法を提供する。【解決手段】枚葉式の処理装置10を用いて、第1基板Wを回転させながら該第1基板上に処理液Lを供給して、前記第1基板上の前記処理液の第1温度情報を取得する第1事前工程と、前記第1温度情報に対応した第1エッチング情報を取得する第2事前工程と、前記第1温度情報と前記第1エッチング情報に基づいて、前記処理液の温度からエッチングレートを計算するエッチングレート計算式または計算表を導出する第3事前工程とを有する基板のエッチング方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハ等の基板のエッチング方法に関する。
半導体ウェハや各種ガラス基板などの基板の表面処理のために、回転する基板上に処理液を供給して処理を行う枚葉式の処理装置が知られている。この枚葉式処理装置は、基板自体または基板上の薄膜をエッチングする(以下、両者を含めて単に「基板をエッチングする」という)ためにも用いられる。回転する基板の中央に処理液を供給すれば、遠心力によって処理液が基板全体に広がり、基板の全面がエッチングされる。しかし、処理液が基板温度より高く加温されている場合は、処理液が基板の中心から外周に向かって移動するにつれて処理液の温度が下がるため、基板のエッチング量が径方向で異なり、径方向におけるエッチング量の分布が不均一となる問題があった。
この問題に対して、特許文献1には、枚葉式装置を用いた処理中に基板全体の表面温度の分布を放射温度計で検出し、基板の回転中心から外周方向へ向かってそれぞれ異なる距離に位置する複数のノズルから供給する処理液の流量を調節して、基板の表面温度の分布が均一となるようにすることが記載されている。
また、基板上の処理液の温度測定に関しては、特許文献2に、枚葉型の基板処理装置において、基板の表面に供給される処理液の温度の放射温度計による検出値を、処理液を吐出するノズルの管壁内を流通する処理液の温度の熱電対等による検出値に対応付けて記憶しておき、前記放射温度計の検出値を補正することが記載されている。
特開平11−165114号公報 特開2011−211092号公報
特許文献1に記載された方法では、基板の表面温度の検出に問題があった。一般的なエッチング処理は常温〜約100℃で行われ、このような温度域の測定には波長が6.5μm以上である遠赤外線が用いられる。しかし、処理中の基板の表面温度を非接触で検出するには、測定波長として処理液を透過する波長を用いる必要があり、より短い波長、例えば可視光、の光を用いることになる。そして、エッチング処理が行われる上記温度域では物体からの短波長の光の放射が少なく、温度測定に十分な精度が得られない。このため、特許文献1に記載された方法は、実際上、実施が不可能であった。
また、特許文献2は基板上の処理液の温度を精度良く検出する方法を開示するが、基板のエッチング量の分布を制御することについては言及しない。
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、枚葉式の処理装置を用いる基板のエッチング処理において、基板のエッチング量を所望の分布とすることが可能なエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明の基板のエッチング方法は、枚葉式の処理装置を用いて、第1基板を回転させながら該第1基板上に処理液を供給して、前記第1基板上の前記処理液の第1温度情報を取得する第1事前工程と、前記第1温度情報に対応した第1エッチング情報を取得する第2事前工程と、前記第1温度情報と前記第1エッチング情報に基づいて、前記処理液の温度からエッチングレートを計算するエッチングレート計算式または計算表を導出する第3事前工程とを有する。
ここで、エッチング情報とは、当該基板を所定の条件でエッチング処理したときにどの程度エッチングされるかという情報である。エッチングレートとは単位時間当たりのエッチング量をいい、エッチング量とはエッチングによって除去される層の厚さをいう。これらの工程によって、処理液の温度からエッチングレートを推算することが可能となる。
好ましくは、前記第2事前工程で取得する前記第1エッチング情報は、前記第1事前工程後に測定した前記第1基板表面のエッチング量である。
好ましくは、上記基板のエッチング方法は、前記エッチングレート計算式または計算表に基づいて、前記第1基板と同種の第2基板のエッチング処理条件を決定する工程をさらに有する。ここで、第1基板と同種の第2基板とは、第1基板と材質・大きさが同じであり、表面に施された加工や形成された膜も同じであるような基板をいう。
好ましくは、前記エッチング処理条件は、前記処理液の濃度、温度および供給量、前記処理液の供給位置の移動パターン、ならびに前記第2基板の温度および回転速度について決定される。
好ましくは、上記基板のエッチング方法は、前記処理装置を用いて、前記エッチング処理条件に従って前記第2基板をエッチングするエッチング工程をさらに有する。これにより、第2基板の面内で所望のエッチング量分布が得られる。
好ましくは、前記エッチング処理条件は、前記エッチング工程における前記第2基板のエッチング量が該第2基板の全面で均一になるように決定される。
好ましくは、前記エッチング工程中に、前記第2基板上の前記処理液の第2温度情報を取得して、記録手段に記録する工程をさらに有する。このようにエッチング処理中の基板上処理液の温度を監視し、記録することによって、工程不良が生じた場合に、その原因が処理液の温度異常にあるか否かを把握することができる。
好ましくは、前記エッチング工程中に、前記第2温度情報および前記エッチングレート計算式または計算表に基づいて、前記第2基板のエッチングレートを計算して、前記記録手段に記録する工程をさらに有する。
好ましくは、前記エッチング工程後に、記録された前記第2基板のエッチングレートに基づいて前記第2基板表面のエッチング量が所望の分布であるかを判定する工程をさらに有する。製造時のエッチング量が予定されたエッチング量と一致しているかを確認することにより、エッチングレート計算式をより精度を高めるように修正できる。
前記第2基板表面のエッチング量が所望の分布であるかを判定した場合、好ましくは、前記第2基板のエッチングレートに基づいて、前記エッチング処理条件を変更する。
エッチング処理条件の変更は、次回以降の基板の処理に適用してもよいし、前記第2基板に対する前記エッチング工程中にその場で行ってもよい。
好ましくは、前記エッチング処理条件の変更は、前記処理液の濃度、温度および供給量、前記処理液の供給位置の移動パターン、ならびに前記第2基板の温度および回転速度の中のいずれか1以上の項目について行われる。
本発明の基板のエッチング方法によれば、枚葉式の処理装置を用いる基板のエッチング処理において、エッチング量を所望の分布とすることが可能となる。
枚葉式の基板処理装置の構造を示す図である。 本発明の基板のエッチング方法の一実施形態の工程フロー図である。 予備テストにおけるウェハ中央と外周部の処理液温度の推移を示す図である。 予備テストにおけるウェハ面内の径方向における処理液温度の分布を示す図である。 予備テストにおける処理液温度とエッチングレートの関係を示す図である。 エッチング工程におけるウェハ中央と外周部の処理液温度の推移を示す図である。 ウェハ面内の径方向におけるエッチングレートの分布を示す図である。
本発明の基板のエッチング方法の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1を参照して、基板Wは、枚葉式処理装置10内で保持台11上に保持される。基板Wは保持台11とともに、図示しないモーターによって回転軸12を中心として水平面内で回転する。処理液Lはノズル13から基板W上に吐出され、基板Wの回転によって基板Wの表面上に拡がる。処理液Lの飛沫を遮るカバー部材14が基板Wおよび保持台11の側方から下方にかけてを覆っている。ノズル13は、処理液Lの供給位置が基板Wの中心と外周部の間を移動可能である。なお、枚葉式処理装置10には異なる種類の処理液や洗浄水用に複数のノズルが設置されることがあり、乾燥用のガスを噴き付けるためのガスノズルが設置されることもある。
処理装置10の上方で基板Wの直上から外れたところには、サーモカメラ20が設置されて、基板W上面の全体を斜め上方から撮影して、処理液の温度情報を取得する。サーモカメラ20は、処理装置10外にある図示しない電源および制御器とケーブル70で接続されている。
基板Wの種類は特に限定されない。基板はシリコンその他の各種半導体のウェハであってよい。また、基板は各種ディスプレイ用、光磁気ディスク用、フォトマスク用等のガラス基板であってもよい。また、基板は表面に加工が施されていたり、薄膜が形成されていてもよい。
図2に本実施形態の基板のエッチング方法のフローを示す。本実施形態では、予備テストとして第1基板をエッチングしながら基板上の処理液の第1温度情報を取得し(第1事前工程)、第1温度情報に対応するエッチング情報を取得して(第2事前工程)、エッチングレート計算式または計算表を導出し(第3事前工程)、所望のエッチング量分布を得るためのエッチング処理条件を決定する。その後、本番のエッチング処理として、同じ装置を用い、決定したエッチング処理条件に従って、第1基板と同種の第2基板をエッチングする(エッチング工程)。エッチング工程では、第2基板上の処理液の第2温度情報を取得して記録し、同時にエッチングレートを計算して記録する。エッチング工程終了後に第2基板のエッチング量を測定して、エッチング量の分布が想定通りであったかを確認する。以下に各工程の詳細を説明する。
第1事前工程として、第1基板を用いた予備テストが図1に示した枚葉式の処理装置10を用いて行われる。第1基板を保持台11に固定して回転させながら、第1基板の上面中央にノズル13から処理液Lを供給する。処理液Lは第1基板の回転による遠心力によって第1基板の外周に向かって広がり、第1基板の全面をエッチングする。なお、本明細書中では、基板自体をエッチングする場合と基板表面に形成された薄膜をエッチングする場合を含めて、単に「基板をエッチングする」という。
第1基板のエッチング処理中に、サーモカメラ20によって第1基板上の処理液の温度情報が取得される。本明細書中で、第1基板上の処理液の温度情報を「第1温度情報」という。処理液の第1温度情報を取得するために他の放射温度計を用いてもよいが、好ましくはサーモカメラを用いる。サーモカメラを用いることによって、温度情報として、第1基板全面の処理液の温度分布が取得できる。処理装置10内にサーモカメラ20を設置するには、処理液の飛沫や蒸気からカメラ内部を保護する構造が必要となる。この点について本発明者らは、処理装置内に設置可能なサーモカメラの発明を特許出願済みである(特願2019−140341、特願2019−140342)。供給される処理液の温度が基板より高い場合は、第1基板の中央から外周に向かうにしたがって処理液の温度は低くなる。
第2事前工程として、第1温度情報に対応する第1エッチング情報を取得する。エッチング情報とは、当該基板を所定の条件でエッチング処理したときにどの程度エッチングされるかという情報である。このときエッチング情報は、複数の温度条件について取得するのがよい。後述する第3事前工程で、エッチングレート計算式または計算表を高精度に導出できるからである。
第1エッチング情報は、好ましくは、第1事前工程で用いた第1基板のエッチング量である。エッチング量は、例えば所定の温度で所定の時間エッチング処理した基板について、基板表面に形成された薄膜のエッチング処理前後の厚さをエリプソメーター等で計測することで得られる。エッチング量は、第1基板の回転中心から外周に向かう距離が異なるいくつかの点において測定される。これにより、第1基板の面内の径方向におけるエッチング量分布が得られる。供給される処理液の温度が基板より高かった場合は、処理液の温度分布に従い、第1基板の中央から外周に向かうにしたがってエッチング量は少なくなる。
ただし、第1エッチング情報は第1基板のエッチング量には限られず、第1事前工程と同じ条件で処理した別の基板で測定したエッチング量でもよい。また、エッチング量ではなく、既知の厚さの薄膜が形成された基板を膜がなくなるまで処理したときにかかった時間を計測してもよい。膜がなくなったタイミングは、既知の手法で検知すればよい。例えば、アルミニウム等の金属膜は赤外線をほぼ全反射するため、基板の赤外線透過率をモニタリングすることで終点検知が可能である。また、第1基板と同一条件のエッチング処理に関する過去のデータや、シミュレーションによって得られたデータ等があれば、それらから得られるエッチング量に関する情報をエッチング情報としてもよい。第1エッチング情報を、第1事前工程で用いた第1基板以外に基づいて取得する場合は、第1事前工程と第2事前工程の順序を入れ替えてもよいし、第1事前工程と第2事前工程を並行して実施してもよい。
第3事前工程として、第1基板上の各測定点での処理液温度とエッチング量を回帰分析することにより、処理液の温度からエッチングレートを求めるための計算式を導出する。
多くのエッチング処理では、処理液の温度とエッチングレートはアレニウスの式に従う。アレニウス式は、
Figure 2021072294
の形式で表される。ここで、kはエッチングレート、Aは頻度因子、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対温度である。温度以外の条件が同じなら頻度因子Aは定数となる。上記計算式の頻度因子Aおよび活性化エネルギーEは、処理液温度とエッチング量の測定値から回帰分析によって求めることができる。そして、この式によって、処理液の温度からエッチングレートを計算できる。
エッチングレートを取得する条件の数は、アレニウスの式で回帰する場合は、少なくとも3以上の条件で第1事前工程を実施して、第1温度情報および第1エッチング情報を取得すればよい。また、処理条件を変更して所望のエッチング量分布を得ようとするのであれば、処理条件の変更にともなう処理液温度の予想変動幅の下限温度域、上限温度域および中間温度域のエッチング情報を取得するのがよい。いずれにせよ、求められるプロセス精度に応じてエッチング情報の取得数および取得レンジを決めればよい。
処理液の温度からエッチングレートを計算する計算式はアレニウス式に限定されない。例えば、後のエッチング工程での計算時間を短縮するために、計算式を線形多項式で表してもよい。あるいは、処理液の温度からエッチングレートを求める計算表として、処理液温度とエッチングレートの対照表を作成してもよい。
エッチングレートは温度の影響を最も強く受けるが、温度以外の要因によっても変化する。多くのエッチング反応は次のように進行する。すなわち、第1段階として処理液中から反応分子が拡散して基板表面に付着し、第2段階として基板表面で反応が起こり、第3段階として反応生成物が基板表面から脱離して溶液中に拡散する。例えば、基板の回転速度や処理液の供給量が変わると、境界層の厚さが変わり、上記第1段階および第3段階の速度が変わる。
また、上記反応機構から理論的には、エッチングレートを基板の表面温度から計算することが望ましいが、前述のとおり基板の表面温度をその場で十分な精度で測定することができないため、本実施形態では基板上の処理液温度からエッチングレートを計算する。そのため、例えば処理液の供給量が異なると、測定された処理液の温度が同じであっても基板表面温度が異なり、実際のエッチングレートが上記計算式により求めたエッチングレートからずれることになる。
以上のようにエッチングレートは温度以外の要因によっても変化するので、処理液温度以外の条件を種々変えて第1事前工程を実施して、上記計算式または計算表に処理液温度以外の要因の影響を反映させることが好ましい。例えば、計算式をアレニウス式で導出した場合は、計算式を導出しなおしてもよいし、処理液温度以外の条件に応じて頻度因子Aを修正できるようにしてもよい。
次に、上記計算式に基づいて、同じ処理装置を用いて第1基板と同種の基板をエッチングするに当たって、基板面内に所望のエッチング量分布を得るためのエッチング処理条件を決定する。第1基板と同種の基板とは、第1基板と材質・大きさが同じであり、表面に施された加工や形成された膜も同じであるような基板をいう。所望のエッチング量分布とは、典型的には、基板の面内全体でエッチング量を均一にすることである。また、基板表面の薄膜の厚さが径方向で不均一である場合に、エッチング後の膜厚を均一にするには、エッチング量に径方向において所要の分布となるようにする必要がある。
エッチング処理条件として決定すべき項目として、処理液の濃度、処理液の温度、処理液の供給量、処理液の供給位置の移動パターン、第2基板の温度、第2基板の回転速度が挙げられる。これらの要因はエッチングレートの大小、基板面内におけるエッチングレートの均一性、またはその両方に影響する。各項目は、エッチング工程を通して一定に維持されてもよいし、エッチング工程中に変化させてもよい。
例えば、処理液の温度は、高いほどエッチングレートが大きくなるが、エッチングレートの径方向のばらつきも大きくなる。処理液の温度は、供給ノズルにヒーターを組み込むことでエッチング中に変化させることができる。
また、処理液の供給位置については、供給位置を基板の中央に固定すると、基板の中央部と外周部でエッチング量が不均一になることを既に述べた。したがって、処理液の供給位置は、エッチング工程中に変化させるのが好ましい。具体的には、処理液の供給位置の移動パターンとして、エッチング工程中の供給位置の移動経路と移動速度を決めることになる。エッチング処理条件の例は、実施例で説明する。
次に、第1基板と同種の第2基板に対するエッチングを行う(エッチング工程)。これは半導体装置の製造工程などの一部として実施される工程である。エッチング工程は、予備テスト(第1事前工程)と同じ処理装置を用いて、上記エッチング処理条件に従って実施される。
エッチング工程では、第1事前工程と同様に、サーモカメラ20によって第2基板上の処理液の温度情報が取得される。本明細書中で、第2基板上の処理液の温度情報を「第2温度情報」という。これにより、処理液の温度分布が想定されたとおりであるかを監視する。また、取得された温度情報は記録手段に記録される。記録手段としてはハードディスク等の補助記憶装置など、公知のものを用いることができる。温度情報を記録しておくことによって、工程不良が生じた場合に、その原因が処理液の温度異常にあるか否かを把握することができる。
また、エッチング工程では、第3事前工程で導出した計算式または計算表によって、処理液の温度情報からエッチングレートをリアルタイムで計算して記録する。あるいは、エッチングレートの積算値を計算して記録してもよい。エッチングレートの積算値は、すなわちエッチング量である。
エッチング工程終了後に、第2基板表面のエッチング量を測定して、想定されたエッチング量と一致するか否かを確認する。実際のエッチング量と想定されたエッチング量とが一致しない場合は、エッチングレート計算式または計算表を、より精度を高めるように修正できる。さらに、より精度を高めたエッチングレート計算式または計算表に基づいて、次回以降の基板の処理に適用するエッチング処理条件を変更することができる。
なお、エッチング工程中に取得された温度情報やエッチングレートの積算値を予定された値と比較して、両者のずれに応じて、エッチング処理条件をその場で変更してもよい。エッチング工程中に変更する項目としては、例えば、処理液の温度、供給量、処理液の供給位置の移動パターン、第2基板の回転速度が挙げられる。
予備テストとして、図1に示した処理装置を用い、表面にアルミニウム薄膜が形成された径200mmのシリコンウェハを500rpmで回転させながら、基板の回転の中心に処理液をノズルから0.5L/分で供給して、アルミニウム薄膜をエッチングした(第1事前工程)。処理液としては、HPO+HNO+CHCOOH+HO(重量比73.4:1.6:5:20)を用いた。処理液供給開始前のウェハ温度を約23℃として、処理液の温度を約40、50、60、70℃の4条件とし、その他の条件は一定にしてウェハ上の処理液の温度をサーモカメラで測定した。また、各エッチング後に、エッチング情報として、各ウェハ表面のアルミニウム薄膜のエッチング量を測定した。
図3に、第1事前工程において約70℃の処理液を供給したときのウェハ中央と外周部の処理液温度の推移を示す。サーモカメラによる測定値は、ウェハ中央では急激に立ち上がる一方で、ウェハ外周部では温度が上がるのが遅く、最高到達温度も低かった。
図4に、第1事前工程で温度の異なる処理液を供給したときの、ウェハ面内の径方向における処理液温度の分布を示す。図4に示した処理液温度は、処理液がウェハ全面に拡がって、エッチング処理が定常状態に達した後に測定された温度である。図4より、ウェハ中央と外周部の処理液の温度差は、供給した処理液の温度が約40℃の場合が1.1℃であったのに対して、約70℃の場合は4.1℃であった。
所定時間エッチング処理を行った後、アルミニウム薄膜のエッチング量を測定した(第2事前工程)。図5に、エッチング処理中の処理液温度とエッチングレートの関係を示す。ウェハ中央と外周部でのエッチングレートの差は、供給した処理液の温度が約4%であったのに対して、約70℃の場合は約31%であった。両者の関係をアレニウスの式に回帰すると、頻度因子A=2.8212、E/(RT)=−0.0815の値が得られた。このとき、相関係数Rは0.9988であった。これにより、処理液温度からエッチングレートを計算する計算式が得られた(第3事前工程)。
上記のアレニウス型の計算式に基づいて、アルミニウムのエッチング量がウェハ全面で均一になるようなエッチング処理条件を決定した。具体的には、供給する処理液の温度を約70℃とし、供給位置を外周から中心に向かって約11mm/秒の速度で移動させ、供給位置がウェハ中央に達した後15秒間供給を続けた。その他は、第1事前工程と同じ条件とした。
第1事前工程と同じ装置を用い、決定したエッチング処理条件に従って、ウェハをエッチングした(エッチング工程)。図6に、エッチング工程におけるウェハ中央と外周部の処理液温度の推移を示す。図6において、サーモカメラによる測定値は、まずウェハ外周部で立ち上がり、ノズルがウェハ中央に達するとウェハ中央で急激に立ち上がった。エッチング開始からウェハ中央と外周部の処理液温度が交差するまでは、ウェハ中央より外周部の方が処理液温度が高く、この間は、ウェハ中央部より外周部の方がより多くエッチングされる。これにより、エッチング工程終了時に、ウェハの全面で均一なエッチング量が得られる。
図7に、約70℃の処理液を供給したときの、ウェハ面内の径方向におけるエッチングレートの分布を示す。図7より、径方向のエッチングレートのばらつきは、ノズルをウェハ中央に固定した場合(図3に処理液温度の変化を示した場合)が約23%あったのに対して、ノズルを外周から中央に向けて移動させた上記エッチング処理条件の場合(図6に処理液温度の変化を示した場合)は2%に収まった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
10 枚葉式処理装置
11 保持台
12 回転軸
13 ノズル
14 カバー部材
20 サーモカメラ
70 ケーブル
W 基板
L 処理液

Claims (11)

  1. 枚葉式の処理装置を用いて、第1基板を回転させながら該第1基板上に処理液を供給して、前記第1基板上の前記処理液の第1温度情報を取得する第1事前工程と、
    前記第1温度情報に対応した第1エッチング情報を取得する第2事前工程と、
    前記第1温度情報と前記第1エッチング情報に基づいて、前記処理液の温度からエッチングレートを計算するエッチングレート計算式または計算表を導出する第3事前工程と、
    を有する基板のエッチング方法。
  2. 前記第1エッチング情報は、前記第1事前工程後に測定した前記第1基板表面のエッチング量である、
    請求項1に記載の基板のエッチング方法。
  3. 前記エッチングレート計算式または計算表に基づいて、前記第1基板と同種の第2基板のエッチング処理条件を決定する工程をさらに有する、
    請求項1または2に記載の基板のエッチング方法。
  4. 前記エッチング処理条件は、前記処理液の濃度、温度および供給量、前記処理液の供給位置の移動パターン、ならびに前記第2基板の温度および回転速度について決定される、
    請求項3に記載の基板のエッチング方法。
  5. 前記処理装置を用いて、前記エッチング処理条件に従って前記第2基板をエッチングするエッチング工程をさらに有する、
    請求項3または4に記載の基板のエッチング方法。
  6. 前記エッチング処理条件は、前記エッチング工程における前記第2基板のエッチング量が該第2基板の全面で均一になるように決定される、
    請求項5に記載の基板のエッチング方法。
  7. 前記エッチング工程中に、前記第2基板上の前記処理液の第2温度情報を取得して、記録手段に記録する工程をさらに有する、
    請求項5または6に記載の基板のエッチング方法。
  8. 前記エッチング工程中に、前記第2温度情報および前記エッチングレート計算式または計算表に基づいて、前記第2基板のエッチングレートを計算して、前記記録手段に記録する工程をさらに有する、
    請求項7に記載の基板のエッチング方法。
  9. 前記エッチング工程後に、記録された前記第2基板のエッチングレートに基づいて前記第2基板表面のエッチング量が所望の分布であるかを判定する工程をさらに有する、
    請求項4〜8のいずれか一項に記載の基板のエッチング方法。
  10. 前記第2基板のエッチングレートに基づいて、前記エッチング処理条件を変更する、
    請求項8に記載の基板のエッチング方法。
  11. 前記エッチング処理条件の変更は、前記処理液の濃度、温度および供給量、前記処理液の供給位置の移動パターン、ならびに前記第2基板の温度および回転速度の中のいずれか1以上の項目について行われる、
    請求項10に記載の基板のエッチング方法。
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