図は、原寸に比例しない。そうではなく、複数の層および領域を明確にするために、図面では層の厚さが拡大されていることがある。可能な限り、同じ参照番号が、同じまたは同様の部分を参照するために図面および付随する記載全体を通じて使用される。本特許で使用する場合は、任意の部分(例えば層、膜、エリア、またはプレート)が、任意の方途で、別の部分上に位置付けられる(例えば、別の部分上に位置付けられる、別の部分上に位置する、別の部分上に配置される、または別の部分上に形成される等)と述べる場合、それは、言及された部分がその別の部分と接触していること、または言及された部分がその別の部分の上にあり、1つもしくは複数の中間部分がそれらの間に位置することを意味する。任意の部分が別の部分と接触していると述べる場合、それは、2つの部分間に中間部分がないことを意味する。
液滴アクチュエータの製造が関与する方法、システム、および装置が、本明細書で開示される。液滴アクチュエータは、マイクロ流体分析において使用され、具体的には、液滴ベースの、またはデジタルの、マイクロフルイディクスの分野で使用される。液滴アクチュエータは、ギャップによって分離された2つの表面を含む。それらの表面のうちの少なくとも一方が、疎水性材料または誘電体によってコーティングまたは絶縁された電極アレイを含む。ギャップ内に配置された液滴は、例えば、エレクトロウェッティングプロセスまたは誘電泳動プロセスに従って、電極アレイの電極に電位を選択的に印加して、疎水性および/または誘電性表面の濡れ性に影響を及ぼすことによって、疎水性および/または誘電性材料の表面上でマニピュレーションされ得る。ギャップ内に配置される液滴は、例えば血液、血漿、血清、唾液、汗等のような生物学的流体サンプルを含んでよい。電位は、アレイの隣接する電極間で液滴を移転させるために、かつ/または例えばDNA塩基配列決定分析やタンパク質分析を含むさまざまな分析の一環として、液滴を合体させるもしくは分割するために、使用され得る。
本明細書で開示される例示的液滴アクチュエータの製造は、基部表面上に、電極アレイを含む電極パターンを作製すること、ならびにその表面を、疎水性特性および/または誘電性特性を呈する材料からなる少なくとも1つの層でコーティングすることを含む。例示的液滴アクチュエータの製作は、疎水性特性および/または誘電性特性を有する材料でコーティングされた導電性表面を含んでよい上部基板を作製すること、ならびに上部基板と底部基板を、液滴を収容するための離隔距離を隔てて接合(例えば結合)することも含む。少なくとも基部基板上に作製される電極アレイのパターンは、液滴アクチュエータの性能に影響を及ぼす、例えば、電気伝導性や電極スペーシングなどの電極の設計品質に基づいている。基板の面積当たりの電極数を増加させると、異なる大きさの電極および電極のより大きな指状構造をアレイ内に収容することが可能になる。電極アレイの分解能がより高くなると、液滴アクチュエータによってアクチュエーションされる液滴の大きさの精度が上がり、電極間での液滴の移転の容易さが促進される。
液滴アクチュエータを製造するための知られている方法およびシステムでは、電極アレイの生産効率と品質との間で妥協する必要がある。例えば、リソグラフィ方法は、電極アレイの画定において高空間分解能をもたらすが、リソグラフィ方法には、生産時間の遅さおよび高価な手法を必要とする。例えば、リソグラフィ方法は、基板上にフォトレジストを堆積させて、化学的処理によって基板内にパターンを刻むものである。フォトレジストの堆積は、個別の電極アレイを形成するために基板全域にわたって繰り返されなければならず、そのことが生産時間を増加させる。また、リソグラフィ方法を使用して形成される液滴アクチュエータは、基板からフォトレジストを除去するための液滴アクチュエータの洗浄などの後処理ステップを必要とする。しかし、微量の化学薬品が、リンス後に基板上に残留することがあり、基板上にウォータマークを生じさせることがある。さらに、リソグラフィ方法は、高空間分解能の電極アレイをもたらすことができるが、結果として得られる電極アレイのラインおよびギャップの品質は、基板上へのフォトレジストの堆積に関するムラに起因して、電極アレイを画定する粗いエッジおよび液滴アクチュエータ間のランダムな(例えば非規則的な)欠陥を含む、乏しい品質となることがある。
生産効率を改善するための試みには、プリント回路基板上に電極を印刷することが含まれる。しかし、プリント回路基板の使用は、リソグラフィ方法に比べて、液滴アクチュエータの低い材料コストでのより速い生産を可能にすることができるが、アレイの空間分解能が犠牲になり、そのことが、液滴アクチュエータの液滴を生成しマニピュレーションする能力に影響を及ぼす。プリント回路基板が関与する液滴アクチュエータ製造手法はまた、支持表面および/または疎水性表面のうちの1つまたは複数をプリント回路基板に接合または接着して液滴アクチュエータの基部層を形成するための、複数のステップを必要とすることがある。
液滴アクチュエータを、ロールツーロールアセンブリの一環としてレーザアブレーションを使用して製造するための例示的な方法およびシステムが、本明細書で開示される。レーザアブレーションは、レーザビームによって固体基板から材料を制御された様式で除去することによって、複数の電極を含む電極アレイを速い生産速度で、電極品質を犠牲にすることなく画定することができる。レーザアブレーションによって製作された電極の技術的利点には、印刷された電極に比べて高い電気伝導性、低い表面粗さ、電極特徴部(feature)を画定するエッジに関連する低い粗さと、それによるアレイの電極の指状構造化(inter−digitization)の改善、およびアレイのそれぞれの電極の特徴部間の低いばらつきが含まれる。レーザアブレーションは、例えば5μm未満から約10μmまでの大きさのあるラインおよびギャップを含む電極パターンを製作することができる。さらに、レーザアブレーションは、生産環境に有害な残留物または化学薬品を残すことによって結果として得られる液滴アクチュエータの使用に対し否定的に関与するおそれのある溶剤の使用を、必要としない。
本明細書で開示される例示的な方法およびシステムは、ロールツーロールアセンブリによって実施され、このロールツーロールアセンブリは、基板を例えば毎秒数メートルの速さを含む高速でさまざまなステーションを通って移動させるように動作することができる。ロールツーロールアセンブリは、ロール状基板の巻出し、基板のステーションを通っての前進、および処理された基板のロールへの巻戻しを促進する。したがって、液滴アクチュエータの基部および/または上部基板は、レーザアブレーションステーション、疎水性および/または誘電性プリンタ、ならびに硬化ステーションのうちの1つまたは複数を、急速な連続したペースで通って、結果として得られる液滴アクチュエータの技術的品質を損なうことなく処理され得る。さらに、開示される例示的な方法およびシステムは、例えば、電極アレイ、疎水性および/もしくは誘電性層、ならびに/または支持構造基部に関するさらなる個別のアセンブリを必要としない基部基板および/または上部基板を製作し、それにより、動作時間およびコストが低減する。したがって、本明細書で開示される例は、マイクロ流体デバイスの品質を犠牲にすることなく、液滴アクチュエータの効率的な生産を可能にする。
液滴アクチュエータを作成するための、本明細書で開示される例示的方法は、第1の基板をレーザでアブレーションして、第1の基板上に電極アレイを形成することを含む。例示的方法は、電極アレイに疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方を適用して、第1の基板上に第1の加工処理層を形成することを含む。例示的方法は、第1の基板を第2の基板と位置合わせさせることも含む。第2の基板は、第2の加工処理層を含む。例示的方法では、位置合わせには、第1の加工処理層の少なくとも部分と、第2の加工処理層の少なくとも部分との間のギャップが含まれる。
いくつかの例では、方法は、第1の基板と第2の基板との間に1つまたは複数の毛細管を挿入して、ギャップを作製することを含む。
いくつかの例では、方法は、疎水性材料または誘電体のうちの少なくとも一方を硬化して、第1の加工処理層を形成することを含む。いくつかの例では、疎水性材料を硬化することは、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方を、熱または紫外光のうちの少なくとも一方にさらすことを含む。
いくつかの例では、第1の基板をアブレーションすることは、第1の基板の部分の上にレンズを介してパターンを投影すること、およびその部分上にレーザを合焦することを含む。そのような例では、レーザは、その部分に貫入して、その部分上にパターンを形成することになる。また、いくつかのそのような例では、パターンは複数のラインおよびギャップを備え、ラインは約10マイクロメートルの幅を有する。
また、いくつかの例では、第1の基板をアブレーションすることは、第1の基板の複数の部分をレーザで順次、露光することを含む。そのような例では、レーザは、複数の部分の各々の上に電極アレイを形成することになる。
いくつかの例では、方法は、複数の部分のうちの第1の部分を疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方でコーティングし、それと実質的に同時に、複数の部分のうちの第2の部分がレーザで露光されることを含む。
いくつかの例では、第1の基板は、少なくとも第1の部分および第2の部分を含む。第1の部分および第2の部分の各々は、それぞれの電極アレイを備える。そのような例では、第2の基板は、少なくとも第3の部分および第4の部分を含む。また、そのような例では、第1の基板を第2の基板と位置合わせさせることが、第1の部分と第3の部分を第1の離隔距離を隔てて位置合わせさせ、第2の部分と第4の部分を第2の離隔距離を隔てて位置合わせさせることを含む。第1の離隔距離、および第2の離隔距離は、ギャップに対応する。いくつかの例では、方法は、位置合わせされた第1の基板と第2の基板をダイシングすることを含み、ダイシングは、第1の部分と第3の部分の位置合わせ、および第2の部分と第4の部分の位置合わせに基づいている。また、いくつかの例では、方法は、第1の部分と第3の部分、および第2の部分と第4の部分をそれぞれ、接着材料で結合することを含む。
第1の基板を複数の位置間で駆動するための複数のローラを含む例示的システムも、本明細書で開示される。例示的システムは、第1の基板が複数の位置のうちの第1の位置にあるときに第1の基板に貫入させるための、レーザを含む。第1の基板上に少なくとも1つの電極パターンを形成するためのレーザ。例示的システムは、第1の基板が複数の位置のうちの第2の位置にあるときに疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方を少なくとも1つの電極パターンに適用するための、プリンタを含む。例示的システムでは、複数のローラは、第1の基板を第2の位置から複数の位置のうちの第3の位置に駆動することになる。第3の位置において、第1の基板は、第2の基板と位置合わせして、液滴アクチュエータを形成することになる。
いくつかの例では、レーザは、複数のローラの動作中に実質的に連続してパルス発振することになり、レーザは、複数のローラの動作中に第1の基板の1つまたは複数の部分に貫入することになる。
いくつかの例では、第1の基板は、第1の層および第2の層を備える。第2の層は、導電性材料を備える。いくつかの例では、第1の基板は、第1の層と第2の層との間に配置された第3の層を含む。第3の層は、第2の層を第1の層に接着することになる。
いくつかの例では、レーザは、第2の層の少なくとも部分を除去して、電極パターンを形成することになる。
いくつかの例では、第2の層は、第1のロールにおいて第1の層上に配置されている。複数のローラは、第1のロールを巻き出して、第1の基板を第1の位置に駆動することになる。複数のローラは、第1の基板を第3の位置に駆動して、第2のロールを形成することになる。そのような例では、第2の層は、第3の位置において第1の層上に配置されている。
開示される例のいくつかは、第2のロールを切断して少なくとも1つのマイクロ流体チップを形成するための、スプリッタを含む。
また、いくつかの例では、プリンタは、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方を少なくとも1つの電極パターンに適用するための、1つまたは複数のコーティングローラを備える。いくつかの例では、コーティングローラは、第1の基板に防汚材料を適用することになる。
いくつかの例では、システムはさらに、第1の基板を第2の基板と第3の位置において位置合わせさせるための、合体装置(merger)を備える。いくつかの例では、合体装置は2つのローラを備える。また、開示される例のいくつかは、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方を硬化するための、硬化ステーションを含む。開示される例のいくつかは、第1の基板の少なくとも第1の部分を第2の基板の少なくとも第1の部分と結合するための、結合ステーションも含む。結合された部分は、少なくとも1つの電極パターンを含む。
第1のシート上にレーザを使用して電極アレイをパターニングすることを含む例示的方法も、本明細書で開示される。例示的方法は、第1のシートに疎水性材料または誘電体のうちの少なくとも一方を適用して、第1の加工処理層を作製することを含む。例示的方法は、第2のシートに疎水性材料または誘電体のうちの少なくとも一方を適用して、第2の加工処理層を作製することを含む。例示的方法は、第1のシートと第2のシートを、離隔距離を隔てて関連付けることも含む。第1の加工処理層は、電極アレイ、および第1の加工処理層と第2の加工処理層との間に受けられる液滴に対する、絶縁層である。
いくつかの例では、方法は、第1の加工処理層および第2の加工処理層を硬化することを含む。
いくつかの例では、第1のシートと第2のシートを関連付けることが、第2の加工処理層を、第1の加工処理層の第2の向きと対向する第1の向きに配向すること、および第1の加工処理層と第2の加工処理層を、実質的に平行な配置で合体させることを含む。いくつかの例では、第1のシートと第2のシートを合体させることが、第1のシートまたは第2のシートのうちの少なくとも一方に接着材料を適用すること、および第1のシートを第2のシートと結合することを含む。そのような例では、結合は、第1のシートと第2のシートとの間の離隔距離を保つことになる。
いくつかの例では、第2のシートは、実質的に単一の電極を備える。第2の加工処理層は、その電極を絶縁することになる。
いくつかの例では、方法は、第2のシート上に電極アレイをパターニングすることを含む。いくつかの例では、第2のシートは、非導電性材料を含む。
いくつかの例では、方法は、第1のシートをエンボス加工して、第1のシート上に1つまたは複数の凸部を作製することを含む。そのような例では、凸部は、第1のシートと第2のシートを、離隔距離を隔てて分離することになる。
非導電性層と、導電性層とを含む例示的装置も、本明細書で開示される。導電性層は、非導電性層に接着される。例示的装置は、導電性層内に配置された電極パターンを含む。電極パターンは、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方によって絶縁される。例示的装置では、非導電性層の少なくとも部分が、電極パターンの特徴部を含む。
いくつかの例では、特徴部が、電極パターンの少なくとも部分の輪郭である。いくつかの例では、電極パターンがラインを備え、特徴部が、電極パターン内のラインの位置に少なくとも部分的に対応する。また、いくつかの例では、特徴部が、非導電性層の部分の表面内の凹部または凸部のうちの少なくとも一方である。
いくつかの例では、例示的装置が、電極パターン上に配置された防汚層を含む。
複数の液滴アクチュエータをそこから形成するための例示的基板ウェブも、本明細書で開示される。基板ウェブは、非導電性層と、非導電性層にカップリングされた導電性層とを含む。導電性層は、第1の電極パターンおよび第2の電極パターンを含む。第2の電極パターンは、第1の電極パターンから離隔されている。第1の電極パターンは第1のマーキングを含み、第2の電極パターンは第2のマーキングを含む。第1のマーキングは第2のマーキングと実質的に同一である。基板ウェブは、第1の電極パターンおよび第2の電極パターンそれぞれの実質的に全体を覆って配置された、疎水性層または誘電性層のうちの少なくとも一方も含む。
いくつかの例では、第1のマーキングおよび第2のマーキングが、第1のマーキングおよび第2のマーキングの、それぞれ第1の電極パターンおよび第2の電極パターン上での大きさまたは位置のうちの少なくとも一方に基づいて、実質的に同一である。
いくつかの例では、第1の電極パターンが複数のラインおよびギャップを含む。約10マイクロメートルの幅を有するライン。また、いくつかの例では、導電性層の厚さが約120ナノメートル未満である。
いくつかの例では、非導電層がその中に溝を画定する。溝は、第1の電極パターンに基づいている。
基板ウェブのいくつかの例は、導電性層を非導電性層にカップリングするために導電性層と非導電性層との間に配置された接着剤層を含む。
いくつかの例では、第1の電極パターンがラインおよびスペーシングを含み、スペーシングと堺をなすラインのエッジが実質的に平滑である。また、いくつかの例では、マーキングは、電極パターンを画定するラインの中断部(interruption)である。
プラスチック層および金属層を有する第1の基板を含む例示的装置も、本明細書で開示される。例示的装置は、金属層内に形成された電極パターンも含む。電極パターンは、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方によって絶縁される。電極パターンは、ライン間のスペーシングを画定する少なくとも部分的に湾曲したエッジを有するラインを含む。
いくつかの例では、例示的装置は、第1の基板と位置合わせされた第2の基板を含み、位置合わせには、第1の基板と第2の基板との間のギャップが含まれる。いくつかの例では、ギャップ内に1つまたは複数の凸部が配置される。いくつかの例では、凸部は毛細管である。また、いくつかの例では、第2の基板は、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも一方を含む。
いくつかの例では、プラスチック層が、金属層内に形成された電極パターンに対応する部分的に湾曲した溝を含む。
ここで図に移ると、図1は、液滴アクチュエータの基部基板を作製するための、第1の例示的なシステムまたはアセンブリ100の図である。第1の例示的アセンブリ100は、第1のローラ102、第2のローラ104、および第3のローラ106を含んだ、一連のまたは複数のローラを含み、それらは、同期回転して動作して、基部基板108を第1の例示的アセンブリ100の中を駆動する。第1の例示的アセンブリ100は、第1のローラから第3のローラ102、104、106に加えて、ロールツーロール技法を使用して基部基板108をアセンブリの中を移動させるためのローラも含んでよい。他の例は、コンベヤ、プーリー、および/または他の任意の適切な移送機構を使用してよい。基部基板108は、基部基板108を切断またはサイジングして、個別の液滴アクチュエータを製作する前は、基板ウェブと見なされてよく、この基板ウェブは、基部基板108が第1の例示的アセンブリ100の中を移動するときに、ロール状構成でもよく、部分的にロール状構成でもよく、非ロール状構成でもよい。
第1の例示的アセンブリ100では、第1のローラ102が回転して、いくつかの例ではロール状構成の単一のシートである基部基板108を巻き出す。基部基板108は、第1の層110および第2の層112を含む。この例では、第1の層110は、例えばプラスチックなどの非導電性可撓性基板を備え、第2の層112は、導電性材料を含む。第2の層112の導電性材料は、例えば、金、銀、銅などの金属、または導電性ポリマーなどの非金属導体であってよい。他の例では、異なる金属、あるいは金属の組合せ、もしくは導電性ポリマーの組合せ、または金属と導電性ポリマーの組合せが使用されてよい。いくつかの例では、基部基板108は、非導電性の第1の層110と導電性の第2の層112との間に配置された接着剤層113を含む。一例として、接着剤層113はクロムを備えることができ、金の層がクロム接着剤層113の上面上に配置されて、導電性の第2の層112が形成する。したがって、図1の基部基板108では、非導電性の第1の層110と導電性の第2の層112が、予め接着されて基部基板108が形成してから、第1のローラ102によって巻き出される。
図1の例示的基部基板108では、非導電性の第1の層110は、約500nm未満の厚さを有する。下で説明されるように、そのような厚さにより、基部基板108が複数のローラによって例示的な第1のアセンブリ100の中を移動することが可能になる。また、いくつかの例では、非導電性の第1の層110の厚さは、導電性の第2の層112の厚さを上回る。一例として、導電性の第2の層112の厚さは、約30nmであってよい。他の例では、導電性の第2の層112の厚さは、約500nm未満であり、いくつかの例では、第2の層112の厚さは、約120nm未満である。いくつかの例では、非導電性の第1の層110および/または導電性の第2の層112の厚さは、例えば、第1の層110および/もしくは第2の層112の材料、ならびに/または基部基板108から形成される液滴アクチュエータが使用される運用上の目的に基づいて選択される。
第1のローラ102は、基部基板108をレーザアブレーションステーション114に駆動する。レーザアブレーションステーション114は、基部基板108の導電性の第2の層112の上に投影されるマスタパターン118を含んだマスク116を含む。マスク116に関連するマスタパターン118は、分解能(例えば、アブレーションされる基部基板108の面積当たりの電極数)、電極の大きさ、電極パターンを画定するラインの構成、電極の指状構造、および/または電極間のギャップもしくはスペーシングなどの特徴に基づいて、予め定められてよい。いくつかの例では、マスタパターン118の特徴は、基部基板108が関連付けられる液滴アクチュエータの1つまたは複数の運用上の用途(例えば、生物学的アッセイおよび/または化学アッセイでの使用)に基づいて選択される。また、いくつかの例では、レーザアブレーションステーション114が基部基板108上に異なるパターンを形成できるように、マスタパターン118は構成可能または再構成可能である。それに加えてまたはその代わりに、いくつかの例では、マスク116は、1つまたは複数の代替マスクと交換可能である。
レーザアブレーションステーション114は、レンズ120を含む。ローラ(例えば第1のローラ102)が回転した結果として基部基板108がレーザアブレーションステーション114に対面するとき、基部基板108の部分122が、レンズ120の下方を通り、またはレンズ120を通り過ぎる。部分122は、例えば、基部基板108の面積未満の面積を有し、かつ導電性の第2の層112を含む、基部基板108の矩形または方形の区画であってよい。レンズ120は、マスタパターン118の少なくとも部分を、部分122に関連する導電性の第2の層112の上に結像または投影する。レーザビーム124が、マスク116およびレンズ120を介して部分122の上に向けられ、それにより、投影されたマスタパターン118に基づいてレーザビーム124が導電性の第2の層112に選択的に貫入する。いくつかの例では、非導電性の第1の層110または部分(例えば、非導電性の第1の層110の厚さのほんの一部)も、投影されたマスタパターン118に基づいてレーザビーム124によって貫入されることがある。マスク116の中実部分が、レーザビーム124を遮り、マスク116の開いた部分が、レーザビーム124がマスク116を通過して、基部基板108と接触することを可能にする。レーザビーム124は、例えば、エキシマレーザに関連付けられてよい。
レーザビーム124で露光した結果として、部分122の照射された非導電性の第1の層110が、レーザビーム124に関連するエネルギーを吸収する。照射された非導電性の第1の層110は、光化学解離を受け、その結果、マスタパターン118に従って、非導電性の第1の層110の構造的結合の選択的な分解、ならびに非導電性の第1の層110の破片、および導電性の第2の層112の、照射された非導電性の第1の層110の上に重なる部分の放出が生じて、導電性の第2の層112上に電極アレイ126が形成する。したがって、電極アレイ126の形成中に非導電性の第1の層110にレーザビーム124が貫入した結果として、非導電性の第1の層110の破片が放出することにより、非導電性の第1の層110に対する構造変化をもたらすことができる。そのような構造変化は、非導電性の第1の層110の外観を変え得る。
上で開示されたように、レーザビーム124は、マスタパターン118マスク116に従って、非導電性の第1の層110および導電性の第2の層112に選択的に貫入する。したがって、非導電性の第1の層110の放出された部分または破片は、マスタパターン118に基づいており、それにより、非導電性の第1の層110が破片化した後、非導電性の第1の層110は、マスタ118の、電極アレイ126に対応する特徴部を含む。非導電性の第1の層110内の特徴部またはマーキングとしては、例えば、マスタパターン118の少なくとも部分の輪郭または実質的な輪郭があり得る。いくつかの例では、非導電性の第1の層110は、レーザビーム124が非導電性の第1の層110に貫入した結果として形成される擾乱部(disturbance)(例えば焼け跡(burn mark))を含む。擾乱部としては、例えば、非導電性の第1の層110の少なくともある部分の厚さの変化、非導電性の第1の層110の部分内の凹部(例えば溝)、または(例えば非導電性の第1の層110が分解および破片化した結果としての)非導電性の第1の層110の表面内の凸部があり得る。凹部は、非導電性の第1の層110内の壁部を形成する、角度の付いた部分または傾斜した部分を含むことがある。したがって、非導電性の第1の層110および導電性の第2の層112をレーザビーム124で同時露光する結果として、非導電性の第1の層110は、1つまたは複数の構造変化を受けることができ、それが、下で図2Eに関してさらに開示されるように、溝、凸部、マーキング、変色等に反映され得る。
いくつかの例では、レーザビーム124が基部基板108に貫入する深さ(例えば放射強度)が、非導電性の第1の層110および/または導電性の第2の層112の深さ(例えば厚さ)に基づいて予め定められる。いくつかの例では、レーザビーム124の貫入深さが、レーザビーム124が下にある非導電性の第1の層110が破片化した結果として導電性の第2の層112をアブレーションする、その深さを変更するように、調整可能である。いくつかの例では、この調整は、例示的システム100が動作するときに動的である。また、いくつかの例では、基部基板108は、レーザビーム124での露光後に、粒子および/または表面汚染物を除去するために洗浄にかけられる。
図1に示されるように、レーザアブレーションステーション114に暴露した後、基部基板108の部分122は、電極アレイ126を含む。電極アレイ126は、導電性の第2の層112内に形成された複数の電極から構成される(図2A)。レーザビーム124で露光し、非導電性の第1の層110が破片化した結果として、導電性の第2の層112の部分が、基部基板108から除去される。電極アレイ126に関連する除去された部分は、マスタパターン118に基づいている。いくつかの例では、除去された部分は、マスク116の開いた部分に合致する。
例えば、図2Aは、図1の第1の例示的アセンブリ100のレーザアブレーションステーション114に暴露した後の、基部基板108の部分122の上面図を示す。図2Aに示されるように、レーザ124で露光した結果、導電性の第2の層112上に、レーザアブレーションされた電極パターン200が形成する。レーザアブレーションされた電極パターン200は、ライン202およびスペーシング204を含み、それらは、図1のレンズ120を介して部分122の上に投影されたマスタパターン118に対応する。
例示的電極パターン200では、ライン202およびスペーシング204が、電極アレイ126を形成する1つまたは複数のアレイ電極206を画定する。例示的電極パターン200は、1つまたは複数の非アレイ電極208も含む。電極アレイ126の一部ではない非アレイ電極208は、液滴アクチュエーションの動作中の外部電気的接続を促進する。電極パターン200のアレイ電極206および非アレイ電極208は、大きさおよび/または形がさまざまであってよい。例えば、非アレイ電極208は、実質的に方形の形であってよく、アレイ電極206は方形以外の形状であってよい。電極パターン200の電極206、208の形および/または大きさは、基部基板108の上に投影されるマスタパターン118に関連するライン202およびスペーシング204によって定められる。レーザアブレーションによって形成した結果として、電極206、208を画定するライン202は、例えば、フォトリソグラフィ方法やプリント回路基板方法などの、電極アレイを形成するための他の方法に比べて、電極206、208のエッジの画定に関して実質的に平滑であり、かつ/または粗さが実質的に低減されている。
いくつかの例では、レーザアブレーションによって形成されるライン202および/またはスペーシング204は、約10μmの大きさがあり(例えば約10μmの幅を有し)、他の例では、ライン202および/またはスペーシング204は、10μmを上回り、または10μm未満(例えば約5μm)である。ライン202および/またはスペーシング204の配列および大きさが、電極アレイ126の分解能を定める。例えば、ライン202間を最小スペーシング204にすると、電極アレイ126内に、ごく近接したより多数のアレイ電極206(例えばアレイ電極206の指状構造化)が可能になり、下で開示されるように、隣接する電極間に適用される誘電性および/または疎水性材料の量が低減する。したがって、レーザアブレーションされた電極パターン200の特徴部が、部分122の、結果として得られる液滴アクチュエータの動作に寄与する表面積を最大にし、それにより、個別の液滴アクチュエータを形成するのに必要な材料の量が低減する。さらに、アレイ電極206の指状構造が増加すると、基部基板108上で液滴が電位のマニピュレーションによってアクチュエーションされる容易さが促進される。電極アレイ126の分解能が増加すると、アクチュエーションされる液滴の大きさの精度も改善する。
レーザアブレーションステーション114における基部基板またはウェブ108の部分122のレーザアブレーションは、ブロードフィールドアブレーションによって、またはラスタリングによって達成され得る。ブロードフィールドアブレーションは、レーザビーム124を実質的に部分122全体にわたって露光するものである。マスタパターン118は、実質的にただ1回の、非導電性の第1の層110および導電性の第2の層112のレーザビーム124での露光(例えば、レーザビーム124のただ1度のフラッシュ)を用いて、導電性の第2の層112から材料を除去することによって、部分122上に作製される。ブロードフィールドレーザアブレーションでは、マスタパターン118がこのように、導電性の第2の層112の、部分112に関連する面積全域にわたって同時に作製されて、基部基板108が高速でアブレーションされる。図2Bは、マスタパターン118に基づいてブロードフィールドアブレーションによって作製された、図2Aの電極パターン200の部分210の上面図である。図2Bに示されるように、部分210は、電極パターン200を画定するライン202およびスペーシング204を含む。ライン202および/またはスペーシング204は、10μm未満の幅を有することができる。やはり図2Bに示されるように、ライン202のエッジ212は、実質的に平滑であり、実質的な粗い、鋭い、尖った、または不均一な部分がない。そのような平滑な画定されたエッジ212は、部分122上へのレーザビーム124のただ1度の露光を用いてマスタパターン118を作製するように、基部基板108をレーザビーム124によって照射することから生じる。
あるいは、レーザアブレーションは、ラスタリングまたはスクライビングによって達成されてもよく、その場合、基部基板108および/またはレーザビーム124が移動するときに、レーザビーム124が部分122内にマスタパターン118を反復的にエッチングして、導電性の第2の層112内に電極アレイ126を含む電極パターン200を形成する。ラスタリング技法が使用される例では、電極パターン200は、マスク116を使用せずにデジタル処理で決まる。例えば、部分122内にマスタパターン118を反復的にエッチングするには、レーザビーム124が基部基板108に沿って移動して、隣接した一連の個別のパルスによって、導電性の第2の層112にマスタパターン118を刻み込む。個別のパルスは、例えば30から200μmの間の幅を有するライン202をもたらす。電極パターン200を形成するためにラスタリングが使用される例では、アレイ電極206のエッジは、個別のレーザパルスが導電性の第2の層112に反復的に貫入することによって形成されるパルスマーキングにより、ブロードフィールドレーザアブレーションに比べてそれほど平滑ではないことがある。
図2Cは、レーザアブレーションラスタリングまたはスクライビング技法を使用して作製された、図2Aの電極パターン200の部分214の上面図である。パルスを割り送り(indexing)して基部基板108内にマスタパターン118をエッチングした結果として、電極パターン200を画定するライン202のエッジ216が、図2Bに示されるブロードフィールドレーザアブレーションによって作製される電極パターン200のエッジ212とは異なっている。例えば、ラスタリングによって作製される部分214のエッジ216は、部分214の、レーザビーム124の個別のパルスでの反復露光に対応する、湾曲した、部分的に湾曲した、または波状の特徴部を含む。また、個別のパルスが基部基板108の隣接する部分を照射するので、エッジ216の湾曲した特徴部または波状の特徴部は、第1の湾曲した特徴部において、レーザビーム124の第1のレーザパルスから生じることが、レーザビーム124の第2のレーザパルスから生じる第2の湾曲した特徴部に類似し、または部分的に類似し得るという点で、それぞれのライン202にわたってパターンまたは少なくとも部分的なパターンを画定する。したがって、ラスタリングによって作製される電極パターン200のエッジ216は、ランダムな不規則な形のエッジを有するラインをもたらすことのあるフォトリソグラフィなどの技法によって作製される電極パターンとは区別され得る。
図2A−図2Cは、図1のレーザアブレーションステーション114においてレーザビーム124で露光した後の基部基板108の上面図から見ることのできる、電極パターン200の特徴部を示す。図2Dは、図1の第1の例示的アセンブリ100のレーザアブレーションステーション114に暴露した後の基部基板108の部分122の、図2Aの1−1ラインに沿った断面図である。図2Dに示されるように、部分122は、非導電性の第1の層110と、基部基板108全域にわたって形成された電極パターン200の電極アレイ126の複製を含んだ、導電性の第2の層112とを含む。基部基板108の部分122は、図では、3つの電極アレイ126を有しているが、部分122は、より少ない、または追加の、図2Aの電極パターン200の電極アレイ126を含んでよい。また、部分122は、基部基板またはウェブ108の一部である。
上で図2Aに関して開示されたように、電極アレイ126は、1つまたは複数のアレイ電極206を含む。レーザビーム124が、パルス発振するとき、またはアレイ電極206を画定するように導電性の第2の層112内にライン202および対応するスペーシング204をエッチングするとき、レーザビーム124は、導電性の第2の層112の厚さtに貫入する。導電性の第2の層112へのレーザビーム124の貫入の深さは、例えば、導電性の第2の層112の厚さt1および/またはレーザビーム124の強度に基づいてよい。いくつかの例では、レーザビーム124は、厚さt1に実質的に等しい深さ、厚さt1未満の深さ、または下で図2Eに関して開示されるように、レーザビーム124が非導電性層110の部分に貫入するように厚さt1を上回る深さに貫入する。また、レーザビーム124は、アレイ電極206の指状構造の程度を定める、分解能または基部基板108の面積当たりのいくつかの電極206、アレイ電極206の大きさ、ならびにライン202およびその間のスペーシング204の構成に関連する、電極アレイ126の特徴部を画定する。
レーザアブレーションは、分解能の増加した電極アレイ126を含む明確に画定された電極パターン200をもたらすが、いくつかの例では、マスク116またはレンズ120内の欠陥または不完全部分がベースの基板108内の対応する欠陥をもたらす。そのような欠陥としては、マスク116またはレンズ120上の屑、レーザビーム124が、基部基板108のそのような露光が意図されていなかったところを照射するのを可能にする、マスク116内の開口(例えば、マスク116内の余分な開口、もしくは意図されるよりも広い開口)、および/またはレーザビーム124が、基部基板108の貫入が意図されていたところに貫入するのを阻止する、マスク116内の不完全部分(例えば、マスク116内の不完全な開口)があり得る。屑(例えば毛髪、埃等)またはマスク116内の不完全部分は、結果として得られる電極パターン200内に、ギャップや、電極パターン200を画定するライン202および/またはスペーシング204の形の変形などの、中断部またはムラを生じさせることがある。欠陥の別の例としては、マスタパターン118内の欠陥による、マスタパターン118内のスペーシング204のムラがある。
図2Dは、欠陥またはマーキング212を含む、基部基板108の導電性の第2の層112を示す。例示的部分122では、欠陥212が、基部基板108全域にわたって、電極パターン200の電極アレイ126の反復の各々内に含まれている。しかし、欠陥212は、非アレイ電極208に関連するような、電極パターン200内の他の場所に位置する場合もある。電極パターン200がブロードフィールドレーザアブレーションを使用して形成される例では、欠陥212は、部分122の電極アレイ126の各々内で規則的であり、または実質的に同一である。具体的には、欠陥212の規則的な発生は、実質的に部分122全体にわたってレーザビーム124を露光して、複数の電極パターン200を同時に形成することから生じる。したがって、欠陥212は、基部基板108がレーザアブレーションステーション114においてレーザビーム124で露光されるときに、導電性の第2の層112内に照射された電極パターン200の各々内に実質的に一様に複製される。例えば、欠陥212は、それぞれの電極パターン200に対して実質的に同じ位置に配置され得る。また、欠陥212は、それぞれの電極パターン200内で実質的に同じ大きさであり得る。したがって、基部基板108および電極パターン200を含んだ、結果として得られる基板ウェブは、電極パターン200の各々内に、実質的に同一の、規則的に再現される欠陥212を含む。
いくつかの例では、欠陥212などのマーキングが、意図的な場合がある。例えば、そのようなマーキングは、特定の製造業者、製造ラン、製品、または製造場所を特定するために、全ての電極パターン200にわたって出現するシグニチャとして含まれてよい。
図2Eは、電極パターン200を含む部分122の、図2Aの2−2ラインに沿った断面図である。一例として、図2Eは、電極パターン200の電極アレイ126以外の断面を示す。例えば、図2Eは、非アレイ電極208のうちの1つまたは複数を画定するライン202およびスペーシング204を示す。
上で、図1および図2Dに関連して基部基板108をレーザビーム124で露光することに関して開示されたように、いくつかの例では、レーザビーム124は、導電性の第2の層112および非導電性の第1の層110の中に選択的に貫入する。そのような例では、レーザビーム124は、導電性の第2の層112の厚さt1、および非導電性の第1の層110の厚さt2の中に貫入し、厚さt2は、非導電性の第1の層110の総厚さt3未満、または実質的に総厚さt3未満であり得る。非導電性の第1の層110は、レーザビーム124のエネルギーをいくらか吸収する。非導電性の第1の層110を照射した結果として、非導電性の第1の層110の、厚さt2を有する部分が、非導電性の第1の層110から放出され、その結果、非導電性の第1の層110に対する構造変化が生じる。非導電性の第1の層110の部分が放出する結果、導電性の第2の層112の部分が放出して、電極パターン200が画定され得る。図2Eに示されるように、非導電性の第1の層110は、レーザビーム124の貫入による1つまたは複数の擾乱部210を含む。その部分または擾乱部210は、照射された非導電性の第1の層110の1つまたは複数の部分の放出から生じる、非導電性の第1の層110内の凹部、スペーシング、開口、または溝を含む。擾乱部210のそれぞれの厚さは、非導電性の第1の層110の厚さ、およびレーザビーム124の貫入の深さによって決まる。また、擾乱部210は、図2Bに形が矩形として示されているが、擾乱部210は、非導電性の第1の層110から放出された破片の形に対応する、不規則な形の、湾曲した、または角度の付いた溝または凹部を含めて、実質的にどんな形でもよい。
レーザアブレーションステーション114における基部基板108のレーザアブレーションについて、部分122に関連して説明してきたが、第1のローラから第3のローラ102、104、106による基部基板108の第1の例示的アセンブリ100の中での連続移動の一環として、第1の例示的アセンブリ100の動作中に、レーザビーム124が基部基板108の2つ以上の部分に貫入することを理解されたい。第1の例示的アセンブリ100では、基部基板108がレンズ120の下方を通り、かつ/またはレンズ120を通り過ぎるとき、導電性の第2の層112の順次部分nがレーザビーム124で露光されて、順次部分nの各々上にマスタパターン118が繰り返し作製される。それらの部分の大きさ、および基部基板108がレーザアブレーションステーション114を通過するときのそれらの部分間のスペーシングは、例えば、マスタパターン118の大きさおよび構成、基部基板108の寸法、導電性の第2の層112の厚さ、ならびに/または基部基板108が関連付けられる液滴アクチュエータの寸法に基づいて、予め決められてよい。
図1に戻ると、部分122がレーザアブレーションステーション114においてレーザアブレーションにかけられて、(例えば、図2Aの電極パターン200の一部としての)電極アレイ126が形成した後、部分122は、第1のローラから第3のローラ102、104,106の回転によって、プリンタ128に移動される。第1の例示的アセンブリ100では、プリンタ128は、疎水性特性および/または誘電性特性を有する材料130からなる少なくとも1つの層を電極アレイ126に適用することの可能な、装置または機器を含む。第1の例示的アセンブリ100では、プリンタ128は、疎水性および/または誘電性材料130を、それらに限定されないが、(例えばプリンタ128に関連付けられたローラによる)ウェブベースコーティング、スロットダイコーティング、スピンコーティング、化学気相堆積、物理気相堆積、および/または原子層堆積を含む堆積技法によって、堆積させることができる。プリンタ128は、疎水性および/または誘電性材料130に加えて、他の材料も適用することができる(例えば防汚コーティング、抗凝血剤)。また、プリンタ128は、厚さの異なる、かつ/または基部基板108の異なる部分を被覆する、1つまたは複数の材料層を適用することができる。
上で説明されたように、第1の例示的アセンブリ100では、疎水性および/または誘電性材料130を電極アレイ126に適用するために、第1のローラから第3のローラ102、104、106のうちの少なくとも1つが、基部基板またはウェブ108をプリンタ128に前進させる。いくつかの例では、プリンタ128は、例えばローラコーティング方法によって疎水性および/または誘電性材料130を適用する際の、プリンタ128の動作の一環としての基部基板108の給送および位置合わせの精度を促進するために、複数のレジストレーションローラ131を含む。
第1の例示的アセンブリ100では、疎水性および/または誘電性材料130が電極アレイ126に、電極アレイ126を完全に、または実質的に完全に絶縁するように適用される。例えば、再度図2Aを参照すると、プリンタ128は、疎水性および/または誘電性材料130を電極アレイ126の電極206に選択的に適用するが、プリンタ128は、疎水性および/または誘電性材料130を電極パターン200の残りの電極208には適用しない。疎水性および/または誘電性材料130の電極パターン200への選択的適用により、残りの電極と電気的に接触することの可能な電極(例えば、疎水性および/または誘電性材料130で被覆されない非アレイ電極208)、ならびに電極アレイ126の一部として被覆またはコーティングされた電極(例えば、アレイ電極206)がもたらされる。疎水性および/または誘電性材料130がある結果として、電極アレイ126に近接して配置された液滴は、部分122に対してある接触角をなしてビーズ形状になる。動作の際には、コーティングされた電極アレイ126の電極206が、電気力によって接触角(例えば接触角の度数)を制御する。
いくつかの例では、疎水性および/または誘電性材料130は、電極アレイ126を実質的に被覆するように導電性の第2の層112に適用される、ポリテトラフルオロエチレン材料(例えばTeflon)またはフッ素界面活性剤(例えばFluoroPel)である。他の例では、疎水性および/または誘電性材料130は、磁器(例えばセラミック)やプラスチックなどの誘電体である。いくつかの例では、誘電体は疎水性材料と組み合わせて、電極アレイ126が誘電体の第1の層、およびその誘電体の層の上に配置された例えばTeflonの第2の層でコーティングされるように、適用される。そのような例では、誘電体の第1の層は、加工処理層の第2の層を上回る厚さを有してよい。また、いくつかの例では、結果として得られる液滴アクチュエータの臨床使用中のタンパク質、他の生物学的種の蓄積から生じることがあり、マイクロ流体デバイスの汚染を生じさせるおそれのある表面汚損を低減させるために、電極アレイ126に(例えば追加の層として、または疎水性および/もしくは誘電性材料130に関連付けて)防汚コーティングが適用される。液滴アクチュエータの運用上の用途に基づいて、他の材料が適用されてよい。例えば、アッセイが完了する前に生物学的試料が凝固するのを阻止するために、抗凝血性物質が適用されてよい。
いくつかの例では、疎水性および/または誘電性材料130は、プリンタ128によって実質的に液状で堆積される。液滴を支持するための、基部基板108上の構造層または加工処理層132を作製するために、部分122が、ローラ(例えば第1のローラから第3のローラ102、104、106)によって、硬化ステーション134を通って移動される。硬化ステーション134において、疎水性および/または誘電性材料が加工処理および/または改質されて、第1の加工処理層132が形成する。疎水性および/または誘電性材料を加工処理すること、および/または改質することは、材料を硬化することを含むことができる。例えば、硬化ステーション134において、疎水性および/または誘電性材料130の硬化を促進するために、熱が加えられる。いくつかの例では、部分122が紫外光に露光されて、疎水性および/または誘電性材料130が硬化し、電極アレイ126を絶縁するための加工処理層132が形成する。他の例では、疎水性および/または誘電性材料の硬化および/または改質は、熱および/または光子源なしで実現される。いくつかの例では、加工処理層132は、液滴をマニピュレーションするために(例えば電極アレイ126に関連して)電界が印加されるとき、液滴を支持する。例えば、エレクトロウェッティングプロセス中、加工処理層132に対する液滴の接触角が、電圧が印加された結果として変化し、それが、加工処理表面132上の液滴の表面張力に影響を及ぼす。
部分122は、硬化ステーション134を通過した後、液滴アクチュエータの底部基板として、かつ/またはデジタルマイクロ流体チップとして働くような準備が整っている。基部基板108は、上で開示されたように、導電性の第2の層112と結合された非導電性の第1の層110を含むので、例えば電極アレイ126を非導電性の第1の層110に追加で接着する必要がない。そのような予め接着された構成が、処理ステップを低減させることによって、液滴アクチュエータ用の基部基板108を準備する効率を高める。また、上で説明されたように、部分122が、レーザアブレーションステーション114、プリンタ128、または硬化ステーション134のいずれか1つのところにあるとき、基部基板108の他の部分nは、第1の例示的アセンブリ100のそれぞれのステーション114、128、134のうちの残りを通って、同時に移動している。例えば、部分122が硬化ステーション134のところにあるとき、第1のローラから第3のローラ102、104、106が、基部基板108の1つまたは複数の他の部分nを、例えば、レーザアブレーションステーション114および/またはプリンタ128を通って、連続して、周期的に、または非周期的に前進させている。そのようにして、液滴アクチュエータ用の基部基板108の準備が、実質的に連続した、高速の、自動化されたプロセスによって達成される。
基部基板108は、順次部分を含んでいると見なされ得るが、第1の例示的アセンブリ100のいくつかの例示的動作中、基部基板108は、順次部分が(例えば図2Aの電極パターン200を通じて)電極アレイ126を作製するための処理にかけられ、疎水性および/または誘電性材料130のコーティングを受けるとき、単一のシートまたはウェブのままである。したがって、処理された基部基板108を使用して1つまたは複数の液滴アクチュエータを作製するには、下でさらに開示されるように(例えば図4、図6)、基部基板またはウェブ108が、いくつかの例では、電極アレイ126を備える個別のユニットを形成するように切断(例えばダイシング)される。いくつかの例では、ダイシングの前に、部分122を含む基部基板108が、基部基板108の、第1のローラ102によって巻き出される前の初期のロール状構成に似たロール状構成で巻き戻される。そのような巻戻しは、1つまたは複数のローラによって、ロールツーロール処理の一環として実現され得る。そのような例では、基部基板108は後に、ダイシングされてもよく、その他の方法で分離されてもよい。他の例では、下でさらに開示されるように(例えば図4、図6)、ローラ(例えば、第2のローラ104および第3のローラ106)が基部基板108を、上部基板との合体のために前進させる。
上で説明されたように、例示的液滴アクチュエータは、電極アレイ126を含んだ基部基板108(図1および図2)などの基部基板と、上部基板とを含む。上部基板は、例えば、レーザアブレーションによって図1および図2の電極パターン200および電極アレイ126と実質的に同じ様に作製された電極パターンおよび関連する電極アレイ、単一の電極(例えば導電性金属の層)、または非導電性基板(例えば誘電体)を含んでよい。あるいは、いくつかの例では、液滴アクチュエータは上部基板を含まない。上部基板および/または上部基板の構成を準備する際には、例えば、液滴アクチュエータの意図された適用分野が考慮される。
図3は、単一の電極を有する液滴アクチュエータの例示的上部基板を作製するための、第2の例示的アセンブリ300を示す。第2の例示的アセンブリ300は、第1のローラ302、第2のローラ304、および第3のローラ306を含んだ、一連のまたは複数のローラを含み、それらは、同期回転して動作して、上部基板308を第2の例示的アセンブリ300の中を駆動する。第2の例示的アセンブリ300は、第1のローラから第3のローラ302、304、306に加えて、上部基板308をアセンブリ300の中を移動させるためのローラも含んでよい。上部基板308は、上部基板308を切断またはサイジングする前は、基板ウェブと見なされてよく、この基板ウェブは、上部基板308が第2の例示的アセンブリ300の中を移動するときに、ロール状構成でもよく、部分的にロール状構成でもよく、非ロール状構成でもよい。
第2の例示的アセンブリ300では、第1のローラ302が回転して、いくつかの例ではロール状構成のシートである上部基板308を巻き出す。図3の例示的上部基板308は、第1の層310および第2の層312を含む。例示的基部基板108と同様に、この例でも、上部基板308の例示的な第1の層310は、例えばプラスチックなどの非導電性材料を備え、例示的な第2の層312は、例えば金、クロム、銀、もしくは銅のうちの1つもしくは複数を含んだ金属および/または他の任意の適切な金属などの導電性材料、導電性ポリマー、あるいは金属の組合せ、もしくは導電性ポリマーの組合せ、または金属と導電性ポリマーの組合せを含む。いくつかの例では、導電性の第2の層312は、非導電性の第1の層310に、接着剤層(例えばクロム)を介して接着される。
第2の例示的アセンブリ300では、第1のローラから第3のローラ302、304、306が回転して、上部基板312をプリンタ314に前進させる。プリンタ314は、導電性の第2の層312を、疎水性および/または誘電性材料316(例えば、Teflon、またはセラミックなどの誘電体)でコーティングする。プリンタ314は、図1の第1の例示的アセンブリ100のプリンタ128に実質的に似ている。例えば、プリンタ314は、疎水性および/または誘電性材料316を上部基板308に、ウェブベースコーティング、スロットダイコーティング、スピンコーティング、化学気相堆積、物理気相堆積、原子層堆積、および/または他の堆積技法によって適用することができる。プリンタ314は、疎水性および/もしくは誘電性材料316、ならびに/または他のコーティング材料の適用中の、上部基板308のプリンタ314に対する位置合わせを促進するために、レジストレーションローラ317を含んでよい。
疎水性および/または誘電性材料316のコーティングを受けた後、第2のローラ104および第3のローラ106が、部分318を硬化ステーション320に前進させる。図1の硬化ステーション134に関して開示されたように、第2の例示的アセンブリ300の硬化ステーション320は、疎水性材料の改質(例えば硬化)を熱によって促進して、加工処理層322を形成する。加工処理層322は、上部基板308の単一の電極として働く導電性の第2の層312を、導電性の第2の層312を完全に、または実質的に完全に被覆することによって絶縁する。したがって、部分318の第2の層312をコーティングする際に、上部基板308の電位伝導部分が、部分318を含む液滴アクチュエータに適用され得る液滴から絶縁される。
部分318は、硬化ステーション320を通過した後、液滴アクチュエータの上部基板として働くような準備が整っている。上部基板308は、上部基板を第2の例示的アセンブリ200によって処理する前に、導電性の第2の層312に予め接着された非導電性の第1の層310を含むので、例えば電極を非導電性の第1の層310に追加で接着する必要がなく、それにより、液滴アクチュエータ用の上部基板308を準備する効率が高まる。
また、図1の第1の例示的アセンブリ100に関して開示されたように、第2の例示的アセンブリ300では、第1のローラから第3のローラ302、304、306が回転して、上部基板308の部分が、プリンタ314または硬化ステーション320のうちの一方を、第2の例示的アセンブリ300のロールツーロール動作の一環として実質的に連続して順次、周期的に順次、および/または非周期的に順次、通過するように、上部基板を前進させる。したがって、第2の例示的アセンブリ300について、部分318に関連して説明されているが、上部基板308の順次部分は、第1のローラから第3のローラ302、304、306が回転する結果として、実質的に、部分318としての様式で準備されることを理解されたい。様式などでは、上部基板308に、上部基板308の長さに沿って加工処理層322が設けられる。
例示的上部基板308では、導電性の第2の層312が電極の役割を果たす。しかし、いくつかの例では、導電性の第2の層312は、レーザアブレーションにかけられて、1つまたは複数の電極アレイが形成する。そのような例では、第2の例示的アセンブリ300は、図1の第1の例示的アセンブリ100のレーザアブレーションステーション114に実質的に似たレーザアブレーションステーションを含む。したがって、上部基板308は、疎水性材料316を受ける前にレーザビームで露光され、それにより、照射された導電性の第2の層312内に電極パターンが作製される。上部基板308上に形成される電極パターンは、図1の基部基板108上に形成される電極パターンとは同じでもよく、異なっていてもよい。上部基板308がレーザによってアブレーションされる例では、第2の例示的アセンブリ300は、第1の例示的アセンブリ100に実質的に似ている。また、いくつかの例では、電極アレイは、基部基板108上/内に形成されるのではなく、上部基板308上/内にのみ形成される。
第2の例示的アセンブリ300の動作中、上部基板は、上部基板308の順次部分が疎水性材料316でコーティングされるとき、単一のシートのままである。1つまたは複数の液滴アクチュエータの製造の一環として、上部基板308は、基部基板(例えば図1の基部基板108)と位置合わせされる。いくつかの例では、上部基板は、硬化ステーション320を通過した後、1つまたは複数のローラによって巻き戻されて、ロール状構成になる。そのような例では、完成したロールが、ダイシングもしくはその他の方法で切断され、かつ/または分離されて、個別のユニットになり、個別のユニットが、遠隔距離を隔てて位置合わせされ、図1の基部基板108のダイシングされた個別のユニットと結合されて、液滴アクチュエータが作製され得る。
他の例では、硬化ステーション320を通過した後、下で図4に関して論じるように、上部基板308を図1の基部基板108と自動化されたロールツーロール処理によって合体させるために、ローラ(例えば第1のローラから第3のローラ302、304、306)が上部基板308を継続して前進させる。そのような例では、上部基板308を、基部基板108と位置合わせできるよう準備するために、第2の例示的アセンブリ200のローラ(例えば第1のローラから第3のローラ302、304、306)が、上部基板308の向きを図1の基部基板108に対して逆にするように回転し、それにより、基部基板108と上部基板308が平行な配置で位置合わせされたとき、基部基板108の加工処理層132が上部基板308の加工処理層322に面するようになる(例えば図4参照)。
図4は、基板ウェブを処理するための、第3の例示的アセンブリ400の図である。例示的アセンブリ400は、ロールツーロール処理によって、基部基板を上部基板と合体させて液滴アクチュエータを製造するように動作する。第3の例示的アセンブリ400は、図1の基部基板108および図3の上部基板308から液滴アクチュエータを製造するように、図1の第1の例示的アセンブリ100および図3の第2の例示的アセンブリ300に関連付けて実施され得る。例えば、図4に示されるように、上部基板308は、第2の例示的アセンブリ300に関連する硬化ステーション320を通過した後、第3の例示的アセンブリ400の第1のローラ402によって前進させられる。同様に、基部基板108も、第1の例示的アセンブリ100に関連する硬化ステーション134を通過した後、第3の例示的アセンブリ400の第2のローラ402によって前進させられて、基板108、308の位置合わせが促進される。
第3の例示的アセンブリ400は、1対の合体ローラをなす第3のローラ406および第4のローラ408を含み、基部基板108および上部基板308がそこに、第3の例示的アセンブリ400のそれぞれの第1のローラ402および第2のローラ404によって給送される。合体ローラ406、408の各々が回転するとき、基部基板108と上部基板308は、所定の離隔距離またはギャップを隔てた平行な配置で位置合わせされる。
例えば、図4は、平行な位置合わせ状態の基部基板108および上部基板308を含み、また基部基板108の加工処理層132と上部基板108の加工処理層322を分離するギャップ412を含む、合体部分410を示す。ギャップ412は、加工処理層132、322間の所定の離隔距離である。ギャップ412は、もう1つのギャップ形成技法を使用して作製され得る。そのような技法としては、例えば、1つまたは複数の毛細管および/またはマイクロビーズを、基部基板108と上部基板308との間に、それぞれの加工処理層132、322を分離するためのスペーサとして働くように挿入することがあり得る。それに加えてまたはその代わりに、ギャップを形成および/または維持するための他の例としては、基部基板108と上部基板308を分離するためのフレームを設けるように、例えば基部基板108の非導電性の第1の層110内に、ピラーをエンボス加工またはモールディングすることがある。さらになお、ギャップを形成および/または維持するための、他の追加または代替の例としては、基部基板108および上部基板308それぞれの加工処理層132、322のうちの1つもしくは複数を、それらの基板を分離するための膜を作製するように貼り合わせる(laminate)こと、または基板108、308の少なくとも部分上に充填剤流体(filler fluid)(例えば、液滴流体とは混ざり合わない流体)を噴霧することがある。いくつかの例では、ギャップ形成技法は、ロールツーロール処理によって実施され得る。例えば、1つまたは複数の基部基板108または上部基板308が第1の例示的アセンブリから第3の例示的アセンブリ100、300、400の1つまたは複数のローラに近接して通過するとき、それらのローラのうちの1つまたは複数が、基部基板108および/または上部基板308のエンボス加工および/または貼合わせを行うことができる。
同様に、基部基板108および上部基板308が、(例えば、図1の第1の例示的アセンブリ100および図3の第2の例示的アセンブリ300の一環として)個別のロールとして巻き戻され、別々にダイシングされ、次いで位置合わせされる例でも、基部基板108および上部基板308はやはり、基部基板108および上部基板308それぞれの加工処理層132、322間にギャップが存在するように配列される。
図4に示されるように、例示的な第3のアセンブリ400は、結合ステーション414を含む。結合ステーション414は、液滴アクチュエータを製造する一環として、基部基板108と上部基板308を接合または結合する。例えば、結合ステーション414において、ギャップ412を保ちながら基部基板108と上部基板308との間の結合を生み出すように、1つまたは複数の接着剤が、基部基板108および/または上部基板308の予め定められた部分(例えば、基部基板108および/または上部基板308の、結果として得られる液滴アクチュエータの周辺部を画定する部分)に選択的に適用され得る。いくつかの例では、(例えば接着剤を適用するのに先立って)ギャップ412を形成することを含む、結合ステーション414において基板108、308を結合すること。
結合ステーション414において使用され得る接着剤の例としては、エポキシ、箔、テープ、および/または紫外線硬化性接着剤がある。いくつかの例では、SU−8および/またはポリジメチルシロキサン(PDMS)などのポリマーの層が、基部基板108および/または上部基板308に、それらの基板を結合するために適用される。また、いくつかの例では、結合ステーション414が、例えば紫外光による接着剤の硬化を行う。結合ステーション414は、例えば、熱(例えば熱結合)、圧力、硬化等が関与するもう1つの方法を利用して、基部基板108と上部基板308を結合することができる。
例示的な第3のアセンブリ400では、合体部分410が、選択的に切断、ダイシング、またはその他の方法で分離されて、図4に合体部分410によって実質的に表されるように、1つまたは複数の液滴アクチュエータが形成し得る。例示的な第3のアセンブリ400は、ダイシングステーション416を含む。ダイシングステーション416は、例えば、切断デバイス、スプリッタ、またはより一般には、連続した合体部分410を分けて、個別の液滴アクチュエータに対応する離散ユニットにする機器であってよい。合体部分410は、各液滴アクチュエータが電極アレイ126および電極パターン200を通じて形成される残りの電極(例えば非アレイ電極208)の底面積を含むように、例えば図2Aの電極パターン200に基づいて切断されて個別の液滴アクチュエータになってよい。結果として得られる液滴アクチュエータの動作中、ギャップ412が液滴を受けることができ、液滴は、基部基板108の電極アレイ126の絶縁された電極206(例えば導電性の第2の層112)および/または上部基板312の絶縁された電極(例えば導電性の第2の層312)を介した電位を使用してマニピュレーションされ得る。基部基板108および上部基板108の導電性表面の絶縁性(insulated nature)が、電極にさらされることによる液滴流体に対する意図せぬ化学反応または化学変化を阻止し、それにより、液滴のマニピュレーションおよび分析の完全性を保護する。
図5は、例えば、1つまたは複数の基板ウェブを処理するための図1の第1の例示的アセンブリ100、図3の第2の例示的アセンブリ300、および/または図4の第3の例示的アセンブリ400などの液滴アクチュエータ製造アセンブリで使用する、例示的処理システム500のブロック図である。例示的処理システム500は、第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および/または第3の例示的アセンブリ400の動作を、選択されたドライバ構成要素によって制御する、コントローラ502を含む。
例えば、例示的処理システム500は、第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および/または第3の例示的アセンブリ400のローラのうちの1つまたは複数を制御するローラドライバ504を含む。いくつかの例では、例示的処理システム500は、1つまたは複数のローラドライバ504を含む。図示の例では、ローラドライバ504は、ローラ506a−nに通信可能にカップリングされる。ローラ506a−nは、例えば、第1の例示的アセンブリ100の第1のローラから第3のローラ102、104、106、第2の例示的アセンブリ300の第1のローラから第3のローラ302、304、306、および/または第3の例示的アセンブリ400の第1のローラから第4のローラ402、404、406、408に対応してよい。ローラドライバ504は、ローラ506a−nの回転を、例えばモータを使用して、ローラの1つまたは複数の動作特性を調節するように制御する。そのような動作特性としては、ローラ506a−nの回転の速度、回転の持続時間、回転の方向、加速度等があり得る。ローラドライバ504によって制御される動作特性のうちの1つまたは複数が、第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および第3の例示的アセンブリ400の中を給送される1つまたは複数の基板の部分(例えば、基部基板108の部分122、上部基板308の部分318、および/または合体部分410)の位置を、ローラ506a−nの動作中はいつでも、少なくとも部分的に決定する。さらに、回転の速度など、ローラドライバ504によって制御される動作特性のうちの1つまたは複数が、第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および第3の例示的アセンブリ400の1つまたは複数のステーション(例えば、第1の例示的アセンブリ100のレーザアブレーションステーション114)に基板の部分が暴露される持続時間を、少なくとも部分的に決定する。したがって、ローラドライバ504は、1つまたは複数の基板が処理される速さを制御する。また、例示的プロセッサ508が、ローラドライバ604、したがって第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および第3の例示的アセンブリ400を、液滴アクチュエータ製造プロトコルに従って動作させる。
例示的処理システム500は、レーザドライバ510も含む。いくつかの例では、例示的処理システム500は、1つまたは複数のレーザドライバ510を含む。図示の例では、1つまたは複数のレーザドライバ510は、1つまたは複数のレーザ512に通信可能にカップリングされて、レーザ512を制御する。レーザ512は、例えば、第1の例示的アセンブリ100のレーザアブレーションステーション114のレーザビーム124に対応してよい。いくつかの例では、第2の例示的アセンブリ400が、レーザビームを有するレーザアブレーションステーションを含む。そのような例では、レーザドライバ510は、第2の例示的アセンブリ400に関連するレーザも制御する。レーザドライバ510は、例えば、レーザ512の強度、基板に対する照射の表面積の大きさ、レーザ512が基板(例えば、基部基板108の導電性の第2の層112および非導電性の第1の層110)に貫入する深さ、ならびに/またはレーザ512が基板に貫入する、もしくは貫入しない持続時間を制御する。レーザドライバ510は、レーザ512が、レーザアブレーションラスタリング技法の一環として基板を反復的に照射するかどうか、またはブロードフィールドレーザアブレーションによるレーザのただ1度の露光によって基板に電極パターンを刻み込むために、レーザ512が基板の所定の表面積にわたって露光されるかどうかを含めて、レーザ512が基板上に露光される様式も制御する。レーザ512が基板内にパターンを反復的にエッチングする例では、レーザドライバ510は、基板全域にわたるレーザ512の移動(例えば方向および速度)を制御する。また、例示的プロセッサ508が、レーザドライバ510、したがってレーザ512を、レーザアブレーションプロトコルに従って動作させる。
例示的処理システム500は、第1の例示的アセンブリ100および/または第2の例示的アセンブリ300のプリンタのうちの1つまたは複数を制御するプリンタドライバ514も含む。いくつかの例では、例示的処理システム500は、1つまたは複数のプリンタドライバ514を含む。図示の例では、プリンタドライバ514は、第1のプリンタ516および第2のプリンタ518に通信可能にカップリングされる。第1のプリンタ516は、例えば、第1の例示的アセンブリ100のプリンタ128に対応してよい。第2のプリンタ518は、例えば、第2の例示的アセンブリ300のプリンタ314に対応してよい。プリンタドライバ514は、例えば、第1のプリンタ516および第2のプリンタ518によって基板に適用される疎水性および/または誘電性材料の厚さ、幅、および/またはパターンを制御する。疎水性および/または誘電性材料がウェブベース印刷によって適用される例では、プリンタドライバ514は、第1のプリンタ516および/または第2のプリンタ518に関連するローラが基板に接触する、したがって、電極アレイに適用される疎水性および/または誘電性材料層の品質に影響を及ぼす、圧力を制御することができる。いくつかの例では、第1のプリンタ516および第2のプリンタ518は、ローラ506a−nに関連して動作する。そのような例では、プリンタドライバ514は、ローラドライバ504と共同して、例えば基板上に疎水性および/または誘電性材料が堆積される速さを定めるように働く。また、例示的プロセッサ508が、プリンタドライバ514、したがって第1のプリンタ516および第2のプリンタ518を、疎水性および/または誘電性材料適用プロトコルに従って動作させる。
例示的処理システム500は、第1の例示的アセンブリ100および/または第2の例示的アセンブリ300の硬化ステーションのうちの1つまたは複数を制御する硬化ステーションドライバ520も含む。いくつかの例では、例示的処理システム500は、1つまたは複数の硬化ステーションドライバ520を含む。図示の例では、硬化ステーションドライバ520は、第1の硬化ステーション522および第2の硬化ステーション524に通信可能にカップリングされる。第1の硬化ステーション522は、例えば、第1の例示的アセンブリ100の第1の硬化ステーション134に対応してよい。第2の硬化ステーション524は、例えば、第2の例示的アセンブリ300の第2の硬化ステーション320に対応してよい。硬化ステーションドライバ520は、例えば、基板に与えられる熱および/または紫外光の強度、基板の、熱および/または紫外光が与えられる面積の大きさ、熱および/または紫外光が与えられる持続時間等を制御する。また、例示的プロセッサ508が、硬化ステーションドライバ520、したがって第1の硬化ステーション522および第2の硬化ステーション524を、疎水性および/または誘電性材料硬化プロトコルに従って動作させる。
例示的処理システム500は、第3の例示的アセンブリ400の結合ステーションを制御する結合ステーションドライバ526も含む。いくつかの例では、例示的処理システム500は、1つまたは複数の結合ステーションドライバ526を含む。図示の例では、結合ステーションドライバ526は、結合ステーション528に通信可能にカップリングされる。結合ステーション528は、例えば、第3の例示的アセンブリ400の結合ステーション414に対応してよい。結合ステーションドライバ526は、例えば、接着剤が適用される厚さ、接着剤が適用される構成またはレイアウト、硬化または熱結合を促進するために加えられる熱の持続時間および/または強度、基板を結合するために印加される圧力等を制御する。いくつかの例では、結合ステーションドライバは、(例えば貼合わせによる)基板間のギャップの形成も制御する。また、例示的プロセッサ508が、結合ステーションドライバ526、したがって第1の結合ステーション528を、基板結合プロトコルに従って動作させる。
例示的処理システム500は、第3の例示的アセンブリ400のダイシングステーションを制御するダイシングステーションドライバ530も含む。いくつかの例では、例示的処理システム500は、1つまたは複数のダイシングステーションドライバ526を含む。図示の例では、ダイシングステーションドライバ530は、ダイシングステーション532に通信可能にカップリングされる。ダイシングステーション532は、例えば、第3の例示的アセンブリ400のダイシングステーション416に対応してよい。ダイシングステーションドライバ530は、例えば、基板ウェブ(例えば、結合された基板、またはいくつかの例では、個別の層としての基板)の切断または分割、基板が切断されてなる離散ユニットの大きさ、連続基板から形成される離散ユニット間のスペーシング、切断機器の動作速度、切断機器の後退等を制御する。また、例示的プロセッサ508が、ダイシングステーションドライバ530、したがってダイシングステーション532を、基板ウェブダイシングプロトコルに従って動作させる。
例示的処理システム500は、例示的システム500の動作に関係する情報を格納することのできるデータベース534も含む。情報としては、例えば、第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および/または第3の例示的アセンブリ400の中を給送される基板の長さおよび寸法、基板を構成する材料(例えば、基部基板108の導電性の第2の層112の金属のタイプ)、速度および/または直径などのローラの回転特性、レーザによって基板上にアブレーションされる電極パターン、基板に適用される疎水性材料、誘電性材料、接着材料、および/または他の材料の特性等についての情報があり得る。
例示的処理システム500は、例えばグラフィカルユーザインターフェース(GUI)528などのユーザインターフェースも含む。操作者または技術者が、処理システム500、したがって第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および/または第3の例示的アセンブリ400と、インターフェース536を介して対話して、例えば、ローラ506a−nの速度、回転の持続時間等のような、ローラの動作、レーザ512によって基板上にアブレーションされるパターン、レーザ512の強度、プリンタによって基板に適用される疎水性および/または誘電性材料のタイプ、硬化ステーション522、524の強度、ローラ506a−nによって基部基板と上部基板を位置合わせさせる際のギャップの大きさ、結合ステーション528において基板を結合するために適用される接着剤、ダイシングステーション532によって基板が切断されてなる離散ユニットの大きさ等に関係するコマンドを与える。インターフェース536は、完了済みおよび/もしくは進行中の任意の基板処理の状況に関係する情報を取得し、速度や位置合わせなどのパラメータをチェックし、かつ/または較正を行うために、操作者によって使用されてもよい。
図示の例では、処理システム構成要素502、504、508、510、514、520、526、530、534は、例示的処理システム500の他の構成要素に、通信リンク538を介して通信可能にカップリングされる。通信リンク538は、過去、現在、または将来の任意の通信プロトコル(例えばブルートゥース(登録商標)、USB2.0、USB3.0等)を使用した、任意のタイプの有線接続(例えばデータバス、USB接続等)、および/または任意のタイプのワイヤレス通信(例えば無線周波数、赤外線等)であってよい。また、例示的システム500の構成要素は、1つのデバイスに集積されてもよく、2つ以上のデバイスにわたって分散されてもよい。
図1の第1の例示的アセンブリ100、図3の第2の例示的アセンブリ300、および/または図4の第3の例示的アセンブリ400を実装する例示的様式が、図5に示されているが、図5に示される要素、プロセス、および/またはデバイスのうちの1つまたは複数は、組み合わされ、分けられ、再編成され、省略され、排除され、かつ/または他の任意の方途で実装されてよい。さらに、例示的コントローラ502、例示的ローラドライバ504、例示的プロセッサ508、例示的レーザドライバ510、例示的プリンタドライバ514、例示的硬化ステーションドライバ520、例示的結合ステーションドライバ526、例示的ダイシングステーションドライバ530、例示的データベース534、および/またはより一般には、図5の例示的処理システム500は、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、ファームウェアによって、かつ/またはハードウェア、ソフトウェア、および/もしくはファームウェアの任意の組合せによって、実装されてよい。したがって、例えば、例示的コントローラ502、例示的ローラドライバ504、例示的プロセッサ508、例示的レーザドライバ510、例示的プリンタドライバ514、例示的硬化ステーションドライバ520、例示的結合ステーションドライバ526、例示的ダイシングステーションドライバ530、例示的データベース534、および/またはより一般には、図5の例示的処理システム500のいずれかは、1つまたは複数のアナログ回路もしくはデジタル回路、論理回路、プログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、および/またはフィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)によって実装されてよい。本特許の装置クレームまたはシステムクレームのいずれかが、純粋にソフトウェア実装および/またはファームウェア実装をカバーするものとして解釈されるとき、例示的コントローラ502、例示的ローラドライバ504、例示的プロセッサ508、例示的レーザドライバ510、例示的プリンタドライバ514、例示的硬化ステーションドライバ520、例示的結合ステーションドライバ526、例示的ダイシングステーションドライバ530、および/または例示的データベース534のうちの少なくとも1つは、ここに、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを記憶するメモリ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、ブルーレイディスク等のような、有形のコンピュータ可読記憶デバイスまたは記憶ディスクを含むものと明示的に定められる。さらになお、図5の例示的処理システム500は、図5に示されるものに加えて、もしくはその代わりに、1つもしくは複数の要素、プロセス、および/もしくはデバイスを含んでよく、かつ/または図示の要素、プロセス、およびデバイスのいずれかもしくは全てのうちの2つ以上を含んでよい。
図1の第1の例示的アセンブリ100、図3の第2の例示的アセンブリ300、および図4の第3の例示的アセンブリ400、ならびに/または図5の例示的処理システム500を実施するための、例示的マシン可読命令を表すフローチャートが、図6に示されている。この例では、マシン可読命令は、下で図7に関して論じられる例示的プロセッサプラットフォーム700内に示されるプロセッサ712などのプロセッサによって実行するためのプログラムを構成する。プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、またはプロセッサ712に関連するメモリなどの、有形のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるソフトウェアとして具現化されてよいが、プログラム全体および/またはその一部が、別法として、プロセッサ712以外のデバイスによって実行され、かつ/またはファームウェアもしくは専用ハードウェアとして具現化されてもよい。さらに、この例示的プログラムについては、図6に示されるフローチャートを参照して説明されるが、例示的な第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および第3の例示的アセンブリ400、ならびに/または例示的処理システム500を実施する他の多くの方法が、その代わりに使用されてもよい。例えば、ブロックの実行順序が変更されてよく、かつ/または説明されるブロックのいくつかが、変更されても、排除されても、組み合わされてもよい。
上で述べられたように、図6の例示的プロセスは、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または任意の持続時間の間(例えば、長期の時間期間の間、永久に、短期間(brief instance)の間、一時的なバッファリングのために、かつ/もしくは情報のキャッシングのために)情報が記憶される他の任意の記憶デバイスもしくは記憶ディスクなどの、有形のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶される、コード化命令(例えばコンピュータ可読命令および/またはマシン可読命令)を使用して実施されてよい。本明細書では、有形のコンピュータ可読記憶媒体という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶デバイスおよび/または記憶ディスクを含み、かつ伝播信号を除外し、かつ伝送媒体を除外するものと明示的に定められる。本明細書では、「有形なコンピュータ可読記憶媒体」と「有形なマシン可読記憶媒体」は、交換可能に使用される。それに加えてまたはその代わりに、図6の例示的プロセスは、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、および/または任意の持続時間の間(例えば長期の時間期間の間、永久に、短期間の間、一時的なバッファリングのために、かつ/もしくは情報のキャッシングのために)情報が記憶される他の任意の記憶デバイスもしくは記憶ディスクなどの、非一時的コンピュータ可読媒体および/またはマシン可読媒体上に記憶される、コード化命令(例えばコンピュータ可読命令および/またはマシン可読命令)を使用して実施されてもよい。本明細書では、非一時的コンピュータ可読媒体という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶デバイスおよび/または記憶ディスクを含み、かつ伝播信号を除外し、かつ伝送媒体を除外するものと明示的に定められる。本明細書では、「少なくとも」という句は、クレームのプリアンブルにおいて移行語として使用されるとき、「備える(comprising)」という用語がオープンエンドであるのと同じ様に、オープンエンドである。
図6は、液滴アクチュエータを第1の例示的アセンブリ100、第2の例示的アセンブリ300、および第3の例示的アセンブリ400の動作を通じて製造するために実施され得る、例示的方法600を表す例示的流れ図を示す。例示的方法600は、基部基板のウェブをローラによって前進させること(ブロック602)によって実施され得る。例えば、第1のローラ102、第2のローラ104、および第3のローラ106が、図1の基部基板またはウェブ108を巻き出し、ローラを通じて駆動することができる。いくつかの例では、ローラ102、104、106は、図5のローラドライバ504によって制御される。例示的方法600は、基部基板上に電極アレイをアブレーションすること(ブロック604)も含む。例えば、基部基板108は、ローラによって、図1のレーザアブレーションステーション114に移ることができる。レーザビーム124が、基部基板108(例えば導電性の第2の層112)に貫入して、基部基板108から材料を選択的に除去またはアブレーションし、それによって電極アレイ126を形成する。レーザビーム124は、図5のレーザドライバ510によって制御され得る。
例示的方法600は、電極アレイに疎水性および/または誘電性材料を適用すること(ブロック606)も含む。例示的方法600では、疎水性および/または誘電性材料は、Teflonなどの疎水性材料、誘電体、またはそれらの組合せであってよい。例示的方法600のいくつかの例では、図1のプリンタ128が、基部基板108の電極アレイ126に疎水性および/または誘電性材料を適用する。例示的方法600では、疎水性および/または誘電性材料が、電極アレイ126を実質的に完全に被覆または絶縁する。いくつかの例では、プリンタ128は、図5のプリンタドライバ514によって制御される。
例示的方法600では、疎水性および/または誘電性材料が加工処理(例えば硬化またはその他の方法で改質)されて、基部基板上に加工処理層が形成する(ブロック608)。例えば、疎水性材料を硬化するために、基部基板に熱および/または紫外光が与えられる。熱および/または紫外光は、図1の硬化ステーション134によって与えられ得る。いくつかの例では、図5の硬化ステーションドライバ520が、硬化ステーション134を制御する。
疎水性および/または誘電性材料を加工処理した後、基部基板は、液滴アクチュエータの底部基板として実装する準備ができている。例示的方法600では、上部基板(例えば基板ウェブ)が、液滴アクチュエータの上部基板として実装できるように、同時に処理される。例示的方法600の他の例では、上部基板は、底部基板とは異なる時点において処理される。
上部基板を、液滴アクチュエータの一部として基部基板に関連付けて実装できるよう準備するために、例示的方法600は、上部基板をローラによって前進させること(ブロック610)を含む。いくつかの例では、図3の第1のローラ302、第2のローラ304、および第3のローラ306が、上部基板308を巻き出し、第2の例示的アセンブリ300の中を駆動する。また、いくつかの例では、ローラ302、304、306は、ローラドライバ504によって制御される。
例示的方法600は、上部基板上に電極アレイを作製するかどうかの決定(ブロック612)を含む。上部基板は、単一の電極(例えば導電性材料の連続層)を含んでもよく、電極アレイ(例えば複数の電極を含むパターン)を含んでもよく、非導電性材料を含んでもよい。ブロック612において、上部基板上に電極アレイを作製するように決定が行われる場合、例示的方法600はブロック614に進み、そこで、上部基板(例えば上部基板308の導電性の第2の層312)上に電極アレイがレーザアブレーションによって作製される。上部基板のレーザアブレーションは、ブロック604における基部基板のアブレーションと実質的に同じ様に(例えば、レーザによって導電性材料を電極パターンに従って選択的に除去するように)行われる。
上部基板上に電極アレイを作製しないように決定が行われる場合(ブロック612)、例示的方法600は先に進み、そこで、上部基板に疎水性および/または誘電性材料が適用される(ブロック616)。また、上部基板上に電極アレイが形成される例(ブロック614)でも、例示的方法600は、ブロック616に進む。どちらの場合も、例えば、上部基板に関連する単一の電極または電極アレイを絶縁するために、上部基板の少なくとも部分が疎水性および/または誘電性材料でコーティングされる。例えば、図3の疎水性プリンタ314が、上部基板上に疎水性および/または誘電性材料を堆積させることができる。いくつかの例では、プリンタ314は、図5のプリンタドライバによって制御される。
例示的方法600では、上部基板に適用された疎水性および/または誘電性材料が加工処理される(ブロック618)。上部基板上の疎水性および/または誘電性材料を加工処理することは、実質的に、ブロック608において(例えば、図3の硬化ステーション320によって適用され、図5の硬化ステーションドライバ520によって制御される、熱および/または紫外光によって)基部基板の疎水性および/または誘電性材料を加工処理することに関して説明されたように、行われ得る。
例示的方法600では、上部基板が、液滴アクチュエータの一部として基部基板に関連付けて実装できるように処理される。液滴アクチュエータを形成するために、例示的方法600は、基部基板と上部基板を位置合わせさせること(ブロック620)を含む。いくつかの例では、基部基板および上部基板は、(例えば、ブロック608および618における硬化後に、第1の例示的アセンブリ100および第2の例示的アセンブリ300のそれぞれのローラによって)個別のロールとして構成される。そのような例では、基部基板と上部基板を位置合わせさせることは、個別のロールを位置合わせさせること、または例えば個別のロールがダイシングされて、液滴アクチュエータの所定の寸法に対応する離散部分になっている場合(ブロック624参照)、基部基板と上部基板の離散部分を位置合わせさせることを含む。他の例では、(例えば図4の第3の例示的プロセス400に関して説明されたように)基部基板と上部基板を位置合わせさせることが、ローラによる基部基板および上部基板の継続的な前進の一環として実現され、それにより、基部基板および上部基板は、合体および結合されてから、ダイシングされる。基部基板および上部基板は、図4の結合ステーション414において適用される接着剤によって結合され得る。
基部基板と上部基板(例えば基部基板ウェブと上部基板ウェブ)の位置合わせが、離散ロールおよび/または離散部分の位置合わせによって行われようと、ロールツーロールプロセスの一環として行われようと(ブロック620)、例示的方法600は、基部基板と上部基板との間にギャップを形成すること(ブロック622)を含む。例示的方法600では、ギャップは、例えば、基板間への毛細管の挿入、エンボス加工、ならびに/または基板の疎水性および/もしくは誘電性表面の貼合わせによって形成され得る。
例示的方法600は、基板ウェブをダイシングして、個別のユニットにすること(ブロック624)を含む。いくつかの例では、ダイシングは、ロールツーロールプロセスの一環として、結合された基部基板および上部基板が切断されて、基部基板、上部基板、およびギャップを含む個別のユニットになるように行われる。基部基板および上部基板が(例えば、それぞれの第1の例示的プロセス100および第2の例示的プロセス300の後に)巻かれて、個別のロールになる例では、基板は、別々に切断されて離散ユニットになって、液滴アクチュエータが形成し、後に結合およびギャップ形成にかけられる(例えばブロック620、622)。例示的方法600では、基板は、図4のダイシングステーション416において、切断機器または分割機器によって切断することができる。例示的方法600の終わり(ブロック626)に、液滴アクチュエータは、液滴を、基板の疎水性および/または誘電性表面上にギャップを通じて受けて、基部基板および/または上部基板を介して送達される電位によってマニピュレーションすることが可能である。
図7は、図1および図3−図5の装置および/またはシステムを実施するための図6の命令を実行することの可能な、例示的プロセッサプラットフォーム700のブロック図である。プロセッサプラットフォーム700は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス(例えば、セル電話、スマートフォン、iPad(登録商標)などのタブレット)、携帯情報端末(PDA)、インターネットアプライアンス、または他の任意のタイプのコンピューティングデバイスであってよい。
図示の例のプロセッサプラットフォーム700は、プロセッサ712を含む。図示の例のプロセッサ712は、ハードウェアである。例えば、プロセッサ712は、1つまたは複数の集積回路、論理回路、任意の所望のファミリまたは製造業者からのマイクロプロセッサまたはコントローラによって実装されてよい。
図示の例のプロセッサ712は、ローカルメモリ713(例えばキャッシュ)を含む。図示の例のプロセッサ712は、揮発性メモリ714および不揮発性メモリ716を含むメインメモリと、バス718を介して通信状態にある。揮発性メモリ714は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、および/または他の任意のタイプのランダムアクセスメモリデバイスによって実装されてよい。不揮発性メモリ716は、フラッシュメモリおよび/または他の任意の所望のタイプのメモリデバイスによって実装されてよい。メインメモリ714、716へのアクセスは、メモリコントローラによって制御される。
図示の例のプロセッサプラットフォーム700は、インターフェース回路720も含む。インターフェース回路720は、イーサネット(登録商標)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および/またはPCIエクスプレスインターフェースなどの、任意のタイプのインターフェース標準規格によって実装されてよい。
図示の例では、1つまたは複数の入力デバイス722が、インターフェース回路720に接続される。入力デバイス722は、ユーザがデータおよびコマンドをプロセッサ712に入力できるようにする。入力デバイスは、例えば、オーディオセンサ、マイクロホン、カメラ(スチルもしくはビデオ)、キーボード、ボタン、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント(isopoint)、および/または音声認識システムによって実装されてよい。
1つまたは複数の出力デバイス724も、図示の例のインターフェース回路720に接続される。出力デバイス724は、例えば、ディスプレイデバイス(例えば発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ(CRT)、タッチスクリーン、触覚出力デバイス、発光ダイオード(LED)、プリンタおよび/またはスピーカ)によって実装されてよい。したがって、図示の例のインターフェース回路720は典型的に、グラフィックドライバカード、グラフィックドライバチップ、またはグラフィックドライバプロセッサを含む。
図示の例のインターフェース回路720は、外部マシン(例えば任意の種類のコンピューティングデバイス)とのネットワーク726(例えばイーサネット接続、デジタル加入線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、セルラー電話システム等)を介したデータ交換を促進するための、送信機、受信機、送受信機、モデム、および/またはネットワークインターフェースカードなどの通信デバイスも含む。
図示の例のプロセッサプラットフォーム700は、ソフトウェアおよび/またはデータを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス728も含む。そのような大容量記憶デバイス728の例としては、フロッピーディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、ブルーレイディスクドライブ、RAIDシステム、およびデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブがある。
図7のコード化命令732が、大容量記憶デバイス728、揮発性メモリ714、不揮発性メモリ716、および/またはCDやDVDなどの取り外し可能な有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。
前述の内容から、上で開示された方法、システム、および装置が、液滴アクチュエータを形成する基板を液滴アクチュエータに関連する電極の技術的優位性を備えることなく効率的に製作するための、レーザアブレーションおよびロールツーロール処理による液滴アクチュエータの製造を可能にすることが理解されよう。基部基板が間断なく、ローラによってステーションを通って効率的に移動されて、電極アレイが作製され、アレイが疎水性材料でコーティングされ、かつ疎水性材料が硬化され、それによって、液滴アクチュエータ上に配置された液滴の構造支持体として働くことのできる基板が作製される。さらに、液滴アクチュエータの上部基板の処理が、例えば上部基板が電極アレイを含むかどうかについての追加のカスタマイゼーションを伴って、実質的に同じロールツーロール技法を使用して達成され得る。ロールツーロール処理は、処理された基部基板および上部基板の個別に巻かれたロールをもたらし、それがさらにダイシングおよび位置合わせされると、個別の液滴アクチュエータが作製され得る。あるいは、ロールツーロール処理はさらに、基部基板と上部基板を合体させて、ダイシングされ得る単一のロールを作製するために使用されてもよい。
本明細書で開示される例は、基板がローラによって駆動されているときに、レーザアブレーションを利用して基板上に電極アレイを画定する。レーザアブレーションは、生産速度に影響を及ぼすことなく、高い性能品質を有する電極アレイをもたらす。基板の順次部分をレーザで露光することによって、ローラが基板を前進させる速さに従って、基板上に電極パターンが作製される。基部基板を形成するのが、予め接着された導電性材料と非導電性材料からなる薄層である結果として、低運用コストが達成される。そのような構成が、(1)厚膜印刷方法に比べた材料コスト、および(2)電極パターンの形成前に基板を予め接着することによる処理ステップ数を低減させる。レーザアブレーションによって達成される、電気伝導性、電極の指状構造化、低い表面およびエッジの粗さ、および高分解能、および電極アレイの小さな底面積が、結果として得られる液滴アクチュエータによって行われる液滴のマニピュレーションの精度を改善する。さらに、基板の電極を実質的に完全に絶縁する際に本明細書で開示される例示的方法は、疎水性材料上に配置された液滴に対する、電位による液滴のマニピュレーション中の意図せぬ化学変化または化学反応を阻止する。
したがって、基板は、実質的に実装の準備ができた状態でステーションを通って処理され、それにより、処理された基板が、疎水性材料の硬化後にダイシングされて離散部分になって、1つまたは複数の液滴アクチュエータが作製され得る。基板の処理におけるそのような低減が、結果として得られる液滴アクチュエータの品質を損なうことなく、生産時間を改善し、コストを低下させる。
以上、いくつかの例示的な方法、装置、および製品が、本明細書で開示されてきたが、本特許のカバーする範囲にはそれらに限定されない。それとは反対に、本特許は、本特許の特許請求の範囲に記載の範囲内に明らかに含まれるあらゆる方法、装置、および製品をカバーする。