JP2022043996A - 表示制御装置及び表示制御プログラム - Google Patents

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Takeshi Hado
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Abstract

【課題】逆走に関わる詳細な情報を分かり易く示すことで、ドライバの利便性を高めることが可能な表示制御装置等の提供。【解決手段】HCUは、車両Aにおいて用いられ、ヘッドアップディスプレイによる表示を制御する表示制御装置の機能を有している。HCUは、車両Aの逆走に関連して予め想定された所定逆走シーンSnXか否かを判定する。HCUは、所定逆走シーンSnXとなった場合に、車両Aが正しい走行車線Lncを走行するように誘導する逆走防止コンテンツCTpを、HUD20によって前景中の路面に重畳表示させる。【選択図】図4

Description

この明細書による開示は、ヘッドアップディスプレイによる表示を制御する表示制御装置及び表示制御プログラムに関する。
例えば特許文献1には、車載カメラの撮像によって得られた画像データを用いて自車両が逆走しているか否かを判定し、自車両が逆走していると判定した場合に、ドライバに対して警告を行う逆走警報装置が記載されている。特許文献1では、スピーカの音声及び表示装置の表示画面等によって、ドライバへの警告が実施される。
特開2007-293390号公報
特許文献1のように、単に逆走を警告するだけでは、ドライバは、逆走している状態までは把握できても、自車両が現在どのような車線を走行しており、どこを走行すべきなのかといった情報を把握することが難しかった。このように、特許文献1のような逆走の警告では、ドライバの利便性が不十分となり得た。
本開示は、逆走に関わる詳細な情報を分かり易く示すことで、ドライバの利便性を高めることが可能な表示制御装置及び表示制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御装置であって、車両の逆走に関連して予め想定された所定逆走シーン(SnX)か否かを判定するシーン判定部(73)と、所定逆走シーンとなった場合に、車両が正しい走行車線(Lnc)を走行するように誘導する逆走防止コンテンツ(CTp)を、ヘッドアップディスプレイによって前景中の路面に重畳表示させる表示制御部(76)と、を備える表示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御プログラムであって、少なくとも一つの処理部(11)に、車両の逆走に関連して予め想定された所定逆走シーン(SnX)か否かを判定し(S101,S104,S202,S206)、所定逆走シーンとなった場合に、車両が正しい走行車線(Lnc)を走行するように誘導する逆走防止コンテンツ(CTp)を、ヘッドアップディスプレイによって前景中の路面に重畳表示させる(S102,S105,S203,S210)、ことを含む処理を実施させる表示制御プログラムとされる。
これらの態様では、車両の走行シーンが所定逆走シーンであると判定された場合に、正しい走行車線を走行するように誘導する逆走防止コンテンツが、ヘッドアップディスプレイによって前景中の路面に重畳表示される。故に、ドライバは、現在どのような車線を走行しており、どこを走行すべきなのかといった情報を、把握し易くなる。このように、逆走防止コンテンツの重畳表示によって逆走に関わる詳細な情報を分かり易く示すことで、ドライバの利便性を高めることが可能となる。
尚、上記及び特許請求の範囲等における括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
本開示の第一実施形態によるHCUを含む車載ネットワークの全体像を示す図である。 車両に搭載されるヘッドアップディスプレイの一例を示す図である。 HCUの概略的な構成の一例を示す図である。 第1逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第1逆走シーンにて表示される強調様態の逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第2逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 区画物標の検出に基づき逆走防止コンテンツの表示が中断されたシーンを示す図である。 HCUにて実施されるモード切替処理の詳細を示すフローチャートである。 HCUにて実施されるコンテンツ表示処理の詳細を示すフローチャートである。 第二実施形態の第1逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第二実施形態の第2逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第三実施形態の第1逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第三実施形態の第2逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第四実施形態の第1逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第五実施形態の第1逆走シーンにて表示される逆走防止コンテンツの一例を示す図である。 第六実施形態の追越シーンにて逆走防止コンテンツの表示が保留された状態を示す図である。 第六実施形態のコンテンツ表示処理の詳細を示すフローチャートである。 第七実施形態の経路案内シーンにて表示される経路案内コンテンツ及び進入禁止ペイントの表示イメージの一例を示す図である。 図18に示す経路案内シーンにて表示される経路案内コンテンツ及び進入禁止ペイントの一例を示す図である。 多叉路での経路案内シーンにて表示される経路案内コンテンツ及び進入禁止ペイントの表示イメージの一例を示す図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による表示制御装置の機能は、図1~図3に示すHCU(Human Machine Interface Control Unit)100によって実現されている。HCU100は、車両Aにおいて用いられるHMI(Human Machine Interface)システム10を、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)20等の車載表示デバイス等と共に構成している。HMIシステム10は、操作デバイス26及びドライバステータスモニタ(以下、DSM)27等をさらに含む構成である。HMIシステム10は、車両Aの乗員(例えばドライバ等)によるユーザ操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
HMIシステム10は、車両Aに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に通信可能に接続されている。HMIシステム10は、車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの一つである。車載ネットワーク1の通信バス99には、周辺監視センサ30、ロケータ40、運転支援ECU(Electronic Control Unit)50、ナビゲーション装置52、ステアECU61及びボディECU63等がノードとして接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置及び各ECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介すことなく通信可能であってもよい。
尚、以下の説明における前後(図2 前方Ze及び後方Go参照)及び左右(図2 側方Yo参照)の各方向は、水平面上に静止させた車両Aを基準として規定される。具体的に、前後方向は、車両Aの長手方向(進行方向)に沿って規定される。また左右方向は、車両Aの幅方向に沿って規定される。さらに、上下(図2 上方Ue及び下方Si参照)の方向は、前後方向及び左右方向を規定した水平面の鉛直方向に沿って規定される。また、記載の簡略化のため、各方向を示す符号の記載を適宜省略する場合がある。
周辺監視センサ30は、車両Aの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から、歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体、さらに路上の落下物、ガードレール、縁石、道路標識、走行区画線等の路面表示、及び道路脇にある構造物等の静止物体、を検出可能である。周辺監視センサ30は、車両Aの周囲の物体を検出した検出情報を、通信バス99を通じて、運転支援ECU50等に提供する。
周辺監視センサ30は、物体検出のための検出構成として、フロントカメラ31及びミリ波レーダ32を有している。フロントカメラ31は、車両Aの前方範囲を撮影した撮像データ、及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。ミリ波レーダ32は、例えば車両Aの前後の各バンパーに互いに間隔を開けて複数配置されている。ミリ波レーダ32は、ミリ波又は準ミリ波を、車両Aの前方範囲、前側方範囲、後方範囲及び後側方範囲等へ向けて照射する。ミリ波レーダ32は、移動物体及び静止物体等で反射された反射波を受信する処理により、検出情報を生成する。尚、ライダ及びソナー等の検出構成が、周辺監視センサ30に含まれていてもよい。
ロケータ40は、複数の取得情報を組み合わせる複合測位により、車両Aの高精度な位置情報等を生成する。ロケータ40は、例えば複数車線を含む道路において、車両Aが走行する一つの車線を特定可能である。ロケータ40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器41、慣性センサ42、高精度地図データベース(以下、高精度地図DB)43、及びロケータECU44を含む構成である。
GNSS受信器41は、複数の人工衛星(測位衛星)から送信された測位信号を受信する。GNSS受信器41は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも一つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。慣性センサ42は、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを有している。
高精度地図DB43は、不揮発性メモリを主体に構成されており、ナビゲーション装置52にて用いられる地図データよりも高精度な地図データ(以下、高精度地図データ)を記憶している。高精度地図データは、少なくとも高さ(z)方向の情報について、詳細な情報を保持している。高精度地図データには、道路の3次元形状情報、車線数情報、各車線に許容された走行方向を示す情報等、高度運転支援又は自動運転に利用可能な情報が含まれている。高精度地図データは、例えばDCM(Data Communication Module)等の車載通信機の通信機能により、最新の内容に更新される。
ロケータECU44は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコントローラを主体として含む構成である。ロケータECU44は、GNSS受信器41で受信する測位信号、慣性センサ42の計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、車両Aの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータECU44は、測位結果に基づく車両Aの位置情報及び方角情報(以下、ロケータ情報)を、通信バス99を通じて、ナビゲーション装置52、HCU100及び運転支援ECU50等に提供する。加えてロケータECU44は、HCU100及び運転支援ECU50等からの要求に応じて、高精度地図DB43から読み出した高精度地図データを、要求元となるECUに提供する。
運転支援ECU50は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含む車載コンピュータである。運転支援ECU50は、HCU100等と共に、車両制御に関連する演算の大部分を実行する車載システムを構成している。運転支援ECU50は、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を備えている。一例として、運転支援ECU50は、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、レベル2以下の部分的な自動走行制御(高度運転支援)を可能にする。
運転支援ECU50は、ドライバの運転支援を可能にするため、環境認識機部及び挙動制御部等の機能部を有している。環境認識部は、周辺監視センサ30から取得する検出情報及びロケータ40から取得するロケータ情報及び高精度地図データ等に基づき、自車周囲の走行環境を認識する。挙動制御部は、環境認識部による走行環境の認識結果を用いて、走行制御ECU等との連携により、自車の挙動を制御する。
運転支援ECU50は、例えばLDW、ACC、LTC及びLCA等の運転支援機能を実現可能である。LDW(Lane Departure Warning)は、走行中の車線から自車が逸脱しそうになると、ドライバに対して警報を発する機能である。ACC(Adaptive Cruise Control)は、目標車速で自車を定速走行させるか、又は前走車との車間距離を維持しつつ自車を前走車に追従走行させる機能である。LTC(Lane Trace Control)は、ACCと連携し、走行中の車線に沿うように自車の操舵輪の舵角を制御し、走路内の走行を継続させる機能である。LCA(Lane Change Assist)は、LTCに替わって操舵輪の舵角制御を実施し、車両Aを走行中の車線から隣接車線へと車線変更させる機能である。運転支援ECU50は、各支援機能の作動状態を示すステータス情報、及び作動中の機能が実行する制御内容を示した制御情報等を、ADAS(Advanced Driver Assistance System)情報としてHCU100に提供する。
ナビゲーション装置52は、HMIシステム10と連携し、ドライバ等によって設定された目的地までの経路案内を実施する車載装置である。ナビゲーション装置52は、案内画像の表示及び案内音声の再生等により、設定経路に含まれた交差点、分岐ポイント及び合流ポイント等の案内エリアGA(図18等参照)にて、直進、右左折及び車線変更等の誘導を行う。ナビゲーション装置52は、目的地が設定されている場合に、経路案内に関連するナビ情報を、HCU100に提供する。ナビ情報には、目的地までの経路情報、及び上記誘導の開始を指示する案内実施要求等が含まれる。案内実施要求は、例えば案内エリアGAまでの残距離が所定値未満となった場合に、ナビゲーション装置52からHCU100に出力される。
尚、ナビゲーション装置52に替えて、スマートフォン等のユーザ端末が、車載ネットワーク1又はHCU100に接続されていてもよい。ユーザ端末にて実行されるアプリケーション(例えば、地図アプリ又はナビアプリ等)には、ドライバ等のユーザ操作に基づき、目的地までの経路が設定される。ユーザ端末は、ナビゲーション装置52と同様に、案内エリアGAでの経路案内を実施すると共に、HCU100にナビ情報を提供する。
ステアECU61は、車両Aの操舵制御システムに設けられたECUであり、マイクロコントローラを主体として含む構成である。ステアECU61は、ドライバによる操舵操作及び運転支援ECU50より取得する制御コマンドの少なくとも一方に基づき、ステアリングアクチュエータの作動を制御し、操舵輪の向き、ひいては車両Aの進行方向を規定する。ステアECU61は、操舵角センサ62にて検出されるステアリングホイールの回転方向及び回転角度(ハンドル角)を示す操作情報(操舵情報)を、運転支援ECU50及びHCU100等に提供する。尚、操舵情報は、操舵輪の転舵方向及び実舵角であってもよい。
ボディECU63は、マイクロコントローラを主体として含む制御装置である。ボディECU63は、車両Aに搭載された灯火装置の作動を制御する機能を少なくとも有している。ボディECU63には、方向指示スイッチ64が電気的に接続されている。方向指示スイッチ64は、ステアリングコラム部8に設けられたレバー状の操作部である。ボディECU63は、方向指示スイッチ64へ入力されるユーザ操作の検知に基づき、操作方向に対応した左右いずれかの方向指示器の点滅を開始させる。
方向指示スイッチ64には、方向指示器の点滅作動を開始させる通常のユーザ操作に加えて、LCAの起動を指示するオン操作が入力される。一例として、LTCが起動した状態で方向指示スイッチ64を所定時間(例えば1~3秒程度)半押し状態とするユーザ操作が、LCAのオン操作とされる。ボディECU63は、方向指示スイッチ64にユーザ操作が入力されると、ユーザ操作の内容を示す操作情報(ウインカー情報)を、運転支援ECU50及びHCU100等に提供する。
次に、HMIシステム10に含まれる操作デバイス26、DSM27、HUD20及びHCU100の各詳細を順に説明する。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば運転支援機能及び自動運転機能等について、起動及び停止の切り替えを行うユーザ操作が入力される。具体的には、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部8に設けられた操作レバー、及びドライバの発話を検出する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
DSM27は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。DSM27は、運転席のヘッドレスト部に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部8の上面又はインスツルメントパネル9の上面等に設置されている。DSM27は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、アイポイントEPの位置及び視線方向等の情報を撮像画像から抽出し、抽出した状態情報をHCU100へ向けて逐次出力する。
HUD20は、メータディスプレイ及びセンタインフォメーションディスプレイ等と共に、複数の車載表示デバイスの一つとして、車両Aに搭載されている。HUD20は、HCU100と電気的に接続されており、HCU100によって生成された映像データを逐次取得する。HUD20は、映像データに基づき、車両Aに関連する種々の情報を、虚像Viを用いてドライバに提示する。
HUD20は、ウィンドシールドWSの下方にて、インスツルメントパネル9内の収容空間に収容されている。HUD20は、虚像Viとして結像される光を、ウィンドシールドWSの投影範囲PAへ向けて投影する。ウィンドシールドWSに投影された光は、投影範囲PAにおいて運転席側へ反射され、ドライバによって知覚される。ドライバは、投影範囲PAを通して見える前景に、虚像Viが重畳された表示を視認する。
HUD20は、プロジェクタ21及び拡大光学系22を備えている。プロジェクタ21は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル及びバックライトを有している。プロジェクタ21は、LCDパネルの表示面を拡大光学系22へ向けた姿勢にて、HUD20の筐体に固定されている。プロジェクタ21は、映像データの各フレーム画像をLCDパネルの表示面に表示し、当該表示面をバックライトによって透過照明することで、虚像Viとして結像される光を拡大光学系22へ向けて射出する。拡大光学系22は、凹面鏡等の光学素子を、少なくとも一つ含む構成である。拡大光学系22は、プロジェクタ21から射出された光を反射によって広げつつ、上方の投影範囲PAに投影する。
以上のHUD20には、画角VAが設定される。HUD20にて虚像Viを結像可能な空間中の仮想範囲を結像面ISとすると、画角VAは、運転者のアイポイントEPと結像面ISの外縁とを結ぶ仮想線に基づき規定される視野角である。画角VAは、アイポイントEPから見て、運転者が虚像Viを視認できる角度範囲となる。HUD20では、垂直方向における垂直画角(例えば4~5°程度)よりも、水平方向における水平画角(例えば10~12°程度)の方が大きくされている。アイポイントEPから見たとき、結像面ISと重なる前方範囲(例えば十数m~100m程度の範囲)が画角VA内の範囲となる。
HUD20は、重畳コンテンツCTs(図4~図6等参照)及び非重畳コンテンツを虚像Viとして表示可能である。重畳コンテンツCTsは、拡張現実(Augmented Reality,以下、AR)表示に用いられるAR表示物である。重畳コンテンツCTsの表示位置は、例えば路面の特定位置、前方車両、歩行者及び道路標識等、前景に存在する特定の重畳対象に関連付けられている。重畳コンテンツCTsは、前景中にある特定の重畳対象に重畳表示され、当該重畳対象に相対固定されているように、重畳対象を追って、ドライバの見た目上で移動可能である。即ち、ドライバのアイポイントEPと、前景中の重畳対象と、重畳コンテンツCTsとの相対的な位置関係は、継続的に維持される。そのため、重畳コンテンツCTsの形状は、重畳対象の相対位置及び形状に合わせて、所定の周期で更新され続ける。重畳コンテンツCTsは、非重畳コンテンツよりも水平に近い姿勢で表示され、例えばドライバから見た奥行き方向に延伸した表示形状とされる。
非重畳コンテンツは、前景に重畳表示される表示物のうちで、重畳コンテンツCTsを除いた非AR表示物である。非重畳コンテンは、重畳コンテンツCTsとは異なり、重畳対象を特定されないで、前景に重畳表示される。非重畳コンテンツの表示位置は、特定の重畳対象に関連付けられていない。非重畳コンテンツの表示位置は、投影範囲PA(上述の画角VA)内の決まった位置とされる。故に、非重畳コンテンツは、ウィンドシールドWS等の車両構成に相対固定されているように表示される。加えて非重畳コンテンツの形状は、実質的に一定とされる。尚、車両Aと重畳対象との位置関係に起因し、非重畳コンテンツであっても、重畳コンテンツCTsの重畳対象と重なって表示されるシーンがあってよい。
HCU100は、HMIシステム10において、HUD20を含む複数の車載表示デバイスによる表示を統合的に制御する電子制御装置である。HCU100及びHUD20等は、虚像表示システムを構成している。
HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム等)が格納されている。
HCU100は、記憶部13に記憶された表示制御プログラムを処理部11によって実行することで、HUD20による虚像Viの表示を制御するための複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、視点位置特定部71、情報取得部72、シーン判定部73及び表示生成部76等の機能部が構築される。
視点位置特定部71は、DSM27から取得する状態情報に基づき、運転席に着座しているドライバのアイポイントEPの位置を特定する。視点位置特定部71は、アイポイントEPの位置を示す3次元の座標(以下、アイポイント座標)を生成し、生成したアイポイント座標を、表示生成部76に逐次提供する。
情報取得部72は、車載表示デバイスによる表示に必要となる種々の情報を、通信バス99を通じて取得する。具体的に、情報取得部72は、ロケータ情報及び自車周囲の高精度地図データをロケータ40から取得し、運転支援ECU50からADAS情報を取得し、ナビゲーション装置52からナビ情報を取得する。また情報取得部72は、ステアECU61及びボディECU63から操作情報を取得する。尚、情報取得部72は、一部のADAS情報に相当する情報として、フロントカメラ31の撮像データ及び周辺監視センサ30の検出情報の少なくとも一方を取得してもよい。また、情報取得部72は、高精度地図データをロケータ40から取得できない場合、代替となるナビ地図データを、ナビゲーション装置52から取得してもよい。
シーン判定部73は、情報取得部72にて取得される種々の情報に基づき、車両Aの現在の走行シーンを判定する。シーン判定部73は、現在の走行シーンが所定の逆走シーン(以下、所定逆走シーンSnX)であるか否かを判定する機能を有している。所定逆走シーンSnXは、車両Aの逆走に関連して予め想定された走行シーンである。シーン判定部73にて実施される所定逆走シーンSnXか否かの判定には、第1逆走シーンSn1であるか否かを判定する第1シーン判定と、第2逆走シーンSn2であるか否かを判定する第2シーン判定とが含まれている。第1逆走シーンSn1は、車両Aが逆走しそうな走行シーンであり、現在は逆走には至っていないが、このままの運転状態が継続されると、逆走が発生する蓋然性の高い走行シーンである。一方、第2逆走シーンSn2は、車両Aが実際に逆走をしている走行シーンである。
シーン判定部73は、ロケータ情報及び高精度地図データと、車両Aを運転するドライバの操作に関連する操作情報とに基づき、第1シーン判定及び第2シーン判定を実施する。詳しく説明すると、シーン判定部73は、ロケータ情報及び高精度地図データに基づき、車両Aが現在走行している道路に含まれる複数車線それぞれの正しい走行方向を把握する。さらに、シーン判定部73は、複数車線のうちで車両Aが現在走行している車線を特定し、ロケータ情報も基づく車両Aの現在の走行方向と、走行中の車線に規定された走行方向との整合を判定する(第2シーン判定)。シーン判定部73は、車両Aの走行方向が走行中の車線に規定された走行方向と異なっている場合、車両Aが対向車線Lnwを走行しており、現在の走行シーンが第2逆走シーンSn2であると判定する。
ここで、シーン判定部73は、フロントカメラ31の撮像データの画像解析により、第2シーン判定を実施してもよい。一例として、シーン判定部73は、フロントカメラ31の撮像データから、道路脇にある道路標識及び路面に敷設された道路標示等を認識する。シーン判定部73は、道路標識の裏側が写っていること、及び道路標示の向きが逆向きであること等に基づき、車両Aが対向車線Lnwを走行していることを推定できる。
尚、ロケータ情報及び高精度地図データに基づき、車両Aが対向車線Lnwを走行しているか否かを判定する処理は、ロケータECU44又は運転支援ECU50によって実施されてよい。同様に、フロントカメラ31の撮像データから、車両Aが対向車線Lnwを走行しているか否かを判定する処理は、運転支援ECU50によって実施されてもよい。これらの形態では、シーン判定部73は、各ECU44,50から情報取得部72に提供される判定結果を参照し、第2シーン判定を実施する。
一方、車両Aの走行方向が走行中の車線に規定された走行方向と一致している場合、シーン判定部73は、車両Aが正しい車線(以下、走行車線Lnc)を走行していると判定する。この場合、シーン判定部73は、走行車線Lncが対向車線Lnwに隣接しているか否かをさらに判定する。シーン判定部73は、隣接車線に規定された走行方向が走行車線Lncの走行方向に対し逆向きである場合、走行車線Lncが対向車線Lnwに隣接していると判定する。この場合、シーン判定部73は、逆走の予兆又は兆候を検出する第1シーン判定を実施する。
具体的に、シーン判定部73は、第1シーン判定において、ドライバの操作情報に基づき、対向車線Lnwへ向けて移動しようとするドライバの運転操作の有無を判定する。一例として、対向車線Lnw側へのウインカー操作、LCAの起動操作、及び操舵操作等の運転操作(以下、逆走予兆操作)が、第1シーン判定において用いられる。シーン判定部73は、逆走予兆操作があった場合、現在の走行シーンが第1逆走シーンSn1であると判定する。
加えて、シーン判定部73は、所定逆走シーンSnXの判定機能に関連して、中央線CLに設置された障害物(以下、区画物標Ob,図7参照)の有無を判定する機能をさらに有している。中央線CLは、各車線を区画している区画線のうちで、車両Aが走行中の走行車線Lncと、この走行車線Lncに隣接した対向車線Lnwとを区切る区画線である。シーン判定部73は、ポール、フェンス及びブロック等、対向車線Lnwへの移動を妨げる立体物が中央線CL上に設置されている場合、区画物標Obがあると判定する。シーン判定部73は、撮像データに写る区画物標Obを認識する画像処理を実施してもよく、区画物標Obの存在を示す検出情報を周辺監視センサ30から取得してもよい。さらに、シーン判定部73は、運転支援ECU50による環境認識の結果及び高精度地図データの少なくとも一方から、区画物標Obの存在を把握してもよい。
表示生成部76は、HUD20に逐次出力される映像データを生成することで、HUD20によるドライバへの情報提示を制御する。表示生成部76は、虚像Viとして表示される各コンテンツの元画像を、映像データを構成する個々のフレーム画像に描画する。表示生成部76は、重畳コンテンツCTs(図4等参照)の元画像をフレーム画像に描画する場合、アイポイントEP及び重畳対象の各位置に応じて、フレーム画像における元画像の描画位置及び描画形状を補正する。以上により、重畳コンテンツCTsは、アイポイントEPから見たとき、重畳対象に正しく重畳される位置及び形状で表示されるようになる。
表示生成部76は、上述の映像データの生成を実現するため、コンテンツ選定機能及び仮想レイアウト機能を有している。コンテンツ選定機能は、予め準備された複数の重畳コンテンツCTs及び複数の非重畳コンテンツの中から、情報提示に用いるコンテンツを選定する機能である。表示生成部76は、情報取得部72にて取得される種々の情報、及びシーン判定部73の判定結果等に基づき、映像データに描画するコンテンツを選択する。例えば表示生成部76は、情報取得部72にて案内実施要求(ナビ情報)が取得された場合、経路案内を行う矢印状等の重畳コンテンツCTs(図19 経路案内コンテンツCTnv参照)を、映像データへの描画対象に選定する。また、表示生成部76は、LDW,ACC,LTC,LKA等の運転支援機能の作動開始を示すステータス情報(ADAS情報)が取得された場合、各運転支援機能に紐付いた重畳コンテンツCTs(運転支援コンテンツ)を、映像データへの描画対象に選定する。さらに、表示生成部76は、シーン判定部73にて所定逆走シーンSnXであると判定された場合、逆走防止コンテンツCTp(図4~図6参照)を、映像データへの描画対象に選定する。
仮想レイアウト機能は、表示生成部76に提供される種々の情報に基づき、重畳コンテンツCTsの表示レイアウトをシミュレーションする機能である。表示生成部76は、コンテンツ選定機能によって重畳コンテンツCTsを含んだ表示が選択された場合に、ロケータ情報、高精度地図データ及び検出情報等に基づき、車両Aの現在の走行環境を仮想空間中に再現する。尚、表示生成部76は、高精度地図データが取得できない場合、高精度地図データに替えて、ナビ地図データを使用してもよい。
詳記すると、表示生成部76は、仮想の3次元空間の基準位置に自車オブジェクトを配置すると共に、高精度地図データに基づく道路モデルを、自車オブジェクトに関連付けて3次元空間にマッピングする。加えて表示生成部76は、自車オブジェクトに関連付けて、運転者のアイポイントEPに対応した仮想カメラ位置を設定する。表示生成部76は、視点位置特定部71にて取得される最新のアイポイント座標に基づき、自車オブジェクトに対する仮想カメラ位置を逐次補正する。表示生成部76は、仮想カメラ位置と、記憶部13等に予め記憶された結像面ISの外縁位置(座標)情報とに基づき、仮想カメラ位置から前方を見たときに結像面ISの内側となる前方範囲を、重畳コンテンツCTsを重畳表示可能な重畳範囲とする。この重畳範囲は、アイポイントEPから見たときの画角VA内の範囲となる。
表示生成部76は、3次元空間の道路モデルの路面上に、描画対象に選定した重畳コンテンツCTsに対応する仮想オブジェクトを配置する。表示生成部76は、仮想カメラ位置及び仮想オブジェクトを結ぶ仮想の投影線に沿って、仮想オブジェクトを結像面ISに投影する演算処理により、映像データに描画する重畳コンテンツCTsの元画像の描画形状を決定する。その結果、仮想オブジェクトを仮想カメラ位置から見た形状が、アイポイントEPから視認される重畳コンテンツCTsの虚像形状となる。
上述したように、表示生成部76は、所定逆走シーンSnXとなった場合に、図4~図6に示すような逆走防止コンテンツCTpを、HUD20によって前景中の路面に重畳表示させる。逆走防止コンテンツCTpは、車両Aの逆走防止を目的に表示され、車両Aが正しい走行車線Lncを走行するように誘導する重畳コンテンツCTsである。表示生成部76は、第1逆走防止コンテンツCTp1(図4及び図5参照)及び第2逆走防止コンテンツCTp2(図6参照)を、逆走防止コンテンツCTpとして表示させる。
第1逆走防止コンテンツCTp1は、ドライバが試みようとしている隣接車線(対向車線Lnw)への車線変更に対して注意喚起を発することで、車両Aが正しい走行車線Lncを走行するように誘導する。第1逆走防止コンテンツCTp1は、シーン判定部73の第1シーン判定によって第1逆走シーンSn1であると判定された場合に表示を開始される。第1逆走防止コンテンツCTp1は、表示開始から所定時間が経過するまで、又は第1逆走シーンSn1である旨の判定の原因となったドライバの逆走予兆操作が解消されるまで、表示を継続される。
表示生成部76は、操作情報の示す逆走予兆操作の操作内容に応じて、第1逆走防止コンテンツCTp1(逆走防止コンテンツCTp)の内容を変化させる。詳記すると、表示生成部76は、逆走予兆操作となる方向指示器(方向指示スイッチ64)のオン操作に基づき、図4に示す第1逆走防止コンテンツCTp1の表示を開始させる。このとき表示される第1逆走防止コンテンツCTp1には、仮想バリアCTbが含まれている。
仮想バリアCTbは、走行車線Lncの路面に重畳表示される。仮想バリアCTbは、走行車線Lncの路面から上方へ向けて実質鉛直に立設され、中央線CLに沿って自車の進行方向に延伸する壁状に描画される。こうした表示形状により、仮想バリアCTbは、自車の対向車線Lnwへの車線変更を阻止するような視覚効果を発揮する。仮想バリアCTbは、路面に固定されているように表示され、自車の走行に伴って前景中の路面と共に画角VA内を後方(下側方)へ向けて移動する。
仮想バリアCTbの表示にも関わらず、ドライバが中央線CLに車両Aを近接させる操舵操作を行った場合、表示生成部76は、逆走予兆操作となる操舵操作に基づき、図5に示す強調様態の第1逆走防止コンテンツCTp1の表示を開始させる。このとき表示される第1逆走防止コンテンツCTp1には、仮想対向車CTcが含まれている。
仮想対向車CTcは、仮想バリアCTb(図4参照)に替えて表示される。仮想対向車CTcは、対向車線Lnwの路面に重畳表示される。仮想対向車CTcは、前側方から見た車両を模した表示物である。仮想対向車CTcは、対向車線Lnwの路面よりも速く画角VA内を通過することで、対向車線Lnwを対向車が走行しているような視覚効果を発揮する。仮想対向車CTcが仮想バリアCTbよりも高速移動する表示により、操舵操作に基づき表示される第1逆走防止コンテンツCTp1は、方向指示器のオン操作に基づき表示される第1逆走防止コンテンツCTp1よりも強調された様態となる。仮想対向車CTcが画角VA内を通過するアニメーションは、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了まで、所定の周期で繰り返し表示される。
ここで、図4に示す仮想バリアCTbに類似した重畳コンテンツCTsは、例えばLDW等に紐付く運転支援コンテンツとして表示される場合がある。しかし、LDWに紐付く運転支援コンテンツは、自車の移動方向に対向車線Lnwがあるか否かに関わらず、自車の区画線に対する相対距離及び相対角度に基づき、自車が区画線を跨ぎそうな走行状態にある場合に限って表示される。対して、第1逆走防止コンテンツCTp1は、自車の移動方向に対向車線Lnwがある場合に限り、逆走予兆操作に基づき表示される。このとき、自車の中央線CLに対する相対距離及び相対角度、言い替えると、自車が中央線CLを跨ぎそうな走行状態であるか否かは実質的に考慮されない。即ち、LDWに紐付く運転支援コンテンツが走行状態に基づきに注意喚起を発するコンテンツであるのに対し、第1逆走防止コンテンツCTp1は、運転操作に基づきに注意喚起を発するコンテンツである。以上のように、第1逆走防止コンテンツCTp1とLDW等に紐付く運転支援コンテンツとの間には、表示開始条件に本質的な違いが存在する。
図6に示す第2逆走防止コンテンツCTp2は、自車が走行している車線が対向車線Lnwであることをドライバに認知させることで、車両Aが走行すべき走行車線Lncへの車線変更を誘導する。第2逆走防止コンテンツCTp2は、第2シーン判定によって第2逆走シーンSn2であると判定された場合に表示を開始される。第2逆走防止コンテンツCTp2の少なくとも一部は、車両Aが走行すべき走行車線Lncの路面に重畳表示される。第2逆走防止コンテンツCTp2は、車両Aが正しい走行車線Lncに戻るまで表示を継続される。
表示生成部76は、第1逆走防止コンテンツCTp1(図5参照)の表示後、車両Aの走行シーンが第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2に移行した場合、逆走防止コンテンツCTpの様態を変更する。即ち、表示生成部76は、第1逆走シーンSn1にて表示させた第1逆走防止コンテンツCTp1とは異なる様態の第2逆走防止コンテンツCTp2を表示させる。この第2逆走防止コンテンツCTp2には、仮想誘導ペイントCTgが含まれている。
仮想誘導ペイントCTgは、中央線CLを斜め方向に横切るような形状で、対向車線Lnwの自車側の路面と、走行車線Lncの奥側の路面との両方に跨って重畳表示される。仮想誘導ペイントCTgは、走行中の対向車線Lnwから、正しい走行車線Lncに車線変更する場合の自車の走行経路を想記させる描画形状とされる。仮想誘導ペイントCTgは、対向車線Lnwを走行する遠方の対向車TAと重なり難い形状であることが望ましい。仮想誘導ペイントCTgは、仮想バリアCTb(図4参照)及び仮想対向車CTc(図5参照)よりも誘目性の高い表示色で表示される。例えば、仮想誘導ペイントCTgは、仮想バリアCTb及び仮想対向車CTcよりも高輝度又は高彩度で表示される。仮想誘導ペイントCTgは、自車側(画角VAの下縁)から、奥側(画角VAの上縁)へ向けて、繰り返し延伸するようなアニメーションとして表示される。仮想誘導ペイントCTgが画角VA内を進行方向に延伸するアニメーションは、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了まで、所定の周期で繰り返し表示される。
表示生成部76は、シーン判定部73にて区画物標Obが存在すると判定された場合に、図7に示すように、HUD20による逆走防止コンテンツCTp(第1逆走防止コンテンツCTp1)の重畳表示を中断する。但し、逆走防止コンテンツCTpの表示が中断されている期間であっても、シーン判定部73は、所定逆走シーンSnXか否かの判定を継続する。さらに、表示生成部76は、逆走防止コンテンツCTpの表示が中断されている期間であっても、逆走防止コンテンツCTpの描画データの準備を継続する。描画データの準備とは、逆走防止コンテンツCTpの元画像の描画形状を決定する処理である。表示生成部76は、逆走防止コンテンツCTpの元画像を生成する一方で、生成した元画像を映像データに描画する処理を停止することで、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示を一時的に中断させる。
次に、逆走防止コンテンツCTpを表示させる表示制御方法の詳細を、図8及び図9に示すフローチャートに基づき、図1~図7を参照しつつ、以下説明する。図8に示すモード切替処理及び図9に示すコンテンツ表示処理は、例えば車両電源のオン状態への切り替えにより、起動処理等を終えたHCU100によって繰り返し開始される。
図8に示すモード切替処理のS11では、区画物標Obの有無を判定する。S11にて、区画物標Obが無いと判定した場合、S12に進む。S12では、逆走防止コンテンツCTpの表示設定を、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示が許容された表示許可モードに設定し、モード切替処理を終了する。
一方、S11にて、区画物標Obがあると判定した場合、S13に進む。S13では、逆走防止コンテンツCTpの表示設定を、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示を禁止する表示禁止モードに設定し、モード切替処理を終了する。こうしたS13での設定により、区画物標Obと重なるような逆走防止コンテンツCTp(仮想バリアCTb)の重畳表示が中断される。尚、モード切替処理による逆走防止コンテンツCTpの表示設定に関わらず、後述のコンテンツ表示処理は継続実施される。
図9に示すコンテンツ表示処理のS101では、現在の走行シーンが第1逆走シーンSn1か否かを判定する(第1シーン判定)。S101にて、第1逆走シーンSn1で無いと判断した場合、S104に進む。一方、S101にて、第1逆走シーンSn1であると判定した場合、S102に進む。S102では、第1逆走防止コンテンツCTp1を表示させる表示制御を実施し、S103に進む。
S102の表示制御では、モード切替処理による逆走防止コンテンツCTpの表示設定が参照される。表示設定が表示許可モードである場合、S102により、逆走予兆操作の内容に応じた第1逆走防止コンテンツCTp1が表示される。一方で、表示設定が表示禁止モードである場合、S102では、逆走予兆操作の内容に応じた第1逆走防止コンテンツCTp1の描画データの準備までが実施される。
S103では、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了条件が成立したか否かを判定する。第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了条件は、上述したように、表示開始から所定時間が経過したこと、又は逆走予兆操作が解消されたこと等である。加えて、自車の走行シーンが第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2へと移行した場合も、表示終了条件が成立する。一例として、車両Aの少なくとも一部が中央線CL上に位置した場合、又は車両Aの一部が走行車線Lncから対向車線Lnwにはみ出した場合に、第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2へとシーン判定の結果が遷移する。
S103にて、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了条件が成立していないと判定した場合、S102に戻る。その結果、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示が継続される。一方、S103にて、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了条件が成立したと判定した場合、S104に進む。
S104では、現在の走行シーンが第2逆走シーンSn2か否かを判定する(第2シーン判定)。S104にて、第2逆走シーンSn2でないと判定した場合、S107に進む。一方、S104にて、第2逆走シーンSn2であると判定した場合、S105に進む。S105では、第2逆走防止コンテンツCTp2を表示させる表示制御を実施し、S106に進む。S105の表示制御では、モード切替処理による逆走防止コンテンツCTpの表示設定が参照されない。
S106では、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件が成立したか否かを判定する。第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件は、上述したように、車両Aが正しい走行車線Lncに戻ったことである。例えば、車両Aの全体が中央線CLよりも走行車線Lnc側に移動した場合、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件が成立する。S106にて、表示終了条件が成立していないと判定した場合、S105に戻る。その結果、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示が継続される。一方、S106にて、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件が成立したと判定した場合、S107に進む。S107では、S102又はS105にて表示を開始させた逆走防止コンテンツCTpの表示を終了させて、コンテンツ表示処理を終了する。
ここまで説明した第一実施形態では、車両Aの走行シーンが所定逆走シーンSnXであると判定された場合に、正しい走行車線Lncを走行するように誘導する逆走防止コンテンツCTpが、HUD20によって前景中の路面に重畳表示される。故に、ドライバは、現在どのような車線を走行しており、どこを走行すべきなのかといった情報を、把握し易くなる。このように、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示によって逆走に関わる詳細な情報を分かり易く示すことで、ドライバの利便性を高めることが可能となる。
加えて第一実施形態では、車両Aが逆走をしている第2逆走シーンSn2か否かの第2シーン判定だけでなく、車両Aが逆走しそうな第1逆走シーンSn1か否かの第1シーン判定も、所定逆走シーンSnXか否かの判定に含まれる。以上によれば、車両Aの逆走が実際に発生する以前に、第1シーン判定に基づく第1逆走防止コンテンツCTp1の表示が可能になる。その結果、逆走の発生が未然に防がれ得る。
また第一実施形態では、車両Aを運転するドライバの操作に関連する操作情報に基づき、第1逆走シーンSn1か否かが判定される。このように、ドライバの操作情報に基づくことで、誤って対向車線Lnwへ向かおうとする運転操作の予兆を早期に捉えることが可能になる。その結果、逆走の発生を未然に防ぐ効果がいっそう発揮され易くなる。
さらに第一実施形態では、第1逆走シーンSn1と判定された場合に、操作情報の示すドライバの操作内容に応じて、逆走防止コンテンツCTp(第1逆走防止コンテンツCTp1)の内容が変化する。このように、ドライバの操作内容と逆走防止コンテンツCTpの内容とが関連付けられることで、逆走防止コンテンツCTpは、ドライバの誤った操作が継続した場合に、入力されている操作の誤りを繰り返しドライバに注意喚起できる。その結果、逆走の発生を未然に防ぐ効果がさらに向上する。
具体的に、第一実施形態では、方向指示スイッチ64のオン操作に基づき、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示が開始される(図4参照)。そして、走行車線Lncと対向車線Lnwとの境界となる中央線CLに車両Aを接近させる操舵操作に基づき、第1逆走防止コンテンツCTp1は、強調した様態に変化する(図5参照)。以上のように、逆走の発生リスクが高くなるのに合わせて、第1逆走防止コンテンツCTp1に強調変化を生じさせれば、ドライバは、逆走に繋がるような誤認をしていることに気付き易くなる。
また第一実施形態では、第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2に移行した場合、第1逆走シーンSn1にて表示させた第1逆走防止コンテンツCTp1とは異なる第2逆走防止コンテンツCTp2が表示される。このように、所定逆走シーンSnXの遷移に合わせて逆走防止コンテンツCTpの様態を変更する表示の切り替えが実施されれば、ドライバは、自車の逆走状態に気付き易くなる。
加えて第一実施形態によれば、第1逆走防止コンテンツCTp1は、表示開始から所定時間が経過するまで、又は第1逆走シーンSn1である旨の判定の原因となったドライバの逆走予兆操作が解消されるまで、表示を継続される。以上によれば、第1逆走シーンSn1にて表示される第1逆走防止コンテンツCTp1は、ドライバへ向けた注意喚起を適切に実施しつつ、ドライバに煩わしく感じられる以前に非表示となる。
一方、第2逆走シーンSn2であると判定された場合、第2逆走防止コンテンツCTp2は、車両Aが正しい走行車線Lncに戻るまで表示を継続される。このように、第2逆走シーンSn2での表示終了条件は、第1逆走シーンSn1での表示終了条件と異なっており、且つ、表示が終了され難い条件となっている。その結果、第2逆走防止コンテンツCTp2は、自車の逆走期間では無期限に表示され、自車が正しい走行車線Lncに戻るまで、ドライバに正しい走行車線Lncを通知し続ける役割を果たすことができる。
さらに第一実施形態では、第2逆走シーンSn2にて表示される第2逆走防止コンテンツCTp2の少なくとも一部は、自車が走行すべき走行車線Lncの路面に重畳される。こうした表示形態によれば、第2逆走防止コンテンツCTp2は、自車を戻すべき正しい走行車線Lncを分かり易くドライバに知らせることができる。
加えて第一実施形態では、走行車線Lncと対向車線Lnwとの間に存在する区画物標Obの有無が判定され、こうした区画物標Obが存在する場合、HUD20による逆走防止コンテンツCTpの重畳表示が中断される。こうした表示処理によれは、逆走が実質的に生じないシーンで逆走防止コンテンツCTpを表示させてしまう事態は、発生しなくなる。その結果、逆走防止コンテンツCTpは、ドライバに煩わしく感じられ難くなる。
また第一実施形態では、区画物標Obが存在する場合でも、所定逆走シーンSnXか否かの判定が継続される。こうしたシーン判定の継続によれば、例えばHUD20とは別の車載表示デバイスを用いた逆走の注意喚起が実施可能になる。
さらに第一実施形態の表示生成部76は、区画物標Obが存在する場合でも、所定逆走シーンSnXであると判定されている期間では、逆走防止コンテンツCTpの描画データの準備を継続している。以上のように、バックグラウンドでの描画処理の継続によれば、区画物標Obが存在しなくなった後の所定逆走シーンSnXにおいて、逆走防止コンテンツCTpの表示開始が遅延し難くなる。
尚、第一実施形態では、区画物標Obが「障害物」に相当し、表示生成部76が「表示制御部」に相当し、HCU100が「表示制御装置」に相当する。
(第二実施形態)
図10及び図11に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、第1逆走防止コンテンツCTp1及び第2逆走防止コンテンツCTp2の様態が、第一実施形態とは異なっている。以下、第二実施形態の第1逆走防止コンテンツCTp1及び第2逆走防止コンテンツCTp2の詳細を、図10及び図11に基づき、図3を参照しつつ説明する。
図10に示す第1逆走防止コンテンツCTp1には、経路表示ペイントCTkが含まれている。経路表示ペイントCTkは、左右の区画線によって挟まれた走行車線Lncの路面の全体を塗り潰すような様態で、走行車線Lncの路面に重畳表示される。経路表示ペイントCTkの描画形状は、走行車線Lncの形状に合わせて逐次変化する。第二実施形態では、逆走予兆操作の操作内容が変化しても、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示内容は、実質的に変化しない。即ち、逆走予兆操作の種別に関わらず、経路表示ペイントCTkの表示が継続される。
経路表示ペイントCTkは、例えば薄い緑色又は薄い青色の表示色とされる。経路表示ペイントCTkは、ナビ情報に基づいて表示される経路案内コンテンツと類似又は実質同一の描画形状とされる。故に、経路表示ペイントCTkは、経路案内コンテンツとは表示タイミングが異なるだけの重畳コンテンツCTsとなる。具体的には、経路案内コンテンツは、車両Aが案内エリアに所定距離(例えば、300m)まで接近したタイミングで表示を開始される。一方、経路表示ペイントCTkは、案内エリアまでの距離に関係なく、逆走予兆操作の検知に基づき表示を開始される。さらに、経路表示ペイントCTkは、ナビゲーション装置52に目的地が設定されていない場合でも、逆走予兆操作の検知に基づき表示を開始される。以上のように、表示形状に関連があっても、経路表示ペイントCTkと経路案内コンテンツとの間には、表示開始条件に本質的な違いが存在する。
図11に示す第2逆走防止コンテンツCTp2には、経路表示ペイントCTkに加えて、逆走警告ペイントCTaが含まれている。経路表示ペイントCTkは、第1逆走シーンSn1にて表示を開始された後、走行シーンが第2逆走シーンSn2に移行した後も、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示物として表示を継続される。経路表示ペイントCTkは、正しい走行車線Lncの路面に重畳表示され続けることで、車両Aの横移動に伴い、画角VA内の中央から側方(左上隅)へ移動する。経路表示ペイントCTkは、第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2への移行に伴い、強調された様態に変化する。経路表示ペイントCTkの強調は、主に表示色の変化によって実施される。具体的に、第2逆走シーンSn2の経路表示ペイントCTkは、第1逆走シーンSn1の経路表示ペイントCTkよりも誘目性(輝度又は彩度)の高い表示色で表示される。経路表示ペイントCTkは、例えば濃い緑色又は濃い青色の表示色とされる。第2逆走シーンSn2においても、経路表示ペイントCTkは、経路案内コンテンツとは異なり、案内エリアの有無に関わらず表示され、車両Aが正しい走行車線Lncに戻るまで表示を継続される。
逆走警告ペイントCTaは、経路表示ペイントCTkとは重ならないように、対向車線Lnwの路面に重畳表示される。逆走警告ペイントCTaは、「逆走」等の文字による警告メッセージと、警告メッセージの外周を囲む枠状画像とを含んでいる。逆走警告ペイントCTaも、第一実施形態の仮想誘導ペイントCTg(図6参照)と同様に、対向車線Lnwを走行する遠方の対向車TAと重ならないよう表示される。逆走警告ペイントCTaは、黄色又はアンバー等の表示色で表示される。逆走警告ペイントCTaは、自車から所定距離だけ前方に継続して表示される様態であってもよく、又は対向車線Lnwの路面と共に画角VA内を後方(下方)へ向けて繰り返し移動してもよい。
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、車両Aが現在どのような車線を走行しており、どこを走行すべきなのかといった情報が、逆走防止コンテンツCTpによってドライバに提供される。その結果、ドライバの利便性を高めることが可能となる。
加えて第二実施形態の表示生成部76は、第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2に移行した場合でも、第1逆走シーンSn1にて開始された経路表示ペイントCTkの表示を継続させる。こうした経路表示ペイントCTkの継続表示によれば、自車の走行すべき正しい走行車線Lncが、ドライバに継続的に通知される。
また第二実施形態では、第2逆走シーンSn2における経路表示ペイントCTkの様態が、第1逆走シーンSn1よりも強調される。こうした様態変化によれば、正しい走行車線Lncを通知する経路表示ペイントCTkの機能がいっそう向上し得る。加えて、強調された経路表示ペイントCTkの画角VAの隅への移動により、間違って対向車線Lnwを逆走していることが、ドライバに認識され易くなる。
(第三実施形態)
図12及び図13に示す本開示の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態でも、第1逆走防止コンテンツCTp1及び第2逆走防止コンテンツCTp2の様態が、第一実施形態とは異なっている。以下、第三実施形態の第1逆走防止コンテンツCTp1及び第2逆走防止コンテンツCTp2の詳細を、図12及び図13に基づき、図3を参照しつつ説明する。
第1逆走防止コンテンツCTp1及び第2逆走防止コンテンツCTp2には、順方向矢印CTf及び逆方向矢印CTrが共に含まれている。順方向矢印CTf及び逆方向矢印CTrは、共に矢印形状に描画されて、互いに異なる方向を指し示している。順方向矢印CTfは、走行車線Lncの走行方向を示すように矢尻部の先端を進行方向へ向けた姿勢で、走行車線Lncの路面に貼り付いているように重畳表示される。逆方向矢印CTrは、対向車線Lnwの走行方向を示すように矢尻部の先端を自車後方へ向けた姿勢で、対向車線Lnwの路面に貼り付いているように重畳表示される。
表示生成部76は、第1逆走シーンSn1であると判定された場合に、逆走防止コンテンツCTpとして、逆方向矢印CTr及び順方向矢印CTfを交互に表示させる。具体的に、表示生成部76は、逆方向矢印CTrを表示させた後、逆方向矢印CTrを非表示としたうえで、順方向矢印CTfを表示させる。さらに、表示生成部76は、順方向矢印CTfを非表示としたうえで、逆方向矢印CTrを表示させる。逆方向矢印CTrは、対向車線Lnwの路面と共に、1回又は複数回、後方(画角VAの下隅)へ流れていくアニメーションとして表示される。同様に、順方向矢印CTfは、走行車線Lncの路面と共に、1回又は複数回、後方(画角VAの下方)へ流れていくアニメーションとして表示される。
尚、逆方向矢印CTrは、対向車線Lnwに適合した描画形状で自車から一定距離だけ離れた側方位置に静止し続ける表示物であってもよい。同様に、順方向矢印CTfは、走行車線Lncに適合した描画形状で自車から一定距離だけ離れた前方位置に静止し続ける表示物であってもよい。
表示生成部76は、走行シーンが第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2に遷移しても、逆方向矢印CTr及び順方向矢印CTfを交互に表示させ続ける。第2逆走シーンSn2では、車両Aの対向車線Lnwへの移動に伴い、逆方向矢印CTrが画角VAの正面に表示される。一方、順方向矢印CTfは、画角VAの上隅に表示される。
以上の順方向矢印CTf及び逆方向矢印CTrの各表示色は、互いに同一であってもよく、又は異なっていてもよい。加えて、順方向矢印CTf及び逆方向矢印CTrの各表示色は、第1逆走シーンSn1と第2逆走シーンSn2とで、互いに同一であってもよく、又は異なっていてもよい。一例として、順方向矢印CTfは、第1逆走シーンSn1にて薄い緑色又は薄い青色で表示され、第2逆走シーンSn2にて濃い緑色又は濃い青色で表示される。一方、逆方向矢印CTrは、第1逆走シーンSn1にて黄色又は薄いアンバーで表示され、第2逆走シーンSn2にて濃いアンバー又は赤色で表示される。
ここまで説明した第三実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示によって逆走に関わる詳細な情報が分かり易く示される。その結果、ドライバの利便性が向上する。
加えて第三実施形態の表示生成部76は、シーン判定部73にて所定逆走シーンSnXであると判定された場合に、逆走防止コンテンツCTpとして、逆方向矢印CTrを表示させた後、順方向矢印CTfを表示させる。このように、逆方向矢印CTr及び順方向矢印CTfは、同時に表示されることなく、所定逆走シーンSnXとなったことをトリガに、所定の順序で表示される。以上によれば、対向車線Lnwの走行方向を逆方向矢印CTrによって明示することで、逆走となるリスクをドライバに分かり易く伝えることができる。そして、逆方向矢印CTrを非表示とした後、正しい走行車線Lncを順方向矢印CTfによって明示することにより、自車が走行すべき車線をドライバに正確に把握させることができる。
尚、第三実施形態では、逆方向矢印CTrが「逆方向コンテンツ」に相当し、順方向矢印CTfが「順方向コンテンツ」に相当する。また第三実施形態のシーン判定部73は、第1逆走シーンSn1と第2逆走シーンSn2との判別を実施しなくてもよい。言い替えれば、第1逆走防止コンテンツCTp1と第2逆走防止コンテンツCTp2とが区別されなくてもよい。
(第四実施形態)
図14に示す本開示の第四実施形態は、第二実施形態の変形例である。第四実施形態では、第1逆走シーンSn1にて表示される第1逆走防止コンテンツCTp1の様態が、第二実施形態とは異なっている。第四実施形態の第1逆走防止コンテンツCTp1には、経路表示ペイントCTk及び仮想区画線CTlが含まれている。
経路表示ペイントCTkは、第三実施形態の順方向矢印CTf(図11参照)と同様に、走行車線Lncの走行方向を示す矢印形状に描画される。第四実施形態でも、経路表示ペイントCTkは、第二実施形態と同様に、経路案内コンテンツと類似又は実質同一の描画形状とされている。即ち、第四実施形態では、経路案内コンテンツが矢印形状とされている。経路表示ペイントCTkは、自車から一定距離だけ前方の路面に貼り付く重畳コンテンツCTsであってもよく、走行車線Lncの路面と共に画角VA内を移動する重畳コンテンツCTsであってもよい。
仮想区画線CTlは、左右の区画線の内側にそれぞれ重畳され、近接する各区画線に沿って細帯状に延伸する重畳コンテンツCTsである。一対の仮想区画線CTlは、経路表示ペイントCTkの左右両側に配置され、経路表示ペイントCTkと共に、現在走行している走行車線Lncが走行すべき車線であることを示す。仮想区画線CTlは、例えば進行方向に繰り返し伸びるアニメーションとして表示されてもよい。仮想区画線CTlは、経路表示ペイントCTkと同様に、経路案内コンテンツとして表示されるコンテンツと類似又は実質同一の描画形状とされていてもよい。或いは、仮想区画線CTlは、LDW又はLTCに紐付く運転操作コンテンツと類似又は実質同一の描画形状とされてもよい。
ここまで説明した第四実施形態でも、経路表示ペイントCTk及び仮想区画線CTlを含む逆走防止コンテンツCTpによって逆走に関わる詳細な情報が分かり易く示される。その結果、上記実施形態等と同様の効果を奏し、ドライバの利便性が向上する。
(第五実施形態)
図15に示す本開示の第五実施形態は、第二実施形態の別の変形例である。第五実施形態でも、第1逆走シーンSn1にて表示される第1逆走防止コンテンツCTp1の様態が、第二実施形態とは異なっている。第五実施形態の第1逆走防止コンテンツCTp1には、進入禁止ペイントCTxが含まれている。
進入禁止ペイントCTxは、例えば黄色又はアンバー等の表示色で十字形状に描画されている。進入禁止ペイントCTxは、対向車線Lnwの路面に複数重畳される。複数の進入禁止ペイントCTxは、互いに間隔を開けつつ中央線CLに沿って一列に並ぶ配置により、中央線CLを跨いだ対向車線Lnwへの移動が禁止されていることをドライバに注意喚起する。進入禁止ペイントCTxは、自車から一定距離だけ前方の路面に静止する重畳コンテンツCTsであってもよく、対向車線Lnwの路面と共に画角VA内の下隅に移動する重畳コンテンツCTsであってもよい。
ここまで説明した第五実施形態でも、進入禁止ペイントCTxを含む逆走防止コンテンツCTpによって逆走に関わる詳細な情報が分かり易く示される。その結果、上記実施形態等と同様の効果を奏し、ドライバの利便性が向上する。
(第六実施形態)
図16及び図17に示す本開示の第六実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第六実施形態のHCU100(図3参照)は、自車が追越対象TPを追い越す追越シーンSnpにおいて、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示を保留する。即ち、追越シーンSnpでは、自車の一部又は全部が対向車線Lnwにはみ出していても、逆走防止コンテンツCTp(第2逆走防止コンテンツCTp2,図6等参照)は表示されない。以下、図16及び図17に基づき、図1~図3を参照しつつ、第六実施形態のシーン判定部73及び表示生成部76の詳細を説明する。
シーン判定部73は、上述の第1シーン判定及び第2シーン判定に加えて、追越シーンSnpか否かの判定を実施する。シーン判定部73は、自車が対向車線Lnwにはみ出すシーンにおいて、中央線CLの種別情報、及び自車周囲の検出情報等を組み合わせ、逆走シーン(第2逆走シーンSn2,図6等参照)であるのか追越シーンSnpであるのかを複数の方法で判別する。
シーン判定部73は、情報取得部72に提供される高精度地図データ又は撮像データに基づき、走行車線Lncと対向車線Lnwとを区分けする中央線CLの種別情報を把握する。具体的に、シーン判定部73は、中央線CLの種別情報として、中央線CLの色(白色か黄色か)と、中央線CLが実線か破線とを把握する。シーン判定部73は、把握した中央線CLの種別情報に基づき、現在の走行車線Lncから対向車線Lnwへのはみ出しが禁止されているか否かを判断する。シーン判定部73は、はみ出しが禁止されていない対向車線Lnwに自車がはみ出している場合、追越シーンSnpであると判定する。対して、はみ出しが禁止されている対向車線Lnwに自車がはみ出している場合、シーン判定部73は、追越シーンSnpではなく、第2逆走シーンSn2であると判定する。
シーン判定部73は、走行中の道路が追越禁止か否かの情報を、道路脇にある道路標識及び路面に敷設された道路標示等の認識結果(いわゆるTraffic Sign Recognition)に基づいて把握可能であってもよい。道路標識及び道路標示の認識結果は、情報取得部72に提供されるフロントカメラ31の撮像データを用いてシーン判定部73により生成されてもよく、運転支援ECU50によって生成され、情報取得部72に提供されてもよい。
シーン判定部73は、情報取得部72に提供される周辺監視センサ30の検出情報を用いて、自車周囲に他車両が存在するか否かを判定する。自車の周辺に他車両が存在しない場合、ドライバは、各車線に規定された走行方向を誤解し易くなり、その結果、逆走を行い易くなる。また、他車両が存在しない場合、追い越しを行う必要もない。故に、シーン判定部73は、自車周囲に他車両が存在しない場合、追越シーンSnpか否かの判定よりも、第1シーン判定及び第2シーン判定を優先する。即ち、対向車線Lnwへのはみ出しが禁止されていない道路でも、対向車線Lnwにはみ出した時点で、第2逆走防止コンテンツCTp2による警告が実施される。
シーン判定部73は、自車周囲の他車両が存在している場合、追越対象TPとなる物標の種別、相対位置、サイズ及び移動状態等を、検出情報に基づいてさらに把握する。追越対象TPには、自車と同じ走行車線Lncを走行する前方の車両、モーターサイクル、自転車、並びに走行車線Lncに少なくとも一部がはみ出した状態で停止している駐車車両及び障害物等が含まれる。シーン判定部73は、追越対象TPが存在しない状態で、自車が対向車線Lnwにはみ出した場合、逆走シーン(第2逆走シーンSn2)であると判定する。一方、前方に追越対象TPを検知しており、かつ、追越対象TPの走行速度と自車の走行速度とが乖離した(相対速度が大きい)状態で追越対象TPに自車が接近している場合、シーン判定部73は、追越シーンSnpであると判定する。
表示生成部76は、シーン判定部73にて追越シーンSnpであると判定された場合、HUD20による逆走防止コンテンツCTpの重畳表示を保留する。このように、追越シーンSnpにて逆走防止コンテンツCTpの提示を保留可能な第六実施形態のコンテンツ表示処理(図17参照)の詳細を、以下説明する。
S201では、シーン判定部73が、自車の周囲に他車両が存在するか否かを判定する。S201では、走行車線Lnc及び対向車線Lnwの両方が検出対象とされ、自車の前方、側方及び後方に存在する他車両が全て把握される。S201にて、自車の周囲に他車両が全く存在しないと判定した場合、S202に進む。この場合、シーン判定部73は、追越シーンSnpか否かの判定よりも第1シーン判定を優先的に実施する。
S202にて、シーン判定部73は、現在の走行シーンが第1逆走シーンSn1か否かを判定する。S202にて、第1逆走シーンSn1でないと判断した場合、S206に進む。一方、S202にて、第1逆走シーンSn1であると判定した場合、S203に進む。S203では、表示生成部76が、逆走予兆操作の内容に応じた第1逆走防止コンテンツCTp1(図4等参照)の表示制御を実施し、S204に進む。
S204では、表示生成部76が、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了条件が成立したか否かを判定する。表示開始から所定時間が経過した場合、逆走予兆操作が解消された場合、又は自車の走行シーンが第1逆走シーンSn1から第2逆走シーンSn2へと移行した場合、表示終了条件を成立させ、S206に進む。
S206では、シーン判定部73が、現在の走行シーンが第2逆走シーンSn2か否かを判定する。S206にて、第2逆走シーンSn2でないと判定した場合、S212に進む。一方、S206にて、第2逆走シーンSn2であると判定した場合、S210に進む。S210では、第2逆走防止コンテンツCTp2(図6等参照)を表示させる表示制御を実施し、S211に進む。
S211では、シーン判定部73が、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件が成立したか否かを判定する。自車が正しい走行車線Lncに戻っている場合、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件は、成立となる。S211にて、表示終了条件が成立していないと判定した場合、S210に戻る。この場合、表示生成部76は、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示を継続させる。一方、S211にて、表示終了条件が成立したと判定した場合、S212に進む。S212では、表示生成部76が、S203又はS210にて表示を開始させた逆走防止コンテンツCTpの表示を終了させる。
一方、S201にて、自車の周囲に他車両が存在すると判定した場合、シーン判定部73は、S205に進み、追越シーンSnpであるか否かを判定する。S205では、自車に対して速度差のある追越対象TPの有無を判定する。S205にて、速度差のある追越対象TPが存在しないと判定した場合、追越シーンSnpではないと判定し、S206に進む。対して、S205にて、速度差のある追越対象TPが存在すると判定した場合、S207に進む。
S207では、シーン判定部73が、はみ出しが禁止されている対向車線Lnw(以下、追越禁止車線)に自車がはみ出しているか否かを判定する。S207にて、追越禁止車線に自車がはみ出していると判定した場合、追越シーンSnpではなく、第2逆走シーンSn2であるとみなし、S210に進む。対して、S207にて、はみ出しが禁止されていない対向車線Lnw(以下、追越可能車線)に自車がはみ出していると判定した場合、現在の走行シーンが追越シーンSnpであると判断し、S208に進む。同様に、自車が走行車線Lncからはみ出していないと判定した場合も、走行車線Lnc内での追い越しが行われる追越シーンSnpであると判断し、S208に進む。
S208では、シーン判定部73が、追越可能車線へのはみ出し後の経過時間が所定時間を超えたか否かを判定する。所定時間は、予め規定された実質一定の時間であってもよく、又は自車と追越対象TPとの速度差に応じて、速度差が小さいほど長くなるよう調整されてもよい。S208にて、追越可能車線へのはみ出し後の経過時間が所定時間を超えていないと判定した場合、S209に進む。走行車線Lnc内で追い越しを行っている場合も、S209に進む。
一方、S208にて、追越可能車線へのはみ出し後、所定時間が経過したと判定した場合、現在の走行シーンの判定結果を追越シーンSnpから第2逆走シーンSn2へと移行させ、S210に進む。尚、シーン判定部73は、S208にて、追越可能車線の走行を継続した距離が、所定距離を超えたか否かを判定してもよい。この場合、追越可能車線へのはみ出し後、所定距離の走行を継続した場合、現在の走行シーンの判定結果を追越シーンSnpから第2逆走シーンSn2へと移行させ、S210に進む。
S209では、シーン判定部73が、ステアECU61及びボディECU63から情報取得部72に提供される操作情報に基づき、追い越し開始前の走行位置に自車を戻す運転操作(以下、戻し操作)の有無を判定する。戻し操作には、ドライバによる操舵操作及びウインカー操作等が含まれる。S209にて、戻し操作がないと判定した場合、S208に戻る。こうしたS208及びS209の繰り返し処理により、所定時間が経過するまで、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示が保留される。そして、所定時間以内に元の走行位置に戻る操舵情報が検知されない場合、シーン判定部73は、現在の走行シーンが第2逆走シーンSn2であると判定する。この場合、S208からS210へと処理の移行に基づき、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示が開始される。一方、S209にて、所定時間の経過前に戻し操作が入力されたと判定した場合、今回のコンテンツ表示処理は終了される。
ここまで説明した第六実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、逆走防止コンテンツCTpの重畳表示によって逆走に関わる詳細な情報がドライバに分かり易く提示され得る。したがって、ドライバの利便性を高めることが可能となる。
加えて第六実施形態では、車両Aが追越対象TPを追い越す追越シーンSnpか否かがさらに判定され、追越シーンSnpであると判定された場合には、HUD20による逆走防止コンテンツCTpの重畳表示が保留される。故に、ドライバが意図的に対向車線Lnwへとはみ出した場合には、逆走防止コンテンツCTpによる逆走の注意喚起が実施されない。以上によれば、追越シーンSnpにおいて、誤って表示された逆走防止コンテンツCTpがドライバに煩わしさを与えてしまう事態は、発生し難くなる。その結果、ドライバの利便性をいっそう高めることが可能になる。
また第六実施形態では、自車が追越禁止車線にはみ出した場合には、追い越しを試みているシーンであっても、第2逆走シーンSn2であると判定される。故に、ドライバが自車周囲の走行環境を誤認し、誤った運転行動を行った場合には、逆走防止コンテンツCTpを用いた注意喚起を適切に実施することが可能になる。
さらに第六実施形態では、追越シーンSnpと第2逆走シーンSn2との判別に、自車周囲の他車両の検出情報、及び追越対象TPの検出情報が用いられる。以上によれば、シーン判定部73は、対向車線Lnwへの自車のはみ出しについて、追い越しか逆走かを精度良く区別し得る。以上によれば、逆走防止コンテンツCTpの表示を適切に実施することが可能になるため、ドライバの利便性は、いっそう向上し得る。
(第七実施形態)
図18~図20に示す本開示の第七実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第七実施形態のHCU100(図3参照)は、ナビ情報に基づき経路案内コンテンツCTnvを表示する案内エリアGAにおいて、逆走防止コンテンツCTp(第1逆走防止コンテンツCTp1)を経路案内コンテンツCTnvと共に表示する。以下、図18及び図19に基づき、図1~図3を参照しつつ、第七実施形態の情報取得部72、シーン判定部73及び表示生成部76の詳細を説明する。
情報取得部72は、ナビゲーション装置52に設定された目的地までの経路情報を含むナビ情報に基づき、経路案内を実施する案内エリアGAを把握する。案内エリアGAは、右左折を行う交差点、分岐ポイント及び合流ポイント等である。情報取得部72は、ロケータ40から提供される高精度地図データを参照し、案内エリアGAに存在する進入禁止エリアAxeを把握する。
進入禁止エリアAxeは、自車の進入が禁止されているエリアであり、自車が逆走となってしまうエリア及び車両Aの走行自体が禁止されている非車道エリア等を含む。具体的に、交差点での経路案内シーンSnNでは、交差点に接続された複数の車線のうちで、自車の予定走行方向(図18 破線矢印参照)に対し、規定された走行方向が逆向きとなる車線が進入禁止エリアAxeとなる(図18 ドット範囲参照)。さらに、交差点での経路案内シーンSnNでは、交差点近傍の歩道も進入禁止エリアAxeとして把握される。また、インターチェンジ及びジャンクションでの経路案内シーンSnNでは、自車の予定走行方向に対し、規定された走行方向が逆向きとなる出口車線及び入口車線が進入禁止エリアAxeとなる。
シーン判定部73は、ナビゲーション装置52から情報取得部72に案内実施要求があった場合に、経路案内シーンSnNであると判定する。加えてシーン判定部73は、ナビ情報に基づいて経路案内を実施する案内エリアGAに関連した進入禁止エリアAxeが情報取得部72によって把握されていた場合、車両Aが逆走する可能性のある第1逆走シーンSn1であると判定する。
表示生成部76は、シーン判定部73にて経路案内シーンSnNであると判定された場合、案内エリアGAが画角VA内に位置するか否かを判定する。表示生成部76は、案内エリアGAが画角VA内に位置していると判定すると、経路案内を行う経路案内コンテンツCTnvを、案内エリアGA内の路面に重畳表示させる。一例として、交差点(十字路)にて右折の経路案内を行う場合、表示生成部76は、右方向を指し示す画像を、経路案内コンテンツCTnvとして表示させる(図19参照)。経路案内コンテンツCTnvは、路面に対し垂直な姿勢に視認されるよう描画される。
表示生成部76は、シーン判定部73にて、経路案内シーンSnNであり、かつ、第1逆走シーンSn1であると判定された場合に、情報取得部72にて把握された進入禁止エリアAxeが画角VA内に位置するか否かをさらに判定する。表示生成部76は、進入禁止エリアAxeが画角VA内に位置していると判定すると、経路案内コンテンツCTnvを重畳表示させる前景中に、進入禁止ペイントCTxを重畳表示させる。進入禁止ペイントCTxは、逆走防止コンテンツCTp及び第1逆走防止コンテンツCTp1に相当する重畳コンテンツCTsである。進入禁止ペイントCTxは、路面に沿った姿勢に視認されるよう描画される。
表示生成部76は、自車の案内エリアGAへの接近により、経路案内コンテンツCTnvの重畳表示を開始させるよりも前に、進入禁止ペイントCTxの重畳表示を開始させる。右折の経路案内が行われる案内エリアGAでは、自車のドライバから見て交差点の右側に、進入禁止ペイントCTxが重畳表示される。進入禁止ペイントCTxは、交差点の旋回側(右側)にのみ表示され、非旋回側(左側)には表示されない。表示生成部76は、逆走となる反対車線への進入を防ぐよう、反対車線の入口となる路面に進入禁止ペイントCTxを配置する。これにより、進入禁止ペイントCTxは、ドライバから見て、経路案内コンテンツCTnvの重畳位置よりも手前側の路面に重畳表示される。
表示生成部76は、進入禁止ペイントCTx及び経路案内コンテンツCTnvを順次表示させた後、自車が案内エリアGAにさらに接近すると、進入禁止ペイントCTxを経路案内コンテンツCTnvよりも先に非表示とする。具体的に、表示生成部76は、反対車線の入口となる路面が画角VAから外れるタイミングで、進入禁止ペイントCTxの表示を一時的に終了する。
表示生成部76は、進入禁止ペイントCTxの表示を中断した後も、上述の仮想レイアウト機能により、仮想空間中にて進入禁止ペイントCTxの表示レイアウトをシミュレーションする処理を継続する。これにより、経路案内コンテンツCTnvに従って自車が交差点内にて右旋回し、反対車線の入口路面が再び画角VA内となると、表示生成部76は、進入禁止ペイントCTxの重畳表示を再開させる。
表示生成部76は、左折の経路案内が行われる案内エリアGAでは、進入禁止ペイントCTxの重畳表示を中止する。左折の経路案内を行う場合、ドライバから見て、反対車線の入口路面は、経路案内コンテンツCTnvの重畳位置に対して奥側となる。故に、反対車線の入口路面に進入禁止ペイントCTxを重畳表示させてしまうと、進入禁止ペイントCTxは、経路案内コンテンツCTnvの少なくとも一部と重なってしまい得る。そのため、表示生成部76は、左折の経路案内が行われる案内エリアGAにおいて、経路案内コンテンツCTnvの重畳表示を、進入禁止ペイントCTxに対して優先的に実施する。
ここまで説明した第七実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、逆走防止コンテンツCTpとして重畳表示される進入禁止ペイントCTxにより、逆走に関わる詳細な情報がドライバに分かり易く提示され得る。したがって、ドライバの利便性を高めることが可能となる。
加えて第七実施形態では、経路案内コンテンツCTnvを重畳表示させる前景中に進入禁止エリアAxeが存在する場合、進入禁止ペイントCTxが、進入禁止エリアAxeへ向かう路面に重畳表示される。故に、経路案内シーンSnNにおいて、経路案内コンテンツCTnvによる案内を誤認したドライバが自車を誤って進入禁止エリアAxeに進入させてしまう事態は、回避される。このように、経路案内コンテンツCTnvと共に進入禁止ペイントCTxが表示されることで、ドライバは、経路案内コンテンツCTnvによって案内されている正しい進路を認識し易くなる。
また第七実施形態では、経路案内コンテンツCTnvの表示開始前に、経路案内コンテンツCTnvの重畳位置よりも手前側の路面に、進入禁止ペイントCTxが重畳表示される。こうした重畳コンテンツの順次表示によれば、ドライバは、進入禁止ペイントCTxを見落とし難くなる。加えて、進入禁止ペイントCTxが先に表示されるため、ドライバは、進入禁止エリアAxeの存在を把握したうえで、経路案内コンテンツCTnvに従って自車の進行方向を決定できる。以上によれば、ドライバは、より確実に自車を正しい進路に向けることができる。
さらに第七実施形態では、案内エリアGAとなる交差点での旋回開始後に、進入禁止ペイントCTxを再表示させることができる。故に、ドライバが右操舵を行う運転操作を誤り、自車が反対車線に向かおうとした場合、進入禁止ペイントCTxは、ドライバ正面の路面に重畳表示される。その結果、進入禁止ペイントCTxは、反対車線へ向かっていることを、明確に警告し得る。以上のように、進入禁止ペイントCTxの再表示は、自車の逆走を止める効果をより確実に発揮できる。
また、第七実施形態による表示生成部76は、図20に示すような多叉路(6叉路)における経路案内シーンSnNでも、進入禁止ペイントCTxを経路案内コンテンツCTnvと共に重畳表示させる。表示生成部76は、進入禁止ペイントCTxと同様に、路面に沿った姿勢に視認されるように経路案内コンテンツCTnvを描画することもできる。
詳記すると、ナビゲーション装置52に設定された自車の予定走行経路(図20 破線矢印参照)が、多叉路に接続された右奥側の道路へ向かう内容である場合、表示生成部76は、右手前側の道路の入口路面に、進入禁止ペイントCTxを重畳表示させる。進入禁止ペイントCTxは、右手前側の道路の進入禁止エリアAxeへ向かう入口路面のみに重畳表示されてもよく、右手前側の道路の入口路面の全体に重畳表示されてもよい。表示生成部76は、予定走行経路となる右奥側の道路に進入禁止エリアAxeが把握されていても、右奥側の道路への進入禁止ペイントCTxの重畳表示を実施しない。右手前側の道路に重畳表示された進入禁止ペイントCTxは、当該道路の反対車線への進入を防ぐ効果に加えて、右奥側の道路の正しい車線にドライバを誘導する効果を発揮できる。
尚、第七実施形態では、情報取得部72が「エリア把握部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態の変形例1では、第1逆走シーンSn1及び第2逆走シーンSn2が区別されない。シーン判定部73は、逆走予兆操作がある場合又は自車が対向車線Lnwを走行している場合に、所定逆走シーンSnXであると判定する。また、上記実施形態の変形例2では、第1逆走シーンSn1及び第2逆走シーンSn2のうちの一方のみが所定逆走シーンSnXとして予め想定されている。尚、変形例1,2では、逆走防止コンテンツCTpは、一種類のみとされてよい。
上記実施形態の変形例3では、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示終了条件(図9
S103参照)が上記実施形態とは異なっている。例えば変形例3では、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示開始から所定時間が経過し、且つ、逆走予兆操作が解消された場合に、第1逆走防止コンテンツCTp1の表示が終了される。
また、上記実施形態の変形例4では、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示終了条件(図9 S106参照)が上記実施形態とは異なっている。例えば変形例4では、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示開始から所定時間が経過した場合に、第2逆走防止コンテンツCTp2の表示が終了される。又は、対向車TAを検知した場合に、対向車TAの視認を妨げないよう第2逆走防止コンテンツCTp2の表示が終了されてもよい。
上記実施形態の変形例5では、区画物標Obの有無を判定するシーン判定部73の処理が省略されている。その結果、表示生成部76は、区画物標Obの有無に関わらず、所定逆走シーンSnXである旨の判定に基づき、逆走防止コンテンツCTpを表示させる。また、上記実施形態の変形例6では、シーン判定部73にて区画物標Obの存在が把握された場合、表示生成部76は、映像データへの逆走防止コンテンツCTpの描画データの描画だけでなく、逆走防止コンテンツCTpの描画データの準備も中断する。
上記第六実施形態の変形例7では、追越シーンと逆走シーンとを判別する条件が第六実施形態と異なっている。具体的に、変形例7では、自車が追越禁止車線にはみ出していても、追越対象TPが存在する場合には、逆走防止コンテンツCTpの表示が保留される。変形例7では、追越禁止車線にはみ出している場合、追越可能車線にはみ出しているよりも、保留時間が短く設定される。即ち、追越禁止車線にはみ出す追越シーンSnpでは、はみ出し後の経過時間を判定する所定時間(図17 S208参照)が、追越可能車線にはみ出す追越シーンSnpよりも短く変更される。
上記第七実施形態の変形例8~変形例10では、経路案内コンテンツCTnv及び逆走防止コンテンツCTp(進入禁止ペイントCTx)の表示制御の内容が、第七実施形態と異なっている。具体的に、変形例8において、表示生成部76は、経路案内コンテンツCTnvと逆走防止コンテンツCTpとを実質同時に表示させる。即ち、表示生成部76は、経路案内コンテンツCTnvの重畳位置が画角VA内となったタイミングで、経路案内コンテンツCTnv及び逆走防止コンテンツCTpの重畳表示を開始させる。
変形例9の表示生成部76は、自車が左折を行う交差点においても、逆走防止コンテンツCTpを表示させる。表示生成部76は、自車が右折を行う案内エリアGAでは、経路案内コンテンツCTnvよりも手前側に逆走防止コンテンツCTpを重畳表示させる。一方、表示生成部76は、自車が左折を行う案内エリアGAでは、経路案内コンテンツCTnvよりも奥側に逆走防止コンテンツCTpを重畳表示させる。
以上の変形例9のように、HUD20の画角VAが、経路案内コンテンツCTnv及び逆走防止コンテンツCTpの重なりを回避できる程度に広く確保されていれば、左折を行う案内エリアGAでも、逆走防止コンテンツCTpが表示されてよい。また、HUD20の画角VAが十分でない形態では、左折を行う案内エリアGAでは、進入禁止エリアAxeへの進入を注意喚起するアイコン状の非重畳コンテンツが、逆走防止コンテンツCTpとして画角VA内に表示されてもよい。
変形例10の表示生成部76は、操舵角センサ62にて検出されるハンドル角を示す操舵情報を参照し、ハンドル角が所定の角度以上である場合に、逆走の可能性がる第1逆走シーンSn1であると判定し、逆走防止コンテンツCTpを重畳表示させる。これにより、交差点内にて自車が正しい走行車線Lncへ向けて進んでいる場合、逆走防止コンテンツCTpの再表示が中止される。
経路案内シーンSnNにて、逆走防止コンテンツCTpとして表示される進入禁止ペイントCTxの重畳位置は、例えばHUD20の画角VAに応じて適宜変更されてよい。一例として、HUD20の画角VAが十分に広ければ、進入禁止エリアAxeの入口路面に限定されず、進入禁止エリアAxeの複数箇所に進入禁止ペイントCTxが重畳表示されてよい。さらに、経路案内シーンSnNにて重畳表示される逆走防止コンテンツCTpの様態も、進入禁止ペイントCTxに限定されず、適宜変更可能である。例えば、仮想バリアCTb(図4参照)、仮想対向車CTc(図5参照)及び仮想歩行者、並びに逆方向矢印CTr(図12参照)等が、逆走防止コンテンツCTpとして、経路案内シーンSnNにおいて表示されてよい。
上記実施形態では、自車が対向車線Lnwを走行する逆走シーンが例示されていたが、逆走防止コンテンツCTpは、種々の逆走シーンにおいて表示されてよい。例えば、交差点の右左折にて誤った車線に進入した場合、誤って高速道路に連結された出口側のインターチェンジに進入した場合、並びに歩道及び線路等の車道ではないエリアに進入した場合等が、所定逆走シーンSnXとして予め想定されてよい。
さらに、表示生成部76は、逆走中のエリアの違いにより、逆走防止コンテンツCTpの様態を変更可能であってよい。一例として、シーン判定部73は、中央線CLの種別、具体的には、中央線CLの色及び形状の違いを把握する。表示生成部76は、中央線CLが白色の破線、白色の実線及び黄色(オレンジ色)の実線のいずれであるかに応じて、逆走防止コンテンツCTpを用いた注意喚起の方法を変更する。
上記実施形態にて説明した逆走防止コンテンツCTpの様態は、一例である。具体的には、コンテンツ形状、表示位置、表示色及び表示輝度等の静的な要素、並びに点滅の有無、点滅の周期、アニメーションの有無及びアニメーションの動作等の動的な要素は、適宜変更されてよい。さらに、例えばドライバの嗜好に応じて、逆走防止コンテンツCTpの静的又は動的な要素が変更可能であってよい。
上記実施形態のHCUは、ドライバから見て重畳対象に重畳コンテンツがずれなく重畳されるように、DSMにて検出されるアイポイントの位置情報を用いて、重畳コンテンツCTsとして結像される虚像光の投影形状及び投影位置を逐次制御していた。しかし、上記実施形態の変形例11によるHCUは、DSMの検出情報を用いることなく、予め設定された基準アイポイント中心の設定情報を用いて、重畳コンテンツとして結像される虚像光の投影形状及び投影位置を制御する。
HUD20の具体的な構成は、適宜変更可能である。例えば変形例12では、HUDのプロジェクタに、LCDパネル及びバックライトに替えて、EL(Electro Luminescence)パネルが設けられている。さらに、ELパネルに替えて、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管及びLED等の表示器を用いたプロジェクタがHUDには採用可能である。
変形例13のHUDには、LCD及びバックライトに替えて、レーザモジュール(以下、LSM)及びスクリーンが設けられている。LSMは、例えばレーザ光源及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ等を含む構成である。スクリーンは、例えばマイクロミラーアレイ又はマイクロレンズアレイである。こうしたHUDでは、LSMから照射されるレーザ光の走査により、スクリーンに表示像が描画される。HUDは、スクリーンに描画された表示像を、拡大光学素子によってウィンドシールドに投影し、虚像を空中表示させる。
変形例14のHUDには、DLP(Digital Light Processing,登録商標)プロジェクタが設けられている。DLPプロジェクタは、多数のマイクロミラーが設けられたデジタルミラーデバイス(以下、DMD)と、DMDに向けて光を投射する投射光源とを有している。DLPプロジェクタは、DMD及び投射光源を連携させた制御により、表示像をスクリーンに描画する。変形例15のHUDでは、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いたプロジェクタが採用されている。変形例16のHUDには、虚像を空中表示させる光学系の一つに、ホログラフィック光学素子が採用されている。
上記実施形態の変形例17では、フロントカメラ31の撮像データであって、自車の前景を撮像した撮像データを取得するカメラ画像取得部が、HCU100に設けられている。表示生成部76は、撮像データに基づく前景のリアル画像に、逆走防止コンテンツCTpの元画像を重ねてなる映像データを生成する。こうした映像データに基づき、HUD20は、リアル画像に逆走防止コンテンツCTpを重ねた表示を、前景に虚像として投影する。以上の変形例17のように、HUD20の画角VAが十分でない場合、ARコンテンツが画角VAからは外れるシーン等において、AR表示に用いられるコンテンツ等の元画像をリアル画像に重ねた虚像表示が実施されてもよい。
上記実施形態の変形例18では、HCUとHUDとが一体的に構成されている。即ち、変形例18のHUDの制御回路には、HCUの処理機能が実装されている。こうした変形例では、HUDが、「表示制御装置」に相当する。さらに、メータECU、ナビゲーションECU及びディスプレイオーディオECU等にHCUの処理機能が実装されていてもよい。こうした変形例では、メータ装置、ナビゲーション装置及びディスプレイオーディオ装置がそれぞれ「表示制御装置」に相当する。
上記実施形態にて、HCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
また、上記の表示制御方法を実現可能なプログラム等を記憶する記憶媒体(持続的有形コンピュータ読み取り媒体,non-transitory tangible storage medium)の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、HCUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、HCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による逆走防止を目的としたコンテンツ表示は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化される。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
A 車両、Axe 進入禁止エリア、CL 中央線、CTnv 経路案内コンテンツ、CTp 逆走防止コンテンツ、CTf 順方向矢印(順方向コンテンツ)、CTr 逆方向矢印(逆方向コンテンツ)、Lnc 走行車線、Lnw 対向車線、Ob 区画物標(障害物)、TP 追越対象、Snp 追越シーン、SnN 経路案内シーン、SnX 所定逆走シーン、Sn1 第1逆走シーン、Sn2 第2逆走シーン、11 処理部、20 HUD(ヘッドアップディスプレイ)、64 方向指示スイッチ(方向指示器)、72 情報取得部(エリア把握部)、73 シーン判定部、76 表示生成部(表示制御部)、100 HCU(表示制御装置)

Claims (17)

  1. 車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御装置であって、
    前記車両の逆走に関連して予め想定された所定逆走シーン(SnX)か否かを判定するシーン判定部(73)と、
    前記所定逆走シーンとなった場合に、前記車両が正しい走行車線(Lnc)を走行するように誘導する逆走防止コンテンツ(CTp)を、前記ヘッドアップディスプレイによって前景中の路面に重畳表示させる表示制御部(76)と、
    を備える表示制御装置。
  2. 前記シーン判定部は、前記車両が逆走しそうな第1逆走シーン(Sn1)か否かを判定する第1シーン判定と、前記車両が逆走をしている第2逆走シーン(Sn2)か否かの第2シーン判定とを、前記所定逆走シーンか否かの判定に含む請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記シーン判定部は、前記車両を運転するドライバの操作に関連する操作情報に基づき、前記第1逆走シーンか否かを判定する請求項2に記載の表示制御装置。
  4. 前記表示制御部は、前記シーン判定部にて前記第1逆走シーンと判定された場合に、前記操作情報の示す前記ドライバの操作内容に応じて、前記逆走防止コンテンツの内容を変化させる請求項3に記載の表示制御装置。
  5. 前記表示制御部は、
    前記車両の方向指示器(64)のオン操作に基づき前記逆走防止コンテンツの表示を開始し、
    前記走行車線と対向車線(Lnw)との境界となる中央線(CL)に前記車両を接近させる操舵操作に基づき、前記オン操作に基づき表示させた前記逆走防止コンテンツを強調様態に変化させる請求項4に記載の表示制御装置。
  6. 前記表示制御部は、前記シーン判定部にて前記第1逆走シーンであると判定された場合に、前記逆走防止コンテンツの表示開始から所定時間が経過するまで、又は前記第1逆走シーンである旨の判定の原因となった前記ドライバの操作が解消されるまで、前記逆走防止コンテンツの表示を継続させる請求項3~5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  7. 前記表示制御部は、前記第1逆走シーンであるとの判定に基づき前記逆走防止コンテンツを表示させた後、前記車両の走行シーンが前記第2逆走シーンに移行した場合、前記第1逆走シーンにて表示させた前記逆走防止コンテンツとは異なる前記逆走防止コンテンツを表示させる請求項2~6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  8. 前記表示制御部は、前記第1逆走シーンであるとの判定に基づき前記逆走防止コンテンツを表示させた後、前記車両の走行シーンが前記第2逆走シーンに移行した場合、前記第1逆走シーンにて開始された前記逆走防止コンテンツの表示を継続させつつ、前記逆走防止コンテンツの様態を前記第1逆走シーンよりも強調する請求項2~6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  9. 前記表示制御部は、前記第2逆走シーンにて表示させる前記逆走防止コンテンツの少なくとも一部を、前記車両が走行すべき前記走行車線の路面に重畳表示させる請求項7又は8の記載の表示制御装置。
  10. 前記表示制御部は、前記シーン判定部にて前記第2逆走シーンであると判定された場合に、前記車両が前記走行車線に戻るまで前記逆走防止コンテンツの表示を継続させる請求項2~9のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  11. 前記シーン判定部は、前記車両が追越対象(TP)を追い越す追越シーン(Snp)か否かをさらに判定し、
    前記表示制御部は、前記シーン判定部にて前記追越シーンであると判定された場合に、前記ヘッドアップディスプレイによる前記逆走防止コンテンツの重畳表示を保留する請求項1~10のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  12. 前記車両の進入が禁止されている進入禁止エリア(Axe)を把握するエリア把握部(72)をさらに備え、
    前記表示制御部は、経路案内を行う経路案内コンテンツ(CTnv)を重畳表示させる前景中に前記進入禁止エリアが存在する場合、前記進入禁止エリアへ向かう路面に前記逆走防止コンテンツを重畳表示させる請求項1~11のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  13. 前記表示制御部は、前記経路案内コンテンツの表示が開始されるよりも前に、前記経路案内コンテンツの重畳位置よりも手前側の路面に、前記逆走防止コンテンツを重畳表示させる請求項12に記載の表示制御装置。
  14. 前記表示制御部は、前記シーン判定部にて前記所定逆走シーンであると判定された場合に、前記逆走防止コンテンツとして、対向車線(Lnw)の走行方向を示す逆方向コンテンツ(CTr)を表示させた後、前記走行車線の走行方向を示す順方向コンテンツ(CTf)を表示させる請求項1~13のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  15. 前記シーン判定部は、前記走行車線と対向車線(Lnw)との間に存在する障害物(Ob)の有無をさらに判定し、
    前記表示制御部は、前記障害物が存在する場合に、前記ヘッドアップディスプレイによる前記逆走防止コンテンツの重畳表示を中断する請求項1~14のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  16. 前記シーン判定部は、前記障害物が存在する場合でも、前記所定逆走シーンか否かの判定を継続し、
    前記表示制御部は、前記障害物が存在する場合でも、前記シーン判定部にて前記所定逆走シーンであると判定されている期間では、前記逆走防止コンテンツの描画データの準備を継続する請求項15に記載の表示制御装置。
  17. 車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(11)に、
    前記車両の逆走に関連して予め想定された所定逆走シーン(SnX)か否かを判定し(S101,S104,S202,S206)、
    前記所定逆走シーンとなった場合に、前記車両が正しい走行車線(Lnc)を走行するように誘導する逆走防止コンテンツ(CTp)を、前記ヘッドアップディスプレイによって前景中の路面に重畳表示させる(S102,S105,S203,S210)、
    ことを含む処理を実施させる表示制御プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023233447A1 (ja) * 2022-05-30 2023-12-07 マクセル株式会社 仮想オブジェクトを表示する装置およびその表示方法

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