JP2021064584A - 固体電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量で、短絡による不良発生を防止できる固体電解質電池を提供する。【解決手段】外装缶3と、前記外装缶3の内側に配置され、円筒状の側壁を有する封口缶4と、前記外装缶3と前記封口缶4の側壁との間に配置された環状のガスケット5と、前記外装缶3と前記封口缶4との間に収容され、直列に接続された複数の積層電極体2とを有してなり、前記複数の積層電極体2は、それぞれ、正極21、負極22、および前記正極21と前記負極22との間に配置された固体電解質層23を有し、それぞれの積層電極体2の間には、集電体6が配置されており、前記封口缶4の側壁の内面が、厚みが10〜80μmの絶縁層7で被覆されている固体電解質電池1。【選択図】図2

Description

本発明は、高容量で、短絡による不良発生を防止できる固体電解質電池に関するものである。
現在、有機電解液に代えて固体電解質を利用した固体電解質電池の適用が進められているが、このような固体電解質電池の一つとして、電池内部で複数の発電要素(単位セル)を直列に接続したバイポーラ構造のものが知られている(特許文献1)。
特許文献1に開示されているような構成の固体電解質電池は、複数の発電要素を積層した積層型の電極体を有しており、その電極体に含まれる複数の発電要素が直列に接続されているため、その積層数に応じて電圧を調整して高電圧化することができる。また、積層型の固体電解質電池は、2つの電池を単に直列に接続した場合に比べ、電池全体のサイズを小型化することができる。さらに、電解液を保持する必要がないため、電池内部のデッドスペースを減らし高容量化を図ることも可能である。
特開2010−56067号公報
図1に、コイン形やボタン形と称される扁平状の固体電解質電池の一例を模式的に表す断面図を示している。図1に示す電池100においては、1つの正極21と1つの負極22とが固体電解質層23を介して積層された積層電極体2が、外装缶3と封口缶4とガスケット5とで構成された密閉空間内に収容されている。このような構成の電池においては、封口缶4の側壁(図中上側から下側へ向かう部分)の端部と外装缶3の底面との間に配置されたガスケット5の底部によって、正極21の図中横方向の動きが規制される。そのため、封口缶4の側壁の内面と正極21との接触が防止されることから、例えば正極21の欠けなどが生じない限り、封口缶の側壁内面との間で短絡が生じることは殆どない。
ところが、複数の発電要素を直列に接続したバイポーラ構造の電池の場合には、最も外装缶側に位置する発電要素以外の発電要素や、各発電要素間に配置される集電体は、前記ガスケットの底部により動きが規制されなくなるため、例えば、電池を組み立てる際に位置ずれが生じた場合には、封口缶の側壁の内面と接触して短絡する虞がある。特に、発電要素や集電体の外周端と封口缶の側壁の内面との間のすき間が狭い場合には、短絡が生じる可能性が高まってしまう。
他方、発電要素などとの接触を防いで短絡を防止するために、封口缶の側壁の内側を覆うようにガスケットの電池内側部分を高くすることも考えられるが、その場合、当該部分を薄くすることには限界があるため、その厚み(およそ0.1mm以上)によって電池の内容積が減少し、電池の高容量化の妨げになる可能性がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高容量で、短絡による不良発生を防止できる固体電解質電池を提供することにある。
本発明の固体電解質電池は、外装缶と、前記外装缶の内側に配置され、円筒状の側壁を有する封口缶と、前記外装缶と前記封口缶の側壁との間に配置された環状のガスケットと、前記外装缶と前記封口缶との間に収容され、直列に接続された複数の積層電極体とを有してなり、前記複数の積層電極体は、それぞれ、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を有し、それぞれの積層電極体の間には、集電体が配置されており、前記封口缶の側壁の内面が、厚みが10〜80μmの絶縁層で被覆されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、高容量で、短絡による不良発生を防止できる固体電解質電池を提供することができる。
通常の固体電解質電池の一例を模式的に表す断面図である。 本発明の固体電解質電池の一例を模式的に表す断面図である。
図2に、本発明の固体電解質電池の一例を模式的に表す断面図を示す。図2に示す電池1は、外装缶3と、封口缶4と、これらの間に介在する環状のガスケット5で形成された外装体内に、直列に接続された2つの積層電極体2、2が封入されている。
封口缶4は、外装缶3の開口部にガスケット5を介して嵌合しており、外装缶3の開口端部が内方に締め付けられ、これによりガスケット5が封口缶4に当接することで、外装缶3の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。
個々の積層電極体2は、正極21と負極22とが、固体電解質層23を介して積層されて構成されており、図中上側の積層電極体2の正極21と、図中下側の積層電極体2の負極22との間に、集電体6を介在させることで、2つの積層電極体2、2が直列に接続されている。また、図2に示す電池1では、封口缶4が、その内面で上側の積層電極体2の負極22と直接接触するなどして電気的に接続することで負極端子を兼ねており、外装缶3が、その内面で下側の積層電極体2の正極21と直接接触するなどして電気的に接続することで正極端子を兼ねている。なお、電池の用途などによっては、外装缶が負極端子を兼ね、封口缶が正極端子を兼ねることもできる。
そして、封口缶の側壁(図中上側から下側へ向かう部分)の内面が、絶縁層7で被覆されている。
この図2で示すように、本発明の固体電解質電池は、封口缶の側壁の内面が絶縁層で被覆されており、これにより、封口缶の側壁の内面と、積層電極体同士の間に介在させる集電体や、積層電極体が有する封口缶とは対極の電極(例えば、封口缶が負極を兼ねる場合は、正極)とが直接接触することを防止できる。
例えばガスケットによって封口缶の側壁の内面を覆うことで、封口缶の側壁の内面と前記集電体や電極との接触を防止する場合には、ガスケットを薄くすることに限界があることから、ガスケットによって電池の内容積が減少し、有機電解液に代えて固体電解質を使用することによる電池の高容量化効果が損なわれてしまう。しかしながら、本発明によれば、薄い絶縁層によって封口缶の側壁の内面と前記集電体や電極との直接の接触が防止できることから、前記接触を防止するための要素による電池の内容積低下を可及的に抑制でき、有機電解液に代えて固体電解質を使用することによる高容量化効果を損なうことなく、封口缶の側壁の内面と前記集電体や電極との接触による短絡の発生を防止することができる。
本発明においては、封口缶の側壁の内径と積層電極体同士の間に介在させる集電体の外径との差を、1mm以下と小さくして、電池の内容積に占める発電要素の割合を非常に高めても、封口缶の側壁の内面と前記集電体や電極との直接の接触を防止できることから、高容量であり、かつ短絡による不良発生を高度に防止し得る固体電解質電池を提供できる。
なお、封口缶の側壁の内径は、側壁の開口端部で測定される値を用いることとする。
絶縁層の厚みは、電池の内容積を可及的に大きくして、電池の高容量化の効果を良好に確保する観点から、80μm以下であり、60μm以下であることが好ましい。また、封口缶の側壁の内面と前記集電体や電極との直接の接触をより確実に防止する観点から、絶縁層の厚みは、10μm以上であり、20μm以上であることが好ましい。
絶縁層による封口缶の側壁の内面の被覆は、絶縁性材料の塗布膜(乾燥膜)を形成することで行ってもよく、また、絶縁性材料で構成された粘着テープを貼り付けることで行ってもよい。
絶縁層を形成する絶縁性材料としては、ポリプロピレン、ナイロンなどの樹脂が使用できるが、本発明の電池は固体電解質電池であり、特に耐熱性が求められる用途に好適に用い得るものであることから、絶縁層も耐熱性が高い材料で構成されていることが好ましく、絶縁層を形成する絶縁性材料は、耐熱温度が150℃以上である樹脂であることが好ましい。
本明細書でいう樹脂の耐熱温度は、樹脂が融点(融解温度)を有する場合は、JIS K 7121に規定の方法で示差走査熱量計(DSC)を用いて求められる融解温度を意味し、樹脂が融点を有しない場合は、JIS K 7206に規定の方法に従って求められる軟化点を意味している。
絶縁層を構成する耐熱温度が150℃以上の樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PEE)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)などが挙げられる。
絶縁層が粘着テープである場合、前記のような絶縁性材料で構成されたシート(フィルム)と、その片面に形成された粘着剤層とを有する。粘着剤層を形成する粘着剤も耐熱性が高いものであることが望ましく、シリコーン系粘着剤やアクリル系粘着剤が好ましいものとして例示できる。
外装缶および封口缶にはステンレス鋼製のものなどが使用できる。また、ガスケットの素材には、ポリプロピレン、ナイロンなどを使用できるほか、電池の用途との関係で耐熱性が要求される場合には、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PEE)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの融点が240℃を超える耐熱樹脂を使用することもできる。また、電池が耐熱性を要求される用途に適用される場合、その封口には、ガラスハーメチックシールを利用することもできる。
固体電解質電池の正極は、正極活物質を含み、また、通常、固体電解質を含有している。
正極活物質は、従来から知られているリチウムイオン二次電池に用いられている正極活物質、すなわち、Liイオンを吸蔵・放出可能な活物質であれば特に制限はない。正極活物質の具体例としては、LiMMn2−x(ただし、Mは、Li、B、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Sn、Sb、In、Nb、Mo、W、Y、RuおよびRhよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.01≦x≦0.5)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物、LiMn(1−y−x)Ni(2−k)(ただし、Mは、Co、Mg、Al、B、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、Ca、SrおよびWよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.8≦x≦1.2、0<y<0.5、0≦z≦0.5、k+l<1、−0.1≦k≦0.2、0≦l≦0.1)で表される層状化合物、LiCo1−x(ただし、Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNi1−x(ただし、Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiM1−xPO(ただし、Mは、Fe、MnおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で、Nは、Al、Mg、Ti、Zr、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるオリビン型複合酸化物、LiTi12で表されるリチウムチタン複合酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極の固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を有していれば特に限定されず、例えば、硫化物系固体電解質、水素化物系固体電解質、酸化物系固体電解質などが使用できる。
硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−SiS、LiS−P−GeS、LiS−B系ガラスなどが挙げられる他、近年、リチウムイオン伝導性が高いものとして注目されているLi10GeP12(LGPS系)やLiPSCl(アルジロダイト系)も使用することができる。これらの中でも、特にリチウムイオン伝導性が高く、化学的に安定性の高いアルジロダイト系材料が好ましく用いられる。
水素化物系固体電解質としては、例えば、LiBH、LIBHと下記のアルカリ金属化合物との固溶体(例えば、LiBHとアルカリ金属化合物とのモル比が1:1〜20:1のもの)などが挙げられる。前記固溶体におけるアルカリ金属化合物としては、ハロゲン化リチウム(LiI、LiBr、LiF、LiClなど)、ハロゲン化ルビジウム(RbI、RbBr、RbiF、RbClなど)、ハロゲン化セシウム(CsI、CsBr、CsF、CsClなど)、リチウムアミド、ルビジウムアミドおよびセシウムアミドよりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
酸化物系固体電解質としては、例えば、LiLaZr12、LiTi(PO、LiGe(PO、LiLaTiOなどが挙げられる。
固体電解質は、先に例示したもののうちの1種または2種以上を使用することができる、前記例示の固体電解質の中でも、リチウムイオン伝導性が高く、また、正極合剤の成形性を高める機能を有していることから、硫化物系固体電解質を用いることがより好ましい。
正極には、例えば、正極活物質および固体電解質、さらには必要に応じて添加される導電助剤やバインダを含有する正極合剤からなる層(正極合剤層)を、集電体の片面または両面に形成した構造のものや、前記正極合剤をペレット状などに加圧成形した成形体(正極合剤成形体)を使用することができる。
正極のバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂などが使用できる。また、正極の導電助剤としては、例えば、カーボンブラックなどの炭素材料などが使用できる。
正極に集電体を使用する場合、その集電体としては、アルミニウムやステンレス鋼などの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル、発泡メタル;カーボンシート;などを用いることができる。
正極を製造するに際しては、例えば、集電体を有する正極の場合には、正極活物質、および固体電解質、さらには必要に応じて添加される導電助剤、バインダなどをキシレンなどの溶媒に分散させた正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を、集電体に塗布し、乾燥した後、必要に応じてカレンダ処理などの加圧成形をして、集電体の表面に正極合剤の層(正極合剤層)を形成する方法が採用できる。
正極合剤含有組成物に使用する溶媒は、固体電解質を劣化させ難いものを選択することが好ましい。特に、硫化物系固体電解質や水素化物系固体電解質は、微少量の水分によって化学反応を起こすため、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、デカリン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒に代表される非極性非プロトン性溶媒を使用することが好ましい。特に、含有水分量を0.001質量%(10ppm)以下とした超脱水溶媒を使用することがより好ましい。また、三井・デュポンフロロケミカル社製の「バートレル(登録商標)」、日本ゼオン社製の「ゼオローラ(登録商標)」、住友3M社製の「ノベック(登録商標)」などのフッ素系溶媒、並びに、ジクロロメタン、ジエチルエーテルなどの非水系有機溶媒を使用することもできる。
また、正極合剤の成形体からなる正極の場合には、正極活物質、および固体電解質、さらには必要に応じて添加される導電助剤、バインダなどを混合して調製した正極合剤を、加圧成形などによって圧縮することで形成することができる。
正極における正極合剤の組成としては、例えば、正極活物質の含有量が50〜90質量%であることが好ましく、固体電解質の含有量が10〜50質量%であることが好ましく、バインダの含有量が0.1〜10質量%であることが好ましい。また、正極合剤に導電助剤を含有させる場合、その含有量は0.1〜10質量%であることが好ましい。さらに、集電体を有する正極における正極合剤層の厚みや正極合剤成形体の厚みは、50〜1000μmであることが好ましい。
固体電解質電池の負極としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池に用いられている負極活物質、すなわち、Liイオンを吸蔵・放出可能な活物質を含有する負極が使用される。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などのリチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素を含む単体、化合物およびその合金;リチウム含有窒化物またはリチウム含有酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物;リチウム金属;リチウム/アルミニウム合金;も、負極活物質として用いることができる。
負極には、負極活物質に、固体電解質や、ブチルゴム、クロロピレンゴム、アクリル樹脂およびフッ素樹脂などのバインダ、さらには必要に応じて導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)適宜添加した負極合剤を、加圧成形などにより圧縮してペレット状などの成形体(負極合剤成形体)としたものや、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に活物質層として積層したものなどを用いることができる。
負極に固体電解質を含有させる場合、その固体電解質には、正極の固体電解質として先に例示したものと同じもののうちの1種または2種以上を使用することができる。電池特性をより優れたものとするためには、硫化物系固体電解質を含有させることが望ましい。
負極に集電体を用いる場合、その集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル、発泡メタル;カーボンシート;などを用いることができる。
負極活物質および固体電解質などを含有する負極合剤層を有する負極を製造するに際して使用する負極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)は、例えば、負極活物質および固体電解質、さらには、バインダや必要に応じて使用する導電助剤などを溶媒に分散させて調製する。この場合、バインダは溶媒に溶解していてもよい。
負極合剤含有組成物に使用する溶媒も、正極合剤含有組成物に使用する溶媒と同様に、固体電解質を劣化させ難いものを選択することが望ましく、正極合剤含有組成物用の溶媒として先に例示した各種溶媒を使用することが好ましく、含有水分量を0.001質量%(10ppm)以下とした超脱水溶媒を使用することが特に好ましい。
負極活物質および固体電解質を含有する負極合剤の成形体や、集電体の表面に負極合剤の層(負極合剤層)を有する負極の場合、負極合剤の組成としては、例えば、負極活物質の含有量が50〜80質量%であることが好ましく、固体電解質の含有量が20〜50質量%であることが好ましく、バインダの含有量が0.1〜10質量%であることが好ましい。また、負極合剤に導電助剤を含有させる場合には、その含有量は0.1〜10質量%であることが好ましい。さらに、集電体を有する負極における負極合剤層の厚みや負極合剤成形体の厚みは、50〜1000μmであることが好ましい。
固体電解質電池の固体電解質層における固体電解質には、正極の固体電解質として先に例示したものと同じもののうちの1種または2種以上を使用することができる。ただし、電池特性をより優れたものとするためには、硫化物系固体電解質を含有させることが望ましく、正極、負極および固体電解質層の全てに硫化物系固体電解質を含有させることがより望ましい。
固体電解質層は、固体電解質を溶媒に分散させて調製した固体電解質層形成用組成物を基材や正極、負極の上に塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理などの加圧成形を行うことで形成することができる。
固体電解質層形成用組成物に使用する溶媒も、正極合剤含有組成物に使用する溶媒と同様に、固体電解質を劣化させ難いものを選択することが望ましく、正極合剤含有組成物用の溶媒として先に例示した各種溶媒を使用することが好ましく、含有水分量を0.001質量%(10ppm)以下とした超脱水溶媒を使用することが特に好ましい。
固体電解質層の厚みは、100〜200μmであることが好ましい。
正極と負極とは、固体電解質層を介して積層した積層電極体の形態で電池に用いられる。そして、固体電解質電池は、このような積層電極体を複数有しており、これらの積層電極体同士が、電池内において直列に接続されている。
積層電極体同士を直列に接続する方法については、特に制限はないが、図2に示すように、1つの積層電極体の正極と、この積層電極体と接続する他の積層電極体の負極との間に、集電体を介在させることで接続することが好ましい。
積層電極体同士の間に介在させる集電体には、銅、ニッケル、鉄などのLiと反応しない金属やこれらを含む合金(ステンレス鋼を含む)製の、箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル、発泡メタル;カーボンシート;などを用いることができる。積層電極体同士の間に介在させる集電体の厚みは、10〜200μmであることが好ましい。
前記集電体と、これに隣接する積層電極体とは、重ねられているだけでもよく、前記集電体と、この集電体と隣接する正極や負極とが、貼り合わせなどによって一体化していてもよい。
固体電解質電池が有する積層電極体の個数は、複数であれば特に制限はなく、必要に応じて、2個、3個、4個、それ以上とすることができるが、例えば図2示すような扁平形の電池の場合には、積層電極体の個数を多くし過ぎると、電池の厚みが大きくなりすぎて、扁平状とするメリットが損なわれることもあるため、通常は、4個以下とする。
本発明の固体電解質電池は、従来から知られている二次電池と同様の用途に適用し得るが、有機電解液に代えて固体電解質を有していることから耐熱性に優れており、高温に曝されるような用途に好ましく使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1
<固体電解質層の形成>
平均粒子径が4μmのアルジロダイト型構造を有する硫化物系固体電解質(LiPSCl)を粉末成形金型に投入し、プレス機を用いて加圧成形を行い、厚みが0.2mmの固体電解質層を形成した。
<正極の作製>
平均粒子径が3.5μmの一次粒子からなる正極活物質:LiNi0.33Co0.33Mn0.33の粉末と、前記硫化物系固体電解質と、導電助剤であるカーボンナノチューブ〔昭和電工社製「VGCF」(商品名)〕とを質量比で65:30:5の割合で混合し、よく混練して正極合剤を調製した。
次に、前記正極合剤を前記粉末成形金型内の前記固体電解質層の上に投入し、プレス機を用いて加圧成形を行い、前記固体電解質層の上に厚みが0.42mmの正極合剤成形体よりなる正極を形成した。
<負極の作製>
平均粒子径35μmのLiTi12と前記硫化物固体電解質と前記カーボンナノチューブとを質量比で55:40:5の割合で混合し、よく混練して負極合剤を調製した。次に、前記粉末成形金型内の前記固体電解質層の正極とは反対側の上に、前記負極合剤を投入し、プレス機を用いて加圧成形を行い、前記固体電解質層の上に厚みが1.03mmの負極合剤成形体よりなる負極を形成した。これにより、正極、固体電解質層および負極が積層された、直径が6.4mmで厚みが1.65mmの積層電極体を2個作製した。
<電池の組み立て>
東洋炭素株式会社製の可撓性黒鉛シート「PERMA−FOIL(製品名)」(厚み:0.1mm、見かけ密度:1.1g/cm)を前記積層電極体と同じ大きさに打ち抜いたものを3枚用意し、そのうちの1枚を、ポリプロピレン製の環状ガスケットをはめ込んだステンレス鋼製の封口缶の内底面上に配置した。次に、前記黒鉛シートの上に、負極を前記黒鉛シート側にして前記積層電極体のうちの1つを重ね、その上に、集電体として前記黒鉛シートの1枚を配置した。さらに、前記積層電極体のもう1つを、負極を前記黒鉛シート側にして重ね、最後に、前記黒鉛シートの残り1枚を前記積層電極体の正極上に配置し、ステンレス鋼製の外装缶をかぶせた後、外装缶の開口端部を内方にかしめて封止を行うことにより、前記黒鉛シート(集電体)を介して直列に接続された2組の積層電極体を有する、図2に示される構造の固体電解質電池を作製した。なお、図2では、封口缶および外装缶と積層電極体との間に配置された黒鉛シートは図示していない。
作製した電池の封口缶の側壁の内径は6.93mmであり、封口缶の側壁の内径と、2組の積層電極体の間に配置された集電体の外径との差は、0.53mmであった。また、封口缶の側壁の内面には、予め、ポリイミドフィルムの片面にアクリル系樹脂の粘着層が形成された厚みが50μmの粘着テープを貼り付けておき、側壁の内面に絶縁層が形成された封口缶を電池の作製に用いた。
実施例2
側壁の内径が7.5mmである封口缶と、前記封口缶に合わせて径を大きくした環状ガスケットおよび外装缶を用いた以外は、実施例1と同様にして固体電解質電池を作製した。
この電池の封口缶の側壁の内径と、2組の積層電極体の間に配置された集電体の外径との差は、1.1mmであった。
比較例1
封口缶の側壁の内面に絶縁層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして固体電解質電池を作製した。
比較例2
封口缶の側壁の内面に絶縁層を形成しなかった以外は、実施例2と同様にして固体電解質電池を作製した。
比較例3
正極、固体電解質層および負極を、それぞれ、0.85mm、0.4mmおよび2.05mmとした以外は実施例1と同様にして、全体の厚みが3.3mmの積層電極体を作製した。2組の積層電極体およびそれらの間に配置された集電体に代えて、前記厚みが3.3mmの積層電極体を用いた以外は比較例1と同様にして、図1に示される構造の固体電解質電池を作製した。なお、図1では、封口缶および外装缶と積層電極体との間に配置された黒鉛シートは図示していない。
実施例1、2および比較例1〜3の電池をそれぞれ100個ずつ作製し、0.2mAの電流値で電池電圧が5.6Vになるまで行う定電流充電と、5.6Vの電圧で電流値が0.02mAに低下するまで行う定電圧充電を組み合わせた定電流−定電圧充電により電池の充電を行い、次いで、0.2mAの電流値で電池電圧が1.2Vになるまで行う定電流放電を行い、各電池の放電容量を測定し、内部短絡により容量が低下した電池の個数を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2021064584
封口缶の側壁の内面に絶縁層を形成した実施例1および2の電池では、積層電極体の間に配置された集電体の位置ずれなどによる電池の短絡を防ぐことができた。特に、実施例2に比べて、封口缶の側壁の内径と積層電極体の間に配置された集電体の外径との差が小さい実施例1の方が、前記絶縁層を形成する効果が顕著となった。
また、バイポーラ構造を有していない比較例3の電池は、積層電極体の位置ずれが生じ難いため、バイポーラ構造を有する比較例1の電池に比べ、短絡を生じた電池の個数が少なくなった。
1、100 固体電解質電池
2 積層電極体
21 正極
22 負極
23 固体電解質層
3 外装缶
4 封口缶
5 ガスケット
6 集電体
7 絶縁層

Claims (3)

  1. 外装缶と、
    前記外装缶の内側に配置され、円筒状の側壁を有する封口缶と、
    前記外装缶と前記封口缶の側壁との間に配置された環状のガスケットと、
    前記外装缶と前記封口缶との間に収容され、直列に接続された複数の積層電極体とを有する固体電解質電池であって、
    前記複数の積層電極体は、それぞれ、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を有し、
    それぞれの積層電極体の間には、集電体が配置されており、
    前記封口缶の側壁の内面が、厚みが10〜80μmの絶縁層で被覆されていることを特徴とする固体電解質電池。
  2. 前記封口缶の側壁の内径と前記集電体の外径との差が、1mm以下である請求項1に記載の固体電解質電池。
  3. 前記絶縁層が、樹脂製の粘着テープである請求項1または2に記載の固体電解質電池。
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