(第1実施形態)
本開示の第1実施形態による表示制御装置の機能は、図1および図2に示すHCU(Human Machine Interface Control Unit)100によって実現されている。HCU100は、車両Aにおいて用いられるHMI(Human Machine Interface)システム10を、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)20等と共に構成している。HMIシステム10には、操作デバイス26およびDSM(Driver Status Monitor)27等がさらに含まれている。HMIシステム10は、車両Aの乗員(例えばドライバ等)によるユーザ操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
HMIシステム10は、車両Aに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に通信可能に接続されている。HMIシステム10は、車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの1つである。車載ネットワーク1の通信バス99には、例えば周辺監視センサ30、ロケータ40、V2X(Vehicle to Everything)通信器46、およびDCM49等がそれぞれノードとして接続されている。さらに、通信バス99には、運転支援ECU(Electronic Control Unit)50、ナビゲーション装置60、および車両制御ECU70等がそれぞれノードとして接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置および各ECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信を実施可能であってよい。
なお、以下の説明における前後(図2 前方Zeおよび後方Go参照)および左右(図2 側方Yo参照)の各方向は、水平面上に静止させた車両Aを基準として規定される。具体的に、前後方向は、車両Aの長手方向(進行方向)に沿って規定される。また左右方向は、車両Aの幅方向に沿って規定される。さらに、上下(図2 上方Ueおよび下方Si参照)の方向は、前後方向および左右方向を規定した水平面の鉛直方向に沿って規定される。また、記載の簡略化のため、以下の説明では各方向を示す符号の記載を適宜省略する。
周辺監視センサ30は、車両Aの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から、歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、および他車両等の移動物体、さらに路上の落下物、ガードレール、縁石、道路標識、走行区画線等の路面表示、および道路脇の構造物等の静止物体、を検出可能である。周辺監視センサ30は、車両Aの周囲の物体を検出した検出情報を、通信バス99を通じて、運転支援ECU50等に提供する。
周辺監視センサ30は、物体検出のための検出構成として、フロントカメラ31およびミリ波レーダ32を有している。フロントカメラ31は、車両Aの前方範囲を撮影した撮像データ、および撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。ミリ波レーダ32は、例えば車両Aの前後の各バンパーに互いに間隔を開けて複数配置されている。ミリ波レーダ32は、ミリ波または準ミリ波を、車両Aの前方範囲、前側方範囲、後方範囲および後側方範囲等へ向けて照射する。ミリ波レーダ32は、移動物体および静止物体等で反射された反射波を受信する処理により、検出情報を生成する。なお、ライダおよびソナー等の検出構成が、周辺監視センサ30に含まれていてもよい。
ロケータ40は、複数の取得情報を組み合わせる複合測位により、車両Aの高精度な位置情報等を生成する。ロケータ40は、例えば複数車線のうちで、車両Aが走行する車線を特定可能である。ロケータ40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器41、慣性センサ42、高精度地図データベース(以下、高精度地図DB)43、およびロケータECU44を含む構成である。
GNSS受信器41は、複数の人工衛星(測位衛星)から送信された測位信号を受信する。GNSS受信器41は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも1つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。
慣性センサ42は、例えばジャイロセンサおよび加速度センサを有している。高精度地図DB43は、不揮発性メモリを主体に構成されており、通常のナビゲーションに用いられるよりも高精度な地図データ(以下、高精度地図データ)を記憶している。高精度地図データは、少なくとも高さ(z)方向の情報について、詳細な情報を保持している。高精度地図データには、道路の三次元形状情報(道路構造情報)、レーン数情報、各レーンに許容された進行方向を示す情報等、高度運転支援および自動運転に利用可能な情報が含まれている。
ロケータECU44は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体として含む構成である。ロケータECU44は、GNSS受信器41で受信する測位信号、慣性センサ42の計測結果、および通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、車両Aの自車位置および進行方向等を逐次測位する。ロケータECU44は、測位結果に基づく車両Aの位置情報および方角情報を、通信バス99を通じて、HCU100、および運転支援ECU50等に提供する。
なお、車速情報は、車両Aの現在の走行速度を示す情報であり、車両Aの各輪のハブ部分に設けられた車輪速センサの検出信号に基づいて生成される。車速情報を生成し、通信バス99に出力するノード(ECU)は、適宜変更されてよい。例えば、各輪の制動力配分を制御するブレーキ制御ECU、またはHCU100等の車載ECUが、各輪の車輪速センサと電気的に接続されており、車速情報の生成および通信バス99への出力を継続的に実施する。
ロケータECU44は、HCU100、および運転支援ECU50等からの要求に応じて、必要とされた高精度地図データが高精度地図DB43にあるか否かを判定する。要求された高精度地図データが高精度地図DB43にある場合、ロケータECU44は、該当する高精度地図データを高精度地図DB43から読み出し、要求元となるECUに提供する。
V2X通信器46は、車両Aに搭載された通信モジュールである。V2X通信器46は、路車間通信、車車間通信および歩車間通信等のうち、少なくとも路車間通信の機能を有している。一例として、V2X通信器46は、路車間通信の機能により、交差点および横断歩道の近傍の道路脇に設置された路側装置との間で、電波または光を用いた無線通信を行う。路側装置は、カメラ等の検知手段を用いて、道路を横断する歩行者およびサイクリスト等を検知し、所定範囲に位置する車両AのV2X通信器46へ向けて検知情報を送信する。V2X通信器46は、路車間通信によって受信した検知情報を、通信バス99を通じて、HCU100に提供可能である。
さらに、V2X通信器46は、FM多重放送、電波ビーコンおよび光ビーコンを受信可能な3メディア受信機としての機能を有している。V2X通信器46は、渋滞区間および道路工事区間RcS(図16参照)等を通知するVICS(登録商標)情報を受信する。ナビゲーション装置60は、VICS情報として提供された渋滞情報および交通規制情報を、通信バス99を通じて、運転支援ECU50、ナビゲーション装置60およびHCU100等に提供する。
DCM(Data Communication Module)49は、車両Aに搭載される通信モジュールである。DCM49は、LTE(Long Term Evolution)および5G等の通信規格に沿った無線通信により、車両Aの周囲の基地局との間で電波を送受信する。DCM49の搭載により、車両Aは、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。DCM49は、クラウド上に設けられたプローブサーバから、最新の高精度地図データを取得可能である。DCM49は、ロケータECU44と連携して、高精度地図DB43に格納された高精度地図データを、最新の情報に更新する。
運転支援ECU50は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。運転支援ECU50は、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を備えている。一例として、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、運転支援ECU50は、レベル2以下の部分的な自動走行制御(高度運転支援)を可能にする。
運転支援ECU50は、周辺監視センサ30から取得する検出情報に基づき、車両Aの周囲の走行環境を認識する。運転支援ECU50は、走行環境認識のために実施した検出情報の解析結果を、解析済みの検出情報として、HCU100に提供する。一例として、運転支援ECU50は、車両Aが現在走行する車線(以下、自車車線Lns,図4参照)の左右の区画線または道路端の相対位置を、HCU100に提供可能である。なお、上述したように、左右の方向は、水平面上に静止した車両Aの幅方向と一致する方向であり、車両Aの進行方向を基準として設定される。
運転支援ECU50は、記憶部に記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、高度運転支援を実現する複数の機能を発揮可能である。例えば、運転支援ECU50は、ACC(Adaptive Cruise Control)制御部およびLTC制御部を有する。ACC制御部は、ACCの機能を実現する機能部である。ACC制御部は、目標車速で車両Aを定速走行させるか、または前走車との車間距離を維持しつつ車両Aを追従走行させる。LTC制御部は、LTC(Lane Trace Control)の機能を実現する機能部である。LTCは、LTA(Lane Tracing Assist)とも呼称される。LTC制御部は、走行中の自車車線Lnsに沿って生成した予定走行ラインに従い、ACC制御部と連携して車両Aを自車車線内で走行させる。
運転支援ECU50は、車速制御機能部50aを有する。車速制御機能部50aは、ACC機能部に含まれている。車速制御機能部50aは、ACCの補助的な機能として、自専道車速制御機能および一般道車速制御機能を備えている。自専道車速制御機能および一般道車速制御機能は、地図データ、渋滞情報および交通規制情報等に基づき、車両Aの走行速度を制御する機能である。
具体的に、自専道車速制御機能は、自動車専用道路等を走行中に作動可能である。自専道車速制御機能は、例えば自動車専用道路等のカーブ区間等の手前にて、ACC機能によって走行する車両Aの走行速度を、カーブ区間の走行に適した所定速度まで減速させる。
一般道車速制御機能は、市街地の道路および幹線道路等を走行中に作動可能である。一般道車速制御機能は、例えばカーブ区間、一時停止、踏切RaC(図11参照)、交差点、スクールゾーンSZ(図15参照)および道路工事区間RcS(図16参照)等の手前において、車両Aを自動的に減速させる。一般道車速制御機能の作動対象の少なくとも一部は、後述する注意地点CPと重複している。一般道車速制御機能は、0km/hまで車両Aを減速させること、即ち、車両Aを停止させることが可能である。車速制御機能部50aは、自専道車速制御機能および一般道車速制御機能に関する制御情報を、HCU100に逐次出力する。
なお、後述するように、一般道車速制御機能は、車両Aを特定の速度(例えば、20km/h)まで減速させるのみで、停止までは行わなくてもよい。こうした一般道車速制御機能を前提とした場合、ドライバは、自動減速の実施中または実施後に、自らのブレーキ操作を行い、車両Aを停止させる必要がある。
ナビゲーション装置60は、設定される目的地までの経路を探索し、探索した経路に沿った走行を案内する。ナビゲーション装置60は、ナビ地図データベース(以下、ナビ地図DB)61、およびナビECU62を備える。
ナビ地図DB61は、不揮発性メモリを主体に構成されており、経路案内に用いられる地図データ(以下、ナビ地図データ)を記憶している。ナビ地図データには、道路についてのリンクデータ、ノードデータ、および形状データ等の情報が含まれている。特定の範囲について、ナビ地図データに記録された情報は、高精度地図データに記録された情報よりも低精度且つ低密度である。
ナビECU62は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体に構成されている。ナビECU62は、車両A(自車)の位置情報および方角情報を、通信バス99を通じてロケータECU44より取得する。ナビECU62は、通信バス99およびHCU100を通じて、操作デバイス26に入力された操作情報を取得し、ユーザ操作に基づく目的地を設定する。ナビECU62は、目的地までの複数経路を、例えば時間優先および距離優先等の条件を満たすように探索する。探索された複数経路のうちの1つが選択されると、ナビECU62は、当該設定経路に基づく経路情報を、関連するナビ地図データと共に、通信バス99を通じて、HCU100に提供する。
加えてナビECU62は、設定経路に含まれた右左折を行う交差点および分岐ポイント等の案内地点GPに車両Aが接近すると、案内実施要求を、HCU100へ向けて順次出力する。案内地点GPは、一例として交差点区間および分岐可能区間の各中央付近に設定される。なお、案内地点GPは、交差点区間および分岐可能区間の各手前側または各奥側に設定されてもよい。
案内実施要求は、ドライバへの経路案内に用いられる案内情報であり、具体的には、案内地点GPの位置情報と、案内地点GPにて車両Aが進むべき方向を示す情報とを含んでいる。案内実施要求は、車両Aから案内地点GPまでの残距離Lr1(図4参照)が第1閾値(例えば300m程度)未満となったタイミングで出力される。HCU100は、ナビECU62からの案内実施要求の取得に基づき、経路案内に関連した情報提示を実施する。なお、ナビゲーション装置60に替えて、スマートフォン等のユーザ端末が、目的地への経路案内を行う構成として、車載ネットワーク1またはHCU100に、有線または無線にて接続されていてもよい。
車両制御ECU70は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体に構成されている。車両制御ECU70は、挙動状態センサ71および周辺監視センサ30からの情報に基づき、車両Aの走行を制御する。挙動状態センサ71には、車両Aの挙動に関する情報を検出する構成である。挙動状態センサ71には、車両Aの速度を検出する車速センサ、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ等を含む。挙動状態センサ71には、車両Aの加速度を検出する加速度センサ、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ等を含んでいてもよい。
次に、HMIシステム10に含まれる操作デバイス26、DSM27、HUD20およびHCU100の各詳細を、図1および図2に基づき順に説明する。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば運転支援機能および自動運転機能等について、起動および停止の切り替えを行うユーザ操作が入力される。具体的には、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部8に設けられた操作レバー、およびドライバの発話を検出する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
DSM27は、近赤外光源および近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。DSM27は、運転席のヘッドレスト部に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部8の上面またはインスツルメントパネル9の上面等に設置されている。DSM27は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、アイポイントEPの位置および視線方向等の情報を撮像画像から抽出し、抽出した状態情報をHCU100へ向けて逐次出力する。
HUD20は、メータディスプレイおよびセンターインフォメーションディスプレイ等と共に、複数の車載表示デバイスの1つとして、車両Aに搭載されている。HUD20は、HCU100と電気的に接続されており、HCU100によって生成された映像データを逐次取得する。HUD20は、映像データに基づき、例えばルート情報、標識情報、および各車載機能の制御情報等、車両Aに関連する種々の情報を、虚像Viを用いてドライバに提示する。
HUD20は、ウィンドシールドWSの下方にて、インスツルメントパネル9内の収容空間に収容されている。HUD20は、虚像Viとして結像される光を、ウィンドシールドWSの投影範囲PAへ向けて投影する。ウィンドシールドWSに投影された光は、投影範囲PAにおいて運転席側へ反射され、ドライバによって知覚される。ドライバは、投影範囲PAを通して見える前景に、虚像Viが重畳された表示を視認する。
HUD20は、プロジェクタ21および拡大光学系22を備えている。プロジェクタ21は、LCD(Liquid Crystal Display)パネルおよびバックライトを有している。プロジェクタ21は、LCDパネルの表示面を拡大光学系22へ向けた姿勢にて、HUD20の筐体に固定されている。プロジェクタ21は、映像データの各フレーム画像をLCDパネルの表示面に表示し、当該表示面をバックライトによって透過照明することで、虚像Viとして結像される光を拡大光学系22へ向けて射出する。拡大光学系22は、合成樹脂またはガラス等からなる基材の表面にアルミニウム等の金属を蒸着させた凹面鏡を、少なくとも1つ含む構成である。拡大光学系22は、プロジェクタ21から射出された光を反射によって広げつつ、上方の投影範囲PAに投影する。
以上のHUD20には、画角VAが設定される。HUD20にて虚像Viを結像可能な空間中の仮想範囲を結像面ISとすると、画角VAは、ドライバのアイポイントEPと結像面ISの外縁とを結ぶ仮想線に基づき規定される視野角である。画角VAは、アイポイントEPから見て、ドライバが虚像Viを視認できる角度範囲となる。HUD20では、垂直方向における垂直画角よりも、水平方向における水平画角の方が大きくされている。アイポイントEPから見たとき、結像面ISと重なる前方範囲が画角VA内の範囲となる。
HUD20は、重畳コンテンツCTs(図6等参照)および非重畳コンテンツCTnを、虚像Viとして表示する。重畳コンテンツCTsは、拡張現実(Augmented Reality,以下、AR)表示に用いられるAR表示物である。重畳コンテンツCTsの表示位置は、例えば路面の特定位置、前方車両、歩行者および道路標識等、前景に存在する特定の重畳対象に関連付けられている。重畳コンテンツCTsは、前景中にある特定の重畳対象に重畳表示され、当該重畳対象に相対固定されているように、重畳対象を追って、ドライバの見た目上で移動可能である。即ち、ドライバのアイポイントEPと、前景中の重畳対象と、重畳コンテンツCTsとの相対的な位置関係は、継続的に維持される。そのため、重畳コンテンツCTsの形状は、重畳対象の相対位置および形状に合わせて、所定の周期で継続的に更新されてよい。重畳コンテンツCTsは、非重畳コンテンツCTnよりも水平に近い姿勢で表示され、例えばドライバから見た奥行方向(進行方向)に延伸した表示形状とされる。
非重畳コンテンツCTnは、前景に重畳表示される表示物のうちで、重畳コンテンツCTsを除いた非AR表示物である。非重畳コンテンツCTnは、重畳コンテンツCTsとは異なり、重畳対象を特定されないで、前景に重畳表示される。非重畳コンテンツCTnは、投影範囲PA内の決まった位置に表示されることで、ウィンドシールドWS等の車両構成に相対固定されているように表示される。
HCU100は、HMIシステム10において、HUD20を含む複数の車載表示デバイスによる表示を統合的に制御する電子制御装置である。HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14、およびこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも1つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)および他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム等)が格納されている。
図1〜図3に示すHCU100は、記憶部13に記憶された表示制御プログラムを処理部11によって実行することで、HUD20によるコンテンツの重畳表示を制御するための複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、ロケータ情報取得部101、ドライバ情報取得部102、挙動情報取得部103、案内情報取得部104、および外界情報取得部105等の機能部が構築される。さらに、HCU100には、地点判定部106、認識判定部107、仮想レイアウト部108、および表示生成部109等の機能部が構築される。
ロケータ情報取得部101は、車両Aについての最新の位置情報および方角情報を、自車位置情報としてロケータECU44から取得する。加えてロケータ情報取得部101は、車両Aの周辺範囲の地図データとして、高精度地図データおよびナビ地図データの少なくとも一方を、ロケータECU44またはナビECU62から取得可能である。ロケータ情報取得部101にて取得される地図データは、表示生成部109にて、重畳コンテンツCTsの描画に用いられる。
ロケータ情報取得部101の取得する高精度地図データおよびナビ地図データには、予め規定された注意地点CPに関する情報が含まれている。注意地点CPは、一例として、道路交通法により一時停止が必要とされた位置(以下、一時停止位置)SP、横断歩道CW(図11参照)、およびスクールゾーンSZ(図14参照)等である。一時停止位置SPに関する情報は、例えば一時停止線の中央部分の位置座標等である。横断歩道CWに関する情報は、一時停止線の中央部分の位置座標、または長手矩形状を呈する個々の道路ペイントの四隅の位置を示す座標等である。スクールゾーンSZに関する情報も、路面に設けられた道路ペイントの中央部分、または四隅の位置を示す座標等である。
ロケータ情報取得部101は、高精度地図データをナビ地図データに対して優先的に取得する。ロケータ情報取得部101は、高精度地図データの整備された道路範囲では、高精度地図データをロケータECU44より取得し、高精度地図データが未整備の道路範囲では、高精度地図データの代替として使用するナビ地図データをナビECU62より取得する。ロケータ情報取得部101は、取得している地図データの精度の高低、言い換えれば、高精度地図データを取得できているか否かを判定する。ロケータ情報取得部101は、取得した自車位置情報および地図データを、当該地図データの精度の高低を示す情報と共に、地点判定部106および仮想レイアウト部108に逐次提供する。
ドライバ情報取得部102は、DSM27から取得する状態情報に基づき、運転席に着座しているドライバのアイポイントEPの位置および視線方向を特定し、ドライバ情報として取得する。ドライバ情報取得部102は、アイポイントEPの位置を示す三次元の座標(以下、アイポイント座標)を生成し、生成したアイポイント座標を、仮想レイアウト部108に逐次提供する。また、ドライバ情報取得部102は、アイポイント座標および視線方向を、認識判定部107に逐次提供する。
挙動情報取得部103は、車両Aの挙動に関する挙動情報を、車両制御ECU70から取得する。特に挙動情報取得部103は、車両Aの停止操作に関する挙動情報を取得する。より具体的には、挙動情報取得部103は、ブレーキペダルの踏み込み量に関する情報および車両Aの車速に関する情報等を、挙動情報として取得する。挙動情報取得部103は、取得した挙動情報を、認識判定部107へと逐次提供する。
加えて挙動情報取得部103は、自専道車速制御機能および一般道車速制御機能の各制御情報を、車速制御機能部50aから取得する。特に挙動情報取得部103は、車速制御機能部50aによる減速制御が実施される場合、制御対象、減速開始地点、減速完了地点、減速度および減速後の目標速度等を示す情報を、車速制御機能部50aの制御情報として取得する。挙動情報取得部103は、取得した制御情報を、仮想レイアウト部108へと逐次提供する。
案内情報取得部104は、ナビゲーション装置60に目的地が設定されている場合に、目的地までのルート案内に用いられる経路情報を取得する。加えて案内情報取得部104は、案内地点GPへの接近に伴い、ナビECU62から出力される案内実施要求を取得する。案内情報取得部104は、経路情報および案内実施要求を仮想レイアウト部108へと逐次提供する。
外界情報取得部105は、運転支援ECU50から、車両Aの周辺範囲、特に、前方範囲についての検出情報を取得する。具体的に、外界情報取得部105は、自車車線Lnsの左右の区画線または道路端の相対位置を示す検出情報を取得する。加えて外界情報取得部105は、車両Aの前方に存在する先行車等の障害物の検出情報を取得する。
さらに外界情報取得部105は、車両Aの周辺範囲に存在する注意対象に関する情報を、V2X通信器46より取得する。具体的に、外界情報取得部105は、路車間通信によってV2X通信器46に提供された受信情報のうちで、進行方向前方の横断歩道CW上または横断歩道CWの周辺に位置する横断者Ped(図11参照)を通知する受信情報を、少なくとも取得できる。横断者Pedは、歩行者およびサイクリスト等である。
外界情報取得部105は、取得した検出情報および受信情報を地点判定部106および仮想レイアウト部108に逐次提供する。なお、外界情報取得部105は、運転支援ECU50から取得する解析結果としての検出情報に替えて、フロントカメラ31の撮像データを、検出情報として取得してもよい。
地点判定部106は、高精度地図データまたはナビ地図データと、自車位置情報とに基づき、車両Aの進行方向前方に注意地点CPが存在するか否かを判定する。具体的には、地点判定部106は、現在の自車車線Lnsにおける車両Aの現在位置から、車両Aの進行方向前方の所定区間について、注意地点CPとしての一時停止位置SP、横断歩道CW、およびスクールゾーンSZの有無を判定する。所定区間は、例えば現在位置から100m先までの区間である。
地点判定部106は、一時停止判定部、横断歩道判定部、スクールゾーン判定部および工事区間判定部として機能する。地点判定部106は、一時停止位置SP、横断歩道CW、スクールゾーンSZおよび道路工事区間RcSの少なくとも1つが所定区間内にある場合、進行方向前方に注意地点CPが存在すると判定する。言い換えると、地点判定部106は、車両Aから注意地点CPまでの残距離Lr2が閾値を下回るか否かを判定する。
特に、一時停止判定部としての地点判定部106は、地図データに基づき、一時停止位置SPが踏切RaCに関連した注意地点CPであるか否かをさらに判定する。踏切RaCに関連する一時停止位置SPは、具体的には、車両Aの進行方向において、踏切RaCの手前側に位置し、当該踏切RaCへの進入直前に通過する一時停止位置SPである。
地点判定部106は、注意地点CPが存在すると判定した場合、注意地点CPの種別を判別し、その種別情報を、注意地点CPの座標情報と共に、認識判定部107および仮想レイアウト部108へと提供する。さらに、地点判定部106は、注意地点CPが一時停止位置SPであると判別した場合、踏切RaCに関連するか否かを、種別情報に含めて提供する。
認識判定部107は、ドライバ情報および挙動情報に基づき、存在すると判定された一時停止位置SP等の注意地点CPをドライバが認識しているか否かを判定する。例えば、認識判定部107は、ドライバの視線方向と自車位置に対する注意地点CPの存在方向とが一致しているとみなせる場合で、且つ車両Aの減速操作が実施されている場合に、一時停止位置SPをドライバが認識していると判定する。すなわち、認識判定部107は、ドライバが注意地点CPを視認しており、且つ一時停止等を行おうとしている場合に、注意地点CPの認識を判定する。なお、認識判定部107は、ドライバ情報または挙動情報のいずれか一方に基づいて判定を実施してもよい。認識判定部107は、判定結果を仮想レイアウト部108へと提供する。
仮想レイアウト部108は、取得した種々の情報に基づき、情報提示に用いるコンテンツを選定する機能と、重畳コンテンツCTs(図5および図9参照)の表示レイアウトをシミュレートする機能とを備えている。
仮想レイアウト部108は、ナビゲーション装置60からの案内実施要求を取得した場合に、案内地点GPにおける経路案内に用いるコンテンツ(以下、経路コンテンツCTr,図5参照)を選定する。具体的には、交差点等の分岐ポイントにおける右左折を案内するコンテンツ、所定距離の直進を案内するコンテンツ、および車線変更を案内するコンテンツ等が、経路コンテンツCTrとして適宜選定される。
加えて、仮想レイアウト部108は、地点判定部106にて注意地点CPが存在すると判定された場合に、注意地点CPの存在の提示に用いるコンテンツ(以下、注意喚起コンテンツ)を選定する。仮想レイアウト部108は、地点判定部106にて判別された注意地点CPの種別に関連付けられた注意喚起コンテンツを選定する。注意喚起コンテンツは、経路案内に用いるコンテンツより優先的に選定される。
さらに、仮想レイアウト部108は、車速制御機能部50aによる減速制御の実施予定を示す制御情報が挙動情報取得部103にて取得された場合、自動減速の実施の通知に用いるコンテンツ(以下、減速通知コンテンツ,図17参照)を選定する。仮想レイアウト部108は、自動減速の制御対象の種別(例えば、カーブおよび維持停止線等)に関連付けられた減速通知コンテンツを選定する。減速通知コンテンツは、注意喚起コンテンツおよび経路コンテンツCTr(図5参照)よりも優先的に表示対象に選定される。なお、仮想レイアウト部108は、注意喚起コンテンツまたは経路コンテンツCTrを、減速通知コンテンツと共に表示対象に選定してもよい。
仮想レイアウト部108は、提供される種々の情報に基づき、重畳コンテンツCTsの表示レイアウトをシミュレーションする仮想レイアウト機能を実行する。仮想レイアウト部108は、ナビゲーション装置60から案内実施要求を取得した場合、および地点判定部106にて注意地点CPが存在すると判定された場合等に、車両Aの現在の走行環境を仮想空間中に再現する。さらに、仮想レイアウト部108は、注意地点CPの手前側等にて、車速制御機能部50aによる減速制御が実施される場合にも、車両Aの現在の走行環境を仮想空間中に再現する。仮想レイアウト部108は、自車位置情報、高精度地図データまたはナビ地図データ、受信情報、および検出情報等に基づき、走行環境を再現する。
詳記すると、図2〜図4に示すように、仮想レイアウト部108は、仮想の三次元空間の基準位置に自車オブジェクトAOを設定する。仮想レイアウト部108は、高精度地図データまたはナビ地図データの示す形状の道路モデルを、自車位置情報に基づき、自車オブジェクトAOに関連付けて、三次元空間にマッピングする。仮想レイアウト部108は、受信情報および検出情報等に基づき、先行車および歩行者等の周辺物体を道路モデル上に設定可能である。また、仮想レイアウト部108は、案内情報に基づく走行予定経路を道路モデル上に設定する。仮想レイアウト部108は、自車オブジェクトAOに関連付けて、仮想カメラ位置VPcおよび重畳範囲SAを設定する。
仮想カメラ位置VPcは、ドライバのアイポイントEPに対応する仮想位置である。表示生成部109は、ドライバ情報取得部102にて取得される最新のアイポイント座標に基づき、自車オブジェクトAOに対する仮想カメラ位置VPcを逐次補正する。重畳範囲SAは、虚像Viの重畳表示が可能となる範囲である。表示生成部109は、仮想カメラ位置VPcと、記憶部13(図1参照)等に予め記憶された投影範囲PAの外縁位置(座標)情報とに基づき、仮想カメラ位置VPcから前方を見たときに結像面ISの内側となる前方範囲を、重畳範囲SAとして設定する。重畳範囲SAは、HUD20の画角VAに対応している。
仮想レイアウト部108は、仮想空間中に第1仮想オブジェクトVO1および第2仮想オブジェクトVO2を配置する。第1仮想オブジェクトVO1は、三次元空間の道路モデルの路面上に配置された走行予定経路に重なるように配置される。第1仮想オブジェクトVO1は、後述する経路コンテンツCTrを虚像表示させる場合に、仮想空間中に設定される。
一例として、第1仮想オブジェクトVO1は、走行予定経路の仮想路面を平面的に覆うように配置される帯状のオブジェクトとされる。第1仮想オブジェクトVO1は、交差点の右左折シーン(図9C参照)では、進入車線と退出車線とを繋ぐ湾曲形状となる。第1仮想オブジェクトVO1は、経路コンテンツCTrの位置および形状を規定する。すなわち、仮想カメラ位置VPcから見た第1仮想オブジェクトVO1の形状が、アイポイントEPから視認される経路コンテンツCTrの虚像形状となる。
仮想レイアウト部108は、注意喚起コンテンツを虚像表示させる場合に、第2仮想オブジェクトVO2を仮想空間中に設定する。仮想レイアウト部108は、注意地点CPが画角VA内に含まれるか否か、即ち、仮想空間中に設定した注意地点CPが重畳範囲SAに含まれるか否かを判定する。仮想レイアウト部108は、注意地点CPが画角VA内に含まれると判定した場合に、第2仮想オブジェクトVO2を配置する。仮想レイアウト部108は、画角判定部の一例である。
第2仮想オブジェクトVO2は、一時停止位置SP、横断歩道CW、スクールゾーンSZ、および道路工事区間RcS等に相当する仮想路面上の位置に浮かぶオブジェクトとされる。より具体的には、一時停止位置SPが注意地点CPとして存在する場合、第2仮想オブジェクトVO2は、一時停止の道路標識を模したオブジェクト(図9B参照)、または一時停止線を模したオブジェクトとされる。また、横断歩道CW、スクールゾーンSZまたは道路工事区間RcSが注意地点CPとして存在する場合、第2仮想オブジェクトVO2は、横断歩道CW、スクールゾーンSZまたは道路工事区間RcSの手前側の境界を明示するオブジェクトとされる。
表示生成部109は、HUD20に逐次出力される映像データを生成する処理により、HUD20によるドライバへの情報提示を制御する。表示生成部109は、表示制御部の一例であって、HUD20による重畳コンテンツCTsおよび非重畳コンテンツCTnの重畳表示を制御する。表示生成部109は、取得した種々の情報に基づき、コンテンツを描画する機能およびコンテンツの表示期間を制御する。表示生成部109は、仮想レイアウト部108より取得するコンテンツの選定結果と、仮想空間を用いたシミュレート結果としてのレイアウト情報等とに基づき、映像データを構成する各フレーム画像に描画する元画像を決定する。
表示生成部109は、重畳コンテンツCTsの元画像をフレーム画像に描画する場合、表示シミュレーションの結果を反映することで、フレーム画像における元画像の描画位置および描画形状を、アイポイントEPおよび重畳対象の各位置に応じて補正する。以上により、重畳コンテンツCTsは、アイポイントEPから見たとき、重畳対象に正しく重畳される位置および形状で表示されるようになる。
表示生成部109は、重畳コンテンツCTsおよび非重畳コンテンツCTnを使い分け、案内地点GPでの経路案内、注意地点CPでの注意喚起および自動減速の予告通知等を実施する。以下、表示生成部109を主体として行われる情報提示の詳細を、図4〜図22に示す複数のシーン1〜6に沿って、図1〜3を参照しつつ説明する。
<シーン1:経路案内中における一時停止の注意喚起>
図4〜図9には、右折を案内する案内地点GPにおいて一時停止線を注意喚起するシーンでの表示遷移の詳細が示されている。本シーンにおいて、表示生成部109は、経路案内のために経路コンテンツCTrを表示し、その後、一時停止案内のために一時停止コンテンツCTstopを表示する。表示生成部109は、案内地点GPおよび一時停止位置SPから車両Aまでの距離に応じて、表示させた経路コンテンツCTrおよび一時停止コンテンツCTstopの表示の様態を変化させていく。
経路コンテンツCTr(図5参照)は、案内情報取得部104にて案内実施要求が取得された場合に、表示生成部109によって表示を開始される。経路コンテンツCTrは、車両Aの走行予定経路の表示に用いられるコンテンツである。経路コンテンツCTrは、走行予定経路の路面を重畳対象とする重畳コンテンツCTsであり、表示シミュレーションにて配置される第1仮想オブジェクトVO1に基づいて描画形状を決定される。経路コンテンツCTrは、車両Aから案内地点GPまでの残距離Lr1が閾値(例えば300m程度)を下回った時点で表示される。
経路コンテンツCTrは、走行予定経路に沿った形状に描画され、車両Aの走行すべき車線や、右左折および車線変更の必要な地点等を示す。経路コンテンツCTrは、走行予定経路の車線の形状を象る描画形状であり、車両Aの進行方向に沿って帯状に延伸するシート形状である。経路コンテンツCTrは、車線が直線状の場合には直線状の態様となり、カーブ状の場合にはカーブに沿って湾曲した態様となる。また、経路コンテンツCTrは、交差点内においては、走行予定経路上の進入車線と退出車線とを繋ぐ態様となる。経路コンテンツCTrは、車両Aの走行に合わせて、アイポイントEPから見える路面形状に適合するように、所定の更新周期で描画形状を更新される。
経路コンテンツCTrの表示後、車両Aが案内地点GPへ向かって走行すると、地点判定部106にて所定区間内に注意地点CPが存在すると判定される。こうした地点判定部106による注意地点CPの存在判定に基づき、表示生成部109は、注意地点CPの存在を乗員に提示する注意喚起コンテンツを表示させる。表示生成部109は、地点判定部106にて判別された種別に関連付けられる注意喚起コンテンツにより、注意地点CPの存在を乗員に提示する。本シーンのように、地点判定部106にて一時停止位置SPが存在すると判定される場合、表示生成部109は、一時停止位置SPの存在を提示する注意喚起コンテンツとして、一時停止コンテンツCTstopを表示させる。
一時停止コンテンツCTstopは、一時停止位置SPに関連付けられた注意喚起コンテンツである。一時停止コンテンツCTstopは、車両Aから一時停止位置SPまでの残距離Lr2が閾値(例えば100m程度,上述の所定距離を参照)を下回った時点で表示される。
表示生成部109は、車両Aの速度に応じて閾値を変更してもよい。例えば、車両Aの速度が所定速度を下回る場合は一定の閾値とし、所定速度を上回る場合には、その速度が大きいほど閾値を大きくしてもよい。これにより、車両Aの速度が大きいほど一時停止位置SPの手前側で一時停止コンテンツCTstopを表示させることができる。表示生成部109は、一時停止コンテンツCTstopを、経路コンテンツCTrよりも優先的に表示させる。故に、一時停止コンテンツCTstopの表示期間では、経路コンテンツCTrは、非表示とされる。
表示生成部109は、仮想レイアウト部108による表示レイアウトのシミュレーション結果を参照し、注意地点CP(一時停止位置SP)が画角VA内に含まれるか否かを判定する。表示生成部109は、一時停止位置SPが画角VA内に含まれないと判定されている場合、重畳対象が特定されない非重畳コンテンツCTnとしての一時停止コンテンツCTstopを表示させる。言い換えれば、表示レイアウトのシミュレーションにおいて一時停止位置SPが重畳範囲SAから外れていと判定される場合に、表示生成部109は、一時停止コンテンツCTstopを非AR表示させる。一時停止位置SPが重畳範囲SAから外れる状況は、例えば一時停止位置SPがカーブ路の先に存在する場合等に起こり得る。
また、表示レイアウトのシミュレーションにおいて一時停止位置SPが重畳範囲SAに含まれている場合であっても、ドライバから一時停止位置SPが視認不可能な場合には、一時停止コンテンツCTstopは非重畳コンテンツCTnとして表示される。このような状況は、例えば先行車や道路形状等によって一時停止位置SPがドライバから遮られる場合等に起こり得る。
非重畳コンテンツCTnとして表示される一時停止コンテンツCTstopは、フレームコンテンツCTf内に表示される。この場合の一時停止コンテンツCTstopは、標識アイコンICs、停止線アイコンICl、および到達経路アイコンICrを含んでいる。
フレームコンテンツCTfは、画角VA内における一時停止コンテンツCTstopの表示領域を提示する非重畳コンテンツCTnである。フレームコンテンツCTfは、画角VAの左右方向中央よりも、左右のいずれかに寄った位置(例えば右縁近傍)に、一時停止コンテンツCTstopに先立って表示される(図6A参照)。フレームコンテンツCTfは、全体として枠状のコンテンツであり、略矩形形状のメイン枠部分と、メイン枠部分よりも左右方向の幅が大きい下端枠部分とを含んでいる。下端枠部分は、全体枠部分よりも先に表示される。全体枠部分は、下端枠部分から上方へと延びつつ出現するようにアニメーション表示される(図6B参照)。以上のような表示演出により、フレームコンテンツCTfは、非重畳コンテンツCTnとして表示される一時停止コンテンツCTstopの仮想的な表示画面を、ドライバに提示する。
標識アイコンICsは、全体枠部分の出現のアニメーション表示が終了すると表示されるコンテンツアイコンである(図6C参照)。標識アイコンICsは、一時停止位置SPの存在を図柄により示すコンテンツである。標識アイコンICsは、一時停止標識を模した画像として表示される。すなわち日本国内の場合、標識アイコンICsは、逆三角形の枠部と、枠部の内側に配置された「とまれ」の文字部とを含む画像として表示される。
標識アイコンICsは、フレームコンテンツCTfの外側から内側へと進入してくるようにアニメーション表示される。アニメーション表示において、標識アイコンICsは、一時停止位置SPの存在する方向(図6の場合は右方向)から進入するように描画される。また、アニメーション表示において、標識アイコンICsは、フレームコンテンツCTfの外側にはみ出した部分は表示されず、フレームコンテンツCTfの内側に存在する部分のみが表示される。なお、標識アイコンICsは、フレームコンテンツCTfの全体枠部分と共に下枠部分から出現するように表示されてもよい。
停止線アイコンIClは、標識アイコンICsのアニメーション表示が完了し、標識アイコンICsがフレームコンテンツCTf内で停止すると表示される(図7A参照)。停止線アイコンIClは、一時停止線を示す直線状の画像として表示される。停止線アイコンIClは、車両Aの現在位置に対する停止線の配置に応じて、傾いた状態で表示される。具体的には、停止線アイコンIClは、車両Aの現在位置の上空から進行方向前方を見たときの停止線の形状で表示される。すなわち、本シーンのように右方向に曲がるカーブ路の先に一時停止線が存在する場合(図4参照)、停止線アイコンIClは、カーブ路の手前側では左上から右下へと斜めに延びる直線状に表示される(図7A〜Cおよび図8A〜B参照)。そして、車両Aがカーブ路を所定の距離進行した段階で、停止線アイコンIClは、水平に延びる直線状へと変更される。
到達経路アイコンICrは、停止線アイコンIClに続いて表示される(図7B〜C参照)。到達経路アイコンICrは、車両Aの現在位置から一時停止線に到達するまでの進行経路(以下、到達経路)に関する情報を提示するコンテンツである。具体的には、到達経路アイコンICrは、到達経路の形状および到達経路までの距離を提示する。
到達経路アイコンICrは、到達経路を模した形状とされる。到達経路アイコンICrは、車両Aの上空から到達経路を見下ろしたような形状、すなわち一時停止線に近い側ほど奥まったような遠近感を持つ形状で描画される。到達経路アイコンICrは、一時停止線に見立てた停止線アイコンIClまでの到達経路を示しているかの如く視認されるように、一時停止線側の先端を停止線アイコンIClに近接させて表示される。
到達経路アイコンICrは、停止線側から車両側(画角VAの上方から下方)へと出現するようなアニメーションにて表示される。この出現アニメーションにおける到達経路アイコンICrの出現速度は、車両Aの速度が速いほど、速くなる。したがって、現在位置から一時停止位置SPまでの到達時間の長短の度合が、到達経路アイコンICrの延びる速度によってドライバに提示されることになる。
全体が表示された後の到達経路アイコンICrの長さは、車両Aと一時停止位置SPとの間の距離が小さくなるほど短く表示される(図8A〜C参照)。具体的には、到達経路アイコンICrは、車両Aの進行に伴って、到達経路の手前側(画角VA内において下方側)から消失していくようにアニメーション表示される。以上により、到達経路アイコンICrは、長さの変化によって一時停止位置SPまでの距離感をドライバに提示する。
一方、表示生成部109は、仮想レイアウト部108にて一時停止位置SPが画角VA内に含まれると判定された場合には、重畳コンテンツCTsとしての一時停止コンテンツCTstopを表示させる。言い換えれば、表示レイアウトのシミュレーションにおいて一時停止位置SPが重畳範囲SAに含まれと判定された場合に、表示生成部109は、一時停止コンテンツCTstopをAR表示させる。このとき仮想レイアウト部108は、表示レイアウトのシミュレーションにて、一時停止の道路標識を模した第2仮想オブジェクトVO2を、標識の表側を自車オブジェクトAO側に向けたような状態で、仮想空間中に配置する。
第2仮想オブジェクトVO2(図4参照)は、仮想路面上に設定された案内地点GPの上方に配置される。詳記すると、第2仮想オブジェクトVO2は、仮想空間中の水平面に平行な二次元座標上の位置(x,y)を、案内地点GPの当該二次元座標上における位置と同一に設定される。加えて、第2仮想オブジェクトVO2の高さ(z)方向の位置は、第2仮想オブジェクトVO2の全体を仮想カメラ位置VPcから視認可能な高さ位置とされる。すなわち、第2仮想オブジェクトVO2の下縁が、仮想カメラ位置VPcと路面の頂上とを結ぶ直線よりも上方に位置付けられる。加えて、第2仮想オブジェクトVO2の上縁は、重畳範囲SAの上縁よりも下方に位置付けられる。なお、第2仮想オブジェクトVO2は、予め設定された初期サイズにて重畳範囲SAの上縁よりも上方にはみ出す場合、上下方向のサイズをより小さく設定されることで、重畳範囲SAの上縁より下方に収まるように調整される。
重畳コンテンツCTsとしての一時停止コンテンツCTstopは、上述の第2仮想オブジェクトVO2に基づき描画された標識アイコンICsのみ表示される(図9参照)。標識アイコンICsは、一時停止位置SPを重畳対象とするアイコンコンテンツとなり、一時停止位置SPに関連付けられた表示位置に表示される。標識アイコンICsは、一時停止位置SP付近に浮いたような形状で表示される。標識アイコンICsは、一時停止位置SPが画角VA内に入ると、一時停止位置SPへと移動するアニメーション表示を経て、非重畳コンテンツCTnから重畳コンテンツCTsへと移行する(図9Aおよび図9B参照)。または、標識アイコンICsは、一旦消失した後に一時停止位置SPに関連付けられた表示位置に出現することで、非重畳コンテンツCTnから重畳コンテンツCTsへと移行してもよい。標識アイコンICsは、車両Aの走行に合わせて、アイポイントEPから見える一時停止位置SPに留まって表示されるように、所定の更新周期で描画形状および描画位置を更新される。
一時停止コンテンツCTstopは、認識判定部107にてドライバが一時停止位置SPを認識したと判定された場合に、非表示とされる(図9C参照)。このとき表示を中断されていた経路コンテンツCTrが有る場合、その表示が再開される。また、重畳コンテンツCTsとしての一時停止コンテンツCTstopは、表示レイアウトのシミュレーション結果から一時停止位置SPまたは第2仮想オブジェクトVO2が重畳範囲SA内から外れると判定された場合にも、非表示とされる構成であってもよい。なお、非重畳コンテンツCTnとしての一時停止コンテンツCTstopに関しては、認識判定部107にてドライバが一時停止位置SPを認識したと判定された場合であっても表示を継続されてよく、または非表示とされてもよい。
<シーン2−1:一時停止の注意喚起/路面標示の強調>
図10には、目的地への経路案内を行なっていない状況で、一時停止線を注意喚起するシーンが示されている。本シーンでも、表示生成部109は、地点判定部106にて一時停止位置SPが存在すると判定された場合に、一時停止位置SPの存在を乗員に提示する一時停止コンテンツCTstopを表示させる。一時停止線がある場合、一時停止することが必ず求められるため、表示生成部109は、実質的にどのような状況でも、一時停止線を示す一時停止コンテンツCTstopを表示させる。
表示生成部109は、一時停止位置SPが画角VA外である場合、経路案内を伴う場合と同様の非重畳コンテンツCTnを、一時停止コンテンツCTstopとして表示させる(図7参照)。一方で、表示生成部109は、一時停止位置SPが画角VA内である場合、経路案内中とは異なる様態の重畳コンテンツCTsを表示させる。本シーンにおいて、表示生成部109は、経路案内中とは異なる様態の一時停止コンテンツCTstopと、路面標示強調コンテンツCTpaとを、一時停止位置SPへの接近に合わせて表示させる。
一時停止コンテンツCTstopは、一時停止線を模した白線状に描画される。一時停止コンテンツCTstopは、路面の幅方向に帯状に延伸する形状で、前景中における一時停止線の真上、または一時停止線よりも僅かに(例えば1m程度)手前側に、仮想の道路ペイントとして重畳表示される。こうした一時停止コンテンツCTstopが、本シーンでの「第1重畳コンテンツ」に相当する。
路面標示強調コンテンツCTpaは、注意地点CPとしての一時停止位置SPに関連する物標であり、一時停止位置SPの手前側に存在する関連物標STを重畳対象とする重畳コンテンツCTsである。本シーンでは、一時停止線よりも手前側の路面に設けられた「止まれ」の路面標示(道路ペイント)が関連物標STとされる。路面標示強調コンテンツCTpaは、「止まれ」の路面標示を囲むような矩形状または楕円状の様態で、路面に重畳表示される。こうした路面標示強調コンテンツCTpaが、本シーンでの「第2重畳コンテンツ」に相当する。
路面標示強調コンテンツCTpaは、一時停止コンテンツCTstopよりも手前側の路面に重畳されるため、車両Aの一時停止位置SPへの接近に伴い、一時停止コンテンツCTstopよりも先に表示を開始される。表示生成部109は、路面標示強調コンテンツCTpaの表示開始に合わせて、一時停止コンテンツCTstopを非重畳コンテンツCTnから重畳コンテンツCTsに遷移させる。なお、表示生成部109は、一時停止位置SPが画角VA内となるまで、非重畳コンテンツCTnである一時停止コンテンツCTstopの表示を継続させてもよい。
ここで、表示生成部109は、注意地点CPのリスクレベルを判定し、リスクレベルに応じて、注意喚起コンテンツの様態を変更する。表示生成部109は、注意地点CPのリスクレベルが高くなるほど、ドライバの見た目上での注意地点CPの強調度合いが大きくなるように、注意喚起コンテンツを表示させる。表示生成部109は、車両Aの車速、および注意地点CP近傍の歩行者等の有無を考慮して、リスクレベルを「高」および「低」のように2値的に判定する。一例として、表示生成部109は、車速が所定速度(例えば50km/h)以上であること、歩行者等が道路上にいること、のいずれか一方が満たされると、リスクレベルが閾値よりも高い「高」の状態であると判定する。
一時停止位置SPを注意喚起する本シーンにおいて、表示生成部109は、リスクレベルを「高」と判定した場合、上述の通常の様態にて、一時停止コンテンツCTstopおよび路面標示強調コンテンツCTpaを表示させる。一方で、表示生成部109は、リスクレベルを「低」と判定した場合、通常の様態よりも一時停止位置SPの強調レベルを低く抑えるように、例えば通常よりも輝度を抑えた様態で各コンテンツを表示させる。
加えて、表示生成部109は、ロケータ情報取得部101にて取得されている地図データの精度に基づき、重畳コンテンツCTsとして表示される注意喚起コンテンツの、注意地点CPに対する重畳位置を変更する。詳記すると、高精度地図データを用いて描画される注意喚起コンテンツは、重畳対象となる注意地点CPに対して、前後、左右、上下にずれ難くなる。反対に、ナビ地図データを用いて描画される注意喚起コンテンツは、注意地点CPに対して前後、左右、上下にずれ易くなる。特に、上下のずれは、結果として、注意喚起コンテンツの表示位置を前後に大きくずらしてしまう。故に、表示生成部109は、地図データの精度が低いと判定されている場合、地図データの精度が高いと判定されている場合よりも、注意喚起コンテンツを重畳させる位置を、注意地点CPに対して手前側にずらす設定とする。以上により、地図データの精度に起因して表示位置がずれたとしても、注意喚起コンテンツは、注意地点CPよりも手前側に実質必ず表示されるようになる。
一時停止位置SPを注意喚起する本シーンでは、ロケータ情報取得部101にて地図データの精度が高いと判定されている場合、表示生成部109は、上述の通常の重畳位置(真上または1m手前)に、一時停止コンテンツCTstopを重畳表示させる。一方で、ロケータ情報取得部101にて地図データの精度が低いと判定されている場合、表示生成部109は、表示ずれに対するマージンを確保するため、通常の重畳位置よりも手前側に一時停止コンテンツCTstopの重畳位置を設定する。具体的に、地図データの精度が低い場合、一時停止コンテンツCTstopの重畳位置は、一時停止位置SP(一時停止線)の手前5m程度の位置に設定される(図10の破線参照)。このとき、路面標示強調コンテンツCTpaは、表示を中止される。なお、路面標示強調コンテンツCTpaは、一時停止コンテンツCTstopと同様に、通常よりも手前側に重畳位置を設定されたうえで、重畳表示されてもよい。
<シーン2−2:一時停止の注意喚起/踏切の強調>
図11には、図10と同様に、目的地への経路案内を行なっていない状況で、一時停止線を注意喚起するシーンが示されている。本シーンでも、表示生成部109は、地点判定部106にて一時停止位置SPが存在すると判定された場合に、一時停止位置SPの存在を乗員に提示する一時停止コンテンツCTstopを表示させる。加えて、表示生成部109は、一時停止位置SPが踏切RaCに関連しているか否かを示す地点判定部106の判定結果(種別情報)を参照し、注意喚起コンテンツの様態を変更する。
表示生成部109は、一時停止位置SPが踏切RaCに関連していると判定された場合、踏切RaCに関連していないと判定された場合(図10参照)よりも、一時停止位置SPを強調する様態で一時停止コンテンツCTstopを表示させる。具体的に、表示生成部109は、一時停止線を注意喚起する注意喚起コンテンツとして、メイン停止コンテンツCTsp1およびサブ停止コンテンツCTsp2を組み合わせてなる一時停止コンテンツCTstopを表示させる。
メイン停止コンテンツCTsp1は、一時停止位置SPが踏切RaCに関連していない場合の一時停止コンテンツCTstop(図10参照)と実質同一である。メイン停止コンテンツCTsp1は、一時停止線を重畳対象とする重畳コンテンツCTsであり、一時停止線に沿って道路の幅方向に帯状に延伸している。
サブ停止コンテンツCTsp2は、一時停止線の手前側(自車側)の路面を重畳対象とされる重畳コンテンツCTsである。一例として、サブ停止コンテンツCTsp2は、「止まれ」の路面標示を模した描画形状とされる。言い替えれば、「止まれ」の路面標示が無い傾向にある踏切RaCの近傍に、サブ停止コンテンツCTsp2は、「止まれ」の仮想の道路ペイントを出現させる。表示生成部109は、サブ停止コンテンツCTsp2の追加表示により、踏切RaCに関連した一時停止位置SPを通常よりも強調する。
表示生成部109は、一時停止位置SPおよび踏切RaCへの接近に合わせて、サブ停止コンテンツCTsp2およびメイン停止コンテンツCTsp1を順に表示させる。詳記すると、表示生成部109は、地点判定部106にて注意地点CPまでの残距離Lr2が閾値を下回ると判定されたとき、サブ停止コンテンツCTsp2の表示を開始させる。さらに、表示生成部109は、一時停止位置SPが画角VA内に入るタイミングで、メイン停止コンテンツCTsp1の表示を開始させる。サブ停止コンテンツCTsp2およびメイン停止コンテンツCTsp1は、それぞれ重畳対象となる路面および一時停止線が画角VA(重畳範囲SA)外に移動するまで、表示を継続されてよい。
なお、表示生成部109は、サブ停止コンテンツCTsp2の追加表示とは異なる手法により、踏切RaCに関連する一時停止位置SPを、通常の一時停止位置SPよりも強調してよい。一例として、メイン停止コンテンツCTsp1の輝度または彩度を通常よりも高くする手法、またはメイン停止コンテンツCTsp1を点滅させる手法等により、一時停止位置SPが強調されてよい。さらに、サブ停止コンテンツCTsp2は、一時停止位置SPを強調することができれば、非重畳コンテンツであってもよい。
加えて、踏切RaCにて遮断機が作動しているか否か、言い替えれば、踏切RaCに鉄道車両RWVが接近しているか否かに基づき、一時停止コンテンツCTstopの強調の有無が変更されてよい。さらに、一時停止位置SPにて停止している前方車両が存在する場合、少なくともサブ停止コンテンツCTsp2の表示が中止されてもよい。加えて、遮断機が非設置の踏切RaCの手前にある一時停止位置SPでは、遮断桿を模した水平バー状の重畳コンテンツCTsが、メイン停止コンテンツCTsp1よりも上方に、サブ停止コンテンツCTsp2として表示されてもよい。
<シーン3:横断歩道の注意喚起>
図12〜図14には、横断歩道CWを注意喚起するシーンが示されている。本シーンにおいて、表示生成部109は、地点判定部106にて横断歩道CWが存在すると判定され、且つ、横断者Pedがいると判定した場合に、横断歩道CWの存在を乗員に提示する横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。
ここで、道路交通法上、歩行者やサイクリスト等の横断者Pedが横断歩道CWの周囲等に存在する場合、車両Aは停止しなくてはならない。しかし、横断者Pedが明らかにいない場合、車両Aは停止しなくてもよい。そのため、表示生成部109は、横断者Pedが存在する場合に限り、横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。また、表示生成部109は、車速制御機能部50aによる一般道車速制御機能が作動している場合でも、横断者Pedが存在する場合には、歩行者横断歩道コンテンツCTcwを表示させることができる。
表示生成部109は、横断歩道CWが画角VA外である場合、非重畳コンテンツCTnとしての横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。一例として、横断歩道CWを想記させる非重畳アイコン等が、画角VAの下縁近傍に表示される。表示生成部109は、横断歩道CWへの接近に合わせて、横断歩道コンテンツCTcwを、非重畳コンテンツCTnから重畳コンテンツCTsへと遷移させる。さらに、表示生成部109は、重畳コンテンツCTsとしての横断歩道コンテンツCTcwに先立って、路面標示強調コンテンツCTpaの表示を開始させる。
横断歩道コンテンツCTcwは、横断歩道CWに沿って、道路の幅方向に帯状に延伸する形状に描画される。横断歩道コンテンツCTcwは、前景中における横断歩道CWの手前側の縁部、または当該縁部よりも僅かに(例えば1m程度)手前側に重畳表示される。横断歩道コンテンツCTcwは、横断歩道CWの手前側の境界を明示する仮想の道路ペイントのようにAR表示される。
横断歩道コンテンツCTcwは、横断歩道CWに対する横断者Pedの位置に応じて、様態を変更される。横断者Pedが道路脇に位置しており、横断歩道CWの横断を開始する前である場合、横断歩道コンテンツCTcwは、自車車線Lnsよりも僅かに広い程度の延伸長さとされる(図12参照)。一方で、横断者Pedが横断歩道CW上を横断中である場合、横断歩道コンテンツCTcwは、画角VA内のうちで、自車車線Lnsおよび対向車線の両方を横切るような延伸長さとされる(図13参照)。こうした横断歩道コンテンツCTcwが、本シーンでの「第1重畳コンテンツ」に相当する。
路面標示強調コンテンツCTpaは、横断歩道CWの手前側に存在する関連物標STを重畳対象とする重畳コンテンツCTsである。本シーンでは、横断歩道CWよりも手前側の路面に設けられたひし形状の路面標示(道路ペイント)が、横断歩道CWの関連物標STとして、路面標示強調コンテンツCTpaの重畳対象とされる。路面標示強調コンテンツCTpaは、路面標示と相似形となるひし形状に描画され、路面標示に重ねて表示される。こうした路面標示強調コンテンツCTpaが、本シーンでの「第2重畳コンテンツ」に相当する。
ここで一例として、フロントカメラ31の検出範囲は、自車前方50〜100m程度の範囲とされる。一方、HUD20によるコンテンツの重畳範囲SAは、自車前方100〜120m程度の範囲とされる。そして、最も手前側の路面標示は、横断歩道CWから50m手前側の位置に設けられる。以上のような場合、表示生成部109は、重畳範囲SA内にひし形状の路面標示が入るタイミングで、横断歩道CW近傍の横断者Pedの有無を判断できない。そのため、表示生成部109は、フロントカメラ31の検出範囲とHUD20の重畳範囲SAとを考慮し、横断者Pedの有無にかかわらず、路面標示強調コンテンツCTpaを重畳表示させてよい。以上によれば、画角VA外の横断歩道CWの注意喚起が早い段階で可能になる。
表示生成部109は、例えば路車間通信により、フロントカメラ31の検出範囲よりも前方の状況を把握できる場合がある。一例として、表示生成部109は、V2X通信器46から外界情報取得部105に提供される受信情報を参照し、例えば横断歩道CWの手前300m程度の地点(時点)で横断者Pedの存在を把握することができる。この場合、表示生成部109は、ひし形状の路面標示のさらに手前側の路面に、仮想ペイントコンテンツCTvpを重畳表示させる(図14参照)。
仮想ペイントコンテンツCTvpは、路面標示強調コンテンツCTpaと同様に、ひし形状に描画され、路面標示と間隔を合わせるようにして、等間隔で路面に重畳表示される。仮想ペイントコンテンツCTvpは、実際の道路ペイントの手前側にAR表示による仮想の道路ペイントを追加し、実物の道路ペイントが画角VA内に入る以前に、横断歩道CWの存在を伝えることができる。仮想ペイントコンテンツCTvpは、例えば横断歩道CWへのアプローチ区間がカーブしており、横断歩道CWおよびひし形状の路面標示が画角VA内に入り難い場合でも、ドライバに横断歩道CWの存在を容易に把握させることができる。
表示生成部109は、車両Aの走行速度に応じて、仮想ペイントコンテンツCTvpの表示および非表示を切り替えてもよい。一例として、表示生成部109は、車両Aが所定の速度(例えば、20km/h)以上で走行している場合には、仮想ペイントコンテンツCTvpの表示を許可し、所定の速度未満で走行している場合には、仮想ペイントコンテンツCTvpの表示を中止する。
ここで、表示生成部109は、特殊シーン判定の1つとして、現在が夜間(暗所)か否かを判定する。表示生成部109は、時間情報、またはフロントカメラ31の検出情報等に基づき、昼夜判定を実施する。表示生成部109は、現在が夜間であると判定した場合、横断歩道コンテンツCTcwを表示させる条件を変更する。具体的に、表示生成部109は、現在が昼間である場合、上述の如く、横断者Pedがいることを条件に、横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。一方で、表示生成部109は、現在が夜間である場合、横断者Pedの有無にかかわらず、地点判定部106にて存在を判定された横断歩道CWを、横断歩道コンテンツCTcwによって乗員に注意喚起する。以上によれば、車両Aのヘッドライトの光だけでの横断者Pedの認識が不十分となり易い夜間において、横断者Pedの存在する可能性のある横断歩道CWが、漏れなく注意喚起される。
また表示生成部109は、特殊シーン判定の別の1つとして、横断歩道CWに付随する信号機の有無を判定する。表示生成部109は、信号機の無い横断歩道CWにおいては、上述の如く、横断歩道コンテンツCTcwの表示を有効にする。一方で、表示生成部109は、信号機のある横断歩道CWを注意喚起の対象から除外する。以上によれば、信号機のある横断歩道CWでは、横断歩道コンテンツCTcwは、表示されなくなる。その結果、信号機をドライバに認識させたいにもかかわらず、横断歩道コンテンツCTcwによって強調された道路ペイントにドライバが誘目される事態は、防止される。
さらに表示生成部109は、横断歩道CWの注意喚起シーンにおいても、注意喚起の対象である横断歩道CWの自車に対するリスクレベルを判定する。一時停止のシーンと同様に、表示生成部109は、リスクレベルの「高」および「低」を判定する。表示生成部109は、車速が閾値よりも高く、横断歩道CWのリスクレベルが「高」であると判定した場合、横断者Pedがいるか否かにかかわらず、横断歩道CWの存在を横断歩道コンテンツCTcwよって乗員に注意喚起する。一方で、表示生成部109は、横断歩道CWのリスクレベルが「低」であると判定した場合には、上述の如く、横断者Pedが存在する場合に限り、横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。
また表示生成部109は、横断歩道CWの注意喚起シーンにおいても、地図データの精度に基づき、横断歩道コンテンツCTcwの重畳位置を調整する。具体的に、表示生成部109は、地図データの精度が低いと判定されている場合、地図データの精度が高いと判定されている場合よりも、横断歩道コンテンツCTcwの重畳位置を、横断歩道CWに対して手前側にずらす設定とする。このとき、横断歩道コンテンツCTcwの重畳位置に付与されるマージン(余裕代)は、一時停止コンテンツCTstopの重畳位置に付与されるマージンよりも小さくてよい。これは、一時停止線よりも横断歩道CWの方が奥行きの大きい路面標示であるため、重畳位置に対してシビアでなく、主に前後および上下の重畳位置のずれが許容され易いためである。一例として、ナビ地図データを用いた描画が行われる場合、横断歩道コンテンツCTcwの重畳位置は、横断歩道CWの縁部の手前3m程度の位置に設定される。以上により、地図データの精度に起因して表示位置がずれたとしても、横断歩道コンテンツCTcwは、横断歩道CWの後縁よりも手前側に実質必ず表示されるようになる。なお、ナビ地図データの使用時に注意喚起コンテンツに付与するマージンは、注意地点CPの種別にかかわらず同一とされてもよい。
<シーン4:スクールゾーンの注意喚起>
図15には、スクールゾーンSZを注意喚起するシーンが示されている。本シーンにおいて、表示生成部109は、地点判定部106にてスクールゾーンSZが存在すると判定されると、このスクールゾーンSZの交通規制が有効な規制時間帯に現在が含まれるか否かをさらに判定する。表示生成部109は、スクールゾーンSZが存在すると判定され、且つ、現在が規制時間帯に含まれると判定した場合に、スクールゾーンSZの存在を乗員に提示するスクールゾーンコンテンツCTszを表示させる。
表示生成部109は、スクールゾーンSZの路面標示が画角VA外である場合、非重畳コンテンツCTnとしてのスクールゾーンコンテンツCTszとして、スクールゾーンSZの存在を想記させる非重畳アイコン等を表示させる。そして、スクールゾーンSZの路面標示が画角VA内に進入すると、スクールゾーンコンテンツCTszを重畳コンテンツCTsに遷移させる。
重畳コンテンツCTsとしてのスクールゾーンコンテンツCTszは、道路の幅方向に帯状に延伸する形状に描画される。スクールゾーンコンテンツCTszは、前景中におけるスクールゾーンSZの道路ペイントの手前側の縁部、または当該縁部よりも僅かに(例えば1m程度)手前側に重畳表示される。スクールゾーンコンテンツCTszは、スクールゾーンSZの入口境界を強調する仮想の道路ペイントのようにAR表示される。
表示生成部109は、スクールゾーンSZの注意喚起シーンにおいても、注意喚起の対象であるスクールゾーンSZの自車に対するリスクレベルの高低を判定する。表示生成部109は、車速が閾値よりも高く、スクールゾーンSZのリスクレベルが「高」であると判定した場合、現在が規制時間帯か否かにかかわらず、スクールゾーンSZの入口に重畳表示される。一方で、表示生成部109は、スクールゾーンSZのリスクレベルが「低」であると判定した場合には、上述の如く、現在が規制時間帯に含まれる場合に限り、スクールゾーンコンテンツCTszを表示させる。
また表示生成部109は、スクールゾーンSZの注意喚起シーンにおいても、地図データの精度に基づき、スクールゾーンコンテンツCTszの重畳位置を調整する。表示生成部109は、ナビ地図データに基づく描画が行われる場合、高精度地図データに基づく描画が行われる場合よりも、スクールゾーンコンテンツCTszの重畳位置を、スクールゾーンSZの道路ペイントに対して手前側にずらす設定とする。一例として、スクールゾーンコンテンツCTszの重畳位置は、横断歩道CWの通過シーンと同様に、スクールゾーンSZの道路ペイント縁部の手前3m程度の位置に設定される。
<シーン5:道路工事の注意喚起>
図16には、道路工事区間RcSを注意喚起するシーンが示されている。本シーンにおいて、表示生成部109は、地点判定部106にて道路工事区間RcSが存在すると判定されると、道路工事区間RcSの存在を乗員に提示する工事区間コンテンツCTcsを表示させる。
表示生成部109は、例えば電波ビーコンおよび光ビーコン等を通じて取得された交通規制情報に基づき、道路工事区間RcSの開始地点を把握する。表示生成部109は、道路工事区間RcSの開始地点の路面が画角VA外である場合、非重畳コンテンツCTnとしての工事区間コンテンツCTcsを表示させる。この場合、道路工事が実施されていることを想記させる非重畳アイコン等が画角VA内に表示される。そして、道路工事区間RcSの開始地点の路面が画角VA内に進入すると、工事区間コンテンツCTcsを重畳コンテンツCTsに遷移させる。
重畳コンテンツCTsとしての工事区間コンテンツCTcsは、スクールゾーンコンテンツCTsz(図15参照)と同様に、道路の幅方向に帯状に延伸する形状に描画される。地点判定部106は、道路工事区間RcSの開始地点の路面に、工事区間コンテンツCTcsを重畳表示させる。表示生成部109は、フロントカメラ31によって認識された道路工事に関連する工事物標RcO等の検出情報に基づき、工事区間コンテンツCTcsの重畳位置を調整可能であってよい。工事物標RcOは、例えば道路脇または道路上に設置された看板および案内板等である。表示生成部109は、工事物標RcOの手前側の路面に工事区間コンテンツCTcsを移動させることができる。
さらに、表示生成部109は、交通規制情報に基づき道路工事区間RcSの終了地点を把握した場合、道路工事区間RcSの終了を想記させる非重畳アイコンまたは重畳コンテンツCTsを表示してもよい。道路工事区間RcSの終了地点を通知するコンテンツは、工事区間コンテンツCTcsよりも誘目性の低い様態で表示されるのが望ましい。
<シーン6−1:自動減速の予告通知>
図17〜図19には、車速制御機能部50aによる自動減速の実施予定を通知するシーンが示されている。本シーンでは、挙動情報取得部103にて取得される制御情報に基づき、仮想レイアウト部108は、車速制御機能部50aによる減速制御の実施スケジュールを把握する。表示生成部109は、108にて把握された減速制御の実施スケジュールに基づき、減速制御の実施予定を通知する減速通知コンテンツを表示させる。
さらに、仮想レイアウト部108は、減速制御の実施スケジュールを把握したとき、その減速制御の実施区間が注意地点CPの手前側にある場合、減速通知コンテンツと注意喚起コンテンツとの表示調停を実施する。表示生成部109は、仮想レイアウト部108による表示調停の結果に基づき、減速通知コンテンツを表示する場合には、注意喚起コンテンツの表示を制限する。本シーンにおいて、表示生成部109は、注意喚起コンテンツの表示を非表示とする。具体的には、後述するカーブ前減速区間DeS1において、一時停止位置SPを注意喚起するための標識アイコンICsの表示が中止される。こうした表示制限によれば、カーブ前での減速が一時停止のための減速と誤認される事態は、回避される。なお、表示生成部109は、減速通知コンテンツと重ならないように注意喚起コンテンツを表示させてもよく、または表示サイズを縮小させつつ注意喚起コンテンツの表示を継続させてもよい。
本シーンにおける車両Aは、一時停止位置SPの手前にて大きくカーブした道路を、一時停止位置SPへ向かって走行している。本シーンにおいて、一般道車速制御機能は、カーブ前減速区間DeS1および一時停止前減速区間DeS2の二箇所にて、減速制御を実施する。
カーブ前減速区間DeS1は、カーブ入口よりも手前側の直線状の区間に設定される。車両Aの走行速度が高いほど、カーブ前減速区間DeS1は、手前側(自車側)に延長されてよい。カーブ前減速区間DeS1では、安定的なカーブ走行が可能なように、所定の走行速度(例えば、20〜30km/h)まで車両Aが減速される。
一時停止前減速区間DeS2は、一時停止線の手前側にある「止まれ」の路面標示よりもさらに手前側の区間に設定される。例えば一時停止前減速区間DeS2では、一時停止線の手前に車両Aを安定的に停止可能なように、徐行相当の走行速度まで車両Aが減速される。なお、ドライバによるブレーキ操作がない場合、一般道車速制御機能は、一時停止前減速区間DeS2を延長し、一時停止線の直前で車両Aを停止させてもよい。
表示生成部109は、一般道車速制御機能がアクティベートされた状態であり、且つ、車両Aを自動減速させることを、減速通知コンテンツCTd1,CTd2によってドライバに通知する。表示生成部109は、仮想レイアウト部108にてカーブ前減速区間DeS1が画角VA(重畳範囲SA)内に入ったと判定されると、減速通知コンテンツCTd1(図18参照)の表示を開始させる。
減速通知コンテンツCTd1は、カーブ前減速区間DeS1の路面を重畳対象として含む重畳コンテンツCTsである。一例として、表示生成部109は、進行方向へ向けて帯状に延伸する左右一対の帯状画像を、カーブ前減速区間DeS1の路面に複数並べて表示させる。左右一対の帯状画像の間隔は、アイポイントEPから見てカーブ前減速区間DeS1の路面上に投影された状態で、自車側ほど広く、奥側ほど狭くなるよう規定される。表示生成部109は、仮想レイアウト部108にてカーブ前減速区間DeS1が画角VA外となったと判定されるまで、左右一対の帯状画像の描画を繰り返し、減速通知コンテンツCTd1の表示を継続させる。
表示生成部109は、仮想レイアウト部108にて一時停止前減速区間DeS2が画角VA(重畳範囲SA)内に入ったと判定されると、減速通知コンテンツCTd2の表示を開始させる(図19A参照)。減速通知コンテンツCTd2は、一時停止前減速区間DeS2の路面を重畳対象として含む重畳コンテンツCTsである。減速通知コンテンツCTd2は、減速通知コンテンツCTd1とは異なった描画形状とされる。一例として、表示生成部109は、一時停止前減速区間DeS2の路面を塗りつぶす様態の減速通知コンテンツCTd2を表示させる。減速通知コンテンツCTd2の表示色および輝度等は、減速通知コンテンツCTd1よりも誘目性が低くなるように表示される。
表示生成部109は、自車の予定走行経路を示すように、一時停止前減速区間DeS2と重なる画角VA内の領域に、減速通知コンテンツCTd2を表示させる(図19B参照)。表示生成部109は、仮想レイアウト部108にて一時停止前減速区間DeS2が画角VA外となった判定されるまで、描画形状を逐次更新しつつ、減速通知コンテンツCTd2の表示を継続させる。これにより、減速通知コンテンツCTd2は、自車の走行に伴う一時停止前減速区間DeS2の後方への移動に合わせて、画角VA外にフレームアウトしていく(図19C参照)。
ここで、一般道車速制御機能は、カーブ前減速区間DeS1から一時停止前減速区間DeS2までの区画でも、減速作動を中断するものの、アクティベートされた状態を継続している。そのため、表示生成部109は、図20に示すように、カーブ前減速区間DeS1および一時停止前減速区間DeS2を一体的に通知する減速通知コンテンツCTdcを表示させてもよい。
減速通知コンテンツCTdcは、減速通知コンテンツCTd1(図17参照)と同様に、カーブ前減速区間DeS1が画角VA内となるタイミングで表示を開始される。減速通知コンテンツCTdcは、カーブ前減速区間DeS1と一時停止前減速区間DeS2との間にて、自動減速が一時的に中断されているときも、路面への重畳表示を継続される。減速通知コンテンツCTdcは、減速通知コンテンツCTd2(図17参照)と同様に、一時停止前減速区間DeS2が画角VA外となるまで、表示を継続される。以上のように、減速通知コンテンツCTdcは、一般道車速制御機能が自動減速を中断していても、アクティベートされた状態であることをドライバに示すことができる。そのため、ドライバの安心感を高めることができる。
<シーン6−2:自動減速の予告通知/ブレーキ操作を要する場合>
図21および図22には、図19と同様に、一時停止線の手前での車速制御機能部50aによる自動減速を通知するシーンが示されている。本シーンにおいて、一般道車速制御機能は、車両Aを所定速度(例えば、20km/h)まで減速させる。但し、本シーンでは、所定速度まで自動減速された後に車両Aを停止させるブレーキ操作は、ドライバに委ねられる。
表示生成部109は、一般道車速制御機能が車両Aを停止させる場合と同様に、「止まれ」の路面標示よりも手前側に設定された一時停止前減速区間DeS2に、減速通知コンテンツCTd2を重畳表示させる(図21A参照)。減速通知コンテンツCTd2は、車両Aの一時停止位置SPへの接近に伴い、一時停止前減速区間DeS2共に画角VA外への移動し、非表示となる。
表示生成部109は、注意地点CPである一時停止位置SPの手前側にて車速制御機能部50aによる減速制御が実施される場合、減速通知コンテンツCTd2が非表示とされた後に、停止強調コンテンツCTEを表示させる(図21B参照)。停止強調コンテンツCTEは、一時停止コンテンツCTstop(図10参照)に替えて表示される重畳コンテンツCTsである。停止強調コンテンツCTEは、一時停止コンテンツCTstopよりも注意地点CPを強調する。
一例として、停止強調コンテンツCTEは、一時停止線に沿って左右方向に延伸する壁状の様態で表示される。停止強調コンテンツCTEは、一時停止コンテンツCTstopよりも、路面に対して起きた姿勢に描画される。停止強調コンテンツCTEは、一時停止コンテンツCTstopよりも誘目性の高い表示色にて表示され、重畳された一時停止線を強調する。
表示生成部109は、停止強調コンテンツCTEの終了条件が成立すると、一般道車速制御機能に関連したコンテンツの表示を終了する。一例として、自車が停止した場合、または一時停止位置SPが画角VA外となった場合、表示生成部109は、終了条件を成立させる。表示生成部109は、一般道車速制御機能に関連したコンテンツ表示の終了後、例えば案内地点GPへの経路コンテンツCTrの重畳表示を再開させる(図21C参照)。
ここで、表示生成部109は、一般道車速制御機能による自動減速後にドライバによるブレーキ操作が開始された場合には、上述の停止強調コンテンツCTEを表示させる。一方で、自動減速後にドライバによるブレーキ操作が開始されない場合、表示生成部109は、減速通知コンテンツCTd2を非表示とした後、停止強調コンテンツCTEに替えて、ブレーキ警報コンテンツCTbaを表示させる(図22参照)。
ブレーキ警報コンテンツCTbaは、画角VA内の概ね中央に表示される非重畳コンテンツCTnである。ブレーキ警報コンテンツCTbaは、ドライバの分かり易さおよび通知の即効性を重視し、「ブレーキ」等の文字メッセージを主体とした様態とされる。表示生成部109は、停止強調コンテンツCTEを表示させる場合と同様の終了条件の成立に基づき、ブレーキ警報コンテンツCTbaの表示を終了する。この場合も、表示生成部109は、案内地点GPへの経路コンテンツCTrの重畳表示を再開させる(図21C参照)。
次に、表示制御プログラムに基づき、注意地点CPに関連した各表示を切り替える表示制御方法の詳細と、自動減速を通知する表示制御方法の詳細とを、図23〜図25に示すフローチャートに基づき、図3および図4〜図22を参照しつつ、以下説明する。図23および図24に示す表示制御処理は、例えば車両電源のオン状態への切り替えにより、起動処理等を終えたHCU100により、開始され、車両電源がオフ状態とされるまで継続的に実施される。また、図25に示す表示制御処理は、例えば車速制御機能部50aがアクティベートされたことに基づき開始され、車速制御機能部50aがオフ状態とされるまで継続的に実施される。
<注意地点に関連する表示制御処理>
図23および図24に示す表示制御処理において、まずHCU100は、ステップS10にて、ナビECU62からの案内実施要求が有るか否かを判定する。案内実施要求があると判定すると、ステップS20へと進み、経路コンテンツCTrの表示を実行してステップS30へと進む。一方で案内実施要求が無いと判定すると、経路コンテンツCTrの表示を実行することなくステップS30へと進む。
ステップS30では、進行方向前方にある注意地点CPを抽出し、ステップS40へと進む。ステップS30では、一時停止位置SP、信号機の無い横断歩道CW、スクールゾーンSZ等が抽出される。
ステップS40では、車両Aから注意地点CPまでの残距離Lr2が閾値を下回るか否かを判定する。残距離Lr2が閾値を上回る場合には、ステップS10に戻る。一方で残距離Lr2が閾値を下回ると判定すると、ステップS50へと進む。
ステップS50では、経路コンテンツCTrを表示中か否かを判定する。経路コンテンツCTrを表示中であると判定すると、ステップS60へと進み、経路コンテンツCTrの表示を中断してステップS70へと進む。これにより、経路コンテンツCTrは非表示とされる。一方で、ステップS50にて経路コンテンツCTrを表示していないと判定した場合には、ステップS60をスキップしてステップS70へと進む。
ステップS70では、注意地点CPのリスクレベルを推定し、ステップS80に進む。ステップS80では、リスクレベル等を参照し、注意喚起コンテンツの表示を中止する条件が成立しているか否か、注意地点CPの種別に応じて判定する。一例として、横断歩道CWが注意対象である場合、リスクレベルが低く且つ横断者Pedがいないとき、または現在が昼間であって且つ横断者Pedがいないとき、中止条件が成立する。また、スクールゾーンSZが注意対象である場合、リスクレベルが低く且つ規制時間帯から外れた時刻であるとき、中止条件が成立する。ステップS80にて、中止条件が成立していると判定した場合、ステップS150へと進む。一方で、ステップS80にて、中止条件が成立していないと判定した場合、ステップS90へと進む。
ステップS90では、注意地点CPが画角VA内に含まれているか否かを判定する。画角VA内に含まれていると判定すると、ステップS100へと進み、注意地点CPを遮る障害物が前方にあるか否かを判定する。障害物がないと判定すると、ステップS110に進む。ステップS110では、重畳コンテンツCTsの描画に用いる地図データの精度を判定し、ステップS120に進む。ステップS120では、注意地点CPの種別に対応する注意喚起コンテンツを重畳コンテンツCTsとして表示し、ステップS140へと進む。
一方で、ステップS80にて注意地点CPが画角VA内から外れると判定した場合には、ステップS130へと進む。また、ステップS100にて、注意地点CPの視認を遮る障害物があると判定した場合にも、ステップS130へと進む。ステップS130では、注意喚起コンテンツを非重畳コンテンツCTnとして表示し、ステップS140へと進む。なお、経路コンテンツCTrの表示を中断していた場合、ステップS130の段階で、経路コンテンツCTrの重畳表示を再開してもよい。
ステップS140では、ドライバが注意地点CPを認識したか否かを判定する。注意地点CPを認識していないと判定した場合、ステップS70へと戻る。一方で注意地点CPを認識したと判定した場合、ステップS150へと進む。なお、ステップS150で注意喚起コンテンツを重畳コンテンツCTsとして表示中に、注意地点CPまたは注意喚起コンテンツが画角VA内から外れた場合にも、ステップS150へと進んでよい。
また、ステップS130で注意喚起コンテンツを非重畳コンテンツCTnとして表示中の場合には、ステップS140での認識判定の結果にかかわらずステップS70に戻ってよい。言い換えると、ステップS140の判定処理は、直前にステップS130の処理を実行した場合には実行しなくてよい。この場合、注意地点CPが画角VA内から外れている限り、車両Aが注意地点CPに到達するまで非重畳コンテンツCTnとしての注意喚起コンテンツの表示を継続し、到達した場合にステップS140へと進めばよい。また、重畳コンテンツCTsとして注意喚起コンテンツを表示中にステップS140でドライバが注意地点CPを認識していないと判定した場合であっても、車両Aが注意地点CPに到達した場合にはステップS150に進んでもよい。ステップS150では、注意喚起コンテンツを非表示とし、ステップS160へと進む。
ステップS160では、経路コンテンツCTrの表示を中断中か否か、すなわちステップS60の処理を実行した状態か否かを判定する。経路コンテンツCTrの表示が中断中ではない場合には、そのまま一連の処理を終了する。一方で、経路コンテンツCTrの表示が中断中であった場合にはステップS170へと進み、経路コンテンツCTrの表示を再開して経路案内を実行した後に、一連の処理を終了する。
<自動減速に関連する表示制御処理>
図25に示す表示制御処理において、HCU100は、ステップS210にて、自動減速の実施予定を示す制御情報が有るか否かを判定する。自動減速の実施予定を示す制御情報があると判定すると、ステップS220へと進む。一方、自動減速の実施予定を示す制御情報がないと判定すると、ステップS210の判定を繰り返し、制御情報の取得を待機する。
ステップS220では、他のコンテンツを表示中か否かを判定する。ステップS220にて、他のコンテンツを表示中ではないと判定した場合、ステップS240へと進み、減速通知コンテンツの表示を開始させる。一方、例えば経路コンテンツCTrまたは注意喚起コンテンツ等の他のコンテンツを表示中であると判定した場合、ステップS230へと進む。
ステップS230では、減速通知コンテンツと表示中の他のコンテンツとの表示調停を実施したうえで、ステップS240へと進み、他のコンテンツから減速通知コンテンツへとメインの表示を切り替える。ステップS230では、例えば表示中の他のコンテンツを非表示にする表示調停、表示中の他のコンテンツを縮小またはアイコン化させる表示調停、或いは表示中の他のコンテンツの誘目性を低くする表示調停等が実施される。
ステップS250では、ステップS240にて表示を開始させた減速通知コンテンツの終了条件が成立したか否かを判定する。上述したように、終了条件は、車両Aが停止したこと、車両Aが所定の速度まで減速したこと、および重畳対象が画角VA外に移動したこと等である。ステップS250にて、終了条件が成立していないと判定すると、減速通知コンテンツの表示を継続させる。
一方、ステップS250にて、終了条件が成立したと判定すると、ステップS260へと進み、減速通知コンテンツの表示を終了させる。加えて、ステップS260では、ステップS230にて調停対象とした他のコンテンツを通常の様態に復帰させる。以上により、例えば経路コンテンツCTrの表示等が再開される。またステップS260では、通常表示への復帰に替えて、減速通知コンテンツから停止強調コンテンツCTEへの表示遷移を実施してもよい。
次に第1実施形態のHCU100の構成および作用効果について説明する。
HCU100の表示生成部109は、車両Aの進行方向前方に存在する注意地点CPが画角VA内に含まれる場合には、注意喚起コンテンツを重畳コンテンツCTsとして表示する。表示生成部109は、注意地点CPが画角VA外である場合には、注意喚起コンテンツを非重畳コンテンツCTnとして表示する。このため、注意喚起コンテンツを重畳コンテンツCTsとして表示できない場合であっても、非重畳コンテンツCTnとしての表示によって注意地点CPの存在が乗員であるドライバに提示される。以上により、HCU100は、乗員に対して分かり易い表示が可能である。
表示生成部109は、地点判定部106による注意地点CPの種別判定に基づき、判別された種別に関連付けられる注意喚起コンテンツにより、注意地点CPの存在を乗員に提示する。故に、注意喚起コンテンツは、注意地点CPに実際に存在する物標と恊働し、注意地点CPの存在を強調することがでる。その結果、注意地点CPの見落しは、いっそう低減可能になる。
表示生成部109は、一時停止位置SPが進行方向前方に存在する場合、注意喚起コンテンツとして、一時停止コンテンツCTstopを表示させる。加えて、表示生成部109は、一時停止位置SPのリスクレベルを判定し、そのリスクレベルが高くなるほど、一時停止位置SPの強調度合いが大きくなるように、一時停止コンテンツCTstopを表示させる。以上によれば、一時停止コンテンツCTstopは、過度な煩わしさを乗員に感じさせないようにしつつ、一時停止位置SPの存在を適切に注意喚起できる。
表示生成部109は、地点判定部106にて一時停止位置SPが踏切RaCに関連していると判定された場合に、一時停止コンテンツCTstopを表示させる。このときの一時停止コンテンツCTstopは、一時停止位置SPが踏切RaCに関連していないと判定された場合よりも、一時停止位置SPを強調する様態とされる。以上によれば、リスクが高いにも関わらず一旦停止が省略され易い踏切RaCへの進入シーンにおいて、一時停止位置SPの存在が乗員に適切に注意喚起され得る。
さらに、表示生成部109は、一時停止位置SPの強調のため、「止まれ」の路面標示を模したサブ停止コンテンツCTsp2を表示させる。故に、一般的に「止まれ」の路面標示が無い傾向にある踏切RaCの近傍においても、一時停止の確実な実施をドライバに促すことが可能になる。
表示生成部109は、横断歩道CWが進行方向前方に存在する場合、横断者Pedの有無を判定したうえで、横断者Pedがいるときに、注意喚起コンテンツとしての横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。以上によれば、横断歩道CWで一時停止する必要のないシーンでは、一時停止を強制するようなコンテンツ表示が原則的に実施されなくなる。その結果、いっそうの利便性向上が実現される。
表示生成部109は、現在が夜間であると判定した場合には、横断者Pedの有無にかかわらず、横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。以上によれば、フロントカメラ31の性能に起因して、横断者Pedの認識精度が低下するシーンにおいて、横断歩道CWの注意喚起に漏れが発生する事態は、回避される。
表示生成部109は、信号機があると判定された横断歩道CWを、横断歩道コンテンツCTcwによって存在を提示する提示対象から除外する。以上によれば、信号機のある横断歩道CWに接近するシーンでは、横断歩道コンテンツCTcwは、表示されなくなる。故に、ドライバに実際の信号機を認識させたいシーンにおいて、ドライバの目が一時停止線に行ってしまう事態は、防がれ得る。
表示生成部109は、スクールゾーンSZが進行方向前方に存在する場合、現在が規制時間帯か否かを判定したうえで、規制時間帯であるときに、注意喚起コンテンツとしてのスクールゾーンコンテンツCTszを表示させる。以上によれば、規制時間帯から外れているにもかかわらず、スクールゾーンコンテンツCTszの提示によって規制時間帯であるかのようにドライバに誤認させてしまう事態は、発生しに難くなる。
表示生成部109は、横断歩道CWが進行方向前方に存在する場合、横断歩道CWのリスクレベルを判定し、そのリスクレベルが「高」であるとき、横断者Pedの有無にかかわらず、横断歩道コンテンツCTcwを表示させる。また表示生成部109は、スクールゾーンSZが進行方向前方に存在する場合スクールゾーンSZのリスクレベルを判定し、そのリスクレベルが「高」であるとき、規制時間帯か否かにかかわらず、スクールゾーンコンテンツCTszを表示させる。以上によれば、各コンテンツCTcw,CTszは、自車に対する注意地点CPのリスクレベルを低下させるように、ドライバの行動を促すことができる。
表示生成部109は、重畳コンテンツCTsの描画に用いる地図データの精度が低い場合、重畳コンテンツCTsの重畳位置を、注意地点CPに対して手前側にずらす設定とする。以上によれば、高精度地図データが未整備の道路エリアにおいて、重畳コンテンツCTsの描画にナビ地図データの使用を許容しても、重畳位置のずれに起因するドライバの誤認は、生じ難くなる。
表示生成部109は、注意地点CPよりも手前側に存在する関連物標STが画角VA内に含まれると判定されたことに基づき、当該関連物標STを重畳対象とする路面標示強調コンテンツCTpaの表示を開始させる。故に、注意地点CPが画角VA内に入る以前のタイミングで、ドライバは、注意地点CPの存在を路面標示強調コンテンツCTpaによって認識できる。
表示生成部109は、注意地点CPの手前側にて車速制御機能部50aによる減速制御が実施される場合、カーブ前減速区間DeS1および一時停止前減速区間DeS2を重畳対象として含む減速通知コンテンツCTd1,CTd2を表示させる。故に、運転支援機能である一般道車速制御機能が作動し、車両Aを適切な走行速度まで自動減速させる場合でも、ドライバは、自動減速の実施を減速通知コンテンツCTd1,CTd2によって予め認識できる。その結果、一般道車速制御機能の作動に対するドライバの不安が軽減される。
表示生成部109は、車速制御機能部50aによる減速制御が実施される場合、注意喚起コンテンツよりも注意地点CP(例えば、一時停止位置SP)を強調する停止強調コンテンツCTEを、この注意地点CPを重畳対象として表示させる。このように、一般道車速制御機能による自動減速が作動した場合、ドライバの運転に対する意識の低下が懸念され得る。故に、敢えて注意地点CPを強調することで、適切な運転操作を必要する状況が継続していることをドライバに再度認識させることが可能になる。
表示生成部109は、減速通知コンテンツを表示させる場合には、注意喚起コンテンツおよび経路コンテンツCTr等の他の重畳コンテンツCTsの表示を制限する。以上によれば、複数のコンテンツの同時表示に起因して、煩雑な情報提示となってしまい、自動減速に対してのドライバの不安がかえって煽られてしまう事態は、回避される。
表示生成部109は、一時停止位置SPが画角VA内に含まれる場合であっても、一時停止位置SPがドライバから視認不可能であると推定される場合には、一時停止コンテンツCTstopを非重畳コンテンツCTnとして表示させる。これによれば、表示生成部109は、前景中の一時停止位置SPが障害物等によって遮られている場合に、非重畳コンテンツCTnとしての一時停止コンテンツCTstopによって、一時停止位置SPの存在を提示できる。したがって、表示生成部109は、一時停止位置SPを遮る障害物に一時停止コンテンツが重畳表示されてしまい、ドライバに違和感を与えることを回避できる。
表示生成部109は、一時停止コンテンツCTstopを重畳コンテンツCTsとして表示させている状態で、ドライバが一時停止位置SPを認識していると判定した場合には、重畳コンテンツCTsを非表示とする。ドライバが一時停止位置SPを認識している場合、一時停止位置SPを一時停止コンテンツCTstopの重畳表示によって提示する必要性が低くなる。表示生成部109は、このような場合に重畳コンテンツCTsである一時停止コンテンツCTstopを非表示とすることで、画角VA内をより簡素にすることができる。
表示生成部109は、経路コンテンツCTrを重畳表示中に、一時停止位置SPが存在すると判定した場合には、経路コンテンツCTrを非表示とする。これによれば、表示生成部109は、一時停止位置SPが存在する場合に、一時停止コンテンツCTstopに対してドライバの意識を誘導することができる。特に、経路コンテンツCTrが表示されている状態から非表示の状態へと切り替わるので、代わりに表示される一時停止コンテンツCTstopをドライバにより印象付けることが可能となる。
表示生成部109は、経路コンテンツCTrを非表示とした状態で、ドライバが一時停止位置SPを認識したと判定された場合には、経路コンテンツCTrを重畳コンテンツCTsとして表示させる。これによれば、表示生成部109は、ドライバが一時停止位置SPを認識したことで一時停止コンテンツCTstopの必要性が低減された場合に、経路コンテンツCTrの重畳表示を再開できる。したがって、表示生成部109は、各コンテンツCTr,CTstopの表示状態の制御を、ドライバの状態を考慮して行うことが可能となる。
表示生成部109は、非重畳コンテンツCTnとして表示させる一時停止コンテンツCTstopに、一時停止位置SPまでの進行経路に関する情報を示す到達経路アイコンICrを含む。これによれば、表示生成部109は、一時停止コンテンツCTstopを非重畳コンテンツCTnとして表示させる場合に、一時停止位置SPの存在だけでなく、一時停止位置SPまでの進行経路に関する情報もドライバに提示できる。したがって、表示生成部109は、ドライバに対してより分かり易い表示が可能となる。
表示生成部109は、到達経路アイコンICrを、一時停止位置SP側から車両A側へと出現するように表示させる。これによれば、到達経路アイコンICrの出現時の見栄えを向上できると共に、ドライバからより遠い一時停止位置SP側、すなわちドライバから視認しにくい側の経路形状を、先にドライバに提示することができる。
表示生成部109は、車両Aの車速が大きいほど、到達経路アイコンICrの出現速度を大きくする。これによれば、表示生成部109は、車両Aの現在位置から一時停止位置SPまでの到達時間の長短の度合を、到達経路アイコンICrの延びる速度によってドライバに提示することができる。
なお、第1実施形態では、ロケータ情報取得部101が「地図精度判定部」に相当し、挙動情報取得部103が「制御情報取得部」に相当し、仮想レイアウト部108が「画角判定部」に相当し、表示生成部109が「表示制御部」に相当する。さらに、HCU100が「表示制御装置」に相当する。また、一時停止コンテンツCTstop、横断歩道コンテンツCTcw、スクールゾーンコンテンツCTsz、および工事区間コンテンツCTcsがそれぞれ「注意喚起コンテンツ」および「第1重畳コンテンツ」に相当する。さらに、到達経路アイコンICrが「到達経路コンテンツ」に相当し、路面標示強調コンテンツCTpaが「第2重畳コンテンツ」に相当し、停止強調コンテンツCTEが「強調コンテンツ」に相当する。加えて、カーブ前減速区間DeS1および一時停止前減速区間DeS2がそれぞれ「減速制御の実施区間」に相当する。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態におけるHCU100の変形例について説明する。図26において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態のHCU100は、経路コンテンツCTrの表示タイミングが第1実施形態と相違する。加えて第2実施形態では、一時停止位置SPが注意地点CPとされる一方で、横断歩道CWおよびスクールゾーンSZは、注意地点CPとして設定されていない。
第2実施形態における表示制御方法について、図26のフローチャートを用いて説明する。HCU100は、ステップS10にて案内実施要求が有ると判定した場合には、ステップS21へと進む。ステップS21では、案内地点GPの手前に一時停止位置SPが有るか否かを判定する。具体的には、ロケータECU44からの自車位置情報および高精度地図データに基づき、案内地点GPから第1閾値手前までの区間に一時停止位置SPが存在するか否かを、地点判定部106にて判定する。
ステップS21にて案内地点GPの手前に一時停止位置SPが有ると判定した場合、ステップS22へと進む。ステップS22では、経路コンテンツCTrを、案内実施要求が有るにもかかわらず示されない待機状態として、ステップS40へと進む。ステップS40にて残距離Lr2が第2閾値を下回ると、ステップS90〜ステップS130までの処理を実行する。
ステップS120の処理またはステップS130の処理を実行すると、ステップS141へと進む。ステップS141では、車両Aが一時停止位置SPに到達したか否かを判定する。例えば、認識判定部107において減速操作の実行に基づきドライバが一時停止位置SPを認識したと判定した場合に、一時停止位置SPに到達したとみなされる。または、単に車両Aの位置と一時停止位置SPの位置とに基づいて地点判定部106または仮想レイアウト部108等にて判定してもよい。ステップS141にて車両Aが一時停止位置SPに到達していないと判定するとステップS90へと戻り、一時停止位置SPに到達したと判定した場合にはステップS150へと進む。
ステップS150の処理を実行するとステップS161へと進み、経路コンテンツCTrが待機状態であるか否か、すなわちステップS22の処理を実行した状態か否かを判定する。経路コンテンツCTrが待機状態ではないと判定した場合、すなわち経路コンテンツCTrを表示する必要が無い場合には、そのまま一連の処理を終了する。
ステップS21にて案内地点GPの手前に一時停止位置SPが無いと判定した場合、およびステップS161にて経路コンテンツCTrが待機状態であると判定した場合には、ステップS171へと進む。ステップS171では、経路コンテンツCTrの表示を開始して経路案内を実行する。
すなわち、案内地点GPの手前に一時停止位置SPが無い場合には、案内実施要求を取得した時点で経路コンテンツCTrが表示される。一方で案内地点GPの手前に一時停止位置SPが有る場合には、一時停止位置SPに到達してコンテンツCTstopの表示が終了するまで経路コンテンツCTrが表示されない。このため、第2実施形態の表示制御方法によれば、一時停止位置SPに接近する際に、経路案内に従った進行よりも一時停止位置SPでの車両Aの停止操作の方にドライバの意識を誘導し易い。
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上述の実施形態において、HCU100は、非重畳コンテンツCTnとしての一時停止コンテンツCTstopに、標識アイコンICs、停止線アイコンICl、および到達経路アイコンICrを含むとした。これに代えてHCU100は、3つのアイコンICs,ICl,ICrのうち少なくとも1つを表示する構成であってもよい。また、HCU100は、標識アイコンICsに代えて、一時停止位置SPの存在を「一時停止あり」等の文字情報画像により提示するコンテンツを表示してもよい。
上述の実施形態において、HCU100は、重畳コンテンツCTsとして一時停止コンテンツCTstopを表示させる場合、標識アイコンICsを表示させるとしたが、重畳コンテンツCTsとしての一時停止コンテンツCTstopは、これに限らない。例えば、HCU100は、一時停止線および一時停止標識等をハイライト表示させる重畳コンテンツCTsを表示させてもよい。
上述の実施形態に代えて、または上述の実施形態に加えて、HCU100は、図27に示すように、車両Aを示す非重畳コンテンツCTnである自車アイコンICaを表示させてもよい。自車アイコンICaは、例えば1つの頂点を進行方向前方に向けた略三角形状とされる。また、HCU100は、到達経路アイコンICrの車両側の端部を自車アイコンICaの上方に位置付けて表示させてもよい。この場合、HCU100は、車両側の端部の自車アイコンICaに対する位置を固定した状態で、車両Aの進行に伴って到達経路アイコンICrを短くするアニメーションを表示させる。これにより、HCU100は、車両Aの一時停止位置SPに対する進行度合を、より分かり易くドライバに提示できる。またこの場合、HCU100は、標識アイコンICsを、車両Aの進行に伴って、大きく表示させてもよい。これによりHCU100は、車両Aの一時停止位置SPに対する進行度合をより直感的にドライバに提示できる。
注意地点CP等の重畳対象が画角VA内か否かを判定する手法は、適宜変更されてよい。具体的に、仮想レイアウト部108は、仮想レイアウト機能により、提供される種々の情報に基づき、車両Aの走行環境を仮想空間中に再現することで、重畳対象が画角VA内か否かを判定してもよい。さらに、重畳対象が画角VA内に入るような残距離または到達時間を予め閾値として設定し、位置情報および地図データ等から推定される重畳対象までの残距離または到達時間が閾値以下(未満)か否かに基づき、重畳対象が画角VA内か否かが判定されてもよい。
上述の実施形態において、HCU100は、非重畳コンテンツCTnとしての一時停止コンテンツCTstopを表示させる場合、フレームコンテンツCTfの内側に表示させるとしたが、フレームコンテンツCTfを表示しなくてもよい。
上述の実施形態において、HCU100は、一時停止コンテンツCTstopを重畳コンテンツCTsとして表示中にドライバが一時停止位置SPを認識すると、一時停止コンテンツCTstopを非表示とするとした。これに代えて、HCU100は、ドライバが一時停止位置SPを認識すると、一時停止コンテンツCTstopを非重畳コンテンツCTnに切り替えてもよい。この場合でも、HCU100は、一時停止コンテンツCTstopを、画角VA内を移動する重畳コンテンツCTsではなく、固定表示される非重畳コンテンツCTnとして表示するため、画角VA内を移動する表示物が少なくなる。この点でHCU100は、画角VA内をより簡素にすることができる。
上述の実施形態において、HCU100は、一時停止コンテンツCTstopの表示中に経路コンテンツCTrを非表示とすることで、画角VA内の表示スペースを確保するとした。これに代えて、HCU100は、経路コンテンツCTrを非重畳コンテンツCTnとして表示することで、画角VA内の表示スペースを確保してもよい。この場合、経路コンテンツCTrは、案内地点GPにおける車両Aの進行方向を示す矢印画像や、案内地点GPにおける進行予定経路を簡易的に示す画像等として表示される。
第1実施形態において、HCU100は、一時停止コンテンツCTstopを表示させる場合に経路コンテンツCTrを非表示にするとした。これに代えて、HCU100は、経路コンテンツCTrを表示した状態で一時停止コンテンツCTstopを表示してもよい。
上述の実施形態において、HCU100は、一時停止コンテンツCTstopの表示中に経路コンテンツCTrを非表示とすることで、前者を後者よりも優先的に表示するとした。これに代えて、HCU100は、一時停止コンテンツCTstopの表示中に経路コンテンツCTrの視認性を低下させた状態で表示させてもよい。HCU100は、例えば輝度の低下や透過率の上昇等の処理によって、経路コンテンツCTrの視認性を低下させる。
上述の実施形態において、HCU100は、車速等に基づき、リスクレベルを2値的に判定していた。これに代えて、HCU100は、他の情報に基づき、リスクレベルを判定してもよい。さらに、リスクレベルは、多段的に評価されてもよく、または連続的な値で評価されてもよい。こうした形態でも、HCU100は、リスクレベルが特定の閾値を超えた場合に、コンテンツ表示のロジックを変更し、横断者の有無や規制時間帯にかかわらず、注意喚起コンテンツを重畳表示させる。
上述の実施形態において、HCU100は、地図データの精度に応じて、重畳コンテンツの重畳位置を調整していた。HCU100は、地図データの精度に基づく重畳位置の調整を実施しない構成であってよい。また、重畳コンテンツの描画に用いられる地図データは、高精度地図データおよびナビ地図データのうちの一方のみであってもよい。
上述の実施形態では、注意地点CPとして、一時停止位置SP、横断歩道CW、およびスクールゾーンSZが例示されていた。しかし、注意地点CPは、これらに限定されない。例えば、「進入禁止地点」等が、注意地点CPとして、注意喚起の対象とされてよい。「進入禁止地点」の地点情報は、一時停止位置SP等と同等に、ナビ地図データまたは高精度地図データに登録されている。HCU100は、地図データに登録されていれば、注意喚起が必要な種々の地点を、注意地点CPにすることができる。
上述の実施形態において、HCU100により実現されていた表示制御機能は、車両Aに搭載された他の車載ECUによって実現されていてもよい。一例として、表示制御機能は、ナビゲーション装置60のナビECU62に実装されてもよい。また別の一例として、表示制御機能は、HUD20の制御回路に実装されていてもよい。さらに、HCU100は、メータECUとして車両Aに搭載された電子制御装置等であってよい。
上述の実施形態の処理部およびプロセッサは、1つまたは複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。こうした処理部およびプロセッサは、CPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)およびDFP(Data Flow Processor)等を含む処理部であってよい。さらに処理部およびプロセッサは、FPGA、並びにAIの学習および推論等の特定処理に特化したNPU(Neural network Processing Unit)等の他のIPコアを含む処理部であってもよい。こうしたプロセッサの各演算回路部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA等に実装された構成であってもよい。
制御プログラムを記憶するメモリ装置には、フラッシュメモリおよびハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。こうした記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、メモリカード等の形態であり、車載ECUに設けられたスロット部に挿入されて、制御回路に電気的に接続される構成であってよい。
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置およびその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置およびその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
ここまで説明した実施形態および変形例に関する技術的特徴として、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)によるコンテンツの重畳表示を制御する表示制御装置であって、
前記車両の進行方向前方に一時停止位置(SP)が存在するか否かを判定する一時停止判定部(106)と、
前記一時停止位置が前記ヘッドアップディスプレイの画角(VA)内に含まれるか否かを判定する画角判定部(108)と、
前記一時停止判定部にて前記一時停止位置が存在すると判定された場合には、前記一時停止位置の存在を乗員に提示する一時停止コンテンツ(CTstop)を表示させる表示制御部(109)と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記画角判定部にて前記一時停止位置が前記画角内に含まれると判定された場合には、前記一時停止位置が重畳対象である重畳コンテンツ(CTs)として前記一時停止コンテンツを表示させ、前記一時停止位置が前記画角内に含まれないと判定された場合には、重畳対象が特定されない非重畳コンテンツ(CTn)として前記一時停止コンテンツを表示させる表示制御装置。
(付記2)
前記表示制御部は、前記一時停止位置が前記画角内に含まれる場合であっても、前記一時停止位置が前記乗員から視認不可能であると推定される場合には、前記一時停止コンテンツを前記非重畳コンテンツとして表示させる付記1に記載の表示制御装置。
(付記3)
前記乗員が前記一時停止位置を認識しているか否かを判定する認識判定部(107)をさらに備え、
前記表示制御部は、前記一時停止コンテンツを前記重畳コンテンツとして表示させている状態で、前記乗員が前記一時停止位置を認識していると判定された場合には、前記重畳コンテンツを非表示または前記非重畳コンテンツとする付記1または付記2に記載の表示制御装置。
(付記4)
前記表示制御部は、
前記車両の進行予定経路を提示する経路コンテンツ(CTr)を路面が重畳対象である前記重畳コンテンツとして表示可能であって、
前記経路コンテンツを重畳表示中に、前記一時停止位置が存在すると判定された場合には、前記経路コンテンツを非表示または前記非重畳コンテンツとする付記3に記載の表示制御装置。
(付記5)
前記表示制御部は、
前記経路コンテンツを非表示または前記非重畳コンテンツとした状態で、前記乗員が前記一時停止位置を認識したと判定された場合には、前記経路コンテンツを前記重畳コンテンツとして表示させる付記4に記載の表示制御装置。
(付記6)
前記表示制御部は、
前記非重畳コンテンツとして表示させる前記一時停止コンテンツに、前記一時停止位置に到達する到達経路に関する情報を示す到達経路コンテンツ(ICr)を含む付記1から付記5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(付記7)
前記表示制御部は、
少なくとも前記到達経路の形状を示す前記到達経路コンテンツを、前記到達経路の形状の前記一時停止位置側から前記車両側へと出現するように表示させる付記6に記載の表示制御装置。
(付記8)
前記表示制御部は、
前記車両の車速が大きいほど、前記到達経路コンテンツの出現する速度を大きくする付記7に記載の表示制御装置。
(付記9)
車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)によるコンテンツの重畳表示を制御する表示制御プログラムであって、
少なくとも1つの処理部(11)に、
前記車両の進行方向前方に一時停止位置(SP)が存在するか否かを判定し(S40)、
前記一時停止位置が前記ヘッドアップディスプレイの画角(VA)内に含まれるか否かを判定し(S90)、
前記一時停止位置が存在すると判定され、且つ前記一時停止位置が前記画角内に含まれると判定された場合には、前記一時停止位置の存在を示す一時停止コンテンツ(CTstop)を、前記一時停止位置が重畳対象である重畳コンテンツ(CTs)として表示させ(S120)、
前記一時停止位置が存在すると判定され、且つ前記一時停止位置が前記画角内に含まれないと判定された場合には、重畳対象が特定されない非重畳コンテンツ(CTn)として前記一時停止コンテンツを表示させる(S130)、
ことを含む処理を実行させる表示制御プログラム。
(効果)
これらの技術的特徴によれば、一時停止位置が画角内に含まれる場合には、一時停止コンテンツが重畳コンテンツとして表示され、一時停止位置が画角内に含まれない場合には、一時停止コンテンツが非重畳コンテンツとして表示される。このため、一時停止位置が画角内に含まれず、一時停止コンテンツを重畳コンテンツとして表示できない場合であっても、非重畳コンテンツとしての一時停止コンテンツによって一時停止位置の存在が乗員に提示される。以上により、利便性の向上した表示が可能な表示制御装置および表示制御プログラムを提供できる。