JP2021057336A - 発光素子、自発光パネル、および、発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子、自発光パネル、および、発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光共振器構造による光の取り出し効率の向上と、機能層の膜厚の最適化とを両立させることにより、所望の波長をピーク波長として出力する発光素子の高効率化を達成し長寿命化を図る。【解決手段】光反射性の第1電極と、発光層と、光半透過性の第2電極と、第1透光層と、第2透光層とがこの順に積層される発光素子において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上である。【選択図】図2

Description

本開示は、電界発光現象や量子ドット効果を利用した発光素子、発光素子を用いた自発光パネル、および、その製造方法に関する。
近年、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL素子、量子ドット効果を利用したQLEDなどの自発光素子を利用した表示装置が普及しつつある。
自発光素子は、陽極と陰極との間に機能層が挟まれた構造を有しており、機能層には、少なくとも発光層が含まれる。発光層以外の機能層としては、例えば、発光層と陰極との間に配される、発光層に電子を供給するための機能層(電子注入層、電子輸送層等)、発光層と陽極との間に配される、発光層に正孔(ホール)を供給するための機能層(正孔輸送層、正孔注入層)等がある。
自発光素子において、消費電力の低減や長寿命化の観点から、各色発光素子から光取り出し効率を向上させることも望まれている。この光取り出し効率を向上させるために、例えば特許文献1に示されるように、自発光素子たる各色の有機EL素子において、共振器構造を採用する技術も知られている。
国際公開第2012/020452号
しかしながら、共振器構造により光を取り出す場合、自発光素子において、陽極の発光層側の界面と、陰極の発光層側の界面との光学距離を、取り出す光のピーク波長に対応して設計する必要がある。したがって、取り出す光のピーク波長が所望の範囲となるよう共振器を設計しようとすると機能層の膜厚を適切に設計できず発光素子の高効率化が図れない一方で、発光素子の高効率化を目指して機能層の膜厚を設計すると共振器構造による取り出す光のピーク波長が所望の範囲からずれてしまい、カラーフィルター等による色の補正が必要となり、また、所望の波長の光の強度が十分に強くならない場合がある。
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、光共振器構造による光の取り出し効率の向上と、機能層の膜厚の最適化とを両立させることにより、所望の波長をピーク波長として出力する発光素子の高効率化を達成し長寿命化を図ることを目的とする。
本開示の一態様に係る発光素子は、光反射性の第1電極と、前記第1電極の上方に配される発光層と、前記発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、前記第2電極の上に接して配される第1透光層と、前記第1透光層の上に接して配される第2透光層とを備え、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上であることを特徴とする。
上記態様の発光素子によれば、発光層および第1電極と第2電極との間に存在する機能層の膜厚最適化により、第1電極と第2電極との間に構成される第1の共振器構造のピーク波長である第1の波長が所望の波長より長波長であっても、第2の共振器構造のピーク波長を第1の波長より短波長である第2の波長とすることで、発光素子から取り出される光のピーク波長を所望の波長とすることができる。したがって、機能層の膜厚を最適化するとともに、2つの共振器構造の組み合わせにより所望の波長をピーク波長とする光を発光素子から取り出すことができるため、所望の波長をピーク波長として出力する発光素子の高効率化を達成し長寿命化を図ることができる。
実施の形態に係る有機EL素子1の構成を模式的に示す断面図である。 有機EL素子1に形成された光共振器構造における光の干渉について説明する模式断面図である。 比較例における、第1の共振器構造の出射スペクトルと有機EL素子の出射スペクトルを示すグラフであり、(a)は比較例1、(b)は比較例1より機能層の膜厚が大きい比較例2に関する。 (a)は実施の形態における第1の共振器構造の出射スペクトルと有機EL素子の出射スペクトルを示すグラフであり、(b)は第1光学調整層と第2光学調整層の屈折率差が有機EL素子の出射スペクトルに与える影響を示すグラフである。 実施の形態に係る有機EL素子を備える自発光パネルの製造過程を示すフローチャートである。 実施の形態に係る自発光パネルの製造過程の一部を模式的に示す部分断面図であって、(a)は、基板上にTFT層が形成された状態、(b)は、基板上に層間絶縁層が形成された状態、(c)は、層間絶縁層上に画素電極材料が形成された状態、(d)は、画素電極が形成された状態、(e)は、層間絶縁層および画素電極上に隔壁材料層が形成された状態を示す。 実施の形態に係る自発光パネルの製造過程の一部を模式的に示す部分断面図であって、(a)は、隔壁が形成された状態、(b)は、画素電極上に正孔注入層が形成された状態、(c)は、正孔注入層上に正孔輸送層が形成された状態、(d)は、正孔注入層上に発光層が形成された状態を示す。 実施の形態に係る自発光パネルの製造過程の一部を模式的に示す部分断面図であって、(a)は、発光層および隔壁上に中間層が形成された状態、(b)は中間層上に電子注入輸送層が形成された状態、(c)は、電子注入輸送層上に対向電極が形成された状態、(d)は、対向電極上に第1光学調整層が形成された状態を示す。 実施の形態に係る自発光パネルの製造過程の一部を模式的に示す部分断面図であって、(a)は、第1光学調整層上に第2光学調整層が形成された状態、(d)は、第2光学調整層上に第3光学調整層が形成された状態を示す。 (a)は、変形例1に係る発光素子の模式断面図であり、(b)は、変形例2に係る発光素子を備える自発光パネルの模式断面図である。 実施の形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
≪本開示の一態様に至った経緯≫
発光素子の光取り出し効率を向上するための手段として、光共振器構造が知られている。具体的には、図2(b)の模式断面図に示すように、例えば、発光中心から直接的に放出される経路C1を経由する光と、発光中心から光半透過性電極、光反射性電極の順に反射されて放出される経路C2を経由する光が互いに強め合うように光学距離を調整した構造である。このとき、経路C2と経路C1との光路長差はL0の光路長(屈折率を経路長で積分した値)とL1の光路長との和に依存する。このとき、光が強め合う条件は光路長差と波長との関係に依存し、放出される光の波長が短いほどL0+L1の光路長を短くする必要がある。一方で、発光層や発光層以外の機能層(正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層)にはそれぞれ最適な膜厚があり、発光層や正孔輸送層等の機能層の膜厚が十分でない場合、機能を十分に発揮することができず発光効率が低下する場合がある。特に、青色発光素子等の発光波長の短い素子では、共振器構造を最適化すると機能層の膜厚が十分でなく発光効率が十分に向上しない一方で、機能層の膜厚が十分となる設計では共振器構造においてL0+L1の光路長が所望の取り出し波長に対して長くなるため取り出される光のピーク波長が長波長側にシフトし色ずれが生じる課題がある。
発明者らは、共振器構造と機能層膜厚の最適化の両立について検討し、ピーク波長の異なる複数の共振器を組み合わせるという着想を得て、本開示に至ったものである。
≪開示の態様≫
本開示の一態様に係る発光素子は、光反射性の第1電極と、前記第1電極の上方に配される発光層と、前記発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、前記第2電極の上に接して配される第1透光層と、前記第1透光層の上に接して配される第2透光層とを備え、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上であることを特徴とする。
上記態様の発光素子によれば、発光層および第1電極と第2電極との間に存在する機能層の膜厚最適化により、第1電極と第2電極との間に構成される第1の共振器構造のピーク波長である第1の波長が所望の波長より長波長であっても、第2の共振器構造のピーク波長を第1の波長より短波長である第2の波長とすることで、発光素子から取り出される光のピーク波長を所望の波長とすることができる。したがって、機能層の膜厚を最適化するとともに、2つの共振器構造の組み合わせにより所望の波長をピーク波長とする光を発光素子から取り出すことができるため、所望の波長をピーク波長として出力する発光素子の高効率化を達成し長寿命化を図ることができる。
また、上記態様に係る発光素子において、以下のようにしてもよい。
前記第1の波長をλ1、前記第1電極の前記発光層側の面から発光中心までの光学距離をL0、発光中心から前記第2電極の前記発光層側の面までの光学距離をL1としたとき、
Figure 2021057336
としてもよい。ここで、φ0は前記第1電極の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、φ1は前記第2電極の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、m1は、任意の自然数である。
これにより、第1の共振器構造により第1の波長をピーク波長とした光を取り出すことができる。
また、前記第2の波長をλ2、前記第1電極の前記発光層側の面から発光中心までの光学距離をL0、発光中心から第2光学調整層の前記発光層側の面までの光学距離をL2としたとき、
Figure 2021057336
としてもよい。ここで、φ0は前記第1電極の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、φ2は第2光学調整層の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、m2は、任意の自然数である。
これにより、第2の共振器構造により第2の波長をピーク波長とした光を取り出すことができる。
また、前記発光層から出射される光のピーク波長と、前記第1の共振器構造の出射光と前記第2の共振器構造の出射光とが合成されてなる前記発光素子外部に取り出される光のピーク波長との差は15nm以下である、としてもよい。
これにより、発光素子から取り出す光のピーク波長と、発光層内部の光のピーク波長とを近づけることができるため、発光素子の発光効率をより向上させることができる。
また、前記第2透光層に接して配され、1以上の層を含む第3透光層をさらに備え、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第3透光層に含まれるいずれかの層の前記発光層側の面との間で、第3の光共振器構造を形成し、前記第2電極の前記発光層側の面と、前記第3透光層の上面との間の光学距離は、1μm以下である、としてもよい。
これにより、第3の共振器構造によって発光素子から取り出される光のピーク波長等をより詳細に設計することができる。
また、前記第3の光共振器構造は、前記第1の光共振器構造のピーク波長に対して弱めあうよう構成されている、としてもよい。
これにより、第1の光共振器構造による光強度の方位依存性を弱めることができるため、発光素子から取り出される光の強度やピーク波長が見る角度によって変化することを弱めることができる。
また、前記第3の光共振器構造は、前記第1の波長と前記第2の波長との間の第3の波長をピーク波長とする、としてもよい。
これにより、第3の光共振器構造によっても所望のピーク波長近傍の第3の波長をピーク波長とする光を取り出すことができるため、発光素子の光取り出し効率をさらに向上することができる。
また、本開示の一態様に係る発光素子は、光反射性の第1電極と、前記第1電極の上方に配される発光層と、前記発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、前記第2電極の上に接して配される第1透光層と、前記第1透光層の上に接して配される第2透光層とを備え、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む、としてもよい。
上記態様の発光素子によっても、発光層および第1電極と第2電極との間に存在する機能層の膜厚最適化により、第1電極と第2電極との間に構成される第1の共振器構造のピーク波長である第1の波長が所望の波長より長波長であっても、第2の共振器構造のピーク波長を第1の波長より短波長である第2の波長とすることで、発光素子から取り出される光のピーク波長を所望の波長とすることができる。したがって、機能層の膜厚を最適化するとともに、2つの共振器構造の組み合わせにより所望の波長をピーク波長とする光を発光素子から取り出すことができるため、所望の波長をピーク波長として出力する発光素子の高効率化を達成し長寿命化を図ることができる。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルは、基板上に、本開示の一態様に係る発光素子が複数形成されている自発光パネル、としてもよい。
これにより、本開示の一態様に係る発光素子を備えるトップエミッション型の自発光パネルを実現することができる。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルは、少なくとも一部が光透過性を有する基板と、前記基板の光透過性を有する部分の上方に配される第2透光層と、前記第2透光層に接して配される第1透光層と、前記第1発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、前記第2電極の上方に配される発光層と、前記発光層の上方に配される光反射性の第1電極とを備え、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上である、としてもよい。
これにより、本開示の一態様に係る発光素子を備えるボトムエミッション型の自発光パネルを実現することができる。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルは、少なくとも一部が光透過性を有する基板と、前記基板の光透過性を有する部分の上方に配される第2透光層と、前記第2透光層に接して配される第1透光層と、前記第1発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、前記第2電極の上方に配される発光層と、前記発光層の上方に配される光反射性の第1電極とを備え、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む、としてもよい。
これにより、本開示の一態様に係る発光素子を備えるボトムエミッション型の自発光パネルを実現することができる。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルの製造方法は、基板上に光反射性の第1電極を形成し、前記第1電極の上方に発光層を形成し、前記発光層の光半透過性の第2電極を形成し、前記第2電極の上に接して第1透光層を形成し、前記第1透光層の上に接して、前記第1透光層との屈折率差が0.3以上である第2透光層を形成し、前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上であることを特徴とする。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルの製造方法は、基板上に光反射性の第1電極を形成し、前記第1電極の上方に発光層を形成し、前記発光層の光半透過性の第2電極を形成し、前記第2電極の上に接して第1透光層を形成し、前記第1透光層の上に接して、前記第1透光層との屈折率差が0.3以上である第2透光層を形成し、前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む、としてもよい。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルの製造方法は、基板上に第2透光層を形成し、前記第2透光層上に接して第1透光層を形成し、前記第1透光層上に接して透光性の第2電極を形成し、前記第2電極の上方に発光層を形成し、前記発光層の上方に光反射性の第1電極を形成し、前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上であることを特徴とする。
また、本開示の一態様に係る自発光パネルの製造方法は、基板上に第2透光層を形成し、前記第2透光層上に接して第1透光層を形成し、前記第1透光層上に接して透光性の第2電極を形成し、前記第2電極の上方に発光層を形成し、前記発光層の上方に光反射性の第1電極を形成し、前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む、としてもよい。
≪実施の形態≫
以下、本開示に係る発光素子を備えた自発光パネルの実施の形態について説明する。なお、以下の説明は、本発明の一態様に係る構成及び作用・効果を説明するための例示であって、本発明の本質的部分以外は以下の形態に限定されない。また、以下の説明を含め本明細書、特許請求の範囲における上下とは光の出射方向を基準として相対的な位置関係を示すものであり、必ずしも絶対的な(鉛直方向における)上下の位置関係とは一致しない。
1.有機EL素子の構成
図1は、実施の形態1に係る自発光パネルとしての有機EL表示パネル100(図11参照)の部分断面図である。有機EL表示パネル100は、3つの色(赤色、緑色、青色)を発光する有機EL素子1(R)、1(G)、1(B)で構成される画素を複数備えている。すなわち、有機EL素子1(R)、1(G)、1(B)のそれぞれがサブ画素を構成し、発光色の異なる複数のサブ画素の集合が画素となる。図1では、その1つの画素の断面を示している。
有機EL表示パネル100において、各有機EL素子1は、前方(図1における紙面上方)に光を出射するいわゆるトップエミッション型である。
有機EL素子1(R)と、有機EL素子1(G)と、有機EL素子1(B)は、ほぼ同様の構成を有するので、区別しないときは、有機EL素子1として説明する。
図1に示すように、有機EL素子1は、基板11、層間絶縁層12、画素電極13、隔壁14、正孔注入層15、正孔輸送層16、発光層17、中間層18、電子注入輸送層19、対向電極20、光学調整層21を備える。光学調整層21は、対向電極20側から、第1光学調整層211、第2光学調整層212、第3光学調整層213を含む。画素電極13、対向電極20は、それぞれ、本開示の第1電極、第2電極に相当する。また、第1光学調整層211、第2光学調整層212は、それぞれ、本開示の第1透光層、第2透光層に相当する。
なお、基板11、層間絶縁層12、中間層18、電子注入輸送層19、対向電極20、第1光学調整層211、第2光学調整層212、および、第3光学調整層213は、画素ごとに形成されているのではなく、有機EL表示パネル100が備える複数の有機EL素子1に共通して形成されている。
<基板>
基板11は、絶縁材料である基材111と、TFT(Thin Film Transistor)層112とを含む。TFT層112には、サブ画素ごとに駆動回路が形成されている。基材111は、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等を採用することができる。プラスチック材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂を用いてもよい。例えば、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSu)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。これらよりプロセス温度に対して耐久性を有するように選択し、1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
<層間絶縁層>
層間絶縁層12は、基板11上に形成されている。層間絶縁層12は、樹脂材料からなり、TFT層112の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。また、図1の断面図には示されていないが、層間絶縁層12には、サブ画素ごとにコンタクトホールが形成されている。
<画素電極>
画素電極13は層間絶縁層12上に形成されている。画素電極13は、画素ごとに設けられ、層間絶縁層12に設けられたコンタクトホールを通じてTFT層112と電気的に接続されている。
本実施形態においては、画素電極13は、光反射性の陽極として機能する。
光反射性を具備する金属材料の具体例としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などが挙げられる。
画素電極13は、金属層単独で構成してもよいが、金属層の上に、ITO(酸化インジウム錫)やIZO(酸化インジウム亜鉛)のような金属酸化物からなる層を積層した積層構造としてもよい。
<隔壁>
隔壁14は、画素電極13の上面の一部の領域を露出させ、その周辺の領域を被覆した状態で画素電極13上に形成されている。画素電極13上面において隔壁14で被覆されていない領域(以下、「開口部」という)は、サブピクセルに対応している。すなわち、隔壁14は、サブピクセルごとに設けられた開口部14aを有する。
本実施の形態においては、隔壁14は、画素電極13が形成されていない部分においては、層間絶縁層12上に形成されている。すなわち、画素電極13が形成されていない部分においては、隔壁14の底面は層間絶縁層12の上面と接している。
隔壁14は、例えば、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)からなる。隔壁14は、発光層17を塗布法で形成する場合には塗布されたインクがあふれ出ないようにするための構造物として機能し、発光層17を蒸着法で形成する場合には蒸着マスクを載置するための構造物として機能する。本実施の形態では、隔壁14は、樹脂材料からなり、隔壁14の材料としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。本実施の形態においては、フェノール系樹脂が用いられている。
<正孔注入層>
正孔注入層15は、画素電極13から発光層17への正孔(ホール)の注入を促進させる目的で、画素電極13上に設けられている。正孔注入層15の材料の具体例としては、例えば、PEDOT/PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料が挙げられる。
なお、正孔注入層15は、遷移金属の酸化物で形成してもよい。遷移金属の具体例としては、Ag(銀)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)、V(バナジウム)、W(タングステン)、Ni(ニッケル)、Ir(イリジウム)などである。遷移金属は複数の酸化数を取るため、複数の準位を取ることができ、その結果、正孔注入が容易になり、駆動電圧の低減に寄与するからである。この場合、正孔注入層15は、大きな仕事関数を有することが好ましい。
なお、正孔注入層15は、遷移金属の酸化物上に導電性ポリマー材料を積層した積層構造であってもよい。
<正孔輸送層>
正孔輸送層16は、正孔注入層15から注入された正孔を発光層17へ輸送する機能を有し、正孔を正孔注入層15から発光層17へと効率よく輸送するため、正孔移動度の高い有機材料で形成されている。正孔輸送層16の形成は、有機材料溶液の塗布および乾燥により行われる。正孔輸送層16を形成する有機材料としては、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体等の高分子化合物を用いることができる。
また、正孔輸送層16はトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンゼン誘導体を用いて形成されてもよい。特に好ましくは、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物等を用いてもよい。この場合、正孔輸送層16は、真空蒸着法により形成される。なお、正孔輸送層16の材料および製造方法は上述のものに限られず、正孔輸送機能を有する任意の材料を用いてよく、正孔輸送層16の製造に用いることのできる任意の製造方法で形成されてよい。
<発光層>
発光層17は、開口部14a内に形成されている。発光層17は、正孔と電子の再結合によりR、G、Bの各色の光を出射する機能を有する。発光層17の材料としては、公知の材料を利用することができる。
発光素子1が有機EL素子である場合、発光層17に含まれる有機発光材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物およびアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質を用いることができる。また、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムなどの燐光を発光する金属錯体等の公知の燐光物質を用いることができる。また、発光層17は、ポリフルオレンやその誘導体、ポリフェニレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体等の高分子化合物等、もしくは前記低分子化合物と前記高分子化合物の混合物を用いて形成されてもよい。なお、発光素子1は量子ドット発光素子(QLED;Quantum-dot Light Emitting Diode)であってもよく、発光層17の材料として量子ドット効果を有する材料を使用することができる。
<中間層>
中間層18は、発光層17上に形成されており、電子注入性を有する金属材料のフッ化物またはキノリニウム錯体を含む。金属材料としては、アルカリ金属、または、アルカリ土類金属から選択される。アルカリ金属は、具体的には、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム)、Fr(フランシウム)である。また、アルカリ土類金属は、具体的には、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)である。本実施の形態では、NaF(フッ化ナトリウム)を含む。
<電子注入輸送層>
電子注入輸送層19は、中間層18上に形成されており、電子輸送性を有する有機材料に、電子注入性を向上させる金属材料がドープされてなる。ここで、ドープとは、金属材料の金属原子または金属イオンを有機材料中に略均等に分散させることを指し、具体的には、有機材料と微量の金属材料を含む単一の相を形成することを指す。なお、それ以外の相、特に、金属片や金属膜など、金属材料のみからなる相、または、金属材料を主成分とする相は、存在していないことが好ましい。また、有機材料と微量の金属材料を含む単一の相において、金属原子または金属イオンの濃度は均一であることが好ましく、金属原子または金属イオンは凝集していないことが好ましい。金属材料としては、希土類金属から選択されることが好ましく、Yb(イッテルビウム)がより好ましい。本実施の形態では、Ybが選択される。また、電子注入輸送層19における金属材料のドープ量は3〜60wt%が好ましい。本実施の形態では、20wt%である。
電子輸送性を有する有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。
<対向電極>
対向電極20は、光半透過性の導電性材料からなり、電子注入輸送層19上に形成されている。本実施の形態においては、対向電極20は、陰極として機能する。
対向電極20の電子注入輸送層19との界面の光反射面は、画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって共振器構造を形成する。したがって、発光層17から出射された光が、電子注入輸送層19から対向電極20へと入射する際にその一部が電子注入輸送層19へと反射される必要がある。したがって、対向電極20と電子注入輸送層19との間で、屈折率が異なっていることが好ましい。したがって、対向電極20は、金属薄膜が好ましい。光半透過性を確保するため、金属層の膜厚は1nm〜50nm程度である。
対向電極20の材料としては、例えば、Ag、Agを主成分とする銀合金、Al、Alを主成分とするAl合金が挙げられる。Ag合金としては、マグネシウム−銀合金(MgAg)、インジウム−銀合金が挙げられる。Agは、基本的に低抵抗率を有し、Ag合金は、耐熱性、耐腐食性に優れ、長期にわたって良好な電気伝導性を維持できる点で好ましい。Al合金としては、マグネシウム−アルミニウム合金(MgAl)、リチウム−アルミニウム合金(LiAl)が挙げられる。その他の合金として、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金が挙げられる。本実施の形態では、対向電極20はAgの薄膜である。
<第1光学調整層>
第1光学調整層211は、透光性の材料からなり、対向電極20上に形成されている。
第1光学調整層211の第2光学調整層212との界面の光反射面は、画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって共振器構造を形成する。したがって、発光層17から出射された光が、第1光学調整層211から第2光学調整層212へと入射する際にその一部が第1光学調整層211へと反射される必要がある。したがって、第1光学調整層211と第2光学調整層212との間で、屈折率が異なっていることが好ましい。例えば、屈折率の差が0.3以上となるように光学調整層211の材料と第2光学調整層212の材料を選択してもよい。
第1光学調整層211の材料としては、例えば、ITO、IZO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブと酸化チタンの混合材料、酸化ガリウム(GaO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化タンタル(TaO)、酸化チタンと酸化亜鉛の混合材料、酸化亜鉛と酸化ガリウムと酸化シリコン(SiO)の混合材料、酸化スズ(SnO)と酸化シリコンとの混合材料などが挙げられる。特に酸化ニオブは屈折率が高いため、より好ましい。本実施の形態では、第1光学調整層21は酸化ニオブからなる。なお、第1光学調整層211は対向電極20を基準として画素電極13とは逆側に位置しているため導電性を備える必要はないが、導電性を備えている場合は対向電極20のシート抵抗を低下させることができる点で好ましい。
<第2光学調整層>
第2光学調整層212は、透光性の材料からなり、第1光学調整層211上に形成されている。
第1光学調整層211の第2光学調整層212との界面の光反射面は、画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって共振器構造を形成する。したがって、発光層17から出射された光が、第1光学調整層211から第2光学調整層212へと入射する際にその一部が第1光学調整層211へと反射される必要がある。したがって、第1光学調整層211と第2光学調整層212との間で、屈折率が異なっていることが好ましい。例えば、屈折率の差が0.3以上となるように光学調整層211の材料と第2光学調整層212の材料を選択してもよい。
第2光学調整層212の材料としては、例えば、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)などが挙げられる。なお、第2光学調整層212は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料であってもよい。例えば、第1光学調整層211の材料がIZOまたは酸化ニオブであるとき、第2光学調整層212の材料として、酸窒化シリコンを用いることができる。本実施の形態では、第2光学調整層212は酸窒化シリコンからなる。なお、第1光学調整層211と第2光学調整層212との組み合わせは上述のものに限られないが、屈折率が異なっていることが好ましい。
<第3光学調整層>
第3光学調整層213は、透光性の材料からなり、第2光学調整層212上に形成されている。
第3光学調整層213は、第2光学調整層212を保護する封止層として機能する。また、第2光学調整層212と第3光学調整層213との界面が、画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって共振器構造を形成してもよい。第3光学調整層213の材料としては、例えば、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)などが挙げられる。なお、第3光学調整層212は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料であってもよい。本実施の形態では、第3光学調整層213は窒化シリコンからなる。
<その他>
なお図1には示されないが、第3光学調整層213の上に、封止樹脂を介してカラーフィルターや上部基板を貼り合せてもよい。上部基板を貼り合せることによって、正孔輸送層16、発光層17、中間層18、電子注入輸送層19を水分および空気などから保護できる。
2.光共振器構造
(2.1)光共振器構造の詳細
図2は、本実施の形態に係る有機EL素子1の光共振器構造における光の干渉を説明する図である。第1の光共振器構造は、画素電極13の正孔注入層15側の面と、対向電極20の電子注入輸送層19側の面との間に構成される。また、第2の光共振器構造は、画素電極13の正孔注入層15側の面と、第2光学調整層212の第1光学調整層211側の面との間に構成される。発光層17は、第1の共振器構造の内側、かつ、第2の共振器構造の内側に存在することとなる。
図2には、発光層17から出射される光の主な経路を示している。経路C1は、発光層17から対向電極20側に出射された光が、反射されることなく対向電極20を透過する経路である。経路C2は、発光層17から対向電極20側に出射された光が、対向電極20の電子注入輸送層19側の面で反射され、さらに画素電極13の正孔注入層15側の面で反射され、発光層17と対向電極20を透過する経路である。経路C3は、発光層17から対向電極20側に出射された光が、対向電極20を透過して第2光学調整層212の第1光学調整層211側の面で反射され、さらに画素電極13の正孔注入層15側の面で反射され、発光層17、対向電極20、第2光学調整層212を透過する経路である。第1の共振器構造では、経路C1により出射した光と経路C2により出射した光との間で干渉が生じる。第2の共振器構造では、経路C1により出射した光と経路C3により出射した光との間で干渉が生じる。そして、第1の共振器構造による出射光と、第2の共振器構造による出射光とがさらに合成され、発光素子1からの出射光となる。
経路C1と経路C2との光学距離の差は、図2に示す光学膜厚L0と光学膜厚L1との和である光学膜厚L1tに対応する。ここで、光学膜厚とは、膜の屈折率を膜厚で積分した値であり、より具体的には、光学膜厚L1tは、正孔注入層15の屈折率×正孔注入層15の膜厚、正孔輸送層16の屈折率×正孔輸送層16の膜厚、発光層17の屈折率×発光層17の膜厚、中間層18の屈折率×中間層18の膜厚、電子注入輸送層19の屈折率×電子注入輸送層19の膜厚をすべて加算した値である。同様に、経路C1と経路C3との光学距離の差は、図2に示す光学膜厚L0と光学膜厚L2の和である光学膜厚L2tに対応する。
第1の共振器構造では、経路C1により出射した光と経路C2により出射した光が強め合うように、光学膜厚L1tを設定する。さらに、第2の共振器構造では、経路C1により出射した光と経路C3により出射した光が強め合うように、光学膜厚L2tを設定する。このとき、第1の共振器構造により得られる対向電極20からの出射光のピーク波長(真空中の波長。本明細書および特許請求の範囲において同様)をλ1としたとき、光学距離との間に以下の関係が成立する。
Figure 2021057336
…(式1)
ここで、φ0は画素電極13の正孔注入層15側の面で反射されるときの光の位相変化であり、φ1は対向電極20の電子注入輸送層19側の面で反射されるときの光の位相変化である。また、m1は、任意の自然数である。
また、同様に、第2の共振器構造により得られる第2光学調整層212からの出射光のピーク波長をλ2としたとき、光学距離との間に以下の関係が成立する。
Figure 2021057336
…(式2)
ここで、φ2は第2光学調整層212の第1光学調整層211側の面で反射されるときの光の位相変化である。また、m2は、任意の自然数である。
本実施の形態に係る発光素子1では、第1の共振器構造のピーク波長λ1と第2の共振器構造のピーク波長λ2、そして、発光素子1から取り出される光のピーク波長λs、発光層17内の発光におけるピーク波長λとの関係について、以下の関係を有する。
λ2<λs<λ1 …(式3)
式3を満たすことにより、第1の共振器構造のピーク波長λ1が発光素子1から取り出される光のピーク波長λsより長波長であっても、所望の波長をピーク波長とする光を発光素子1から取り出すことができる。
また、本実施の形態に係る発光素子1では、以下の関係を有することが好ましい。
λ−15[nm] <λs<λ+15[nm] …(式4)
λs−20[nm]<λ1 …(式5)
λ2<λs+20[nm] …(式6)
式4を満たすことにより、発光層から取り出される光の多くを発光素子1から取り出される光とすることができるため、発光素子1の発光効率を向上させることができる。また、式5、式6を満たすことにより、第1の共振器構造、第2の共振器構造が発光層から取り出される光を効率よく取り出すことができ、発光素子1の発光効率の向上と光取り出し効率の向上に有効である。
(2.2)光共振器構造による効果
図4(a)、図3は、それぞれ、本実施の形態、または、比較例による光共振器構造による効果を示す模式図である。
図3(a)は、比較例1として、λ1=λ2の従来構成による発光スペクトルを示した模式図であり、スペクトル311は第1の共振器構造から出力される光のスペクトル、スペクトル312は発光素子から出力される光のスペクトルを示すものである。これに対し、図3(b)は、比較例2として、比較例1に対して正孔輸送層16や発光層17を厚膜化した発光素子の発光スペクトルを示した模式図であり、スペクトル321は第1の共振器構造から出力される光のスペクトル、スペクトル322は発光素子から出力される光のスペクトルを示すものである。比較例2では、比較例1に対して発光層17の膜厚が8nm大きい。これにより、光学膜厚L0と光学膜厚L1とが増加しているため、比較例1に対してλ1、λ2がいずれも長波長に変化する。より具体的には、比較例1ではλsが略450nmであるのに対し、比較例2ではλsが略470nmに変化している。したがって、発光素子から取り出したい所望の波長が450nmである場合、光学膜厚L1tを変化させないように正孔輸送層16や発光層17を厚膜化するには電子注入輸送層19の膜厚を小さくする必要が生じ、各機能層の膜厚の最適化と光共振器構造により所望の波長の光を取り出す構成との両立が困難である。
これに対し、本実施の形態に係る発光スペクトルを示した模式図を図4(a)に示す。スペクトル331は第1の共振器構造から出力される光のスペクトル、スペクトル332は第2の共振器構造から出力される光のスペクトル、スペクトル333は発光素子から出力される光のスペクトルである。本実施の形態では、比較例2と同様、正孔輸送層16や発光層17を厚膜化した構成であり、光学膜厚L0と光学膜厚L1とにより定まる第1の共振器構造のピーク波長λ1は、比較例2と同様、比較例1と比べて長波長側に存在している。しかしながら、本実施の形態では、第2の共振器構造のピーク波長λ2が上述の関係式を満たすように、すなわち、発光素子1から取り出される光のピーク波長λsに対してλ2<λsを満たすように、光学膜厚L2を設計している。これにより、発光素子から出力される光のスペクトル333は、λ2<λs<λ1を満たすため、λ1が発光素子から取り出したい所望の波長より長い状態であっても、所望の波長の光を取り出すことが可能となる。
なお、図4(b)は、第1光学調整層211と第2光学調整層212との屈折率差と、発光素子から出力される光のスペクトルとの関係を示す模式図である。また、スペクトル341は第1の共振器構造から出力される光のスペクトルである。スペクトル351〜366は、発光素子から出力される光のスペクトルであり、それぞれ、第1光学調整層221と第2光学調整層222との屈折率差が0.13、0.30、0.46、0.63、0.79に対応する。図4(b)に示すように、第1光学調整層211と第2光学調整層212との屈折率差が大きくなるほど発光素子から出力される光のピーク波長が短波長側にシフトする。その理由としては、第1光学調整層211と第2光学調整層212との屈折率差が大きくなるほど第1光学調整層211と第2光学調整層212との界面における光反射率が大きくなることにより、第2の共振器構造による光出力が大きくなることが考えられる。図4(b)に示すように、第1光学調整層211と第2光学調整層212との屈折率差が大きいほど好ましい。第1光学調整層211と第2光学調整層212との屈折率差は、例えば、0.30以上であることが好ましい。
3.小括
以上説明したように、実施の形態に係る発光素子によれば、画素電極と対向電極の間に形成される第1の共振器構造と、画素電極と第2光学調整層との間に形成される第2の共振器構造とで取り出される光のピーク波長が異なる。したがって、第1の共振器構造のピーク波長を発光素子から取り出したい光のピーク波長より長く、かつ、第2の共振器構造のピーク波長を発光素子から取り出したい光のピーク波長より短く設計することにより、発光素子から取り出す光のピーク波長を所望の波長から長波長化することなく、機能層の膜厚を大きくすることができる。したがって、機能層の膜厚の最適化による発光効率の向上や駆動電圧の低下による発光素子の高効率化、長寿命化を図るとともに、所望の波長における発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。
4.発光素子の製造方法
発光素子を含む自発光パネルの製造方法について、図面を用いて説明する。図5は、発光素子を含む自発光パネルの製造工程を示すフローチャートである。図6(a)〜(e)、図7(a)〜(d)、図8(a)〜(d)、図9(a)〜(b)は、自発光パネルの製造における各過程での状態を示す模式断面図である。
(1)まず、図6(a)に示すように、基材111上にTFT層112を成膜して基板11を形成し、(ステップS10)。TFT層112は、公知のTFTの製造方法により成膜することができる。
(2)層間絶縁層12の形成
次に、図6(b)に示すように、基板11上に層間絶縁層12を形成する(ステップS20)。層間絶縁層12は、例えば、プラズマCVD法、スパッタリング法などを用いて積層形成することができる。
次に、層間絶縁層12における、TFT層のソース電極上の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホールを形成する。コンタクトホールは、その底部にソース電極の表面が露出するように形成される。
次に、コンタクトホールの内壁に沿って接続電極層を形成する。接続電極層の上部は、その一部が層間絶縁層12上に配される。接続電極層の形成は、例えば、スパッタリング法を用いることができ、金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウェットエッチング法を用いパターニングすることがなされる。
(3)画素電極13の形成
次に、図6(c)に示すように、層間絶縁層12上に画素電極材料層130を形成する。画素電極材料層130は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
次に、図6(d)に示すように、画素電極材料層130をエッチングによりパターニングして、サブピクセルごとに区画された複数の画素電極13を形成する(ステップS30)。
(4)隔壁14の形成
次に、図6(e)に示すように、画素電極13および層間絶縁層12上に、隔壁14の材料である隔壁層用樹脂を塗布し、隔壁材料層140を形成する。隔壁材料層140は、隔壁層用樹脂であるフェノール樹脂を溶媒(例えば、乳酸エチルとGBLの混合溶媒)に溶解させた溶液を画素電極13上および層間絶縁層12上にスピンコート法などを用いて一様に塗布することにより形成される。そして、隔壁材料層140にパターン露光と現像を行うことで隔壁14を形成し(図7(a))、隔壁14を焼成する(ステップS40)。これにより、発光層17の形成領域となる開口部14aが規定される。隔壁14の焼成は、例えば、150℃以上210℃以下の温度で60分間行う。
また、隔壁14の形成工程においては、さらに、隔壁14の表面を所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等によって表面処理するか、プラズマ処理を施すこととしてもよい。これは、開口部14aに塗布するインク(溶液)に対する隔壁14の接触角を調節する目的で、もしくは、表面に撥水性を付与する目的で行われる。
(5)正孔注入層15の形成
次に、図7(b)に示すように、隔壁14が規定する開口部14aに対し、正孔注入層15の構成材料を含むインクを、インクジェットヘッド410のノズル401から吐出して開口部14a内の画素電極13上に塗布し、焼成(乾燥)を行って、正孔注入層15を形成する(ステップS50)。
なお、正孔注入層15の成膜は塗布方式に限られず、蒸着等の方法により形成してもよい。さらに、正孔注入層15の成膜を蒸着やスパッタリングで行う場合には、ステップ30における画素電極材料層130の形成後、画素電極材料層130上に正孔注入層15の材料からなる正孔注入材料層を形成し、画素電極材料層130と正孔注入材料層とを同一のパターニング工程でパターニングして画素電極13と正孔注入層15の積層構造を形成する、としてもよい。
(6)正孔輸送層16の形成
次に、図7(c)に示すように、隔壁14が規定する開口部14aに対し、正孔輸送層16の構成材料を含むインクを、インクジェットヘッド420のノズル402から吐出して開口部14a内の正孔注入層15上に塗布し、焼成(乾燥)を行って、正孔輸送層16を形成する(ステップS60)。
なお、正孔輸送層16の成膜は塗布方式に限られず、蒸着等の方法により形成してもよい。さらに、画素電極13、正孔注入層15、正孔輸送層16の全ての成膜を蒸着やスパッタリングで行う場合には、上述したように、各層を同一のパターニング工程でパターニングしてもよい。
(7)発光層17の形成
次に、図7(d)に示すように、発光層17の構成材料を含むインクを、インクジェットヘッド430Rのノズル403R、インクジェットヘッド430Gのノズル403G、インクジェットヘッド430Bのノズル403Bのそれぞれから吐出して開口部14a内の正孔輸送層16上に塗布し、焼成(乾燥)を行って発光層17を形成する(ステップS70)。
(8)中間層18の形成
次に、図8(a)に示すように、発光層17および隔壁14上に、中間層18を形成する(ステップS80)。中間層18は、例えば、アルカリ金属のフッ化物であるNaFを真空蒸着法により各サブピクセルに共通して成膜することにより形成される。
(9)電子注入輸送層19の形成
次に、図8(b)に示すように、中間層18上に、電子注入輸送層19を形成する(ステップS90)。電子注入輸送層19は、例えば、電子輸送性の有機材料とドープ金属であるイッテルビウムとを共蒸着法により各サブピクセルに共通して成膜することにより形成される。
(10)対向電極20の形成
次に、図8(c)に示すように、電子注入輸送層19上に、対向電極20を形成する(ステップS100)。対向電極20は、例えば、Ag、Al等の金属材料を、スパッタリング法、真空蒸着法により成膜することにより形成される。
(11)第1光学調整層211の形成
次に、図8(d)に示すように、第1光学調整層211を形成する(ステップS110)。第1光学調整層211は、例えば、NbOを、スパッタリング法により製膜することにより形成される。
(12)第2光学調整層212の形成
次に、図9(a)に示すように、第2光学調整層212を形成する(ステップS120)。第2光学調整層212は、例えば、SiONを用いて、スパッタリング法、CVD法により形成することができる。
(13)第3光学調整層213の形成
次に、図9(b)に示すように、第3光学調整層213を形成する(ステップS130)。第3光学調整層213は、例えば、SiNを用いて、スパッタリング法、CVD法により形成することができる。
なお、第3光学調整層213の上に封止機能を有する層をさらに形成してもよいし、カラーフィルタや上部基板を載置し、接合してもよい。
5.表示装置の全体構成
図10は、自発光パネル100を備えた表示装置1000の構成を示す模式ブロック図である。図10に示すように、表示装置1000は、自発光パネル100と、これに接続された駆動制御部200とを含む構成である。駆動制御部200は、4つの駆動回路210〜240と、制御回路250とから構成されている。
なお、実際の表示装置1000では、自発光パネル100に対する駆動制御部200の配置については、これに限られない。
≪変形例1≫
実施の形態に係る自発光素子としての有機EL素子1では、共振器構造が第1の共振器構造、第2の共振器構造の2つであるとした。しかしながら、自発光素子は上述した第1の共振器構造、第2の共振器構造を備えていれば、それ以外の共振器構造を備えてもよい。
本変形例では、第3の共振器構造や第4の共振器構造をさらに備えることを特徴とする。
1.構成
図10(a)は、本変形例に係る自発光素子の模式断面図である。本変形例に係る自発光素子は、光学調整層21が第1光学調整層211、第2光学調整層212、…、第n光学調整層21−n(nは4以上の整数)からなる点で実施の形態と異なる。
<光学調整層>
4以上の層からなる光学調整層21は、透光性の材料からなり、対向電極20上に形成されている。
光学調整層21を構成する各層は、それぞれが透光性の材料からなり、少なくとも隣接する層とは材料および屈折率が異なる。なお、たがいに隣接しない層については同じ材料から構成していてもよく、例えば、第1光学調整層211、第3光学調整層213、第5光学調整層215、…、がそれぞれ酸窒化シリコンから構成され、第2光学調整層212、第4光学調整層214、第6光学調整層216、…、がそれぞれ窒化シリコンから構成されるとしてもよい。光学調整層21を構成する各層のうち、第1光学調整層211と第2光学調整層212との界面の光反射面は、画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって第2の共振器構造を形成する。したがって、実施の形態と同様、第1光学調整層211と第2光学調整層212との間で、屈折率が異なっていることが好ましい。例えば、第1光学調整層211と第2光学調整層212との間で、屈折率の差が0.3以上であることが好ましい。
また、第2光学調整層212と第3光学調整層213との界面、第3光学調整層213と第4光学調整層214との界面、…、第(n−1)光学調整層21−(n−1)と第n光学調整層21−nとの界面のうち、少なくとも1つは、画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって第3の共振器構造を形成する。したがって、第3の共振器構造を形成する界面に係る2つの層について、屈折率が異なっていることが好ましい。なお、第3の共振器構造の反射面の1つである、第(n−1)光学調整層21−(n−1)と第n光学調整層21−nとの界面と、第1の共振器構造の反射面の一つである、対向電極20の発光層17側の面との距離は、1μm以下であることが好ましい。
なお、共振器構造を形成する界面は1つに限られず複数であってもよい。
2.光共振器構造の第1の形態
本変形例においても、第1の共振器構造と第2の共振器構造は、実施の形態と同一である。また、本変形例では、第3の共振器構造を備えている。第(k−1)光学調整層と第k光学調整層(kは3以上n以下の整数)との界面が画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって第3の共振器構造を構成しているとしたとき、第3の共振器構造により得られる出射光のピーク波長をλ3、第(k−1)光学調整層と第k光学調整層との界面から発光中心までの光学距離をLk、第3の共振器構造の2つの界面間の光学距離Lkt(=L0+Lk)としたとき、以下の関係が成立する。
Figure 2021057336
…(式7)
ここで、φkは第(k−1)光学調整層と第k光学調整層との界面で反射されるときの光の位相変化、m3は、任意の自然数である。
なお、λ3は以下の関係を満たしていることが好ましい。
λ2<λ3<λ1 …(式8)
以上の構成により、第3の共振器構造によっても所望の波長の光の強度が増加するように光を取り出すことができるため、発光素子1の発光効率の向上と光取り出し効率の向上に有効である。
なお、第3の共振器構造以外に、第4の共振器構造、第5の共振器構造をさらに備えてもよい。
3.光共振器構造の第2の形態
光共振器構造の第1の形態では、第3の共振器構造によって所望の波長の光の強度が増加するように光を取り出すとしたが、これに替えて、第3の共振器構造を以下のように構成してもよい。すなわち、ある波長λ4に対し、以下の関係を満たすように、第(k−1)光学調整層と第k光学調整層(kは3以上n以下の整数)との界面が画素電極13の正孔注入層15との界面の光反射面と対となって第3の共振器構造を構成する。
Figure 2021057336
…(式9)
ここで、φkは第(k−1)光学調整層と第k光学調整層との界面で反射されるときの光の位相変化、m4は、任意の自然数である。
なお、λ4は以下の関係を満たしていることが好ましい。
λ2<λ4<λ1 …(式10)
以上の構成により、第3の共振器構造では、波長λ4について経路C1や第1の共振器構造に対して光を弱めるように構成される。光共振器構造は光の取り出し効率を向上する一方で、光学距離には視野角依存性があるため指向性も強める効果があり、それによって視野角を狭める作用も存在する。上記構成によれば、第3の共振器構造によって、第1の共振器構造による視野角の狭小化を弱めることができるため、発光素子1の視野角拡大に有効である。
なお、第3の共振器構造以外に、第4の共振器構造、第5の共振器構造をさらに備えてもよい。
≪変形例2≫
実施の形態に係る発光素子を備える自発光パネルでは、画素電極が光反射性電極、対向電極が光半透過性電極のトップエミッション型パネルであるとした。しかしながら、自発光パネルは、ボトムエミッション型パネルであってもよい。
本変形例では、対向電極が光反射性電極であり画素電極が光反射性電極であるボトムエミッション型パネルであることを特徴とする。
1.構成
図10(b)は、本変形例に係る自発光パネルの模式断面図である。本変形例に係る自発光パネルは、基板11上に、第2光学調整層212、第1光学調整層211、光半透過性画素電極131、…、発光層17、…、光反射性対向電極201の順に積層された発光素子1を備える点で実施の形態と異なる。なお、光の出射方向を上方とした場合、すなわち、発光素子において光反射性電極を下側、光半透過性電極や光学調整層を上側とした場合、本変形例は、上方に光を出射する発光素子の下側に基板がなく、上側に基板が存在する構成であると言うこともできる。
≪実施の形態に係るその他の変形例≫
(1)上記実施の形態及び変形例においては、発光素子である有機EL素子1が正孔注入層15、正孔輸送層16、中間層18、電子注入輸送層19は必ずしも上記実施の形態の構成である必要はない。いずれか1以上を備えないとしてもよいし、さらにほかの機能層を備えていてもよい。例えば、中間層18を備えないとしてもよいし、中間層18に替えて、あるいは、中間層18と発光層17との間に、電子輸送層を備える、としてもよい。
また、各機能層の製造方法は単なる例示であり、例えば、発光層17が蒸着法で形成されてもよいし、光学調整層のうち1層以上がスピンコート法、塗布法等で形成されてもよい。
(2)上記実施の形態及び変形例においては、自発光パネルはR、G、Bのそれぞれに発光する3種類の発光素子を備えるとしたが、発光素子の種類は2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。ここで、発光素子の種類とは発光素子を構成する各要素のバリエーションを指すものであり、同一の発光色であっても発光層や機能層の膜厚が異なる場合は、種類が異なる発光素子と考えてよい。また、発光素子の配置についても、RGBRGB…の配置に限られず、RGBBGRRGB…の配置であってもよいし、発光素子間に補助電極層やその他の非発光領域を設けてもよい。
また、実施の形態では中間層18、電子注入輸送層19、対向電極20、光学調整層の各層のそれぞれは共通膜として形成されるとしたが、発光素子ごとに膜厚を変えてもよい。
(3)上記実施の形態及び変形例においては、自発光パネルにおいて基板側が陽極であるように発光素子を配したが、基板側が陰極となるように発光素子を配してもよい。このとき、光学調整層は発光素子の電極の極性に係らず透光性電極に接するように配される。
(4)以上、本開示に係る有機EL表示パネルおよび有機EL表示装置について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態および変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明は、光共振器構造を備えた発光素子において、光取り出し効率の向上が高く消費電力が小さい発光素子を製造するのに有用である。
1 発光素子(有機EL素子)
11 基板
12 層間絶縁層
13 画素電極
14 隔壁
14a 開口部
15 正孔注入層
16 正孔輸送層
17 発光層
18 中間層
19 電子注入輸送層
20 対向電極
21 光学調整層
100 自発光パネル(有機EL表示パネル)
200 駆動制御部
210〜240 駆動回路
250 制御回路

Claims (15)

  1. 光反射性の第1電極と、
    前記第1電極の上方に配される発光層と、
    前記発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、
    前記第2電極の上に接して配される第1透光層と、
    前記第1透光層の上に接して配される第2透光層と
    を備え、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上である
    ことを特徴とする発光素子。
  2. 前記発光層から出射される光のピーク波長と、前記第1の共振器構造の出射光と前記第2の共振器構造の出射光とが合成されてなる前記発光素子外部に取り出される光のピーク波長との差は15nm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第1の波長をλ1、前記第1電極の前記発光層側の面から発光中心までの光学距離をL0、発光中心から前記第2電極の前記発光層側の面までの光学距離をL1としたとき、
    Figure 2021057336
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
    ここで、φ0は前記第1電極の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、φ1は前記第2電極の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、m1は、任意の自然数である。
  4. 前記第2の波長をλ2、前記第1電極の前記発光層側の面から発光中心までの光学距離をL0、発光中心から第2光学調整層の前記発光層側の面までの光学距離をL2としたとき、
    Figure 2021057336
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発光素子。
    ここで、φ0は前記第1電極の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、φ2は第2光学調整層の前記発光層側の面で反射されるときの光の位相変化であり、m2は、任意の自然数である。
  5. 前記第2透光層に接して配され、1以上の層を含む第3透光層をさらに備え、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第3透光層に含まれるいずれかの層の前記発光層側の面との間で、第3の光共振器構造を形成し、
    前記第2電極の前記発光層側の面と、前記第3透光層の上面との間の光学距離は、1μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記第3の光共振器構造は、前記第1の光共振器構造のピーク波長に対して弱めあうよう構成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の発光素子。
  7. 前記第3の光共振器構造は、前記第1の波長と前記第2の波長との間の第3の波長をピーク波長とする
    ことを特徴とする請求項5に記載の発光素子。
  8. 光反射性の第1電極と、
    前記第1電極の上方に配される発光層と、
    前記発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、
    前記第2電極の上に接して配される第1透光層と、
    前記第1透光層の上に接して配される第2透光層と
    を備え、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、
    前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む
    ことを特徴とする発光素子。
  9. 基板上に、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光素子が複数形成されている自発光パネル。
  10. 少なくとも一部が光透過性を有する基板と、
    前記基板の光透過性を有する部分の上方に配される第2透光層と、
    前記第2透光層に接して配される第1透光層と、
    前記第1発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、
    前記第2電極の上方に配される発光層と、
    前記発光層の上方に配される光反射性の第1電極と
    を備え、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上である
    ことを特徴とする自発光パネル。
  11. 少なくとも一部が光透過性を有する基板と、
    前記基板の光透過性を有する部分の上方に配される第2透光層と、
    前記第2透光層に接して配される第1透光層と、
    前記第1発光層の上方に配される光半透過性の第2電極と、
    前記第2電極の上方に配される発光層と、
    前記発光層の上方に配される光反射性の第1電極と
    を備え、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、
    前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む
    ことを特徴とする自発光パネル。
  12. 基板上に光反射性の第1電極を形成し、
    前記第1電極の上方に発光層を形成し、
    前記発光層の上方に光半透過性の第2電極を形成し、
    前記第2電極の上に接して第1透光層を形成し、
    前記第1透光層の上に接して、前記第1透光層との屈折率差が0.3以上である第2透光層を形成し、
    前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上である
    ことを特徴とする発光素子の製造方法。
  13. 基板上に光反射性の第1電極を形成し、
    前記第1電極の上方に発光層を形成し、
    前記発光層の上方に光半透過性の第2電極を形成し、
    前記第2電極の上に接して第1透光層を形成し、
    前記第1透光層の上に接して、前記第1透光層との屈折率差が0.3以上である第2透光層を形成し、
    前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、
    前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む
    ことを特徴とする発光素子の製造方法。
  14. 基板上に第2透光層を形成し、
    前記第2透光層上に接して第1透光層を形成し、
    前記第1透光層上に接して光半透過性の第2電極を形成し、
    前記第2電極の上方に発光層を形成し、
    前記発光層の上方に光反射性の第1電極を形成し、
    前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の屈折率と、前記第1透光層の屈折率との差は0.3以上である
    ことを特徴とする発光素子の製造方法。
  15. 基板上に第2透光層を形成し、
    前記第2透光層上に接して第1透光層を形成し、
    前記第1透光層上に接して光半透過性の第2電極を形成し、
    前記第2電極の上方に発光層を形成し、
    前記発光層の上方に光反射性の第1電極を形成し、
    前記第2電極の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第2電極の前記発光層側の面との間で、前記発光層から出射される光のピーク波長より長波長である第1の波長をピーク波長とする第1の光共振器構造を形成し、
    前記第2透光層の形成において、前記第1電極の前記発光層側の面と、前記第1透光層と前記第2透光層との界面との間で、前記第1の波長より短波長である第2の波長をピーク波長とする第2の光共振器構造を形成し、
    前記第1透光層は、IZOまたはNbOを含み、
    前記第2透光層は、酸窒化シリコンを含む
    ことを特徴とする発光素子の製造方法。
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