JP2021053993A - 積層体およびチューブ容器本体 - Google Patents

積層体およびチューブ容器本体 Download PDF

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Abstract

【課題】高いリサイクル性を有するチューブ容器本体を作製することのできる、積層体を提供する。【解決手段】積層体10は、表面樹脂層11と、基材12と、ガスバリア層13と、ヒートシール層14とを備え、表面樹脂層、基材およびヒートシール層が同一の材料により構成され、基材が、少なくとも一方の面に蒸着膜15を備え、表面樹脂層は、ヒートシール性を有し、同一材料は、ポリエチレンであることを特徴とする。また、表面樹脂層と基材との間、基材とガスバリア層との間、およびガスバリア層とヒートシール層との間の少なくとも1以上に、溶融押出ポリエチレン層または接着剤層を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体およびこの積層体を備えるチューブ容器本体に関する。
歯磨ペーストや洗顔クリームのようなペースト状の半流動体物を充填しておき、搾り出して使用するための包装容器として、チューブ容器本体とキャップとを備えるチューブ容器が知られている。チューブ容器本体は、一般的に、一端が閉塞し、かつ他端が開口した筒状の胴部と、その胴部の開口他端に連接する注出口を有する頭部とを備えた構造を有しており、胴部に内容物を充填した後に一端を閉塞することで、内容物を収容したチューブ容器が製造される。
チューブ容器本体の胴部を構成する積層体として、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ガスバリア層およびアルミニウム箔などを積層したものが広く使用されている(例えば、特許文献1および2など)。
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、包装容器には高いリサイクル性が求められている。
しかしながら、従来のチューブ容器本体を構成する胴部は、上記したように、複数の異種材料からなる層を備える積層体により構成されており、材料の異なる層ごとに分離するのが困難であるため、リサイクルされていないのが現状である。
特開2006−282184号公報 特開2014−231372号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、高いリサイクル性を有するチューブ容器本体を作製することのできる、積層体を提供することである。
また、本発明の解決しようとする課題は、該積層体を備える、チューブ容器本体を提供することである。
本発明の積層体は、表面樹脂層と、基材と、ガスバリア層と、ヒートシール層とを備え、
表面樹脂層、基材およびヒートシール層が同一の材料により構成され、
基材が、少なくとも一方の面に蒸着膜を備え、
前記表面樹脂層は、ヒートシール性を有し、
同一材料は、ポリエチレンであることを特徴とする。
一実施形態において、本発明の積層体は、表面樹脂層と基材との間、基材とガスバリア層との間、およびガスバリア層とヒートシール層との間の少なくとも1以上に、溶融押出ポリエチレン層または接着剤層を備える。
一実施形態において、表面樹脂層およびヒートシール層を構成するポリエチレンは、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状低密度ポリエチレンである。
一実施形態において、蒸着膜は、金属蒸着膜である。
一実施形態において、ガスバリア層が、第1のポリエチレン樹脂層と、第1の接着剤層と、ガスバリア性樹脂を含む層と、第2の接着剤層と、第2のポリエチレン樹脂層とを備える。
一実施形態において、ガスバリア性樹脂を含む層の厚さが、5μm以上30μm以下である。
一実施形態において、表面樹脂層およびヒートシール層の厚さが、50μm以上150μm以下である。
一実施形態において、基材の厚さが、10μm以上50μm以下である。
一実施形態において、蒸着膜の厚さが、1nm以上150nm以下である。
一実施形態において、積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上である。
一実施形態において、本発明の積層体は、チューブ容器用途に用いられる。
本発明のチューブ容器は、頭部と、胴部とを備え、
頭部が、胴部の一端と連接した肩部と、肩部に連接した抽出口部とを備え、
胴部が、上記積層体により構成されることを特徴とする。
一実施形態において、頭部が、ポリエチレンを含む樹脂組成物により構成される。
一実施形態において、チューブ容器は、ポリエチレンを含む樹脂組成物により構成されるキャプをさらに備える。
本発明によれば、高いリサイクル性を有するチューブ容器を作製することのできる、積層体を提供することができる。また、本発明によれば、該積層体を備える、高いリサイクル性を有するチューブ容器本体を提供することができる。
本発明の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 本発明の積層体を備えるチューブ容器本体と、キャップとを備えるチューブ容器の一実施形態を示す斜視図である。 図2のA−A断面図である。
(積層体)
本発明の積層体10は、図1に示すように、表面樹脂層11と、基材12と、ガスバリア層13と、ヒートシール層14とを備え、基材12が少なくとも一方の面に蒸着膜15を備えることを特徴とする。
蒸着膜15は、本発明の積層体を用いて作製されるチューブ容器の意匠性を向上することができるため、基材の表面樹脂層側表面に設けられていることが好ましい。
本発明の積層体10が備える表面樹脂層11、基材12およびヒートシール層14が同一の材料、ポリエチレンにより構成されているため、本発明の積層体10は高いリサイクル性を有し、この積層体を備えるチューブ容器本体も同様に高いリサイクル性を有する。
一実施形態において、本発明の積層体10は、図1に示すように、表面樹脂層11と基材12との間、基材12とガスバリア層と13の間、およびガスバリア層13とヒートシール層14との間の少なくとも1以上に、溶融押出ポリエチレン層16または接着剤層17を備える。
一実施形態において、基材12は、蒸着膜15下または上にバリアコート層を備える(図示せず)
本発明の積層体全体におけるポリエチレンの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。これにより、本発明の積層体および該積層体を備えるチューブ容器のリサイクル性を向上することができる。
(表面樹脂層およびヒートシール層)
本発明の積層体を構成する表面樹脂層およびヒートシール層は、ポリエチレンにより構成され、共に、ヒートシール性を有する。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンを使用することができる。
これらの中でも、ヒートシール性という観点からは、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
本発明において、高密度ポリエチレンとしては、密度が0.945g/cm以上のポリエチレンを使用することができ、中密度ポリエチレンとしては、密度が0.925g/cm以上0.945g/cm未満のポリエチレンを使用することができ、低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm以上0.925g/cm未満のポリエチレンを使用することができ、直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm以上0.925g/cm未満のポリエチレンを使用することができ、超低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm未満のポリエチレンを使用することができる。
また、本発明において、ポリエチレンには、エチレンと他のモノマーとの共重合体が包含される。エチレン共重合体としては、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体が挙げられ、炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3ーメチルー1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよび6−メチル−1−ヘプテンなどが挙げられる。また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、酢酸ビニルまたはアクリル酸エステルなどとの共重合体であってもよい。
表面樹脂層およびヒートシール層は、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含むことができ、このようなバイオマス由来のポリエチレンはカーボニュートラルな材料であるため、本発明の積層体作製における環境負荷を低減することができる。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。なお、ポリエチレンの原料モノマーは、バイオマス由来のエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。
バイオマス由来のポリエチレンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンおよび/またはα−オレフィンをさらに含んでもよいし、バイオマス由来のα−オレフィンをさらに含んでもよい。
表面樹脂層およびヒートシール層に含まれるポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度(以下、「バイオマス度」ということがある)は、10%以上であることが好ましい。
「バイオマス度」とは、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値である。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。
したがって、ポリエチレン中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明においては、ポリエチレン中のC14の含有量をPC14とした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioは、以下のようにして求めることができる。
bio(%)=PC14/105.5×100
本発明においては、理論上、ポリエチレンの原料として、全てバイオマス由来のエチレンを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であり、バイオマス由来のポリエチレンのバイオマス度は100%となる。
また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料由来のポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%であり、化石燃料由来のポリエチレンのバイオマス度は0%となる。
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビートおよびマニオクを挙げることができる。
本発明において、バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出などの従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサンなどを添加し、共沸させるか、または膜分離などにより水分を除去するなどの方法が挙げられる。
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ―アルミナなどが好ましい。
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支および設備の観点から、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下である。
反応圧力も特に限定されないが、後続の気液分離を容易にするため常圧以上の圧力が好ましい。工業的には触媒の分離の容易な固定床流通反応が好適であるが、液相懸濁床、流動床などでもよい。
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察している。許容される水の含有量の下限は、0.1%以上、好ましくは0.5%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上および熱収支の観点から、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水および少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。この方法は公知の方法で行えばよい。
気液分離により得られたエチレンはさらに蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、および滞留時間などは特に制約されない。
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、およびエステルなどのカルボニル化合物ならびにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミンおよびアミノ酸などの含窒素化合物ならびにその分解物であるアンモニアなどが極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去しても良い。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高表面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
また、表面樹脂層およびヒートシール層は、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンを含むこともできる。ここで、メカニカルリサイクルとは、一般に、回収されたポリエチレンフィルムなどを粉砕、アルカリ洗浄してフィルム表面の汚れ、異物を除去した後、高温・減圧下で一定時間乾燥してフィルム内部に留まっている汚染物質を拡散させ除染を行い、ポリエチレンからなるフィルムの汚れを取り除き、再びポリエチレンに戻す方法である。
表面樹脂層およびヒートシール層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
一実施形態において、表面樹脂層およびヒートシール層は、ポリエチレンにより構成されるフィルムからなり、該フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよい。ヒートシール性という観点から、未延伸フィルムであることが好ましい。
表面樹脂層およびヒートシール層は、表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
また、表面樹脂層およびヒートシール層表面に従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
表面樹脂層およびヒートシール層の厚さは、30μm以上150μm以下であることが好ましく、50μm以上120μm以下であることがより好ましい。なお、表面樹脂層の厚さとヒートシール層の厚さとは同一であってもよく、異なっていてもよい。
表面樹脂層およびヒートシール層の厚さを30μm以上とすることにより、そのヒートシール性をより向上することができる。
また、表面樹脂層およびヒートシール層の厚さを150μm以下とすることにより、該基材を備える積層体の加工適性を向上することができる。
一実施形態において、表面樹脂層およびヒートシール層は、ポリエチレンを少なくとも含む樹脂組成物を、Tダイ法またはインフレーション法などを利用してフィルム化することにより作製することができる
なお、表面樹脂層と基材との積層は、後述する溶融押出ポリエチレン層または接着剤層を介して行うことができる。
(基材)
本発明の積層体を構成する基材は、ポリエチレンにより構成され、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンを使用することができる。
これらの中でも、基材の強度および耐熱性という観点から、高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンが好ましく、延伸適性という観点から、中密度ポリエチレンがより好ましい。
基材は、バイオマス由来のポリエチレンを含むことができ、基材に含まれるポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度(以下、「バイオマス度」ということがある)は、10%以上であることが好ましい。
また、基材は、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンを含むこともできる。
基材は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含むことができる。
一実施形態において、基材は多層構造を有する。
例えば、低密度ポリエチレンから構成される層、高密度ポリエチレンから構成される層、低密度ポリエチレンから構成される層を備える構成とすることができる。
一実施形態において、基材は、ポリエチレンにより構成されるフィルムからなり、該フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよい。
基材は、表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
また、基材表面に従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
基材は、その表面に印刷層を有していてもよく、印刷層に形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号およびこれらの組み合わせなどが表される。
環境負荷の観点から、基材への印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行われることが好ましい。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷の観点から、フレキソ印刷法が好ましい。
基材の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。
基材の厚さを10μm以上とすることにより、その強度および耐熱性をより向上することができる。
また、基材の厚さを50μm以下とすることにより、該基材を備える積層体の加工適性を向上することができる。
一実施形態において、基材は、ポリエチレンを少なくとも含む樹脂組成物を、Tダイ法またはインフレーション法などを利用してフィルム化することにより作製することができる
(蒸着膜)
基材は、少なくとも一方の面に、蒸着膜を備える。これにより、積層体のガスバリア性、具体的には、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
蒸着膜は、本発明の積層体を用いて作製されるチューブ容器の意匠性を向上することができるため、基材のガスバリア層側表面に設けられていることが好ましい。
蒸着膜は、金属から構成されるものであっても、無機酸化物から構成されるものであってもよいが、本発明の積層体を用いて作製されるチューブ容器などに光沢感を付与することができ、その意匠性を向上させることができることから、金属から構成される蒸着膜が(以下、金属蒸着膜という)好ましい。
金属蒸着膜を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、スズ、ニッケル、銅、銀、金およびプラチナなどが挙げられる。
また、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウムおよび酸化バリウムなどが挙げられる。
蒸着膜の表面は、上記表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
蒸着膜の厚さは、1nm以上、150nm以下であることが好ましく、5nm以上、60nm以下であることがより好ましい。
蒸着膜の厚さを1nm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、金属蒸着膜とした場合には、より高い光沢感を付与することができる。
蒸着膜の厚さを150nm以下とすることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。また、積層体のリサイクル性を維持することができる。
基材上への蒸着膜の形成は、従来公知の方法を用いて行うことができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法などの物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法および光化学気相成長法などの化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)などを挙げることができる。
また、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。蒸着チャンバーの真空度としては、酸素導入前においては、10−2〜10−8mbar程度が好ましく、酸素導入後においては、10−1〜10−6mbar程度が好ましい。なお、酸素導入量などは、蒸着機の大きさなどによって異なる。導入する酸素には、キャリヤーガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガスなどの不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。フィルムの搬送速度は、10〜800m/min程度とすることができる。
(バリアコート層)
一実施形態において、基材は、蒸着層下または上にバリアコート層を備える。これにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
基材が、蒸着膜を備える場合、該バリアコート層は、上記蒸着膜上に設けられていても、蒸着膜下に設けられていてもよい。
一実施形態において、バリアコート層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、並びに(メタ)アクリル樹脂などのガスバリア性樹脂を含む。これらの中でも、酸素バリア性および水蒸気バリア性という観点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、上記蒸着膜が、無機酸化物から構成される場合、バリアコート層にポリビニルアルコールを含有させることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有量は、50質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有量を50質量%以上とすることにより、基材の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
バリアコート層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含むことができる。
バリアコート層の厚さは、0.01μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.1μm、以上5μm以下であることがより好ましい。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
また、バリアコート層の厚さを10μm以下とすることにより、積層体のリサイクル性を維持することができる。
バリアコート層は、上記材料を水または適当な溶剤に、溶解または分散させ、塗布、乾燥することにより形成することができる。また、市販されるバリアコート剤を塗布、乾燥することによってもバリアコート層を形成することができる。
また、他の実施形態において、バリアコート層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
基材が、無機酸化物から構成される蒸着膜を備える場合、該形態のバリアコート層を、蒸着膜と隣接するように設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
M(OR
(ただし、式中、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、RおよびRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基およびi−ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1〜20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、リサイクル性を維持しつつ、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、無機酸化物から構成される蒸着膜と隣接するように設けた場合に、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上、1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上、0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。
また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上、0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。
また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、100モル以下、より好ましくは0.8モル以上、2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどを用いることができる。
以下、ガスバリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
バリアコート層は、その印刷層が形成されていてもよい。印刷層の形成方法などについては上記した通りである。
(ガスバリア層)
本発明の積層体が備えるガスバリア層は、ガスバリア性樹脂を含み、これにより積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
ガスバリア層は、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。ガスバリア層が多層構造を有する場合、少なくとも一層がガスバリア性樹脂を含んでいればよい。
一実施形態において、多層構造のガスバリア層は、図1に示すように、第1のポリエチレン樹脂層13Aと、第1の接着剤層13Bと、ガスバリア性樹脂を含む層13Cと、第2の接着剤層13Dと、第2のポリエチレン樹脂層13Eとから構成される。
また、接着剤層については後述する。
ガスバリア性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、並びに(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。
ガスバリア層は、相溶化剤を含むことが好ましい。ガスバリア層が、相溶化剤を含むことにより、本発明の積層体を用いて作製したチューブ容器を加熱溶融し、リサイクルする際において、ガスバリア層に含まれるガスバリア性樹脂と、基材などに含まれるポリエチレンとが、均一に混ざり合い、その物性が低下してしまうことを効果的に防止することができる。また、その透明性が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
相溶化剤は、従来公知のものを適宜選択し、使用することができるが、リサイクル性の観点から、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、中でも、無水マレイン酸変性ポリエチレンがより好ましい。
ガスバリア層が多層構造を有する場合、2層以上の層が、相溶化剤を含んでいてもよい。
ガスバリア層全体における相溶化剤の含有量は、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ガスバリア層全体における相溶化剤の含有量を5質量%以上とすることにより、上記した物性低下および透明性低下をより効果的に防止することができる。
ガスバリア層全体における相溶化剤の含有量を20質量%以下とすることにより、ガスバリア層の成形性を向上することができる。また、本発明の積層体をリサイクルし、得られる樹脂を用いて作製されるフィルムの強度低下を防止することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、セルロール樹脂およびビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、基材などとの密着性および積層体のリサイクル性の観点から、ポリエチレンが好ましい。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、ガスバリア層は、上記添加剤を含むことができる。
一実施形態において、ガスバリア層は、フィルムからなり、該フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよい。積層体の強度という観点からは、延伸フィルムであることが好ましい。該延伸フィルムは、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであってもよい。
また、ガスバリア層は、その表面に上記表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
ガスバリア層が単層構造を有する場合、その厚さは、10μm以上、30μm以下であることが好ましく、15μm以上、20μm以下であることがより好ましい。
ガスバリア層の厚さを10μm以上とすることにより、本発明の積層体のガスバリア性を向上することができる。
また、ガスバリア層の厚さを30μm以下とすることにより、本発明の積層体のリサイクル性を向上することができる。
ガスバリア層が多層構造を有する場合、ガスバリア性樹脂を含む層の厚さの和は、20μm以上、100μm以下であることが好ましく、30μm以上、80μm以下であることがより好ましい。
ガスバリア性樹脂を含む層の厚さの和を20μm以上とすることにより、本発明の積層体のガスバリア性を向上することができる。
また、ガスバリア性樹脂を含む層の厚さの和を100μm以下とすることにより、本発明の積層体のリサイクル性を向上することができる。
一実施形態において、ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂をTダイ法またはインフレーション法などを利用してフィルム化することにより作製することができる。
なお、基材などとの積層は、後述する溶融押出ポリエチレン層や接着剤層などを介して行うことができる。
(溶融押出ポリエチレン層)
一実施形態において、本発明の積層体は、任意の層間、例えば、表面樹脂層と基材との間、基材とガスバリア層との間、またはガスバリア層とヒートシール層との間に、溶融押出ポリエチレン層を備えることができる。
溶融押出ポリエチレン層に含まれるポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンを使用することができる。
これらの中でも、層間密着性という観点からは、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが好ましい。
溶融押出ポリエチレン層は、バイオマス由来のポリエチレンを含むことができ、溶融押出ポリエチレン層に含まれるポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度(以下、「バイオマス度」ということがある)は、10%以上であることが好ましい。
また、溶融押出ポリエチレン層は、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンを含むこともできる。
溶融押出ポリエチレン層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含むことができる。
溶融押出ポリエチレン層の厚さは、5μm以上、30μm以下であることが好ましく、10μm以上、20μm以下であることがより好ましい。
溶融押出ポリエチレン層の厚さを5μm以上とすることにより、層間の密着性をより向上することができる。
また、溶融押出ポリエチレン層の厚さを30μm以下とすることにより、本発明の積層体の生産コストを低減することができると共に、その生産性を向上することができる。
溶融押出ポリエチレン層は、ポリエチレンを少なくとも含む樹脂組成物を、基材などの上に溶融押出することにより形成することができる。
(接着剤層)
一実施形態において、本発明の積層体は、任意の層間、例えば、表面樹脂層と基材との間、基材とガスバリア層との間、またはガスバリア層とヒートシール層との間に、接着剤層を備えることができる。
また、本発明の積層体は、ガスバリア層を構成する層として、接着層を備えることができる。
接着剤層は、従来公知の接着剤により形成してもよい。該接着剤は、1液硬化型若しくは2液硬化型、または非硬化型のいずれも接着剤であってもよい。
また、接着剤は、無溶剤型の接着剤であっても、溶剤型の接着剤であってもよいが、環境負荷の観点からは、無溶剤型の接着剤が好ましく使用できる。
無溶剤型接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤などが挙げられ、これらのなかでも2液硬化型のウレタン系接着剤を好ましく使用することができる。
溶剤型接着剤としては、例えば、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤およびオレフィン系接着剤などが挙げられる。
また、接着剤層をアルミニウム蒸着膜に隣接して設ける場合、より具体的には、基材がアルミニウム蒸着膜を有し、該アルミニウム蒸着膜とガスバリア層との間に接着剤層を設ける場合、接着剤層は、ポリエステルポリオールとイソシアネート化合物を含む樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
蒸着膜を備えた積層体を成形する際には、成形機などにより積層体に屈曲負荷がかかるため、アルミニウム蒸着膜に亀裂などが生じる恐れがある。接着剤層を上記した構成とすることにより、アルミニウム蒸着膜に亀裂の発生を防止できると共に、亀裂が生じた場合であっても、酸素バリア性および水蒸気バリア性の低下を抑制することができる(耐屈曲負荷性)。
ポリエステルポリオールは、官能基として1分子中に水酸基を2個以上有する。また、イソシアネート化合物は、官能基として1分子中にイソシアネート基を2個以上有する。ポリエステルポリオールは、主骨格として、例えばポリエステル構造、またはポリエステルポリウレタン構造を有する。
ポリエステルポリオール、イソシアネート化合物を含有する樹脂組成物(接着剤)の具体例としては、DIC株式会社から販売されている、パスリム(PASLIM)のシリーズが使用できる。
該樹脂組成物は、リン酸変性化合物、板状無機化合物、カップリング剤、シクロデキストリンおよび/またはその誘導体などをさらに含んでいてもよい。
官能基として1分子中に水酸基を2個以上有するポリエステルポリオールとしては、例えば下記の〔第1例〕〜〔第3例〕を用いることができる。
〔第1例〕オルト配向多価カルボン酸またはその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール
〔第2例〕グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール
〔第3例〕イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール
以下、各ポリエステルポリオールについて説明する。
第1例に係るポリエステルポリオールは、オルトフタル酸およびその無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、およびシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分とを重縮合して得られる重縮合体である。
特に、オルトフタル酸およびその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する含有率が70〜100質量%であるポリエステルポリオールが好ましい。
第1例に係るポリエステルポリオールは、多価カルボン酸成分としてオルトフタル酸およびその無水物を必須とするが、本実施の形態の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。
具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸など脂肪族多価カルボン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸などの不飽和結合含有多価カルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、これらジカルボン酸の無水物およびこれらジカルボン酸のエステル形成性誘導体などの芳香族多価カルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸およびこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体などの多塩基酸などが挙げられる。これらの中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
なお、上記その他の多価カルボン酸を2種以上使用してもよい。
第2例に係るポリエステルポリオールとして、一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステルポリオールを挙げることができる。
Figure 2021053993
一般式(1)において、R、R、Rは、各々独立に、H(水素原子)または下記の一般式(2)で表される基である。
Figure 2021053993
式(2)において、nは1〜5の整数を表し、Xは、置換基を有してもよい1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、および2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれるアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す)で表される基を表す。
但し、R、R、Rのうち少なくとも一つは、一般式(2)で表される基を表す。
一般式(1)において、R、R、Rの少なくとも1つは一般式(2)で表される基である必要がある。中でも、R、R、R全てが一般式(2)で表される基であることが好ましい。
また、R、R、Rのいずれか1つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R、Rのいずれか2つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R、Rの全てが一般式(2)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
Xは、1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基および2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Xが置換基によって置換されている場合、1または複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
一般式(2)において、Yは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基およびジメチルブチレン基などの炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。Yは、中でも、プロピレン基およびエチレン基が好ましくエチレン基が最も好ましい。
一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステル樹脂化合物は、グリセロールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより合成することができる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその無水物としては、オルトフタル酸またはその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸またはその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸またはその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸またはその無水物、および2,3−アントラセンカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。
これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
また、多価アルコール成分としては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオールおよびジメチルブタンジオールなどのジオールを例示することができる。
第3例に係るポリエステルポリオールは、下記一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールである。
Figure 2021053993
一般式(3)において、R、R、Rは、各々独立に、「−(CH)n1−OH(但しn1は2〜4の整数を表す)」、または、一般式(4)の構造を表す。
Figure 2021053993
一般式(4)中、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表し、Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基および2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す)で表される基を表す。但しR、R、Rの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。
一般式(3)において、−(CH)n1−で表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状でもよい。n1は、中でも2または3が好ましく、2が最も好ましい。
一般式(4)において、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表す。
Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、および2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Xが置換基によって置換されている場合、1または複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
Xの置換基は、中でもヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基およびフェニル基が好ましくヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基およびフェニル基が最も好ましい。
一般式(4)において、Yは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基およびジメチルブチレン基などの炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。Yは、中でも、プロピレン基およびエチレン基が好ましくエチレン基が最も好ましい。
一般式(3)において、R、R、Rの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。中でも、R、R、R全てが一般式(4)で表される基であることが好ましい。
また、R、R、Rのいずれか1つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R、Rのいずれか2つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R、Rの全てが一般式(4)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールは、イソシアヌル環を有するトリオールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより合成することができる
イソシアヌル環を有するトリオールとしては、例えば、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸および1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
また、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその無水物としては、オルトフタル酸またはその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸またはその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸またはその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸またはその無水物、および2,3−アントラセンカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。
該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
また、多価アルコール成分としては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオールおよびジメチルブタンジオールなどのジオールが挙げられる。
中でも、イソシアヌル環を有するトリオール化合物として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、または1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコールを使用したイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール化合物が、酸素バリア性や接着性に特に優れ好ましい。
イソシアヌル環は高極性であり且つ3官能であり、系全体の極性を高めることができ、且つ、架橋密度を高めることができる。このような観点からイソシアヌル環を接着剤樹脂全固形分に対し5質量%以上含有することが好ましい。
イソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有する。
また、イソシアネート化合物は、芳香族であっても、脂肪族であってもよく、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
さらに、イソシアネート化合物は、公知のイソシアネートブロック化剤を用いて公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られたブロック化イソシアネート化合物であってもよい。
中でも、接着性や耐レトルト性の観点から、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、酸素バリア性および水蒸気バリア性の観点からは、芳香族であることが好ましい。
イソシアネート化合物の具体的な化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート化合物の3量体、並びにこれらのイソシアネート化合物と、低分子活性水素化合物若しくはそのアルキレンオキシド付加物、または高分子活性水素化合物とを反応させて得られるアダクト体、ビュレット体およびアロファネート体などが挙げられる。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3−ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびメタキシリレンジアミンなどが挙げられ、分子活性水素化合物としては、各種ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオールおよびポリアミドの高分子活性水素化合物などが挙げられる。
一実施形態において、樹脂組成物はリン酸変性化合物を含み、例えば下記の一般式(5)または(6)で表される化合物を使用することができる。
Figure 2021053993
一般式(5)において、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる基であるが、少なくとも一つは水素原子であり、nは、1〜4の整数を表す。
Figure 2021053993
式中、R、Rは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる基であり、nは1〜4の整数、xは0〜30の整数、yは0〜30の整数を表すが、xとyが共に0である場合を除く。
より具体的には、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェートおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
樹脂組成物におけるリン酸変性化合物の含有量は、0.005質量%、以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上、1質量%以下であることがより好ましい。
リン酸変性化合物の含有量を0.005質量%以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
また、リン酸変性化合物の含有量を10質量%以下とすることにより、接着剤層の接着性を向上することができる。
ポリエステルポリオール、イソシアネート化合物およびリン酸変性化合物を含有する樹脂組成物は、板状無機化合物を含んでいてもよく、これにより、接着剤層の接着性を向上することができる。また、本発明の積層体の耐屈曲負荷性を向上させることができる。
板状無機化合物としては、例えば、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、クリソタイルなど)およびパイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライなど)などが挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、下記一般式(7)であらわされるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤およびアルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。なお、これらのカップリング剤は、単独でも、2種類以上組み合わせてもよい。
Figure 2021053993
シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)などが挙げられる。
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジドデシルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネートおよびジクミルフェニルオキシアセテートチタネートなどが挙げられる。
また、アルミニウム系カップリング剤の具体例としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)、アルミニウム−2−エチルヘキサノエートオキサイドトリマー、アルミニウムステアレートオキサイドトリマーおよびアルキルアセトアセテートアルミニウムオキサイドトリマーなどが挙げられる。
樹脂組成物は、シクロデキストリンおよび/またはその誘導体を含むことができ、これにより、接着剤層の接着性を向上することができる。また、本発明の積層体の耐屈曲負荷性をより向上できる。
具体的には、例えば、シクロデキストリン、アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリンおよびヒドロキシアルキル化シクロデキストリンなどのシクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子を他の官能基で置換したものなどを用いることができる。また、分岐環状デキストリンも用いることができる。
また、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格は、6個のグルコース単位からなるα−シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ−シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ−シクロデキストリンのいずれであってもよい。
これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、これらシクロデキストリンおよび/またはその誘導体を以降、デキストリン化合物と総称する場合がある。
樹脂組成物への相溶性および分散性の観点から、シクロデキストリン化合物としては、シクロデキストリン誘導体を用いることが好ましい。
アルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、メチル−α−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンおよびメチル−γ−シクロデキストリンなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アセチル化シクロデキストリンとしては、例えば、モノアセチル−α−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリンおよびモノアセチル−γ−シクロデキストリンなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の特性を損なわない範囲において、接着剤層は、酸化チタン、亜鉛華およびカーボンブラックなどの顔料、分散染料、酸性染料およびカチオン染料などの染料、酸化防止剤、滑剤、着色剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、軟化剤、硬化剤、可塑剤、レベリング剤、紫外線吸収剤並びに難燃剤などの添加剤を含むことができる。
接着剤層の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1μm以上、5μm以下とすることができる。
(チューブ容器本体)
本発明のチューブ容器本体は、上記積層体を備えることを特徴とする。
以下、本発明のチューブ容器本体について図面を参照しながら説明する。図2はチューブ容器20の構成を簡略的に示す図であり、図3は、図2のA−A断面図である。図2に示すように、チューブ容器本体21は、頭部22と、胴部23とを備え、該胴部23が上記積層体により構成されていることを特徴とする。
(頭部)
頭部22は、胴部23の一端と連接した肩部24と、肩部24に連接した抽出口部25とを備える。
また、一実施形態において、注出口部25は、キャップ26を螺合するための螺条27を備える。
一実施形態において、頭部は、ポリエチレンを含む樹脂組成物により構成され、これにより、チューブ容器のリサイクル性を向上することができる。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンを使用することができる。
これらの中でも、保型性という観点からは、高密度ポリエチレンが好ましい。
樹脂組成物は、バイオマス由来のポリエチレンやカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンを含むことができる。
本発明の特定を損なわない範囲において、樹脂組成物は上記添加剤を含んでいてもよい。
頭部の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。例えば、頭部は、圧縮成形法(コンプレッション成形法)や射出成形法(インジェクション成形法)により製造すると共に、胴部と接合させることができる。
圧縮成形法(コンプレッション成形法)を用いてチューブ容器を製造する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部を装着した後、雄型と雌型を対向させ、雌雄内に、溶融した樹脂組成物を供給し、圧縮成形して頭部を成形すると共に胴部の一方の開口に接合させることにより、頭部と胴部とからなるチューブ容器を製造することができる。
また、射出成形法(インジェクション成形法)を用いてチューブ容器を製造する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部を装着した後、雄型と雌型を対向させ、ゲートから溶融した樹脂組成物を供給し、射出成形して頭部を成形すると共に胴部の一方の開口に接合させることにより、頭部と胴部とからなるチューブ容器を製造することができる。
(胴部)
本発明のチューブ容器本体21において、胴部23は、頭部22の肩部24に連接されている。
胴部23は、上記積層体を筒状に丸め、その表面樹脂層と、ヒートシール層とを重ね合わせると共に、重合した部分をヒートシールすることにより溶着部28を備える。
また、胴部23は、丸めた積層体の開口部をヒートシールすることにより形成された底シール部29を備える。
ヒートシールする方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シールなどの従来公知の方法で行うことができる。
(チューブ容器)
本発明のチューブ容器は、上記チューブ容器本体とキャップとを備える。
また、一実施形態において、チューブ容器20は、頭部22に装着するキャップ26を備える。
(キャップ)
キャップは、頭部の抽出口部に着脱可能に装着し、抽出口部を閉鎖する役割を担う。
キャップは、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成される。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、セルロース樹脂およびビニル樹脂などが挙げられるが、リサイクル性という観点からはポリエチレンが特に好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンを使用することができる。
これらの中でも、保型性、開封性という観点からは、高密度ポリエチレンが好ましい。
また、バイオマス由来のポリエチレンおよびメカニカルリサイクルポリエチレンを使用することもできる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、樹脂組成物は、上記添加剤を含むこともできる。
キャップは、図2に示すように、抽出口部25が有する螺条27に螺合するように、キャップ内面に凹溝を有するスクリュータイプのものであってもよく、また、抽出口部27に打栓することにより嵌合される打栓タイプであってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(積層体の作製)
直鎖状低密度ポリエチレン1(エクソンモービル製、Exceed2018HA、密度0.918g/cm)と、高密度ポリエチレン(エクソンモービル製、HTA108、密度0.961g/cm)と、直鎖状低密度ポリエチレン2(ダウケミカル製、Dowlex2098G、密度0.926g/cm)とを、インフレーション法により共押出成膜し、基材フィルムを得た。
上記のようにして得られた基材フィルムは、厚さ10μmの直鎖状低密度ポリエチレン1から構成される層と、厚さ20μmの高密度ポリエチレンから構成される層と、厚さ10μmの直鎖状低密度ポリエチレン2から構成される層と、を備える、総厚み40μmの3層構造を有するものであった(直鎖状低密度ポリエチレン層/高密度ポリエチレン層/直鎖状低密度ポリエチレン層)。
基材フィルムの直鎖状低密度ポリエチレン1から構成される層の表面に、PVD法により、厚さ20nmのアルミニウム蒸着膜を形成し、基材を得た。
基材の蒸着面に、ウレタン系接着剤(ロックペイント製、RU004/H1)を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着剤層を形成すると共に、この接着層を介して、表面樹脂層として、厚さ100μmの未延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名:UB−3)を積層した。
直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Dowlex2045G、密度0.920g/cm)と、接着性樹脂(三井化学製、アドマーNF557)と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ製、エバールH171B、密度1.17g/cm3、エチレン含有率38mol%)と、接着性樹脂(三井化学製、アドマーNF557)と、直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Dowlex2045G、密度0.920g/cm)とを、インフレーション法により5層共押出成膜し、ガスバリア層を得た。
上記のようにして得られたガスバリア層は、厚さ17.5μmの直鎖状低密度ポリエチレンから構成される層と、厚さ5μmの接着性樹脂から構成される層と、厚さ15μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体から構成される層と、厚さ5μmの接着性樹脂から構成される層と、厚さ17.5μmの直鎖状低密度ポリエチレンから構成される層と、を備える総厚み60μmの5層構成を有するものであった(直鎖状低密度ポリエチレン層/接着性樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/接着性樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン層)。
基材が備える非蒸着膜上に、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、ノバテックLC600A、密度0.918g/cm)を溶融押出し、厚さ20μmの溶融押出ポリエチレン層を形成すると共に、この溶融押出ポリエチレン層を介して、ガスバリア層が備える一方の直鎖状低密度ポリエチレンから構成される層を積層した。
ガスバリア層が備える他方の直鎖状低密度ポリエチレンから構成される層上に、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、ノバテックLC600A、密度0.918g/cm)を溶融押出し、厚さ20μmの溶融押出ポリエチレン層を形成すると共に、この溶融押出ポリエチレン層を介して、ヒートシール層として、厚さ100μmの未延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名:UB−3)を積層し、本発明の積層体を作製した。
この積層体におけるポリエチレンの含有量は、92%であった。
実施例2
直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Dowlex2045G、密度0.920g/cm)と、相溶化剤(ダウケミカル製、無水マレイン酸変性ポリエチレン、リテイン3000、密度0.870g/cm)とを、直鎖状低密度ポリエチレン:相溶化剤=93質量%:7質量%の比率でブレンドし、ブレンド樹脂を準備した。
上記で準備したブレンド樹脂と、接着性樹脂(三井化学製、アドマーNF557)と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ製、エバールH171B、密度1.17g/cm3、エチレン含有率38mol%)と接着性樹脂(三井化学製、アドマーNF557)と、ブレンド樹脂とをインフレーション法により5層共押出成膜し、ガスバリア層を得た。
上記のようにして得られたガスバリア層は、厚さ17.5μmのブレンド樹脂から構成される層と、厚さ5μmの接着性樹脂から構成される層と、厚さ15μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体から構成される層と、厚さ5μmの接着性樹脂から構成される層と、厚さ17.5μmのブレンド樹脂から構成される層と、を備える総厚み60μmの5層構成を有するものであった(ブレンド樹脂層/接着性樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/接着性樹脂層/ブレンド樹脂層)。
ガスバリア層を上記のようにして作製したものに変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体を作製した。
この積層体におけるポリエチレンの含有量は、91%であった。
比較例1
基材フィルムを厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製、エステルフィルムE5100)とした以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。この積層体におけるポリエチレンの含有量は、87%であった。
(チューブ容器の作製)
上記のようにして得られた積層体を、ボビンカッターを用いて幅120mmのスリットに加工し、幅方向の両端を、重ね幅が約1.5mmとなるようにして重ね合わせた後に、重ね合わせた両端どうしを熱融着することにより、筒貼りした円筒状の原反を得た。得られた原反を長さ方向122mmとなるように切断してチューブ容器の胴部となる筒状胴部を作製した。
筒状胴部をチューブ容器成形用のマンドレルに装着し、筒状胴部の一方の端部に、円錐台形状の肩部とそれに連続する筒上の抽出口部からなる頭部を、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製 ノバテック HJ360、密度0.951g/cm)を射出成形法により成形し、図3に示すようなチューブ容器を作製した。得られたチューブ容器本体の頭部の注出口部は、外径を13mm、高さを1.5mmとし、注出口部の側面には螺条を設けた。また、肩部の外径は38mmとした。
次いで、上記高密度ポリエチレンをキャップ成形用の金型内に射出すると共に、成形し、キャップを作製し、本発明のチューブ容器を得た。
<<リサイクル性評価>>
上記実施例および比較例において得られた包装材料用積層体のリサイクル性を下記評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
○:包装材料用積層体における同一ポリオレフィンの含有量が90質量%以上であった。
×:包装材料用積層体における同一ポリオレフィンの含有量が90質量%未満であった。
<<肩部接着強度>>
胴部と肩部の接着箇所より裾部方向に15mm幅で帯状にカットして試験片を得た。
この試験片を、引張試験機(オリエンテック社製、RTC−1310A)にて試験速度300mm/minで引っ張り、胴部が肩部から剥離する際の剥離強度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<サイドシーム強度>>
胴部のサイドシーム(重なっている箇所)に対し垂直方向に15mm幅で帯状にカットして引張試験機にて試験速度300mm/minで引っ張り、破断する際の強度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<漏れ性評価>>
チューブ容器本体の抽出口部にキャップを螺旋し、次いで、筒状胴部の開口部から、内容物として市販の歯磨きペースト120gを充填し、次いで、筒状胴部の開口部をヒートシールした。なお、キャップ閉栓時の設定締めトルクは、4.7kg・cmとした。室温環境下にて2週間放置し、1日毎に内容物の漏れがないか目視にて確認した。漏れ性の評価基準は以下の通りとした。
(評価基準)
〇:2週間経過した後でも、内容物の漏れが見られなかった
×:2週間経過前に、内容物の漏れが見られた
Figure 2021053993
10:積層体、11:表面樹脂層、12:基材、13:ガスバリア層、13A:第1のポリエチレン樹脂層、13B:第1の接着剤層、13C:ガスバリア性樹脂を含む層、13D:第2の接着剤層、13E:第2のポリエチレン樹脂層、14:ヒートシール層、15:蒸着膜、20:チューブ容器、21:チューブ容器本体、22:頭部、23:胴部、24:肩部、25:抽出口部、26:キャップ、27:螺条、28:溶着部、29:底シール部

Claims (14)

  1. 表面樹脂層と、基材と、ガスバリア層と、ヒートシール層とを備え、
    前記第表面樹脂層、前記基材および前記ヒートシール層が同一の材料により構成され、
    前記基材が、少なくとも一方の面に蒸着膜を備え、
    前記表面樹脂層が、ヒートシール性を有し、
    前記同一材料は、ポリエチレンであることを特徴とする、積層体。
  2. 前記表面樹脂層と前記基材との間、前記基材と前記ガスバリア層との間、および前記ガスバリア層と前記ヒートシール層との間の少なくとも1以上に、溶融押出ポリエチレン層または接着剤層を備える、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記表面樹脂層および前記ヒートシール層を構成するポリエチレンは、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記蒸着膜は、金属蒸着膜である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記ガスバリア層が、第1のポリエチレン樹脂層と、第1の接着剤層と、ガスバリア性樹脂を含む層と、第2の接着剤層と、第2のポリエチレン樹脂層とを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記ガスバリア性樹脂を含む層の厚さが、20μm以上100μm以下である、請求項5に記載の積層体。
  7. 前記表面樹脂層および前記ヒートシール層の厚さが、30μm以上150μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記基材の厚さが、10μm以上50μm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 前記蒸着膜の厚さが、1nm以上150nm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 前記積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
  11. チューブ容器用途に用いられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層体。
  12. 頭部と、胴部とを備え、
    前記頭部が、前記胴部の一端と連接した肩部と、前記肩部に連接した抽出口部とを備え、
    前記胴部が、請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体により構成されることを特徴とする、チューブ容器。
  13. 前記頭部が、ポリエチレンを含む樹脂組成物により構成される、請求項12に記載のチューブ容器。
  14. ポリエチレンを含む樹脂組成物により構成されるキャプをさらに備える、請求項12または13に記載のチューブ容器。
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