JP2021044096A - 電極シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜工程の後、乾燥工程の前に、膜状電極合材について幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができる電極シートの製造方法を提供する。【解決手段】成膜工程S2の後、乾燥工程S4の前に、膜状電極合材付き集電箔9を長手方向LDに沿った搬送方向CDに搬送しつつ、膜状電極合材付き集電箔9の集電箔7の表面7gに押し当てられた一対の掻き取りブレード51,52によって、膜状電極合材付き集電箔9の膜状電極合材8のうち、長手方向LDに直交する幅方向WDの両端部に位置して幅方向WDの外側に突出する突出部8dを掻き取りつつ、掻き取った突出部8dを回収して除去する除去工程S3を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、電池を構成する電極シートを製造する方法に関する。詳細には、集電箔の表面上に電極合材層を有する電極シートを製造する方法に関する。
従来、電極シート(正極シートまたは負極シート)として、集電箔の表面上に電極合材層を有する電極シートが知られている。このような電極シートの製造方法としては、例えば、以下の方法が知られている。具体的には、まず、電極活物質と結着材と溶媒とを混合して造粒した複数の湿潤造粒体からなる電極合材を作製する。次いで、成膜工程において、対向して回転する第1ロールと第2ロールとの間隙に電極合材を通すことによって電極合材を圧縮しつつ膜状にして、膜状にした電極合材を第2ロールの表面に付着させる。さらに、第2ロールと対向して回転する第3ロールによって搬送される集電箔を、第2ロールと第3ロールとの間隙に通すことによって、第2ロールの表面に付着している膜状の電極合材を、集電箔の表面に対し加圧しつつ接触させて、集電箔の表面上に転写する。その後、乾燥工程において、転写した膜状の電極合材である膜状電極合材を乾燥させることで、集電箔の表面上に電極合材層が形成される。
ところで、前述のようにして、集電箔の表面上に転写した膜状電極合材では、当該膜状電極合材の幅方向の両端部において、幅方向の外側に突出する突出部が形成され、幅方向の両端部が凹凸形状となってしまうことがあった。これに対し、特許文献1の製造方法では、成膜工程の後、乾燥工程の前に、膜状電極合材付き集電箔について、膜状電極合材のうち突出部の少なくとも一部を除去する除去工程を設けている。
具体的には、除去工程において、集電箔の表面上に膜状電極合材を有する膜状電極合材付き集電箔を搬送方向に搬送しつつ、この搬送されている膜状電極合材付き集電箔の膜状電極合材の表面を除去ロールの表面に接触させることで、膜状電極合材付き集電箔の膜状電極合材のうち、当該膜状電極合材の幅方向の両端部に位置して幅方向の外側に突出する突出部の少なくとも一部を、除去ロールの表面に転写させる。これにより、成膜工程の後、乾燥工程の前に、集電箔の表面上に位置する膜状電極合材のうち幅方向の外側に突出する突出部の少なくとも一部を、集電箔の表面から除去する。
特開2019−57383号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている除去方法よりも、膜状電極合材の突出部を適切に除去することができる方法が求められていた。すなわち、膜状電極合材の突出部の幅方向への突出寸法を、より一層小さく(換言すれば、膜状電極合材について幅方向の凹凸をより一層小さく)して、膜状電極合材について幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができる方法が求められていた。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、成膜工程の後、乾燥工程の前に、膜状電極合材について幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができる電極シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、集電箔の表面上に電極合材層を有する電極シートを製造する電極シートの製造方法であって、電極活物質と結着材と溶媒とを混合して造粒した複数の湿潤造粒体からなる電極合材を、対向して回転する第1ロールと第2ロールとの間隙に通すことによって、前記電極合材を圧縮しつつ膜状にして、膜状にした前記電極合材を前記第2ロールの表面に付着させると共に、前記第2ロールと対向して回転する第3ロールによって搬送される前記集電箔を、前記第2ロールと前記第3ロールとの間隙に通すことによって、前記第2ロールの表面に付着している膜状の前記電極合材を、前記集電箔の前記表面に対し加圧しつつ接触させることで前記集電箔の前記表面上に転写して、前記集電箔の前記表面上に膜状の前記電極合材である膜状電極合材を有する膜状電極合材付き集電箔を作製する成膜工程と、前記膜状電極合材付き集電箔の前記膜状電極合材を乾燥させることで、前記集電箔の前記表面上に前記電極合材層を形成する乾燥工程と、を備える電極シートの製造方法において、前記成膜工程の後、前記乾燥工程の前に、前記膜状電極合材付き集電箔を長手方向に沿った搬送方向に搬送しつつ、前記膜状電極合材付き集電箔の前記集電箔の前記表面に押し当てられた一対の掻き取りブレードによって、前記膜状電極合材付き集電箔の前記膜状電極合材のうち、前記長手方向に直交する幅方向の両端部に位置して前記幅方向の外側に突出する突出部を掻き取りつつ、前記掻き取った前記突出部を回収して除去する除去工程、を備え、前記除去工程では、各々の前記掻き取りブレードを前記集電箔の前記表面に押し当てる押当荷重Wと、各々の前記掻き取りブレードにおいて前記集電箔の前記表面に押し当てられる部位の前記幅方向にかかる寸法Xと、前記掻き取りブレードのうち前記集電箔側を向く面と前記集電箔の前記表面とがなす角θとが、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにする電極シートの製造方法である。
上述の電極シートの製造方法では、成膜工程において、電極活物質と結着材と溶媒とを混合して造粒した複数の湿潤造粒体からなる電極合材を、対向して回転する第1ロールと第2ロールとの間隙に通すことによって、電極合材を圧縮しつつ膜状にして、膜状にした電極合材を第2ロールの表面に付着させると共に、第2ロールと対向して回転する第3ロールによって搬送される集電箔を、第2ロールと第3ロールとの間隙に通すことによって、第2ロールの表面に付着している膜状の電極合材を、集電箔の表面に対し加圧しつつ接触させて、集電箔の表面上に転写する。これにより、集電箔の表面上に膜状の電極合材である膜状電極合材を有する膜状電極合材付き集電箔を作製する。
ところが、このようにして作製された膜状電極合材付き集電箔では、膜状電極合材の幅方向(膜状電極合材付き集電箔の幅方向に一致する方向)の両端部において、幅方向の外側に突出する突出部が多数形成され、幅方向の両端部が凹凸形状となってしまうことがあった。
これに対し、上述の電極シートの製造方法では、成膜工程の後、乾燥工程の前に、前記突出部を除去する除去工程を備えている。具体的には、この除去工程では、膜状電極合材付き集電箔をその長手方向に沿った搬送方向に搬送しつつ、膜状電極合材付き集電箔の集電箔の表面に押し当てられた一対の掻き取りブレードによって、膜状電極合材付き集電箔の膜状電極合材の突出部を掻き取りつつ、掻き取った突出部(すなわち、突出部由来の電極合材)を回収して除去する。なお、突出部とは、膜状電極合材付き集電箔の膜状電極合材のうち、長手方向に直交する幅方向について膜状電極合材の両端部に位置する部位であって、幅方向について外側に突出する部位である。
これにより、成膜工程の後、乾燥工程の前に、集電箔の表面上に位置する膜状電極合材のうち幅方向の外側に突出する突出部(突出部の少なくとも一部)を、集電箔の表面から除去することができる。これにより、成膜工程の後、乾燥工程の前に、突出部の幅方向への突出寸法を小さくする(換言すれば、膜状電極合材について幅方向の凹凸を小さくする)ことができる。
特に、上述の電極シートの製造方法では、除去工程において、各々の掻き取りブレードを集電箔の表面に押し当てる押当荷重W(集電箔の厚み方向への押当荷重)と、各々の掻き取りブレードにおいて集電箔の表面に押し当てられる部位の幅方向にかかる寸法X(換言すれば、各々の掻き取りブレードが押し当てられる集電箔の表面の部位の幅方向にかかる寸法X)と、掻き取りブレードのうち集電箔側を向く面と集電箔の表面とがなす角θ(鋭角θ)とが、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにする。これにより、膜状電極合材の突出部の幅方向への突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状電極合材について幅方向の凹凸を十分に小さくする)ことができる。従って、膜状電極合材において幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができる。
なお、(Wtanθ/X)>3.2とした場合は、集電箔に加わる引張り力Fが大きくなりすぎる(集電箔の引張り強度を上回る虞がある)ため、集電箔が破断する虞がある。なお、集電箔にかかる引張り力Fは、掻き取りブレードと集電箔の表面との間に働く摩擦力によって決まり、F=Wtanθの関係を満たす。従って、Wtanθ/Xの値を大きくするほど、集電箔にかかる引張り応力が大きくなり、集電箔が破断し易くなるといえる。
一方、(Wtanθ/X)<0.1とした場合は、集電箔が破断することはないが、集電箔の表面への掻き取りブレードの押し当てが弱くなりすぎるため、結着材によって集電箔の表面に結着している突出部を十分に掻き取ることができなくなる(集電箔の表面に結着している突出部のうち、掻き取りブレードによって掻き取られずに集電箔の表面に残留する部分が多くなる)。このため、膜状電極合材の突出部の幅方向への突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状電極合材について幅方向の凹凸を十分に小さくする)ことができない。従って、膜状電極合材において幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができない。
これに対し、0.1≦(Wtanθ/X)≦3.2の関係を満たすようにした場合は、集電箔の表面への掻き取りブレードの押し当てが十分となり、結着材によって集電箔の表面に結着している突出部を十分に掻き取ることができる。しかも、集電箔にかかる引張り応力が集電箔の引張り強度を上回らないようにできるので、集電箔が破断する虞もない。これにより、膜状電極合材の突出部の幅方向への突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状電極合材について幅方向の凹凸を十分に小さくする)ことができる。従って、膜状電極合材において幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができる。
また、掻き取りブレードによって掻き取った突出部を回収しない場合は、掻き取りブレードによって掻き取られた突出部由来の電極合材が、掻き取りブレードの表面に堆積してゆき、この堆積した電極合材の影響で、膜状電極合材の突出部を適切に掻き取ることができなくなる虞がある。具体的には、例えば、掻き取りブレードの表面に堆積した電極合材によって、膜状電極合材の幅方向の端部が不均一に(突出部よりも内側に位置する部位までも)削られて、膜状電極合材において幅方向の寸法のばらつきを十分に小さくすることができなくなる虞がある。
これに対し、上述の製造方法では、除去工程において、一対の掻き取りブレードによって膜状電極合材の突出部を掻き取りつつ、掻き取った突出部(すなわち、突出部由来の電極合材)を回収して除去する。これにより、一対の掻き取りブレードによって掻き取られた突出部由来の電極合材が、一対の掻き取りブレードの表面に堆積することを防止できる。従って、「掻き取りブレードの表面に堆積した電極合材の影響で、膜状電極合材の突出部を適切に掻き取ることができなくなる」不具合を防止できる。
なお、湿潤造粒体とは、溶媒が電極活物質の粒子と結着材に保持(吸収)された状態で、これらが集合(結合)した物質(粒状体)をいう。
実施形態にかかる電極シート製造装置の側面視概略図である。 同電極シート製造装置の斜視概略図である。 図1のB視拡大図(上面図)である。 図3のC視拡大図(側面図)である。 実施形態にかかる電極シートの製造方法の流れを示すフローチャートである。 実施形態にかかる電極シート(負極シート)の断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、リチウムイオン二次電池の電極シートの製造に、本発明を適用したものである。なお、本実施形態では、電極シートとして、負極シートを製造する場合について説明する。
本実施形態では、負極シートの負極合材層(電極合材層)を形成するための負極合材(電極合材)の材料として、負極活物質(電極活物質)と、結着材と、溶媒とを使用する。なお、本実施形態では、負極活物質として、粉末状の炭素材料(例えば、黒鉛)を使用する。また、溶媒として、水を使用する。また、結着材として、CMC(カルボキシメチルセルロース)を使用する。
本実施形態では、まず、電極合材作製工程において、上記の各材料を混練しつつ造粒して多数の湿潤造粒体16を作製すると共に、多数の湿潤造粒体16からなる負極合材6を作製する。次いで、成膜工程において、この負極合材6を、長手方向LDに延びる帯状の集電箔7の表面7g上に、膜状に付着させる(塗布する)ことで、長手方向LDに延びる膜状負極合材8(膜状電極合材)を形成する(図1及び図2参照)。
その後、除去工程において、膜状負極合材8のうち、幅方向WD(長手方向LDに直交する方向)の両端部(第1幅方向端部8bまたは第2幅方向端部8c)に位置して幅方向WDの外側(第1幅方向WD1または第2幅方向WD2)に突出する突出部8dを、集電箔7の表面7gから除去する(図3参照)。次に、乾燥工程において、集電箔7の表面7g上の膜状負極合材8(負極合材6の膜)を乾燥させて、集電箔7の表面7g上に負極合材層18を形成する。これにより、集電箔7の表面上に負極合材層18を有する負極シート19が製造される(図6参照)。
ここで、本実施形態にかかる電極シート(負極シート19)の製造方法について、詳細に説明する。図1は、実施形態にかかる電極シート製造装置10の側面視概略図である。図2は、実施形態にかかる電極シート製造装置10の斜視概略図である。図3は、図1のB視拡大図(上面図)であり、本実施形態にかかる除去工程を説明する図である。図4は、図3のC視拡大図(側面図)であり、本実施形態にかかる除去工程を説明する図である。但し、図4では、一対の掻き取りブレード(第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52)によって掻き取った突出部8dを回収する一対の回収装置(第1回収装置61と第2回収装置62)の図示を省略している。図5は、実施形態にかかる電極シート(負極シート19)の製造方法の流れを示すフローチャートである。
本実施形態で使用する電極シート製造装置10は、ロール成膜装置20と、除去装置30と、図示しない乾燥装置と、図示しない巻き取り装置と、を備えている(図1〜図3参照)。なお、図1〜図3では、乾燥装置及び巻き取り装置の図示を省略しているが、乾燥装置は、膜状負極合材付き集電箔9の搬送方向CD(膜状負極合材付き集電箔9の長手方向LDに沿った方向)について、除去装置30よりも下流に配置されている。さらに、巻き取り装置は、膜状負極合材付き集電箔9(負極シート19)の搬送方向CDについて、最も下流に配置されており、製造された負極シート19を巻き取る装置である。
図5に示すように、まず、ステップS1(電極合材作製工程)において、負極活物質(炭素材料)と結着材(CMC)と溶媒(水)とを混合しつつ造粒して多数の湿潤造粒体16を作製すると共に、多数の湿潤造粒体16からなる負極合材6(電極合材)を作製する。本実施形態では、公知の攪拌造粒機(図示なし)内に、負極活物質と結着材と溶媒を投入し、攪拌することで、負極活物質と結着材と溶媒を混合(分散)しつつ造粒して、多数の湿潤造粒体16にする。これにより、多数の湿潤造粒体16からなる負極合材6が得られる。
なお、湿潤造粒体16は、溶媒である水が、複数の負極活物質の粒子と結着材に保持(吸収)された状態で、これらが集合(結合)した物質(粒状体)である。負極合材6は、このような湿潤造粒体16の集合体である。また、本実施形態では、負極合材6(湿潤造粒体16)の固形分率が70wt%以上(例えば78wt%)となるように、負極活物質と結着材と溶媒とを混合している。
次に、ステップS2(成膜工程)に進み、ステップS1(電極合材作製工程)で作製した負極合材6を膜状にし、膜状にされた負極合材6を集電箔7の表面7g上に付着させる。なお、本実施形態では、図1及び図2に示すロール成膜装置20を用いて、ステップS2(成膜工程)を行う。
ロール成膜装置20は、図1及び図2に示すように、第1ロール1と第2ロール2と第3ロール3の、3つのロールを有している。第1ロール1と第2ロール2とは水平方向(図1において左右方向)に並んで配置されている。一方、第2ロール2と第3ロール3とは、垂直方向(図1において上下方向)に並んで配置されている。また、第1ロール1と第2ロール2とは、わずかな間隔を挟んで対面(対向)している。同様に、第2ロール2と第3ロール3とも、わずかな間隔を挟んで対面(対向)している。さらに、第1ロール1と第2ロール2との対面箇所の上側には、仕切り板4と5が、ロールの幅方向(軸方向、図1において紙面に直交する方向)に離間して配置されている。
また、これら3つのロール1〜3の回転方向は、図1及び図2において矢印で示すように、隣り合う(対面する)2つのロールの回転方向が互いに逆方向となるように、すなわち、対面する2つのロールが互いに順方向回転となるように設定されている。そして、第1ロール1と第2ロール2との対面箇所では、これらのロールの表面が回転により下向きに移動するように設定されている。また、第2ロール2と第3ロール3との対面箇所では、これらのロールの表面が回転により右向きに移動するように設定されている。また、回転速度に関して、回転によるロールの表面の移動速度が、第1ロール1において最も遅く、第3ロール3において最も速く、第2ロール2ではそれらの中間となるように設定されている。
このようなロール成膜装置20では、第1ロール1と第2ロール2との対面箇所の上に位置する仕切り板4と5の間の収容空間内に、ステップS1(電極合材作製工程)で作製した負極合材6が投入される。また、第3ロール3には、集電箔7が掛け渡されている。
集電箔7は、金属箔(銅箔)であり、その厚みは約10μmである。この集電箔7は、第3ロール3の回転と共に、第2ロール2と第3ロール3との対面箇所(間隙)を通って、第3ロール3の左下から右上へと搬送されるようになっている。また、第2ロール2と第3ロール3との対面箇所(間隙)には、集電箔7が通されている状態で、さらに第2ロール2と集電箔7との間に若干の隙間があるようにされている。すなわち、第2ロール2と第3ロール3との間の隙間(集電箔7が存在していない状態での隙間)は、集電箔7の厚さより少し広い。
このステップS2(成膜工程)では、対向して回転する第1ロール1と第2ロール2との間隙に負極合材6を通すことによって負極合材6を圧縮しつつ膜状にし、この膜状にした負極合材6を第2ロール2の表面に付着させる。これと共に、第2ロール2と対向して回転する第3ロール3によって搬送される集電箔7を、第2ロール2と第3ロール3との間隙に通すことによって、第2ロール2の表面に付着している膜状の負極合材6を、集電箔7の表面に対し加圧しつつ接触させて、集電箔7の表面上に転写する。
より具体的には、まず、ロール成膜装置20の仕切り板4と5の間の収容空間内に、ステップS1(電極合材作製工程)で作製した負極合材6を投入する。投入された負極合材6は、対向して回転する第1ロール1と第2ロール2との対面箇所の間隙内に供給され、第1ロール1及び第2ロール2の回転により、両ロール1,2の間の間隙を通過して膜状となる(図1及び図2参照)。このとき、第1ロール1よりも第2ロール2のほうが回転速度が速いので、負極合材6(湿潤造粒体16)は、第2ロール2の表面に担持される(付着する)。
そして、第2ロール2の表面に担持された(付着した)膜状の負極合材6(これを膜状負極合材8という)は、第2ロール2の回転と共に搬送されていく(図1及び図2参照)。すると、第2ロール2と第3ロール3との対面箇所において、集電箔7の表面と膜状負極合材8とが出会い、第2ロール2と第3ロール3との間に集電箔7と膜状負極合材8とが挟まれる。なお、第2ロール2と第3ロール3との対面箇所における間隙寸法(最小間隙寸法)は、集電箔7の厚みと膜状負極合材8の厚みとの和よりも小さくされている。
このため、第2ロール2と第3ロール3との間に集電箔7と膜状負極合材8とが挟まれたとき、膜状負極合材8に対し第2ロール2の表面から集電箔7の表面に向けて押付荷重がかかる。これにより、第2ロール2の表面に付着している膜状負極合材8を、集電箔7の表面7gに対し加圧しつつ接触させることができるので、膜状負極合材8が、第2ロール2から、第3ロール3と共に回転している集電箔7の表面7g上に転写される(付着する)。これにより、集電箔7の表面7g上に膜状負極合材8が成膜された、膜状負極合材付き集電箔9が得られる。
なお、本実施形態では、集電箔7のうち幅方向WDの両端部(第1端部7b及び第2端部7c)の表面には、膜状負極合材8を形成しないようにしている(図1及び図3参照)。集電箔7の第1端部7b及び第2端部7cは、電池の電極端子部材(負極端子部材、図示なし)と接続するための部位として使用する。
ところで、上述のようにして作製された膜状負極合材付き集電箔9では、図3に示すように、膜状負極合材8のうち幅方向WD(図3において上下方向)の両端部(第1幅方向端部8bまたは第2幅方向端部8c)において、幅方向WDの外側(第1幅方向WD1または第2幅方向WD2)に突出する突出部8dが存在し、膜状負極合材8において幅方向WDの両端部が凹凸形状となってしまうことがあった。
詳細には、本実施形態では、湿潤造粒体16からなる負極合材6を用いているため、第1ロール1と第2ロール2との間隙に負極合材6を通すことによって負極合材6を圧縮しつつ膜状にして、膜状負極合材8を作製したとき、幅方向WDの両端部が凹凸形状となり易く、幅方向WDの外側(第1幅方向WD1または第2幅方向WD2)に突出する突出部8dが形成され易い。このため、膜状負極合材付き集電箔9の膜状負極合材8において、幅方向WDの両端部が凹凸形状になり易かった。
これに対し、本実施形態では、成膜工程(ステップS2)の後、乾燥工程(ステップS4)の前に、膜状負極合材8から突出部8dの少なくとも一部を除去する除去工程(ステップS3)を備えている(図5参照)。なお、本実施形態では、図1〜図3に示す除去装置30を用いて、ステップS3(除去工程)の処理を行う。
除去装置30は、膜状負極合材付き集電箔9の搬送方向CD(膜状負極合材付き集電箔9の長手方向LDに沿った方向)について、ロール成膜装置20よりも下流に配置されている。この除去装置30は、平板形状をなす一対の掻き取りブレード(第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52)と、一対の回収装置(第1回収装置61と第2回収装置62)とを有する。
一対の掻き取りブレードは、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7の表面7gのうち幅方向WD(図3において上下方向)の両端部に位置する部位に押し当てられるように設けられ、膜状負極合材8のうち幅方向WDの両端部(第1幅方向端部8bまたは第2幅方向端部8c)に位置する突出部8dを掻き取る。
詳細には、第1掻き取りブレード51は、その先端部51bが、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7の表面7gのうち、第1幅方向WD1(図3において上方向)の端部に位置する部位(第1幅方向WD1側の突出部8dが形成される部位)に押し当てられるように設けられている(図1〜図4参照)。これにより、第1掻き取りブレード51によって、膜状負極合材8のうち第1幅方向WD1(図3において上方向)の端部(第1幅方向端部8b)に位置する突出部8dが掻き取られる。
さらに、第2掻き取りブレード52は、その先端部52bが、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7の表面7gのうち、第2幅方向WD2の端部(図3において下方向)に位置する部位(第2幅方向WD2側の突出部8dが形成される部位)に押し当てられるように設けられている。これにより、第2掻き取りブレード52によって、膜状負極合材8のうち第2幅方向WD2(図3において下方向)の端部(第2幅方向端部8c)に位置する突出部8dが掻き取られる。
なお、本実施形態の電極シート製造装置10は、膜状負極合材付き集電箔9の下面(裏面)に接触して膜状負極合材付き集電箔9を支持して搬送する支持ロール40を有している。この支持ロール40は、膜状負極合材付き集電箔9の幅寸法(幅方向WDにかかる寸法)と同等の幅寸法(軸線方向の寸法)を有している。そして、第1掻き取りブレード51の先端部51bと第2掻き取りブレード52の先端部52bは、膜状負極合材付き集電箔9を間に挟んで、集電箔7の厚み方向DT(図1及び図4において上下方向)について、支持ロール40の外周面40bと対向する位置に配置されている。
これにより、本実施形態では、第1掻き取りブレード51の先端部51bと支持ロール40の外周面40bとの間に、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7のうち第1幅方向WD1の端部を挟む(挟圧する)ようにして、第1掻き取りブレード51の先端部51bが、集電箔7の表面7gのうち第1幅方向WD1の端部に押し当てられる。さらには、第2掻き取りブレード52の先端部52bと支持ロール40との間に、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7のうち第2幅方向WD2の端部を挟む(挟圧する)ようにして、第2掻き取りブレード52の先端部52bが、集電箔7の表面7gのうち第2幅方向WD2の端部に押し当てられる。
従って、第1掻き取りブレード51によって、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9のうち、膜状負極合材8の第1幅方向端部8bに位置する突出部8d(図3において上側に位置する突出部8d)を掻き取ることができる。さらには、第2掻き取りブレード52によって、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9のうち、膜状負極合材8の第2幅方向端部8cに位置する突出部8d(図3において下側に位置する突出部8d)を掻き取ることができる。
また、第1回収装置61は、公知の集塵機からなり、筒状の吸引ノズル61cを有する(図1〜図3参照)。吸引ノズル61cは、その吸引口61bを、第1掻き取りブレード51の先端部51bに向けて、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の上方に配置されている。これにより、第1掻き取りブレード51によって掻き取られた突出部8d(すなわち、突出部8d由来の負極合材6)を、速やかに、第1回収装置61によって吸引して回収することができる。従って、第1掻き取りブレード51によって掻き取られた突出部8d由来の負極合材6が、第1掻き取りブレード51の表面に堆積することを防止できる。なお、図1等には、第1回収装置61のうち吸引ノズル61cのみを図示しており、その他の部位は図示を省略している。
また、第2回収装置62は、公知の集塵機からなり、筒状の吸引ノズル62cを有する(図1〜図3参照)。吸引ノズル62cは、その吸引口62bを、第2掻き取りブレード52の先端部52bに向けて、搬送方向CDに搬送される膜状負極合材付き集電箔9の上方に配置されている。これにより、第2掻き取りブレード52によって掻き取られた突出部8d(すなわち、突出部8d由来の負極合材6)を、速やかに、第2回収装置62によって吸引して回収することができる。従って、第2掻き取りブレード52によって掻き取られた突出部8d由来の負極合材6が、第2掻き取りブレード52の表面に堆積することを防止できる。なお、図1等には、第2回収装置62のうち吸引ノズル62cのみを図示しており、その他の部位は図示を省略している。
以上説明したように、除去工程(ステップS3)では、膜状負極合材付き集電箔9を長手方向LDに沿った搬送方向CDに搬送しつつ、膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7の表面7gに押し当てられた一対の掻き取りブレード(第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52)によって、膜状負極合材付き集電箔9の膜状負極合材8の突出部8dを掻き取りつつ(詳細には、突出部8dを掻き取ると同時に)、掻き取った突出部8d(すなわち、突出部8d由来の負極合材6)を、一対の回収装置(第1回収装置61と第2回収装置62)によって回収して除去する。
これにより、成膜工程(ステップS2)の後、乾燥工程(ステップS4)の前に、膜状負極合材付き集電箔9の膜状負極合材8の突出部8d(突出部8dの少なくとも一部)を、集電箔7の表面7gから除去することができる。これにより、成膜工程の後、乾燥工程の前に、突出部8dの幅方向WDへの突出寸法を小さくする(換言すれば、膜状負極合材8について幅方向WDの凹凸を小さくする)ことができる。
特に、本実施形態の除去工程(ステップS3)では、第1掻き取りブレード51を集電箔7の表面7gに押し当てる押当荷重W(集電箔7の厚み方向DTへの押当荷重、図4参照)と、第1掻き取りブレード51において集電箔7の表面7gに押し当てられる部位(すなわち先端部51b)の幅方向WDにかかる寸法X(換言すれば、第1掻き取りブレード51が押し当てられる集電箔7の表面7gの部位の幅方向WDにかかる寸法X、図3参照)と、第1掻き取りブレード51のうち集電箔7側を向く面51cと集電箔7の表面7gとがなす角θ(鋭角θ、図4参照)とが、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにしている。
これと同様に、第2掻き取りブレード52を集電箔7の表面7gに押し当てる押当荷重W(集電箔7の厚み方向DTへの押当荷重、図4参照)と、第2掻き取りブレード52において集電箔7の表面7gに押し当てられる部位(すなわち先端部52b)の幅方向WDにかかる寸法X(換言すれば、第2掻き取りブレード52が押し当てられる集電箔7の表面7gの部位の幅方向WDにかかる寸法X、図3参照)と、第2掻き取りブレード52のうち集電箔7側を向く面52cと集電箔7の表面7gとがなす角θ(鋭角θ、図4参照)が、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにしている。
0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにして、除去工程(ステップS3)を行うことで、膜状負極合材8の突出部8dの幅方向WDへの突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状負極合材8について幅方向WDの凹凸を十分に小さくする)ことができる。従って、膜状負極合材8において幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができる。
なお、(Wtanθ/X)>3.2とした場合は、集電箔7に加わる引張り力Fが大きくなりすぎる(集電箔7にかかる引張り応力が、集電箔7の引張り強度を上回る虞がある)ため、集電箔7が破断する虞がある。なお、集電箔7に加わる引張り力Fは、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)と集電箔7の表面7gとの間に働く摩擦力によって決まり、F=Wtanθの関係を満たす。従って、Wtanθ/Xの値を大きくするほど、集電箔7にかかる引張り応力が大きくなり、集電箔7が破断し易くなるといえる。
一方、(Wtanθ/X)<0.1とした場合は、集電箔7が破断することはないが、集電箔7の表面7gへの第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の押し当てが弱くなりすぎる。このため、結着材によって集電箔7の表面7gに結着している突出部8dを十分に掻き取ることができなくなる。換言すれば、集電箔7の表面7gに結着している突出部8dのうち、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって掻き取られずに集電箔7の表面7gに残留する部分が多くなる。
従って、(Wtanθ/X)<0.1とした場合は、膜状負極合材8の突出部8dの幅方向WDへの突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状負極合材8について幅方向WDの凹凸を十分に小さくする)ことができない。このため、膜状負極合材8において、幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができない。
これに対し、0.1≦(Wtanθ/X)≦3.2の関係を満たすようにした場合は、集電箔7の表面7gへの第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の押し当てが十分となり、結着材によって集電箔7の表面7gに結着している突出部8dを十分に掻き取ることができる。しかも、集電箔7に加わる引張り力Fが集電箔7の引張り強度を上回らないようにできるので、集電箔7が破断する虞もない。
これにより、膜状負極合材8の突出部8dの幅方向WDへの突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状負極合材8について幅方向WDの凹凸を十分に小さくする)ことができる。従って、膜状負極合材8において、幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができる。
また、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって掻き取った突出部8dを回収しない場合は、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって掻き取られた突出部8d由来の負極合材6(電極合材)が、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の表面に堆積してゆき、この堆積した負極合材6の影響で、膜状負極合材8の突出部8dを適切に掻き取ることができなくなる虞がある。
具体的には、例えば、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の表面に堆積した負極合材6(突出部8d由来の負極合材6)が、膜状負極合材8の幅方向WDの端部に接触することによって、膜状負極合材8の幅方向WDの端部が不均一に(突出部8dよりも内側に位置する部位までも)削られて、膜状負極合材8において幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができなくなる虞がある。
これに対し、本実施形態の除去工程(ステップS3)では、前述したように、第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52によって、膜状負極合材8の突出部8dを掻き取りつつ、第1回収装置61と第2回収装置62によって、掻き取った突出部8d(すなわち、突出部8d由来の負極合材6)を回収して除去する。これにより、第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52によって掻き取られた突出部8d由来の負極合材6が、第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52の表面に堆積することを防止できる。従って、「第1掻き取りブレード51と第2掻き取りブレード52の表面に堆積した負極合材6の影響で、膜状負極合材8の突出部8dを適切に掻き取ることができなくなる」不具合を防止できる。
その後、図5に示すように、ステップS4(乾燥工程)に進み、膜状負極合材付き集電箔9を乾燥させる(膜状負極合材8を乾燥させる)。具体的には、膜状負極合材付き集電箔9を、図示しない乾燥装置(乾燥炉)の内部を通過させることにより、集電箔7の表面に転写した膜状負極合材8(膜状の負極合材6)を乾燥させる。これにより、膜状負極合材8(湿潤造粒体16)に吸収(保持)されている溶媒(水)が除去されて(蒸発して)、膜状負極合材8が負極合材層18(電極合材層)になる。これにより、集電箔7の表面7g上に負極合材層18が形成された負極シート19(図6参照)が作製される。
なお、負極合材層18は、集電箔7の片面のみに形成する(すなわち、片面塗工負極シートを製造する)ようにしても良いし、両面に形成する(すなわち、両面塗工負極シートを製造する)ようにしても良い。集電箔7の両面に負極合材層18を形成する場合は、集電箔7の片面に負極合材層18を形成した片面塗工負極シートを製造した後、当該片面塗工負極シートの集電箔7のうち負極合材層18を形成していない面に対し、ステップS2,S3,S4の処理を順に行うようにすれば良い。
作製した負極シート19は、例えば、リチウムイオン二次電池の負極シートとして用いることができる。具体的には、例えば、負極シート19は、正極シート及びセパレータと組み合わされて、電極体を形成する。次いで、この電極体に端子部材を取り付けた後、電池ケース内に電極体及び電解液を収容する。これにより、リチウムイオン二次電池が完成する。
<製造例1>
前述したステップS1〜S4の処理を行って、所定の長さ(例えば、20m)の負極シート19を製造した。但し、本製造例1では、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにして、除去工程(ステップS3)を行った。具体的には、X=20mm、W=5N、θ=30°として、(Wtanθ/X)=0.14として、除去工程(ステップS3)を行った。
<製造例2>
本製造例2は、製造例1と比較して、「除去工程(ステップS3)において、第1掻き取りブレード51及び第2掻き取りブレード52によって掻き取られた突出部8d(すなわち、突出部8d由来の負極合材6)を、第1回収装置61及び第2回収装置62によって吸引して回収しない点」が異なり、これ以外は製造例1と同様にして、所定の長さ(例えば、20m)の負極シート19を製造した。
<製造例3>
前述したステップS1〜S4の処理を行って、所定の長さ(例えば、20m)の負極シート19を製造した。但し、本製造例3では、(Wtanθ/X)<0.1の関係を満たすようにして、除去工程(ステップS3)を行った。具体的には、X=20mm、W=3N、θ=30°として、(Wtanθ/X)=0.09として、除去工程(ステップS3)を行った。
<製造例4>
前述したステップS1〜S4の処理を行って、所定の長さ(例えば、20m)の負極シート19を製造した。但し、本製造例4では、(Wtanθ/X)>3.2の関係を満たすようにして、除去工程(ステップS3)を行った。具体的には、X=10mm、W=60N、θ=30°として、(Wtanθ/X)=3.46として、除去工程(ステップS3)を行った。
<製造方法の評価>
製造例1において負極シート19を製造する期間中、公知の変位計を用いて、ステップS3(除去工程)の直後における、すなわち、膜状負極合材付き集電箔9(膜状負極合材8)が除去装置30を通過した直後における、膜状負極合材8の幅方向WDの寸法を、長手方向LDの全体にわたって測定した。その結果、製造例1では、膜状負極合材8の幅方向WDの寸法が、(92.0±0.4)mmとなった。この結果より、製造例1では、成膜工程の後、乾燥工程の前に、膜状負極合材8について幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができたといえる。
これと同様に、製造例2において負極シート19を製造する期間中、公知の変位計を用いて、ステップS3(除去工程)の直後における、すなわち、膜状負極合材付き集電箔9(膜状負極合材8)が除去装置30を通過した直後における、膜状負極合材8の幅方向WDの寸法を、長手方向LDの全体にわたって測定した。その結果、製造例2では、膜状負極合材8の幅方向WDの寸法が、(91.2±0.9)mmとなった。この結果より、製造例2では、成膜工程の後、乾燥工程の前に、膜状負極合材8について幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができなかったといえる。
この製造例2では、製造例1とは異なり、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって掻き取った突出部8dを回収して除去しないため、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって掻き取られた突出部8d由来の負極合材6(電極合材)が、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の表面に堆積してゆき、この堆積した負極合材6の影響で、膜状負極合材8の突出部8dを適切に掻き取ることができなくなっていた。
具体的には、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の表面に堆積した負極合材6(突出部8d由来の負極合材6)が、ロール成膜装置20から除去装置30に搬送されてくる膜状負極合材付き集電箔9のうち、膜状負極合材8の幅方向WDの端部に接触することによって、膜状負極合材8の幅方向WDの端部が不均一に削られていた。さらには、膜状負極合材8のうち幅方向WDについて突出部8dより中心側(内側)に位置する部位までもが、不規則に削られていた。このために、膜状負極合材8において、幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができなかった。
また、製造例3において負極シート19を製造する期間中も、公知の変位計を用いて、ステップS3(除去工程)の直後における、すなわち、膜状負極合材付き集電箔9(膜状負極合材8)が除去装置30を通過した直後における、膜状負極合材8の幅方向WDの寸法を、長手方向LDの全体にわたって測定した。その結果、製造例3では、膜状負極合材8の幅方向WDの寸法が、(93.0±1.0)mmとなった。この結果より、製造例3では、成膜工程の後、乾燥工程の前に、膜状負極合材8について幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができなかったといえる。
この製造例3では、結着材によって集電箔7の表面7gに結着している突出部8dを十分に掻き取ることができなかった。換言すれば、集電箔7の表面7gに結着している突出部8dのうち、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって掻き取られずに集電箔7の表面7gに残留する部分が多くなった。このために、膜状負極合材8の突出部8dの幅方向WDへの突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状負極合材8について幅方向WDの凹凸を十分に小さくする)ことができなかった。従って、膜状負極合材8において、幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができなかった。
このようになった原因は、製造例3では、(Wtanθ/X)=0.09としてステップS3(除去工程)を行ったことにあるといえる。(Wtanθ/X)=0.09としたことで、集電箔7の表面7gへの第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)の押し当てが弱くなりすぎて、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)によって、集電箔7の表面7gに結着している突出部8dを十分に(適切に)掻き取ることができなかったと考えられる。この結果より、(Wtanθ/X)の値は、0.1以上にするのが好ましいといる。
また、製造例4では、ステップS3(除去工程)において、集電箔7が破断してしまった。具体的には、膜状負極合材付き集電箔9の集電箔7のうち第1掻き取りブレード51の先端部51b及び第2掻き取りブレード52の先端部52bが押し当てられる箇所を起点にして、集電箔7が破断してしまった。
このようになった原因は、製造例4では、(Wtanθ/X)=3.46としてステップS3(除去工程)を行ったことにあるといえる。(Wtanθ/X)=3.46としたことで、集電箔7に加わる引張り力Fが大きくなりすぎて(詳細には、集電箔7にかかる引張り応力が集電箔7の引張り強度を上回り)、集電箔7が破断したと考えられる。
なお、ステップS3(除去工程)において、集電箔7に加わる引張り力Fは、第1掻き取りブレード51(または第2掻き取りブレード52)と集電箔7の表面7gとの間に働く摩擦力によって決まり、F=Wtanθの関係を満たす。従って、Wtanθ/Xの値を大きくするほど、集電箔7にかかる引張り応力が大きくなり、集電箔7が破断し易くなるといえる。このため、集電箔7の引っ張り強度を考慮すると、(Wtanθ/X)の値は、3.2以下にするのが好ましいといえる。
以上の結果より、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにして、除去工程(ステップS3)を行うことで、膜状負極合材8の突出部8dの幅方向WDへの突出寸法を十分に小さくする(換言すれば、膜状負極合材8について幅方向WDの凹凸を十分に小さくする)ことができ、膜状負極合材8において幅方向WDの寸法のばらつきを十分に小さくすることができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、本発明にかかる電極シートの製造方法として、負極シートを製造する方法を例示した。しかしながら、本発明を、正極シートの製造方法に適用するようにしても良い。
1 第1ロール
2 第2ロール
3 第3ロール
6 負極合材(電極合材)
7 集電箔
7g 表面
8 膜状負極合材(膜状電極合材)
8d 突出部
9 膜状負極合材付き集電箔(膜状電極合材付き集電箔)
10 電極シート製造装置
16 湿潤造粒体
18 負極合材層(電極合材層)
19 負極シート(電極シート)
20 ロール成膜装置
30 除去装置
40 支持ロール
51 第1掻き取りブレード
52 第2掻き取りブレード
51b,52b 先端部
61 第1回収装置
62 第2回収装置
CD 搬送方向
DT 厚み方向
LD 長手方向
WD 幅方向
S1 電極合材作製工程
S2 成膜工程
S3 除去工程
S4 乾燥工程

Claims (1)

  1. 集電箔の表面上に電極合材層を有する電極シートを製造する電極シートの製造方法であって、
    電極活物質と結着材と溶媒とを混合して造粒した複数の湿潤造粒体からなる電極合材を、対向して回転する第1ロールと第2ロールとの間隙に通すことによって、前記電極合材を圧縮しつつ膜状にして、膜状にした前記電極合材を前記第2ロールの表面に付着させると共に、前記第2ロールと対向して回転する第3ロールによって搬送される前記集電箔を、前記第2ロールと前記第3ロールとの間隙に通すことによって、前記第2ロールの表面に付着している膜状の前記電極合材を、前記集電箔の前記表面に対し加圧しつつ接触させることで前記集電箔の前記表面上に転写して、前記集電箔の前記表面上に膜状の前記電極合材である膜状電極合材を有する膜状電極合材付き集電箔を作製する成膜工程と、
    前記膜状電極合材付き集電箔の前記膜状電極合材を乾燥させることで、前記集電箔の前記表面上に前記電極合材層を形成する乾燥工程と、を備える
    電極シートの製造方法において、
    前記成膜工程の後、前記乾燥工程の前に、前記膜状電極合材付き集電箔を長手方向に沿った搬送方向に搬送しつつ、前記膜状電極合材付き集電箔の前記集電箔の前記表面に押し当てられた一対の掻き取りブレードによって、前記膜状電極合材付き集電箔の前記膜状電極合材のうち、前記長手方向に直交する幅方向の両端部に位置して前記幅方向の外側に突出する突出部を掻き取りつつ、前記掻き取った前記突出部を回収して除去する除去工程、を備え、
    前記除去工程では、
    各々の前記掻き取りブレードを前記集電箔の前記表面に押し当てる押当荷重Wと、各々の前記掻き取りブレードにおいて前記集電箔の前記表面に押し当てられる部位の前記幅方向にかかる寸法Xと、前記掻き取りブレードのうち前記集電箔側を向く面と前記集電箔の前記表面とがなす角θとが、0.1≦(W・tanθ)/X≦3.2の関係を満たすようにする
    電極シートの製造方法。
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