以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図16にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。
前枠Y3は、中央部に窓口Y3aを有するとともに、該窓口Y3aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)Y4を一体成形した構成とされている。前枠Y3の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口Y3aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠Y2に装着される。
また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)Y5が装着されている。また、中枠Y2の前面側であって下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される遊技球発射用の発射装置Y6が装着されている。遊技者が発射装置Y6の発射ハンドルY6aを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドルY6aの回動量に応じて発射の強弱が設定される。具体的に言えば、遊技球は、発射ハンドルY6aの回動量が大きくなるにしたがって発射強度が増加し、遊技盤YBの右方領域に到達し易くなる。一方、遊技球は、発射ハンドルY6aの回動量が小さくなるにしたがって発射強度が減少し、遊技盤YBの左方領域に到達し易くなる。
次に、遊技盤YBの構成を、図2〜図4にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドルY6aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域YBaを形成する誘導レールYRが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レールYRによって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の発射レールとしての誘導路YRaが形成されるとともに、誘導レールYRの内側にほぼ円形の遊技領域YBaが形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レールYRの外側となる遊技領域YBa外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域YBbとされている。
なお、誘導路YRaの最下流には、遊技領域YBaに発射された遊技球が誘導路YRaに逆戻りすることを防止する逆戻り防止手段としての逆戻り防止弁YRbが設けられている。逆戻り防止弁YRbは、誘導路YRaの最下流に位置する誘導レールYRの先端に固定されている。そして、発射ハンドルY6aの操作によって発射された遊技球は、誘導路YRaによって誘導されるとともに、その誘導路YRaの最下流に位置する逆戻り防止弁YRbを通過することによって遊技領域YBaに到達する。つまり、遊技盤YBでは、誘導路YRaと遊技領域YBaの境界に逆戻り防止弁YRbが配置されており、この逆戻り防止弁YRbの配設部位が、発射された遊技球を遊技領域YBaに導入する導入部となる。なお、誘導路YRa、すなわち逆戻り防止弁YRbよりも下流側は、非遊技領域YBbとされる。
遊技盤YBの遊技領域YBaのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)HWが装着されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口HWaが形成されており、当該セット口HWaに整合して表示枠体HWには液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が装着されている。
また、表示枠体HWの左下方であって、左サイド飾り部材SKには、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12aが配設されている。また、表示枠体HWの右下方には、7セグメント型の第2特別図柄表示装置12bが配設されている。第1特別図柄表示装置12a、及び第2特別図柄表示装置12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bには、複数種類(本実施形態では、111種類)の特図の中から、当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。111種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、小当りを認識し得る図柄となる10種類の小当り図柄(小当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾図が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
演出表示装置11は、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。また、本実施形態では、特定列(本実施形態では中列)が予め定めた特殊図柄(図15(a)で符号「T」を付した図柄)となり、特定列以外の他の列が同一図柄となる図柄も、飾図による大当り図柄とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、原則、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、特図変動ゲームで小当り図柄(小当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11に確変示唆図柄(確変示唆表示結果)が確定停止表示される。また、特図変動ゲームで大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に確変示唆図柄(確変示唆表示結果)が確定停止表示される場合もある。なお、確変示唆図柄は、大当り抽選の抽選確率状態が低確率(通常確率)状態から高確率状態に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性があることを示唆する図柄である。本実施形態において、飾図による確変示唆図柄は、はずれの図柄組み合わせの中でも、特定の図柄組み合わせ([123]や[121]など)が該当する。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
第1特別図柄表示装置12aの下方には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム用の始動保留球(第1始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動手段(第1始動手段)としての第1始動入賞口16に遊技球が入球(入賞)することで「1」加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第1特図変動ゲーム中に第1始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第1保留記憶数は、実行保留中の第1特図変動ゲームの実行回数を示す。
第2特別図柄表示装置12bの下方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球(第2始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動手段(第2始動手段)としての第2始動入賞口17に遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第2特図変動ゲーム中に第2始動入賞口17へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第2保留記憶数は、実行保留中の第2特図変動ゲームの実行回数を示す。
また、第1特別図柄表示装置12aの左方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
普通図柄表示装置14の下方には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置15が配設されている。普通図柄保留表示装置15は、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤YBに配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中に作動ゲート19へ遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行保留中の普図ゲームの実行回数を示す。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。そして、特図変動ゲームを開始させる際、その時点における第1保留記憶数と第2保留記憶数が共に「1」以上である場合は、第2保留記憶数に基づく第2特図変動ゲームが優先して実行される。一方、特図変動ゲームの開始条件が成立した際、その時点における第1保留記憶数が「1」以上であって、第2保留記憶数が「0(零)」である場合は、第1保留記憶数に基づく第1特図変動ゲームが実行される。すなわち、第2特図変動ゲームは、後述する始動条件が成立すると、その時点において先に第1保留記憶数として記憶されている特図1の始動保留球が存在する場合であっても、その始動保留球よりも先に実行される(割り込み実行される)。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
また、表示枠体HWには、遊技球を転動可能なステージSTが、演出表示装置11の下方に位置するように表示枠体HWの左右方向に延設されている。また、表示枠体HWには、ステージSTの左方に接続される図示しないワープ路と、そのワープ路の入口となるワープ入球口Wが開口形成されている。
そして、遊技盤YBには、ステージSTのほぼ中央であって、ステージSTから排出される遊技球の排出口STaの直下に位置するように、遊技球の入球口としての第1入賞口16a(第1入球口)を有する第1始動入賞口16が配設されている。第1始動入賞口16の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図8に示す)が配設されている。第1始動入賞口16は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤YBには、第1始動入賞口16の直下に、遊技球の入球口としての第2入賞口17a(第2入球口)を有する始動条件用入賞手段としての第2始動入賞口17が配設されている。第2始動入賞口17は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図8に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根18を備えている。第2始動入賞口17は、開閉羽根18の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根18の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球し難い閉鎖状態(第2状態)とされる。すなわち、開閉羽根18は、第2始動入賞口17の第2入賞口17aを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、第2始動入賞口17の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図8に示す)が配設されている。第2始動入賞口17は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、表示枠体HWには、演出表示装置11の左方に、抽選条件用入賞手段としての作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW5(図8に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW5で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口17の開閉羽根18を開放状態とするか否か(第2始動入賞口17に遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根18の開放によって第2始動入賞口17に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、本実施形態の遊技盤YBには、第1の入賞手段としての左大入賞口20と、第2の入賞手段としての下大入賞口21とが、配設されている。左大入賞口20は、表示枠体HWの左方であって、作動ゲート19よりも演出表示装置11寄りに配設されている。左大入賞口20は、「龍」を模した可動装飾部材として構成されており、その上顎部が、大入賞口ソレノイドSOL2(図8に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉20aとされている。そして、図2の拡大図に示すように、左大入賞口20は、「龍」が開口するイメージで上顎部(大入賞口扉20a)が開動作すると、遊技球の入球口20bが開放し、遊技球の入球が許容される。また、左大入賞口20の裏側には、入球口20bに入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に通出させる通出路20dが配設されている。この通出路20dは、上顎部が開動作した際に、丁度、「龍」の口内に位置するように配置されている。このため、左大入賞口20の開動作時に入球した遊技球が通出路20dを通過すると、その遊技球によって「龍」が玉をくわえているかのように視認し得る。また、左大入賞口20は、その上顎部(大入賞口扉20a)の一部が、演出表示装置11(画像表示部GH)の前面に重合するように配設されている。
一方、下大入賞口21は、第2始動入賞口17の下方に配設されている。下大入賞口21は、正面視横長矩形状に形成されており、大入賞口ソレノイドSOL3(図8に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21aを備えている。下大入賞口21は、大入賞口扉21aが開動作すると、図示しない遊技球の入球口が開放され、遊技球の入球が許容される。
左大入賞口20と下大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3,SW4(図8に示す)がそれぞれ配設されている。左大入賞口20と下大入賞口21は、入球した遊技球をカウントスイッチSW3,SW4で検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。左大入賞口20と下大入賞口21は、当り遊技中に大入賞口扉20a,21aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、第2特別図柄表示装置12bの下方には、今回付与される大当り遊技の規定ラウンド数、すなわち今回の大当り遊技で行われるラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド報知装置RHが設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図5に示すように、規定ラウンド数を「16回」又は「9回」に設定した大当り遊技が付与される。そして、ラウンド報知装置RHには、規定ラウンド数を「16回」に設定した大当り遊技が付与されること、又は規定ラウンド数を「9回」に設定した大当り遊技が付与されることを報知する報知部が設けられている。また、本実施形態にラウンド報知装置RHには、小当り遊技が付与されることを報知する報知部も設けられている。これらの報知部は、LEDによって構成されており、大当り又は小当りの当選によって当り遊技の開始とともに該当する報知部が点灯される。
また、遊技盤YBの最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出する排出手段としてのアウト口22が配設されている。また、遊技盤YBには、遊技領域YBaに発射された遊技球を流下案内するとともに、その遊技球の流下方向を変更させる流下方向変更手段としての遊技釘23や風車24が植設されている。そして、遊技釘23や風車24は、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、作動ゲート19、左大入賞口20、下大入賞口21などの各種の入球装置、ワープ入球口W、アウト口22に遊技球を流下案内するように植設されている。なお、前述した各種の入球装置、ワープ入球口W、ステージST、遊技盤YBに配設された各種のランプ部材も、流下方向変更手段となる。
以下、図3及び図4を用いて、左大入賞口20と下大入賞口21の配置についてさらに詳しく説明する。
図3は、遊技盤YBを正面視において上下左右に各2等分することにより、遊技領域YBaを、左上領域V1と、左下領域V2と、右上領域V3と、右下領域V4の4つの領域に区画した図である。なお、遊技盤YBを正面視した場合、左上領域V1と左下領域V2が左方領域となり、右上領域V3と右下領域V4が右方領域となる。そして、本実施形態において、左大入賞口20は左上領域V1に配置されている。このように左上領域V1に配置した左大入賞口20には、遊技者から見て遊技領域YBaの左方領域を流下する遊技球が入球可能とされる。つまり、遊技領域YBaに発射された遊技球のうち、右上領域V3を流下する遊技球は、左大入賞口20へ入球不能とされる。なお、右打ちで狙わす大入賞口を備えるパチンコ遊技機10の場合、その大入賞口は、右上領域V3又は右下領域V4に配設されている。すなわち、右打ちで狙わす大入賞口は、遊技領域YBaの左方領域を流下する遊技球が入球不能となっている。
一方、下大入賞口21は、左下領域V2と右下領域V4を跨いで配置されている。このように配置した下大入賞口21には、遊技領域YBaの左方領域を流下する遊技球が入球可能とされる。なお、本実施形態の遊技盤YBは、右上領域V3を遊技球が流下し難い構成となっていることから、下大入賞口21へ入球する遊技球の大半は左方領域を流下する遊技球となる。
図4は、表示枠体HWの上部に配設されている左右振分部材25を中心に、正面視において左右に2分することにより、遊技盤YBを、左領域VLと右領域VRの2つの領域に区画した図である。このように区画した場合であっても、本実施形態の左大入賞口20は、左方領域に配設されている。なお、左右振分部材25は、表示枠体HWの上部(頭頂部)の突起や、表示枠体HWの上部に植設された遊技釘によって構成される。そして、左右振分部材25は、遊技盤YBの正面視において左右中央位置に配設されている場合や、その左右中央位置から左方向又は右方向へずれて配置されている場合がある。本実施形態の遊技盤YBでは、表示枠体HWの上部が左右振分部材25に相当するとともに、右方領域への遊技球の流下をし難くしており、前記上部への接触によって遊技球を左方領域に振分けし易くなっている。
本実施形態の遊技盤YBには、逆戻り防止弁YRbを遊技球の流下経路の上流側とした時、その上流側から作動ゲート19、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17及びアウト口22の順に配設されている。また、本実施形態の遊技盤YBには、逆戻り防止弁YRbと下大入賞口21との間、より詳しく言えば、作動ゲート19と第2始動入賞口17(第1始動入賞口16)の間に左大入賞口20が配設されている一方で、第2始動入賞口17とアウト口22の間に下大入賞口21が配設されている。すなわち、本実施形態の遊技盤YBでは、左大入賞口20が、下大入賞口21に比して、逆戻り防止弁YRbの配設部位(遊技球が非遊技領域YBbから遊技領域YBaへ移動するための入口部に相当する)の近くに配設されている。
そして、本実施形態の遊技盤YBの構成では、逆戻り防止弁YRbを通過して遊技領域YBaに到達した遊技球が、アウト口22を遊技球の流下経路における最下流として流下する。このとき、遊技球は、遊技盤YBに配設された流下方向変更手段によって流下方向を変更されながら流下する。そして、本実施形態の遊技盤YBでは、逆戻り防止弁YRbから左大入賞口20に至る流下経路と、左大入賞口20の配設位置から下大入賞口21に至る流下経路のそれぞれに配設されている流下方向変更手段の配設量を比べると、逆戻り防止弁YRbから左大入賞口20に至る流下経路の方がその配設量は少ない。つまり、逆戻り防止弁YRbから左大入賞口20に至る流下経路には、遊技球が流下するにあたって障害物となり得る流下方向変更手段の配設量が少なくなっている。したがって、本実施形態の遊技盤YBでは、左大入賞口20の方が下大入賞口21に比べて、逆戻り防止弁YRbを通過した遊技球の到達時間が早くなる。そして、この到達時間の差は、左大入賞口20の開閉動作による当り遊技に必要な時間(開始から終了までの時間)と、下大入賞口21の開閉動作による当り遊技に必要な時間の差に現れることになる。すなわち、本実施形態では、当り遊技を同一条件(ラウンド遊技の回数やラウンド遊技の終了条件)とした場合、左大入賞口20の開閉動作による当り遊技の方が、下大入賞口21の開閉動作による当り遊技よりも消化時間が短くなる(又は短くなる可能性が高い)。また、左大入賞口20は、下大入賞口21に比べて流下経路の長さや到達時間が短いことから、発射された遊技球が大入賞口へ入球しない無駄球の発生が少なく、その結果、獲得可能な賞球数が多くなり易い。その逆に、下大入賞口21は、左大入賞口20に比べて獲得可能な賞球数が少なくなり易い。なお、獲得可能な賞球数とは、大入賞口への入球個数に払出数を乗算した総払出数から遊技球の発射個数を減算した数である。
また、本実施形態の遊技盤YBでは、遊技者から見て遊技領域YBaの左方領域を流下する遊技球が入球可能に左大入賞口20と下大入賞口21が配設されている。そして、左大入賞口20と下大入賞口21は、何れも逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも下方に配設されている。このため、本実施形態では、何れの大入賞口も左方領域を流下する遊技球が入球可能に配設されていることによって、当り遊技中と非当り遊技中、及び開閉動作する大入賞口が異なっても、発射ハンドルY6aの操作量(遊技球の発射強度)を大幅に変更する必要がない。さらに、本実施形態では、何れの大入賞口も逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも下方に配設されている。このため、非当り遊技中に第1始動入賞口16や第2始動入賞口17を狙って遊技球を発射させるための発射ハンドルY6aの操作量と、当り遊技中に左大入賞口20や下大入賞口21を狙って遊技球を発射させるための発射ハンドルY6aの操作量を、大幅に変更する必要がない。
因みに、図3に示す右上領域V3や右下領域V4に右打ちのための大入賞口を配設した場合は、当り遊技中と非当り遊技中、及び開閉動作する大入賞口が異なることで、遊技球を左方領域に発射させるときと右方領域に発射させるときが生じ、発射ハンドルY6aの操作量を大幅に変更させる必要が生じ得る。また、図3に示す左上領域V1に大入賞口を配設した場合であっても、その大入賞口が、逆戻り防止弁YRbの配設部材よりも上方に配設されている場合は、発射ハンドルY6aの操作量を若干、強めに変更させる必要が生じ得る。その理由は、遊技球の発射強度が弱い場合、逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも下方に遊技球は流下するが、逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも上方の大入賞口に到達しない可能性があるからである。
また、本実施形態の遊技盤YBは、作動ゲート19の周辺に植設された遊技釘23b(図2の拡大図に示す)により、作動ゲート19へ向かって流下する遊技球、又は作動ゲート19を通過した遊技球が、左大入賞口20側へ流れ易くなっている。本実施形態の左大入賞口20は、前述したように、遊技球が非遊技領域YBbから遊技領域YBaへ移動する入口部(逆送り防止弁YRb)の近くに配設されている。また、同様に作動ゲート19も、前記入口部の近くに配設されている。そして、遊技盤YBにおいて作動ゲート19と左大入賞口20は、隣り合うように近くに配設されている。このため、遊技領域YBaに到達した遊技球は、作動ゲート19に向かって流下することになるが、それとともに作動ゲート19の右上部に植設されている遊技釘23bにより、左大入賞口20側へ流れるようになる。つまり、左大入賞口20の開放時、遊技球は、作動ゲート19へ向かう経路を取り得ることで、左大入賞口20に入球可能な経路を取り得る。また、左大入賞口20の入球口20bは、作動ゲート19の下方に位置している。このため、作動ゲート19を通過した遊技球は、作動ゲート19の右下部に植設されている遊技釘23bにより、左大入賞口20側へ流れるようになる。つまり、本実施形態の遊技盤YBでは、作動ゲート19に入球する前の遊技球、及び入球した後の遊技球の何れも、左大入賞口20へ流れる経路を取り得る。
また、本実施形態において作動ゲート19と左大入賞口20は、何れも表示枠体HWに取り付けられる部材(表示枠体HWの構成部材)とされている。そして、図2の拡大図に示すように、左大入賞口20の入球口20bの周辺部は、表示枠体HWとされているから、遊技釘を植設し得ない。このため、左大入賞口20に対する遊技球の流下経路の調整は、作動ゲート19周辺に植設されている遊技釘23(23b)によって行うことになる。しかし、本実施形態の構成によれば、左大入賞口20への遊技球の流下規制を行うように遊技釘23bを調整すると、作動ゲート19側へ遊技球が流下し易くなる。一方、本実施形態の構成によれば、作動ゲート19への遊技球の流下規制を行うように遊技釘23bを調整すると、左大入賞口20側へ遊技球が流下し易くなる。つまり、本実施形態の構成は、作動ゲート19及び左大入賞口20の何れに対しても流下規制を行い難いゲージ構成となっている。換言すれば、本実施形態の構成は、作動ゲート19及び左大入賞口20の何れに対してもバランス良く遊技球を流下させることが可能なゲージ構成となっている。一方、下大入賞口21は、その周辺に遊技釘23などの流下方向変更手段が多く配設されているので、左大入賞口20に比べて流下規制が行い易い。
また、本実施形態の遊技盤YBの左方領域は、表示枠体HWの外郭形状により、遊技球の流下経路の上流部から下流部に向かって流下経路の領域(左右幅、領域面積)が大きくなっている。つまり、逆戻り防止弁YRb、作動ゲート19及び左大入賞口20の配設部材である前記上流部は、流下経路の領域が小さくなっている(又は狭くなっている)。このため、遊技球の流下をスムーズに行う観点からすると、流下経路の領域が小さい上流部への流下方向変更手段(遊技釘23など)の配設量は限られることになる。すなわち、遊技球にとって障害物となり得る流下方向変更手段の配設量を多くすると、遊技球の流下が妨げられる。これに対して、前記下流部は、流下経路の領域も大きく、また最終的に遊技球をアウト口22へ流下させる必要性から、流下方向変更手段の配設量も多くなる。したがって、流下経路の領域が小さくなっている上流側に配設した左大入賞口20は、流下経路の領域が大きくなっている下流側に配設した下大入賞口21に比して、入球させ易い大入賞口とされる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、本実施形態において確変状態は、次回の大当りが生起されるまでの間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率状態が低確率状態から高確率状態に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利であり、遊技者は、確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な変動時間短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。変短状態では、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態(以下、「非変短状態」と示す)と比べて、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)の変動時間が短縮される場合がある。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選確率状態(当選確率)が低確率状態から高確率状態に変動する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根18の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。本実施形態において変短状態は、予め定めた変短上限回数(本実施形態では、30回、50回、100回又は次回の大当りに当選するまで)の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が終了する迄の間、又は変短上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。変短状態は、開閉羽根18が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口17への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根18の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技及び小当り遊技について図5及び図6にしたがって説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、16ラウンド又は9ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)の開閉動作が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図5に示す14種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。14種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図5に示すように、特図毎に分類される。
図柄Aには、特図1の大当り図柄として21種類が振分けられている。図柄Cには、特図1の大当り図柄として1種類が振分けられている。図柄Dには、特図1の大当り図柄として4種類が振分けられている。図柄Eには、特図1の大当り図柄として9種類が振分けられている。図柄Gには、特図1の大当り図柄として5種類が振分けられている。図柄H1,H2,H3には、特図1の大当り図柄として各1種類が振分けられている。図柄I,Jには、特図1の大当り図柄として各1種類が振分けられている。図柄Lには、特図1の大当り図柄として30種類が振分けられている。図柄N1には、特図1の大当り図柄として18種類が振分けられている。図柄N2には、特図1の大当り図柄として5種類が振分けられている。図柄N3には、特図1の大当り図柄として2種類が振分けられている。また、図柄Oには、特図1の小当り図柄として10種類が振分けられている。
一方、図柄aには、特図2の大当り図柄として49種類が振分けられている。図柄cには、特図2の大当り図柄として14種類が振分けられている。図柄dには、特図2の大当り図柄として1種類が振分けられている。図柄eには、特図2の大当り図柄として3種類が振分けられている。図柄gには、特図2の大当り図柄として4種類が振分けられている。図柄iには、特図2の大当り図柄として3種類が振分けられている。図柄jには、特図2の大当り図柄として1種類が振分けられている。図柄n1には、特図2の大当り図柄として18種類が振分けられている。図柄n2には、特図2の大当り図柄として5種類が振分けられている。図柄n3には、特図2の大当り図柄として2種類が振分けられている。また、図柄oには、特図2の小当り図柄として10種類が振分けられている。なお、特図2には、特図1の図柄H1〜H3,Lに対応する特図(図中のh1〜h3,l)が振分けられていない。つまり、特図2では、特図1の図柄H1〜H3,Lに相当する当りの種類が設定されていない。
図柄A,aの大当りは、16ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。なお、図5中の「R」は、ラウンドを示す。また、以下の説明では、図柄A,aの大当りを「大当りA」と示す場合がある。
図柄C〜E,c〜eの大当りは、9ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。以下の説明では、図柄C,cの大当りを「大当りC」と、図柄D,dの大当りを「大当りD」と、図柄E,eの大当りを「大当りE」と、それぞれ示す場合がある。
図柄G,g,H1〜H3の大当りは、9ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態を付与する。一方、これらの大当りは、当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に言えば、図柄G,gの大当りは、当選時の遊技状態に関係なく、次の大当りに当選するまで、変短状態を付与する。図柄H1〜H3の大当りは、当選時の遊技状態が、低確率状態で、かつ非変短状態(以下、「低確+変短なし」とも言う)の場合、異なる変短上限回数(30回、50回、100回)の変短状態を付与する。一方、図柄H1〜H3の大当りは、当選時の遊技状態が、低確+変短なし以外の遊技状態の場合、次の大当りに当選するまで、変短状態を付与する。なお、低確+変短なし以外の遊技状態とは、低確率状態で、かつ変短状態(以下、「低確+変短あり」とも言う)、高確率状態で、かつ非変短状態(以下、「高確+変短なし」とも言う)、及び高確率状態で、かつ変短状態(以下、「高確+変短あり」とも言う)である。以下の説明では、図柄G,gの大当りを「大当りG」と、図柄H1〜H3の大当りを纏めて「大当りH」と、それぞれ示す場合がある。
図柄I,i,J,jの大当りは、16ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。以下の説明では、図柄I,iの大当りを「大当りI」と、図柄J,jの大当りを「大当りJ」と、それぞれ示す場合がある。
図柄Lの大当りは、16ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態を付与する。一方、図柄Lの大当りは、当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に言えば、図柄Lに基づく大当りは、当選時の遊技状態が、低確+変短なしの場合、変短状態を付与しない(非変短状態を付与する)。一方、図柄Lの大当りは、当選時の遊技状態が、低確+変短なし以外の遊技状態の場合、次の大当りに当選するまで、変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Lの大当りを「大当りL」と示す場合がある。
図柄N1〜N3,n1〜n3の大当りは、9ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に低確率状態を付与する。つまり、図柄N1〜N3,n1〜n3の大当りは、非確変大当りとなる。一方、図柄N1〜N3,n1〜n3の大当りは、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に言えば、図柄N1〜N3,n1〜n3の大当りは、当選時の遊技状態に関係なく、異なる変短上限回数(30回、50回、100回)の変短状態を付与する。以下の説明では、図柄N1〜N3,n1〜n3の大当りを纏めて「大当りN」と示す場合がある。
本実施形態において、前述した各大当りに基づく大当り遊技は、図6に示すように、大当り遊技中に開閉動作させる大入賞口(左大入賞口20又は下大入賞口21)の種類と、その開閉態様の相違によって区別される。そして、本実施形態の大当り遊技は、大入賞口(左大入賞口20又は下大入賞口21)の1回の開閉動作時間が異なる長開放動作と、中開放動作と、短開放動作と、超短開放動作とによって構成される。長開放動作の開閉動作時間は「25秒」に設定されているとともに、中開放動作の開閉動作時間は「24.88秒」又は「24.72秒」に設定されている。なお、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の中開放動作では、その開閉動作時間が「24.88秒」となり、大当りIに基づく大当り遊技の中開放動作では、その開閉動作時間が「24.72秒」となる。また、短開放動作の開閉動作時間は「0.06秒」に設定されているとともに、超短開放動作の開閉動作時間は「0.04秒」に設定されている。なお、これらの各開放動作の開閉動作時間は上限値であって、開放中に規定個数(本実施形態では9個)の入球がなされた場合には開閉動作時間よりも短い時間の動作となる。
大当りAに基づく大当り遊技は、左大入賞口20を開閉動作させる16ラウンド大当り遊技である。そして、この大当り遊技では、各ラウンド(各ラウンド遊技)で左大入賞口20を1回、長開放動作させる。なお、以下の説明では、大当りAに基づく大当り遊技を「通常ボーナス」と言う場合もある。
大当りC,D,Eに基づく大当り遊技は、左大入賞口20を開閉動作させる9ラウンド大当り遊技である。そして、これらの大当り遊技は、長開放動作のラウンド遊技と、短開放動作及び中開放動作のラウンド遊技とが混在する。具体的に言えば、大当りCに基づく大当り遊技は、1,2,4,6,8,9ラウンドで、左大入賞口20を1回、長開放動作させる。一方、3,5,7ラウンドで、左大入賞口20を2回、短開放動作させた後、1回、中開放動作させる。なお、短開放動作と短開放動作の間、及び2回目の短開放動作と中開放動作の間には、それぞれ「6.716秒」のインターバル時間(図6の符号「Z」)が設定されている。インターバル時間とは、大入賞口を閉鎖してから次の開放が行われるまでの待機時間である。また、大当りA,C,D,E,G,H,Nに基づく大当り遊技では、各ラウンド間のインターバル時間として「1秒」が設定されている。
また、大当りDに基づく大当り遊技は、1,2,4〜9ラウンドで、左大入賞口20を1回、長開放動作させる。一方、3ラウンドで、左大入賞口20を2回、短開放動作させた後、1回、中開放動作させる。この大当り遊技は、3ラウンドにおいて、大当りCに基づく大当り遊技と同様に、2回の短開放動作と1回の中開放動作が行われる。
また、大当りEに基づく大当り遊技は、1,2,4,6〜9ラウンドで、左大入賞口20を1回、長開放動作させる。一方、3,5ラウンドで、左大入賞口20を2回、短開放動作させた後、1回、中開放動作させる。この大当り遊技は、3,5ラウンドにおいて、大当りCに基づく大当り遊技と同様に、2回の短開放動作と1回の中開放動作が行われる。
これらの大当りC,D,Eに基づく大当り遊技は、2回の短開放動作と1回の中開放動作のラウンド遊技を含む点で共通しているが、ラウンド遊技の回数全体に対する割合が相違している。そして、短開放動作中は、大入賞口(左大入賞口20)への遊技球の入球が困難であるから、短開放動作を含むラウンド遊技の回数が多いほど、賞球が獲得し難くなっている。
また、本実施形態では、2回の短開放動作と1回の中開放動作のラウンド遊技を、大当り遊技終了後に高確率状態が付与されることを報知する報知演出の実行対象とするラウンド遊技として設定している。そして、上記3つの大当り遊技では、高確率状態が付与されることを確定的に報知するラウンド遊技が相違する。具体的に言えば、大当りCに基づく大当り遊技では、7ラウンドにおいて高確率状態が付与されることを確定的に報知する。また、大当りDに基づく大当り遊技では、3ラウンドにおいて高確率状態が付与されることを確定的に報知する。また、大当りEに基づく大当り遊技では、5ラウンドにおいて高確率状態が付与されることを確定的に報知する。なお、3つの大当り遊技において、高確率状態が付与されることを確定的に報知するラウンド遊技以外であって、2回の短開放動作と1回の中開放動作のラウンド遊技では、他の大当り遊技と同一態様の演出は実行されるが、高確率状態が付与されることは確定的に報知されない。
本実施形態では、2回の短開放動作と1回の中開放動作のラウンド遊技を報知演出の実行対象とし、高確率状態が付与されることを確定的に報知すると、その後のラウンド遊技は長開放動作で行われる。このため、本実施形態の構成によれば、高確率状態が付与されることを確定的に報知するタイミングが早いほど、賞球獲得において有利となり得る。
本実施形態では、大当りC,D,Eが、複数種類の特殊当りに相当する。そして、大当りCに基づく大当り遊技では、3,5,7ラウンドが第1のラウンド遊技となり、その他のラウンドが第2のラウンド遊技となる。また、大当りDに基づく大当り遊技では、3ラウンドが第1のラウンド遊技となり、その他のラウンドが第2のラウンド遊技となる。また、大当りEに基づく大当り遊技では、3,5ラウンドが第1のラウンド遊技となり、その他のラウンドが第2のラウンド遊技となる。そして、前述した第1のラウンド遊技では、2回の短開放動作と1回の中開放動作が入賞手段としての左大入賞口20の開閉パターンとなり、第2のラウンド遊技では、1回の長開放動作が入賞手段としての左大入賞口20の開閉パターンとなり、両開閉パターンは異なっている。第1のラウンド遊技の開閉パターンには、遊技球の入球が困難な短開放動作を含むことから、発射しても入球しない遊技球が、中開放動作や長開放動作時に比して多く発生する可能性がある。このため、短開放動作を含む第1のラウンド遊技の開閉パターンは、長開放動作のみの第2のラウンド遊技の開閉パターンに比して不利な開閉パターンとなる。
本実施形態では、報知演出(昇格演出)の実行対象となるラウンド遊技を含む上記3つの大当り遊技において、開閉パターンの異なるラウンド遊技を設定している。そして、2回の短開放動作と1回の中開放動作からなる第1のラウンド遊技を報知演出の実行対象としている。このため、本実施形態では、大当り遊技中の報知演出の実行時期を、特図の大当り図柄毎に規定している。つまり、この規定により、報知演出の実行対象とすべきラウンド遊技以外のラウンド遊技で報知演出が実行されることがなく、大入賞口(左大入賞口20)の開閉動作と報知演出の実行態様を整合させることが可能となる。本実施形態では、後述する主制御基板30(主制御用CPU30a)が大当りの種類を決定することにより、報知演出の実行時期が決定されることになる。なお、以下の説明では、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技を、「昇格ボーナス」と言う場合もある。
大当りG,H,Nに基づく大当り遊技は、左大入賞口20を開閉動作させる9ラウンド大当り遊技である。そして、これらの大当り遊技は、長開放動作のラウンド遊技と、短開放動作のラウンド遊技とが混在する。具体的に言えば、各大当りに基づく大当り遊技は、1,2,4,5,7,8ラウンドで、左大入賞口20を1回、長開放動作させる。一方、3,6,9ラウンドで、左大入賞口20を2回、短開放動作させる。なお、短開放動作と短開放動作の間、及び2回目の短開放動作と次のラウンド遊技の長開放動作の間には、それぞれ「6.716秒」のインターバル時間(図6の符号「Z」)が設定されている。大当りG,H,Nの場合、2回目の短開放動作と次のラウンド遊技の長開放動作の間に設定されるインターバル時間「6.716秒」には、ラウンド間に設定されるインターバル時間「1秒」を含んでいる。
これらの各大当りに基づく大当り遊技は、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技と同じラウンド遊技の回数でありながら、賞球獲得数に優劣(差)を生じさせる目的で設定されている。すなわち、図6に示すように、3ラウンドを比べた場合、何れも2回の短開放動作を含んでおり、中開放動作を含むか否かによって開閉パターンが相違している。そして、ラウンド遊技に中開放動作を含むか否かにより、賞球獲得数に優劣が付けられる。具体的に言えば、長開放動作のラウンド遊技は安定して賞球を得られるから、当該ラウンド遊技における賞球獲得に差はほぼ生じ得ない。また、短開放動作のラウンド遊技は賞球を獲得し難いから、当該ラウンド遊技における賞球獲得に差は生じ得ない。その結果、賞球獲得に差を生じさせる要因は、前述したように、ラウンド遊技に中開放動作を含むか否かになる。
そして、本実施形態では、何れの大当りに基づく大当り遊技であるか判断し難いように、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技中も、同様の態様で報知演出を実行させている。なお、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技では、高確率状態を付与する大当りに当選している場合であっても、高確率状態が付与されることを確定的に報知しない。つまり、大当りG,H,Nの大当りは、大当り遊技終了後に、高確率状態が付与されているのか、又は低確率状態が付与されているかを、遊技者に秘匿する状態(高確率状態であることを潜伏させる状態)を作り出すための大当りとしても位置付けられている。
大当りG,H,Nに基づく大当り遊技では、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の「2回の短開放動作と1回の中開放動作」を、連続する2回のラウンド遊技を使って作り出している。具体的に言えば、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の3ラウンドは、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技において、3ラウンドと4ラウンドを使って作り出している。つまり、3ラウンドには2回の短開放動作を含み、その2回目の短開放動作の終了から4ラウンドの長開放動作までのインターバル時間を、「6.716秒」に設定している。このインターバル時間は、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の2回目の短開放動作から中開放動作までのインターバル時間と同一時間となっている。このため、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の4ラウンドの長開放動作は、遊技者側から見ると、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技における2回の短開放動作後の中開放動作と同等に視認し得る。また、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の5ラウンドは長開放動作とすることにより、この長開放動作は、遊技者側から見ると、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技における中開放動作後の長開放動作(4ラウンド目)と同様に視認し得る。
そして、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技は、前述したようにラウンド遊技に中開放動作を含んでいない。このため、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技は、中開放動作に要する時間分、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技よりも早く進行することになる。そこで、本実施形態では、前述したように、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の4,5ラウンドが、大当りC,D,Eの3ラウンドの中開放動作と4ラウンドの長開放動作に相当する点を考慮し、6ラウンド目を2回の短開放動作で構成している。つまり、この6ラウンドの短開放動作は、大当りC,Eに基づく大当り遊技の5ラウンドにおける2回の短開放動作に相当することになる。また、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の7,8ラウンドを長開放動作とすることにより、前述同様、これらの長開放動作が、大当りC,Eに基づく大当り遊技の5ラウンドの中開放動作と6ラウンドの長開放動作に相当することになる。
また、同様に、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の9ラウンドを2回の短開放動作で構成している。つまり、この9ラウンドの短開放動作は、大当りCに基づく大当り遊技の7ラウンドにおける2回の短開放動作に相当することになる。そして、本実施形態では、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技を9回のラウンド遊技によって構成しているので、9ラウンドの2回の短開放動作の終了によって全てのラウンド遊技が終了する。
一方、大当りCに基づく大当り遊技は、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の9ラウンドに相当する短開放動作を7ラウンドに行うことから、2回の短開放動作後に、7ラウンドの中開放動作と8,9ラウンドの長開放動作が行われる。つまり、大当りCに基づく大当り遊技は、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技と同様に3セット分の2回の短開放動作を含むが、3セット目の短開放動作後、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技とは異なり、さらに大入賞口の開閉動作が行われる。したがって、大当りCに基づく大当り遊技は、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技との比較において、大当り遊技が終了したかのように見せ掛けて再び始まる復活的な印象を付与し得る大当り遊技となり得る。
本実施形態では、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の各3ラウンド目と、大当りC,Eに基づく大当り遊技の各5ラウンド目と、大当りCに基づく大当り遊技の7ラウンド目が、それぞれ特定ラウンド遊技となる。一方、本実施形態では、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の3,6,9ラウンド目が、それぞれ特定ラウンド遊技となる。そして、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技と、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技では、大入賞口(左大入賞口20)を異なる開閉パターンで開閉動作させることから、大当りC,D,Eが第1種当りに相当し、大当りG,H,Nが第2種当りに相当する。また、大当りC,D,E,G,H,Nに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技における2回の短開放動作が、第1の開閉動作となる。また、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技における2回の短開放動作後の1回の中開放動作が、第2の開閉動作となる。また、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技における2回の開閉動作後に行われるラウンド遊技(4,7ラウンド)が、非特定ラウンド遊技となる。また、長開放動作が、第3の開閉動作となる。
次に、大当りI,Jに基づく大当り遊技を説明する。
大当りIに基づく大当り遊技は、下大入賞口21を開閉動作させる16ラウンド大当り遊技である。そして、この大当り遊技は、長開放動作のラウンド遊技と、超短開放動作のラウンド遊技とが混在する。具体的に言えば、大当りIに基づく大当り遊技は、1〜9,11〜16ラウンドで、下大入賞口21を1回、長開放動作させる。一方、10ラウンドで、下大入賞口21を7回、超短開放動作させた後、1回、中開放動作させる。なお、超短開放動作の間には、それぞれ「2秒」のインターバル時間が設定されている。
一方、大当りJに基づく大当り遊技は、下大入賞口21を開閉動作させる16ラウンド大当り遊技である。そして、この大当り遊技は、長開放動作のラウンド遊技と、超短開放動作のラウンド遊技とが混在するが、その混在の態様が大当りIに基づく大当り遊技と相違する。具体的に言えば、大当りJに基づく大当り遊技は、1〜9ラウンドで、下大入賞口21を1回、長開放動作させる。一方で、10〜16ラウンドで、下大入賞口21を1回、超短開放動作させる。なお、超短開放動作の間(すなわち、この場合はラウンド間)には、それぞれ「2秒」のインターバル時間が設定されている。また、大当りI,Jに基づく大当り遊技では、ラウンド間のインターバル時間も「2秒」に設定されている。
これらの大当りI,Jに基づく大当り遊技は、長開放動作と超短開放動作を含む点で共通しているが、これらの動作を行うラウンド遊技の構成が相違している。すなわち、大当りIに基づく大当り遊技は、10ラウンドの1回のラウンド遊技のみに超短開放動作を含むが、大当りJに基づく大当り遊技は10〜16ラウンドの7回のラウンド遊技に超短開放動作を含んでいる。この大当りI,Jに基づく大当り遊技は、同じラウンド遊技の回数でありながら、賞球獲得数に優劣(差)を生じさせる目的で設定されている。つまり、超短開放動作中は、大入賞口(下大入賞口20)への遊技球の入球が困難であるから、超短開放動作を含むラウンド遊技の回数が多いほど、賞球が獲得し難くなっている。したがって、大当りI,Jに基づく大当り遊技を比較した場合、超短開放動作を1回のラウンド遊技のみに含む、大当りIに基づく大当り遊技の方が、超短開放動作を7回のラウンド遊技に含む大当りJに基づく大当り遊技よりも、賞球獲得数が増加することになる。
そして、本実施形態では、大当りI,Jに基づく大当り遊技を区別し難いように、大当りIに基づく大当り遊技の10ラウンドで、大当りJに基づく大当り遊技に含む超短開放動作の回数分(7回分)、超短開放動作を行わせている。これにより、10ラウンドに到達した時点で、その後、何れの大当り遊技においても同一の開放態様(開放時間と開放間隔)で7回の超短開放動作が行われるので、その時点において遊技者は区別し難い。すなわち、大当りIに基づく大当り遊技では、10ラウンドが、以降、長開放動作のラウンド遊技へ継続されるか否かを遊技者に期待させるラウンド遊技となる。なお、以下の説明では、大当りI,Jに基づく大当り遊技を「特別ボーナス」と言う場合もある。
次に、大当りLに基づく大当り遊技を説明する。
大当りLに基づく大当り遊技は、下大入賞口21を開閉動作させる16ラウンド大当り遊技である。そして、この大当り遊技は、各ラウンド遊技で下大入賞口21を1回、短開放動作させる。短開放動作中は、大入賞口(下大入賞口21)への遊技球の入球が困難であるから、全てのラウンド遊技が短開放動作とされる大当りLに基づく大当り遊技は、賞球獲得数が極めて少ない大当り遊技となっている。なお、短開放動作の間(すなわち、ラウンドの間)には、「1.5秒」のインターバル時間が設定されている。
次に、図柄O,oの小当り、及び小当り遊技について説明する。なお、以下の説明では、図柄O,oの小当りを「小当りO」と示す場合がある。
小当りOは、小当り遊技を付与するとともに、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時に高確率状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも高確率状態を継続して付与させる一方、高確率状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも高確率状態を付与しない。また、小当りでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも変短状態を継続して付与させる一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも変短状態を付与しない。
小当り遊技は、下大入賞口21を15回、短開放動作させる。そして、短開放動作の間(すなわち、開放動作の間)には、「1.5秒」のインターバル時間が設定されている。この小当り遊技の下大入賞口21の開放態様、すなわち1回の開放動作と次の開放動作までのインターバル時間は、大当りLに基づく大当り遊技の開放態様と同一設定とされている。このため、下大入賞口21の開放態様からは、大当りLに当選したのか、又は小当りに当選したのかを判別し難くなっている。すなわち、これらの大当りLと小当りは、賞球獲得において期待はできないが、高確率状態が付与されているのかを遊技者に秘匿する状態(高確率状態であることを潜伏させる状態)を作り出すための当りとして位置付けられている。
このような大当りの種類を設定した本実施形態のパチンコ遊技機10では、左大入賞口20の開閉動作による大当り遊技と、下大入賞口21の開閉動作による大当り遊技とで、大当り遊技中に獲得し得る賞球数に差が生じるとともに、大当り遊技終了後に付与される遊技特典に差が生じるようになっている。
具体的に言えば、左大入賞口20の開閉動作による大当り遊技として、大当りA,C,D,E,G,H,Nに基づく大当り遊技(本実施形態では、これらの大当りに基づく大当り遊技が第1の当り遊技となる)を振分けている。一方で、下大入賞口21の開閉動作による大当り遊技として、大当りI,J,Lに基づく大当り遊技(本実施形態では、これらの大当りに基づく大当り遊技が第2の当り遊技となる)を振分けている。
左大入賞口20は、前述したように、下大入賞口21に比べて、構造的(配置など)に有利な大入賞口であって、左大入賞口20を使用する大当り遊技は賞球獲得において有利となり得る。それに加えて、左大入賞口20を使用する各大当りの大当り遊技は、長開放動作や中開放動作などの当該動作中に遊技球を入球させ易い開閉動作をベースに大当り遊技が構成されている。一方、下大入賞口21を使用する各大当り遊技は、短縮開放動作よりもさらに開放時間が短い超短開放動作を含むように大当り遊技が構成されている。したがって、左大入賞口20及び下大入賞口21にそれぞれ振分けられた大当りに基づく大当り遊技を比較しても、左大入賞口20を使用する大当り遊技の方が賞球獲得において有利となり得る。
その一方で、左大入賞口20の大当り遊技を付与する大当りには、非確変大当りである大当りNを含んでいる。一方、下大入賞口21の大当り遊技を付与する大当りは、全て確変大当りとされている。したがって、左大入賞口20を使用する大当り遊技は、その大当り遊技終了後に高確率状態が付与されない可能性もあるから、遊技特典(高確率状態を付与するか否か)において不利となる。つまり、左大入賞口20で大当り遊技が行われる場合は、下大入賞口21で大当り遊技が行われる場合に比して低特典になり易い。そして、遊技特典については賞球獲得とは逆に、下大入賞口21を使用する大当り遊技は、その大当り遊技の終了後に必ず高確率状態が付与されるので、遊技特典において有利となる。つまり、下大入賞口21で大当り遊技が行われる場合は、左大入賞口20で大当り遊技が行われる場合に比して高特典になり易い。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数(2つ)の大入賞口を備えている構成において、何れか一方の大入賞口に有利性が偏っておらず、双方に有利な点と不利な点を付与するような振分けを行っている。なお、大当りI,Jに当選した場合に演出表示装置11で行われる図柄変動ゲームでは、後述するように飾図の大当り図柄組み合わせが特殊図柄Tを含んで構成される。このため、図柄変動ゲームの終了時点(確定停止時)において、大当りI,Jに基づく大当り遊技が付与されること、すなわち確変大当りに当選したことが認識し得る。したがって、遊技者は、迅速に確変大当りを認識でき、確変大当りか、又は非確変大当りかを悩むことなく、安心して大当り遊技を行うことが可能となる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)後の演出モードの移行態様を、図7にしたがって説明する。
演出モードは、大当り抽選の抽選確率状態が、低確率状態であるか、又は高確率状態であるかを、遊技者に示唆するものである。そして、本実施形態では、非変短状態時の演出モードとして通常モードM1と潜確モードM2、及び変短状態時の演出モードとして高確確定モードM3と潜確モードM4と、が設定されている。
通常モードM1は、低確+変短なし及び高確+変短なしの時に滞在する演出モードである。本実施形態において通常モードM1は、他の演出モードと比較して最も大当り抽選の抽選確率状態が高確率状態である期待度が低い演出モードとされている。
潜確モードM2は、低確+変短なし及び高確+変短なしの時に滞在する演出モードである。本実施形態において潜確モードM2には、低確+変短なしの通常モードM1の滞在中に、大当りL又は小当りOに当選したことにより、移行する。低確+変短なしの通常モードM1の滞在中に大当りLに当選した場合、移行先の潜確モードM2は、高確+変短なしの状態となる。一方、低確+変短なしの通常モードM1の滞在中に小当りOに当選した場合、移行先の潜確モードM2は、低確+変短なしの状態となる。
なお、潜確モードM2の滞在中は、所定のタイミングで移行抽選を行い、その移行抽選に当選すると、通常モードM1へ移行する。また、潜確モードM2から通常モードM1への移行後は、所定のタイミングで移行抽選を行い、その移行抽選に当選すると、潜確モードM2へ移行する。潜確モードM2の移行抽選は、抽選確率状態が低確率状態の場合、高確率状態に比べて当選し易くなっている。一方、通常モードM1の移行抽選は、抽選確率状態が高確率状態の場合、低確率状態に比べて当選し易くなっている。なお、高確+変短なしの通常モードM1又は潜確モードM2で再び大当りLに当選した場合は、変短状態が付与されることになるので、変短状態時の演出モード(本実施形態では高確確定モードM3)へ移行する。また、高確+変短なしの通常モードM1又は潜確モードM2で小当りOに当選した場合は、非変短状態が維持されることになるので、潜確モードM2へ移行する。
高確確定モードM3は、高確+変短ありの時に滞在する演出モードである。本実施形態において高確確定モードM3には、抽選確率状態に関係なく、大当りA,C〜E,I,Jに当選したこと、又は変短状態中や高確+変短なしで大当りLに当選したことにより、移行する。なお、高確確定モードM3には、大当りAに当選した場合、通常ボーナスを経由して移行する。また、高確確定モードM3には、大当りI,Jに当選した場合、特別ボーナスを経由して移行する。また、高確確定モードM3には、大当りC〜Eに当選した場合、その当選時が非変短状態であるか、又は変短状態であるかにより、大当り遊技中に演出内容が異なる昇格ボーナスを経由して移行する。昇格ボーナスには、演出K1系と演出K2系が存在し、非変短状態時に大当りC〜Eに当選した場合は演出K1系となり、変短状態時に大当りC〜Eに当選した場合は演出K2系となる。
潜確モードM4は、低確+変短あり及び高確+変短ありの時に滞在する演出モードである。本実施形態において潜確モードM4には、抽選確率状態に関係なく、大当りG,H,Nに当選したことにより、移行する。潜確モードM4には、大当りG,H,Nに当選した場合、その当選時が非変短状態であるか、又は変短状態であるかにより、前述同様、大当り遊技中に演出内容が異なる昇格ボーナスを経由して移行する。非変短状態時に大当りG,H,Nに当選した場合は演出K1系となり、変短状態時に大当りG,H,Nに当選した場合は演出K2系となる。また、潜確モードM4中は、変短状態の終了により、通常モードM1へ移行する。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図8を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御手段としての主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ遊技機10の各枠や遊技盤YBに配設されている装飾ランプRB(図8に図示する)の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ遊技機10の各枠に配設されているスピーカSP(図8に図示する)の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。本実施形態では、統括制御基板31、表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34によって副制御手段が構成されている。
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図8を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW5が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、第1特別図柄保留表示装置13a、第2特別図柄保留表示装置13b、普通図柄表示装置14、普通図柄保留表示装置15、ラウンド報知装置RH、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、及び小当り抽選で小当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。小当り図柄振分用乱数は、小当り図柄となる特図の種類を決定する場合に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、小当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1582までの全1583通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として4個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の4となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値として40個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の40となる。
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1582までの全1583通りの整数)の中から、大当り判定値と重複しないように定められている。本実施形態では、特図1(第1保留記憶数)に基づく小当り抽選用の小当り判定値として9個の値が設定されている一方で、特図2(第2保留記憶数)に基づく小当り抽選用の小当り判定値として2個の値が設定されている。これにより、特図1の小当り抽選で当選する確率は1583分の9となり、特図2の小当り抽選で当選する確率は1583分の2となる。本実施形態では、特図2の小当り抽選の当選確率が、特図1の小当り抽選の当選確率に比して低確率に設定されている。換言すれば、本実施形態では、特図1の小当り抽選の当選確率が、特図2の小当り抽選の当選確率に比して高確率に設定されている。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜238までの全239通りの整数)の中から定められている。
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜232までの全233通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として15個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の15となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として232個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の232となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。当り変動は、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄又は確変示唆図柄を導出させる場合がある。
はずれリーチ変動は、大当り抽選及び小当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選、小当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
次に、統括制御基板31について図8を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、表示制御基板32について図8を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機10の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に各種処理を実行する。
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口16に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第1保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」加算する。第1保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び小当り図柄振分用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、第1始動入賞口16に遊技球が入球していない場合、又は第1始動入賞口16に遊技球が入球したが第1保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第2始動入賞口17に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第2保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」加算する。第2保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び小当り図柄振分用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は当り遊技中である)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第2保留判定処理を実行する。第2保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第2特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第2特図変動ゲームを実行することを示す値「1」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。
続いて、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、後述する確変フラグの設定値から、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、確変状態の場合、確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率状態を高確率状態として大当り判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率状態を低確率状態として大当り判定を行う。なお、本実施形態において大当り判定値は、第1特図変動ゲーム(特図1)と第2特図変動ゲーム(特図2)とで共通の値が用いられる。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。本実施形態では、特図に対して当りの種類が対応付けられていることから、特図を決定することによって当りの種類が決定されることになる。続いて、主制御用CPU30aは、特図2の大当り図柄の種類(当りの種類)と、現在の遊技状態に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの小当り判定(小当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、特図2用の小当り判定値を用いることで、当選確率状態を低確率状態として小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための小当り変動処理を実行する。小当り変動処理において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた小当り図柄振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該小当り図柄振分用乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2として小当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記小当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当り及び小当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、前述した第2保留判定処理の判定結果が否定である場合(第2保留記憶数が「1」以上ではない)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第1保留判定処理を実行する。第1保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第1特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第1特図変動ゲームを実行することを示す値「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。
続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、後述する確変フラグの設定値から、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、確変状態の場合、確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率状態を高確率状態として大当り判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率状態を低確率状態として大当り判定を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、特図1の大当り図柄の種類(当りの種類)と、現在の遊技状態に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの小当り判定をする。このとき、主制御用CPU30aは、特図1用の小当り判定値を用いることで、当選確率状態を高確率状態として小当り判定(小当り抽選)を行う。小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための小当り変動処理を実行する。小当り変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた小当り図柄振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該小当り図柄振分用乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1として小当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記小当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当り及び小当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理において、特別図柄開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bの表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図を確定停止表示させる。
本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄開始処理において当りか否かの当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)を行う主制御用CPU30aが、当り抽選手段(大当り抽選手段及び小当り抽選手段)として機能する。また、前記当り抽選手段の処理が、当り抽選処理となる。また、本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄入力処理において、第1始動入賞口16及び第2始動入賞口17に入球した遊技球を始動保留球(保留記憶数)として記憶する主制御用RAM30cが、保留記憶手段として機能する。また、本実施形態では、特図を決定することによって大当りの種類が決定される。このため、本実施形態では、主制御用CPU30aが当り種決定手段として機能するとともに、当り種決定手段の処理が当り種決定処理となる。また、本実施形態では、特図を決定することによって大当り遊技を行う大入賞口が決定されるので、主制御用CPU30aが、何れの入賞手段の開閉動作による当り遊技を付与するか抽選で決定する抽選手段となる。さらに、本実施形態では、特図を決定することによって遊技特典の種類(確変状態か否か、変短状態か否か、変短上限回数)が決定されるから、特図を決定する主制御用CPU30aが、特典決定手段として機能する。
次に、大当り遊技の当り遊技処理と、当り遊技終了後の遊技状態処理について説明する。
主制御用CPU30aは、当り変動の図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを統括制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、大当りの種類に応じて開閉動作する大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)と開閉動作の態様を特定し、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3に対して制御信号を出力する。前記制御信号は、開信号と閉信号からなる。開信号が出力された場合は、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3によって大入賞口扉20a,21aの開動作が行われる一方で、閉信号が出力された場合は、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3によって大入賞口扉20a,21aの閉動作が行われる。主制御用CPU30aは、大当り遊技毎に、開放動作時間、インターバル時間、及びラウンド遊技の終了条件(規定個数の入球又は規定時間の経過)をもとに、大入賞口の開閉動作を制御する。また、主制御用CPU30aは、開信号及び閉信号の出力とともに、大入賞口の開放指定コマンドと閉鎖指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。なお、開放指定コマンドと閉鎖指定コマンドは、開放動作態様(超短開放動作、短開放動作、中開放動作、長開放動作)毎に設定されている。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって当り遊技を終了させる。本実施形態では、主制御用CPU30aが、入賞手段を開閉動作させる開閉処理を行う開閉制御手段として機能する。
次に、遊技状態処理を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態(高確率状態)を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合(低確率状態)には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎に設定された変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、低確+変短なしとなる。また、主制御用CPU30aは、小当り遊技の場合、小当り抽選の当選時の遊技状態を継続させることから、確変フラグ、作動フラグ及び作動回数の現在の設定値を何れも維持する。本実施形態では、主制御用CPU30aが、確率変動状態を付与する付与手段として機能する。また、本実施形態では、主制御用CPU30aが、変動時間短縮状態を付与する変短付与手段として機能する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過したと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。普図保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」加算する。普図保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中又は普図当り抽選の当選に基づく開閉羽根18の動作中か否かの普図実行条件を判定する。この判定結果が肯定(普図ゲーム中又は動作中である)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(普図ゲーム中ではなく、かつ動作中でもない)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数の数を「1」減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定(普図当り抽選)の抽選確率が高確率に変動する。本実施形態では、普図当り判定(普図当り抽選)を行う主制御用CPU30aが、開閉部材としての開閉羽根18を閉鎖状態から開放状態へ可変させるか否かの開放抽選を行う開放抽選手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
続いて、普図用の変動パターンを選択した主制御用CPU30aは、当該変動パターンにしたがって普通図柄表示装置14に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる。
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根18を所定の動作パターンにしたがって開閉動作させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根18を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根18を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根18の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根18の開放時間が長くなる。
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが、統括制御プログラムに基づいて実行する各種処理を説明する。
統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターンの変動内容をもとに、サブ用の変動パターン指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。サブ用の変動パターン指定コマンドは、図柄変動ゲームを構成する変動サイクル単位の変動内容を指示するコマンドである。以下、サブ用の変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンを「サブ変動パターン」と示す。
また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される特図、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターン、及びサブ変動パターンをもとに、演出表示装置11(画像表示部GH)に一旦停止表示又は確定停止表示させる飾図を生成する。そして、統括制御用CPU31aは、生成した飾図を指示する飾図用の飾図指定コマンドを、各変動サイクルの開始時に、サブ変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドとともに表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、開放指定コマンド、閉鎖指定コマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、大当りの種類などを考慮して、これらのコマンドに対応する大当り遊技中の演出を指示する演出指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の遊技状態を遊技者に報知するための演出モードを設定するとともに、その設定した演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。統括制御用CPU31aは、上記各コマンドから特定される遊技状態と、当りの種類をもとに、図7で説明したように演出モードの移行を制御する。
次に、表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、変動サイクルの開始時に、サブ用の変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動内容をもとに、画像表示用データを選択する。そして、表示制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、各変動サイクルの終了時に飾図指定コマンドで指示される飾り図柄を一旦停止表示させる。また、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾図を演出表示装置11(画像表示部GH)に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。本実施形態では、表示制御用CPU32aが、演出表示装置11に図柄変動ゲームを実行させる制御手段として機能する。
また、表示制御用CPU32aは、当り遊技用の演出指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、大当り遊技中における演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、現在滞在している演出モードを遊技者に報知するためのモード報知画像を画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態のモード報知画像は、演出表示装置11における飾図の背面に画像表示される背景画像とされている。
以下、大当り遊技中の統括制御基板31(統括制御用CPU31a)、及び表示制御基板32(表示制御用CPU32a)の制御内容をさらに詳しく説明する。なお、以下の説明では、特に、非変短状態中に大当りC,Nに当選した場合、変短状態中に大当りC,Nに当選した場合、大当りI,Jに当選した場合の制御内容について詳しく説明する。
統括制御用CPU31aは、当りに当選すると、図9に示す大入賞口位置指定コマンドを、表示制御用CPU32aに出力する。大入賞口位置指定コマンドには、当り遊技中に開閉動作する大入賞口を指示する大入賞口位置指定1コマンドと大入賞口位置指定2コマンドがある。これらの2つのコマンドは、当り遊技中に開閉動作する大入賞口を特定させる大入賞口画像を画像表示部GHに画像表示させるためのコマンドである。本実施形態のパチンコ遊技機10のように、複数の大入賞口(左大入賞口20と下大入賞口21)を備え、当りの種類毎に開閉動作させる大入賞口を変更する場合、何れの大入賞口を狙って遊技球を発射させれば良いか、遊技者は当りの種類が多いほど覚えておくのが大変である。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技者に狙わせる大入賞口を把握させるためのサポート情報として大入賞口画像を画像表示させている。
図10(a)は、大入賞口位置指定1コマンドに基づく大入賞口画像を示す。大入賞口位置指定1コマンドは、左大入賞口20を指定するコマンドであり、当該コマンドによって画像表示部GHには、「左大入賞口を狙え!」の大入賞口画像が画像表示される。なお、前記大入賞口画像には、左大入賞口20の配置を特定し得るように、左大入賞口20を指し示す矢印も付加されている。図10(b)は、大入賞口位置指定2コマンドに基づく大入賞口画像を示す。大入賞口位置指定2コマンドは、下大入賞口21を指定するコマンドであり、当該コマンドによって画像表示部GHには、「下大入賞口を狙え!」の大入賞口画像が画像表示される。なお、前記大入賞口画像には、下大入賞口21の配置を特定し得るように、下大入賞口21を指し示す矢印も付加されている。統括制御用CPU31aは、大入賞口位置指定1コマンドと大入賞口位置指定2コマンドを、当り遊技の開始時に出力する。なお、大入賞口位置指定1コマンドと大入賞口位置指定2コマンドは、当り遊技の開始時のみに出力される。
また、大入賞口位置指定コマンドには、大入賞口画像の表示OFFと表示ONを指示する非報知指定コマンドとしての大入賞口位置指定3コマンドと大入賞口位置指定4コマンドがある。これらの2つのコマンドは、当り遊技中に、大入賞口画像の表示をOFFさせる場合と再表示(ON)させる場合のコマンドである。本実施形態において統括制御用CPU31aは、短開放動作時と超短開放動作時に大入賞口位置指定3コマンドを出力する。
本実施形態では、大入賞口画像の表示と非表示の制御を行う統括制御用CPU31aと表示制御用CPU32aによって、報知制御手段が構成されている。また、統括制御用CPU31aが演出指示手段として機能し、表示制御用CPU32aが演出制御手段として機能する。また、本実施形態では、演出表示装置11(画像表示部GH)が、報知手段として機能する。
図11は、非変短状態時に大当りCに当選した場合の演出内容を示すとともに、図12(a)は、大当りCに当選した場合に、各ラウンド遊技において統括制御用CPU31aが出力する演出指定コマンド、及び大入賞口画像の表示態様を示す。
図柄変動ゲームにおいて画像表示部GHに飾図の大当り図柄が導出されると(図11(a))、その大当り図柄の確定後に大当り遊技が開始する。オープニング演出では、画像表示部GHに、「○○ボーナス」という画像表示がなされる(図11(b))。なお、非変短状態時に大当りCに当選したことによって付与される大当り遊技は、昇格ボーナスの演出K1系である。なお、演出K1系は、主人公キャラが敵対する敵キャラを探し出すストーリで行われる。そして、大当り遊技中には、以下に説明するように、報知演出として昇格演出が行われるが、敵キャラを発見すると「成功(確変確定)」となり、発見しないと「失敗(確変未確定)」となる。
そして、オープニング演出の終了後、画像表示部GHには、1,2ラウンドにおいて説明演出が画像表示される(図11(c))。この説明演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8H20H/A8H21H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、1,2ラウンドにおいて画像表示部GHには、ラウンド数が表示されない。このラウンド数の非表示は、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A5H00H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aによって制御される。なお、大当りCに当選している場合、統括制御用CPU31aは、3〜7ラウンドの最初の開放動作の開始時に演出指定コマンド(A5H00H)を表示制御用CPU32aに出力する(図12(a)参照)。つまり、大当りCに基づく大当り遊技では、1〜7ラウンドにおいてラウンド数が表示されない。
また、1,2ラウンドにおいて画像表示部GHには、大入賞口画像として「左大入賞口を狙え!」が画像表示される。この画像表示は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが1ラウンドの長開放動作の開始に伴って出力した演出指定コマンド(A8H20H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、2ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、3ラウンドの開始に伴って昇格演出(1回目)が画像表示される(図11(d))。この昇格演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8H80H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、昇格演出は、3ラウンドの2回の短開放動作中に行われる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(A8H80H)の入力を契機に、大入賞口画像を非表示させる。つまり、短開放動作中は、大入賞口画像が表示されない。そして、大当りCに基づく大当り遊技では、3ラウンドの中開放動作の開始に伴って、画像表示部GHに失敗時演出が画像表示される(図11(e))。この失敗時演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8H30H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(A8H30H)の入力を契機に、大入賞口画像として「左大入賞口を狙え!」を再び画像表示させる。
次に、3ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、4ラウンドの長開放動作の開始に伴って説明演出が画像表示される(図11(f))。この説明演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8HA0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、4ラウンドにおいて画像表示部GHには、引き続き「左大入賞口を狙え!」が画像表示される。
次に、4ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、5ラウンドの最初の開放動作の開始に伴って昇格演出(2回目)が画像表示される(図11(g))。この昇格演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8H90H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、昇格演出は、5ラウンドの2回の短開放動作中に行われる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(A8H90H)の入力を契機に、大入賞口画像を非表示させる。そして、大当りCに基づく大当り遊技では、5ラウンドの中開放動作の開始に伴って、画像表示部GHに失敗時演出が画像表示される(図11(h))。この失敗時演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8HC0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示してから「13.552秒」の経過に伴って再び画像表示させる。この画像表示は、5ラウンドの中開放動作の開始に合わせて行われる。
次に、5ラウンドが終了すると、6ラウンドが開始する。このとき、画像表示部GHには、5ラウンドの中開放動作の開放に伴って開始した失敗時演出が継続的に画像表示される(図11(i))。次に、6ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、7ラウンドの最初の開放動作の開始に伴って昇格演出(3回目)が画像表示される(図11(j))。この昇格演出は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A8HD0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(A8HD0H)の入力を契機に、大入賞口画像を非表示させる。そして、大当りCに基づく大当り遊技では、7ラウンドの中開放動作の開始に伴って、昇格演出(3回目)の結果として画像表示部GHに成功を示す演出が画像表示される(図11(k))。また、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示してから「13.552秒」の経過に伴って再び画像表示させる。この画像表示は、7ラウンドの中開放動作の開始に合わせて行われる。
その後、7ラウンドが終了すると、8ラウンド→9ラウンドの順に開始される。8ラウンド及び9ラウンドにおいて画像表示部GHには、それぞれにラウンド演出が行われる(図11(l),(m))。また、画像表示部GHには、ラウンド数が表示される。このラウンド数の表示は、図12(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A5H1FH/A5H20H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、8,9ラウンドにおいて画像表示部GHには、引き続き「左大入賞口を狙え!」が画像表示される。その後、エンディング演出が終了すると、大当りCに基づく大当り遊技が付与されていたことにより、大当り遊技終了後、高確確定モードM3に移行する。
なお、大当りD,Eに当選した場合は、確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出の実行時期が相違するのみで、その結果が導出される迄の過程(演出内容)は前述した大当りCに当選した場合の演出内容と同じである。そして、確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出が実行された後の各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われるとともに、ラウンド数の表示と大入賞口画像の表示が行われる。
大当りDに当選している場合、統括制御用CPU31aは、3ラウンドの最初の短開放動作の開始に伴って演出指定コマンド(A8H81H)を出力する。この演出指定コマンドは、1回目の昇格演出によって成功する結果を導出する演出内容を指示するコマンドである。そして、前記演出指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、1回目の昇格演出を画像表示させるとともに、成功の結果の導出によって確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出を実行させる。
また、大当りEに当選している場合、統括制御用CPU31aは、5ラウンドの最初の短開放動作の開始に伴って、演出指定コマンド(A8H91H)を出力する。この演出指定コマンドは、2回目の昇格演出によって成功する結果を導出する演出内容を指示するコマンドである。そして、前記演出指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、2回目の昇格演出を画像表示させるとともに、成功の結果の導出によって確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出を実行させる。
図12(b)は、非変短状態時に大当りNに当選した場合に、各ラウンド遊技において統括制御用CPU31aが出力する演出指定コマンド、及び大入賞口画像の表示態様を示す。なお、以下の制御内容は、非変短状態時に大当りG,Hに当選した場合も同じである。
大当りNに基づく大当り遊技は、前述したように、大当りCに基づく大当り遊技における中開放動作が行われない。このため、大当りNに基づく大当り遊技では、中開放動作時に行われていた演出を、2回の短開放動作後、次のラウンド遊技における長開放動作時に行うことになる。具体的に言えば、昇格演出(1回目)は、3ラウンドの短開放動作時に行い、失敗時演出を4ラウンドで行う。このため、大当りCに基づく大当り遊技では、3ラウンドの中開放動作の開始に伴って大入賞口画像が画像表示されていたが、大当りNに基づく大当り遊技では、4ラウンドの長開放動作の開始時に大入賞口画像が画像表示される。
また、大当りNに基づく大当り遊技では、大当りCに基づく大当り遊技の5ラウンドの短開放動作時に行われていた昇格演出(2回目)が、6ラウンドの短開放動作時に行われることになる。また、大当りNに基づく大当り遊技では、大当りCに基づく大当り遊技の7ラウンドの短開放動作時に行われていた昇格演出(3回目)が、9ラウンドの短開放動作時に行われることになる。なお、大当りNの場合は、大当り遊技終了後に確率変動状態が付与されているか否かを潜伏させるので(潜確モードM4へ移行させるので)、昇格演出(3回目)の結果は失敗となる。
図13は、変短状態時に大当りCに当選した場合の演出内容を示すとともに、図14(a)は、大当りCに当選した場合に、各ラウンド遊技において統括制御用CPU31aが出力する演出指定コマンド、及び大入賞口画像の表示態様を示す。
図柄変動ゲームにおいて画像表示部GHに飾図の大当り図柄が導出されると(図13(a))、その大当り図柄の確定後に大当り遊技が開始する。オープニング演出では、画像表示部GHに、「△△ボーナス」という画像表示がなされる(図13(b))。なお、変短状態時に大当りCに当選したことによって付与される大当り遊技は、昇格ボーナスの演出K2系である。演出K2系は、主人公キャラとその仲間達が敵キャラと戦闘するストーリで行われる。そして、大当り遊技中には、以下に説明するように、攻防演出が行われるが、敵キャラに勝利すると「確変確定」となり、勝負が持ち越されると「確変未確定」となる。
そして、オープニング演出の終了後、画像表示部GHには、1ラウンドにおいて味方キャラ選択演出が画像表示される(図13(c))。この味方キャラ選択演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9HE0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、画像表示部GHでは、2ラウンドにおいて味方キャラを確定させる演出が画像表示される。この演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9HF0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、1,2ラウンドにおいて画像表示部GHには、ラウンド数が表示されない。このラウンド数の非表示は、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A5H00H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aによって制御される。なお、大当りCに当選している場合、統括制御用CPU31aは、3〜7ラウンドの最初の開放動作の開始時に演出指定コマンド(A5H00H)を表示制御用CPU32aに出力する(図14(a)参照)。つまり、大当りCに基づく大当り遊技では、1〜7ラウンドにおいてラウンド数が表示されない。
また、1,2ラウンドにおいて画像表示部GHには、大入賞口画像として「左大入賞口を狙え!」が画像表示される。この画像表示は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが1ラウンド目の長開放動作の開始に伴って出力した演出指定コマンド(A9HE0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、2ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、3ラウンドの開始に伴って敵キャラ選択演出が画像表示される(図13(d))。この敵キャラ選択演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9H80H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、敵キャラ選択演出は、3ラウンドの2回の短開放動作中に行われる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(A9H80H)の入力を契機に、大入賞口画像を非表示させる。つまり、短開放動作中は、大入賞口画像が表示されない。そして、3ラウンドの中開放動作の開始に伴って、画像表示部GHには、対決キャラを確定させる演出が画像表示される。この演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9HB0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(A9HB0H)の入力を契機に、大入賞口画像として「左大入賞口を狙え!」を再び画像表示させる。また、3ラウンドの中開放動作が開始してから2秒後に、画像表示部GHには、攻防演出が画像表示される(図13(e))。この攻防演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9H90H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、3ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、4ラウンドの開始後も、攻防演出が引き続き画像表示される(図13(f))。また、4ラウンドの長開放動作が開始してから1.5秒後に、画像表示部GHには、攻防演出が画像表示される。この攻防演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9H90H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、4ラウンドが終了すると、5ラウンドの1回目の短開放動作が開始してから2秒後に、画像表示部GHには、1回目の必殺技が出される演出が画像表示される(図13(g))。この演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9HC0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。なお、5ラウンドにおいて1回目の必殺技が出される迄の間は、4ラウンドで出力された演出指定コマンド(A9H90H)に基づく攻防演出が継続して画像表示されている。つまり、5ラウンドの1回目の短開放動作の開始時、表示制御用CPU32aには、演出指定コマンドが出力されない。このため、統括制御用CPU31aは、5ラウンドの最初の開放動作の開始に伴って大入賞口画像を非表示させるために、大入賞口位置指定3コマンド(A7H03H)を出力する。これにより、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示させる。
1回目の必殺技が出される演出は、その結果が5ラウンドの中開放動作の開始時に導出される。この攻防演出の結果が、報知演出としての昇格演出の結果となり得る。このとき、大当りCに基づく大当り遊技では、勝負が持ち越される結果が導出される。そして、画像表示部GHには、5ラウンドの中開放動作の開始から2秒後に、再び攻防演出が画像表示される(図13(h))。この攻防演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9H91H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示してから「11.552秒」の経過に伴って再び画像表示させる。この画像表示は、5ラウンドの中開放動作の開始時に合わせて行われる。
次に、5ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、6ラウンドの開始後も、攻防演出が引き続き画像表示される(図13(i))。また、6ラウンドの長開放動作が開始してから1.5秒後に、画像表示部GHには、攻防演出が画像表示される。この攻防演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9H91H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、6ラウンドが終了すると、7ラウンドの1回目の短開放動作が開始してから2秒後に、画像表示部GHには、最終の必殺技が出される演出が画像表示される(図13(j))。この演出は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A9HD0H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。なお、7ラウンドにおいて最終の必殺技が出される迄の間は、6ラウンドで出力された演出指定コマンド(A9H91H)に基づく攻防演出が継続して画像表示されている。つまり、7ラウンドの1回目の短開放動作の開始時、表示制御用CPU32aには、演出指定コマンドが出力されない。このため、統括制御用CPU31aは、7ラウンドの開始に伴って大入賞口画像を非表示させるために、大入賞口位置指定3コマンド(A7H03H)を出力する。これにより、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示させる。
最終の必殺技が出される演出は、その結果が7ラウンドの中開放動作の開始時に導出される。この攻防演出の結果が、報知演出としての昇格演出の結果となり得る。このとき、大当りCに基づく大当り遊技では、勝利する結果が導出される(図13(k))。また、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示してから「11.552秒」の経過に伴って再び画像表示させる。この画像表示は、7ラウンドの中開放動作の開始時に合わせて行われる。
その後、7ラウンドが終了すると、8ラウンド→9ラウンドの順に開始される。8ラウンド及び9ラウンドにおいて画像表示部GHには、それぞれにラウンド演出が行われる(図13(l),(m))。また、画像表示部GHには、ラウンド数が表示される。このラウンド数の表示は、図14(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A5H1FH/A5H20H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、8,9ラウンドにおいて画像表示部GHには、引き続き「左大入賞口を狙え!」が画像表示される。その後、エンディング演出が終了すると、大当りCに基づく大当り遊技が付与されていたことにより、大当り遊技終了後、高確確定モードM3に移行する。
なお、大当りD,Eに当選した場合は、確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出の実行時期が相違するのみで、その結果が導出される迄の過程(演出内容)は前述した大当りCに当選した場合の演出内容と同じである。そして、確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出が実行された後の各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われるとともに、ラウンド数の表示と大入賞口画像の表示が行われる。
大当りDに当選している場合、統括制御用CPU31aは、3ラウンドの中開放動作の開始に伴って演出指定コマンド(A9H17H)を出力する。そして、前記演出指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出を実行させる。このとき、画像表示部GHには、特別キャラ(味方)が登場し、その登場によって確変状態が付与されることを確定的に報知する。
また、大当りEに当選している場合、統括制御用CPU31aは、5ラウンドの1回目の短開放動作が開始してから2秒後に、演出指定コマンド(A9HC1H)を出力する。この演出指定コマンドは、1回目の必殺技によって勝利する結果を導出する演出内容を指示するコマンドである。そして、前記演出指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、1回目の必殺技を出す演出を画像表示させるとともに、勝利の結果の導出によって確変状態が付与されることを確定的に報知する報知演出を実行させる。
図14(b)は、変短状態時に大当りNに当選した場合に、各ラウンド遊技において統括制御用CPU31aが出力する演出指定コマンド、及び大入賞口画像の表示態様を示す。なお、以下の制御内容は、変短状態時に大当りG,Hに当選した場合も同じである。
大当りNに基づく大当り遊技は、前述したように、大当りCに基づく大当り遊技における中開放動作が行われない。このため、大当りNに基づく大当り遊技では、大当りCに基づく大当り遊技の中開放動作時に行われていた演出を、2回の短開放動作後、次のラウンド遊技における長開放動作時に行うことになる。具体的に言えば、対決キャラを確定させる演出は、4ラウンドで行う。このため、大当りCに基づく大当り遊技では、3ラウンドの中開放動作の開始に伴って大入賞口画像が画像表示されていたが、大当りNに基づく大当り遊技では、4ラウンドの長開放動作の開始時に大入賞口画像が画像表示される。
また、大当りNに基づく大当り遊技では、大当りCに基づく大当り遊技の5ラウンドの短開放動作時に行われていた1回目の必殺技が出される演出が、6ラウンドの1回目の短開放動作が開始してから2秒後に行われることになる。また、大当りNに基づく大当り遊技では、大当りCに基づく大当り遊技の7ラウンドの短開放動作時に行われていた最終の必殺技が出される演出が、9ラウンドの1回目の短開放動作が開始してから2秒後に行われることになる。なお、大当りNの場合は、大当り遊技終了後に確率変動状態が付与されているか否かを潜伏させるので(潜確モードM4へ移行させるので)、報知演出としての昇格演出の結果として、敗北の結果(確変未確定)が導出される。
図15は、大当りI,Jに当選した場合の演出内容を示すとともに、図16(a)は、大当りI,Jに当選した場合に、各ラウンド遊技において統括制御用CPU31aが出力する演出指定コマンド、及び大入賞口画像の表示態様を示す。
図柄変動ゲームにおいて画像表示部GHに飾図の大当り図柄が導出されると(図15(a))、その大当り図柄の確定後に大当り遊技が開始する。大当りI,Jに当選した場合、図柄変動ゲームでは、確変大当りを確定的に認識し得る特殊図柄Tを含む大当り図柄が確定停止表示される。オープニング演出では、画像表示部GHに、「特別ボーナス」という画像表示がなされる(図15(b))。なお、大当りI,Jに当選したことによって付与される大当り遊技の演出は、主人公キャラが敵キャラと対決するストーリで行われる。そして、敵キャラに勝利すると「大当りI確定(ロング開放)」となり、敗北すると「大当りJ確定(ショート開放)」となる。
そして、オープニング演出の終了後、画像表示部GHには、1〜3ラウンドにおいて説明演出が画像表示される(図15(c))。この説明演出は、図16(a),(b)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(ADH40H/ADH41H/ADH42H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、大当りIの場合は、10ラウンドを除く各ラウンドにおいて画像表示部GHにラウンド数が表示される。また、大当りJの場合は、1〜9ラウンドにおいて画像表示部GHにラウンド数が表示される一方で、10〜16ラウンドにおいて画像表示部GHにラウンド数が表示されない。このラウンド数の表示と非表示は、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(A5H21H〜29H、2BH〜30H、00H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aによって制御される。上記ラウンド数に関わる演出指定コマンドは、各ラウンドの最初の開放動作の開始時に、統括制御用CPU31aから出力される。
また、画像表示部GHには、大入賞口画像として「下大入賞口を狙え!」が画像表示される。この画像表示は、図16(a),(b)に示すように、統括制御用CPU31aが1ラウンドの最初の開放動作の開始時に出力した演出指定コマンド(ADH40H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、3ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、4ラウンドの最初の開放動作の開始に伴って対決演出が画像表示されるとともに、その対決演出は9ラウンドの終了まで画像表示される(図15(d))。この対決演出は、図16(a),(b)に示すように、統括制御用CPU31aが各ラウンドの最初の開放動作時に出力した演出指定コマンド(ADH43H〜48H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。そして、9ラウンドの閉鎖動作時、画像表示部GHには、ホワイトアウト演出が画像表示される。この演出は、図16(a),(b)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(ADH49H)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。
次に、9ラウンドが終了すると、画像表示部GHには、10ラウンドの最初の開放動作の開始に伴って勝利演出又は敗北演出が行われる。具体的に言えば、大当りIに当選している場合、画像表示部GHには、勝利演出が画像表示される(図15(e))。この勝利演出は、図16(a)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(ADH4BH)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(ADH4BH)の入力を契機に、大入賞口画像を非表示させる。つまり、超短開放動作中は、大入賞口画像が表示されない。そして、大当りIに当選している場合、表示制御用CPU32aは、大入賞口画像を非表示してから「14.28秒」の経過に伴って再び画像表示させる。この画像表示は、7回の超短開放動作の終了後の中開放動作に合わせて行われる。
その後、10ラウンドが終了すると、11〜16ラウンドの順に開始される。11〜16ラウンドにおいて画像表示部GHには、それぞれにラウンド演出が行われる(図15(g))。また、画像表示部GHには、ラウンド数が表示される。また、11〜16ラウンドにおいて画像表示部GHには、引き続き「左大入賞口を狙え!」が画像表示される。その後、エンディング演出が終了すると、大当り遊技終了後、高確確定モードM3に移行する。
一方、大当りJに当選している場合、10ラウンドの画像表示部GHには、敗北演出が画像表示される(図15(h))。この敗北演出は、図16(b)に示すように、統括制御用CPU31aが出力した演出指定コマンド(ADH4AH)の入力を契機に、表示制御用CPU32aが画像表示させる。また、敗北演出は、各1回の超短開放動作を行う10〜16ラウンドで画像表示される。また、表示制御用CPU32aは、上記演出指定コマンド(ADH4AH)の入力を契機に、大入賞口画像を非表示させる。つまり、超短開放動作中は、大入賞口画像が表示されない。その後、エンディング演出が終了すると、大当り遊技終了後、高確確定モードM3に移行する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)左大入賞口20の開閉動作に基づき大当り遊技が行われる場合は、獲得賞球に関して有利である一方で、遊技特典に関して不利である。その一方、下大入賞口21の開閉動作に基づき大当り遊技が行われる場合は、遊技特典に関して有利である一方で、獲得賞球に関して不利である。つまり、本実施形態の構成によれば、何れかの大入賞口に基づき大当り遊技が行われる場合の優位性が偏らず、双方を遊技者にバランス良く付与し得る。したがって、複数の大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)を配置した場合の遊技性を最大限に発揮することができる。
(2)流下方向変更手段(遊技釘23、風車24など)は、遊技領域YBaを流下する遊技球にとっては障害物となり得るものである。このため、流下経路上に流下方向変更手段の配設量が少ない左大入賞口20は、遊技領域YBaに発射された遊技球の到達時間も早く、その結果、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に要する時間を短縮させることができる。したがって、賞球獲得において有利となる。
(3)下大入賞口21の開閉動作に基づく大当り遊技を付与する大当り(大当りI,J)の中に、図柄変動ゲームにおいて確変状態が付与されることを確定的に報知する演出が実行される大当りを設けた。このため、遊技者は、迅速に確変状態が付与されることを認識でき、安心して大当り遊技を行うことができる。すなわち、下大入賞口21の開閉動作に基づく大当り遊技は、遊技特典において有利となる。
(4)左大入賞口20は、下大入賞口21に比して、遊技球が非遊技領域YBbから遊技領域YBaへ移動するための入口部(逆戻り防止弁YRbの配設部位)の近くに配置されている。このため、遊技領域YBaへ移動した遊技球は、下大入賞口21よりも左大入賞口20に対して迅速に到達することになる。したがって、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に要する時間を短縮させることができる。
(5)左大入賞口20へ遊技球が到達する経路長は、下大入賞口21へ遊技球が到達する経路長に比して短い。このため、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技と下大入賞口21を開閉動作させる大当り遊技は、従前と同様に大当り遊技を終了させるまでに必要な時間に差が生じ、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に必要な時間の方が短くなる。すなわち、左大入賞口20を設けることで、大当り遊技の時間短縮を図ることができる。
(6)特に、本実施形態の場合は、左大入賞口20を使用する大当り遊技の割合を、下大入賞口21を使用する大当り遊技の割合に比して多く設定しているから、大当り遊技に要する時間を全体的に短縮させることができる。このように時間効率を図ることで、単位時間あたりの大当り当選回数を増加させることもできる。また、高確率状態中、遊技者は、連続的に大当り遊技が行われること(連チャンすること)を期待するから、大当り遊技を楽しむよりも、次の大当りへの期待の方が大きい。したがって、上記構成によって時間効率を図ることで、遊技に対する興趣を向上させることができる。つまり、大当り遊技によるイライラ感を遊技者に募らせることがない。
(7)そして、左大入賞口20と下大入賞口21は、何れも遊技領域YBaの左方領域に配置されている。しかも、左大入賞口20は、逆戻り防止弁YRbと下大入賞口21の間に配置されている。つまり、左大入賞口20を狙って遊技球を発射させるための発射強度と下大入賞口21を狙って遊技球を発射させるための発射強度を、同等に設定することができる。したがって、大入賞口を右方領域に配置した場合に比して発射強度を弱く設定できるから、遊技球の衝突による衝撃を緩和することができる。
(8)また、左大入賞口20と下大入賞口21を何れも左方領域に配置することで、非当り遊技中と当り遊技中は勿論のこと、当りの種類によっても、遊技球の発射強度を変更するための操作が不要となる。つまり、左方領域と右方領域の打ち分けを必要としないので、遊技者に面倒な操作を強いることがない。また、如何なる状態においても左方領域に遊技球を発射させれば良いので、発射強度を変更する操作により、大当り遊技における遊技球の打ち出しに遅れを生じさることもない。
(9)遊技領域YBaの左方領域を狙って発射させた遊技球の流下経路上に、左大入賞口20、下大入賞口21、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、作動ゲート19を集約しているので、何れの入賞口(作動ゲート19を含む)にも入球せずにアウト口22へ到達する可能性を低減することができ、無駄球の発生を抑制することができる。
(10)大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)の開閉処理を行う主制御基板30側で大当りの種類の決定とともに特典(確変状態)が付与されることを確定的に報知する報知演出の実行時期を決定する。このため、大入賞口の開閉動作と報知演出の実行時期を関連付けた演出を実現することができる。
(11)特に、異なる開放動作のラウンドで報知演出を実行させる場合(例えば、大当りCの場合は3ラウンドなど)、サブ側(統括制御用CPU31a側)では、抽選などによってランダムに報知演出の実行時期を決定することができない。このため、報知演出の実行時期をメイン側(主制御用CPU30a側)で行うことで、大入賞口の開閉動作と報知演出の実行時期を関連付けた演出を実現することができる。
(12)報知演出の実行対象となり得るラウンド遊技を不利な開閉パターン(短開放動作)で開閉動作させるので、そのラウンド遊技の存在によって賞球獲得数に差を持たせることができる。そして、特典(確変状態)が付与されることを確定的に報知する報知演出の実行時期により、賞球獲得数に差を持たせることができる。つまり、特典が付与されることの報知が早い段階で行われるほど、賞球獲得数を増加させることができる。
(13)そして、本実施形態では、複数箇所を報知演出の実行対象としているから、特典が付与されることの報知がなされるチャンスを多くしつつ、賞球獲得数を調整することもできる。
(14)報知演出の対象となり得る特典を確変状態としたことにより、確変状態が付与されることへの期待感を遊技者に付与することができる。
(15)大当りC,D,E,G,H,Nは、大当り抽選に当選したときの遊技状態(変短状態が付与されているか否か)に応じて、大当り遊技中の遊技演出の演出内容を変化させる。具体的に言えば、同じ昇格ボーナスであって、演出K1系と演出K2系の何れかで演出を行う。したがって、大当りの種類が同一種類であっても、異なる大当りの種類に当選したかのように感じさせることができる。したがって、演出のバリエーションを増やすことができる。
(16)報知演出を含む大当りの種類に基づく大当り遊技を同一回数(実施形態では9回)のラウンド遊技によって構成したので、ラウンド報知装置RHの報知内容からは何れの大当りの種類に当選したかを把握できない。すなわち、報知演出の実行時期を分からなくすることができ、報知演出が実行される度に、特典(確変状態)が付与されることへの期待感を与えることができる。
(17)大当りC,D,Eに基づく大当り遊技と大当りG,H,Nに基づく大当り遊技では、特定ラウンド遊技において大入賞口(左大入賞口20)を異なる開閉パターンで開閉動作させている。しかし、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技では、短開放動作と次のラウンド遊技の長開放動作によって、大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技と見た目上区別し難い開閉動作状態を作り出している。したがって、大当り遊技を構成するラウンド遊技の回数を同一回数に設定しつつ、大入賞口の開閉パターンから賞球獲得数に優劣が付けられていることを分かり難くすることができる。
(18)大当りC,D,Eに基づく大当り遊技の特定ラウンド遊技は、短開放動作と中開放動作からなる。このため、大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の最終ラウンド遊技を、短開放動作によって構成することで、大当りC,D,Eの特定ラウンド遊技における中開放動作により賞球獲得のチャンスが増加したかのように感じさせることができる。
(19)大当りC,D,Eに基づく大当り遊技と大当りG,H,Nに基づく大当り遊技の賞球獲得数に優劣を確実に付けることができる。すなわち、長開放動作によって大当りC,D,E及び大当りG,H,Nの何れの場合であっても賞球を獲得させつつ、中開放動作を含むか否かによって賞球獲得数に優劣を付けることができる。
(20)大当りG,H,Nのうち、大当りNは、非確変大当りとされている。このため、賞球獲得数の優劣に加えて、大当り遊技終了後に付与される特典(確変状態)についても優劣を付けることができる。
(21)特図1の大当りと特図2の大当りの振分けにおいて、特図2には大当りHを振分けていない。すなわち、大当り遊技中に報知演出の結果が敗北となって、潜伏する大当りの割合が、特図1よりも特図2の方が少ない。つまり、特図2の場合は、敗北(失敗)の結果であれば、大当りN(非確変大当り)の可能性が高い。したがって、特図2の場合は、7ラウンドで報知演出の結果が勝利となる大当りCの割合を増加させて、特典(確変状態)が付与されることの報知時期を遅らせることで、遊技者の期待感を煽ることができる。一方、特図1の場合は、大当りHを振分けているので、報知演出の結果が敗北(失敗)であっても、確変状態の可能性が高い。したがって、特図1の場合は、大当りD,Eの割合を増加させることで、特典(確変状態)が付与されることの報知時期を早めることができる。
(22)大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)の開閉パターン(短開放動作、中開放動作など)にしたがって、大入賞口画像(特定情報)の表示(報知状態)と非表示(非報知状態)とを切り換える。このため、大入賞口画像を表示させる必要がない時には非表示とすることにより、遊技者に不快感を与えないようにすることができる。したがって、当り遊技における興趣の低下を抑制することができる。
(23)特に、本実施形態の場合は、短開放動作時や超短開放動作時に大入賞口画像を非表示させている。これらの短開放動作や超短開放動作は、その開閉動作時間が極めて短時間であって、遊技球の入球が困難である。このため、このような動作時に大入賞口画像を表示させることは、遊技者に無駄球の発生を促すようで、不快感を与える。一方、本実施形態の場合は、中開放動作時や長開放動作時に大入賞口画像を表示させている。これらの中開放動作や長開放動作は、その開閉動作時間が長く、遊技球の入球が容易である。このため、このような動作時に大入賞口画像を表示させることは、大入賞口へ遊技球を入球させる意欲を抱かせることができる。
(24)短開放動作から中開放動作へ移行した場合には、大入賞口画像を再び表示させるので、遊技者に狙わせるべき大入賞口を確実に判断させることができる。
(25)当り遊技用の演出指定コマンドの入力を契機に、大入賞口画像の表示と非表示を切り換えている。すなわち、演出指定を、大入賞口画像の切り換え指定に兼用している。したがって、演出指定と切り換え指定をわざわざ別々の制御コマンドを使って指示する必要がなく、制御構成を簡素化できる。
(26)ラウンド遊技中の演出は、全体の流れを考慮して作られる。このため、大入賞口が短開放動作を行うタイミングで演出指定コマンドが出力されるとは限らない。したがって、大入賞口位置指定3コマンド(表示OFFのコマンド)を設定することで、ラウンド遊技中の演出を短開放動作の時期に縛られることなく設定できるので、演出の自由度を広げることができる。
(27)大入賞口画像の制御を、統括制御用CPU31aと表示制御用CPU32aで行っている。このため、大当り遊技中の処理を複数の制御手段に分散させることができる。そして、表示制御用CPU32aを用いることにより、演出指定コマンドを兼用させて、大入賞口画像の表示と非表示を制御することができる。
(28)また、演出指定コマンドを兼用する場合、表示制御用CPU32aは、その演出指定コマンドが出力されないと大入賞口画像の表示と非表示を制御することができない。そして、表示制御用CPU32aは、統括制御用CPU31aの指示にしたがって演出を行う役割であるから、主制御用CPU30aが行う大入賞口の制御内容を全く把握していない。このため、例えば、大当りCに基づく大当り遊技の4ラウンドから5ラウンドにおいて、演出指定コマンドが出力されないと、大入賞口画像を非表示させることができない。そして、4ラウンドは長開放動作のラウンドであるから、そのラウンドの終了条件が成立する時期も全く想定不能である。つまり、表示制御用CPU32aが、例えば4ラウンドの演出指定コマンドを入力した時に時間計測を行っても、5ラウンドが開始する時期は全く想定し得ない。そこで、本実施形態では、このような状況下において統括制御用CPU31aが、大入賞口位置指定3コマンドを出力するので、表示制御用CPU32aに大入賞口画像の非表示を確実に行わせることができる。なお、統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから開放指定コマンドや閉鎖指定コマンドを入力しているので、5ラウンドが開始する時期を想定し得る。
(29)また、表示制御用CPU32aは、大入賞口位置指定3コマンドを入力して大入賞口画像を非表示した後は、時間管理にて大入賞口画像を再び表示させている。本実施形態において大入賞口位置指定3コマンドを入力する時は、短開放動作又は超開放動作が行われる時である。これらの動作時は、遊技球の入球が極めて困難であるから、これらの動作中にラウンド遊技の終了条件が成立する可能性は零に近い。このため、表示制御用CPU32aが時間管理によって大入賞口画像を表示させることで、例えば演出指定コマンドが出力されていない場合やコマンドに欠落が生じた場合でも、中開放動作の開始タイミングに合わせて確実に大入賞口画像を表示させることができる。
(30)超短開放動作や短開放動作は、遊技球の入球が困難であるから、遊技者は、その動作時に遊技球の発射を止めてしまう可能性がある。このため、超短開放動作や短開放動作から中開放動作や長開放動作に移行したことに気付かなかった場合は、遊技球を入球させる機会(チャンス)を損なわせることになる。したがって、超短開放動作や短開放動作から中開放動作や長開放動作に移行する状況では、表示制御用CPU32aが時間管理を行うことで、大入賞口画像を確実に表示させることができ、遊技者に遊技球の発射を促すことができる。
(31)大当りC,D,E,G,H,I,J,Nの大当り遊技では、ラウンド表示を非表示としている場合がある。これらの大当りに基づく大当り遊技は、図6に示すように、ラウンド遊技において特徴的な開閉パターンで大入賞口を開閉動作させている。このため、毎ラウンド遊技でラウンド表示を行うと、大当りの種類を特定できてしまう。したがって、ラウンド表示を非表示とすることで、遊技性を担保することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、ラウンド報知装置RHに同一のラウンド数を報知する報知を複数配設しても良い。例えば、実施形態で説明した大当りの種類の場合、「16回」の報知部を2つ配設し、一方の報知部を大当りA,I,J用とし、他方の報知部を大当りL(突確)用としても良い。また、一方の報知部を、左大入賞口20を開閉動作させる大当りA用とし、他方の報知部を、下大入賞口21を開放動作させる大当りI,J用としても良い。なお、ラウンド報知装置RHは、全ての大当りのラウンド数が同一回数の場合は設けなくても良い。
・ 実施形態において、確変状態の付与形態や変短状態の付与形態を変更しても良い。例えば、確変状態の付与形態として、確変状態を付与可能な確変上限回数を設定し、その確変上限回数への到達によって確変状態を終了させても良い。また、変短状態の付与形態として、潜伏用の大当りについて大当り抽選の抽選確率状態に関係なく、変短なし時に当選した時には変短上限回数を設定しても良い。例えば、大当りHの場合、低確+変短なし、及び高確+変短なしの何れでも、変短上限回数を設定しても良い。
・ 実施形態において、大当りC,D,E,G,H,Nは、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技中の演出を同一演出内容としても良い。
・ 実施形態において、報知演出で報知される特典としては、ラウンド数の多い大当り遊技であることや、変短上限回数が多いことでも良い。
・ 実施形態において、大当りC,D,Eにおける報知演出の実行対象となり得るラウンド遊技の開閉パターンを変更しても良い。例えば、短開放動作の回数を増減させても良い。
・ 実施形態において、大当りC,D,Eにおける報知演出の実行対象となり得るラウンド遊技の数を増減させても良い。
・ 実施形態において、報知演出を、演出表示装置11に代えて、又は加えて、装飾ランプRBやスピーカSPで行っても良いし、報知演出専用の装置で行っても良い。
・ 実施形態において、超短開放動作、短開放動作、中開放動作、及び長開放動作の各開閉動作時間を変更しても良い。
・ 実施形態において、大当りC,D,Eの特定ラウンド遊技における短開放動作と中開放動作の間のインターバル時間と、大当りG,H,Nの特定ラウンド遊技における短開放動作と次のラウンドの長開放動作の間のインターバル時間を、ほぼ同一時間に設定しても良い。すなわち、遊技者が認識し得ない所定の時間差内であれば制御的に同一時間でなくても良い。例えば、制御基板の制御周期を4msとした場合、制御的に数制御周期(例えば、2〜3周期)ずれていても、遊技者は区別することはできない。
・ 実施形態において、大当りC,D,Eの短開放動作の開閉動作時間と大当りG,H,Nの短開放動作の開閉動作時間は、同一時間としても良いし、ほぼ同一時間としても良い。また、大当りIと大当りJの超短開放動作の開閉動作時間は、同一時間としても良いし、ほぼ同一時間としても良い。すなわち、前述したように、制御的に数制御周期(例えば、2〜3周期)ずれていても、遊技者は区別することはできない。
・ 実施形態において、短開放動作の開閉動作時間は、その短開放動作中に規定個数の入球がなされない(終了条件が成立しない)時間であれば、変更しても良い。パチンコ遊技機10では、1分間に100球程度の遊技球が発射されるように構成されている。したがって、遊技球の発射間隔、大入賞口までの到達時間などを考慮することで、短開放動作の開閉動作時間を設定することができる。
・ 実施形態において、統括制御用CPU31aは、大入賞口位置指定3コマンドを出力した場合、その出力後、所定時間の経過によって大入賞口位置指定4コマンドを出力して大入賞口画像を表示させるようにしても良い。なお、所定時間とは、大入賞口画像を表示させても良い時間であって、開閉パターンをもとに設定される。例えば、実施形態では、図12(a)に示す「13.552秒」である。
・ 実施形態において、統括制御用CPU31aは、演出指定コマンドとは別に、大入賞口画像を非表示させるタイミングで大入賞口位置指定3コマンドを常に出力するとともに、大入賞口画像を表示させるタイミングで大入賞口指定4コマンドを常に出力させても良い。この場合、統括制御用CPU31aが主となって大入賞口画像の表示と非表示を制御することになる。
・ 実施形態において、狙わせるべき大入賞口を特定する情報の報知手段を変更しても良い。例えば、大入賞口にランプなどの発光体を配設し、その発光体を発光させることによって報知しても良いし、スピーカSPによる音声出力で報知しても良い。
・ 実施形態において、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技を付与する場合に行う図柄変動ゲームで、確変状態が付与されることを確定的に報知する演出を実行させても良い。この場合の演出は、大当りI,Jのように図柄の組み合わせでも良いし、予告演出やリーチ演出などの演出でも良い。なお、大当りI,Jに当選した場合の図柄変動ゲームで行われる演出と異なる演出を実行することで、大当りの種類を区別することができる。
・ 実施形態において、左大入賞口20を下大入賞口21よりも、例えば入球口を広くするなどして、賞球数に差を生じさせても良い。
・ 実施形態において、左大入賞口20と下大入賞口21において、大当り遊技を構成するラウンド数の多少によって賞球数に差を生じさせても良いし、遊技特典に差を生じさせても良い。また、遊技特典の差を、変短上限回数によって作り出しても良い。
・ 実施形態において、下大入賞口21を用いる大当りの中に非確変大当りを含めても良い。この場合は、非確変大当りに当選する割合を、左大入賞口20を用いる大当りよりも下大入賞口21を用いる大当りの方を少なくすることで、遊技特典に差を生じさせることができる。
・ 実施形態において、左大入賞口20の構成(形状)を変更しても良い。例えば、下大入賞口21のような構成(形状)としても良い。つまり、左大入賞口20と下大入賞口21は、何れも左方領域に配設されていれば、その構成は変更しても良い。なお、左方領域に配設されているとは、左大入賞口20のように全ての部位が配設されていることに加えて、下大入賞口21のようにその一部の部位が配設されていることを含む。
・ 実施形態において、大当りLの開放回数と小当りOの開放回数を同一回数に設定しても良い。例えば、大当りLの開放回数を「15回」とした場合(この場合は、ラウンド数が15回となる)、それに合わせて小当りOの開放回数を「15回」としても良い。
・ 実施形態では、主制御用CPU30aが特図指定コマンド(特図毎に設定されたコマンド)を出力し、その特図指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが当りの種類を把握している。これに代えて、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(ア)前記逆戻り防止手段は、発射された遊技球が非遊技領域から遊技領域へ移動するための入口部に相当し、前記第1の入賞手段は、前記第2の入賞手段に比して前記入口部の近くに配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
(イ)当りか否かの当り抽選処理と前記当り抽選に当選した場合に当りの種類を決定する当り種決定処理を行う主制御手段と、前記主制御手段からの指示にしたがって各種の遊技演出の実行を制御する副制御手段と、を備え、前記主制御手段は、当り抽選に当選した場合に当り遊技を付与するとともに、当りの種類に応じて遊技者に有利な特典を付与する遊技機において、前記当り遊技は、遊技球の入球を許容する入賞手段を開放させる複数回のラウンド遊技によって構成されており、前記当りの種類には、同一回数のラウンド遊技からなる当り遊技を付与するとともに、前記有利な特典が付与されることを遊技者に報知する報知演出を実行する複数種類の特殊当りを含み、前記特殊当りに基づく当り遊技には、前記報知演出の実行対象となる第1のラウンド遊技とそれ以外の第2のラウンド遊技と、が設定されており、前記複数種類の特殊当りは、異なる第1のラウンド遊技において前記特典が付与されることを確定的に報知するとともに、他の特殊当りにおいて前記特典が付与されることを確定的に報知するラウンド遊技と同一回数目のラウンド遊技では、前記特典が付与されることを確定的に報知せず、前記主制御手段は、前記入賞手段を開閉動作させる開閉処理を行い、前記第1のラウンド遊技と前記第2のラウンド遊技において異なる開閉パターンで前記入賞手段を開閉動作させ、前記主制御手段が前記当り種決定処理にて決定する前記特殊当りの種類に応じて、前記副制御手段に前記特典が付与されることを確定的に報知する報知演出を実行させることを特徴とする遊技機。
(ウ)前記第1のラウンド遊技は、前記第2のラウンド遊技に比して不利な開閉パターンで前記入賞手段が開閉動作することを特徴とする前記技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(エ)前記特典には、前記当り抽選の当選確率状態を高確率状態に変動させる確率変動状態を含み、前記報知演出は、前記確率変動状態が付与されることを報知する演出であることを特徴とする前記技術的思想(イ)又は(ウ)に記載の遊技機。
(オ)前記特典には、前記当り抽選の結果を導出する図柄変動ゲームの変動時間を短縮させる変動時間短縮状態を含み、前記副制御手段は、前記変動時間短縮状態中に前記当り抽選に当選し、前記特殊当りが決定された場合と、前記変動時間短縮状態が付与されていない非変動時間短縮状態中に前記当り抽選に当選し、前記特殊当りが決定された場合とで、前記当り遊技中に行う遊技演出を異なる演出内容とすることを特徴とする前記技術的思想(イ)〜(エ)に記載の遊技機。
(カ)前記当り種決定処理にて決定された前記当りの種類に基づく当り遊技を構成するラウンド遊技の回数を報知するラウンド報知装置を備えたことを特徴とする前記技術的思想(イ)〜(オ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(キ)当りか否かの当り抽選に当選した場合には、遊技球の入球を許容する入賞手段を開放させる複数回のラウンド遊技からなる当り遊技を付与する遊技機において、前記入賞手段を開閉動作させる開閉処理を行う開閉制御手段を備え、前記当りの種類には、同一回数のラウンド遊技からなる当り遊技を付与する一方で、特定ラウンド遊技において前記入賞手段を異なる開閉パターンで開閉動作させる第1種当りと第2種当りを含み、前記第1種当りに基づく前記特定ラウンド遊技には、第1の開閉動作と、前記第1の開閉動作後に、前記第1の開閉動作とは異なる第2の開閉動作と、を含み、前記第2種当りに基づく前記特定のラウンド遊技には、前記第1の開閉動作を含み、前記第1種当りに基づく前記特定ラウンド遊技における前記第1の開閉動作と前記第2の開閉動作の間のインターバル時間と、前記第2種当りに基づく前記特定ラウンド遊技における前記第1の開閉動作と前記特定ラウンド遊技の次に行われる非特定ラウンド遊技における開閉動作の間のインターバル時間と、を同一時間又はほぼ同一時間に設定したことを特徴とする遊技機。
(ク)前記第2種当りに基づく当り遊技の最終ラウンド遊技は、前記第1の開閉動作を含む特定ラウンド遊技とされていることを特徴とする前記技術的思想(キ)に記載の遊技機。
(ケ)前記特定ラウンド遊技以外のラウンド遊技には、前記第1の開閉動作及び前記第2の開閉動作とは異なる第3の開閉動作を含み、前記第1の開閉動作の動作時間は、前記第2の開閉動作の動作時間よりも短く、前記第2の開閉動作の動作時間は、前記第3の開閉動作の動作時間よりも短く設定されており、前記第1種当りに基づく当り遊技の特定ラウンド遊技は、複数回の第1の開閉動作と前記第1の開閉動作後の単数回の第2の開閉動作によって構成されているとともに、前記特定ラウンド遊技の次のラウンド遊技は前記第3の開閉動作によって構成されており、前記第2種当りに基づく当り遊技の特定ラウンド遊技は、前記第1種当りに基づく当り遊技の特定ラウンド遊技における第1の開閉動作と同一回数分の第1の開閉動作によって構成されているとともに、前記特定ラウンド遊技の次のラウンド遊技は前記第3の開閉動作によって構成されていることを特徴とする前記技術的思想(キ)又は(ク)に記載の遊技機。
(コ)前記当りの種類に応じて、前記当り遊技終了後に、前記当り抽選の当選確率状態を低確率状態から高確率状態へ変動させる確率変動状態を付与可能な付与手段を備え、前記第2種当りには、当り遊技終了後の当り抽選の当選確率を低確率状態に設定する非確変当りを含むことを特徴とする前記技術的思想(キ)〜(ケ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(サ)当りか否かの当り抽選に当選した場合には、遊技球の入球を許容する入賞手段を開放させる複数回のラウンド遊技からなる当り遊技を付与するとともに、前記入賞手段を遊技盤に複数配置した遊技機において、前記当り遊技中に、当該当り遊技が行われている前記入賞手段を示す特定情報を報知手段に報知させる報知制御手段を備え、前記当り遊技には、当該当り遊技を構成するラウンド遊技のうち、特定ラウンド遊技において他のラウンド遊技とは異なる開閉パターンで前記入賞手段を開閉動作させる当り遊技を含み、前記報知制御手段は、前記開閉パターンにしたがって前記特定情報を報知する報知状態と前記特定情報を報知しない非報知状態とに切り換えることを特徴とする遊技機。
(シ)前記特定ラウンド遊技には、第1の開閉動作と、前記第1の開閉動作後の第2の開閉動作と、を含み、前記第1の開閉動作の動作時間は、前記第2の開閉動作の動作時間に比して短い時間に設定されており、前記報知制御手段は、前記報知状態の場合、前記特定ラウンド遊技において前記第1の開閉動作時に前記特定情報を前記非報知状態とする一方で、前記第1の開閉動作後の前記第2の開閉動作の開始に伴って前記特定情報を前記非報知状態から前記報知状態へ切り換えることを特徴とする前記技術的思想(サ)に記載の遊技機。
(ス)前記報知制御手段は、前記ラウンド遊技中の演出内容を指示する演出指定コマンドを出力する演出指示手段と、前記制御コマンドに基づき演出を実行させる演出制御手段と、を含み、前記演出制御手段は、前記報知状態において前記第1の開閉動作の開始と前記演出指定コマンドの入力により、前記特定情報を前記報知状態から前記非報知状態へ切り換え、その後に前記第2の開閉動作の開始と前記演出指定コマンドの入力により、前記特定情報を前記非報知状態から前記報知状態へ切り換えることを特徴とする前記技術的思想(シ)に記載の遊技機。
(セ)前記演出指示手段は、前記特定ラウンドにおいて最初の第1の開閉動作の開始に伴って前記演出指定コマンドを出力しない場合、前記特定情報の前記非報知状態を指示する非報知指定コマンドを出力し、前記演出制御手段は、前記非報知指定コマンドを入力した場合、前記特定情報を前記報知状態から前記非報知状態へ切り換えることを特徴とする前記技術思想(ス)に記載の遊技機。
(ソ)前記第1の開閉動作の動作時間は、前記入賞手段への遊技球の入球が困難な時間である一方で、前記第2の開閉動作の動作時間は、前記入賞手段への遊技球の入球が容易な時間であることを特徴とする前記技術的思想(シ)〜(セ)に記載の遊技機。
(ツ)当り遊技中に遊技球の入球を許容するように開閉動作を行う入賞手段を、遊技盤に複数配置した遊技機において、当りか否かの当り抽選を行う当り抽選手段と、前記当り抽選に当選した場合に、何れの入賞手段の開閉動作による当り遊技を付与するか抽選する抽選手段と、を備え、前記入賞手段は、第1の入賞手段と第2の入賞手段とからなり、前記第1の入賞手段の開閉動作による第1の当り遊技と前記第2の入賞手段の開閉動作による第2の当り遊技では、当り遊技中に獲得し得る賞球数に差が生じるとともに、当り遊技終了後に付与される遊技特典に差が生じるようになっており、前記第1の当り遊技は、前記賞球数が前記第2の当り遊技に比して多くなり易く、かつ前記遊技特典が前記第2の当り遊技に比して低特典になり易い一方で、前記第2の当り遊技は、前記賞球数が前記第1の当り遊技に比して少なくなり易く、かつ前記遊技特典が前記第1の当り遊技に比して高特典になり易く構成されていることを特徴とする遊技機。
(テ)前記賞球数の差は、前記遊技盤の遊技領域に発射された遊技球の流下方向を変化させる流下方向変更手段の配設量に応じて生じ、前記第1の入賞手段に至る流下経路には、前記第2の入賞手段に至る流下経路に比して前記流下方向変更手段の配設量が少なく設定されていることを特徴とする前記技術的思想(ツ)に記載の遊技機。
(ト)前記第2の当り遊技を付与する当りに基づく図柄変動ゲームでは、当り遊技終了後に当り抽選の当選確率状態を低確率状態から高確率状態へ変動させる確率変動状態が付与されることを確定的に報知する演出が行われることを特徴とする前記技術的思想(ツ)又は(テ)に記載の遊技機。