JP2021070758A - 樹脂組成物、およびその硬化膜 - Google Patents

樹脂組成物、およびその硬化膜 Download PDF

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Abstract

【課題】低屈折率かつ優れた塗布性を示す樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)ポリシロキサン、及び(B)ケトン系化合物を含む樹脂組成物であって、前記(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、フッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基を20〜50モル%含み、前記樹脂組成物100質量%中に、(B)ケトン系化合物を50質量%以上含む、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、およびその硬化膜、ならびにそれを具備する固体撮像素子、有機EL素子、表示装置に関する。
電荷結合素子: C C D (charge coupled devices)や相補形金属酸化膜半導体: C M O S(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子、あるいはディスプレイ用基板、有機EL素子などにおいて、それらを構成する各種部材に対し様々なコーティング材料が用いられる。これらのコーティング材料には、高い透明性、適切な屈折率などの光学特性に加え、欠陥無く基板上にコーティングできる高い塗布性や、続く工程に対応できる耐薬品性、耐熱性など多くの特性が求められる。近年の各種電子デバイスの高機能化に伴い、適用されるコーティング材料に要求される特性も厳しくなりつつある。その要求特性の一つとして、コーティング材料のさらなる低屈折率化が挙げられ、屈折率が1.4未満となるような低屈折率材料が各社で精力的に検討、開発がおこなわれている。低屈折率に加え、コーティング材料として各種優れた特性を有する材料の一つとして特許文献1、2に示すように、ポリシロキサンが知られている。ポリシロキサンを低屈折率化させる手法の一つとして、特許文献1記載のようにシリカナノ粒子などの粒子添加が知られているが、粒子成分の凝集による配管詰まりの発生など生産性の低下が避けられない。そこで、粒子添加無しでポリシロキサンを低屈折率化させる手法が重要視されつつある。その一つとして、特許文献2記載のように、ポリシロキサンの側鎖にフッ素含有基を多量に導入するという手法がある。
特開2013−014680号公報 特開2007−119744号公報
しかしながら前記特許文献2に記載の、フッ素原子を多量に含んだポリシロキサン材料は、基板に対する塗布性が悪く、塗布ムラや凝集物、ストリエーションが生じる、という課題があった。このような背景から、粒子添加無しで低屈折率を示し、かつ塗布性に優れたフッ素含有ポリシロキサン材料が強く求められた。
上記で述べた課題を解決するために、本発明は、粒子添加無しで、低屈折率かつ優れた塗布性を示す樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下である。
(A)ポリシロキサン、及び(B)ケトン系化合物を含む樹脂組成物であって、
前記(A)ポリシロキサンは、以下の一般式(1)及び/又は(2)で示される構造、以下の一般式(3)及び/又は(4)で示される構造、並びに、以下の一般式(5)及び/又は(6)で示される構造、を含み、
前記(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、フッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基を20〜50モル%含み、
前記樹脂組成物100質量%中に、(B)ケトン系化合物を50質量%以上含む、樹脂組成物。
Figure 2021070758
(R1はフッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜10の有機基を表し、R1〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aは1〜3の整数を示す。)
本発明によれば、低屈折率、かつ塗布性に優れた樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<(A)ポリシロキサン>
本発明の樹脂組成物は、以下の一般式(1)及び/又は(2)で示される構造、以下の一般式(3)及び/又は(4)で示される構造、並びに、以下の一般式(5)及び/又は(6)で示される構造を含む、(A)ポリシロキサンを含有する。ポリシロキサンがこれらの構造を有することで、ゲル化などを起こさず安定的に重合および保存が可能となり、かつ1.4未満の低屈折率を実現することができる。
Figure 2021070758
(R1はフッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜10の有機基を表し、R1〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aは1〜3の整数を示す。)
一般式(1)〜(6)で表される構造において、R1はフッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜10の有機基を表し、R1〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aは1〜3の整数を示す。
1のフッ化アルキル基の具体例としては、ノナフルオロヘキシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、トリデカフルオロオクチル基、5,5,6,6,7,7,7-ヘプタフルオロ-4,4-ビス(トリフルオロメチル)ヘプチル基、などが挙げられる。
(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、フッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基を、20〜50モル%含有することが好ましく、25〜40モル%含有することがより好ましい。(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中のフッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基の含有量がこの範囲であることで、1.4未満の低屈折率を達成しつつ良好な塗布性を保つことがきる。フッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基の含有量は、H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IR、TOF−MS、元素分析法、灰分測定などを組み合わせて求めることができる。1.4未満の低屈折率を達成しつつ良好な塗布性を保つ観点からは、同様に、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、R1を、20〜50モル%含有することが好ましく、25〜40モル%含有することがより好ましい。
のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。これらのうち、重合性の制御の観点から、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、つまりRは、エチル基及び/又はプロピル基を含むことが好ましい。
のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、t−ブチレン基などが挙げられる。
上記一般式(3)、(4)で表される構造におけるRに直結する部分の具体例としては、aは1〜3の整数であるが、耐薬品性の観点からaは1〜2が好ましく、aが1であるとさらに好ましい。これらの具体例を一般式で示すと以下の構造が挙げられる。
Figure 2021070758
ここで*は、Rに直結する結合を示す。Rが単結合の場合には、ケイ素原子に直結する結合を示す。
R4は炭素数1〜10の有機基であれば特に限定されない。R4の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロヘキシル基、などの炭化水素基;3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル基、などのアミノ基含有基;β−シアノエチル基などのシアノ基含有基;グリシドキシメチル基、α−グリシドキシエチル基、α−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、α−グリシドキシブチル基、β−グリシドキシブチル基、γ−グリシドキシブチル基、σ−グリシドキシブチル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、などのエポキシ基含有基;3−クロロプロピルメチル基などのクロロ基含有基;2,2,2―トリフルオロエチル基、3,3,3―トリフルオロプロピル基などのフルオロ基含有基;γ−アクリロイルプロピル基、γ−メタクリロイルプロピル基、などのα,β-不飽和エステル基含有基;ビニル基、スチリル基、などのビニル基含有基;などが挙げられるが、レベリング性や耐薬品性向上の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、グリシドキシメチル基、α−グリシドキシエチル基、α−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、α−グリシドキシブチル基、β−グリシドキシブチル基、γ−グリシドキシブチル基、σ−グリシドキシブチル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、ビニル基、スチリル基、が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でもRは、ビニル基及び/又はエポキシ基を含むことが特に好ましい。
また本発明において一般式(2)、(4)、(6)で表される構造は、下記の(2’)、(4’)、(6’)とも表記され、これらは同一の構造を意味する。
Figure 2021070758
(A)ポリシロキサンは、下記一般式(7)〜(12)で表される構造を含んでいてもよい。(A)ポリシロキサン中における、一般式(7)〜(12)で表される構造の合計含有量は、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、0〜30モル%が好ましく、0〜20%がより好ましく、0〜5%がさらに好ましく、0〜3%が特に好ましい。一般式(7)〜(12)で表される構造の合計含有量が、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に0〜30モル%とすることで、OH基同士の凝集が抑制され、塗布時の欠陥数や親水部分と疎水部分の偏在による塗布ムラなどを低減することができる。そして、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中の一般式(7)〜(12)で表される構造の合計含有量が低減するほどOH基同士の凝集がより強く抑制され、塗布時の欠陥数や塗布ムラなどを低減でき、この合計含有量が0%のときに最も良好となる。一般式(7)〜(12)で表される構造の合計含有量は、H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IR、TOF−MS、元素分析法、灰分測定などを組み合わせて求めることができる。
Figure 2021070758
(A)ポリシロキサンは、下記一般式(13)、(14)、及び(15)で示されるアルコキシシランを、(B)ケトン系化合物を含む溶剤中で、加水分解及び重縮合させることで得ることでき、このようにして得たポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2021070758
加水分解反応は、(B)ケトン系化合物を含む溶剤中、一般式(13)、(14)、及び(15)で示されるアルコキシシランに、酸触媒および水を1〜180分かけて添加した後、室温〜110℃で1〜180分反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは40〜105℃である。
また、加水分解反応によりシラノール化合物を得た後、反応液を50℃以上溶剤の沸点以下で1〜100時間加熱し、縮合反応を行うことが好ましい。また、縮合反応により得られるシロキサン化合物の重合度を上げるために、酸または塩基触媒の添加、または再加熱を行うことも可能である。
加水分解における各種条件は、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して、たとえば酸濃度、反応温度、反応時間などを設定することによって、目的とする用途に適した物性を得ることができる。
加水分解反応に用いる水としては、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に選択可能であるが、アルコキシシラン化合物1モルに対して、1.0〜4.0モルの範囲で用いることが好ましい。
加水分解反応に用いる酸触媒としては、塩酸、酢酸、蟻酸、硝酸、蓚酸、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。特に蟻酸、酢酸またはリン酸を用いた酸性水溶液が好ましい。
酸触媒の好ましい含有量としては、加水分解反応時に使用される全アルコキシシラン化合物100質量部に対して、好ましくは、0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。ここで、全アルコキシシラン化合物量とは、アルコキシシラン化合物、その加水分解物およびその縮合物の全てを含んだ量のことを言い、以下同じとする。酸触媒の量を0.05質量部以上とすることでスムーズに加水分解が進行し、また10質量部以下とすることで加水分解反応の制御が容易となる。
また、組成物の貯蔵安定性の観点から、加水分解、部分縮合後のポリシロキサン溶液には上記触媒が含まれないことが好ましく、必要に応じて触媒の除去を行うことができる。除去方法に特に制限は無いが、操作の簡便さと除去性の点で、水洗浄、および/またはイオン交換樹脂の処理が好ましい。水洗浄とは、ポリシロキサン溶液を適当な疎水性溶剤で希釈した後、水で数回洗浄して得られた有機層をエバポレーター等で濃縮する方法である。イオン交換樹脂での処理とは、ポリシロキサン溶液を適当なイオン交換樹脂に接触させる方法である。
本発明の樹脂組成物において、(A)ポリシロキサンの含有量に特に制限はなく、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができる。本発明の樹脂組成物の固形分100質量%中に5質量%以上50質量%が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられる(A)ポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算で、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上である。また、好ましくは100,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。Mwを上記範囲とすることで、良好な塗布特性が得られ、ストリエーションや凝集物などを減少させることができる。

(B)ケトン系化合物
本発明の樹脂組成物は、(B)ケトン系化合物を含む。(B)ケトン系化合物とはケトン化合物を意味する。(B)ケトン系化合物は、カルボニル基が水素結合のよい受容体として機能するので、本発明の樹脂組成物が(A)ポリシロキサン及び(B)ケトン系化合物を含むことにより、(B)ケトン系化合物が(A)ポリシロキサン中の水酸基を安定化することができる。これによって(A)ポリシロキサン中の親水部分の凝集が抑制され、塗布時の欠陥を低減することができる。この(B)ケトン系化合物としては、23℃1気圧下で液体または固体の性状であることが好ましい。さらに、沸点は100℃以上300℃以下が好ましく、さらに好ましくは120℃以上250℃以下である。沸点が100℃以上であることで揮発性が適度に抑えられ、コーティング時のレベリング性が向上し、均一な塗膜を形成しやすくなる。また、沸点が300℃以下であることで、膜の熱硬化後に残存しにくく、屈折率の上昇や硬化膜のアウトガスを抑制することができる。
この(B)ケトン系化合物の含有量は、樹脂組成物100質量%中に50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。本発明の樹脂組成物100質量%中に(B)ケトン系化合物を50質量%以上含むことで、水酸基の安定化効果に加え、(A)ポリシロキサンとの相溶性も向上し、塗布時の欠陥発生をさらに抑制することができる。
本発明の樹脂組成物に対する(B)ケトン系化合物の様態は特に限定されないが、溶剤や添加剤として利用することができる。ケトン系化合物としては、具体的には、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノン、2-ノナノン、3-ノナノン、4-ノナノン、5-ノナノン、4−メチル−2−ペンタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、エチルヘプチルケトン、エチルイソブチルケトン、ヘキシルプロピルケトン、2,4-ジメチル−3−ペンタノン、2-デカノン、5-メチル-2-オクタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、イソホロンなどが挙げられる。
これらのうち(B)ケトン系化合物は、炭素数が5〜15のアルキル基を有するケトン系化合物がより好ましい。ケトン系化合物が適度な疎水部分を有することで、ポリシロキサンとの相溶性がより向上し、塗布性がさらに向上する。具体例としては、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノン、2-ノナノン、3-ノナノン、4-ノナノン、5-ノナノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノンなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上用いてもかまわない。
(B)ケトン系化合物は、さらにβ―ジケトン化合物を含むことが好ましい。β―ジケトン化合物はポリシロキサン中のOH基とキレート配位のように強く相互作用することで安定化させ、塗布時における欠陥低減だけでなく保存安定性も向上する。β―ジケトン化合物の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸ベンジルなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上用いてもかまわない。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも上記(A)ポリシロキサン、及び(B)ケトン系化合物を混合することで得られるが、任意の溶剤で希釈してもよい。混合温度に特に制限はないが、操作の簡便さから5〜50℃の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられる溶剤は特に限定されないが、溶剤としてのハンドリング性を向上するために23℃1気圧下で液体の性状であることが好ましい。これよりも融点が高くなると、使用時に加温する必要があり、溶剤として扱いづらくなる。さらに、溶剤の沸点は100℃以上300℃以下が好ましく、さらに好ましくは120℃以上250℃以下である。沸点が100℃以上であることで溶剤の揮発性が適度に抑えられ、コーティング時のレベリング性が向上し、均一な塗膜を形成しやすくなる。また、沸点が300℃以下であることで、膜の熱硬化後に溶剤が残存しにくく、硬化膜のアウトガスを低減することができる。本発明の樹脂組成物に用いられる好ましい溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアルコール、4−メチルベンジルアルコール、4−イソプロピルベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、2−フェニル−2−プロパノール、2−エチルベンジルアルコール、3−エチルベンジルアルコール、4−エチルベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−1−ブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテートなどのエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイソ酪酸アミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素などのアミド系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における全溶剤の含有量は、全アルコキシシラン化合物含有量100質量部に対して、100質量部〜9900質量部の範囲が好ましく、より好ましくは、100質量部〜5000質量部の範囲である。
本発明には、金属化合物粒子が含有されていてもよい。金属化合物粒子としては、特に限定されないが、シリカ粒子を含有することが、屈折率調整の観点から好ましい。シリカ粒子および溶剤の存在下で一般式(1)及び/又は(2)で示される構造、一般式(3)及び/又は(4)で示される構造、並びに一般式(5)及び/又は(6)で示される構造に由来するシラン化合物を加水分解後に縮合反応させた、シリカ粒子との複合シロキサン系樹脂とすることが、相溶性の観点から好ましい。シリカ粒子は、数平均粒子径が1〜200nmであることが好ましい。可視光透過率の高い硬化膜を得るためには、数平均粒子径1〜120nmであることがより好ましい。中でも、中空を有するシリカ粒子の場合は数平均粒子径30〜100nmであることがより好ましい。1nm以上であれば低屈折率性が十分となり、200nm以下であれば反射が十分抑制され、膜の硬度が十分高くなる。シリカ粒子の数平均粒子径は、ガス吸着法や動的光散乱法、X線小角散乱法、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡により粒子径を直接測定する方法などにより測定することができる。本発明における粒子の数平均粒子径とは、動的光散乱法により測定した値をいう。
本発明で用いるシリカ粒子は内部が多孔質および/または中空を有するシリカ粒子や内部が多孔質でなく、かつ中空を有しないシリカ粒子が挙げられる。これらシリカ粒子のうち、コーティング膜の低屈折率化には、内部が多孔質および/または中空を有するシリカ粒子が好ましい。内部が多孔質でなく、かつ中空を有しないシリカ粒子は、粒子自体の屈折率が1.45〜1.5であるため、期待される低屈折率化効果は小さい。一方、内部が多孔質および/または中空を有するシリカ粒子は、粒子自体の屈折率が1.2〜1.4であるため、低屈折率化効果が大きい。つまり、内部が多孔質および/または中空を有するシリカ粒子は優れた硬度を付与でき、かつ低屈折率性を付与できる点で好ましく用いられる。
本発明で好適に使用される内部に中空を有するシリカ粒子とは、外殻によって包囲された中空部を有するシリカ粒子のことをいう。また本発明で使用される内部が多孔質であるシリカ粒子とは、粒子表面や内部に多数の空洞部を有するシリカ粒子のことをいう。これらのうち、透明被膜の硬度を考慮した場合、粒子自体の強度が高い中空を有するシリカ粒子が好ましい。シリカ粒子自体の屈折率は1.2〜1.4であることが好ましく、1.2〜1.35であることがより好ましい。なお、これらのシリカ粒子は、特許第3272111号公報、特開2001−233611号公報に開示されている方法によって製造できる。またこのようなシリカ粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号公報等に示された一般に市販されているものを挙げることもできる。
シリカ粒子の屈折率は以下の方法で測定することができる。シリカ粒子の含有率を0質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%に調製した固形分濃度10%のマトリックス樹脂とシリカ粒子の混合溶液サンプルを作製し、それぞれ、シリコンウエハー上に、厚さが0.3〜1.0μmとなるように、スピンコーターを用いて塗布し、ついで200℃のホットプレートで5分間、加熱、乾燥させ、コーティング膜を得る。次に例えばエリプソメータ(大塚電子(株)社製)を用いて波長633nmでの屈折率を求め、シリカ粒子100質量%の値を外挿して求めることができる。
内部が多孔質および/または中空を有するシリカ粒子をコーティング材料中に導入することは、コーティング材料から得られる膜の屈折率を最適化することができるだけでなく、膜の硬度を高めることができるため好ましい。
内部が多孔質でなく、かつ中空を有しないシリカ粒子とは、例えば、粒子径12nmのイソプロパノールを分散剤としたIPA−ST、粒子径12nmのメチルイソブチルケトンを分散剤としたMIBK−ST、粒子径45nmのイソプロパノールを分散剤としたIPA−ST−L、粒子径100nmのイソプロパノールを分散剤としたIPA−ST−ZL(以上、商品名、日産化学工業(株)製)、粒子径12nmのγ−ブチロラクトンを分散剤としたオスカル101、粒子径60nmのγ−ブチロラクトンを分散剤としたオスカル105、粒子径120nmのジアセトンアルコールを分散剤としたオスカル106(以上、商品名、日揮触媒化成工業(株)製)が挙げられる。なお、中空の有無については、TEM(走査型電子顕微鏡)写真により粒子断面像によって確認できる。
市販されているシリカ粒子の例としては、オルガノシリカゾルの“OSCAL”(日揮触媒化成工業(株)製)、コロイダルシリカ“スノーテックス”、オルガノシリカゾル(日産化学工業(株)製)、高純度コロイダルシリカ、高純度オルガノゾル“クォートロン”(扶桑化学工業(株))などが挙げられる。
また、低屈折率の硬化膜を得るには、中空シリカ粒子を含有することが好ましい。中空の有無については、TEM(走査型電子顕微鏡)写真により粒子断面像によって確認できる。シリカ粒子の含有量に特に制限はなく、用途によって適当な量とすることができるが、シロキサン系樹脂組成物の全固形分の1〜80質量%程度とするのが一般的である。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤の具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などがあり、これらを一種類、ないし2種類以上含有してもよい。なかでも、塗膜の透明性、硬化剤の安定性などから金属キレート化合物が好ましく用いられる。
金属キレート化合物としてはチタンキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物およびマグネシウムキレート化合物が挙げられる。これらの金属キレート化合物は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステルなどを挙げることができる。金属キレート化合物の好ましい具体的な例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などのアルミニウムキレート化合物、エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)などのマグネシウムキレート化合物が挙げられる。硬化剤の含有量は、シロキサン樹脂組成物中の固形分中好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、より好ましくは、0.5質量%〜6質量%である。
ポリシロキサンは酸により硬化が促進されるので、本発明の樹脂組成物中に熱酸発生剤等の硬化触媒を含有してもよい。熱酸発生剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、トリアリールセレニウム塩等の各種オニウム塩系化合物、スルホン酸エステル、ハロゲン化合物等が挙げられる。
具体例として、スルフォニウム塩としては、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「W」 三新化学工業(株)製)、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「O」 三新化学工業(株)製)、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「N」 三新化学工業(株)製)、4−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート、4−ヒドロキシフェニルメチル−1−ナフチルメチルスルフォニウムトリフレート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「J」 三新化学工業(株)製)、ベンジル−4−メトキシカルボニルオキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「T」 三新化学工業(株)製)、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「U」 三新化学工業(株)製)、4−アセトキシフェニルメチル−4−メチルベンジルスルフォニウムトリフレート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「V」 三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、4−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、4−ヒドロキシフェニルメチル−1−ナフチルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、ベンジル−4−メトキシカルボニルオキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート(試作品「A」 三新化学工業(株)製)、4−アセトキシフェニルメチル−4−メチルベンジルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート(商品名「SI−150」 三新化学工業(株)製)、「SI−180L」(三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルメチル−1−ナフチルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシカルボニルオキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルメチル−4−メチルベンジルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジメチルアミノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、ナフチルジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジメチルアミノナフチルジアゾニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
ジアリールヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’−ジ−t−ブチル−ジフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’−ジ−t−ブチル−ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4’−ジ−t−ブチル−ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイト等が挙げられる。
トリアリールスルフォニウム塩としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、トリ(p−クロロフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−クロロフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト、トリ(p−クロロフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、4−t−ブチルトリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト等が挙げられる。
トリアリールセレニウム塩としては、トリフェニルセレニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロフォスフェイト、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、ジ(クロロフェニル)フェニルセレニウムテトラフルオロボレート、ジ(クロロフェニル)フェニルセレニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジ(クロロフェニル)フェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト等が挙げられる。
スルホン酸エステルとしては、ベンゾイントシレート、p−ニトロベンジル−9,10−エトキシアントラセンー2−スルフォネート、2−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、2−クロロ−2−フェニルアセトフェノン、2,2’,4’−トリクロロアセトフェノン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1´−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ビス−2−(4−クロロフェニル)−1,1,1−トリクロロエタン、ビス−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノール、ビス−2−(4−メトキシフェニル)−1,1,1−トリクロロエタン等が挙げられる。
その他、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジルトリフレート(商品名「NDI−105」 みどり化学(株)製)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジルトシレート(商品名「NDI−101」 みどり化学(株)製)、4−メチルフェニルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−101」 みどり化学(株)製)、トリフルオロメチルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−105」 みどり化学(株)製)、9−カンファースルフォニルオキシイミノα−4−メトキシフェニルアセトニトリル(商品名「PAI−106」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジルブタンスルフォネート(商品名「NAI−1004」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジルトシレート(商品名「NAI−101」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジルトリフレート(商品名「NAI−105」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジルノナフルオロブタンスルフォネート(商品名「NAI−109」 みどり化学(株)製)等の熱酸発生剤も例として挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、塗布時のフロー性向上のために、各種のフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、“メガファック(登録商標)”F142D、同F172、同F173、同F183、同F430、同F444、同F445、同F470、同F475、同F477、同F553、同F554、同F555、同F556、同F559、同F560、同F563(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、NBX−15、FTX−218、DFX−18((株)ネオス製)、LE−604、LE−605、LE−606、LE−607(共栄社化学(株)製)などのフッ素系界面活性剤、BYK−333、BYK−301、BYK−331、BYK−345、BYK−307(ビックケミージャパン(株)製)KL−402、KL−403、KL−404、KL−700、LE−302、LE−303、LE−304、LE−604、LE−605、LE−606、LE−607(共栄社化学(株)製)などのシリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
さらに、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、架橋剤、架橋促進剤、増感剤、熱ラジカル発生剤、溶解促進剤、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤等の添加剤を含有することもできる。
<硬化膜の形成方法>
本発明の硬化膜は、本発明の樹脂組成物を硬化させてなるものである。
硬化膜の形成方法は特に限定されないが、以下では、本発明の樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する一つの方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は、スピンナー、ディッピング、スリット、マイクログラビアなどの公知の方法によってシリコンウエハー、ガラス板、セラミックス板などの基板上に塗布、乾燥し、乾燥後の樹脂膜を熱処理することによって、硬化膜となる。乾燥温度は50〜150℃ が好ましい。乾燥後の膜厚は、固体撮像素子用の平坦化材料、低屈折率層に用いる場合には、0.1 〜10μm が好ましく、0.2〜5μm がより好ましい。熱処理の温度としては、180〜300℃ の範囲にあることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜は、波長400nmにおける膜厚1μmあたりの光透過率が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。このような高い透過率は、例えば透明性の高いポリシロキサンを樹脂成分として用いた樹脂組成物により容易に得ることができる。
硬化膜の波長400nmにおける膜厚1μmあたりの透過率は、以下の方法により求められる。本発明の樹脂組成物をテンパックスガラス板にスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて100℃で3分間プリベークする。ホットプレートを用いて大気中220℃で5分間熱硬化して膜厚1μmの硬化膜を作製する。得られた硬化膜の紫外可視吸収スペクトルを(株)島津製作所製MultiSpec−1500を用いて測定し、波長400nmでの透過率を求める。別の方法としては、対象硬化膜の各波長による消衰係数、膜厚を大塚電子(株)製分光エリプソメータFE5000により測定し、下記式により求めることができる。
透過率=exp(−4πkt/λ)
ただし、kは消衰係数、tは膜厚、λは測定波長を表す。
本発明の樹脂組成物およびそれを硬化させた硬化膜は、固体撮像素子、光学フィルター、有機EL素子、および表示装置である液晶ディスプレイ、有機ELテレビ、特に透明液晶テレビ等に好適に用いられる。より具体的には、裏面照射型CMOSイメージセンサなどの固体撮像素子光学フィルターの反射防止膜、混色防止壁、透明画素、ディスプレイ用TFT基板の平坦化材、液晶ディスプレイ、シースルーディスプレイ等のカラーフィルターおよびその保護膜、位相シフター、反射防止膜、等が挙げられる。また、半導体装置のバッファコート、層間絶縁膜や、各種保護膜として用いることもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。合成例および実施例に用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
MAK:2−ヘプタノン
DIBK:ジイソブチルケトン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PTB:プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル
IPA:イソプロピルアルコール
EAA:アセト酢酸エチル
MTES:メチルトリエトキシシラン
MTMS:メチルトリメトキシシラン
MTPS:メチルトリプロポキシシラン
HfTES:4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)−1−トリエトキシシリルベンゼン
TfTES:トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン
CfTMS:トリフルオロメチルプロピルトリメトキシシラン
VTMS:ビニルトリメトキシシラン
ECTMS:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン

<一般式(7)〜(12)で示される構造の比率測定>
29Si−NMRの測定を行い、全体の積分値から、それぞれのオルガノシランに対する積分値の割合を算出することによって、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中の、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計の量を計算した。試料(液体)は直径10mmの“テフロン”(登録商標)製NMRサンプル管に注入し測定に用いた。29Si−NMRの測定条件を以下に示す。
装置:日本電子社製JNM GX−270、測定法:ゲーテッドデカップリング法
測定核周波数:53.6693MHz(29Si核)、スペクトル幅:20000Hz
パルス幅:12μsec(45°パルス)、パルス繰り返し時間:30.0sec
溶剤:アセトン−d6、基準物質:テトラメチルシラン
測定温度:室温、試料回転数:0.0Hz。
<固形分濃度の測定>
ポリシロキサン溶液の固形分濃度は、以下の方法により求めた。アルミカップにポリシロキサン溶液を1.5g秤取し、ホットプレートを用いて250℃で30分間加熱して液分を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分を秤量して、ポリシロキサン溶液の固形分濃度を求めた。
合成例1 HfTESの合成
HfTES(Hf-1)を合成するために以下の反応を行った。
Figure 2021070758
還流管を取り付けた300mL三口フラスコ内に、予め乾燥させておいた2-(3-ブロモフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパノール(H−1)6.46g(20.0mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド7.38g(40.0mmol)、およびビス(アセトニトリル)(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボラート0.2280g(0.60mmol)を室温で採取した。次いで、アルゴン雰囲気下で、脱水処理したN,N−ジメチルホルムアミド120mL、脱水処理したトリエチルアミン11.1mL(80.0mmol)、およびトリエトキシシラン7.40mL(40.0mmol)を加えて、80℃に昇温し、4時間攪拌した。反応系を室温までに自然冷却した後、溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミドを留去し、次いでジイソプロピルエーテルを200mL加えた。生じた沈殿に、セライトを接触させて濾過した後、濾液を100mLの水で3回洗浄し、NaSOを加えて脱水乾燥させ、さらに濾過した後、溶剤を留去した。反応物である残渣を、クーゲルロール装置を用いて140℃〜190℃、200Paの条件にて蒸留生成し、無色液体としてHfTES(Hf-1)を得た。得られたHfTES(Hf-1)の、H−NMR測定結果は以下のようになった。
H−NMR(溶剤CDCl3(重水素化クロロホルム)、TMS(テトラメチルシラン)):δ8.03(1H,s),7.79(2H,d,J=7.6Hz),7.47(1H,t,J=7.6Hz),4.16(1H,s),3.88(6H,q,J=5.0Hz),1.24(9H,t,J=7.4Hz)。
合成例2 ポリシロキサン(P−1)の合成
500mLの三口フラスコにMTESを26.8g(0.15mol)、HfTESを12.2g(0.030mol)、TfTESを10.2g(0.020mol)、MAKを34.6g、IPAを8.6g仕込み、40℃で攪拌しながら水10.8g、リン酸0.49g(仕込みモノマーに対して1.0質量%)、IPA2.70gを混和したリン酸溶液を10分間かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて60分間攪拌した後、オイルバスを15分間かけて130℃まで昇温した。昇温開始10分後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから1時間加熱攪拌し(内温は100〜125℃)、ポリシロキサン(P−1)を得た。なお、昇温および加熱攪拌中、窒素を0.07l(リットル)/分、流した。反応中に副生成物であるエタノール、水が合計52.5g留出した。得られたポリシロキサン(P−1)の固形分濃度は53.1質量%であった。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中の、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、10mol%であった。
合成例3 ポリシロキサン(P−2)の合成
MTESを23.2g(0.13mol)、TfTESを20.4g(0.040mol)とした以外は合成例2と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−2)を得た。得られたポリシロキサン(P−2)の固形分濃度は51.2質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計51.1g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、15mol%であった。
合成例4 ポリシロキサン(P−3)の合成
MTESを19.6g(0.11mol)、TfTESを30.6g(0.060mol)とした以外は合成例3と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−3)を得た。得られたポリシロキサン(P−3)の固形分濃度は51.8質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計51.8g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、22mol%であった。
合成例5 ポリシロキサン(P−3’)の合成
内温100℃以上の攪拌時間を0.5時間とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−3’)を得た。得られたポリシロキサン(P−3’)の固形分濃度は48.7質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計44.5g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、45mol%であった。
合成例6 ポリシロキサン(P−3’’)の合成
内温100℃以上の攪拌時間を2時間とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−3’’)を得た。得られたポリシロキサン(P−3’’)の固形分濃度は53.2質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計54.1g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、0mol%であった。
合成例7 ポリシロキサン(P−4)の合成
MTESを10.7g(0.060mol)、TfTESを56.1g(0.11mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−4)を得た。得られたポリシロキサン(P−4)の固形分濃度は51.1質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計51.5g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、25mol%であった。
合成例8 ポリシロキサン(P−5)の合成
HfTESを56.9g(0.14mol)、TfTESを30.6g(0.060mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−5)を得た。得られたポリシロキサン(P−5)の固形分濃度は51.1質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計51.5g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、25mol%であった。
合成例9 ポリシロキサン(P−6)の合成
MTESを25.0g(0.14mol)、TfTESを30.6g(0.060mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−5)を得た。得られたポリシロキサン(P−6)の固形分濃度は51.1質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.0g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、24mol%であった。
合成例10 ポリシロキサン(P−7)の合成
MTESを25.0g(0.14mol)、HfTESを24.4g(0.060mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−5)を得た。得られたポリシロキサン(P−7)の固形分濃度は52.2質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.0g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、17mol%であった。
合成例11 ポリシロキサン(P−8)の合成
TfTESをCfTES 13.1g(0.060mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−8)を得た。得られたポリシロキサン(P−8)の固形分濃度は52.8質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.5g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、21mol%であった。
合成例12 ポリシロキサン(P−9)の合成
MTESを10.7g(0.060mol)、TfTESをCfTES 24.0g(0.11mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−9)を得た。得られたポリシロキサン(P−9)の固形分濃度は52.5質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.0g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、32mol%であった。
合成例13 ポリシロキサン(P−10)の合成
MTESをMTMS 15.0g(0.11mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−10)を得た。得られたポリシロキサン(P−10)の固形分濃度は51.4質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.0g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、38mol%であった。
合成例14 ポリシロキサン(P−11)の合成
MTESをMTPS 24.2g(0.11mol)とした以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−10)を得た。得られたポリシロキサン(P−10)の固形分濃度は51.4質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.0g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、11mol%であった。
合成例15 ポリシロキサン(P−12)の合成
MTESを17.8g(0.10mol)とし、VTMS 1.5g(0.010mol)を添加した以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−12)を得た。得られたポリシロキサン(P−12)の固形分濃度は53.0質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.2g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、21mol%であった。
合成例16 ポリシロキサン(P−13)の合成
MTESを17.8g(0.10mol)とし、ECTMS 2.5g(0.010mol)を添加した以外は合成例4と同様の仕込み量および手順でポリシロキサン(P−12)を得た。得られたポリシロキサン(P−12)の固形分濃度は53.0質量%であり、副生成物であるエタノール、水は合計52.2g留出した。29Si−NMRの測定により、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計のモル量は、20mol%であった。
合成例2〜16で得られた(A)ポリシロキサンの原料であるアルコキシシランの仕込み量を表1に示す。
Figure 2021070758
表1において、「(7)〜(12)の含有量(mol%)」とは、(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中の、一般式(7)〜(12)で示される構造の合計の量を意味する。
得られた樹脂組成物の各評価は、以下の方法で行った。
(1)膜厚測定
シリコンウエハー上に形成した膜について、ラムダエースSTM−602(商品名、大日本スクリーン製)を用いて、屈折率1.40でプリベーク膜、現像後膜および硬化膜の厚さを測定した。
(2)屈折率の測定
得られた硬化膜について、大塚電子(株)製分光エリプソメータFE5000を用いて、22℃での633nmにおける屈折率を測定した。
(3)透過率の測定(400nm波長、1μm換算)
得られた硬化膜の400nm波長による消衰係数を大塚電子(株)製分光エリプソメータFE5000により測定し、下記式により400nm波長における膜厚1μm換算での光透過率(%)を求めた。
光透過率=exp(−4πkt/λ)
ただし、kは消衰係数、tは換算膜厚(μm)、λは測定波長(nm)を表す。なお本測定では1μm換算の光透過率を求めるため、tは1(μm)となる。
(4)塗布性の評価
得られた硬化膜を顕微鏡で観察することにより、異物、ハジキ、ストリエーションの有無を評価し、B以上を合格とした。
A:全面に異物、ハジキ、ストリエーションは観察されない。
B:ウエハー全面に1〜10個の異物、ハジキ、ストリエーションが見られる。
C:ウエハー全面に10〜99個の異物、ハジキ、ストリエーションが見られる。
D:ウエハー全面に100個以上の異物、ハジキ、ストリエーションが見られる。

実施例1
表2の(I)樹脂組成物の比率にて調合を行い、黄色灯下で混合、撹拌して均一溶液とした後、0.20μmのフィルターで濾過して組成物1を調製した。
組成物2を調製直後に4インチシリコンウエハーにスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いてスピン塗布した後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて100℃で3分間加熱し、膜厚0.45μmのプリベーク膜を作製した。その後、プリベーク膜をホットプレートを用いて230℃で5分間キュアして硬化膜2(実施例1の硬化膜)を作製した。
硬化膜2を用いて(2)屈折率の測定と(3)透過率の測定、(4)塗布性の評価を行なった。これらの結果を表3に示す。
実施例2〜14、比較例1〜7
樹脂組成物(I)と同様にして、表2に示す組成の組成物2〜18を調製した。得られた各組成物を用いて、実施例1と同様にして硬化膜1を作製し、評価を行なった。評価結
Figure 2021070758
Figure 2021070758

Claims (12)

  1. (A)ポリシロキサン、及び(B)ケトン系化合物を含む樹脂組成物であって、
    前記(A)ポリシロキサンは、以下の一般式(1)及び/又は(2)で示される構造、以下の一般式(3)及び/又は(4)で示される構造、並びに、以下の一般式(5)及び/又は(6)で示される構造、を含み、
    前記(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、フッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基を20〜50モル%含み、
    前記樹脂組成物100質量%中に、(B)ケトン系化合物を50質量%以上含む、樹脂組成物。
    Figure 2021070758
    (R1はフッ素数9〜21及び炭素数6〜12のフッ化アルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜10の有機基を表し、R1〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。aは1〜3の整数を示す。)
  2. 前記(B)ケトン系化合物は、炭素数が5〜15のアルキル基を有するケトン系化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(A)ポリシロキサンのケイ素原子100モル%中に、以下の一般式(7)〜(12)で示される構造の合計を0〜30モル%含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2021070758
  4. 前記(A)ポリシロキサンの重量平均分子量が、10,000〜100,000である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記Rは、ビニル基及び/又はエポキシ基を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記Rは、エチル基及び/又はプロピル基を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記(B)ケトン系化合物は、β―ジケトン化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 前記(A)ポリシロキサンは、以下の一般式(13)、(14)、及び(15)で示されるアルコキシシランを、前記(B)ケトン系化合物を含む溶剤中で、加水分解及び重縮合させることによって得られることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2021070758
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化することにより得られる硬化膜。
  10. 請求項9に記載の硬化膜を含む、固体撮像素子。
  11. 請求項9に記載の硬化膜を含む、有機EL素子。
  12. 請求項9に記載の硬化膜を含む、表示装置。
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