JP2021051864A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電効率が高い全固体電池の提供。【解決手段】負極の反応として金属リチウムの析出−溶解反応を利用した全固体電池100であって、負極集電体11、固体電解質層12、及び、正極層13をこの順に有し、負極集電体11と固体電解質層12との間に繊維状炭素材料と樹脂を含むLi吸蔵層15を有する全固体電池100。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体電池に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。
電池の中でもリチウム金属二次電池は、金属の中で最大のイオン化傾向を持つリチウムを負極として用いるため、正極との電位差が大きく、高い出力電圧が得られるという点で注目されている。
また、全固体電池は、正極と負極の間に介在する電解質として、有機溶媒を含む電解液に替えて固体電解質を用いるという点で注目されている。
リチウム金属二次電池の分野において、デンドライトに起因する短絡の発生が知られている。短絡は、充電時に負極層に析出したリチウムが、正極層の方向へ成長し、物理的に負極層及び正極層が接触することによって生じる。デンドライトの成長に起因する短絡を防止することを目的とした開発が進められている。
特許文献1には、負極集電体と固体電解質層との間に炭素材料と樹脂からなるLi吸蔵層を備えるLi析出負極を有するリチウム固体電池が開示されている。
また、特許文献2には、Liを含有する負極活物質を含む負極活物質層と、前記負極活物質層の固体電解質層側とは反対側に設けられ、導電性粉末を含む導電性粉末層と、を有する負極を備える非水電解質電池が開示されている。
特開2019−033053号公報 特開2013−089417号公報
特許文献1に記載のリチウム固体電池は、負極集電体と固体電解質層の間に炭素材料と樹脂からなるLi吸蔵層を備えることで短絡抑制を図り、リチウム固体電池の可逆容量が向上するが、充放電効率には更なる向上の余地があった。
本開示は、上記実情に鑑み、充放電効率が高い全固体電池を提供することを目的とする。
本開示は、負極の反応として金属リチウムの析出−溶解反応を利用した全固体電池であって、
負極集電体、固体電解質層、及び、正極層をこの順に有し、
前記負極集電体と前記固体電解質層との間に繊維状炭素材料と樹脂を含むLi吸蔵層を有することを特徴とする全固体電池を提供する。
本開示は、充放電効率が高い全固体電池を提供することができる。
本開示の全固体電池の一例を示す断面模式図である。 実施例および比較例の各Li吸蔵層の厚みに対する各全固体リチウム金属二次電池の充放電効率との関係を示す図である。
本開示は、負極の反応として金属リチウムの析出−溶解反応を利用した全固体電池であって、
負極集電体、固体電解質層、及び、正極層をこの順に有し、
前記負極集電体と前記固体電解質層との間に繊維状炭素材料と樹脂を含むLi吸蔵層を有することを特徴とする全固体電池を提供する。
本開示において、リチウム金属二次電池とは、負極活物質に金属リチウム及びリチウム合金の少なくともいずれか一方を用い、負極の反応として金属リチウムの析出−溶解反応を利用した電池を意味する。また、本開示において負極とは、負極層を含むものを意味する。
本開示において、全固体電池の満充電時とは、全固体電池の充電状態値(SOC:State of Charge)が100%の状態の時を意味する。SOCは、電池の満充電容量に対する充電容量の割合を示すものであり、満充電容量がSOC100%である。
SOCは、例えば、全固体電池の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)から推定してもよい。
図1は、本開示の全固体電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、全固体電池100は、負極集電体11と固体電解質層12と正極層13と正極集電体14をこの順に備え、負極集電体11と固体電解質層12との間にLi吸蔵層15を備える。なお、図1において負極層は図示していないが、本開示においては、負極集電体11と固体電解質層12との間には負極層が存在していてもよい。また、負極層は負極集電体11と固体電解質層12との間であれば、負極集電体11とLi吸蔵層15との間、及び、Li吸蔵層15と固体電解質層12との間の少なくともいずれか一方の位置に存在していてもよい。さらに、負極層が金属リチウムからなる場合、満充電時の全固体電池100は、負極層が存在していてもよく、初回充電前や完全放電後の全固体電池100は、負極層が溶解して消失していてもよい。
[負極集電体]
負極集電体の材料は、Liと合金化しない材料であってもよく、例えばSUS、銅、及び、ニッケル等を挙げることができる。負極集電体の形態としては、例えば、箔状、及び、板状等を挙げることができる。負極集電体の平面視形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円状、楕円状、矩形状、及び、任意の多角形状等を挙げることができる。また、負極集電体の厚さは、形状によって異なるものであるが、例えば1μm〜50μmの範囲内であり、5μm〜20μmの範囲内であってもよい。
[Li吸蔵層]
Li吸蔵層は、繊維状炭素材料と樹脂を含む混合体の層であり、負極集電体と固体電解質層との間に配置される層である。
繊維状炭素材料としては、例えば、VGCF(気相法炭素繊維)、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバー等が挙げられる。
樹脂としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及び、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。
Li吸蔵層中の繊維状炭素材料と樹脂の質量比率は、特に限定されないが、これら2種類の材料の総質量を100質量%としたときの質量比が、繊維状炭素材料:樹脂=10:90〜90:10であってもよく、繊維状炭素材料:樹脂=25:75〜75:25であってもよい。
繊維状炭素材料と樹脂から構成される混合体を作製する方法としては、例えば、乳鉢と乳棒を用いた手混ぜ混合や、ホモジナイザー、メカニカルミリング等を挙げることができる。メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであっても良く、湿式メカニカルミリングであっても良い。
メカニカルミリングは、繊維状炭素材料と樹脂を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルであってもよく、特に遊星型ボールミルであってもよい。
ホモジナイザーを用いて混合体を作製する際に用いられる液体としては、極性の非プロトン性液体、無極性の非プロトン性液体等の非プロトン性液体を挙げることができる。
Li吸蔵層の厚みは、特に限定されないが14〜33μmであってもよい。
[負極層]
本開示においては、例えば組み立て時にLi吸蔵層と負極集電体の間に負極層を設けた全固体電池、または、組み立て時にLi吸蔵層と負極集電体の間に負極層を設けず、その後充電により、負極活物質として金属リチウムを析出させてなる負極層を設けた全固体電池であっても良い。また初回充電後、負極集電体と固体電解質層との間に析出した金属リチウムは、負極活物質として用いられる。
負極層は、負極活物質を含む。
負極活物質としては、金属リチウム(Li)及びリチウム合金等が挙げられ、リチウム合金としては、Li−Au、Li−Mg、Li−Sn、Li−Si、Li−Al、Li−B、Li−C、Li−Ca、Li−Ga、Li−Ge、Li−As、Li−Se、Li−Ru、Li−Rh、Li−Pd、Li−Ag、Li−Cd、Li−In、Li−Sb、Li−Ir、Li−Pt、Li−Hg、Li−Pb、Li−Bi、Li−Zn、Li−Tl、Li−Te、及びLi−At等が挙げられる。負極層には負極活物質として金属リチウム又はリチウム合金が主成分として含まれていれば、その他、従来公知の負極活物質が含まれていてもよい。本開示において、主成分とは、負極層の総質量を100質量%としたとき50質量%以上含まれる成分を意味する。
負極層の厚みは、特に限定されないが、30nm以上5000nm以下であってもよい。
[固体電解質層]
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。
固体電解質層に含有させる固体電解質としては、全固体電池に使用可能な公知の固体電解質を適宜用いることができ、酸化物系固体電解質、及び硫化物系固体電解質等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−SiS、LiX−LiS−SiS、LiX−LiS−P、LiX−LiO−LiS−P、LiX−LiS−P、LiX−LiPO−P、及びLiPS等が挙げられる。なお、上記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。また、上記LiXの「X」は、ハロゲン元素を示す。上記LiXを含む原料組成物中にLiXは1種又は2種以上含まれていてもよい。LiXが2種以上含まれる場合、2種以上の混合比率は特に限定されるものではない。
硫化物系固体電解質における各元素のモル比は、原料における各元素の含有量を調整することにより制御できる。また、硫化物系固体電解質における各元素のモル比や組成は、例えば、ICP発光分析法で測定することができる。
硫化物系固体電解質は、硫化物ガラスであってもよく、結晶化硫化物ガラス(ガラスセラミックス)であってもよく、原料組成物に対する固相反応処理により得られる結晶質材料であってもよい。
硫化物系固体電解質の結晶状態は、例えば、硫化物系固体電解質に対してCuKα線を使用した粉末X線回折測定を行うことにより確認することができる。
硫化物ガラスは、原料組成物(例えばLiSおよびPの混合物)を非晶質処理することにより得ることができる。非晶質処理としては、例えば、メカニカルミリングが挙げられる。
ガラスセラミックスは、例えば、硫化物ガラスを熱処理することにより得ることができる。
熱処理温度は、硫化物ガラスの熱分析測定により観測される結晶化温度(Tc)よりも高い温度であればよく、通常、195℃以上である。一方、熱処理温度の上限は特に限定されない。
硫化物ガラスの結晶化温度(Tc)は、示差熱分析(DTA)により測定することができる。
熱処理時間は、ガラスセラミックスの所望の結晶化度が得られる時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1分間〜24時間の範囲内であり、中でも、1分間〜10時間の範囲内が挙げられる。
熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。
酸化物系固体電解質としては、例えばLi6.25LaZrAl0.2512、LiPO、及びLi3+xPO4−x(1≦x≦3)等が挙げられる。
固体電解質の形状は、取扱い性が良いという観点から粒子状であってもよい。
また、固体電解質の粒子の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、下限が0.5μm以上であってもよく、上限が2μm以下であってもよい。
本開示において、粒子の平均粒径は、特記しない限り、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準のメディアン径(D50)の値である。また、本開示においてメディアン径(D50)とは、粒径の小さい粒子から順に並べた場合に、粒子の累積体積が全体の体積の半分(50%)となる径(体積平均径)である。
固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよく、又は2層以上の固体電解質それぞれの層を形成して多層構造としてもよい。
固体電解質層中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、60質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、70質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、100質量%であってもよい。
固体電解質層には、可塑性を発現させる等の観点から、バインダーを含有させることもできる。そのようなバインダーとしては、Li吸蔵層に用いられる樹脂として例示した材料等を例示することができる。ただし、高出力化を図り易くするために、固体電解質の過度の凝集を防止し且つ均一に分散された固体電解質を有する固体電解質層を形成可能にする等の観点から、固体電解質層に含有させるバインダーは5質量%以下としてもよい。
固体電解質層の厚みは特に限定されるものではなく、通常0.1μm以上1mm以下である。
固体電解質層を形成する方法としては、固体電解質及び必要に応じ他の成分を含む固体電解質材料の粉末を加圧成形する方法等が挙げられる。固体電解質材料の粉末を加圧成形する場合には、通常、1MPa以上600MPa以下程度のプレス圧を負荷する。
加圧方法としては、特に制限されないが、後述する正極層の形成において例示する加圧方法が挙げられる。
[正極層]
正極層は、正極活物質を含み、任意成分として、固体電解質、導電材、及びバインダー等が含まれていてもよい。
正極活物質の種類について特に制限はなく、全固体電池の活物質として使用可能な材料をいずれも採用可能である。全固体電池が全固体リチウム金属二次電池の場合は、正極活物質は、例えば、金属リチウム(Li)、リチウム合金、LiCoO、LiNiCo1−x(0<x<1)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、異種元素置換Li−Mnスピネル(例えばLiMn1.5Ni0.5、LiMn1.5Al0.5、LiMn1.5Mg0.5、LiMn1.5Co0.5、LiMn1.5Fe0.5、及びLiMn1.5Zn0.5等)、チタン酸リチウム(例えばLiTi12)、リン酸金属リチウム(例えばLiFePO、LiMnPO、LiCoPO、及びLiNiPO等)、LiCoN、LiSiO、及びLiSiO等のリチウム化合物、遷移金属酸化物(例えばV、及びMoO等)、TiS、Si、SiO、並びにリチウム貯蔵性金属間化合物(例えばMgSn、MgGe、MgSb、及びCuSb等)等を挙げることができる。リチウム合金としては、負極活物質に用いられるリチウム合金として例示したリチウム合金等が挙げられる。
正極活物質の形状は特に限定されるものではないが、粒子状であってもよい。
正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていても良い。正極活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。
Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiTi12、及び、LiPO等が挙げられる。コート層の厚さは、例えば、0.1nm以上であり、1nm以上であっても良い。一方、コート層の厚さは、例えば、100nm以下であり、20nm以下であっても良い。正極活物質の表面におけるコート層の被覆率は、例えば、70%以上であり、90%以上であっても良い。
固体電解質としては、上述した固体電解質層に含有させることが可能な固体電解質を例示することができる。
正極層における固体電解質の含有量は、特に限定されないが、正極層の総質量を100質量%としたとき、例えば1質量%〜80質量%の範囲内であってもよい。
導電材としては、公知のものを用いることができ、例えば、炭素材料、及び金属粒子等が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラックやファーネスブラック等のカーボンブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができ、中でも、電子伝導性の観点から、VGCF、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。金属粒子としては、Ni、Cu、Fe、及びSUS等の粒子が挙げられる。
正極層における導電材の含有量は特に限定されるものではない。
バインダーとしては、Li吸蔵層に用いられる樹脂として例示した材料等を例示することができる。正極層におけるバインダーの含有量は特に限定されるものではない。
正極層の厚みについては特に限定されるものではない。
正極層は、従来公知の方法で形成することができる。
例えば、正極活物質、及び、必要に応じ他の成分を溶媒中に投入し、撹拌することにより、正極層用スラリーを作製し、当該正極層用スラリーを正極集電体等の支持体の一面上に塗布して乾燥させることにより、正極層が得られる。
溶媒は、例えば酢酸ブチル、酪酸ブチル、ヘプタン、及びN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
正極集電体等の支持体の一面上に正極層用スラリーを塗布する方法は、特に限定されず、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、及びスクリーン印刷法等が挙げられる。
支持体としては、自己支持性を有するものを適宜選択して用いることができ、特に限定はされず、例えばCu及びAlなどの金属箔等を用いることができる。
また、正極層の形成方法の別の方法として、正極活物質及び必要に応じ他の成分を含む正極合剤の粉末を加圧成形することにより正極層を形成してもよい。正極合剤の粉末を加圧成形する場合には、通常、1MPa以上600MPa以下程度のプレス圧を負荷する。
加圧方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、及びロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。
[正極集電体]
全固体電池は、通常、正極層の集電を行う正極集電体を有する。
正極集電体としては、全固体電池の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、及びInからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。正極集電体としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等が挙げられる。
正極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、及びメッシュ状等、種々の形態とすることができる。
全固体電池は、必要に応じ、正極層、負極層、及び、固体電解質層等を収容する外装体を備える。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂等が挙げられる。
全固体電池としては、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であってもよい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、全固体電池は、全固体リチウム金属二次電池であってもよい。
全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
本開示の全固体電池の製造方法は、例えば、まず、固体電解質材料の粉末を加圧成形することにより固体電解質層を形成する。そして、固体電解質層の一面上で金属リチウム、リチウム合金及びリチウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の正極活物質を含む正極合剤の粉末を加圧成形することにより正極層を得る。その後、負極集電体の一面上にLi吸蔵層材料を含むスラリーを塗布して乾燥させLi吸蔵層を形成し負極集電体−Li吸蔵層積層体を得て、固体電解質層の正極層を形成した面とは反対側の面上にLi吸蔵層が固体電解質層と接するように負極集電体−Li吸蔵層積層体を取り付ける。そして、必要に応じて正極層の固体電解質層とは反対側の面上に正極集電体を取り付けて本開示の全固体電池としてもよい。
この場合、固体電解質材料の粉末、及び正極合剤の粉末を加圧成形する際のプレス圧は、通常1MPa以上600MPa以下程度である。
加圧方法としては、特に制限されないが、正極層の形成において例示した加圧方法が挙げられる。
(実施例1)
[Li吸蔵層の作製]
繊維状炭素材料としてVGCFと樹脂としてPVDFを質量比で75:25となるように秤量し、手混ぜ混合後、ヘプタンを加え、ホモジナイザー(株式会社エスエムテー製、UH−50)を用い3分間混合し、Li吸蔵層の材料であるLi吸蔵層材料を得た。
負極集電体としてCu箔を準備し、Li吸蔵層材料をCu箔の一面上に塗工し、乾燥させ、Li吸蔵層をCu箔の一面上に形成し、負極集電体−Li吸蔵層積層体を得た。Li吸蔵層の厚みを14μmとした。
[正極合剤の調製]
正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/3(日亜化学工業社製)の粒子を使用した。この正極活物質の粒子には、予めLiNbOの表面処理が施されている。この正極活物質、導電材としてVGCF(昭和電工社製)および硫化物系固体電解質(LiBrおよびLiIを含むLiS−P系材料)を質量比で85.3:1.3:13.4となるように秤量し、混合したものを正極合剤とした。
[全固体電池の作製]
セラミックス製の型(断面積:1cm、円筒型の容器を使用)に硫化物系固体電解質(LiBrおよびLiIを含むLiS−P系材料)の粉末101.7mgを準備し、1ton/cmの圧力でプレス成型し、固体電解質層を得た。
固体電解質層の片面に対し、上記正極合剤31.3mgを加え、6ton/cmでプレスすることにより正極層を形成した。
固体電解質層の正極層とは反対側の面上に上記Li吸蔵層が固体電解質層と接するように負極集電体−Li吸蔵層積層体を配置し1ton/cmでプレスすることにより圧粉電池にした。
圧粉電池の正極層の固体電解質層とは反対側の面上に正極集電体(アルミ箔)を配置し、拘束することによって、実施例1の全固体リチウム金属二次電池が得られた。なお、硫化物系固体電解質を用いる作業は、いずれも、乾燥Ar雰囲気のグローブボックス中で行った。
(実施例2)
Li吸蔵層の厚みを18μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(実施例3)
Li吸蔵層の厚みを25μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(実施例4)
Li吸蔵層の厚みを28μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(実施例5)
Li吸蔵層の厚みを33μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(比較例1)
Li吸蔵層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(比較例2)
Li吸蔵層の炭素材料としてVGCFの代わりに球状のケッチェンブラック(KB)を用いて、Li吸蔵層の厚みを11μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(比較例3)
Li吸蔵層の炭素材料としてVGCFの代わりに球状のケッチェンブラックを用いて、Li吸蔵層の厚みを18μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(比較例4)
Li吸蔵層の炭素材料としてVGCFの代わりに球状のケッチェンブラックを用いて、Li吸蔵層の厚みを25μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
(比較例5)
Li吸蔵層の炭素材料としてVGCFの代わりに球状のケッチェンブラックを用いて、Li吸蔵層の厚みを40μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体リチウム金属二次電池を得た。
[評価]
(充放電測定)
実施例1で得られた全固体リチウム金属二次電池を用い、予め60℃の恒温槽で3時間放置した後に充放電測定を行った。測定条件として、60℃、電流密度8.7mA/cm(レート:2C)で定電流(CC)充電し、充電容量が4.35mAh/cmに到達すると充電を終了し、10分間電池を休止させた。その後、60℃、電流密度0.435mA/cm(レート:0.1C)でCC放電し、下限電圧が3.0Vに到達すると放電を終了した。
充放電測定で得られた実施例1の全固体リチウム金属二次電池の放電容量と充電容量から下記の式より充放電効率を求めた。
充放電効率(%)=(放電容量÷充電容量)×100
実施例2〜実施例5と、比較例1〜比較例5で得られた各全固体リチウム金属二次電池についても実施例1の全固体リチウム金属二次電池と同様に充放電試験を実施し、各充放電効率を求めた。
結果を表1及び図2に示す。
Figure 2021051864
[評価結果]
充放電効率は充電容量に対する放電容量の割合であり、短絡が発生したり、Liイオンの移動が阻害されたりすると、充放電効率が低くなる。
まず、炭素材料の形状問わず、炭素材料と樹脂を含むLi吸蔵層を有する比較例2〜4、実施例1〜5の全固体リチウム金属二次電池は、Li吸蔵層を有さない比較例1の全固体リチウム金属二次電池よりも高い充放電効率を示した。これは、Li吸蔵層を有することにより、リチウムデンドライト成長に伴う短絡発生を抑制できたことによるものと考えられる。
次に、Li吸蔵層に含まれる炭素材料の形状に着目すると、実施例1〜5の炭素材料として繊維状炭素材料であるVGCFを含むLi吸蔵層を用いた全固体リチウム金属二次電池は、比較例2〜5の炭素材料として球状炭素材料であるKBを含むLi吸蔵層を用いた全固体リチウム金属二次電池と比較して、良好な充放電効率を示した。このような結果となった理由は以下の通りと推察される。炭素材料はLiイオンと接触すると、Liイオンと反応して、表面がイオン伝導性を示すようになる。炭素材料が繊維状であれば、球状の場合に比べて、イオン伝導性を示す表面積が広くなるため、金属リチウムの溶解時にイオン伝導パスが確保されやすくなり、Liイオンが正極に移動しやすくなったと考えられる。
また、KBを含むLi吸蔵層を用いた比較例5の全固体リチウム金属二次電池はLi吸蔵層が存在しているにも関わらず、Li吸蔵層を有さない比較例1の全固体リチウム金属二次電池よりも充放電効率が低かった。KBを含むLi吸蔵層を用いた比較例2〜5の全固体リチウム金属二次電池を比べると、Li吸蔵層の厚さが18μmを超えると厚くなるにしたがって充放電効率が大きく減少する傾向が認められた。VGCFを含むLi吸蔵層でも厚さが18μmを超えると少し充放電効率は減少したが、KBを含むLi吸蔵層の全固体リチウム金属二次電池の場合と比較して減少幅は小さく、厚さ33μmでも良好な充放電効率を示した。この結果から、繊維状炭素材料をLi吸蔵層に用いるとLi吸蔵層を厚膜化しても全固体リチウム金属二次電池の充放電効率を向上させることができることが分かる。KBなどの球状の炭素材料を用いる場合には、均一なLi吸蔵層を形成するためにはバインダーで炭素材料の粒子同士を結合させることが必要である。Li吸蔵層を厚くしていくと、一定の厚さを超えると、バインダーによる炭素材料の粒子同士の結合力が不足してしまい、Li吸蔵層にクラックが生じると考えられる。その結果、Li吸蔵層と固体電解質層との接触面積が減少する。当該Li吸蔵層を有する全固体リチウム金属二次電池を充電すると、Li吸蔵層と固体電解質層とが接触した箇所で電流が集中するため、電池の短絡が起こりやすくなるため、Li吸蔵層の厚さが厚くなると大幅に充放電効率が下がったと考えられる。対して、VGCFなどの繊維状炭素材料では炭素材料同士の結合の必要性が低いため、Li吸蔵層を厚くしても、Li吸蔵層にクラックが発生し難い。そのため、球状炭素材料を含むLi吸蔵層に比べて、Li吸蔵層と固体電解質層との接触面積を広く保つことができ、Li吸蔵層の厚みを問わず、全固体電池の充放電効率を向上させることができると考えられる。
したがって、本開示によれば、充放電効率が高い全固体電池を提供することができることが実証された。
11 負極集電体
12 固体電解質層
13 正極層
14 正極集電体
15 Li吸蔵層
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 負極の反応として金属リチウムの析出−溶解反応を利用した全固体電池であって、
    負極集電体、固体電解質層、及び、正極層をこの順に有し、
    前記負極集電体と前記固体電解質層との間に繊維状炭素材料と樹脂を含むLi吸蔵層を有することを特徴とする全固体電池。
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