JP2021054186A - 自動車用リッドシール構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の実施形態1に係る自動車用リッドシール構造が適用されたリッド装置1の斜視図である。リッド装置1は、自動車の右側部の後側付近に設けられるものである。自動車は、走行用モーター及び当該走行用モーターに電力を供給する走行用バッテリを備えたプラグインハイブリッド自動車または電気自動車である。図示しないが、リッド装置1の内部には、走行用バッテリを外部電源によって充電するための充電ケーブルのコネクタ部が着脱自在に接続される給電口が設けられている。したがって、リッド装置1は、給電口の不使用時に給電口を覆っておくことが可能な給電口用リッド装置である。
図1及び図2に示すように、リッド装置1は、ハウジング10と、開閉体としてのリッド20と、アーム30と、ロック装置60(図6に示す)とを備えている。ハウジング10は自動車の車体パネルP(図5及び図6のその一部を示す)に取り付けられるようになっており、ハウジング10の内部には自動車の給電口が設けられるようになっている。リッド20はアーム30によって支持されていて、給電時にはハウジング10を開放する一方、走行時等の非給電時にはハウジング10を閉塞して外部からの異物の侵入や水の浸入等を阻止する。ロック装置60は、リッド20をロック状態と非ロック状態(アンロック状態)とに切り替えるためのものである。
図2や図3等に示すハウジング10は、樹脂材を射出成形してなるものである。このハウジング10は、車体の右側に設けられるものなので、車体の左側へ向かって窪むように形成された凹状の給電口収容部11を有している。この給電口収容部11は全体が右側に開口している。給電口収容部11内に給電口が配置されている。フューエルリッド装置の場合、収容部11内に給油口が配置されることになるので、給油口収容部になる。ハウジング10における給電口収容部11の周縁部には、フランジ部12が設けられている。フランジ部12は、給電口収容部11の開口の周方向に連続して設けられている。
図1に示すリッド20は、ハウジング10の給電口収容部11の開口を開閉するための部材であり、たとえば樹脂製の板材で構成することができる。リッド20の外形状は、ハウジング10の周縁部の外形状と略同じにすることができる。
アーム30は樹脂材からなるものであり、リッド20を支持するとともに、ハウジング10に対して回動可能に取り付けられている。図2に示すように、アーム30の基端側部分31は、上下方向に延びる支軸31aによってハウジング10のアーム収容部13に支持されている。支軸31aは、アーム収容部12の前部において右端部に配置されている。一方、アーム30の先端側部分32は、前後方向かつ上下方向に延びる板状に形成されている。このアーム30の先端側部分32には、リッド20の裏面が取り付けられるようになっている。アーム30が支軸31a周りに回動することによってリッド20が給電口収容部11の開口を開いた状態(図示せず)と閉じた状態(図1及び図2に示す状態)とに切り替えられる。
ロック装置60は、図6に示すようにリッド20が閉状態にあるときに、該リッド20をロックして開方向に移動しないようにするための装置である。ロック装置60は、アーム30のロックピン収容部32aに収容されて係合するロックピン61を有しており、このロックピン61の位置ないし姿勢を変更することによってロックピン収容部32aに係合した状態と、ロックピン収容部32aから離脱した状態とに切り替えられるようになっている。このようなロック装置60の構成は従来から周知である。
ハウジング10には、リッド20とハウジング10との間をシールするためのシール材40が設けられている。シール材40の材料は、例えばゴムや熱可塑性エラストマー等の水不透過性の弾性材であり、ハウジング10のフランジ部12に対して固着する材料である。シール材40は、フランジ部12の全周に亘って環状をなすように設けられている。シール材40のフランジ部12への固定部分はシール材40の基部41とされており、この基部41はフランジ部12に沿って延びる板状をなしている。基部41は、全周に亘ってフランジ部12に固着されている。図5に示すように、フランジ部12の中央窪み部12cが形成された部分では、基部41が中央窪み部12c内に配置されるとともに、中央窪み部12cの内面に固着されている。また、図6に示すように、フランジ部12の基部形成用凹部12aが形成された部分では、基部41が基部形成用凹部12a内に配置されるとともに、基部形成用凹部12aの内面に固着されている。このように、中央窪み部12cの内面及び基部形成用凹部12aの内面に基部41を固着することでシール材40とフランジ部12との固着面積が広くなり、シール材40のフランジ部12に対する接合強度が高まる。尚、中央窪み部12cは省略してもよい。
ハウジング10のフランジ部12の周縁部には、外方へ突出して環状に延び、車体パネルPに接触する外周側弾性材50が設けられており、シール材40と外周側弾性材50とはハウジング10の周縁部に一体成形されている。したがって、シール材40と外周側弾性材50とは同じ材料で構成されている。尚、シール材40と外周側弾性材50とは別々に成形されたものであってもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
次に、シール材40及び外周側弾性材50の成形方法について説明する。まず、ハウジング10を射出成形法等によって得ておく。このハウジング10のフランジ部12を、シール材40及び外周側弾性材50を成形する型(図示せず)内に配置し、固定しておく。その後、型のキャビティ内にシール材40及び外周側弾性材50の材料を射出する。射出された材料はキャビティ内を流動してフランジ部12に接触するとともに所定の形状に成形されて固化する。射出された材料がフランジ部12に接触して固化することで、シール材40及び外周側弾性材50がフランジ部12に固着する。尚、シール材40及び外周側弾性材50の成形方法は上述した方法に限られるものではなく、例えば、シール材40及び外周側弾性材50を予め成形した後、ハウジング10のフランジ部12に固着するようにしてもよい。
図8は実施形態1の変形例1を示すものである。この変形例1では、リッド20の裏面に突条部20aが形成されている。突条部20aは、シール材40のリップ部42の突出方向先端部が接触する部分よりも外側に位置しており、リップ部42の先端部に沿うように周方向に連続して延びている。突条部20aは、リップ部42の突出方向先端部に接触するように配置することができる。突条部20aとリップ部42とが接触することにより、シール性がより一層向上する。
以上説明したように、この実施形態1に係る自動車用リッドシール構造によれば、シール材40のリップ部42が突出方向先端へ行くほど径方向外方に位置するように形成された板状をなしているので、リッド20を閉状態にしてリップ部42がリッド20の周縁部に接触したとき、シール材40がリッド20の周縁部の形状に沿って撓むように小さな力で弾性変形し、リッド20の周縁部に密着するようになる。これにより、シール材40からの反力を小さくしながら、リッド20とハウジング10との間のシール性を高めることができる。
図10は、本発明の実施形態2に係る自動車用リッドシール構造の要部を拡大して示す図である。この実施形態2では、シール材400がリッド20に設けられている点で実施形態1と異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
図11は実施形態2の変形例1を示すものである。この変形例1では、リッド20の裏面に突片部20bと窪み部20cとが形成されている。シール材400の基部401は、突片部20bに沿うように形成されるとともに、窪み部20c内に配置されており、突片部20b及び窪み部20cに固着されている。
10 ハウジング
12 フランジ部
12a 基部形成用凹部
14 シール用凹部
14a シール用凹部の内周面
14b シール用凹部の底面
20 リッド
30 アーム
40 シール材
41 基部
42 リップ部
45 補助シール材
50 外周側弾性材
400 シール材
Claims (7)
- 自動車の車体に設けられ、給油口または給電口が配置される凹状の収容部(11)を有するハウジング(10)と、
前記収容部(11)の開口を開閉するリッド(20)と、
前記リッド(20)を支持するとともに、基端側が前記ハウジング(10)に対して回動可能に取り付けられたアーム(30)と、
前記リッド(20)と前記ハウジング(10)との間をシールするシール材(40、400)とを備えた自動車用リッドシール構造において、
前記シール材(40、400)は、前記ハウジング(10)の周縁部と前記リッド(20)の周縁部の一方に環状をなすように設けられるとともに、当該一方から他方へ向けて突出する板状をなし、突出方向先端部へ行くほど径方向外方に位置するように形成されていることを特徴とする自動車用リッドシール構造。 - 請求項1に記載の自動車用リッドシール構造において、
前記ハウジング(10)の周縁部には、外方へ突出して環状に延び、車体パネルに接触する外周側弾性材(50)が設けられ、
前記シール材(40)と前記外周側弾性材(50)とは前記ハウジング(10)の周縁部に一体成形されていることを特徴とする自動車用リッドシール構造。 - 請求項1に記載の自動車用リッドシール構造において、
前記ハウジング(10)の周縁部には、フランジ部(12)が設けられ、
前記フランジ部(12)には、前記シール材(40)の基部(41)が配置される基部形成用凹部(12a)が周方向に長く形成され、
前記シール材(40)の基部(41)は、前記基部形成用凹部(12a)の内面に固着されていることを特徴とする自動車用リッドシール構造。 - 請求項3に記載の自動車用リッドシール構造において、
前記リッド(20)を閉状態で保持するロック装置(60)を備え、
前記リッド(20)が閉状態にあるとき、前記リッド(20)における前記アーム(30)により支持された側とは反対側と、前記フランジ部(12)との間には、撓み変形した前記シール材(40)が収容可能な収容空間(S)が形成されることを特徴とする自動車用リッドシール構造。 - 請求項1に記載の自動車用リッドシール構造において、
前記ハウジング(10)の周縁部には、シール用凹部(14)が周方向に連続して形成され、
前記リッド(20)の周縁部には、前記シール材(400)が設けられ、
前記リッド(20)が閉状態にあるときに前記シール材(400)の突出方向先端部が前記シール用凹部(14)の内周面(14a)及び底面(14b)に接触することを特徴とする自動車用リッドシール構造。 - 請求項5に記載の自動車用リッドシール構造において、
前記シール用凹部(14)の内周面(14a)は、前記シール材(400)の突出方向先端部に沿うように形成されていることを特徴とする自動車用リッドシール構造。 - 請求項1から6のいずれか1つに記載の自動車用リッドシール構造において、
前記ハウジング(10)の周縁部と前記リッド(20)の周縁部の一方は、前記シール材(40、400)の内周側に環状をなすように設けられるとともに、当該一方から他方へ向けて突出する板状をなし、突出方向先端部へ行くほど径方向内方に位置するように形成された補助シール材(45)を備えていることを特徴とする自動車用リッドシール構造。
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