JP2021071142A - 制御弁ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】制御対象となる流体の流量を大きくできるとともに、設置対象の省スペース化に寄与する制御弁ユニットを提供する。【解決手段】制御弁ユニット1は、流体通路17が形成されたボディ12と、流体通路17の中途に弁部を有する開閉弁2と、逆止弁4および逆止弁8を直列に含む逆止弁ユニット5と、一次側の圧力低下に応動して逆止弁4と逆止弁8との間の空間を大気に開放する大気開放弁と、を備える。逆止弁ユニット5として、第1逆止弁ユニット5aおよび第2逆止弁ユニット5bが含まれる。ボディ12は、流体通路17における開閉弁2の下流側に分岐点Pを有し、その分岐点Pの下流側に第1下流側通路19aと第2下流側通路19bとを並列に有する。第1逆止弁ユニット5aが第1下流側通路19aに設けられ、第2逆止弁ユニット5bが第2下流側通路19bに設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、複数種の弁を一体に有し、一次側から二次側への流体の流れを制御する制御弁ユニットに関する。
給湯システムには一般に、給湯装置から浴槽へつながる流体通路に、給湯を制御するとともに浴槽からの逆流を防止する制御弁ユニットが設けられている。この制御弁ユニットは、共用のボディに開閉弁、2連の逆止弁および大気開放弁等を一体に組み付けて構成される(例えば、特許文献1参照)。開閉弁を開閉させることにより浴槽への湯水の供給が許容又は遮断される。
開閉弁の下流側に第1逆止弁と第2逆止弁が直列に設けられ、浴槽側(二次側)から給湯装置側(一次側)への湯水の逆流を段階的に防止する。断水や停電によって一次側の水圧が負圧になったとしても、大気開放弁がその一次側の圧力低下に応動して第1逆止弁と第2逆止弁との間の空間を大気に開放する。このような構成により、万が一、2連の逆止弁の双方が異物の噛み込み等により水密不良となっていたとしても、浴槽の汚水が給湯装置ひいては上水道の方まで逆流することを防止できる。
特開2014−139528号公報
ところで近年、ユーザの利便性を高めるために湯張り時間を従来よりも短縮させるシステムが提案されている。例えば、貯湯タンクと浴槽とをつなぐ配管を複数設け、それぞれの配管に制御弁ユニットを設けるものがある。しかしながら、このようなシステムは制御弁ユニットの増加や、配管の引き回しに要するスペースの増大を伴うため、近年の小型化の要請に反する。このような問題は、給湯装置に限らず、一次側から二次側への流体を流し、その逆流防止機能が要される装置であれば同様に生じ得る。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、制御対象となる流体の流量を大きくできるとともに、設置対象の省スペース化に寄与する制御弁ユニットを提供することにある。
本発明のある態様は、一次側から二次側への流体の流れを制御する制御弁ユニットである。この制御弁ユニットは、一次側から流体を導入する導入ポートと、二次側へ流体を導出する導出ポートとをつなぐ流体通路が形成されたボディと、流体通路の中途に弁部を有し、一次側から二次側への流体の流れを許容又は遮断する開閉弁と、第1逆止弁および第2逆止弁を直列に含み、流体通路における開閉弁の下流側に設けられた逆止弁ユニットと、一次側の圧力低下に応動して流体通路における第1逆止弁と第2逆止弁との間の空間を大気に開放する大気開放弁と、を備える。
逆止弁ユニットとして、第1逆止弁ユニットおよび第2逆止弁ユニットが含まれる。ボディは、流体通路における開閉弁の下流側に分岐点を有し、その分岐点の下流側に第1下流側通路と第2下流側通路とを並列に有する。ボディは、導出ポートとして、第1下流側通路に設けられた第1導出ポートと、第2下流側通路に設けられた第2導出ポートを含む。第1逆止弁ユニットが第1下流側通路に設けられ、第2逆止弁ユニットが第2下流側通路に設けられている。
この態様によれば、制御弁ユニットの流体通路が開閉弁の下流側で分岐する。単一の導入ポートに対して複数の導出ポートが設けられるため、下流側の圧力損失を抑制でき、制御対象となる流体の流量を大きくできる。一方、導入ポートを単一することで、対応する外部配管も単一にできる。その結果、設置対象における省スペース化に寄与できる。
本発明の制御弁ユニットによれば、制御対象となる流体の流量を大きくできるとともに、設置対象の省スペース化に寄与できる。
第1実施形態に係る制御弁ユニットの外観を表す正面図である。 制御弁ユニットの右側面図である。 図2のB−B矢視断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図3の部分拡大断面図である。 第2実施形態に係る制御弁ユニットの外観を表す正面図である。 制御弁ユニットの右側面図である。 図7のD−D矢視断面図である。 図6のC−C矢視断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る制御弁ユニットの外観を表す正面図である。図2は、制御弁ユニットの右側面図である。図3は、図2のB−B矢視断面図である。図4は、図1のA−A矢視断面図である。図5は、図3の部分拡大断面図である。
図1および図2に示すように、制御弁ユニット1は、給湯装置に適用される注湯電磁弁として構成されている。図3に示すように、制御弁ユニット1は、共用のボディ12に開閉弁2、逆止弁4、大気開放弁6、逆止弁8およびフローセンサ10を一体に組み付けて構成される。開閉弁2は電磁弁であり、その弁部を開閉することにより浴槽への湯水の供給を許容又は遮断する。逆止弁4と逆止弁8が直列に配置されて逆止弁ユニット5を構成している。逆止弁4は「第1逆止弁」として機能し、逆止弁8は「第2逆止弁」として機能する。以下、開閉弁2の上流側を「一次側」、下流側を「二次側」ともいう。開閉弁2の上流側圧力を「一次圧」、下流側圧力を「二次圧」ともいう。
ボディ12は、樹脂材の一体成形(金型を用いた射出成形)により得られ、一次側から湯水を導入する導入ポート13、二次側へ湯水を導出する導出ポート15、およびこれらをつなぐ流体通路17を有する。流体通路17の中途(ほぼ中央)に、開閉弁2の弁部が配置されている。ボディ12は、本体14と、本体14の側部に連設された一次側管部16と、本体14の底部に連設された二次側管部18と、大気開放弁6につながる排出管部22とを有する。
一次側管部16は、導入ポート13を有し、一次側の外部配管(図示せず)に接続される。本体14の軸線と一次側管部16の軸線とは互いに直交する。一次側管部16の内方にフローセンサ10が配設され、その上流側には一次側からの異物の侵入を防止又は抑制するストレーナ24が配設されている。
図4にも示すように、ボディ12は、流体通路17における開閉弁2の下流側に分岐点Pを有し、その分岐点Pの下流側に第1下流側通路19aと第2下流側通路19bとを並列に有する。以下、第1下流側通路19aと第2下流側通路19bをまとめて「下流側通路19」と呼ぶことがある。ボディ12は、「導出ポート15」として、第1下流側通路19aに設けられた第1導出ポート15aと、第2下流側通路19bに設けられた第2導出ポート15bを有する。
二次側管部18は、内方に分岐点Pを有する拡管部18pを有し、その拡管部18pの下流側に第1管部18aと第2管部18bとを並列に有する。第1管部18aと第2管部18bとは、隔壁18cによって仕切られている。第1管部18aに第1下流側通路19aが形成され、第2管部18bに第2下流側通路19bが形成されている。拡管部18pの内方には、断面長円状の分岐室18dが形成されている。第1管部18aおよび第2管部18bは、それぞれ二次側の外部配管(図示せず)に接続される。本体14の軸線と二次側管部18の軸線とは互いに平行とされている。
逆止弁ユニット5として、第1逆止弁ユニット5aおよび第2逆止弁ユニット5bが設けられている。第1逆止弁ユニット5aが第1下流側通路19aに設けられ、第2逆止弁ユニット5bが第2下流側通路19bに設けられている。
図3に戻り、本体14の上端開口部は、開閉弁2が組み付けられることにより封止されている。本体14と二次側管部18との接続部には、本体14と同心状に上流側に延出する円ボス部23が設けられている。円ボス部23の側部は、一次側管部16の軸線上に位置する。導入ポート13を介して一次側管部16に導入された湯水は、円ボス部23の周囲を回り込むようにして本体14に流入する。
逆止弁8および逆止弁4は、浴槽から給湯装置側への湯水の逆流を段階的に防止する。大気開放弁6は、一次側の圧力低下に応動して逆止弁4と逆止弁8との間の空間を大気に開放する。例えば浴槽が給湯装置よりも高い位置に設置されるような場合、浴槽の側に配置された逆止弁8が異物の噛み込みなどにより水密不良となっていた場合には、浴槽内の汚水がその水頭圧により逆止弁8を介して大気開放弁6まで逆流してくる。このような場合であっても、その汚水は大気開放弁6によって大気に放出されるため、浴槽内の汚水が一次側へ逆流することを防止できる。なお、給湯装置の構成は、例えば特許文献1に記載のように公知であるため、その詳細な説明については省略する。
フローセンサ10は、羽根車(回転体)の回転に基づいて検出信号を出力する回転式のセンサである。フローセンサ10は、センサ本体150と検出部152を備える。センサ本体150は、有底円筒状のボディ154と、ボディ154の軸線に沿って延在する回転軸156と、回転軸156に固定された羽根車158を含む。ボディ154の上流側開口端部には、整流器160が嵌着されている。検出部152は、羽根車158の近傍に位置するように一次側管部16に埋設されている。
導入ポート13に流れ込む湯水は、整流器160を通過することにより渦流となり、羽根車158に導かれる。羽根車158は、渦流の軸流速度、つまり湯水の流速に応じた回転速度で回転する。この羽根車158の回転速度に応じた磁界の変化を検出部152にて検出することにより、湯水の流量を算出できる。
図5に示すように、開閉弁2は、弁機構を有する弁本体50と、駆動部であるソレノイド52とを一体に組み付けて構成されている。本体14が、弁本体50のボディを構成している。開閉弁2は、一次側から二次側へ流れる湯水の流れを制御する主弁54と、主弁54の開閉状態を制御するパイロット弁56を備える。
上述した円ボス部23の内周部により主弁孔58が形成され、その上流側開口端部に主弁座60が形成されている。円ボス部23を取り囲む空間は、一次側管部16に連通する圧力室62となっており、その圧力室62には大径の主弁体64が配設されている。主弁体64は、主弁座60に着脱して主弁54を開閉する。拡管部18pの下流側端部には、逆止弁ユニット5a,5bのそれぞれに対応して弁孔65が設けられ、各弁孔65の開口端部に弁座67が形成されている。
主弁体64は、ボディ12とソレノイド52との間に挟持されたダイアフラム66に支持されている。ダイアフラム66は、その中央部が主弁体64の底部に装着されている。その底部に沿った厚肉部分が主弁体64の一部を構成し、主弁座60に着脱する。主弁体64およびダイアフラム66は、円ボス部23とは反対側に背圧室68を区画する。また、主弁体64には、背圧室68の内外を連通させ、一次側管部16からの湯水の一部を背圧室68に導入可能なリーク通路70が設けられている。
主弁体64の中央部には背圧室68側に突出するボス部が設けられ、そのボス部の上端面にパイロット弁座72が形成されている。また、主弁体64の中央部を軸線方向に貫通するようにパイロット弁孔74が形成されている。また、背圧室68には、ソレノイド52により駆動されるパイロット弁体76が配設されている。パイロット弁体76は、パイロット弁座72に着脱してパイロット弁56を開閉する。パイロット弁体76は、弾性体(本実施例ではゴム)からなり、ソレノイド52のプランジャ78に固定されている。
一方、ソレノイド52は、ボディ12の開口端部を封止するように取り付けられた有底段付円筒状のスリーブ80と、スリーブ80内に配置されたプランジャ78と、スリーブ80の外側に設けられたボビン84と、ボビン84に巻回された電磁コイル86とを含む。パイロット弁体76は、プランジャ78の先端部に嵌合され、プランジャ78と一体的に動作する。スリーブ80の底部とプランジャ78との間には、プランジャ78を介してパイロット弁体76を閉弁方向に付勢するスプリング88が介装されている。
大気開放弁6は、二次側管部18に対して一次側管部16とは反対側に設けられている。大気開放弁6のボディ90は、ボディ12と一体成形された本体92と、本体92を側方から封止するハウジング94とをOリング96およびダイアフラム98を介して組み付けることにより構成される。本体92は、排出管部22を介して二次側管部18とつながっている。排出管部22の内方に接続通路110が形成されている。ボディ90は、ダイアフラム98により感圧室100と開放室102に区画されている。感圧室100は、検圧通路104および小孔106を介して本体14の圧力室62に連通し、導入ポート13から導入される湯水の一次圧を導入する。
開放室102は、一方で接続通路110を介して二次側管部18の内方に連通し、他方で排出通路112を介して大気に開放されている。接続通路110は、二次側管部18における弁孔65よりも下流側に連通している(図4参照)。開放室102と接続通路110との間に円ボス部が設けられ、その円ボス部の先端に弁座114が形成されている。
開放室102には、ダイアフラム98に支持されるように弁体116が配設されている。弁体116は、ダイアフラム98の中央部(厚肉部)にて構成される着脱部118と、その着脱部118を軸線方向両側から挟むようにして支持する支持部材115,117にて構成される。支持部材115が感圧室100側から着脱部118を支持し、支持部材117が開放室102側から着脱部118を支持する。着脱部118が弁座114に着脱して大気開放弁6を開閉する。支持部材117が本体92により軸線方向に摺動可能に支持されることで、弁体116の安定した動作を確保している。弁体116とボディ12との間には、弁体116を開弁方向に付勢するスプリング119が介装されている。
逆止弁4および逆止弁8は、二次側管部18に組み込まれる逆止弁ユニット5として構成されている。すなわち、逆止弁ユニット5は、段付円筒状のボディ120に第1弁体122および第2弁体124を同軸状に組み付けて構成されている。ボディ120は、二次側管部18にOリング126を介して圧入されている。ボディ120の上流側開口端部と下流側開口端部には、円ボス状の軸受部128,140が設けられている。第1弁体122は、軸受部128に摺動可能に支持され、弁座67に下流側から着脱して逆止弁4を開閉する。第1弁体122と軸受部128との間には、第1弁体122を閉弁方向に付勢するスプリング132が介装されている。軸受部128には、その上流側と下流側とを連通させる連通孔134が設けられている。
第2弁体124は、第1弁体122と同様の構成を有する。ボディ120の上半部は縮径されており、その内周部により弁孔136が形成されている。そして、弁孔136の下流側開口端部により弁座138が形成されている。第2弁体124は、軸受部140に摺動可能に支持され、弁座138に下流側から着脱して逆止弁8を開閉する。第2弁体124と軸受部140との間には、第2弁体124を閉弁方向に付勢するスプリング142が介装されている。軸受部140には、その上流側と下流側とを連通させる連通孔144が設けられている。
図4に示したように、第1管部18aおよび第2管部18bのそれぞれに環状の弁孔65および弁座67が設けられている。第1下流側通路19aおよび第2下流側通路19bのそれぞれと分岐室18dとは、弁孔65を介して連通する。逆止弁4の開閉によりその連通状態が許容又は遮断される。また、接続通路110は、第1下流側通路19aおよび第2下流側通路19bのそれぞれに対して、逆止弁4と逆止弁8との間の位置で連通している。本実施形態では、接続通路110が第1下流側通路19aおよび第2下流側通路19bの双方を跨ぐように連通しているが、接続通路110を分岐させて第1下流側通路19aおよび第2下流側通路19bのそれぞれに個別に連通させてもよい。
次に、制御弁ユニット1の動作について図3〜図5を参照しつつ説明する。
上述した構成おいて、一次側管部16と二次側管部18の各内部通路を、背圧室68を介することなくつなぐ通路が主通路を構成する。各内部通路を背圧室68を介してつなぐ通路が副通路を構成する。背圧室68の圧力は、パイロット弁56の開閉状態によって変化する。
ソレノイド52がオフにされた状態(非通電状態)では、パイロット弁56が閉弁して副通路を閉じ、主弁54が閉弁して主通路を遮断する。すなわち、ソレノイド力が作用しないため、スプリング88によってパイロット弁体76が閉弁方向に付勢され、パイロット弁56が閉弁状態となる。このとき、背圧室68の圧力と主弁54の上流側圧力とがほぼ等しくなり、主弁体64には主弁54の上流側圧力(一次圧)と下流側圧力(二次圧)との差圧が閉弁方向に作用する。一次圧が高い通常の状態では主弁体64が押し下げられ、主弁座60に着座して主弁54を閉じる。
一方、ソレノイド52がオンにされた状態(通電状態)では、パイロット弁56が開弁して副通路を開き、主弁54が開弁して主通路を開放する。すなわち、ソレノイド力が作用するため、スプリング88の付勢力に抗してパイロット弁体76が開弁方向に駆動され、パイロット弁56が開弁状態となる。このとき、背圧室68の圧力と主弁54の下流側圧力とがほぼ等しくなり、主弁体64には一次圧と二次圧との差圧が開弁方向に作用する。一次圧が高い通常の状態では主弁体64が押し上げられ、主弁座60から離間して主弁54を開く。
湯張り時においてはソレノイド52への通電がなされ、開閉弁2が全開状態に維持される。このとき、上流側から導入ポート13を介して湯水が導入され、その水圧により第1逆止弁ユニット5aおよび第2逆止弁ユニット5bのそれぞれにおいて逆止弁4と逆止弁8が開弁状態となる。すなわち、第1下流側通路19aおよび第2下流側通路19bの双方を介して浴槽へ湯水が供給されるようになり、湯張り完了までの時間短縮が可能となる。このような通水時においては、一次圧のほうが二次圧よりも高くなるため、大気開放弁6は閉弁状態を維持する。
一方、湯張りを停止させる際には、ソレノイド52への通電をオフにする。それにより、ソレノイド52による吸引力がなくなるため、スプリング88の付勢力によりパイロット弁体76がパイロット弁座72に着座して、パイロット弁56を閉じる。その結果、主弁54が主弁座60に着座し、開閉弁2が閉弁状態となる。
このとき、開閉弁2により湯水の導入が遮断されるため、第1逆止弁ユニット5aおよび第2逆止弁ユニット5bのそれぞれにおいて逆止弁4および逆止弁8がスプリング132,142の付勢力により閉弁状態となる。一方、給湯装置が正常に動作する限り、一次側管部16から導入される圧力のほうが、逆止弁4と逆止弁8との間の圧力よりも高くなるため、大気開放弁6は閉弁状態を維持する。
このようにして浴槽に湯が供給された状態において、大気開放弁6の感圧室100には、検圧通路104を介して一次圧が導入されている。この一次圧は通常、二次圧より大きいため、大気開放弁6は閉弁状態を保持する。しかし、例えば停電や断水により給水装置において負圧が発生すると、大気開放弁6がその一次圧の低下を感知して開弁する。それにより、第1逆止弁ユニット5aおよび第2逆止弁ユニット5bのそれぞれにおいて、逆止弁4と逆止弁8との間の空間にある水が大気に放出される。このとき、仮に第1逆止弁ユニット5aおよび第2逆止弁ユニット5bのいずれかにおいて逆止弁8が異物の噛み込み等、何らかの要因で水密不良となっていたとすると、浴槽の汚水がその水頭圧により逆止弁8を介して大気開放弁6まで逆流する。しかし、その汚水は大気開放弁6により大気に放出されるため、給湯装置の内部ひいては上水道へ逆流することはない。
以上に説明したように、本実施形態によれば、制御弁ユニット1の流体通路17が開閉弁2の下流側で分岐する。単一の導入ポート13に対して複数の導出ポート15(第1導出ポート15a、第2導出ポート15b)が設けられるため、湯張り時に下流側の圧力損失を抑制でき、浴槽へ供給する湯水の流量を大きくできる。一方で導入ポート13を単一にできるため、上流側の外部配管は単一にできる。その結果、給湯装置において流量を大きくしつつも省スペース化を維持できる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る制御弁ユニットの外観を表す正面図である。図7は、制御弁ユニットの右側面図である。図8は、図7のD−D矢視断面図である。図9は、図6のC−C矢視断面図である。以下では第1実施形態との相異点を中心に説明する。
図6および図7に示すように、制御弁ユニット201は、二次側管部18の配置構造と大気開放弁6の数が第1実施形態と異なる。図8および図9にも示すように、制御弁ユニット201は、共用のボディ212に開閉弁2、2つの逆止弁ユニット5、2つの大気開放弁6およびフローセンサ10を一体に組み付けて構成される。
図8に示すように、ボディ212において、本体14の軸線に対して対称な位置に第1大気開放弁6aと第2大気開放弁6bが設けられている。そして、第1大気開放弁6aと第2大気開放弁6bとの間に第1管部18aと第2管部18bが並設されている。大気開放弁6a,6bは、第1実施形態の大気開放弁6と同様の構造を有する。各大気開放弁6a,6bの感圧室100は、圧力室62に連通する。第1大気開放弁6aの開放室102は、第1下流側通路19aにおける逆止弁4と逆止弁8との間に連通する。第2大気開放弁6bの開放室102は、第2下流側通路19bにおける逆止弁4と逆止弁8との間に連通する。
本実施形態においても、単一の導入ポート13に対して複数の導出ポート15(第1導出ポート15a、第2導出ポート15b)が設けられる。このため、第1実施形態と同様に、給湯装置において流量を大きくしつつも省スペース化を維持できる。一方、本実施形態では2つの逆止弁ユニット5のそれぞれに対応して大気開放弁6が設けられる。下流側通路19の断面積が大きいため、断水や停電によって一次圧が低下したときの逆流水の流量も大きくなるところ、本実施形態によれば、その逆流水の排出をより確実に行えるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施形態では、制御弁ユニットにおいて導入ポートを一つ、導出ポートを2つ設ける構成を例示した。変形例においては、導出ポートを3つ以上設けてもよい。その場合、開閉弁の下流側を3つ以上に分岐させ、複数の下流側通路のそれぞれに逆止弁ユニットを設ける。各下流側通路において、第1逆止弁と第2逆止弁との間の空間を大気開放弁の開放室に連通させる。複数の逆止弁ユニットのそれぞれに対して大気開放弁を一つずつ設けてもよいし、いずれか複数の逆止弁ユニットについて共用の大気開放弁を設けてもよい。
他の変形例においては、導入ポートを複数設けてもよい。導出ポートの数を導出ポートのそれより多く設定することで、下流側の圧力損失を抑制し、制御対象となる流体の流量を大きくできる。導入ポートの数を相対的に少なくすることで、設置対象における省スペース化に寄与できる。
上記実施形態では、逆止弁ユニット5において、逆止弁4(第1逆止弁)と逆止弁8(第2逆止弁)でボディ120を共用とした。変形例においては、第1逆止弁と第2逆止弁のそれぞれに個別のボディを設け、二次側管部に配設してもよい。第1逆止弁と第2逆止弁は、このように別体であっても2連の逆止弁として「逆止弁ユニット」を構成する。
上記実施形態においては、フローセンサ10の一例を示したが、流量検出機能があればよく、センサタイプ(検出方式)および構造はこれに限られない。ただし、二次側管部に2連逆止弁を配設する都合上、フローセンサは一次側管部に配設するのが好ましい。それにより、制御弁ユニット全体としてコンパクト化を図ることができる。
上記実施形態では、開閉弁2をソレノイド駆動の電磁弁としたが、駆動部として例えばステッピングモータ等を採用するなど、モータ駆動の電動弁としてもよい。
上記実施形態では、本発明の制御弁ユニットを給湯装置に適用する例を示した。変形例においては、湯水以外を制御対象とし、流体の流量の調整や遮断が必要となる流体循環装置に適用してもよい。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
1 制御弁ユニット、2 開閉弁、4 逆止弁、5 逆止弁ユニット、6 大気開放弁、8 逆止弁、10 フローセンサ、12 ボディ、13 導入ポート、15 導出ポート、16 一次側管部、17 流体通路、18 二次側管部、19 下流側通路、50 弁本体、52 ソレノイド、54 主弁、56 パイロット弁、62 圧力室、68 背圧室、100 感圧室、102 開放室、110 接続通路、112 排出通路、201 制御弁ユニット、212 ボディ、P 分岐点。

Claims (2)

  1. 一次側から二次側への流体の流れを制御する制御弁ユニットであって、
    一次側から流体を導入する導入ポートと、二次側へ流体を導出する導出ポートとをつなぐ流体通路が形成されたボディと、
    前記流体通路の中途に弁部を有し、一次側から二次側への流体の流れを許容又は遮断する開閉弁と、
    第1逆止弁および第2逆止弁を直列に含み、前記流体通路における前記開閉弁の下流側に設けられた逆止弁ユニットと、
    一次側の圧力低下に応動して前記流体通路における前記第1逆止弁と前記第2逆止弁との間の空間を大気に開放する大気開放弁と、
    を備え、
    逆止弁ユニットとして、第1逆止弁ユニットおよび第2逆止弁ユニットを含み、
    前記ボディは、
    前記流体通路における前記開閉弁の下流側に分岐点を有し、その分岐点の下流側に第1下流側通路と第2下流側通路とを並列に有し、
    前記導出ポートとして、前記第1下流側通路に設けられた第1導出ポートと、前記第2下流側通路に設けられた第2導出ポートを含み、
    前記第1逆止弁ユニットが前記第1下流側通路に設けられ、前記第2逆止弁ユニットが前記第2下流側通路に設けられていることを特徴とする制御弁ユニット。
  2. 前記大気開放弁として、第1大気開放弁および第2大気開放弁を含み、
    前記第1大気開放弁が、一次側の圧力低下に応動して前記第1下流側通路における前記第1逆止弁と前記第2逆止弁との間の空間を大気に開放し、
    前記第2大気開放弁が、一次側の圧力低下に応動して前記第2下流側通路における前記第1逆止弁と前記第2逆止弁との間の空間を大気に開放することを特徴とする請求項1に記載の制御弁ユニット。
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