JP2021061339A - インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法 - Google Patents

インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素体の内部において、インダクタ配線の位置と設計位置との乖離を抑制できるインダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法を提供すること。【解決手段】インダクタ部品10は、磁性を有する素体20と、素体20の内部に設けられている樹脂層50と、素体20の内部に設けられ、樹脂層50に接触する接触面33Aを有するインダクタ配線31,32とを備える。インダクタ配線31,32の構成比は「0.9」以下である。インダクタ配線31,32の延びる方向に直交するインダクタ配線31,32の横断面において、接触面33Aと垂直な高さ方向の寸法のうち、最大となる寸法を最大寸法とした場合、構成比とは、当該横断面における接触面33Aの寸法に対する最大寸法の比である。【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法に関する。
特許文献1には、磁性を有する素体の内部に配線が設けられているインダクタ部品の一例が記載されている。
特開2016−6830号公報
上記のように素体の内部に配線が設けられているインダクタ部品にあっては、配線の位置が設計位置から乖離してしまうことがある。設計位置とは、設計によって定められている配線の位置である。このように素体の内部において、配線の位置が設定位置から乖離していると、インダクタ部品の性能が変わるおそれがある。そのため、配線の位置と設計位置との乖離を抑えることが求められている。
上記課題を解決するためのインダクタ部品は、磁性を有する素体と、前記素体の内部に設けられている樹脂層と、前記素体の内部に設けられ、前記樹脂層に接触する接触面を有するインダクタ配線と、を備える。前記インダクタ配線の延びる方向に直交する前記インダクタ配線の横断面において、前記接触面と垂直な高さ方向の寸法のうち、最大となる寸法を最大寸法とする。この場合、前記横断面における前記接触面の寸法に対する前記最大寸法の比である構成比は「0.9」以下である。
インダクタ配線と隣接する部分が膨張したり収縮したりする場合、インダクタ配線を変位させようとする力である変位力がインダクタ配線に作用することがある。このような変位力は、インダクタ配線の高さ寸法が大きいほど大きくなる。そして、インダクタ配線が樹脂層に密着する力である密着力が小さいと、変位力によってインダクタ配線の位置が変わるおそれがある。
本件の発明者は、インダクタ配線の実際の位置と設計位置との乖離率と、上記構成比との関係について調べた結果、以下のような知見を得た。すなわち、上記構成比が「0.9」よりも大きいときには、実際の位置と設計位置との乖離が生じやすい。一方、上記構成比が「0.9」以下であるときには、実際の位置と設計位置との乖離が生じにくい。構成比を「0.9」以下とすることにより、インダクタ配線の高さ方向の寸法が大きくなることが抑制できるため、上記変位力が大きくなりにくい。また、インダクタ配線の高さ方向の寸法に対し、上記横断面における接触面の寸法を大きくすることができるため、上記密着力が小さくなることが抑制される。その結果、構成比を「0.9」以下とすることにより、インダクタ配線の実際の位置と設計位置との乖離が生じにくくなると推測できる。ここでは、上記横断面における接触面の寸法のことを「所定方向」という。
上記構成では、上記構成比が「0.9」以下となるように、インダクタ配線が構成されている。これにより、インダクタ配線の上記最大寸法に対し、インダクタ配線の上記所定方向の寸法を大きくできる。その結果、上記のような変位力がインダクタ配線に作用しても、密着力が大きい分、変位力によってインダクタ配線が上記所定方向に変位することを抑制できる。
上記課題を解決するためのインダクタ部品の製造方法は、磁性を有する素体の内部にインダクタ配線が設けられるインダクタ部品の製造方法であって、基板上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層上にシード膜を形成するシード膜形成工程と、保護膜を前記シード膜上にパターニングすることにより、前記インダクタ部品における前記インダクタ配線の形状が開口された配線パターンによって形成するパターン形成工程と、前記シード膜のうち、前記保護膜に覆われていない部分をシード層とした場合、前記配線パターンに導電性材料を供給することによって導電層を形成することにより、当該導電層と前記シード層とによって前記インダクタ配線を形成する導電層形成工程と、前記保護膜を除去する保護膜除去工程と、前記基板及び前記樹脂層のうちの少なくとも前記基板を除去し、内部に前記インダクタ配線が設けられた前記素体を形成する素体形成工程と、を備える。前記インダクタ配線の延びる方向に直交する前記インダクタ配線の横断面において、当該インダクタ配線の前記樹脂層との接触面と垂直な高さ方向の寸法のうち、最大となる寸法を最大寸法とする。この場合、前記導電層形成工程では、前記横断面における前記接触面の寸法に対する前記最大寸法の比である構成比を「0.9」以下とする。
上記構成によれば、導電層形成工程が実行されることにより、インダクタ配線が形成される。保護膜除去工程によって保護膜を除去する際、保護膜からインダクタ配線が上記変位力を受けることがある。上記構成では、インダクタ配線は、構成比が「0.9」以下となるように形成される。そのため、保護膜からインダクタ配線が受ける変位力に対し、インダクタ配線と樹脂層との間で発生する密着力が小さくなることがない。その結果、保護膜除去工程中に保護膜から変位力がインダクタ配線に作用しても、密着力が大きい分、変位力によってインダクタ配線が上記所定方向に変位することを抑制できる。
上記インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法によれば、素体の内部において、インダクタ配線の位置と設計位置との乖離を抑制できる。
インダクタ部品の一実施形態を模式的に示す斜視図。 同インダクタ部品の断面図。 同インダクタ部品を図2における3−3線で切断した場合の切断面を示す図。 同インダクタ部品のインダクタ配線の切断面を拡大した図。 インダクタ部品の製造方法の一実施形態を説明するフローチャート。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 同製造方法の説明図。 実施例のインダクタ部品と、比較例のインダクタ部品との比較結果を示す表。
以下、インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法の一実施形態を図1〜図14に従って説明する。なお、図面は理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものと異なる場合がある。また、断面図ではハッチングを付しているが、理解を容易にするために一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
<インダクタ部品>
図1に示すように、インダクタ部品10は、磁性材料で構成されている素体20を備えている。すなわち、素体20は、磁性を有している。例えば、素体20は、金属磁性粉を含む樹脂で構成される。金属磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、クロム、銅及びアルミニウム並びにこれらの合金を挙げることができる。また、金属磁性粉を含む樹脂としては、エポキシ樹脂などの樹脂材料を挙げることができる。絶縁性や成形性を考慮すると、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂を、金属磁性粉を含む樹脂として採用することが好ましい。なお、素体20にあっては、その全重量に対して金属磁性粉が60wt%以上含まれることが好ましい。また、金属磁性粉を含む樹脂の充填性を高くするために、重度分布の異なる2種類又は3種類の金属磁性粉を樹脂に含ませることがさらに好ましい。
図1に示す例では、素体20は直方体状をなしている。素体20の形状は、直方体に限定されず、例えば、円柱状及び多角形状であってもよい。
図1において、素体20の上面を「第1主面21」といい、素体20の下面を「第2主面22」という。図1に示す例では、第1主面21が長方形状をなしている。本実施形態では、第1主面21の長手方向を「第1方向D1」といい、第1主面21の短手方向を「第2方向D2」という。また、第1方向D1及び第2方向D2の双方と直交する方向を「第3方向D3」という。第1方向D1及び第2方向D2は第2主面22に沿う方向であるため、第3方向D3は第1主面21に直交する方向でもある。
インダクタ部品10は、第1主面21に設けられている複数の外部端子と、外部端子に接続されている複数の柱状配線とを備えている。図1及び図2に示す例では、4つの外部端子11,12,13,14が第1主面21に設けられているとともに、4つの柱状配線15,16,17,18が素体20内に設けられている。各柱状配線15〜18は、第3方向D3に延びている。そして、柱状配線15〜18の各一端が外部端子11〜14にそれぞれ接続されている。一方、柱状配線15〜18の各他端は、第3方向D3における第1主面21と第2主面22との間にそれぞれ位置している。
なお、素体20において、第1方向D1の第1側に外部端子11,13及び柱状配線15,17がそれぞれ位置している。素体20において、第1方向D1の第2側に外部端子12,14及び柱状配線16,18がそれぞれ位置している。また、素体20において、第2方向D2の第1側に外部端子11,12及び柱状配線15,16がそれぞれ位置している。素体20において、第2方向D2の第2側に外部端子13,14及び柱状配線17,18がそれぞれ位置している。図1では、外部端子11〜14、柱状配線15〜18は対称的な配置となっているが、この配置に限られず、互いに位置がずれていてもよい。
インダクタ部品10は、素体20内に設けられているインダクタ配線を備えている。図1及び図2に示す例では、2つのインダクタ配線31,32が素体20内に設けられている。インダクタ配線31,32は、第2方向D2において互いに異なる位置に配置されている。すなわち、第2方向D2は、複数のインダクタ配線31,32の並ぶ方向ともいえる。インダクタ配線31の第3方向D3における位置は、インダクタ配線32の第3方向D3における位置と同じである。もちろん、インダクタ配線31の第3方向D3における位置は、インダクタ配線32の第3方向D3における位置と異なっていてもよい。
インダクタ配線31,32は、第1方向D1において互いに異なる位置に配置されている2つの柱状配線を繋ぐものである。図1及び図2に示す例では、インダクタ配線31は、柱状配線15及び柱状配線16に接続されている。また、インダクタ配線32は、柱状配線17及び柱状配線18に接続されている。すなわち、インダクタ配線31は第2方向D2の第1側に位置し、インダクタ配線32は第2方向D2の第2側に位置している。
インダクタ配線31,32は、銅と硫黄とを含んでいる。詳しくは、インダクタ配線31,32は、銅を主成分とし、「0.01atomic%」以上であって且つ「1atomic%」以下の硫黄を含んでいる。
図2及び図3に示すように、インダクタ部品10は、素体20内に設けられている樹脂層50を備えている。樹脂層50は、第3方向D3においてインダクタ配線31,32よりも第2主面22側に配置されている。そして、インダクタ配線31,32の第3方向D3における第2主面22側の面が、樹脂層50に面接触している。すなわち、樹脂層50上に、インダクタ配線31,32が積層されるかたちで、樹脂層50及びインダクタ配線31,32が素体20内に設けられている。
樹脂層50は、非磁性の樹脂層である。樹脂層50は、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などである。すなわち、樹脂層50は、原子レベルにおいて、フッ素やシリコンを含んでいることが好ましい。このように樹脂層50に原子レベルにおいてフッ素やシリコンを含ませることにより、高周波での信号の損失の抑制効果を高くできる。
特に、樹脂層50にあっては、第3方向D3においてインダクタ配線31,32に近いほど原子レベルにおいてフッ素やシリコンの含有率が高いことが好ましい。すなわち、樹脂層50において、インダクタ配線31,32に近い部分におけるフッ素やシリコンの含有率を、インダクタ配線31,32から離れている部分におけるフッ素やシリコンの含有率よりも高くすることが好ましい。このようにインダクタ配線31,32に近い部分におけるフッ素やシリコンの含有率を高くすることにより、フッ素やシリコンによる高周波での信号の損失の抑制効果を効果的に発揮できる。また、インダクタ配線31,32に近い部分におけるシリコンの含有率を高くすることにより、樹脂層50とインダクタ配線31,32との密着性を高くできる。
樹脂層50に含まれるフッ素の含有形態としては、例えば、トリフルオロメチル基を挙げることができる。なお、トリフルオロメチル基は、樹脂内の官能基として存在してもよいし、添加剤として存在してもよい。また、トリフルオロメチル基以外の他の形態のフッ素の含有形態としては、例えば、ジフルオロメチレン基、モノフルオロメチレン基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、トリフルオロブチル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、モノフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ヘキサフルオロフェニル基を挙げることができる。
樹脂層50に含まれるシリコンの含有形態としては、例えば、シルセスキオキサン体を挙げることができる。また、シルセスキオキサン体以外のシリコンの含有形態としては、例えば、シラノール基、シリカ、シリコーンを挙げることができる。
次に、インダクタ配線31,32の形状について説明する。
インダクタ配線31は、柱状配線15に接続される第1端部分41Aと、柱状配線16に接続される第2端部分41Cと、第1方向D1において第1端部分41Aと第2端部分41Cとの間に配置されている中間部分41Bとを有している。中間部分41Bは、第1端部分41Aと第2端部分41Cとの双方に接続されている。また、中間部分41Bは、第1方向D1に延びている。図2に示す例では、中間部分41Bは、第2方向D2において第1端部分41A及び第2端部分41Cよりも外側に配置されている。すなわち、中間部分41Bは、第2方向D2において第1端部分41A及び第2端部分41Cよりも第1側に配置されている。
なお、インダクタ配線31は、第1端部分41A、中間部分41B及び第2端部分41Cのそれぞれにおいて第1方向D1と平行に延びる3つの直線形状と、当該直線形状同士を接続する、第1方向D1及び第2方向D2に対して斜行する2つの直線形状を有する屈曲形状である。ただし、インダクタ配線31は、このような屈曲形状に限らず、湾曲形状であってもよく、第1端部分41A、中間部分41B及び第2端部分41Cの一部又は全部が曲線であってもよい。また、インダクタ配線31は、屈曲形状と湾曲形状とを組み合わせた形状であってもよい。
インダクタ配線32は、柱状配線17に接続される第1端部分42Aと、柱状配線18に接続される第2端部分42Cと、第1方向D1において第1端部分42Aと第2端部分42Cとの間に配置されている中間部分42Bとを有している。中間部分42Bは、第1端部分42Aと第2端部分42Cとの双方に接続されている。また、中間部分42Bは、第1方向D1に延びている。図2に示す例では、中間部分42Bは、第2方向D2において第1端部分42A及び第2端部分42Cよりも外側に配置されている。すなわち、中間部分42Bは、第2方向D2において第1端部分42A及び第2端部分42Cよりも第2側に配置されている。
なお、インダクタ配線32は、第1端部分42A、中間部分42B及び第2端部分42Cのそれぞれにおいて第1方向D1と平行に延びる3つの直線形状と、当該直線形状同士を接続する、第1方向D1及び第2方向D2に対して斜行する2つの直線形状を有する屈曲形状である。ただし、インダクタ配線32は、このような屈曲形状に限らず、湾曲形状であってもよく、第1端部分42A、中間部分42B及び第2端部分42Cの一部又は全部が曲線であってもよい。また、インダクタ配線32は、屈曲形状と湾曲形状とを組み合わせた形状であってもよい。
ちなみに、図2における破線は、第3方向D3においてインダクタ配線31,32よりも第2主面22側に位置する樹脂層50を示している。
図3は、インダクタ配線31,32の中間部分41B,42B、及び、中間部分41B,42Bを包囲する素体20を切断した場合におけるインダクタ部品10の断面図である。より詳しくは、図3に示す断面は、素体20の中心を通り、中間部分41B,42Bの延びる方向に直交する断面、すなわち中間部分41B,42Bの横断面である。また、図4には、図3の断面におけるインダクタ配線31の中間部分41Bと、中間部分41Bが接触する樹脂層50との切断面が拡大して図示されている。
図3及び図4に示すように、インダクタ配線31,32は、樹脂層50に接触する接触面33Aを有している。また、インダクタ配線31,32は、第2方向D2における接触面33Aよりも第1側に位置する側壁面33Bと、第2方向D2における接触面33Aよりも第2側に位置する側壁面33Cとを有している。側壁面33Bは、接続部33Dを介して接触面33Aに接続されている。同様に、側壁面33Cは、接続部33Eを介して接触面33Aに接続されている。接続部33D及び接続部33Eは、樹脂層50とはそれぞれ接触していない。さらに、インダクタ配線31,32は、第3方向D3において接触面33Aよりも樹脂層50から離れているとともに、一対の側壁面33B,33Cに接続される上壁面33Fを有している。
図4に示す切断面にあっては、上壁面33Fは、樹脂層50から離れる方向に凸をなしている。こうした切断面において、第3方向D3における接触面33Aから上壁面33Fまでの寸法が最大となる部分を最大部位33MAXという。
ちなみに、図4に示すように、インダクタ配線31,32は、シード層35と、導電層36とを含んでいる。シード層35及び導電層36は、導電性材料によってそれぞれ構成されている。シード層35は、樹脂層50に接触している。導電層36は、シード層35を挟んで樹脂層50の反対側に位置している。
次に、インダクタ部品10、及び、インダクタ部品10の構成要素の大きさについて説明する。
図3に示すように素体20の第3方向D3の寸法を素体20の厚みDBとした場合、素体20は、その厚みDBが「500μm」以下となるように構成されている。つまり、本実施形態のインダクタ部品10は、非常に薄いものである。
図4に示すように素体20の内部に設けられている樹脂層50の第3方向D3における最大寸法を樹脂層50の厚みDRとする。この場合、樹脂層50は、その厚みDRが「5μm」以上であって且つ「30μm」以下となるように構成されている。
インダクタ配線31,32は、以下の条件を満たすように構成されている。すなわち、インダクタ配線31,32は、構成比Zが「0.9」以下であって且つ「0.25」以上となるように構成されている。より好ましくは、構成比Zを「0.75」以下とすることである。なお、構成比Zとは、図3や図4に示した横断面における接触面33Aの第2方向D2の寸法Xに対する最大部位33MAXの第3方向D3の寸法Yの比である。すなわち、図3及び図4においては、第3方向D3が、接触面33Aと垂直な「高さ方向」に相当し、最大部位33MAXの第3方向D3の寸法Yが、インダクタ配線31,32の横断面において、上記高さ方向の寸法のうち、最大となる寸法である「最大寸法」に相当する。さらに、図3及び図4においては、第2方向D2が、図3及び図4に示す横断面における接触面33Aの寸法に相当する。
<インダクタ部品の製造方法>
次に、図5〜図13を参照し、上記のインダクタ部品10の製造方法について説明する。本実施形態における製造方法は、セミアディティブ法を利用した方法である。
図5に示すように、はじめのステップS11では、基板上にベース樹脂層を形成する。
すなわち、図6に示すように、基板100は、板状をなしている。基板100の材質としては、例えば、セラミックスを挙げることができる。図6において、基板100の上面を表面101とし、基板100の下面を裏面102とする。そして、図7に示すように、基板100の表面101全体を覆うように、基板100上にベース樹脂層150Aが形成される。ベース樹脂層150Aは、上記インダクタ部品10を構成する樹脂層50と同じ非磁性の材料によって構成される。例えば、トリフルオロメチル基とシルセスキオキサンとを含むポリイミドワニスをスピンコートによって基板100の表面101に塗布することにより、ベース樹脂層150Aを形成することができる。
ベース樹脂層150Aの形成が完了すると、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12では、ベース樹脂層150A上にパターン用樹脂層150Bを形成する。パターン用樹脂層150Bのうち、少なくとも図7における上側の部分は、インダクタ部品10の樹脂層50を構成することになる。例えば、公知のフォトリソグラフィによってベース樹脂層150A上に非磁性の絶縁樹脂をパターニングすることにより、パターン用樹脂層150Bを形成することができる。この場合、ベース樹脂層150Aの形成に用いたものと同種のポリイミドワニスを用い、パターン用樹脂層150Bが形成される。すなわち、本実施形態では、ステップS11,S12により、ベース樹脂層150A及びパターン用樹脂層150Bからなる樹脂層150を基板100上に形成する「樹脂層形成工程」が構成される。
パターン用樹脂層150Bの形成が完了すると、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13では、シード膜135を形成する。すなわち、図7に示すように、樹脂層150の図中上面全体を覆うようにシード膜135が形成される。例えば、スパッタリングによって、銅を含むシード膜135が形成される。このようなシード膜135のうち、パターン用樹脂層150B上に位置する部分が、インダクタ部品10のインダクタ配線31,32を構成するシード層35として機能することになる。例えば、ステップS13では、「200nm」程度の厚みのシード膜135が形成される。したがって、本実施形態では、ステップS13が、樹脂層150上にシード膜135を形成する「シード膜形成工程」に相当する。
シード膜135の形成が完了すると、処理が次のステップS14に移行される。ステップS14では、シード膜135全体にフォトレジストがシード膜135上に塗布される。例えば、スピンコートによってフォトレジストが塗布される。そして、次のステップS15では、露光装置を用いた露光が実行される。これにより、フォトレジストのうち、パターン用樹脂層150B上に付着している部分は除去可能となり、それ以外の部分は硬化する。
続いて、ステップS16では、現像処理が実行される。すなわち、現像液を用いた処理によって、図8に示すように、フォトレジストのうち、パターン用樹脂層150B上に付着している部分が除去される。また、フォトレジストのうち、硬化した部分は、保護膜160としてシード膜135上に残る。このように保護膜160をシード膜135上にパターニングすることにより、インダクタ部品10におけるインダクタ配線31,32の形状が開口された配線パターンPTが形成される。したがって、本実施形態では、ステップS14〜S16により、「パターン形成工程」が構成される。
配線パターンPTの形成が完了すると、処理が次のステップS17に移行される。ステップS17では、配線パターンPT内に導電性材料を供給することによって、導電層36を形成する。すなわち、シード膜135のうち、保護膜160に覆われていない部分の上に導電層36が形成される。例えば、硫酸銅水溶液を用いた電解銅めっきを行うことにより、シード膜135のうち露出している部分に主に銅及び微量の硫黄が析出する。これにより、導電層36が形成される。硫酸銅水溶液を用いるため、導電層36には硫黄が含まれることになる。シード膜135のうちの導電層36が接触する部分であるシード層35と、導電層36とにより、インダクタ配線31,32が形成されることになる。したがって、本実施形態では、ステップS17が、「導電層形成工程」に相当する。
図9に示すように、パターン用樹脂層150B上に位置するシード膜135の図中下面は、インダクタ配線31,32の接触面33Aに相当する。そして、ステップS17では、上記の構成比Zが「0.9」以下であって且つ「0.25」以上となるように、導電層36が形成される。より好ましくは、構成比Zが「0.75」以下となるように、導電層36が形成される。例えば、上記電解銅めっきの通電時間によって所定の構成比Zが得られる。
導電層36の形成が完了すると、処理が次のステップS18に移行される。ステップS18では、剥離液を用いた処理によって、図10に示すように保護膜160が除去される。したがって、本実施形態では、ステップS18が、「保護膜除去工程」に相当する。
保護膜160の剥離が完了すると、処理が次のステップS19に移行される。ステップS19では、シード膜135を除去する。例えば、硝酸などの強酸を用いた処理によって、シード膜135が除去される。これにより、シード膜135のうち、導電層36とともにインダクタ配線31,32を構成する部分であるシード層35以外の部分が除去される。
シード膜135の除去が完了すると、処理が次のステップS20に移行される。ステップS20では、図11に示すように、図中上面側から導電層36を覆う第1磁性層120Aが形成される。すなわち、第1磁性層120Aの材質である金属磁性粉を含む樹脂が塗布される。金属磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、クロム、銅及びアルミニウムを挙げることができる。また、金属磁性粉を含む樹脂としては、エポキシ樹脂などの樹脂材料を挙げることができる。絶縁性や成形性を考慮すると、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂を、金属磁性粉を含む樹脂として採用することが好ましい。続いて、プレス加工によって、金属磁性粉を含む樹脂が固められる。これにより、第1磁性層120Aが形成される。
なお、上記のインダクタ部品10のように柱状配線15〜18を設ける場合、第1磁性層120Aを形成する前に、柱状配線15〜18が形成される。そして、第1磁性層120Aを形成する処理では、柱状配線15〜18の両端のうち、インダクタ配線31,32に接触しない側の端が露出するように、形成された第1磁性層120Aが研削される。第1磁性層120Aは、単層であってもよいし、所定の厚みを実現するために複数の磁性層が積層されたものであってもよい。
第1磁性層120Aの形成が完了すると、処理が次のステップS21に移行される。ステップS21では、研削によって、図12に示すように基板100及びベース樹脂層150Aを除去する。この際、パターン用樹脂層150Bの一部、若しくはパターン用樹脂層150B全体を除去してもよい。
こうした除去の処理が完了すると、処理が次のステップS22に移行される。ステップS22では、図13に示すように、第3方向D3における第1磁性層120Aの反対側に、第2磁性層120Bを形成する。すなわち、第2磁性層120Bの材質である金属磁性粉を含む樹脂が塗布される。続いて、プレス加工によって、金属磁性粉を含む樹脂が固められる。必要に応じて樹脂が研削される。これにより、第2磁性層120Bが形成される。第2磁性層120Bは、単層であってもよいし、所定の厚みを実現するために複数の磁性層が積層されたものであってもよい。このように第2磁性層120Bが形成されると、インダクタ配線31,32が第1磁性層120Aと第2磁性層120Bとによって挟み込まれたかたちとなる。こうした第1磁性層120A及び第2磁性層120Bによって、素体20が構成される。したがって、本実施形態では、ステップS20〜S22により、内部にインダクタ配線31,32が設けられた素体20を形成する「素体形成工程」が構成される。
第2磁性層120Bの形成が完了すると、処理が次のステップS23に移行される。ステップS23では、外部端子11〜14を形成する。この際、素体20の第1主面21上に、外部端子11〜14を露出させるソルダーレジストなどの絶縁膜を形成してもよい。これにより、インダクタ部品10の製造方法を構成する一連の処理が終了される。
<実施例>
次に、図14を参照し、比較例のインダクタ部品と、実施例のインダクタ部品10との比較について説明する。比較例のインダクタ部品と、実施例のインダクタ部品10は、図14に示す第2方向D2の寸法Xや第3方向D3の寸法Yを変更することにより、構成比Zを変更したものであって、それ以外の構成は同じである。
図14において、比較例1のインダクタ部品の構成比Zは「0.95」である。比較例2のインダクタ部品の構成比Zは「0.92」である。一方、実施例1のインダクタ部品10の構成比Zは「0.90」である。実施例2のインダクタ部品10の構成比Zは「0.84」である。実施例3のインダクタ部品10の構成比Zは「0.79」である。実施例4のインダクタ部品10の構成比Zは「0.75」である。実施例5のインダクタ部品10の構成比Zは「0.49」である。実施例6のインダクタ部品10の構成比Zは「0.25」である。
図14に示す乖離発生率Rとは、インダクタ部品10の完成後におけるインダクタ配線31,32の第2方向D2の実際の位置と設計位置との間に乖離が発生する確率のことである。設計位置とは、設計によって定められているインダクタ配線31,32の位置である。上記の製造方法でインダクタ部品10を大量に製造する場合、乖離発生率Rが高いほど、インダクタ部品10の良品率が低いこととなる。
図14に示すように、比較例1,2にあっては、構成比Zが「0.9」よりも大きいため、乖離発生率Rが高い。一方、実施例1〜6にあっては、構成比Zが「0.9」以下であるため、乖離発生率Rが低い。特に、実施例4〜6にあっては、構成比Zが「0.75」以下であるため、乖離発生率Rが「0.0%」となる。
構成比Zを「0.9」以下とすることにより、乖離発生率Rを小さくできる理由について説明する。インダクタ配線31,32は概ね第1方向D1に延びている。インダクタ部品10を製造する過程では、図9に示したように、インダクタ配線31,32を構成する導電層36の第2方向D2における両側に、フォトレジストによって構成される保護膜160が配置されている。そして、この保護膜160を剥離液を用いて除去する場合、保護膜160が剥離液によって膨潤する。すなわち、保護膜160が第2方向D2に広がろうとする。すると、保護膜160に隣接する導電層36は、保護膜160によって押される。すなわち、保護膜160の膨潤に起因し、導電層36を含むインダクタ配線31,32には、インダクタ配線31,32を第2方向D2に変位させようとする力である変位力が作用する。
一方、インダクタ配線31,32は、パターン用樹脂層150B、すなわち樹脂層50に密着している。そのため、インダクタ配線31,32とパターン用樹脂層150Bとの間には、パターン用樹脂層150Bとインダクタ配線31,32との位置関係を保持する力である密着力が発生する。
そして、変位力に対して密着力が小さいと、変位力によってインダクタ配線31,32の位置が第2方向D2に変位してしまう。一方、変位力に対して密着力が十分に大きいと、変位力が作用してもインダクタ配線31,32の位置が第2方向D2に変位しない。
インダクタ配線31,32の第3方向D3の寸法Yが大きいほど、保護膜160からインダクタ配線31,32が受ける変位力が大きくなる。一方、インダクタ配線31,32の接触面33Aの第2方向D2の寸法Xが大きいほど、インダクタ配線31,32とパターン用樹脂層150Bとの間で発生する密着力が大きくなる。
ちなみに、インダクタ配線31,32の構成比Zが小さいほど、インダクタ配線31,32の第3方向D3の寸法を小さくできるため、保護膜160からインダクタ配線31,32が受ける変位力を小さくできる。また、インダクタ配線31,32の構成比Zが小さいほど、接触面33Aの第2方向D2の寸法Xが大きくなるため、インダクタ配線31,32とパターン用樹脂層150Bとの間で発生する密着力を大きくできる。
図14に示すように、比較例1,2にあっては、構成比Zが大きいため、インダクタ配線31,32の第3方向D3の寸法が大きくなる、又は、接触面33Aの第2方向D2の寸法Xが小さくなる。そのため、乖離発生率Rが大きくなってしまう。
これに対し、実施例1〜6にあっては、構成比Zが小さいため、インダクタ配線31,32の第3方向D3の寸法が大きくなることを抑制でき、且つ、接触面33Aの第2方向D2の寸法Xを大きくできる。すなわち、インダクタ配線31,32に作用する変位力を小さくしつつ、インダクタ配線31,32とパターン用樹脂層150Bとの間に発生する密着力を大きくできる。その結果、比較例1,2の場合よりも乖離発生率Rを小さくできる。したがって、インダクタ部品10の性能の変化を抑制できる。
さらに、実施例4〜6のように構成比Zを「0.75」以下とすることにより、インダクタ配線31,32に作用する変位力をより小さくできるとともに、インダクタ配線31,32とパターン用樹脂層150Bとの間に発生する密着力をより大きくできる。その結果、乖離発生率Rを「0.0%」にでき、ひいてはインダクタ部品10の性能の変化の抑制効果を高くできる。
本実施形態では、以下に示す効果をさらに得ることができる。
構成比Zが小さいほど、インダクタ配線31,32の厚みが薄くなる。そして、インダクタ配線31,32が薄いほど、インダクタ配線31,32の配線抵抗が高くなる。インダクタ配線31,32の配線抵抗が高いことは、インダクタ部品10として好ましくない。この点、本実施形態では、構成比Zが「0.25」以上となるようにインダクタ配線31,32が構成される。これにより、インダクタ配線31,32の配線抵抗が大きくなり過ぎることを抑制できる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・シード層35は、銅以外の他の金属を材料として構成された層であってもよい。他の金属としては、チタン、銀、クロム及びニッケルなどを挙げることができる。
・インダクタ部品10を、上記実施形態で説明した製造方法とは異なる方法で製造する場合、シード層35は必須ではない。
・インダクタ部品10を、上記実施形態で説明した製造方法のように、1個単位で製造する必要はなく、基板100上に複数のインダクタ部品10となるべき部分を行列状に配置し、ステップS23以降にダイシングなどで個片化してもよい。
・素体20の内部に設けられるインダクタ配線は、上記実施形態で説明した形状とは異なる形状であってもよい。インダクタ配線は、電流が流れた場合に周囲に磁束を発生させることによって、インダクタ部品10にインダクタンスを付与できるものであれば、その構造、形状、材料などに特に限定はない。インダクタ配線は、1ターン以上のスパイラル状、1.0ターン未満の曲線状、蛇行するミアンダ状などの公知の様々な配線形状の配線であってもよい。
・上記実施形態では、素体20の内部に2つのインダクタ配線31,32が設けられている。しかし、素体20の内部に設けるインダクタ配線の数は、「2」以外の数であってもよい。例えば、インダクタ部品10は、3つ以上のインダクタ配線が素体20内に設けられたものであってもよいし、1つのインダクタ配線が素体20内に設けられたものであってもよい。
・第1方向D1及び第2方向D2は、第1主面21に沿う方向であれば、図1に示した方向とは異なる方向であってもよい。
・樹脂層50は、シリカ、硫酸バリウムなどのフィラーを含んでいてもよいし、磁性を有する樹脂層であってもよい。
・素体20は、金属磁性粉に代えて又は加えて、フェライトなどの磁性粉を含んでいてもよい。
・セミアディティブ法を利用しない他の製造方法でインダクタ部品10を製造してもよい。例えば、インダクタ部品10は、シート積層工法、印刷積層工法などを用いて形成してもよいし、インダクタ配線31,32は、スパッタリング、蒸着などの薄膜法、印刷・塗布などの厚膜法、フルアディティブ、サブトラクティブなどのめっき工法で形成してもよい。この場合であっても、製造の過程、又は製造後において、インダクタ配線31,32の第2方向D2の両側に位置する部材から変位力を、インダクタ配線31,32が受けることがある。このとき、上記構成比Zを「0.9」以下とすることにより、密着力を大きくしつつ、変位力が大きくなることを抑制できる。そのため、インダクタ部品10では、製造方法によらず、素体20の内部においてインダクタ配線31,32の位置と設計位置との間に乖離が発生することを抑制できる。
10…インダクタ部品、20…素体、31,32…インダクタ配線、33A…接触面、33MAX…最大部位、35…シード層、36…導電層、50…樹脂層、100…基板、135…シード膜、150…樹脂層、150A…ベース樹脂層、150B…パターン用樹脂層、160…保護膜、PT…配線パターン。

Claims (14)

  1. 磁性を有する素体と、
    前記素体の内部に設けられている樹脂層と、
    前記素体の内部に設けられ、前記樹脂層に接触する接触面を有するインダクタ配線と、を備え、
    前記インダクタ配線の延びる方向に直交する前記インダクタ配線の横断面において、前記接触面と垂直な高さ方向の寸法のうち、最大となる寸法を最大寸法とした場合、
    前記横断面における前記接触面の寸法に対する前記最大寸法の比である構成比は「0.9」以下である
    インダクタ部品。
  2. 前記構成比は「0.75」以下である
    請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記構成比は「0.25」以上である
    請求項1又は請求項2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記樹脂層は、非磁性である
    請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  5. 前記樹脂層は、フッ素を含む
    請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  6. 前記樹脂層は、トリフルオロメチル基を含む
    請求項5に記載のインダクタ部品。
  7. 前記樹脂層において、前記インダクタ配線に近い部分のフッ素の含有率は、前記インダクタ配線から離れている部分のフッ素の含有率よりも高い
    請求項5又は請求項6に記載のインダクタ部品。
  8. 前記樹脂層は、シリコンを含む
    請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  9. 前記樹脂層は、シルセスキオキサンを含む
    請求項8に記載のインダクタ部品。
  10. 前記樹脂層の前記高さ方向の寸法は、「5μm」以上であって且つ「30μm」以下である
    請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  11. 前記素体の前記高さ方向の寸法は、「500μm」以下である
    請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  12. 前記インダクタ配線は、
    前記樹脂層に接触するシード層と、
    前記シード層を挟んで前記樹脂層の反対に配置され、導電性を有する導電層と、を有する
    請求項1〜請求項11のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  13. 前記インダクタ配線は、「0.01atomic%」以上「1atomic%」以下の硫黄を含む
    請求項1〜請求項12のうち何れか一項に記載のインダクタ部品。
  14. 磁性を有する素体の内部にインダクタ配線が設けられるインダクタ部品の製造方法であって、
    基板上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層上にシード膜を形成するシード膜形成工程と、
    保護膜を前記シード膜上にパターニングすることにより、前記インダクタ部品における前記インダクタ配線の形状が開口された配線パターンを形成するパターン形成工程と、
    前記シード膜のうち、前記保護膜に覆われていない部分をシード層とした場合、前記配線パターンに導電性材料を供給することによって導電層を形成することにより、当該導電層と前記シード層とによって前記インダクタ配線を形成する導電層形成工程と、
    前記保護膜を除去する保護膜除去工程と、
    前記基板及び前記樹脂層のうちの少なくとも前記基板を除去し、内部に前記インダクタ配線が設けられた前記素体を形成する素体形成工程と、を備え、
    前記インダクタ配線の延びる方向に直交する前記インダクタ配線の横断面において、当該インダクタ配線の前記樹脂層との接触面と垂直な高さ方向の寸法のうち、最大となる寸法を最大寸法とした場合、
    前記導電層形成工程では、前記横断面における前記接触面の寸法に対する前記最大寸法の比である構成比を「0.9」以下とする
    インダクタ部品の製造方法。
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