JP2021046862A - 流量制御弁および冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】弁体の回転駆動トルクを低減できる流量制御弁を提供する。【解決手段】エンジンの冷却回路に設けられる流量制御弁4は、弁体収容部43と、主連通孔44と、エンジンの冷却回路に設けられたラジエータとの間で流体が流通する副連通孔46と、を有するハウジング40と、流体流入部54と、主開口部と、副開口部と、を有し、弁体50と、弁体を回転駆動する駆動機構60と、シール部材76と、を備え、弁体の回転駆動時、主連通孔と主開口部、副連通孔と副開口部のそれぞれが重なり合わない第1回転位置と、主連通孔と主開口部が重なり合う一方で、副連通孔と副開口部が重なり合わず、流体が主連通孔と副連通孔の間で隙間部を介して漏れ出す第2回転位置と、主連通孔と主開口部、副連通孔と副開口部のそれぞれが重なり合う第3回転位置と、に調整される。【選択図】図4

Description

本発明は、流量制御弁および冷却システムに関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。特許文献1には、弁ハウジング内に回動可能に設けられた弁体を有する流量制御弁が開示されている。弁ハウジングにはエンジンからの温水が流量制御弁内に流入する温水入口パイプと、流入した温水を熱交換器に向けて流出させる温水出口パイプが一体に形成されている。温水入口ポイプと弁体との間、および、温水出口パイプと弁体との間には、ゴム等の弾性材からなるシール部材が設けられている。
特許第3341523号公報
上記特許文献1の技術にあっては、シール部材が温水入口ポイプと弁体との間、および、温水出口パイプと弁体との間に設けられており、弁体とシール部材との間の摺動抵抗が大きくなる。そのため、弁体を回転させる際の回転トルクが過大となるおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、ハウジング内の弁体を回転駆動させる際のトルクを低減することができる流量制御弁および冷却システムを提供することである。
上記目的を達成するため、第1の発明では、エンジンの冷却回路に設けられる流量制御弁は、ハウジング周壁によって中空状に形成された弁体収容部と、ハウジング周壁に形成され、弁体収容部とエンジンとの間で流体が流通する主連通孔と、ハウジング周壁に形成され、弁体収容部とエンジンの冷却回路に設けられたラジエータとの間で流体が流通する副連通孔と、を有するハウジングと、弁体周壁によって中空状に形成された流体流入部と、弁体周壁に形成され流体流入部と主連通孔が連通する主開口部と、弁体周壁に形成され流体流入部と副連通孔とを連通する副開口部と、を有し、弁体収容部内の内周面と弁体周壁の外周面との間に隙間部を有する弁体と、弁体を回転駆動する駆動機構と、主連通孔と弁体との間に設けられ、弁体外周壁の外周面に当接することで弁体と主連通孔との間をシールするシール部材と、を備え、弁体は、駆動機構に回転駆動されることによって、主連通孔と主開口部、副連通孔と副開口部のそれぞれが重なり合わない第1回転位置と、主連通孔と主開口部が重なり合う一方で、副連通孔と副開口部が重なり合わず、流体が主連通孔と副連通孔の間で隙間部を介して漏れ出す第2回転位置と、主連通孔と主開口部、副連通孔と副開口部のそれぞれが重なり合う第3回転位置と、に調整されるようにした。
第2の発明では、冷却システムは、流入した流体を冷却するラジエータと、ラジエータを経由するように設けられ、ラジエータにおいて冷却された流体を循環させることでエンジンの冷却に供する回路と、回路内を循環する流体の流量を制御する流量制御弁と、を有し、流量制御弁は、ハウジング周壁によって中空状に形成された弁体収容部と、ハウジング周壁に形成され、弁体収容部とエンジンとの間で流体が流通する主連通孔と、ハウジング周壁に形成され、弁体収容部とラジエータとを連通し流体が流通する副連通孔と、を有するハウジングと、弁体周壁によって中空状に形成された流体流入部と、弁体周壁に設けられ流体流入部と主連通孔と連通する主開口部と、弁体周壁に設けられ流体流入部と副連通孔とを連通する副開口部と、を有し、弁体収容部内の内周面と前記弁体周壁の外周面との間に隙間部を有した弁体と、弁体を回転駆動する駆動機構と、主連通孔と弁体との間に設けられ、弁体外周壁の外周面に当接することで弁体と主連通孔との間をシールするシール部材と、を備え、弁体は、駆動機構に回転駆動されることによって、主連通孔と主開口部、副連通孔と副開口部のそれぞれが重なり合わない第1回転位置と、主連通孔と主開口部が重なり合う一方で、副連通孔と副開口部が重なり合わず、流体が隙間部を介して主連通孔と副連通孔の間で流れる第2回転位置と、主連通孔と主開口部、副連通孔と副開口部のそれぞれが重なり合う第3回転位置と、に調整されるようにした。
よって、エンジンの温度上昇速度に影響を与える主連通孔にシール部材を配置し、冷却水の漏れを確実に抑制するとともに、エンジンの温度上昇速度に比較的影響の少ない副連通孔には、シール部材を配置せず、クリアランス管理でシールする隙間部を設けたので、弁体に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体を回転させる際のフリクションを低減することができるので、駆動機構の小型化も図ることができる。
実施例1のエンジンを冷却する冷却水の循環回路の構成を示す模式図である。 実施例1のメカニカルコントロールバルブを制御する制御ブロック図である。 実施例1のメカニカルコントロールバルブの外観図である。 実施例1のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 実施例1のメカニカルコントロールバルブの分解斜視図である。 実施例1の弁体を示す図である。 実施例1の駆動機構を示す図である。 実施例1の駆動軸周辺の図である。 実施例1のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 実施例1のメカニカルコントロールバルブの作動状態を示す図である。 実施例2のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 実施例2のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 実施例3の第2副連通孔付近の断面図である。 実施例4のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 実施例4のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 実施例5の駆動機構を示す図である。 実施例6のエンジンを冷却する冷却水の循環回路の構成を示す模式図である。 他の実施例のメカニカルコントロールバルブの断面図である。 他の実施例のメカニカルコントロールバルブの断面図である。
〔実施例1〕
[冷却水回路の構成]
図1はエンジン1を冷却する冷却水の循環回路の構成を示す模式図である。ポンプ2によりエンジン1に冷却水が圧送される。エンジン1を冷却した冷却水は電子制御スロットルボディ(ETB: Electronic Throttle Body)3に送られる。電子制御スロットルボディ3では、エンジン1から流出した冷却水の温度に応じてスロットル開度を制御している。電子制御スロットルボディ3に流入した冷却水はポンプ2の吸入側に戻される。
エンジン1から流出した冷却水は、流量制御弁としてのメカニカルコントロールバルブ(MCV: Mechanical control valve)4に送られる。メカニカルコントロールバルブ4は、エンジン1から流出した冷却水の全量をエンジン1に戻す全閉状態(第1回転位置)、キャビンヒータ5に供給する第1開弁状態(第2回転位置)、冷却水をキャビンヒータ5に加えて、別の外部の装置としてのオイルクーラ(OC)6に供給する第2開弁状態(第2回転位置)、冷却水をキャビンヒータ5、オイルクーラ6に加えてラジエータ7に供給する全開状態(第3回転位置)を切り替える。
キャビンヒータ5は、車室内の暖房を行うために車室内の空気を加熱する熱交換器である。オイルクーラ6は、エンジン1内を潤滑するエンジンオイルを冷却する熱交換器である。ラジエータ7は、例えば車両の走行風により冷却水を冷却する熱交換器である。
[制御ブロック図]
図2はメカニカルコントロールバルブ4を制御する制御ブロック図である。メカニカルコントロールバルブ4は、エンジン1を制御するエンジンコントロールユニット10によって、前述の全閉状態、第1開弁状態、第2開弁状態、全開状態を切り替える制御がされる。
エンジンコントロールユニット10は、電子制御スロットルボディ3に設けられた冷却水の温度を検出する水温センサ11から冷却水の温度情報を入力する。なお、水温センサ11は電子制御スロットルボディ3に設けられたものに限らず、別の場所に設けられたものであっても良い。エンジンコントロールユニット10は、エンジン負荷センサ12からエンジン負荷情報を入力する。エンジン負荷センサ12は、エンジン負圧やスロットル開度からエンジン負荷を推定して、エンジン負荷情報として出力するものであっても良い。エンジンコントロールユニット10は、路面状況判断センサ13から路面状況情報を入力する。路面状況判断センサ13は、赤外線等を路面に照射して路面状況を判断するものや、タイヤのスリップ率等から路面状況を判断するものなど特に限定しない。
エンジンコントロールユニット10は、上述の冷却水の温度情報、エンジン負荷情報、路面状況情報等から、目標とするメカニカルコントロールバルブ4の状態(全閉状態、第1開弁状態、第2開弁状態、全開状態)を設定する。エンジンコントロールユニット10は、メカニカルコントロールバルブ4に備えられた角度センサ14の角度信号情報をもとに、メカニカルコントロールバルブ4が設定した目標状態となるように、メカニカルコントロールバルブ4を制御する。角度センサ14はメカニカルコントロールバルブ4内に設けられ、メカニカルコントロールバルブ4内の弁体50の回転位置を検出する。メカニカルコントロールバルブ4の全閉状態、第1開弁状態、第2開弁状態、全開状態は、弁体50の回転位置に応じて切り替えられる。
[メカニカルコントロールバルブの構成]
図3はメカニカルコントロールバルブ4の外観図である。図4はメカニカルコントロールバルブ4の断面図である。図5はメカニカルコントロールバルブ4の分解斜視図である。図6は弁体50を示す図である。図7は駆動機構60を示す図である。図8は駆動軸63周辺の図である。
メカニカルコントロールバルブ4は、中空状に形成されたハウジング40と、ハウジング40内に回転可能に収容された弁体50と、弁体の一端側に設けられ、弁体50を回転駆動させる駆動機構60とを有している。
(ハウジングの構成)
図3,4,5を用いて以下にハウジング40の構成を説明する。ハウジング40は、例えばアルミニウム合金材料により鋳造により製造される。ハウジング40は、概ね有底カップ状に形成されている。ハウジング40の内部は、一端側が開口し、他端側は底部41によって大部分が覆われている。底部41には、外部と連通する挿入孔41aが形成されている。ハウジング40はハウジング周壁を備え、このハウジング周壁の内周面42と底部41とによって弁体収容部43が形成されている。
ハウジング40の外周面には、主連通孔44が設けられている。主連通孔44は、ハウジング40の径方向に延びるように形成されている。主連通孔44は管状であり、弁体収容部43内に開口している。主連通孔44はハウジング40の軸方向に対して、ほぼ中央部に設けられている。主連通孔44はエンジン1と接続している。主連通孔44には、エンジン1を冷却した冷却液が流入する。
ハウジング40の外周面には、第2副連通孔(副副連通孔)45が設けられている。第2副連通孔45は、ハウジング40の径方向に対して一端側(開口部側)に倒れるように(斜めに)延びて形成されている。第2副連通孔45は管状であり、弁体収容部43内に開口している。第2副連通孔45の弁体収容部43への開口部は、主連通孔44の弁体収容部43への開口部よりもハウジング40の軸方向一端側に設けられている。第2副連通孔45は、オイルクーラ6と接続されている。第2副連通孔45からオイルクーラ6に冷却水が流出する。
ハウジング40の外周面には、第3副連通孔(副連通孔)46が設けられている。第3副連通孔46は、ハウジング40の径方向に対して他端側(底部41側)に倒れる倒れるように(斜めに)延びて形成されている。第3副連通孔46は管状であり、弁体収容部43内に開口している。第3副連通孔46の弁体収容部43への開口部は、主連通孔44の弁体収容部43への開口部よりもハウジング40の軸方向他端側に設けられている。つまり、第2副連通孔45は、ハウジング40の軸方向において主連通孔44を挟んで第3副連通孔46と反対側に設けられている。第3副連通孔46は、ラジエータ7と接続されている。第3副連通孔46からラジエータ7に冷却水が流出する。
内周面42の開口端は軸受保持部42aを構成している。内周面42であって、軸受保持部42aに隣接した位置には大径部42bが形成されている。大径部42bの内径は、軸受保持部42aの内径よりも小径に形成されている。
内周面42であって、底部41に隣接する位置に小径部42dが形成されている。小径部42dの内径は、大径部42bの内径よりも小径に形成されている。内周面42であって、大径部42bと小径部42dとの間には球面部42cが形成されている。球面部42cは、内周面が球面状に形成されている。
弁体収容部43の一端側開口部は、弁体50が弁体収容部43に収容されたのちに、ハウジング周壁を形成するカバー47によって閉塞される。カバー47は、例えばアルミニウム合金材料により鋳造により製造される。カバー47の外径は、軸受保持部42aの内径とほぼ同じに形成されている。カバー47は軸受保持部42aに圧入されている。カバー47は円盤状の蓋部47aの中心部に、ハウジング40の軸方向外側に延びる第1副連通孔48が形成されている。第1副連通孔48は、キャビンヒータ5に接続されている。第1副連通孔48からキャビンヒータ5に冷却液が流出する。
ハウジング40には、弁体収容部43の軸方向に対して径方向にずれた位置にモータ収容部49が形成されている。モータ収容部49は有底カップ状に形成されており、他端側が開口している。弁体収容部43とモータ収容部49とは連通せず、壁により仕切られている。
(弁体の構成)
図4,5,6を用いて以下に弁体50の構成について説明する。弁体50はハウジング40の弁体収容部43内に、ハウジング40の軸周りに回転可能に収容されている。ハウジング40の軸方向と、弁体50の回転軸の方向とは一致するように設けられている。
弁体50は、弁体収容部43の一端側に配置される大径部51と、弁体収容部43の他端側に配置される小径部53と、大径部51と小径部53の間に設けられる球体部52と、を有しており、弁体周壁は大径部51の、小径部53及び球体部52の外周面から形成されている。
大径部51は円筒形状に形成されている。大径部51の外径は、ハウジング40の内周面42の大径部42bの内径よりも若干小さく、弁体50が弁体収容部43内で回動可能に形成されている。ハウジング40の軸受保持部42aには、滑り軸受75が保持されている。滑り軸受75の内周面は、大径部51の外周面と接しており、弁体50を回転可能に支持している。
小径部53は円筒状に形成されている。小径部53の外径は、ハウジング40の内周面42の小径部42dの内径よりも若干小さく、弁体50が弁体収容部43内で回動可能に形成されている。
球体部52の外周面の大部分はほぼ球体状に形成されている。球体部52の球面部分の外径は、ハウジング40の内周面42の球面部42cの内径よりも若干小さく、弁体50が弁体収容部43内で回動可能に形成されている。
弁体50(弁体周壁)は中空状に形成されており、その内部は流体流入部54を構成している。流体流入部54は、弁体50の軸方向において大径部51とオーバラップする位置に大径部54aが形成されている。弁体50の軸方向において球体部52とオーバラップする位置に中径部54bが形成されている。中径部54bの内径は、大径部54aの内径よりも小さく形成されている。
中径部54bに対して弁体50の軸方向の他端側に隣接する位置にテーパ部54cが形成されている。テーパ部54cの一端側の内径は中径部54bの内径と同じ大きさに形成され、他端側の内径は後述する小径部54dの内径と同じ大きさに形成され、一端側から他端側に向かって徐々に内径が小さくなるように形成されている。テーパ部54cに対して弁体50の軸方向の他端側に隣接する位置に小径部54dが形成されている。小径部54dはの内径は、中径部54bの内径よりも小さく形成されている。小径部54dには円筒状のシール部材55が圧入されている。
弁体周壁の一部である球体部52の側面(弁体50の回転軸に対して径方向)には、外部と流体流入部54とを連通する主開口部56aが形成されている。主開口部56aは、弁体50の回転位置が所定範囲にあるときに、主連通孔44と連通する。弁体周壁の内部に形成された流体流入部54の他端側開口部(駆動機構が設けられた一端側に対して反対側の他端側の開口部)は、第1副開口部56bを構成している。第1副開口部56bは、弁体50の回転位置に関わらず、第1副連通孔48と連通している。弁体周壁の一部である大径部51の側面(弁体50の回転軸に対して径方向)には、外部と流体流入部54とを連通する第2副開口部56cが形成されている。第2副開口部56cは、弁体50の回転位置が所定範囲にあるときに、第2副連通孔45と連通する。弁体周壁の一部である小径部53の側面(弁体50の回転軸に対して径方向)には、外部と流体流入部54とを連通する第3副開口部(副開口部)56dが形成されている。第3副開口部56dは、弁体50の回転位置が所定範囲にあるときに、第3副連通孔46と連通する。
(駆動機構の構成)
図4,5,7,8を用いて、駆動機構60について説明する。駆動機構60はモータ61と、減速機62と、駆動軸63から構成されている。
モータ61はエンジンコントロールユニット10により制御される電動モータである。モータ61はハウジング40のモータ収容部49に収容されている。モータ61の出力軸には、減速機62を構成する第1ウォーム62aが出力軸と一体に回転するように設けられている。
減速機62は、第1ウォーム62a、第1ウォームホイール62b、第2ウォーム62c、第2ウォーム62dを有している。第1ウォーム62aは前述のようにモータ61の出力軸と一体に回転するように設けられている。第1ウォーム62aは、第1ウォームホイール62bと噛み合っている。第1ウォームホイール62bおよび第2ウォーム62cは、一体に回転するように形成されている。第1ウォームホイール62bおよび第2ウォーム62cは、ハウジング40の底部41から軸方向他端側に延びて形成された2本の軸支部41bにより回転可能に支持されている。第2ウォーム62cは、第2ウォームホイール62dと噛み合っている。第2ウォームホイール62dは、駆動軸63の先端部に、駆動軸63と一体に回転するように設けられている。減速機62は、有底カップ状に形成されたギヤハウジング64内に収容されている。
駆動軸63の一端部(第2ウォームホイール62dが装着される側と反対側の先端部)は、弁体50のシール部材55に圧入されている。駆動軸63は弁体50と一体に回転する。駆動軸63の一端部をシール部材55に圧入した状態で、駆動軸63には一端側から順に第1軸受70、液密シール71、ダストシール72が装着される。第1軸受70、液密シール71、ダストシール72が駆動軸63に装着された状態で、駆動軸63はハウジング40の底部41に形成された挿入孔41aに挿入される。駆動軸63の他端側は、挿入孔41aを貫通してハウジング40の外部に突出する。ハウジング40の外部に突出した駆動軸63の先端側から第2軸受73が装着される。これにより駆動軸63は挿入孔41aの軸方向両端から第1軸受70と第2軸受73によって支持されている。駆動軸63の先端に第2ウォームホイール62dが装着される。駆動軸63に第2ウォームホイール62dが装着された後に、駆動軸63の先端にはストッパ74が取り付けられる。第2ウォームホイール62dは、第2軸受73とストッパ74とにより駆動軸63の軸方向に対して位置決めがなされている。
[シールの構成]
図9は図4におけるA-A断面図である。図9の左側の図は、主連通孔44と弁体50の主開口部56aとが連通していない状態を示す図である。図9の右側の図は、主連通孔44と主開口部56aとが連通している状態を示す図である。
図4,5,9を用いてシール部材76について説明する。主連通孔44の内部にはシール部材76が設けられている。シール部材76は、シール本体部76aと、スプリング76bと、リテーナ76cから構成されている。シール本体部76aは円筒状に形成されている。シール本体部76aの先端は、弁体50の球体部52の外周面に当接する。シール本体部76aの先端は、球体部52の外周面の形状に沿って球面状に形成されている。スプリング76bは、シール本体部76aとリテーナ76cとの間に縮設されている。スプリング76bは、シール本体部76aを弁体50側に付勢している。リテーナ76cは、例えば主連通孔44に螺合し、主連通孔44に固定されている。主連通孔44には、エンジン1からメカニカルコントロールバルブ4側に冷却水が流入しようとする。そのため、冷却水によりシール本体部76aを弁体50の外周面に押し付けようとする力が作用し、シール性を高めることができる。
図4を用いてシール部78,79の構成について説明する。第2副連通孔45の弁体収容部43への開口部周辺の内周面42と弁体50の外周面との間には微小な隙間が設けられている。この隙間がシール部78を構成している。第3副連通孔46の弁体収容部43への開口部周辺の内周面42と弁体50の外周面との間には微小な隙間が設けられている。この隙間がシール部79を構成している。
弁体50の流体流入部54に冷却水が流入しているときには、弁体50の外周面とハウジング40の内周面42との間にも冷却水が流入する。このとき第2副連通孔45と弁体50の開口部56c、第3副連通孔46と開口部56dが連通していないときであっても、シール部78,79を通って第2副連通孔45、第3副連通孔46に冷却水が漏れ出すことがある。冷却水の漏れ量は、シール部78,79により冷却水に与える圧力損失によって管理されている。圧力損失は、シール部78,79(隙間)のハウジング40の軸方向(弁体50の回転軸の方向)における長さによって調整される。圧力損失は、エンジン1側で許容される冷却水の漏れによる温度上昇速度の低下によって設定される。シール部78により冷却水に与える圧力損失よりも、シール部79により冷却水に与える圧力損失が大きくなるようにしている。
[メカニカルコントロールバルブの作動状態]
図10はメカニカルコントロールバルブ4の作動状態を示す図である。左側はメカニカルコントロールバルブ4の各作動状態を示す断面図である。右側は主連通孔44および各副連通孔45,46,48と、開口部56a〜56dの連通状態を示す模式図である。また1段目はメカニカルコントロールバルブ4を全閉状態にしたときの図を示す。2段目はメカニカルコントロールバルブ4を第1開弁状態にしたときの図を示す。3段目はメカニカルコントロールバルブ4を第2開弁状態にしたときの図を示す。4段目はメカニカルコントロールバルブ4を全開状態にしたときの図を示す。
左側のメカニカルコントロールバルブ4の断面図においては一部の符号について省略している。また右側の主連通孔44および各副連通孔45,46,48と開口部56a〜56dの連通状態を示す模式図において、主連通孔44および各副連通孔45,46,48をハッチングで示しているものは開口部56a〜56dと連通していない状態を示す。また同図において、主連通孔44および各副連通孔45,46,48を黒色で示しているものは開口部56a〜56dと連通している状態を示す。
図10の1段目〜4段目に示すように、第1副連通孔48はメカニカルコントロールバルブ4がいずれの状態であって第1副開口部56bと連通する。
メカニカルコントロールバルブ4が全閉状態のときには、図10の1段目に示すように、主連通孔44と主開口部56a、第2副連通孔45と開口部56c、第3副連通孔46と開口部56dは連通していない。エンジン1から流入する冷却水は、主連通孔44において弁体50の外周面とシール部材76とにより回路が遮断され、キャビンヒータ5、オイルクーラ6、ラジエータ7に流出しない。
メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態のときには、図10の2段目に示すように、主連通孔44と主開口部56aは連通しているものの、第2副連通孔45と開口部56c、第3副連通孔46と開口部56dは連通していない。エンジン1から流入する冷却水は、主連通孔44が弁体50の流体流入部54に流入し、第1副連通孔48からキャビンヒータ5に流出する。このとき流体流入部54に流入した冷却水の一部は、第2副連通孔45および第3副連通孔46に漏れ出すが、その量は第1副連通孔48から流出する冷却水の量と比較して極めて少ない。
メカニカルコントロールバルブ4が第2開弁状態のときには、図10の3段目に示すように、主連通孔44と主開口部56a、第2副連通孔45と開口部56cは連通しているものの、第3副連通孔46と開口部56dは連通していない。エンジン1から流入する冷却水は、主連通孔44が弁体50の流体流入部54に流入し、第1副連通孔48からキャビンヒータ5に、第2副連通孔45からオイルクーラ6に流出する。このとき流体流入部54に流入した冷却水の一部は、第3副連通孔46に漏れ出すが、その量は第1副連通孔48および第2副連通孔45から流出する冷却水の量と比較して極めて少ない。
メカニカルコントロールバルブ4が第2開弁状態のときには、図10の4段目に示すように、主連通孔44と主開口部56a、第2副連通孔45と開口部56c、第3副連通孔46と開口部56dが連通する。エンジン1から流入する冷却水は、主連通孔44が弁体50の流体流入部54に流入し、第1副連通孔48からキャビンヒータ5に、第2副連通孔45からオイルクーラ6に、第3副連通孔46からラジエータ7に流出する。
[作用]
主連通孔44、第2副連通孔45、第3副連通孔46と弁体50との間はシールを設ける必要がある。しかし、実施例1のシール部材76のように弁体50の外周面と接触することでシールを行うものを、主連通孔44、第2副連通孔45、第3副連通孔46と弁体50との間の全てに設けると、弁体50を回転させる際のフリクションが過大となる。そのため、駆動機構60が大型化する懸念があった。
そこで実施例1では、主連通孔44と弁体50との間にのみ、弁体50の外周面と接触するシール部材76を設けた。一方、第2副連通孔45、第3副連通孔46と弁体50との間には冷却水へ圧力損失を与えることでシールを行うシール部78,79を設けた。これにより、弁体50に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体50を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構60の小型化を図ることができる。
エンジン1の温度が低いときには、メカニカルコントロールバルブ4を全閉状態に制御する。メカニカルコントロールバルブ4によりエンジン1からキャビンヒータ5、オイルクーラ6、ラジエータ7へ冷却水が流出しないようにして、冷却水の温度低下を抑制するようにしている。主連通孔44と弁体50との間からの冷却水の漏れは、エンジン1の温度上昇速度に大きく影響するため、冷却水の漏れ量はできるだけ小さくする必要がある。そのため、主連通孔44と弁体50との間にはシール部材76を設け、主連通孔44と弁体50との間からの冷却水の漏れをできるだけ小さくしている。
エンジン1の温度がある程度上昇する(例えば冷却水温が60°Cくらい)と、メカニカルコントロールバルブ4を第1開弁状態とする。このとき、メカニカルコントロールバルブ4により、エンジン1からのキャビンヒータ5に冷却水が流出する。キャビンヒータ5では、車室内の空気と冷却水との間で熱交換が行われ、車室内の暖房を行う。このとき、第2副連通孔45や第3副連通孔46と弁体50との間から冷却水が少量漏れ出たとしても、既に第1副連通孔48側へ冷却水が流出している状態であるため、冷却水の漏れはエンジン1の温度上昇に大きく影響しない。
そのため、第2副連通孔45と第3副連通孔46との間には、ハウジング40の内周面42と弁体50の外周面との隙間により形成したシール部78,79を設けた。シール部78,79では冷却水の漏れを許容している。しかし、弁体50の流体流入部54は第1副連通孔48と連通しているため、流体流入部54内の冷却水の圧力は大きくはなく、シール部78,79からの冷却水の漏れ量は少量に抑えることができる。
また実施例1では、シール部78,79において冷却水に与える圧力損失を、シール部78,79を構成する隙間の弁体50の回転軸の方向における長さにより設定している。シール部78,79において冷却水に与える圧力損失は、冷却水の漏れによりエンジン1側で許容される温度上昇速度の低下によって設定される。シール部78,79を構成する隙間の長さにより圧力損失の設定を容易に行うことができる。
また実施例1では、第1副連通孔48と弁体50との間にはシール部78,79に相当する隙間を設けないようにした。第1副連通孔48は常時第1副開口部56bと連通しており、第1副連通孔48と弁体50との間にシールを設ける必要がない。冷却水に不必要に圧力損失を与えることなく、冷却水を第1副連通孔48から流出させることができる。
また実施例1では、第1副連通孔48はキャビンヒータ5に接続するようにした。エンジン1の温度がある程度上昇したときに、主連通孔44と最初に連通する第1副連通孔48にキャビンヒータ5が接続しているため、早期に車室内の暖房を行うことができる。
また実施例1では、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときに、主連通孔44と第2副連通孔45はシール部78を介して連通するとともに、主連通孔44と第3副連通孔46はシール部79を介して連通するようにした。主連通孔44から第2副連通孔45および第3副連通孔46に向かう冷却水はシール部78,79によって圧力損失が与えられる。そのため、冷却水は第2副連通孔45および第3副連通孔46にはほとんど漏れ出さず、冷却水の温度低下を抑制することができる。
また実施例1では、第2副連通孔45にオイルクーラ6を接続し、第3副連通孔46にラジエータ7を接続するようにした。メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときに、冷却水がほとんど漏れ出さない第2副連通孔45にオイルクーラ6を、第3副連通孔46にラジエータ7を接続している。そのため、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときには、冷却性能が高いオイルクーラ6およびラジエータ7に冷却水がほとんど流出しないため、冷却水の温度低下を抑制することができる。
また実施例1では、シール部78により冷却水に与える圧力損失よりも、シール部79により冷却水に与える圧力損失が大きくなるようにしている。これにより、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときに、オイルクーラ6に流出する冷却水の量よりも、ラジエータ7に流出する冷却水の量を少なくすることができる。冷却水の冷却性能が高いラジエータ7に流出する冷却水の量を少なくすることができ、冷却水の温度低下を抑制することができる。
また実施例1では、主連通孔44をハウジング40の軸方向に対して、ほぼ中央部に設けられている。これにより、主連通孔44から第1副連通孔48、第2副連通孔45、第3副連通孔46へのそれぞれの距離をほぼ等しくすることができ、主連通孔44から各副連通孔45,46,48への冷却水をほぼ均等に供給することができる。
また実施例1では、第2副連通孔45をハウジング40の軸方向において主連通孔44を挟んで第3副連通孔46と反対側に設けるようにした。これにより、主連通孔44から第1副連通孔48、第2副連通孔45、第3副連通孔46へのそれぞれの距離をほぼ等しくすることができ、主連通孔44から各副連通孔45,46,48への冷却水をほぼ均等に供給することができる。
また実施例1では、駆動軸63をハウジング40の底部41の挿入孔41aの軸方向両端から第1軸受70と第2軸受73によって支持するようにした。これにより、駆動軸63を安定して支持することができる。
[効果]
実施例1の効果について以下に列記する。
(1) 中空状に形成された弁体収容部43と、弁体収容部43と外部とを連通し流体が流通する主連通孔44と、弁体収容部43と外部とを連通し流体が流通する第1副連通孔48と、弁体収容部43と外部とを連通し流体が流通する第2副連通孔45と、を有するハウジング40と、中空状に形成された流体流入部54と、流体流入部54と外部とを連通する複数の開口部56とを有し、弁体収容部43に回転可能に配置された弁体50と、
弁体50を回転駆動する駆動機構60と、主連通孔44と弁体50との間に設けられ、ハウジング40と弁体50との間をシールするシール部材76と、を備え、弁体50は、回転位置に関わらず第1副連通孔48と第1副開口部56bとを常時連通するとともに、回転位置に応じて主連通孔44と主開口部56aおよび第2副連通孔45と第2副開口部56cとの連通状態を変化させ、弁体50の外周面から第2副連通孔45に漏れ出す冷却水(流体)は、弁体収容部43と弁体50との間で形成される隙間によって圧力損失が与えられ、圧力損失は、主連通孔44と主開口部56aとが連通し、かつ、第2副連通孔45と開口部56cとが連通していない状態において、第2副連通孔45に流体が漏れ出す量が、主連通孔44が接続するエンジン1(装置)において許容される量に応じて設定されるようにした。
これにより、弁体50に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体50を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構60の小型化を図ることができる。
(2) 圧力損失は、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されたシール部78,78(隙間部)の長さのうち、弁体50の回転軸の方向に延びる部分の長さによって設定されるようにした。
これにより、圧力損失の設定を容易に行うことができる。
(3) 主連通孔44と主開口部56aとが連通したときに、主連通孔44と第1副連通孔48とは、弁体収容部43の内周面と弁体50の外周面との間に形成されたシール部(隙間部)を介さずに連通するようにした。
これにより、冷却水に不必要に圧力損失を与えることなく、冷却水を第1副連通孔48から流出させることができる。
(4) 第1副連通孔48は、車室内の暖房に用いられるキャビンヒータ5(暖房用熱交換器)と接続するようにした。
これにより、早期に車室内の暖房を行うことができる。
(5) 主連通孔44と主開口部56aとが連通し、かつ、第2副連通孔45と第2副開口部56cとが連通していないときに、主連通孔44と第2副連通孔45とは、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されたシール部78(隙間部)を介して連通するようにした。
これにより、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときには、冷却水は第2副連通孔45にはほとんど漏れ出さず、冷却水の温度低下を抑制することができる。
(6) 流体はエンジン1を冷却するものであって、第2副連通孔45は、エンジン1内を潤滑するエンジンオイルを冷却するオイルクーラ6に接続するようにした。
これにより、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときには、冷却水はオールクーラ6にはほとんど漏れ出さず、冷却水の温度低下を抑制することができる。
(7) ハウジング40は、弁体収容部43と外部とを連通し流体が連通する第3副連通孔46を有し、弁体50は、回転位置に応じて第3副連通孔46と開口部56dとの連通状態を変化させ、主連通孔44と主開口部56aとが連通したときに、主連通孔44と第1副連通孔48とは、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されたシール部(隙間部)を介さずに連通し、主連通孔44と主開口部56aとが連通し、かつ、第2副連通孔45と開口部56cとが連通していないときに、主連通孔44と第2副連通孔45とは、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されたシール部78(隙間部)を介して連通し、主連通孔44と主開口部56aとが連通し、かつ、第3副連通孔46と開口部56dとが連通していないときに、主連通孔44と第3副連通孔46とは、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されたシール部79(隙間部)を介して連通し、主連通孔44と第2副連通孔45との間のシール部78(隙間部)の圧力損失に対して、主連通孔44と第3副連通孔46との間のシール部79(隙間部)の圧力損失が大きいようにした。
これにより、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときには、冷却性能が高いオイルクーラ6およびラジエータ7に冷却水がほとんど流出しないため、冷却水の温度低下を抑制することができる。
(8) 第2副連通孔45にはエンジン1内を潤滑するエンジンオイルを冷却するオイルクーラ6が接続し、第3副連通孔46には流体を冷却するラジエータ7に接続しているようにした。
これにより、メカニカルコントロールバルブ4が第1開弁状態であるときに、オイルクーラ6に流出する冷却水の量よりも、ラジエータ7に流出する冷却水の量を少なくすることができる。冷却水の冷却性能が高いラジエータ7に流出する冷却水の量を少なくすることができ、冷却水の温度低下を抑制することができる。
(9) 主連通孔44を、弁体50の回転軸の方向においてハウジング40の軸方向中央部に設けた。
これにより、主連通孔44から第2副連通孔45、第3副連通孔46へのそれぞれの距離をほぼ等しくすることができ、主連通孔44から各副連通孔45,46,48への冷却水をほぼ均等に供給することができる。
(10) ハウジング40は、弁体収容部43と外部とを連通し流体が連通する第3副連通孔46を有し、第2副連通孔45を、弁体50の回転軸の方向において主連通孔44を挟んで第3副連通孔46と反対側に設けらた。
これにより、主連通孔44から第2副連通孔45、第3副連通孔46へのそれぞれの距離をほぼ等しくすることができ、主連通孔44から各副連通孔45,46,48への冷却水をほぼ均等に供給することができる。
(11) 駆動機構60は、弁体50と一体に回転する駆動軸63と、弁体収容部43の底部41を貫通し、駆動軸63が挿入される挿入孔41aと、挿入孔41aの軸方向両端部において、駆動軸63を回転可能に支持する第1軸受70および第2軸受73(支持部材)と、を有する。
これにより、駆動軸63を安定して支持することができる。
(12) 中空状に形成された弁体収容部43と、弁体収容部43と外部とを連通しエンジン1(熱源)を冷却する流体が流入する主連通孔44と、主連通孔44から流入した流体を熱交換器に分配する複数の副連通孔45,48と、を有するハウジング40と、中空状に形成された流体流入部54と、流体流入部54と外部とを連通する複数の開口部56とを有し、弁体収容部43に回転可能に配置された弁体50と、主連通孔44と弁体50との間に設けられ、弁体50の外周面に当接することで弁体50とハウジング40との間をシールするシール部材76(接触シール部材)と、を備え、弁体50は、回転位置に応じて主連通孔44および副連通孔45,48と開口部56との連通状態を変化させ、副連通孔45,48は、第1副開口部56bと常時連通する第1副連通孔48と、弁体50の回転位置に応じて開口部56cと連通する状態と連通しない状態とが切り替えられる第2副連通孔45と、を有し、第2副連通孔45は、主連通孔44と主開口部56aとが連通し、かつ、第2副連通孔45と開口部56cとが連通していない状態において、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されるシール部78(非接触シール)を介して、冷却水(流体)が流通可能であるようにした。
これにより、弁体50に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体50を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構60の小型化を図ることができる。
(13) 流入した流体を冷却するラジエータ7(熱交換器)と、ラジエータ7(熱交換器)を経由するように設けられ、ラジエータ7(熱交換器)において冷却された冷却水(流体)を循環させることで熱源の冷却に供する回路と、回路内を循環する冷却水(流体)の流量を制御するメカニカルコントロールバルブ4(流量制御弁)と、を有し、メカニカルコントロールバルブ4(流量制御弁)は、中空状に形成された弁体収容部43と、熱源と接続され弁体収容部43と外部とを連通し流体が流通する主連通孔44と、弁体収容部43と外部とを連通し流体が流通する第1副連通孔48と、弁体収容部43と外部とを連通し流体が流通する第2副連通孔45と、を有するハウジング40と、中空状に形成された流体流入部54と、流体流入部54と外部とを連通する複数の開口部56とを有し、弁体収容部43に回転可能に配置された弁体50と、弁体50を回転駆動する駆動機構60と、主連通孔44と弁体50との間に設けられ、ハウジング40と弁体50との間をシールするシール部材76と、を備え、弁体50は、回転位置に関わらず第1副連通孔48と第1副開口部56bとを常時連通するとともに、回転位置に応じて主連通孔44および第2副連通孔45と開口部56a,56cとの連通状態を変化させ、弁体50の外周面から第2副連通孔45に漏れ出す冷却水(流体)は、弁体収容部43と弁体50との間で形成される隙間によって圧力損失が与えられ、圧力損失は、主連通孔44と主開口部56aとが連通し、かつ、第2副連通孔45と開口部56cとが連通していない状態において、第2副連通孔45に流体が漏れ出す量は、主連通孔44が接続する装置において許容される量に応じて設定されるようにした。
これにより、弁体50に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体50を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構60の小型化を図ることができる。
(14) 回路は、熱源であるエンジン1(内燃機関)に接続され、エンジン1(内燃機関)に流体が供給される側に配置されたポンプ2により圧送される冷却水(流体)をエンジン1(内燃機関)内部に流通させることによってエンジン1(内燃機関)の冷却に供するエンジン1(内燃機関)の冷却用回路として形成され、主連通孔44は、回路において、ポンプ2の吐出側に接続されるようにした。
これにより、ポンプ2の吐出側にメカニカルコントロールバルブ4を配置するタイプのシステムに適用することができる。
〔実施例2〕
実施例2では、弁体50の外径を変更した。また実施例2ではシール部78の一部の構造を変更した。以下、実施例2のメカニカルコントロールバルブ4の構成について説明するが、実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図11はメカニカルコントロールバルブ4の断面図である(全閉状態)。図12はメカニカルコントロールバルブ4の断面図である(全開状態)。
弁体50の外周面は、大径部51と小径部53から構成されている。弁体50の大径部51と小径部53との間には、小径部53から大径部51に向かって弁体50の径方向に延びる面を有する段部57が形成されている。ハウジング40の内周面42の第2副連通孔45が開口する部分の近傍には、弁体50の段部57の形状に沿って形成された段部42eが設けられている。第2副連通孔45と弁体50との間に設けられるシール部78は弁体50の段部57とハウジング40の段部42eとの間の隙間によって構成されている。シール部78において冷却水に与える圧力損失は、シール部78(隙間)のハウジング40の径方向(弁体50の回転軸に対して径方向)における長さによって調整される。
[効果]
(15) 圧力損失は、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成されたシール部78(隙間部)の長さのうち、弁体50の回転軸に対して径方向に延びる部分の長さによって設定されるようにした。
これにより、圧力損失の設定を容易に行うことができる。
〔実施例3〕
実施例2では、シール部78の一部の構造を変更した。以下、実施例3のメカニカルコントロールバルブ4の構成について説明するが、実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図13は第2副連通孔45付近の断面図である。実施例3では、シール部78の一部を、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成された隙間部が、弁体50の回転軸の方向に延びる部分と回転軸に対して径方向に延びる部分とを組み合わせたラビリンスシールにより構成した。
[効果]
(16) 圧力損失は、弁体収容部43の内周面42と弁体50の外周面との間に形成された隙間部が、弁体50の回転軸の方向に延びる部分と回転軸に対して径方向に延びる部分とを組み合わせたラビリンスシールを形成することにより生じるようにした。
これにより、圧力損失の設定を容易に行うことができる。
〔実施例4〕
実施例2では、第2副連通孔45と第3副連通孔46の構造を変更した。以下、実施例4のメカニカルコントロールバルブ4の構成について説明するが、実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図14はメカニカルコントロールバルブ4の断面図である(全閉状態)。図15はメカニカルコントロールバルブ4の断面図である(全開状態)。ハウジング40の外周面には、第2副連通孔45が設けられている。第2副連通孔45は、ハウジング40の径方向に延びて形成されている。ハウジング40の外周面であって、第2副連通孔45と隣接して、第3副連通孔46が設けられている。第3副連通孔46は、ハウジング40の径方向に延びて形成されている。
主連通孔44と第3副連通孔46とは、同一直線上に配置されている。これにより、メカニカルコントロールバルブ40が全開状態であるときには、エンジン1から主連通孔44に流入した冷却水が、第3副連通孔46からラジエータ7に流出しやすくなり、冷却水の冷却を効率良く行うことができる。
[効果]
(17) 第2副連通孔45および第3副連通孔46は、ハウジング40の外周面から弁体50の回転軸に対して径方向に延びるように設けられているようにした。
これにより、エンジンルーム内の配管の取り回しに応じて、メカニカルコントロールバルブ4の外観を変更することができる。
〔実施例5〕
実施例5では駆動機構60の減速機62の構成を変更した。以下、実施例5のメカニカルコントロールバルブ4の構成について説明するが、実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図16は駆動機構60を示す図である。減速機62は、第1ギヤ62e、第2ギヤ62f、第3ギヤ62gを有している。第1ギヤ62e、第2ギヤ62f、第3ギヤ62gはいずれも平歯歯車である。第1ギヤ62eはモータ61の出力軸と一体に回転するように設けられている。第1ギヤ62eは、第2ギヤ62fと噛み合っている。第2ギヤ62fは、第3ギヤ62gと噛み合っている。第3ギヤ62gは、駆動軸63の先端部に、駆動軸63と一体に回転するように設けられている。
[効果]
(18) 駆動機構60は、モータ61の出力を平歯歯車組により減速して、弁体50に回転駆動力として伝達するようにした。
これにより、減速機62を平歯歯車組によって構成でき、減速機62を安価に製造することができる。
よって、ポンプ2の吐出側にメカニカルコントロールバルブ4を配置するタイプのシステムに適用することができる。
〔実施例6〕
実施例6では、冷却水の循環回路の構成を変更した。以下、実施例6の冷却水の循環回路について説明するが、実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図17はエンジン1を冷却する冷却水の循環回路の構成を示す模式図である。ポンプ2によりエンジン1に冷却水が圧送される。エンジン1を冷却した冷却水は電子制御スロットルボディ3、キャビンヒータ5、オイルクーラ6、ラジエータ7に分配される。電子制御スロットルボディ3に流入した冷却水はポンプ2の吸入側に戻される。
キャビンヒータ5、オイルクーラ6、ラジエータ7に流入した冷却水は、メカニカルコントロールバルブ4に送られる。メカニカルコントロールバルブ4は、キャビンヒータ5、オイルクーラ6、ラジエータ7から流出した冷却水をポンプ2の吸入側に戻さないようにする全閉状態、キャビンヒータ5から流出した冷却水をポンプ2の吸入側に戻す第1開弁状態、キャビンヒータ5から流出した冷却水に加えてオイルクーラ6から流出した冷却水をポンプ2の吸入側に戻す第2開弁状態、キャビンヒータ5およびオイルクーラ6から流出した冷却水に加えてラジエータ7から流出した冷却水をポンプ2の吸入側に戻す全開状態を切り替える。
[効果]
(19) 回路は、熱源であるエンジン1に接続され、エンジン1に流体が供給される側に配置されたポンプ2により圧送される冷却水(流体)をエンジン1内部に流通させることによってエンジン1の冷却に供するエンジン1の冷却用回路として形成され、主連通孔44は、回路において、ポンプ2の吸入側に接続されるようにした。
これにより、ポンプ2の吸入側にメカニカルコントロールバルブ4を配置するタイプのシステムに適用することができる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施例1ないし実施例5に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1ないし実施例5に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1ないし実施例5では、熱源であるエンジン1を冷却水により冷却するようにしていた。しかし、エンジン1に限らず、例えば車両駆動用のモータやインバータを冷却するものに適用しても良い。
実施例4では弁体50は球体部52を有していた。この構成を、図18に示すように実施例2の弁体50と同様に円筒状に形成した弁体50を用いるようにしても良い。
実施例1ないし実施例5では、主連通孔44と弁体50との間にのみ、弁体50と接触するシール部材76を設けていた。この構成を、図19に示すように、第3副連通孔46と弁体50との間にも弁体50と接触するシール部材80を設けるようにしても良い。冷却水の冷却性能が高いラジエータ7に冷却水が漏れ出すことを抑制することができる。この場合、2つのシール部材76,80によって弁体50を支持することができるため滑り軸受75を廃止しても良い。
以上説明した実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
流体制御弁は、その一つの態様において、
中空状に形成された弁体収容部と、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が流通する主連通孔と、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が流通する第1副連通孔と、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が流通する第2副連通孔と、を有するハウジングと、
中空状に形成された流体流入部と、前記流体流入部と外部とを連通する複数の開口部とを有し、前記弁体収容部に回転可能に配置された弁体と、
前記弁体を回転駆動する駆動機構と、
前記主連通孔と前記弁体との間に設けられ、前記ハウジングと前記弁体との間をシールするシール部材と、
を備え、
前記弁体は、回転位置に関わらず前記第1副連通孔と前記開口部とを常時連通するとともに、回転位置に応じて前記主連通孔および前記第2副連通孔と前記開口部との連通状態を変化させ、
前記弁体の外周面から前記第2副連通孔に漏れ出す流体は、前記弁体収容部と前記弁体との間で形成される隙間によって圧力損失が与えられ、
前記圧力損失は、前記主連通孔と前記開口部とが連通し、かつ、前記第2副連通孔と前記開口部とが連通していない状態において、前記第2副連通孔に流体が漏れ出す量が、前記主連通孔が接続する装置において許容される量に応じて設定される。
これにより、弁体に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構の小型化を図ることができる。
より好ましい態様では、前記態様において、前記圧力損失は、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部の長さのうち、前記弁体の回転軸に対して径方向に延びる部分の長さによって設定される。
これにより、圧力損失の設定を容易に行うことができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記圧力損失は、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部の長さのうち、前記弁体の回転軸の方向に延びる部分の長さによって設定される。
これにより、圧力損失の設定を容易に行うことができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記圧力損失は、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部が、前記弁体の回転軸の方向に延びる部分と回転軸に対して径方向に延びる部分とを組み合わせたラビリンスシールを形成することにより生じる。
これにより、圧力損失の設定を容易に行うことができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記主連通孔と前記開口部とが連通したときに、前記主連通孔と前記第1副連通孔とは、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部を介さずに連通する。
これにより、冷却水に不必要に圧力損失を与えることなく、冷却水を第1副連通孔から流出させることができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記第1副連通孔は、車室内の暖房に用いられる暖房用熱交換器と接続している。
これにより、早期に車室内の暖房を行うことができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記主連通孔と前記開口部とが連通し、かつ、前記第2副連通孔と前記開口部とが連通していないときに、前記主連通孔と前記第2副連通孔とは、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部を介して連通する。
これにより、冷却水は第2副連通孔にはほとんど漏れ出さず、冷却水の温度低下を抑制することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記流体はエンジンを冷却するものであって、
前記第2副連通孔は、エンジン内を潤滑するエンジンオイルを冷却するオイルクーラまたは前記流体を冷却するラジエータに接続していることを特徴とする流量制御弁。
これにより、冷却水はオールクーラまたはラジエータにはほとんど漏れ出さず、冷却水の温度低下を抑制することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記ハウジングは、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が連通する第3副連通孔を有し、
前記弁体は、回転位置に応じて前記第3副連通孔と前記開口部との連通状態を変化させ、
前記主連通孔と前記開口部とが連通したときに、前記主連通孔と前記第1副連通孔とは、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部を介さずに連通し、
前記主連通孔と前記開口部とが連通し、かつ、前記第2副連通孔と前記開口部とが連通していないときに、前記主連通孔と前記第2副連通孔とは、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部を介して連通し、
前記主連通孔と前記開口部とが連通し、かつ、前記第3副連通孔と前記開口部とが連通していないときに、前記主連通孔と前記第3副連通孔とは、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成された隙間部を介して連通し、
前記主連通孔と前記第2副連通孔との間の隙間部の圧力損失に対して、前記主連通孔と前記第3副連通孔との間の隙間部の圧力損失が大きい。
これにより、第2副連通孔および第3副連通孔が弁体の開口部と連通していないときには、第2副連通孔および第3副連通孔に冷却水がほとんど流出しないため、冷却水の温度低下を抑制することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記第2副連通孔にはエンジン内を潤滑するエンジンオイルを冷却するオイルクーラが接続し、
前記第3副連通孔には前記流体を冷却するラジエータに接続している。
これにより、冷却水の冷却性能が高いラジエータに流出する冷却水の量を少なくすることができ、冷却水の温度低下を抑制することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記主連通孔は、前記弁体の回転軸の方向において前記ハウジングの軸方向中央部に設けられている。
これにより、主連通孔から第2副連通孔、第3副連通孔へのそれぞれの距離をほぼ等しくすることができ、主連通孔から各副連通孔への冷却水をほぼ均等に供給することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記ハウジングは、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が連通する第3副連通孔を有し、
前記第2副連通孔は、前記弁体の回転軸の方向において前記主連通孔を挟んで前記第3副連通孔と反対側に設けられている。
これにより、主連通孔から第2副連通孔、第3副連通孔へのそれぞれの距離をほぼ等しくすることができ、主連通孔から各副連通孔への冷却水をほぼ均等に供給することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記第2副連通孔および前記第3副連通孔は、前記ハウジングの外周面から前記弁体の回転軸に対して径方向に延びるように設けられている。
配管の取り回しに応じて、流量制御弁の外観を変更することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記駆動機構は、
前記弁体と一体に回転する駆動軸と、
前記弁体収容部の底部を貫通し、前記駆動軸が挿入される挿入孔と、
前記挿入孔の軸方向両端部において、前記駆動軸を回転可能に支持する支持部材と、
を有する。
これにより、駆動軸を安定して支持することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記駆動機構は、モータの出力を平歯歯車組により減速して、前記弁体に回転駆動力として伝達する。
これにより、駆動機構を安価に製造することができる。
また他の観点から、冷却システムは、
中空状に形成された弁体収容部と、前記弁体収容部と外部とを連通し熱源を冷却する流体が流入する主連通孔と、前記主連通孔から流入した流体を熱交換器に分配する複数の副連通孔と、を有するハウジングと、
中空状に形成された流体流入部と、前記流体流入部と外部とを連通する複数の開口部とを有し、前記弁体収容部に回転可能に配置された弁体と、
前記主連通孔と前記弁体との間に設けられ、前記弁体の外周面に当接することで前記弁体と前記ハウジングとの間をシールする接触シール部材と、
を備え、
前記弁体は、回転位置に応じて前記主連通孔および前記副連通孔と前記開口部との連通状態を変化させ、
前記副連通孔は、前記開口部と常時連通する第1副連通孔と、前記弁体の回転位置に応じて前記開口部と連通する状態と連通しない状態とが切り替えられる第2副連通孔と、を有し、
前記第2副連通孔は、前記主連通孔と前記開口部とが連通し、かつ、前記第2副連通孔と前記開口部とが連通していない状態において、前記弁体収容部の内周面と前記弁体の外周面との間に形成される非接触シールを介して、前記流体が流通可能である。
これにより、弁体に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構の小型化を図ることができる。
また他の観点から、冷却システムは、
流入した流体を冷却する熱交換器と、
前記熱交換器を経由するように設けられ、前記熱交換器において冷却された流体を循環させることで熱源の冷却に供する回路と、
前記回路内を循環する前記流体の流量を制御する流量制御弁と、
を有し、
前記流量制御弁は、
中空状に形成された弁体収容部と、前記熱源と接続され前記弁体収容部と外部とを連通し流体が流通する主連通孔と、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が流通する第1副連通孔と、前記弁体収容部と外部とを連通し流体が流通する第2副連通孔と、を有するハウジングと、
中空状に形成された流体流入部と、前記流体流入部と外部とを連通する複数の開口部とを有し、前記弁体収容部に回転可能に配置された弁体と、
前記弁体を回転駆動する駆動機構と、
前記主連通孔と前記弁体との間に設けられ、前記ハウジングと前記弁体との間をシールするシール部材と、
を備え、
前記弁体は、回転位置に関わらず前記第1副連通孔と前記開口部とを常時連通するとともに、回転位置に応じて前記主連通孔および前記第2副連通孔と前記開口部との連通状態を変化させ、
前記弁体の外周面から前記第2副連通孔に漏れ出す流体は、前記弁体収容部と前記弁体との間で形成される隙間によって圧力損失が与えられ、
前記圧力損失は、前記主連通孔と前記開口部とが連通し、かつ、前記第2副連通孔と前記開口部とが連通していない状態において、前記第2副連通孔に流体が漏れ出す量は、前記主連通孔が接続する装置において許容される量に応じて設定される。
これにより、弁体に接触するシール部材の数を減らすことができ、弁体を回転させる際のフリクションを低減することができる。そのため、駆動機構の小型化を図ることができる。
さらに好ましい態様では、上記態様において、
前記回路は、前記熱源である内燃機関に接続され、前記内燃機関に前記流体が供給される側に配置されたポンプにより圧送される前記流体を前記内燃機関の内部に流通させることによって前記内燃機関の冷却に供する内燃機関の冷却用回路として形成され、
前記主連通孔は、前記回路において、前記ポンプの吐出側に接続される。
これにより、ポンプの吐出側に流量制御弁を配置するタイプのシステムに適用することができる。
さらに好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記回路は、前記熱源である内燃機関に接続され、前記内燃機関に前記流体が供給される側に配置されたポンプにより圧送される前記流体を前記内燃機関の内部に流通させることによって前記内燃機関の冷却に供する内燃機関の冷却用回路として形成され、
前記主連通孔は、前記回路において、前記ポンプの吸入側に接続されることを特徴とする冷却システム。
これにより、ポンプの吸入側に流量制御弁を配置するタイプのシステムに適用することができる。
1 エンジン
4 メカニカルコントロールバルブ(流量制御弁)
5 キャビンヒータ
6 オイルクーラ(別の外部の装置)
7 ラジエータ
40 ハウジング
41 底部
41a 挿入孔
43 弁体収容部
44 主連通孔
45 第2副連通孔(副副連通孔)
46 第3副連通孔(副連通孔)
48 第1副連通孔
50 弁体
54 流体流入部
56a 主開口部
56b 第1副開口部
56c 第2副開口部
56d 第3副開口部(副開口部)
60 駆動機構
63 駆動軸
70 第1軸受
73 第2軸受
76 シール部材
78 シール部(隙間部)
79 シール部(隙間部)

Claims (10)

  1. エンジンの冷却回路に設けられる流量制御弁であって、
    ハウジング周壁によって中空状に形成された弁体収容部と、前記ハウジング周壁に形成され、前記弁体収容部と前記エンジンとの間で流体が流通する主連通孔と、前記ハウジング周壁に形成され、前記弁体収容部と前記エンジンの冷却回路に設けられたラジエータとの間で流体が流通する副連通孔と、を有するハウジングと、
    弁体周壁によって中空状に形成された流体流入部と、前記弁体周壁に形成され前記流体流入部と前記主連通孔が連通する主開口部と、前記弁体周壁に形成され前記流体流入部と前記副連通孔とを連通する副開口部と、を有し、前記弁体収容部内の内周面と前記弁体周壁の外周面との間に隙間部を有する弁体と、
    前記弁体を回転駆動する駆動機構と、
    前記主連通孔と前記弁体との間に設けられ、前記弁体外周壁の外周面に当接することで前記弁体と前記主連通孔との間をシールするシール部材と、
    を備え、
    前記弁体は、前記駆動機構に回転駆動されることによって、前記主連通孔と前記主開口部、前記副連通孔と前記副開口部のそれぞれが重なり合わない第1回転位置と、前記主連通孔と前記主開口部が重なり合う一方で、前記副連通孔と前記副開口部が重なり合わず、流体が前記主連通孔と前記副連通孔の間で前記隙間部を介して漏れ出す第2回転位置と、前記主連通孔と前記主開口部、前記副連通孔と前記副開口部のそれぞれが重なり合う第3回転位置と、に調整されることを特徴とする流量制御弁。
  2. 請求項1に記載の流量制御弁において、
    前記弁体が第2回転位置のときにおいて、流体は前記隙間部を通過することによって圧力損失が生じることを特徴とする流量制御弁。
  3. 請求項1に記載の流量制御弁において、
    前記主連通孔は、前記弁体の回転軸の方向において前記ハウジングの軸方向中央部に設けられていることを特徴とする流量制御弁。
  4. 請求項3に記載の流量制御弁において、
    前記ハウジングは、前記弁体収容部と前記ラジエータとは別の外部の装置とを連通し流体が連通する副副連通孔を有し、
    前記副連通孔は、前記弁体の回転軸の方向において前記主連通孔を挟んで前記副副連通孔と反対側に設けられていることを特徴とする流量制御弁。
  5. 請求項4に記載の流量制御弁において、
    前記副連通孔および前記副副連通孔は、前記ハウジングの外周面から前記弁体の回転軸に対して径方向に延びるように設けられていることを特徴とする流量制御弁。
  6. 請求項1に記載の流量制御弁において、
    前記駆動機構は、
    前記弁体と一体に回転する駆動軸と、
    前記弁体収容部の底部を貫通し、前記駆動軸が挿入される挿入孔と、
    前記挿入孔の軸方向両端部において、前記駆動軸を回転可能に支持する支持部材と、
    を有することを特徴とする流量制御弁。
  7. 請求項1に記載の流量制御弁において、
    前記駆動機構は、モータの出力を平歯歯車組により減速して、前記弁体に回転駆動力として伝達することを特徴とする流量制御弁。
  8. 流入した流体を冷却するラジエータと、
    前記ラジエータを経由するように設けられ、前記ラジエータにおいて冷却された流体を循環させることでエンジンの冷却に供する回路と、
    前記回路内を循環する前記流体の流量を制御する流量制御弁と、
    を有し、
    前記流量制御弁は、
    ハウジング周壁によって中空状に形成された弁体収容部と、前記ハウジング周壁に形成され、前記弁体収容部と前記エンジンとの間で流体が流通する主連通孔と、前記ハウジング周壁に形成され、前記弁体収容部と前記ラジエータとを連通し流体が流通する副連通孔と、を有するハウジングと、
    弁体周壁によって中空状に形成された流体流入部と、前記弁体周壁に設けられ前記流体流入部と前記主連通孔と連通する主開口部と、前記弁体周壁に設けられ前記流体流入部と前記副連通孔とを連通する副開口部と、を有し、前記弁体収容部内の内周面と前記弁体周壁の外周面との間に隙間部を有する弁体と、
    前記弁体を回転駆動する駆動機構と、
    前記主連通孔と前記弁体との間に設けられ、前記弁体外周壁の外周面に当接することで前記弁体と前記主連通孔との間をシールするシール部材と、
    を備え、
    前記弁体は、前記駆動機構に回転駆動されることによって、前記主連通孔と前記主開口部、前記副連通孔と前記副開口部のそれぞれが重なり合わない第1回転位置と、前記主連通孔と前記主開口部が重なり合う一方で、前記副連通孔と前記副開口部が重なり合わず、流体が前記隙間部を介して前記主連通孔と前記副連通孔の間で流れる第2回転位置と、前記主連通孔と前記主開口部、前記副連通孔と前記副開口部のそれぞれが重なり合う第3回転位置と、に調整されることを特徴とする冷却システム。
  9. 請求項8に記載の冷却システムにおいて、
    前記回路は、前記エンジンに前記流体が供給される側に配置されたポンプにより圧送される前記流体を前記エンジンの内部に流通させることによって前記エンジンの冷却に供するエンジンの冷却用回路として形成され、
    前記主連通孔は、前記回路において、前記ポンプの吐出側に接続されることを特徴とする冷却システム。
  10. 請求項8に記載の冷却システムにおいて、
    前記回路は、前記熱源であるエンジンに接続され、前記エンジンに前記流体が供給される側に配置されたポンプにより圧送される前記流体を前記エンジンの内部に流通させることによって前記エンジンの冷却に供するエンジンの冷却用回路として形成され、
    前記主連通孔は、前記回路において、前記ポンプの吸入側に接続されることを特徴とする冷却システム。
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