以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1〜6を参照して、本実施形態に係る配車システム10の構成を説明する。本実施形態に係る配車システム10は、ユーザが車両の配車を依頼する配車リクエストに応じて車両を配車するシステムである。
配車システム10は、配車サーバ20と、車両40と、ユーザ端末60とを主体に構成されている。配車サーバ20と、車両40と、ユーザ端末60とは、ネットワーク30を介して相互に通信可能に構成されている。ネットワーク30は、例えばインターネットが挙げられる。ネットワーク30は、4G/LTEや、5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
車両40は、ユーザを乗車して輸送サービスを提供する車両(サービス車両)であり、複数用意されている。図1に示す例では、車両40が3台示されているが、これに限定されない。複数の車両40は、複数の停車エリア周辺を走行する。各々の停車エリアは、ユーザが乗降するために車両40の停車を予定する一定のエリアであって、停車スポットとも称する。複数の停車エリアは、複数の車両40が走行するサービス提供エリア内に離散的に用意されている。
本実施形態において、複数の車両40は、配車車両、巡回車両、待機車両を含む。配車車両は、配車リクエストを受け付ける車両40であり、配車リクエストに応じた輸送サービスを行う。巡回車両は、配車リクエストを受け付けていない車両40であり、任意の経路(以下「巡回経路」という)を走行する。一方、待機車両は、サービス提供エリア内又はサービス提供エリア外に設定された待機エリアにおいて待機する車両40である。図5では、4台の巡回車両が符号Va1〜Va4で、3台の配車車両が符号Vb1〜Vb3で、10個所の停車エリアが符号Pa1〜Pa10で例示されている。
配車サーバ20は、配車リクエストに応じた配車を行うための処理などを行う。
本実施形態において、目的地とは、ユーザが配車車両に乗車する乗車地、又は、ユーザが配車車両から降車する降車地を意味する。また、目的地は、乗車地から降車地の間に設定される経由地を含んでもよい。
配車サーバ20は、CPU21と、メモリ22(図2では図示を省略)と、通信装置23と、記憶装置24とを供えている。配車サーバ20は、複数の車両40を用いて輸送サービスを提供される事業者に設置される。
CPU21は、メモリ22などに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。プログラムを実行することにより、CPU21は、配車サーバ20が備える複数の情報処理回路として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによって配車サーバ20が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
CPU21は、複数の情報処理回路として、車両管理部211と、ユーザ管理部212と、エリア管理部213と、停車判断部214と、ルート生成部215とを備えている。
車両管理部211は、個々の車両40から、後述する車両情報を定期的に取得し、取得した車両情報などに基づいて、記憶装置24の車両データベース(車両DB)242を更新する。また、車両管理部211は、車両データベース242に基づいて、個々の車両40の状態を把握することができる。
ユーザ管理部212は、個々のユーザ端末60から、後述するユーザ情報を定期的に取得し、取得したユーザ情報などに基づいて、記憶装置24のユーザデータベース(ユーザDB)241を更新する。また、ユーザ管理部212は、ユーザデータベース241に基づいて、個々のユーザの状態を把握することができる。
エリア管理部213は、個々の車両40から取得した検出情報(停車エリア上の物体の検出結果)に基づいて、占有情報を生成する。占有情報は、停車エリアが物体によって占有される占有状況を判断するための情報である。本実施形態において、占有情報は、停車エリアの占有状況である。占有状況は、例えば、停車エリアにおいて静止物体(駐車車両、道路工事に伴う工作物など)又は移動物体(渋滞車両)が占有する割合、すなわち、占有率として表すことができる。また、占有状況は、停車エリアに停車することができる車両40の台数、停車エリアを占有する他車両の台数などで表されてもよい。また、占有情報は、停車エリアの占有状況を判断するための情報であればよく、停車エリア上の物体の検出結果そのものであってもよい
エリア管理部213は、占有情報などに基づいて、記憶装置24のエリアデータベース(エリアDB)243を作成及び更新する。また、エリア管理部213は、エリアデータベース243に基づいて、個々の停車エリアの占有状況を把握することができる。
停車判断部214は、配車リクエストと、エリアデータベース243、すなわち、複数の停車エリア毎に管理される占有情報とに基づいて、複数の停車エリアの中から配車車両が停車可能な停車可能エリアを選択し、停車可能エリアを配車車両の目的地として設定する。
ルート生成部215は、配車リクエストに基づいて、複数の車両40の中から配車車両を決定する。ルート生成部215は、配車車両が目的地まで走行するための経路である配車経路を生成する。配車経路の算出には、VICS(登録商標)などの道路交通情報を参照し、目的地に到着する時間が最も短くなる経路を考慮してもよい。また、ルート生成部215は、配車車両が配車経路を走行して目的地に到着する到着予測時間を算出する。
ルート生成部215は、通信装置23を用いて、配車経路を含む車両用配車情報を配車車両に送信する。また、ルート生成部215は、通信装置23を用いて、配車車両及び目的地(停車可能エリア)を含むユーザ用配車情報をユーザ端末60に送信する。ユーザ用配車情報は、到着予測時間を含んでもよい。
また、ルート生成部215は、巡回車両の巡回経路を設定する。巡回経路は、巡回車両毎に固有の経路であってもよいし、全ての巡回車両にとって同じ経路であってもよい。また、ルート生成部215は、必要に応じて、巡回車両の巡回経路を再設定したりする。ルート生成部215は、通信装置23を用いて、巡回経路を巡回車両に送信する。
さらに、ルート生成部215は、巡回車両と、待機車両とを設定する役割を担っている。例えば、ルート生成部215は、配車リクエストを受け付けていない車両40の中から、所定の基準数の車両40を巡回車両に設定し、残余の車両40を待機車両に設定するといった如くである。この場合、ルート生成部215は、配車リクエストの多い時間帯ほど、基準数、すなわち、巡回車両の数(割合)を増やすなど調整を行ってもよい。
なお、巡回車両の設定方法はこれに限らない。ルート生成部215は、配車リクエストを受け付けていない車両40の中から、航続可能な距離が長い車両40から順番に、所定の基準数だけ巡回車両を選択してもよい。この場合、ルート生成部215は、航続可能な距離が判定距離以下となった巡回車両を判断すると、この巡回車両を待機エリアに待機させる。一方、ルート生成部215は、待機エリアに待機する待機車両の中から巡回車両を新たに設定する。
通信装置23は、ネットワーク30を介して車両40又はユーザ端末60との間で通信を行う。通信装置23は、車両40から所定の情報(車両情報、検出情報など)を取得したり、ユーザ端末60から所定の情報(配車リクエスト、ユーザ情報など)を取得したりする。また、通信装置23は、ネットワーク30を介して外部装置(図示せず)と通信することで、道路交通情報を取得することができる。また、通信装置23は、所定の情報(車両用配車情報など)を車両40に対して送信する。通信装置23は、所定の情報(ユーザ用配車情報など)をユーザ端末60に対して送信する。例えば、通信装置23は、4G/LTEなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
記憶装置24は、輸送サービスに必要な各種のデータベースを格納する。記憶装置24は、ユーザデータベース241と、車両データベース242と、エリアデータベース243とを有している。
ユーザデータベース241は、ユーザ端末60から取得したユーザ情報を管理するデータベースである。ユーザ情報は、現在のユーザの位置を含む。ユーザデータベース241において、ユーザ情報は、輸送サービスの提供を希望する複数のユーザ毎に管理されており、個々のユーザ情報には、ユーザ(ユーザ端末60)を識別するユーザIDが関連付けられている。
車両データベース242は、車両40から取得した車両情報を管理するデータベースである。車両情報は、現在の車両40の位置、車両40の航続可能な距離などを含む。車両データベース242において、車両情報は、輸送サービスを行う車両40毎に管理されており、個々の車両情報には、車両40を識別する車両IDが関連付けられている。
また、車両情報は、速度、ドアロック及びドアの開閉状態、シートベルトの着脱を検知するシートベルトセンサのセンサ値、自動運転中か否かなどを含む。また、車両情報は、配車リクエストの受け付けが可能か否か、車両40が送迎中であるか否か、乗客(ユーザ)の有無、乗客の人数、乗車又は降車の状態、目的地に到着したか否か、配車車両・巡回車両・待機車両のいずれであるか、現在走行中の経路(配車経路・巡回経路)なども含む。
エリアデータベース243は、サービス提供エリアに用意される複数の停車エリアを管理するデータベースである。エリアデータベース243には、停車エリアの占有情報(占有状況)、占有情報の更新が最後に行われた最終更新時間、占有状況の種別、停車エリア上の物体を検出したときの検出結果の確かさの程度、停車エリアの距離情報、停車可能な台数、停車エリアの位置、閾値時間などを含むスポット情報が記録される。エリアデータベース243において、スポット情報は、サービス提供エリアに用意された複数の停車エリア毎に管理されており、個々のスポット情報には、停車エリアを識別する停車エリアIDが関連付けられている。
また、記憶装置24は、配車車両及び巡回車両の経路を生成したり、ユーザ又は車両40の位置関係を認識したりするために、図示しない地図情報を保有している。
車両40は、ドライバが乗車しないで自動運転機能により走行する車両である。しかしながら、車両40は、ドライバの手動運転により走行する車両でもよいし、ドライバが乗車した上で自動運転機能により走行する車両でもよい。
自動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングなどのアクチュエータのうち、少なくとも一つのアクチュエータが乗員の操作なしに制御されている状態のことを指す。そのため、その他のアクチュエータが乗員の操作により作動していたとしても構わない。また、自動運転とは、加減速制御、横位置制御などのいずれかの制御が実行されている状態であればよい。また、本実施形態における手動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングを乗員が操作している状態のことを指す。
また、車両40は、エンジンのみで駆動するエンジン自動車、エンジンと電動モータとで駆動するハイブリッド自動車、電動モータのみで駆動する電気自動車のいずれであってもよい。
車両40は、物体検出装置41と、位置推定装置42と、コンピュータ43と、通信装置44とを有している。
物体検出装置41は、車両に搭載された、複数の物体検出センサを備える。物体検出装置41は、複数の物体検出センサを用いて車両の周囲に存在する物体を検出する。
複数の物体検出センサは、レーザレンジファインダを含む。レーザレンジファインダは、車両の周囲(例えば360度)を所定の範囲内でセンシングし、センシング結果のデータを出力する。センシング結果のデータは、例えばポイントクラウド形式で出力される。また、複数の物体検出センサは、カメラを含む。カメラは、車両の周囲(例えば360度)を撮影し、撮影した画像データを出力する。カメラは、車両の周囲を撮影できるように、複数設置されている。物体検出装置41は、センシング結果のデータおよび画像データをコンピュータ43に出力する。物体検出装置41は、レーザレンジファインダ、カメラ以外の種類のセンサを含んでもよい。
位置推定装置42は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)、オドメトリなどの位置推定技術を利用して、車両の絶対位置を計測する。位置推定装置42には、GPS受信器、慣性航法装置、ブレーキペダル及びアクセルペダルに設けられたセンサ、車輪速センサ及びヨーレートセンサなど車両の挙動を取得するセンサ、レーザレーダ、カメラなどが含まれる。位置推定装置42は、車両の位置、速度、加速度、操舵角、姿勢(移動方向)を計測する。
コンピュータ43は、車両40を制御するための車両システムである。
コンピュータ43は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。コンピュータ43には、配車システム10上で車両40(車両システム)として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コンピュータ43は、車両システムが備える複数の情報処理回路として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによって車両システムが備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
コンピュータ43は、複数の情報処理回路として、情報処理部431と、車両制御部432とを備えている。
情報処理部431は、車両40がサービス提供エリアを経路(配車経路又は巡回経路)に沿って走行している間、停車エリアを通過するか否かを判断する。停車エリアを通過する場合には、情報処理部431は、物体検出装置41を用いて、停車エリア上の物体を検出する。情報処理部431は、検出結果である検出情報を配車サーバ20に送信する。
物体検出装置41を用いた物体の検出には、物体の位置、大きさ、移動物体及び静止物体といった物体の種別が含まれる。さらに、移動物体には、バイク、自転車、歩行者といった移動物体の種別が含まれてもよい。同様に、静止物体には、駐車車両、建物を含む工作物といった静止物体の種別が含まれてもよい。
なお、情報処理部431は、配車サーバ20に代えて、停車エリア上の物体の検出結果から占有情報を生成してもよい。この場合、情報処理部431は、検出情報として、占有情報を配車サーバ20に送信することとなる。すなわち、本明細書において、情報処理部431が送信する検出情報は、停車エリア上の物体の検出結果そのものであってもよいし、検出結果から生成した占有情報であってもよい。情報処理部431から占有情報が送信される場合には、配車サーバ20のエリア管理部213は、占有情報を取得することで、検出結果に基づく占有情報の生成を行うこととなる。
また、配車サーバ20に送信する検出情報は、停車エリア上の物体を検出したときの精度である、検出結果の確かさの程度を含む。検出結果の確かさには、車両40の通過速度、車両40の走行車線、他の走行車両による遮蔽の影響、車両以外の静止物体の有無、センサの汚れ又は雨滴などの要素が考慮される。
また、情報処理部431は、位置推定装置42の計算結果などに基づいて、車両情報を生成する。
情報処理部431は、配車サーバ20からの求めに応じて、又は所定の周期で、通信装置23を用いて、車両情報を配車サーバ20に送信する。また、情報処理部431は、車両情報を送信する際に、配車サーバ20に対して送信していない検出情報がある場合には、通信装置23を用いて、車両情報とともに検出情報を配車サーバ20に送信する。なお、停車エリア上の物体を検出したタイミングで、検出情報を配車サーバ20に送信してもよい。
車両制御部432は、自車両の車両制御を行う。車両制御部432は、自車両の各種アクチュエータ(ステアリングアクチュエータ、アクセルペダルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータなど)を制御して、自動運転を実行する。車両制御部432によって実行される自動運転により、車両40は、配車経路又は巡回経路に沿って走行することができる。
通信装置44は、ネットワーク30を介して配車サーバ20との間で通信を行う。通信装置44は、配車サーバ20から所定の情報(車両用配車情報など)を取得する。また、通信装置44は、所定の情報(検出情報及び車両情報など)を配車サーバ20に対して送信する。例えば、通信装置44は、4G/LTEなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
ユーザ端末60は、ユーザの配車依頼を受け付ける装置であり、ユーザが日常的に利用する装置、例えば携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)などの通信機器などである。図1では、ユーザ端末60が2台示されているが、これに限定されず、少なくとも1つあればよい。
ユーザ端末60は、コンピュータ61と、操作表示装置62と、位置検出装置63と、通信装置64とを供えている。
コンピュータ61は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。コンピュータ61には、配車システム10上でユーザ端末60として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コンピュータ61は、ユーザ端末60が備える1つ以上の情報処理回路として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによってユーザ端末60が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、1つ以上の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
コンピュータ43は、1つ以上の情報処理回路として、リクエスト処理部611を備えている。
リクエスト処理部611は、ユーザの配車依頼に対応する配車リクエストを生成する。ユーザが車両40の配車を依頼する場合、ユーザは、操作表示装置62を操作して、配車リクエストを入力する。ユーザの入力に従って配車リクエストを受け付けると、リクエスト処理部611は、通信装置64を用いて、配車リクエストを配車サーバ20に送信する。
配車リクエストは、現在のユーザの位置を含む。現在のユーザの位置は、ユーザが直接入力してもよいが、位置検出装置63が検出した情報が利用してもよい。また、配車リクエストには、乗車を希望する時間(乗車希望時間)、目的の場所(ユーザが行きたい場所)、目的の場所へ到着を希望する時間、すなわち、降車を希望する時間(降車希望時間)、乗車人数、手荷物の情報を含んでもよい。
また、リクエスト処理部611は、配車リクエストに対して配車サーバ20から返信されるユーザ用配車情報を、操作表示装置62に表示する。
なお、コンピュータ61は、リクエスト処理部611の機能を提供するサーバにアクセスして機能提供を受け、サーバが提供する機能の実行結果をブラウザに表示するようにしてもよい。
また、リクエスト処理部611は、位置検出装置63の検出結果に基づいて、ユーザ情報を生成する。リクエスト処理部611は、配車サーバ20からの求めに応じて、又は所定の周期で、通信装置64を用いて、ユーザ情報を配車サーバ20に送信する。
操作表示装置62は、ユーザ端末60に対して情報の入力を行うためにユーザが操作を行う操作部と、ユーザ端末60から出力される情報を表示する表示部とを含んでいる。本実施形態では、操作表示装置62は、ディスプレイと、ディスプレイ上に表示される情報に従って入力操作を行うことができるタッチパネルとを主体に構成されている。
位置検出装置63は、ユーザ端末の位置を検出する。位置検出装置63としては、GPS衛星からの信号を受信するGPS受信器で構成される。
通信装置64は、ネットワーク30を介して配車サーバ20との間で通信を行う。通信装置64は、配車サーバ20から所定の情報(ユーザ用配車情報など)を取得する。また、通信装置64は、所定の情報(ユーザ情報、配車リクエストなど)を配車サーバ20に対して送信する。例えば、通信装置64は、4G/LTEなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
以下、図7乃至図9を参照し、本実施形態に係る配車システムの動作、具体的には、配車リクエストに関する処理の流れを説明する。図7に示すフローチャートは、ユーザ端末60から配車リクエストを受信したことをトリガーとして、配車サーバ20のCPU21によって実行される。
まず、ステップS10において、停車判断部214は、現在のユーザの位置に基づいて、乗車希望エリアを取得する。例えば、停車判断部214は、現在のユーザの位置を中心とする所定範囲のエリアを乗車希望エリアとして取得する。
また、配車リクエストに目的の場所が含まれる場合に、停車判断部214は、目的の場所に基づいて降車希望エリアを取得する。例えば、停車判断部214は、目的の場所を中心とする所定範囲のエリアを降車希望エリアとして取得する。
ステップS11において、停車判断部214は、エリアデータベース243に基づいて、乗車希望エリアに含まれる全ての停車エリアを特定し、個々の停車エリアの占有情報(占有状況)を取得する。また、降車希望エリアが取得されている場合には、降車希望エリアについても同様に、降車希望エリアに含まれる全ての停車エリアの占有状況が取得される。
ステップS12において、停車判断部214は、乗車希望エリアに含まれる全ての停車エリアの占有状況に基づいて、配車車両が停車可能な停車可能エリアを選択し、停車可能エリアを配車車両の乗車地(目的地)として設定する。
以下、図8を参照し、停車可能エリアを乗車地として設定する処理を具体的に説明する。まず、ステップS20において、停車判断部214は、乗車希望エリアに含まれる全ての停車エリア毎に、停車エリアの占有状況に基づいて、配車車両が停車可能か否かを判断する。停車判断部214は、この判断に基づいて、乗車希望エリアに含まれる全ての停車エリアの中から、配車車両が停車可能な停車可能エリアを特定する。
ステップS21において、停車判断部214は、停車可能エリアが複数あるか否かを判断する。停車可能エリアが一つしかない場合には、ステップS21で否定判定され、ステップS22に進む。一方、停車可能エリアが複数ある場合には、ステップS21で肯定判定され、ステップS23に進む。
ステップS22において、停車判断部214は、ステップS20で特定された唯一の停車可能エリアを乗車地として設定する。
ステップS23において、停車判断部214は、複数の停車可能エリアの中で、基準占有率よりも占有率が低い停車可能エリアがあるか否かを判断する。基準占有率は、複数台の車両が停車可能である程度に、停車可能エリアの占有率が低いかどうかを判断するための値であり、実験などにより予め設定されている。占有率が低い停車可能エリアがある場合には、ステップS23で肯定判定され、ステップS24に進む。一方、占有率が低い停車可能エリアがない場合には、ステップS23で否定判定され、ステップS25に進む。
ステップS24において、停車判断部214は、複数の停車可能エリアの中で、現在のユーザの位置に対して一番近い停車可能エリアを乗車地として設定する。
ステップS25において、停車判断部214は、複数の停車可能エリアの中で、周囲に別の停車エリアが近接している停車可能エリアを乗車地として設定する。これは乗車地として設定した停車可能エリアに配車車両が到着した場合に、その後の状況の変化によって停車可能エリアが占有されている場合を想定し、近くに代替となる停車エリアがあることを重視したからである。
降車希望エリアが取得されている場合、降車希望エリアについても同様に、配車車両の降車地(目的地)が特定される。すなわち、停車判断部214は、降車希望エリアに含まれる全ての停車エリアの占有状況に基づいて、配車車両が停車可能な停車可能エリアを選択し、停車可能エリアを降車地として設定する。
図7に示すステップS13において、ルート生成部215は、配車リクエストに基づいて、配車車両の決定及び車両用配車情報の生成を行う。
以下、図9を参照し、配車車両の決定及び車両用配車情報の生成の処理を具体的に説明する。まず、ステップS30において、ルート生成部215は、車両データベース242、エリアデータベース243などを参照し、配車リクエストを受け付けていない複数の車両40毎に、目的地(乗車地又は降車地)として設定された停車可能エリアへの到着時間を予測する。停車可能エリアへの到着時間は、現在の車両40の位置と、乗車地の停車可能エリアの位置とに基づいて予測される。そして、ルート生成部215は、希望乗車時間までに、乗車地の停車可能エリアに到着できる車両40を抽出する。なお、到着時間を予測する場合、ルート生成部215は、道路交通情報を参照し、渋滞などの影響を考慮してもよい。
ステップS31において、ルート生成部215は、車両データベース242を参照し、ステップS30の処理で抽出された車両40の中で、航続可能な距離が所定距離以上の車両40を抽出する。ここで、所定距離は、配車リクエストを実現するために必要な車両40の航続距離を基準に定められており、例えば、所定の固定値、又は、乗車地と目的地との間の距離から導かれる値が採用される。
ステップS32において、ルート生成部215は、ステップS31の処理で抽出された車両40が複数あるか否かを判断する。車両40が複数ある場合には、ステップS32において肯定判定され、ステップS33に進む。一方、車両40が1台しかない場合には、ステップS32において否定判定され、ステップS34に進む。
ステップS33において、ルート生成部215は、抽出した複数の車両40の中で、優先順位が最も高い車両40を配車車両として決定する。ルート生成部215は、乗車希望時間に一番近い時間に最も少ないエネルギーで到着できる車両40程順位が高くなるように、抽出した複数の車両40に対して優先順位を付与している。優先順位の付与では、現在の車両40の位置から乗車地の停車可能エリアへと至るまでの距離、勾配の程度、渋滞の状況などが考慮される。ルート生成部215は、個々の車両40に付与された優先順位を参照し、配車車両を決定する。
ステップS34において、ルート生成部215は、抽出した唯一の車両40を配車車両として決定する。
ステップS35において、ルート生成部215は、配車車両が現在の位置から乗車地の停車可能エリアまで走行するための配車経路と、到着予測時間とをそれぞれ算出する。
降車希望エリアが取得されている場合、ステップS36において、ルート生成部215は、配車車両が乗車地の停車可能エリアから降車地の停車可能エリアまで走行するための配車経路と、到着予測時間とをそれぞれ算出する。
ルート生成部215は、このような一連の処理を通じて、乗車地の停車可能エリアへの配車経路を車両用配車情報として生成する。降車希望エリアが取得されている場合、車両用配車情報には、降車地の停車可能エリアへの配車経路も含まれる。
図7におけるステップS14において、ルート生成部215は、ユーザ用配車情報を生成する。ユーザ用配車情報は、配車車両、乗車地の停車可能エリア、乗車地の停車可能エリアへの到着予測時間を含む。また、ユーザ用配車情報は、降車地の停車可能エリア、降車地の停車可能エリアへの到着予測時間を含んでもよい。
図7のステップS15において、ルート生成部215は、通信装置23を用いて、車両用配車情報を配車車両に送信する。同様に、ルート生成部215は、通信装置23を用いて、ユーザ用配車情報を、配車リクエストを送信したユーザ端末60に送信する。
以下、図10乃至図14を参照し、本実施形態に係る配車システムの動作、具体的には、占有情報の更新に関する処理の流れを説明する。図10に示すフローチャートは、所定の周期で、配車サーバ20のCPU21によって実行される。
ステップS50において、エリア管理部213は、エリアデータベース243に基づいて、閾値時間を調整する。閾値時間は、占有情報の更新が最後に行われた最終更新時間から経過した時間が閾値時間を超えることで、停車エリアについての占有情報の更新が必要であることを判断するための判断時間である。
閾値時間の調整は、サービス提供エリア内にある複数の停車エリア毎に行われる。閾値時間の調整には、例えば以下に述べる第1から第7までの方法を用いることができる。なお、第1から第7までの方法は、それぞれ単独で用いてもよいし、いくつかの方法を組み合わせて用いてもよい。
第1の方法は、1日のうち、配車リクエストの多い時間帯程、閾値時間を短く設定するというものである。例えば、エリア管理部213は、単位時間あたりの配車リクエストの受信数をカウントし、カウント数が判定カウント数を超える場合に、配車リクエストの多い時間帯であると判断する。また、エリア管理部213は、統計的な手法で予め取得された、配車リクエストの多い時間帯の基準を保持して、現在の時間が基準に属する場合に、配車リクエストの多い時間帯であると判断してもよい。そして、エリア管理部213は、配車リクエストの多い時間帯であると判断した場合には、閾値時間を予め定められた基準値よりも短くするといった如くである。
第2の方法は、複数の停車エリアのうち、配車リクエストの多い停車エリア程、すなわち、乗車地又は降車地に決定される回数が多い停車エリア程、閾値時間を短く設定するというものである。例えば、エリア管理部213は、停車エリア毎に、乗車地又は降車地に決定された回数をカウントし、カウント数が判定カウント数を超える場合に、配車リクエストの多い停車エリアであると判断する。また、エリア管理部213は、統計的な手法で予め取得された、配車リクエストの多い停車エリアの情報を保持してもよい。そして、エリア管理部213は、配車リクエストの多い停車エリアであると判断した場合には、閾値時間を予め定められた基準値よりも短くするといった如くである。
第3の方法は、複数の停車エリアのうち、ユーザが集中するエリアに存在する停車エリア程、閾値時間を短く設定するというものである。例えば、エリア管理部213は、ユーザデータベース241に基づいて、停車エリア毎に、停車エリアを含む所定の処理エリア内に存在するユーザの数をカウントする。そして、エリア管理部213は、カウント数が判定カウント数を超える場合に、ユーザが集中するエリアに存在する停車エリアであると判断する。エリア管理部213は、ユーザが集中するエリアに存在する停車エリアであると判断した場合には、閾値時間を予め定められた基準値よりも短くするといった如くである。
第4の方法は、複数の停車エリアのうち、占有状況(占有率)が高い停車エリアが集中するエリアに存在する停車エリア程、閾値時間を短く設定するというものである。例えば、エリア管理部213は、エリアデータベース243に基づいて、複数の停車エリアを所定の処理エリア毎にグループ化する。そして、占有率が高い停車エリアが含まれる処理エリアについては、停車エリアの閾値時間を予め定められた基準値よりも短くするといった如くである。
第5の方法は、複数の停車エリアのうち、配車リクエストを要求したユーザがいるエリア内に存在する停車エリア程、閾値時間を短く設定するというものである。例えば、エリア管理部213は、配車リクエストを送信したときのユーザの位置を基準に、所定の処理エリアを設定する。そして、エリア管理部213は、処理エリアに存在する停車エリアについては、閾値時間を予め定められた基準値よりも短くするといった如くである。
第6の方法は、停車エリア毎に、占有状況の種別を特定し、占有状況の種別に基づいて、閾値時間を設定するというものである。例えば、停車エリアを占有する状況が、道路工事による工作物であるような場合、その停車エリアの占有状況は容易に変化しないと考えられる。この場合には、閾値時間を基準値よりも長くするといった如くである。
第7の方法は、停車エリア毎に、停車エリア上の物体を検出したときの検出結果の確かさの程度に基づいて閾値時間を設定するというものである。例えば、検出結果の精度が低い場合には、占有情報を短い時間で更新することで、精度を高めたいと考えられる。そこで、検出結果の確かさが低い場合には、閾値時間を基準値よりも短くするといった如くである。
ステップS51において、エリア管理部213は、エリアデータベース243を参照し、停車エリア毎に、最終更新時間と閾値時間とを読み出す。そして、エリア管理部213は、停車エリア毎に、最終更新時間からの経過時間が閾値時間を超えているか否か判断する。エリア管理部213は、最終更新時間からの経過時間が閾値時間を超えている停車エリアを、更新が必要な停車エリア(以下「更新対象エリア」という)として特定する。
図11を例に説明する。図11には、10箇所の停車エリアPa1〜Pa10のそれぞれに、最終更新時間が対応付けて記載されている。ここで、個々の停車エリアPa1〜Pa10の閾値時間は全て30分であるとし、現在の時間は14:00であるとする。停車エリアPa8は、最終更新時間が13:29であるため、最終更新時間からの経過時間は31分となる。したがって、エリア管理部213は、停車エリアPa8を更新対象エリアとして特定するといった如くである。
ステップS52において、エリア管理部213は、車両データベース242を参照し、複数の巡回車両のうち、少なくとも1つの巡回車両が、所定時間以内に更新対象エリアを通過する予定があるか否を判断する。所定時間は、近い将来に巡回車両が更新対象エリアを通過するか否かを判断するための値であり、予め設定されている。少なくとも1つの巡回車両が更新対象エリアを通過する予定がある場合には、ステップS52で肯定判定され、ステップS53に進む。一方、複数の巡回車両のいずれも更新対象エリアを通過する予定がない場合には、ステップS52で否定判定され、ステップS54に進む。
ステップS53において、エリア管理部213は、少なくとも1つの巡回車両が更新対象エリアを通過する通過予測時間を算出する。通過予測時間は、巡回車両の位置、巡回車両の速度、更新対象エリアの位置などに基づいて算出される。エリア管理部213は、エリアデータベース243における更新対象エリアの最終更新時間を、通過予測時間によって更新する。更新対象エリアを通過する巡回車両が複数ある場合には、最終更新時間は、更新対象エリアを最も早く通過する巡回車両の通過予測時間によって更新される。
なお、本実施形態では、巡回車両のみを対象としてステップS52の判断を行っている。しかしながら、ステップS52の判断には、配車車両を含めてもよい。そして、配車車両が所定時間以内に更新対象エリアを通過する予定がある場合には、ステップS53において、エリア管理部213は、更新対象エリアの最終更新時間を、配車車両の通過予測時間によって更新してもよい。
ステップS54において、ルート生成部215は、巡回車両の巡回経路を、更新対象エリアを通過する経路に再設定する。
以下、図12を参照し、巡回車両の巡回経路を再設定する処理を具体的に説明する。まず、ステップS60において、ルート生成部215は、車両データベース242を参照し、更新対象エリア付近の巡回車両、例えば更新対象エリアを中心とする所定の検索エリア内に存在する巡回車両を検索する。
ステップS61において、ルート生成部215は、検索エリア内に巡回車両があるか否かを判断する。巡回車両がある場合には、ステップS61において肯定判定され、ステップS62に進む。一方、巡回車両がない場合には、ステップS61において否定判定され、ステップS65に進む。
ステップS62において、ルート生成部215は、検索エリア内に複数の巡回車両があるか否かを判断する。複数の巡回車両がある場合には、ステップS62において肯定判定され、ステップS63に進む。一方、巡回車両が1台しかない場合には、ステップS62において否定判定され、ステップS64に進む。
ステップS63において、ルート生成部215は、検索エリア内の複数の巡回車両毎に、更新対象エリアを通過する経路を走行した場合に更新対象エリアを通過する通過予測時間を算出する。そして、ルート生成部215は、複数の巡回車両のうち、更新対象エリアに最も早く到着できる巡回車両、すなわち、通過予測時間が最も早い巡回車両を選択する。
図13を例に説明する。ルート生成部215は、更新対象エリアである停車エリアPa8の周囲を存在する、4台の巡回車両Va1〜Va4についての通過予測時間を算出する。この場合、ルート生成部215は、4台の巡回車両Va1〜Va4のうち、通過予測時間が最も早い14:08分となる巡回車両Va3を選択する。
ステップS64において、ルート生成部215は、更新対象エリアの近傍にいる唯一の巡回車両を選択する。
ステップS65において、ルート生成部215は、検索範囲外に存在する巡回車両を選択する。検索範囲外に巡回車両が複数存在する場合には、更新対象エリアに最も近い巡回車両を選択することが好ましい。また、ルート生成部215は、待機エリアで待機する待機車両を選択してもよい。
ステップS66において、ルート生成部215は、選択された巡回車両の巡回経路を、更新対象エリアを通過する経路に再設定する。
図10に示すステップS55において、ルート生成部215は、通信装置23を用いて、再設定された巡回経路を巡回車両に送信する。巡回車両が再設定された巡回経路を受信すると、従前まで使用していた巡回経路から、再設定された巡回経路に切り替えて走行を行う。図14の例では、巡回車両Va3は、更新対象エリアである停車エリアPa8を通過する、新たな巡回経路に従って走行する。
このように本実施形態の配車システム10において、各々の車両40は、停車エリア上の物体を検出する物体検出装置41を備え、検出結果を配車サーバに送信する。配車サーバ20は、検出結果に基づき停車エリアの占有状況を判断するための占有情報を生成し、占有情報に基づきエリアデータベース243を作成及び更新し、エリアデータベース243に基づき、複数の停車エリアの中から配車車両が停車可能な停車可能エリアを選択し、停車可能エリアを目的地として設定している。
この構成によれば、サービス提供エリアでは複数の車両40が走行しているので、個々の車両40が停車エリアを通過するときに、各停車エリア上の物体を検出することができる。配車サーバ20は、それぞれの車両40の検出結果に基づき、各停車エリアの最新の占有情報を管理することができる。これにより、複数の停車エリアの中から、配車車両が停車可能な停車可能エリアを選択することができ、その停車可能エリアを目的地として決定することができる。その結果、予め停車エリアへの停車可否を考慮することで、設定した目的地への停車の可能性が向上する。
また、本実施形態において、配車サーバ20は、複数の車両のうち配車リクエストを受け付けていない車両40を巡回車両として設定している。一方、配車サーバ20は、複数の停車エリアの中で、閾値時間にわたって占有情報の更新が行われていない停車エリアを更新対象エリアとして特定し、巡回車両の経路が更新対象エリア近傍を通過するか否かを判断する。そして、配車サーバ20は、更新対象エリアを通過しない場合には、巡回車両の巡回経路を、更新対象エリアを通過する経路に再設定している。
この構成によれば、巡回車両を更新対象エリアに強制的に向かわせることができるので、更新対象エリアについての占有情報の更新を促すことができる。これにより、複数の停車エリアの中で、占有情報が長期にわたって更新されない停車エリアが存在するといった事態を抑制することができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、巡回車両を複数設定している場合には、複数の巡回車両毎に、更新対象エリアの通過予測時間を算出する。そして、配車サーバ20は、複数の巡回車両のうち、通過予測時間が最も早い巡回車両の巡回経路を、更新対象エリアを通過する経路に再設定している。
この構成によれば、更新対象エリアに最も早く到着する巡回車両を更新対象エリアへと向かわせることができるので、更新対象エリアの占有情報を素早く更新することができる。
なお、配車サーバ20は、通過予測時間以外の方法で、巡回経路の再設定を行う巡回車両を選択してもよい。例えば、配車サーバ20は、複数の巡回車両のうち、更新対象エリアの最も近くを通る巡回経路を走行する巡回車両を対象として、巡回経路を再設定するための処理を行ってもよい。この構成によれば、更新対象エリアの占有情報を素早く更新することができる。
これ以外にも、配車サーバ20は、配車リクエストが入りにくいエリアを走っている巡回車両、航続可能距離に余裕のある巡回車両を、巡回経路の再設定を行う巡回車両を選択してもよい。また、配車サーバ20は、配車車両であっても、更新対象エリアを経由しても乗車希望時間に余裕をもって到着できる場合には、配車車両の再設定を行ってもよい。
本実施形態において、配車サーバ20は、巡回車両が更新対象エリアを通過する場合には、巡回車両が更新対象エリアを通過する通過予測時間を算出し、更新対象エリアの最終更新時間を通過予測時間によって更新している。
この構成によれば、巡回車両が更新対象エリアを通過することが見込める状況であれば、巡回経路の再設定を行わない。これにより、巡回経路の再設定を抑制することができるので、制御負担を軽減することができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、1日のうち、配車リクエストの多い時間帯程、閾値時間を短く設定してもよい。
この構成によれば、配車リクエストの多い時間帯においては、各停車エリアの占有情報の更新頻度を増やすことができる。これにより、占有情報の信頼性を高めることができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、複数の停車エリア毎に、閾値時間を設定している。この場合、配車サーバ20は、複数の停車エリアのうち、配車リクエストの多い停車エリア程、閾値時間を短く設定してもよい。
この構成によれば、配車リクエストの多い停車エリアについて、占有情報の更新頻度を増やすことができる。これにより、占有情報の信頼性を高めることができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、複数の停車エリアのうち、ユーザが集中するエリアに存在する停車エリア程、閾値時間を短く設定してもよい。
この構成によれば、ユーザが集中するエリアに存在する停車エリアについて、占有情報の更新頻度を増やすことができる。これにより、占有情報の信頼性を高めることができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、複数の停車エリアのうち、物体の占有率が高い停車エリアが集中するエリアに存在する停車エリア程、閾値時間を短く設定してもよい。
この構成によれば、占有率が高い停車エリア及びその周辺の停車エリアについて、占有情報の更新頻度を増やすことができる。これにより、占有情報の信頼性を高めることができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、複数の停車エリアのうち、配車リクエストを要求したユーザがいるエリアに存在する停車エリア程、閾値時間を短く設定してもよい。
この構成によれば、配車リクエストを要求したユーザと近い位置にある停車エリア、すなわち、乗車地となり得る停車エリアについて、占有情報の更新頻度を増やすことができる。これにより、占有情報の信頼性を高めることができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、占有状況の種別に基づいて、閾値時間を設定してもよい。
この構成によれば、占有状況の種別から、停車エリアが占有される期間を推測することができる。これにより、停車エリアが占有されている期間に応じて、閾値時間を適切に設定することができる。
本実施形態において、配車サーバ20は、配車リクエストを受け付けていない車両の中から、所定の基準数の車両を巡回車両に設定し、残余の車両を待機エリアに待機させる待機車両に設定する。この場合、配車サーバ20は、配車リクエストの多い時間帯ほど、基準数の数を増やしている。
この構成によれば、配車リクエストの多い時間帯ほど、巡回車両の数が増加することとなる。このため、更新対象エリアへと巡回車両を素早く到着させることができるので、占有情報を素早く更新することができる。
また、配車サーバ20は、配車リクエストを受け付けていない車両のうち、航続可能な距離が長い車両から順番に巡回車両として選択してもよい。この場合、配車サーバ20は航続可能な距離が判定距離以下となった巡回車両を待機エリアに待機させ、待機エリアに待機する待機車両の中から巡回車両を新たに設定してもよい。
この構成によれば、長い距離を航続可能な巡回車両を用いることができるので、更新対象エリアの占有情報を効率よく更新することができる。また、巡回車両の燃料又は電池切れを抑制することができる。
また、本実施形態に係る配車システム10の配車方法は、上述の配車システム10と対応する技術事項を有している。これにより、配車車両が目的地の停車ポイントに停車するときの確実性を向上することができる。
また、配車システム10を構成する配車サーバ20も本発明の一部として機能する。これの配車サーバ20によれば、配車車両が目的地の停車ポイントに停車するときの確実性を向上することができる。また、配車サーバ20の機能を車両40が行ってもよい。
なお、上述した実施形態では、配車サーバ20は、目的地を決定し、この目的地から配車経路まで生成している。しかしながら、配車サーバ20は、目的地のみを決定し、車両40側で配車経路を生成してもよい。また、上述した実施形態では、配車サーバ20が、巡回経路の再設定において、巡回経路を生成しているが、更新対象エリアに基づいて車両40側で配車経路を生成してもよい。配車サーバ20は、巡回経路を再設定するための処理を行えば足りる。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。