JP2021045854A - パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン担持体に形成されたパターン形成材料による膜に凹版を当接させてから剥離するパターン形成方法において、断裂などのパターン不良を抑えて良好な品質でパターンを形成することのできる技術を提供する。【解決手段】平板状のパターン担持体の表面に、第1方向に帯状に延びる複数のストリップ部と、ストリップ部間を接続する接続部とを有するパターンを形成する。接続部に対応する凹版の凹部の形状は、版面に垂直な方向から見た平面視において、隣り合う2つのストリップ部間で対向する辺の間を滑らかな曲線で接続するものであり、パターン担持体からの凹版の剥離を、表面に沿い第1方向と直交する第2方向に進行させる。【選択図】図10

Description

この発明は、パターン担持体に形成されたパターン形成材料による膜に凹版を当接させてから剥離することで、パターン担持体の表面に所定のパターンを形成するパターン形成方法に関するものである。
半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、磁気または光ディスク用のガラスまたはセラミック基板、有機EL用ガラス基板、太陽電池用ガラス基板またはシリコン基板、その他フレキシブル基板およびプリント基板などの電子機器向け基板に対してパターン層を形成するために、ブランケットなどのパターン担持体を用いた印刷技術が提案されている。この技術は、パターン形成材料を用いて所定の形状に形成されたパターンをブランケットなどのパターン担持体の表面に一時的に担持させ、該パターンを最終的な被転写体である基板の表面に転写する、というものである。
例えば、特許文献1、2は、このような印刷によるパターン形成プロセスに適用可能な装置として本願出願人が先に開示したものである。これらの装置は、パターン形成材料を含むインクによりブランケット表面に形成された膜に凹版を当接させてパターニングし、こうしてブランケット表面に形成されたパターンを基板に転写するプロセスに利用可能である。より具体的には、特許文献1に記載の転写装置は、パターニング工程において版とブランケットとを密着させる、また転写工程においてブランケットと基板とを密着させる際に利用可能である。また、特許文献2に記載の剥離装置は、こうして密着した版とブランケットとの間、またブランケットと基板との間を剥離し分離させる際に利用可能である。
特開2014−184716号公報 特開2014−189350号公報
近年ではパターンのさらなる微細化および薄膜化が進むにつれ、パターン不良、例えばパターン間の短絡や断線等の問題が生じやすくなってきている。特に、パターン形成材料の膜を介して版とパターン担持体とを当接させた状態からこれらを剥離するとき、パターンとしてパターン担持体表面に残すべき部分と除去すべき部分との境界において膜内にせん断応力が作用するため、応力集中によるパターンの断裂が起きやすい。電子デバイス製造を目的とするパターン形成においては、このようなパターン不良はデバイスの特性を低下させ、また不良品を生じさせることになる。
このため、断裂等のパターン不良を抑制し、より高品質なパターンを形成するための技術が必要となってきている。例えば、形成すべきパターンの形状に応じて製造プロセスを最適化するなどの方策により、パターン不良の発生を抑制することが期待される。しかしながら、これまでそのような技術が実用化されるには至っていない。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、パターン担持体に形成されたパターン形成材料による膜に凹版を当接させてから剥離するパターン形成方法において、断裂などのパターン不良を抑えて良好な品質でパターンを形成することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明の一の態様は、平板状のパターン担持体の表面に、前記表面に沿った第1方向に帯状に延びる複数のストリップ部と、隣り合う前記ストリップ部の間を接続する接続部とを有するパターンを形成するパターン形成方法であって、上記目的を達成するため、前記パターン担持体の表面にパターン形成材料の膜を形成する工程と、平板状で版面に前記パターンに対応する形状の凹部が設けられた凹版を前記パターン担持体表面の前記膜に当接させる工程と、前記パターン担持体から前記凹版を剥離し、前記膜のうち前記版面に当接した部分を前記パターン担持体から除去することで前記パターンを形成する工程とを備え、前記接続部に対応する前記凹部の形状は、前記版面に垂直な方向から見た平面視において、隣り合う2つの前記ストリップ部間で対向する辺の間を滑らかな曲線で接続するものであり、また前記パターン担持体からの前記凹版の剥離を、前記表面に沿い前記第1方向と直交する第2方向に進行させる。
このように構成された発明では、第1方向に延びる複数のストリップ間を接続する接続部のパターン形状を滑らかな曲線とすることで、剥離時に特定箇所に応力が集中するのを抑制している。その上で、剥離の進行方向を第2方向、すなわちストリップ部の長手方向である第1方向と直交する方向としている。
パターン形成材料の膜のうち不要部分を除去してパターン形成する場合、パターン担持体表面に残されるべきパターン部分と、除去されるべき不要部分との間で膜がせん断されることになる。このときパターン部分の弱い箇所に強い応力が作用すると、パターン断裂や、また完全な断裂には至らないものの部分的に亀裂が生じるなどのパターン不良が発生することがある。このようなパターン不良の発生を防止するためには、応力集中の生じにくいパターン形状とすること、および、パターン形状に応じ特定箇所に応力を集中させない剥離方法を採用することが必要である。
詳しくは後述するが、本願発明者の実験によれば、ストリップ部の長手方向である第1方向と直交する第2方向に剥離を進行させることで、ストリップ部におけるパターンの断裂や亀裂の発生を抑えることができる。一方、ストリップ部同士を接続する接続部については、その性質上第1方向と異なる方向の辺を有することが避けられないが、これを滑らかな曲線で構成することで、接続部についてもパターンの断裂や亀裂の発生を抑えることができることがわかった。このようにパターン形状と剥離方向とを組み合わせた本発明では、断裂等のパターン不良の発生確率を低く抑えて、良好な品質でパターン形成を行うことが可能である。
以上のように、本発明によれば、平板状のパターン担持体の表面に沿った第1方向に延びる複数のストリップ部と、隣り合うストリップ部の間を接続する接続部とを有するパターンを形成するのに際して、接続部のパターンを滑らかな曲線で構成するとともに、剥離方向をストリップ部の延設方向に応じて規定している。このため、断裂等のパターン不良の発生確率を低く抑えて、良好な品質でパターン形成を行うことが可能である。
本実施形態のパターン形成方法で形成しようとするパターンの一例である。 本実施形態のパターン形成処理を示すフローチャートである。 パターン形成処理における各部の状態を模式的に示す図である。 剥離装置による剥離プロセスの一例を示す模式図である。 剥離の進行状況を模式的に示す図である。 剥離方向を考えるためのモデルを示す図である。 モデルパターンを形成するプロセスを模式的に示す図である。 X方向に剥離を進行させる場合の状態変化を示す図である。 X方向に剥離を進行させる場合の状態変化を示す図である。 Y方向に剥離を進行させる場合の状態変化を示す図である。 パターン形状と剥離方向との組み合わせに関する実験結果を示す図である。
以下、本発明に係るパターン形成方法の一実施形態について説明する。なお、後述するように、この実施形態におけるパターン形成方法は、
(1)パターン担持体たる平板状のブランケットの表面に、パターン形成材料を含むインクを一様に塗布しインク膜を形成する、
(2)インク膜に凹版を押し付けてからこれを剥離し、ブランケット表面にパターンを形成する、
(3)パターンを担持するブランケット表面に、最終的な被転写体である基板を押し付けてからこれを剥離し、パターンを基板に転写する、
という工程を含んでいる。このうち(1)の工程は適宜の塗布装置を用いて実行することができ、そのような塗布装置としては各種のものが公知である。また、(2)および(3)の工程は、前述の特許文献1に記載の転写装置と特許文献2に記載の剥離装置とを用いて実行することができる。したがって、以下では、各プロセスを実行するための装置構成については説明を省略することとする。
このパターン形成方法は、パターン形成材料と基板との組み合わせにより、種々のデバイス製造に適用することが可能である。例えば、ガラス基板に発光体や隔壁材料等によるパターンを形成することで表示装置を製造することが可能である。また、半導体基板に電極や絶縁層となるパターンを形成することで、半導体装置を製造することが可能である。また、絶縁性基板に電極や有機半導体等のパターンを形成することで、有機トランジスタやセンサなど各種の半導体デバイスを製造することが可能である。
以下では、ガラス基板や樹脂基板のような絶縁性基板に、導電性材料を含むインクによる電極パターンを形成する場合を例として取り上げ、本実施形態のパターン形成方法を説明する。なお、本実施形態の処理対象とする基板には、前工程において予め他のパターンや機能層が作り込まれていてもよい。
図1は本実施形態のパターン形成方法で形成しようとするパターンの一例である。より具体的には、図1(a)は本実施形態で処理対象となる基板Sを例示しており、基板Sには同一の電極パターンを有するモジュールMが複数配置される。また、図1(b)は各モジュールM内の電極パターンの例を示す平面図、図1(c)はその斜視図である。以下の説明において各部の方向を統一的に示すために、図1に示すようにXY直交座標系を設定する。XY平面は基板Sの表面Saと平行な平面である。
図1(a)に示すように、基板SにはX方向およびY方向にマトリクス状に複数のモジュールMの領域が設定される。最終的には、各モジュールMが切り離されてそれぞれが単独で電子デバイスとして機能する。図1(b)および図1(c)に示すように、各モジュールMには、2つの電極E1、E2が対向配置される。電極E1は、一定幅でX方向に沿って細長く延びる互いに平行な複数のストリップ部E1aと、モジュールMの(−X)側端部付近にY方向に延設されて複数のストリップ部E1aを相互に接続する接続部E1bとを含む櫛歯形状を有する。
櫛歯の根元部分、つまりストリップ部E1aの(−X)側端部において、電極E2は電極E1と対称な形状を有している。すなわち、電極E2は、一定幅でX方向に沿って細長い帯状に延びる互いに平行な複数のストリップ部E2aと、モジュールMの(+X)側端部付近にY方向に延設され複数のストリップ部E2aを相互に接続する接続部E2bとを含む櫛歯形状を有する。また、接続部E2bは隣り合うストリップ部E2aの間を滑らかな曲線で接続している。
電極E1のストリップ部E1aは、電極E2のストリップ部E2aの隙間に入り込んでいる。一方、電極E2のストリップ部E2aは、電極E1のストリップ部E1aの隙間に入り込んでいる。このような構造の電極は、例えば有機薄膜トランジスタのドレイン電極とソース電極、あるいはキャパシタの対向電極等として機能するものである。
各電極E1、E2における代表的な寸法は以下の通りである。すなわち、電極の厚さは例えば50nm、各ストリップ部の幅は例えば15μm、ストリップ部間の間隔は例えば25μmである。各ストリップ部の長さは例えば数mmとすることができる。なお、各部の寸法はここに挙げた数値に限定されるものではない。このような構造を有する電極パターンE1、E2を、本実施形態のパターン形成方法によって形成する。
図2は本実施形態のパターン形成処理を示すフローチャートである。また、図3はパターン形成処理における各部の状態を模式的に示す図である。最初に、平板状のブランケットの表面にパターン形成材料となるインクを塗布し、均一な薄膜を形成する(ステップS101)。図3(a)に示すように、ブランケットBLは例えばガラス板である基材B1の一方表面に、例えばシリコンゴムのような弾性樹脂製の表面層B2をパターン担持層として積層した構造を有する。表面層B2に均一な薄膜状のインク層Ikが形成される。電極形成を目的とする場合、インクとしては例えば銀粉などの導電性材料を含む導電性インクを用いることができる。この工程は、例えばスリットコータなどの適宜の塗布装置により実行可能である。
そして、平板状の凹版Pが、その版面PaがブランケットBLに形成されたインク層Ikと対向するように配置される(ステップS102)。凹版Pの版面Paは、略平坦な平坦部P1に形成すべきパターンの形状に対応する凹部P2が刻設された構造を有する。図3(a)では版面Paの断面形状が簡略化されて示されているが、実際の版面Paには、図1(b)に示す電極E1、E2のパターン形状に対応した形状の凹部P2が設けられている。
凹版PとブランケットBLとの面方向の相対位置を合わせるアライメント調整が行われ、凹版PとブランケットBLとが当接される(ステップS103、図3(b))。これにより、ブランケットBL表面のインク層Ikが版Pによりパターニングされる(パターニング工程)。この工程は適宜の転写装置、例えば特許文献1に記載の装置によって実行可能である。
その後、凹版PとブランケットBLとが剥離される(ステップS104)。これにより、図3(c)に示すように、ブランケットBL表面のインク層Ikのうち版面Paの平坦部P1に対向し接触した部分は版面PaとともにブランケットBL表面から取り去られる。一方、版面Paの凹部P2と対向する部分はブランケットBLに残留し、こうして版面Paに対応するパターンPTがブランケットBL表面に形成される。この工程は適宜の剥離装置、例えば特許文献2に記載の装置によって実行可能である。
次いで、図3(d)に示すように、凹版Pに代えて、最終的な被転写体である基板SがブランケットBLとの対向位置に配置される(ステップS105)。このとき基板Sの被転写面がブランケットBLに対向される。そして、基板SとブランケットBLとの間で面方向の位置を合わせるアライメント調整が行われる。この状態から基板SとブランケットBLとを当接させる(ステップS106、図3(e))。これにより、ブランケットBL表面のパターンPTが基板Sに転写される(転写工程)。この工程も、例えば特許文献1に記載の転写装置により実行可能である。
その後、基板SとブランケットBLとが剥離される(ステップS107)。これにより、図3(f)に示すように、ブランケットBL表面に担持されていたパターンPTが基板Sに移行し、基板Sの表面に所望の形状を有するパターンPTが形成される。この工程も、例えば特許文献2に記載の装置によって実行可能である。こうしてパターンPTが形成された基板Sが後工程へ搬出されて(ステップS108)、本実施形態のパターン形成処理は完了する。
図4は剥離装置による剥離プロセスの一例を示す模式図である。ここでは特許文献2に記載された剥離装置を用いて版PとブランケットBLとを剥離させる剥離プロセスについて説明するが、基板SとブランケットBLとの間の剥離においても同様である。版PとブランケットBL、または基板SとブランケットBLのような互いに密着した2つの板状体を剥離させる場合、両者が密着する当接領域の一箇所において剥離を開始させ、こうしてできた剥離領域と当接領域との境界を順次当接領域側に進行させてゆくのが望ましい。このように進行が管理されない剥離では、当接領域の複数箇所で剥離が無秩序に進行してパターンを損傷したり、ブランケットBLが破損したりすることがあるからである。
ここでは、所定の剥離方向Ddに沿って剥離を進行させるものとする。なお、以下においては、単に「上流側」というとき、剥離方向Ddにおける上流側(図4において左側)を意味するものとする。また単に「下流側」というとき、剥離方向Ddにおける下流側(図4において右側)を意味するものとする。
図4(a)に示すように、版PとブランケットBLとが(インク層を介して)互いに密着し一体化されたワークWKは、上面が平坦なステージSTに載置される。ステージSTの上面のうち、上流側の端部は下向きに僅かに傾斜してテーパー部TPを構成している。ワークWKはブランケットBLの上流側端部がテーパー部TPにせり出すようにしてステージSTに載置される。
この状態から、図4(b)に示すように、ブランケットBLの上流側端部がプッシュロッドPRにより押し下げられる。プッシュロッドPRは図の紙面奥行き方向に延びる棒状の部材であり、したがってブランケットBLの上流側端部は柱面状に下向きに曲げられる。その結果、版PとブランケットBLとが密着する当接領域の上流側端部で版PとブランケットBLとの間に小さな隙間が生じ、両者の剥離が開始される。
続いて、図4(c)に示すように、版Pの上流側端部が吸着ハンドHによって吸着保持されるとともに、その下流側隣接位置で剥離ローラRが版Pの上面に当接される。この状態から、図4(d)に示すように、吸着ハンドHが版Pを上方へ引き上げ、剥離ローラRが下流側へ転動することで、剥離方向Ddに沿って剥離が進行する。このとき剥離ローラRの当接位置を超えて剥離が進行することはないから、剥離の進行は剥離ローラRによって管理されることになる。
以下の説明においては、図4(d)に示すように、版PとブランケットBLとが(インク層Ikを介して)密着している未剥離の領域を「当接領域」と称し符号Rcを付す。また、既に剥離されて当接領域から剥離済みの状態に転換された領域を「剥離領域」と称し符号Rdを付す。
図5は剥離の進行状況を模式的に示す図である。時刻T1においてプッシュロッドPRがブランケットBLの上流側端部を押し下げると、版PとブランケットBLとの当接領域のうち上流側端部で剥離が始まり、両者が密着する当接領域と、既に剥離した剥離領域との間に境界線が形成される。以下、この境界線を「剥離境界線」と称し符号Ldを付すこととする。ステージSTにおいて、平坦部とテーパー部TPとの接続部分に形成される稜線を直線状にしておくことで、このときの剥離境界線Ldを直線状とすることができる。
剥離ローラRを当接させながら剥離を進行させることで、剥離境界線Ldを直線状に維持しながら剥離方向Ddへ剥離を進行させることができる。図5は時刻T2,T3,T4(T4>T3>T2>T1)における剥離境界線Ldを示している。点線矢印で示すように、剥離境界線Ldは時刻の経過とともに下流側へ移動してゆく。最終的に剥離境界線Ldが最下流側まで進んだ時点で剥離は完了する。
このように進行する剥離プロセスをワークWKの剥離に適用するに当たっては、剥離方向DdをX方向と一致させる方法と、Y方向と一致させるか方法とが考えられる。これまで、剥離方向については主として前後の工程との関係や、装置や各部材の外形形状の都合に応じて設定されることが多かったと考えられる。しかしながら、本願発明者の知見によれば、本例のように一方向に延びる帯状のパターンを形成するケースにおいては、特に、微細なパターンを形成する場合において、パターン形状と関連付けて剥離方向を設定することが好ましい場合がある。
図6は剥離方向を考えるためのモデルを示す図である。パターン形状と剥離方向との関連を説明するために、パターン形状をより単純化した図6に示すモデルパターンMPを導入する。このモデルパターンMPは、形成すべき電極E1の一部、より具体的には櫛歯構造における櫛歯の根元部分に相当するものである。モデルパターンMPにおける電極E3は、X方向に沿って帯状に延びる複数のストリップ部E3aと、Y方向に延びてストリップ部E3aの間を接続する接続部E3bとを有している。
図7はモデルパターンを形成するプロセスを模式的に示す図である。より具体的には、図7(a)は版PとブランケットBLとを当接させる前の状態を示し、図7(b)は当接させてから剥離させた後の状態を示している。図7(a)に示すように、版Pの版面Paには、平坦部P1と、電極パターンE3に対応する形状の凹部P2とが設けられている。このような版Pを、一様なインク層Ikが形成されたブランケットBLに当接させた後に剥離させると、図7(b)に示すように、インク層Ikのうち版面Paの平坦部P1に当接した部分は版Pとともに除去され、凹部P2に対応する部分のインク層がブランケットBLに残留して電極パターンE3を形成する。
これらの図に白抜き矢印で示すように、電極E3のストリップ部E3aと接続部E3bとの接続部分は滑らかな曲線で接続されており、したがって隣り合うストリップ部E3aの間も滑らかな曲線で接続されている。
このようなモデルパターンMPにおいて、剥離方向DdをX方向とした場合の状態変化を図8、図9を用いて、また剥離方向DdをY方向とした場合の状態変化を図10を用いてそれぞれ説明する。
図8および図9はX方向に剥離を進行させる場合の状態変化を示す図である。図8(a)は剥離前の状態、より具体的には版PとブランケットBLとが密着する当接領域を、版Pを取り除いてブランケットBL表面に垂直な方向から見た仮想的な状態を示している。このとき、版PとブランケットBLとは一様なインク膜Ikを介して対向している。剥離方向Ddは図において左から右へ向かう方向である。
図8(b)は剥離開始直後の状態を示している。モデルパターンMPの(−X)側端部から剥離が開始されてこの部分に剥離済みの剥離領域Rdが形成されると、剥離領域Rdと、インク膜Ikを介して版PとブランケットBLとが密着する未剥離の当接領域Rcとの間に剥離境界線Ldが現れる。
図8(c)に示すように、剥離境界線Ldが接続部E3bとストリップ部E3aとの接続部分に差しかかるまでは、インク層Ikの全体がブランケットBLに残留して接続部E3bを形成する。一方、図8(d)に示すように、剥離境界線Ldがさらに進行すると、当接領域Rcのインク層Ikのうちストリップ部E3aに対応する部分のみがブランケットBL側に残留してストリップ部E3aを形成し、それ以外の部分は版Pの剥離とともにブランケットBLから取り去られる。
このとき、ブランケットBL上のインク層Ikは、ブランケットLに残る部分と版Pに付着して取り去られる部分との間でせん断を受ける。そのため、図9(a)に示すように、剥離境界線Ldの位置が接続部E3bに対応する領域からストリップ部E3aに対応する領域に遷移するとき、図に黒丸印で例示するように、ブランケットBLに残る部分と除去される部分との境界に近いインク層Ikに、強いせん断応力が作用する。このせん断応力が、パターンに断裂等の欠陥を生じさせる原因となる。
特に、ブランケットBLに残るべきパターンPTが剥離の際に版Pとともに取り去られるインク層Ikに引っ張られることで、境界の周辺でパターンに亀裂が発生しやすい。例えば、ストリップ部E3aの幅Wに対してストリップ部間の間隔Sの方が大きいようなパターンでは、図9(b)に示すように、インク層IkのうちブランケットBLに残るべき細い部分が、これを両側から挟み版Pとともに除去される幅広の部分により強く引っ張られることになる。これによりパターンの断線が生じやすい。ブランケットBL表面のパターン担持層が弾性体により構成されている場合、インク層IkとともにブランケットBLの表面層が引き伸ばされるため、影響が顕著である。
また例えば、比較例として図9(c)に示す電極E4のように、ストリップ部E4aと接続部E4bとが直線状の辺で垂直接続されている場合、その接続部分での応力集中が特に顕著となり、高確率でパターンの断裂が発生する。
図10はY方向に剥離を進行させる場合の状態変化を示す図である。図10(a)は剥離前の状態、より具体的には版PとブランケットBLとが密着する当接領域を、版Pを取り除いてブランケットBL表面に垂直な方向から見た仮想的な状態を示している。このとき、版PとブランケットBLとは一様なインク膜Ikを介して対向している。剥離方向Ddは図において下から上へ向かう方向である。
図10(b)ないし図10(d)に示すように、モデルパターンMPの(−Y)側端部、つまり図において下端から剥離が開始され、剥離境界線LdはX軸と平行を保ちつつ(+Y)方向へ移動してゆく。これにより、当接領域Rcは順次剥離領域Rdに転換されてゆく。
図10(c)に示すように、剥離境界線Ldがストリップ部E3aに対応する位置に到達するときに、ブランケットBL上のインク層IkのうちブランケットBLに残る部分と除去される部分との境界において大きな応力集中が生じると考えられる。しかしながら、剥離境界線Ldに近い位置ではストリップ部E3aの側辺がX方向に延びているため、X方向における広い範囲でほぼ同時にせん断が生じる。このため、せん断応力はX方向に分散され、特定の位置に集中することは回避される。
したがって、このようにストリップ部E3aの長手方向がX方向であるとき、これと直交するY方向に剥離を進行させることが、パターン不良を生じさせない1つの方法であると考えられる。この方法によるパターン不良の抑制効果は、パターン幅Wが小さい場合であっても有効である。
図11はパターン形状と剥離方向との組み合わせに関する実験結果を示す図である。本願発明者は、上記と同様の細長いストリップ部を有する種々の電極パターンを用意し、ストリップ部の延設方向と剥離方向との好ましい組み合わせを模索する実験を行った。図11はその結果の一部を示すものであり、ブランケットBL上でパターニングされた電極パターンを基板Sに転写し、基板S上に形成されたパターンを顕微鏡撮影したものである。図においては、淡色部分が電極パターンPTに対応し、濃色部分が基板Sの露出表面に対応している。
電極パターンの形状は、(a)〜(e)欄に示す5種類である。このうち(a)欄に示すパターン形状は、ストリップ部と接続部とが直交する辺で接続されたものである。また、(b)欄に示す形状はこれらが滑らかな曲線をなす辺で接続されたものである。また、(c)欄に示す形状は、ストリップ部の間がV字型に交わる2辺で接続されたものである。Y方向に対する両辺の傾きはいずれも45度である。また、(d)、(e)欄に示す形状は、ストリップ部の間をY方向に対し45度の傾きを有する辺で接続したものである。(d)欄に示す形状と、(e)欄に示す形状とでは、辺の傾き方向が異なっている。
いずれの例においても、ストリップ部の長手方向はX方向である。また、各図は剥離方向Ddが図の左から右に向かう方向となるように向きを揃えている。したがって、剥離方向DdをX方向とした各欄左側の図では、図の左右方向がX方向、上下方向がY方向である。一方、剥離方向DdをY方向とした各欄右側の図では、図の上下方向がX方向、左右方向がY方向である。後述するように、剥離方向DdをY方向とした場合には、これをX方向とした場合に比べてパターンの亀裂が有意に小さかったため、右図は左図よりも拡大倍率が高くなっている。
各図において、矢印は直ちにパターンの断線につながるような大きな亀裂の位置を示し、白い三角形は断線には至らない小さな亀裂の位置を示している。この時点では小さな亀裂であっても、デバイス製造後の温度変化や外部からの押圧力等によって亀裂が広がり、いずれは断線に至るおそれがあり、デバイスの寿命や信頼性を損ねるものであることに変わりはない。図は基板S上で撮影されたものであるが、これらの亀裂がパターニング後のブランケットBL上で既に発生していることが確認されている。
これらの例からわかるように、各欄左図に示される、剥離方向Ddをパターン延設方向(X方向)と一致させたケースでは何らかの亀裂が発生することは避けられない。特に、一見してわかる大きな亀裂が生じているものが多い。これに比較すると、各欄右図に示す、剥離方向Ddをパターン延設方向と直交させたケースでは、亀裂の発生が明らかに少なく、発生する亀裂も比較的小さいものである。特に、(b)欄に示すように、ストリップ部間を滑らかな曲線で接続したケースでは、ほぼ亀裂は見当たらなかった。
以上のことから、平行するストリップ部間を滑らかな曲線で接続すること、および、ストリップ部の延設方向とは直交する方向に剥離を進行させることが、パターン不良を防止する上で極めて有効であることが示された。特に、図11の(b)欄右図に示すように、ストリップ部の間を半円で接続するパターン形状は、ブランケットBLの残る部分と除去される部分との境界においてインク層Ikにせん断応力が作用する位置が極めてスムーズに移動してゆくため、特定の箇所に応力が集中するのを避けることができ、パターンを保護する作用が大きい。
一方、ブランケットBL上でパターニングされたパターンPTを基板Sに転写する過程においては、ブランケットBL上のパターンPTをそのまま全て基板Sに転写するだけであって上記のようなせん断は発生しないので、その場合の剥離方向については特に上記のような配慮を必要としない。
以上のように、本発明においては、インク層Ikが本発明の「パターン形成材料による膜」に相当し、X方向およびY方向がそれぞれ本発明の「第1方向」および「第2方向」に対応している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態で形成される電極パターンは、それぞれ櫛歯形状を有する2つの電極E1、E2が対向配置されたものであるが、本発明の適用対象となるパターンの形状はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態の電極パターンE1、E2は、互いに平行な帯状のストリップ部がその一方端部で接続部により互いに接続された形状を有する。しかしながら、例えば接続部の(+X)側、(−X)側の両方に向かってストリップ部が延びた形状であってもよい。
また例えば、複数のストリップ部が接続部で接続された単一の電極が設けられたものであってもよく、また三以上の電極が設けられていてもよい。また、これら以外に他のパターンを含むものであってもよい。また、電極パターン以外のパターン、例えばレジストパターンや半導体層等の各種の機能層を形成する目的に、本発明を適用可能である。
また、上記実施形態の基板Sでは、同一のパターン形状を有するモジュールMが複数配置される。各モジュールMにおいてパターンの延設方向を揃えておけば、それらのモジュールに対し同一の剥離方向を設定して剥離プロセスを実行することができるからである。しかしながら、1枚の基板に単一のモジュールが形成される場合にも、本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、版PとブランケットBLとを当接させるプロセスと、これらを剥離させるプロセスとが異なる装置によって実行されるが、両プロセスが同一の装置によって実行されてもよい。
この発明は、一の方向に延び、しかも一部で互いに接続された帯状のパターンを複数有するパターンの形成に際し好適に適用可能である。
BL ブランケット
Dd 剥離方向
E1,E2,E3 電極
E1a,E2a,E3a ストリップ部
E1b,E2b,E3b 接続部
Ik インク層(膜)
M モジュール
MP モデルパターン
P 凹版
Pa 版面
P2 凹部
PT パターン
S 基板

Claims (7)

  1. 平板状のパターン担持体の表面に、前記表面に沿った第1方向に帯状に延びる複数のストリップ部と、隣り合う前記ストリップ部の間を接続する接続部とを有するパターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記パターン担持体の表面にパターン形成材料の膜を形成する工程と、
    平板状で版面に前記パターンに対応する形状の凹部が設けられた凹版を前記パターン担持体表面の前記膜に当接させる工程と、
    前記パターン担持体から前記凹版を剥離し、前記膜のうち前記版面に当接した部分を前記パターン担持体から除去することで前記パターンを形成する工程と
    を備え、
    前記接続部に対応する前記凹部の形状は、前記版面に垂直な方向から見た平面視において、隣り合う2つの前記ストリップ部間で対向する辺の間を滑らかな曲線で接続するものであり、
    前記パターン担持体からの前記凹版の剥離を、前記表面に沿い前記第1方向と直交する第2方向に進行させる、パターン形成方法。
  2. 前記パターン担持体と前記凹版とが当接した当接領域と、前記パターン担持体と前記凹版とが剥離した剥離領域との境界に形成される剥離境界線が、前記第1方向と平行になるように剥離を進行させる請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記滑らかな曲線は半円部を有する請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記パターン担持体は、前記表面が弾性体により形成されたブランケットである請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 前記ブランケットに担持された前記パターンを被転写体に転写する工程をさらに含む請求項4に記載のパターン形成方法。
  6. 前記ストリップ部の幅が、隣り合う前記ストリップ部の間隔よりも小さい請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 前記パターンは導電性材料により形成されて半導体デバイスの電極として機能するものである請求項1ないし6のいずれかに記載のパターン形成方法。
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