JP2021059917A - スペーサ - Google Patents

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利弘 森
Toshihiro Mori
利弘 森
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Abstract

【課題】掘削孔に対する鉄筋籠の配置ずれを抑制することができるスペーサを提供する。【解決手段】スペーサ1は、掘削孔30に建込む鉄筋籠20に取り付けられる。スペーサ1は、鉄筋籠20から径方向の外側に向かって延設された突出部11を有し、突出部11の先端部を掘削孔30の孔壁31に接触させながら鉄筋籠20を掘削孔30に建込む過程において、突出部11は鉄筋籠20と孔壁31との間の距離に応じて径方向の寸法を変化させるように弾性力をもって姿勢変更される。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄筋籠に取り付けられるスペーサに関する。
場所打ち杭工法において、鉄筋籠のコンクリートの被り厚さを確保するために、鉄筋籠に取り付けられるスペーサが知られている(特許文献1)。このスペーサは、鉄筋籠から径方向の外側に突出する略台形状に形成されていた。
特開2003−232034号公報
鉄筋籠を建込む掘削孔は、上部から下部まで同一径で形成されるとは限らず、孔壁には計画以上に外側に抉り取られた部分(以下、「窪み領域」ともいう。)等が形成されることもある。例えば、上記したスペーサが窪み領域に対応して配置された場合、スペーサは孔壁に接触しないため、鉄筋籠が窪み領域側にずれた状態で掘削孔に配置される虞があった。仮に、鉄筋籠を掘削孔の略中央に配置したとしても、流し込むコンクリートの圧力で、鉄筋籠が窪み領域側にずれてしまう虞があった。このように、鉄筋籠が掘削孔にずれて配置されると、窪み領域以外の領域においてコンクリートの被り厚さが不足する虞があった。
本発明は、上記課題を解決するために、掘削孔に対する鉄筋籠の配置ずれを抑制することができるスペーサを提供する。
上記した目的を達成するため、本発明は、掘削孔に建込む鉄筋籠に取り付けられるスペーサであって、前記鉄筋籠から径方向の外側に向かって延設された突出部を有し、前記突出部の先端部を前記掘削孔の孔壁に接触させながら前記鉄筋籠を前記掘削孔に建込む過程において、前記突出部は前記鉄筋籠と前記孔壁との間の距離に応じて径方向の寸法を変化させるように弾性力をもって姿勢変更される。
この場合、前記突出部は、それ自身が弾性力をもって撓むことで姿勢変更されることが好ましい。
また、この場合、前記突出部は、前記鉄筋籠との接続部の弾性変形によって姿勢変更されることが好ましい。
この場合、前記突出部の基端部に設けられ、弾性力をもって前記突出部を回動可能に支持するヒンジ部を更に有していることが好ましい。
この場合、前記鉄筋籠に接近する方向に変形した前記突出部の先端部が前記鉄筋籠に接触することを規制するストッパを更に有していることが好ましい。
この場合、前記鉄筋籠に固定され、前記鉄筋籠から径方向の外側に向かって突設された補助突出部を更に有し、前記突出部は、前記補助突出部から径方向の外側に向かって突設され、前記補助突出部との接続部の弾性変形によって姿勢変更されることが好ましい。
この場合、前記突出部は、前記鉄筋籠から水平または斜め上方に延設されていることが好ましい。
本発明によれば、掘削孔に対する鉄筋籠の配置ずれを抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るスペーサを取り付けた鉄筋籠を掘削孔に建込む様子を示す概略図(側面図)である。 本発明の第1実施形態に係るスペーサを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るスペーサを取り付けた鉄筋籠を掘削孔に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。 本発明の第1実施形態の変形例に係るスペーサを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るスペーサを示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るスペーサを取り付けた鉄筋籠を掘削孔に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。 本発明の第3実施形態の変形例に係るスペーサを取り付けた鉄筋籠を掘削孔に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。 本発明の第4実施形態に係るスペーサを取り付けた鉄筋籠を掘削孔に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係るスペーサ等を示す側面図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係るスペーサ等を示す平面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示す「U」は「上」を示し、「Lo」は「下」を示し、「D」は径方向を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、スペーサ1および場所打ち杭に用いられる鉄筋籠20について説明する。図1はスペーサ1を取り付けた鉄筋籠20を掘削孔30に建込む様子を示す概略図(側面図)である。図2はスペーサ1を示す斜視図である。
図1に示すように、スペーサ1は、鉄筋籠20に複数取り付けられる。鉄筋籠20は、例えば、アースドリル工法によって掘削された掘削孔30に建込まれ(挿入され)、コンクリートを打ち込むことで場所打ち杭として使用される。複数のスペーサ1は、鉄筋籠20と掘削孔30の孔壁31との間に空間を形成するものであって、計画された(設計上必要な)コンクリートの被り厚さを確保するために設けられる。
[鉄筋籠]
鉄筋籠20は、略円筒状に形成されている。図1に示すように、鉄筋籠20は、複数の主筋21と、複数のフープ筋22と、を有している。複数の主筋21は、直線状に形成され、円周方向に間隔をおいて略平行に配置されている。フープ筋22は、複数の主筋21の外周を囲むように円環状に形成され、主筋21に結束線等によって固定されている。複数のフープ筋22は、主筋21の軸方向(上下方向)に間隔をおいて略平行に配置されている。
[スペーサ]
図1に示すように、スペーサ1は、鉄筋籠20の外側に複数取り付けられている。複数のスペーサ1は、鉄筋籠20の円周方向に所定の間隔で設けられ、且つ鉄筋籠20の軸方向に所定の間隔で設けられている。なお、図面上では、鉄筋籠20の左右両側に取り付けられたスペーサ1のみを図示している。また、複数のスペーサ1は、同一構造であるため、以下、1つのスペーサ1について説明する。また、本明細書では、スペーサ1を鉄筋籠20に取り付けた状態(姿勢)を基準として、スペーサ1の向き(方向)、位置、姿勢等を説明する。
図2に示すように、スペーサ1は、固定部10と、突出部11と、を有している。固定部10と突出部11とは、例えば、一枚の鉄板を曲げ加工する等して一体に形成されている。
<固定部>
固定部10は、径方向から見て鉄筋籠20の主筋21に沿って延びた略矩形状に形成されている。固定部10は、主筋21に対して溶接等の手段によって固定されている。
<突出部>
突出部11は、平面から見て略矩形状に形成されている。突出部11は、固定部10の上端部に連設され、固定部10の上端部(鉄筋籠20)から径方向の外側に向かって斜め上方に延設されている。突出部11は平板状に形成されており、突出部11の先端部は上方に向かって略180度折り返されている。つまり、突出部11の先端部は丸められている。なお、突出部11の先端部は、下方に向かって折り返されてもよい(図示せず)。
突出部11は、自身の形状および素材の特性によって、板バネのように上下方向に弾性変形する。換言すれば、突出部11は、それ自身が弾性力をもって撓むことで上下方向に姿勢変更される。また、突出部11は、固定部10(鉄筋籠20)との接続部23(第1実施形態では固定部10と突出部11との屈曲部分または境界部分)の弾性変形によって姿勢変更される。弾性変形していない状態(突出部11の先端が最も鉄筋籠20から離れた状態)における突出部11の径方向の最大寸法は、鉄筋籠20と掘削孔30の孔壁31との間の最大距離(想定値)よりも長く設定されている。また、上方に弾性変形して最も鉄筋籠20に接近した状態における突出部11の径方向の最小寸法は、設計上必要なコンクリートの被り厚さよりも長く設定されている。
[場所打ち杭の構築方法]
次に、図1および図3を参照して、場所打ち杭の構築方法について説明する。図3はスペーサ1を取り付けた鉄筋籠20を掘削孔30に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。
例えば、アースドリル工法を用いて、地盤を掘削し、所定径の円柱形状の掘削孔30を形成する(図1参照)。ところで、掘削孔30は上部から下部まで同一径となるように形成されることが好ましいが、実際には、図3に示すように、掘削孔30の一部において計画以上の直径(設計上の直径よりも大径)に形成されることがある。つまり、掘削孔30の孔壁31には、計画以上に外側に抉り取られる部分(窪み領域31B)が形成されることがある。
続いて、図1に示すように、複数のスペーサ1を取り付けた鉄筋籠20を、クレーン等で吊り下げて掘削孔30に挿入する。詳細には、鉄筋籠20は、その軸心(中心)を掘削孔30の孔心(中心)に合わせて垂直に挿入される(建込まれる)。鉄筋籠20を掘削孔30に挿入する際、スペーサ1の突出部11の先端部は孔壁31に接触する。突出部11の先端部を掘削孔30の孔壁31に接触させながら鉄筋籠20を掘削孔30に建込む過程において、突出部11は、鉄筋籠20と孔壁31との間の距離に応じて径方向の寸法を変化させるように弾性力をもって姿勢変更される。
具体的には、図3に示すように、孔壁31の窪み領域31B以外の領域(以下、「通常領域31A」ともいう。)では、突出部11は、固定部10との接続部23を弾性変形させ、上方(鉄筋籠20に接近する方向)に回転するように姿勢変更される。また、突出部11は、それ自身が弾性力をもって外側に凸となるように弓なりに湾曲する(撓む)。このように、突出部11は、径方向に縮むように(径方向内向きに)弾性変形し、傾斜姿勢から起立姿勢に姿勢変更される。
掘削孔30に対する鉄筋籠20の挿入が進み、突出部11が通常領域31Aから窪み領域31Bに移動した場合、突出部11は、固定部10との接続部23の弾性力によって復元し、下方(鉄筋籠20から離間する方向)に回転するように姿勢変更される。また、突出部11は、それ自身の弾性力(復元力)によって曲がりの無い状態に戻ろうとする。このように、弾性変形した突出部11は、径方向に伸びるように(径方向外向きに)復元し、起立姿勢から傾斜姿勢に姿勢変更される。
以上のように、突出部11が径方向に弾性変形する(姿勢変更される)ことによって、通常領域31Aであるか窪み領域31Bであるかに関わらず、突出部11の先端部が孔壁31に接触する。そして、複数の突出部11(スペーサ1)が孔壁31に接することで、鉄筋籠20は掘削孔30の略中心に配置される。
次に、トレミー管の先端部を掘削孔30(鉄筋籠20)に挿入し、コンクリート打設する。以上によって、場所打ち杭が構築される。
以上説明した第1実施形態に係るスペーサ1では、突出部11が弾性力をもって上下方向に姿勢変更されることで、鉄筋籠20と孔壁31との隙間に合わせて突出部11の径方向の寸法が変化する構成とした。具体的には、窪み領域31Bに対応して配置されたスペーサ1の突出部11は径方向に伸びるように弾性変形(姿勢変更)し、通常領域31Aに対応して配置されたスペーサ1の突出部11は径方向に縮むように弾性変形(姿勢変更)していた。この構成によれば、孔壁31に窪み領域31Bが形成されていたとしても、突出部11の先端部を孔壁31に接触させることが可能になる。
仮に、窪み領域31Bにおいて突出部11の先端部が孔壁31に接していない場合、鉄筋籠20は、流し込まれるコンクリートの圧力によって、窪み領域31B側にずれる虞がある。これに対し、第1実施形態に係るスペーサ1では、窪み領域31Bにおいて突出部11の先端部が孔壁31に接しているため、掘削孔30に対する鉄筋籠20のずれ(配置ずれ)が規制される。これにより、鉄筋籠20の配置ずれが規制(抑制)されるため、掘削孔30の略中心に保持された鉄筋籠20にコンクリートを打設することができる。その結果、鉄筋籠20の軸方向(上下方向)全域に亘って設計上必要なコンクリートの被り厚さを確保することができる。
また、従来、鉄筋籠20を掘削孔30に挿入する前に、超音波計測器を掘削孔30内に降下させながら、掘削孔30の孔心(中心)から孔壁31までの距離(掘削孔30の直径や形状、孔壁31の凹凸等)を測定することがあった。この超音波計測器による掘削孔30の測定によって窪み領域31Bの位置を特定し、鉄筋籠20において窪み領域31Bを避けた位置にスペーサ1を取り付けることがあった。これに対し、第1実施形態に係るスペーサ1では、通常領域31Aであるか窪み領域31Bであるかに関わらず、突出部11の先端部を孔壁31に接触させることが可能であるため、超音波計測器による掘削孔30の測定を省略することができる。これにより、場所打ち杭の構築に係る工期を短縮することができ、且つコスト低減を図ることもできる。
また、第1実施形態に係るスペーサ1によれば、突出部11が鉄筋籠20から斜め上方に延びているため、鉄筋籠20を円滑に掘削孔30に挿入することができる。
また、第1実施形態に係るスペーサ1によれば、突出部11の先端部が折り返されて丸められているため、鉄筋籠20を掘削孔30に挿入する際に、突出部11の先端部が孔壁31に引っ掛かることが抑制される。これにより、鉄筋籠20を円滑に掘削孔30に挿入することができる。
なお、第1実施形態に係るスペーサ1では、突出部11が固定部10を介して鉄筋籠20に固定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、固定部10を省略(削除)して、突出部11が鉄筋籠20(主筋21)に直接固定されてもよい(第1実施形態の変形例)。この場合、例えば、主筋21に溶接し易くするために、突出部11の基端部に主筋21を嵌合させるための凹部11Aを形成してもよい。なお、この場合、接続部23は、突出部11の凹部11Aと鉄筋籠20(主筋21)との境界部分を指す。
また、第1実施形態に係るスペーサ1では、突出部11が固定部10(または鉄筋籠20)との接続部23を支点にして回転方向に移動していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定部10(または鉄筋籠20)と突出部11との接続部23を補強して当該接続部23での弾性変形(回動)を不能とし、突出部11自身のみが弾性変形する(撓む)ようにしてもよい(図示せず)。また、これとは反対に、突出部11が、撓まない(または撓みの少ない)材料や形状(例えば、円形断面、円環形断面、I字状断面またはH字状断面等)に形成され、接続部23のみが弾性変形(回動)するようにしてもよい(図示せず)。
[第2実施形態]
次に、図5を参照して、第2実施形態に係るスペーサ2について説明する。図5はスペーサ2を示す斜視図である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係るスペーサ1と同一の構成には同一の符号を付し、第1実施形態に係るスペーサ1と同様の説明は省略する。また、以下、1つのスペーサ2について鉄筋籠20に取り付けた状態(姿勢)を基準に説明する。
スペーサ2は、突出部11の基端部に設けられたヒンジ部12を有している。固定部10と突出部11とは、分離されており、ヒンジ部12を介して連結されている。ヒンジ部12は、弾性力をもって突出部11を回動可能に支持するバネ付き蝶番である。なお、第2実施形態に係るスペーサ2ではヒンジ部12が、第1実施形態に係るスペーサ1の接続部23と同様の機能を果たす。
具体的には、ヒンジ部12は、一対の羽根部13と、回動軸部14と、コイルスプリング15と、を有している。一対の羽根部13は、同一軸上に並設された複数の軸管13Aを有している。一方の羽根部13には固定部10が固定され、他方の羽根部13には突出部11が固定されている。回動軸部14は、複数の軸管13Aを貫通し、一対の羽根部13を回動可能に支持している。コイルスプリング15は、回動軸部14に巻き付けられており、一対の羽根部13を開く方向に付勢している。換言すれば、コイルスプリング15は、突出部11を鉄筋籠20から径方向の外側に離れる方向に付勢している。
外部から突出部11に力が働いていない状態で、突出部11は径方向の外側に向かって斜め上方に延設されており、突出部11(他方の羽根部13)は下方に回動しないように構成されている。
場所打ち杭の構築にあたり、複数のスペーサ2を取り付けた鉄筋籠20を掘削孔30に挿入する際、スペーサ2の突出部11の先端部は孔壁31に接触する(第1実施形態に係るスペーサ1の説明に用いた図3を参照)。突出部11の先端部を掘削孔30の孔壁31に接触させながら鉄筋籠20を掘削孔30に建込む過程において、突出部11は鉄筋籠20と孔壁31との間の距離に応じて径方向の寸法を変化させるように弾性力をもって姿勢変更される。
具体的には、孔壁31の通常領域31Aでは、突出部11は、コイルスプリング15の付勢力に抗して回動軸部14を中心にして上方に回動する。また、第1実施形態に係るスペーサ1と同様に、突出部11は、それ自身が弾性力をもって外側に凸となるように弓なりに湾曲する。このように、突出部11は、径方向に縮むように弾性変形し、傾斜姿勢から起立姿勢に姿勢変更される。
掘削孔30に対する鉄筋籠20の挿入が進み、突出部11が通常領域31Aから窪み領域31Bに移動した場合、突出部11は、コイルスプリング15に付勢されて回動軸部14を中心にして下方に回動する。また、突出部11は、それ自身の弾性力(復元力)によって曲がりの無い状態に戻ろうとする。このように、弾性変形した突出部11は、径方向に伸びるように復元し、起立姿勢から傾斜姿勢に姿勢変更される。
以上説明した第2実施形態に係るスペーサ2によれば、通常領域31Aであるか窪み領域31Bであるかに関わらず、突出部11の先端部を孔壁31に接触させることができ、掘削孔30に対する鉄筋籠20の配置ずれを抑制することができる。これにより、設計上必要なコンクリートの被り厚さを確保することができる等、第1実施形態に係るスペーサ1と同様の作用、効果を得ることができる。
なお、第2実施形態に係るスペーサ2では、突出部11が撓むように平板状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、スペーサ2の突出部は、撓まない(または撓みの少ない)材料や形状に形成されてもよい(図示せず)。
また、第2実施形態に係るスペーサ2では、ヒンジ部12が固定部10を介して鉄筋籠20に固定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定部10を省略(削除)して、ヒンジ部12(一方の羽根部13)が鉄筋籠20に直接固定されてもよい(図示せず)。
[第3実施形態]
次に、図6を参照して、第3実施形態に係るスペーサ3について説明する。図6はスペーサ3を取り付けた鉄筋籠20を掘削孔30に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係るスペーサ1と同一の構成には同一の符号を付し、第1実施形態に係るスペーサ1と同様の説明は省略する。また、以下、1つのスペーサ3について鉄筋籠20に取り付けた状態(姿勢)を基準に説明する。
スペーサ3は、鉄筋籠20に接近する方向に変形した突出部11の先端部が鉄筋籠20に接触することを規制するストッパ16を有している。ストッパ16は、固定部10や突出部11とは別部材となる平板状に形成されている。ストッパ16は、突出部11(固定部10)よりも上方において鉄筋籠20の主筋21(またはフープ筋22)に固定(溶接等)されている。ストッパ16は、鉄筋籠20から径方向の外側に向かって略水平に延びている。ストッパ16の径方向の寸法は、設計上必要なコンクリートの被り厚さよりも長く設定されている。
以上説明した第3実施形態に係るスペーサ3によれば、上方に回転するように弾性変形した突出部11がストッパ16の先端に当接することで、突出部11の弾性変形を規制することができる。これにより、突出部11の径方向の寸法が設計上必要なコンクリートの被り厚さ以下になるまで、突出部11が姿勢変更される(弾性変形する)ことが阻止される。つまり、設計上必要なコンクリートの被り厚さを確保することができる。
なお、第3実施形態に係るスペーサ3では、ストッパ16が突出部11等とは別部材として形成され、主筋21に固定されていたが、本発明はこれに限定されない。図7に示すように、例えば、ストッパ17が、突出部11の先端部に連設され、突出部11の先端部から径方向の内側に向かって延設されてもよい(第3実施形態の変形例)。この場合、突出部11の先端部の折り返しは省略される。また、ストッパ17は、突出部11の長手方向の中間部から延びていてもよい(図示せず)。
また、第3実施形態(変形例を含む。)に係るスペーサ3のストッパ16,17が、第2実施形態に係るスペーサ2に適用されてもよい(図示せず)。
[第4実施形態]
次に、図8を参照して、第4実施形態に係るスペーサ4について説明する。図8はスペーサ4を取り付けた鉄筋籠20を掘削孔30に建込んだ状態を示す概略図(側面図)である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係るスペーサ1と同一の構成には同一の符号を付し、第1実施形態に係るスペーサ1と同様の説明は省略する。また、以下、1つのスペーサ4について鉄筋籠20に取り付けた状態(姿勢)を基準に説明する。
スペーサ4は、固定部10に代えて、鉄筋籠20(主筋21またはフープ筋22)に固定(溶接等)された補助突出部18を有している。補助突出部18は、鉄筋籠20から径方向の外側に向かって突設されている。補助突出部18は、一枚の鉄板を曲げ加工する等し、側方から見て略V字状に形成されている。補助突出部18は、V字の折曲部を鉄筋籠20の外側に突き出すような姿勢で設けられている。補助突出部18の突出し寸法(径方向の寸法)は、設計上必要なコンクリートの被り厚さよりも長く設定されている。突出部11は、補助突出部18の折曲部に固定(溶接等)され、補助突出部18から径方向の外側に向かって斜め上方に突設(延設)されている。また、突出部11は、補助突出部18との接続部23の弾性変形によって姿勢変更される。
以上説明した第4実施形態に係るスペーサ4によれば、仮に、突出部11が鉄筋籠20(主筋21)と平行になるまで曲げられたとしても、補助突出部18によって鉄筋籠20と孔壁31との隙間を確保することができる。これにより、突出部11の状態(姿勢)に関わらず、設計上必要なコンクリートの被り厚さを確保することができる。
なお、第4実施形態に係るスペーサ4の補助突出部18は、側方から見て略V字状(略三角形状)に形成されていたが、これに限らず、例えば、側方から見て略台形状に形成されてもよい(図示せず)。
また、第4実施形態に係るスペーサ4の補助突出部18が、第2実施形態に係るスペーサ2に適用されてもよい(図示せず)。すなわち、突出部11がヒンジ部12を介して補助突出部18に連結されてもよい。また、第4実施形態に係るスペーサ4の補助突出部18が、第3実施形態に係るスペーサ3に適用されてもよい(図示せず)。
なお、第1〜第4実施形態に係るスペーサ1〜4(固定部10、突出部11または補助突出部18)は鉄筋籠20に溶接されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定部10等が主筋21に接着剤で固定されてもよい。また、第1〜第4実施形態に係るスペーサ1〜4は、主筋21に固定されていたが、これに限らず、フープ筋22に固定されてもよい(図示せず)。
また、第1〜第4実施形態に係るスペーサ1〜4では、固定部10や補助突出部18が鉄板で形成されていたが、本発明はこれに限定されない。図9Aおよび図9Bに示すように、例えば、固定部10(または補助突出部18)は、主筋21(またはフープ筋22)を嵌め込むことが可能な略U字(またはC字)断面を有する複数(例えば2つ)の鉄筋保持部19を含んでいてもよい。この場合、溶接や接着剤等を用いることなく、主筋21等を鉄筋保持部19にきつく嵌め込むことで、スペーサ1〜4を固定してもよい。なお、図9Aおよび図9Bでは、鉄筋保持部19が、第1実施形態に係るスペーサ1に適用されていたが、第2〜第4実施形態に係るスペーサ2〜4に適用されてもよい。
また、第1〜第4実施形態に係るスペーサ1〜4では、突出部11が鉄筋籠20から斜め上方に延びていたが、本発明はこれに限定されない。突出部11は、鉄筋籠20から水平に延設されてもよい(図示せず)。なお、「水平」とは厳密な意味で水平であることを要求するものではなく、僅かに上方または下方に傾斜している姿勢を含む概念である。
また、第1〜第4実施形態に係るスペーサ1〜4では、突出部11の先端部が折り返されていたが、これに限らず、上方に180度未満の角度に屈曲させてもよいし、折り返さなくてもよい(図示せず)。
また、第1〜第4実施形態に係るスペーサ1〜4は、鉄板で形成されていたが、これに限らず、例えば、鉄以外の金属で形成されてもよいし、弾性変形可能な合成樹脂で形成されてもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係るスペーサにおける一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
1〜4 スペーサ
11 突出部
12 ヒンジ部
16,17 ストッパ
18 補助突出部
20 鉄筋籠
23 接続部
30 掘削孔
31 孔壁

Claims (7)

  1. 掘削孔に建込む鉄筋籠に取り付けられるスペーサであって、
    前記鉄筋籠から径方向の外側に向かって延設された突出部を有し、
    前記突出部の先端部を前記掘削孔の孔壁に接触させながら前記鉄筋籠を前記掘削孔に建込む過程において、前記突出部は前記鉄筋籠と前記孔壁との間の距離に応じて径方向の寸法を変化させるように弾性力をもって姿勢変更されることを特徴とするスペーサ。
  2. 前記突出部は、それ自身が弾性力をもって撓むことで姿勢変更されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ。
  3. 前記突出部は、前記鉄筋籠との接続部の弾性変形によって姿勢変更されることを特徴とする請求項1または2に記載のスペーサ。
  4. 前記突出部の基端部に設けられ、弾性力をもって前記突出部を回動可能に支持するヒンジ部を更に有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスペーサ。
  5. 前記鉄筋籠に接近する方向に変形した前記突出部の先端部が前記鉄筋籠に接触することを規制するストッパを更に有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスペーサ。
  6. 前記鉄筋籠に固定され、前記鉄筋籠から径方向の外側に向かって突設された補助突出部を更に有し、
    前記突出部は、前記補助突出部から径方向の外側に向かって突設され、前記補助突出部との接続部の弾性変形によって姿勢変更されることを特徴する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスペーサ。
  7. 前記突出部は、前記鉄筋籠から水平または斜め上方に延設されたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のスペーサ。
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