JP2021046373A - クレンジング化粧料 - Google Patents

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Kana Yamauchi
加奈 山内
山田 武
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Abstract

【課題】メイク汚れと馴染みが良く、メイク汚れを容易に洗い流すことができ、使用後はしっとりとした使用感のクレンジング化粧料を提供する。【解決手段】成分(A)(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、成分(B)グリセリン、成分(C)4価以上の多価アルコール、成分(D)20℃で液状の油剤を含有し、両連続相(D相)を有することを特徴とするクレンジング化粧料を用いることで上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、クレンジング化粧料に関する。
クレンジング化粧料は、皮脂などに起因する脂汚れやメイクアップ化粧料等を落とすのに用いられる化粧料であり、通常の脂溶性成分を落とすことに注力した、オイル分を高濃度に含有する油性クレンジング化粧料と、水洗いにより、水性汚れを落とすと共に油性汚れを落とすことを目指した、水性クレンジング化粧料の2種が存在する。油性クレンジング化粧料には油性汚れに対しては優れた洗浄力を発揮するという長所があるものの、使用感が油っぽく、水性汚れを落としにくいという欠点があり、水性クレンジング化粧料には使用感はさっぱり優れている、水性汚れを落としやすいという長所がある反面、油性汚れに対する洗浄力に限度があるという欠点がある。
これに対して、特許文献1にはメイク落ちに優れ、水洗後の感触も良好なクレンジング化粧料として、液晶を用いたクレンジング化粧料が記載されている。しかしながら、液晶は構造が硬いため、洗い流す際に構造が崩壊しにくく、水で洗い流し易いO/Wエマルションに転相しにくいという問題がある。
特開2017−88575号公報
本発明が解決しようとする課題は、メイク汚れと馴染みが良く、メイク汚れを容易に洗い流すことができ、使用後はしっとりとした使用感のクレンジング化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
(A)(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル
(B)グリセリン
(C)4価以上の多価アルコール
(D)20℃で液状の油剤
を含有するクレンジング化粧料が上記課題を解決することを見出した。
本発明のクレンジング化粧料はグリセリンに4価以上の多価アルコールを配合することで、D相を形成し、メイク汚れとの馴染みに優れ、水洗時に容易にO/Wエマルションに転相し、洗いあがりの保湿力にも優れる。
以下に本発明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲は、この実施形態に限定するものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で変更等が加えられた形態も本発明に属する。なお、範囲を表す表記の「〜」は、上限と下限を含むものである。
本発明に用いられる(A)成分である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、(ポリ)グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応により得られるものである。
(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを構成する(ポリ)グリセリンは、グリセリン又はポリグリセリンを表すものであり、ポリグリセリンはグリセリンを脱水縮合させたものである。本発明に係る(ポリ)グリセリンとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン等の平均重合度が1〜10の(ポリ)グリセリンが好ましく用いられる。ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、下記式(1)及び下記式(2)から算出される。
分子量=74n+18・・・(1)
水酸基価=56110(n+2)/分子量・・・(2)
(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数が8〜22のものが好ましく、炭素数12〜18のものがより好ましい。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
本発明における(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、上記の(ポリ)グリセリンと脂肪酸の組み合わせから得られる様々なエステルから選択される2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせて使用することにより、優れたメイクアップ化粧料の除去効果を発揮させることができる。中でも、(a1)構成脂肪酸が不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルと(a2)直鎖脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを組み合わせることが好ましい。
具体的には、(a1)に相当するものとして、オレイン酸ポリグリセリル−2、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−6、ペンタオレイン酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、イソステアリン酸ポリグリセリル−4、イソステアリン酸ポリグリセリル−6、イソステアリン酸ポリグリセリル−10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10等が挙げられる。また、(a2)に相当するものとして、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル−4、ステアリン酸ポリグリセリル−6、ステアリン酸ポリグリセリル−10、トリステアリン酸ポリグリセリル−4、トリステアリン酸ポリグリセリル−6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−6、ジステアリン酸ポリグリセリル−10、トリステアリン酸ポリグリセリル−10、ラウリン酸ポリグリセリル−4、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10等が挙げられる。
また、成分(A)のHLBは8〜15であることが好ましく、9〜14であることがより好ましく、11〜14であることが最も好ましい。成分(A)を2種以上用いる場合は、混合HLBが8〜15であることが好ましく、9〜14であることがより好ましく、11〜14であることが最も好ましい。成分(A)のHLBもしくは混合HLBが8〜15の範囲内であれば、より優れたメイクアップ除去効果が発揮される。尚、ここでHLBとはアトラス法から算出されるものを意味し、詳しくは、下記式(3)から算出される。混合HLBとは、個々の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルのHLBに、それぞれの重量割合を乗じたものの総和を意味する。
HLB=20×(1−S/A)・・・(3)
S:ポリグリセリン脂肪酸エステルのけん化価
A:原料脂肪酸の中和価
本発明のクレンジング化粧料における成分(A)の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、クレンジング化粧料の総量を基準として1〜20重量%が好ましく、より好ましくは3〜20重量%である。成分(A)の含有量が1〜20重量%の範囲内であれば、より優れたメイクアップ除去効果が発揮される。また、成分(A)中の(a1)と(a2)の質量比((a1):(a2))は、95:5〜20:80が好ましく、より好ましくは95:5〜30:70であり、さらに好ましくは90:10〜40:60である。
本発明に用いられる成分(B)であるグリセリンとしては、阪本薬品工業株式会社製の化粧品用濃グリセリンが好適に用いられる。
本発明に用いられる成分(C)である4価以上の多価アルコールとしては特に限定はないが、ポリグリセリン、ソルビトール、トレハロース、キシリトール等が挙げられる。中でも、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン等の平均縮合度が2〜10のポリグリセリンが好ましく用いられる。
本発明のクレンジング化粧料における成分(B)および成分(C)の配合量は30〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。
本発明に用いられる成分(D)である20℃で液状の油剤としては、特に限定はないが、例えば、オリーブ油、メドウフォーム油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ホホバ油、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ミネラルオイル、スクワラン、ドデカン、水添ポリイソブテン、シクロペンタシロキサン、ジメチコン等が挙げられる。
本発明のクレンジング化粧料は、上記の(A)成分に、(B)成分および(C)成分を撹拌しながら少量ずつ添加後、必要に応じて水を添加混合し、(D)成分を撹拌しながら少量ずつ添加混合することで容易に得られる。本発明の水分量は、他の成分及びその含有量によって適宜選択されるが好ましくは0.1〜40重量%であり、より好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明のクレンジング化粧料の「両連続相(D相)」とは、水相および油相がそれぞれ三次元的に連続し、水相および油相のいずれもが相分離せず、共存している状態を指し、偏光板にて流動複屈折を観察することにより確認することができる。ここで、「流動複屈折」とは、光学的等方性溶液が振盪などにより流動すると、流れの方向に構造が配向して複屈折を示す現象を指す。
本発明のクレンジング化粧料は、化粧料で通常使用されている任意成分を本発明の効果を損なわない範囲において、含有することができる。
このような任意成分としては、例えば、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等、フェノキシエタノール等の抗菌剤等が好ましく例示できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。尚、実施例における配合量は全て重量%である。
表1に記した組成に従い、実施例1、2及び比較例1、2のクレンジング化粧料を調製した。
〔試料の調製〕
成分1〜3に、成分4〜7を70℃にて加熱撹拌しながら少量ずつ添加し、成分8を添加混合した。これに、70℃にて加熱した成分9、10を攪拌しながら少量ずつ添加した。その後、70℃にて加熱した成分11〜13を撹拌しながら少量ずつ添加し、各実施例および比較例のクレンジング化粧料を得た。なお、成分1〜3の混合HLBは13であった。
〔評価方法:相状態の観察〕
偏光板による流動複屈折の観察により、以下の判定基準に基づき相状態を判定した。結果を表1に併記する。
<判定基準>
D:D相
光学的等方性の溶液で、偏光板により流動複屈折が観察される。
LC:液晶相
光学的異方性の溶液で、偏光板により複屈折が観察される。
〔評価方法:使用感の評価〕
前腕内側部に口紅(商品名:口紅(詰替用)550、株式会社ちふれ化粧品製)を適量塗布し、実施例及び比較例の各クレンジング化粧料0.2gを塗布し、指でクレンジング動作を上下に15往復し、メイク汚れとの馴染みの度合いを評価した。その後、流水で洗い流し、メイク汚れの洗い流し性(クレンジング効果)及び使用後のしっとり感を評価した。評価は、被験者20名で実施し、下記評価基準に従い判定した。結果を表1に併記する。
<汚れとの馴染みの評価基準>
◎:18〜20名がメイク汚れとの馴染みが良いと回答。
○:14〜17名がメイク汚れとの馴染みが良いと回答。
△:10〜13名がメイク汚れとの馴染みが良いと回答。
×:0〜9名がメイク汚れとの馴染みが良いと回答。
<クレンジング効果の評価基準>
◎:18〜20名が十分に洗い流しが良いと回答。
○:14〜17名が十分に洗い流しが良いと回答。
△:10〜13名が十分に洗い流しが良いと回答。
×:0〜9名が十分に洗い流しが良いと回答。
<クレンジング後のしっとり感の評価基準>
◎:18〜20名がしっとりとした使用感であると回答。
○:14〜17名がしっとりとした使用感であると回答。
△:10〜13名がしっとりとした使用感であると回答。
×:0〜9名がしっとりとした使用感であると回答。
Figure 2021046373
表1の結果から、実施例1、2のクレンジング化粧料は、成分(A)〜(D)を含有し、D相を形成しているため、比較例1、2のクレンジング化粧料に比べ、メイク汚れとの馴染みが良く、洗い流し効果にも優れていた。また、使用後は、しっとりとした使用感が得られることが分かる。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(D)を含有し、相状態が両連続相(D相)であることを特徴とするクレンジング化粧料。
    (A)(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル
    (B)グリセリン
    (C)4価以上の多価アルコール
    (D)20℃で液状の油剤
  2. 成分(A)として、(a1)構成脂肪酸が不飽和脂肪酸及び分岐脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、及び、(a2)構成脂肪酸が直鎖脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上である(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1に記載のクレンジング化粧料。
  3. 成分(C)の多価アルコールがポリグリセリンであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のクレンジング化粧料。
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