JP2021060074A

JP2021060074A - 電磁弁

Info

Publication number: JP2021060074A
Application number: JP2019184298A
Authority: JP
Inventors: 勝之井藤; Katsuyuki Ito; 敦史加藤; Atsushi Kato; 聖士井口; Seiji Iguchi; 航平吉野; Kohei Yoshino
Original assignee: CKD Corp
Current assignee: CKD Corp
Priority date: 2019-10-07
Filing date: 2019-10-07
Publication date: 2021-04-15
Anticipated expiration: 2039-10-07
Also published as: TWI746180B; JP7339839B2; EP3805621B1; CN112696523A; KR20210041487A; KR20220052891A; EP3805621B8; TW202118962A; EP3805621A1

Abstract

【課題】電磁弁を一千万回繰り返し使用したときでも、板バネが疲労破壊することのない電磁弁を提供すること。【解決手段】ボディ・パイプ組立体３は、スタッフィング鍔部４３を備え、コイル組立体２は、コア鍔部３４を備え、板バネ部９３、９６は、スタッフィング鍔部４３と、コア鍔部３４との間に装着されていること、クリップ９１は、先端が開口された円形内周９２ａと円形内周９５ａを各々備えるクリップ本体片９２、９５と、先端が開口された板バネ部９３、９６と、クリップ本体片９２、９５の後端と板バネ部９３、９６の後端とを各々連結する連結部９４、９９とを備えること、クリップ９１のクリップ本体片９２、９５が、スタッフィング鍔部４３の下面と当接していること、板バネ部９３、９６は各々当接部９３ａ、９６ａを備え、当接部９３ａ、９６ａが、各々コア鍔部３４の上面に当接していること。【選択図】図８

Description

本発明は、中空円筒形状のソレノイド部と、可動鉄心と、弁体とを有する電磁弁であって、ソレノイド部へ通電することにより、可動鉄心を吸引して弁体を移動させる電磁弁であって、ソレノイド部を有するコイル組立体と、可動鉄心が摺動する摺動内面を備えたパイプを有しボディに組み付けられたボディ・パイプ組立体とが、横方向から装着されるクリップにより固定され、クリップは、コイル組立体を前記ボディ・パイプ組立体方向に付勢する板バネ部を有する電磁弁に関するものである。

特許文献２の図７〜図１０では、駆動装置（コイル組立体）に軸部を挿入しつつ、駆動装置と弁本体を嵌合し、弾性のある膜部の外縁部を変形させた状態で、駆動装置の第２取付孔と弁本体の第１取付孔にバネ性のないコの字状のピン部材を挿入するため、駆動装置と弁本体は、互いに離間する方向に、弾性部材（弾性のある膜部）により付勢されている。
しかしながら、特許文献２に記載の電磁弁には、次の問題があった。
すなわち、固定具であるピン部材の他に、弾性部材を必要とするため、部品点数が多くなる問題が解決されていない。
また、駆動装置に、軸部を挿入したときに、弾性部材を弾性変形させた状態で、ピンを挿入しなければならないが、ピンが挿入できないときに、どちらの方向に駆動装置を移動させれば、ピンが挿入できるのか、外部からは見えないため、ピンを挿入する作業が煩雑であった。

本出願人は、上記課題を解決することを目的として、特許文献１の電磁弁を提案した。
すなわち、図１５、図１６に示すように、中空円筒形状のコイルモールド部へ通電することにより、プランジャを吸引して弁体を移動させる電磁弁において、コイルモールド部を有するコイル組立体と、プランジャが摺動内面を摺動するフレアパイプを有しボディに組み付けられたボディ・パイプ組立体とが、横方向から装着されるクリップ１９１により固定されること、クリップ１９１は、クリップ本体１９２と、コイル組立体をボディ・パイプ組立体方向に付勢する板バネ１９３を有すること、板バネ１９３は、コイル組立体の一部１３４とボディ・パイプ組立体の一部１４３を各々が離間する方向に付勢していること、を技術的特徴とする。

特開2018-179120号公報特許第5819550号公報

しかしながら、特許文献１の技術には、次のような問題があった。
すなわち、クリップ１９１の板バネ１９３は、コイル組立体をボディ・パイプ組立体方向に付勢しているが、コイル組立体をボディ・パイプ組立体に均一に押し当てるために、４個の板バネ１９３が、電磁弁（フレアパイプ）の中心線に対して、対称的に配置されている。４個の板バネ１９３をクリップ本体１９２と並行に配置するため、１つ１つの板バネ１９３は、図１５に示すように、幅が１ｍｍ以下の細い板バネ材で形成されている。また、大きなウォーターハンマーが発生してフレアパイプが伸びることにより、板バネ１９３にかかる荷重が大きくなる場合があった。
そのため、電磁弁を数十万回、または数百万回繰り返し使用したときに、板バネ１９３が、疲労破壊する恐れがあった。

本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、電磁弁を一千万回繰り返し使用したときでも、板バネが疲労破壊することのない電磁弁を提供することを目的とする。

本発明の電磁弁は、上記課題を解決するために、次のような構成を有している。
（１）中空円筒形状のソレノイド部と、可動鉄心と、弁体とを有し、ソレノイド部へ通電することにより、可動鉄心を吸引して弁体を移動させる電磁弁であって、ソレノイド部を有するコイル組立体と、可動鉄心が摺動する摺動内面を備えたパイプを有しボディに組み付けられたボディ・パイプ組立体とが、横方向から装着されるクリップにより固定され、クリップは、コイル組立体をボディ・パイプ組立体方向に付勢する板バネ部を有する電磁弁において、ボディ・パイプ組立体は、取付けのためのスタッフィングがスタッフィング鍔部を備え、コイル組立体は、ソレノイド部を取り囲んで磁気回路を形成する磁性体コアがコア鍔部を備え、板バネ部は、スタッフィング鍔部と、コア鍔部との間に装着されていること、クリップは、先端が開口された円形内周を備えるクリップ本体と、先端が開口された板バネ部と、クリップ本体の後端と板バネ部の後端とを連結する連結部とを備えること、クリップのクリップ本体が、スタッフィング鍔部と当接していること、板バネ部は当接部を備え、当接部が、コア鍔部に当接していること、を特徴とする。

（２）（１）に記載する電磁弁において、クリップ本体は、中央部で分断され、一対のクリップ本体片を備えることを特徴とする。
（３）（１）または（２）に記載する電磁弁において、ソレノイド部の中心線を基準として、一方側と他方側に分割したときに、連結部が一方側に位置し、板バネ部の当接部が他方側に位置することを特徴とする。

本発明の電磁弁は次のような作用・効果を有している。
（１）中空円筒形状のソレノイド部と、可動鉄心と、弁体とを有し、ソレノイド部へ通電することにより、可動鉄心を吸引して弁体を移動させる電磁弁であって、ソレノイド部を有するコイル組立体と、可動鉄心が摺動する摺動内面を備えたパイプを有しボディに組み付けられたボディ・パイプ組立体とが、横方向から装着されるクリップにより固定され、クリップは、コイル組立をボディ・パイプ組立体方向に付勢する板バネ部を有する電磁弁において、ボディ・パイプ組立体は、取付けのためのスタッフィングがスタッフィング鍔部を備え、コイル組立体は、ソレノイド部を取り囲んで磁気回路を形成する磁性体コアがコア鍔部を備え、板バネ部は、スタッフィング鍔部と、コア鍔部との間に装着されていること、クリップは、先端が開口された円形内周を備えるクリップ本体と、先端が開口された板バネ部と、クリップ本体の後端と板バネ部の後端とを連結する連結部とを備えること、クリップのクリップ本体が、スタッフィング鍔部と当接していること、板バネ部は当接部を備え、当接部が、コア鍔部に当接していること、を特徴とするので、特許文献１では、クリップ本体１９２と板バネ１９３とが、同じ平面上で並行に配置されていたが、本発明では、高さ方向に上下位置に配置されることにより、板バネの幅を３〜５ｍｍ程度と大きくすることができるため、板バネの疲労強度を増加することができ、一千万回の使用によっても、板バネが疲労破壊する恐れがない。

（２）（１）に記載する電磁弁において、クリップ本体は、中央部で分断され、一対のクリップ本体片を備えることを特徴とするので、右クリップ本体片と右板バネ部と、左クリップ本体と左板バネ部とが、分離されているため、互いのバネ作用において独立して作用するため、全体のバネ作用を均一にでき、板バネが安定してコイル組立体をボディ・パイプ組立体方向に付勢することができる。
（３）（１）または（２）に記載する電磁弁において、ソレノイド部の中心線を基準として、一方側と他方側に分割したときに、連結部が一方側に位置し、板バネ部の当接部が他方側に位置することを特徴とするので、板バネのバネ力が常にクリップが抜ける方向（連結部の方向）と逆向きに作用するため、電磁弁を一千万回使用していてもクリップが抜け出ることがなく、板バネが安定してコイル組立体をボディ・パイプ組立体方向に付勢することができる。

図３のＡＡ断面図である。図３のＢＢ断面図である。本発明の一実施の形態である電磁弁の斜視図である。コイル・コア組立体の構成の一部を示す分解斜視図である。ボディ・パイプ組立体の構成を示す分解斜視図である。コイル組立体の斜視図である。ボディ・パイプ組立体の完成図（ネジを省略して記載している）である。コイル組立体とボディ・パイプ組立体との連結構造、及び組立方法を示す図である。クリップの斜視図である。クリップの平面図である。クリップの側面図である。クリップをボディ・パイプ組立体とコイル組立体に挿入した状態を示す図である。クリップの挿入状態を示す平断面図である。クリップの挿入状態を示す側断面図である。従来のクリップの挿入状態を示す平断面図である。従来のクリップの挿入状態を示す側面図である。

本発明の電磁弁１の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図３は、本発明の一実施形態に係る電磁弁１の斜視図である。図１は、図３のＡＡ断面図であり、図２は、図３のＢＢ断面図である。
また、図４に、コイル・コア組立体の構成の一部を分解斜視図で示し、図５に、ボディ・パイプ組立体の構成を分解斜視図で示す。
図１、図２、及び図４に示すように、コイル・コア組立体は、側面視で略逆Ｕ字形状の上部コア１０、内部に巻き線コイル２３が樹脂によりモールドされているコイルモールド部２０（ソレノイド部の一例）、及び下部コア３０を有する。上部コア１０、及び下部コア３０（磁性体コアの一例）は、強磁性体材料から成り、磁気回路の一部を構成する。
上部コア１０のほぼ矩形状の上板部１１の中央には、下方向に向けて有底円筒状に突出した突出部１２（固定鉄心の一例）が形成されている。また、上板部１１には、４本の側面板部１３が下方に連設されている。

図４に示すように、コイルモールド部２０は、樹脂製で中空形状のコイルボビン２４の外周にコイル２３を巻き線した後、コイル２３の巻かれたコイルボビン２４をインサート成形することにより、モールド部２１を形成している。
上部コア１０の突出部１２は、コイルモールド部２０の中空部を形成するコイルボビン２４の中空孔２４Ａに対して上面側から挿入されている。
下部コア３０のほぼ矩形状の底板部３１の中央には、上方向に向けて円筒状に突出した突出部３２が形成されている。底板部３１の対抗する２辺の各々には、側面板部３３が上方向に向けて（上部コア１０の側面板部１３に向けて）延設されている。側面板部３３の形成されていない２辺には、図２に示すように、断面が横向きのＵ字状の一対のコア鍔部３４が形成されている。一対のコア鍔部３４は、内側に向けて開口している。
下部コア３０の突出部３２は、コイルボビン２４の中空孔２４Ａに対して底面側から挿入されている。
コイルモールド部２０を上部コア１０と下部コア３０で挟み込んだ状態で、側面板部１３の先端を側面板部３３と溶接接合することにより、コイル・コア組立体が完成する。
そして、コイル・コア組立体をインサート成形してモールド部８１を形成することにより、図６に示すコイル組立体２が完成する。

次に、ボディ・パイプ組立体３について説明する。
図１、図２、図５に示すように、固定具であるスタッフィング４０がボディ７０に対して、フレアパイプ５０とＯリング６９を挟み込んだ状態で図示しない４本のネジにより締結される。
スタッフィング４０は、略正方形板状で、４隅にネジ穴４５が形成されている。中央部は、全周に渡って上向きに突出した側板４２を備え、側板４２の先端は、全周に渡って外周方向に向かって折り曲げられたスタッフィング鍔部４３を備えている。

フレアパイプ５０は、上面５５により塞がれた中空状の円筒部５１を備え、拡径部５２により拡径された大径部５３を備えている。拡径部５２は、円筒部５１及び大径部５３に対して各々直交して形成されており、円筒部５１と大径部５３とは、平行に形成されている。
大径部５３の下端には、外側に向かって拡がる鍔部５４が備えられている。フレアパイプ５０は、磁性体材料から成形され、磁気回路の一部を構成している。大径部５３の内部には、円筒形状の圧縮バネ５９が収納されている。

可動鉄心であるプランジャ６０は、強磁性体材料から成るプランジャ本体６１を備える。プランジャ本体６１の上面の中央にゴム孔が形成され、ゴム孔には、静音ゴム６４が上面より突出して装着されている。静音ゴム６４は、プランジャ６０が、突出部１２に吸引されたときに、フレアパイプ５０の上面５５の裏面に衝突して発生する衝突音を低減させるためのものである。
プランジャ本体６１の外側面の上部には、樹脂製の上部ウエアリング６３が径方向外側に向かって、一定の間隔をおいて突出して形成されている。プランジャ本体６１の上面には、軸心方向外側（図において上側）に向って複数の突起が形成されている樹脂製のリング６３ａが、上部ウエアリング６３に一体に成形されている。これにより、プランジャ６０の吸着時に、プランジャ本体６１とフレアパイプ５０の上面５５の裏面の間にスペースを確保することができるため、静音ゴム６４の逃げ場ができるとともに、プランジャ本体６１の復帰特性を向上させている。

図１に示すように、プランジャ本体６１の下部には、樹脂製の弁体保持部６８が一体成形されている。弁体保持部６８の上部外周には、対向するフレアパイプ５０の円筒部５１の下端より上側の位置に、下部ウエアリング６５が径方向外側に向かって突出して形成されている。
上記のように径方向外側に向って突出する上部ウエアリング６３と下部ウエアリング６５が、円筒部５１の内周面５１ａに接触しているため、プランジャ本体６１の外周面６１ａと円筒部５１の内周面５１ａとの間には、図には明示されていないが、０．２ｍｍ程度の隙間が形成されている。

これにより、プランジャ本体６１の外周面６１ａは、円筒部５１の内周面５１ａに接触することはないため、動作時にプランジャ本体６１と円筒部５１が摺動せず、繰り返しの動作によって摺動面が劣化したり、摩耗粉が発生して、摺動抵抗が上がって動作不良が発生したりすることを防止しているのである。
また、この隙間は、プランジャ本体６１の外周面６１ａから円筒部５１の内周面５１ａに横流れする磁束の磁気抵抗となるので、円筒部５１の内周面５１ａとプランジャ本体６１の外周面６１ａとの間の吸引力を低減している。
弁体保持部６８は、その外周下端部に、径方向外側に突出した鍔部６７を備えている。また、弁体保持部６８の内側には空間部６６が形成されており、空間部６６には、ゴム製の弁体７５が装着されている。

図１に示すように、ボディ７０には、第１流路７１、第２流路７２が設けられている。第１流路７１と第２流路７２とは、弁孔により連通されており、弁孔には、弁座７３が備えられている。弁体７５が弁座７３に当接することにより、第１流路７１と第２流路７２が遮断され、弁体７５が弁座７３から離間することにより、第１流路７１と第２流路７２が連通する。
プランジャ６０は、上部ウエアリング６３と下部ウエアリング６５を介して、フレアパイプ５０内に摺動可能に保持されている。圧縮バネ５９の上端がフレアパイプ５０に圧入されたバネ受け６２の下面６２ａに当接し、圧縮バネ５９の下端がプランジャ６０の鍔部６７に当接している。圧縮バネ５９により、プランジャ６０は、弁体７５が弁座７３に当接する方向に付勢されている。

ここで、バネ受け６２と圧縮バネ５９との当接面が、円筒部５１及び大径部５３に対して、各々直交して形成されているため、圧縮バネ５９がバネ受け６２の下面６２ａに安定して当接するので、圧縮バネ５９の付勢力を安定させ、プランジャ６０の動きを安定させることができる。また、弁体７５が弁座７３に安定して当接することができ、安定したシール力を発揮することができる。また、圧縮バネ５９がプランジャ６０と円筒部５１の隙間に入り込んで動作不良を起こす可能性があるため、圧縮バネ５９の位置を安定させる必要もある。
スタッフィング４０がボディ７０に対して、フレアパイプ５０とＯリング６９を挟み込んだ状態で図示しない４本のネジにより締結されることにより、図７（ネジを省略して記載している。）に示すボディ・パイプ組立体３が完成する。

次に、コイル組立体２とボディ・パイプ組立体３との連結構造、及び組立方法を図８〜図１４に基づいて説明する。図８は、コイル組立体２とボディ・パイプ組立体３との連結構造、組立方法を示す図である。図９は、クリップ９１の斜視図であり、図１０は、クリップ９１の平面図であり、図１１は、クリップ９１の側面図である。また、図１２は、クリップ９１をボディ・パイプ組立体３とコイル組立体２に挿入した状態を示す図である。図１３は、クリップ９１の挿入状態を示す平断面図であり、図１４は、クリップ９１の挿入状態を示す側断面図である。
ボディ・パイプ組立体３のフレアパイプ５０を、コイル組立体２の中空孔２４Ａに下面から挿入する。そして、クリップ９１を差し込んで、コイル組立体２とボディ・パイプ組立体３とを連結する。本実施形態において、クリップ９１は、１ｍｍ程度の厚さのバネ用ステンレス鋼板をプレス加工し、曲げ加工したものである。

図８〜図１１に示すように、クリップ９１は、先端が開口された一対の左クリップ本体片９２と、右クリップ本体片９５を備える。一対の左クリップ本体片９２と、右クリップ本体片９５により、請求項１に記載されているクリップ本体が構成されている。左クリップ本体片９２の内周面には、円形内周９２ａが形成され、右クリップ本体片９５の内周面には、円形内周９５ａが形成されている。また、左クリップ本体片９２に対応する位置に左板バネ部９３を備え、右クリップ本体片９５に対応する位置に右板バネ部９６を備えている。
左クリップ本体片９２の後端と左板バネ部９３の後端とは、Ｕ字形状に折り曲げられた連結部９９により連結され、右クリップ本体片９５の後端と右板バネ部９６の後端とは、Ｕ字形状に折り曲げられた連結部９４により連結されている。
また、連結部９４と連結部９９とは、切欠き部９８により分断されており、切欠き部９８には、外側に延設して取手部９７が形成されている。取手部９７の先端は、上側に曲げられ引掛け部９７ａが形成されている。電磁弁１を分解するためにクリップ９１を取り外すときに、引掛け部９７ａに治具を係合させて引き抜くことにより、クリップ９１を容易に取り外すことができる。

また、図１２〜図１４に示すように、クリップ９１の左クリップ本体片９２と右クリップ本体片９５の上面が、スタッフィング鍔部４３の下面と当接している。左板バネ部９３と右板バネ部９６は、下向き円弧形状の当接部９３ａと当接部９６ａを各々備え、当接部９３ａと当接部９６ａは各々、コア鍔部３４の上面に当接している。左板バネ部９３と右板バネ部９６の横幅は、本実施の形態では、約４．５ｍｍとしている。従来は、０．８ｍｍであったので、幅を５倍以上とすることにより、繰り返し荷重に対する耐久性を大幅に向上させることができている。
左板バネ部９３と右板バネ部９６は、図１４に示すように、挿入時に左クリップ本体片９２と、右クリップ本体片９５に近づく方向に変形して挿入されており、上下方向でバネ性を有し、スタッフィング鍔部４３とコア鍔部３４とを各々が離間する方向に付勢している。この左板バネ部９３と右板バネ部９６の付勢力により、コイル組立体２とボディ・パイプ組立体３とが連結されている。
本実施の形態では、一対の左板バネ部９３と右板バネ部９６の合計で約５０Ｎの付勢力としている。

図１４に示すように、左板バネ部９３の当接部９３ａ、及び右板バネ部９６の当接部９６ａがコア鍔部３４の上面に当接している位置は各々、ソレノイド部（コイル２３、コイルボビン２４）の中心線ＣＬより距離Ｗだけ、連結部９４、連結部９９と反対側に位置している。
すなわち、ソレノイド部（コイル２３、コイルボビン２４）の中心線を基準として、一方側と他方側に分割したときに、連結部９４が一方側に位置し、左板バネ部９３の当接部９３ａ、及び右板バネ部９６の当接部９６ａが他方側に位置するよう配置されている。
その理由は、クリップ９１の左板バネ部９３と右板バネ部９６がコア鍔部３４から受ける反力が、常に連結部９４、連結部９９とは反対向きに作用するため、クリップ９１が抜ける方向と反対の方向に作用し、クリップ９１が抜け落ちるのを防止するためである。

以上詳細に説明したように、本実施の形態の電磁弁１によれば、（１）中空円筒形状のコイルモールド部２０（コイル２３、コイルボビン２４）と、プランジャ６０と、弁体７５とを有し、ソレノイド部へ通電することにより、プランジャ６０を吸引して弁体７５を移動させる電磁弁１であって、コイルモールド部２０を有するコイル組立体２と、プランジャ６０が摺動する内周面５１ａを備えたフレアパイプ５０を有しボディ７０に組み付けられたボディ・パイプ組立体３とが、横方向から装着されるクリップ９１により固定され、クリップ９１は、コイル組立体２をボディ・パイプ組立体３方向に付勢する左板バネ部９３、右板バネ部９６を有する電磁弁において、ボディ・パイプ組立体３は、取付けのためのスタッフィング４０がスタッフィング鍔部４３を備え、コイル組立体２は、コイルモールド部２０を取り囲んで磁気回路を形成する磁性体コア（下部コア３０）がコア鍔部３４を備え、左板バネ部９３、右板バネ部９６は、スタッフィング鍔部４３と、コア鍔部３４との間に装着されていること、クリップ９１は、先端が開口された円形内周９２ａと円形内周９５ａを各々備える左クリップ本体片９２と右クリップ本体片９５と、先端が開口された左板バネ部９３、及び右板バネ部９６と、左クリップ本体片９２、右クリップ本体片９５の後端と左板バネ部９３、右板バネ部９６の後端とを各々連結する連結部９４、連結部９９とを備えること、クリップ９１の左クリップ本体片９２と右クリップ本体片９５が、スタッフィング鍔部４３の下面と当接していること、左板バネ部９３、右板バネ部９６は各々当接部９３ａ、当接部９６ａを備え、当接部９３ａ、当接部９６ａが、各々コア鍔部３４の上面に当接していること、を特徴とするので、特許文献１では、クリップ本体１９２と板バネ１９３とが、同じ平面上で並行に配置されていたが、本発明では、高さ方向に上下位置に配置されることにより、左板バネ部９３、右板バネ部９６の幅を３〜５ｍｍ程度と大きくすることができるため、板バネの疲労強度を増加することができ、一千万回の使用によっても、板バネが疲労破壊する恐れがない。

（２）（１）に記載する電磁弁において、クリップ本体は、中央部で分断され、一対の左クリップ本体片９２と右クリップ本体片９５を備えることを特徴とするので、左クリップ本体片９２と左板バネ部９３と、右クリップ本体片９５と右板バネ部９６とが、分離されているため、互いのバネ作用において独立して作用するため、全体のバネ作用を均一にでき、左板バネ部９３と右板バネ部９６が安定してコイル組立体２をボディ・パイプ組立体３方向に付勢することができる。

（３）（１）または（２）に記載する電磁弁において、コイルモールド部２０（コイル２３、コイルボビン２４）の中心線を基準として、一方側と他方側に分割したときに、連結部９４、連結部９９が一方側に位置し、左板バネ部９３の当接部９３ａ、及び右板バネ部９６の当接部９６ａが他方側に位置することを特徴とするので、左板バネ部９３と右板バネ部９６のバネ力が常にクリップ９１が抜ける方向（連結部９４、連結部９９の方向）と逆向きに作用するため、電磁弁１を一千万回使用していてもクリップ９１が抜け出ることがなく、左板バネ部９３と右板バネ部９６が安定してコイル組立体２をボディ・パイプ組立体３方向に付勢することができる。

以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、本実施の形態に限定されることなく、様々な応用が可能である。
例えば、本実施例では、連結部９４、連結部９９をＵ字形状にしているが、９０度角形状としても良い。

１電磁弁
２コイル組立体
３ボディ・パイプ組立体
２０コイルモールド部
４０スタッフィング
５０フレアパイプ
６０プランジャ
９１クリップ
９２左クリップ本体片
９３左板バネ部
９３ａ当接部
９４、９９連結部
９５右クリップ本体片
９６右板バネ部
９６ａ当接部

Claims

中空円筒形状のソレノイド部と、可動鉄心と、弁体とを有し、前記ソレノイド部へ通電することにより、前記可動鉄心を吸引して前記弁体を移動させる電磁弁であって、前記ソレノイド部を有するコイル組立体と、前記可動鉄心が摺動する摺動内面を備えたパイプを有しボディに組み付けられたボディ・パイプ組立体とが、横方向から装着されるクリップにより固定され、前記クリップは、前記コイル組立体を前記ボディ・パイプ組立体方向に付勢する板バネ部を有する電磁弁において、
前記ボディ・パイプ組立体は、取付けのためのスタッフィングがスタッフィング鍔部を備え、
前記コイル組立体は、前記ソレノイド部を取り囲んで磁気回路を形成する磁性体コアがコア鍔部を備え、
前記板バネ部は、前記スタッフィング鍔部と、前記コア鍔部との間に装着されていること、
前記クリップは、先端が開口された円形内周を備えるクリップ本体と、先端が開口された板バネ部と、前記クリップ本体の後端と前記板バネ部の後端とを連結する連結部とを備えること、
前記クリップのクリップ本体が、前記スタッフィング鍔部と当接していること、
前記板バネ部は当接部を備え、前記当接部が、前記コア鍔部に当接していること、
を特徴とする電磁弁。
請求項１に記載する電磁弁において、
前記クリップ本体は、中央部で分断され、一対のクリップ本体片を備えることを特徴とする電磁弁。
請求項１または請求項２に記載する電磁弁において、
前記ソレノイド部の中心線を基準として、一方側と他方側に分割したときに、前記連結部が一方側に位置し、前記板バネ部の当接部が他方側に位置することを特徴とする電磁弁。