JP2021061089A - 蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法および蓄電デバイス用炭素質材料 - Google Patents

蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法および蓄電デバイス用炭素質材料 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な方法により、導電性が高く、蓄電デバイスの活物質としても利用できる蓄電デバイス用炭素質材料を提供する。【解決手段】蓄電デバイス用炭素質材料は、(1)非芳香族性の化合物を主成分とする液状の有機材料中でマイクロ波プラズマを発生させて炭化物を得る工程と、(2)前記炭化物を分離する工程と、(3)前記工程(2)で分離された前記炭化物を不活性ガス雰囲気下で加熱して炭素質材料を得る工程と、を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電デバイス用炭素質材料およびその製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコン、パッド型情報端末機器などの携帯端末の普及が著しい。これらの携帯端末の電源には、各種蓄電デバイス(例えば、リチウムイオン二次電池などの二次電池;リチウムイオンキャパシタなどの各種キャパシタ)が利用されている。
蓄電デバイスの電極には、炭素質材料が、導電剤(導電助剤も含む)または活物質などとして利用されている。例えば、一般的な炭素質材料であるカーボンブラックは、導電剤の他、キャパシタ用の電極活物質などとして利用されている。
カーボンブラックは、一般に、炭化水素系のオイルを炭化することにより得られる。より具体的には、オイルに含まれる炭化水素を、高温の燃焼ガス流中で、不完全燃焼させ、熱分解反応を進行させることにより、炭化水素がカーボンブラックに転化される。製造には、耐火煉瓦で内張りした円筒状の燃焼域、反応域、および反応停止域を同軸的に連設した反応炉が用いられる。まず、反応炉の燃焼域で燃料を燃焼させて高温の燃焼ガスを生成させ、反応域に供給する。そして、反応域にオイルを導入して、燃焼ガス流中で、炭化水素をカーボンブラックに転化させる。反応域から供給されるカーボンブラックを含むガス流を、反応停止域において急冷して反応を終結させ、得られるカーボンブラックを捕集する。
このように、カーボンブラックは、炭化水素の不完全燃焼生成物であるため、多量の残留水素を含む。残留水素は、抵抗成分となるため、カーボンブラックの単粒子としての導電性は低くなる傾向にある。また、製造過程において、金属塩類を含む冷却水や製造設備上の金属腐食片と接触することになる。これにより、カーボンブラックには、不純物としての金属成分が含まれることになるため、このような観点からも、導電性に劣るものとなる。
金属成分の混入を避ける観点からは、プラズマを利用して炭化を行う方法が知られている。例えば、特許文献1では、炭素原子を含む溶液中、金属で形成された電極間で放電を行うことによりカーボンナノ粒子を製造する方法が提案されている。放電には、アーク放電が利用されている。
金属電極を用いない方法も提案されている。例えば、特許文献2では、一対の炭素電極間に、溶媒中で火花放電または瞬間的なアーク放電によるパルスプラズマを発生させることにより、グラフェンを形成する方法が提案されている。特許文献3では、液体中で炭素電極間にパルスプラズマ放電させることによりオニオンライクカーボンを製造する方法が提案されている。
なお、特許文献4には、水素および炭素を含む化合物を含む液体に、気泡を発生させるとともに、電磁波(マイクロ波など)を照射して、液中でプラズマを発生させ、化合物を分解して水素を発生させるとともに、炭素化合物を合成する水素発生方法が提案されている。
特開2009−215147号公報 特開2017−222538号公報 国際公開第2010/104200号パンフレット 国際公開第2004/094306号パンフレット
特許文献1の方法では、金属電極間におけるアーク放電が利用される。アーク放電に伴う高熱により金属電極が消耗するため、得られる炭素質材料への金属不純物の混入を回避することは難しい。
特許文献2および特許文献3の方法では、局所的に高品質の炭化物が形成されるものの、得られる炭素質材料全体では、炭化物の品質(結晶構造、物性など)にムラが多くなる。また、炭素質材料中に残存する水素も多いため、炭素質材料の導電性を高めることが難しい。さらに、放電の熱量が大きいことで炭素質材料の収率が低くなる。加えて、電極の消耗が激しく、連続生産性に劣る。
特許文献4の方法は、水素の回収を主目的とするものであり、副生物である炭素化合物には残留水素が多く含まれることになるため、高い導電性を有する炭素化合物を得ることは難しい。そのため、水素の副生物として回収されるこのような炭素化合物は、燃焼させて熱エネルギーを得るための燃料として利用されているに過ぎなかった。
上記に鑑み、本発明の一側面は、(1)非芳香族性の化合物を主成分とする液状の有機材料中でマイクロ波プラズマを発生させて炭化物を得る工程と、
(2)前記炭化物を分離する工程と、
(3)前記工程(2)で分離された前記炭化物を不活性ガス雰囲気下で加熱して炭素質材料を得る工程と、を備える、蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法に関する。
本発明の他の側面は、粉末X線回折において得られる(002)面における結晶子サイズ(L002)が2nm以上50nm以下の範囲にあり、
BET比表面積が30m/g以上500m/g以下の範囲にある、蓄電デバイス用炭素質材料に関する。
本発明の上記側面によれば、簡便な方法により、導電性が高く、蓄電デバイスの活物質としても利用できる炭素質材料を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更を加えることができる。
本発明の一側面に係る蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法は、
(1)非芳香族性の化合物を主成分とする液状の有機材料中でマイクロ波プラズマを発生させて炭化物を得る工程と、
(2)炭化物を分離する工程と、
(3)工程(2)で分離された炭化物を不活性ガス雰囲気下で加熱して炭素質材料を得る工程と、を備える。
本発明の他の側面に係る蓄電デバイス用炭素質材料は、粉末X線回折において得られる(002)面における結晶子サイズ(L002)が2nm以上50nm以下の範囲にあり、BET比表面積が30m/g以上500m/g以下の範囲にある。
工程(1)では、特許文献4と同様に、有機材料が分解されて多量の水素が生成するとともに、炭化物が得られる。そのため、炭化物には、多くの水素が残留する。このような炭化物は、水素の副生物に過ぎず、導電性も低く、品質にもばらつきがあるため、蓄電デバイス用炭素質材料として利用することは困難であった。そのため、このような炭化物は、従来、燃焼させて熱エネルギーを得るための燃料として利用されるに過ぎなかった。
本発明の上記側面によれば、非芳香族性の化合物を主成分とする有機材料を用いて、マイクロ波プラズマにより炭化を行うとともに、工程(3)を行う。これにより、水素の副生物に過ぎなかった低品質の炭化物から、簡便な方法により水素を十分に除去することができる。また、マイクロ波プラズマを利用して炭化を行うとともに、金属電極などを用いる必要もないため、炭化物の金属成分との接触が低減される。その結果、炭素質材料への金属不純物の混入が抑制される。これらの観点から、残存水素量が少なく、金属不純物の混入が抑制された高品質の炭素質材料が得られる。炭素質材料では、残存水素量を少なく調整することで、BET比表面積が小さくなるとともに、L002を特定の範囲に制御することができる。残存水素量および金属不純物が少ないことは、炭素質材料が、微細結晶構造を有し、結晶性が高く、導電性が向上していることを示唆する。また、炭素質材料は、蓄電デバイスのキャリアイオン(例えば、アルカリ金属イオン(リチウムイオンなど))を可逆的に吸蔵および放出することもできる。つまり、炭素質材料は、蓄電デバイスの電極活物質としての機能も有している。従って、炭素質材料は、蓄電デバイス(特に電極材料など)に利用するのに適している。
なお、本発明には、上記側面に係る製造方法により得られる炭素質材料も包含される。
また、本発明には、上記の炭素質材料を含む蓄電デバイス用電極、およびこの電極を含む蓄電デバイスも包含される。
以下、本発明の実施形態に係る炭素質材料の製造方法および炭素質材料についてより詳細に説明する。
[炭素質材料の製造方法]
(工程(1))
工程(1)では、マイクロ波プラズマを用いて有機材料から炭化物を生成させる。
(有機材料)
有機材料としては、非芳香族性の化合物を主成分とするものが使用される。このような有機材料は、水素の含有量が比較的多いが、工程(1)〜(3)により、残留水素量を効果的に低減することができる。また、金属成分の混入も抑制される。その結果、高い導電性を確保することができる。
非芳香族性の化合物を主成分とする有機材料とは、有機材料全体に占める非芳香族性の化合物の割合が50質量%以上(更には90質量%以上)の有機材料を意味する。
非芳香族性の化合物は、芳香環を有さない化合物である。非芳香族性の化合物としては、鎖状の化合物、および非芳香族性の環状化合物からなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。非芳香族性の化合物は、飽和化合物であってもよく、不飽和化合物であってもよい。非芳香族性の環状化合物は、非芳香族性の環を有している。なお、非芳香族性の環とは、ヒュッケル則を満たさない環を意味する。
非芳香族性の化合物は、炭化水素であってもよく、ヘテロ原子を含むものであってもよい。また、非芳香族性の化合物は、置換基を有するものであってもよい。ヘテロ原子は、鎖状の骨格や非芳香族性の環に含まれていてもよく、置換基に含まれていてもよい。置換基は、炭化水素基であってもよく、ヘテロ原子含有基であってもよく、これらの双方であってもよい。
非芳香族性の化合物の炭素数は、例えば、4以上であり、5以上であってもよく、6以上または10以上であってもよい。化合物の構造に応じて、工程(1)において揮発しないような範囲で化合物の炭素数を選択すればよい。化合物の炭素数の上限は、化合物をマイクロ波プラズマと接触させるときに、有機材料を液状とすることができる範囲で選択できる。例えば、炭素数は、50以下である。
ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、イオウ原子、ケイ素原子、およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。なお、ハロゲン原子は、置換基として非芳香族性の化合物に含まれる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。
非芳香族性の化合物1分子中に含まれるヘテロ原子の数は、特に制限されず、例えば、1〜10個であり、1〜6個であってもよく、1〜4個であってもよく、1、2または3個であってもよい。
非芳香族性の化合物のうち、鎖状化合物としては、炭化水素およびヘテロ原子を含む鎖状化合物が挙げられる。
鎖状の炭化水素としては、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、パラフィンなどが挙げられる。不飽和脂肪族炭化水素としては、鎖状オレフィン(ヘキセン、オクテン、デセンなど)、ジエンなどが挙げられる。
ヘテロ原子を含む鎖状化合物としては、例えば、置換基としてヘテロ原子含有基を有する鎖状の炭化水素が挙げられる。鎖状の炭化水素としては、例えば、上記の飽和または不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。置換基としてのヘテロ原子含有基としては、例えば、ハロゲン原子(前記例示のハロゲン原子)、酸素含有基(ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、オキソ基(=O)など)、窒素含有基(アミノ基、置換アミノ基(アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基など)、ニトロ基、シアノ基など)、イオウ含有基(メルカプト基など)、およびケイ素含有基(ヒドロシリル基、アルコキシシリル基など)からなる群より選択される少なくとも1つが挙げられる。置換基が炭素原子を含む場合、1つの置換基に含まれる炭素数は、例えば、1〜10個であり、1〜6個であってもよく、1〜4個であってもよく、1、2または3個であってもよい。
ヘテロ原子を含む鎖状化合物には、主鎖にヘテロ原子を含む化合物も包含される。このような化合物としては、例えば、ポリアルキレンイミン(トリエチレンテトラミンなどのポリ(C2−4アルキレンイミン)など)、ポリアルキレンスルフィド(ポリ(C2−4アルキレン)スルフィドなど)、ポリアルキレンオキサイド(ポリ(C2−4アルキレン)オキサイドなど)などが挙げられる。このような化合物は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、鎖状の炭化水素の置換基として記載した上記のヘテロ原子含有基が挙げられる。
非芳香族性の化合物のうち、非芳香族性の環状化合物としては、例えば、非芳香族性の環状炭化水素およびヘテロ原子を含む非芳香族性の環状化合物が挙げられる。
非芳香族性の環状炭化水素としては、飽和または不飽和の脂環族炭化水素が挙げられる。脂環族炭化水素は、架橋環であってもよい。非芳香族性の環状炭化水素の炭素数は、例えば、5〜20であり、6〜20であってもよい。
脂環族炭化水素は、脂肪族炭化水素基および脂環族炭化水素基からなる群より選択される少なくとも1つを置換基として有していてもよい。置換基としての炭化水素基は、飽和および不飽和のいずれであってもよい。
脂肪族炭化水素基としては、アルキル基(C1−6アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基など)など)、アルケニル基(C2−6アルケニル基(ビニル基、アリル基など)など)、アルキニル基(C2−6アルキニル基など)、ジエニル基(C3−6ジエニル基など)などが挙げられる。脂環族炭化水素基としては、シクロアルキル基(C4−8シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)など)、シクロアルケニル基(C4−8シクロアルケニル基(シクロヘキセニル基など)など)などが挙げられる。
非芳香族性の環状炭化水素の具体例としては、シクロアルカン(シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、1,4−ジメチルシクロオクタン、1,5−ジメチルシクロオクタンなど)、シクロアルケン(シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなど)、シクロアルカジエン(シクロオクタジエンなど)、架橋環式炭化水素(ノルボルナン、ノルボルネン、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、ジシクロペンタジエンなど)などが挙げられる。これらの化合物以外にも、芳香族炭化水素の水素添加物を用いてもよい。
ヘテロ原子を含む非芳香族性の環状化合物としては、例えば、置換基としてヘテロ原子含有基を有する非芳香族性の環状炭化水素が挙げられる。非芳香族性の環状炭化水素としては、例えば、上記の飽和または不飽和の脂環族炭化水素が挙げられる。置換基としてのヘテロ原子含有基としては、鎖状の炭化水素の置換基として記載した上記のヘテロ原子含有基の他、ハロゲン含有基(ハロゲン化炭化水素基など)、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基なども挙げられる。環状炭化水素は、これらの置換基から選択される少なくとも1つを有している。置換基が炭素原子を含む場合、1つの置換基に含まれる炭素数は、鎖状の炭化水素の置換基について記載した範囲から選択できる。
置換基としてのハロゲン化炭化水素基としては、ハロゲン原子(前記例示のハロゲン原子から選択される少なくとも1つ)を有する炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、前記例示の炭化水素基(脂肪族炭化水素基、および脂環族炭化水素基)が挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素基(ハロゲン化アルキル基など)が好ましい。
非芳香族性の化合物は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
非芳香族性の化合物としては、飽和または不飽和の鎖状化合物、飽和または不飽和の非芳香族性の環状化合物が好ましい。中でも、飽和炭化水素が好ましい。このような化合物には、比較的多くの水素が含まれるにも拘わらず、工程(1)〜(3)により水素を十分に除去することができ、高い導電性を有する高品質の炭素質材料を得ることができる。
非芳香族性の化合物全体に占める飽和炭化水素の割合は、例えば、50質量%以上であり、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%としてもよい。このように飽和炭化水素の割合が多い場合でも、反応起点は多く、生成する炭素質材料の結晶を小さく調整でき、アモルファスになり易いため、高容量化に有利である。非芳香族性の化合物全体に占める飽和炭化水素の割合は、100質量%以下であってもよい。
また、飽和炭化水素として炭素数が6以上(好ましくは8以上または10以上)のものを用いる場合、このような飽和炭化水素が非芳香族性の化合物全体に占める割合は、例えば、50質量%以上であり、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%としてもよい。この場合、さらに反応起点が多くなり、より結晶成長が抑制され、アモルファスになり易いため、さらなる高容量化が可能になる。非芳香族性の化合物全体に占める飽和炭化水素の割合は、100質量%以下であってもよい。
上記の飽和炭化水素の炭素数は、例えば、6以上50以下、6以上40以下、6以上30以下、8以上50以下、8以上40以下、8以上30以下、10以上50以下、10以上40以下、あるいは10以上30以下であってもよい。
非芳香族性の化合物としては、炭素数が6以上(好ましくは8以上または10以上)の鎖状化合物(例えば、デカン、ドデカン、ウンデカンなど)も好ましい。このような鎖状化合物の炭素数は、例えば、6以上50以下、6以上40以下、6以上30以下、8以上50以下、8以上40以下、8以上30以下、10以上50以下、10以上40以下、あるいは10以上30以下であってもよい。このような化合物を用いる場合、炭素質材料がさらにアモルファスになり易いため、さらなる高容量化が可能になる。
非芳香族性の化合物としては、流動パラフィンも好ましい。流動パラフィンは、炭化水素の混合物であり、ナフテン系炭化水素(シクロアルカンなど)を多く含む。流動パラフィンには、鎖状の脂肪族炭化水素も含まれる。流動パラフィンには複数の化合物が含まれるため、得られる炭素質材料はさらにアモルファス構造を取り易くなる。よって、容量をさらに高めることができる。
非芳香族性の化合物としては、ヘテロ原子(例えば、ハロゲン原子以外のヘテロ原子(特に、少なくとも窒素原子))を含有する化合物も好ましい。このような化合物を用いると、炭素質材料中に構造歪みが形成され易い。蓄電デバイスのキャリアイオンを吸蔵し易くなるため、電極活物質として利用し易い。また、高容量化が期待される。
炭素質材料中に構造歪みが形成される効果がより得られ易い観点からは、非芳香族性の化合物全体に占めるハロゲン以外のヘテロ原子(特に、少なくとも窒素原子)を含有する非芳香族性の化合物の割合は、例えば、10質量%以上であり、30質量%以上であってもよい。非芳香族性の化合物全体に占めるハロゲン原子以外のヘテロ原子(特に、少なくとも窒素原子)を含有する非芳香族性の化合物の割合は、例えば、100質量%以下であり、80質量%以下であってもよい。炭素質材料の結晶構造の制御が容易になる観点からは、非芳香族性の化合物全体に占めるハロゲン原子以外のヘテロ原子(特に、少なくとも窒素原子)を含有する非芳香族性の化合物の割合は、50質量%以下とすることが好ましい。
非芳香族性の化合物全体に占めるハロゲン原子以外のヘテロ原子を含有する非芳香族性の化合物の割合は、10質量%(または30質量%)以上100質量%以下、10質量%(または30質量%)以上80質量%以下、あるいは10質量%(または30質量%)以上50質量%以下であってもよい。
有機材料は、非芳香族性の化合物を主成分として含んでいればよく、さらに芳香族性の有機化合物を含んでもよい。有機材料に占める非芳香族性の化合物の割合は、50質量%以上であればよい。より高い容量が得られ易い観点からは、有機材料全体に占める非芳香族性の化合物の割合は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。また、非芳香族性の化合物のみで構成される有機材料を用いてもよい。有機材料全体に占める非芳香族性の化合物の割合は、例えば、100質量%以下である。
有機材料としては、液状のものが用いられる。有機材料は、少なくともマイクロ波プラズマと接触させる際に液状であればよい(つまり、流動性を有していればよい)。有機材料は、加熱により液状にしてもよい。液状の有機材料中でマイクロ波プラズマを発生させ、すなわち、マイクロ波プラズマを有機材料と接触させることで、有機材料が局所的に高温に晒されることが抑制され、有機材料全体がマイクロ波プラズマにより均一に晒されることになる。また、液状の有機材料が存在することで、マイクロ波プラズマは、反応が進行するのに十分な時間維持される。液状以外の有機材料を用いる場合、マイクロ波プラズマ下で反応活性を高める場合でも、有機材料から完全に脱水素を進行させるには時間が短すぎ、生成物中に多くの水素が残留する。しかし、液状の有機材料を用いる場合、工程(1)〜(3)を経ることにより、残留水素量を低減できるとともに、より均一な結晶構造を有する炭素質材料が得られる。
なお、液状の有機材料は、マイクロ波プラズマと接触させる際に、3mPa・s以下の粘度であってもよい。また、液状の有機材料は、25℃で、1mPa・s以下の粘度であってもよい。
(マイクロ波プラズマ)
マイクロ波プラズマは、高温および高エネルギーであり、物質の分解および合成などに効果的に利用可能である。マイクロ波プラズマを発生させる手法としては、公知の技術を参照すればよく、例えば、J.Plasma Fusion Res Vol89 No.4(2013)199-216を参照することができる。
液状の有機材料を用いるため、プラズマは、有機材料中で発生させる(つまり、液中プラズマ技術を用いる)ことが好ましい。液中プラズマ技術を用いることで、プラズマ発生中にプラズマに取り込まれた有機物は分解するが、プラズマ外の有機物により閉ざされた反応場が形成されるため、プラズマ中では均一な結晶構造が構成されやすい。液中で発生したプラズマは、液中に存在することで、巨視的には低温であり、安全で取り扱い易い。また、物質密度が高い液体中のプラズマであるために、反応速度は極めて高い。また、マイクロ波を連続的に供給すれば、プラズマを継続的に生成させる(または維持する)ことができる。
マイクロ波プラズマの生成には、例えば、液体中でマイクロ波プラズマを発生させることができる公知のプラズマ発生装置を用いることができる。プラズマ発生装置は、例えば、液状の有機材料を収容可能な容器と、マイクロ波照射ユニットと、マイクロ波照射ユニットから供給されるマイクロ波を受信(または捕捉)して液中にプラズマを発生させるためのアンテナとを備えている。プラズマ発生装置は、通常、容器を収容する外装体を備えている。マイクロ波照射ユニットは、外装体に備え付けられていてもよい。マイクロ波照射ユニット(および外装体)としては、電子レンジまたは電子レンジと類似の原理を有する装置を用いてもよい。このような装置は、安価で入手が容易であり、高出力のマイクロ波を照射することが可能である。
アンテナは、少なくともプラズマを発生させる先端部分(好ましくはアンテナ全体)が液中に浸漬された状態で配置される。このようなアンテナを用いることで、特許文献1〜3の電極を液中に浸漬する場合に比べて不純物の混入を抑制でき、炭素質材料の導電性の低下をさらに抑制することができる。アンテナとしては、マイクロ波照射ユニットからのマイクロ波を受信できるものであれば特に制限なく用いることができる。アンテナをマイクロ波の波長の1/2の長さの導体とすると、アンテナに定常波が発生する。そのため、アンテナの長さは、マイクロ波の周波数に応じて決定される。例えば、電子レンジのマイクロ波の周波数2.45GHzを用いる場合、アンテナの長さを5cm程度とすればよい。マイクロ波をアンテナで受信すると、アンテナの先端部において電場が強くなり、この先端部においてプラズマが発生する。
マイクロ波照射ユニットは、通常、マイクロ波を発信するための回路を備えている。このような回路としては、マグネトロン、クライストロン、進行波管、ジャイロトロン、ガンダイオードなどを用いた回路などが挙げられる。マイクロ波プラズマは、電磁波を発生させる際の電源の周波数を1GHz以上(好ましくは2GHz以上(例えば、2.45GHz))とすることにより生成させることができる。
容器は、耐熱性を有する材料のものが好ましい。また、アンテナが容器を通してマイクロ波を受信する構造の場合には、容器には、マイクロ波に対する透過率が高い材料のものが好ましい。例えば、耐熱ガラス製の容器が適している。容器は、液状の有機材料をマイクロ波プラズマと接触させる間、有機材料を保持した状態にできればよく、形状などは特に制限されない。マイクロ波プラズマと有機材料との接触は、バッチ式、半バッチ式、連続式のいずれで行ってもよい。そのため、容器には、液状の有機材料を所定の流速で通過させる管状の容器(例えば、配管など)なども包含される。
工程(1)では、液状の有機材料にマイクロ波プラズマを接触させて、有機材料を炭化物に変換させる。より具体的には、液状の有機材料を容器にアンテナの少なくとも先端部を有機材料に浸漬した状態で、マイクロ波を照射することにより、アンテナに受信(または捕捉)させて、液中でマイクロ波プラズマを生成させる。マイクロ波は、マイクロ波照射ユニットから照射される。液中でマイクロ波プラズマを生成させることにより、マイクロ波プラズマと有機材料とを接触させることができる。マイクロ波プラズマのエネルギーにより有機材料が炭化され、炭化物が得られる。
有機材料とマイクロ波プラズマとを接触させるときの有機材料の温度は、有機材料が全体として液体の状態を維持できる温度であればよい。有機材料の温度は、例えば、0℃以上200℃以下の範囲である。有機材料の蒸気圧、安全性(引火点など)などを考慮して、有機材料の温度は、0℃以上100℃以下の範囲が好ましく、0℃以上60℃以下の範囲がより好ましい。なお、上記の有機材料の温度は、外部より非接触温度計を用いて、有機材料中の任意の10箇所で測定した有機材料の温度を平均化することにより求められる平均温度である。
マイクロ波を照射する時間としては、特に限定されるものではない。照射時間は、例えば、マイクロ波の周波数および出力、有機材料の量(連続式の場合には有機材料の流速など)などを考慮して決定される。例えば、バッチ式の場合、照射時間は、例えば、0.1秒以上600秒以下の範囲であり、1秒以上300秒以下の範囲であってもよい。
なお、マイクロ波の照射は、連続的に行ってもよく、断続的に行ってもよい。
工程(1)は、大気中で行ってもよく、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、窒素およびアルゴンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。中でも、入手容易性、経済性、プラズマ下での反応性の観点から、窒素またはアルゴンの使用が好ましく、少なくとも窒素を含む不活性ガスを用いることが好ましい。安全性を考慮して、不活性ガス雰囲気下で工程(1)(特に、マイクロ波の照射)を行うことが好ましい。有機材料が発火し易いものを含む場合には、例えば、有機材料の上部空間(容器内における有機材料の上部空間など)に不活性ガスを供給しながら、工程(1)を行ってもよい。
工程(1)は、加圧下で行ってもよいが、安全性を確保し易い観点からは、大気圧下で行うことが好ましい。
(工程(2))
工程(2)では、工程(1)で得られた炭化物を、炭化が進行せずに液状で残存している有機材料から分離する。分離には、特に制限されず、公知の分離方法(例えば、沈降、遠心分離、および/または濾過など)が採用できる。また、必要に応じて、炭化物を液状の有機材料(例えば、フレッシュな有機材料)でリンスし、再度、炭化物を分離してもよい。
工程(3)に供される炭化物に液状の有機材料が多く含まれていると、工程(3)の実施中に、炭素質材料が膠着したり、有機材料の熱分解により生成した水素、二酸化炭素などのガスで結晶破壊や多孔化が進行したりし易くなる。工程(2)を行うことで、炭素質材料に含まれる不純物を低減でき、高い導電性を確保し易くなる。このような観点から、工程(2)では、分離される炭化物中に残存する有機材料の量を少なくすることが好ましい。また、工程(3)で有機材料を揮発等により除去し易くなる観点からも、炭化物中に残存する有機材料の量を少なくすることが好ましい。
工程(2)で分離された炭化物は、工程(3)に先立って、必要に応じて、粉砕してもよく、分級してもよい。工程(3)に先立って粉砕処理を行うことで、比表面積を大きくすることができるため、工程(3)で酸化性ガスが発生しても、炭素質材料の構造変化による影響を低減できる。また、分級処理を行うことで、炭化物の平均粒子径を制御することができ、工程(3)の加熱処理をより均一に行うことができる。
粉砕後の炭化物の粒度は特に限定されるものではなく、最終的に得られる炭素質材料の用途や使用形態などに合わせて決定すればよい。例えば、炭素質材料の平均粒子径が後述の範囲となるように炭化物が粉砕される。
炭化物の粉砕は、特に制限されず、公知の粉砕機を用いて行うことができる。粉砕機としては、例えば、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、およびロッドミルからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
分級としては、特に制限されず、例えば、篩による分級、湿式分級、および乾式分級を挙げることができる。湿式分級機としては、例えば、重力分級、慣性分級、水力分級、または遠心分級などの原理を利用した分級機を挙げることができる。また、乾式分級機としては、例えば、沈降分級、機械的分級、または遠心分級の原理を利用した分級機を挙げることができる。
粉砕および分級は、それぞれ、独立した粉砕機と分級機とを用いて行うことができる。この場合、粉砕しながら分級を行っても、粉砕後、連続して分級を行ってもよいし、一旦粉砕後、分級を行うこともできる。粉砕および分級は、両方の機能を備える粉砕機を用いて行うこともできる。例えば、乾式の分級機能を備えたジェットミルを用いて、粉砕と分級を行うことができる。
(工程(3))
工程(3)では、工程(2)で分離された炭化物から炭素質材料を得る。より具体的には、炭化物を、不活性ガス雰囲気下で加熱することにより炭素質材料が得られる。工程(3)を行うことで、抵抗成分と成り得る不純物元素(酸素、水素など)を低減させ、炭素質材料の導電性を高めることができる。工程(3)には、工程(2)で分離された炭化物をそのまま供してもよく、分離された炭化物を粉砕処理および/または分級処理したものを供してもよい。
工程(3)で加熱する炭化物としては、必要に応じて、組成が異なる二種類以上の炭化物を混合して用いてもよい。例えば、工程(1)および/または工程(2)において異なる条件下で得られた二種類以上の炭化物を組み合わせてもよく、粉砕および/または分級の条件が異なる二種類以上の炭化物を組み合わせてもよい。
また、工程(3)で加熱する炭化物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの炭化水素を、添加剤として混合してもよい。これらの添加により脱水素を促進したり、表面の酸素を還元的に除去したりすることができる。
工程(3)における加熱温度は、例えば、550℃以上であり、600℃以上または800℃以上であってもよく、900℃以上または1000℃以上が好ましく、1100℃以上または1150℃以上がより好ましい。加熱温度がこのような範囲である場合、炭素質材料に残存する官能基の量を低減し易く、炭素質材料における水素含有量の比率(=水素含有量/炭素含有量)の値が高くなることが抑制される。よって、高い導電性を確保し易くなるとともに、結晶構造が成長し易くなる。また、蓄電デバイスの電極材料として用いた場合に、不可逆容量が増加することが抑制される。加熱温度は、例えば、3000℃以下であり、2000℃以下または1500℃以下が好ましく、1200℃以下としてもよい。加熱温度がこのような範囲である場合、結晶が小さく、形成される粒子はアモルファス調となるため、高容量を確保し易くなる。加熱は、一段階で行ってもよく、多段階で行ってもよく、昇温しながら行ってもよい。
工程(3)における加熱温度は、550℃以上3000℃(または2000℃)以下、600℃以上3000℃(または2000℃)以下、800℃3000℃(または2000℃)以下、900℃以上3000℃(または2000℃)以下、1000℃以上3000℃(または2000℃)以下、1100℃以上3000℃(または2000℃)以下、1150℃以上3000℃(または2000℃)以下、550℃以上1500℃(または1200℃)以下、600℃以上1500℃(または1200℃)以下、800℃1500℃(または1200℃)以下、900℃以上1500℃(または1200℃)以下、1000℃以上1500℃(または1200℃)以下、1100℃以上1500℃(または1200℃)以下、あるいは1150℃以上1500℃(または1200℃)以下であってもよい。
加熱は、不活性ガス雰囲気下で行われる。不活性ガスとしては、非酸化性ガスが利用される。非酸化性ガスとしては、例えば、ヘリウム、窒素、およびアルゴンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
加熱は、不活性ガスの流通下で行ってもよい。この場合、不活性ガスの流量は、特に制限されないが、炭化物1g当たり、1mL/分以上としてもよく、5mL/分以上または10mL/分以上としてもよい。不活性ガスの供給量がこのような範囲である場合、不純物を効率よく除去することができるとともに、炭素質材料の比表面積を調節し易い。
加熱時間は、特に制限されるものではないが、上記の範囲の温度に炭化物が晒される時間が、例えば、0.05時間以上10時間以下であり、0.05時間以上3時間以下であってもよく、0.05時間以上1時間以下であってもよい。
加熱は、大気圧下で行ってもよく、加圧下で行ってもよい。また、加熱は、減圧下(例えば、10kPa以下の圧力下)で行うこともできる。
このようにして得られる炭素質材料は、必要に応じて、粉砕してもよく、分級してもよい。ただし、炭素質材料の粉砕により露出する面は活性が高く、蓄電デバイス中で副反応が起こる原因となることがあるため、平均粒子径を調節する場合には、工程(3)に先立って粉砕を行うことが好ましい。
[炭素質材料]
本発明の上記側面に係る炭素質材料は、上述のような製造方法により得ることができる。
炭素質材料のBET比表面積は、30m/g以上であり、40m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがさらに好ましい。BET比表面積が30m/g未満では、電気的接点が少なく、高い導電性を確保することが難しい。また、電極活物質として用いたときのキャリアイオンの吸蔵能も低下する。また、BET比表面積は、500m/g以下であり、400m/g以下であってもよく、300m/g以下または200m/g以下が好ましい。BET比表面積が、500m/gを超えると、分散性が低くなるとともに、電極活物質として用いた場合に不可逆容量が大きくなる。
炭素質材料のBET比表面積は、30m/g(または40m/g)以上500m/g以下、30m/g(または40m/g)以上400m/g以下、30m/g(または40m/g)以上200m/g以下、50m/g以上500m/g以下、50m/g以上400m/g以下、あるいは50m/g以上200m/g以下であってもよい。
炭素質材料のX線回折において得られる(002)面における結晶子サイズ(L002)は、2nm以上であり、3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。L002がこのような範囲である場合、より高い導電性を有する炭素質材料が得られ易くなる。L002は、50nm以下であればよい。炭素質材料がアモルファスになり易く、高容量化に有利である観点からは、L002は、15nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
002は、2nm(または3nm)以上50nm以下、2nm(または3nm)以上15nm以下、2nm(または3nm)以上10nm以下、5nm以上50nm以下、5nm以上15nm以下、あるいは5nm以上10nm以下であってもよい。
炭素質材料のX線回折において得られる(002)の面間隔(d002)は、例えば、0.34nm以上であり、0.341nm以上が好ましい。d002がこのような範囲である場合、アモルファスになり易く、高容量化の観点で有利である。d002は、例えば、0.36nm以下であり、0.359nm以下が好ましく、0.347nm以下であってもよい。d002がこのような範囲である場合、結晶構造を制御し易く、導電性をさらに高めることができる。
002は、0.34nm(または0.341nm)以上0.36nm以下、0.34nm(または0.341nm)以上0.359nm以下、あるいは0.34nm(または0.341nm)以上0.347nm以下であってもよい。
炭素質材料の波長532nmのアルゴンレーザーラマンスペクトルにおいて、第1ピークの強度(IG)に対する1300cm−1以上1400cm−1以下の範囲にあるピーク(第2ピーク)の強度(ID)の強度比:ID/IGは、例えば、0.6以上であり、0.8以上が好ましく、0.87以上または0.89以上であってもよい。ID/IG比がこのような範囲である場合、黒鉛型の層状の結晶構造の成長を抑制しつつ、より高い導電性を確保しやすく、高容量も発現し易くなる。ID/IG比は、例えば、1以下であり、0.95以下であってもよい。ID/IG比がこのような範囲である場合、キャリアイオンの可逆的な吸着(または吸蔵)および脱着サイトとして機能することができる欠陥が炭素質材料中に形成され易い。そのため、電極活物質としての機能が高まり、高容量化の観点で有利である。なお、ID/IG比は、炭素質材料の結晶性に関係するパラメータである。
ID/IG比は、0.6以上1(または0.95)以下、0.8以上1(または0.95)以下、0.87以上1(または0.95)以下、あるいは0.89以上1(または0.95)以下であってもよい。
炭素質材料の平均粒子径は、例えば、200μm以下である。平均粒子径がこのような範囲である場合、粒子内での金属イオンや水素イオンの拡散自由行程が少なく、高いイオン伝導性を確保し易いことに加え、粒子間の接触率が高まることでより高い導電性を確保し易い。粒子の凝集を抑制しながらも、フィルター等を用いて回収しやすい観点からは、炭素質材料の平均粒子径は、0.02μm以上が好ましい。
炭素質材料では、不純物の混入が低減されており、炭素質材料に含まれる金属元素の含有量が低く保たれている。炭素質材料は、より高い導電性を確保しながらも、高品質である。炭素質材料に含まれる金属元素の含有量は、例えば、500ppm以下であり、200ppm以下にまで低減することもできる。そのため、蓄電デバイス用炭素質材料として特に適している。
炭素質材料は、炭素質材料中に含まれる一次粒子の平均径が小さいにも拘わらず、蓄電デバイスの電極材料として用いたときに、感度が高く、高品質であり、電極活物質としての機能を有する。炭素質材料において、一次粒子の平均径は、例えば、1nm以上500nm以下であり、5nm以上300nm以下が好ましい。
《炭素質材料または炭化物の分析》
なお、炭素質材料または炭化物の分析は、下記の手順で行われる。
(1)X線回折
炭素質材料の粉末X線回折は、株式会社リガク製のX線回折装置「MiniFlexII」を用い、Niフィルターにより単色化したCuKα線を線源として、試料ホルダーに充填した炭素質材料の粉末について行われる。より具体的には、粉末X線回折は、例えば、炭素質材料の粉末を充填した試料ホルダーを、X線回折装置の観測台にセットし、走査軸2θ/θとし、サンプリング幅0.01°〜0.02°、およびスキャンスピード20°/minの条件で行われる。得られる回折図形では、重心法(回折線の重心位置を求め、これに対応する2θ値でピーク位置を求める方法)によりピーク位置を求め、標準物質用高純度シリコン粉末の(111)面の回折ピークを用いて補正する。
炭素質材料の(002)面の平均面間隔d002は、Bragg式を変形した下記式から求められる。
002=λ/(2×sinθ)
λ:CuKα線の波長(=0.15418nm)
θ:重心法による求められるピーク位置の2θの1/2の角度
炭素質材料の結晶子サイズL002は、下記のScherrerの式
002=Κλ/(β×cosθ)
β=((半値幅(測定値))×2−(半値幅(参照値))×2)/2
なお、半値幅(測定値)とは、重心法による求められるピーク位置の2θ(25.9〜26.6の範囲のピークトップ)であり、半値幅(参照値)とは、標準物質用高純度シリコン粉末の(111)面の回折ピークの2θ(28.443)である。
(BET比表面積)
炭素質材料のBET法による比表面積(単にBET比表面積と称することがある。)は、窒素ガスを用いるガス吸着法により、BETの式から誘導される近似式を用い、下記式(A1)より求められる比表面積である。
BET比表面積=(vNa/22400)×10−18 (A1)
(ここで、vは、試料表面に単分子層を形成するに必要な吸着量(cm/g)であり、Nはアボガドロ数6.022×1023であり、a(nm)は吸着質分子が試料表面で占める面積(分子占有断面積)である。)
式(A1)におけるvは、BETの式から誘導される下記の近似式(A2)を用いて、液体窒素温度における、窒素吸着による3点法により求められる。
p/[v(p−p)]=(1/vc)+[(c−1)/vc](p/p) (A2)
(ここで、vは実測される吸着量(cm/g)であり、pは飽和蒸気圧であり、pは絶対圧であり、cは吸着熱を反映した定数である。)
吸着量vは、日本BELL社製「BELL Sorb Mini」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における炭素質材料への窒素の吸着量として測定される。粒子径が約5μm〜50μmとなるように粉砕した炭素質材料を試料として用いる。試料を試料管に充填し、試料管を−196℃に冷却した状態で、一旦減圧し、その後所望の相対圧にて試料に窒素(純度99.999%)を吸着させる。各相対圧にて平衡圧に達したときの試料に吸着した窒素量を、吸着量vとする。
(ラマンスペクトル)
炭素質材料のラマンスペクトルの測定は、ラマン分光器(堀場製作所製ラマン分光器「LabRAM ARAMIS(VIS)」)を用いて行われる。より具体的には、次の手順で測定される。
炭素質材料から任意に選択した測定対象の粒子を、ラマン分光器の観測台のステージ上にセットし、対物レンズの倍率を100倍とし、ピントを合わせる。下記の分析条件で、アルゴンイオンレーザー光を粒子に照射しながらラマンスペクトルを測定する。
<分析条件>
ラマン分光器:株式会社堀場製作所製LabRAM ARAMIS(VIS)
測定波長範囲:50cm−1〜4000cm−1
積算回数:100回
露光時間:1秒
レーザー波長:532nm
測定されるラマンスペクトルにおいて、1580cm−1以上1620cm−1以下の範囲にあるピーク(第1ピーク)をGバンドとする。また、1300cm−1以上1400cm−1以下の範囲にあるピーク(第2ピーク)をDバンドとする。各ピークのピークトップの強度(IG:第1ピークのピークトップ強度、ID:第2ピークのピークトップ強度)を計測する。これらのピークトップ強度から、IDのIGに対する比(=ID/IG)が求められる。
(平均粒子径)
炭素質材料の平均粒子径は、それぞれ、レーザー散乱法により求められる体積基準の粒度分布において累積体積が50%となる粒子径(メディアン径(D50))である。より具体的には、平均粒子径は、次の手順で求められる。まず、所定量の炭素質材料を、界面活性剤を0.3質量%含む水溶液に投入し、超音波洗浄器で10分以上処理することにより、水溶液中に分散させる。界面活性剤としては、ナカライテスク(株)製「ToritonX−100」を用いる。得られる分散液について、レーザー散乱方式の粒子径・粒度分布測定器(日機装(株)製「マイクロトラックM T3000」)を用いて、粒度分布を測定する。この粒度分布からD50を求める。
なお、炭化物の平均粒子径についても、炭素質材料に代えて炭化物を用いる以外は上記と同様にして平均粒子径(D50)が求められる。
(一次粒子の平均径)
炭素質材料の一次粒子の平均径は、次の手順で求められる。
まず、炭素質材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、一次粒子の形状が明確な10個の一次粒子を選択する。各一次粒子の輪郭で囲まれる領域の面積と同じ面積を有する円の直径を求め、各一次粒子の粒子径とする。この粒子径を10個の一次粒子について平均化することにより平均径が求められる。
(金属元素量(灰分量)の分析)
金属元素の含有量は、灰分量として測定すればよい。灰分には、問えば酸素原子も含まれ得るため、金属元素量は灰分量よりも少ないと判断できる。
900℃で空焼きし、シリカゲルを入れたデシケータ中で放冷したアルミナるつぼの質量を測定する。120℃に調節した恒温乾燥器で8〜10時間真空乾燥後、乾燥剤としてシリカゲルを入れたデシケータ中で放冷した炭素質材料を容積50mlのアルミナるつぼに20g入れ、るつぼと炭素質材料との合計質量(るつぼ+炭素質材料質量)を0.1mgまで正確に量り取る。炭素質材料を入れたアルミナるつぼを電気炉に入れ、電気炉内に乾燥空気を20L/分で導入した状態で、1時間で200℃まで昇温し、更に2時間かけて700℃に昇温し、700℃にて14時間保持し、炭素質材料を灰化する。灰化終了後、シリカゲルを入れたデシケータ中で放冷し、るつぼと灰分との合計質量(るつぼ+灰分質量)を0.1mgまで正確に量り取り、下記式から灰分を算出する。
灰分(ppm)=10000000×
{(るつぼ+灰分質量)−(るつぼ質量)/(るつぼ+炭素質材料質量)−(るつぼ質量)}
[蓄電デバイス用電極および蓄電デバイス]
炭素質材料は、上記のように高い導電性を有するため、導電剤として利用することができる。また、炭素質材料は、蓄電デバイスのキャリアイオンを可逆的に吸蔵および放出することができるため、蓄電デバイス(キャパシタや二次電池など)の電極活物質として用いることもできる。炭素質材料を電極材料として用いることで、感度が高く、高い充放電効率を確保することができる。炭素質材料は、特に、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオンなどを可逆的に吸蔵および放出することができるため、非水電解質二次電池、リチウムイオンキャパシタなどの負極用の電極材料に適している。
(負極)
負極は、例えば、上記の炭素質材料(以下、第1炭素質材料と称することがある。)と結着剤とを含む負極合剤を含む。第1炭素質材料は、高い導電性を有するため、負極合剤には必ずしも導電助剤を含有させる必要ないが、必要に応じてさらに導電助剤を含有させてもよい。
負極は、通常、負極合剤と負極合剤を担持する負極集電体とを備える。負極は、例えば、負極合剤の構成成分を、分散媒とともに混合することにより、ペーストを調製し、ペーストを集電体に担持させ、加圧成形することにより形成できる。適当な段階で乾燥処理を行うことにより分散媒が除去される。分散媒は、結着剤の種類に応じて選択でき、例えば、有機分散媒および/または水が使用される。有機分散媒としては、アルコール、エステル、ケトン、アミド、ニトリル、および/または炭化水素などが挙げられる。
負極集電体としては、金属箔を用いてもよく、金属多孔体を用いてもよい。このような負極集電体に、上記のペーストを塗布または充填することにより、負極合剤が担持される。集電体を構成する金属としては、充放電で負極が晒される電位で安定なものが選択される。集電体を構成する金属としては、銅または銅合金などが挙げられる。
結着剤としては、電解液と反応しないものであれば特に制限されない。結着剤としては、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ゴム状重合体(スチレン−ブタジエンゴム(SBR)など)、セルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩など)が挙げられる。CMCの塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩など)、アンモニウム塩などが挙げられる。結着剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、SBRなどのゴム状重合体と、CMCまたはその塩などとを組み合わせてもよい。
負極合剤(固形分)中の結着剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上15質量%以下であり、0.5質量%以上13質量%以下であってもよく、1質量%以上10質量%以下であってもよい。結着剤の含有量は、炭素質材料の比表面積、電極の抵抗、結着効果などを考慮して決定される。
導電助剤としては、例えば、第1炭素質材料以外の導電性の炭素質材料(以下、第2炭素質材料と称することがある。)が挙げられる。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、気相成長炭素繊維(VGCF)などが挙げられる。導電助剤は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極合剤(固形分)中の導電助剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上10質量%以下であり、0.5質量%以上7質量%以下であってもよく、0.5質量%以上5質量%以下であってもよい。導電助剤の含有量は、例えば、第1炭素質材料の導電性、導電助剤の種類、負極合剤中における導電助剤の分散性などを考慮して決定すればよい。
負極集電体の表面に形成される負極合剤層の厚みは、例えば、10μm以上80μm以下であり、20μm以上75μm以下であってもよく、20μm以上60μm以下であってもよい。金属箔などのシート状の集電体の表面に負極合剤層を形成する場合、負極合剤層は、集電体の一方の表面(主面)に形成してもよく、双方の表面(主面)に形成してもよい。集電体の双方の表面に負極合剤層を形成する場合、各表面に形成される負極合剤層の厚みが上記の範囲であればよい。
(蓄電デバイス)
蓄電デバイスは、上述の負極に加え、正極と、電解質(非水電解質など)とを備えることができる。負極および正極の間には、セパレータを介在させてもよい。負極以外については、公知の構成が採用できる。以下に、非水電解質二次電池を例に挙げて、蓄電デバイスの構成を説明する。
正極は、例えば、キャリアイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な材料(活物質)と、結着剤と、導電剤とを含む正極合剤を含む。正極は、通常、正極合剤と正極合剤を担持する正極集電体とを備える。正極は、負極の場合に準じて形成できる。正極を構成する材料としては、非水電解質二次電池の正極について公知の材料が使用できる。正極集電体を構成する金属としては、充放電で正極が晒される電位で安定なものが選択される。正極集電体を構成する金属としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金などが挙げられる。
正極材料(活物質)としては、例えば、キャリアイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な複合金属カルコゲン化合物が挙げられる。このような化合物としては、層状酸化物(LiM)、オリビン酸類(LiMPO)、スピネル型化合物(LiM などが挙げられる。M〜Mは、金属元素である。Mとしては、例えば、Co、Ni、およびMnからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられ、これらの金属元素と他の金属原子との組み合わせであってもよい。Mとしては、Feが好ましく、Feと他の金属元素との組み合わせであってもよい。Mとしては、Mnが好ましく、Mnと他の金属元素との組み合わせであってもよい。層状酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、およびLiNiCoMo(ここでx+y+z=1である。)などが挙げられる。オリビン酸類としては、例えば、LiFePOが挙げられる。スピネル型化合物としては、例えば、LiMnなどが挙げられる。
これらの正極材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着剤としては、例えば、負極について例示した結着剤が挙げられる。正極合剤(固形分)中の結着剤の含有量は、負極合剤中の結着剤の含有量について記載した範囲から選択できる。
導電剤としては、負極の導電助剤として例示した第2炭素質材料、第1炭素質材料、および黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛など)などからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。正極合剤(固形分)中の導電剤の含有量は、負極合剤中の導電助剤の含有量について記載した範囲から選択できる。
正極合剤層の厚みは、負極合剤層の厚みについて記載した範囲から選択できる。
セパレータとしては、非水電解質二次電池に利用される公知のセパレータが特に制限なく用いられる。セパレータとしては、不織布、多孔性フィルム、不織布と多孔性フィルムとの積層体などが挙げられる。セパレータは、樹脂を含むものであってもよく、樹脂と充填剤(無機充填剤など)とを含むものであってもよい。非水電解質と膨潤性のポリマーとを含むゲル状電解質(または固体電解質)などを用いる場合には、この電解質をセパレータに代えて正極と負極との間に介在させてもよい。ゲル状電解質(または固体電解質)は、セパレータと併用してもよい。
非水電解質は、キャリアイオンを含む塩(溶質)と、この塩を溶解する非水溶媒とを含む。非水電解質は、これらの成分に加え、さらに膨潤性ポリマーを含むゲル状電解質であってもよい。非水電解質には、非水電解質二次電池の非水電解質に利用される公知の材料が利用できる。
塩としては、非水電解質二次電池の種類に応じて選択できる。リチウムイオンをキャリアとする非水電解質二次電池では、リチウム塩が利用される。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiAsF、リチウムハライド(LiCl、LiBrなど)、LiB(C、およびLiN(SOCFなどが挙げられる。非水電解質は、一種のリチウム塩を含んでもよく、二種以上のリチウム塩を含んでもよい。
非水溶媒としては、例えば、環状カーボネート(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなど)、鎖状カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど)、鎖状エーテル(ジメトキシエタン、ジエトキシエタンなど)、環状エーテル(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランなど)、ラクトン(γ−ブチルラクトンなど)、スルホランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。非水電解質は、一種の非水溶媒を含んでもよく、二種以上の非水溶媒を含んでもよい。
非水電解質二次電池は、正極および負極を電気的に隔離した状態で非水電解質に浸漬させることにより製造できる。正極および負極は、例えば、これらの間にセパレータまたはゲル状電解質を介在させることで電気的に隔離することができる。通常、電池ケース内に、正極および負極と、必要によりセパレータと、非水電解質とを収容することにより電池が作製される。
電池の形状は特に制限されず、コイン型、ボタン型、円形、角形、およびラミネート型のいずれであってもよい。正極および負極は、これらの間にセパレータを介在させた状態で巻回または積層することにより、巻回式電極群や積層型電極群を形成していてもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《プラズマ発生装置の準備》
2.45GHzのマイクロ波を照射できる市販の汎用電子レンジを用いて、下記の手順でプラズマ発生装置を準備した。まず、電子レンジの上部に、電子レンジ内で発生したガスを外部に逃がすための孔を形成し、配管を配した。孔から電子レンジ外部へのマイクロ波の漏洩を軽減するために、電子レンジ上部の配管の周囲には銅テープを巻きつけ、その周囲をステンレスメッシュで囲んだ。そして、アルミホイルで、電子レンジの上部全体をアルミホイルで覆った。
《実施例1》
(1)炭素質材料の製造
準備したプラズマ発生装置を用いるとともに、非芳香族性の化合物としての富士フイルム和光純薬(株)製の特級の流動パラフィンを用いて、下記の手順で、炭素質材料を製造した。
流動パラフィン300mLを測り取り、容積1Lのビーカーに収容し、アンテナを流動パラフィンに浸漬させた。この状態で、ビーカーをプラズマ発生装置内に収容した。装置を操作して、ビーカー内のアンテナに対して定格高周波出力700Wでマイクロ波を照射した。このとき、アンテナの先端からの発光を伴う気泡の発生により、流動パラフィン中にプラズマが発生したことを確認した。プラズマ発生装置内から気体が1000mL発生するごとに、マイクロ波の照射を一時中断する以外は、マイクロ波の照射を繰り返した。マイクロ波の照射開始から照射終了までの時間は、3分21秒であった。ビーカー内の流動パラフィンは、アンテナ先端から生成されるプラズマの作用により、炭化され、黒い粒子状の固形物の生成が確認された。
ビーカー内の黒い分散液を遠心分離処理し、固形分である炭化物を回収した。回収した炭化物をアセトンで洗浄した後、吸引濾過し、乾燥機を用いて80℃で6時間乾燥させた。このようにして、炭化物を分離した(収量0.9g)。
分離した炭化物を、るつぼに入れ、加熱処理した。具体的には、炭化物をるつぼ毎、光洋サーモ製横型環状炉に入れ、窒素気流下(流速:1L/分)、昇温速度7℃/分で1000℃まで昇温し、1000℃で30分維持した。次いで、窒素雰囲気下で室温まで冷却した。このようにして、炭素質材料(収量:0.6g)を得た。
(2)コイン型のリチウム二次電池(対極Liハーフセル)の作製
(電極の作製)
各実施例および各比較例で得た炭素質材料をそれぞれ用いて、以下の手順に従って電極の作製を行った。
炭素質材料96質量部、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)4質量部およびNMP(N−メチルピロリドン)90質量部を混合し、スラリーを得た。厚さ14μmの銅箔に、得られたスラリーを塗布し、乾燥後プレスして、厚さ75μmの電極を得た。得られた電極の密度は、0.8〜1.0g/cmであった。
(ハーフセルの作製)
上記で作製した電極を作用極とし、金属リチウムを対極および参照極として使用した。溶媒として、プロピレンカーボネートとエチレングリコールジメチルエーテルとを、体積比で1:1となるように混合して用いた。この溶媒に、LiClOを1mol/Lの濃度で溶解し、非水電解質として用いた。セパレータにはポリプロピレン製の多孔膜を使用した。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内でコインのハーフセルを作製した。
《実施例2》
実施例1と同様にして分離した炭化物0.7gを、るつぼに入れた状態で、光洋サーモ製横型環状炉に入れ、窒素気流下(流速:1L/分)、昇温速度7℃/分で1200℃まで昇温し、1200℃で30分維持した。これら以外は、実施例1と同様にして、炭素質材料(収量:0.5g)を得た。
得られた炭素質材料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
《実施例3》
実施例1と同様にして分離した炭化物0.9gを、るつぼに入れた状態で、光洋サーモ製横型環状炉に入れ、窒素気流下(流速:1L/分)、昇温速度7℃/分で600℃まで昇温し、600℃で30分維持した。これら以外は、実施例1と同様にして、炭素質材料(収量:0.7g)を得た。
得られた炭素質材料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
《比較例1》
実施例1で得られた乾燥後の炭化物を炭素質材料として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
《評価》
(1)炭素質材料の物性
炭素質材料のBET比表面積、d002、L002、ID/IG比、D50、および一次粒子の平均径を既述の手順で求めた。また、炭素質材料中に含まれる金属成分の含有量を既述の手順で求めた。
(2)直流抵抗および充放電特性
充放電試験装置(東洋システム株式会社製、「TOSCAT」)を用いて充放電試験を行った。初期直流抵抗は、0.5mAを3秒間流したときに発生する抵抗値とした。リチウムのドーピングは、活物質(炭素質材料)質量に対し70mA/gの速度で行い、リチウム電位に対して1mVになるまでドーピングした。さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を8時間印加して、ドーピングを終了した。このときの容量(mAh/g)を充電容量とした。次いで、活物質質量に対し70mA/gの速度で、リチウム電位に対して2.5Vになるまで脱ドーピングを行い、このとき放電した容量を放電容量とした。放電容量/充電容量の百分率を充放電効率とした。
実施例および比較例の結果を表1に示す。表1中、T1〜T3は、実施例1〜3であり、R1は、比較例1である。
Figure 2021061089
表1に示されるように、実施例では、比較例に比べて直流抵抗が格段に低下しており、高い初回充放電効率が示されている。このことから、実施例の炭素質材料は、高い導電性を有するとともに、リチウム二次電池のキャリアイオンであるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する活物質としての機能を有することが分かる。実施例では、初回充放電効率が高いことから、不可逆容量も低くなっている。
本発明の上記側面によれば、高い導電性を有する炭素質材料が得られる。この炭素質材料は、蓄電デバイスのキャリアイオンを可逆的に吸蔵および放出することができ、電極活物質としての機能も有している。そのため、炭素質材料は、蓄電デバイス用の炭素質材料(特に、電極材料など)として有用である。また、得られる蓄電デバイスは、様々な用途に利用でき、例えば、小型化、薄型化、軽量化、および/または高性能化が要求される携帯端末に利用してもよく、柔軟性が求められる機器に利用してもよい。

Claims (12)

  1. (1)非芳香族性の化合物を主成分とする液状の有機材料中でマイクロ波プラズマを発生させて炭化物を得る工程と、
    (2)前記炭化物を分離する工程と、
    (3)前記工程(2)で分離された前記炭化物を不活性ガス雰囲気下で加熱して炭素質材料を得る工程と、を備える、蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法。
  2. 前記非芳香族性の化合物は、飽和または不飽和の鎖状化合物を含む、請求項1に記載の蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法。
  3. 前記非芳香族性の化合物は、飽和または不飽和の非芳香族性の環状化合物を含む、請求項1に記載の蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法。
  4. 前記非芳香族性の化合物は、ヘテロ原子を含有する化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法。
  5. 前記ヘテロ原子は、少なくとも窒素原子を含む、請求項4に記載の蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法。
  6. 前記工程(3)における加熱温度は、550℃以上3000℃以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用炭素質材料の製造方法。
  7. 粉末X線回折において得られる(002)面における結晶子サイズ(L002)が2nm以上50nm以下の範囲にあり、
    BET比表面積が30m/g以上500m/g以下の範囲にある、蓄電デバイス用炭素質材料。
  8. 前記結晶子サイズ(L002)が2nm以上10nm以下である、請求項7に記載の蓄電デバイス用炭素質材料。
  9. 波長532nmのアルゴンレーザーラマンスペクトルにおいて、1580cm−1以上1620cm−1以下の範囲にある第1ピークの強度(IG)に対する1300cm−1以上1400cm−1以下の範囲にある第2ピークの強度(ID)の比:ID/IGが0.6以上1以下である、請求項7または8に記載の蓄電デバイス用炭素質材料。
  10. 前記(002)面の面間隔(d002)が0.34nm以上0.36nm以下の範囲にある、請求項7〜9のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用炭素質材料。
  11. 金属元素の含有量が500ppm以下である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用炭素質材料。
  12. 蓄電デバイスの電極活物質である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用炭素質材料。
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