JP7408410B2 - 炭素質材料およびその製造方法、並びに炭素質材料を用いた電池 - Google Patents

炭素質材料およびその製造方法、並びに炭素質材料を用いた電池 Download PDF

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Description

本発明は、炭素質材料、該炭素質材料の製造方法、および該炭素質材料を用いた電池に関する。
炭素質材料は、鉛炭素電池のような水系電解質電池、リチウムイオン電池およびナトリウムイオン電池のような非水系電解質電池、全固体電池、燃料電池等の様々な電極に用いられており、用途に応じた特性を有する炭素質材料が求められている。例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車に搭載される非水系電解質電池は、制限された質量および空間でより航続距離の長い電池を搭載するために、高い放電容量が求められる。また、該電池の充放電はブレーキおよびアクセルの踏込み時に行われるため、低抵抗な電池による短時間での急速な充放電特性が求められる。
このような非水系電解質電池の電極には難黒鉛化炭素由来の炭素質材料が使用されている。これまで難黒鉛化炭素の炭素源としては、石油ピッチまたは石炭ピッチ等が用いられていたが、近年、地球環境への影響および埋蔵量の減少を懸念して、これらに代わる炭素源を利用した炭素質材料が求められている。製紙業のパルプの製造工程で、副生成物として大量に排出されるリグニンを炭素源として用いた炭素質材料はその一例である。
非特許文献1には、水酸化カリウム溶液に溶解したリグニンを炭化して得られた炭素質材料が記載されている。
非特許文献2には、リグニンとエポキシ樹脂をアルコール溶液に溶解し、硬化後炭化して得られた炭素質材料が記載されている。
非特許文献3には、メラミンとリグニンとをホルムアルデヒドに溶解して作製したリグニン-メラミン樹脂を、炭化および焼結して得られた炭素質材料が記載されている。
Electrochimica Acta、2015年9月10日、第176巻、p.1136-1142 Chemical Engineering Journal、2018年6月1日、第341巻、p.280-288 Journal of Energy Chemistry、2018年、第27巻、第5号、p.1390-1396
しかし、本発明者らの検討によれば、非特許文献1~3に記載の方法には、下記課題がある。非特許文献1に記載された方法では、反応に使用したアルカリ金属の除去等の工程数が多い。また、非特許文献2および非特許文献3にそれぞれ記載された方法は、他の物質と複合化する等、工程が複雑である。更に、いずれの方法で得られた炭素質材料も、放電容量が小さく充電効率が低いことから電池材料としての性能が十分なものではない。
従って、本発明の課題は、放電容量、充放電効率および低抵抗性に優れた電池をもたらす炭素質材料、および工程数の少ない該炭素質材料の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、炭素質材料、および該炭素質材料の製造方法について詳細に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕硫黄元素含有量は0.8質量%以上であり、BET法により求めた比表面積は40m/g以下であり、ブタノール法により求めた真密度は1.48g/cm以上1.62g/cm以下である、炭素質材料。
〔2〕前記炭素質材料の酸素元素含有量は1.7質量%以下である、前記〔1〕に記載の炭素質材料。
〔3〕前記炭素質材料の六角網面積層方向Lcの大きさは11Å以下である、前記〔1〕または〔2〕に記載の炭素質材料。
〔4〕前記炭素質材料の体積平均粒径は2μm以上20μm以下である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の炭素質材料。
〔5〕CuKα線を用いて測定される前記炭素質材料の(002)面の面間隔d002は3.8Å以上である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の炭素質材料。
〔6〕硫黄元素含有量が0.1質量%以上であり、融点が210℃以上のリグニンを炭化して、炭素前駆体を得る第一の炭化工程と、
前記炭素前駆体とコーティング剤との混合物を非酸化性ガス雰囲気下900℃以上1400℃以下の温度で炭化して炭素質材料を得る第二の炭化工程と
を含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の炭素質材料の製造方法。
〔7〕前記炭素前駆体を20μm以下の体積平均粒径に粉砕する粉砕工程を更に含む、前記〔6〕に記載の方法。
〔8〕前記第一の炭化工程は、前記リグニンを非酸化性ガス雰囲気下300℃以上800℃以下の温度で加熱することを含む、前記〔6〕または〔7〕に記載の方法。
〔9〕前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の炭素質材料を含む、電極。
〔10〕前記〔9〕に記載の電極を含む、電池。
本発明によれば、放電容量、充放電効率および低抵抗性に優れた電池をもたらす炭素質材料、および工程数の少ない該炭素質材料の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下は本発明の実施形態を例示する説明であって、本発明を以下の実施形態に限定することは意図されていない。
[炭素質材料]
本発明の炭素質材料において、硫黄元素含有量は0.8質量%以上であり、BET法により求めた比表面積は40m/g以下であり、ブタノール法により求めた真密度は1.48g/cm以上1.62g/cm以下である。
〔硫黄元素含有量〕
炭素質材料の硫黄元素含有量は、0.8質量%以上である。硫黄元素含有量が0.8質量%未満であると、電池容量の優れた電池を得ることは困難である。硫黄元素含有量は、好ましくは0.85質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上である。硫黄元素含有量の上限値は特に限定されない。硫黄元素含有量は、通常は3.0質量%以下であり、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下である。硫黄元素含有量が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、電池容量のより優れた電池を得やすい。硫黄元素含有量は、例えば、炭素質材料を製造する際に使用する(硫黄元素を含有する)出発材料を(例えば苛性ソーダ水溶液と一緒に加熱する等の方法により)加水分解することによって、或いは出発材料を硫酸等の硫黄元素含有成分で変性し、その変性量を調整することによって、前記下限値以上および前記上限値以下に調整できる。硫黄元素含有量は、例えば元素分析または蛍光X線分析によって、求めることができる。
〔BET法により求めた比表面積〕
炭素質材料のBET法により求めた比表面積(以下において、単に「比表面積」とも称する)は40m/g以下である。比表面積が40m/gより大きいと、電解液の分解反応が進行しやすく、充放電効率および低抵抗性に優れた電池を得ることは困難である。比表面積は、好ましくは20m/g以下、より好ましくは15m/g以下、特に好ましくは10m/g以下である。比表面積はまた、通常1m/g以上、好ましくは1.5m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。比表面積が前記上限値以下であり前記下限値以上であると、電解液の分解反応を抑制しやすく、充放電効率および低抵抗性に優れた電池を得やすい。比表面積は、例えば、加熱温度(例えば第一の炭化工程の温度または第二の炭化工程の温度)、またはコーティング剤の添加量により、前記上限値以下および前記下限値以上に調整できる。比表面積は、後述の実施例に記載の通り、窒素吸着等温線を測定する方法によって求めることができる。
〔ブタノール法により求めた真密度〕
炭素質材料のブタノール法により求めた真密度(以下において、単に「真密度」とも称する)は1.48g/cm以上1.62g/cm以下である。真密度が1.48g/cm未満であるかまたは1.62g/cmより大きいと、所望の電池容量を得ることは困難である。真密度は、好ましくは1.49g/cm以上、より好ましくは1.50g/cm以上であり、好ましくは1.61g/cm以下である。真密度が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、より優れた電池容量を有する電池を得やすい。真密度は、例えば、加熱温度(例えば第一の炭化工程の温度または第二の炭化工程の温度)により、前記下限値以上および前記上限値以下に調整できる。真密度は、JIS R 7212に定められた方法に従い測定できる。
〔酸素元素含有量〕
炭素質材料の酸素元素含有量は、好ましくは1.7質量%以下、より好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。また、酸素元素含有量は、通常0.1質量%以上、好ましくは0.15質量%以上である。酸素元素含有量が前記上限値以下であり前記下限値以上であると、イオン吸着による不可逆性を抑制しやすく、電解液親和性に優れた電池を得やすい。酸素元素含有量は、例えば、加熱温度(例えば第一の炭化工程の温度または第二の炭化工程の温度)により、前記上限値以下および前記下限値以上に調整できる。酸素元素含有量は、元素分析または蛍光X線分析により求めることができる。
〔六角網面積層方向Lcの大きさ〕
炭素質材料の六角網面積層方向Lcの大きさは、好ましくは11Å以下、より好ましくは10Å以下である。また、六角網面積層方向Lcの大きさは、通常4Å以上、好ましくは5Å以上である。六角網面積層方向Lcの大きさが前記上限値以下であり前記下限値以上であると、金属イオンおよび水素イオンの移動がしやすくなり、より低抵抗であり出力特性に優れる電池を得やすい。六角網面積層方向Lcの大きさは、例えば、加熱温度(例えば第一の炭化工程の温度または第二の炭化工程の温度)により、前記下限値以上および前記上限値以下に調整できる。六角網面積層方向Lcの大きさは、X線回折により、2θ=26°付近のピーク強度から得られる半値幅に基づき求めることができる。また、前記上限値以下であり前記下限値以上である六角網面積層方向Lcの大きさを有する炭素質材料は、出力特性が大きい傾向にあり、リチウムイオン二次電池のみならず、ナトリウムイオン二次電池または鉛電池にも好適な電極を得やすい。
〔CuKα線を用いて測定される(002)面の面間隔d002
炭素質材料のCuKα線を用いて測定される(002)面の面間隔d002(以下において、単に「面間隔d002」とも称する)は、好ましくは3.8Å以上、より好ましくは3.82Å以上である。また、面間隔d002は、好ましくは3.95Å以下、より好ましくは3.92Å以下である。面間隔d002が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、低温での電池容量維持率に優れた電池を得やすい。また、イオンの侵入がより容易になるため、リチウムイオン二次電池のみならず、ナトリウムイオン二次電池および鉛電池にも好適な電極を得やすい。面間隔d002は、例えば、加熱温度(例えば第一の炭化工程の温度または第二の炭化工程の温度)により、前記上限値以下および前記下限値以上に調整できる。面間隔d002は、X線回折で求めることができる。
〔体積平均粒径〕
炭素質材料の体積平均粒径は、好ましくは2μm以上、より好ましくは2.2μm以上、特に好ましくは2.5μm以上であり、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。体積平均粒径が前記下限値以上であると、炭素質材料の比表面積の増大の要因である微粉が少なくなる傾向にあり、炭素質材料と電解液との過剰な反応が抑制されやすくなり、その結果、充電しても放電しない容量である不可逆容量が低下し、正極の容量が無駄になることが抑制されやすい。体積平均粒径が前記上限値以下であると、炭素質材料内での金属イオンまたは水素イオンの拡散自由行程が小さくなる傾向にあり、また、電子を伝導する導電材としての炭素質材料間の接触率が高くなる傾向にあるため好ましい。体積平均粒径は、例えば、炭素質材料を製造する際に使用する出発材料の選択、または粉砕工程によって、前記下限値以上および前記上限値以下に調整できる。体積平均粒径は、レーザー回折散乱法またはコールター法によって求めることができる。
[炭素質材料の製造方法]
本発明の炭素質材料は、例えば、
硫黄元素含有量が0.1質量%以上であり、融点が210℃以上のリグニンを炭化して、炭素前駆体を得る第一の炭化工程と、
前記炭素前駆体とコーティング剤との混合物を非酸化性ガス雰囲気下900℃以上1400℃以下の温度で炭化して炭素質材料を得る第二の炭化工程と
を含む製造方法により製造できる。この製造方法により、本発明の炭素質材料は少ない工程数で製造できる。
〔出発材料〕
本発明の炭素質材料の出発材料は特に限定されない。使用できる出発材料として、例えばスルホン酸型イオン交換樹脂およびリグニンが挙げられる。
好ましい出発材料は、硫黄元素含有量が好ましくは0.1質量%以上であり、融点が好ましくは200℃以上であるリグニンである。このようなリグニンは、一般的にはクラフトリグニンと呼ばれており、製紙業においてセルロース抽出後の廃棄物として得られる。具体的には、例えばパルプの製造過程で生成した黒液を酸性化し、析出した沈殿を洗浄して調製することができる。このようにして得られたリグニンは、調製工程中で、その主要な結合であるエーテル結合が切断され、著しく低分子化されるので、その数平均分子量は通常3500~4500となる。炭化前の比較的低い温度で融解し、融解時に結晶状態を密度の高い状態に変化させやすく、その結果、優れた充放電効率および低い抵抗を有する電池を得やすい観点から、好ましくは210℃以上、より好ましくは230℃以上で融解するリグニンを使用することが特に好ましい。また、通常クラフトリグニンは他の方法で得られたリグニンに比べ、多量のフェノール性水酸基を有しており、化学的活性に富んでいることも、高い密度の炭素形成に好ましい。
リグニンの硫黄元素含有量は、リグニンの分子量の低下を抑制しやすく、その結果炭素縮合が十分に進みやすい観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。また、硫黄元素含有量は、使用する機器を腐食する可能性のある二酸化硫黄等の排出が抑制されやすい観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下である。硫黄元素含有量は、例えば、硫黄元素を含有するリグニンを(例えば苛性ソーダ水溶液と加熱する等の方法により)加水分解することにより、或いはリグニンを硫酸等の硫黄元素含有成分で変性し、その変性量を調整することにより、前記下限値以上および前記上限値以下に調整できる。硫黄元素含有量は、元素分析または蛍光X線分析によって測定できる。
リグニンは1種のみを使用してもよいし、硫黄元素含有量、融点、分子量および揮発性成分含有量の1つ以上が異なる2種以上のリグニンを組み合わせて使用してもよい。2種以上のリグニンを組み合わせて使用する場合、そのうちの少なくとも1種のリグニンは、好ましくは、上述した好ましい硫黄元素含有量、融点および/または分子量を有する。
リグニンは、体積平均粒径を粉砕により調整した後に出発材料として用いてもよい。体積平均粒径は、好ましくは0.001mm以上50mm以下、より好ましくは0.01mm以上20mm以下、更に好ましくは0.1mm以上10mm以下である。体積平均粒径が前記下限値以上であると、作業者の粉塵の吸引または粉塵爆発等が起こりにくい。体積平均粒径が前記上限値以下であると、炭化時に発生する水によりリグニンが酸化され、炭素物性が損なわれる問題が回避されやすい。通常、第一の炭化工程でリグニンは収縮せず、従って、第一の炭化工程前後で体積平均粒径は変化しない。粉砕に用いる粉砕機は、特に限定されず、後述の〔粉砕工程〕の段落で例示する粉砕機を使用できる。また、後述の〔分級工程〕の段落に記載の手順と同様に、リグニンを分級工程に付してもよい。
リグニンは、酸性水で洗浄することによりリグニン中に存在する金属を低減させた後に出発材料として用いてもよい。
〔第一の炭化工程〕
第一の炭化工程では、好ましくは、硫黄元素含有量が0.1質量%以上であり、融点が210℃以上のリグニンを炭化して、炭素前駆体を得る。
第一の炭化工程は、好ましくは非酸化性ガス雰囲気下で行う。非酸化性ガスとしては、例えばヘリウム、窒素またはアルゴン等を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。非酸化性ガス中に酸化性ガスが含まれている場合、その含有量は低いほど好ましい。そのような場合、非酸化性ガス中の酸化性ガス(特に酸素)の含有量は、通常1体積%以下、好ましくは0.1体積%以下である。酸化性ガスの含有量が前記上限値以下であると、炭素前駆体生成過程で、酸化が進行しにくく、所望の構造構築が進みやすく、また、生成した構造の酸化分解が起きにくい。
非酸化性ガスの供給量(流通量)は、特に限定されない。出発材料1g当たり、通常1mL/分以上、好ましくは10mL/分以上、更に好ましくは30mL/分以上であり、通常500mL/分以下である。また、第一の炭化工程は、減圧下で、例えば10KPa以下で行うこともできる。
第一の炭化工程の昇温速度は特に限定されない。加熱の方法により異なるが、好ましくは1℃/分以上、より好ましくは2℃/分以上であり、好ましくは20℃/分以下、より好ましくは18℃/分以下である。昇温速度が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、良好な生産性を得やすく、経済性の観点からも好ましい。また、発生する乾留ガスによる賦活の進行が抑制されやすく、良好な炭素密度を得やすい。
第一の炭化工程の温度は、好ましくは300℃以上、より好ましくは400℃以上、更に好ましくは500℃以上であり、好ましくは800℃以下、より好ましくは700℃以下である。第一の炭化工程の温度が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、所望の物性(例えば、元素含有量、比表面積、真密度、六角網面積層方向Lcの大きさおよび/または面間隔d002)を得やすい。
第一の炭化工程の温度の保持時間は、特に限定されない。保持時間は、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上であり、好ましくは20時間以下、より好ましくは15時間以下である。保持時間が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、炭化が十分に進行しやすいため、炭素質材料を製造する過程で炭化物の発火が生じにくくなる。また、経済性の観点から、適度な時間であるため好ましい。
〔第二の炭化工程〕
第一の炭化工程の後に実施する第二の炭化工程では、好ましくは、炭素前駆体とコーティング剤との混合物を非酸化性ガス雰囲気下900℃以上1400℃以下の温度で炭化して炭素質材料を得る。第二の炭化工程に付されることにより、本発明の炭素質材料は、良好な放電容量、良好な充放電効率および低い抵抗性とともに、酸化劣化に対する良好な耐性を有する電池をもたらすことができる。
非酸化性ガスの例としては、ヘリウム、窒素およびアルゴン等を挙げることができ、これらを単独でまたは組み合わせて用いることができる。また、塩素等のハロゲンガスを前記非酸化性ガスと混合したガス雰囲気下で、第二の炭化工程を行ってもよい。非酸化性ガス中に酸化性ガスが含まれている場合、その含有量は低いほど好ましい。そのような場合、非酸化性ガス中の酸化性ガス(特に酸素)の含有量は、通常1体積%以下、好ましくは0.1体積%以下である。酸化性ガスの含有量が前記上限値以下であると、炭素前駆体生成過程で、酸化が進行しにくく、所望の構造構築が進みやすく、また、生成した構造の酸化分解が起きにくい。
非酸化性ガスの供給量(流通量)は、特に限定されない。炭素前駆体1g当たり、通常1mL/分以上、好ましくは10mL/分以上、更に好ましくは100mL/分以上であり、通常1000mL/分以下である。また、第二の炭化工程は、減圧下で、例えば10KPa以下で行うこともできる。
第二の炭化工程の昇温速度は特に限定されない。加熱の方法により異なるが、好ましくは1℃/分以上、より好ましくは2℃/分以上であり、好ましくは20℃/分以下、より好ましくは18℃/分以下である。昇温速度が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、良好な生産性を得やすく、経済性の観点からも好ましい。また、発生する乾留ガスによる賦活の進行が抑制されやすく、良好な炭素密度を得やすい。
第二の炭化工程の温度は、好ましくは900℃以上、より好ましくは1000℃以上、更に好ましくは1100℃以上、特に好ましくは1150℃以上であり、好ましくは1400℃以下、より好ましくは1380℃以下、更に好ましくは1350℃以下である。第二の炭化工程の温度が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、炭素質材料の官能基の残存量を減らしやすく、不可逆容量の増大を招き得る炭素質材料とリチウムとの反応を抑制しやすい。また、炭素六角平面の選択的配向性の増大による放電容量の低下を抑制しやすい。更に、所望の物性(例えば、元素含有量、比表面積、真密度、六角網面積層方向Lcの大きさおよび/または面間隔d002)を得やすい。
第二の炭化工程の温度の保持時間は、特に限定されない。例えば1000℃以上に保持する時間は、通常0.05時間以上10時間以下であり、好ましくは0.05時間以上3時間以下、より好ましくは0.05時間以上1時間以下である。保持時間が前記下限値以上であり前記上限値以下であると、所望の物性(例えば、元素含有量、比表面積、真密度、六角網面積層方向Lcの大きさ、および/または面間隔d002)を得やすい。また、経済性の観点から、適度な時間であるため好ましい。
第二の炭化工程において、炭素前駆体とコーティング剤との混合物を炭化することによって、本発明の炭素質材料が得られる。炭素前駆体とコーティング剤とを混合して炭化することにより、得られる炭素質材料の比表面積を低減させることができ、所望の比表面積を得ることができる。更に、炭素質材料への二酸化炭素の吸着量を調整することができる。
炭素前駆体とコーティング剤とを混合して炭化することによって炭素質材料の比表面積が低減される機構は、詳細には解明されていないが、以下のように考えることができる。しかしながら、本発明は、以下の説明によって限定されるものではない。
炭素前駆体とコーティング剤とを混合して炭化することにより、炭素前駆体の表面に、コーティング剤の熱処理により得られる炭素質被膜が形成され、この炭素質被膜により、得られる炭素質材料の比表面積が低減すると考えられる。その結果、炭素質材料とアルカリ金属、例えば、リチウムまたはナトリウムとの反応によるSEI(Solid Electrolyte Interphase)と呼ばれる被膜の形成反応が抑制されるので、不可逆容量を低減させることが期待できる。また、生成した炭素質被膜もリチウムまたはナトリウムをドープおよび脱ドープすることができるため、容量が増加する効果も期待できる。
<コーティング剤>
コーティング剤は、好ましくは、炭素前駆体の比表面積を低減させることのできる揮発物質(例えば、炭化水素系ガスおよびタール成分)を十分発生できる剤である。
コーティング剤の残炭率は、第二の炭化工程を実施する機器の安定稼働の観点および炭素質材料の性状の観点(すなわち、局所的に性状の異なる炭素質材料が生成しにくい観点)から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本発明における残炭率は、コーティング剤を800℃で灰化した場合の残炭率である。残炭率は、試料を不活性ガス雰囲気下で強熱した後の強熱残分の炭素量を定量することにより測定できる。具体的には、試料およそ1g〔この正確な質量をW1(g)とする〕を坩堝に入れ、20L/分で窒素を流通させながら坩堝を電気炉にて10℃/分の昇温速度で室温から800℃まで昇温させ、次いで800℃で1時間強熱する。このときの残存物を強熱残分とし、その質量をW2(g)とする。
その後、上記強熱残分について、JIS M8819に定められた方法に準拠して元素分析を行い、炭素の質量割合P1(質量%)を測定する。残炭率P2(質量%)は下記式により算出できる。
P2=P1×W2/W1
そのようなコーティング剤の例としては、例えば熱可塑性樹脂および低分子有機化合物が挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂および(メタ)アクリル酸系樹脂を挙げることができる。オレフィン系樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体、およびエチレンとプロピレンとのブロック共重合体等を挙げることができる。スチレン系樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、およびスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数は1~12、好ましくは1~6)との共重合体等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸系樹脂の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(アルキル基の炭素数は1~12、好ましくは1~6)等を挙げることができる。なお、この明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
低分子有機化合物の例としては、例えば炭素数が1~20の炭化水素化合物を挙げることができる。炭化水素化合物の炭素数は、好ましくは2~18、より好ましくは3~16である。炭化水素化合物は、飽和炭化水素化合物でも不飽和炭化水素化合物でもよく、鎖状炭化水素化合物でも環式炭化水素化合物でもよい。炭化水素化合物が不飽和炭化水素化合物の場合、不飽和結合は二重結合でも三重結合でもよく、1分子に含まれる不飽和結合の数も特に限定されない。例えば、鎖状炭化水素化合物は、脂肪族炭化水素化合物であり、その例としては、直鎖状または分枝状のアルカン、アルケンまたはアルキンを挙げることができる。環式炭化水素化合物の例としては、脂環式炭化水素化合物(例えば、シクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン)および芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。脂肪族炭化水素化合物の具体的な例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセンおよびアセチレン等を挙げることができる。脂環式炭化水素化合物の具体的な例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロプロパン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、デカリン、ノルボルネン、メチルシクロヘキサン、およびノルボルナジエン等を挙げることができる。芳香族炭化水素化合物の具体的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、ブチルベンゼン、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルキシレン、pert-ブチルスチレン、エチルスチレン等の単環芳香族化合物、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の3環~6環の縮合多環芳香族化合物を挙げることができるが、好ましくは縮合多環芳香族化合物であり、より好ましくはナフタレン、フェナントレン、アントラセンまたはピレンである。ここで、前記炭化水素化合物は、任意の置換基を有していてよい。置換基は特に限定されない。置換基の例としては、炭素数1~4のアルキル基(好ましくは炭素数1~2のアルキル基)、炭素数2~4のアルケニル基(好ましくは炭素数2のアルケニル基)、および炭素数3~8のシクロアルキル基(好ましくは炭素数3~6のシクロアルキル基)を挙げることができる。
コーティング剤は、混合の容易さおよび均一分散の観点から、常温で固体であることが好ましく、例えばポリスチレン、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の常温で固体の熱可塑性樹脂、または、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンまたはピレン等の常温で固体の低分子有機化合物がより好ましい。第二の炭化工程の温度下で揮発および熱分解した際に、炭素前駆体の表面を酸化賦活しないものが好ましいことから、熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂およびスチレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンがより好ましい。低分子有機化合物としては、常温下で揮発性がより小さいことが安全上好ましいことから、炭素数1~20の炭化水素化合物が好ましく、縮合多環芳香族化合物がより好ましく、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンまたはピレンが更に好ましい。更に、炭素前駆体との混合しやすさの観点から、熱可塑性樹脂が好ましく、オレフィン系樹脂およびスチレン系樹脂がより好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンが更に好ましく、ポリエチレンおよびポリスチレンが特に好ましい。
炭素前駆体とコーティング剤とを混合する際の炭素前駆体とコーティング剤との質量比は、特に限定されない。炭素前駆体とコーティング剤との質量比は、好ましくは97:3~40:60、より好ましくは95:5~60:40、更に好ましくは93:7~80:20である。例えば、コーティング剤が炭素前駆体の質量に対して3質量部以上であると、比表面積を十分に低減させやすい。また、コーティング剤が炭素前駆体の質量に対して60質量部以下であると、比表面積の低減効果が飽和に達しているにもかかわらず過剰に存在するコーティング剤が消費される無駄を回避できるため、工業的に有利である。
炭素前駆体とコーティング剤との混合は、第一の炭化工程と第二の炭化工程との間に行う。第一の炭化工程と第二の炭化工程との間に、後述する粉砕工程を行う場合は、前記混合は、粉砕工程の前または粉砕工程の後のいずれに行ってもよい。
粉砕工程の前に炭素前駆体とコーティング剤とを混合する場合には、炭素前駆体と常温で液体または固体のコーティング剤とを計量しながら、粉砕装置に同時に供給することにより粉砕と混合とを同時に行うことができる。
粉砕工程の後に炭素前駆体とコーティング剤とを混合する場合には、混合は両者が均一に混合される手法であれば、公知の方法で実施できる。コーティング剤が常温で固体の場合、コーティング剤は好ましくは粒子状である。その場合、粒子の形または粒径は特に限定されないが、コーティング剤と粉砕された炭素前駆体とを均一に分散させやすい観点からは、コーティング剤の体積平均粒径は好ましくは0.1~2000μm、より好ましくは1~1000μm、更に好ましくは2~600μmである。
コーティング剤が常温で気体の場合、コーティング剤を含む非酸化性ガスを、第二の炭化工程を実施する機器内に流通させ熱分解させることにより、該機器内に導入された炭素前駆体と混合させる方法を用いることができる。
炭素前駆体とコーティング剤との混合物は、炭素前駆体およびコーティング剤以外の他の成分を含んでもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、金属系材料、合金系材料および酸化物系材料からなる群から選択される1以上の成分を含んでよい。炭素前駆体とコーティング剤との混合物がそのような成分を含む場合、そのような成分の含有量は、特に限定されるものではなく、混合物100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。
〔粉砕工程〕
本発明の製造方法は、必要に応じて、第一の炭化工程後または第二の炭化工程後に粉砕工程を含んでいてもよい。この工程では、炭化により凝集した炭化物(炭素前駆体または炭素質材料)を粉砕し、目的の大きさに調整することができる。
粉砕工程を行う場合、第一の炭化工程後に行うことが好ましい。この理由は、粉砕により表面積を大きくすることで、第二の炭化工程で発生する分解ガスによる構造変化の影響を最小限にできるからである。また、別の理由は、第二の炭化工程後に粉砕を実施した場合には、粉砕によって新たに生じた結晶面が電池内で電解液等と反応し、電池機能が損なわれる可能性があるからである。従って、本発明の好ましい一実施態様では、本発明の製造方法は、炭素前駆体を好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下の体積平均粒径に粉砕する粉砕工程を更に含む。前記体積平均粒径は、好ましくは2μm以上、より好ましくは2.2μm以上、特に好ましくは2.5μm以上である。しかしながら、第二の炭化工程の後に粉砕することは排除されない。
粉砕に用いる粉砕機は、特に限定されない。例えばジェットミル、ミキサーミル、ボールミル、ハンマーミル、またはロッドミル等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。微粉の発生が少ないという観点からは、分級機能を備えたジェットミルが好ましい。一方、ミキサーミル、ボールミル、ハンマーミル、またはロッドミル等を用いる場合は、粉砕後に分級を行うことで微粉を除くことができる。
〔分級工程〕
本発明の製造方法は、炭化工程後または必要に応じて行ってよい粉砕工程の後に分級を実施してもよい。分級によって、炭素前駆体または炭素質材料の体積平均粒径をより正確に調整することができ、また、特定の寸法より小さい(例えば体積平均粒径が1μm以下の)炭素前駆体若しくは炭素質材料、または特定の寸法より大きい(例えば体積平均粒径が30μm以上の)炭素前駆体若しくは炭素質材料を除去することもできる。
分級を行う場合、その例として篩による分級、湿式分級、または乾式分級を挙げることができる。湿式分級機としては、例えば重力分級、慣性分級、水力分級、または遠心分級等の原理を利用した分級機を挙げることができる。乾式分級機としては、沈降分級、機械的分級、または遠心分級の原理を利用した分級機を挙げることができる。
粉砕工程後に分級を行う場合、上述したように、粉砕と分級は、1つの装置(例えば、乾式の分級機能を備えたジェットミル)を用いて行うことができる。或いは、粉砕機と分級機とが独立した装置を用いることもでき、この場合、粉砕と分級とは連続して行ってもよいし、不連続に行ってもよい。
[電極]
本発明の炭素質材料は電極に使用できる。従って、本発明はまた、本発明の炭素質材料を含む電極も対象とする。
[電極の製造方法]
本発明の電極は、例えば、炭素質材料、結合剤(バインダー)および溶媒を混練することにより、電極合剤を調製し、金属板等からなる集電板に塗布し、乾燥した後、加圧成形することにより電極を製造することができる。
結合剤は、電解液と反応しないものであれば特に限定されない。結合剤の例としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、およびSBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)とCMC(カルボキシメチルセルロース)との混合物等が挙げられる。中でもPVDFは、活物質表面に付着したPVDFがリチウムイオン移動を阻害することが少なく、良好な入出力特性を得るために好ましい。PVDFを溶解しスラリーを形成するために、N-メチルピロリドン(NMP)等の極性溶媒が好ましく用いられるが、SBR等の水性エマルジョンまたはCMCの水溶液を用いることもできる。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の抵抗が大きくなるため、電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させるので好ましくない。また、結合剤の添加量が少なすぎると、負極材料粒子相互および集電材との結合が不十分となり好ましくない。結合剤の好ましい添加量は、使用する結合剤の種類によっても異なるが、PVDF系の結合剤では、炭素質材料および結合剤の総質量に対して、好ましくは2~13質量%であり、より好ましくは2~10質量%である。一方、溶媒に水を使用する結合剤では、SBRとCMCとの混合物等、複数の結合剤を混合して使用することが多く、使用する結合剤の総添加量は、炭素質材料および結合剤の総質量に対して、好ましくは0.5~5質量%であり、より好ましくは1~4質量%である。
本発明の炭素質材料を用いることにより、特に導電助剤を添加しなくとも高い導電性を有する電極を製造することができるが、更に高い導電性を付与することを目的に、必要に応じて電極合剤を調製する際に導電助剤を添加してよい。導電助剤としては、導電性のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、およびナノチューブ等を単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。添加量は、使用する導電助剤の種類によっても異なるが、添加する量が少なすぎると期待する導電性を得にくいので好ましくなく、多すぎると電極合剤中での分散が悪くなるので好ましくない。このような観点から、導電助剤を添加する場合の導電助剤の割合は、好ましくは0.5~10質量%[ここで、活物質(炭素質材料)量+結合剤量+導電助剤量=100質量%とする]であり、より好ましくは0.5~7質量%、更に好ましくは0.5~5質量%である。
電極活物質層は、通常は集電板の両面に形成するが、必要に応じて片面に形成してもよい。電極活物質層が厚いほど、集電板およびセパレータ等が少なくて済むため高容量化には好ましいが、電極活物質層が厚すぎると、電極内のイオン拡散抵抗が増大し、入出力特性が低下するため好ましくない。好ましい電極活物質層(片面当たり)の厚さは、10~80μmであり、より好ましくは20~75μm、更に好ましくは20~60μmである。
[電池]
本発明はまた、本発明の電極を含む電池も対象とする。本発明の電池、例えば非水電解質二次電池は本発明の炭素質材料を用いて製造されるため、放電容量、充放電効率および低抵抗性に優れている。
本発明における非水電解質二次電池において、本発明の電極(負極)以外の材料、すなわち、正極材料、セパレータおよび電解液等の材料は特に限定されず、非水電解質二次電池において従来使用され、または提案されている種々の材料を使用することが可能である。
例えば、正極材料としては、層状酸化物系[LiMO(ここで、Mは金属を表す)で表されるもの:例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO、またはLiNiCoMo(ここで、x、y、zは組成比を表わす)]、オリビン系[LiMPO(ここで、Mは金属を表す)と表されるもの:例えばLiFePO等]、およびスピネル系[LiM(ここで、Mは金属を表す)で表されるもの:例えばLiMn等]の複合金属カルコゲン化合物が好ましく、これらのカルコゲン化合物を必要に応じて混合してもよい。例えば、これらの正極材料を適当な結合剤と電極に導電性を付与するための炭素質材料とともに成形して、導電性の集電材上に層形成することにより、正極を製造できる。
これら正極と負極との組み合わせで用いられる非水溶媒型電解液は、一般に非水溶媒に電解質を溶解することにより形成される。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ-ブチルラクトン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、または1,3-ジオキソラン等の有機溶媒の1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、電解質としては、例えばLiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiAsF、LiCl、LiBr、LiB(C、またはLiN(SOCF等を用いることができる。
非水電解質二次電池は一般に、上述したようにして製造した正極と負極とを、必要に応じて透過性セパレータ(例えば、不織布、またはその他の多孔質材料等)を介して対向させ、電解液中に浸漬させることにより製造される。セパレータに代えて、またはセパレータと一緒に、電解液を含浸させたポリマーゲルからなる固体電解質を用いることもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
なお、以下に本発明の炭素質材料の物性値(「元素含有量」、「比表面積」、「真密度」、「六角網面積層方向Lcの大きさ」、「体積平均粒径」および「(002)面の面間隔d002」)の測定法を記載するが、実施例を含めて、本明細書中に記載する物性値は、以下の方法により求めた値に基づくものである。
[分析方法]
〔硫黄元素含有量〕
株式会社堀場製作所製「炭素・硫黄分析装置EMIA-920V2 HORIBA製」を用いて硫黄元素含有量の測定を行った。
この装置の検出方法は、酸素気流中燃焼(高周波誘導加熱炉方式)-非分散赤外吸収法(NDIR)であり、校正は、アルミナ坩堝に助燃剤であるW(タングステン)とSn(スズ)のみを入れてブランクとし、標準物質であるJSS152-18[C:0.277%、S:0.0056%]およびJSS150-16[S:0.0296%]を用いて行った。前処理として250℃で約10分間脱水処理を施した試料50mg、粒子状タングステン1.5g、粒子状スズ0.3gをアルミナ坩堝に量り取り、炭素・硫黄分析装置内で30秒間脱ガスした後、純酸素気流下で高周波により加熱燃焼させ、測定を行った。3検体を分析し、その平均値を分析値とした。
〔酸素元素含有量〕
株式会社堀場製作所製「酸素・窒素・水素分析装置EMGA-930」を用いて酸素元素含有量の測定を行った。
この装置の検出方法は、不活性ガス融解-非分散型赤外線吸収法(NDIR)であり、校正は、Snカプセル、およびSS-3(標準試料)により行った。前処理として250℃で約10分間脱水処理を施した試料20mgを、Snカプセルに量り取り、酸素・窒素・水素分析装置内で30秒間脱ガスした後、測定を行った。3検体を分析し、その平均値を分析値とした。
〔比表面積〕
以下にBETの式から誘導された近似式を記す。
前記の近似式を用いて、液体窒素温度における、窒素吸着による3点法によりvを求め、次式により試料の比表面積を計算した。
このとき、vは試料表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量(cm/g)、vは実測される吸着量(cm/g)、pは飽和蒸気圧、pは絶対圧、cは定数(吸着熱を反映)、Nはアボガドロ数6.022×1023、a(nm)は吸着質分子が試料表面で占める面積(分子占有断面積)である。
具体的には、日本BELL社製「BELL Sorb Mini」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における炭素質材料への窒素の吸着量を測定した。炭素質材料を試料管に充填し、試料管を-196℃に冷却した状態で、一旦減圧し、その後所望の相対圧にて炭素質材料に窒素(純度99.999%)を吸着させた。各所望の相対圧にて平衡圧に達した時の試料に吸着した窒素量を吸着ガス量vとした。
〔真密度〕
真密度ρBtは、JIS R 7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定した。具体的な手順を以下に示す。
内容積約40mLの側管付比重瓶の質量(m)を正確に秤量し、次に、その底部に試料を約10mmの厚さになるように平らに導入した後、試料入りの側管付比重瓶の質量(m)を正確に秤量した。これに、底から液面までの深さが20mm程度になるよう1-ブタノールを静かに加えた。続いて、比重瓶に軽い振動を加えて、大きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後、真空デシケーター内に入れ、徐々に排気して真空デシケーター内の圧力を2.0~2.7kPaにした。この圧力を20分間以上保ち、気泡の発生が止まった後に比重瓶を取り出した。この比重瓶に1-ブタノールを添加し、栓をして(30±0.03℃に調節した)恒温水槽に15分間以上浸し、1-ブタノールの液面を標線に合わせた。次に、これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後、質量(m)を正確に秤量した。
次に、同じ側管付比重瓶に1-ブタノールだけを満たし、前記と同様に恒温水槽に浸し、標線に合わせた後、質量(m)を量った。
更に、使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重瓶に導入し、前記と同様に恒温水槽に浸し、標線に合わせた後、質量(m)を量った。
真密度ρBtは次の式により計算した。このとき、dは水の30℃における比重(0.9946)である。
〔六角網面積層方向Lcの大きさ〕
六角網面積層方向Lcは、株式会社リガク製「MiniFlexII」を用いたX線回折試験により求めた。炭素質材料を試料ホルダーに充填し、Niフィルターにより単色化したCuKα線を線源とし、X線回折図形を得た。X線回折図形のピーク位置は重心法(回折線の重心位置を求め、これに対応する2θ値でピーク位置を求める方法)により求め、標準物質用高純度シリコン粉末の(111)面の回折ピークを用いて補正した。CuKα線の波長を0.15418nmとし、以下に示すScherrerの式に代入することにより六角網面積層方向Lcを算出した。
ここで、Kは形状因子(0.9)、λはX線の波長(CuKαm=0.15418nm)、θは回折角、βは半値幅を表す。
〔体積平均粒径〕
体積平均粒径(粒度分布)は、以下の方法により測定した。界面活性剤[和光純薬工業株式会社製「TritonX100」]を0.3質量%含む水溶液に試料を投入し、超音波洗浄器で10分以上処理し、試料を水溶液中に分散させた。この分散液を用いて粒度分布を測定した。粒度分布測定は、粒径・粒度分布測定器(日機装株式会社製「マイクロトラックM T3000」)を用いて行った。D50は、累積体積が50%となる粒径であり、この値を体積平均粒径として用いた。
〔(002)面の面間隔d002
炭素質材料を試料ホルダーに充填し、「株式会社リガク製MiniFlexII」を用い、Niフィルターにより単色化したCuKα線を線源とし、X線回折図形を得た。X線回折図形のピーク位置は重心法(回折線の重心位置を求め、これに対応する2θ値でピーク位置を求める方法)により求め、標準物質用高純度シリコン粉末の(111)面の回折ピークを用いて補正した。CuKα線の波長を0.15418nmとし、以下に記すBraggの公式により面間隔d002を算出した。
[炭素質材料の製造]
〔実施例1〕
硫黄元素含有量が2質量%であり、融点が250℃であるリグニン18.0gを舟形坩堝に入れ、株式会社モトヤマ製環状炉(管径200mmφ×1800mm)に導入した。5L/分の流量で窒素を1時間導入して炉内を窒素置換し、室温から600℃まで昇温(昇温速度2.5℃/分)させ、600℃で1時間保持し、12時間かけて600℃から室温に自然放冷した後、炭素前駆体を取り出した(第一の炭化工程)。8.18gの炭素前駆体を得た(収率45.4質量%)。得られた炭素前駆体を、ミキサーミルで体積平均粒径8.13μmに粗粉砕した後、粉砕物7.06gおよびポリスチレン0.70gを混合して得た混合物を舟形坩堝に入れ、再び環状炉に導入した。5L/分の流量で窒素を1時間導入して炉内を窒素置換し、室温から1000℃まで昇温(昇温速度10℃/分)させ、1000℃で30分間保持し、12時間かけて室温まで冷却した後、炭素質材料を取り出した(第二の炭化工程)。6.37gの炭素質材料を得た(収率90.3質量%)。得られた炭素質材料の物性を表1に示す。
〔実施例2〕
第二の炭化工程の温度を1000℃から1200℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして炭素質材料を得た。収率は88.3質量%であった。得られた炭素質材料の物性を表1に示す。
〔実施例3〕
第二の炭化工程の温度を1000℃から1300℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして炭素質材料を得た。収率は86.9質量%であった。得られた炭素質材料の物性を表1に示す。
〔比較例1〕
ポリスチレンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして炭素質材料を得た。収率は98.4質量%であった。得られた炭素質材料の物性を表1に示す。
Figure 0007408410000006
[ドープ-脱ドープ試験]
実施例および比較例で得られた炭素質材料用いて、負極電極および非水電解質二次電池を作製し、性能の評価を行った。
〔負極電極の作製〕
炭素質材料95質量部、導電性カーボンブラック(TIMCAL製「Super-P(登録商標)」)2質量部、PVDF(株式会社クレハ製)3質量部およびNMP90質量部を混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、乾燥後プレスして、厚さ45μmの電極を得た。
〔非水電解質二次電池の作製〕
本発明の炭素質材料が非水電解質二次電池の負極電極を構成するのに適していることを示すため、下記手順により試験用の非水電解質二次電池を作製した。
電池活物質の放電容量(脱ドープ量)および不可逆容量(非脱ドープ量)を、対極の性能のバラツキに影響されることなく精度良く評価するために、特性の安定したリチウム金属を対極として用い、上記手順に従い作製した負極電極を用いて非水電解質二次電池を作製した。電解液としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:1:1となるように混合して得た溶媒に、電解質LiPFを溶解した溶液(濃度1mol/L)を用いた。セパレータとしては、ポリプロピレン膜を使用した。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内でコインセルを作製した。
〔電池初期充放電時の不可逆容量と充放電効率〕
上記構成の非水電解質二次電池について、充放電試験装置(株式会社東洋システム製「TOSCAT」)を用いて25℃にて充放電試験を行った。炭素極へのリチウムのドープ反応を定電流定電圧法により行い、脱ドープ反応を定電流法で行った。ここで、正極にリチウムカルコゲン化合物を使用した電池では、炭素極へのリチウムのドープ反応が「充電」であり、本発明の試験用電池のように対極にリチウム金属を使用した電池では、炭素極へのドープ反応が「放電」と呼ぶことになり、用いる対極により同じ炭素極へのリチウムのドープ反応の呼び方が異なる。そこで、ここでは、便宜上炭素極へのリチウムのドープ反応を「充電」と記述することにする。逆に「放電」とは試験用電池では充電反応であるが、炭素質材料からのリチウムの脱ドープ反応であるため便宜上「放電」と記述することにする。ここで採用した充電方法は定電流定電圧法であり、具体的には初期直流抵抗(Ω)を測定した後に端子電圧が0mVになるまで0.5mA/cmで定電流充電を行い、端子電圧を0mVに達した後、端子電圧0mVで定電圧充電を行い電流値が20μAに達するまで充電を継続した。このときの充電全容量を電極の炭素質材料の質量で除した値を、炭素質材料の単位質量当たりの充電容量(mAh/g)と定義する。充電終了後、30分間電池回路を開放し、その後放電を行った。放電は0.5mA/cmで定電流放電を行い、終止電圧を1.5Vとした。このとき放電した電気量を電極の炭素質材料の質量で除した値を、炭素質材料の単位質量当たりの放電容量(mAh/g)と定義する。充電容量に対する放電容量の比を、充放電効率(%)と定義し、電池内におけるリチウムイオンの利用効率の指標とした。結果を表2にまとめる。
Figure 0007408410000007
表2に示されている通り、本発明の炭素質材料を使用することにより、放電容量、充放電効率、初期抵抗に優れた電池を製造できることが分かる。また、本発明の炭素質材料は少ない工程で製造できた。
一方、比較例1の炭素質材料は、充放電効率および初期抵抗に劣る電池しかもたらさないことが分かる。
本発明の炭素質材料は少ない工程で製造でき、また該炭素質材料を使用した電極を用いた電池は、放電容量、充放電効率、低抵抗性に優れている。従って、様々な電池に適用できる可能性がある。

Claims (11)

  1. 硫黄元素含有量は0.8質量%以上であり、BET法により求めた比表面積は40m/g以下であり、ブタノール法により求めた真密度は1.48g/cm以上1.62g/cm以下であり、六角網面積層方向Lcの大きさは11Å以下である、炭素質材料。
  2. 硫黄元素含有量は0.8質量%以上であり、BET法により求めた比表面積は40m /g以下であり、ブタノール法により求めた真密度は1.48g/cm 以上1.62g/cm 以下であり、リグニンに由来する、炭素質材料。
  3. 前記炭素質材料の六角網面積層方向Lcの大きさは11Å以下である、請求項2に記載の炭素質材料。
  4. 前記炭素質材料の酸素元素含有量は1.7質量%以下である、請求項1~3のいずれかに記載の炭素質材料。
  5. 前記炭素質材料の体積平均粒径は2μm以上20μm以下である、請求項1~のいずれかに記載の炭素質材料。
  6. CuKα線を用いて測定される前記炭素質材料の(002)面の面間隔d002は3.8Å以上である、請求項1~のいずれかに記載の炭素質材料。
  7. 硫黄元素含有量が0.1質量%以上であり、融点が210℃以上のリグニンを炭化して、炭素前駆体を得る第一の炭化工程と、
    前記炭素前駆体とコーティング剤との混合物を非酸化性ガス雰囲気下900℃以上1400℃以下の温度で炭化して炭素質材料を得る第二の炭化工程と
    を含む、請求項1~のいずれかに記載の炭素質材料の製造方法。
  8. 前記炭素前駆体を20μm以下の体積平均粒径に粉砕する粉砕工程を更に含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記第一の炭化工程は、前記リグニンを非酸化性ガス雰囲気下300℃以上800℃以下の温度で加熱することを含む、請求項またはに記載の方法。
  10. 請求項1~のいずれかに記載の炭素質材料を含む、電極。
  11. 請求項10に記載の電極を含む、電池。
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