JP2021067055A - 耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法 - Google Patents

耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法 Download PDF

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裕司 畑中
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Abstract

【課題】 スリットに挿入されたスリット材の内部に隙間が生じることなく、かつ施工時間と施工による手間とを削減して耐震用スリットが必要な箇所に形成される耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法を提供することを目的とする。【解決手段】 スリット基材である発泡体110の側面のうち、コンクリートCを切削することで形成される後施工スリットPSで露出する露出側面に剥離体130が配置され、スリット基材である発泡体110と剥離体130とを剥離可能に粘着層120が粘着する。【選択図】図1

Description

本発明は、耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法に関し、特にあらかじめ形成された下階の床スラブの上に、前記下階の床スラブ上から上階の床スラブまでコンクリートを打設することで形成される壁と柱との境界位置にスリット形成するための耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法に関する。
従来、コンクリート建築物における耐震壁は、壁にかかった応力が柱にかかり、柱が座屈することで建築物が倒壊することを防ぐため、壁と柱との境界位置に沿って、弾性を有するスリット材を配設している。
この耐震壁の施工は、柱を形成する部位と壁を形成する部位との境界位置に、弾性を有するスリット材を配設し、スリット材を柱および壁を形成するコンクリート型枠に固定し、その後、コンクリートをコンクリート型枠内に打設する(たとえば、特許文献1参照)。これにより柱10と壁20とが完全に分断されることで、柱10と壁20との拘束が断たれる。
しかし、特許文献1に記載の技術のようにコンクリート型枠にスリット材を固定した状態でコンクリート型枠内にコンクリートを打設すると、打設されたコンクリートの圧力によって、スリット材が位置ずれを起こしてしまうことがあった。
位置ずれを起こしてしまったスリット材は、耐震構造を維持するために、正規の位置に修正する必要がある。
位置ずれを起こしてしまったスリット材の具体的な修正作業は、スリット材を配設した部位を切削し、位置ずれしてしまったスリット材を取り除く。しかし、スリット材がどのように位置ずれを起こしているか目視できないため、切削作業は慎重に行う必要があり、スリット材のずれ方によっては多くの部位を切削しなくてはならない。この位置ずれを起こしたスリット材を取り除いたあとは、スリット材を正規の位置にもどし、切削した部位にコンクリートを埋め戻す作業を行う。
しかし、この埋め戻し作業を行うと、打設したコンクリートの硬化に時間の差が生じるため、埋め戻し部分と既存の壁とに明らかな色の違いができてしまうため審美性が損なわれてしまう。
また、近年ではデザイン性を重視し、内外装を使用しないコンクリート打ちっぱなしの建築物も増えてきている。このようなコンクリート打ちっぱなしの壁に明らかな色の違いができてしまうと、審美性を著しく喪失してしまうことになる。
そこで、耐震スリットを容易に形成でき、また、あらかじめ配設されたスリット材が位置ずれすることを防止できる耐震構造、および形成方法が開発されている(たとえば、特許文献2参照)。
図13は、特許文献2で開示された耐震構造によるスリット材をコンクリート型枠に配設した状態を示す平面図である。
図13に示すように、コンクリート型枠30は、柱10および壁20を形成するためのものである。スリット材40は、壁20の厚さよりも短く、壁20内であってコンクリート打設後に形成される柱10と壁20との境界位置の際に、一方のコンクリート型枠30に対し垂直に固定される。
これにより、スリット材40とスリット材40が固定されていない側のコンクリート型枠30との間には、隙間Gが生じる。
図14は、特許文献2で開示された耐震構造によるコンクリート型枠内にコンクリートを打設している様子を表した平面図である。
図14に示すように、柱10、および壁20を形成するために、コンクリート型枠30内に壁20側からコンクリートCを打設する。
打設されたコンクリートCは、コンクリート型枠30に沿って柱10方向に流れ込み、コンクリート型枠30とスリット材40との間に形成された隙間Gを通り、やがて柱10に到達する。
このように、コンクリートCが隙間Gを通ることで、スリット材40にかかる圧力が軽減される。このコンクリート型枠30内にコンクリートCを打設すると、柱10と壁20が形成され、壁20内であって、柱10と壁20との境界位置の際にはスリット材40が埋設された状態となる。
よって、隙間Gはスリット材40にかかる圧力を回避させ、スリット材40の位置ずれを防止することができ、スリット材40を所望の位置に固定したまま一度にコンクリートCを打設し、柱10および壁20を形成することができる。
図15は、特許文献2で開示された耐震構造による壁と部分スリット部材との差分である切削部位を示す断面図である。
図15に示すように、壁20の内部であって形成するスリットとスリット材40との差分であるコンクリートCを切削して点線で示すスリットSを形成するには、一般的に切削機、ピック等を用いて切削するが、本実施例では効率性を考慮し、円盤状の砥石を用いたコンクリート切削機を用いた場合の切削方法を説明する。
円盤状の砥石を装着したコンクリート切削機は、スリット材40の設置されていない側からスリット材40の設置されている位置に向かって円盤状の砥石を縦方向に回転させて切削していく。
スリット材40の位置との境界で進行方向の切削を停止し、上下方向への切削を開始する。すると切削痕は切削痕20Aのような形状となり、隅部20Bは切削機で切削することができないので、ブレーカーなどを用いて手作業で切削する。
形成するスリットSのうち残された隅部20Bの切削は、手作業になるが、形成するスリットSの多くの切削部位を切削機で作業が行えるため、効率的に作業を進めることができる。
切削機による切削で形成されたスリットSには、スリット材が挿入されてスリットSが閉塞される。このようにスリット材40および形成されたスリットSとスリットSに挿入されたスリット材とにより、柱10と壁20との拘束を絶つことができる。
特開平10―317666号公報 特開2017−115467公報
しかし、壁20の内部に形成するスリットとスリット材40との差分を後施工で形成する後施工スリットSの形成作業のなかで、あらかじめ壁20の内部に埋設されたスリット材40を損傷させることなく、後施工スリットSを形成することは非常に困難であった。
前述の通り、スリット材40は弾性を有するスリット材であり、隙間GがあるためコンクリートCの打設による圧力を回避できるので位置ずれは生じないが、コンクリートCの圧力により、弾性を有するスリット材40とコンクリートCとが接する面が変形する可能性は否めない。
たとえば、コンクリート型枠30で囲まれた中にコンクリートCを下階のスラブから上階のスラブまで打設すると、下階のスラブに近い場所でスリット材40にかかる圧力と、
上階のスラブに近い場所でスリット材40にかかる圧力とでは差が生じる。
具体的には、上階のスラブに近い場所でスリット材40にかかる圧力よりも下階のスラブに近い場所でスリット材40にかかる圧力の方が高いため、スリット材40のうち下階のスラブに近い場所では、圧力によりスリット材40上部から下部に掛けてスリット材40の側面が斜面に変形することが考えられる。
このように、打設するコンクリートCの圧力によって、スリット材40の表面が斜面になった場合、壁20の内部における、形成するスリットとスリット材40との差分である後施工スリットS内で硬化したコンクリートCの切削で、切削機をスリット材40方向にコンクリートCを切削しながら進めていくと、やがてスリット材40と打設されたコンクリートCとの間に生じたスリット材40の側面に形成された斜面に到達する。
この状態で、切削機を鉛直方向に動かして切削を開始してしまうと、傾斜状に変形したスリット材40の側面を鉛直方向に切削することになり、スリット材40の表面を切削する恐れや、コンクリートCが残ったままになってスリット材40の表面に不陸が生じる恐れがある。
上記のように、打設するコンクリートCの圧力によってスリット材40の表面が変形するだけでなく、コンクリートCに混ぜられた硬質な砂利によって、スリット材40の表面が変形することや、後施工スリットS内で硬化したコンクリートCの切削するときに、誤ってスリット材40を傷つけてしまうことでスリット材40の表面に不陸が生じることも考えられる。
後施工スリットSには、形成した後施工スリットSを閉塞するようにスリット材が挿入されるが、露出したスリット材40の表面が傷ついて不陸が生じた状態で後施工スリットSをスリット材で閉塞してしまうと、後に挿入されるスリット材と不陸が生じたスリット材40との間に隙間が生じてしまい密閉性が低下する。
このように、後に挿入されるスリット材とスリット材40との間に隙間が生じてしまうと、この隙間に雨水等が入り込んでしまうことで水漏れの原因や、隙間に染み込んだ水分が凍結して膨張すると壁20のひび割れなどの原因になりかねない。
また密閉性が低下することで、吸音性能、防火性能、耐火性能、耐震性能も低下してしまうことになり、壁の内部に隙間が生じてしてしまうことは、住環境に悪い影響を与えかねない。
このため、形成されたスリットSにより露出したスリット材40の表面を、きれいな平坦に仕上げるためには、時間をかけて丁寧にピックなどを用いて手作業で切削するしかない。
ところが、一般に柱10と壁20との拘束を絶つためのスリットは、30mm〜50mm程度の幅で形成されるため、この狭いスリットの奥で露出したスリット材40の表面を平面に手作業で仕上げるのは非常に時間と手間がかかる作業となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、スリットに挿入されたスリット材の内部に隙間が生じることなく、かつ施工時間と施工による手間とを削減して耐震用スリットが必要な箇所に形成される耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、コンクリート建築物における壁の柱際に形成される耐震スリットの一部に、コンクリート打設時に前記壁側と前記柱側を打設したコンクリートが通貫するように空間を設けてあらかじめ配置され、前記空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削して前記耐震スリットを形成するためのスリット材において、スリット基材の側面のうち、前記コンクリートを切削することで露出する露出側面に配置される剥離体と、前記スリット基材と前記剥離体とを剥離可能に粘着する粘着層とを備えることを特徴とするスリット材が提供される。
これにより、スリット基材の側面のうち、コンクリートを切削することで露出する露出側面に剥離体が配置され、スリット基材と剥離体とを剥離可能に粘着層が粘着する。
また、本発明では、コンクリート建築物における壁の柱際に形成される耐震スリットの一部に、コンクリート打設時に前記壁側と前記柱側を打設したコンクリートが通貫するように空間を設けてあらかじめ配置され、前記空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削して前記耐震スリットを形成するためのスリット材を含んだ耐震構造において、スリット基材の側面のうち、前記コンクリートを切削することで露出する露出側面に配置される剥離体と、前記スリット基材と前記剥離体とを剥離可能に粘着する粘着層と、を有するスリット材を備えることを特徴とする耐震構造が提供される。
これにより、スリット基材の側面のうち、コンクリートを切削することで露出する露出側面に剥離体が配置され、スリット基材と剥離体とを剥離可能に粘着層が粘着する。
また、本発明では、コンクリート建築物における壁の柱際に形成される耐震スリットの一部に、コンクリート打設時に前記壁側と前記柱側を打設したコンクリートが通貫するように空間を設けてあらかじめ配置され、前記空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削して前記耐震スリットを形成するためのスリット材を含んだ耐震構造の形成方法において、スリット基材の側面のうち、前記コンクリートを切削することで露出する露出側面に剥離体が配置される工程と、前記スリット基材と前記剥離体とを剥離可能に粘着層が粘着する工程とを備えることを特徴とする耐震構造の形成方法が提供される。
これにより、スリット基材の側面のうち、コンクリートを切削することで露出する露出側面に剥離体が配置され、スリット基材と剥離体とを剥離可能に粘着層が粘着する。
本発明の耐震スリット材、耐震構造、および耐震構造の形成方法によれば、スリット基材の側面のうち、コンクリートを切削することで露出する露出側面に剥離体が配置され、スリット基材と剥離体とを剥離可能に粘着層が粘着するので、剥離体が剥離されることで、空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削することで露出するスリット基材の露出側面が平滑になり、スリット基材と後から挿入されるスリット材との間に隙間が生じることなく、かつ施工時間と施工による手間とを削減して耐震用スリットが必要な箇所に形成されるができる。
第1の実施の形態に係るスリット材の構成を示す上面図、および平面図である。 第1の実施の形態に係るスリット材をコンクリート型枠に配設した状態を示す平面図である。 コンクリート型枠内にコンクリートを打設している様子を表した平面図である。 打設したコンクリートの硬化後に切削する部位を表した壁の厚さ方向の断面図である。 壁とスリット材との差分を切削して後施工スリットを形成した状態を表した壁の厚さ方向の断面図である。 剥離体を発泡体から剥離する様子を示す壁の厚さ方向の断面図である。 剥離体が剥離された状態の後施工スリットに、後施工スリット材を設置した状態を示す壁の厚さ方向の断面図である。 第2の実施の形態に係るスリット材の構成を示す奥行方向の側面図、および幅方向の側面図である。 第2の実施の形態に係るスリット材をコンクリート型枠に配設した状態を示す壁の幅方向の断面図、および壁の厚さ方向の断面図である。 スリット材とスリット材との間を切削して後施工スリットを形成した状態を表した壁の厚さ方向の断面図である。 剥離体を発泡体から剥離する様子を示す壁の厚さ方向の断面図である。 剥離体が剥離された状態の後施工スリットに、後施工スリット材を設置した状態を示す壁の厚さ方向の断面図である。 特許文献2で開示された耐震構造によるスリット材をコンクリート型枠に配設した状態を示す平面図である。 特許文献2で開示された耐震構造によるコンクリート型枠内にコンクリートを打設している様子を表した平面図である。 特許文献2で開示された耐震構造による壁と部分スリット部材との差分である切削部位を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るスリット材の構成を示す上面図、および平面図である。
図1に示すように、スリット材100は、発泡体110、粘着層120、および剥離体130を備えている。
スリット材100は、ここでは図示しないコンクリートCを打設する前のコンクリート型枠30の間に設置される直方体のスリット材であって、スリット材100の高さHは、柱10と壁20との間に形成されるスリットと同じ高さで形成され、スリット材100の幅Wは、形成されるスリットと同じか、若干大きめに形成され、スリット材100の奥行きDは、壁20の厚さよりも短く形成されている。
スリット材100の奥行きD方向の一端側には発泡体110が備えられており、発泡体110は、たとえば炭酸カルシウム発泡体であって、無機質で難燃性を備え、コンクリートCの打設による圧力に耐えられる硬度を備えている。
発泡体110の奥行きD方向の一端側には、粘着層120が貼付されている。粘着層120は、たとえば両面テープであって、発泡体110と剥離体130とを粘着するためのものである。
粘着層120の粘着力は、発泡体110から剥離体130を必要に応じて容易に剥離できる程度の粘着力があればよく、発泡体110から剥離体130を剥離した際に粘着層120は、発泡体110と剥離体130とのいずれか一方に付着している必要がある。
つまり、粘着層120が備える2面の粘着面は同じ粘着力ではなく、一方の粘着面の粘着力よりも他方の粘着面の粘着力を強くしておくとよい。発泡体110から剥離体130を剥離した際に粘着層120が、発泡体110に付着しているか、または剥離体130に付着しているかは適宜選択できる。
本実施の形態では、発泡体110から剥離体130を剥離した際に、粘着層120は発泡体110に付着している、つまり粘着層120と剥離体130とを粘着する粘着面よりも、粘着層120と発泡体110とを粘着する粘着面のほうが強い粘着力を備えているものとして以下を説明する。
粘着層120が備える2つの粘着面のうち、発泡体110が粘着された粘着面とは反対側の粘着面に剥離体130が貼付されている。剥離体130は、奥行きが5mm〜10mm程度の、たとえば板状のポリエチレン発泡体であって、打設されたコンクリートCの圧力による衝撃を吸収して発泡体110を変形させない緩衝性と弾力性とを備えている。
剥離体130は、後に説明するように、コンクリートCを打設する際の圧力による変形を吸収したり、切削機による切削作業による切削部分に当てられたりし、やがて粘着層120を介して粘着された発泡体110から剥離されて破棄されるため、発泡体110と比較して安価な素材が用いられることが好ましい。
なお、発泡体110は、炭酸カルシウム発泡体のみの単一の素材からなるものだけでなく、断熱性、吸音性、耐火性などに優れたロックウールを集束または積層することで弾性をもたせて板状体に形成したものを組み合わせて直方体にしたものであってもよい。
また発泡体110の周面に、外部からの水漏れ等を抑制する防水手段、たとえばブチルゴムなどのゴム材を被覆するようにすることもできる。
図2は、第1の実施の形態に係るスリット材をコンクリート型枠に配設した状態を示す平面図である。
図2に示すように、コンクリート型枠30は、コンクリート型枠30の内側にコンクリートCを打設することで、柱10および壁20を形成するためのものである。
スリット材100は、壁20の厚さより短く、壁20内であってコンクリート打設後に形成される柱10と壁20との境界位置の際に、一方のコンクリート型枠30に対し垂直になるように固定される。
また、スリット材100は、一方のコンクリート型枠30に発泡体110が垂直に接するように配設される。つまり形成される壁20の厚さ方向中心に剥離体130が向くようにして、一方のコンクリート型枠30にスリット材100が固定されている。
これにより、スリット材100とスリット材100が固定されていない側のコンクリート型枠30との間には、隙間Gが生じる。
スリット材100の固定方法については省略するが、特許文献2で開示された耐震構造によるスリット材の固定方法などを参考にして、コンクリート型枠30に発泡体110を固定することができる。
図3は、コンクリート型枠内にコンクリートを打設している様子を表した平面図である。
図3に示すように、柱10、および壁20を形成するために、たとえばコンクリート型枠30内の壁20側からコンクリートCを打設したとする。
このとき打設されたコンクリートCは、コンクリート型枠30に沿って柱10方向に流れ込み、コンクリート型枠30とスリット材100との間に形成された隙間Gを通り、やがて柱10に到達する。
なお、スリット材100の壁の厚さ方向の奥行きDは、隙間GをコンクリートCおよびコンクリートCに混ぜる砂利が十分に通過できる距離を保持できる長さにする必要がある。
このように、コンクリートCが隙間Gを通ることで、スリット材100にかかる圧力が軽減されるため、スリット材が打設されたコンクリートCによる圧力で位置ずれが生じてしまうことを防止することができる。
このように本発明のスリット材100が配設されたコンクリート型枠30内にコンクリートCを打設すると、柱10と壁20が形成され、かつ壁20内であって、柱10と壁20との境界位置の際に、スリット材100が位置ずれすることなく埋設された状態となる。
よって、スリット材100の奥行きDを壁20の厚さより短くすることで形成される隙間Gは、スリット材100にかかるコンクリートCの圧力を回避させ、スリット材100の位置ずれを防止することができ、スリット材100を所望の位置に固定したまま一度にコンクリートCを打設し、柱10および壁20を形成することができる。
図4は、打設したコンクリートの硬化後に切削する部位を表した壁の厚さ方向の断面図である。
コンクリートCがコンクリート型枠30内に打設されて硬化した後、コンクリート型枠30を解体する。
次にスリット材100の奥行きDの延長部分、つまり壁20の厚さとスリット材100との差分Eで硬化されたコンクリートCを切削することで後施工スリットPSを形成する。これにより柱10と壁20とが完全に分断されることで、柱10と壁20との拘束が断たれる。
差分Eで硬化されたコンクリートCの切削はコンクリート切削機、またはブレーカーなどを用いて切削を行う。
図4に示すように、壁20とスリット材100との差分Eで硬化されたコンクリートCの切削には、一般的に切削機、ブレーカー、ピック等を用いて切削するが、本実施例では効率性を考慮し、円盤状の砥石を用いたコンクリート切削機を用いた場合の切削方法を説明する。
円盤状の砥石を装着したコンクリート切削機は、スリット材100の設置されていない側、たとえば屋内側からスリット材100の設置されている位置に向かって円盤状の砥石を回転させたまま水平方向に移動させてコンクリートCを切削していく。
次に、円盤状の砥石がスリット材100と接する位置付近で、進行方向の切削を停止し、上下方向への切削に切り替える。これにより切削機によって切削された切削痕は切削痕22Aのような形状となり、隅部22Bは切削機で切削することができない場合は、ブレーカーなどを用いて手作業で切削する。
図5は、壁とスリット材との差分を切削して後施工スリットを形成した状態を表した壁の厚さ方向の断面図である。
前述の通り、コンクリートCの圧力により、弾性を有するスリット材40とコンクリートCとが接する面が変形する可能性がある。
また、切削機で硬化したコンクリートCを切削する際に、切削機の切削による振動により、切削した面に不陸が生じることもある。またコンクリートCには、細かい砂利が含まれているため、切削面付近の細かい砂利が切削面から剥離することで、切削面に凹凸が生じることもある。
図5に示すように、切削機などで切削することで形成された後施工スリットPSの切削面は、上記の様々な理由により、切削面に凹部S1や凸部S2などが形成されてしまう恐れがある。
スリット材100と打設されたコンクリートCとが接する面には、剥離体130が備えられており、この凹部S1や凸部S2は、発泡体110に貼付された剥離体130で生じることになる。
凹部S1は、たとえば切削機の振動により、壁20の厚さ方向の進行方向に進みすぎて切削してしまったことによる過切削部位や、打設したコンクリートCに含まれる砂利が剥がれ落ちることで形成された痕などが考えられる。
また、凸部S2は、たとえば切削機の振動により、壁20の厚さ方向の進行方向の所定の位置まで切削できずに、切削しきれずに残ってしまった切削残しなどが考えられる。
このような凹部S1や凸部S2は、打設されたコンクリートCの圧力による衝撃を吸収して発泡体110を変形させない緩衝性と弾力性とを剥離体130が備えているため、奥行き5mm〜10mm程度あれば、打設されたコンクリートCによる衝撃や、切削機の切削による衝撃に耐えることができるが、剥離体130の奥行きは、状況によってさらに厚くすることもできる。
図6は、剥離体を発泡体から剥離する様子を示す壁の厚さ方向の断面図である。
図6に示すように、剥離体130は、後施工スリットPSの形成後に発泡体110から剥離される。
剥離体130の剥離作業は、後施工で形成された後施工スリットPSにバールのようなものを差し込んで、剥離体130の端部から順に剥離していけばよい。
このように剥離体130を発泡体110から剥離することで、剥離体130に形成された凹部S1や、剥離体130に付着した凸部S2も、剥離体130と一緒に剥離される。
後施工で形成された後施工スリットPSから剥離体130を完全に除去することで、発泡体110および粘着層120で形成された平滑な面が、後施工スリットPSで露出されることになる。
図7は、剥離体が剥離された状態の後施工スリットに、後施工スリット材を設置した状態を示す壁の厚さ方向の断面図である。
図7に示すように、コンクリートCの硬化後に後施工で後施工スリットPSが形成され、
剥離体130が完全に除去された状態の後施工スリットPSには、後施工スリットPSを閉塞する後施工スリット材200が設置される。
後施工スリット材200の高さは、柱10と壁20との間に形成されるスリットと同じ高さで形成され、スリット材100の幅は、形成されるスリットと同じか、若干大きめに形成され、スリット材100の奥行きは、スリット材100から剥離体130を取り除いた奥行きと壁20の厚さとの差分と同じに形成された直方体である。
後施工スリット材200の材質は、スリット材100と同様の構成でもよく、ロックウール、防水シート、バックアップ材、シーリング材などを積層して構成することもできる。
前述のように、後施工スリットPSの形成後に剥離体130を完全に除去することで、発泡体110および粘着層120で形成された平滑な面が、後施工スリットPS内で露出されている。
直方体で形成された後施工スリット材200と、壁20内に残された発泡体110との接合面は互いに平面になるため、発泡体110と後施工スリット材200との間に隙間が生じることはない。
また、発泡体110の後施工スリットPS側の側面には、粘着層120が残されているため、後施工スリットPSに設置される後施工スリット材200と発泡体110とが、より強固に接着される。
後施工スリット材200を後施工スリットPSに圧入した後に、壁20の表面と後施工スリット材200の側面とに段差が生じる場合には、シーリング材で防水処理を行うことができる。
以上により、スリット材100を所望の位置に固定したままコンクリートの打設が一度に行えるので、コンクリート硬化後に各スリット材の位置ずれを修正するというリスクを回避することができる。
さらに、後施工で形成した後施工スリットPSに後施工スリット材200を設置することで、柱10と壁20との拘束を断ち、柱10と壁20を完全に分断することで耐震補強を施した構造を効率的に提供することができる。
また、剥離体130を剥離してから、後施工スリット材200を設置することで、スリット材100と後施工スリット材200との間に隙間が生じることなくスリット材を設置することができるので、密閉性、吸音性能、防火性能、耐火性能、耐震性能が低下することなく、耐震補強を施した構造を提供することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態のスリット材は、設置される部位、これに伴う形状が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図8は、第2の実施の形態に係るスリット材の構成を示す奥行き方向の側面図、および幅方向の側面図である。
図8に示すように、スリット材100は、発泡体110、粘着層120、および剥離体130を備えている。
スリット材100は、ここでは図示しないコンクリートCを打設する前のコンクリート型枠30の間に設置される直方体のスリット材であって、スリット材100の高さHは、壁20の高さよりも十分短く形成され、スリット材100の幅Wは、形成されるスリットと同じか、若干大きめに形成され、スリット材100の奥行きDは、壁20の厚さと同じ厚さで形成されている。
スリット材100の高さH方向の一端側には発泡体110が備えられており、発泡体110は、たとえば炭酸カルシウム発泡体であって、無機質で難燃性を備え、コンクリートCの打設による圧力に耐えられる硬度を備えている。
発泡体110の奥行きD方向の一端側には、粘着層120が貼付されている。粘着層120は、たとえば両面テープであって、発泡体110と剥離体130とを粘着するためのものである。
粘着層120の粘着力は、発泡体110から剥離体130を必要に応じて容易に剥離できる程度の粘着力があればよく、発泡体110から剥離体130を剥離した際に粘着層120は、発泡体110と剥離体130とのいずれか一方に付着している必要がある。
本実施の形態では、発泡体110から剥離体130を剥離した際に、粘着層120は剥離体130に付着している、つまり粘着層120と発泡体110とを粘着する粘着面よりも、粘着層120と剥離体130とを粘着する粘着面のほうが強い粘着力を備えているものとして以下を説明する。
粘着層120が備える2つの粘着面のうち、発泡体110が粘着された粘着面とは反対側の粘着面に剥離体130が貼付されている。剥離体130は、高さが5mm〜10mm程度の、たとえば板状のポリエチレン発泡体であって、打設されたコンクリートCの圧力による衝撃を吸収して発泡体110を変形させない緩衝性と弾力性とを備えている。
図9は、第2の実施の形態に係るスリット材をコンクリート型枠に配設した状態を示す壁の幅方向の断面図、および壁の厚さ方向の断面図である。
図9に示すように、あらかじめ形成された床スラブFの上に、柱10と壁20とを形成するためのコンクリート型枠30が組み立てられている。
2本の柱10間に形成される壁20と床スラブFとの間には、壁20と床スラブFとの拘束を絶つために水平方向に敷設される水平スリット材300が配置される。
また、形成される壁20と柱10との間には、形成される柱10の下端部と形成される壁20の下端部との間にスリット材100が配置され、さらに形成される柱10の上端部と形成される壁20の上端部との間にスリット材100が配置されている。
スリット材100の奥行きDは、壁20の厚さと同じ厚さで形成されており、コンクリート型枠30に挟まれるようにしてコンクリート型枠30に固定されている。また、形成される壁20と柱10との間に配置された2つのスリット材100は、互いの剥離体130が向き合うように鉛直方向に配置されている。
上記のようにスリット材100や水平スリット材300を配置してコンクリートCを打設すると、水平スリット材300は打設したコンクリートの大きな圧力を受けて位置ずれを生じるほどの高さがなく下階の床スラブFに固定されているため、打設するコンクリートの圧力により位置ずれを生じることなく、壁20と床スラブFとの間の所望の位置に介装される。
また打設したコンクリートCが鉛直方向に配置された2つのスリット材100の間に形成された隙間Gを通り抜けることで、スリット材100に対する打設されたコンクリートCの圧力が低減される。
これにより、鉛直方向に配置された2つのスリット材100は、打設するコンクリートCの圧力によって位置ずれを生じることなく、柱10と壁20との間の所望の位置に介装される。
このように、2つのスリット材100と水平スリット材300とが位置ずれすることなく、コンクリート型枠30の間にコンクリートCが打設され、コンクリートCの硬化後に2つのスリット材100の間である隙間Gを切削して後施工スリットを形成することで、壁20は、柱10および床スラブFとの拘束を絶つことができる。
図10は、スリット材とスリット材との間を切削して後施工スリットを形成した状態を表した壁の厚さ方向の断面図である。
図10に示すように、切削機などで切削することで形成された後施工スリットPSの切削面は、上記の様々な理由により、切削面に凹部S1や凸部S2などが形成されてしまう恐れがある。
向かい合うスリット材100の間に打設されたコンクリートCとスリット材100が接する面には、剥離体130が備えられており、向かい合うスリット材100の間を切削することで、凹部S1や凸部S2は発泡体110に貼付された剥離体130で生じることになる。
図11は、剥離体を発泡体から剥離する様子を示す壁の厚さ方向の断面図である。
図11に示すように、剥離体130は、後施工スリットPSの形成後に粘着層120と共に発泡体110から剥離される。
このように剥離体130を発泡体110から剥離することで、剥離体130に形成された凹部S1や、剥離体130に付着した凸部S2も、剥離体130と一緒に剥離される。
後施工で形成された後施工スリットPSから剥離体130を完全に除去することで、発泡体110に形成された平滑な面が、後施工スリットPSで露出されることになる。
図12は、剥離体が剥離された状態の後施工スリットに、後施工スリット材を設置した状態を示す壁の厚さ方向の断面図である。
図12に示すように、コンクリートCの硬化後に後施工で後施工スリットPSが形成され、剥離体130および粘着層120が完全に除去された状態の後施工スリットPSには、後施工スリットPSを閉塞する後施工スリット材200が設置される。
後施工スリット材200の高さは、柱10と壁20との間に形成されるスリットと同じ高さで形成され、スリット材100の幅は、形成されるスリットと同じか、若干大きめに形成され、スリット材100の奥行きは、スリット材100から剥離体130および粘着層120を取り除いた奥行きと壁20の厚さとの差分と同じに形成された直方体である。
前述のように、後施工スリットPSの形成後に剥離体130および粘着層120を完全に除去することで、発泡体110および粘着層120で形成された平滑な面が、後施工スリットPS内で露出されている。
直方体で形成された後施工スリット材200と、壁20内に残された発泡体110との接合面は互いに平面になるため、発泡体110と後施工スリット材200との間に隙間が生じることはない。
また、発泡体110の後施工スリットPS側の側面には、粘着層120が剥離体130に粘着したまま剥離体130が剥離されるので、発泡体110の露出面に粘着層120が残されていない。
このため、後施工スリットPSに設置される後施工スリット材200は、粘着層120と接することなく後施工スリットPSに挿入することができる。逆に、発泡体110の露出面に粘着層120が残されてしまうと、粘着層120による粘着力が後施工スリット材200を挿入する際の抵抗となってしまうため、後施工スリット材200の後施工スリットPSへの挿入が困難になってしまう。
第1の実施の形態のように、後施工スリット材200挿入方向に発泡体110がある場合、つまり剥離体130および粘着層120の平面が鉛直方向にある場合は、剥離体130を剥離した後の発泡体110に粘着層120が残されていても構わないが、第2の実施の形態のように、後施工スリット材200挿入方向に対して並行に発泡体110がある場合、つまり剥離体130および粘着層120の平面が水平方向にある場合は、剥離体130を剥離した後の発泡体110に粘着層120が残されていないほうが好ましい。
以上により、水平スリット材300および2つのスリット材100を所望の位置に固定したままコンクリートの打設が一度に行えるので、コンクリート硬化後に各スリット材の位置ずれを修正するというリスクを回避することができる。
さらに、後施工で形成した後施工スリットPSに後施工スリット材200を設置することで、柱10と壁20との拘束を断ち、柱10と壁20を完全に分断することで耐震補強を施した構造を効率的に提供することができる。
また、剥離体130を剥離してから、後施工スリット材200を設置することで、スリット材100と後施工スリット材200との間に隙間が生じることなくスリット材を設置することができるので、密閉性、吸音性能、防火性能、耐火性能、耐震性能が低下することなく、耐震補強を施した構造を提供することができる。
なお、本実施の形態では、形成される柱10の下端部と形成される壁20の下端部との間に配置されるスリット材100と、形成される柱10の上端部と形成される壁20の上端部との間に配置されるスリット材100と、2つのスリット材100を使用したが、スリット材100は必ず上下に2つ介装させる必要はなく、いずれか一方を介装させるようにしてもよい。
また、第1の実施の形態では、形成される柱10と壁20との間に、壁20の厚さより短いスリット材100がコンクリートCの打設前に設置され、第2の実施の形態では、形成される柱10と壁20との間に、壁20の高さより十分短いスリット材100が上下の端部に配置され、その後、コンクリートCの打設を行い、後施工で後施工スリットPSを形成する例で説明したが、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせて耐震補強を施した構造を形成することもできる。
具体的には、形成される柱10と壁20との間に、壁20の厚さより短いスリット材100と、壁20の高さより十分短く上下の端部に設置されスリット材100とが、同時に配置され、壁の厚さ方向の断面がコの字状になるようにスリット材100を配置する。
このとき、コの字状のスリット材100内側面に剥離体130が粘着層120を介して粘着されるようにスリット材100を配置する。
その後、コンクリートCの打設を行うが、コの字状のスリット材100の内側面には隙間Gが形成されているため、コの字状のスリット材100へのコンクリートCの圧力を低減したままコンクリートCの打設を行うことができる。つまりコの字状のスリット材100は、所望の位置に固定したままコンクリートの打設が一度に行える。
コンクリートCの硬化後に後施工で後施工スリットPSを形成し、内側に粘着されたコの字状の剥離体130を剥離することで、コの字状のスリット材100の内側に平滑な面を露出することができる。その後、コの字状のスリット材100の内側を閉塞する後施工スリット材200が設置される。
10 柱
20 壁
20A、22A 切削痕
20B、22B 隅部
30 コンクリート型枠
40 スリット材
100 スリット材
110 発泡体
120 粘着層
130 剥離体
200 後施工スリット材
300 水平スリット材
C コンクリート
D 奥行き
E 差分
F 床スラブ
G 隙間
S スリット
PS 後施工スリット
S1 凹部
S2 凸部
W 幅

Claims (8)

  1. コンクリート建築物における壁の柱際に形成される耐震スリットの一部に、コンクリート打設時に前記壁側と前記柱側を打設したコンクリートが通貫するように空間を設けてあらかじめ配置され、前記空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削して前記耐震スリットを形成するためのスリット材において、
    スリット基材の側面のうち、前記コンクリートを切削することで露出する露出側面に配置される剥離体と、
    前記スリット基材と前記剥離体とを剥離可能に粘着する粘着層と、
    を備えることを特徴とするスリット材。
  2. 前記粘着層は、
    前記粘着層と前記スリット基材とを粘着する粘着層スリット基材間粘着力と、前記粘着層と前記剥離体とを粘着する粘着層剥離体間粘着力と、に粘着力の差が設けられること、
    を特徴とする請求項1記載の耐震スリット材。
  3. 前記剥離体および前記粘着層が水平方向に配置される場合であって、
    前記粘着層剥離体間粘着力は、
    前記粘着層スリット基材間粘着力よりも粘着力が強いこと、
    を特徴とする請求項2記載の耐震スリット材。
  4. 前記剥離体および前記粘着層が鉛直方向に配置される場合であって、
    前記粘着層スリット基材間粘着力は、
    前記粘着層剥離体間粘着力よりも粘着力が強いこと、
    を特徴とする請求項2記載の耐震スリット材。
  5. 前記剥離体は、
    打設されたコンクリートの圧力による衝撃で前記スリット基材を変形させない程度の緩衝性と弾力性と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の耐震スリット材。
  6. 前記剥離体は、
    後施工スリットを形成する際のコンクリートの切削による衝撃で前記スリット基材を変形させない程度の厚さ
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の耐震スリット材。
  7. コンクリート建築物における壁の柱際に形成される耐震スリットの一部に、コンクリート打設時に前記壁側と前記柱側を打設したコンクリートが通貫するように空間を設けてあらかじめ配置され、前記空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削して前記耐震スリットを形成するためのスリット材を含んだ耐震構造において、
    スリット基材の側面のうち、前記コンクリートを切削することで露出する露出側面に配置される剥離体と、
    前記スリット基材と前記剥離体とを剥離可能に粘着する粘着層と、を有するスリット材、
    を備えることを特徴とする耐震構造。
  8. コンクリート建築物における壁の柱際に形成される耐震スリットの一部に、コンクリート打設時に前記壁側と前記柱側を打設したコンクリートが通貫するように空間を設けてあらかじめ配置され、前記空間に打設されて硬化したコンクリートの一部または全部を切削して前記耐震スリットを形成するためのスリット材を含んだ耐震構造の形成方法において、
    スリット基材の側面のうち、前記コンクリートを切削することで露出する露出側面に剥離体が配置される工程と、
    前記スリット基材と前記剥離体とを剥離可能に粘着層が粘着する工程と、
    を備えることを特徴とする耐震構造の形成方法。
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