JP2021068595A - 回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法 - Google Patents

回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、環状のヨークでの異常加熱を小さくし、かつティースを効率よく加熱することである。【解決手段】回転電機ステータコア10の誘導加熱装置30は、回転電機ステータコアの内周側に配置され、励磁コイル33が巻かれた柱状の中心コア31と、回転電機ステータコアの外周側のヨークの軸方向端面または外周面に第1断熱部を介して対向配置された少なくとも1つの環状の電流発生源であって、励磁コイルによってヨークの軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される少なくとも1つの電流発生源と、励磁コイルの外周面と回転電機ステータコアとの間に配置された第2断熱部とを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法に関し、特に環状のヨークでの異常加熱を小さくし、かつティースを効率よく加熱することに関する。
従来からモータ、発電機等の回転電機は、ステータコアとロータコアとが径方向に対向して配置することにより構成される。ステータコアにおいて、加工硬化による内部の歪を取り除き、コアの損失である鉄損を低減させるために、焼鈍が行われる場合がある。ステータコアは、特にティースにおいて加工硬化により残留歪が発生するので、その部分を焼鈍する場合がある。
例えば、ステータコアの全体に、軸方向一方側から高周波磁束を印加し、ステータコアの端部に面内渦電流を流して、それに起因するジュール損を利用してステータコアを加熱する方法が考えられる。
また、特許文献1,2に記載された構成のように、誘導加熱を行うコイル(誘導加熱部)がステータコアの外周全体を近接して覆い、そのコイルに通電することで、ステータコアに誘導電流を流してそのステータコアを加熱する方法が知られている。
また、特許文献3に記載された構成のように、コイルの内側に一次側ヨークを貫通させ、その一次側ヨークに磁気的に結合した二次側ヨークを、ステータコアの中心部に貫通させ、コイルへ交流電流を通電し、一次側ヨークによりステータコアの内側に軸方向の磁束を流す方法も知られている。この方法によれば、この軸方向の磁束によりステータコアに誘導電流を流して、ステータコアを加熱できる可能性がある。
特開2013−5553号公報 特開2012−5283号公報 特開2018−81896号公報
ステータコアの全体に、軸方向一方側から高周波磁束を印加する場合には、ステータコアにおける磁束の鎖交面積が大きいので渦電流による反磁界が大きくなり、無効電力が大きくなる。また、この場合には、特に焼鈍が必要なティース以外も多く加熱されるので、消費電力が大きい。
また、特許文献1〜3に記載された方法では、ステータコアの外周部における環状のヨーク部分にしか誘導電流が流れないので、そのヨーク部分のみしか加熱できない。
また、環状のヨークが異常加熱されると、ヨークが過焼鈍されたり、変形が生じる可能性がある。
本開示の回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法の目的は、環状のヨークでの異常加熱を小さくし、かつティースを効率よく加熱することにある。
本開示の回転電機ステータの誘導加熱装置は、環状のヨークと、前記ヨークの周方向複数位置から径方向内側に延びる複数のティースとを備える回転電機ステータコアの誘導加熱装置であって、前記回転電機ステータコアの内周側に配置され、励磁コイルが巻かれた柱状の中心コアと、前記回転電機ステータコアの外周側の前記ヨークの軸方向端面または外周面に第1断熱部を介して対向配置された少なくとも1つの環状の電流発生源であって、前記励磁コイルによって前記ヨークの軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される少なくとも1つの電流発生源と、前記励磁コイルの外周面と前記回転電機ステータコアとの間に配置された第2断熱部とを備える、回転電機ステータコアの誘導加熱装置である。
本開示の回転電機ステータの誘導加熱方法は、本開示の回転電機ステータコアの誘導加熱装置を用いて前記回転電機ステータコアの前記ティースを誘導加熱する方法であって、前記励磁コイルに交流電流を供給することで、前記中心コアと前記ティースに磁束を流し、前記ティースを誘導加熱する磁束発生ステップを含む、回転電機ステータコアの誘導加熱方法である。
本開示の回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法によれば、環状のヨークでの異常加熱を小さくでき、かつティースを効率よく加熱できる。
実施形態の回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法を用いて回転電機ステータコアを加熱する状態において、第1断熱材を省略して示す斜視図である。 図1において誘導加熱装置を軸方向一方側から見た図である。 図1から外周ヨークを取り除いて示す斜視図である。 図3のA部拡大図である。 図1の誘導加熱装置の中心軸を含む切断面の模式図である。 図5において、外周ヨークを取り除いて、ティースが集中的に加熱される理由と、ステータヨークの端面の異常加熱を小さくできる理由を説明するための図である。 実施形態の別例の誘導加熱装置において、図6に対応する図である。 実施形態の別例の誘導加熱装置において、図6に対応する図である。 実施形態の別例の誘導加熱装置において、図2に対応する図である。 実施形態の別例の誘導加熱装置に用いる外周ヨークの斜視図である。 実施形態の別例の誘導加熱装置において、図5に対応する図である。 外周ヨークを取り除いて、ステータヨークの端面の異常加熱を小さくできる理由を説明するための図11に対応する図である。 実施形態の別例の誘導加熱装置において、外周ヨーク及び第1断熱材を取り除いて示す斜視図である。 比較例の誘導加熱装置により回転電機ステータコアを加熱する場合において、第1断熱部の厚みが大きい(5mmとした)場合における回転電機ステータコアの周方向一部におけるジュール損密度(W/m)の分布の解析結果を示す図である。 図1に示した誘導加熱装置により回転電機ステータコアを加熱する場合において、第1断熱部の厚みが大きい(5mmとした)場合における回転電機ステータコアの周方向一部におけるジュール損密度(W/m)の分布の解析結果を示す図である。 図11に示した誘導加熱装置により回転電機ステータコアを加熱する場合において、第1断熱部の厚みが大きい(5mmとした)場合における回転電機ステータコアの周方向一部におけるジュール損密度(W/m)の分布の解析結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る回転電機ステータコアの誘導加熱装置及び誘導加熱方法の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、数量等は、本開示の理解を容易にするための例示であって、回転電機ステータコアまたは誘導加熱装置の仕様に合わせて適宜変更することができる。以下では、すべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、実施形態の回転電機ステータコア10の誘導加熱装置30及び誘導加熱方法を用いて回転電機ステータコア10を加熱する状態を示す斜視図である。図2は、図1において誘導加熱装置30を軸方向一方側から見た図である。図3は、図1から外周ヨーク54を取り除いて示す斜視図である。図4は、図3のA部拡大図である。図5は、誘導加熱装置30の中心軸を含む切断面の模式図である。
図1〜図5を用いて、回転電機ステータコア10を説明する。以下では、回転電機ステータコア10は、ステータコア10と記載する。ステータコア10は、ステータコイル(図示せず)と共に、ステータを形成する。ステータは、ステータの内側に配置されたロータ(図示せず)と共に、回転電機を形成するために用いられる。
ステータコア10は、環状の磁性体部品であり、例えば複数の珪素鋼鈑等の環状の電磁鋼板を軸方向(図1の上下方向)に積層してなる積層体により形成される。
ステータコア10は、環状で外周側に配置されるステータヨーク13と、ステータヨーク13の内周面の周方向複数位置から径方向内側に延びる複数のティース14(図1、図3、図4、図5)とを含む。複数のティース14は、周方向に互いに間隔をおいて配置される。隣り合う2つのティース14の間には溝であるスロット16(図4)が形成される。
ステータコイルは、U,V,W相の3相のコイルを有し、それぞれのコイルは、ステータコア10の周方向に離れた2つのスロット16にまたがるように複数のティース14に巻回される。
回転電機を構成する場合には、ステータの径方向内側にロータが配置される。回転電機は、使用時に、3相のステータコイルに3相交流電流を供給することで駆動される。例えば、回転電機は、永久磁石型同期モータとして使用される。
ステータコア10は、上記のように複数の電磁鋼板を積層することにより構成され、ステータヨーク13の内周面から複数のティース14が延びる。各電磁鋼板は、打ち抜き加工等により所定の形状に形成される。これにより、ティース14に加工硬化が生じて歪(残留歪)が発生しやすい。このため、このティース14において、焼鈍を行って内部の歪を取り除き、鉄損を低下させることが行われる。
このために、実施形態では、ステータコア10の焼鈍を行うために、誘導加熱装置30を用いる。誘導加熱装置30は、ステータコア10の内周側に配置され、励磁コイル33が巻かれた柱状の中心コア31と、2つの第1断熱部40(図2、図5)と、第2断熱部42(図5)と、2つの金属環44と、外周ヨーク54とを含んで構成される。なお、図5では、図1に示す形状に比べて、中心コア31の直径をステータコア10との関係で小さくして模式化した形状を示している。また、図1、図3、図4では、第1断熱部40及び第2断熱部42の図示を省略している。
中心コア31は、磁性材料製であり、例えば円柱状に形成される。中心コア31は、ステータコア10の中心軸O上に中心軸Oに沿って配置される。中心コア31の軸方向両端部は、ステータコア10の軸方向両端面から軸方向に突出している。励磁コイル33は、中心コア31の周囲で、ステータコア10の内径側に配置される。
中心コア31には、圧粉磁心やフェライトなど、絶縁性の高い粉体コアを用いてもよい。中心コア31を電磁鋼板により形成してもよい。このとき、中心コア31は、複数の電磁鋼板を積層した積層コアとしたり、1枚の電磁鋼板を渦巻状に巻いて円筒状の巻きコアとしたり、複数の電磁鋼板を半径方向に放射状に配置したラジアルコアとしてもよい。
中心コア31の中心軸Oに対し直交する平面で切断した場合の断面形状が矩形であれば、中心コアが、幅方向等の一辺に平行な方向に分割した複数の要素を含み、複数の要素を結合することにより形成されてもよい。中心コアが円筒状であれば、中心コアを周方向の複数位置で分割した複数の要素から形成してもよい。
2つの第1断熱部40(図2、図5)は、リング形の円板状であり、中心コア31の軸方向両端面上のそれぞれにステータヨーク13と複数のティース14との軸方向端面を覆うように配置される。第1断熱部40は、樹脂やセラミック等の断熱性を有する絶縁材料製のブロックとすることができる。
さらに、ステータコア10の外周側のステータヨーク13の軸方向両端面上の空間には周方向に連続した2つの金属環44が配置される。各金属環44は、円環状であり、ステータヨーク13の軸方向端面に第1断熱部40を介して対向配置される。これにより、ステータヨーク13の軸方向両端面には第1断熱部40を介して2つの金属環44が対向配置される。各金属環44は、環状の電流発生源に相当する。各金属環44は、後述のように、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される。金属環44は、例えば銅等の導電性の高い材料により形成される。金属環44の周方向に対し直交する断面は矩形であるが、断面を円形等の他の形状としてもよい。
金属環44とステータコア10とを、第1断熱部40に接触させてもよい。なお、第1断熱部は、固体とせずに、高断熱性を有するガスや、空気層としてもよく、また、誘導加熱装置30及びステータコア10を真空状態で配置することで、金属環44とステータコア10との間に形成される真空の隙間を第1断熱部としてもよい。金属環44の軸方向内側面とステータコア10の軸方向端面との間に第1断熱部40が配置されることにより、ティース14の軸方向両端からの熱の逃げを抑制して、ティース14を効率的に加熱できる。
さらに、第2断熱部42(図5)は、円筒状であり、励磁コイル33の外周面とステータコア10の内周面との間に配置される。第2断熱部42は、第1断熱部40と同様に、樹脂やセラミック等の断熱性を有する絶縁材料製としてもよい。ステータコア10の内周面と励磁コイル33の外周面とは、第2断熱部42に接触させてもよい。なお、第2断熱部は、固体とせずに、高断熱性を有するガスや、空気層としてもよく、また、誘導加熱装置30及びステータコア10を真空状態で配置することで、励磁コイル33の外周面とステータコア10の内周面との間に形成される真空の隙間を第2断熱部としてもよい。励磁コイル33の外周面とステータコア10の内周面との間に第2断熱部42が配置されることにより、励磁コイル33がステータコア10からの輻射熱で過度に加熱されることを防止できる。これにより、励磁コイル33の保護を図れると共に、励磁コイル33の性能低下を抑制できる。
外周ヨーク54は、ステータコア10及び中心コア31を覆うように配置されている。外周ヨーク54は、図5に示すように中心軸を含む切断面で見た形状が矩形となるように、断面が矩形のヨーク要素57を含んで形成される。ヨーク要素57は、2つの平行な長方形状の板部57aの長手方向両端に2つの平行な長方形状の板部57bを連結してなる矩形枠状である。外周ヨーク54は、中心コア31の軸方向両端面に、2つの板部57aの軸方向(図1の上下方向)内側面が面接触するように連結される。これにより、外周ヨーク54は、中心コア31の軸方向両端面に対向して配置される。この状態で、外周ヨーク54のヨーク要素57の内周面とステータコア10の外周面との間には隙間が形成される。外周ヨーク54は、磁性材製である。例えば外周ヨーク54には、中心コア31と同様に、圧粉磁心やフェライトなど、絶縁性の高い粉体コアを用いてもよい。外周ヨーク54を電磁鋼板の積層体により形成してもよい。
実施形態のステータコア10の誘導加熱方法は、上記の誘導加熱装置30を用いて、ステータコア10の複数のティース14を誘導加熱する。このとき、まず配置ステップとして、図1、図2に示すように、ステータコア10の内周側に、励磁コイル33が巻かれた中心コア31を挿入し、中心コア31の軸方向両端に外周ヨーク54の軸方向内側面を接触させるように、中心コア31及びステータコア10の周囲に外周ヨーク54を配置する。
そして、磁束発生ステップとして、電源部(図示せず)から励磁コイル33に交流電流を供給することにより、図5の実線矢印α方向または実線矢印αと反対方向に、中心コア31と、ステータコア10のティース14とに磁束を流す。図5の実線矢印α方向は、励磁コイル33の図5の右側部分で紙面の表側に電流が流れ、左側部分で紙面の裏側に電流が流れる場合の磁束方向である。これにより、ティース14の軸方向に高周波磁束が流れることでティース14が誘導加熱されることにより焼鈍される。このとき、励磁コイル33に流す交流電流の周波数を、ステータコア10に流れる高周波磁束による渦電流に起因する表皮厚みがティース14の周方向幅の1/3以下となる周波数(下限周波数)とすることが好ましい。より好ましくは、交流電流周波数が、高周波磁束による渦電流に起因する表皮厚みが、ステータコア10を形成する電磁鋼板の板厚以上となる周波数(上限周波数)で、かつ、ティース14の周方向幅の1/3以下となる周波数(下限周波数)となることが好ましい。これにより、ステータコア10において加熱が必要なティース14及びその根元部分に電流を多く流すことができるので加熱が特に必要な部分をジュール損により集中的に加熱できる。
図6は、図5において、外周ヨーク54を取り除いて、ティース14が集中的に加熱される理由と、ステータヨーク13の端面の異常加熱を小さくできる理由を説明するための図である。上記のように励磁コイル33に交流電流が供給されることで、ティース14の軸方向に高周波磁束が流れる。このとき、励磁コイル33の通電によって、図6の実線矢印α方向または実線矢印αと反対方向に、中心コア31からティース14の軸方向に磁束が流れると共に、励磁コイル33の起磁力の一部がステータヨーク13の周方向に誘導電流を発生させる。誘導電流により、図6の一点鎖線矢印β方向にステータヨーク13の周囲を流れる磁束が発生する。この磁束は、ティース14にも流れ、そのときの磁束方向は、実線矢印αの磁束方向と一致する。このため、ティース14を軸方向に流れる磁束の磁束密度を高く維持しやすくなるので、ティース14の内部に流れる渦電流の強さも高く維持しやすくなり、その渦電流のジュール損でティース14の加熱が促進される。
上記のステータコア10の誘導加熱装置30及び誘導加熱方法によれば、ステータコア10の内周側に配置された中心コア31の周囲に巻かれた励磁コイル33に交流電流が供給されることで、ティース14に高周波磁束が流れてジュール損が高くなり、それによってティース14が加熱される。これにより、加熱が特に必要なティース14が集中的に加熱されるので、ティース14を効率よく加熱できる。このため、ティース14の加熱に必要な電力を小さく抑制できると共に、ティース14を短時間で加熱することが可能となる。また、ティース14の軸方向端部のみが集中して加熱されることを抑制できるので、過焼鈍による磁気特性悪化を防止できる。
さらに、誘導加熱装置30は、ステータヨーク13の軸方向端面に第1断熱部40を介して対向配置された環状の電流発生源としての金属環44を備える。金属環44は、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される。図6を用いてこれを説明する。まず、金属環44がないと仮定した場合に第1断熱部40の厚みを大きくした場合を考える。この場合、励磁コイル33に交流電流が流れることにより、励磁コイル33の起磁力の一部がステータヨーク13の周方向に誘導電流を発生させる。この誘導電流の周方向についての方向は、励磁コイル33の電流方向と逆である。この誘導電流によって、図6の一点鎖線矢印β方向にステータヨーク13の周囲を流れる磁束が発生する。この磁束によって、ステータヨーク13の軸方向端面付近に渦電流が増加し、ステータヨーク13の軸方向端部が過度に集中的に加熱される可能性がある。
本例の構成によれば、金属環44に誘導電流が流れることによって、例えば、図6の破線矢印γ方向に金属環44の周囲を流れる磁束を発生させることができる。その磁束の方向は、上記のステータヨーク13の軸方向端面付近で、一点鎖線矢印β方向の磁束と逆になる。これにより、金属環44により発生した磁束の方向は、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向となる。このため、その磁束によるステータヨーク13の軸方向端部の集中加熱を、金属環44を流れる誘導電流による磁束で相殺または緩和することができ、その集中加熱を抑制できる。したがって、ステータヨーク13の軸方向端面付近が過度に集中的に加熱されることを防止できるので、ステータヨーク13での異常加熱を小さくでき、ステータヨーク13の過焼鈍や変形を抑制できる。
さらに本例の場合には、外周ヨーク54が、中心コア31を覆って、中心コア31の軸方向端面に対向して配置される。この外周ヨーク54により、中心コア31から誘導加熱装置30の外側への漏れ磁束を抑制できる。中心コア31の軸方向両端面のうち、少なくとも軸方向一端面と外周ヨークの内側面との間には、隙間が形成されてもよい。
図7は、実施形態の別例の誘導加熱装置30aにおいて、図6に対応する図である。本例の構成の場合には、誘導加熱装置30aにおいて、ステータコア10の外周側のステータヨーク13の軸方向両端面上の空間に、2つの短絡コイル46が配置される。各短絡コイル46は、巻き始めと巻き終わりが短絡されている。各短絡コイル46は、ステータヨーク13の軸方向端面に第1断熱部40を介して対向配置される。これにより、ステータヨーク13の軸方向両端面には第1断熱部40を介して2つの短絡コイル46が対向配置される。各短絡コイル46は、環状の電流発生源に相当する。各短絡コイル46も、図1〜図6の構成の金属環44と同様に、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される。短絡コイル46の軸方向は、励磁コイル33の軸方向と一致させる。
上記の構成の場合も、図1〜図6の構成の金属環44の代わりに短絡コイル46に誘導電流が流れることによって、例えば、破線矢印δ方向に短絡コイル46の周囲を流れる磁束を発生させることができる。その磁束の方向は、上記のステータヨーク13の周方向に発生する誘導電流によってステータヨーク13の軸方向端部付近を流れる磁束の方向と逆になるので、その磁束によるステータヨーク13の軸方向端部の集中加熱を抑制できる。これにより、ステータヨーク13での異常加熱を小さくでき、ステータヨーク13の過焼鈍や変形を抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図6の構成と同様である。なお、短絡コイル46の巻方向は、図7のように励磁コイル33の巻方向と逆とすることができるが、励磁コイル33と同方向としてもよい。
図8は、実施形態の別例の誘導加熱装置30bにおいて、図6に対応する図である。本例の構成の場合には、誘導加熱装置30bにおいて、ステータコア10の外周側のステータヨーク13の軸方向両端面上の空間に、2つの端面側逆極性コイル48が配置される。各端面側逆極性コイル48は、励磁コイル33に対して逆極性となるように接続される。各端面側逆極性コイル48は、ステータヨーク13の軸方向端面に第1断熱部40を介して対向配置される。これにより、ステータヨーク13の軸方向両端面には第1断熱部40を介して2つの端面側逆極性コイル48が対向配置される。各端面側逆極性コイル48は、環状の電流発生源に相当する。
ここで「逆極性」とは、誘導加熱装置30bの軸方向について2つのコイルの極性が逆となることである。端面側逆極性コイル48の軸方向は、励磁コイル33の軸方向と一致させる。例えば、端面側逆極性コイル48と励磁コイル33との巻方向を逆にする場合に、軸方向一方側(図8の上側)の端面側逆極性コイル48の巻き終わり端を励磁コイル33の巻き始め端に接続し、励磁コイル33の巻き終わり端を軸方向他方側(図8の下側)の端面側逆極性コイル48の巻き始め端に接続する。また、軸方向他方側の端面側逆極性コイル48の巻き終わり端を、電源部を介して軸方向一方側の端面側逆極性コイル48の巻き始め端に接続する。なお、端面側逆極性コイルの巻き方向は、励磁コイル33の巻き方向と同じにしてもよい。このとき、軸方向一方側の端面側逆極性コイルの巻き終わり端を励磁コイル33の巻き終わり端に接続し、励磁コイル33の巻き始め端を軸方向他方側の端面側逆極性コイルの巻き始め端に接続する。また、軸方向他方側の端面側逆極性コイルの巻き終わり端を、電源部を介して軸方向一方側の端面側逆極性コイルの巻き始め端に接続する。各端面側逆極性コイル48も、図1〜図6の構成の金属環44、または図7の短絡コイル46と同様に、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される。
上記の構成の場合には、励磁コイル33に交流電流が供給されることで、2つの端面側逆極性コイル48にも交流電流が流れる。このとき、例えば、図8の破線矢印δ方向に端面側逆極性コイル48の周囲を流れる磁束を発生させることができる。その磁束の方向は、ステータヨーク13の周方向に発生する誘導電流によってステータヨーク13の軸方向端部付近を流れる磁束の方向と逆になるので、その磁束によるステータヨーク13の軸方向端部の集中加熱を、端面側逆極性コイル48を流れる電流による磁束で相殺または緩和することができ、その集中加熱を抑制できる。これにより、ステータヨーク13での異常加熱を小さくでき、ステータヨーク13の過焼鈍や変形を抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図6の構成、または図7の構成と同様である。
なお、図8の構成において、2つの端面側逆極性コイル48の巻き数(ターン数)の合計は、励磁コイル33の巻き数の半分以下とすることができる。
図9は、実施形態の別例の誘導加熱装置30cにおいて、外周ヨーク54aが、図2の外周ヨーク54の形状と同様の形状の第1ヨーク要素58の幅方向(図9の上下方向)両端の長手方向中央に2つのゲート形状の第2ヨーク要素59が連結されて形成される。各第2ヨーク要素59は、2つの平行な長方形状の板部59aの長手方向の先端に長方形状の連結板部59bが板部59aに直交するように連結される。これにより、外周ヨーク54aの第1ヨーク要素58の幅方向(図9の上下方向)中央で切断した断面形状と、第2ヨーク要素59の幅方向(図9の左右方向)中央で切断した断面形状とは、いずれも図5の外周ヨーク54と同様の形状となる。図9のように、外周ヨーク54aを軸方向一端から見た形状は、十字形となっている。上記の外周ヨーク54aを用いた誘導加熱装置30cの場合も、図1〜図6の構成と同様に、中心コア31から誘導加熱装置30cの外側への漏れ磁束を抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図6の構成と同様である。
図10は、実施形態の別例の誘導加熱装置に用いる外周ヨーク54bの斜視図である。外周ヨーク54bは、図3に示すステータコア10及び中心コア31を覆うように配置される。外周ヨーク54bは、図5の外周ヨーク54と同様に、中心軸を含む切断面で見た形状が矩形となるように、筒部55の両端に筒部55の両端開口を塞ぐように2つの板部56が連結される。筒部55は、円筒状であり、各板部56は円板状である。外周ヨーク54bは、中心コア31(図5)の軸方向両端に、2つの板部56の軸方向内側面が面接触するように連結される。これにより、外周ヨーク54bは、中心コア31の軸方向端面に対向して配置される。この状態で、外周ヨーク54bの筒部55の内周面とステータコア10(図5)の外周面との間には隙間が形成される。外周ヨーク54bは、磁性材製である。例えば外周ヨーク54bには、中心コア31と同様に、圧粉磁心やフェライトなど、絶縁性の高い粉体コアを用いてもよい。外周ヨーク54bを電磁鋼板の積層体により形成してもよい。
上記の外周ヨーク54bにより、中心コア31から誘導加熱装置の外側への漏れ磁束を抑制できる。中心コア31の軸方向両端面のうち、少なくとも軸方向一端面と、外周ヨーク54bの板部56の軸方向内側面との間には、隙間が形成されてもよい。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図6の構成と同様である。
なお、図10の構成において、外周ヨーク54bの筒部は、円筒状以外、例えば四角筒状等としてもよい。例えば、四角筒状の筒部と、2つの四角形状の板部とにより外周ヨークが形成されてもよい。
図11は、実施形態の別例の誘導加熱装置30dにおいて、図5に対応する図である。本例の構成の場合には、誘導加熱装置30dにおいて、ステータコア10の外周側のステータヨーク13の外周側に、外周側逆極性コイル50が配置される。外周側逆極性コイル50は、励磁コイル33の巻き数の半分以下の巻き数で、励磁コイル33に接続されている。「逆極性」とは、誘導加熱装置30dの軸方向について2つのコイルの極性が逆となることである。外周側逆極性コイル50の軸方向は、励磁コイル33の軸方向と一致する。外周側逆極性コイル50と励磁コイル33との巻方向を一致させる場合に、例えば、励磁コイル33の一端側(図11の下側)の巻き終わり端を、外周側逆極性コイル50の一端側(図11の下側)の巻き終わり端に接続する。また、励磁コイル33の他端側(図11の上側)の巻き始め端を、電源部を介して、外周側逆極性コイル50の他端側(図11の上側)の巻き始め端に接続する。外周側逆極性コイル50と励磁コイル33との巻方向を逆とする場合には、例えば、励磁コイル33の一端側(図11の下側)の巻き終わり端を、外周側逆極性コイル50の他端側(図11の上側)の巻き始め端に接続し、励磁コイル33の他端側(図11の上側)の巻き始め端を、電源部を介して、外周側逆極性コイル50の一端側(図11の下側)の巻き終わり端に接続する。外周側逆極性コイル50は、ステータヨーク13の外周面に後述の円筒状の第1断熱部52を介して対向配置される。外周側逆極性コイル50は、環状の電流発生源に相当する。外周側逆極性コイル50は、後述のように、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される。
円筒状の第1断熱部52は、外周側逆極性コイル50の内周面とステータコア10の外周面との間に配置される。円筒状の第1断熱部52は、第2断熱部42と同様の構成で、第2断熱部42より直径が大きくなっている。円筒状の第1断熱部52によって、ステータコア10の外周面からの輻射熱で外周側逆極性コイル50が過度に加熱されることを防止できるので、外周側逆極性コイル50の保護を図れると共に外周側逆極性コイル50の性能低下を抑制できる。
誘導加熱装置30dは、ステータヨーク13の外周面に第1断熱部52を介して対向配置された環状の電流発生源としての外周側逆極性コイル50を備える。外周側逆極性コイル50は、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される。図12を用いてこれを説明する。
図12は、外周ヨーク54を取り除いて、ステータヨーク13の端面の異常加熱を小さくできる理由を説明するための図11に対応する図である。まず、外周側逆極性コイル50がないと仮定した場合に、円板状の第1断熱部40の厚みを大きくした場合を考える。この場合、図12に示した実線矢印αのうち、Xを付した実線矢印で示すように、励磁コイル33に交流電流が流れることにより励磁コイル33の起磁力の一部による磁束が、ステータヨーク13に広がって流れる。そして、ステータヨーク13の軸方向端部付近に流れる磁束によって、ステータヨーク13の軸方向端面付近に渦電流が増加する。このため、ステータヨーク13の軸方向端部が過度に集中的に加熱される可能性がある。
本例の構成によれば、励磁コイル33に交流電流が供給されることで、外周側逆極性コイル50にも交流電流が流れる。このとき、例えば、図12の一点鎖線矢印η方向に外周側逆極性コイル50の周囲を流れる磁束を発生させることができる。その磁束のうち、Xを付した一点鎖線矢印で示すように流れる磁束は、励磁コイル33の起磁力によってステータヨーク13の軸方向端部付近に流れる磁束の方向(Xを付した実線矢印方向)と逆になるので、その磁束によるステータヨーク13の軸方向端部の集中加熱を、外周側逆極性コイル50を流れる電流による磁束で相殺または緩和することができ、その集中加熱を抑制できる。このとき、外周側逆極性コイル50は、励磁コイル33によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させる。これにより、ステータヨーク13の軸方向端面付近が過度に集中的に加熱されることを防止できるので、ステータヨーク13での異常加熱を小さくでき、ステータヨーク13の過焼鈍や変形を抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図6の構成と同様である。
図13は、実施形態の別例の誘導加熱装置において、外周ヨーク及び第1断熱材を取り除いて示す斜視図である。本例の構成の場合には、図1〜図6の構成において、中心コア31aの中心部に、軸方向に貫通する孔61が形成される。このとき、孔61には、冷却液配管(図示せず)が接続される。冷却液配管の上流側に接続された冷却液ポンプ(図示せず)の吐出口から油や水等の冷却液が孔61の上流端に供給され、孔61に冷却液が流通する。孔61の下流端から排出された冷却液は、冷却液ポンプの吸入口に戻される。これにより、中心コア31aが冷却される。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図6の構成と同様である。
なお、図13の構成において、孔61に冷却液を流通させるのではなく、中心コア31aより熱伝導性が高い冷却用部材(図示せず)が孔61に挿入されてもよい。例えば冷却用部材は、棒状である。冷却用部材は、例えば、アルミニウム合金等の熱伝導性の高い金属により形成される。冷却用部材は、孔61の内面に接触させてもよい。冷却用部材の孔61から突出させた部分は、ヒートシンク等の冷却源(図示せず)に接続してもよい。このような構成によっても、中心コア31aを冷却できる。
図14〜図16は、実施形態の誘導加熱装置によりステータコア10を加熱する場合におけるジュール損密度(W/m)の分布の解析結果を示している。図14は、比較例の誘導加熱装置によりステータコアを加熱する場合において、円板状の第1断熱部の厚みが大きい(5mmとした)場合におけるステータコアの周方向一部におけるジュール損密度の分布の解析結果を示している。比較例の誘導加熱装置は、図1〜図6の実施形態の誘導加熱装置30において、2つの金属環44がない構成と同様である。図14において、ステータコア10において最もジュール損密度が低い部分を無地部で示している。そして、無地部、砂地部、斜線部、斜格子部の順にジュール損密度が高くなり、黒地部で最もジュール損密度が高くなることを示している。
図14の解析結果から、比較例の場合には、円板状の第1断熱部の厚みを大きくした場合には、ステータヨーク13の端面付近でジュール損密度が高くなることで、温度上昇が大きくなりやすいことが確認された。この理由として、励磁コイル33(図5参照)によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束により、ステータヨーク13の軸方向端部が集中的に加熱されやすいことが考えられる。
一方、図15は、図1に示した実施形態の誘導加熱装置30によりステータコア10を加熱する場合において、第1断熱部40の厚みが大きい(5mmとした)場合におけるステータコア10の周方向一部におけるジュール損密度の分布の解析結果を示している。図15において、無地部、砂地部、斜線部、斜格子部の意味は図14の場合と同様である。
図15の解析結果から、図14の場合と同様に第1断熱部40の厚みを大きくした場合でも、図14の場合より、ステータヨーク13の端面付近でジュール損密度が低くなった。このことから、図1〜図6の構成のように、誘導加熱装置30に金属環44を設ける場合には、励磁コイル33(図5参照)によってステータヨーク13の軸方向端面に発生する磁束を、金属環44を流れる誘導電流により発生する磁束で相殺または緩和することができ、ステータヨーク13の軸方向端部が集中的に加熱されることを抑制できることを確認できた。誘導加熱装置に短絡コイル46、または端面側逆極性コイル48を設けた場合も、図15に示すような解析結果と同様であった。
また、図16は、図11に示した誘導加熱装置30dによりステータコア10を加熱する場合において、第1断熱部40の厚みが大きい(5mmとした)場合におけるステータコア10の周方向一部におけるジュール損密度の分布の解析結果を示している。図11の構成のように、誘導加熱装置30dに外周側逆極性コイル50を設けた場合には、図16のような結果を得られた。この場合には、ステータコア10の外周部で図15の場合よりジュール損密度が少し大きくなったが、ステータヨーク13の端面付近で、図14の場合よりジュール損密度が低くなる解析結果を得られた。
なお、上述の実施形態の各例の誘導加熱装置において、外周ヨークを省略することもできる。
また、図示は省略するが、図8の端面側逆極性コイル48または図11、図12の外周側逆極性コイル50を有する構成において、回路切換部と制御装置とを設けることもできる。例えば、2つの端面側逆極性コイルの合計の巻き数を励磁コイル33の巻き数より多くした構成で、端面側逆極性コイルの中間位置と励磁コイル33とを回路切換部を介して逆極性で接続する。回路切換部は、例えばリレースイッチ等であり、制御装置により制御される。制御装置は、例えばステータコアが400℃等の所定温度以上で回路切換部を接続し、所定温度未満で回路切換部を遮断する。回路切換部の遮断では、合計の巻き数が励磁コイル33より多い2つの端面側逆極性コイルと励磁コイル33とが接続される。回路切換部の接続によって、2つの端面側逆極性コイルのうち、励磁コイル33に直列接続される部分の合計の巻き数を、励磁コイル33の巻き数より少なくする。
また、2つの端面側逆極性コイルの合計の巻き数を励磁コイル33の巻き数より少なくした構成で、端面側逆極性コイルと励磁コイル33とを回路切換部を介して逆極性で接続してもよい。この構成では、制御装置が、例えばステータコアが400℃等の所定温度以上で回路切換部を遮断し、所定温度未満で回路切換部を接続する。
また、外周側逆極性コイルの巻き数を励磁コイル33の巻き数より多くした構成で、外周側逆極性コイルの中間位置と励磁コイル33とを回路切換部を介して逆極性で接続してもよい。制御装置は、例えばステータコアが400℃等の所定温度以上で回路切換部を接続し、所定温度未満で回路切換部を遮断する。回路切換部の遮断では、巻き数が励磁コイル33より多い外周側逆極性コイルと励磁コイル33とが接続される。回路切換部の接続によって、外周側逆極性コイルのうち、励磁コイル33に直列接続される部分の巻き数を励磁コイルの巻き数より少なくする。
また、外周側逆極性コイルの巻き数を励磁コイル33の巻き数より少なくした構成で、外周側逆極性コイルと励磁コイル33とを回路切換部を介して逆極性で接続してもよい。この構成では、制御装置が、例えばステータコアが400℃等の所定温度以上で回路切換部を遮断し、所定温度未満で回路切換部を接続する。
10 回転電機ステータコア(ステータコア)、13 ステータヨーク、14 ティース、16 スロット、30,30a〜30d 誘導加熱装置、31,31a 中心コア、33 励磁コイル、40 第1断熱部、42 第2断熱部、44 金属環、46 短絡コイル、48 端面側逆極性コイル、50 外周側逆極性コイル、52 第1断熱部、54,54a,54b 外周ヨーク、55 筒部、56 板部、57 ヨーク要素、57a,57b 板部、58 第1ヨーク要素、59 第2ヨーク要素、59a 板部、59b 連結板部、61 孔。

Claims (8)

  1. 環状のヨークと、前記ヨークの周方向複数位置から径方向内側に延びる複数のティースとを備える回転電機ステータコアの誘導加熱装置であって、
    前記回転電機ステータコアの内周側に配置され、励磁コイルが巻かれた柱状の中心コアと、
    前記回転電機ステータコアの外周側の前記ヨークの軸方向端面または外周面に第1断熱部を介して対向配置された少なくとも1つの環状の電流発生源であって、前記励磁コイルによって前記ヨークの軸方向端面に発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるように構成される少なくとも1つの電流発生源と、
    前記励磁コイルの外周面と前記回転電機ステータコアとの間に配置された第2断熱部とを備える、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  2. 請求項1に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、
    前記少なくとも1つの電流発生源は、前記ヨークの軸方向両端面上の空間に配置された2つの電流発生源であって、周方向に連続した2つの金属環、または、巻き始めと巻き終わりを短絡させた2つの短絡コイル、または前記励磁コイルに対して逆極性となるように接続された2つの端面側逆極性コイルである、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  3. 請求項2に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、
    前記2つの電流発生源は、前記2つの端面側逆極性コイルであって、合計の巻き数が前記励磁コイルの巻き数の半分以下で、前記励磁コイルに対して逆極性で接続されている、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  4. 請求項1に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、
    前記少なくとも1つの電流発生源は、前記ヨークの外周側に配置され、前記励磁コイルに対して逆極性となるように接続された外周側逆極性コイルである、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  5. 請求項4に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、
    前記外周側逆極性コイルは、前記励磁コイルの巻き数の半分以下の巻き数で、前記励磁コイルに接続されている、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、
    断面が矩形のヨーク要素を含んで形成されるか、または筒部の両端に前記筒部の両端開口を塞ぐように2つの板部が連結される外周ヨークが、前記中心コアを覆って、前記中心コアの軸方向端面に対向して配置される、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置において、
    前記中心コアの中心部に、軸方向に貫通する孔が形成され、前記孔に冷却液が流通するか、または前記中心コアより熱伝導性が高い冷却用部材が挿入されることにより、前記中心コアが冷却される、
    回転電機ステータコアの誘導加熱装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の回転電機ステータコアの誘導加熱装置を用いて前記回転電機ステータコアの前記ティースを誘導加熱する方法であって、
    前記励磁コイルに交流電流を供給することで、前記中心コアと前記ティースに磁束を流し、前記ティースを焼鈍する磁束発生ステップを含む、
    回転電機ステータコアの誘導加熱方法。
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