JP2021059603A - 粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤 - Google Patents

粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】粉末製造における歩留を向上させる剤を提供することを目的とする。好ましくは、本発明の目的は、固化防止剤として公知であった二酸化ケイ素よりも優れた、粉末製造における歩留を向上させる剤を提供することである。【解決手段】本発明は、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有する、粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤を提供する。本発明の剤は、マグネシウム含量が15〜19質量%であり、リン含量が19〜25質量%であることが好ましい。本発明の剤は、さらに水及び/又は金属リン酸塩を含有することが好ましい。本発明の剤は、ライスマグネシウム(商品名、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤に関する。
造粒加工における固結防止剤、流動促進剤、流動性改質剤又は滑沢剤の例として、二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が知られている(特許文献1〜9)。また、Chemical bookというインターネットのサイト内の固結防止剤の説明欄(非特許文献1)において、国外で使用が許可される固化防止剤の例として、リン酸マグネシウムが例示されているところ(非特許文献1)、同じChemical book内のリン酸マグネシウムの説明欄(非特許文献2)において、化学名リン酸マグネシウムについて、CAS番号が「7757−86−0」であり、分子式が「HMgOP」であること、すなわち、同サイト内において、リン酸マグネシウムは第2リン酸マグネシウムを意味することとして示されている。
一方、リン酸マグネシウムとして、通常、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムの3種類が挙げられる。これら3種類のリン酸マグネシウムのうち2以上を含むリン酸マグネシウム混合物が、粉末製造における歩留を向上させることは知られていない。
特開2004−123594号公報 特開2005−82503号公報 特開2006−28452号公報 特開2007−63217号公報 特開2012−62279号公報 特開2013−159590号公報 特表2013−502452号公報 特開2017−195827号公報 特開2019−89805号公報
ChemicalBook、固結防止剤の欄、[online]、令和3年1月4日検索、インターネット<URL:https://www.chemicalbook.com/ProductCatalog_JP/2115.htm> ChemicalBook、リン酸マグネシウムの欄、[online]、令和3年1月4日検索、インターネット<URL:https://www.chemicalbook.com/Search_JP.aspx?keyword=%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0>
本発明の目的は、粉末製造における歩留を向上させる剤又は粉末の使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化を抑制する剤を提供することである。
好ましくは、本発明の目的は、固結防止剤として公知であった二酸化ケイ素よりも優れた、粉末製造における歩留を向上させる剤又は粉末の使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化を抑制する剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物が、予想外にも、粉末製造において歩留を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の発明等に関する。
[1]第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有する、粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤。
[2]マグネシウム含量が15〜19質量%であり、リン含量が19〜25質量%である、[1]に記載の剤。
[3]さらに水及び/又は金属リン酸塩を含有する、[1]又は[2]に記載の剤。
[4]食品由来である、[1]〜[3]のいずれかに記載の剤。
[5]前記歩留向上が、粉末製造における微粉末発生を抑制し、微粉末の固化を防止させることに起因して生じる、[1]〜[4]のいずれかに記載の剤。
[6]第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物の割合が80質量%以上であり、水分割合が4質量%以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の剤。
本発明の剤は、種々の粉末の製造における歩留を向上させる作用を有し、又は種々の粉末の使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化を抑制する作用を有する。
好ましくは、本発明の剤は、固結防止剤として公知であった二酸化ケイ素よりも優れた、粉末製造における歩留向上作用又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有する。
好ましくは、本発明の剤は、微粉末の発生、飛散若しくは固化を抑制できるから、粉末の製造又は使用における作業環境を整えることができる。
好ましくは、本発明の剤は、食品由来であるため、食品又は経口用医薬品等に本発明の剤を含めても、毒性又は副作用の心配がない。
図1は、実施例において使用したプラスチック容器の写真を示す。 図2は、粉末製品がイノシトールであるの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例1〜3)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、*:p<0.05 vs.基準サンプル、**:p<0.01 vs.基準サンプル) 図3は、粉末製品がオリザノールである場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例4〜6))のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、*:p<0.05 vs.基準サンプル、**:p<0.01 vs.基準サンプル) 図4は、粉末製品が難消化性デキストリンである場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例7〜9)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、**:p<0.01 vs.基準サンプル) 図5は、粉末製品がりんごパウダーである場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例10〜12)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、**:p<0.01 vs.基準サンプル) 図6は、粉末製品が片栗粉である場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例13〜15)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、*:p<0.05 vs.基準サンプル) 図7は、粉末製品がイノシトールであるの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例1〜3)及び二酸化ケイ素群(比較例4〜6)の、上下15cm幅で50回振ることで、容器内の粉末を混合(実施例の(1)試験方法の(iii)参照)させた直後の写真を示す。 図8は、粉末製品がイノシトールである場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例1〜3)、第二リン酸マグネシウム群(比較例1〜3)及び二酸化ケイ素群(比較例4〜6)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、‡:p<0.01 vs.同濃度の第二リン酸マグネシウム群、*:p<0.05 vs.同濃度の二酸化ケイ素群、**:p<0.01 vs.同濃度の二酸化ケイ素群) 図9は、粉末製品がオリザノールである場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例4〜6)及び二酸化ケイ素群(比較例10〜12)の、上下15cm幅で50回振ることで、容器内の粉末を混合(実施例の(1)試験方法の(iii)参照)させた直後の写真を示す。 図10は、粉末製品がオリザノールである場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例4〜6)及び二酸化ケイ素群(比較例10〜12)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、**:p<0.01 vs.同濃度の二酸化ケイ素群) 図11は、粉末製品が難消化性デキストリンである場合における、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例7〜9)及び第二リン酸マグネシウム群(比較例13〜15)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、‡:p<0.01 vs.同濃度の第二リン酸マグネシウム群) 図12は、粉末製品がりんごパウダーである場合における、1質量%のライスマグネシウム群(実施例10)及び第二リン酸マグネシウム群(比較例19)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、†:p<0.05 vs.同濃度の第二リン酸マグネシウム群) 図13は、粉末製品が片栗粉である場合における、1質量%のライスマグネシウム群(実施例13)、第二リン酸マグネシウム群(比較例25)及び第二リン酸マグネシウム群(比較例28)のロス率を求めた結果を示す。(t−検定による有意差、‡:p<0.01 vs.同濃度の第二リン酸マグネシウム群、**:p<0.01 vs.同濃度の二酸化ケイ素群)
本発明の粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤(本開示において、本発明の剤ともいう。)は、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有する。本発明の剤を加えることにより、粉末製造における歩留を向上させることができる。本発明の剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物以外に任意成分、例えば、水分、金属リン酸塩等を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
[第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物]
第一リン酸マグネシウムは、通常Mg(HPO・4HOで示される化合物であり、オルトリン酸二水素マグネシウム・4水和物又はリン酸二水素マグネシウムと言い換えることができる。第一リン酸マグネシウムのCAS番号は、15609−87−7である。第二リン酸マグネシウムは、通常MgHPO・3HOで示される化合物であり、オルトリン酸水素二マグネシウム・3水和物又はリン酸水素マグネシウムと言い換えることができる。第二リン酸マグネシウムのCAS番号は、7757−86−0である。第三リン酸マグネシウムは、通常Mg(PO・8HO)で示される化合物であり、オルトリン酸三マグネシウム・8水和物又はリン酸三マグネシウムと言い換えることができる。第三リン酸マグネシウムのCAS番号は、13446−23−6である。
混合物における、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムの質量比は特に限定されず、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムの合計質量部を100として、質量部の比(第一リン酸マグネシウム:第二リン酸マグネシウム:第三リン酸マグネシウム)は、(1〜99質量部):(1〜99質量部):0であってもよく、(1〜99質量部):0:(1〜99質量部)であってもよく、0:(1〜99質量部):(1〜99質量部)であってもよく、(1〜99質量部):(1〜99質量部):(1〜99質量部)であってもよい。但し、各質量部の合計は100である。
[水分]
水分が本発明の剤に含まれる場合、剤全体に対する水分の割合は、特に限定されないが、例えば10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがより好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。
[金属リン酸塩]
金属リン酸塩が本発明の剤に含まれる場合、金属リン酸塩の種類は、特に限定されないが、例えば、リン酸カリウム塩、リン酸ナトリウム塩、リン酸カルシウム塩等が挙げられる。剤全体に対する金属リン酸塩の割合は、例えば1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましく、6〜13質量%以下であることがさらに好ましい。
[剤におけるマグネシウム含量及びリン含量]
剤におけるマグネシウム(Mg)含量が剤全体に対して15〜19質量%であり、リン(P)含量が剤全体に対して19〜25質量%であることが好ましい。単独の第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム又は第三リン酸マグネシウムは、当該範囲を満たさない。第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を組み合わせることにより、当該範囲を満たし得る。
マグネシウム含有量は、例えば原子吸光光度法により測定することができる。リン含有量は、例えば原子吸光光度法により測定することができる。いずれも常法に従う。
[成分の含有量]
本発明の剤において、上記例示した成分が任意の割合で配合されていてよい。
例えば、本発明の剤全体に対する、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物の割合は、80質量%以上であることが好ましい。
[製造方法]
本発明の剤は、例えば、上記例示した各成分を任意の割合で混合することにより、また必要に応じて、適宜温度調整、すなわち加熱又は冷却することにより得られる。混合、及び温度調整の方法は自体公知の方法に従ってよい。
本発明の剤が、食品由来である場合、食品(例えば、米、(好ましくは脱脂米糠)等の第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群から選択される2以上の混合物の原料となり得る食品)を、適宜分離、抽出、ろ過、加圧、減圧又は固化等することにより、得ることができる。これらの分離、抽出、ろ過、加圧、減圧及び固化の方法は、従来十分に確立されているので、本発明においてもそれらに従ってよい。本発明の剤が、食品由来である場合、食品又は経口用医薬品等に本発明の剤を含めても、毒性又は副作用の心配がない。
[本発明の剤の入手方法]
本発明の剤として、ライスマグネシウム(商品名、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)を好適に使用することができる。当該ライスマグネシウムにおけるマグネシウム含量が15〜19質量%であり、リン含量が19〜25質量%である。当該ライスマグネシウムは米由来である。当該ライスマグネシウムは水及び金属リン酸塩を含有する。当該ライスマグネシウムにおける、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群から選択される2以上の混合物の、剤全体に対する割合は80質量%以上であり、水分割合は4質量%以下である。
その他、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を適宜混合することによっても本発明の剤を入手できる。
例えば、医薬品、農薬、洗剤、化粧品、食品に本発明の剤を含める場合には、本発明の剤として、食品由来でない第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群から選択される2以上の混合物を使用してもよいが、食品に本発明の剤を含める場合には、食品由来であり、安心して食べられるという観点から、本発明の剤として、ライスマグネシウム(商品名、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)を好適に使用することができる。
[粉末]
本開示において、粉末は粉末状であってもよいが、顆粒状であってもよい。顆粒とは、通常、粉末よりも粒径の大きい粒をいい、例えば、粉末を固めてやや大型(粒径0.1〜1mm程度)の粒に成形(顆粒化)したものであってもよい。粉末の平均粒子径は、例えば約30〜1600μm、好ましくは約30〜840μm、より好ましくは約30〜500μm、特に好ましくは約30〜70μmである。
粉末食品の例として、りんごパウダー、金柑パウダー、マンゴーパウダー、ストロベリーパウダー、クランベリーパウダー、ゆずパウダー、ザクロパウダー、グレープフルーツパウダー等の植物抽出エキス、分解エキス、食塩、砂糖、小麦粉、片栗粉、全粒粉、寒天、きな粉、お好み焼き粉、たこ焼き粉、唐揚げ粉、白玉粉、重曹、スパイス、ドライイースト、インスタントドライイースト、ベーキングパウダー、コーンスターチ、難消化性デキストリン、イノシトール、オリザノール等の粉末状又は顆粒状原料;ウコン、グルコサミン等の粉末状又は顆粒状サプリメント:等が挙げられる。中でも抽出エキス、難消化性デキストリン、イノシトール、オリザノール、片栗粉等が好ましい。本発明の剤は、粉末製造における歩留向上作用又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有するのみならず、マグネシウム源としての食品原料(特にサプリメント原料)として特に好適に使用され得る。また、粉末医薬品の例として、龍角散(登録商標)等の散剤(細粒を含む)又は顆粒剤等が挙げられる。散剤は、製剤の粒度の試験を行うとき、通常、18号(850μm)ふるいを全量通過し、30号(500μm)ふるいに残留するものは全量の5質量%以下である。散剤のうち、200号(75μm)ふるいを通過するものが全量の10質量%以下のものを細粒と称することができる。顆粒剤は、製剤の粒度の試験を行うとき、通常、10号(1700μm)ふるいを全量通過し、12号(1400μm)ふるいに残留するものは全量の5質量%以下であり、また、42号(355μm)ふるいを通過するものは全量の15質量%以下である。その他の粉末製品として、重曹、クエン酸、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)、合成洗剤等を含む洗剤;酵素パウダー等の洗顔料等の化粧品又は医薬部外品等が挙げられる。
[粉末に含まれ得る添加剤]
粉末は、所望により、糖類、甘味剤、抗酸化剤、香料、崩壊剤、着色剤、結合剤、酸味料、流動促進剤、潤滑剤等の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
糖類としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば単糖類、二糖類、糖アルコール、オリゴ糖等が挙げられる。
単糖類としては、例えばグルコース、キシロース、ガラクトース、果糖、マンノース等が挙げられる。二糖類としては、例えばトレハロース、ショ糖、乳糖、パラチノース、セロビオース、マルトース等が挙げられる。糖アルコールとしては、例えばマルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。オリゴ糖としては、例えばラフィノース、イヌロオリゴ糖(チコリオリゴ糖)、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。粉末が糖類を含む場合の糖類の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
甘味剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。粉末が甘味料を含む場合の甘味料の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
抗酸化剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、トコフェロール、アスコルビン酸、塩酸システイン、L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル等が挙げられる。粉末が抗酸化剤を含む場合の抗酸化剤の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
香料としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、レモンフレーバー、レモンライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、アップルフレーバー等が挙げられる。粉末が香料を含む場合の香料の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
崩壊剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、コーンスターチ、バレイショデンプン等が挙げられる。本発明の造粒粉末又は顆粒が崩壊剤を含む場合の崩壊剤の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
着色剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限はされないが、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号、カロチノイド色素、トマト色素等が挙げられる。粉末が着色剤を含む場合の着色剤の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
結合剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、ゼラチン、プルラン等が挙げられる。粉末が結合剤を含む場合の結合剤の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
酸味料としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。粉末が酸味料を含む場合の酸味料の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
流動促進剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、沈降シリカ、焼成シリカ、タルク、ケイ酸アルミニウム、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、粉末セルロース、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、それらの混合物等が挙げられる。粉末が流動促進剤を含む場合の酸味料の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
潤滑剤としては、食品や医薬品等に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化ヒマシ油、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ロイシン、鉱油、軽油、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、硬化植物油、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、コロイド状二酸化ケイ素、それらの混合物等が挙げられる。粉末が潤滑剤を含む場合の酸味料の含有量は、製剤における一般的な使用の量の範囲内であればよく、特に限定されない。
[粉末製造及び粉末使用]
本発明の剤を粉末製造の際に加えることにより、粉末製造における歩留を向上させることができる。粉末の製造方法は、従来十分に確立されているので、本発明においてもそれに従ってよく、本発明の剤を加えるタイミングは特に限定されず、例えば、粉末製造の最終工程において本発明の剤を加えて混合してもよい。
粉末を製造する工程については、例えば固体原料を粉砕して粉末を製造する例が挙げられる。粉砕方法及び粉砕手段は従来十分に確立されているので、本発明においてもそれに従ってよい。粉砕工程において、微粉末の、飛散又は固化を避けることは困難である。この場合、固体原料に本発明の剤を存在させることによって、本発明の課題を解決することができる。
次いで、このように製造した粉末を使用して、例えば加工又は包装等して、最終製品となすことが行われる。上記の加工に際して最終製品化するために、粉末を使用して、例えば、移送、顆粒化、溶液化、カプセル化などの作業が行われるが、上記粉末に本発明の剤が存在すれば、これら作業中における本発明の課題が解決される。粉末製造する工程及び粉末を原料として使用し最終製品を製造する工程は化学、物理及び生物界に及び、その具体例は極めて多岐にわたる。例えば食品、医薬品、医薬部外品、農薬、化粧品及び洗剤分野での、固体原料の粉砕等による粉末製造、又は粉末使用において、本発明の剤は有用である。
[歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制]
歩留の向上は、粉末製造における微粉末発生を抑制し、微粉末の固化を防止させることに起因して生じることが好ましい。すなわち、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物は、微粉末の発生、飛散又は固化を抑制することができる。歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制効果の有無の確認方法は、例えば、後述の実施例を参照することができる。当該方法の例を下記する。すなわち、一定の容器に粉末単独又は粉末及び本発明の剤等を入れて蓋をし、同じ条件で混合し、容器の蓋を開けて、内容物を皿等に取り出し、下記のロス率を算出する。内容物を取出す際には容器を皿等に叩きつけるなど特別な圧力をかけないように行うことが好ましい。
ロス率(%)=(取り出し後容器質量−取り出し前容器質量)/(容器の内容物の質量)×100
内容物が粉末単独の場合と比較して、内容物が粉末及び本発明の剤の場合の方が、ロス率が小さければ、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有すると判断することができる。内容物が粉末及び本発明の剤以外の添加剤(例えば、二酸化ケイ素)の場合と比較して、内容物が粉末及び本発明の剤の場合の方が、ロス率が小さければ、特に優れた、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有すると判断することができる。
本開示において微粉末は、例えば、製造の目的とする粉末の平均粒子径の半分以下の粒子径を有する。微粉末の平均粒子径の例として、約1μm以上30μm未満が挙げられる。
微粉末は、粉末製造後の貯蔵又は使用の際にも発生、飛散又は固化し得るところ、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物は、粉末製造後の貯蔵又は使用の際における微粉末の発生、飛散又は固化を抑制し得るため、粉末製品の使用に際しても有用である。例えば、粉末製品が食品又は医薬品である場合、それを口に入れる際に、微粉末の発生又は飛散によってむせることを、粉末製品に本発明の剤を含めることにより抑制することができる。例えば、粉末製品が食品、医薬品、農薬、洗剤、化粧品又は医薬部外品である場合、粉末を含む容器を開封する際に、微粉末の発生又は飛散によってむせることを、粉末製品に本発明の剤を含めることにより抑制することができる。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上述の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1.第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウム単独と組み合わせとにおける物性の差の確認
(1)供試体
純度100%の第一リン酸マグネシウムとして、「第一リン酸マグネシウム(結晶)(化学品の名称、太平化学産業株式会社製)」を使用した。
純度100%の第二リン酸マグネシウムとして、「第二リン酸マグネシウム(結晶)(化学品の名称、太平化学産業株式会社製)」を使用した。
純度100%の第三リン酸マグネシウムとして、「第三リン酸マグネシウム(結晶)(化学品の名称、太平化学産業株式会社製)」を使用した。
第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有する供試体として、「ライスマグネシウム(商品名、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)」を使用した。
(2)物性
「第一リン酸マグネシウム(結晶)(化学品の名称、太平化学産業株式会社製)」、「第二リン酸マグネシウム(結晶)(化学品の名称、太平化学産業株式会社製)」及び「第三リン酸マグネシウム(結晶)(化学品の名称、太平化学産業株式会社製)」のそれぞれにおけるマグネシウム含量及びリン含量は、その規格値によれば、「マグネシウム含量15〜19質量%であり、かつ、リン含量が19〜25質量%である」という範囲の外であった。
一方、「ライスマグネシウム(商品名、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)」(n=149)のマグネシウム含量を原子吸光高度法にて測定し、全リン含量をモリデンブルー法にて測定した結果、マグネシウム含量が15.5〜18.9質量%であり、かつ、19.8〜24.4質量%であったので、「マグネシウム含量15〜19質量%であり、かつ、リン含量が19〜25質量%である」という範囲内であった。
2.効果の確認
(1)試験方法
(i)60℃の恒温槽で12時間乾燥したプラスチック容器の質量を電子天秤(有効数字下2桁)で測定した。用いたプラスチック容器は竹本容器株式会社製のDC−140(商品名)であり、容器及び蓋はポリスチレン製であり、容量は167mlである(図1参照)。
(ii)以下の粉末製品について、基準サンプルとして、それぞれ25gを上記電子天秤で秤量後、容器に投入した。
イノシトール(商品名:イノシトール、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)
オリザノール(商品名:γ−オリザノール、築野ライスファインケミカルズ株式会社製)
難消化性デキストリン(商品名、ファイバーソル2、松谷化学工業株式会社製)
りんごパウダー(商品名、KUKKU 青森県産りんごパウダー、販売者パウダーフーツフォレスト株式会社)
片栗粉(商品名:北海道産片栗粉、キングフーズ株式会社製)
(iii)次に、1質量%、2質量%又は3質量%のライスマグネシウム群、二酸化ケイ素群又は第二リン酸マグネシウム群として、全量25gとなるように各上記粉末製品、上記1で使用したライスマグネシウム、二酸化ケイ素(商品名:サイロページ720、富士シリシア化学株式会社)又は上記1で使用した第二リン酸マグネシウムを上記電子天秤で秤量後、容器に投入した。各粉末製品を投入後きちんと蓋を閉め、上下15cm幅で50回振ることで、容器内の粉末を混合させた。
(iv)基準サンプル、又は、1質量%、2質量%若しくは3質量%のライスマグネシウム群、二酸化ケイ素群若しくは第二リン酸マグネシウム群の容器の蓋を開けて、容器から内容物をプラスチック皿(ポリスチレン)に取り出し、取り出し後再び容器の蓋を閉めた。プラスチック皿に内容物を取出す際には容器を皿に叩きつけるなど特別な圧力をかけないように行った。
(v)蓋を閉めた容器の質量を電子天秤で測定した。
(vi)質量測定後ロス率を求めた。ロス率の計算方法は以下に示す。
ロス率(%)=(取り出し後容器質量−取り出し前容器質量)/25×100
尚、試験で使用する各粉末製品、二酸化ケイ素、ライスマグネシウム及び第二リン酸マグネシウムの水分は0.5質量%以下の状態で試験を実施した。赤外線水分計(Kett FD−660)を用いて、105℃、30分の条件で水分を測定した。また、有意差をt−検定にて求めた。
(2)試験結果1(基準サンプルとの比較)
(i)粉末製品:イノシトール
粉末製品がイノシトールの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例1〜3)のロス率を求めた結果を表1及び図2に示す。
Figure 2021059603
表1及び図2から明らかなように、実施例1〜3のライスマグネシウム群では、基準のイノシトール単独と比較して有意にロス率が低下した。したがって、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制に有用であることが示された。
(ii)粉末製品:オリザノール
粉末製品がオリザノールの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例4〜6)のロス率を求めた結果を表2及び図3に示す。
Figure 2021059603
表2及び図3から明らかなように、実施例4〜6のライスマグネシウム群では、基準のオリザノール単独と比較して有意にロス率が低下した。したがって、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制に有用であることが示された。
(iii)粉末製品:難消化性デキストリン
粉末製品が難消化性デキストリンの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例7〜9)のロス率を求めた結果を表3及び図4に示す。
Figure 2021059603
表3及び図4から明らかなように、実施例7〜9のライスマグネシウム群では、基準の難消化性デキストリン単独と比較して有意にロス率が低下した。したがって、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制に有用であることが示された。
(iv)粉末製品:りんごパウダー
粉末製品がりんごパウダーの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例10〜12)のロス率を求めた結果を表4及び図5に示す。
Figure 2021059603
表4及び図5から明らかなように、実施例10〜12のライスマグネシウム群では、基準のりんごパウダー単独と比較して有意にロス率が低下した。したがって、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制に有用であることが示された。
(v)粉末製品:片栗粉
粉末製品が片栗粉の場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例13〜15)のロス率を求めた結果を表5及び図6に示す。
Figure 2021059603
表5及び図6から明らかなように、実施例13〜15のライスマグネシウム群では、基準の片栗粉単独と比較して有意にロス率が低下した。したがって、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、歩留向上、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制に有用であることが示された。
(3)試験結果2(二酸化ケイ素群又は第二リン酸マグネシウム群との比較)
(i)粉末製品:イノシトール
粉末製品がイノシトールの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例1〜3)、第二リン酸マグネシウム群(比較例1〜3)及び二酸化ケイ素群(比較例4〜6)のロス率を求めた結果を表6、図7及び図8に示す。
Figure 2021059603
比較例1〜6では、基準のイノシトール単独と比較して有意なロス率低減効果は認められなかった。むしろ、比較例1〜3及び比較例6では、基準のイノシトール単独と比較して有意にロス率が増加した(t−検定におけるp値<0.05)。
また、表6、図7及び図8から明らかなように、ライスマグネシウム群では、二酸化ケイ素群及び第二リン酸マグネシウム群と比較して有意にロス率が低下した。したがって、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、二酸化ケイ素又は第二リン酸マグネシウムよりも優れた歩留向上作用、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有することが示された。
(ii)粉末製品:オリザノール
粉末製品がオリザノールの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例4〜6)、第二リン酸マグネシウム群(比較例7〜9)及び二酸化ケイ素群(比較例10〜12)のロス率を求めた。
Figure 2021059603
比較例7及び10〜12では、基準のイノシトール単独と比較して有意なロス率低減効果は認められなかった。むしろ、比較例10では、基準のイノシトール単独と比較して有意にロス率が増加した(t−検定におけるp値<0.05)。
また、基準サンプル、実施例4〜6及び比較例10〜12の結果を表7、図9及び図10に示す。実施例4〜6では、比較例10〜12と比較して有意にロス率が低下した。このことからも、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、二酸化ケイ素よりも優れた歩留向上作用、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有することが示された。
(iii)粉末製品:難消化性デキストリン
粉末製品が難消化性デキストリンの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例7〜9)、第二リン酸マグネシウム群(比較例13〜15)及び二酸化ケイ素群(比較例16〜18)のロス率を求めた。
Figure 2021059603
実施例7〜9及び比較例13〜15の結果を表8及び図11に示す。実施例7〜9では、比較例13〜15と比較して有意にロス率が低下した。このことからも、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、第二リン酸マグネシウムよりも優れた歩留向上作用、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有することが示された。
(iv)粉末製品:りんごパウダー
粉末製品がりんごパウダーの場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例10〜12)、第二リン酸マグネシウム群(比較例19〜21)及び二酸化ケイ素群(比較例22〜24)のロス率を求めた。
Figure 2021059603
実施例10及び比較例19の結果を表9及び図12に示す実施例10では、比較例19と比較して有意にロス率が低下した。このことからも、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、第二リン酸マグネシウムよりも優れた歩留向上作用、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有することが示された。
(v)粉末製品:片栗粉
粉末製品が片栗粉の場合における、基準サンプル、並びに、1質量%、2質量%及び3質量%のライスマグネシウム群(実施例13〜15)、第二リン酸マグネシウム群(比較例25〜27)及び二酸化ケイ素群(比較例28〜30)のロス率を求めた。実施例13、比較例25及び比較例28の結果を表10及び図13に示す。
Figure 2021059603
実施例13では、比較例25及び28と比較して有意にロス率が低下した。このことからも、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有するライスマグネシウムは、第二リン酸マグネシウム及び二酸化ケイ素よりも優れた歩留向上作用、又は、微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制作用を有することが示された。
本発明の剤は、粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤として、食品分野、医薬品分野、農薬分野、洗剤又は化粧品等の日用品の分野等において好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物を含有する、粉末製造における歩留向上又は粉末使用における微粉末の発生、飛散若しくは固化抑制剤。
  2. マグネシウム含量が15〜19質量%であり、リン含量が19〜25質量%である、請求項1に記載の剤。
  3. さらに水及び/又は金属リン酸塩を含有する、請求項1又は2に記載の剤。
  4. 食品由来である、請求項1〜3のいずれかに記載の剤。
  5. 前記歩留向上が、粉末製造における微粉末発生を抑制し、微粉末の固化を防止させることに起因して生じる、請求項1〜4のいずれかに記載の剤。
  6. 第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム及び第三リン酸マグネシウムからなる群より選択される2以上を含むリン酸マグネシウム混合物の割合が80質量%以上であり、水分割合が4質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の剤。
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