JP2016086602A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電機子の通風ダクトの不均等な分布によって発生する回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制すること。【解決手段】 実施形態によれば、回転電機は、界磁巻線が複数のスロット内に格納された回転子鉄心3を有する回転子1と、電機子巻線が複数のスロット内に格納された電機子鉄心7を有する電機子2とを具備し、電機子鉄心7は、冷却ガスを電機子鉄心7の径方向に流す複数の通風ダクト10を有し、軸方向のダクトピッチが領域によって異なるように構成され、回転子1と電機子2との間のエアギャップ長が、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値よりも高い領域ではより大きく、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値よりも低い領域ではより小さくなるように構成されている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、回転電機に関する。
従来の回転電機について図面を参照して説明する。ここでは、例えば火力、原子力用の発電機のような大容量同期発電機の構成について、図7および図8を参照して説明する。
図7は発電機を軸方向から見た断面形状を示す図であり、図8は発電機を周方向から見た断面形状を示す図である。回転子1の外径側にはエアギャップGを介して電機子2が配置されている。回転子1は、回転子鉄心3に設けたスロット内にて界磁巻線5を巻回して構成され、界磁巻線5は磁性材または非磁性材からなる回転子楔6により固定されている。電機子2は、電機子鉄心7に設けたスロット内にて電機子巻線8を巻回して構成されている。電機子鉄心7は、電磁鋼板を回転子軸方向に積層して鉄心ブロック9を形成し、通風ダクト部10は隣り合う鉄心ブロック9間に内側間隔片11を挿入することで構成されており、電機子鉄心7は押え板12、組み立てボルト13および締付ナット14によって締め付け固定されている。
発電機の運転時には、電機子巻線8の高調波磁界あるいは不平衡磁界により、回転子鉄心3、回転子楔6の表面には渦電流が誘起される。また、電機子2に不平衡電流が流れる場合には、逆相分電流のつくる回転磁界により回転子1の表面に回転周波数の2倍の周波数の渦電流が誘起される。渦電流による損失が増加すると、回転子1の構成部材の過熱により各部材に損傷を与える恐れがある。
また、電機子巻線8および界磁巻線5はそれらを構成する絶縁物の耐熱性能により厳しく温度上限が制限されており、回転電機の設計においては、これらの温度が規格値以下に保たれるように設計する必要がある。電機子巻線8を効率よく冷却するためには、巻線温度が低い部位には冷却ガスを少なく高い部位に集中的に供給して、巻線温度を平準化することが望ましい。冷却ガスの供給量を調整する手段の一つとして通風ダクト10を軸方向に不等ピッチで配置する方法がある(例えば特許文献1)。
一例として、機内の冷却ガス通風経路について図9を用いて説明する。冷却ガスは回転子1の両端に取り付けた回転子ファン15から吐出され、回転子1、エアギャップG、および電機子巻線8端部の3方向に分岐する。エアギャップGでは、回転子1からの排気ガスと、ファン15から直接エアギャップG内に流れ込む冷却ガスとが合流し、通風ダクト10を内径側から外径側へ流れて、電機子鉄心7および電機子巻線8を冷却する。電機子鉄心7の軸方向両側部は、ファン15から直接冷却ガスが流れることで冷却が行われる。回転子1および電機子2を冷却して高温となった冷却ガスは、電機子2の外径側で合流し、水冷式ガスクーラ16を通過して冷却され、風導を通って再び回転子ファン15へと循環する。
図9で説明した機内の冷却ガス通風経路の場合、回転子1および電機子2のそれぞれの軸方向両側部では、冷却ガスは回転子ファン15から直接供給されるためガス温度は低いが、電機子鉄心7の軸方向中央部では、冷却ガスは回転子1および電機子2を冷却するためガス温度は高くなる。そのため、電機子鉄心7の軸方向両側部の通風ダクト10のピッチ(通風ダクトピッチ)をその他の部位と比較して大きくなるように構成することで、電機子巻線8の温度平準化を図っている。
図9で説明した冷却ガス通風経路とは別に、通風ダクトを排気セクション(冷却ガスが内径側から外径側へ流す)と吸気セクション(冷却ガスを外径側から内径側へ流す)に分ける方式がある。本方式においても通風ダクトピッチを変更した場合の効果は同様である。以下では冷却ガスが内径から外径側へ流れる方式である場合を前提とした説明を行う。
上述した回転電機において、電機子2の個々の通風ダクト10を軸方向にダクトピッチが変化するように配置した場合、電機子鉄心7の占積率が軸方向に変化することから、回転子1と電機子2との間のエアギャップGに発生する磁束は軸方向に対して所定の分布を持ち、通風ダクトピッチが異なる各領域間で磁束量が異なることとなる。これにより、通風ダクトピッチが大きい領域に対向する回転子表面には渦電流が誘起され、この渦電流によって損失が増加するという問題がある。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、電機子の通風ダクトの不均等な分布によって発生する回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制することのできる回転電機を提供することを目的とする。
実施形態によれば、界磁巻線が複数のスロット内に格納された回転子鉄心を有する回転子と、電機子巻線が複数のスロット内に格納された電機子鉄心を有する電機子とを具備し、前記電機子鉄心は、冷却ガスを内径側から外径側へ流す複数の通風ダクトを有し、軸方向のダクトピッチが領域によって異なるように構成され、前記回転子と前記電機子との間のエアギャップ長が、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも高い領域ではより大きく、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも低い領域ではより小さくなるように構成されていることを特徴とする回転電機。
本発明によれば、電機子の通風ダクトの不均等な分布によって発生する回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
最初に、第1の実施形態について説明する。
最初に、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る回転電機を周方向から見た断面形状を示す図である。
なお、前述した図7〜図9に示される従来技術の構成と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下では、従来技術と異なる部分を中心に説明する。
図1に示される回転電機は、回転子1と電機子2とからなる。回転子1は、界磁巻線が複数のスロット内に格納された回転子鉄心3を有し、電機子2は、電機子巻線8が複数のスロット内に格納された電機子鉄心7を有する。
図1に示されるように、回転子1の外径側にはエアギャップGを介して電機子2が配置されている。回転子1は、回転子鉄心3に設けたスロット内にて界磁巻線を巻回して構成される。電機子2は、電機子鉄心7に設けたスロット内にて電機子巻線8を巻回して構成される。
電機子鉄心7は、ワニス処理等により絶縁された抜き板鉄心を積層した鉄心ブロック9の間に内側間隔片11を配置することにより通風ダクト部10を形成している。また、通風ダクト10により電機子巻線8を効率的に冷却するため、電機子鉄心7の軸方向中央部は通風ダクトピッチが全体の平均よりも小さく、電機子鉄心7の軸方向両側部は通風ダクトピッチを全体の平均よりも大きくした構造としている。すなわち、電機子鉄心7は、軸方向のダクトピッチが領域によって異なるように構成されている。これにより、電機子鉄心7の占積率も、領域によって異なるものとなる。電機子鉄心7の占積率は、所定の領域における電機子鉄心の占める割合で、ダクトの数が多い領域は電機子鉄心の占める割合が低い。
特に本実施形態では、回転子1と電機子2との間のエアギャップ長は、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも高い領域ではより大きく、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも低い領域ではより小さくなるように、電機子鉄心7の内径寸法を領域によって異ならせている。
例えば、電機子鉄心7の軸方向全体の長さをLs0、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)の長さをLs1、電機子鉄心7の軸方向中央部(通風ダクトピッチが小さい領域)の長さをLs2とした場合、これら電機子鉄心7の軸方向全体、軸方向両側部、軸方向中央部の各領域における占積率がそれぞれ、αLs0、αLs1、αLs2(但し、α:定数)となるように構成する。
このような構成において、電機子鉄心7の軸方向両側部に対向するエアギャップ長、および軸方向中央部に対向するエアギャップ長がそれぞれ、G1=αLs1/αLs0×G0、G2=αLs2/αLs0×G0(但し、G0:回転子鉄心3と電機子鉄心7の間の軸方向全体に対する平均エアギャップ長)となるように、電機子鉄心7の内径寸法を変更する。この場合の平均エアギャップ長G0は、前述した従来技術の回転電機における回転子鉄心3と電機子鉄心7の間のエアギャップGのエアギャップ長と同一である。
このように構成することにより、電機子鉄心7において回転子鉄心3に鎖交する磁束は、軸方向に対して均一に分布し、高調波磁界や不平衡磁界の発生が抑えられる。
第1の実施形態によれば、平均エアギャップ長G0を従来構造におけるエアギャップ長と同じにしつつ、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)に対向するエアギャップ長G1と、軸方向中央部(通風ダクトピッチが小さい領域)に対向するエアギャップ長G2とに適度な差を設けているため、損失増加の要因となる界磁電流や電機子巻線短絡時の安全指標となる短絡比を変更することなく、電機子鉄心7において回転子鉄心3に鎖交する磁束を軸方向に対して均一に分布させることができ、高調波磁界や不平衡磁界の発生を抑えることができ、渦電流の誘起を抑えることができる。これにより、電機子2の通風ダクト10の不均等な分布によって発生する回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制することができる。また、エアギャップGが電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)では広く、電機子鉄心7の軸方向中央部(通風ダクトピッチが小さい領域)では狭くなるため、回転子ファン15からエアギャップGに流れ込む冷却ガスの通風抵抗を低くすることができ、冷却性能を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
次に、第2の実施形態について説明する。
図2は、第2の実施形態に係る回転電機を周方向から見た断面形状を示す図である。
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例を示すものである。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、電機子鉄心7の内径寸法を領域によって異ならせるのではなく、電機子鉄心7の内径寸法は軸方向に均一としたまま、回転子鉄心3の外径寸法を領域によって異ならせている点である。
すなわち、第2の実施形態では、電機子鉄心7の軸方向両側部に対向するエアギャップ長、および軸方向中央部に対向するエアギャップ長がそれぞれ、G1=αLs1/αLs0×G0、G2=αLs2/αLs0×G0(但し、G0:回転子鉄心3と電機子鉄心7の間の軸方向全体に対する平均エアギャップ長)となるように、回転子鉄心3の外径寸法を変更する。この場合の平均エアギャップ長G0は、前述した従来技術の回転電機における回転子鉄心3と電機子鉄心7の間のエアギャップGのエアギャップ長と同一である。
このように構成することにより、第1の実施形態と同様に、電機子鉄心7において回転子鉄心3に鎖交する磁束は、軸方向に対して均一に分布し、高調波磁界や不平衡磁界の発生が抑えられる。
例えば火力用の発電機のような大容量同期発電機において回転子の回転数は3000〜3600rpmで高速に回転するため、回転子鉄心3のスロットに挿入した界磁巻線5を保持する楔の肉厚を確保する必要があり、回転子外径寸法を小さくするだけでは、界磁巻線5の断面積が減少することにより損失が増加するが、第2の実施形態によれば、回転子鉄心3全体の外径寸法の平均が従来構造と同一となるようにしているため、損失の増加を防げる。さらに、第1の実施形態と同様、平均エアギャップ長G0を従来構造におけるエアギャップ長と同じにしつつ、電機子鉄心7の軸方向両側部に対向するエアギャップ長G1と、軸方向中央部に対向するエアギャップ長G2とに適度な差を設けているため、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
次に、第3の実施形態について説明する。
図3は、第3の実施形態に係る回転電機を軸方向から見た断面形状を示す図である。
第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例を示すものである。第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、回転子1の外径寸法を変更する箇所を回転子磁極4のみとしている点である。
すなわち、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも高い領域における回転子1と電機子2との間のエアギャップ長を大きくするに際し、回転子鉄心3の磁極部に対してのみ、回転子鉄心3の外径寸法をその他の部分よりも小さくしている。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態に比べ、界磁巻線5の銅断面積を減らすことなく、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
以下に説明する第4〜第6の実施形態では、発電機の運転時に回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流を抑制する渦電流抑制手段を回転子鉄心3の少なくとも表面の一部に設ける場合について説明する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
次に、第4の実施形態について説明する。
図4は、第4の実施形態に係る回転電機を周方向から見た断面形状を示す図である。
第4の実施形態は、第1の実施形態の変形例を示すものである。第4の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、電機子鉄心7の内径寸法は軸方向に均一としたまま、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)に対向する回転子鉄心3の表面において、周方向にスリット17を配置した点である。
すなわち、第4の実施形態では、回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流を抑制する渦電流抑制手段として、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも高くなる所定領域に対向する回転子鉄心3の表面に当該回転子鉄心3の周方向に沿って形成されるスリット17を設けている。
発電機の運転時、電機子巻線8の高調波磁界あるいは不平衡磁界が生じると、電機子鉄心7の特に軸方向両側部に対向する回転子鉄心3の表面上に、渦を巻くような渦電流が誘起されることが知られている。渦電流は、損失の増加や局部過熱の発生の原因となる。本実施形態では、誘起される渦電流の通り道にスリット17が設けられているため、渦電流は流れが妨げられ、例えば2つに分断されたりして、個々の渦電流ループは小さくなる。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態に比べ、回転子表面の損失の低減および局部過熱の抑制の効果は低くなるものの、スリット17を設けることにより、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)に対向する回転子表面に流れる渦電流ループを小さくでき、回転子表面の損失の低減および局部過熱の抑制の効果が得られる。また、第4の実施形態では、前記第1〜第3の実施形態に比べ、製造工数を削減できる。また、第1乃至5の実施形態に、第4の実施形態を組み合わせることで、更に回転子表面の損失を低減する効果が得られる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
次に、第5の実施形態について説明する。
図5は、第5の実施形態に係る回転電機を周方向から見た断面形状を示す図である。
第5の実施形態は、第1の実施形態の変形例を示すものである。第5の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、電機子鉄心7の内径寸法は軸方向に均一としたまま、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)に対向する回転子鉄心3の位置に存在する回転子楔を非磁性材6aとし、電機子鉄心7の軸方向中央部(通風ダクトピッチが小さい領域)に対向する回転子鉄心3の位置に存在する回転子楔を磁性材6bとした点である。
すなわち、第5の実施形態では、回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流を抑制する渦電流抑制手段として、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも高くなる所定領域に対向する回転子鉄心3の回転子楔を非磁性材で構成し、所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも低くなる所定領域に対向する回転子鉄心3の回転子楔を磁性材で構成している。
このように構成すると、回転子鉄心3に鎖交する磁束は、電機子鉄心7の軸方向中央部(通風ダクトピッチが小さい領域)に比べ、軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)では抑制され、磁束の軸方向分布が平準化されるので、結果的に回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流が抑えられる。
本実施形態によれば、通風ダクトピッチが異なる領域に応じて回転子鉄心3の回転子楔の材料を磁性材と非磁性材とで使い分けることにより、回転子鉄心3に鎖交する磁束の軸方向分布が平準化するため、回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流は抑えられ、回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制することができる。また、本実施形態によれば、回転子1および電機子2に対する追加加工が不要とあり、製造工数の削減を図ることができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
次に、第6の実施形態について説明する。
図6は、第6の実施形態に係る回転電機を周方向から見た断面形状を示す図である。
第6の実施形態は、第1の実施形態の変形例を示すものである。第6の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、電機子鉄心7の内径寸法は軸方向に均一としたまま、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)に対向する回転子鉄心3の表面に一定以上の導電性を有する塗料18を塗布した点である。
すなわち、第6の実施形態では、回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流を抑制する渦電流抑制手段として、電機子鉄心7の軸方向の占積率が所定値(例えば、電機子鉄心7全体の占積率の平均値)よりも高くなる所定領域に対向する回転子鉄心3の表面に導電性を有する塗料18を塗布している。
このように構成すると、回転子鉄心3の表面に誘起される渦電流は塗料18を流れるため、回転子表面の損失や局部加熱を引き起こす渦電流は抑えられる。
本実施形態によれば、電機子鉄心7の軸方向両側部(通風ダクトピッチが大きい領域)に対向する回転子鉄心3の表面に流れる渦電流が導電性を有する塗料18を流れるため、回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制することができる。また、本実施形態によれば、回転子1および電機子2に追加機械加工が不要であり、製造工数の削減を図ることができる。また、第1乃至5の実施形態に第6の実施形態を組み合わせることで、更に回転子表面の損失を低減する効果が得られる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、電機子の通風ダクトの不均等な分布によって発生する回転子表面の損失を低減し、局部過熱を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…回転子、2…電機子、3…回転子鉄心、4…回転子磁極、5…界磁巻線、6…回転子楔、7…電機子鉄心、8…電機子巻線、9…鉄心ブロック、10…通風ダクト、11…内側間隔片、12…押え板、13…組立ボルト、14…締付ナット、15…回転子ファン、16…クーラ、17…スリット、18…塗料、G…エアギャップ。
Claims (9)
- 界磁巻線が複数のスロット内に格納された回転子鉄心を有する回転子と、
電機子巻線が複数のスロット内に格納された電機子鉄心を有する電機子と
を具備し、
前記電機子鉄心は、冷却ガスを前記電機子鉄心の径方向に流す複数の通風ダクトを有し、軸方向のダクトピッチが領域によって異なるように構成され、
前記回転子と前記電機子との間のエアギャップ長が、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも高い領域ではより大きく、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも低い領域ではより小さくなるように構成されていることを特徴とする回転電機。 - 前記電機子鉄心の内径寸法を領域によって異ならせることにより、前記回転子と前記電機子との間のエアギャップ長が領域によって異なるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記回転子鉄心の外径寸法を領域によって異ならせることにより、前記回転子と前記電機子との間のエアギャップ長が領域によって異なるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記電機子鉄心の軸方向全体の占積率、所定の領域の占積率がそれぞれ、αLs0、αLs1(但し、α:定数)である場合、占積率αLs1の領域に対向するエアギャップ長G1が、G1=αLs1/αLs0×G0(但し、G0:回転子鉄心と電機子鉄心の間の軸方向全体に対する平均エアギャップ長)となるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも高い領域における前記回転子と前記電機子との間のエアギャップ長を大きくするに際し、前記回転子鉄心の磁極部に対してのみ、前記回転子鉄心の外径寸法をその他の部分よりも小さくしたことを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
- 界磁巻線が複数のスロット内に格納された回転子鉄心を有する回転子と、
電機子巻線が複数のスロット内に格納された電機子鉄心を有する電機子と
を具備し、
前記電機子鉄心は、冷却ガスを前記電機子鉄心の径方向に流す複数の通風ダクトを有し、軸方向のダクトピッチが領域によって異なるように構成され、
前記回転子鉄心の少なくとも表面の一部には、発電機の運転時に前記回転子鉄心の表面に誘起される渦電流を抑制する渦電流抑制手段が設けられていることを特徴とする回転電機。 - 前記渦電流抑制手段は、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも高くなる所定領域に対向する前記回転子鉄心の表面に当該回転子鉄心の周方向に沿って形成されるスリットを設けることで実現されることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
- 前記渦電流抑制手段は、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも高くなる所定領域に対向する前記回転子鉄心の回転子楔を非磁性材とし、所定値よりも低くなる所定領域に対向する前記回転子鉄心の回転子楔を磁性材とすることで実現されることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
- 前記渦電流抑制手段は、前記電機子鉄心の軸方向の占積率が所定値よりも高くなる所定領域に対向する前記回転子鉄心の表面に導電性を有する塗料を塗布することで実現されることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111541315A (zh) * | 2019-02-07 | 2020-08-14 | 本田技研工业株式会社 | 旋转电机的定子 |
WO2021235344A1 (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 株式会社デンソー | 回転電機、及び回転電機の製造方法 |
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2014
- 2014-10-28 JP JP2014219638A patent/JP2016086602A/ja active Pending
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