JP2021046032A - 車両制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両制御システムにおいて、乗員の操作子の態様に応じて操作子の反力を適切に設定する。【解決手段】 車両制御システム1であって、乗員の手によって操作され、変位可能な操作子本体30、操作子本体の変位に対して反力を付与する反力付与装置43、44、及び操作子本体の表面に設けられた接触センサ35〜37を備えた操作子10と、操作子本体の位置に応じて車両を加減速制御すると共に、接触センサからの信号に基づいて反力付与装置が発生する反力を制御する制御装置11とを有し、制御装置は、接触センサからの信号に基づいて乗員と操作子本体との接触面積が第1閾値以上かつ第2閾値未満である場合に第1反力を発生させるべく反力付与装置を制御し、接触面積が第2閾値以上である場合に第1反力よりも大きい第2反力を発生させるべく反力付与装置を制御する。【選択図】 図1
Description
本発明は、車両制御システムに関する。
操作子であるステアリングホイールのリング部に圧電素子を設け、乗員がリング部に加える圧力に基づいて、車両の加減速及び操舵を制御する車両制御システムが公知である(例えば、特許文献1)。また、乗員の回転操作に対して電動モータによって反力を与えるステアバイワイヤのステアリングホイールが公知である(例えば、特許文献2)。反力は、車輪の転舵角に基づいて設定される。
しかし、乗員による操作子の把持態様を考慮することなく、車輪の転舵角に基づいて反力が設定されると、反力が乗員にとって過剰になる又は不足する場合がある。例えば、乗員が片手でリング部を把持している場合には反力が大きすぎて運転操作が困難になり、両手でリング部を把持している場合には反力が小さすぎて安定した運転操作が困難になる虞がある。また、片手での運転操作を余儀なくされる障碍者にとっては、運転操作が困難になる虞がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、車両制御システムにおいて、乗員の操作の態様に応じて操作子の反力を適切に設定することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両制御システム(1)であって、乗員の手によって操作され、変位可能な操作子本体(30)、前記操作子本体の変位に対して反力を付与する反力付与装置(43、44)、及び前記操作子本体の表面に設けられた接触センサ(35〜37)を備えた操作子(10)と、前記操作子本体の位置に応じて車両を加減速制御すると共に、前記接触センサからの信号に基づいて前記反力付与装置が発生する反力を制御する制御装置(11)とを有し、前記制御装置は、前記接触センサからの信号に基づいて前記乗員と前記操作子本体との接触面積が第1閾値以上かつ第2閾値未満である場合に第1反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御し、前記接触面積が前記第2閾値以上である場合に前記第1反力よりも大きい第2反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御する。
この態様によれば、乗員の操作子の把持態様に応じて操作子の反力を適切に設定することができる。乗員と操作子本体との接触面積は、乗員の把持態様に応じて変化するため、接触面積に基づいて乗員による操作子本体の把持態様を推定することができる。そのため、接触面積に応じて反力を設定することによって、乗員による操作子の把持態様に応じて適切な反力を発生させることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記接触センサからの信号に基づいて前記操作子本体と前記乗員との2つの接触部の互いの距離とを取得し、前記接触部の互いの距離が所定の距離閾値以上である場合に、前記接触部の互いの距離が前記距離閾値未満の場合よりも前記第2反力を増加させるとよい。
この態様によれば、乗員が両手で操作子を把持していると推定される場合に、2つの把持部の相対位置に応じて適切な反力を設定することができる。右手による把持部と左手による把持部との距離が距離閾値以上である場合には、距離閾値未満である場合よりも乗員は操作子に操作力を加え易いため、反力を高くすることによって操作子の操作性を向上させることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記接触面積が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合において、前記操作子本体の中立位置からの位置が所定の位置閾値未満の場合に、前記操作子本体の前記中立位置からの前記位置が前記位置閾値以上の場合よりも前記第1反力を増加させるべく前記反力付与装置を制御するとよい。
この態様によれば、乗員が片手で操作子を把持していると推定される場合に、乗員が意図しない操作によって操作子が変位することを抑制することができる。操作子を中立位置から変位させるときに生じる第1反力が、その後の変位に対して生じる第1反力よりも大きいため、操作子を中立位置から変位させるためには、乗員による意志をもった運転操作が要求される。
上記の態様において、前記操作子本体は、第1方向及び第2方向に変位可能であり、前記制御装置は、前記操作子本体の前記第1方向への変位に応じて前記車両を加速制御し、前記操作子本体の前記第2方向への変位に応じて前記車両を減速制御し、前記操作子本体の前記第1方向への変位に対して発生させる反力よりも前記第2方向への変位に対して発生させる反力が小さくなるように前記反力付与装置を制御するとよい。
この態様によれば、乗員は、加速操作よりも減速操作をより小さな力で行うことができる。
上記の態様において、前記操作子本体は、回転が可能であり、前記制御装置は、前記操作子本体の回転に応じて前記車両を操舵制御し、前記制御装置は、前記接触センサからの信号に基づいて前記乗員と前記操作子本体との前記接触面積が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合に前記操作子本体の回転を抑制する第1回転反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御し、前記接触面積が前記第2閾値以上である場合に前記第1回転反力よりも大きい第2回転反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御するとよい。
この態様によれば、乗員の操作子の把持態様に応じて、操作子に適切な回転反力を発生させることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記車両の車線からの逸脱を抑制するための車線維持支援制御を実行し、前記車線維持支援制御は、前記接触面積が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合に、前記接触面積が前記第2閾値以上である場合よりも、制御量を大きくするとよい。
この態様によれば、乗員による操作子の把持態様に応じて、車線維持制御に基づく制御量を調節することができる。
上記の態様において、前記操作子本体は、車幅方向に移動可能に車体に設けられ、前記操作子は、前記操作子本体に加わる荷重を検出する荷重センサを有し、前記制御装置は、前記荷重センサからの信号に基づいて、前記乗員が前記操作子本体を前記車幅方向に移動させるときに前記操作子本体に加わる前記荷重を検出し、前記荷重に基づいて前記第1反力及び前記第2反力の少なくとも一方を補正するとよい。
この態様によれば、乗員の操作力に応じて反力を適切に設定することができる。操作子本体を収納位置から使用位置に移動させるときに操作子に加わる荷重は、乗員による操作子の操作力と相関がある。そのため、操作子本体を収納位置から使用位置に移動させるときに操作子に加わる荷重に基づいて第1反力及び第2反力の少なくとも一方を補正することによって、乗員の操作力に応じて反力を設定することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記荷重が大きいほど、前記第1反力及び前記第2反力の少なくとも一方を大きくするように補正するとよい。
この態様によれば、乗員の操作力が大きいと推定される場合には、第1反力及び第2反力の少なくとも一方を大きくするように補正することによって、反力を適切に設定することができる。
以上の構成によれば、車両制御システムにおいて、乗員の操作の把持態様に応じて操作子の反力を適切に設定することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両制御システム1の実施形態について説明する。図2以降に適宜付される矢印Fr、Re、L、R、U、Loは、それぞれ、車両制御システム1が設けられる車両2の前方、後方、左方、右方、上方、下方を示している。本実施形態では、左右方向が車両2の車幅方向であり、前後方向が車両2の車長方向である。
<車両制御システム1の構成>
図1に示すように、車両制御システム1は、自動運転が可能な車両2に設けられる。車両2は、乗員Xが主として運転操作を行う手動運転モードと、車両2が主として運転操作を行う自動運転モードで走行することができる。車両2は、車両2の車輪を転舵させる操舵装置4と、車輪を回転させる駆動装置5と、車輪の回転を制動する制動装置6とを有する。
図1に示すように、車両制御システム1は、自動運転が可能な車両2に設けられる。車両2は、乗員Xが主として運転操作を行う手動運転モードと、車両2が主として運転操作を行う自動運転モードで走行することができる。車両2は、車両2の車輪を転舵させる操舵装置4と、車輪を回転させる駆動装置5と、車輪の回転を制動する制動装置6とを有する。
操舵装置4は、車輪の舵角を変化させる装置であり、電動モータと、電動モータの駆動力によって車輪を転舵させる転舵機構とを有する。転舵機構は例えばラックアンドピニオン機構を含む。駆動装置5は、車輪を回転させる装置であり、電動モータ及び内燃機関の少なくとも1つと、電動モータ及び内燃機関の少なくとも1つの駆動力を車輪に伝達する伝達機構とを含む。駆動装置5は、内燃機関である場合にエンジンブレーキによって車輪に制動力を発生させることができる。また、駆動装置5は、電動モータである場合に回生制御によって車輪に制動力を発生させることができる。制動装置6は、車輪に抵抗を与えて回転を停止させる装置であり、電動モータと、電動モータの駆動によって油圧を発生させる油圧発生装置と、油圧発生装置から油圧を受けてブレーキパッドをブレーキロータに押し付けるブレーキキャリパとを有する。
車両制御システム1は、各種センサを備えた操作子10と、操作子10に接続された制御装置11とを有する。操作子10は、車両2を操舵するために、乗員Xの運転操作を受け付ける装置である。操作子10は、例えばステアリングホイールや操縦桿を含み、その外縁部の形状は円形や四角形、円の一部を切り欠いた形状、左右の円弧部と上下の直線部とを組み合わせた形状等であってよい。制御装置11は、CPU等のハードウェアプロセッサを含む。制御装置11は、走行制御部12、移動制御部13、及び信号処理部14を備える。信号処理部14は操作子10からの信号に基づいて乗員Xの操作入力を検出し、走行制御部12は信号処理部14によって検出された操作入力に応じて操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6の少なくとも1つを制御する。移動制御部13は、信号処理部14によって検出された操作入力に応じて操作子10の移動を制御する。
図2、図3に示すように、車両2の車室17には、操作子10に対して運転操作を行う乗員Xが着座する乗員シート61が設けられている。乗員シート61は、例えば、複数人分の着座スペースを有するベンチシートであり、左右方向に沿って延びている。このように乗員シート61としてベンチシートを用いることで、乗員Xの左右方向の着座位置の自由度を高めることができる。乗員シート61は、ベース部材(図示せず)を介して車両2の車体15の前部に取り付けられている。乗員シート61は、乗員Xが着座するシートクッション62と、シートクッション62の後ろ上方に隣接して配置され、乗員Xを後方から支持するシートバック63と、を備えている。シートクッション62とシートバック63は、それぞれ左右方向に所定の幅(例えば、乗員X複数人分の幅)を有する。
図3、図4に示すように、操作子10は、移動装置16を介して車体15の前部に支持されている。移動装置16は、車体15の前部に設けられ、左右方向に延びる前後一対のレール21と、前後一対のレール21に架設されるべく前後方向に延びるスライダ22と、スライダ22から後方に延びるアーム23と、アーム23の後端に設けられて操作子10に取り付けられるベース24とを有する。
前後一対のレール21は、スライダ22を左右方向に移動可能に支持している。前後一対のレール21とスライダ22は、車両2の車室17の前壁を構成するインストルメントパネル18の前方に設けられている。そのため、車両2の車室17にいる乗員Xからは前後一対のレール21とスライダ22が見えないか又は見えにくくなっている。これにより、車両2の意匠性の向上が図られている。
アーム23は、少なくとも1つの関節25を有し、関節25が下方に凸となるように折り曲げられた状態で、インストルメントパネル18の下方を通過している。アーム23は、前後方向に伸縮可能に設けられている。これにより、アーム23がベース24をスライダ22に対して前後方向に移動可能に支持している。
ベース24の上面には、シートクッション62の上方の空間の画像を撮影する撮像装置26が設けられている。撮像装置26は、操作子10の前方に隣接して配置されている。
図1に示すように、移動装置16は、スライダ駆動機構27とアーム駆動機構28とを備えている。スライダ駆動機構27は、電動モータによってレール21に対してスライダ22を左右方向に移動させる。これにより、スライダ22、アーム23、ベース24及び操作子10が車体15に対して左右方向に移動する。アーム駆動機構28は、電動モータによって関節25を屈曲させ、アーム23の前後方向の伸縮度を変更する。これにより、ベース24及び操作子10が車体15に対して前後方向に移動する。以上のように、移動装置16は、操作子10を車体15に対して左右方向及び前後方向に移動させる。
移動装置16は、位置センサ29を備えている。位置センサ29は、操作子10の前後方向の位置を検出する。位置センサ29は、例えば、アーム駆動機構28を構成する電動モータ又はアーム23の関節25に取り付けられている。位置センサ29は、例えば、ポテンショメータ又はロータリエンコーダであってもよい。
図3〜図5に示すように、操作子10は、ベース24に回転可能に設けられたハブ部31と、ハブ部31の外周にハブ部31と同軸状に設けられたディスク部(スポーク部)32と、ディスク部32の外周に配置されたリング部33とを有する。ディスク部32は円板状に形成されている。本実施形態では、ディスク部32は、ハブ部31から径方向外方に延びると共に、操作子10(ハブ部31)の回転軸線A方向においてベース24と相反する側に延び、ハブ部31を頂点とする円錐形に形成されている。リング部33は、操作子10(ハブ部31)の回転軸線Aを中心とした環状に形成されている。リング部33は円形状の横断面を有する。リング部33の横断面における直径はディスク部32の厚みよりも大きい。リング部33は、操作子10を回転操作するために、乗員Xによって把持される把持部として機能する。
ハブ部31は、乗員X側を向く正面部31Aと、正面部31Aと相反する背面部(図示せず)とを有する。ディスク部32は、乗員X側を向く正面部32Aと、正面部32Aと相反する背面部32Bとを有する。リング部33は、乗員X側を向く正面部33Aと、正面部33Aと相反する背面部33Bと、正面部31A及び背面部33Bの外周に位置する外周部33Cと、正面部31A及び背面部33Bの内周に位置する内周部33Dと、を有する。詳細には、リング部33の外周縁(操作子10の回転軸線Aを中心としてリング部33の径が最大となる部分)と、リング部33の内周縁(操作子10の回転軸線Aを中心としてリング部33の径が最小となる部分)とを含む平面でリング部33を2分割した場合に、ベース24側に配置される部分を背面部33B、ベース24と相反する側に配置される部分を正面部33Aとする。
操作子10は、第1面部10Aと、第1面部10Aと相反する第2面部10Bと、第1面部10Aと第2面部10Bの外周に位置する外周部10Cとを含む。第1面部10Aは、操作子10の回転軸線Aに沿った一方側に配置されており、操作子10の後面(前後方向一方側の面)を構成している。第2面部10Bは、操作子10の回転軸線Aに沿った他方側に配置されており、操作子10の前面(前後方向他方側の面)を構成している。第1面部10Aは、ハブ部31の正面部31A、ディスク部32の正面部32A、リング部33の正面部33Aを含み、第2面部10Bは、ディスク部32の背面部32B、リング部33の背面部33Bを含み、外周部10Cは、リング部33の外周部33Cを含む。他の実施形態では、第1面部10Aがディスク部32の背面部32B、リング部33の背面部33Bを含み、第2面部10Bがハブ部31の正面部31A、ディスク部32の正面部32A、リング部33の正面部33Aを含んでも良い。
図1に示すように、操作子10には、接触センサとしての第1静電容量センサ35、第2静電容量センサ36、及び第3静電容量センサ37と、回転角センサ38と、力覚センサ39とが設けられている。回転角センサ38は、操作子10の車体15に対する回転角を検出する。回転角センサ38は、ロータリエンコーダやレゾルバ等であってよい。他の実施形態では、操作子10にジャイロセンサが設けられてもよい。ジャイロセンサは、操作子10の回転速度を検出する。
力覚センサ39は、公知の圧電式又はひずみゲージ式のセンサであってよく、ベース24とハブ部31の間に設けられている。力覚センサ39は、例えば6軸力覚センサであり、操作子10に加わる回転軸線Aに沿った前側(前後方向一方側)、回転軸線Aに沿った後側(前後方向他方側)、左側(左右方向一方側)、右側(左右方向他方側)、回転軸線Aと直交する方向に沿った上側(上下方向一方側)及び回転軸線Aと直交する方向に沿った下側(上下方向他方側)の荷重を検出可能である。
図4、図6及び図7に示すように、第1〜第3静電容量センサ35〜37は、静電容量の変化に基づいて乗員Xの指等の物体の接近及び接触を検出する接触センサである。第1〜第3静電容量センサ35〜37は、操作子10のリング部33に設けられている。
第1静電容量センサ35は操作子10の第1面部10Aに設けられ、第2静電容量センサ36は操作子10の第2面部10Bに設けられ、第3静電容量センサ37は操作子10の外周部10Cに設けられている。詳細には、第1静電容量センサ35はリング部33の正面部33Aに設けられ、第2静電容量センサ36はリング部33の背面部33Bに設けられ、第3静電容量センサ37はリング部33の外周部33Cに設けられている。他の実施形態では、第1静電容量センサ35がリング部33の背面部33Bに設けられ、第2静電容量センサ36がリング部33の正面部33Aに設けられても良い。
第1静電容量センサ35は、リング部33の正面部33Aに沿って、リング部33と同軸の環状に形成された1つのセンサである。他の実施形態では、第1静電容量センサ35は、リング部33の正面部33Aに沿って周方向に配列された複数のセンサであってもよい。第1静電容量センサ35は、正面部33Aにおける内周側に配置されていることが好ましい。詳細には、操作子10の回転軸線Aに沿った方向から見て、リング部33の幅方向における中央を通過する中心環状線より径方向内側、すなわちリング部33の内周部33Dに第1静電容量センサ35が配置されていることが好ましい。
第2静電容量センサ36は、リング部33の背面部33Bに沿って、リング部33と同軸の環状に形成された1つのセンサである。他の実施形態では、第2静電容量センサ36は、リング部33の背面部33Bに沿って周方向に配列された複数のセンサであってもよい。第2静電容量センサ36は、背面部33Bの幅方向における中央に沿って延びていることが好ましい。第2静電容量センサ36は、第1静電容量センサ35よりも大きい直径を有することが好ましい。
第3静電容量センサ37は、操作子10の外縁に沿って設けられ、乗員Xの手の接触位置(乗員Xによるタッチ操作の位置)を特定可能なセンサである。第3静電容量センサ37は、操作子10の外縁に沿って延びる単一のセンサや、操作子10の外縁に沿って複数に分割された複数のセンサであってよい。本実施形態では、第3静電容量センサ37は、リング部33の外周縁を含む外周部33Cに沿って、周方向に複数配列されている。第3静電容量センサ37のそれぞれは、周方向に等しい角度幅を有し、等間隔で互いに隣り合って配置されている。隣り合う第3静電容量センサ37の間の隙間は小さいほど好ましい。本実施形態では、第3静電容量センサ37は、36個設けられ、それぞれ約10度の角度幅を有する。
第1〜第3静電容量センサ35〜37は、静電容量に応じた信号を出力する。第1〜第3静電容量センサ35〜37は、乗員Xの手等の物体が接近するほど、また接近する物体が大きいほど、また物体の比誘電率が高いほど静電容量が増加する。
第1〜第3静電容量センサ35〜37は、操作子10が乗員Xに把持されたことを検出する把持センサとして機能する。例えば、第1〜第3静電容量センサ35〜37は、第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36の少なくとも一方の静電容量及び所定の個数以上の第3静電容量センサ37の静電容量が所定の基準値以上まで上昇した場合に、操作子10が乗員Xに把持されたことを検出する。他の異なる実施形態では、第1〜第3静電容量センサ35〜37が上記の検出方法とは異なる検出方法によって操作子10が乗員Xに把持されたことを検出しても良い。
図5に示すように、ハブ部31の正面部31A側(乗員X側)には、表示部としてのディスプレイ40が設けられている。ディスプレイ40は円形に形成され、ハブ部31の正面の面積の50%以上を占めている。図1に示すように、ディスプレイ40は、制御装置11のインターフェース制御部41によって制御され、車両2の運転モード(自動運転モード又は手動運転モード)や、車両2の進行方向(将来の軌跡)、車両2の周囲を走行する周辺車両の位置、車両2の速度等を表す画像を表示する。画像には、数値や記号が含まれてもよい。
車体15と操作子10との間には、車体15に対する操作子10の回転操作に対して反力(回転抵抗)を与える第1反力付与装置43(図1参照)が設けられている。第1反力付与装置43は、例えば電動モータであり、電動モータの回転力を操作子10の回転操作に対する反力として操作子10に与える。本実施形態では、第1反力付与装置43はベース24に設けられ、ベース24に対するハブ部31の回転に対して反力を付与する。第1反力付与装置43は、操作子10に十分な回転抵抗を加えることによって操作子10の回転を規制することができる。すなわち、第1反力付与装置43は、車体15に対する操作子10の回転を抑制する回転抑制装置として機能する。
車体15と操作子10との間には、車体15に対する操作子10の回転軸線Aに沿った移動に対して反力(移動抵抗)を与える第2反力付与装置44(図1参照)が設けられている。第2反力付与装置44は、例えばアーム駆動機構28を構成する電動モータであり、電動モータの回転力を操作子10の前後方向の移動操作に対する反力として操作子10に与える。第2反力付与装置44は、操作子10に十分な移動抵抗を加えることによって操作子10の前後方向の移動を規制することができる。すなわち、第2反力付与装置44は、車体15に対する操作子10の前後方向の移動を抑制する移動抑制装置として機能する。
図1に示すように、制御装置11は、車両2の各種状態量を検出する車両センサ45と、車両2の周囲の環境情報を検出する外界認識装置46とに接続されている。車両センサ45は、例えば車両2の車速を検出する車速センサや、車両2の加速度を検出する加速度センサ、車両2のヨーレートを検出するヨーレートセンサ等を含む。制御装置11は、車両センサ45から車両2の各種状態量を取得する。
外界認識装置46は、周辺車両情報及び周辺環境情報を取得し、制御装置11に出力する。外界認識装置46は、車両2の周囲を撮像するカメラ47と、車両2の周囲に存在する物体を検出するレーザやライダ等の物体検出センサ48と、ナビゲーション装置49とを含む。外界認識装置46は、カメラ47が取得した画像から走路や区画線を認識する。また、外界認識装置46は、カメラ47が取得した画像や物体検出センサ48の検出信号に基づいて、車両2の周囲を走行する周辺車両の位置及び速度を含む周辺車両情報を取得する。また、外界認識装置46は、ナビゲーション装置49からの自車両位置、地図情報及びPOI(Point Of Interest)に基づいて、車両2が走行する走路や隣接する走路、車両2の周囲の店舗や分岐路等の周辺環境情報を取得する。
<操作子10に対する運転操作>
操作子10は、運転操作として、第1運転操作及び第2運転操作を受け付け可能である。第1運転操作及び第2運転操作は、それぞれ異なる加減速操作と転舵操作を含んでいる。第1運転操作は、操作子10に接触することによる運転操作(例えば、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作、さすり操作等)であるため、第1運転操作における操作子10の可動量は0であるか、極めて小さい。第2運転操作は、操作子10を回転又は移動させることによる運転操作であるため、第2運転操作における操作子10の可動量は第1運転操作における操作子10の可動量よりも多い。このように第1運転操作を接触操作とし、第2運転操作を回転操作又は移動操作とすることで、第1運転操作と第2運転操作を明確に区別し、両者の混同を回避することができる。
操作子10は、運転操作として、第1運転操作及び第2運転操作を受け付け可能である。第1運転操作及び第2運転操作は、それぞれ異なる加減速操作と転舵操作を含んでいる。第1運転操作は、操作子10に接触することによる運転操作(例えば、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作、さすり操作等)であるため、第1運転操作における操作子10の可動量は0であるか、極めて小さい。第2運転操作は、操作子10を回転又は移動させることによる運転操作であるため、第2運転操作における操作子10の可動量は第1運転操作における操作子10の可動量よりも多い。このように第1運転操作を接触操作とし、第2運転操作を回転操作又は移動操作とすることで、第1運転操作と第2運転操作を明確に区別し、両者の混同を回避することができる。
第1運転操作は、乗員Xの手によるリング部33の外周部33Cの周方向へのさすり操作を含む。乗員Xが手でリング部33の外周部33Cを回転方向にさすると、周方向に並んで配列された複数の第3静電容量センサ37の静電容量が順番に変化する。信号処理部14は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて、乗員Xによるリング部33のさすり操作を検出する。信号処理部14は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて、さすり操作の向き、及び長さ(ストローク長)を検出する。走行制御部12は、信号処理部14によって検出されたさすり操作の向き及び長さに応じて操舵装置4を制御し、車両2の左右へのオフセット移動や、車線変更、右折又は左折等を行うとよい。
また、第1運転操作は、乗員Xの手によるリング部33の正面部33A又は背面部33Bへの接触操作を含む。接触操作は、例えばシングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作等を含む。乗員Xが手でリング部33の正面部33A又は背面部33Bに対して接触操作を行うと、第1静電容量センサ35又は第2静電容量センサ36の静電容量が変化する。信号処理部14は、第1静電容量センサ35又は第2静電容量センサ36からの検出信号に基づいて、乗員Xの手の接触継続時間や接触回数を判定し、接触操作がシングルタップ操作、ダブルタップ操作、及び長押し操作のいずれであるかを判定する。
走行制御部12は、例えば、正面部33Aへの操作に対して加速制御を実行し、背面部33Bへの操作に対して減速制御を実行する。加速制御は、目標車速を現在の値から所定値増加させるための制御、自車両と自車両の前方を走行する前走車との目標車間距離を現在の値から所定値短くする制御、及び停車状態から発進する制御を含む。減速制御は、目標車速を現在の値から所定値低下させるための制御や、自車両と前走車との目標車間距離を現在の値から所定値長くする制御、低速走行状態から停車させるための制御を含む。走行制御部12は、正面部33A及び背面部33Bへの操作の態様に応じて実行する制御、又は車両2の目標速度の変化量を変更してもよい。走行制御部12は、例えば、シングルタップ操作に対する目標速度の変化量よりもダブルタップ操作に対する目標速度の変化量を大きくするとよい。また、走行制御部12は、正面部33A又は背面部33Bに長押し操作がなされている間、目標速度の増加又は減少を継続してもよい。
第2運転操作は、回転軸線Aを中心とした操作子10の回転操作と、回転軸線Aに沿った操作子10の移動操作(押し引き操作)とを含む。乗員Xが操作子10の回転操作を行うと、車体15に対する操作子10の回転角を回転角センサ38が検出する。信号処理部14は回転角センサ38からの検出信号に基づいて操作子10の回転角を取得し、走行制御部12は、取得された回転角に応じて操舵装置4を制御し、車両2の車輪を転舵させる。
乗員Xが操作子10を前側に移動操作する(押し込む)と、操作子10に加わる前側への荷重を力覚センサ39が検出する。信号処理部14は力覚センサ39からの検出信号に基づいて操作子10に加わる荷重及び荷重の向きを取得し、走行制御部12は、取得された荷重及び荷重の向きに応じて駆動装置5を制御し、車両2を加速させる。乗員Xが操作子10を後側に移動操作する(引き出す)と、操作子10に加わる後側への荷重を力覚センサ39が検出する。信号処理部14は力覚センサ39からの検出信号に基づいて操作子10に加わる荷重及び荷重の向きを取得し、走行制御部12は、取得された荷重及び荷重の向きに応じて駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御し、車両2を減速させる。他の実施形態では、位置センサ29によって乗員Xによる操作子10の移動操作を検出し、位置センサ29からの信号に基づいて車両2を加減速制御してもよい。
<車両2の運転モード>
走行制御部12は、車両2の運転モードを自動運転モードと手動運転モードの間で切り替え可能である。自動運転モードでは、走行制御部12によって転舵操作及び加減速操作が自動的に実行され、手動運転モードでは、乗員Xによって転舵操作及び加減速操作が手動で実行される。
走行制御部12は、車両2の運転モードを自動運転モードと手動運転モードの間で切り替え可能である。自動運転モードでは、走行制御部12によって転舵操作及び加減速操作が自動的に実行され、手動運転モードでは、乗員Xによって転舵操作及び加減速操作が手動で実行される。
走行制御部12は、自動運転モードにおいて、主体的に車両2の将来の軌道を生成し、操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6を制御する。ただし、走行制御部12は、自動運転モードにおいても、乗員Xによる操作子10に対する第1運転操作を受け付けることで、操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6の制御に乗員Xの意思を反映させる。つまり、第1運転操作は、自動運転モードにおける補助的な運転操作である。
走行制御部12は、手動運転モードにおいて、乗員Xによる操作子10に対する第2運転操作に応じて、操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6を制御する。つまり、第2運転操作は、手動運転モードにおける主体的な運転操作である。他の実施形態では、走行制御部12は、手動運転モードにおいて、乗員Xによるアクセルペダルやブレーキペダルに対する踏み込み操作に応じて、駆動装置5及び制動装置6を制御してもよい。
<操作子10の位置>
図2を参照して、操作子10は、許容位置としての第1位置P1、許容位置としての第2位置P2、及び制限位置としての第3位置P3の間で移動可能である。第1位置P1は車両2の左右方向の中心よりも左側(左右方向一方側)に位置しており、第2位置P2は車両2の左右方向の中心よりも右側(左右方向他方側)に位置している。つまり、第1位置P1と第2位置P2は、左右方向において互いにずれており、離間している。第3位置P3は、車両2の左右方向の中心に位置している。第3位置P3は、左右方向において第1位置P1と第2位置P2の中間に位置しており、左右方向において第1位置P1及び第2位置P2とはずれている。第3位置P3は、車長方向において第1位置P1及び第2位置P2よりも前方に位置している。そのため、乗員Xが操作子10に対する操作を行わない時(例えば、自動運転モードの実行時や車両2に対する乗員Xの乗降時)に、操作子10を第3位置P3に移動させることで、操作子10と乗員Xの距離を離すことができる。これにより、操作子10が乗員Xに圧迫感を与えるのを抑制することができる。
図2を参照して、操作子10は、許容位置としての第1位置P1、許容位置としての第2位置P2、及び制限位置としての第3位置P3の間で移動可能である。第1位置P1は車両2の左右方向の中心よりも左側(左右方向一方側)に位置しており、第2位置P2は車両2の左右方向の中心よりも右側(左右方向他方側)に位置している。つまり、第1位置P1と第2位置P2は、左右方向において互いにずれており、離間している。第3位置P3は、車両2の左右方向の中心に位置している。第3位置P3は、左右方向において第1位置P1と第2位置P2の中間に位置しており、左右方向において第1位置P1及び第2位置P2とはずれている。第3位置P3は、車長方向において第1位置P1及び第2位置P2よりも前方に位置している。そのため、乗員Xが操作子10に対する操作を行わない時(例えば、自動運転モードの実行時や車両2に対する乗員Xの乗降時)に、操作子10を第3位置P3に移動させることで、操作子10と乗員Xの距離を離すことができる。これにより、操作子10が乗員Xに圧迫感を与えるのを抑制することができる。
操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態では、自動運転モード及び手動運転モードによる車両2の走行が可能である。具体的には、走行制御部12は、操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態で、乗員Xによるモード切替スイッチ51(図1参照)の操作に応じて、車両2の運転モードを手動運転モードと自動運転モードの間で切り替える。操作子10が第3位置P3にある状態では、自動運転モードによる車両2の走行が可能であり、かつ、手動運転モードの選択ができない。また、操作子10が第1位置P1及び第3位置P3の間、又は第2位置P2及び第3位置P3の間にある状態では、自動運転モードによる車両2の走行のみが可能であり、手動運転モードの選択ができない。
操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態では、操作子10が第1運転操作と第2運転操作の両方を受け付け可能である。具体的には、操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態で、車両2の運転モードが自動運転モードになっている時には、操作子10が第1運転操作を受け付け可能である。一方で、操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態で、車両2の運転モードが手動運転モードになっている時には、操作子10が第2運転操作を受け付け可能である。
操作子10が第3位置P3にある状態、第1位置P1及び第3位置P3の間にある状態、第2位置P2及び第3位置P3の間にある状態のいずれかでは、車両2の運転モードが自動運転モードになっており、操作子10が第1運転操作を受け付け可能であり、かつ、第2運転操作を受け付け不能である。そのため、操作子10と乗員Xの距離が離れた第3位置P3において、操作子10の可動量が比較的多い第2運転操作が実行されるのを防止することができる。これにより、第3位置P3における操作子10の誤操作を抑制することができる。
<操作子10の反力設定方法>
制御装置11は、操作子10の本体30(操作子本体)の位置に応じて車両2を加減速制御すると共に、第3静電容量センサ37からの信号に基づいて第1反力付与装置43が発生する反力を制御する。
制御装置11は、操作子10の本体30(操作子本体)の位置に応じて車両2を加減速制御すると共に、第3静電容量センサ37からの信号に基づいて第1反力付与装置43が発生する反力を制御する。
制御装置11は、乗員Xによる操作子10の把持態様を取得する把持態様取得部81と、第1反力付与装置43及び第2反力付与装置44を制御する反力制御部82とを有する。
把持態様取得部81は、第3静電容量センサ37からの検出信号に基づいて、乗員Xとリング部33との接触面積CAを取得する。本実施形態では、把持態様取得部81は、静電容量が変化した第3静電容量センサ37の個数に基づいて乗員Xとリング部33との接触面積CAを取得する。静電容量が変化した第3静電容量センサ37の個数と、乗員Xとリング部33との接触面積CAとの間には相関関係がある。ここでの接触面積CAは、乗員Xとリング部33との接触部が、互いに分離した複数の接触部を含む場合に、全ての接触部の合計の接触面積CAをいう。
把持態様取得部81は、取得した接触面積CAに基づいて乗員Xによるリング部33の把持態様を取得してもよい。乗員Xが両手でリング部33を把持している状態、片手でリング部33を把持している状態、両手をリング部33から離している状態において、乗員Xとリング部33との接触面積CAは変化する。把持態様取得部81は、接触面積CAが第1閾値SH1未満である場合に乗員Xがリング部33から手を離していると判定し、接触面積CAが第1閾値SH1以上第2閾値SH2未満である場合に乗員Xがリング部33を片手で把持していると判定し、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合に乗員Xがリング部33を両手で把持していると判定してもよい。第2閾値SH2は、第1閾値SH1より大きな値に設定されている。第1閾値SH1及び第2閾値SH2は、例えば成人の手のひらの幅の平均値に基づいて設定されるとよい。
また、把持態様取得部81は、乗員Xによる片手での把持、又は両手での把持を判定するときに、第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36の少なくとも一方の静電容量の変化量が所定の閾値以上であること、すなわち第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36の少なくとも一方が乗員Xとの接触を検出していることを条件に付加してもよい。
また、把持態様取得部81は、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合に、乗員Xとリング部33との2つの接触部(把持部)の位置を特定する。把持態様取得部81は、静電容量が変化した第3静電容量センサ37の位置に基づいて2つの接触部の位置を特定するとよい。把持態様取得部81は、乗員Xとリング部33との2つの接触部の位置に基づいて、2つの接触部間の距離を取得する。2つの接触部間の距離は、直線距離、又はリング部33に沿った周方向における距離のいずれであってもよい。
反力制御部82は、把持態様取得部81によって取得された接触面積CAに基づいて、第2反力付与装置44に発生させる反力の絶対値を変化させる。図8に示すように、反力制御部82は、乗員Xとリング部33との接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である場合に第1反力F1を発生させるべく第2反力付与装置44を制御し、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合に第2反力F2を発生させるべく第2反力付与装置44を制御する。ここで、操作子10の本体30が同一位置にあるときに、第2反力F2の絶対値は、第1反力F1の絶対値よりも大きく設定される。接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である状態は乗員Xが片手でリング部33を把持している状態であると推定され、接触面積CAが第2閾値SH2以上である状態は乗員Xが片手でリング部33を把持している状態であると推定される。これにより、反力制御部82は、接触面積CAに基づいて、乗員Xが両手でリング部33を把持していると推定される状態では、乗員Xが片手でリング部33を把持していると推定される状態よりも、第2反力付与装置44が発生する反力を増加させる。これにより、第2反力付与装置44は、乗員Xの把持状態に応じて適切な反力を発生させることができる。ここで、第1反力F1の絶対値は、操作子10の回転軸線Aに沿った前側(加速側)及び後側(減速側)の変位に対して同一の値であってもよく、互いに相違する値であってもよい。同様に、第2反力F2の絶対値は、操作子10の回転軸線Aに沿った前側(加速側)及び後側(減速側)の変位に対して同一の値であってもよく、互いに相違する値であってもよい。
また、反力制御部82は、乗員Xとリング部33との接触面積CAが第1閾値SH1未満である場合に第3反力F3を発生させるべく第2反力付与装置44を制御してもよい。第3反力F3の絶対値は、第1反力F1の絶対値よりも高く設定され、好ましくは第2反力F2よりも高く設定されているとよい。ここで、接触面積CAが第1閾値SH1未満である状態は、乗員Xがいずれの手でもリング部33を把持していない状態であると推定される。これにより、乗員Xがいずれの手でもリング部33を把持していない状態であると推定される場合には、操作子10の変位を抑制して、乗員Xが意図しない操作子10への操作を防止することができる。
把持態様取得部81は、第3静電容量センサ37からの信号に基づいてリング部33と乗員Xとの2つの接触部の互いの距離を取得する。反力制御部82は、接触部の互いの距離が所定の距離閾値以上である場合に、接触部の互いの距離が距離閾値未満の場合よりも第2反力F2を増加させる。これにより、乗員Xが両手で操作子10を把持していると推定される場合に、反力制御部82は2つの接触部の相対位置に応じて適切な反力を設定することができる。2つの接触部は、乗員Xの右手による把持部と、左手による把持部とに対応する。右手による把持部と左手による把持部との距離が距離閾値以上である場合には、距離閾値未満である場合よりも乗員Xは操作子10に操作力を加え易いため、反力を高くすることによって操作子10の操作性を向上させることができる。反力制御部82は、接触部の互いの距離の増加に応じて、第2反力F2が増加するように第2反力付与装置44を制御してもよい。距離閾値は、乗員の肩幅等の体格に応じて変更してもよい。制御装置11は、撮像装置26によって取得された画像情報に基づいて肩幅等の体格を取得するとよい。また、反力制御部82は、2つの接触部の互いの距離と、乗員の肩幅等の体格とに基づいて第2反力F2を設定するとよい。反力制御部82は、例えば乗員の肩幅が大きいほど第2反力F2を増加させるとよい。また、反力制御部82は、例えば乗員の肩幅が大きいほど、接触部の互いの距離の増加に対する第2反力F2の増加量の割合を増加させるとよい。体格は、肩幅に代えて、座高や顔の大きさ等に基づいて設定されてもよい。
図9に示すように、反力制御部82は、接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である場合、すなわち乗員Xが片手でリング部33を把持していると推定される場合において、操作子10の本体30の中立位置からの位置が所定の位置閾値SP1未満の場合に、本体30の中立位置からの位置が位置閾値SP1以上の場合よりも前記第1反力を増加させるべく第2反力付与装置44を制御するとよい。位置閾値SP1は、例えば1mm〜10mmに設定されるとよい。これにより、操作子10の中立位置からの変位に対して生じる第1反力F1は、中立位置から位置閾値SP1以上離れた位置からの操作子10の変位に対して生じる第1反力F1よりも大きくなる。その結果、操作子10が中立位置から変位し難くなる。これにより、乗員Xの操作子10への意図しない接触等によって操作子10が変位し難くなる。すなわち、操作子10を中立位置から変位させるためには、乗員Xによる意志をもった運転操作が要求される。
走行制御部12は、操作子10の回転軸線Aに沿った前側(第1方向)への変位に応じて駆動装置5を制御して車両2を加速制御し、操作子10の回転軸線Aに沿った後側(第2方向)への変位に応じて駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御して車両2を減速制御する。図10に示すように、反力制御部82は、操作子10の回転軸線Aに沿った前側への変位に対して発生させる反力よりも、後側への変位に対して発生させる反力が小さくなるように第2反力付与装置44を制御するとよい。これにより、乗員Xは、加速操作よりも減速操作をより小さな力で行うことができる。そのため、乗員Xは、緊急を要する減速操作を容易に行なうことができる。
反力制御部82は、乗員Xとリング部33との接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である場合に操作子10の本体30の回転を抑制する第1回転反力RF1を発生させるべく第1反力付与装置43を制御し、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合に第2回転反力RF2を発生させるべく第1反力付与装置43を制御する。本体30が同一の回転位置にあるときに、第2回転反力RF2の絶対値は、第1回転反力RF1の絶対値よりも大きい。これにより、反力制御部82は、接触面積CAに基づいて、乗員Xが両手でリング部33を把持していると推定される状態では、乗員Xが片手でリング部33を把持していると推定される状態よりも、第1反力付与装置43が発生する反力を増加させる。これにより、第1反力付与装置43は、乗員Xの把持状態に応じて適切な反力を発生させることができる。ここで、第1回転反力RF1及び第2回転反力RF2は、本体30の回転軸線Aを中心とした右回り及び左回りの回転に対して同一の値であってもよい。
制御装置11の走行制御部12は、車両2の車線からの逸脱を抑制するための車線維持支援制御(LKAS;Lane Keeping Assistance System)を実行してもよい。走行制御部12は、車線維持支援制御において、外界認識装置46のカメラ47が取得した画像情報に基づいて車両2が走行する車線の左右の区画線に対する車両2の相対位置を取得する。区画線は、例えば車道中央線、車線区画線、車道外側線等を含む。走行制御部12は、区画線に対する車両2の相対位置に基づいて、車両2が車線から逸脱しないように目標操舵角を設定し、目標操舵角に基づいて操舵装置4を制御する。例えば、走行制御部12は、車線維持支援制御において、車線の中央に対する車両2のオフセット量に基づいて、車両2が車線の中央に近づく方向に目標操舵角を設定するとよい。また、走行制御部12は、車線維持支援制御において、車両2と区画線との距離が所定の閾値以下になったときに、車両2が車線の中央に近づく方向に目標操舵角を設定してもよい。
反力制御部82は、接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である場合、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合よりも、車線維持支援制御による制御量を大きくするとよい。これにより、乗員Xが片手でリング部33を把持していると推定される場合には、乗員Xが両手でリング部33を把持していると推定される場合よりも車線維持支援制御による操舵量が大きくなる。そのため、乗員Xは片手でリング部33を把持しても、車両2は車線に沿って安定的に走行することができる。また、乗員Xが両手でリング部33を把持する場合には、片手でリング部33を把持する場合よりも車線維持支援制御による操舵の影響を弱めることによって、乗員Xの意志に基づく車両挙動を実現することができる。ここで、車線維持支援制御による制御量は、例えば制御量に乗じるゲインを変更することによって、又は制御量を生じさせる閾値を変更することによって変化させるとよい。例えば、車線維持支援制御において、車両2と区画線との距離が所定の閾値以下になったときに、車両2が車線の中央に近づく方向に目標操舵角を設定する場合、閾値を小さくすることによって車線維持支援制御の制御量を小さくする、すなわち車線維持支援制御の影響を弱めることができる。
反力制御部82は、操作子10の力覚センサ39(荷重センサ)からの検出信号に基づいて第1反力付与装置43及び第2反力付与装置44が発生すべき反力を設定してもよい。反力制御部82は、力覚センサ39からの検出信号に基づいて、乗員Xが操作子10の本体30を車幅方向に移動させるときに操作子10の本体30に加わる荷重を検出する。反力制御部82は、例えば、収納位置としての第3位置P3から使用位置としての第1位置P1又は第2位置P2に乗員Xによって本体30が引っ張られるときに本体30に加わる荷重を検出するとよい。反力制御部82は、本体30に加わる荷重が大きいほど、第1反力付与装置43及び第2反力付与装置44の少なくとも一方が発生する反力を大きく設定するとよい。本体30を車幅方向に移動させるときに乗員Xが本体30に加える荷重は、乗員Xが運転操作において操作子10に与える操作力と相関があると推定される。そのため、本体30を車幅方向に移動させるときに乗員Xが本体30に加える荷重に基づいて、第1反力付与装置43及び第2反力付与装置44が発生すべき反力を大きく設定することによって乗員Xの個性及び腕力に応じた反力を実現することができる。
また、図11に示すように、反力制御部82は、乗員Xとリング部33との接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である場合に第2反力付与装置44に第1反力F1を発生させ、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合に第2反力付与装置44に第1反力F1よりも大きい第2反力F2を発生させ、更に乗員Xが操作子10の本体30を車幅方向に移動させるときに操作子10の本体30に加わる荷重に基づいて、第2反力付与装置44が発生させる第1反力F1及び第2反力F2の少なくとも一方を補正するとよい。反力制御部82は、荷重が大きいほど、第1反力F1及び第2反力F2の少なくとも一方を大きくするように補正するとよい。
また、反力制御部82は、乗員Xとリング部33との接触面積CAが第1閾値SH1以上かつ第2閾値SH2未満である場合に第1反力付与装置43に第1回転反力RF1を発生させ、接触面積CAが第2閾値SH2以上である場合に第1反力付与装置43に第1回転反力RF1よりも大きい第2回転反力RF2を発生させ、更に乗員Xが操作子10の本体30を車幅方向に移動させるときに操作子10の本体30に加わる荷重に基づいて、第1反力付与装置43が発生させる第1回転反力RF1及び第2回転反力RF2の少なくとも一方を補正するとよい。反力制御部82は、荷重が大きいほど、第1回転反力RF1及び第2回転反力RF2の少なくとも一方を大きくするように補正するとよい。
反力制御部82は、把持態様取得部81によって取得された接触面積CAに加えて、操作子10の回転軸線Aに沿った中立位置からの距離、又は操作子10の回転軸線Aに沿った移動速度に基づいて第2反力付与装置44が発生する反力を変化させてもよい。例えば、図12に示すように、反力制御部82は、操作子10の回転軸線Aに沿った中立位置からの距離が大きくなるほど、又は操作子10の回転軸線Aに沿った移動速度が大きくなるほど反力を増加させてもよい。また、反力制御部82は、把持態様取得部81によって取得された接触面積CAに加えて、操作子10の回転軸線Aを中心とした回転角、又は操作子10の回転軸線Aを中心とした回転速度に基づいて第1反力付与装置43が発生する反力を変化させてもよい。例えば、反力制御部82は、操作子10の中立位置からの回転角が大きくなるほど、又は操作子10の回転速度が大きくなるほど反力を増加させてもよい。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。操作子10のハブ部31はベース24に対して回転軸線Aに沿った方向に移動可能に支持されてもよい。この場合、第2反力付与装置44は、ベース24に対するハブ部31の回転軸線Aに沿った方向の移動に対して反力を付与してもよい。また、ベース24がアーム23に対して回転軸線Aに沿った方向に移動可能に支持されてもよい。この場合、第2反力付与装置44は、アーム23に対するベース24の回転軸線Aに沿った方向の移動に対して反力を付与してもよい。
1 :車両制御システム
2 :車両
4 :操舵装置
5 :駆動装置
6 :制動装置
10 :操作子
11 :制御装置
12 :走行制御部
13 :移動制御部
14 :信号処理部
30 :本体(操作子本体)
31 :ハブ部
32 :ディスク部
33 :リング部
35 :第1静電容量センサ
36 :第2静電容量センサ
37 :第3静電容量センサ
81 :把持態様取得部
82 :反力制御部
2 :車両
4 :操舵装置
5 :駆動装置
6 :制動装置
10 :操作子
11 :制御装置
12 :走行制御部
13 :移動制御部
14 :信号処理部
30 :本体(操作子本体)
31 :ハブ部
32 :ディスク部
33 :リング部
35 :第1静電容量センサ
36 :第2静電容量センサ
37 :第3静電容量センサ
81 :把持態様取得部
82 :反力制御部
Claims (8)
- 車両制御システムであって、
乗員の手によって操作され、変位可能な操作子本体、前記操作子本体の変位に対して反力を付与する反力付与装置、及び前記操作子本体の表面に設けられた接触センサを備えた操作子と、
前記操作子本体の位置に応じて車両を加減速制御すると共に、前記接触センサからの信号に基づいて前記反力付与装置が発生する反力を制御する制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記接触センサからの信号に基づいて前記乗員と前記操作子本体との接触面積が第1閾値以上かつ第2閾値未満である場合に第1反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御し、前記接触面積が前記第2閾値以上である場合に前記第1反力よりも大きい第2反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御する車両制御システム。 - 前記制御装置は、前記接触センサからの信号に基づいて前記操作子本体と前記乗員との2つの接触部の互いの距離とを取得し、前記接触部の互いの距離が所定の距離閾値以上である場合に、前記接触部の互いの距離が前記距離閾値未満の場合よりも前記第2反力を増加させる請求項1に記載の車両制御システム。
- 前記制御装置は、前記接触面積が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合において、前記操作子本体の中立位置からの位置が所定の位置閾値未満の場合に、前記操作子本体の前記中立位置からの前記位置が前記位置閾値以上の場合よりも前記第1反力を増加させるべく前記反力付与装置を制御する請求項1又は請求項2に記載の車両制御システム。
- 前記操作子本体は、第1方向及び第2方向に変位可能であり、
前記制御装置は、前記操作子本体の前記第1方向への変位に応じて前記車両を加速制御し、前記操作子本体の前記第2方向への変位に応じて前記車両を減速制御し、
前記操作子本体の前記第1方向への変位に対して発生させる反力よりも前記第2方向への変位に対して発生させる反力が小さくなるように前記反力付与装置を制御する請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。 - 前記操作子本体は、回転が可能であり、
前記制御装置は、前記操作子本体の回転に応じて前記車両を操舵制御し、
前記制御装置は、前記接触センサからの信号に基づいて前記乗員と前記操作子本体との前記接触面積が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合に前記操作子本体の回転を抑制する第1回転反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御し、前記接触面積が前記第2閾値以上である場合に前記第1回転反力よりも大きい第2回転反力を発生させるべく前記反力付与装置を制御する請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。 - 前記制御装置は、前記車両の車線からの逸脱を抑制するための車線維持支援制御を実行し、
前記車線維持支援制御は、前記接触面積が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合に、前記接触面積が前記第2閾値以上である場合よりも、制御量を大きくする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。 - 前記操作子本体は、車幅方向に移動可能に車体に設けられ、
前記操作子は、前記操作子本体に加わる荷重を検出する荷重センサを有し、
前記制御装置は、前記荷重センサからの信号に基づいて、前記乗員が前記操作子本体を前記車幅方向に移動させるときに前記操作子本体に加わる前記荷重を検出し、前記荷重に基づいて前記第1反力及び前記第2反力の少なくとも一方を補正する請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。 - 前記制御装置は、前記荷重が大きいほど、前記第1反力及び前記第2反力の少なくとも一方を大きくするように補正する請求項7に記載の車両制御システム。
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