JP2021054821A - 安定化された粒状農薬組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加水分解性固体農薬有効成分の分解が抑制され、保存安定性に優れた粒状農薬組成物の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の粒状農薬組成物の製造方法は、(1)加水分解性固体農薬有効成分またはその塩、(2)スルホネート系界面活性剤またはその塩、(3)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩、及び(4)水を含む混合物を湿式粉砕して、体積分布積算での比表面積が80,000cm2/cm3以上であるスラリーを得る工程と、前記スラリーと(5)その他の補助剤成分とを混合し、造粒して粒剤を得る工程と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、加水分解性固体農薬有効成分又はその塩の分解が抑制された粒状農薬組成物の製造方法に関する。
近年、蓄積性の高い農薬による環境への影響を考慮し、環境中で不安定な、すなわち環境影響の小さい農薬活性成分並びに農薬製剤の開発が望まれている。また農薬製剤はその生物効果を最大限に発揮させるために種々の剤型の検討が実施されている。中でも、水面処理剤又は育苗箱用処理剤の主要製剤型の一つである粒剤は、散布が容易で効率よく処理できるという点で広く普及しており、水田用除草剤の剤型としても、粒剤が広く使用されている。
前述したような環境蓄積性の低い、すなわち加水分解性の固体農薬活性成分を粒剤に成型した場合、温度条件等の環境条件に応じて農薬活性成分が経時的に分解する場合がある。そして過度に分解が生じた場合には、有効成分の分解による薬効の低下や薬害の助長を引き起こす可能性もある。さらに分解が顕著である場合、有効期限内における農薬有効成分の含量値の保証が困難となり、商品化が不可能となる場合や、商品価値を大きく損なうという問題があった。特に中央値管理による農薬有効成分の含量管理が必要な場合には、農薬中の有効成分含量が大きくなるにつれて管理幅が小さくなり、より高い安定性を有する農薬製剤が必要となる。
これに加えて、近年、農薬の省力散布についての要望の高まりから、製剤の施用量を減ずる少量施用剤の需要が高まっており、粒剤等の施用量を減じるため、製剤中に含まれる農薬活性成分量を多くした製剤が主流になっている。このような背景から農薬有効成分の安定性に対する要望は近年さらに高まっている。
加水分解性固体農薬有効成分を配合した粒状農薬組成物は、高温条件下で保存された場合、製剤中の農薬活性成分含量が分解により低下する場合がある。一般的に農薬有効成分の分解を抑制する対策としては、農薬活性成分の分解防止剤を添加する方法(例えば、特許文献1〜4)、担体の前処理を行って保存安定性を高める方法(例えば、特許文献5)およびpHを調整することで分解を抑制する方法(例えば、特許文献6)等が提案されている。しかし、農薬有効成分に対する安定化効果は必ずしも十分ではなく、実用上問題のない安定性を確保するのは困難であった。
特開平8−283108号公報 特開平9−143015号公報 特開平11−269016号公報 特開2013−180982号公報 特開平6−263602号公報 特開平5−105606号公報 特開2001−342102号公報
本発明の課題は、加水分解性固体農薬有効成分の分解を抑制し保存安定性に優れた粒状農薬組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、驚くべきことに加水分解性固体農薬有効成分と、スルホネート系界面活性剤とポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤を含有した混合物を一定比表面積以上に湿式粉砕したスラリーを使用し粒状農薬組成物とすることで、加水分解性固体農薬有効成分の分解を抑制し、粒状農薬組成物中における保存安定性を改善できることを見出した。すなわち、本発明は、加水分解性固体農薬有効成分をスルホネート系界面活性剤とポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤を含有した混合物を湿式粉砕したスラリーを使用し粒状農薬組成物とすることで加水分解性固体農薬有効成分の分解を抑制する方法である。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] (1)加水分解性固体農薬有効成分またはその塩、(2)スルホネート系界面活性剤またはその塩、(3)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩、及び(4)水を含む混合物を湿式粉砕して、体積分布積算での比表面積が80,000cm/cm以上であるスラリーを得る工程と、
前記スラリーと(5)その他の補助剤成分とを混合し、造粒して粒剤を得る工程と、
を含む粒状農薬組成物の製造方法。
[2] (5)その他の補助剤成分が、増量剤、結合剤、崩壊助剤、および分散剤から選択される一種以上を含む、[1]に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[3] (1)加水分解性固体農薬有効成分またはその塩が、除草活性成分またはその塩である、[1]または[2]に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[4] (2)スルホネート系界面活性剤またはその塩が、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩である、[1]から[3]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[5] 前記アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩が、メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、エチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、プロピルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、イソプロピルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、イソブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジメチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジエチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジイソブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物およびメチルノニルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、およびそれらの塩から選択される少なくとも一種以上である、[4]に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[6] (3)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩が、ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステルまたはその塩である、[1]から[5]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[7] 前記ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステルが、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル燐酸モノエステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル燐酸ジエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル燐酸ジエステル、及びポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル燐酸ジエステルからなる群より選択される少なくとも1種である[6]に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[8] スラリーを得る前記工程における前記混合物は、さらに湿潤剤および消泡剤から選択される一種以上を含む、[1]から[7]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[9] さらに、得られた前記粒剤を乾燥、解砕及び篩分する工程を含む、[1]から[8]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[10] 前記加水分解性固体農薬有効成分が、ピラゾレート、アジムスルフロン、およびベンスルフロンメチルからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]から[9]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[11] 前記加水分解性固体農薬有効成分がピラゾレートである、[1]から[10]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[12] さらに、1種以上の他の農薬活性成分又はその塩を含有する、[1]から[11]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[13] スラリーを得る前記工程は、前記混合物を粒径0.5から7.0mmの剛体メディアを用いて湿式粉砕する工程を含む、[1]から[12]のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
[14] 水田に[1]から[13]のいずれかに記載の粒状農薬組成物を手で直接散布する、または農薬散布機を用いて散布する、粒状農薬組成物の施用方法。
本発明の製造方法によれば、加水分解性固体農薬有効成分の分解が抑制されており保存安定性に優れた粒状農薬組成物を提供することができる。本発明の製造方法により得られた粒状農薬組成物は、当該粒状農薬組成物の有効期限を延長できるほどに当該有効成分の分解が抑制される。
次に、本明細書で使用する各種の用語について説明する。
「加水分解性」とは、OECDテストガイドライン111「pHの関数としての加水分解」(OPPTS 835.2110に該当する)及び「pH及び温度の関数としても加水分解」(OPPTS 835.2130に該当する)又は、これに準ずる評価試験によって得られる加水分解の度合いを意味する。(具体的には、例えば、pH1〜6までの水溶液中に農薬有効成分を存在させたとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期が650日以内であること又はpH7〜14までの水溶液中に農薬有効成分を存在させたとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期が450日以内であることが好ましい加水分解性を意味する。)なお、OECDテストガイドライン111での評価試験は、pH4、pH7、pH9の水溶液中で行っている。
「加水分解性固体農薬有効成分またはその塩」とは、上記の評価試験によって評価された結果、
(1)当該農薬有効成分又はその塩をpH4の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が350日以内であること;
(2)当該農薬有効成分又はその塩をpH5の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が650日以内であること;
(3)当該農薬有効成分又はその塩をpH7の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が450日以内であること;ならびに
(4)当該農薬有効成分又はその塩をpH9の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が450日以内であること
のいずれか一つの定義に該当することを意味する。
本発明における評価試験は、好ましくは前掲のOECDテストガイドライン111「pHの関数としての加水分解」(OPPTS 835.2110に該当する)及び「pH及び温度の関数としても加水分解」(OPPTS 835.2130に該当する)であり、より好ましくはOECDテストガイドライン111「pHの関数としての加水分解」(OPPTS835.2110に該当する)である。
本発明における「加水分解性固体農薬有効成分またはその塩」としては、上記の基準において加水分解性であれば、除草性化合物またはその塩、殺虫性化合物またはその塩、および殺菌性化合物またはその塩から少なくとも1種を用いることができる。
加水分解性である除草性化合物としては、ピラゾレート[半減期t1/24.3時間(pH9)]、カフェンストロール[半減期t1/23日(pH9)]、アジムスルフロン[半減期t1/289日(pH5)]、メタゾスルフロン[半減期t1/217.0日(pH4)]、メフェナセット[半減期t1/2600時間(pH9)]、ベンスルフロンメチル[半減期t1/210.5日(pH5)]等を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
加水分解性である殺虫性化合物としては、インドキサカルブ[半減期t1/20.25日(pH9)]、クロラントラニリプロール[半減期t1/210日(pH9)]、シアントラニリプロール[半減期t1/20.850日(pH9)]、ブプロフェジン[半減期t1/251日(pH5)]等を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
加水分解性である殺菌性化合物としては、シメコナゾール[半減期t1/222.9(pH4)]、メタラキシルM[半減期t1/2116.4日(pH9)]等を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
「加水分解性固体農薬有効成分またはその塩」として好ましくは除草性化合物またはその塩であり、より好ましくはピラゾレート、アジムスルフロン、及びベンスルフロンメチル、ならびにそれらの塩であり、より好ましくはピラゾレートまたはその塩である。
本発明では、1種又は2種以上の「加水分解性固体農薬有効成分またはその塩」を使用してもよい。
「スルホネート系界面活性剤またはその塩」とは、リグニンスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、モノアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムもしくはジアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;など)、アリールスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはナトリウム塩などのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩;アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはナトリウム塩などのアルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩;フェノールスルホン酸ホルマリン縮合物またはナトリウム塩などのフェノールスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩;など)、α−オレフィンスルホン酸塩(α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなど)、アルキルスルホン酸塩(アルキルスルホン酸ナトリウムなど)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウムなど)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステル、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、スルホコハク酸塩(ジアルキルスルホコハク酸塩など)、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩など)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩などのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;など)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸塩(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸ナトリウムなど)を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
本発明において「アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩」とは、例えば、(モノ又はジ)C1〜C6アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩などを意味し、モノC1〜C6アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩若しくはジC1〜C6アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩などである。具体的には、例えば、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸若しくはイソブチルナフタレンスルホン酸などのモノアルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩;例えば、ジメチルナフタレンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸若しくはジイソブチルナフタレンスルホン酸などのジアルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩;あるいは例えばメチルノニルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。本発明においては、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩を用いることが好ましい。
ホルマリン縮合物の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩等を挙げることができる。これらの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。特に、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩が好ましい。
アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩の具体例としては、例えば、(モノ又はジ)C1〜C6アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などを挙げることができる。汎用されているアルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩の代表例としては、例えば、Supragil(登録商標)MNS90、Supragil(登録商標)RM/210EI(ローディア日華社製)、デモール(登録商標)RN、デモール(登録商標)SNB(花王社製)など、好ましくは、ラベリン(登録商標)FA−N(第一工業製薬社製)など、特に好ましくは、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)などが挙げられる。
「ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩」としては、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル燐酸塩、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル燐酸塩、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル燐酸塩、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル燐酸エステルまたはその塩、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステルまたはその塩を挙げることができ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。本発明においては、ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステルまたはその塩を用いることが好ましい。
「ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステル」とは、アリール基が1〜3であるポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、及び有機基を1又は2有する燐酸エステルを意味する。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル 燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル 燐酸モノエステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル 燐酸ジエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル 燐酸ジエステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル 燐酸ジエステルなどを挙げることができ、好ましくはポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル 燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル 燐酸ジエステルなどが挙げられ、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
本発明において「粒状農薬組成物」とは、前記加水分解性固形農薬有効成分、前記スルホネート系界面活性剤またはその塩、前記ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩を含有する比表面積80,000cm/cm以上のスラリーを用いて調製される組成物を意味する。
本発明の粒状農薬組成物における加水分解性固形農薬有効成分の含有量は、当該組成物100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、より好適には1〜40重量部である。
本発明における「他の農薬有効成分」とは、前記「加水分解性固体農薬有効成分」以外の農薬有効成分で、農園芸分野で通常使用されている農薬有効成分、例えば、除草性化合物又はその塩、殺菌性化合物又はその塩、あるいは殺虫性化合物又はその塩であって、加水分解性が高いものでなければ、特に制限されない。このような農薬有効成分として、好ましくは、除草性化合物もしくはその塩である(但し、前記加水分解性除草性化合物と同一であるものは除く)。なお、本発明では、1種又は2種以上の「他の農薬有効成分」を使用してもよい。
本発明では、「農薬有効成分」と記載された場合は、特に断りのない限り、「加水分解性農薬有効成分」と「他の農薬有効成分」の両方を含む。
本発明で他の農薬有効成分として使用される「除草性化合物」とは、特に制限はないが、例えば、2,4-D、2,4-DB、アセトクロール、アシフルオフェン、アクロニフェン、アラクロール、アメトリン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノピラリド、アニロホス、アシュラム、アトラジン、ベフルブタミド、ベナゾリンエチル、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップビシクロピロン、ビフェノックス、ビアラホス、ビスピリバックNa塩、ビクスロゾン、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルフェントラゾンエチル、クロリダゾン、クロリムロンエチル、クロロトルロン、クロルスルフロン、クロルタールジメチル、シニドンエチル、シンメチリン、シノスルフロン、クレトジム、クロジナホップ、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロランスラムメチル、クミルロン、シアナジン、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップブチル、ダイムロン、デスメディファム、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロホップメチル、ジクロスラム、ジフェンゾクワット、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジクワット、ジチオピル、ジウロン(DCMU)、ドレクスレラ モノセラス、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロンメチル、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エトベンザニド、フェノキサプロップエチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フロルピラウキシフェンベンジル、フルアジホップブチル、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルフェナセット、フルメツラム、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルポキサム、フルピルスルフロンメチルナトリウム塩、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、ホメサフェン、ホラムスルフロン、グルホシネート、グリホサート、ハラウキシフェンメチル、ハロスルフロンメチル、ハロキシホップ、ヘキサジノン、イマザメタベンズメチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、マゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、ヨードスルフロンメチルナトリウム塩、アイオキシニル、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソキサベン、イソキサフルトール、ラクトフェン、ランコトリオンナトリウム塩、レナシル、リニュロン、MCPA、MCPB、メコプロップ、メフェナセット、メソスルフロンメチル、メソトリオン、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メタベンズチアズロン、メトブロムロン、メトラクロール、メトスラム、メトリブジン、メトスルフロンメチル、モリネート、ナプロパミド、ナプタラム、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラコート、ペンディメタリン、ペノキススラム、ペントキサゾン、ペラルゴン酸、ペトキサミド、フェンメディファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、プレチラクロール、プリミスルフロンメチル、プロジアミン、プロフォキシジム、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェンエチル、ピラスルフォトール、ピラゾスルフロン、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、ピロキススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シマジン、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホスルフロン、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブチラジン、テルブトリン、テトフルピロリメット、テトラピオン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾンメチル、チフェンスルフロンメチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロンメチル、トリクロピル、トリフロキシスルフロン、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロンメチル、トリトスルフロンなどが挙げられる。
本発明で他の農薬有効成分として使用される「殺菌性化合物」とは、特に制限はないが、例えば、シメコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、テクロフタラム、ジクロメジン、ペンチオピラド、ピロキロン、ジラム、チウラム、キャプタン、TPN、フサライド、トリクロホスメチル、ホセチル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンタゾール、チアベンタゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、トリホリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、PCNB、ダゾメット、トリアジン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、テトラコナゾール、トリクラミド、オキソリニック酸、ジメトモルフ、シモキサニル、トルプロカルブ又はMON−240などが挙げられる。
本発明で他の農薬有効成分として使用される「殺虫性化合物」とは、特に制限はないが、例えば、インドキサカルブ、クロマフェノジド、ピリミジフェン、ミルベメクチン、メソミル、アセフェート、ジノテフラン、チオシクラム、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、チアクロプリド、ピリダフェンチオン、ジメトエート、PMP、CVMP、ジメチルビンホス、DEP、NAC、MTMC、MIPC、PHC、MPMC、XMC、ベンフラカルブ、ピリミカルブ、オキサミル、チオジカルブ、シペルメトリン、カルタップ、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジン、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ピリダベン、クロフェンテジン、バチラス・チューリンゲンシス及びそれらが生産する毒素、MPP、MEP、ダイアジノン、イソキサチオン、エチルチオメトン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、シラフルオフェン、シクロプロトリン、ベンフラカルブ又はブロフラニリドなどが挙げられる。
次に、本発明の粒状農薬組成物の製造方法について説明する。なお、以下の説明は例示であって、本発明をこれに限定するものではない。
本発明の粒状農薬組成物の製造方法は、
(a)加水分解性固体農薬有効成分又はその塩、スルホネート系界面活性剤またはその塩、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩、及び水を含む混合物を湿式粉砕して、農薬有効成分を含む比表面積が少なくとも80,000cm/cm以上であるスラリーを得る工程と、
(b)前記工程(a)で得られたスラリーとその他補助剤成分とを混合し、造粒して粒剤を得る工程と、を含む。
(c)前記工程(b)で得られた粒剤を乾燥、解砕及び篩分する工程を、さらに含むこともできる。
本発明の製造方法によれば、加水分解性固体農薬有効成分の分解が抑制されており保存安定性に優れた粒状農薬組成物を提供することができる。本発明の製造方法により得られた粒状農薬組成物は、当該粒状農薬組成物の有効期限を延長できるほどに当該有効成分の分解が抑制される。
本発明の粒状農薬組成物を製造するために、必要に応じて、固体状農薬有効成分を乾式粉砕機で所定の粒度まで粉砕してから、工程(a)の湿式粉砕により農薬有効成分を微粉砕して用いることができる。
「湿式粉砕」は、公知の手法で行えばよく、例えば、粉砕媒体として0.5から7.0mm剛体メディアを使用し、アトライター(登録商標)(日本コークス工業社製)、マイティミル(登録商標)(株式会社井上製作所)、アペックスミル(登録商標)(株式会社広島メタル&マシナリー)、ダイノミル(登録商標)(株式会社 シンマルエンタープライゼス)などで行うことができる。剛体メディアとしては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、スチール等から構成されるビーズが挙げられる。
工程aにおいて、混合物はその他補助剤成分として湿潤剤、消泡剤等を含むことができる。
本発明において「スラリー」とは、工程(a)で得られる液体組成物、例えば、加水分解性固体農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸縮合物またはその塩、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル、水及び必要に応じてその他補助剤成分を懸濁させて混合し、湿式粉砕することにより得られる液体組成物を意味してもよい。
本発明の「スラリー」は、比表面積が少なくとも80,000cm/cm以上である。「比表面積」とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製 LA−960)を用いて得られる体積分布積算での比表面積を意味する。
スラリーに含まれる微粒子の比表面積をこの範囲とすることで、加水分解性固形農薬有効成分の分解が抑制され保存安定性が向上する。比表面積としては、90,000cm/cm以上がさらに好ましく、100,000cm/cm以上が特に好ましい。
比表面積の上限値は特に限定されないが、生産性の観点から200,000cm/cm以下とすることができる。
一般に、粒状農薬組成物中に含まれる加水分解性固形農薬有効成分を含有する微粒子の比表面積が増大すれば、その効果が向上するものの、粒状農薬組成物に含まれる水と接触する面積が大きくなるため当該固形農薬有効成分の分解が促進され保存安定性が低下する。すなわち、粒状農薬組成物において、農薬有効成分の効果向上と保存安定性とはトレードオフの関係にあった。しかしながら、本発明者らは、(1)加水分解性固体農薬有効成分またはその塩、(2)スルホネート系界面活性剤またはその塩、(3)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩、及び(4)水を含む混合物を湿式粉砕して、体積分布積算での比表面積が80,000cm/cm以上であるスラリーを用いて粒状農薬組成物を調製することにより、加水分解性固形農薬有効成分の分解が抑制され、さらに農薬有効成分の効果が向上することを見出し、本発明を完成したのである。
工程bにおいて、「湿式造粒」は、公知の手法で行えばよく、例えば、農薬有効成分を含む混合物を造粒する際に、水を添加して押出造粒機、流動層造粒機、撹拌式造粒機又は転動造粒機などの造粒機を用いて行うことができる。
工程bにおける「その他補助剤成分」としては、例えば、結合剤、崩壊助剤、分散剤、又は増量剤などが挙げられる。
本発明において使用する崩壊助剤は、オルトリン酸を加熱し、脱水反応により生成した無機高分子を表し、加熱温度により生成される物質が異なる。縮合リン酸塩には、ポリリン酸塩、メタリン酸塩とウルトラリン酸塩があり、金属とリンの原子比率によって分類される。本発明において使用する縮合リン酸塩は、特に形態を選ばず任意のものが使用可能であるが、粉末状のものが好適である。縮合リン酸塩の粒状農薬組成物中の配合割合は、粒状農薬組成物の総量に対して0.1〜10重量%が好適であり、さらに1〜5重量%の配合が好適である。
本発明の粒状農薬組成物に用いる結合剤としては、例えば、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースの塩、メチルセルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコール及びその誘導体、タブ粉、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩、カルボン酸又はスルホン酸タイプのポリソープ等が挙げられる。これらのうち、リグニンスルホン酸塩又はカルボン酸若しくはスルホン酸タイプのポリソープは分散剤と兼用でき、好適である。
本発明の農薬粒剤組成物に用いる湿潤剤、又は分散剤としては、通常の農薬に用いられるものであれば特に限定はなく、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤などのいずれの界面活性剤をも用いることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸の縮合物、フェノールスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルケニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸、スチレンスルホン酸とカルボン酸の縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル、アルキル又はジアルキルスルホコハク酸、高級脂肪酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は種々のアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテルリン酸エステル及びこれらリン酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は種々のアミン塩、ポリアクリル酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩又は、(ジ)アルキルスルホコハク酸塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの共重合物、高級脂肪酸アルカノールアマイドなどが挙げられ、水に対する溶解度や湿潤作用の点から、好適には、HLB値が9〜13の範囲のものである。
尚、これらエチレンオキサイドを付加したタイプの界面活性剤においては、その一部にプロピレンオキサイドを含有してもよい。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、アミンオキサイドなどが挙げられる。
両性イオン性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型やベタイン型の界面活性剤が挙げられる。
本発明の1つの実施形態で用いられる界面活性剤としては、好適には、陰イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤である。
本発明の1つの実施形態で用いられる界面活性剤の量は、通常、粒状農薬組成物中に、0.01〜20重量%であり、好適には、0.1〜10重量%である。
本発明の粒状農薬組成物中には、通常の粒状農薬組成物に用いられるその他の添加剤を含有させることができ、添加剤としては、例えば、着色剤、無機及び有機担体、防腐剤、pH調節剤などが挙げられ、これらは使用される農薬活性成分の種類に応じて選択すればよい。
着色剤としては、通常農薬に用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、色素が挙げられ、好適には、ブリリアントブルーFCF、シアニングリーンG又はエリオグリーンGである。用いられる着色剤の量は、通常、粒状農薬組成物中に、0.05〜0.5重量%であり、好適には、0.1〜0.3重量%である。
本発明の粒状農薬組成物に用いられる増量剤としては、例えば、ベントナイト、タルク、クレー、珪藻土、無晶形二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の一般的に農薬のキャリアーとして用いられる鉱物質微粉の他に、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂粉末、グルコース、砂糖、乳糖等の糖類、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、澱粉及びその誘導体、微結晶セルロース、木粉、米糠、ふすま、籾殻の粉末、コーヒー豆粉末、セルロース粉末、甘草粉末等の有機物、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性無機塩類、尿素等が挙げられる。担体の配合量は、本発明の粒状農薬組成物の必須成分を除いた必要な最小量であり、担体の種類により異なるが、通常、粒状農薬組成物中に、0.1〜90重量%であり、好適には、0.5〜70重量%である。
本発明の粒状農薬組成物に用いられるpH調節剤としては、通常農薬に用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、塩酸、リン酸のような無機酸;クエン酸、フタル酸、コハク酸のような有機酸;クエン酸ナトリウム、フタル酸水素カリウムのような有機金属塩;リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウムのような無機金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような水酸化物;及び、トリエタノールアミンのような有機アミン類等を挙げることができ、好適には、無機酸、無機金属塩、水酸化物であり、より好適には、塩酸、クエン酸、コハク酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は炭酸ナトリウムである。また、使用されるpH調節剤は、1種又は2種以上を併用することができる。
pH調節剤は、通常、水で0.1〜5規定の適当な濃度に希釈し、その希釈液を0.01〜5重量%添加することにより使用される。
本発明の製造方法により得られる粒剤の粒度は、造粒法の場合、大きすぎると粒の乾燥が難しくなり、特に本発明の粒状農薬組成物の粒が細かすぎると、小分け作業性が劣化したり、使用時に粉立ちが生じたりするため、通常、0.1〜5mmφであり、好適には、0.3〜3mmφであり、より好適には、0.5〜2mmφである。粒の形状は、特に限定はなく、例えば、円柱状、球状及び不定形であり得る。
本発明の粒状農薬組成物の見かけ比重は、粒状農薬組成物が通常の粒剤である場合は生産性、機械散布性等を考慮し、通常、0.50〜1.50であり、好適には、0.80〜1.20である。
本発明の粒状農薬組成物は、その他の農薬有効成分として、液状の農薬有効成分、液状にした農薬有効成分又は低融点の農薬有効成分を使用する場合には、必要であれば溶剤又は乳化剤に溶解させて濃厚プレミックスを調製し、上記の方法により得られた粒剤に、吸収させて製造することができる。当該濃厚プレミックスは、必要に応じて、例えば、水面拡展剤、安定剤、乳化剤、分散剤、湿潤剤及び溶剤を含有することができる。また、上記農薬有効成分は、他の助剤とともに、例えば、無晶形合成シリカ、珪藻土、珪酸カルシウム、高吸油性樹脂及び高吸油性デキストリン等の吸油性の高いキャリアーに吸収させ、又は該農薬有効成分と相溶性のある樹脂、化学物質若しくは他の固体農薬有効成分と固溶体を形成し、これを粉砕すれば、固体の農薬有効成分と同様に取り扱うことができる。更に、本発明の粒状農薬組成物は、固体の農薬有効成分と、液状の農薬有効成分、液状にした農薬有効成分又は低融点の農薬有効成分とを同時に使用する場合に、固体の農薬有効成分とその他の農薬有効成分を共に粉砕し、いわゆるサスポエマルションを調製し、これを前記した固体原体の懸濁液と同様に、他の原料と混合及び練合し、造粒して製造することが可能である。
本発明の粒状農薬組成物は、水田に、手で直接散布して施用されてもよい。また、農薬散布機を用いて散布して施用されてもよい。
本発明の粒状農薬組成物の使用方法は、適当な振込み口をつけた、例えば、箱、瓶、袋などから手で直接水田中に振込み処理をするか、農薬散布機を用いて処理することができる。
上記の「農薬散布機」とは、エンジンやモーターを動力とする、例えば、無人ヘリコプター、ドローン、動力散布機などを示す。
本発明の粒状農薬組成物は湿気を避けるため、防湿性の容器などに保存するのが好ましい。このような容器としては、例えば、樹脂、アルミ、紙等を必要に応じて貼り合わせた材料や、樹脂や紙等の表面にアルミや珪酸を蒸着させた材料からなる瓶、袋、箱などが望ましい。
以下に調製例、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記製剤例において、「%」とあるのは、質量%を示し、「部」とあるのは質量部を示す。
(実施例1)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1093.5部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)496.5部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)25.0部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)25.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)20.0部及び消泡剤2.75部、水道水837.25部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が113,350cm/cmのピラゾレート/シクロピリモレートプレミックススラリーA(含有農薬有効成分63.6%)を得た。得られたピラゾレート/シクロピリモレートプレミックススラリーA77.9部、フェントザミド原末21.2部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬社製、カルボキシメチルセルロースナトリウム)5.0部、ソカラン(登録商標)PA20(BASF社製、ポリアクリル酸・ナトリウム塩水溶液)15.0部、ニューカルゲン(登録商標)SX―C(竹本油脂社製、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩)5.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム279.4部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(実施例2)
ピラゾレート原体(純度94.5%)955.8部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)439.8部、プロピリスルフロン原体(純度98.3%)132.7部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)20.0部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)25.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)20.0部及び消泡剤2.7部、水道水904.0部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が106,000cm/cmのピラゾレート/シクロピリモレート/プロピリスルフロンプレミックススラリーB(含有農薬有効成分61.1%)を得た。得られたピラゾレート/シクロピリモレート/プロピリスルフロンプレミックススラリーB87.7部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、TK−16(松谷化学工業社製、マルトデキストリン)7.5部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム295.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(実施例3)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1480.0部、プロピリスルフロン原体(純度98.3%)121.0部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)20.0部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)25.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)20.0部及び消泡剤2.7部、水道水831.3部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が108,000cm/cmのピラゾレート/プロピリスルフロンプレミックススラリーC(含有農薬有効成分64.0%)を得た。得られたピラゾレート/プロピリスルフロンプレミックススラリーC135.8部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)17.5部、セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬社製、カルボキシメチルセルロースナトリウム)5.0部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)12.5部、ベントナイト100.0部、炭酸カルシウム285.9部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(実施例4)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1322.8部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)25.0部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)25.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.0部及び消泡剤5.0部、水道水1097.3部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が109,710cm/cmのピラゾレートプレミックススラリーD(含有農薬有効成分52.9%)を得た。得られたピラゾレートプレミックススラリーD61.9部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、アミコールNo.1(日澱化学社製、酵素変性デキストリン)5.0部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム325.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(実施例5)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1322.8部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)25.0部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)25.0部及び消泡剤5.0部、水道水1122.3部を混合し、平均粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が88,558cm/cmのピラゾレートプレミックススラリーE(含有農薬有効成分52.9%)を得た。得られたピラゾレートプレミックススラリーE61.9部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、アミコールNo.1(日澱化学社製、酵素変性デキストリン)5.0部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム325.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(実施例6)
ピラゾレート原体(純度94.5%)946.5部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)290.3部、ピラクロニル原体(純度98.3%)195.3部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)50.0部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)30.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.0部及び消泡剤2.7部、水道水960.2部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が90,618cm/cmのピラゾレート/シクロピリモレート/ピラクロニルプレミックススラリーF(含有農薬有効成分61.1%)を得た。得られたピラゾレート/シクロピリモレート/ピラクロニルプレミックススラリー131.5部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)15.0部、TK−16(松谷化学工業社製、マルトデキストリン)7.5部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)12.5部、ベントナイト100.0部、炭酸カルシウム295.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(比較例1)
シクロピリモレート原体(純度98.4%)525.0部、テフリルトリオン原体(純度98.3%)814.8部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)25.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.0部及び消泡剤2.5部、水道水1107.8部を混合し、平均粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が87,000cm/cmのシクロピリモレート/テフリルトリオンプレミックススラリーG(含有農薬有効成分53.6%)を得た。得られたシクロピリモレート/テフリルトリオンプレミックススラリーG50.0部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)15.0部、セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬社製、カルボキシメチルセルロースナトリウム)5.0部、ジェロポン(登録商標)SC213(ローディア日華社製、イソブチレン・マレイン酸共重合物のNa塩)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム318.2部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(比較例2)
比較例1と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が71,000cm/cmであるシクロピリモレート/テフリルトリオンプレミックススラリーGを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例3)
実施例1と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が64,761cm/cmであるピラゾレート/シクロピリモレートプレミックススラリーAを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例4)
実施例2と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が64,000cm/cmであるピラゾレート/シクロピリモレート/プロピリスルフロンプレミックススラリーBを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例5)
実施例3と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が69,000cm/cmであるピラゾレート/プロピリスルフロンプレミックススラリーCを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例6)
実施例4と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が62,668cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーDを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例7)
実施例5と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が43,194cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーEを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例8)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1322.8部、ニューコール(登録商標)607−PDE(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル 燐酸モノ又はジエステル)25.0部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.0部及び消泡剤5.0部、水道水1122.3部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が36,236cm/cmのピラゾレートプレミックススラリーH(含有農薬有効成分52.9%)を得た。得られたピラゾレートプレミックススラリーH 61.9部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、アミコール(登録商標)No.1(日澱化学社製、酵素変性デキストリン)5.0部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム325.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(比較例9)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1322.8部、Morwet(登録商標)D−425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)25.0部、ニューコール(登録商標)291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.0部及び消泡剤5.0部、水道水1122.3部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)0.1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が36,566cm/cmのピラゾレートプレミックススラリーI(含有農薬有効成分52.9%)を得た。得られたピラゾレートプレミックススラリーI 61.9部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、アミコール(登録商標)No.1(日澱化学社製、酵素変性デキストリン)5.0部、ソカラン(登録商標)CP―5(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム325.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(比較例10)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1322.8部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤社製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.0部及び消泡剤5.0部、水道水1147.3部を混合し、粒径(3/16インチ≒4.763mm)のスチールボールを用いてアトライター(登録商標)1S 型(日本コークス工業社製)にて湿式粉砕し、比表面積が83,301cm/cmのピラゾレートプレミックススラリーJ(含有農薬有効成分52.9%)を得た。得られたピラゾレートプレミックススラリーJ61.9部、トリポリリン酸ソーダ(下関三井社製、トリポリリン酸ナトリウム)10.0部、アミコール(登録商標)No.1(日澱化学社製、酵素変性デキストリン)5.0部、ソカラン(登録商標)CP―45(BASF社製、マレイン酸アクリル酸共重合ポリマー)15.0部、ベントナイト125.0部、炭酸カルシウム325.1部を混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を乾燥機で乾燥し、固形農薬組成物を得た。
(比較例11)
比較例10と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が30,555cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーJを用いて固形農薬組成物を得た。
(比較例12)
比較例10と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が30,555cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーJを用いて、さらにカープレックス#1120(エボニック社製、非晶質シリカ)15.0部を追加混合し固形農薬組成物を得た。
(比較例13)
比較例10と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が83,301cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーJを用いて、さらにトキサノンGR−31A(三洋化成社製、ポリカルボン酸塩)15.0部を追加混合し固形農薬組成物を得た。
(比較例14)
比較例10と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が83,301cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーJを用いて、さらにニューカルゲンEX−70(竹本油脂社製、ジアルキルスルホコハク酸金属塩)15.0部を追加混合し固形農薬組成物を得た。
(比較例15)
比較例10と同様の処方であるが、湿式粉砕時間を調節し、比表面積が30,555cm/cmであるピラゾレートプレミックススラリーJを用いて、さらにカープレックス#1120(エボニック社製、非晶質シリカ)15.0部、トキサノンGR−31A(三洋化成社製、ポリカルボン酸塩)15.0部を追加混合し固形農薬組成物を得た。
(試験例)
実施例1〜6及び比較例1〜15で製造した固形粒状農薬組成物をポリエスニウム包装に詰め、54℃の恒温機中に14日間(有効年限3年に相当)保存した。保存前後における粒状農薬組成物の有効成分の含量を液体クロマトグラフィーで定量し、保存安定性を評価した。その結果を残存率として、保存前後の有効成分含有量(下式)より算出し。以下の基準で判定した。結果を表1に示す。
残存率(%)=[(保存前の農薬有効成分量−保存後に分解した農薬有効成分量)/
(保存前の農薬有効成分量)]×100
(基準)
◎ : 残存率95%以上
〇 : 残存率90%以上、95%未満
× : 残存率90%未満
Figure 2021054821
試験例から明らかなように、本発明による粒状農薬組成物は比較例として挙げた公知技術等による製剤では達成困難であった加水分解性固体農薬有効成分の安定化を達成することができ、実用性の高い粒状農薬組成物が得られた。
本発明の製造方法により得られた粒状農薬組成物は、加水分解性固体農薬有効成分の分解が抑制されており経時安定性に優れることから、有用な製剤である。

Claims (14)

  1. (1)加水分解性固体農薬有効成分またはその塩、(2)スルホネート系界面活性剤またはその塩、(3)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩、及び(4)水を含む混合物を湿式粉砕して、体積分布積算での比表面積が80,000cm/cm以上であるスラリーを得る工程と、
    前記スラリーと(5)その他の補助剤成分とを混合し、造粒して粒剤を得る工程と、
    を含む粒状農薬組成物の製造方法。
  2. (5)その他の補助剤成分が、増量剤、結合剤、崩壊助剤、および分散剤から選択される一種以上を含む、請求項1に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  3. (1)加水分解性固体農薬有効成分またはその塩が、除草活性成分またはその塩である、請求項1または2に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  4. (2)スルホネート系界面活性剤またはその塩が、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩である、請求項1から3のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  5. 前記アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物またはその塩が、メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、エチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、プロピルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、イソプロピルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、イソブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジメチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジエチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジイソブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物およびメチルノニルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、およびそれらの塩から選択される少なくとも一種以上である、請求項4に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  6. (3)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはその塩が、ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステルまたはその塩である、請求項1から5のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  7. 前記ポリオキシエチレン(モノ、ジ若しくはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸モノ又はジエステルが、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル燐酸モノエステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル燐酸モノエステル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル燐酸ジエステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル燐酸ジエステル、及びポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル燐酸ジエステルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  8. スラリーを得る前記工程における前記混合物は、さらに湿潤剤および消泡剤から選択される一種以上を含む、請求項1から7のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  9. さらに、得られた前記粒剤を乾燥、解砕及び篩分する工程を含む、請求項1から8のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  10. 前記加水分解性固体農薬有効成分が、ピラゾレート、アジムスルフロン、およびベンスルフロンメチルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1から9のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  11. 前記加水分解性固体農薬有効成分がピラゾレートである、請求項1から10のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  12. さらに、1種以上の他の農薬活性成分又はその塩を含有する、請求項1から11のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  13. スラリーを得る前記工程は、前記混合物を粒径0.5から7.0mmの剛体メディアを用いて湿式粉砕する工程を含む、請求項1から12のいずれかに記載の粒状農薬組成物の製造方法。
  14. 水田に、請求項1から13のいずれかに記載の粒状農薬組成物を手で直接散布する、または農薬散布機を用いて散布する、粒状農薬組成物の施用方法。
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