JP2021053643A - 部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、突出部の肉厚を安定して成形することができる部品の製造方法の提供を目的とした。【解決手段】本発明の部品の製造方法は、下型20とパンチ13とを有するプレス装置10を用いた押込成形により、厚板Wに突出部Pcが形成された部品Pの製造方法であって、厚板Wを第一のパンチ30により予備押しする予備押し工程と、予備押し工程の後に、厚板Wを第二のパンチ40により押し出して突出部Pcを形成する押出成形工程とを含み、第一のパンチ30の外径D5が、第二のパンチ40の外径D6よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、プレス装置を用いて金属製の板材に突出部を形成する加工方法に関する。
従来、金属製の板状部材に雌ねじ部を形成する場合、ねじ孔の深さを大きくしてねじの嵌め込みをより強固にすることを目的として、板材に突出部を形成して突出部の内側にねじ孔を形成することが行われている。また、薄板に突出部を形成する加工方法として、バーリング加工が行われている。例えば、下記特許文献1には、薄板にバーリング加工で円筒形の立ち上げ部を形成する薄板バーリング加工方法が開示されている。
特許文献1の薄板バーリング加工方法では、加工対象部位にあらかじめ潰し加工を行い、潰し加工を行った後に突き出し加工を行うことで、薄板であっても十分なバーリング高さを得ることができるとされている。
特開2013−126673号公報
ところで、特に強度が必要な部位に用いられる部品では、厚板(厚さ3.0mm以上の鋼板など)を加工してねじ孔を形成した部品が用いられる場合がある。このような厚板では、材料の変形抵抗が大きくなるためバーリング加工を行うことが困難となる。そのため、厚板部品では、プレス装置を用いたエンボス成形(押込成形)により部分的に厚板を突出させて突出部を形成した後にタップ加工を行い、ねじ孔を形成する場合がある。
しかしながら、厚板にエンボス成形を行う場合、変形抵抗が大きくなるなどの要因により、厚板にパンチを一度押し込むだけではパンチが振れてしまい、一度の押出加工で一定肉厚の押出形状を得ることが困難である。また、厚板にエンボス成形を行う場合、エンボス成形部に必要量の材料を押し込むために、押込量や加工力などが増加するといった問題がある。
その一方、パンチ径を小さくして変形抵抗を小さくすると、材料の絶対的な押込み体積が減少してエンボス成形部(部品の突出部を形成する部分)に必要量の材料を充填することが困難となる。そのため、成形後の部品において特に強度が必要となる突出部の根元部分に材料が十分に充填されない、あるいは突出部全体に肉がうまく流動せず、突出部の径や厚みにバラツキが生じるといった問題がある。このように、厚板を押出加工(エンボス出し)にて成形する場合、厚板とパンチ径の関係により必要な形状まで押し出すことが困難であった。
また、厚板の表面を部分的に切削するなどの手段により突出部を形成する、あるいはプレス装置により何度もプレスを行うなどの手段により突出部を形成すると仮定すると、一定の肉厚を得ることができる可能性がある一方、工程や加工コストが増加するといった問題が生じる。
このように、厚板により成形される部品では、突出部(タップ部)を形成する際に、突出部を安定して押出加工し、突出部の肉厚を安定して確保することが課題となっていた。
そこで本発明は、突出部の肉厚を安定して成形することができる部品の製造方法の提供を目的とした。
ここで、従来では、プレス加工により突出部の内側をタップの下穴(凹部)として完成させ、当該下穴(凹部)にドリルを挿入してタップ加工が行われていた。しかしながら、プレス工程内の位置精度や孔径精度、さらにプレス加工で得られた突出部の肉厚が一定でないなどの要因によりドリルが傾き工具寿命に影響するなどの課題があった。
ここで、本発明の発明者らは、上述の課題を解決するための方策を検討した。具体的には、プレス加工によりタップ下孔よりもひとまわり小径の穴部(突出部)を形成して、その後切削加工により突出部を貫通させてタップの下孔を形成し、さらにその後下孔にタップ加工を行うことを検討した。このようにすれば、切削加工により安定した孔径を得ることができる。
しかしながら、上述のとおり、厚板の押し出しは押し込むパンチと受ける下型との位置関係や相対的な大きさで決まってしまうため、パンチ径が小径になるほど材料の押込量が少なくなり、成形に不利となる。
本発明の発明者らは、小径のパンチでプレスしてエンボス成形部に安定して材料を押し込むことができる方法についてさらに鋭意検討した。その結果、押出成形時のパンチよりもひとまわり大きい径のパンチを用いて予備押しを行うと、突出部を形成する部分(エンボス成形部)に効率的に材料(肉)を流動させることができるとの知見が得られた。具体的には、押出成形時のパンチより大径のパンチを用いて、一度材料に塑性流動を発生させる事で、その後小径のパンチにて成形した際に、より多くの増肉押出しを実現することができるとの知見が得られた。
さらに詳細に説明すると、押出成形時のパンチよりも大きい径のパンチを用いて予備押しを行うと、エンボス成形部の開口縁部に成形材料が馴染むように曲げ癖がつき、開口縁部に成形材料が馴染んだ状態で押出成形を行うことができる。すなわち、厚板の下型への馴染みのきっかけを生成して、部品の突出部の根元に十分な材料を押込んで成形することができる。
これにより、押出成形時に、エンボス成形部の開口縁部(部品の突出部の根元)のスキや、パンチ側面(突出部の内周面)のスキ、あるいはエンボス成型部の隅部(部品の突出部の先端部)のスキを低減させることができる。その結果、部品の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
上述の知見に基づき提供される本発明の部品の製造方法は、下型とパンチとを有するプレス装置を用いた押込成形により、厚板に突出部が形成された部品の製造方法であって、前記厚板を第一のパンチにより予備押しする予備押し工程と、前記予備押し工程の後に、前記厚板を第二のパンチにより押し出して前記突出部を形成する押出成形工程とを含み、前記第一のパンチの外径が、前記第二のパンチの外径よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明の部品の製造方法によれば、押出成形時に、エンボス成形部の開口縁部(部品の突出部の根元)のスキや、パンチ側面(突出部の内周面)のスキ、あるいはエンボス成型部の隅部(部品の突出部の先端部)のスキを低減させることができる。その結果、切削加工等による取代を確保してねじ孔を加工することが可能となり、部品の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
このように、本発明の部品の製造方法によれば、多くの体積の成形材料をエンボス成形部に押し出して突出部の形状を安定させ、タップ下孔の形成時やタップ加工時の取代を確保し、部品の品質を安定させることができる。
また、本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部に材料を押し出すために何度も押出成形工程を行うことなく、予備押し工程と一度の押出成形工程により、材料の加工を行うことができ、工程数をさほど増加させることを要さない。さらに、本発明の部品の製造方法によれば、押出成形工程において、パンチのストローク量や加工力を低減することができる。
また、本発明の部品の製造方法は、前記第一のパンチの端部には、前記第一のパンチの面取り部とされたC面形成部が設けられており、前記予備押し工程において、前記部品にC面が形成されるものであるとよい。
上述の構成によれば、C面を形成する工程を兼ねて予備押し工程を行うことができる。その結果、本発明の部品の製造方法によれば、別途C面を形成する工程を設けることを要さず、工程の簡素化を図ることができる。
さらに、本発明の部品の製造方法は、前記押出成形工程により、前記部品には押出方向に突出する前記突出部が形成されるとともに、前記突出部の内側には穴部が形成されるものであり、前記第一のパンチの端部には、前記第一のパンチの面取り部とされたC面形成部が設けられており、前記予備押し工程において前記穴部の開口縁となる部分にC面が形成されるものであり、前記第一のパンチの外径が、前記穴部のC面が含まれる大きさとされていることが望ましい。
上述の構成によれば、予備押し工程において、エンボス成形部の開口縁に成形材料を効率的に馴染ませることができる。
本発明の部品の製造方法によれば、突出部の肉厚を安定して形成することができる。
本発明の実施形態において用いられるプレス装置の模式図である。 本発明の製造方法により製造された部品の一例を示す図である。 図1のプレス装置を用いて行われる予備押し工程を示す図である。 図1のプレス装置を用いて行われる押出成形工程を示す図である。 押出成形後に行われるタップ加工を示す図である。 図1のプレス装置のエンボス成形部の要部を示す図である。 図1のプレス装置の変形例を示す図である。 図7のプレス装置により行われる押出成形工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の部品の製造方法では、図1に示すプレス装置10が用いられる。
本実施形態では、部品Pとして、車両のリアサスプレートを製造する方法を具体例として説明する。図2(a)及び図2(b)に示すとおり、部品Pは、厚板の鋼板材(本実施形態では8.0mm)に突出部Pcが形成された部品であり、一方の面から他方の面に貫通するように、ねじ孔Pbが形成されている。
なお、本発明の部品の製造方法及びプレス装置は、部品としてリアサスプレートを製造するものに限定されず、厚板に突出部が形成された部品に対して幅広く適用することができる。
なお、本明細書において「厚板」とは、鋼板など金属素材が板状に形成されたものであって、厚みが3.0mm以上のものである。
図2(b)に示すとおり、部品Pは、厚みD1(本実施形態では8.0mm)の鋼板材(以下、単に「厚板」、又は「ワークW」と記載して説明する場合がある)を加工して製造されている。また、図2(c)に示すとおり、完成品とされた部品Pのねじ孔Pbは、内径D3(本実施形態では10.8mm)とされている。
図2(a)に示すとおり、部品Pは、板状の部分とされた板状部Paに突出部Pcが形成されている。図2(b)に示すとおり、突出部Pcは、部品Pの表裏をなす面のうち一方の面に形成されている。
図2(c)に示すとおり、突出部Pcは、板状部Paから所定の高さD4(本実施形態では4.0mm)を備えている。突出部Pcの内周面には、ねじ孔Pbが形成されている。さらに、突出部Pcが形成された側とは反対側の面であって、ねじ孔Pbの開口縁となる部分には、面取り部分とされたC面Peが形成されている。
なお、以下の説明において、部品P又はワークWにおいて、C面Peが形成される側の面を、「上方面F1」と記載して説明する場合がある。また、上方面F1とは反対側の面(突出部Pcが形成される側の面)を、「下方面F2」又は「突出部形成面F2」と記載して説明する場合がある。
プレス装置10は、鋼板材などのワークW(成型材料)に対して、押出成形やせん断加工等のプレス加工を行うためのものである。
プレス装置10は、図示を省略したスライダ、シリンダ、ガイドポスト等の構成を有している。また、図1に示すとおり、プレス装置10は、パンチ13、下型20、及び押さえ部材12を備えている。プレス装置10には、パンチ13として、第一パンチ30(第一のパンチ)及び第二パンチ40(第二のパンチ)が設けられている。
なお、以下の説明において、第一パンチ30及び第二パンチ40を総称して、単に「パンチ13」と記載して説明する場合がある。また、パンチ13のストローク方向(押圧方向)を、単に「押圧方向X」と記載して説明する場合がある。
図1に示すとおり、下型20には、部品Pの突出部Pcを形成するためのエンボス成形部22が設けられている。エンボス成形部22は、下型20の凹状部分として形成されている。
図3(a)に示すとおり、エンボス成形部22の内径は、突出部Pcの外径D2の大きさに相当する大きさ(内径D2、本実施形態では16.0mm)とされている。また、エンボス成形部22は、突出部Pcの高さD4に相当する深さD4(本実施形態では4.0mm)を備えている。エンボス成形部22の開口縁(角部24)は、R加工されている。なお、以下の説明では、エンボス成形部22の内周面を「縦壁部25」と、底面となる部分を「底面部23」と記載して説明する場合がある。
第一パンチ30(第一のパンチ)は、予備押し工程を行うために設けられている。図3(a)に示すとおり、第一パンチ30には、ワークWを略直交するように押圧する座面32が形成されている。また、第一パンチ30には、面取り部分とされたC面形成部34が、座面32を取り囲むように設けられている。C面形成部34は、部品PのC面Peを形成するために設けられている。
第二パンチ40(第二のパンチ)は、押出成形工程を行うために設けられている。より具体的には、第二パンチ40は、ワークWをエンボス成形部22に押し込んで、ワークWに突出部Pcを形成するために設けられている。図4(a)に示すとおり、第二パンチ40は、ワークWの厚み(8.0mm)よりも大きい外径D6(本実施形態では9.8mm)とされている。
ここで、第一パンチ30及び第二パンチ40の径方向の大きさの関係について説明する。第一パンチ30の外径D5(本実施形態では14.0mm)は、第二パンチ40の外径D6(本実施形態では9.8mm)よりも大きいものとされている(D5>D6)。また、第一パンチ30の外径D5は、部品Pに形成されたC面Peの外径を含む大きさ(ねじ孔Pbの大きさ+面取り部(C面)の大きさ)であり、かつエンボス成形部22の内径D2(本実施形態は16.0mm)よりも小さい。より具体的に説明すると、部品Pの完成時の孔径(内径D3)を目標寸法として、これに対するタップ下孔やタップ加工の取代を考慮した大きさとして第二パンチ40の外径D6が設定されており、C面Peの形成を考慮した径として第一パンチ30の外径D5が設定されている。
そのため、第一パンチ30によりワークWを押圧して予備押しを行うと、エンボス成形部22の開口縁(角部24)に材料(ワークW)が引っ掛かるように曲げ癖が付いて角部24に材料が馴染む。すなわち、本加工(押出成形工程)の前に大径のパンチ(第一パンチ30)を用いて一度材料に塑性流動を発生させる(予備押し)ことができる。これにより、後に行われる押出成形工程において、予備押しを行わない場合と比較して、多くの体積の材料をエンボス成形部22に押し出すことができる。
続いて、プレス装置10を用いて行う予備押し工程、及び押出成形工程について説明する。
<予備押し工程>
予備押し工程では、タップ加工時に必要となるワークWのC面Peの形成を事前に行い、その際のパンチ(第一パンチ30)の径を大径化することで、材料(ワークW)の下型20への馴染みきっかけを生成する。
予備押し工程では、プレス装置10の加工位置に配置され、押さえ部材12に保持されたワークWを、第一パンチ30により所定量押圧することにより行われる。具体的には、図3(a)、及び図3(b)に示すとおり、下型20と押さえ部材12との間に挟持されて位置決めされたワークWに対して、第一パンチ30を所定距離分(ワークWにC面Peが形成される程度のストローク量)ストロークさせて押し付ける。
これにより、ワークWにC面Peとなる部分が形成されるとともに(図4(a)参照)、ワークWの下方面F2(突出部形成面F2)が角部24と馴染むように押圧される(図6(a)参照)。すなわち、ワークWの上方面F1を面積の大きい(エンボス成形部22の開口領域の面積に近い大きさの面積)を備える第一パンチ30の座面32で押圧することにより、ワークWの下方面F2が角部24と効率的に接触して、ワークWに塑性流動性を発生させることができる。
<押出成形工程>
予備押し工程の後、押出成形工程が行われる。図4(b)に示すとおり、押出成形工程では、第二パンチ40を下方にストロークさせて、ワークWをエンボス成形部22の形状に沿うように押出成形する。上述のとおり、予備押し工程において、ワークWは角部24と馴染んだ状態となっているため(図6(a)参照)、押出成形工程においてワークWの押出加工を行うと、エンボス成形部22の隅部26に向けて効率的に材料が流動する(図6(b)参照)。その結果、角部24近傍に材料が充填されないといった問題や、縦壁部25に十分に材料が押し込まれないといった問題の発生を抑制することができる。
図5(a)に示すとおり、押出成形工程により、ワークW(厚板)には突出部Pcが形成されるとともに、突出部Pcの内側には穴部Pfが形成される。押出成形工程の後、ワークWのタップ加工が行われる。具体的には、マシニングセンタなどの工作機械を用いて穴部Pfを貫通させ、その後タップ加工によりねじ孔Pbを形成する加工が行われる。これらの工程を経て、図5(b)に示すとおり、突出部Pcの内周面に内径D3のねじ孔Pbが形成される。
このように、本発明の部品の製造方法によれば、予備押し工程により材料の下型20への馴染みきっかけを生成した材料(ワークW)を、本来狙ったパンチ径(第二パンチ40の外径)にて二次加工(押出加工)する事で、適切な下型馴染みを獲る事ができる。また、本発明の部品の製造方法によれば、押出成形時のストローク量や加工圧を減少させる事ができる。
このように、本発明の部品の製造方法によれば、小径の第二パンチ40であっても多くの体積の材料をエンボス成形部22に押し出して突出部Pcの形状を安定させ、タップ下孔の形成時(穴部Pfを貫通させる際)やタップ加工時の取代を確保し、部品Pの品質を安定させることができる。
また、本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部22に材料を押し出すために何度も押出成形工程を行うことなく、予備押し工程と一度の押出成形工程により、材料の加工を行うことができ、工程数をさほど増加させることを要さない。
上述の工程を経て、図2に示すような部品Pが製造される。このように、本発明の製造方法によれば、厚板の表面を切削して突出部を削り出すなどの加工を行うことなく、プレス加工によりねじ孔Pbの突出部Pc(立ち上がり部)を形成することができる。また、C面Peを形成する工程を予備押し工程として、ワークWを押出成形工程において効率的に加工することができる。その結果、過剰に多くの工程を要さず、効率的に部品Pの突出部Pcを形成することができる。さらに、突出部Pcの根元の部分(首元Pd)や先端部分に材料が十分に充填されず、部品Pの強度が低下する等の問題発生を抑制することができる。
<変形例>
次いで、本発明の変形例について説明する。本発明の部品の製造方法では、下型20に換えて、以下に説明する下型50を用いることができる。
図7(a)に示すとおり、下型50には、突出部Pcを形成するための凹状の部分とされたエンボス成形部52が設けられている。また、エンボス成形部52の底面部53にはパンチ13に向けて盛り上がるように形成された段差部60(膨出部)が設けられている。
図7(a)に示すとおり、段差部60は、エンボス成形部52の底面部53の略中央に設けられており、平面視において略円形の上方面62が形成されている。なお、図7(b)に示すとおり、段差部60の高さD7は、エンボス成形部52の深さD4(突出部Pcの高さに相当)に対して、半分以下の距離(本変形例では深さD4の半分の2.0mm)とされている。
また、図7(b)に示すとおり、段差部60の上方面62と底面部53との間には、底面部53に向けて傾斜する面として傾斜部64が設けられている。傾斜部64の傾斜角度θは、パンチ13の軸線Lに対して角度をなしている。本変形例では、傾斜部64の傾斜角度θ(パンチ13の軸線Lに対する角度)は、概ね45度とされている。
下型50を用いて押出成形を行うと、第二パンチ40の押込みによる材料流動に加え、下型50に形成された段差部60の形状により、材料の流動を促すことができる。その結果、より効率的に突出部Pcの増肉を実現することができる。
図8(a)及び図8(b)に示すとおり、ワークWが第二パンチ40により下型50に押し付けられると、第二パンチ40の座面42と段差部60の上方面62との間に挟まれた材料が、傾斜部64に沿ってエンボス成形部52の隅部56に向かって(エンボス成形部52の径方向外側に向かって)押し込まれる。これにより、エンボス成形部52の角部54や縦壁部55、隅部56などに向けて材料が充填され、部品Pの突出部Pcの肉厚の偏りを低減することができる。
上述のとおり、従来では厚板を押込み加工(エンボス出し)にて成形する場合、厚板とパンチ径の関係により必要な形状まで押し出すことが困難であったところ、本発明の製造方法によれば、過度な工程の増加を要さず、厚板を必要な形状まで押し出すことができる。
その結果、本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部22の周部に向けて、材料を効率的に流動させて部品の突出部を成形し、突出部の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
本発明は、厚板をプレス装置により押出成形して部品を製造する方法として、好適に採用することができる。
10 プレス装置
13 パンチ
20 下型
22 エンボス成形部
23 底面部
24 角部
30 第一パンチ(第一のパンチ)
40 第二パンチ(第二のパンチ)
50 下型
52 エンボス成形部
53 底面部
D5 外径
D6 外径
P 部品
Pc 突出部
W ワーク(厚板)

Claims (1)

  1. 下型とパンチとを有するプレス装置を用いた押込成形により、厚板に突出部が形成された部品の製造方法であって、
    前記厚板を第一のパンチにより予備押しする予備押し工程と、
    前記予備押し工程の後に、前記厚板を第二のパンチにより押し出して前記突出部を形成する押出成形工程とを含み、前記第一のパンチの外径が、前記第二のパンチの外径よりも大きいことを特徴とする部品の製造方法。
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