JP2021072416A - 自発光素子、自発光表示パネルおよび自発光素子の製造方法 - Google Patents

自発光素子、自発光表示パネルおよび自発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が向上すると共に、長寿命化が可能な自発光素子を提供する。【解決手段】有機EL素子2において、画素電極13と、画素電極13の上方に配された有機発光層17と、有機発光層17の上方に配され、有機材料にYbがドープされてなる機能層19と、機能層19の上方に配された対向電極20とを備え、機能層19は、有機発光層17側の第1層部分191と対向電極20側の第2層部分192からなり、第1層部分191のYbのドープ濃度が、第2層部分192のYbのドープ濃度よりも低い。【選択図】図4

Description

本開示は、有機EL(Electro Luminescence)素子などの自発光素子、自発光表示パネルおよび自発光素子の製造方法に関する。
近年、発光型のディスプレイとして、基板上に行列方向に沿って有機EL素子を複数配列した有機ELパネルが、電子機器のディスプレイとして実用化されている。各有機EL素子は、陽極と陰極の一対の電極対の間に有機発光材料を含む有機発光層が配設された基本構造を有し、駆動時に一対の電極対間に電圧を印加し、陽極から有機発光層に注入される正孔と、陰極から有機発光層に注入される電子との再結合に伴って発生する電流駆動型の自発光素子である。
このような有機EL素子にあっては、発光効率の向上と長寿命化が常に求められている。
有機発光層を構成する有機材料(特に、高分子有機材料)の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)のエネルギー準位は、多くの場合、陰極材料のフェルミ準位との差が大きいため、陰極から有機発光層への電子の注入が円滑に行われず、良好な発光効率を得るのが難しい。
そのため、有機発光層に電子を供給するための電子輸送性を有する有機材料に仕事関数の低いアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドープした機能層を、有機発光層と陰極の間に配して、電子注入性を高める構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2016−115748号公報
しかしながら、アルカリ金属やアルカリ土類金属(以下、「アルカリ金属等」と総称する。)は、化学的に活性が高く、有機EL素子の内部に残留する水分等の不純物もしくは外部から侵入してきた水分等の不純物と反応して電子注入特性が劣化し、寿命が短くなるおそれがある。
また、発光効率のさらなる改善を目指して、光共振器構造を構築することが提案されているが、アルカリ金属等は、それほど透光性に優れているとは言えないので、光学設計通りに、上記アルカリ金属等を含む機能層の膜厚を厚くすると光透過率が低下してしまい、光共振器構造を採用した効果が減殺するおそれがある。
さらに、発光層で発生した励起子が、機能層中の金属と反応し、発光に寄与しない無輻射失活に転じて発光効率が低下するおそれがある。
本開示は、上記事情に鑑み、発光効率をより改善すると共に、さらなる長寿命化が可能な自発光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様における自発光素子は、陽極と、前記陽極の上方に配された発光層と、前記発光層の上方に配され、有機材料に希土類金属に属する金属がドープされてなる機能層と、前記機能層の上方に配された陰極とを備え、前記機能層の膜厚方向における前記金属の濃度分布が均一ではなく、膜厚方向において前記発光層側の界面に隣接する第1の領域に含まれる前記金属の含有の割合が、前記陰極側の界面に隣接する第2の領域に含まれる前記金属の含有の割合よりも少ないことを特徴とする。
本開示の一態様に係る自発光素子では、機能層に含まれる希土類金属は仕事関数が小さいので良好な電子注入特性を有すると共に、アルカリ金属等に比べて化学的に安定しているため劣化しにくいので、発光効率を改善しつつ、発光素子の長寿命化に貢献する。また、発光層側の界面に隣接する第1の領域における希土類金属の含有の割合が少ないため、発光層内で生じた励起子が無輻射失活になるのを抑制すると共に、希土類金属の含有の割合が少ない第1の領域の部分で膜厚を多少厚くしても機能層の透光性に大きく影響しないため、高効率な光共振器構造の構築が容易となる。
本開示の態様に係る有機EL表示装置の全体構成を示すブロック図である。 上記有機EL表示装置における有機ELパネルの画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。 図2のA−A線に沿った模式断面図である。 本開示の一態様に係る有機EL素子の積層構造を模式的に示す図である。 光共振器構造を説明するための模式図である。 (a)は、周波数の変化に対するBaとYbのそれぞれの消衰係数の変化を比較して示すグラフであり、(b)は、RGBの各発光色のピーク波長におけるBaとYbの消衰係数と、その比を示すテーブルである。 (a)は、機能層における目標の透過率を得るための第1層部分と第2層部分の膜厚の関係を示すテーブルであり、(b)は、Ybのドープ濃度が、5[wt%]、25[wt%]、40[wt%]の場合における消衰係数を示すグラフである。 本開示の一態様に係る有機EL素子の製造工程を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、有機EL素子の製造過程を模式的に示す部分断面図である。 (a)〜(d)は、図9に続く有機EL素子の製造過程を模式的に示す部分断面図である。 (a)、(b)は、図10に続く有機EL素子の製造過程を模式的に示す部分断面図である。 (a)〜(d)は、図11に続く有機EL素子の製造過程を模式的に示す部分断面図である。 本開示の変形例に係る有機EL素子の積層構造を模式的に示す図である。 (a)は本開示の別の変形例に係る有機EL素子の積層構造を模式的に示す図であり、(b)、(c)は、それぞれ機能層における膜厚方向におけるドープ濃度の変化の例を示すグラフである。 本開示のさらに別の変形例に係る有機EL素子の積層構造を模式的に示す図である。
≪発明を実施するための形態の概要≫
本開示の一態様に係る自発光素子は、陽極と、前記陽極の上方に配された発光層と、前記発光層の上方に配され、有機材料に希土類金属に属する金属がドープされてなる機能層と、前記機能層の上方に配された陰極とを備え、前記機能層の膜厚方向における前記金属の濃度分布が均一ではなく、膜厚方向において前記発光層側の界面に隣接する第1の領域に含まれる前記金属の含有の割合が、前記陰極側の界面に隣接する第2の領域に含まれる前記金属の含有の割合よりも少ないことを特徴とする。
係る態様により、発光効率をより改善すると共に、さらなる長寿命化が可能な自発光素子を得ることができる。
また、本開示の別の態様では、前記機能層は、前記発光層側に配された第1層部分と、前記第1層部分の上に積層された第2層部分とからなり、前記第1層部分における前記金属の含有の割合をD1、前記第2層部分における前記金属の含有の割合をD2としたとき、D1<D2である。
また、本開示の別の態様では、前記第1層部分の膜厚をt1、前記第2層部分の膜厚をt2とすると、t1>t2である。
係る態様により、機能層の第2層部分における希土類金属の含有割合を高くして、陰極からの電子注入を促進しつつ、発光層側の第1層部分における希土類金属の含有の割合を低くすることにより、励起子の無輻射失活を抑制できる。また、希土類金属の含有の割合が低い第2層部分の膜厚t1を多少厚くしても機能層19の透過率に大きく影響しないようにできる。光共振器構造を構築が容易になる。
また、本開示の別の態様では、前記機能層は、前記中間層に近い側から第1層部分、第2層部分および第3層部分を順に積層してなり、前記第1層部分、第2層部分、第3層部分における前記金属の含有の割合をそれぞれ、D1、D2、D3とすると、D2<D1<D3である。
係る態様により、第1層部分、第3層部分により電子注入性を促進しつつ、希土類金属の含有の割合の一番低い第2層部分において膜厚を稼ぐことができる。
また、本開示の別の態様では、前記機能層における前記金属の含有の割合が、前記陰極側から前記発光層側に向けて連続的に変化する。
係る態様により、機能層内での層の界面がなくなり、電子注入の障壁がなくなるため、機能層内での電子の移動がより円滑になる。
また、本開示の別の態様では、前記金属は、Ybである。Ybは希土類金属の中でも比較的仕事関数が低く、透明性も高い。また化学的な安定性にも優れているため、発光効率の向上および長寿命化に大きく貢献する。
また、本開示の別の態様では、前記発光層と前記機能層との間に、第1電子注入補助層が配されている。ここで、前記第1電子注入補助層は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から選択された金属のフッ化物からなる。
係る態様により、機能層から発光層への電子注入が促進され、発光効率の向上に寄与する。
また、本開示の別の態様では、前記機能層と前記陰極との間に、第2電子注入補助層が配されている。前記第2電子注入補助層は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物、希土類金属に属する金属、およびリチウムキノラートのうちから選択された材料からなる。
これにより、陰極から機能層への電子注入が促進される。
また、本開示の別の態様では、前記陽極は光反射性であり、前記陰極は、半透光性である。係る態様により、効率的な光共振器構造の構築が可能となる。
また、本開示の別の態様では、前記陽極と発光層との間に、正孔注入性および/または正孔輸送性を有する正孔移動容易化層が配されており、前記正孔移動容易化層および前記発光層のうち、少なくとも1層は、塗布膜からなる。
これにより製造プロセスが容易になるので、製品のコストダウンが図れる。
また、本開示の別の態様に係る自発光表示パネルは、基板上方に、上記の自発光素子を複数、行列状に配列し、行方向に隣接する自発光素子における発光層は、列方向に延在する隔壁によって仕切られている。
また、本開示の別の態様に係る自発光素子の製造方法は、陽極を形成する工程と、前記陽極上方に発光層を形成する工程と、前記発光層上方に、希土類金属に属する金属を含む機能層を形成する工程と、前記機能層の上方に、陰極を形成する工程と、を含み、前記機能層を形成する工程において、前記機能層の膜厚方向における、前記発光層側の界面に隣接する第1の領域に含まれる前記金属の含有の割合が、前記陰極側の界面に隣接する第2の領域に含まれる前記金属の含有の割合よりも少なくなるように、前記機能層が形成される。
係る態様により、発光効率が改善され、長寿命化が可能な自発光素子を製造することができる。
≪実施の形態≫
以下、本開示の一態様に係る有機EL素子および有機ELパネル、有機EL表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図面は、模式的なものを含んでおり、各部材の縮尺や縦横の比率などが実際とは異なる場合がある。
1.有機EL表示装置1の全体構成
図1は、有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。有機EL表示装置1は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などに用いられる表示装置である。
有機EL表示装置1は、有機ELパネル10と、これに電気的に接続された駆動制御部200とを備える。
有機ELパネル10は、本実施の形態では、上面が長方形状の画像表示面であるトップエミッション型の表示パネルである。有機ELパネル10では、画像表示面に沿って複数の有機EL素子(不図示)が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。なお、有機ELパネル10は、一例として、アクティブマトリクス方式を採用している。
駆動制御部200は、有機ELパネル10に接続された駆動回路210と、計算機などの外部装置又はアンテナなどの受信装置に接続された制御回路220とを有する。駆動回路210は、各有機EL素子に電力を供給する電源回路、各有機EL素子への供給電力を制御する電圧信号を印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する箇所を切り替える走査回路などを有する。
制御回路220は、外部装置や受信装置から入力された画像情報を含むデータに応じて、駆動回路210の動作を制御する。
なお、図1では、一例として、駆動回路210が有機ELパネル10の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部200の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路210の数や位置は適宜変更可能である。また、以下では説明のため、図1に示すように、有機ELパネル10上面の長辺に沿った方向をX方向、有機ELパネル10上面の短辺に沿った方向をY方向とする。
2.有機ELパネル10の構成
(A)平面構成
図2は、有機ELパネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。有機ELパネル10では、一例として、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)(以下、単にR、G、Bともいう。)にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが行列状に配列されている。副画素100R、100G、100Bは、X方向に交互に並び、X方向に並ぶ一組の副画素100R、100G、100Bが、一つの画素Pを構成している。画素Pでは、階調制御された副画素100R、100G、100Bの発光輝度を組み合わせることにより、フルカラーを表現することが可能である。
また、Y方向においては、副画素100R、副画素100G、副画素100Bのいずれかのみが並ぶことでそれぞれ副画素列CR、副画素列CG、副画素列CBが構成されている。これにより、有機ELパネル10全体として画素Pが、X方向及びY方向に沿った行列状に並び、この行列状に並ぶ画素Pの発色を組み合わせることにより、画像表示面に画像が表示される。
副画素100R、100G、100Bには、それぞれR、G、Bの色に発光する有機EL素子2(R)、2(G)、2(B)(図3参照)が配置されている。
また、本実施の形態に係る有機ELパネル10では、いわゆるラインバンク方式を採用している。すなわち、副画素列CR、CG、CBを1列ごとに仕切る隔壁(バンク)14がX方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100Bが、有機発光層を共有している。
ただし、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100B同士を絶縁する画素規制層141がY方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素100R、100G、100Bは、独立して発光することができるようになっている。
なお、画素規制層141の高さは、有機発光層のインク塗布時における液面の高さよりも低い。図2では、隔壁14及び画素規制層141は点線で表されているが、これは、画素規制層141及び隔壁14が、画像表示面の表面に露出しておらず、画像表示面の内部に配置されているからである。
(B)断面構成
図3は、図2のA−A線に沿った模式断面図である。有機ELパネル10において、一つの画素は、R、G、Bをそれぞれ発光する3つの副画素からなり、各副画素は、対応する色を発光する有機EL素子2(R)、2(G)、2(B)で構成される。
各発光色の有機EL素子2(R)、2(G)、2(B)は、基本的には、ほぼ同様の構成を有するので、区別しないときは、有機EL素子2として説明する。
図3に示すように、有機EL素子2は、基板11、層間絶縁層12、画素電極(陽極)13、隔壁14、正孔注入層15、正孔輸送層16、有機発光層17、機能層19、対向電極(陰極)20、および、封止層21とからなる。機能層19は、第1層部分191と第2層部分192の2層構造となっている。
基板11、層間絶縁層12、中間層18、機能層19、対向電極20、および、封止層21は、画素ごとに形成されているのではなく、有機ELパネル10が備える複数の有機EL素子2に共通して形成されている。
(1)基板
基板11は、絶縁材料である基材111と、TFT(Thin Film Transistor)層112とを含む。TFT層112には、副画素ごとに駆動回路が形成されている。基材111は、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。
プラスチック材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂いずれの樹脂を用いてもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
(2)層間絶縁層
層間絶縁層12は、基板11上に形成されている。層間絶縁層12は、樹脂材料からなり、TFT層112の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。また、図3の断面図には示されていないが、層間絶縁層12には、副画素ごとにコンタクトホールが形成されている。
(3)画素電極
画素電極13は、光反射性の金属材料からなる金属層を含み、層間絶縁層12上に形成されている。画素電極13は、副画素ごとに設けられ、コンタクトホール(不図示)を通じてTFT層112と電気的に接続されている。本実施の形態においては、画素電極13は、陽極として機能する。
光反射性を具備する金属材料の具体例としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などが挙げられる。
画素電極13は、金属層単独で構成してもよいが、金属層の上に、ITO(酸化インジウム錫)やIZO(酸化インジウム亜鉛)のような金属酸化物からなる層を積層した積層構造としてもよい。
(4)隔壁・画素規制層
隔壁14は、基板11の上方に副画素ごとに配置された複数の画素電極13を、X方向(図2参照)において列毎に仕切るものであって、X方向に並ぶ副画素列CR、CG、CBの間においてY方向に延伸するラインバンク形状である。
この隔壁14には、電気絶縁性材料が用いられる。電気絶縁性材料の具体例として、例えば、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)が用いられる。
隔壁14は、有機発光層17を塗布法で形成する場合に塗布された各色のインクが溢れて混色しないようにするための構造物として機能する。
なお、樹脂材料を用いる際は、加工性の点から感光性を有することが好ましい。当該感光性は、ポジ型、ネガ型のいずれであってもよい。
隔壁14は、有機溶媒や熱に対する耐性を有することが好ましい。また、インクの流出を抑制するために、隔壁14の表面は所定の撥液性を有することが好ましい。
画素電極13が形成されていない部分において、隔壁14の底面が層間絶縁層12の上面と接している。
画素規制層141は、電気絶縁性材料からなり、各副画素列においてY方向(図2)に隣接する画素電極13の端部を覆い、当該Y方向に隣接する画素電極13同士を仕切っている。
画素規制層141の膜厚は、画素電極13の膜厚よりも若干大きいが、有機発光層17の上面までの厚みよりも小さくなるように設定されている。これにより、各副画素列CR、CG、CBにおける有機発光層17は、画素規制層141によっては仕切られず、有機発光層17を形成する際のインクの流動が妨げられない。そのため、各副画素列における有機発光層17の厚みを均一に揃えることを容易にする。
画素規制層141は、上記構造により、Y方向に隣接する画素電極13の電気絶縁性を向上しつつ、各副画素列CR、CG、CBにおける有機発光層17の段切れ抑制、画素電極13と対向電極20との間の電気絶縁性の向上などの役割を有する。
画素規制層141に用いられる電気絶縁性材料の具体例としては、上記隔壁14の材料として例示した樹脂材料や無機材料などが挙げられる。また、上層となる有機発光層17を形成する際、インクが濡れ広がりやすいように、画素規制層141の表面はインクに対する親液性を有することが好ましい。
(5)正孔注入層
正孔注入層15は、画素電極13から発光層17へのホール(正孔)の注入を促進させる目的で、画素電極13上の開口部14a内に設けられている。正孔注入層15は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。上記の内、酸化金属からなる正孔注入層15は、ホールを安定的に、またはホールの生成を補助して、発光層17に対しホールを注入する機能を有し、大きな仕事関数を有する。本実施の形態においては、正孔注入層15は、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料で印刷法などのウエットプロセスにより形成する。
(6)正孔輸送層
正孔輸送層16は、正孔注入層15から注入された正孔を有機発光層17へ輸送する機能を有する。正孔輸送層16は、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいは、ポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物であって、親水基を備えないものなどを用いて印刷法などのウエットプロセスにより形成される。
(7)有機発光層
有機発光層17は、開口部14a内に形成されており、正孔と電子の再結合により、R、G、Bの各色の光を発光する機能を有する。なお、特に、発光色を特定して説明する必要があるときには、有機発光層17(R)、17(G)、17(B)と記す。
有機発光層17に用いられる有機発光材料として、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2−ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質や、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウムなどの燐光を発光する金属錯体等の公知の燐光物質を用いることができる。
(8)機能層
機能層19は、有機発光層17上に形成されており、対向電極20から注入された電子を有機発光層17へと輸送する機能を有する。
本実施の形態では、機能層19は、第1層部分191と第2層部分192の2層構造としている。どちらも電子輸送性を有する有機材料にYb(イッテルビウム)をドープして形成されるが、対向電極20側の第2層部分192の方が、画素電極13側の第1層部分191よりもYbのドープ濃度が高い。
Ybは、仕事関数が低いため電子注入特性に優れる。また、アルカリ金属等に比べて化学的に安定しており、水分等の不純物と反応しにくく、劣化しにくいという優れた特性を有するため、長寿命化に資する。
また、第1層部分191におけるYbのドープ濃度を第2層部分192よりも低くすることにより、無輻射失活を低減して発光効率のさらなる改善が可能である。詳しくは後述する。
(9)対向電極
対向電極20は、透光性の導電性材料からなり、機能層19上に形成されている。対向電極20は、陰極として機能する。
対向電極20としては、例えば、金属薄膜または、ITOやIZOなどの透明導電膜を用いることができる。光共振器構造をより効果的に得るためには、対向電極20の材料として、アルミニウム、マグネシウム、銀、アルミニウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等のうち少なくとも1つの材料からなる金属薄膜を形成するのが望ましい。この場合において、金属薄膜の膜厚は、5nm以上30nm以下とすることが望ましい。これにより、対向電極20が半透光性となり、画素電極13と対向電極20の各反射面との間でより高次の光共振器構造を構築することができるため、発光効率をさらに向上できる。
(10)封止層
封止層21は、正孔輸送層16、有機発光層17、機能層19などの有機層が水分に晒されたり、空気に晒されたりして劣化するのを防止するために設けられるものである。
封止層21は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの透光性材料を用いて形成される。
(11)その他
図3には示されてないが、封止層21上に透明な接着剤を介して防眩用の偏光板や上部基板を貼り合せてもよい。また、各有機EL素子2により発光される光の色度を補正するためのカラーフィルターを貼り合わせてもよい。これらにより、正孔輸送層16、有機発光層17、機能層19などを外部の水分および空気などからさらに保護できる。
3.発光効率の向上について
以下、本開示に係る有機EL素子における発光効率の向上について図面を参照しながら説明する。
(1)有機EL素子の主要部における積層構造
図4は、本開示の態様に係る有機EL素子における主要部(陽極から陰極に至るまでの部分:以下、単に「発光部」ともいう。)の積層構造を示す模式図である。
同図に示すように画素電極13上に正孔注入層15、正孔輸送層16、有機発光層17、機能層19および対向電極20を積層して発光部が形成される。特に、電子輸送層としての役目を果たす機能層19が第1層部分191と第2層部分192の2層構造となっている。
既述のように、第1層部分191と第2層部分192の双方とも電子輸送性の有機材料にYbをドープしてなるが、第1層部分191におけるYbのドープ濃度D1[wt%]は、第2層部分192のドープ濃度D2[wt%]よりも低くなっている(D1<D2)。
したがって、第1層部分191の膜厚をt1[nm]、第2層部分192の膜厚をt2[nm]とすると、第1層部分191と第2層部分192の透明度を同じとした場合に、ドープ濃度の低い第1層部分191の膜厚t1[nm]>第2層部分192の膜厚t2[nm]となり、機能層19を単層として、ドープ濃度をD2[wt%]で均一とした場合の膜厚(2*t2)よりも厚く構成することができる。
これにより、光共振器構造、特に2次キャビティの構築が容易になる。
図5は、本開示の態様に係る有機EL素子2の光共振器構造における光の干渉を説明するための模式図であり、C1〜C3は、有機発光層17から出射される光の主な光路を示している。
光共振器構造は、画素電極13の正孔注入層15との界面(反射面S1)と、対向電極20と機能層19との界面(反射面S2)との間で構成される。
画素電極13の反射面S1から有機発光層17における発光中心までの光学的距離(以下、「光路長」という。)をL1とし、有機発光層17の発光中心から、対向電極20の反射面S2までの光路長をL2とすれば、反射面S1と反射面S2間の光路長L3=L1+L2となる。
光路C1は、有機発光層17から対向電極20側に出射された光が、反射されることなく対向電極20を透過する光路である。光路C2は、有機発光層17から画素電極13側に出射された光が、画素電極13の反射面S1で反射され、有機発光層17を経由して対向電極20を透過する光路である。光路C3は、有機発光層17から対向電極20側に出射された光が、対向電極20の反射面S2で反射され、さらに画素電極13の反射面S1で反射され、有機発光層17を介して対向電極20を透過する光路である。光取り出し効率を向上させるためには、これらの光路C1〜C3を経て外部に出射される光が共振することが望まれる。
ここで、光路C1と光路C2をそれぞれ経由する光の共振現象(以下、「1次キャビティ」という。)は、その光学長の差(光路差)(=2*L1)に依存する。また、光路C2と光路C3を経由する光の共振現象(以下、「2次キャビティ」という。)時は、光路差(=2*L2)に依存する。
光路長L1は、正孔注入層15と正孔輸送層16の光学膜厚の和であるが、正孔注入層15、正孔輸送層16の構成材料は、比較的、透過率(透過率=透過光強度/入射光強度)が高いので、膜厚を厚くしても光が減衰しにくく、所定の光路長を設定しやすい。一方、光路長L2は、有機発光層17と機能層19の光学膜厚の和であり、有機発光層17は比較的抵抗値が高いので、その膜厚をあまり大きくできない。そこで、2次キャビティの構築のため機能層19の膜厚をどれほど厚くできるかが重要になる。
本実施の形態では、上述のように機能層19を2層構造にして、有機発光層17側の第1層部分191のYbドープ濃度を、第2層部分192よりも低くしているため、その分第2層部分192の膜厚を厚くしても透過率を大きく損なうことがないので、機能層19の総膜厚を従来よりも厚くでき、上述の経路C2とC3を経由した光が共振するための最適な光路長L2を確保することが容易になる。
さらに、有機発光層17に近い第1層部分191のドープ濃度が低いということは、それだけ有機発光層17で発生した励起子と反応する金属量が少なくなり、無輻射失活を抑制して、発光に寄与する励起子が増えるため、この点でも発光効率の改善に寄与するという効果が得られる。
なお、第1電子注入補助層18(後述の図15参照)や有機発光層17などの膜厚および発光色の波長にもよるが、機能層19の膜厚が30nmもあれば、2次キャビティを構築できることが、本願発明者により確認されており、その値を超えて膜厚を形成しても透過率が低下するだけなので、機能層19の膜厚は30nm以下であることが望ましい。
(2)Ybの消衰係数について
図6(a)は、周波数の変化に対するBaとYbのそれぞれの消衰係数の変化を比較して示すグラフであり、図6(b)は、RGBの各発光色のピーク波長におけるBaとYbの消衰係数と、その比を示すテーブルである。
図6(a)のグラフにおいて、横軸は、光の周波数を示しており、縦軸は、消衰係数の大きさを示している。消衰係数は無次元であり、その値が大きいほど光の透過性が悪いことを示す。
また、実線は、電子輸送性の有機材料にYbを30[wt%]ドープした機能層についての実験結果を示し、破線は、同じ電子輸送性の有機材料にBaを30[wt%]ドープした機能層についての実験結果を示す。なお、双方のサンプルとも機能層の膜厚は同じもので実験した。
図6(a)のグラフに示すように、一部の波長域(約530nm〜570nm)を除き、Ybをドープした機能層の方がBaをドープした場合よりも消衰係数が小さく、透光性に優れていることが分かる。
図6(b)は、良好なカラー表示画像を得るため、R、G、Bの各発光色の有機EL素子において目標とすべきピーク波長と、そのピーク波長における消衰係数を、ドープ金属がYbとBaとの場合で比較して示すテーブルである。
同テーブルに示すように、B、G、Rの各目標ピーク波長(450nm、520nm、620nm)の全てにおいて、ドープ金属をYbにした方が、Baである場合よりも、消衰係数が小さく、両者の比(Yb/Ba)も、全て「1未満」となり、ドープ金属をYbとした方が透明性に優れていることが分かる。
特に、発光色がRの場合には、消衰係数が、11%以上も小さくなるため、その分、光取り出し効率が増し、ひいては発光効率が向上する。
(3)第1層部分191と第2層部分192の膜厚比の最適範囲
(3−1)機能層19の目標透過率が90%の場合
2次キャビティを構築するためには、機能層19の全膜厚ta[nm]は、30[nm]あればよく、また、機能層19全体の透過率が、少なくとも90%あることが望ましい。
一方、対向電極20から有機発光層17への良好な電子注入性を考慮すると、第2層部分192におけるYbのドープ濃度D2[wt%]は、40[wt%]以上あることが望ましい。
図7(b)は、透明な電子輸送性の有機材料にYbを所定濃度でドープしたときの、波長と消衰係数との関係を示すグラフであり、左から、Ybのドープ濃度が、5[wt%]、25[wt%]、40[wt%]の場合のグラフを示している。
ドープ濃度が40[wt%]の場合には、発光色R、G、Bのうち、Rのときの消衰係数が最大(約0.17)となり、これにより、仮に、機能層19全体のYbのドープ濃度が40[wt%]の場合の透過率を求めると、90%を大きく下回ってしまう。
一方、透過率が25[wt%]とすると、図7(b)の中央のグラフにより、消衰係数は、ほぼ、R、G、Bの各波長域で、0.1以下となり、膜厚30nmでの透過率は、ほぼ92%となって90%を上回る。
そこで、図7(a)の目標透過率が90%の場合に、第1層部分191のドープ濃度D1を25[wt%]とし、第2層部分192のドープ濃度D2を40[wt%]として、機能層19の透明度が90%となるような、膜厚t1とt2を求めた。
この際、第1層部分191の消衰係数を0.1、第2層部分192の消衰係数を0.2として計算したところ、t1=20[nm]、t2=10[nm]となり、t1とt2の比は2対1となる(t1=2*t2)。
すなわち、機能層19の層厚みTa=30[nm]のとき、少なくともt1=2*t2の関係を満たすと透過率90%を達成することができる。
それ以上の透過率を得ようとすれば、ドープ濃度の高い第2層部分192の膜厚t2に対する第1層部分191の膜厚t1の比を大きくすればよいので、結局「t1≧2*t2」の関係を満たせば、透過率90%以上とすることができる(図7(a)の目標透過率90%の欄参照)。
(3−2)機能層19の目標透過率が95%の場合
さらに、機能層19の目標透過率を95%以上として試算したところ次のようになった。
第1層部分191のドープ濃度D1を上記と同じ25[wt%]とすると、機能層19の全部が、同じドープ濃度25[wt%]あったしても、透過率は、92%にしかならない。消衰係数を0.02(ドープ濃度5[wt%]:図7(b)の左のグラフ参照)としてようやく30nmの膜厚で、透過率が98%程度となるので、D1は5[wt%]以下であることが望ましい。
そこで、D1=5[wt%](消衰係数0.02)、目標透過率95%として、他の数値は上記(2−1)と同様にして、第1層部分191、第2層部分192の各厚みt1[nm]、t2[nm]を求めると、t1=22.3[nm]、t2=7.7[nm]となり、ほぼ、t1対t2が3:1の関係(t1=3*t2)が成立することが分かった。
したがって、透過率95%以上を得るためには、「t1≧3*t2」の関係式を満たすことが望ましいと言える(図7(a)の目標透過率95%の欄参照)。
5.有機EL素子の製造方法
本開示の一態様に係る有機EL素子2の製造方法について、図8〜図12を用いて以下に説明する。図8は、有機EL素子2の製造過程を示すフローチャートであり、図9〜図12は、有機EL素子2の製造過程を模式的に示す断面図である。
(1)基板準備工程
まず、図9(a)に示すように、基材111上にTFT層112を形成して基板11を準備する(図8のステップS1)。TFT層112は、公知のTFTの製造方法により形成することができる。
(2)層間絶縁層形成工程
次に、図9(b)に示すように、基板11上に、層間絶縁層12を形成する。(図8のステップS2)。
具体的には、一定の流動性を有する樹脂材料を、例えば、ダイコート法により、基板11の上面に沿って、TFT層112による基板11上の凹凸を埋めるように塗布する。これにより、層間絶縁層12の上面は、基材111の上面に沿って平坦化した形状となる。
また、層間絶縁層12における、TFT素子の例えばソース電極上の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホール(不図示)を形成する。コンタクトホールは、その底部にソース電極の表面が露出するようにパターニングなどを用いて形成される。
次に、コンタクトホールの内壁に沿って接続電極層を形成する。接続電極層の上部は、その一部が層間絶縁層12上に配される。接続電極層の形成は、例えば、スパッタリング法を用いることができ、金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウエットエッチング法を用いてパターニングすればよい。
(3)画素電極形成工程
次に、図9(c)に示すように、層間絶縁層12上に画素電極材料層130を形成する。画素電極材料層130は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
そして、図9(d)に示すように、画素電極材料層130をエッチングによりパターニングして、副画素ごとに区画された複数の画素電極13を形成する(図8のステップS3)。
(4)隔壁・画素規制層形成工程
次に、隔壁14および画素規制層141を形成する(図8のステップS4)。
本実施の形態では、画素規制層141と隔壁14を別工程で形成するようにしている。
(4−1)画素規制層形成
まず、Y方向(図2)における画素電極列を副画素毎に仕切るため、X方向に伸びる画素規制層141を形成する。
図10(a)に示すように、画素電極13が形成された層間絶縁層12上に、画素規制層141の材料となる感光性の樹脂材料を一様に塗布して、画素規制層材料層1410を形成する。このときの樹脂材料の塗布量は、乾燥後に狙いの画素規制層141の膜厚となるように予め求められている。
具体的な塗布方法として、例えばダイコート法やスリットコート法、スピンコート法などのウエットプロセスを用いることができる。塗布後には、例えば、真空乾燥及び60℃〜120℃程度の低温加熱乾燥(プリベーク)などを行って不要な溶媒を除去するとともに、画素規制層材料層1410を層間絶縁層12に定着させることが好ましい。
そして、フォトリソグラフィ法を用いて、画素規制層材料層1410をパターニングする。
例えば、画素規制層材料層1410がポジ型の感光性を有する場合は、画素規制層141として残す箇所を遮光し、除去する部分が透明なフォトマスク(不図示)を介して画素規制層材料層1410を露光する。
次に、現像を行い、画素規制層材料層1410の露光領域を除去することにより、画素規制層141を形成することができる。具体的な現像方法としては、例えば、基板11全体を、画素規制層材料層1410の露光により感光した部分を溶解させる有機溶媒やアルカリ液などの現像液に浸した後、純水などのリンス液で基板11を洗浄すればよい。
その後、所定温度で焼成(ポストベーク)することにより、層間絶縁層12上に、X方向に延伸する画素規制層141を形成することができる(図10(b))。
(4−2)隔壁形成
次に、Y方向に伸びる隔壁14を上記画素規制層141と同様にして形成する。
すなわち、上記画素電極13、画素規制層141が形成された層間絶縁層12上に、隔壁用の樹脂材料を、ダイコート法などを用いて塗布して、隔壁材料層140を形成する(図10(c))。このときの樹脂材料の塗布量は、乾燥後に狙いの隔壁14の高さとなるように予め求められている。
そして、フォトリソグラフィ法により隔壁材料層140にY方向に延在する隔壁14をパターニングした後、所定の温度で焼成して隔壁14を形成する(図10(d))。
なお、上記では、画素規制層141と隔壁14のそれぞれの材料層をウエットプロセスで形成した後にパターニングするようにしたが、いずれか一方または双方の材料層をドライプロセスで形成して、フォトリソグラフィ法とエッチング法により、パターニングするようにしてもよい。
(5)正孔注入層・正孔輸送層形成工程
次に、正孔注入層15および正孔輸送層16をウエットプロセスにより形成する(図8のステップS5)。
まず、正孔注入層15は、PEDOT:PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を含むインクを印刷装置の塗布ヘッド301のノズル3011から吐出して、開口部14a内に塗布し、溶媒を揮発除去させ、および/または焼成することにより形成される。
正孔輸送層16は、上記正孔注入層15上に、正孔輸送層16の構成材料を含むインクを塗布した後、溶媒を揮発除去させ、および/または、焼成することにより形成される。正孔輸送層16の構成材料として、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいは、ポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物であって、親水基を備えないものなどである。塗布方法は、正孔注入層15の場合と同じである。
なお、図11(a)は、正孔注入層15形成後に正孔輸送層16を形成している際における表示パネル10の模式断面図を示している。
(6)有機発光層形成工程
次に、上記正孔輸送層16の上方に、有機発光層17の前駆体として有機発光層17(R)、170(G)、170(B)(以下、各発光色を区別しないで、単に「有機発光層17」という。)を形成する(図8のステップS6)。
具体的には、図11(b)に示すように、各開口部14aに対応する発光色の有機発光層の構成材料である有機発光材料を含むインクを、印刷装置の塗布ヘッド301のノズル3011から順次吐出して開口部14a内の正孔輸送層16上に塗布し、インク塗布後の基板11を真空乾燥室内に搬入して真空環境下で加熱することにより、インク中の有機溶媒を蒸発させる。これにより、有機発光層17を形成できる。
(7)機能層形成工程
次に、各有機発光層17に共通に機能層19を形成する(図8のステップS7)。機能層19は、第1層部分191と第2層部分192との2層構造となっており、その総膜厚は、2次キャビティを構築するのに最適な値、例えば、30[nm]である。
まず、図12(a)に示すように、有機発光層17および隔壁層14の上に、第1層部分191を形成する。第1層部分191は、電子輸送性を有する有機材料とYbを、Ybのドープ濃度が、例えば、5[wt%]となるように共蒸着法によって、膜厚23[nm]で形成する。
なお、この共蒸着法では、例えば、高真空の雰囲気に設定された真空チャンバー内に、有機材料とYbをそれぞれ蒸発させるための2つの蒸発源を配し、各蒸発源にシャッターを設けて、各シャッターの開放時間や蒸発源の加熱温度を制御することにより、目的の膜厚およびドープ濃度の調整が可能である。上記の方法で形成した場合、例えば第1層と第2層の境界は蒸発源の各シャッターの開放時間や加熱温度で決まる為、必ずしも明確に規定されるものではなく、例えば第1層と第2層の境界におけるドープ濃度もしくは有機材料の濃度は連続的もしくは濃度勾配をもつ場合もあると考えられる。本開示においては、このような場合も含めて2層構造であると定義する。
次に、図12(b)に示すように、第1層部分191上に、第2層部分192を形成する。第2層部分192は、電子輸送性を有する有機材料とYbを、Ybのドープ濃度が、例えば、40[wt%]となるように共蒸着法によって、例えば、膜厚7[nm]で形成する。
(8)対向電極形成工程
次に、機能層19上に対向電極20を形成する(図8のステップS8)
対向電極形成工程は、まず、機能層19上に銀、アルミニウム等を、スパッタリング法、真空蒸着法により、5nm〜30nmの膜厚の対向電極20を形成する(図12(c))。これにより半透光性の対向電極20が形成され、高次の光共振器構造が構築できる。
(9)封止層形成工程
次に、図12(d)に示すように、対向電極20上に、封止層21を形成する(図8のステップS9)。封止層21は、SiON、SiN等を、スパッタリング法、CVD法などにより成膜することにより形成することができる。
以上により図3に示す表示パネル10が製造される。なお、上記の製造方法は、あくまで例示であり、趣旨に応じて適宜変更可能である。
≪変形例≫
以上、実施の形態に係る有機EL素子2等を説明したが、本発明は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、有機EL素子、有機EL表示パネルの変形例を説明する。
(1)上記実施の形態に係る有機EL素子2おいては、機能層19にドープする金属として、Ybについて説明したが、機能層19にドープされる金属は、Ybだけでなく他の希土類金属、例えば、La(ランタン)、Eu(ユウトロピウム)、Nd(ネオジム)などであっても構わない。Ybの有する低仕事関数、化学安定性、消衰係数の低さなどの各特性は、希土類金属に共通する特性であるからである。
また、第1層部分191、第2層部分192などの各層に含まれる希土類金属は、必ずしも同一である必要はなく、異なる金属を使用することも可能である。例えば、対向電極20側のドープ濃度の高い方により仕事関数が低く、透過率の高い希土類金属をドープし、画素電極13側のドープ濃度の低い方には、有機発光層17からの不純物に対するブロック姓を高めるためより化学安定性の高い希土類金属をドープするようにしてもよい。
さらには、第1層部分191に希土類金属は全く含まれていない場合であっても構わない(すなわち、ドープ濃度D1[wt%]=0であっても構わない)。もともと機能層19のホストとなる材料は電子輸送性を有するものが使用されているからであり、このように第1層部分191に希土類金属が含まれていないことにより、無輻射失活の発生を最大限に抑制するという効果も得られる。
(2)積層構造の変形例
(2−1)機能層が3層構造の例
上記実施の形態では、機能層19を2層構造としたが、図13に示すように、機能層19を、第1層部分191、第2層部分192、第3層部分193の3層構造とし、第1〜第3層部分191〜193のYbのドープ濃度を、それぞれD1wt%、D2wt%、D3wt%としたときに、D2<D1<D3の関係を満たすように形成されている。
本変形例によれば、対向電極20側の第3層部分193のドープ濃度を一番高くすることにより、対向電極20からの機能層19への電子注入性を向上するとともに外部からの水分などの不純物の浸入を阻止して、有機EL素子の寿命を更に延ばせることができる。
また、第1層部分191のドープ濃度が、それよりも低いため、有機発光層17からの不純物に対するブロック性と発光層への電子注入性を向上させつつ、第3層部分193と同じドープ濃度とする場合に比べて無輻射失活を抑制することができる。
また、第2層部分192の部分のドープ濃度が一番低いので、この部分で膜圧を厚くしても機能層19全体の透明度に与える影響が少なく、その結果機能層19の総膜圧を厚くすることができ光共振器構造の構築が容易になる。第2層部分192のドープ濃度は、0[wt%]以上、5[wt%]以下であることが望ましい。ドープ濃度が0[wt%]の場合には、第2層部分192は、通常の電子輸送層となる。
なお、この変形例において、第1層部分191のドープ濃度が、第2層部分192のドープ濃度よりも低くなるようにしてもよい(すなわち、D1<D2<D3)。この場合には、第1層部分191による無輻射失活の抑制に、より重点が置かれることになる。
(2−2)機能層の膜厚方向にYbの濃度勾配を設ける例
図14(a)に示すように、機能層19を単層にして、Ybのドープ濃度が対向電極20に接する側は、D2[wt%]で、有機発光層17に近付くに連れてドープ濃度が少なくなり、中間層18と接する部分では、D1[wt%](D1<D2)となるように構成してもよい。
このように機能層19のYb含有量を変化させることによっても、対向電極20からの電子注入性を確保しつつ、有機発光層17における無輻射失活の発生を抑制できる。また、機能層19全体を対向電極20からの電子注入に必要なドープ濃度(D2[wt%])で均一な濃度とする場合よりも膜厚を厚くしても、目標の透過率を得ることができ、2次キャビティの構築が容易となる。また、機能層19内での層の界面がなくなり、電子注入の障壁がなくなるため、機能層19内でより円滑に電子が移動できる。
これにより、より発光効率に優れ、長寿命化が可能な有機EL素子を提供できる。
Ybのドープ濃度を徐々に変化させる方法として、例えば、共蒸着法において、Ybを加熱する電気炉の温度と有機材料を加熱する電気炉の温度をそれぞれ制御して、Ybの蒸着速度を、有機材料の蒸着速度に対して相対的に遅くさせていくことにより達成できる。
なお、機能層19における対向電極20側(陰極側)から有機発光層17側へのドープ濃度の減少は、一定の減少率(一定の傾き)で減少する必要はなく、例えば、図14(b)のグラフに示すように、P1、P2の位置で、界面を形成しない程度で減少率(傾き)が多少変更されてもよい。
また、例えば、図14(c)のようにドープ濃度D2[wt%]から一旦、位置P3でドープ濃度D3[wt%]まで増加した後、有機発光層17側に向けてドープ濃度D1[wt%]に減少するような曲線を描くように変化するような場合であってもよい。
要するに、機能層19の膜厚方向において、有機発光層17側の界面に隣接する領域(第1の領域)に含まれるYbのドープ濃度が、対向電極20側の界面に隣接する領域(第2の領域)に含まれるYbのドープ濃度よりも少なければ、本発明の効果を享受できるものである。
(2−3)電子注入補助層を形成する例
また、図15に示すように、有機発光層17と機能層19との間に、第1電子注入補助層18を配し、機能層19と対向電極20との間に第2電子注入補助層22を配するようにしてもよい。
第1電子注入補助層18は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のフッ化物、例えばNaFからなり、蒸着法やスパッタ法により形成される。
第1電子注入補助層18により、機能層19から有機発光層17への電子注入性が補助され、発光効率が増加する。また、有機発光層17から不純物が機能層19に侵入するのをブロックする効果があり、これにより長寿命化することができる。なお、この場合には、NaFを還元してNaを遊離させることにより、電子注入性が促進されるので、第1層部分191のドープ濃度D1[wt%]は、「0」とならない方が望ましく、少なくとも5[wt%]はあるのが望ましい。
第1電子注入補助層18の膜厚は、0.5nm〜6nmの範囲が望ましく、1nm〜4nmとするのがより望ましい。
第1電子注入補助層18の膜厚が、薄すぎると電子注入性を十分発揮できないと共に、ウエットプロセスにより形成された下層の有機層中に含まれる水分等の不純物が機能層19に浸入するのを阻止できないからである。また、反対に厚過ぎると遊離しないNaFが多すぎて却って電子の移動を阻害するおそれがあるからである。
また、第2電子注入補助層22は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のフッ化物のほか、YbやLiq(リチウムキノラート錯体)などからなり、蒸着法やスパッタ法により0.5nm以上、6nm以下の膜厚で形成される。
第2電子注入補助層22は、対向電極20から機能層19への電子注入性を促進させて、発光効率をより向上させる役目を果たす。
なお、第1電子注入補助層18と第2電子注入補助層22は、どちらか一方だけであっても構わない。
(3)上記実施の形態に係る表示パネル10では、図2に示すように、画素規制層141の延伸方向が表示パネル10の長軸X方向、隔壁14の延伸方向が表示パネル10の短軸Y方向であったが、画素規制層141と隔壁14の延伸方向は、逆であってもよい。また、画素絶縁層及び隔壁の延伸方向は、表示パネル10の形状とは無関係な方向であってもよい。
また、上記実施の形態に係る表示パネル10では、一例として画像表示面を長方形状としたが、画像表示面の形状に限定はなく、適宜変更可能である。
また、上記実施の形態に係る表示パネル10では、画素電極13を長方形平板状の部材としたが、これに限られない。
さらに、上記実施の形態においてはラインバンク方式の有機EL表示パネルについて説明したが、一つの副画素ごとにその四方を隔壁で囲むようにした、いわゆるピクセルバンク方式の表示パネルであっても構わない。
もっとも、ラインバンク方式の方が、画素規制層141上にも発光層が残るので、ピクセルバンク方式の場合よりもインクの滴下量が多くなり、それだけ乾燥後に残留する水分等が多いので、機能層19のドープ金属として化学的安定性を有するYbを採用する効果はより大きくなる。
(4)上記実施の形態では、正孔注入層15、正孔輸送層16、有機発光層17の全てについて印刷法(塗布法)により形成したが、そのうち1層のみを印刷法で形成された塗布膜としてもよい。なお、表示パネル10の完成品において、ある特定の層が塗布膜であるか否かは、その膜に残存する水分や溶媒を検出することにより容易に判別できる。
(5)上記実施の形態に係る有機EL表示パネル10では、R、G、B色にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが配列されていたが、副画素の発光色はこれに限られず、例えば、R、G、Bに加えて黄色(Y)の4色であってもよい。また、一つの画素Pにおいて、副画素は1色あたり1個に限られず、複数配置されてもよい。また、画素Pにおける副画素の配列は、図2に示すような、赤色、緑色、青色の順番に限られず、これらを入れ替えた順番であってもよい。
(6)上記実施の形態の図3などでは、有機EL素子の各層の膜厚が、各発光色で等しい例が開示されている。実際に光共振器構造を構築する場合には、各色の発光色の波長に応じて、図5における光路長L1〜L3が、光学的設計により決定され、そのため、例えば、正孔注入層15、正孔輸送層16、有機発光層17、機能層19などの膜厚が調整されることになる。
なお、全ての発光色について光共振器構造を採用しなくてもよく、また、同色の発光色が複数、1画素内にある場合もあり得るので、このような表示パネルの積層構造をまとめるとすれば、次のような表現になる。
「複数の発光部を含む画素が基板の主面に沿って二次元配置されてなる表示パネルであって、前記複数の発光部のうち少なくとも一の発光部は、前記複数の発光部における他の発光部と発光色が異なり、前記少なくとも一の発光部における、前記発光層および/または前記機能層の膜厚が、前記他の発光部と異なる表示パネル。」
(7)また、上記実施の形態に係る有機EL表示パネル10は、アクティブマトリクス方式を採用したが、これに限られず、パッシブマトリクス方式を採用してもよい。
また、トップエミッション型の有機EL表示パネルだけでなくボトルエミッション型の有機EL表示パネルにも適用可能である。
なお、ボトムエミッション型の場合には、対向電極20を光反射性の陽極とし、画素電極13を光透過性(半光透過性を含む)の材料で構成して陰極とする。これに合せて他の正孔注入層15、正孔輸送層16、中間層18、機能層19等の積層順も異なる。
(8)上記実施の形態に係る有機EL素子2では、正孔注入層15と正孔輸送層16とを備えていたが、正孔注入性および正孔輸送性の少なくとも一方の特性を備える層(正孔移動容易化層)を備えていればよい。
(9)上記実施の形態では、自発光素子として有機EL素子および当該有機EL素子を使用した有機EL表示パネルについて説明したが、その他、量子ドット発光素子(QLED:Quantum dot Light Emitting Diode)を使用した量子ドット表示パネル(例えば、特開2010−199067号公報参照)などの表示パネルについても、発光層の構造や種類が異なるだけで、画素電極と対向電極との間に発光層やその他の機能層を介在させるという構成において有機EL表示パネルと同じであり、本発明を適用することができる。
本開示に係る自発光素子等は、例えば、家庭用もしくは公共施設あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ用として好適に用いられる。
1 有機EL表示装置
2 有機EL素子
10 有機ELパネル
11 基板
12 層間絶縁層
13 画素電極(陽極)
15 正孔注入層
16 正孔輸送層
17 有機発光層
18 第1電子注入補助層
19 機能層
20 対向電極(陰極)
21 封止層
22 第2電子注入補助層
191 第1層部分
192 第2層部分
193 第3層部分

Claims (14)

  1. 陽極と、
    前記陽極の上方に配された発光層と、
    前記発光層の上方に配され、有機材料に希土類金属に属する金属がドープされてなる機能層と、
    前記機能層の上方に配された陰極と
    を備え、
    前記機能層の膜厚方向において、前記発光層側の界面に隣接する第1の領域に含まれる前記金属の含有の割合が、前記陰極側の界面に隣接する第2の領域に含まれる前記金属の含有の割合よりも少ない
    ことを特徴とする自発光素子。
  2. 前記機能層は、前記発光層側に配された第1層部分と、前記第1層部分の上に積層された第2層部分とからなり、
    前記第1層部分における前記金属の含有の割合をD1、前記第2層部分における前記金属の含有の割合をD2としたとき、D1<D2である
    ことを特徴とする請求項1に記載の自発光素子。
  3. 前記第1層部分の膜厚をt1、前記第2層部分の膜厚をt2とすると、
    t1>t2である
    ことを特徴とする請求項2に記載の自発光素子。
  4. 前記機能層は、前記中間層に近い側から第1層部分、第2層部分および第3層部分を順に積層してなり、前記第1層部分、第2層部分、第3層部分における前記金属の含有の割合をそれぞれ、D1、D2、D3とすると、D2<D1<D3である
    ことを特徴とする請求項1に記載の自発光素子。
  5. 前記機能層における前記金属の含有の割合が、前記陰極側から前記発光層側に向けて連続的に変化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自発光素子。
  6. 前記金属は、Ybである
    ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の自発光素子。
  7. 前記発光層と前記機能層との間に、第1電子注入補助層が配されている
    ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の自発光素子。
  8. 前記第1電子注入補助層は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から選択された金属のフッ化物からなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の自発光素子。
  9. 前記機能層と前記陰極との間に、第2電子注入補助層が配されている
    ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の自発光素子。
  10. 前記第2電子注入補助層は、
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物、希土類金属に属する金属、およびリチウムキノラートのうちから選択された材料からなる
    ことを特徴とする請求項9に記載の自発光素子。
  11. 前記陽極は光反射性であり、前記陰極は、半透光性である
    ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の自発光素子。
  12. 前記陽極と発光層との間に、正孔注入性および/または正孔輸送性を有する正孔移動容易化層が配されており、前記正孔移動容易化層および前記発光層のうち、少なくとも1層は、塗布膜からなる
    ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の自発光素子。
  13. 基板上方に、請求項1から12までのいずれか1項に記載の自発光素子を複数、行列状に配列し、行方向に隣接する自発光素子における発光層は、列方向に延在する隔壁によって仕切られている
    ことを特徴とする自発光表示パネル。
  14. 陽極を形成する工程と、
    前記陽極上方に発光層を形成する工程と、
    前記発光層上方に、希土類金属に属する金属を含む機能層を形成する工程と、
    前記機能層の上方に、陰極を形成する工程と、
    を含み、
    前記機能層を形成する工程において、
    前記機能層の膜厚方向における、前記発光層側の界面に隣接する第1の領域に含まれる前記金属の含有の割合が、前記陰極側の界面に隣接する第2の領域に含まれる前記金属の含有の割合よりも少なくなるように、前記機能層が形成される
    ことを特徴とする自発光素子の製造方法。
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