JP7330430B2 - 便座装置 - Google Patents

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本発明の態様は、一般的に、便座装置に関する。
中空状の便座の内部にヒータを設け、便座の着座面を暖められるようにした便座装置が知られている。こうした便座装置では、使用者などの便座への着座を検出する着座センサを設けることが行われている。例えば、着座センサが着座を検出していない状態においては、便座の温度を設定温度よりも低くしておき、着座の検出に応じて設定温度まで暖める。これにより、便座装置の消費電力を抑えることができる。
着座センサには、スイッチ式や静電容量式などがある。スイッチ式の着座センサは、便座の回転軸部分を上下方向に移動可能とし、着座による回転軸部分の下方への移動をスイッチで検出することにより、便座への着座を検出する。静電容量式の着座センサは、便座に導電性の検出電極を設け、人体が着座すると検出電極の静電容量が大きくなることを利用して着座を検出する。このため、静電容量式の着座センサでは、便座を上下に移動させる必要がなく、スイッチ式の着座センサを用いた場合と比べて、便座装置を薄型化し易くすることができる。
静電容量式の着座センサにおいて、例えば、特許文献1のように、ヒータの熱を拡散する熱拡散部を検出電極とし、検出電極と大地との間の静電容量の変化によって着座を検出する方式がある。この方式では、熱拡散部が便座全体に広く配置されているため、使用者が着座した際に検出される静電容量の信号自体が大きく、さらに、人の座り方や体格などのばらつきによって影響されることが少なという特長がある。また、既存の熱拡散部を検出電極として利用するため、着座検出のために新たに検出電極を設けなくてもよいという利点もある。
熱拡散部を検出電極とする静電容量式の着座センサでは、検出電極と大地の間の静電容量を測定するため、静電容量を測定する検出回路(二次側)の電位(GND)は、原理的に、大地に対して安定している必要がある。但し、検出回路(二次側)の電位は、完全に大地と同じである必要はなく、静電容量の検出精度に支障のないように、適切なインピーダンスで大地と結合していればよい。特許文献1においては、コンデンサを用いて、検出回路である発振回路の信号アースと、大地アースとなる交流電源ラインとを静電的に結合している。
また、ここで、電源回路の一次側と二次側とは、感電を避けるため、トランス(絶縁トランス)によって直流的に絶縁されている。さらに、電源回路の一次側から発生するノイズを抑制するために、一次側と二次側との間にはコンデンサ(一次二次結合コンデンサ)が設けられている。
しかしながら、温水洗浄便座の動作状態に応じて(おしり洗浄、便器洗浄、電動開閉動作など)製品コントローラの商用電源を整流する整流ダイオードのON-OFF期間の比率が変動する。その結果、整流ダイオードのON-OFFの変動による整流ダイオードの静電結合の変化が、一次二次結合コンデンサを介して二次側(検出回路)へ伝わってしまい、静電着座の信号ループが不安定となり、静電容量が安定せず、着座判定が安定しないという問題が発生した。
特許文献1のように、一次二次結合コンデンサを整流ダイオードの影響を受けないようにするため、直接交流電源のラインに接続する方法もあるが、安全規格用の結合コンデンサでもあることから、部品コストの増加や、大型化の懸念がある。
特開平6-138247号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、着座検出が誤動作することを抑制できる便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内部空間を有するとともに、着座面と、前記内部空間内において前記着座面と反対側を向く内表面と、を有する便座と、前記内部空間に設けられ、外部からの交流電圧の印加により、前記内表面を介して前記着座面を内側から暖めるヒータと、前記内表面に設けられ、前記ヒータよりも大きい面積を有し、前記ヒータの熱を前記内表面に拡散させる導電性の熱拡散部と、前記熱拡散部と電気的に接続され、前記熱拡散部の静電容量の変化によって前記便座への着座を検出する検出回路と、交流電源と電気的に接続され、前記検出回路に電源を供給する電源回路と、を備え、前記電源回路は、前記交流電源から供給された交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された整流電圧を平滑化して直流電圧に変換する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサによって変換された前記直流電圧を前記検出回路に対応した直流電圧に変換する変換回路と、を有し、前記変換回路は、一次側と二次側とを電気的に絶縁するトランスと、前記一次側と前記二次側とを結合する一次二次結合コンデンサと、を有し、前記整流回路は、整流ダイオードと、前記整流ダイオードに並列に接続され、前記熱拡散部の前記静電容量を安定させるための安定化コンデンサと、を有することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、整流ダイオードに並列に安定化コンデンサを設けることで、整流ダイオードのOFF期間であっても、安定化コンデンサによって整流回路が容量結合される。そのため、整流ダイオードのON-OFFの変動に基づく静電結合の変化を抑制することができる。その結果、二次側のグランド電位を安定化させることができ、着座検出が誤動作することを抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記整流回路は、4つのアームを有するフルブリッジ回路であって、前記安定化コンデンサは、前記4つのアームのうち1つのアームのみに設けられることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、安定化コンデンサを整流回路の4つのアームのうち1つのアームのみに設けることで、低コスト化及び小型化することができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記平滑コンデンサは、第1端子と、第2端子と、を有し、前記一次二次結合コンデンサは、前記第1端子及び前記第2端子のうちの一方に接続され、前記安定化コンデンサは、前記第1端子及び前記第2端子のうちの他方に接続されることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、平滑コンデンサの一対の端子のうち一次二次結合コンデンサが接続される端子と反対側の端子に安定化コンデンサを接続することで、一次側と二次側が安定化コンデンサを介してループを構成した場合であっても、必ず平滑コンデンサを介するため、一次側から二次側または二次側から一次側に向かうノイズを低減することができる。また、例えば、一次側から雷サージが侵入した場合、安定化コンデンサを介してサージが回りこんでしまうことで、誤動作してしまう、もしくは、回路が破損してしまうおそれがある。これに対し、この便座装置によれば、平滑コンデンサによってサージの侵入も抑制することができる。
本発明の態様によれば、着座検出が誤動作することを抑制できる便座装置が提供される。
実施形態に係る便座装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。 実施形態に係る便座の一部を模式的に表す断面図である。 実施形態に係る加熱部を模式的に表す平面図である。 実施形態に係る加熱部の一部を模式的に表す部分断面図である。 実施形態に係る便座装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。 実施形態に係る便座装置の電気的構成の変形例を模式的に表すブロック図である。 実施形態に係る便座装置の電気的構成の変形例を模式的に表すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る便座装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ装置2は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)4と、その上に設けられた便座装置10と、を備える。便座装置10は、本体部12と、便座14と、便蓋16と、を有する。
以下の実施形態の説明では、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」を用いるが、これらの方向は、図1に表すように、便座14に座った使用者から見た方向である。
便器4は、下方に向けて窪んだボウル部4aを有する。便器4は、ボウル部4aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。便座装置10の本体部12は、便器4のボウル部4aよりも後方の上部に設けられる。本体部12は、便座14及び便蓋16を開閉可能に軸支している。
便座14は、開口部14aを有する。便座14は、ボウル部4aの外縁を囲むように便器4の上に設けられ、開口部14aを介してボウル部4aを露呈させる。これにより、使用者は、便座14に座った状態でボウル部4aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部14aが形成された、いわゆるO型の便座14を示している。便座14は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。
便座装置10は、便座14の着座面を暖める便座14の暖房機能を有する。また、便座装置10は、便座14に座った使用者の「おしり」などの局部を洗浄する衛生洗浄機能を有する。便座装置10は、換言すれば、衛生洗浄装置である。但し、便座装置10は、必ずしも衛生洗浄機能を有しなくてもよい。便座装置10は、少なくとも便座14の暖房機能を有していればよい。換言すれば、便座装置10は、暖房便座装置でもよい。
便座装置10は、人体局部の洗浄を行うためのノズル20を有する。ノズル20は、本体部12に設けられ、本体部12内に収納された位置と、本体部12からボウル部4a内に進出した位置と、に進退移動する。なお、図1では、ノズル20がボウル部4a内に進出した状態を表している。
本体部12は、リモコンなどの操作部6と通信可能に構成されている。本体部12と操作部6との間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。本体部12は、例えば、操作部6からの操作指示の入力に応じてノズル20をボウル部4a内に進出させる。
ノズル20は、人体局部に向けて水を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル20の先端部には、ビデ洗浄吐水口20a及びおしり洗浄吐水口20bが設けられている。ノズル20は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口20aから水を噴射して、便座14に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル20は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口20bから水を噴射して、便座14に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
「おしり」を洗浄するモードのなかには、例えば、「おしり洗浄」と、「おしり洗浄」よりもソフトな水流で優しく洗浄する「やわらか洗浄」と、が含まれる。ノズル20は、例えば、「ビデ洗浄」と、「おしり洗浄」と、「やわらか洗浄」と、を実行することができる。
なお、図1に表したノズル20では、ビデ洗浄吐水口20aがおしり洗浄吐水口20bよりもノズル20の先端側に設けられているが、ビデ洗浄吐水口20aおよびおしり洗浄吐水口20bの設置位置は、これだけに限定されるわけではない。ビデ洗浄吐水口20aは、おしり洗浄吐水口20bよりもノズル20の後端側に設けられていてもよい。また、図1に表したノズル20では、2つの吐水口が設けられているが、3つ以上の吐水口が設けられていてもよい。
図2は、実施形態に係る便座の一部を模式的に表す断面図である。
図2は、図1のA1-A2線断面を模式的に表す。
図2に表したように、便座14は、内部空間SPを有する。換言すれば、便座14は、中空状である。便座14は、例えば、上板30と下板32とを有し、上板30と下板32とを接合することにより、上板30と下板32との間に内部空間SPを形成する。上板30は、使用者が着座する着座面30aと、下板32と対向する内表面30bと、を有する。内表面30bは、換言すれば、内部空間SP内において着座面30aと反対側を向く面である。上板30と下板32との接合は、接着剤を用いた接着でもよいし、振動溶着などを用いた溶着などでもよい。但し、便座14の構成は、上記に限ることなく、少なくとも内部空間SPと着座面30aと内表面30bとを有する任意の構成でよい。
便座14は、加熱部34を有する。加熱部34は、上板30の着座面30aを暖める。加熱部34は、例えば、内部空間SP内において内表面30bに設けられる。加熱部34は、例えば、内表面30bに貼り付けられている。これにより、加熱部34は、内側から着座面30aを暖める。
図3は、実施形態に係る加熱部を模式的に表す平面図である。
図4は、実施形態に係る加熱部の一部を模式的に表す部分断面図である。
図3及び図4に表したように、加熱部34は、熱拡散部41と、ヒータ43と、を有する。ヒータ43は、電流を流すことによって発熱する。ヒータ43は、例えば、電熱線である。ヒータ43は、内部空間SPに設けられ、外部からの交流電圧の印加により、内表面30bを介して着座面30aを内側から暖める。
熱拡散部41は、内表面30bに設けられる。熱拡散部41は、例えば、シート状である。熱拡散部41は、換言すれば、熱拡散シートである。ヒータ43は、例えば、コード状である。熱拡散部41の面積は、ヒータ43の面積よりも大きい。これにより、熱拡散部41は、ヒータ43の熱を内表面30bに拡散させる。
熱拡散部41とヒータ43との間には、第1接着剤44が設けられている。第1接着剤44は、熱拡散部41とヒータ43とを接合する。
熱拡散部41と、上板30の内表面30bと、の間には、第2接着剤45が設けられている。第2接着剤45は、熱拡散部41と、上板30の内表面30bと、を接合する。これにより、熱拡散部41は、上板30の内表面30bに設けられる。
熱拡散部41は、導体である。熱拡散部41は、例えば、金属箔である。金属箔の熱伝導率は、上板30の熱伝導率よりも高い。熱拡散部41としては、例えばアルミニウム箔や銅箔などが挙げられる。
図3に表したように、ヒータ43は、熱拡散部41において蛇行し、熱拡散部41の略全体にわたって配置される。また、図2に表したように、加熱部34は、上板30の内表面30bの略全体にわたって設けられている。換言すれば、熱拡散部41は、上板30の内表面30bの略全体に設けられる。ヒータ43は、上板30の内表面30bの下において蛇行し、内表面30bの略全体にわたって配置される。このように、コード状のヒータ43は、曲げながら内表面30bに設けられる。なお、ヒータ43は、コード状に限ることなく、シート状などでもよい。ヒータ43の構成は、着座面30aを内側から暖めることができる任意の構成でよい。
図5は、実施形態に係る便座装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、便座装置10は、電源回路50と、制御部52と、検出回路54と、制御負荷56と、を備える。
電源回路50は、交流電源PSと電気的に接続される。電源回路50は、交流電源PSから供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換後の直流電圧を制御部52、検出回路54、及び制御負荷56に供給する。電源回路50は、いわゆるAC-DCコンバータである。制御部52、検出回路54、及び制御負荷56は、電源回路50からの直流電圧の供給に応じて動作する。
制御部52は、便座装置10の各部の動作を統括的に制御する。制御部52は、検出回路54及び制御負荷56と電気的に接続され、検出回路54及び制御負荷56の動作を制御する。
便座装置10は、例えば、複数の制御負荷56を有する。制御負荷56は、例えば、ノズル20を進退移動させるためのモーターや、ノズル20への水の供給(ノズル20からの吐水)及びノズル20への水の供給の停止を切り替えるための電磁弁などである。制御負荷56は、例えば、ノズル20に供給する水を加熱する熱交換器、ビデ洗浄吐水口20a及びおしり洗浄吐水口20bの経路の切り替えを行う切替弁、及びボウル部4a内の空気を吸引して脱臭する脱臭装置などをさらに含んでもよい。制御負荷56は、電源回路50から供給される直流電圧によって動作するとともに、制御部52によって動作を制御される任意の機器でよい。
制御部52は、例えば、図示を省略した通信回路などを介して操作部6と通信可能に接続される。制御部52には、例えば、ノズル20による局部洗浄の実行及び局部洗浄の停止など、操作部6の操作に応じた種々の操作指示が入力される。制御部52は、操作部6から入力された操作指示に応じて制御負荷56の動作を制御する。これにより、制御部52は、操作部6の操作に応じて、ノズル20による局部洗浄の実行及び局部洗浄の停止などを制御する。
検出回路54は、使用者などの便座14への着座を検出する。検出回路54は、制御部52の制御に基づいて便座14への着座を検出し、検出結果を制御部52に入力する。制御部52は、検出回路54による着座の検出を制御するとともに、検出回路54の検出結果に基づいて、便座14に人が着座しているか否かを判定する。制御部52は、操作部6から入力される操作指示及び検出回路54の検出結果に基づいて複数の制御負荷56の動作を制御する。
制御部52は、検出回路54によって便座14への着座が検出されている場合に、操作部6からの操作指示に応じて所定の制御負荷56を動作させる。一方、制御部52は、検出回路54によって便座14への着座が検出されていない場合には、操作部6から操作指示が入力されたとしても、所定の制御負荷56を動作させない。制御部52は、例えば、着座が検出されていない場合には、ノズル20による局部洗浄を行わないようにする。これにより、使用者などが便座14に着座していない状態においてノズル20から水が吐出されてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、脱臭装置を制御負荷56とする場合には、制御部52は、検出回路54による便座14への着座の検出に応答して、制御負荷56を動作させる。このように、制御部52は、検出回路54の検出結果に基づく制御負荷56の動作の状態を、制御負荷56の種類に応じて変化させる。制御部52は、検出回路54の検出結果に応じて制御負荷56を動作させたり、制御負荷56の動作を禁止したりする。
検出回路54は、便座14の内部空間SPに設けられた加熱部34の熱拡散部41と電気的に接続されている。検出回路54は、加熱部34の熱拡散部41を検出電極として用い、便座14に着座している状態と、便座14に着座していない状態と、における熱拡散部41の静電容量の変化によって、便座14への着座を検出する。
電源回路50は、例えば、電源端子58と電気的に接続されている。電源回路50は、電源端子58を介して交流電源PSと電気的に接続される。交流電源PSは、例えば、AC100V(実効値)の商用電源である。電源端子58は、例えば、コンセントプラグである。
電源回路50は、例えば、整流回路60と、平滑コンデンサ62と、変換回路64と、を有する。整流回路60は、交流電源PSから供給された交流電圧を整流し、脈流の整流電圧に変換する。整流回路60は、例えば、ダイオードブリッジを用いた全波整流器であり、交流電圧を全波整流した整流電圧に変換する。整流回路60は、例えば、半波整流器などでもよい。
整流回路60は、例えば、4つのアーム600(600a~600d)を有するフルブリッジ回路である。各アーム600は、1つ以上の整流ダイオード610を有する。整流回路60は、安定化コンデンサ620をさらに有する。安定化コンデンサ620は、整流ダイオード610に並列に接続され、熱拡散部41の静電容量を安定させるためのコンデンサである。安定化コンデンサ620は、例えば、4つのアーム600のうち1つのアーム600のみに設けられる。この例では、安定化コンデンサ620は、アーム600aのみに設けられている。
平滑コンデンサ62は、整流回路60によって整流された整流電圧を平滑化し、整流電圧を直流電圧に変換する。平滑コンデンサ62は、第1端子62aと、第2端子62bと、を有する。例えば、第1端子62aは、高電位側の端子であり、第2端子62bは、低電位側の端子である。
変換回路64は、平滑コンデンサ62によって変換された直流電圧を制御部52、検出回路54、及び制御負荷56に対応した直流電圧に変換する。変換回路64は、いわゆるDC-DCコンバータである。変換回路64は、例えば、100Vの直流電圧を5V~24V程度の直流電圧に変換する。変換回路64は、換言すれば、降圧コンバータである。変換回路64は、変換後の直流電圧を制御部52、検出回路54、及び制御負荷56などの便座装置10の各部に供給する。これにより、制御部52、検出回路54、及び制御負荷56のそれぞれが、変換回路64(電源回路50)からの直流電圧の供給に応じて動作可能となる。
変換回路64は、一次側(交流電源PS側)と二次側(負荷側)とを電気的に絶縁するトランス66を有する。変換回路64は、絶縁型の変換器である。変換回路64は、例えば、フライバックコンバータである。これにより、例えば、制御負荷56に対して作業を行う作業者などが、比較的高い一次側の電力で感電してしまうことを抑制することができる。
変換回路64は、一次側と二次側とを結合する一次二次結合コンデンサ71をさらに有する。一次二次結合コンデンサ71は、平滑コンデンサ62の第1端子62a及び第2端子62bのうちの一方に接続される。この例では、一次二次結合コンデンサ71は、第2端子62bに接続されている。また、一次二次結合コンデンサ71は、二次側の低電位側に接続されている。すなわち、この例では、一次二次結合コンデンサ71の一端は、平滑コンデンサ62の第2端子62bに接続されており、一次二次結合コンデンサ71の他端は、二次側の低電位側に接続されている。
安定化コンデンサ620は、例えば、平滑コンデンサ62の第1端子62a及び第2端子62bのうちの他方に接続される。すなわち、安定化コンデンサ620は、例えば、第1端子62a及び第2端子62bのうち、一次二次結合コンデンサ71が接続されていない側に接続される。この例では、安定化コンデンサ620は、第1端子62aに接続されている。より具体的には、この例では、安定化コンデンサ620は、第1端子62aに接続されているアーム600aの整流ダイオード610に並列に接続されている。
安定化コンデンサ620の容量は、例えば、整流ダイオード610の寄生容量よりも大きく、一次二次結合コンデンサ71の容量以下である。安定化コンデンサ620の容量は、例えば、1000pF以上4700pF以下、好ましくは2000pF程度である。
電源回路50は、例えば、コモンモードノイズを抑制するためのコンデンサ68、70をさらに有する。コンデンサ68、70は、電源端子58と整流回路60との間に設けられる。コンデンサ68の一端は、整流回路60の一方の入力端子と電気的に接続される。コンデンサ68の他端は、共通電位GNDに設定される。コンデンサ70の一端は、整流回路60の他方の入力端子と電気的に接続される。コンデンサ70の他端は、共通電位GNDに設定される。共通電位GNDは、例えば、大地の電位(いわゆるアース)である。共通電位GNDは、例えば、便座装置10の導電性のフレーム又はシャーシなどの電位(いわゆるフレームグラウンドやシャーシグラウンド)などでもよい。
加熱部34のヒータ43は、電源端子58(整流回路60)と接続されている。これにより、ヒータ43には、交流電源PSから供給された交流電圧が印加される。また、ヒータ43と電源端子58との間には、ヒータ43への交流電圧の印加及び印加の停止を切り替えるためのスイッチング素子72が設けられている。スイッチング素子72は、制御部52と接続されている。制御部52は、スイッチング素子72のオン・オフの切り替えを制御する。換言すれば、制御部52は、ヒータ43への通電(交流電圧の印加及び印加の停止)を制御する。スイッチング素子72は、例えば、双方向の光サイリスタである。これにより、電源回路50の二次側に接続される制御部52を一次側の交流電力と適切に電気的に絶縁することができる。
制御部52は、例えば、便座14の着座面30aの温度が、操作部6の操作などによって設定された所定の設定温度となるように、ヒータ43への通電を制御する。また、制御部52は、例えば、検出回路54によって着座が検出されていない場合には、便座14の着座面30aの温度を設定温度よりも低くする。そして、制御部52は、検出回路54によって着座が検出された場合に、便座14の着座面30aの温度を設定温度まで昇温する。これにより、不使用時における不要な電力の消費を抑え、便座装置10の消費電力を抑えることができる。
図6は、実施形態に係る便座装置の電気的構成の変形例を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、この例では、一次二次結合コンデンサ71は、一次側の平滑コンデンサ62の第1端子62a及び二次側の低電位側に接続されている。すなわち、この例では、一次二次結合コンデンサ71の一端は、平滑コンデンサ62の第1端子62aに接続されており、一次二次結合コンデンサ71の他端は、二次側の低電位側に接続されている。
この例では、安定化コンデンサ620は、平滑コンデンサ62の一対の端子のうち、一次二次結合コンデンサ71が結合されていない側の端子である第2端子62bに接続されている。より具体的には、この例では、安定化コンデンサ620は、第2端子62bに接続されているアーム600dの整流ダイオード610に並列に接続されている。このように、一次二次結合コンデンサ71の接続先に応じて、安定化コンデンサ620を設ける位置を変えてもよい。
図7は、実施形態に係る便座装置の電気的構成の変形例を模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、この例では、図5に示した例と同様に、一次二次結合コンデンサ71は、一次側の平滑コンデンサ62の第2端子62b及び二次側の低電位側に接続されている。すなわち、この例では、一次二次結合コンデンサ71の一端は、平滑コンデンサ62の第2端子62bに接続されており、一次二次結合コンデンサ71の他端は、二次側の低電位側に接続されている。
この例では、安定化コンデンサ620は、第2端子62bに接続されている。より具体的には、この例では、安定化コンデンサ620は、第2端子62bに接続されているアーム600dの整流ダイオード610に並列に接続されている。このように、安定化コンデンサ620は、平滑コンデンサ62の第1端子62a及び第2端子62bのうち、一次二次結合コンデンサ71が接続されている側に接続されてもよい。
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置10では、整流回路60において整流ダイオード610に並列に安定化コンデンサ620を設けることで、整流ダイオード610のOFF期間であっても、安定化コンデンサによって整流回路60が容量結合される。そのため、整流ダイオード610のON-OFFの変動に基づく静電結合の変化を抑制することができる。その結果、二次側のグランド電位を安定化させることができ、着座検出が誤動作することを抑制することができる。
また、便座装置10では、安定化コンデンサ620を整流回路60の4つのアーム600(600a~600d)のうち1つのアーム600のみに設けることで、低コスト化及び小型化することができる。
また、便座装置10では、平滑コンデンサ62の一対の端子のうち一次二次結合コンデンサ71が接続される端子と反対側の端子に安定化コンデンサ620を接続することで、一次側と二次側が安定化コンデンサ620を介してループを構成した場合であっても、必ず平滑コンデンサ62を介するため、一次側から二次側または二次側から一次側に向かうノイズを低減することができる。また、例えば、一次側から雷サージが侵入した場合、安定化コンデンサ620を介してサージが回りこんでしまうことで、誤動作してしまう、もしくは、回路が破損してしまうおそれがある。これに対し、便座装置10によれば、平滑コンデンサ62によってサージの侵入も抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置2や便座装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
2 トイレ装置、 4 便器、 6 操作部、 10 便座装置、 12 本体部、 14 便座、 16 便蓋、 20 ノズル、 30 上板、 32 下板、 34 加熱部、 41 熱拡散部、 43 ヒータ、 44 第1接着剤、 45 第2接着剤、 50 電源回路、 52 制御部、 54 検出回路、 56 制御負荷、 58 電源端子、 60 整流回路、 62 平滑コンデンサ、 64 変換回路、 66 トランス、 68 コンデンサ、 70 コンデンサ、 71 一次二次結合コンデンサ、 72 スイッチング素子、 600、600a~600d アーム、 610 整流ダイオード、 620 安定化コンデンサ

Claims (2)

  1. 内部空間を有するとともに、着座面と、前記内部空間内において前記着座面と反対側を向く内表面と、を有する便座と、
    前記内部空間に設けられ、外部からの交流電圧の印加により、前記内表面を介して前記着座面を内側から暖めるヒータと、
    前記内表面に設けられ、前記ヒータよりも大きい面積を有し、前記ヒータの熱を前記内表面に拡散させる導電性の熱拡散部と、
    前記熱拡散部と電気的に接続され、前記熱拡散部の静電容量の変化によって前記便座への着座を検出する検出回路と、
    交流電源と電気的に接続され、前記検出回路に電源を供給する電源回路と、
    を備え、
    前記電源回路は、前記交流電源から供給された交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された整流電圧を平滑化して直流電圧に変換する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサによって変換された前記直流電圧を前記検出回路に対応した直流電圧に変換する変換回路と、を有し、
    前記変換回路は、一次側と二次側とを電気的に絶縁するトランスと、前記一次側と前記二次側とを結合する一次二次結合コンデンサと、を有し、
    前記整流回路は、整流ダイオードと、前記整流ダイオードに並列に接続され、前記熱拡散部の前記静電容量を安定させるための安定化コンデンサと、を有し、
    前記整流回路は、4つのアームを有するフルブリッジ回路であって、
    前記安定化コンデンサは、前記4つのアームのうち1つのアームのみに設けられることを特徴とする便座装置。
  2. 前記平滑コンデンサは、第1端子と、第2端子と、を有し、
    前記一次二次結合コンデンサは、前記第1端子及び前記第2端子のうちの一方に接続され、
    前記安定化コンデンサは、前記第1端子及び前記第2端子のうちの他方に接続されることを特徴とする請求項記載の便座装置。
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