図1に示すように、本開示のパチンコ遊技機10(以下、「遊技機10」という)は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技領域R1(図2参照)が視認可能になっている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿10Dと下皿10Eが上下2段にして設けられ、下皿10Eの右側には、発射ハンドル10Fが備えられている。そして、発射ハンドル10Fが回動操作されると、上皿10Dに収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。また、この発射ハンドル10Fの回転量が大きくなるほど、遊技球の発射強度が大きくなる。
図2には、遊技領域R1を前面に備えた遊技板11が示されている。遊技板11は、全体が略四角形をなす板状の板本体11Aの前面に、遊技領域R1を囲む包囲部材11Bを固定してなる。包囲部材11Bは、板本体11Aの外縁に沿った枠状をなし、第1及び第2のガイドレール12A,12Bと、包囲部材11Bの下辺及び右辺の内側面により構成される区画レール11Cと、により遊技領域R1を囲んでいる。具体的には、第1及び第2のガイドレール12A,12Bは帯板状をなして、その帯幅方向を遊技板11の前後方向に向けた状態で板本体11Aの前面に配されている。第1ガイドレール12Aは、遊技板11の外縁部における下辺の左端部寄り位置と、左辺の中央位置と、上辺の中央位置と、右上角部近傍の右辺寄り位置と、を繋げる円弧状をなして延びている。また、第2ガイドレール12Bは、遊技板11の外縁部の下辺の第1ガイドレール12Aより内側に遊技球3〜4球分ずれた位置から遊技板11の左上角部近傍で第1ガイドレール12Aより内側に遊技球1つ分ずれた位置まで、第1ガイドレール12Aに沿った円弧状をなして延びている。この第2ガイドレール12Bの上端と第1ガイドレール12Aとの間が、遊技領域R1に遊技球が進入する進入口11Kとなっている。なお、進入口11Kには、樹脂製の球戻り規制部材12Kが配されている。また、第1ガイドレール12Aは金属製である一方、第2ガイドレール12Bは樹脂製である。
区画レール11Cは、遊技板11の外縁部の下辺と右辺とに沿って延びて、その下辺に沿った部分の先端が第2ガイドレール12Bの始端部に接合される一方、右辺に沿った部分の上端が第1ガイドレール12Aの終端部近傍に配されている。詳細には、区画レール11Cは、第2ガイドレール12Bの始端部側の端部と、その端部と左右対称の位置と、の間を、遊技板11の左右方向の中央が最下部となるように円弧状に延びた下辺円弧面11C1を有している。また、下辺円弧面11C1の右上端部からは、下辺傾斜面11C2が、下辺円弧面11C1に対して外側に折れ曲がり、右上がりに僅かに傾斜した直線状に延びている。その下辺傾斜面11C2は、遊技板11の右下角部近傍で上方に向かうように湾曲してから右辺区画内側面11C3となって上方に延びている。右辺区画内側面11C3は、僅かに右方へ寄りながら上方へ直線状に延びたのち、僅かに右方へ膨出しながら上方に向かい、途中で、左方へ湾曲したのち上方へ折れ曲がり、第1ガイドレール12Aの終端寄り位置まで延びている。なお、第1ガイドレール12Aの終端と、右辺区画内側面11C3の上端との間には、板本体11Aと包囲部材11Bとの間に固定されたゴム製の緩衝部材11Gが取り付けられている。
図2に示すように、遊技領域R1のほぼ中央部には、メイン表示装置13が設けられ、メイン表示装置13の左下隅部の前方にはサブ表示装置19が設けられている。メイン表示装置13の下方には、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bを有する始動入賞装置14、第1大入賞口15A及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。遊技領域R1のうちメイン表示装置13の右方には、第2大入賞口15Bが配され、始動入賞装置14及び第1大入賞口15Aの右方には、複数の一般入賞口20が区画レール11Cに沿って設けられている。遊技領域R1を流下する遊技球が途中で上記した各入賞口14A,14B,15A,15B,20に入球すると、賞球として所定数の遊技球が上皿10Dに払い出される。また、各入賞口14A,14B,15A,15B,20の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口16から遊技板11の裏側へ取り込まれる。
一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球1球分の幅で上方に開放している。
図3に示すように、始動入賞装置14は、遊技板11(板本体11A)の前面に重なる取付板14Tと、取付板14Tとの間に遊技球1球が通過可能な隙間を有して前方に位置する装置カバー14Zと、を有する。始動入賞装置14は、上端に、遊技球が1球ずつ入球可能な入球口14Nを備えるとともに、下端部に第1始動入賞口14Aと第2始動入賞口14Bとを左右横並びにして備えている。第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、取付板14Tに形成され、前方に開口していて、装置カバー14Zには、遊技球を第1及び第2の始動入賞口14A,14Bに誘導する傾斜突部14Kが形成されている。なお、第1始動入賞口14Aと第2始動入賞口14Bとの間、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bの両側方の、計3箇所に、始動入賞装置14に入球したものの、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bに入球しなかった遊技球を遊技板11の裏側へ取り込むためのアウト口16が設けられている。
入球口14Nの直下には、振分部材18が配されている。振分部材18は、遊技板11の前面に対して垂直な回動軸18Jから三方に延びた規制部18Kを有し、回動軸18Jを中心にして、第1案内位置(図3(A)に示す状態)と第2案内位置(図3(B)に示す状態)との間で傾動可能となっている。そして、振分部材18は、遊技球の自重によって第1案内位置と第2案内位置とに切り替わり、入球口14Nから始動入賞装置14に入球した遊技球を第1始動入賞口14Aと第2始動入賞口14Bとに向けて自動的に振り分ける。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、賞球が払い出されると共に、特別図柄の当否判定が行われ、その当否判定結果がメイン表示装置13(図2参照)にて表示される。具体的には、図2に示すように、メイン表示装置13には、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに表示されている。そして、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、これら特別図柄13A,13B,13Cが変動表示後に停止表示され、その組合せによって当否判定結果が報知される。例えば、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ゾロ目になった場合(図1に示す状態)は、当否判定結果が当りであることを示し、ゾロ目以外の場合は、当否判定結果が外れであることを示す。そして、当否判定結果が当りとなると、「大当り遊技」が実行される。
なお、メイン表示装置13にて特別図柄13A,13B,13Cが変動表示している最中又は「大当り遊技」の最中に各始動入賞口14A,14Bに入賞した遊技球の数は、所定の限度数まで累積カウント(保留)され、特別図柄13A,13B,13Cが外れの図柄組み合わせで停止表示又は「大当り遊技」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始される。累積カウント数(保留数)は、サブ表示装置19に設けられた保留数用LED19Aの点灯パターンによって遊技者に報知される。また、サブ表示装置19には、保留数用LED19A等と共に結果報知用LED19Bが設けられ、この結果報知用LED19Bは、メイン表示装置13で表示される特別図柄13A,13B,13Cと連動して変動表示及び停止表示される。
第1大入賞口15Aは、遊技板11の前面に開放して横長形状をなしており、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。また、第2大入賞口15Bは、上方に開放し、常にはシャッター板15Sにて閉塞されている。そして、上述した「大当り遊技」が開始されると、第1大入賞口15Aと第2大入賞口15Bとの一方が開放し、遊技球が入賞可能になる。なお、第2大入賞口15Bに入賞した遊技球は、その内部で通常口とV確定口との一方を通過するように構成され、V確定口を通過すると、大当り遊技後の遊技状態が、特別図柄の当否判定における当り確率が高い「確変遊技」に移行する。
さて、上述したメイン表示装置13は、遊技板11(板本体11A)に貫通形成された異形の表示開口11Wを通して視認可能となるように遊技板11の裏面側に取り付けられている。そして、遊技板11の表示開口11Wには、表示装飾枠23が前側から嵌め込まれている。表示装飾枠23は、表示開口11Wの開口縁に沿った枠状をなし、遊技板11(板本体11A)の前面から突出してメイン表示装置13の前方を遊技球が流下することを禁止する流下規制突枠24と、流下規制突枠24の外縁から側方に張り出し、遊技板11(板本体11A)の前面に重なる張出壁23Hと、を有している。この流下規制突枠24により、遊技領域R1には、流下規制突枠24の側方に、遊技球が流下可能な左側流下領域Raと右側流下領域Rbとが設けられるとともに、流下規制突枠24の上下に、遊技球が進入口11Kから右側流下領域Rbに向かう際に通過する上部連絡通路Rcと、遊技球が流下可能な下部流下領域Rdと、が設けられている。以下、詳細を説明する。
図4及び図5に示すように、表示装飾枠23の流下規制突枠24の上辺部25は、第1ガイドレール12Aに対して遊技球1〜1.5球分の間隔を開けて対向する架空の円弧C1(図4中の点線)上を、進入口11Kから遊技球2〜3球分離れた起点位置24Aから右上方向に延びる円弧部25Aと、円弧C1における起点位置24Aと頂上部との中央部に配される屈曲点24Bで下方へ屈曲して垂下する段差部25Bと、段差部25Bの下端から右下がりに傾斜して右方へ延びる傾斜部25Cと、を有している。
図2及び図5に示すように、流下規制突枠24の左辺部26は、起点位置24Aから遊技球3〜4球分垂下し、そこから第2ガイドレール12Bに沿って遊技領域R1の下端部まで円弧状に伸びたのち、右方へ屈曲し、直線状に僅かに延びている。また、表示装飾枠23は、第2ガイドレール12Bに隣接し、流下規制突枠24の左辺部26と遊技球1球が通過可能な幅で対向する対向壁29Aと、流下規制突枠24の左辺部26の右側に隣接し、左辺部26に沿って延びる支持壁29Cと、対向壁29A及び支持壁29Cの前端同士を連絡し、ガラス窓10Wと平行な前面壁29Bと、からなる通路カバー部材29を有している。通路カバー部材29は、透明樹脂で構成され、通路(後述する下部誘導通路30)内を通過する遊技球が視認可能となっている。また、表示装飾枠23の左辺部において、張出壁23Hは、流下規制突枠24の左辺部26から、通路カバー部材29の対向壁29Aの外縁部まで張り出している。
流下規制突枠24の左辺部26の下端からは、左辺規制壁27が上方へ延びている。詳細には、左辺規制壁27は、流下規制突枠24の左辺部26の下端から上方へ屈曲し、僅かに右方へ膨らみながら上方へ延びたのち、左方へ膨らみながら延び、そこから鉛直上方へ直線状に延びている。また、左辺規制壁27の上端は、遊技板11の上下方向の中央より下方に位置している。
表示装飾枠23の下辺部の上端には、後述する球周回ステージ60と、球周回ステージ60に遊技球を案内するステージ案内路38とが配置される。球周回ステージ60は、遊技板11の左右方向の略中央に配され、その左端は、左辺規制壁27の真上に位置している。ステージ案内路38は樋状をなして球周回ステージ60から右方へ延びている。これら球周回ステージ60及びステージ案内路38と、左辺規制壁27と、が、流下規制突枠24の下辺部を構成している。
球周回ステージ60の下方で、左辺規制壁27より右側に位置する下部流下領域Rdには、上述した始動入賞装置14、第1大入賞口15A、複数の一般入賞口20、アウト口16が配され、複数の障害釘50が植設されている。
図2に示すように、左側流下領域Raは、進入口11Kと流下規制突枠24の起点位置24Aとの間から、流下規制突枠24の左辺部26に沿って遊技領域R1の下端部まで延び、流下規制突枠24の左辺部26と、通路カバー部29の対向壁29Aと、通路カバー部29の前面壁29Bと、張出壁23Hと、により囲まれた樋状の下部誘導通路30を有している。
左側流下領域Raを流下する遊技球は、下部誘導通路30を通過して、下部流下領域Rdに誘導され、下部流下領域Rdの下部に配置された区画レール11Cの下辺円弧面11C1に沿って最下部のアウト口16に案内される。
なお、前面壁29Bと、前面壁29Bに対向する張出壁23Hとには、それぞれ一定間隔に、横長の突条30A(図5参照。なお、図5には、張出壁23Hの突条30Aのみが示されている)が形成されている。これら突条30Aは、遊技機を前方から見た時に前面壁29Bの突条と張出壁23Hの突条30Aとが前後に重ならないように配置されている。また、下部誘導通路30の途中には、検知スイッチ30Sが設置されている。この検知スイッチ30Sが遊技球を検知すると、メイン表示装置13に「右打ちしてください」というメッセージが表示される。
上部連絡通路Rcは、表示装飾枠23の流下規制突枠24の上辺部25と第1ガイドレール12Aの間に形成され、第1ガイドレール12Aと架空の円弧C1との間に形成された円弧状に延びる上側誘導路28Uと、流下規制突枠24の上辺部25の傾斜部25Cに沿って右下がりに傾斜して延びる下側誘導路28Dとを有する。下側誘導路28Dは、流下規制突枠24の上辺部25の段差部25Bから右下がりに傾斜して遊技球1球が通過可能な幅の第1通路28D1と、第1通路28D1から遊技球1球分ほど下方に位置して右下がりに傾斜して延びる第2通路28D2と、第1通路28D1と第2通路28D2を連絡する中間通路28D3から構成される。
上部連絡通路Rcには、図4及び図5に示すように、表示装飾枠23に備えられ、遊技板11の前面に突出し、遊技球の流下を規制する第1ブロック31と第2ブロック32とが配される。この第1ブロック31及び第2ブロック32の上下に上側誘導路28Uと下側誘導路28Dが形成される。第1ブロック31は、段差部25Bから遊技球3〜5球分離れた位置から、傾斜部25Cに対向して右下がりに延び、右端部が下方に向かって湾曲した下辺31Dと、下辺31Dと略平行し右端部がやや右下がりに傾斜する上辺31Uと、上辺31Uの端部から下辺31Dの端部へ鉛直に延びる右辺31Rと、上辺31Uより左方向に長い下辺31Dに向かって丸みを帯びて延びる左辺31Lと、左辺31Lと下辺31Dとが交わる点から左方に向かって延びる誘導部31Aを有する。
第1ブロック31の右側には、遊技球約2球分の間隔を開けて、第2ブロック32が備えられる。第2ブロック32は、左端から直線状に右方へ延び、途中から湾曲して右下方に延びる下辺32Dと、第1ガイドレール12Aに対向し、右下がりに傾斜する上辺32Uと、丸みを帯びた形状で上辺32Uと下辺32Dとを連絡する右辺32Rと、下辺32Dの左端部から上方に向かって垂直に延び、途中から上辺32Uの端部まで円弧状に湾曲した左辺32Lを有する。
さて、進入口11Kから遊技領域R1に打ち込まれた遊技球は、左側流下領域Raに案内されるか、上部連絡通路Rcを通って右側流下領域Rbに案内されるか、どちらかに分かれる。進入口11Kから比較的勢いが弱めに打ち出され、屈曲点24Bより左側(即ち、進入口11Kが位置する側)に打ち出された遊技球は、円弧状の流下規制突枠24に沿って左方向へ案内され、左側流下領域Raへ進入する。左側流下領域Raへ進入した遊技球は、全て遊技領域R1の最下部のアウト口16に案内される。
これに対し、進入口11Kから打ち込まれた遊技球が、屈曲点24Bを超えると、ほとんどが右側流下領域Rbに案内される。具体的には、屈曲点24Bを超えてすぐに勢いがなくなった遊技球や、第1ブロック31の左辺31Lによって案内された遊技球は、下側誘導路28Dの第1通路28D1へと進入する。また、第1ブロック31の上辺で勢いがなくなった遊技球や、第2ブロック32の左辺32Lによって案内された遊技球は、第1ブロック31と第2ブロック32の間を通って下側誘導路28Dの第2通路28D2へと進入する。さらに、第2ブロックの上辺32Uで勢いがなくなった遊技球は、上辺32Uの傾斜に沿って案内される。これらの上部連絡通路Rcを通過した遊技球は、上部連絡通路Rcの右端で、下側誘導路28Dの終端部に位置する第1及び第2の右側領域進入口34A,34Bを通過して右側流下領域Rbへと案内される。詳細には、第1右側領域進入口34Aは、表示装飾枠23の流下規制突枠24の上辺部25に隣接し、第2右側領域進入口34Bは、区画壁34Cを挟んで第1右側領域進入口34Aの右隣に配されている。
上部連絡通路Rcに比較的強い勢いで打ち込まれた遊技球は、第1ガイドレール12Aに沿って上部連絡通路Rcの右端部まで案内される。図6に示すように、上部連絡通路Rcの右端部には弾性部材33が備えられている。弾性部材33は、ゴム製のブロック形状をなし、遊技板11の板本体11Aと支持部材33Sとの間に固定されている。支持部材33Sは板本体11Aにネジなどで着脱可能に固定される。これら弾性部材33及び支持部材33Sにより、弾性部材33の右側に配された緩衝部材11Gには遊技球が衝突しなくなる。また、弾性部材33は、板本体11Aと包囲部材11Bとの間に固定された緩衝部材11Gよりも交換が容易になる。
図7に示すように、流下規制突枠24の右辺部35は、上辺部25の右端部から左下方へ円弧を描いて延びたのち垂下し、右方へ屈曲した第1構成部35Aと、そこから鉛直下方へ延びた第2構成部35Bと、第2構成部35Bよりも右方へ段付き状に寄った位置で鉛直下方に、ステージ案内路38まで延びた第3構成部35Cと、を有する。この右辺部35と区画レール11Cとの間が右側流下領域Rbとなっている。
右側流下領域Rbには、第1右側領域進入口34Aの下方に、上面としての受け止め面40Aを有する流下規制ブロック40が設けられている。受け止め面40Aは、第1右側領域進入口34Aの左側端部の下方位置から右上がりに傾斜して延び、区画レール11Cより遊技球1球分左方の位置まで延びている。また、流下規制ブロック40は、受け止め面40Aの左端部から垂下した左側面40Bと、左側面40Bの下端から右下がりに延びた下面40Cと、受け止め面40Aの右端と下面40Cの右端との間を区画レール11Cに沿って左方へ僅かに陥没して連絡する右側面40Dと、を有し、左側面40Bと流下規制突枠24の右辺部35との間、及び、右側面40Dと区画レール11Cとの間には、それぞれ遊技球1球分の通路が設けられている。
同図に示すように、流下規制ブロック40の下方には、入賞用突部43が配されている。入賞用突部43は、左側面に右辺部35の第2構成部35Bを有し、この第2構成部35Bから右方へ延びている。また、入賞用突部43の右端は、流下規制ブロック40の右端よりも僅かに左方に配され、入賞用突部43と区画レール11Cとの間は、流下規制ブロック40の右側面40Dと区画レール11Cとの間の通路から連続し、遊技球が1球ずつ通過可能な通路となっている。また、上述した第2大入賞口15Bは、この入賞用突部43の途中部分に開口し、常にはシャッター板15Sで閉塞されている。
右側領域進入口34A,34Bから右側流下領域Rbへ進入した遊技球は、受け止め面40Aを右方へ転動し、流下規制ブロック40の右側面40Dと区画レール11Cとの間を流下する第1上部通路41と、受け止め面40Aを左方へ進み、左側面40Bと流下規制突枠24の右辺部35との間を流下した後、入賞用突部43及びシャッター板15S上を右方へ転動する第2上部通路42と、に振り分けられる。そして、入賞用突部43と区画レール11Cとの間から下方が、第1上部通路41と第2上部通路42とが合流する基幹通路44となっている。基幹通路44は、入賞用突部43の下方の右側下部領域45まで連続している。以下、詳細を説明する。
流下規制突枠24の右辺部35における第3構成部35Cの上端部には、入賞用突部43の右端寄り位置まで延びた延長突部46が設けられている。この延長突部46の下面及びその延長線と、ステージ案内路38の上面及びその延長線と、流下規制突枠24の右辺部35の第3構成部35Cと、区画レール11Cと、に囲まれた前方視四角形状の部分が、右側下部領域45となっていて、その右上隅部に、右側下部領域45に進入する遊技球が全て通過する通過口45Aが配されている。
右側下部領域45の下端部には、左右方向の中央に、ステージ案内路38の上流側端部を鉛直上方に屈曲させてなる鉛直部39が配され、その両側方に、左側通路47と右側通路48とが配されている。
また、右側下部領域45には、複数の障害釘50が配設されている。詳細には、図8に示すように、右側下部領域45には、ステージ案内路38における鉛直部39の左右の側壁39A,Bの上端から遊技球1球分未満上方に配された1対の区画釘50Aと、その1対の区画釘50Aの両側方に、上下に2つずつ並べられた通路下部構成釘50Bと、上側の各通路下部構成釘50Bの上方に3つずつ配された通路中間部構成釘50Cと、1対の区画釘50Aの中央の上方に配された第1上釘50Dと、第1上釘50Dより遊技球1球分上方の第2上釘50Eと、が配されている。区画釘50Aと下側の通路下部構成釘50Bとの間、及び、各区画釘50Aと第1上釘50Dとの間は、遊技球1球分の隙間が設けられている。また、3つの通路中間部構成釘50Cは、下方に向かうにつれて右側下部領域45の左右方向の中央部に近づくように、かつ、円弧を描くように並べられている。最上部の通路中間部構成釘50Cは、第3構成部35C又は区画レール11C寄り位置に配され、右側下部領域45に進入した遊技球が全て左右の通路中間部構成釘50Cの間及び左右の通路下部構成釘50Bの間を通過するようになっている。つまり、これら左右の通路中間部構成釘50Cの間及び左右の通路下部構成釘50Bの間が基幹通路44の一部となっている。また、最下部の通路中間部構成釘50Cは、上側の通路下部構成釘50Bよりも内側に配され、基幹通路44の中間部が窄んだ構成となっている。
これにより、基幹通路44を通過する遊技球は、右側下部領域45に進入し、左右の通路中間部構成釘50Cの間及び左右の通路下部構成釘50Bの間を、第1上釘50D及び第2上釘50Eにより左右に振り分けられ、1対の区画釘50A同士の間を通過してステージ案内路38の鉛直部39に入るか、左側の区画釘50Aと左側の通路下部構成釘50Bとの間を通過して左側通路47に入るか、右側の区画釘50Aと右側の通路下部構成釘50Bとの間を通過して右側通路48に入るか、に振り分けられる。ここで、ステージ案内路38を通過する遊技球は、必ず1対の区画釘50Aの間を通過するので、この1対の区画釘50Aの間が、ステージ案内路38の実質的な入口38Aとなっている。
図2に示すように、ステージ案内路38は、樋状をなし、鉛直部39から左方へ屈曲して左下がりに延び、流下規制突枠24の右辺部35の第3構成部35Cを超えたあたりで下方へ屈曲し、さらに左下がりに延び、球周回ステージ60に連絡している。そして、1対の区画釘50Aの間(入口38A)からステージ案内路38に進入した遊技球は、球周回ステージ60を通過して、始動入賞装置14の入球口14Nへ向けて排出される。一方、左側通路47及び右側通路48に振り分けられた遊技球は、下部流下領域Rdに進入し、複数の障害釘50に案内されて中央側へ向かう。ここで、本実施形態では、左側通路47及び右側通路48から下部流下領域Rdに進入した遊技球は、ほとんど始動入賞装置14の入球口14Nへ入球しないように構成されている。これらの遊技球は、一部が一般入賞口20や第1大入賞口15Aに入球し、残りは、最下部のアウト口16から遊技板の後側へ取り込まれる。なお、左側通路47の下端部は、ステージ案内路38との干渉を避けるために後方へ陥没している。
ところで、右側流下領域Rbの全体は、遊技板11の前面(又は張出壁23H)に前方から対向する前面カバー51により覆われている。前面カバー51は、透明樹脂で構成され、右側流下領域Rbを流下(通過)する遊技球が視認可能となっている。この前面カバー51には、右側下部領域45の障害釘50と干渉する位置に、貫通孔51Aが形成されている。貫通孔51Aには、区画釘50A、第1上釘50D、第2上釘50Eを1つずつ囲う貫通孔51Aと、通路中間部構成釘50Cを3つまとめて囲う貫通孔51Aと、通路下部構成釘50Bを2つまとめて囲う貫通孔51Aと、が存在する。また、複数の障害釘50の一部は、貫通孔51Aの内側面と一方向で当接している。
ここで、本実施形態では、図9に示すように、前面カバー51に、貫通孔51Aの開口縁から前方へ突出したリブ51Lが設けられている。リブ51Lの前端は、右側下部領域45の障害釘50の釘頭52の頂部と略面一になっていて、右側下部領域45の障害釘50の釘頭52は、この前面カバー51(リブ51L)から突出しないように構成されている。また、前面カバー51の後面は、障害釘50の釘頭52の底面と面一になっている。これにより、前面カバー51の厚み(リブ51Lを含んだ厚み)が障害釘50の釘頭52の厚みと略同じになっている。
また、同図に示すように、前面カバー51には、1対の区画釘50Aと、最下部の通路中間部構成釘50Cと、を結ぶ直線上に、障害釘50用の貫通孔51Aよりも小さい小孔51Bが形成されている。前方から見て、この小孔51Bと区画釘50Aとの間及び小孔51Bと最下部の通路中間部構成釘50Cとの間の距離はそれぞれ遊技球1球分未満となっている。
ステージ案内路38の通路出口38Bは、表示装飾枠23の下辺の右端で開放している。ステージ案内路38はパイプ状をなしており、この通路出口38Bは、球周回ステージ60に連絡している。
図11に示されるように、球周回ステージ60は、後述する排出中継部材70と共に、表示装飾枠23の下辺に配置されている。球周回ステージ60は、図10に示されるように、平面視が前後方向に対して左右方向が長くなった薄皿構造をなし、その上面の外周縁からは外周壁62が起立している。外周壁62は、少なくとも遊技球の1球以上の高さである。なお、球周回ステージ60は、図12に示される蓋体61により上方を閉塞されていて、球周回ステージ60に進入した遊技球が外周壁62を超えて転落することを防止している。
図10に示されるように、球周回ステージ60は、第1ステージ63とその外側に形成された第2ステージ64とから構成されている。第1ステージ63は平面視が真円形をなしており、第2ステージ64は平面視が楕円形をなしている。なお、第1ステージ63と第2ステージ64とは同心円上に配置されている。
図12に示されるように、第2ステージ64の上面64Jは、その外周縁(球周回ステージ60の外周壁62)から第1ステージ63の外周縁に向かって緩やかに下る平坦な傾斜面で構成されている。また、第1ステージ63の上面63Jは、中心に向かって緩やかに下る平坦な傾斜面63Kと、その傾斜面63Kと第2ステージ64の上面64Jとの間に挟まれた段差部63Dとで構成されている。そして、段差部63Dを挟んで、第1ステージ63の傾斜面63Kよりも第2ステージ64の上面64Jの方が上方になるように設けられている。なお、段差部63Dは、球面の一部で構成されている。
図10に示されるように、球周回ステージ60には、ステージ案内路38の通路出口38Bと接続する球放出樋部65が一体に設けられている。球放出樋部65は、第2ステージ64の短軸と外周壁62とが前方側で交わる位置から、右方向に向かって球周回ステージ60の長軸方向と略平行な接線方向に延びている。ここで、本発明の「球誘導路」は、ステージ案内路38と球放出樋部65とから構成されている。
球放出樋部65は、上面が開放した溝形構造をなしており、上面は、前述した蓋体61にて閉塞されている(図5参照)。また、図10に示されるように、球放出樋部65の両側壁65S1,65S2は、球周回ステージ60の外周壁62と連続している。詳細には、球周回ステージ60における前方側の外周壁62をそのまま直線状に延ばして球放出樋部65の一方の側壁65S1が構成されている。球放出樋部65における他方の側壁65S2は一方の側壁65S1と平行であり、球周回ステージ60の外周壁62と斜めに交差している。そして、ステージ案内路38を通った遊技球は、球放出樋部65、即ち、球周回ステージ60の前方右端位置から、球周回ステージ60の外周縁の接線方向に放出され、球周回ステージ60を平面視で時計回り方向に周回するようになっている。なお、球放出樋部65の幅は遊技球1.2球分以上1.5球分以下である。
球放出樋部65の底面66は、ステージ案内路38の通路出口38Bの底面と接続される第1傾斜面66Uと、第1傾斜面66Uの下流側に配置される第2傾斜面66Vと、からなる。
第1傾斜面66Uは、ステージ案内路38の通路出口38Bの底面と同様に、左方向に向かって下り傾斜している。但し、ステージ案内路38の通路出口38Bの底面よりも緩い角度で下り傾斜している(図11参照)。また、第1傾斜面66Uの底面の幅は、下流部分で、他方の側壁65S2から一方の側壁65S1に向かって近づくように徐々に細くなっている。
一方、第2傾斜面66Vは、球周回ステージ60の中心に向かって下り傾斜している。但し、傾斜角度は第2ステージ64の上面64Jよりも緩い角度で下り傾斜している。そのため、球周回ステージ60の短軸方向で第2傾斜面66Vは第2ステージ64の上面64Jよりも上方に配置される。これにより、第2傾斜面66Vと第2ステージ64の上面64Jの間には誘導段差壁67が形成されている。この誘導段差壁67は、球放出樋部65から放出された遊技球が第2ステージ64の上面64Jを時計回り方向に一周して再び球周回ステージ60の右端位置にきたときに、遊技球が第2傾斜面66Vに乗り上げるのを抑制し、第1ステージ63の上面63Jに案内する。なお、球周回ステージ60の長軸方向においても、第2傾斜面66Vと第2ステージ64の上面64Jとの間には段差が形成されている。
図10に示されるように、第1ステージ63の傾斜面63Kの中央には遊技球を下方に排出するためのステージ排出孔68が貫通形成されている。ステージ排出孔68の幅は、遊技球1.2球分以上1.5球分以下となっている。球放出樋部65から放出された遊技球は、第2ステージ64の上面64Jを周回し、第1ステージ63の上面63Jを周回した後、ステージ排出孔68に排出される。なお、ステージ排出孔68の開口縁と第1ステージ63の外周縁との幅は、遊技球約2個分となっており、第2ステージ64の外周縁と第1ステージ63の外周縁との幅において最も狭い幅である、第2ステージ64の短軸と重なる部分の幅は、遊技球約1個分となっている。
図12に示されるように、球周回ステージ60の下方には、前述の排出中継部材70が備えられている。そして、排出中継部材70の後方に配置される流下規制突枠24と排出中継部材70とから排出通路71が形成されて、その内部をステージ排出孔68から排出された遊技球が流下するようになっている。排出通路71の上端部は、ステージ排出孔68の開口縁に接続されて、上方に開口した取込口71Aとなっている。一方、排出通路71の下端部は、遊技板11の前方に配置されて、始動入賞装置14の入球口14Nから遊技球約1個分真上に離した位置で、下方に開口した排出口71Bとなっている。
また、図11に示されるように、球周回ステージ60及び排出中継部材70を備えた表示装飾枠23の下辺においては、流下規制突枠24から上述した張出壁23Hが下方に張り出している。詳細には、張出壁23Hは排出中継部材70の下方と両側方を囲うように張り出していて、これら張出壁23Hのうち排出口71Bの下方部分には、張出壁23Hの一部が入球口14Nに向かって突出した突片72が形成されている。突片72は、上下方向の長さが遊技球0.5球分程になっていて、この突片72の下端と、始動入賞装置14の入球口14Nとの間は、遊技球0.5球分程となっている。
さて、下部流下領域Rdには、図11に示されるように、複数の障害釘50が配置されている。複数の障害釘50のうち、排出口71Bと入球口14Nとの間における入球口14N寄り位置には、遊技球約1個分離して対向する1対の釘50Kが配置されている。これにより、排出口71Bから排出された遊技球が、入球口14Nに向かわずに側方へ落下する可能性が低減される。また、図12に示されるように、装置カバー14Zの上端部に備えられたカバー突部14Z1の後面側が、上端に向かうに従って前面側に近づくテーパー形状となっているので、ステージ排出孔68から排出された遊技球は入球口14Nに案内されやすくなっている。以上のことから、ステージ排出孔68から排出されたほとんどの遊技球は入球口14Nに入球する。
そして、始動入賞装置14の斜め右上近傍位置には、図11に示されるように、釘道50Mが並べられている。釘道50Mにより、右側流下領域Rbを流下した遊技球のうちステージ案内路38に案内されなかった遊技球は始動入賞装置14に入賞しないように構成されている。しかも、上述したように、左側流下領域Raを流下した遊技球は、表示装飾枠23により始動入賞装置14の入球口14Nに案内されることはない(図2参照)。以上のことから、ステージ案内路38を転動して排出口71Bから排出された遊技球以外は、入球口14Nに入球しない構成となっている。
また、取込口71Aの下方には、検出スイッチ74が配置されていて、取込口71Aを通過した遊技球はその下方で検出スイッチ74によって検出される。遊技球が検出されたときは、遊技者に対して、始動入賞口14A又は14Bにまもなく入賞する旨の報知をメイン表示装置13等で表示する。
なお、ステージ案内路38のうち通路出口38Bの手前にも検出スイッチ38Sが備えられていて(図11参照)、ステージ案内路38を通過した遊技球も検出スイッチ38Sによって検出される。この場合も、後で入賞する旨の報知を遊技者に対して行う。
ところで、図13に示すように、遊技板11の板本体11Aは、表示開口11Wや各種装置を取り付けるための貫通孔が形成された台板11A1の前面全体(表示開口11Wや貫通孔以外の部分)に装飾箔11A2を張り付けてなる。装飾箔11A2は、有色の装飾部80(図中のグレースケ―ル部分)と透明部81と、を一体に有している。図14には、始動入賞装置14近傍の装飾が示されている。同図に示すように、始動入賞装置14近傍には、前から見て「A」の字を象った装飾が施されており、排出口71Bと入球口14Nとの間のうち、上側は装飾部80となっていて、下側は透明部81となっている。そして、この装飾部80は、上述した突片72により前方から覆われている。なお、装飾部80と透明部81との境界部分は、装飾部80がまばらに配されたカスレ部82となっている。
本実施形態の遊技機10の構成は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。遊技機10では、遊技領域R1に打ち込まれた遊技球が各始動入賞口14A,14Bに入賞すると、特別図柄の当否判定が行われ、この当否判定で当りとなると、第1又は第2の大入賞口15A,15Bが開放する大当り遊技が行われる。この大当り遊技では、多くの遊技球が入賞可能となり、その入賞数に応じた賞球を獲得できる。
ここで、本実施形態の遊技機10では、進入口11Kから弱めに打ち出され、左側流下領域Raを流下した遊技球は、全て遊技領域R1の最下部のアウト口16に取り込まれる一方、進入口11Kから比較的強めに打ち出され、屈曲点24Bを超えた遊技球は、上部連絡通路Rcを通り、右側流下領域Rbに進入し、一部の遊技球は各入賞口14A,14B,15A,15B,20に入賞し、残りはアウト口16に取り込まれる。つまり、本実施形態では、各入賞口14A,14B,15A,15B,20が、右側流下領域Rbを通過した遊技球のみが入賞可能な構成になっているので、遊技球を右側流下領域Rbに流下させる右打ちのみで遊技を行うことが可能となり、左打ちと右打ちとの切替えが難しいと感じる遊技者(例えば、初心者や高齢者)にも、理解しやすい構成となっている。
また、左打ちを行うには、遊技球の発射強度が大きくなりすぎないように発射ハンドル10Fの回転量を調整する必要があったが、本実施形態では、常に発射ハンドル10Fを最大限回転させておけばよく、発射ハンドル10Fの回転量の調整が容易となる。さらに、遊技球を常に最大限の強度で発射させることにより、爽快感を感じさせることができる。
さらに、本実施形態では、流下規制突枠24の上辺部25に、左右方向の中央より左側(進入口11K側)に配された屈曲点24Bを超えて失速した遊技球を右側流下領域Rbへ案内する下側誘導路28D(傾斜部25C)が備えられているので、遊技球の発射強度が多少弱くても、右側流下領域Rbへ案内されることとなり、遊技球が右側流下領域Rbへ進入しやすくなっている。
また、上部連絡通路Rcは、第1ガイドレール12Aに沿って延びた上側誘導路28Uと、流下規制突枠24の傾斜部25C上の下側誘導路28Dと、を有しているので、遊技者によっては、発射ハンドル10Fの回転量を変更して、遊技球を上側誘導路28Uと下側誘導路28Dとに打ち分けて遊技球の流れの違いを楽しむこともできる。
そして、右側流下領域Rbに進入した遊技球は、第2大入賞口15Bに入賞するか、基幹通路44を通過して、ステージ案内路38か、その両側方の左側通路47及び右側通路48か、に振り分けられる。本実施形態の遊技機では、ステージ案内路38に進入した遊技球は、球周回ステージ60を通過して、ほとんどの遊技球が始動入賞装置14の入球口14Nに入球する一方、左側通路47及び右側通路48に進入した遊技球は、ほとんどの遊技球が始動入賞装置14の入球口14Nへ入球しないように構成されている。
ここで、本実施形態では、右側流下領域Rbのうち右側下部領域45には、複数の障害釘50が配され、これらの障害釘50により、基幹通路44やステージ案内路38の実質的な入口38Aが構成されたり、遊技球がステージ案内路38や左側通路47及び右側通路48に振り分けられている。このため、右側下部領域45においては、障害釘50の配置が重要となり、それらの配置が変化すると、ステージ案内路38へ進入する遊技球の割合が大きく変わってしまい、遊技が成り立たなくなる虞がある。
これに対し、本実施形態では、右側流下領域Rbが前面カバー51により前方から覆われているので、外側から障害釘50を動かしにくくなっている。また、前面カバー51には、障害釘50との干渉を避けるために貫通孔51Aが形成されているが、この貫通孔51Aの開口縁には前方へ突出したリブ51Lが設けられ、障害釘50の釘頭52が、前面カバー51(リブ51L)から突出しないように構成されているので、障害釘50をより動かしにくくなっている。しかも、障害釘50と貫通孔51Aの内面とが一方向で当接しているので、その方向への障害釘50の動きが規制される。
ところで、遊技機10の検査時に、例えば、球周回ステージ60での遊技球の挙動を確認するために、ステージ案内路38へ遊技球を進入させたいという状況が考えられる。このとき、本実施形態の遊技機10では、右側流下領域Rb全体が前面カバー51により覆われているため、ステージ案内路38の真上から遊技球を落下させることができず、第1又は第2の右側領域進入口34A,34Bから遊技球を右側流下領域Rbに流下させる必要がある。しかしながら、単に遊技球を右側流下領域Rbに流下させただけでは、ステージ案内路38ではなく、左側通路47や右側通路48に振り分けられる遊技球も発生するため、検査に時間がかかってしまうことが考えられる。
これに対し、本実施形態の遊技機10では、区画釘50Aと最下部の通路中間部構成釘50Cとを結ぶ直線上に小孔51Bが形成されているので、この小孔51Bに棒状の道具(図示せず)を挿入することで、左側通路47及び右側通路48が塞がれ、右側流下領域Rbを流下させた遊技球を、ステージ案内路38に進入させやすくすることができる。しかも、最下部の通路中間部構成釘50Cと小孔51Bと区画釘50Aとを結ぶ線分が傾斜しているので、遊技球がステージ案内路38へスムーズに案内される。
また、ステージ案内路38に進入した遊技球は、通路出口38Bから球放出樋部65に進入し、球周回ステージ60に放出される。そして、遊技球は、時計回り方向に平面視が楕円形の第2ステージ64の上面64Jを周回した後、平面視が真円形の第1ステージ63に進入して、第1ステージ63の上面63Jをさらに周回する。つまり、遊技球を真円形のクルーンに進入させる前にその周囲を楕円状に周回させて、遊技球を左右方向だけでなく前後方向にも大きく転動させることができる。ここで、楕円形のクルーンは、真円形のクルーンと比較して、遊技球があまり周回することなく、遊技球の滞在時間が短くなってしまうが、本実施形態のように、真円形のクルーンの周囲に楕円形のクルーンを配置することで、楕円形のクルーン上を転動する遊技球の動きを大きくして、滞在時間を長くすることができる。また、大きな動きによって遊技者の関心を引くこともできる。しかも、遊技球を楕円状に周回させてから真円状に周回させることで遊技球の動きが途中で変化させることができ、長時間に亘って、球周回ステージ内の遊技球の挙動に遊技者の関心を引きつけることができる。
そして、球放出樋部65の底面である第2傾斜面66Vと第2ステージ64の上面64Jの間には誘導段差壁67が形成されている。これにより、球放出樋部65から放出された遊技球が第2ステージ64の上面64Jを一周したあとで、誘導段差壁67によって遊技球が第2傾斜面66Vに乗り上げて、第2ステージ64上を再び周回することが抑制され、第1ステージ63の上面63Jに案内されやすくなっている。従って、球周回ステージ60上で遊技球が衝突したり周回方向がランダムになることを抑制し、球周回ステージ60上で遊技球を安定して周回させることができる。
また、球放出樋部65の底面である第1傾斜面66Uは、球周回ステージ60の長軸方向に下り傾斜しているので、ステージ案内路38から進入してきた遊技球を、球周回ステージ60の外周縁の接線方向に放出することができ、遊技球を外周壁62に沿って周回させやすくしている。
また、本実施形態の遊技機10では、球周回ステージ60に設けられたステージ排出孔68は1つであり、ステージ排出孔68に接続された排出通路71から排出されたほとんどの遊技球が始動入賞装置14の入球口14Nに入球する構成となっている。しかも球周回ステージ60に進入した遊技球以外は、入球口14Nに入球しない構成となっている。これにより、本実施形態のように、球周回ステージ60の入り口と出口に検出スイッチ38S、74を配置し、検出したときに遊技者に報知することで、遊技球が入賞口に入賞するまでの途中過程を知ることとなり、遊技者の気分を盛り上げることができる。
ところで、遊技板11の板本体11Aにおいて、遊技球が多く通る箇所に装飾部80が配されていると、遊技球の衝突により、装飾部80の一部が剥がれてしまうことが考えられる。特に、球周回ステージ60に接続された排出通路71の排出口71Bと始動入賞装置14の入球口14Nとの間は、ステージ案内路38に振り分けられた遊技球のほとんどが通過するため、装飾部80が剥がれやすいと考えられる。しかも、遊技者が注目しやすい部分でもあるため、装飾部80が剥がれてしまうと遊技者に気づかれやすく、興ざめさせてしまうことも考えられる。
これに対して、本実施形態では、排出通路71の後壁を構成する流下規制突枠24の張出壁23Hのうち、排出口71Bの下方部分に、入球口14Nに向かって突出した突片72が形成されていて、この突片72が、板本体11Aの前面のうち装飾部80が配されている部分に重なっているので、装飾部80が剥がれにくくすることができる。換言すれば、板本体11Aの前面に突片72が重ねられているので、遊技球が多く通る箇所であっても、装飾を施すことが可能となる。
しかも、突片72の下端と始動入賞装置14の入球口14Nとの間は、遊技球0.5球分程なので、板本体11Aのうち突片72の下方部分に遊技球が衝突しにくくなっている。さらに、その下方部分には、透明部81が配されているので、装飾部80の剥がれがより防がれる。また、装飾部80と透明部81との境界部分はカスレ部82となっているので、カスレ部82のうちの装飾部80が剥がれたとしても、その剥がれが目立ちにくくなる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、球周回ステージ60の球放出樋部65の第1傾斜面66Uが球周回ステージ60の長軸方向に下り傾斜している構成であったが、球周回ステージ60の長軸方向に下り傾斜し、かつ球周回ステージ60の外周壁62に向かって下り傾斜している構成であってもよい。この構成により、さらに遊技球を外周壁62に沿って周回させやすくする。
(2)上記実施形態では、球周回ステージ60の球放出樋部65は第2傾斜面66Vを備えていたが、備えていなくてもよい。
(3)上記実施形態では、球周回ステージ60の入り口と出口に検出スイッチ74、38Sを配置していたが、配置していなくてもよいし、どちらか一方だけ配置されていてもよい。
(4)左側流下領域Raに、一般入賞口20が配されていてもよい。また、左側流下領域Raに、始動入賞口や大入賞口が配されていてもよい。
(5)装飾箔11A2に透明部81が設けられていなくてもよい。つまり、台板11A1に有色の装飾部80のみ、又は、装飾部80とカスレ部82とが張り付けられた構成であってもよい。
(6)装飾部80は、印刷により施されてもよい。
(7)突片72は、始動入賞装置14から上方に突出した構成であってもよい。
(8)上記実施形態では、前面カバー51にリブ51Lが設けられ、このリブ51Lの前端が障害釘50の釘頭52と面一になっていたが、リブ51Lを設けずに、前面カバー51の前面が障害釘50の釘頭52と面一になる構成であってもよい。この場合、図15に示すように、貫通孔51Aの内周面における前側部分から内側に突出した前板部51A1が形成されていてもよい。この場合、前板部51A1を、前方から見て障害釘50の釘頭52の外縁部と重なるように設けることで、障害釘50の操作をより規制することができる。なお、この場合、同図に示すように、前面カバー51全体の厚みと障害釘50の釘頭52の厚みとが略同じであってもよいし、前板部のみの厚みと障害釘50の釘頭52の厚みとが略同じであってもよい。
(9)前面カバー51の厚みと障害釘50の釘頭52の厚みとは異なっていてもよい。
(10)障害釘50の釘頭52は、前面カバー51の前面よりも後方に配されてもよい。
(11)小孔51Bは、長孔であり、板状の工具を挿入可能な構成であってもよい。
(12)小孔51Bの配置は、区画釘50Aの斜め上でなくてもよい。例えば、区画釘50Aと下側の通路下部構成釘50Bとの間に配されていてもよいし、その下方に配されていてもよい。後者の場合であっても、数個の遊技球により左側通路47及び右側通路48の入口が塞がれ、その後はステージ案内路38に遊技球が入りやすくなる。
<付記>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群は、「前面に遊技球が流下する遊技領域を有する遊技板を備える遊技機」に関し、「特許文献A(特開2015−083039号公報(段落[0003]))には、遊技板に装飾が施されたものが知られている。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、装飾が剥がれるのを防ぐため、球通りが多い部分には装飾が施されていなかった。」という課題をもってなされたものである。
[特徴A1]
台板(板本体11A)の前面に有色の装飾を施してなる遊技板(遊技板11)の前面に、遊技球が流下する遊技領域(遊技領域R1)を備え、
前記遊技領域には、
遊技球が1球ずつ通過可能な樋状の通路(排出通路71)と、
前記遊技板の前面から突出し、前記通路の出口である通路出口(排出口71B)の真下に上方へ開放した入賞口(入球口14N)を有する入賞突部(始動入賞装置14)と、が配された遊技機において、
前記台板のうち前記通路出口と前記入賞口との間の少なくとも一部には、前記装飾としての特定装飾(装飾部80)が施され、
前記特定装飾の少なくとも一部に前方から重なり、その前面を、前記通路出口から排出されて前記入賞口へ向かう遊技球が通過する装飾カバー部(突片72)を有する遊技機。
[特徴A2]
前記装飾カバー部は、前記通路を構成する通路部材と前記入賞突部との一方に設けられている特徴A1に記載の遊技機。
[特徴A3]
前記装飾カバー部は、前記通路部材に設けられ、前記装飾カバー部の下端と、前記入賞口との間は、遊技球1球分未満である特徴A2に記載の遊技機。
[特徴A4]
前記装飾を含み、前記台板の前面全体に貼り付けられ、前記装飾以外の部分は透明部(透明部81)となった装飾シート(装飾箔11A2)を有し、
前記装飾シートのうち、前記装飾カバーの下端と前記入賞口との間には、前記透明部が配されている特徴A2又はA3に記載の遊技機。
以下の特徴B群は、「遊技球が流下する遊技板の前面から起立した遊技釘を備えた遊技機」に関し、「特許文献B(特開平7−303734号公報(図1,段落[0009]、[0011]、[0012]))には、遊技釘を保持する保持部材を備えて、複数の遊技釘の釘間隔を所定の距離に保つことができるものが知られている」という背景技術について、「特許文献Bの遊技機では、遊技板の前方から遊技釘をずらすことを困難にすることが求められている。」という課題をもってなされたものである。
[特徴B1]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面に備えた遊技板(遊技板11)と、
前記遊技板の前面から起立した遊技釘(障害釘50)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球又は通過したときに遊技者に利益を付与する入賞口(第1及び第2の始動入賞口14A,14B)と、
前記遊技釘で構成されて、遊技球を前記入賞口に案内する流路と遊技球を前記入賞口に案内しない流路とに振り分けるための振分部(右側下部領域45)と、を備えた遊技機において、
前記遊技領域のうち前記振分部が配された部分の少なくとも一部を前方から覆うと共に、前記遊技釘のうち前方に配置される頭部(釘頭52))が前記遊技板と平行な第1方向に移動するのを規制する規制部を有した釘カバー(前面カバー51)を備えて、
前記遊技釘の前記頭部の先端が、前後方向において前記釘カバーの前端と略同じ位置又は前記釘カバーの前端よりも後方に位置している遊技機。
[特徴B2]
前記規制部は、前記釘カバーを前後方向に貫通し、前記遊技釘の前記頭部の周囲を囲う貫通孔(貫通孔51A)で構成されている、特徴B1に記載の遊技機。
[特徴B3]
複数の前記遊技釘の前記頭部の周囲を1つの前記貫通孔により囲われている、特徴B2に記載の遊技機。
[特徴B4]
前記貫通孔の前端縁には、内方に向かって突出した前板部(リブ51L)が形成されて、前記前板部により前記頭部の前記第1方向への移動が規制されている、特徴B2又はB3に記載の遊技機。
[特徴B5]
前記前板部の厚みが、前記遊技釘の前記頭部の厚みと略同じである、特徴B4に記載の遊技機。
[特徴B6]
前記貫通孔の周縁部から、前方に向かって突出した筒部(前板部51A1)が形成されて、前記筒部の内側に前記頭部が収容されて前記頭部の前記第1方向への移動が規制されている、特徴B2又はB3に記載の遊技機。
[特徴B7]
前記遊技釘の前記頭部の少なくとも一部は、前記規制部と前記第1方向で当接している、特徴B1乃至B6のうち何れか1に記載の遊技機。
以下の特徴C群は、「遊技機」に関し、「特許文献C(特開2008−212494号公報(段落[0040]、第9図))には、所謂「クルーン」と呼ばれる球周回ステージを備えたものが知られている。この球周回ステージは、第1ステージとその上流側の第2ステージとを備え、遊技球は、第2ステージを転動した後、第1ステージに進入して周回するように構成されていた。」という背景技術について、「特許文献Cの遊技機では、第2ステージは遊技球が転動可能な幅が前後方向で小さく、遊技球の転動が単調となるため、第1ステージに進入するまでの遊技球の挙動に変化を持たせて、遊技者の関心を引くことが求められている。」という課題をもってなされたものである。
[特徴C1]
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域R1)に設けられて、その上面を周回するように遊技球が転動可能な球周回ステージ(球周回ステージ60)を備えた遊技機において、
前記球周回ステージは、平面視が真円形の第1ステージ(第1ステージ63)と、その外側に形成され、その上面が前記第1ステージの上面よりも上方になるように配置された平面視が楕円形の第2ステージ(第2ステージ64)と、から構成されると共に、それぞれ前記球周回ステージの中央に向かって下り傾斜し、
前記第1ステージには、中央を貫通して遊技球を下方に排出させるステージ排出孔(ステージ排出孔68)が備えられ、
前記第2ステージを周回した遊技球が、前記第1ステージを周回した後、前記排出孔に取り込まれる遊技機。
[特徴C2]
前記第1ステージと前記第2ステージとは、段差部(段差部63D)を挟んで前記第2ステージの上面(上面64J)が前記第1ステージの上面(上面63J)よりも上方になるように配置されている、特徴C1に記載の遊技機。
[特徴C3]
前記第1ステージに設けられた前記ステージ排出孔は1つであり、前記ステージ排出孔に取り込まれた遊技球が通過する排出通路の真下に遊技球が入球可能な入賞口(入球口14N)を備えている、特徴C1又はC2に記載の遊技機。
[特徴C4]
前記ステージ排出孔の幅は、遊技球1.2球分以上1.5球分以下である特徴C1乃至C3のうち何れか1に記載の遊技機。
[特徴C5]
前記第2ステージの長軸と略平行な方向に沿って延び、前記遊技領域を流下する遊技球を取り込んで、その取り込んだ遊技球を前記第2ステージの長軸と略平行な方向に送り出す球誘導路(ステージ案内路38と球放出樋部65とから構成)を備え、
前記球誘導路の底面は、前記第2ステージの上面との間に誘導段差壁(誘導段差壁67)を形成し、
前記球誘導路から前記第2ステージに向けて放出された遊技球は、前記第2ステージを周回した後、前記誘導段差壁により前記第1ステージに送り出される、特徴C1乃至C4のうち何れか1に記載の遊技機。
[特徴C6]
前記球誘導路の底面は、前記第2ステージの長軸方向に向かって下り傾斜し、かつ前記第2ステージに向かうに従って前記第2ステージの外周縁に近づくように先細りした第1傾斜面(第1傾斜面66U)と、前記第1傾斜面の下端部から前記誘導段差壁まで連続し、前記球周回ステージの中央に向かって下るように傾斜した第2傾斜面(第2傾斜面66V)とからなる、特徴C5に記載の遊技機
[特徴C7]
前記遊技領域に貫通形成された表示開口(表示開口11W)と、
前記表示開口の前面側開口縁に取り付けられ、前記遊技領域の前面側に突出し、前記表示開口の前方に遊技球が進入することを規制する流下規制突枠(流下規制突枠24)と、を備えて、
前記遊技領域には、前記流下規制突枠の側方に遊技球が流下可能な右側流下領域(右側流下領域Rb)と左側流下領域(左側流下領域Ra)とが設けられ、
前記流下規制突枠の下辺部における上面に前記球周回ステージが備えられて、
前記右側流下領域を流下した遊技球を受け入れて、前記球周回ステージに遊技球を案内するステージ案内路(ステージ案内路38)が備えられている、特徴C1乃至C6のうち何れか1に記載の遊技機。
以下の特徴D群は、「前面に遊技球が流下する遊技領域を有する遊技板を備える遊技機」に関し、「特許文献D(特開2017−023173号公報(段落[0045]、図9))には、遊技領域の一部を前方から覆う前面カバーを有するものが知られている。」という背景技術について、「特許文献Dの遊技機では、基幹経路から分岐する複数の分岐路の入口が前面カバーにて覆われている場合、検査時等に、一の分岐路に選択的に遊技球を進入させることが難しく、検査に時間がかかるという問題が起こり得る。という課題をもってなされたものである。
[特徴D1]
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域R1)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な基幹流路(基幹通路44)と、
前記基幹流路の下端部から分岐し、入口が互いに隣合う第1及び第2の分岐路(鉛直部39、左側通路47及び右側通路48)と、
少なくとも前記基幹流路の下端部と前記第1及び第2の分岐路の前記入口とを前方から覆う前面カバー(前面カバー51)と、を備える遊技機において、
前記前面カバーには、前記第2の分岐路の入口近傍に貫通孔(小孔51B)が形成されている遊技機。
[特徴D2]
前記貫通孔は、前記第1の分岐路と前記第2の分岐路とを区画する区画部の最上部に位置する最上区画部から前記第2の分岐路側に斜め上方にずれた位置に配されている特徴D1に記載の遊技機。
[特徴D3]
前記基幹流路を幅方向で挟む1対の基幹流路構成突部(左右の通路中間部構成釘50Cと左右の通路下部構成釘50B)と、
前記1対の基幹流路構成突部のうち、途中部分を幅方向で内側に窄ませてなる窄み部と、を備え、
前記第2の分岐路の前記入り口は、前記1対の基幹流路構成突部のうち少なくとも一方の前記基幹流路構成突部に隣接配置され、
前記一方の基幹流路構成突部の前記窄み部と、前記貫通孔と、前記最上区画部と、は、略同一直線上に配され、かつ、前記一方の基幹流路構成突部の前記窄み部と、前記貫通孔と、の間、及び、前記貫通孔と、前記最上区画部と、の間、がそれぞれ遊技球1球分未満である特徴D2に記載の遊技機。
[特徴D4]
前記最上区画部は遊技板から突出する障害釘(区画釘50A)により構成されている特徴D2又はD3に記載の遊技機。
[特徴D5]
前記前面カバーは、前記最上区画部を構成する前記障害釘の移動を規制する特徴D4に記載の遊技機。
[特徴D6]
前記遊技領域には、遊技球が入賞すると当否判定が行われる始動入賞口(第1及び第2の始動入賞口14A,14B)が設けられ、
前記第1の分岐路(鉛直部39)は、通過した遊技球が前記始動入賞口に入賞可能に構成され、
前記第2の分岐路(左側通路47、右側通路48)は、前記第1の分岐路よりも、通過した遊技球が前記始動入賞口に入賞しにくく構成されている特徴D1乃至D5の何れか1に記載の遊技機。
以下の特徴E群は、「右打ち専用の遊技機」に関し、「特許文献D(特開2018−158252号公報(段落[0065]))には、遊技状態に応じて左打ちと右打ちとを打ち分けるものが知られている。」という背景技術について、「特許文献Dの遊技機では、左打ちをするための発射ハンドルの回動の加減が難しかったり、遊技状態に合わせて左打ちと右打ちとを打ち分けることが複雑であったため、初心者や高齢者でも分かりやすく、操作が行いやすい遊技機が望まれている。」という課題をもってなされたものである。
[特徴E1]
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域R1)を前面に有した遊技板(遊技板11)と、
前記遊技領域に配され、前記遊技板の前面から突出して、遊技球の流下方向を規制する流下規制枠(流下規制突枠24)と、
前記遊技領域の左上縁部に設けられ、遊技球を前記遊技領域へ打ち込むための進入口(進入口11K)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入賞に起因して当否判定が行われる始動入賞口(第1及び第2の始動入賞口14A,14B)とを備えた遊技機において、
前記進入口から前記遊技領域に打ち込まれ、前記流下規制枠によって左右に分かれて流下する遊技球のうち、前記流下規制枠の右側の右側流下領域(右側流下領域Rb)を流下する遊技球のみが前記始動入賞口への入賞が可能であることを特徴とする遊技機。
[特徴E2]
前記流下規制枠には、前記遊技領域の上部で左右方向の中央より左側に位置する誘導点(屈曲点24B)から右下方に向かって傾斜する誘導部(傾斜部25C)が設けられている、特徴E1に記載の遊技機。
[特徴E3]
前記遊技板の前面から起立して、前記遊技領域を囲むガイドレール(第1ガイドレール12A)を備え、
前記遊技領域の上部で前記ガイドレールと前記流下規制枠との間に形成され、通過した遊技球を前記右側流下領域へ進入させる上部連絡通路(上部連絡通路Rc)は、前記ガイドレールに沿って延びる上側誘導路(上側誘導路28U)と、前記上側誘導路の下側に位置し、前記誘導部に沿って右下がりに傾斜する下側誘導路(下側誘導路28D)とを有することを特徴とする、特徴E2に記載に遊技機。
[特徴E4]
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入賞に起因して遊技者に特典が付与される前記始動入賞口を含む複数の入賞口と、
前記遊技領域に配され、前記複数の入賞口の何れにも入賞しなかった遊技球を取り込むアウト口(アウト口16)と、を備え、
前記遊技領域のうち前記流下規制枠の左側の左側流下領域(左側流下領域Ra)を流下する遊技球は、前記複数の入賞口の何れにも入賞することなく、前記アウト口へ案内されることを特徴とする、特徴E1からE3のうち何れか1に記載の遊技機。
[特徴E5]
前記左側流下領域は、遊技球1球が通過可能な幅で、前記進入口近傍から前記遊技領域の下端部まで延びていることを特徴とする、特徴E1からE4のうち何れか1に記載の遊技機。