JP2021050604A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の制御装置に関し、エンジン始動後にデコンプモードから早閉じミラーサイクル運転モードに切り替える過程におけるプレイグニッションの発生を抑制できるようにする。【解決手段】吸気弁の開閉時期を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関を制御する制御装置において、制御装置による可変動弁機構の制御モードは、エンジン始動時の吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも遅角させるデコンプモードと、吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも進角させる早閉じミラーサイクル運転モードとを含む。制御装置は、デコンプモードの実行中に吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となった場合に、デコンプモードから早閉じミラーサイクル運転モードへの切り替えを実行する。【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、吸気弁のバルブタイミングの制御によって遅閉じミラーサイクル運転モードを実行する内燃機関が開示されている。また、このような吸気弁のバルブタイミングの制御のために、吸気弁のリフト量及び作動角(作用角)を制御するリフト・作動角制御機構又は吸気弁の開弁期間の中心角を制御する位相制御機構が用いられる点が開示されている。
また、特許文献2には、吸気弁の閉じ時期IVCを吸気下死点後とする大作用角カムと、閉じ時期IVCを吸気下死点に近づけた小作用角カムとを備え、エンジン始動時の初回の吸気行程において大作用角カムを用いた後に小作用角カムに切り替える技術が開示されている。特許文献3には、吸気温度と吸気圧力に基づいて、エンジン始動時の吸気カムの位相角を制御する技術が開示されている。
特開2015−165118号公報 特開2012−067619号公報 特開2013−144946号公報
エンジン始動時の振動騒音抑制のために、吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも遅角させること(すなわち、吸気弁の遅閉じ)を利用するデコンプモードを実行し、その後、吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも進角させて早閉じミラーサイクル運転モードを実行する構成を採用することが考えられる。このようなデコンプモードから早閉じミラーサイクル運転モードへの切り替えが、その切り替え過程において閉じ時期が吸気下死点を通過する(跨ぐ)ように実行された場合には、有効圧縮比が高まり、プレイグニッション(点火プラグによる点火前に気筒内の混合気が自着火する現象)が発生し易くなる。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、エンジン始動後にデコンプモードから早閉じミラーサイクル運転モードに切り替える過程におけるプレイグニッションの発生を抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、吸気弁の開閉時期を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関を制御する。
前記制御装置による前記可変動弁機構の制御モードは、エンジン始動時の前記吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも遅角させるデコンプモードと、前記吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも進角させる早閉じミラーサイクル運転モードとを含む。
前記制御装置は、前記デコンプモードの実行中に吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となった場合に、前記デコンプモードから前記早閉じミラーサイクル運転モードへの切り替えを実行する。
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、吸気弁の遅閉じを利用するデコンプモードの実行中に吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となった場合には、デコンプモードから早閉じミラーサイクル運転モードへの切り替えが実行される。換言すると、吸気温度が第1閾値よりも高いという高温条件及び吸気圧力が第2閾値よりも高いという高圧条件のうちの少なくとも一方が満たされるためにプレイグニッションの発生リスクが高い状況下では、早閉じミラーサイクル運転モードへの切り替えは行われない。このため、上記切り替えの過程におけるプレイグニッションの発生を抑制できる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 デコンプモード時に選択される吸気バルブタイミングの一例と、早閉じモード時に選択される吸気バルブタイミングの一例とを示す図である。 作用角固定型の吸気可変動弁機構による吸気弁の遅閉じを利用する比較例を説明するための図である。 実施の形態1におけるデコンプモードから早閉じモードへの切り替えに関する処理のルーチンを示すフローチャートである。 実施の形態2における燃料噴射モードの切り替えに関する処理のルーチンを示すフローチャートである。
以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.実施の形態1
図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
1−1.システム構成の例
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関(例えば、火花点火式エンジン)10を備えている。内燃機関10の気筒数及び気筒配置は特に限定されない。また、内燃機関10は、一例として、内燃機関10とともに電動モータ(図示省略)を動力源として備えるハイブリッド車両であるものとする。内燃機関10は自然吸気エンジンであるが、過給エンジンであってもよい。
内燃機関10の各気筒12には、ピストン14が配置されている。ピストン14は、気筒12の内部を往復移動する。各気筒12は、ピストン14の頂部側に形成された燃焼室16を含む。燃焼室16には、吸気通路18及び排気通路20が連通している。吸気通路18の入口付近には、吸入空気流量に応じた信号を出力するエアフローセンサ22と、吸気温度に応じた信号を出力する吸気温度センサ24とが設けられている。エアフローセンサ22よりも下流側の吸気通路18には、電子制御式のスロットル弁26が配置されている。スロットル弁26の下流には、吸気圧力(吸気通路18内の圧力(吸気管圧))に応じた信号を出力する吸気圧力センサ28が配置されている。
内燃機関10は、気筒12毎に燃料噴射弁30を備えている。燃料噴射弁30は、一例として、気筒12内に燃料を直接噴射する。また、各気筒12には、点火装置の点火プラグ32が配置されている。さらに、内燃機関10は、吸気ポート18aを開閉する吸気弁34と、排気ポート20aを開閉する排気弁36とを備えている。吸気弁34は吸気可変動弁機構38により駆動され、排気弁36は排気動弁機構40により駆動される。
吸気可変動弁機構38は、より詳細には、クランク軸42の回転位相に対する吸気カム軸(図示省略)の回転位相を変更可能な可変バルブタイミング機構であり、吸気弁34の作用角(開弁期間)を固定としつつ当該吸気弁34の開閉時期(開弁期間の位相)を所定の制御範囲内で連続的に変更できる。吸気可変動弁機構38は、一例として電動式であり、以下、「電動VVT38」と称する。電動式であれば、バルブタイミングの可変幅(位相の可変幅)を広く設定することが容易となる。なお、電動VVT38は、本発明に係る「可変動弁機構」の一例に相当する。また、吸気カム軸の近傍には、吸気カム角センサ44が配置されている。
本実施形態のシステムは、内燃機関10を制御するための制御装置50を備えている。制御装置50は、プロセッサ50aとメモリ50bとを有する電子制御ユニット(ECU)である。メモリ50bは、内燃機関10を制御するためのプログラムを記憶している。プロセッサ50aは、メモリ50bからプログラムを読み出して実行する。なお、制御装置50は、複数のECUから構成されていてもよい。
制御装置50は、各種センサからセンサ信号を取り込む。各種センサは、上述のエアフローセンサ22、吸気温度センサ24、吸気圧力センサ28及び吸気カム角センサ44に加え、例えば、クランク角センサ52を含む。クランク角センサ52は、クランク角に応じた信号を出力する。制御装置50は、クランク角センサ52からの信号を用いてエンジン回転速度を算出できる。また、プロセッサ50aは、取り込まれたセンサ信号を用いて各種プログラムを実行し、上述のアクチュエータ(スロットル弁26、燃料噴射弁30、上記点火装置、電動VVT38)を操作するための操作信号を出力する。
1−2.エンジン制御
制御装置50による電動VVT38の制御モードは、「デコンプモード」と「早閉じミラーサイクル運転モード(以下、適宜「早閉じモード」と略される)とを含む。図2(A)は、デコンプモード時に選択される吸気バルブタイミングの一例を示し、図2(B)は、早閉じモード時に選択される吸気バルブタイミングの一例を示す。なお、図2に示す一例では、排気弁36は、膨張行程中に開き、排気上死点付近において閉じている。
1−2−1.デコンプモード
エンジン始動時(より詳細には、クランキング中)には、気筒12内の圧縮圧を解放するためのデコンプレッション(以下、「デコンプ」と略する)を行うことにより、パワートレーン(内燃機関及びこれに接続された動力伝達装置)の共振に起因する車両のフロア振動の低減を図ることができる。
デコンプモードは、吸気弁34の遅閉じを利用して、エンジン始動時にデコンプを実現するものである。より詳細には、デコンプモードでは、図2(A)に例示されるように、吸気弁34を吸気下死点(BDC)よりも遅く閉じるように電動VVT38が制御される。エンジン始動時にデコンプモードを利用できるようにするためのデコンプモードへの切り替えは、例えば、燃料カットの実行後のエンジン停止過程において行うことができる。また、電動VVT38を利用する内燃機関10の例では、デコンプモードへの切り替えは、エンジン停止中に電動VVT38を作動させることによって実行されてもよい。
付け加えると、本実施形態で用いられる吸気弁34の作用角は、図2(A)に示すように、一例としてクランク角で180°程度の小作用角である。デコンプモードでは、吸気弁34は、一例として、排気上死点後90°付近において開かれ、吸気下死点後90°付近において閉じられている。
1−2−2.早閉じミラーサイクル運転モード(早閉じモード)
早閉じモードは、エンジン始動時のデコンプモードの実行後の内燃機関10の運転中(車両走行時)に選択される。早閉じモードでは、図2(B)に例示されるように、吸気弁34を吸気下死点よりも早く閉じるように電動VVT38が制御される。すなわち、内燃機関10は、吸気弁34の早閉じを利用した「ミラーサイクルエンジン」である。早閉じモードによれば、車両走行時に十分なエンジントルクを発生させ、かつ、効率の良い運転を行える。
早閉じモードでは、吸気下死点に対する吸気弁34の閉じ時期IVCの進角量(早閉じ量)は、エンジン運転状態に応じて変更される。概略的には、閉じ時期IVCの早閉じ量は、要求エンジン出力が低い場合には大きくなるように制御される。一方、要求エンジン出力が高い場合には、早閉じ量は、吸気の吸入効率(充填効率)を高めるために小さくなるように(つまり、閉じ時期IVCが吸気下死点に近づくように)制御される。
(遅閉じを利用したデコンプモードと早閉じモードとを用いる利点)
付け加えると、早閉じミラーサイクル運転モードを行う従来の内燃機関におけるデコンプは、「作用角可変型」の可変動弁機構を用いて早閉じ量を大きくすることにより実現されるものであった。これに対し、本実施形態の内燃機関10のように「作用角固定型」の可変動弁機構を用いて早閉じミラーサイクル運転モードを行う場合には、次のような課題がある。すなわち、早閉じ量を拡大すると、それに連動して開き時期IVOの進角量が大きくなり、排気上死点付近での吸気弁のリフト量が大きくなる。その結果、ピストンに設けられるバルブリセスを深くすることが必要になる。このことは、気筒内のガスの乱れの低減に繋がり得る。この点に鑑み、「作用角固定型」の電動VVT38を用いる本実施形態では、エンジン始動時のデコンプモードは「遅閉じ」を利用して行われ、その後に早閉じミラーサイクル運転モードの実行のために「早閉じ」に切り替えられる。これにより、「作用角固定型」の採用によるコスト低減を図りつつ、かつ、バルブリセスの拡大を必要とせずに(気筒12内のガス乱れを適切に確保した状態で)、デコンプと早閉じ燃焼とを両立できる。
1−2−3.デコンプモードから早閉じモードへの切り替え時の課題
図3は、作用角固定型の吸気可変動弁機構による吸気弁の遅閉じを利用する比較例を説明するための図である。具体的には、図3(A)に示すエンジン始動時のデコンプモードでは、吸気弁は吸気下死点よりも遅く閉じている。そして、この比較例では、エンジン始動後の車両走行時においても、閉じ時期IVCは、吸気下死点よりも遅角側において制御される。
閉じ時期IVCが吸気下死点付近にあると、有効圧縮比が高くなるので、プレイグニッションが発生し易くなる(プレイグニッションの発生リスクが高くなる)。図3に示すようにエンジン始動時のデコンプモードとその後の車両走行時に共に遅閉じを利用する比較例では、デコンプモードからの制御モードの切り替え時に閉じ時期IVCが吸気下死点を跨がないため、プレイグニッションのリスクが小さいといえる。また、この比較例では、エンジン始動時と車両走行時との間でのバルブオーバーラップ量の変化が図2に示す例と比べて小さいので、制御モードの切り替えに伴って大きな燃焼の変化も生じない。これらの理由により、車両環境変化(具体的には、エンジン始動時の吸気温度の変化)に対して特別な配慮は必要ないといえる。
一方、作用角固定型の電動VVT38を利用する本実施形態では、遅閉じを利用するデコンプモードから車両走行時の早閉じモードに切り替えるために閉じ時期IVCが連続的に変化する過程で、閉じ時期IVCが吸気下死点を跨ぐ(通過する)。このため、プレイグニッションが発生し易い(プレイグニッションのリスクが高い)。また、作用角固定型の採用により、デコンプモードのために閉じ時期IVCを大きく遅角した際に、図2(A)に示すように負のバルブオーバーラップが生じる。その結果、ピストン14が下がっても吸気弁34が開かない期間が長くなるので、ポンプ損失が大きくなる。したがって、エンジン始動後はできるだけ早く早閉じモードへの切り替えを行うことが望まれる。そのうえで、早閉じモードへの切り替えは、車両環境変化に起因してプレイグニッションのリスクが高くなる場合があることに配慮しつつ適切に行われることが望まれる。
具体的には、エンジンコンパートメント内のガス温度が高い状態(当該ガスが温まっている状態)でのエンジン始動(例えば、内燃機関10が高温な状態での高温始動)時には、吸気温度が高くなる。このようにエンジン始動時の吸気温度が高い場合には、吸気下死点を通過する際の筒内圧が同じであっても、吸気温度が低い場合と比べて、プレイグニッションのリスクが高くなる。
1−2−4.吸気温度を考慮したデコンプモードから早閉じモードへの切り替え手法
上述の課題に鑑み、本実施形態では、制御装置50は、デコンプモードの実行中に吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となった場合に、デコンプモードから早閉じモードへの切り替えを実行するように構成されている。
図4は、実施の形態1におけるデコンプモードから早閉じモードへの切り替えに関する処理のルーチンを示すフローチャートである。なお、本ルーチンの処理は、エンジン始動要求に伴うクランキングの開始時に起動された後に、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図4に示すルーチンでは、制御装置50は、まず、ステップS100において、エンジン始動直後(始動開始からある時間以内)であり、吸気弁34が遅閉じ状態にあるか否かを判定する。換言すると、ステップS100では、デコンプモードの実行中であるか否かが判定される。
ステップS100の判定結果が否定的である場合には、制御装置50は今回の処理サイクルを終了する。一方、この判定結果が肯定的である場合(つまり、デコンプモードの実行中)には、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、制御装置50は、早閉じ側(吸気下死点よりも進角側)への閉じ時期IVCの移行指示(すなわち、デコンプモードから早閉じモードへの切り替え指示)があるか否かを判定する。エンジン始動時には、クランキングの開始に伴い、エンジン回転速度が上昇していく。エンジン回転速度が共振周波数帯を超えると、燃料噴射及び点火が開始される。共振周波数帯は、各気筒のコンプレッション(加振力)に起因するパワートレーンの共振が発生する回転速度域である。本ステップS102における早閉じ側への移行指示の有無は、一例として、エンジン回転速度が共振周波数帯を超えたか否かに基づいて判定される。
ステップS102の判定結果が否定的である場合には、制御装置50は今回の処理サイクルを終了する。一方、この判定結果が肯定的である場合(つまり、早閉じモードへの切り替え指示がある場合)には、処理はステップS104に進む。ステップS104では、制御装置50は、プレイグニッションを抑制しつつ早閉じモードへの切り替えが可能な条件が満たされるか否かを判定する。
具体的には、ステップS104では、制御装置50は、吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となったか否かを判定する。吸気温度は吸気温度センサ24により検出され、吸気圧力は吸気圧力センサ28により検出される。クランキングの開始直後にはスロットル弁26が閉じているので、クランキングの開始後の吸気圧力(吸気管圧)はエンジン停止中の大気圧から低下していく。クランキングの開始時には、吸気圧力が高い(大気圧と等しい)ため、筒内圧のピーク値も高くなる。その後、吸気圧力の低下に伴い、筒内圧のピーク値も低下していく。プレイグニッションの発生リスクは、吸気圧力の低下に伴って筒内圧のピーク値が低下すると低下する。また、吸気温度が高いと、既述したように、筒内圧(吸気圧力)が同じでも、プレイグニッションの発生リスクが高くなる。第1閾値及び第2閾値は、閉じ時期IVCが吸気下死点を通過してもプレイグニッションの発生リスクを所定レベルに抑制可能な吸気温度及び吸気圧力の値として事前に決定されている。
ステップS104の判定結果が否定的である場合(吸気温度>第1閾値という高温条件、及び、吸気圧力>第2閾値という高圧の条件の内の少なくとも一方が満たされる場合)、つまり、閉じ時期IVCが吸気下死点を通過する際のプレイグニッションの発生リスクが高いと判断できる場合には、処理はステップS106に進む。ステップS106では、制御装置50は、デコンプモードから早閉じモードへの切り替えを禁止する。
一方、ステップS104の判定結果が肯定的である場合(吸気温度≦第1閾値、かつ吸気圧力≦第2閾値)、つまり、閉じ時期IVCが吸気下死点を通過してもプレイグニッションの発生リスクが低いと判断できる場合には、処理はステップS108に進む。ステップS108では、制御装置50は、デコンプモードから早閉じモードへの切り替えを実行する。
1−3.効果
以上説明したように、実施の形態1の制御装置50によれば、エンジン始動後のデコンプモードから早閉じモードへの切り替えは、デコンプモードの実行中に吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となった場合に実行される。エンジンコンパートメント内のガス温度が高い(当該ガスが温まっている)ためにエンジン始動時(始動開始時)の吸気温度が高い場合、エンジン始動開始後のエンジン回転に伴って高温の吸気が掃気されることで、吸気温度が低下する。このため、本実施形態の切り替え手法によれば、吸気温度が高い場合には、温まったガスが掃気され(吸気温度が第1閾値以下となり)、かつ、適切な吸気負圧が得られる(吸気圧力が第2閾値以下となる)まで、早閉じモードへの切り替えを遅らせることができる。換言すると、吸気温度が高いためにプレイグニッションの発生リスクが高い状況下では、早閉じモードへの切り替えが禁止される(デコンプモードが継続される)。これにより、閉じ時期IVCが吸気下死点を通過する際にプレイグニッションの発生リスクが高くなることを抑制できる。
2.実施の形態2
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態に係るシステム構成は、一例として図1に示す構成と同じである。なお、本実施形態では、図1に示す燃料噴射弁30を「筒内噴射弁30」と称する。
2−1.エンジン制御
本実施形態のエンジン制御は、上述した実施の形態1に係る「吸気温度を考慮したデコンプモードから早閉じモードへの切り替え手法」とともに、以下に説明する「吸気温度を考慮した燃料噴射モードの切り替え手法」を利用して行われる。
2−1−1.エンジン始動時の燃料噴射モードの切り替え
制御装置50は、筒内噴射弁30による燃料噴射モード(筒内への燃料噴射の時期の制御モード)として、圧縮行程において燃料を噴射する「圧縮行程噴射モード」と、吸気行程において燃料を噴射する「吸気行程噴射モード」とを含む。
上述の2つの燃料噴射モードをエンジン始動時に切り替える手法として、次のような手法が知られている。すなわち、エンジン始動時における各気筒12の最初の燃料噴射は、始動性を優先させて圧縮行程噴射モードを利用して行われる。そして、これに続く燃料噴射(各気筒12の燃料噴射開始後の2サイクル目以降の燃料噴射)は、PN(粒子状物質PMの粒子数)及びHCの排出量低減を優先させて吸気行程噴射モードを利用して行われる。
2−1−2.上述の燃料噴射モードの切り替え手法の課題
本実施形態においても、実施の形態1において説明した吸気バルブタイミングの制御手法(吸気弁34の遅閉じを利用したデコンプモードをエンジン始動時に実行し、かつ、その後は早閉じモードを実行する手法)が用いられる。そして、本実施形態では、エンジン始動時の吸気温度が高くない場合には、上述の燃料噴射モードの切り替え手法がそのまま利用される。
その一方で、吸気温度が高い場合には、上述の燃料噴射モードの切り替え手法をそのまま利用することは、次の理由により適切ではない。すなわち、始動時の吸気温度が高い状態においてデコンプモードから早閉じモードへの切り替えが行われると、その切り替えの過程において有効圧縮比の増加に起因して筒内の温度及び圧力が高くなる。このため、このような切り替えの過程において吸気行程噴射モードが用いられると、プレイグニッションの発生リスクが高くなる。
2−1−3.吸気温度を考慮した燃料噴射モードの切り替え手法
本実施形態では、上述の課題を鑑み、制御装置50は、エンジン始動時には、まず圧縮行程噴射モードを選択し、その後に圧縮行程噴射モードから吸気行程噴射モードに切り替えるように構成されている。そのうえで、制御装置50は、エンジン始動時における吸気温度が第3閾値以上、かつ、吸気圧力(吸気管圧)と吸気弁34の閉じ時期IVCとに基づくプレイグニッションの発生リスクが高い場合には、当該発生リスクが低くなるまで、圧縮行程噴射モードから吸気行程噴射モードへの切り替えを遅らせるように構成されている。
図5は、実施の形態2における燃料噴射モードの切り替えに関する処理のルーチンを示すフローチャートである。なお、本ルーチンの処理は、エンジン始動要求に伴うクランキングの開始時に起動された後に繰り返し実行される。また、本ルーチンによって燃料噴射モードが切り替えられる前には、圧縮行程噴射モードが選択されているものとする。そして、各気筒12の各サイクルでは、本ルーチンによる切り替え前は圧縮行程噴射モードを利用して燃料噴射が行われ、本ルーチンによる切り替え後は吸気行程噴射モードを利用して燃料噴射が行われるものとする。
図5に示すルーチンでは、制御装置50は、まず、ステップS200において、エンジン始動時の吸気温度が所定の第3閾値以上であるか否かを判定する。ここでいうエンジン始動時の吸気温度は、エンジン始動時における本ルーチンの起動後に最初にステップ200の判定を実行する時(すなわち、クランキングの開始時)に吸気温度センサ24を用いて取得される。そして、取得された吸気温度は、その後に本ルーチンの処理が繰り返し実行される際に利用されるものとする。
ステップS200の判定結果が否定的である場合(始動時の吸気温度<第3閾値)には、処理はステップS202に進む。ステップS202では、制御装置50は、各気筒12の燃料噴射開始後の2サイクル目から吸気行程噴射モードに切り替える。
一方、ステップS200の判定結果が肯定的である場合(始動時の吸気温度≧第3閾値)には、処理はステップS204に進む。ステップS204では、制御装置50は、吸気行程噴射モードへの切り替えが既に行われているか否かを判定する。その結果、この判定結果が肯定的である場合には、制御装置50は今回の処理サイクルを終了する。
また、ステップS204の判定結果が否定的である場合(つまり、吸気行程噴射モードへの切り替えが未だ行われていない場合)には、処理はステップS206に進む。ステップS206では、制御装置50は、吸気カム角センサ44とクランク角センサ52とを用いて現在の閉じ時期IVC(現在の吸気VVTの位相)を検出するとともに、吸気圧力センサ28を用いて現在の吸気圧力(吸気管圧)を検出する。その後、処理はステップS208に進む。
ステップS208では、制御装置50は、プレイグニッションの発生リスクが低いか否かを判定する。この判定は、例えば、ステップS206において検出される現在の閉じ時期IVC及び吸気温度が、それぞれ、吸気行程噴射モードの下であってもプレイグニッションを回避可能な範囲内にあるか否かに基づいて行うことができる。当該範囲は、例えば、事前に試験等を行って定めることができる。
ステップS208の判定結果が否定的である場合(つまり、プレイグニッションの発生リスクが高い場合)には、処理はステップS206に戻る。したがって、圧縮行程噴射モードの選択が維持される。一方、この判定結果が肯定的となった場合(つまり、プレイグニッションの発生リスクが低くなった場合)には、処理はステップS210に進む。
ステップS210では、制御装置50は、圧縮行程噴射モードから吸気行程噴射モードへの切り替えを実行する。
2−2.効果
以上説明したように、実施の形態2の制御装置50によれば、エンジン始動時における吸気温度が第3閾値以上の場合には、吸気圧力と吸気弁の閉じ時期IVCとに基づいて推定されるプレイグニッションの発生リスクが低いか否かが判定される。そして、制御装置50は、このリスクが高い場合には、それが低くなるまで、吸気行程噴射モードへの切り替えを遅らせる。換言すると、制御装置50は、当該リスクが高い場合には、圧縮行程噴射モードを継続する。圧縮行程噴射モードによれば、吸気行程噴射モードの実行時と比べて筒内温度が高い時期において燃料噴射が行われる。このため、吸気行程噴射モードの実行時と比べて、燃料の気化が促進され、筒内ガスの冷却効果が高くなる。したがって、実施の形態2に係る「吸気温度を考慮した燃料噴射モードの切り替え手法」によっても、閉じ時期IVCが吸気下死点を通過する際にプレイグニッションの発生リスクが高くなることを抑制できる。
2−3.筒内噴射弁とともにポート噴射弁を備える内燃機関への適用例
ここでは図示を省略するが、筒内噴射弁とともに吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関が知られている。本発明に係る「吸気温度を考慮した燃料噴射モードの切り替え手法」は、筒内噴射弁30のみを備える内燃機関10を対象とする実施の形態2に代え、筒内噴射弁とともにポート噴射弁を備える内燃機関に適用されてもよい。
具体的には、本発明に係る制御装置は、燃料噴射モードとして、筒内噴射弁を用いて圧縮行程において燃料を噴射する「圧縮行程噴射モード」と、ポート噴射弁を用いて吸気ポートに燃料を噴射する「ポート噴射モード」とを含んでいてもよい。そして、エンジン始動時には、まず圧縮行程噴射モードを選択し、その後に圧縮行程噴射モードから、ポート噴射モードに切り替えるように構成されてもよい。そのうえで、制御装置は、エンジン始動時における吸気温度が第3閾値以上、かつ、吸気圧力と吸気弁の閉じ時期とに基づくプレイグニッションの発生リスクが高い場合には、発生リスクが低くなるまで、圧縮行程噴射モードからポート噴射モードへの切り替えを遅らせてもよい。
圧縮行程噴射モードによれば、ポート噴射モードの実行時と比べた場合においても、高温下での燃料噴射実行に起因して燃料の気化が促進され、筒内ガスの冷却効果が高くなる。したがって、このような燃料噴射モードの切り替え手法によっても、上述した実施の形態2と同様に、閉じ時期IVCが吸気下死点を通過する際にプレイグニッションの発生リスクが高くなることを抑制できる。
付け加えると、本発明に係る「吸気温度を考慮した燃料噴射モードの切り替え手法」は、「吸気弁の遅閉じを利用するデコンプモードをエンジン始動時に実行し、その後に早閉じモードに切り替えるシステム」を対象としつつ、実施の形態2及び上記項目2−3に示す例とは異なり実施の形態1に係る「吸気温度を考慮したデコンプモードから早閉じモードへの切り替え手法」を伴わずに単独で実行されてもよい。
以上説明した各実施の形態に記載の例及び他の各変形例は、明示した組み合わせ以外にも可能な範囲内で適宜組み合わせてもよいし、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形してもよい。
10 内燃機関
12 気筒
14 ピストン
16 燃焼室
18 吸気通路
20 排気通路
22 エアフローセンサ
24 吸気温度センサ
26 スロットル弁
28 吸気圧力センサ
30 燃料噴射弁(筒内噴射弁)
32 点火プラグ
34 吸気弁
36 排気弁
38 吸気可変動弁機構(電動VVT)
40 排気動弁機構
42 クランク軸
44 吸気カム角センサ
50 制御装置
52 クランク角センサ

Claims (1)

  1. 吸気弁の開閉時期を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関を制御する制御装置であって、
    前記制御装置による前記可変動弁機構の制御モードは、
    エンジン始動時の前記吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも遅角させるデコンプモードと、
    前記吸気弁の閉じ時期を吸気下死点よりも進角させる早閉じミラーサイクル運転モードと、
    を含み、
    前記制御装置は、
    前記デコンプモードの実行中に吸気温度が第1閾値以下となり、かつ吸気圧力が第2閾値以下となった場合に、前記デコンプモードから前記早閉じミラーサイクル運転モードへの切り替えを実行する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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