JP2021054363A - スライドドア開閉構造及び空陸両用乗物 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの空陸両用乗物では、地上走行時には、主翼を下方等に折り畳むように構成されている。
そのため、ドアをスライドドアにして、空陸両用乗物の胴体に沿ってスライドさせて開閉するように構成することが考えられる。
しかし、空陸両用乗物の胴体の側面は、多くの場合、航空機のように単純な円筒面状の形状ではない。
このように、スライドドアの上下端にそれぞれレールを設けることができない場合でも、スライドドアを確実にスライドさせてスムーズに開閉させることができるスライドドア開閉構造が望まれている。
本体に対して前記スライドドアをスライドさせて開閉させるためのスライドドア開閉構造において、
前記スライドドアの下端に対応する前記本体の部分にはレールがなく、前記スライドドアの上端に対応する前記本体の部分にレールが配置されており、
前記スライドドアの上端内側に固定されたガイドローラが前記レールにスライド自在に係合されており、
前記スライドドアをスライドさせて開閉すると、前記ガイドローラが前記レールに係合した状態で前記レールに沿って移動することで前記スライドドアが開閉するように構成されていることを特徴とする。
前記レールは複数本配置されており、
前記レールの本数と同数の前記ガイドローラが前記スライドドアの上端内側に固定されており、
前記各ガイドローラが前記各レールにそれぞれスライド自在に係合されていることを特徴とする。
前記スライドドアの内面に、前記スライドドアのスライド方向に延在するドア側レールが設けられており、
前記本体の前記ドア側レールに対応する部分に、先端にローラが設けられた規制部材が配置されており、
前記スライドドアをスライドさせて開閉すると、前記ローラが前記ドア側レールにスライド自在に係合した状態で前記ドア側レールに沿って移動することを特徴とする。
地上を走行することができ、主翼を備えて空中を飛行することも可能な空陸両用乗物であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスライドドア開閉構造を備え、
前記本体は空陸両用乗物の胴体であり、
前記スライドドアを前記胴体に沿ってスライドさせて開閉するように構成されていることを特徴とする。
なお、以下では、上下、前後、左右の各方向については、空陸両用乗物における各方向に従って説明する。また、以下では、スライドドア開閉構造を空陸両用乗物に適用した場合について説明するが、本発明に係るスライドドア開閉構造自体は、必ずしも空陸両用乗物に適用される場合に限定されない。
以下、まず、本実施形態に係る空陸両用乗物の全体構成について説明する。
本実施形態に係る空陸両用乗物1は、地上を走行することができ、主翼を備えて空中を飛行することも可能とされている。
図1は、本実施形態に係る空陸両用乗物の地上走行時における構成を表す図であり、図2は、飛行時のうち離着陸時における構成を表す図であり、図3は、飛行時のうち巡航時における構成を表す図である。
空陸両用乗物1は、主に、胴体2と、車輪3と、主翼4と、プロペラ5と、水平尾翼6と、垂直尾翼7と、テールロータ8とを備えて構成されている。
そして、図示を省略するが、胴体2の略中央に配置されている操縦席には、自動二輪車のハンドルやステップと同様のハンドルやステップが設けられており、座席シートに跨ったドライバがハンドルやステップを操作して地上走行時の操縦や飛行時の操舵等を行うようになっている。
また、空陸両用乗物1の胴体2の左右の両側面には、スライドドア21がそれぞれ設けられており、スライドドア21は、図4に示すように、胴体2の側面に沿って前後にスライドさせることで開閉できるようになっている。なお、スライドドア21の開閉構造については後で詳しく説明する。
また、主翼4は、プロペラ5を上方に向けた状態で、胴体2の側面に設けられたヒンジ機構22を介して、胴体2に沿う状態に折り畳んだ状態(図1参照)と胴体2の側方に開いた状態(図2参照)との間で回動させることができるようになっている。
なお、この点についても後で詳しく説明する。
また、本実施形態では、空陸両用乗物1の後方、すなわち左右の水平尾翼6の間の垂直尾翼7後方の胴体2部分に、回転軸が略上下方向を向くようにテールロータ8が設けられている。そして、テールロータ8も図示しない複数の電動モータで駆動されるようになっている。
また、胴体2等には、航空機に設けられる各種の測定器やセンサ類等のほか、飛行時にプロペラ5の回転数や主翼4のティルト角の制御や、補助翼42や昇降舵61、方向舵71等の動翼(図3参照)等の制御を行うためのコンピュータ等が収容されている。
ここで、本実施形態に係る空陸両用乗物1における形態の変化等について説明する。
本実施形態では、空陸両用乗物1で地上走行するためにドライバが空陸両用乗物1に乗り込む場合、図1に示した状態から左右のいずれか一方の主翼4(プロペラ5は上向きの状態)を開く方向に回動させ、胴体2の側面のスライドドア21をスライドさせて開けて操縦席に乗り込む。そして、座席シートに跨って座り、主翼4を閉じる方向に回動させた後、スライドドア21をスライドさせて閉める。
そして、座席シートから降り、スライドドア21を閉めた後、主翼4を回動させて閉じる。
また、本実施形態では、空陸両用乗物1は、飛行中に形態が変わる。
すなわち、空陸両用乗物1は、離陸時には、プロペラ5を上方に向けたまま鉛直方向に上昇して離陸する。また、着陸時も、プロペラ5を上方に向けた状態で鉛直方向に下降して着陸するようになっている。
そして、主翼4のティルト角を図2に示した状態と図3に示した状態との間で段階的に変えることができるようになっており、主翼4のティルト角を変えることで空陸両用乗物1の飛行速度を変えることができるようになっている。
次に、本実施形態に係るスライドドア開閉構造について説明する。
スライドドア開閉構造は、本体(空陸両用乗物1の胴体2)に対してスライドドア21をスライドさせて開閉させるための構造である。
まず、本実施形態に係るスライドドア開閉構造の構成を決めるにあたって考慮すべき点について考察する。
しかし、空陸両用乗物1の胴体2の側面外側にレール等の凹凸があると空力等の問題が生じる可能性がある。そのため、本実施形態に係るスライドドア開閉構造では、本体(空陸両用乗物1の胴体2)の側面外側に、スライドドア21の開閉用のレールは設けられない。
しかし、本実施形態の空陸両用乗物1の胴体2は、上側に比べて下側がすぼまった構造(すなわち横幅が狭い構造)になっているため、スライドドア21は、全体的に下側が上側よりも胴体2の内側に入り込んだ構造をなっている。
そのため、スライドドア21を主翼4にぶつからずに上方に開くようにするためのスライドドア開閉構造は相当複雑な構造にならざるを得ず、このような構成は採用しがたい。
そのため、本実施形態では、ドライバが足を地面に着けることができるようにするために、図4に示すようにスライドドア21の下端部に切り欠き21Aが設けられている。そのため、本実施形態では、少なくともスライドドア21の下端側(スライドドア21の下端に対応する胴体2の部分)にはレールを設けることができない。
そして、スライドドア21の下端に対応する本体(空陸両用乗物1の胴体2)の部分にはレールがなく、スライドドア21の上端に対応する本体(空陸両用乗物1の胴体2)の部分にレールが配置されるようになっている。
図6は、本実施形態に係るスライドドア開閉構造を空陸両用乗物の胴体の内側から見た場合の概略図である。図6では、上方からやや下側を見るようにしてスライドドア開閉構造10を見た状態が示されている。なお、図6では、スライドドア21やレール11、後述する規制部材12以外の空陸両用乗物1の図示が省略されている。
本実施形態では、レール11は2本配置されており、各レール11は前後方向に延在するように略平行に配置されている。なお、以下、このように構成されている場合について説明するが、レール11は1本でもよく、また、3本以上であってもよい。
すなわち、図7に示すように、レール11がハンガーレール(吊りレール)状に形成されており、ガイドローラ21Cは、レール11内を回転しながら移動する2つのローラ21Caと、それらを回転可能に支持するブラケット21Cbと、ブラケット21Cbと下方のガイドローラ保持部21Bとを連結する連結部21Ccとで構成されている。
そして、スライドドア21をスライドさせて開閉すると、各ガイドローラ21Cがそれぞれレール11にスライド自在に係合した状態でレール11に沿って移動することでスライドドア21が開閉するようになっている。
そのため、スライドドア21の下端に対応する部分にレールがなくても、スライドドア21をレール11に沿って前後方向に確実に移動させることが可能となる。
しかし、本実施形態のように、前後方向に延在するレール11を複数本(例えば2本)略平行に配置し、ガイドローラ21Cをレール11の本数と同数だけスライドドアに設けてレール11にスライド自在に係合させるように構成すれば、スライドドア21をスライドさせて開閉する際に、スライドドア21の下側のレール11に直交する方向(左右方向)への揺れを防止し、あるいは軽減することが可能となる。
しかし、本実施形態のようにスライドドア21のすぐ外側に折り畳まれた主翼4が存在するときにスライドドア21を開くためにスライドドア21を所定量だけ外側に引き出すと、スライドドア21が主翼4にぶつかる可能性がある。
すなわち、スライドドア21は、スライドドア21を開くためにスライドさせると、スライドドア21のスライド方向側の端部(本実施形態ではスライドドア21の後端側)がスライド方向に移動しつつスライド方向に直交する方向(すなわち外側)に所定量だけ移動し、続いて、スライドドア21のスライド方向とは反対側の端部(本実施形態ではスライドドア21の前端側)がスライド方向に移動しつつスライド方向に直交する方向(外側)に所定量だけ移動した後、スライドドア21が全体的にスライド方向にスライドしていくようになっている。
図8に示すように、本実施形態では、2本のレール11はそれぞれ前端が内側に曲げられている。そして、2本のレール11の曲げ方を調整することで、スライドドア21を開く際に、上記の動作を実現できる。
そして、スライドドア21をさらにスライドさせると、今後は、スライドドア21の前端側がスライド方向に移動しつつ外側に所定量だけ移動した状態(図中の21γ参照)になる。そして、以後、スライドドア21は全体的にスライド方向にスライドしていく状態になる。
そのため、スライドドア21をスライドさせて開く際に、スライドドア21全体を所定量だけ外側に引き出すように構成すると、スライドドア21の前側が主翼4にぶつかる状態になる。
そのため、スライドドア21をスライドさせて開く際に、スライドドア21が折り畳まれた主翼4にぶつかることなく開くことが可能となる。
このように、上記のように構成すれば、スライドドア21をスライドさせて開閉する際に、折り畳まれた主翼4とぶつかることなくスライドドア21をスライドさせることが可能となる。
しかし、前述したように、本実施形態では、スライドドア21の下端に対応する胴体2の部分にレールを設けることができない。そこで、例えば、以下のように構成することができる。
なお、図9(A)は、スライドドア開閉構造10を空陸両用乗物1の外側から見た図であり、図9(B)は後方から見た図である。また、図9(A)、(B)ではレール11の図示が省略されている。
また、本体(空陸両用乗物1の胴体2)のドア側レール21Dに対応する部分に、ローラ保持部12Aの先端にローラ12Bが取り付けられた規制部材12が配置されている。規制部材12のローラ12Bは、前述したレール11とガイドローラ21Cとの係合と同様に、ドア側レール21Dにスライド自在に係合されている。
このように構成すれば、スライドドア21の開閉時に、スライドドア21に、その下側を揺らす方向(すなわちスライドドア21のスライド方向に直交する方向)に力が加わっても、規制部材12のローラ12Bがドア側レール21Dと係合しているため、スライドドア21は、スライドドア21のスライド方向に直交する方向への動きが規制されてその方向には動かない(すなわち揺れない。)。
そのため、上記のように、ドア側レール21Dと規制部材12のローラ12Bとの係合によりスライドドア21のスライド方向に直交する方向への動きが完全に阻止されると、スライドドア21をスライドさせて開けることができなくなる。
この場合、規制部材12のローラ保持部12Aは略上下方向に延びる揺動軸12C(図9(A)、(B)参照)周りに揺動可能とされており、それにより規制部材12がスライドドア21のスライド方向(すなわち前後方向)に揺動するように構成することができる。
そして、スライドドア21を閉じた状態(図中の21α参照。すなわちスライドドア21と揺動軸12Cとの距離が最も近い状態)では、規制部材12(図中の12α参照)のローラ保持部12Aがドア側レール21Dの湾曲部分と係合し、規制部材12αがスライドドア21の面方向に対して傾斜した状態になっている。
そして、スライドドア21の前側が外側に引き出され、スライドドア21がスライド方向に移動する状態(図中の21γ参照。すなわちスライドドア21と揺動軸12Cとの距離が最も遠い状態)では、規制部材12(図中の12γ参照)がさらに揺動軸12C周りに揺動してスライドドア21の面方向に対して直交する状態になり、規制部材12γのローラ保持部12Aがドア側レール21Dの直線状の部分と係合しながらドア側レール21Dに沿ってスライドする状態になる。
そして、このように構成することで、スライドドア21をスライドさせて開く際にスライドドア21を外側に所定量だけ引き出す場合でも、スライドドア21の動作に追従して規制部材12が揺動軸12C周りに揺動して、スライドドア21の開閉時のスライドドア21の下側の揺れを防止することが可能となる。
例えば、上記の各図では、空陸両用乗物1の胴体2の左側のスライドドア21を開閉する場合について説明したが、右側のスライドドア21を開閉する場合についても同様に説明される。
2 胴体(本体)
4 主翼
10 スライドドア開閉構造
11 レール
12 規制部材
12A ローラ保持部
12B ローラ
21 スライドドア
21C ガイドローラ
21D ドア側レール
Claims (6)
- 本体に対して前記スライドドアをスライドさせて開閉させるためのスライドドア開閉構造において、
前記スライドドアの下端に対応する前記本体の部分にはレールがなく、前記スライドドアの上端に対応する前記本体の部分にレールが配置されており、
前記スライドドアの上端内側に固定されたガイドローラが前記レールにスライド自在に係合されており、
前記スライドドアをスライドさせて開閉すると、前記ガイドローラが前記レールに係合した状態で前記レールに沿って移動することで前記スライドドアが開閉するように構成されていることを特徴とするスライドドア開閉構造。 - 前記レールは複数本配置されており、
前記レールの本数と同数の前記ガイドローラが前記スライドドアの上端内側に固定されており、
前記各ガイドローラが前記各レールにそれぞれスライド自在に係合されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドドア開閉構造。 - 前記スライドドアは、前記スライドドアを開くためにスライドさせると、前記スライドドアのスライド方向側の端部がスライド方向に移動しつつ前記スライド方向に直交する方向に所定量だけ移動し、続いて、前記スライドドアの前記スライド方向とは反対側の端部が前記スライド方向に移動しつつ前記スライド方向に直交する方向に所定量だけ移動した後、前記スライド方向にスライドしていくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスライドドア開閉構造。
- 前記スライドドアの内面に、前記スライドドアのスライド方向に延在するドア側レールが設けられており、
前記本体の前記ドア側レールに対応する部分に、先端にローラが設けられた規制部材が配置されており、
前記スライドドアをスライドさせて開閉すると、前記ローラが前記ドア側レールにスライド自在に係合した状態で前記ドア側レールに沿って移動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスライドドア開閉構造。 - 前記規制部材は、前記ローラを保持するローラ保持部が前記スライドドアの前記スライド方向に揺動可能とされており、前記スライドドアが開閉する際の前記スライドドアの動きに合わせて揺動するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のスライドドア開閉構造。
- 地上を走行することができ、主翼を備えて空中を飛行することも可能な空陸両用乗物であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスライドドア開閉構造を備え、
前記本体は空陸両用乗物の胴体であり、
前記スライドドアを前記胴体に沿ってスライドさせて開閉するように構成されていることを特徴とする空陸両用乗物。
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