JP2021067597A - 人体検知センサ及び便座装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる人体検知センサ及び便座装置を提供する。【解決手段】人体の有無に応じて静電容量が変化する検知電極と、前記検知電極と電気的に接続され、所定の周波数のパルス信号を前記検知電極に送信することにより、前記検知電極の静電容量の変化を検知する検知回路と、を備え、前記検知回路は、周波数の異なる複数の前記パルス信号を前記検知電極に送信可能であり、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、前記所定の周期毎に複数の前記パルス信号を所定の順序で循環させるように前記検知電極に送信することを特徴とする人体検知センサである。【選択図】図1

Description

本発明の態様は、一般的に、人体検知センサ及び便座装置に関する。
便座への着座を検知する方法として、機械式のスイッチを用いることが知られている。機械式のスイッチは、安価であるが、検知には、便座の沈み込む動きが必要となる。このため、ガタツキによって使い勝手を低下させてしまったり、沈み込みの分の製品高さが増すためデザイン性を低下させたりしてしまう虞がある。
例えば、便座に電極を設け、電極にパルス信号を送信出力し、その電流を測ることで、人体の着座にともなう静電容量の変化を検知する静電容量式の人体検知センサがある。静電容量式の人体検知センサでは、便座を沈み込ませる必要が無く、機械式のスイッチと比べて動作上及びデザイン上の制約を少なくすることができる。特に、人体局部を洗浄する衛生洗浄装置などの便座装置では、デザイン性を優先する傾向にあり、静電容量式の人体検知センサの採用が求められている。
静電容量式の人体検知センサでは、センシングに使用するパルス信号の送信周波数と環境ノイズの周波数とが一致してしまうと、誤検知を起こしてしまう可能性がある。このため、例えば、センシング中にパルス信号の送信周波数をランダムに変更することにより、1回のセンシング中に送信周波数が環境ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、1回のセンシング中の短い期間内に送信周波数を変更しようとすると、専用の特殊なハードウェアが必要となるなど、開発コストや製造コストの増加を招いてしまう可能性がある。特に、便座装置では、デザイン性とともに低コスト化が強く求められている。このため、人体検知センサ、及びこれを用いた便座装置では、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できるようにすることが望まれる。
特表2009−544938号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる人体検知センサ及び便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、人体の有無に応じて静電容量が変化する検知電極と、前記検知電極と電気的に接続され、所定の周波数のパルス信号を前記検知電極に送信することにより、前記検知電極の静電容量の変化を検知する検知回路と、を備え、前記検知回路は、周波数の異なる複数の前記パルス信号を前記検知電極に送信可能であり、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、前記所定の周期毎に複数の前記パルス信号を所定の順序で循環させるように前記検知電極に送信することを特徴とする人体検知センサである。
この人体検知センサによれば、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極に送信することにより、パルス信号の周波数が環境ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することができる。これにより、複数のパルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体の有無を判定することで、精度良く人体の有無を検知することができる。また、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極に送信することにより、1回のセンシング中に送信周波数を変更する場合などと比べて、特殊なハードウェアなどを用いる必要が無く、コスト増を抑制することができる。従って、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる人体検知センサを提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記検知回路は、周波数の異なる3つの前記パルス信号を前記検知電極に送信可能であり、前記所定の周期毎に3つの前記パルス信号を循環させるように前記検知電極に送信することを特徴とする人体検知センサである。
この人体検知センサによれば、周波数の異なる3つのパルス信号を循環させるように検知電極に送信する。これにより、3つのパルス信号の送信によって取得される3つの静電容量値を基に人体の有無を判定することで、精度良く人体の有無を検知することができる。また、4つ以上のパルス信号を送信し、4つ以上の静電容量値を基に人体の有無を判定する場合と比べて、人体の判定までに必要となる時間を短くし、応答性の低下を抑制することができる。従って、人体検知の精度を向上させつつ、応答性の低下を抑制することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、複数の前記パルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体の有無を判定する制御部をさらに備え、前記制御部は、所定の前記パルス信号の送信によって静電容量値を取得した際に、前記所定のパルス信号の送信によって取得された最新を含む直近複数回の前記静電容量値を基に、前記静電容量値の変動を判定し、別の前記パルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動していない状態で、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値が変動している場合に、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値を人体の有無の判定から除外することを特徴とする人体検知センサである。
この人体検知センサによれば、直近複数回の静電容量値の変動が大きく、ノイズを含む可能性の高い静電容量値を人体の有無の判定から除外し、人体検知の精度をより向上させることができる。
第4の発明は、第3の発明において、前記制御部は、複数の前記パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の前記静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行うとともに、前記別のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値が変動していない状態で、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値が変動している場合に、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値を前記平均値の計算から除外することを特徴とする人体検知センサである。
この人体検知センサによれば、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行うことで、人体の有無の判定の演算を簡単にすることができ、制御の複雑化を抑制することができる。
第5の発明は、第4の発明において、前記制御部は、複数の前記パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の前記静電容量値のそれぞれが変動している場合、複数の前記パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の前記静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行うことを特徴とする人体検知センサである。
この人体検知センサによれば、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値のそれぞれが変動している場合には、環境ノイズの影響で変動しているのではなく、人体の動きそのものを検知した可能性が高いため、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行うことで、人体の有無をより適切に判定することができる。また、例えば、複数の静電容量値が、変動した状態から安定した状態となるまで待って平均値を計算し、それに基づいて人体の有無を判定する場合などと比べて、応答性をより向上させることもできる。
第6の発明は、便座と、第1〜第5のいずれか1つの発明の人体検知センサと、を備え、前記人体検知センサは、前記便座に着座した人体を検知することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極に送信することにより、パルス信号の周波数が環境ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することができる。これにより、複数のパルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体の有無を判定することで、精度良く人体の有無を検知することができる。また、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極に送信することにより、1回のセンシング中に送信周波数を変更する場合などと比べて、特殊なハードウェアなどを用いる必要が無く、コスト増を抑制することができる。従って、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる便座装置を提供することができる。
第7の発明は、第6の発明において、前記便座を温めるヒータをさらに備え、前記便座は、内部空間を有するとともに、着座面と、前記内部空間内において前記着座面と反対側を向く内表面と、を有し、前記ヒータは、前記内部空間に設けられ、前記内表面を介して前記着座面を内側から温め、前記検知電極は、前記内表面に設けられ、前記便座への着座の有無に応じて静電容量が変化するとともに、前記ヒータよりも大きい面積を有し、前記ヒータの熱を前記内表面に拡散させることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、ヒータの熱を内表面に拡散させる熱拡散シートの機能を検知電極に持たせることができ、便座の着座面を温める場合にも部品点数の増加を抑制することができる。また、ヒータの電源にノイズが乗った場合などにも、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極に送信することにより、パルス信号の周波数が電源ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することができ、便座に着座した人体を精度良く検知することができる。
本発明の態様によれば、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる人体検知センサ及び便座装置が提供される。
第1の実施形態に係る人体検知センサを模式的に表すブロック図である。 第1の実施形態にかかる検知回路の具体例の一例を模式的に表すブロック図である。 第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すグラフである。 第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すグラフである。 第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。 第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。 第1の実施形態に係る人体検知センサの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。 第1の実施形態に係る人体検知センサの変形例を模式的に表すブロック図である。 第2の実施形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。 第2の実施形態に係る便座の一部を模式的に表す断面図である。 第2の実施形態にかかる便座装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。 第2の実施形態にかかる便座を模式的に表す平面図である。 第2の実施形態にかかる便座の一部を模式的に表す部分断面図である。 第2の実施形態にかかる便座の変形例を模式的に表す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る人体検知センサを模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、人体検知センサ10は、検知電極12と、検知回路14と、を備える。
検知電極12は、人体HBの有無に応じて静電容量が変化する。検知電極12は、人体HBが有る状態において、人体HBと静電結合する。これにより、検知電極12は、人体HBが無い状態よりも人体HBが有る状態において静電容量が大きくなる。このため、検知電極12に流れる電流は、人体HBが無い状態よりも人体HBが有る状態において大きくなる。この例において、人体検知センサ10は、人体の有無にともなう静電容量の変化を1つの電極で検知する、いわゆる自己容量型の静電容量式の人体検知センサである。
検知回路14は、検知電極12と電気的に接続され、所定の周波数のパルス信号を検知電極12に送信することにより、検知電極12の静電容量の変化を検知する。検知回路14は、例えば、所定数のパルスのパルス信号を検知電極12に送信し、各パルスを検知電極12に印加した際に検知電極12に蓄積された電荷を検知するとともに、各パルスの印加毎の電荷を積分する。検知回路14は、この電荷の積分値により、検知電極12の静電容量の変換を検知する。
人体検知センサ10は、制御部16をさらに備える。制御部16は、検知回路14による静電容量の検知を制御するとともに、検知された静電容量を基に、人体の有無を判定する。自己容量型のセンサでは、前述のように、人体HBが無い状態よりも人体HBが有る状態において検知電極12の静電容量が大きくなる。この場合、制御部16は、例えば、検知回路14によって検知された電荷の積分値が閾値を超えた場合に、人体HBが有ると判定し、検知回路14によって検知された電荷の積分値が閾値を超えない場合に、人体HBが無いと判定する。
なお、制御部16は、例えば、人体検知センサ10とは別に設けてもよい。制御部16は、人体検知センサ10に必要に応じて設けられ、省略可能である。人体検知センサ10は、例えば、検知回路14の静電容量の検知結果(例えば電荷の積分値)を外部の制御部などに出力する構成でもよい。人体検知センサ10は、少なくとも検知電極12と検知回路14とを備えていればよい。
検知回路14は、例えば、送信パルス出力部20と、送信周波数設定部22と、送信電荷量計測部24と、を有する。送信パルス出力部20は、制御部16と接続され、制御部16からの送信指示の入力に応じてパルス信号を検知電極12に出力する。送信周波数設定部22は、制御部16と接続され、制御部16からの送信周波数設定信号の入力に応じて、周波数情報を送信パルス出力部20に入力する。
送信パルス出力部20は、制御部16から送信指示の入力を受けるとともに、送信周波数設定部22から周波数情報の入力を受けることにより、周波数情報に対応した周波数のパルス信号を検知電極12に出力する。
送信パルス出力部20は、換言すれば、送信周波数設定部22から入力された周波数情報に応じてパルス信号の周波数を変化させる。このように、検知回路14は、周波数の異なる複数のパルス信号を検知電極12に送信可能である。
制御部16は、送信周波数設定信号を送信周波数設定部22に入力してパルス信号の周波数を設定し、送信パルス出力部20に送信指示を入力することにより、検知回路14による静電容量の検知を制御する。
送信電荷量計測部24は、送信パルス出力部20から検知電極12にパルス信号を入力した際の検知電極12の電荷量を基に、検知電極12の静電容量を計測し、計測した検知電極12の静電容量を制御部16に入力する。送信電荷量計測部24は、例えば、電荷の積分値を検知電極12の静電容量として制御部16に入力する。
図2は、第1の実施形態にかかる検知回路の具体例の一例を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、送信パルス出力部20は、例えば、切替スイッチ30と、基準電圧源31と、保護抵抗32と、駆動回路33と、を有する。切替スイッチ30は、第1端子30aと第2端子30bと第3端子30cとを有する。第1端子30aは、基準電圧源31と接続される。第1端子30aには、基準電圧源31から供給された直流電圧が入力される。第2端子30bは、送信電荷量計測部24と接続される。第3端子30cは、保護抵抗32を介して検知電極12と接続される。
保護抵抗32は、検知電極12と切替スイッチ30との間に設けられる。保護抵抗32は、電子部品から構成される検知回路14を、外部から入ってくる電気的なストレスから保護する部品である。
切替スイッチ30は、図示を省略した制御端子をさらに有し、制御端子を介して駆動回路33と接続される。切替スイッチ30は、駆動回路33の駆動に基づいて、第1端子30aと第3端子30cとを導通させた第1状態と、第2端子30bと第3端子30cとを導通させた第2状態と、を交互に切り替える。
駆動回路33は、送信周波数設定部22及び制御部16と接続され、送信周波数設定部22から入力された周波数情報、及び制御部16から入力された送信指示に応じて、切替スイッチ30の第1状態と第2状態とを切り替える。
図2において、C1は、検知電極12から近接する人体HBを介して共通電位GNDに繋がる静電容量を模式的に表している。従って、静電容量C1は、人体HBが検知電極12に近接している状態と、近接していない状態と、によって変化する。
切替スイッチ30を第1端子30aと第3端子30cとを導通させた第1状態にすると、基準電圧源31と検知電極12とが導通し、静電容量C1に電荷が蓄積される。このように、第1状態は、換言すれば、検知電極12の静電容量C1に電荷を蓄積させる状態である。
切替スイッチ30を第2端子30bと第3端子30cとを導通させた第2状態にすると、検知電極12と送信電荷量計測部24とが導通し、静電容量C1に蓄積された電荷が、送信電荷量計測部24に入力される。このように、第2状態は、換言すれば、検知電極12の静電容量C1に蓄積された電荷を送信電荷量計測部24に出力させる状態である。
駆動回路33は、制御部16から送信指示が入力された際に、周波数情報に応じた周波数で切替スイッチ30の第1状態及び第2状態を切り替え、これを繰り返す。この切替スイッチ30の切り替えにより、基準電圧源31の電圧に応じたパルス信号が検知電極12に入力されるとともに、静電容量C1に蓄積された電荷が、送信電荷量計測部24に入力される。パルス信号の周波数は、切替スイッチ30の切り替えの周波数に応じて変更することができる。
送信電荷量計測部24は、例えば、積分回路40を有する。切替スイッチ30の切り替えによって送信電荷量計測部24に入力された静電容量C1の電荷は、積分回路40に入力される。積分回路40の出力は、切替スイッチ30の切り替え回数、すなわち「積分回数」に比例して増大する。
電気回路にはホワイトノイズと呼ばれるランダムノイズが必ず発生するが、積分回数が増えるほど、ランダムノイズが平均化され、積分回路40の出力は安定する。つまり、積分回数が増えるほど、信号量が増えノイズが減少するので、検知回路14としては、高S/Nの動作となる。
積分回路40は、切替スイッチ30の切り替えに応じて所定の周波数で入力される静電容量C1の電荷を積分し、積分値を検知結果として制御部16に出力する。人体HBが有る状態(検知電極12に人体が近接している状態)の静電容量C1は、人体HBが無い状態(検知電極12に人体が近接していない状態)の静電容量C1よりも大きくなる。従って、切替スイッチ30の切り替えを所定の周期で所定の回数行い、上記のように静電容量C1の電荷を積分した場合、人体HBが有る状態の積分値(変化量)は、人体HBが無い状態の積分値よりも大きくなる。
このため、制御部16は、積分回路40から入力される積分値に対して所定の閾値を設定する。制御部16は、積分値が閾値を超えない場合に、人体HBが無いと判定し、積分値が閾値を超えた場合に、人体HBが有ると判定する。これにより、検知回路14によって人体HBの有無を検知することができ、制御部16において人体HBの有無を判定することができる。
積分回路40は、例えば、オペアンプ41と、コンデンサ42と、リセットスイッチ43と、を有する。オペアンプ41の非反転入力端子は、基準電位GNDに設定されている。オペアンプ41の反転入力端子は、切替スイッチ30の第2端子30bと接続されている。これにより、切替スイッチ30を第2状態にすると、静電容量C1に蓄積された電荷が、オペアンプ41の反転入力端子に入力される。コンデンサ42の一端は、オペアンプ41の出力端子と接続されている。コンデンサ42の他端は、オペアンプ41の反転入力端子と接続されている。また、オペアンプ41の出力端子は、制御部16と接続されている。これにより、静電容量C1に蓄積された電荷が、オペアンプ41の反転入力端子に入力される毎に、対応する電荷がコンデンサ42に蓄積され、コンデンサ42の電荷が積分値として制御部16に入力される。また、リセットスイッチ43は、コンデンサ42に並列に接続され、図示を省略した制御端子をさらに有し、制御端子を介して制御部16と接続される。リセットスイッチ43は、制御部16の制御に基づいて、コンデンサ42を開放状態と短絡状態とに切り替える。
積分回路40は、換言すれば、反転増幅回路の帰還抵抗をコンデンサに置き換えた回路である。この場合、静電容量C1に蓄積された電荷を、オペアンプ41の反転入力端子に入力する毎に、オペアンプ41の出力電圧は、低下する。このため、この積分回路40の場合、制御部16は、オペアンプ41の出力電圧が、リセットスイッチ43が短絡状態の出力電圧を基準とし、積分後にどれだけ出力電圧が低下したかを積分値、つまり、静電容量の検出結果として扱う。すなわち、制御部16は、積分値、実際はオペアンプ出力の電圧低下分が、所定の閾値よりも大きい場合に、人体HBが有ると判定し、積分値が所定の閾値以下の場合に、人体HBが無いと判定する。
また、制御部16は、コンデンサ42と並列に接続されたリセットスイッチ43の解放状態と短絡状態の切り替えを制御する。制御部16は、静電容量の検知動作の準備として、まず、リセットスイッチ43を短絡状態としてコンデンサ42に蓄積された電荷を放電して、積分回路40の積分値をリセットし、その後、リセットスイッチ43を開放状態とし、切替スイッチ30の切り替えを所定の周波数で所定の回数行い、その積分値に基づいて人体HBの有無の判定を行った後、リセットスイッチ43を短絡状態として積分回路40の積分値を再びリセットし、次の検知動作に備える。制御部16は、これを所定の周期で繰り返すことにより、検知回路14による人体HBの検知動作を所定の周期で繰り返し行うことになり、結果として、人体HBの検知動作を連続的に行うことができる。
図3及び図4は、第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3及び図4に表したように、検知回路14は、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信する。
制御部16は、所定の周期で送信周波数設定部22に送信周波数設定信号を入力することにより、複数の周波数を所定の順序で循環させるように送信周波数設定部22に設定する。検知回路14は、制御部16から入力された送信周波数設定信号に応じて切替スイッチ30の切り替えの周波数を変化させることにより、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信する。
検知回路14は、例えば、第1周波数f1、第2周波数f2、及び第3周波数f3の周波数の異なる3つのパルス信号を検知電極12に送信する。検知回路14は、例えば、第1周波数f1の第1パルス信号、第2周波数f2の第2パルス信号、第3周波数f3の第3パルス信号の順序で検知電極12に送信し、これを繰り返すことにより、所定の周期毎に3つのパルス信号を循環させるように検知電極12に送信する。
例えば、所定の周期は、100msである。第1周波数f1は、9kHzである。第2周波数f2は、10kHzである。第3周波数f3は、11kHzである。検知回路14は、各パルス信号において500個のパルスを検知電極12に入力する。換言すれば、検知回路14は、積分回路40において500回の積分を行う。この場合、1つのパルス信号の入力時間は、50ms程度である。検知回路14は、第1パルス信号を検知電極12に入力した後、第1パルス信号の入力開始から100ms経過後に第2パルス信号を検知電極12に入力し、第2パルス信号の入力開始から100ms経過後に第3パルス信号を検知電極12に入力し、第3パルス信号の入力開始から100ms経過後に第1パルス信号を検知電極12に入力し、以下同様に、これを繰り返す。
なお、所定の周期、各周波数、及びパルス信号に含まれるパルスの数などは、上記に限ることなく、人体HBを適切に検知できるように適宜設定すればよい。また、周波数の異なる複数のパルス信号の数は、3つに限ることなく、任意の数でよい。
また、パルス信号の周波数を変化させる構成は、上記のように、制御部16から入力された送信周波数設定信号に応じて変化させる構成に限定されるものではない。例えば、検知回路14に複数の周波数や各周波数の送信順序などを予め記憶させておき、検知回路14から自動的に周波数の異なる複数のパルス信号を循環させるように送信してもよい。この場合、送信周波数設定部22などは、省略可能である。このように、検知回路14の構成は、上記に限定されるものではない。検知回路14の構成は、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信可能な任意の構成でよい。
制御部16は、周波数の異なる複数のパルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体HBの有無を判定する。制御部16は、例えば、周波数の異なる3つのパルス信号の送信によって取得される3つの静電容量値を基に人体HBの有無を判定する。
制御部16は、所定のパルス信号の送信によって静電容量値(積分値)を取得した際に、所定のパルス信号の送信によって取得された最新を含む直近複数回の静電容量値を基に、静電容量値の変動を判定する。
制御部16は、例えば、第1周波数f1の第1パルス信号を検知電極12に送信して静電容量値を取得した際に、第1パルス信号の送信によって取得された最新の静電容量値と、1回前の第1パルス信号の送信によって取得された静電容量値と、2回前の第1パルス信号の送信によって取得された静電容量値と、の直近3回分の静電容量値を基に、静電容量値の変動を判定する。制御部16は、例えば、3回分の静電容量値の分散を求め、分散が所定の閾値未満である場合に、静電容量値が変動していないと判定し、分散が所定の閾値以上である場合に、静電容量値が変動していると判定する。
図3及び図4では、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値の変動N(f1)、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値の変動N(f2)、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値の変動N(f3)を一例として表している。また、図3及び図4では、変動N(f1)、変動N(f2)、変動N(f3)において、変動していない状態をLo、変動している状態をHiとして表している。
図3の期間T11、T12、及び図4の期間T22、T24に表したように、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値、及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値のそれぞれが変動している場合には、人体HBの影響による検知電極12の静電容量値の変動である可能性が高い。
一方、図4の期間T21に表したように、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値のみが変動している場合や、図4の期間T23に表したように、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値のみが変動している場合には、人体検知センサ10が、電源ノイズなどの環境ノイズの影響を受けている可能性が高い。すなわち、パルス信号の周波数が、環境ノイズの周波数と一致してしまったことに起因する静電容量値の変動である可能性が高い。
このため、制御部16は、別のパルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動していない状態で、所定のパルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動している場合に、所定のパルス信号の送信によって取得された静電容量値を人体HBの有無の判定から除外する。
制御部16は、例えば、図4の期間T21においては、第2パルス信号の送信によって取得された静電容量値を人体HBの有無の判定から除外し、第1パルス信号の送信によって取得された静電容量値及び第3パルス信号の送信によって取得された静電容量値のみを用いて人体HBの有無を判定する。また、制御部16は、例えば、図4の期間T23においては、第1パルス信号の送信によって取得された静電容量値を人体HBの有無の判定から除外し、第2パルス信号の送信によって取得された静電容量値及び第3パルス信号の送信によって取得された静電容量値のみを用いて人体HBの有無を判定する。
制御部16は、例えば、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体HBの有無の判定を行う。制御部16は、例えば、第1パルス信号の最新の送信によって取得された静電容量値、第2パルス信号の最新の送信によって取得された静電容量値、及び第3パルス信号の最新の送信によって取得された静電容量値の3つの静電容量値の平均値に基づいて、人体HBの有無の判定を行う。
制御部16は、例えば、各静電容量値の平均値に対して閾値を設定し、平均値が閾値を超えない場合に、人体HBが無いと判定し、平均値が閾値を超えた場合に、人体HBが有ると判定する。
そして、制御部16は、別のパルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動していない状態で、所定のパルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動している場合に、所定のパルス信号の送信によって取得された静電容量値を平均値の計算から除外する。
また、制御部16は、図3の期間T11、T12、及び図4の期間T22、T24に表したように、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値のそれぞれが変動している場合、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行う。
図5は、第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図5に表したように、制御部16は、人体HBの検知を開始すると、まず、人体HBの検知を行う所定の周期か否かを判定する(図5のステップS101)。すなわち、所定の周期で繰り返し実行される、静電容量の検知動作のスタートするタイミングであるかどうかを判定し、そのタイミングになるまで待つ。
制御部16は、所定の周期であると判定すると、送信周波数設定部22に送信周波数設定信号を入力することにより、複数の周波数を所定の順序で循環させるように送信周波数設定部22に設定する(図5のステップS102)。
制御部16は、周波数を設定した後、送信パルス出力部20に送信指示を入力する。検知回路14は、送信指示の入力を受けると、制御部16から入力された送信周波数設定信号に応じて切替スイッチ30の切り替えの周波数を変化させることにより、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信する(図5のステップS103)。
検知回路14は、パルス信号の送信を開始した後、検知電極12に送信出力したパルスの数が、予め設定された設定回数に到達したか否かを判定する(図5のステップS104)。
検知回路14は、設定回数のパルスの送信出力が終了したと判定すると、検知電極12の静電容量を測定する(図5のステップS105)。検知回路14は、例えば、積分回路40のコンデンサ42に蓄積された電荷(積分回路40の積分値)を検知電極12の静電容量として測定し、制御部16に入力する。
制御部16は、所定のパルス信号の送信によって静電容量値を取得した際に、所定のパルス信号の送信によって取得された最新を含む直近複数回の静電容量値を基に、直近複数回の静電容量値の分散を求める(図5のステップS106)。
制御部16は、分散を求めた後、求めた分散が所定の閾値以上か否かを判定する(図5のステップS107)。制御部16は、閾値未満と判定した場合に、静電容量値が変動していないと判定する(図5のステップS108)。そして、制御部16は、閾値以上と判定した場合に、静電容量値が変動していると判定する(図5のステップS109)。
制御部16は、静電容量値の変動を判定した後、静電容量値の変動の判定結果、及び取得された静電容量値を基に、人体HBの有無を判定する(図5のステップS110)。
図6は、第1の実施形態に係る人体検知センサの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図6は、第1パルス信号、第2パルス信号、及び第3パルスの周波数の異なる3つのパルス信号を送信する場合の制御部16による人体HBの有無の判定動作の一例を模式的に表す。
図6に表したように、制御部16は、人体HBの有無の判定を開始すると、まず、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS201)。すなわち図6は、図5のステップS110の判定動作の一例の詳細を示すものである。
制御部16は、変動していないと判定した場合、続いて、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS202)。
制御部16は、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値も変動していないと判定した場合、続いて、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS203)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値も変動していないと判定した場合、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値、及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値の平均値を算出する(図6のステップS204)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値の算出から除外し、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値及び第2パルス信号の送信に基づく静電容量値の平均値を算出する(図6のステップS205)。
制御部16は、ステップS202において第2パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、続いて、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS206)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していないと判定した場合、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値の算出から除外し、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値の平均値を算出する(図6のステップS207)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値の算出から除外し、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値として用いる(図6のステップS208)。
制御部16は、ステップS201において第1パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、続いて、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS209)。
制御部16は、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していないと判定した場合、続いて、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS210)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値も変動していないと判定した場合、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値の算出から除外し、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値の平均値を算出する(図6のステップS211)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値の算出から除外し、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値として用いる(図6のステップS212)。
制御部16は、ステップS209において第2パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、続いて、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動しているか否かを判定する(図6のステップS213)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していないと判定した場合、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値及び第2パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値の算出から除外し、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値を平均値として用いる(図6のステップS214)。
制御部16は、第3パルス信号の送信に基づく静電容量値が変動していると判定した場合、第1パルス信号の送信に基づく静電容量値、第2パルス信号の送信に基づく静電容量値、及び第3パルス信号の送信に基づく静電容量値の平均値を算出する(図6のステップS215)。すなわち、制御部16は、第1パルス信号、第2パルス信号、及び第3パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された3つの静電容量値のそれぞれが変動している場合、第1パルス信号、第2パルス信号、及び第3パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された3つの静電容量値の平均値を算出する。
制御部16は、ステップS204、S205、S207、S208、S211、S212、S214、S215のいずれかで平均値を算出した後、平均値が所定の閾値を超えたか否かを判定する(図6のステップS216)。
制御部16は、平均値が閾値を超えたと判定した場合、人体HBが有ると判定する(図6のステップS217)。制御部16は、平均値が閾値を超えていないと判定した場合、人体HBが無いと判定する(図6のステップS218)。これにより、人体検知センサ10では、環境ノイズなどの影響を抑制し、人体HBの有無を適切に検知することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る人体検知センサ10では、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信することにより、パルス信号の周波数が環境ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することができる。これにより、複数のパルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体HBの有無を判定することで、精度良く人体HBの有無を検知することができる。また、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信することにより、1回のセンシング中に送信周波数を変更する場合などと比べて、特殊なハードウェアなどを用いる必要が無く、コスト増を抑制することができる。従って、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる人体検知センサ10を提供することができる。
また、人体検知センサ10では、周波数の異なる3つのパルス信号を循環させるように検知電極12に送信する。これにより、3つのパルス信号の送信によって取得される3つの静電容量値を基に人体HBの有無を判定することで、精度良く人体HBの有無を検知することができる。なお、周波数の異なる2つのパルス信号を循環させることも可能だが、環境ノイズの周波数が、2つのパルス信号のちょうど真ん中の周波数であった場合、2つのパルス信号に基づく静電容量値の変動量が、全く同じになる可能性がある。その場合、どちらのパルス信号に基づく静電容量値を元に人体HBの有無を判定すべきか判断できなくなるが、3つのパルス信号を使えば、(限られた条件ではあるにせよ)このようなケースは起きない。また、4つ以上のパルス信号を送信し、4つ以上の静電容量値を基に人体HBの有無を判定する場合と比べて、3つのパルス信号を送信する方が、人体HBの判定までに必要となる時間を短くし、応答性の低下を抑制することができる。従って、人体検知の精度を向上させつつ、応答性の低下を抑制することができる。
また、人体検知センサ10では、制御部16が、所定のパルス信号の送信によって静電容量値を取得した際に、所定のパルス信号の送信によって取得された最新を含む直近複数回の静電容量値を基に、静電容量値の変動を判定し、別のパルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動していない状態で、所定のパルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動している場合に、所定のパルス信号の送信によって取得された静電容量値を人体HBの有無の判定から除外する。これにより、直近複数回の静電容量値の変動が大きく、ノイズを含む可能性の高い静電容量値を人体HBの有無の判定から除外し、人体検知の精度をより向上させることができる。
また、人体検知センサ10では、制御部16が、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体HBの有無の判定を行うことで、人体HBの有無の判定の演算を簡単にすることができ、制御の複雑化を抑制することができる。
また、人体検知センサ10では、制御部16が、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値のそれぞれが変動している場合、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体HBの有無の判定を行う。複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値のそれぞれが変動している場合には、環境ノイズの影響で変動しているのではなく、人体HBの動きそのものを検知した可能性が高いため、複数のパルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の静電容量値の平均値に基づいて人体HBの有無の判定を行うことで、人体HBの有無をより適切に判定することができる。また、例えば、複数の静電容量値が、変動した状態から安定した状態となるまで待って平均値を計算し、それに基づいて人体の有無を判定する場合などと比べて、応答性をより向上させることもできる。
図7は、第1の実施形態に係る人体検知センサの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図7は、制御部16による人体HBの有無の判定の別の動作の一例を模式的に表す。換言すれば、図7の動作は、図6に表した動作に置き換えて行われる動作である。
図7に表したように、この例において、制御部16は、人体HBの有無の判定を開始すると、まず、最新のパルス信号fnの送信に基づく静電容量値C(fn)が変動しているか否かを判定する(図7のステップS301)。補足すると、図7の動作は、図5のステップ110の動作の詳細を説明するものであるから、図5のステップS110が実行される直前に図5のステップS102で選択されたパルス信号fnが、図7のステップS301の最新のパルス信号fnである。よって、図7のステップS301が実行されるごとに、fnは、f1、f2、f3、そしてf1と循環して変化する。また、ステップS301のN(fn)は、図5のステップS108またはS109で設定されたN(fn)の値である。
制御部16は、最新のパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn)が変動していないと判定した場合、最新のパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn)が所定の閾値を超えたか否かを判定する(図7のステップS302)。例えば、最新のパルス信号fnがf1とすれば、パルス信号f1の送信に基づく静電容量C(f1)が所定の閾値を越えたか否かを判定する。
制御部16は、最新のパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn)が変動していると判定した場合、1つ前の静電検知動作の、パルス信号fn−1の送信に基づく静電容量値C(fn−1)が変動しているか否かを判定する(図7のステップS303)。例えば、最新のパルス信号fnがf1であった場合、1つ前の静電検知動作の送信信号はパルス信号f3であるため、静電容量C(fn−1)とは、C(f3)のことであり、その変動の有無を判定する値はN(f3)である。
制御部16は、1つ前の静電検知動作の、パルス信号fn−1の送信に基づく静電容量値C(fn−1)が変動していないと判定した場合、静電容量値C(fn−1)が所定の閾値を超えたか否かを判定する(図7のステップS304)。
制御部16は、1つ前の静電検知動作の、パルス信号fn−1の送信に基づく静電容量値C(fn−1)が変動していると判定した場合、2つ前の静電検知動作の、パルス信号fn−2の送信に基づく静電容量値C(fn−2)が変動しているか否かを判定する(図7のステップS305)。なお、fnがf1とすれば、fn−2はf2である。
制御部16は、2つ前の静電検知動作の、パルス信号fn−2の送信に基づく静電容量値C(fn−2)が変動していないと判定した場合、静電容量値C(fn−2)が所定の閾値を超えたか否かを判定する(図7のステップS306)。
制御部16は、2つ前の静電検知動作の、パルス信号fn−2の送信に基づく静電容量値C(fn−2)が変動していると判定した場合、最新のパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn)、1つ前の送信に基づく静電容量値C(fn−1)、2つ前の送信に基づく静電容量値C(fn−2)の平均値を算出し、算出した平均値が所定の閾値を超えたか否かを判定する(図7のステップS307)。
制御部16は、ステップS302、S304、S306、S307のいずれかで閾値を超えたと判定した場合に、人体HBが有ると判定する(図7のステップS308)。そして、制御部16は、ステップS302、S304、S306、S307のいずれかで閾値を超えていないと判定した場合に、人体HBが無いと判定する(図7のステップS309)。
このように、最新のパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn)が変動している場合には、1つ前の静電検知動作で使用されたパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn−1)や、2つ前の静電検知動作で使用されたパルス信号の送信に基づく静電容量値C(fn−2)などを基に、人体HBの有無を判定してもよい。
また、例えば、ステップS307に表したように、それぞれの周波数のパルス信号の送信に基づく静電容量値が全て変動している場合には、それぞれの周波数のパルス信号の静電容量値の平均値を算出し、平均値に基づいて人体HBの有無を判定してもよい。
図8は、第1の実施形態に係る人体検知センサの変形例を模式的に表すブロック図である。
なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は、省略する。
図8に表したように、人体検知センサ10aでは、検知電極12が、送信電極12aと受信電極12bとを有する。検知回路14は、送信電極12a及び受信電極12bと電気的に接続され、所定の周波数のパルス信号を送信電極12aに送信することにより、受信電極12bとの静電容量の変化を検知する。
人体検知センサ10aにおいて、送信電極12aにパルス信号を送信すると、送信電極12aと受信電極12bとの静電結合により、受信電極12bが受信する電荷量(以下、受信電荷量と称す)が変化する。人体HBが有る状態では、送信電極12aと人体HBとの静電結合により、送信電極12aから受信電極12bに向かう電気力線の一部が、人体HBに向かうため、送信電極12aと受信電極12bの静電結合が減少する。このため、人体HBが有る状態では、人体HBが無い状態と比べて、送信電極12aにパルス信号を送信した際の、受信電極12bの受信電荷量が小さくなる。人体検知センサ10aは、この受信電荷量の変化により、人体HBの有無を検知する。人体検知センサ10aは、いわゆる相互容量型の静電容量式の人体検知センサである。
人体検知センサ10aの検知回路14では、送信電荷量計測部24が、受信電荷量計測部26に置き換えられている。受信電荷量計測部26は、受信電極12bの受信電荷量を検知電極12の静電容量として計測し、計測した検知電極12の静電容量を制御部16に入力する。
人体検知センサ10aでは、前述のように、人体HBが有る状態において、人体HBが無い状態よりも受信電荷量が小さくなる。従って、人体検知センサ10aの制御部16は、例えば、検知回路14によって検知された静電容量値が閾値を超えない場合に、人体HBが有ると判定し、検知回路14によって検知された静電容量値が閾値を超えた場合に、人体HBが無いと判定する。
人体検知センサ10aにおいても、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12(送信電極12a)に送信することにより、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制することができる。
このように、実施形態に係る人体検知センサは、自己容量型の静電容量式の人体検知センサ10でもよいし、相互容量型の静電容量式の人体検知センサ10aでもよい。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。
図9に表したように、トイレ装置100は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)104と、その上に設けられた便座装置110と、を備える。便座装置110は、本体部112と、便座114と、便蓋116と、を有する。
以下の実施形態の説明では、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」を用いるが、これらの方向は、図9に表すように、便座114に座った使用者から見た方向である。
便器104は、下方に向けて窪んだボウル部104aを有する。便器104は、ボウル部104aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。便座装置110の本体部112は、便器104のボウル部104aよりも後方の上部に設けられる。本体部112は、便座114及び便蓋116を開閉可能に軸支している。
便座114は、開口部114aを有する。便座114は、ボウル部104aの外縁を囲むように便器104の上に設けられ、開口部114aを介してボウル部104aを露呈させる。これにより、使用者は、便座114に座った状態でボウル部104aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部114aが形成された、いわゆるO型の便座114を示している。便座114は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。
便座装置110は、便座114の着座面を温める便座114の暖房機能を有する。また、便座装置110は、便座114に座った使用者の「おしり」などの局部を洗浄する衛生洗浄機能を有する。便座装置110は、換言すれば、衛生洗浄装置である。但し、便座装置110は、必ずしも衛生洗浄機能や暖房機能を有しなくてもよい。便座装置110は、例えば、暖房機能のみを有する暖房便座装置でもよい。
便座装置110は、人体局部の洗浄を行うためのノズル120を有する。ノズル120は、本体部112に設けられ、本体部112内に収納された位置と、本体部112からボウル部104a内に進出した位置と、に進退移動する。なお、図9では、ノズル120がボウル部104a内に進出した状態を表している。
本体部112は、リモコンなどの操作部106と通信可能に構成されている。本体部112と操作部106との間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。本体部112は、例えば、操作部106からの操作指示の入力に応じてノズル120をボウル部104a内に進出させる。
ノズル120は、人体局部に向けて水を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル120の先端部には、ビデ洗浄吐水口120a及びおしり洗浄吐水口120bが設けられている。ノズル120は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口120aから水を噴射して、便座114に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル120は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口120bから水を噴射して、便座114に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
「おしり」を洗浄するモードのなかには、例えば、「おしり洗浄」と、「おしり洗浄」よりもソフトな水流で優しく洗浄する「やわらか洗浄」と、が含まれる。ノズル120は、例えば、「ビデ洗浄」と、「おしり洗浄」と、「やわらか洗浄」と、を実行することができる。
なお、図9に表したノズル120では、ビデ洗浄吐水口120aがおしり洗浄吐水口120bよりもノズル120の先端側に設けられているが、ビデ洗浄吐水口120aおよびおしり洗浄吐水口120bの設置位置は、これだけに限定されるわけではない。ビデ洗浄吐水口120aは、おしり洗浄吐水口120bよりもノズル120の後端側に設けられていてもよい。また、図9に表したノズル120では、2つの吐水口が設けられているが、3つ以上の吐水口が設けられていてもよい。
図10は、第2の実施形態に係る便座の一部を模式的に表す断面図である。
図10は、図9のA1−A2線断面を模式的に表す。
図10に表したように、便座114は、内部空間SPを有する。換言すれば、便座114は、中空状である。便座114は、例えば、上板130と下板132とを有し、上板130と下板132とを接合することにより、上板130と下板132との間に内部空間SPを形成する。上板130は、使用者が着座する着座面130aと、下板132と対向する内表面130bと、を有する。内表面130bは、換言すれば、内部空間SP内において着座面130aと反対側を向く面である。上板130と下板132との接合は、接着剤を用いた接着でもよいし、振動溶着などを用いた溶着などでもよい。但し、便座114の構成は、上記に限ることなく、少なくとも内部空間SPと着座面130aと内表面130bとを有する任意の構成でよい。
図11は、第2の実施形態にかかる便座装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。
図11に表したように、便座装置110は、人体検知センサ200と、制御部202と、ヒータ204と、電源回路206と、制御負荷208と、を備える。
人体検知センサ200は、便座114に着座した人体を検知する。人体検知センサ200は、検知電極12と検知回路14とを有する。この人体検知センサ200には、第1の実施形態に関して説明した人体検知センサ10、10aを用いることができる。
制御部202は、便座装置110の各部の動作を統括的に制御する。制御部202は、検知回路14及び制御負荷208と電気的に接続され、検知回路14及び制御負荷208の動作を制御する。このように、制御部202は、人体検知センサ200とは別に設けてもよい。
便座装置110は、例えば、複数の制御負荷208を有する。制御負荷208は、例えば、ノズル120を進退移動させるためのモーターや、ノズル120への水の供給(ノズル120からの吐水)及びノズル120への水の供給の停止を切り替えるための電磁弁などである。制御負荷208は、例えば、ノズル120に供給する水を加熱する熱交換器、ビデ洗浄吐水口120a及びおしり洗浄吐水口120bの経路の切り替えを行う切替弁、及びボウル部104a内の空気を吸引して脱臭する脱臭装置などをさらに含んでもよい。制御負荷208は、電源回路206から供給される直流電圧によって動作するとともに、制御部202によって動作を制御される任意の機器でよい。
制御部202は、例えば、図示を省略した通信回路などを介して操作部106と通信可能に接続される。制御部202には、例えば、ノズル120による局部洗浄の実行及び局部洗浄の停止など、操作部106の操作に応じた種々の操作指示が入力される。制御部202は、操作部106から入力された操作指示に応じて制御負荷208の動作を制御する。これにより、制御部202は、操作部106の操作に応じて、ノズル120による局部洗浄の実行及び局部洗浄の停止などを制御する。
検知回路14は、制御部202の制御に基づいて便座114への着座を検知し、検知結果を制御部202に入力する。制御部202は、検知回路14による着座の検知を制御するとともに、検知回路14の検知結果に基づいて、便座114に人が着座しているか否かを判定する。制御部202は、操作部106から入力される操作指示及び検知回路14の検知結果に基づいて複数の制御負荷208の動作を制御する。
制御部202は、検知回路14によって便座114への着座が検知されている場合に、操作部106からの操作指示に応じて所定の制御負荷208を動作させる。一方、制御部202は、検知回路14によって便座114への着座が検知されていない場合には、操作部106から操作指示が入力されたとしても、所定の制御負荷208を動作させない。制御部202は、例えば、着座が検知されていない場合には、ノズル120による局部洗浄を行わないようにする。これにより、使用者などが便座114に着座していない状態においてノズル120から水が吐出されてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、脱臭装置を制御負荷208とする場合には、制御部202は、検知回路14による便座114への着座の検知に応答して、制御負荷208を動作させる。このように、制御部202は、検知回路14の検知結果に基づく制御負荷208の動作の状態を、制御負荷208の種類に応じて変化させる。制御部202は、検知回路14の検知結果に応じて制御負荷208を動作させたり、制御負荷208の動作を禁止したりする。
ヒータ204は、便座114を温める。すなわち、ヒータ204は、便座114の暖房機能を提供する。
電源回路206は、電源端子210を介して交流電源PSと電気的に接続される。電源回路206は、交流電源PSから供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換後の直流電圧を検知回路14、制御部202、及び制御負荷208に供給する。
ヒータ204は、電源端子210と接続されている。これにより、ヒータ204には、交流電源PSから供給された交流電圧が印加される。また、ヒータ204と電源端子210との間には、ヒータ204への交流電圧の印加及び印加の停止を切り替えるためのスイッチング素子220が設けられている。スイッチング素子220は、制御部202と接続されている。制御部202は、スイッチング素子220のオン・オフの切り替えを制御する。換言すれば、制御部202は、ヒータ204への通電(交流電圧の印加及び印加の停止)を制御する。
制御部202は、例えば、便座114の着座面130aの温度が、操作部106の操作などによって設定された所定の設定温度となるように、ヒータ204への通電を制御する。また、制御部202は、例えば、検知回路14によって着座が検知されていない場合には、便座114の着座面130aの温度を設定温度よりも低くする。そして、制御部202は、検知回路14によって着座が検知された場合に、便座114の着座面130aの温度を設定温度まで昇温する。これにより、不使用時における不要な電力の消費を抑え、便座装置110の消費電力を抑えることができる。
制御部202は、例えば、交流電圧の複数の半波を1単位とするパターン制御方式によってヒータ204への通電を制御する。制御部202は、例えば、ゼロクロス点の検出結果に応じてヒータ204への通電及び通電の停止を切り替える。制御部202は、例えば、着座面130aの温度を上昇させる場合などに、通電する半波の数を増やし、着座面130aの温度を保温する場合や下げる場合などに、通電する半波の数を減らす。これにより、着座面130aの温度を所望の温度に制御することができる。
図12は、第2の実施形態にかかる便座を模式的に表す平面図である。
図13は、第2の実施形態にかかる便座の一部を模式的に表す部分断面図である。
図12及び図13に表したように、ヒータ204は、内部空間SPに設けられ、外部からの交流電圧の印加により、内表面130bを介して着座面130aを内側から温める。ヒータ204は、電流を流すことによって発熱する。ヒータ204は、例えば、電熱線である。
検知電極12は、内表面130bに設けられる。検知電極12は、例えば、シート状である。ヒータ204は、例えば、コード状である。検知電極12の面積は、ヒータ204の面積よりも大きい。これにより、検知電極12は、ヒータ204の熱を内表面130bに拡散させる。このように、検知電極12は、内表面130bに設けられ、便座114への着座の有無に応じて静電容量を変化させるとともに、ヒータ204よりも大きい面積を有し、ヒータ204の熱を内表面130bに拡散させる。すなわち、検知電極12は、便座114への着座の有無を検知する電極として機能するとともに、ヒータ204の熱を内表面130bに拡散させる熱拡散シートとしても機能する。
検知電極12とヒータ204との間には、第1接着剤240が設けられている。第1接着剤240は、検知電極12とヒータ204とを接合する。
検知電極12と、上板130の内表面130bと、の間には、第2接着剤242が設けられている。第2接着剤242は、検知電極12と、上板130の内表面130bと、を接合する。これにより、検知電極12は、上板130の内表面130bに設けられる。
検知電極12は、導体である。検知電極12は、例えば、金属箔である。金属箔の熱伝導率は、上板130の熱伝導率よりも高い。検知電極12としては、例えばアルミニウム箔や銅箔などが挙げられる。
図12に表したように、ヒータ204は、検知電極12において蛇行し、検知電極12の略全体にわたって配置される。また、図10に表したように、検知電極12は、上板130の内表面130bの略全体にわたって設けられている。ヒータ204は、上板130の内表面130bの下において蛇行し、内表面130bの略全体にわたって配置される。このように、コード状のヒータ204は、曲げながら内表面130bに設けられる。なお、ヒータ204は、コード状に限ることなく、シート状などでもよい。ヒータ204の構成は、着座面130aを内側から温めることができる任意の構成でよい。
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置110では、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信することにより、パルス信号の周波数が環境ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することができる。これにより、複数のパルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体の有無を判定することで、精度良く便座114への着座の有無を検知することができる。また、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信することにより、1回のセンシング中に送信周波数を変更する場合などと比べて、特殊なハードウェアなどを用いる必要が無く、コスト増を抑制することができる。従って、コスト増を抑制しつつ、環境ノイズの影響を抑制できる便座装置110を提供することができる。
また、便座装置110では、検知電極12が、便座114の内表面130bに設けられ、便座114への着座の有無に応じて静電容量を変化させるとともに、ヒータ204よりも大きい面積を有し、ヒータ204の熱を内表面130bに拡散させる。これにより、ヒータ204の熱を内表面130bに拡散させる熱拡散シートの機能を検知電極12に持たせることができ、便座114の着座面130aを温める場合にも部品点数の増加を抑制することができる。また、ヒータ204の電源にノイズが乗った場合などにも、所定の周期毎に周波数の異なる複数のパルス信号を所定の順序で循環させるように検知電極12に送信することにより、パルス信号の周波数が電源ノイズの周波数と一致してしまうことを抑制することができ、便座114に着座した人体HBを精度良く検知することができる。
図14は、第2の実施形態にかかる便座の変形例を模式的に表す平面図である。
図14に表したように、この例において、便座114は、熱拡散シート250をさらに有する。熱拡散シート250は、便座114の内表面130bに設けられ、ヒータ204よりも大きい面積を有し、ヒータ204の熱を内表面130bに拡散させる。熱拡散シート250は、換言すれば、上記実施形態の検知電極12を置き換えたものである。また、熱拡散シートは、その目的から熱伝導率の大きい材質が望ましく、自由電子が良好な熱伝導をもたらすため、結果として、金属箔のような電気伝導体が適している。
この例において、検知電極12は、便座114の内表面130bに熱拡散シート250と重ねて設けられる。この場合、検知電極12は、熱拡散シート250の上に重ねてもよいし、熱拡散シート250の下に重ねてもよい。換言すれば、熱拡散シート250と内表面130bとの間に検知電極12を設けてもよいし、反対に、検知電極12と内表面130bとの間に熱拡散シート250を設けてもよい。いずれの配置においても、金属である熱拡散シート250は人体HBと静電結合し、検知電極12とも静電結合するので、検知電極12から熱拡散シート250を経由して人体HBとの静電容量を測定することが可能となる。或いは、熱拡散シート250の、検知電極12と重なる部分のみを切り欠いて、熱拡散シート250の静電的な影響を除いてもよい。また、この場合、検知電極12の面積は、例えば、熱拡散シート250の面積よりも小さい。
このように、検知電極12は、熱拡散シート250とは別に設けてもよい。検知電極12は、必ずしもヒータ204の熱を拡散させる機能を有しなくてもよい。検知電極12の配置は、必ずしも内表面130bでなくてもよい。検知電極12の配置は、便座114に着座した人体HBを適切に検知することができる任意の位置でよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、人体検知センサ10や便座装置110などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10、10a 人体検知センサ、 12 検知電極、 12a 送信電極、 12b 受信電極、 14 検知回路、 16 制御部、 20 送信パルス出力部、 22 送信周波数設定部、 24 送信電荷量計測部、 26 受信電荷量計測部、 30 切替スイッチ、 31 基準電圧源、 32 保護抵抗、 33 駆動回路、 40 積分回路、 41 オペアンプ、 42 コンデンサ、 43 リセットスイッチ、 100 トイレ装置、 104 便器、 106 操作部、 110 便座装置、 112 本体部、 114 便座、 116 便蓋、 120 ノズル、 130 上板、 130a 着座面、 130b 内表面、 132 下板、 200 人体検知センサ、 202 制御部、 204 ヒータ、 206 電源回路、 208 制御負荷、 210 電源端子、 220 スイッチング素子、 240 第1接着剤、 242 第2接着剤、 250 熱拡散シート

Claims (7)

  1. 人体の有無に応じて静電容量が変化する検知電極と、
    前記検知電極と電気的に接続され、所定の周波数のパルス信号を前記検知電極に送信することにより、前記検知電極の静電容量の変化を検知する検知回路と、
    を備え、
    前記検知回路は、周波数の異なる複数の前記パルス信号を前記検知電極に送信可能であり、所定の周期で静電容量の検知を行うとともに、前記所定の周期毎に複数の前記パルス信号を所定の順序で循環させるように前記検知電極に送信することを特徴とする人体検知センサ。
  2. 前記検知回路は、周波数の異なる3つの前記パルス信号を前記検知電極に送信可能であり、前記所定の周期毎に3つの前記パルス信号を循環させるように前記検知電極に送信することを特徴とする請求項1記載の人体検知センサ。
  3. 複数の前記パルス信号の送信によって取得される複数の静電容量値を基に人体の有無を判定する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、所定の前記パルス信号の送信によって静電容量値を取得した際に、前記所定のパルス信号の送信によって取得された最新を含む直近複数回の前記静電容量値を基に、前記静電容量値の変動を判定し、別の前記パルス信号の送信によって取得された静電容量値が変動していない状態で、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値が変動している場合に、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値を人体の有無の判定から除外することを特徴とする請求項1又は2に記載の人体検知センサ。
  4. 前記制御部は、複数の前記パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の前記静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行うとともに、前記別のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値が変動していない状態で、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値が変動している場合に、前記所定のパルス信号の送信によって取得された前記静電容量値を前記平均値の計算から除外することを特徴とする請求項3記載の人体検知センサ。
  5. 前記制御部は、複数の前記パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の前記静電容量値のそれぞれが変動している場合、複数の前記パルス信号のそれぞれの最新の送信によって取得された複数の前記静電容量値の平均値に基づいて人体の有無の判定を行うことを特徴とする請求項4記載の人体検知センサ。
  6. 便座と、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の人体検知センサと、
    を備え、
    前記人体検知センサは、前記便座に着座した人体を検知することを特徴とする便座装置。
  7. 前記便座を温めるヒータをさらに備え、
    前記便座は、内部空間を有するとともに、着座面と、前記内部空間内において前記着座面と反対側を向く内表面と、を有し、
    前記ヒータは、前記内部空間に設けられ、前記内表面を介して前記着座面を内側から温め、
    前記検知電極は、前記内表面に設けられ、前記便座への着座の有無に応じて静電容量が変化するとともに、前記ヒータよりも大きい面積を有し、前記ヒータの熱を前記内表面に拡散させることを特徴とする請求項6記載の便座装置。
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