JP2021063772A - 合成開口レーダの信号処理方法、信号処理装置、および信号処理プログラム - Google Patents

合成開口レーダの信号処理方法、信号処理装置、および信号処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】サイドローブを増加させることなく、かつ、分解能も劣化させることなく、外来干渉波を除去すること。【解決手段】信号処理方法は、チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得る工程と;周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、外来干渉波を除去したデータを得る工程と;外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力する工程と;外来干渉波を除去したデータとチャープ信号とに基づいて、パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する工程と;判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成すると;パルス圧縮したデータに選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する工程;乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る工程と;を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、人工衛星や航空機等の飛翔体(プラットフォーム)に搭載された合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:以下「SAR」とも略称する)により捕えた受信信号の信号処理方法、信号処理装置、および信号処理プログラムに関するものである。
近年、リモートセンシングの研究および利活用が盛んになり、様々な手法が提案されている。特に、レーダにおける干渉技術は、電波が有する位相情報を利用しており、人工衛星に搭載されたレーダを用いることで、広域の計測を効率よく実施することができる。このような背景から、レーダを搭載した周回衛星が数多く打ち上げられ、レーダ画像の取得頻度や入手性が向上している。
例えば、レーダ画像を用いて地表面を画像解析する様々な情報処理システムが開発されている。この中には、人工衛星や航空機等の飛翔体(プラットフォーム)に搭載された合成開口レーダ(SAR)で取得されたレーダ画像を用いて地表面を解析するもの(以下、「SAR画像解析」と略称する)が知られている。なお、合成開口レーダ(SAR)とは、航空機や人工衛星などの飛翔体(プラットフォーム)にレーダ装置を搭載し、飛翔体(プラットフォーム)を移動させながらマイクロ波を地表面などに照射することで、レーダ画像を取得できるレーダである。SARで取得されたレーダ画像は、SAR画像とも呼ばれる。
SARの主な特徴として、レーダ装置からマイクロ波を自ら発信し、雲などを透過するマイクロ波を用いることで、天候および昼夜に関係なく地表面を観測でき、かつ上空から観測することで一気に広範囲の地表面を観測できることが挙げられる。
周知のように、SARは、二つの次元のSAR画像を作成する。SAR画像の一つの次元はレンジと呼ばれ、レーダから照射対象物までの視線距離である。他の次元は、方位角(アジマス)と呼ばれ、レンジに直交する。SARにおいて、レンジ方向ではパルス圧縮という技術を使って高分解能化を行っている。
詳述すると、SARでは、比較的長いパルスに周波数変調(FM:Frequency Modulation)をかけ、受信信号を適切に処理することで高分解能化を行っている。このFMパルスは、時間とともに周波数が変化する鳥のさえずりに似ていることからチャープ(Chirp)パルスとも言われている。高分解能化処理がパルス圧縮と呼ばれている技術である。よって、SARはチャープレーダとも呼ばれる。また、上記マイクロ波(上記チャープパルス)はチャープ信号とも呼ばれる。
チャープレーダの一例は、例えば、特許文献1の図8に開示されている。チャープレーダは、送信機と受信機とアンテナとを備える。送信機は、チャープ信号発生部と、周波数変換・増幅部と、送受信切替部と、サーキュレータとを備える。受信機は、送受信切替部と、周波数変換・増幅部と、サンプリングとを備える。チャープレーダでは、送信機のチャープ信号発生部で生成したチャープ信号を周波数・増幅部で周波数変換するととともに増幅する。そして、増幅された信号は、送信機の送受信切替部及びサーキュレータを介してアンテナからパルス状の送信波として送信される。また、ターゲットで反射した反射波はアンテナで受信波として受信される。その受信波は、サーキュレータ及び受信機の送受信切替部を介して周波数変換・増幅部に入力する。受信波は、周波数変換・増幅部で周波数変換されるとともに増幅される。その後、その増幅された信号は、サンプリング部でサンプリングされ、レーダ受信データとなる。このレーダ受信データに基づいてターゲットの探知が行われる。
送信機から送信されたパルス状送信波以外に外来干渉波が存在する場合がある。この場合、その外来干渉波がノイズ源となり、S/N(信号対雑音比)が劣化する。S/Nを改善するために、SAR等のチャープレーダでは、広い周波数帯域幅を使用していることを利用し、受信信号(レーダ受信データ)のフーリエ変換を行い、周波数領域で外来干渉波の周波数成分のみを除去する。ここで、外来干渉波ではない周波数帯域を削ってしまうと、分解能が劣化してしまう場合がある。
特許文献1は、パルス状送信波を送信した際にターゲットで反射した反射波に重畳する外来干渉波を除去する「チャープレーダ外来干渉波除去方法」を開示している。この開示されたチャープレーダ干渉波除去方法は、反射波の周波数領域データに基づいてパワースペクトラムを生成し、送信波の周波数領域データに基づいてパワースペクトラムを生成し、両者のパワースペクトラム上のランダムノイズを低減し、送信波のパワースペクトラムに対する反射波のパワースペクトラムの比を求めて偏差値を算出し、偏差値が閾値を超えている周波数をマスク周波数として設定することで、外来干渉波を除去するための周波数マスクを生成し、反射波の周波数領域データから周波数マスクの周波数に対応する値を取り除くことにより、外来干渉波を除去している。
特許文献1はまた、外来波を除去した結果に対し、参照信号の周波数領域信号との相関を取り、逆フーリエ変換を行うことにより、チャープ圧縮を行う例も開示している。このように、特許文献1では、受信信号から外来干渉波を含む帯域を除去している。
また、特許文献2は、合成開口レーダ(SAR)の画像データ処理方法を開示している。SARの画像データの処理は、メイン処理と、このメイン処理に先立つ前処理とからなる。メイン処理では、SARの時系列データを2次元の画像データとする信号処理、すなわちレンジ方向のノイズ抑圧・除去を含む信号処理と方位方向の信号処理とを行う。前処理では、SARの生データからノイズを検出してノイズの除去に用いる窓関数と称するデータを生成する。
生データは、高速フーリエ変換部(FFT:Fast Fourier Transform)において、レンジ方向にフーリエ変換され時間領域データから周波数領域信号データに変換される。次に、該周波数領域信号データは参照関数乗算部において、レンジ方向の分解能(距離分解能)を向上させるため、各画素情報を圧縮するパルス幅の圧縮(レンジ圧縮)が行われる。レンジ圧縮は、上記パルス圧縮とも呼ばれる。この処理は、予め作成してある参照関数を乗算することで実行される。レンジ圧縮後の周波数領域信号データは、逆高速フーリエ変換部(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)において再び時間領域信号データに変換される。
特許文献3は、抽出された相互相関関数および自己相関関数に、時間窓関数を乗算することにより、周波数スペクトルのサイドローブを低減し、遅延時間分解能を向上させた技術思想を開示している。
また、特許文献4は、ウェイト関数を生成する方法を開示している。矩形波をFFT(高速フーリエ変換)等によって周波数領域に変換し、乗算器にて窓関数(ブラックマンハリス窓等)と乗算した後、IFFT(逆高速フーリエ変換)等によって時間領域に戻すことにより、ウェイト関数を生成している。周波数軸上での窓関数は、ブラックマンハリス窓に限らず、ハミング窓、ハニング窓、ガウス窓、フラットトップ窓等のいずれでも効果が得られる。
さらに、特許文献5は、フーリエ変換・逆フーリエ変換を用いて相関処理を行う「パルス圧縮処理」を開示している。特許文献5は、パルスレーダに用いられるパルス圧縮処理装置を記載している。送出された送信信号の反射信号は、アンテナで捕捉され、送受切換器を介して受信器に供給される。受信器は、RF帯からIF帯へ変換、低雑音増幅、及び周波数変換を施す。受信器からの出力信号は、FFT(高速フーリエ変換器)にて時間領域から周波数領域の信号に変換される。周波数領域に変換された受信信号は、複素乗算器にて相関係数(複素共役信号)との複素乗算が施される。複素乗算された信号は、IFFT(逆フーリエ変換器)により周波数領域から時間領域の信号に戻され、これによってパルスデータが得られる。
特許第5163017号公報 特許第2626579号公報 特開2007−298503号公報 特許第4421487号公報 特許第4080977号公報
しかしながら、上記特許文献1および2には、次に述べるような問題がある。
特許文献1は、単に、受信信号から外来干渉波を含む帯域を除去する手段を開示しているに過ぎない。除去する帯域によっては、チャープのパルス圧縮後の信号において、分解能劣化またはサイドローブ増加のいずれかの状態が起きる。ここで、外来干渉波である周波数帯域を削っても分解能劣化が起こり得ることに注意されたい。
サイドローブ増加の場合は、たとえば特許文献3に開示されているように、パルス圧縮された信号に窓関数を乗じることでサイドローブを低減して、信号品質を向上できる。
但し、特許文献3では、時間領域での窓関数を乗算することにより周波数スペクトルのサイドローブを低減しているのに対して、ここでは、周波数領域での窓関数を乗算することにより時間領域の信号のサイドローブを低減することになる。すなわち、時間領域と周波数領域とが逆であり、物理的な意味が異なる。但し、数学的には全く同じ計算手順である。
一方、分解能劣化の場合は、パルス圧縮された信号に窓関数を乗じてしまうと、さらに分解能が劣化してしまう。
しかしながら、特許文献1では、分解能劣化またはサイドローブ増加のいずれかが発生しているかを見極めていない。そのため、パルス圧縮された信号に窓関数を乗じることができず、サイドローブ増加の場合であっても、サイドローブが増加したままとせざるを得ない。
特許文献2は、単に、パルス圧縮(レンジ圧縮)する技術的思想を開示しているに過ぎない。特許文献2でも、チャープのパルス圧縮後の信号において、分解能劣化またはサイドローブ増加のいずれかの状態が起きるとの認識がない。
なお、特許文献3は、単に、サイドローブを低減する技術的思想を開示しているだけである。特許文献4は、単に、窓関数を用いてウェイト関数を生成する方法を開示しているだけである。特許文献5は、単に、フーリエ変換・逆フーリエ変換を用いて相関処理を行う「パルス圧縮処理」を開示しているだけである。すなわち、特許文献3〜5のいずれも、チャープのパルス圧縮後の信号において、分解能劣化またはサイドローブ増加のいずれかの状態が起きるとの認識がない。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、サイドローブを増加させることなく、かつ、分解能も劣化させることなく、受信信号から外来干渉波を除去することが可能な、合成開口レーダの信号処理方法、信号処理装置、および信号処理プログラムを提供することにある。
本発明の1つの態様として、合成開口レーダの信号処理方法は、チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換工程と;前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去工程と;該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮工程と;前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別工程と;該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択工程と;前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算工程と;前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換工程と;を含む。
本発明の他の態様として、合成開口レーダの信号処理装置は、チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換部と;前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去部と;該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮部と;前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別部と;該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択部と;前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算部と;前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換部と;を備える。
本発明の他の態様として、信号処理プログラムは、コンピュータを、チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換手段;前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去手段;該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮手段;前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別手段;該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択手段;前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算手段;および前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換手段;として機能させる。
本発明によれば、サイドローブを増加させることなく、かつ、分解能も劣化させることなく、外来干渉波を除去することが可能である。
本発明の一実施形態に係る合成開口レーダの信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した信号処理装置に使用される判別部の詳細な構成を示すブロック図である。 図2に示した判別部の自動判別動作を説明するための図である。 図1に示した信号処理装置で実施される信号処理方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る合成開口レーダの信号処理装置100の構成を示すブロック図である。この信号処理装置100は、チャープ信号を送信する合成開口レーダ(図示せず)の受信信号を受信して、後述する処理を行う装置である。チャープ信号は、直線周波数変調された、包絡線がパルス状の送信信号(パルス信号)である。信号処理装置100は、このチャープ信号がターゲットで反射した反射波を受信信号として受信する。
信号処理装置100は、MPU(Micro Processing unit)などのマイクロプロセッサやCPU(Central Processing Unit)、複数のGPU(Graphics Processing unit)等で実現され得る。信号処理装置100は、記憶装置(図示せず)からプログラムを読み込んで、プログラムに従ってデータを処理する各種処理部を実現する機能を有する。
なお、記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、ROM(Read-Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリからなる。記憶装置は、信号処理装置100における各種処理に必要な処理情報やプログラムを記憶する機能を有する。
信号処理装置100で実現される主な処理部は、フーリエ変換部110、外来干渉波除去部120、パルス圧縮部130、判別部140、窓関数選択部150、乗算部160、および逆フーリエ変換部170から成る。
フーリエ変換部110は、受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得る。なお、フーリエ変換部110は、受信信号をFFT(高速フーリエ変換)して周波数領域データに変換する、高速フーリエ変換部であってよい。外来干渉波除去部120は、周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、外来干渉波を除去したデータを得る。この外来干渉波除去部120は、例えば、上記特許文献1に開示されたチャープレーダ外来干渉波除去装置等によって実現され得る。よって、ここでは、外来干渉波除去部120の詳細については説明を省略する。
パルス圧縮部130は、この外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力する。このパルス圧縮部130は、例えば、上記特許文献2に開示された参照関数乗算部等よって実現され得る。よって、ここでは、パルス圧縮部130の詳細については説明を省略する。
判別部140と窓関数選択部150とが、本実施形態において新たに追加された構成要素である。
判別部140は、外来干渉波を除去したデータとチャープ信号とに基づいて、パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する。判別部140の詳細な構成および動作については、後で図面を参照して詳細に説明する。
窓関数選択部150は、判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する。窓関数選択部150の詳細な動作については、後で図面を参照して詳細に説明する。
乗算部160は、パルス圧縮したデータに選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する。逆フーリエ変換部170は、乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る。なお、逆フーリエ変換部170は、乗算結果データをIFFT(逆高速フーリエ変換)して時間領域信号に戻す、逆高速フーリエ変換部であってよい。
図2は、判別部140の詳細な構成を示すブロック図である。判別部140は、抽出部141と、取得部142と、算出部143と、判断部144とから成る。
抽出部141は、外来干渉波を除去した信号から、外来干渉波除去のための上記周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する。取得部142は、チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する。算出部143は、周波数マスクの中心周波数とチャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する。
判断部144は、チャープ帯域幅(B)とマスク帯域幅(B)と差(Δf)とに基づいて規定される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する。次に、指標値について説明する。
指標値は、次の数1で表される。
Figure 2021063772
ここで、αは、次の数2で表される。
Figure 2021063772
判別部140は、判断部144で上記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき、判別結果として分解能劣化が発生していることを示す結果を出力する。一方、判別部140は、判断部144で上記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき、判別結果としてサイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する。
図3は、以上の説明を纏めた、判別部140の自動判別動作を説明するための図である。
判別結果が分解能劣化が発生していることを示しているとき、窓関数選択部150は、選択した窓関数として1を選択して生成する。なお、窓関数が1であるとは、窓関数として矩形(rectangular)窓を用いることと等価である。 一方、判別結果がサイドローブ増加が発生していることを示しているとき、窓関数選択部150は、選択した窓関数として1以外の所定の窓関数を選択して生成する。ここで、所定の窓関数としては、たとえば、ハミング(Hamming)窓、ハニング(hanning)窓、ガウス(Gaussian)窓、ブラックマンハリス(Blackman-Harris)窓、フラットトップ(flat top)窓、テーラー(Taylor)窓のいずれかを用いてよい。
したがって、分解能が劣化しているとき、乗算部160は、パルス圧縮したデータに1(矩形窓)を乗算して、乗算結果データを出力する。換言すれば、分解能が劣化しているとき、乗算部160は、パルス圧縮したデータを、そのまま乗算結果データとして出力することになる。一方、サイドローブが増加しているとき、乗算部160は、パルス圧縮したデータに上記所定の窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する。
以下、図4を参照して、信号処理装置100で実施される信号処理方法について説明する。
先ず、ステップS101において、フーリエ変換部110は、チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得る。
次に、ステップS102において、外来干渉波除去部120は、周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、外来干渉波を除去したデータを得る。
引き続いて、ステップS103において、パルス圧縮部130は、外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力する。
一方、ステップS104において、判別部140は、外来干渉波を除去したデータとチャープ信号とに基づいて、パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する。
詳述すると、ステップS201において、判別部140の抽出部141は、外来干渉波を除去した信号から、外来干渉波除去のための周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する。
次に、ステップS202において、判別部140の取得部142は、チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する。尚、これら情報は、例えば、制御ソフトウェアから入力されるようにして良い。
引き続いて、ステップS203において、判別部140の算出部143は、周波数マスクの中心周波数とチャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する。
最後に、ステップS204において、判別部140の判断部144は、チャープ帯域幅(B)とマスク帯域幅(B)と差(Δf)とに基づいて規定される、上記数1で表される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する。
判断部144で上記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき(ステップ204のNO)、判別部140は、判別結果として分解能劣化が発生していることを示す結果を出力する。逆に、判断部144で上記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき(ステップ204のYES)、判別部140は、判別結果としてサイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する。
次に、ステップS105において、窓関数選択部150は、判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する。詳述すると、判別結果が分解能劣化が発生していることを示しているとき(ステップ204のNO)、ステップ205において、窓関数選択部150は、選択した窓関数として1を選択して生成する。
逆に、判別結果がサイドローブ増加が発生していることを示しているとき(ステップ204のYES)、ステップS206において、窓関数選択部150は、先ず、窓関数がONであるか否かを判断する。窓関数がONである場合(ステップS206のYES)、ステップ207において、窓関数選択部150は、選択した窓関数として1以外の上記所定の窓関数を選択して生成する。一方、窓関数がONでない場合(ステップS206のNO)、上記ステップ205において、窓関数選択部150は、選択した窓関数として1を選択して生成する。
次に、ステップS106において、乗算部160は、パルス圧縮したデータに上記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する。
最後に、ステップS107において、逆フーリエ変換部170は、乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る。
次に、本実施形態の効果について説明する。
第1の効果は、分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかを自動判別しているので、窓関数を乗じるか否かの判定を自動に実行できることである。
第2の効果は、サイドローブ低減のために窓関数を乗じることを事前に選択しているので、上記自動判別と同時に窓関数をパルス圧縮したデータに乗じるこことが可能となることである。
第3の効果は、関連技術のように外来波除去のみではなく、外来波除去によりサイドローブが増加してしまう場合には、サイドローブを低減することが可能となることである。
上述した信号処理装置100の各部は、コンピュータシステムのハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて実現することができる。このコンピュータシステムは、所望の形態に合わせた、1ないし複数のプロセッサとメモリを含んでよい。また、このコンピュータシステムの形態では、各部は、上記メモリに信号処理プログラムが展開され、この信号処理プログラムに基づいて1ないし複数のプロセッサ等のハードウェアを実行命令群やコード群で動作させることによって、実現すればよい。この際、必要に応じて、この信号処理プログラムは、オペーレティングシステムや、マイクロプログラム、ドライバなどのソフトウェアが提供する機能と協働して、各部を実現することとしてもよい。
メモリに展開されるプログラムデータは、プロセッサを1ないし複数の上述した各部として動作させる実行命令群やコード群、テーブルファイル、コンテンツデータなどを適宜含んでよい。
また、このコンピュータシステムは、必ずしも一つの装置として構築される必要はなく、複数のサーバ/コンピュータ/仮想マシンなどが組み合わさって、所謂、シンクライアントや、分散コンピューティング、クラウドコンピューティングで構築されてもよい。また、コンピュータシステムの一部/全ての各部をハードウェアやファームウェア(例えば、一ないし複数のLSI:Large-Scale Integration,FPGA:Field Programmable Gate Array,電子素子の組み合わせ)で置換することとしてもよい。同様に、各部の一部のみをハードウェアやファームウェアで置換することとしてもよい。
また、この信号処理プログラムは、記録媒体に非一時的に記録されて頒布されても良い。当該記録媒体に記録されたプログラム201は、有線、無線、又は記録媒体そのものを介してメモリに読込まれ、プロセッサ等を動作させる。
尚、本明細書では、記録媒体は、類似するタームの記憶媒体やメモリ装置、ストレージ装置なども含むこととする。この記録媒体を例示すれば、オプティカルディスクや磁気ディスク、半導体メモリ装置、ハードディスク装置、テープメディアなどが挙げられる。また、記録媒体は、不揮発性であることが望ましい。また、記録媒体は、揮発性モジュール(例えばRAM:Random Access Memory)と不揮発性モジュール(例えばROM:Read Only Memory)の組み合わせを用いることとしてもよい。
なお、実施形態を例示して本発明を説明した。しかしながら、本発明の具体的な構成は前述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した実施形態のブロック構成の分離併合、手順の入れ替えなどの変更は本発明の趣旨および説明される機能を満たせば自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。
例えば、上記実施形態では、上記指標値として、上記数1で表される値を用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、指標値としては、上記チャープ帯域幅(B)と上記マスク帯域幅(B)と上記差(Δf)とに基づいて規定されるものであれば、どのような値を用いてもよい。また、上記実施形態では、判別部140が、指標値が(1/2)より小さいか否かによって、分解能劣化であるかサイドローブ増加であるかを判断しているが、判断基準はこれに限定されない。すなわち、判別部140は、外来干渉波を除去したデータとチャープ信号とに基づいて、パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別できればよい。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうる。尚、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換工程と、
前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去工程と、
該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮工程と、
前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別工程と、
該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択工程と、
前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算工程と、
前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換工程と、
を含む合成開口レーダの信号処理方法。
[付記2]
前記判別工程は、
前記外来干渉波を除去した信号から、前記外来干渉波除去のための前記周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する抽出工程と、
前記チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する取得工程と、
前記周波数マスクの中心周波数と前記チャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する算出工程と、
前記チャープ帯域幅(B)と前記マスク帯域幅(B)と前記差(Δf)とに基づいて規定される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する判断工程と、
を含み、
前記判別工程は、前記判断工程で前記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき、前記判別結果として前記分解能劣化が発生していることを示す結果を出力し、前記判断工程で前記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき、前記判別結果として前記サイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する、
付記1に記載の合成開口レーダの信号処理方法。
[付記3]
前記指標値は、次の数3で表される、
Figure 2021063772
ここで、αは、次の数4で表される、
Figure 2021063772
付記2に記載の合成開口レーダの信号処理方法。
[付記4]
前記窓関数選択工程は、
前記判別結果が前記分解能劣化が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1を選択して生成し、
前記判別結果が前記サイドローブ増加が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1以外の所定の窓関数を選択して生成する、
付記1乃至3のいずれか1つに記載の合成開口レーダの信号処理方法。
[付記5]
前記所定の窓関数は、ハミング窓、ハニング窓、ガウス窓、ブラックマンハリス窓、フラットトップ窓、テーラー窓のいずれかであることを特徴とする付記4に記載の合成開口レーダの信号処理方法。
[付記6]
チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換部と、
前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去部と、
該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮部と、
前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別部と、
該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択部と、
前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算部と、
前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換部と、
を備える合成開口レーダの信号処理装置。
[付記7]
前記判別部は、
前記外来干渉波を除去した信号から、前記外来干渉波除去のための前記周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する抽出部と、
前記チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する取得部と、
前記周波数マスクの中心周波数と前記チャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する算出部と、
前記チャープ帯域幅(B)と前記マスク帯域幅(B)と前記差(Δf)とに基づいて規定される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する判断部と、
を含み、
前記判別部は、前記判断部で前記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき、前記判別結果として前記分解能劣化が発生していることを示す結果を出力し、前記判断部で前記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき、前記判別結果として前記サイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する、
付記6に記載の合成開口レーダの信号処理装置。
[付記8]
前記指標値は、次の数5で表される、
Figure 2021063772
ここで、αは、次の数6で表される、
Figure 2021063772
付記7に記載の合成開口レーダの信号処理装置。
[付記9]
前記窓関数選択部は、
前記判別結果が前記分解能劣化が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1を選択して生成し、
前記判別結果が前記サイドローブ増加が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1以外の所定の窓関数を選択して生成する、
付記6乃至8のいずれか1つに記載の合成開口レーダの信号処理装置。
[付記10]
前記所定の窓関数は、ハミング窓、ハニング窓、ガウス窓、ブラックマンハリス窓、フラットトップ窓、テーラー窓のいずれかであることを特徴とする付記9に記載の合成開口レーダの信号処理装置。
[付記11]
コンピュータを、
チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換手段、
前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去手段と、
該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮手段、
前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別手段、
該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択手段、
前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算手段、および
前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換手段、
として機能させるための信号処理プログラム。
[付記12]
前記判別手段は、前記コンピュータを、
前記外来干渉波を除去した信号から、前記外来干渉波除去のための前記周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する抽出手段、
前記チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する取得手段、
前記周波数マスクの中心周波数と前記チャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する算出手段、および
前記チャープ帯域幅(B)と前記マスク帯域幅(B)と前記差(Δf)とに基づいて規定される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する判断手段、
して機能させ、
前記判別手段は、前記判断手段で前記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき、前記判別結果として前記分解能劣化が発生していることを示す結果を出力し、前記判断手段で前記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき、前記判別結果として前記サイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する、
付記11に記載の信号処理プログラム。
[付記13]
前記指標値は、次の数7で表される、
Figure 2021063772
ここで、αは、次の数8で表される、
Figure 2021063772
付記12に記載の信号処理プログラム。
[付記14]
前記窓関数選択手段は、
前記判別結果が前記分解能劣化が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1を選択して生成し、
前記判別結果が前記サイドローブ増加が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1以外の所定の窓関数を選択して生成する、
付記11乃至13のいずれか1つに記載の信号処理プログラム。
[付記15]
前記所定の窓関数は、ハミング窓、ハニング窓、ガウス窓、ブラックマンハリス窓、フラットトップ窓、テーラー窓のいずれかであることを特徴とする付記14に記載の信号処理プログラム。
100 信号処理装置
110 フーリエ変換部
120 外来干渉波除去部
130 パルス圧縮部
140 判別部
141 抽出部
142 取得部
143 算出部
144 判断部
150 窓関数選択部
160 乗算部
170 逆フーリエ変換部

Claims (10)

  1. チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換工程と、
    前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去工程と、
    該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮工程と、
    前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別工程と、
    該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択工程と、
    前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算工程と、
    前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換工程と、
    を含む合成開口レーダの信号処理方法。
  2. 前記判別工程は、
    前記外来干渉波を除去した信号から、前記外来干渉波除去のための前記周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する抽出工程と、
    前記チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する取得工程と、
    前記周波数マスクの中心周波数と前記チャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する算出工程と、
    前記チャープ帯域幅(B)と前記マスク帯域幅(B)と前記差(Δf)とに基づいて規定される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する判断工程と、
    を含み、
    前記判別工程は、前記判断工程で前記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき、前記判別結果として前記分解能劣化が発生していることを示す結果を出力し、前記判断工程で前記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき、前記判別結果として前記サイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する、
    請求項1に記載の合成開口レーダの信号処理方法。
  3. 前記指標値は、次の数1で表される、
    Figure 2021063772
    ここで、αは、次の数2で表される、
    Figure 2021063772
    請求項2に記載の合成開口レーダの信号処理方法。
  4. 前記窓関数選択工程は、
    前記判別結果が前記分解能劣化が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1を選択して生成し、
    前記判別結果が前記サイドローブ増加が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1以外の所定の窓関数を選択して生成する、
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載の合成開口レーダの信号処理方法。
  5. 前記所定の窓関数は、ハミング窓、ハニング窓、ガウス窓、ブラックマンハリス窓、フラットトップ窓、テーラー窓のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の合成開口レーダの信号処理方法。
  6. チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換部と、
    前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去部と、
    該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮部と、
    前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別部と、
    該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択部と、
    前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算部と、
    前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換部と、
    を備える合成開口レーダの信号処理装置。
  7. 前記判別部は、
    前記外来干渉波を除去した信号から、前記外来干渉波除去のための前記周波数マスクの中心周波数とマスク帯域幅(B)とを抽出する抽出部と、
    前記チャープ信号のチャープ中心周波数とチャープ帯域幅(B)とを取得する取得部と、
    前記周波数マスクの中心周波数と前記チャープ中心周波数と間の差(Δf)を算出する算出部と、
    前記チャープ帯域幅(B)と前記マスク帯域幅(B)と前記差(Δf)とに基づいて規定される指標値が(1/2)より小さいか否かを判断する判断部と、
    を含み、
    前記判別部は、前記判断部で前記指標値が(1/2)以上であると判断されたとき、前記判別結果として前記分解能劣化が発生していることを示す結果を出力し、前記判断部で前記指標値が(1/2)より小さいと判断されたとき、前記判別結果として前記サイドローブ増加が発生していることを示す結果を出力する、
    請求項6に記載の合成開口レーダの信号処理装置。
  8. 前記指標値は、次の数3で表される、
    Figure 2021063772
    ここで、αは、次の数4で表される、
    Figure 2021063772
    請求項7に記載の合成開口レーダの信号処理装置。
  9. 前記窓関数選択部は、
    前記判別結果が前記分解能劣化が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1を選択して生成し、
    前記判別結果が前記サイドローブ増加が発生していることを示しているとき、前記選択した窓関数として1以外の所定の窓関数を選択して生成する、
    請求項6乃至8のいずれか1つに記載の合成開口レーダの信号処理装置。
  10. コンピュータを、
    チャープ信号を送信する合成開口レーダの受信信号をフーリエ変換して、周波数領域データを得るフーリエ変換手段、
    前記周波数領域データから、外来干渉波を除去するための周波数マスクの周波数に対応する値を取り除いて、前記外来干渉波を除去したデータを得る外来干渉波除去手段、
    該外来干渉波を除去したデータをパルス圧縮して、パルス圧縮したデータを出力するパルス圧縮手段、
    前記外来干渉波を除去したデータと前記チャープ信号とに基づいて、前記パルス圧縮したデータに分解能劣化かサイドローブ増加のいずれかが発生するかを判別して、判別結果を出力する判別手段、
    該判別結果に基づいて、複数の窓関数の中から1つの窓関数を選択して生成する窓関数選択手段、
    前記パルス圧縮したデータに前記選択した窓関数を乗算して、乗算結果データを出力する乗算手段、および
    前記乗算結果データを逆フーリエ変換して、時間領域信号を得る逆フーリエ変換手段、
    として機能させるための信号処理プログラム。
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