JP2021042602A - ショベル - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギ損失を抑えながらも、作業に必要な力を出すことができるショベルを提供すること。【解決手段】ショベル100は、上部旋回体3と、下部走行体1と、ブーム4及びアーム5を含む掘削アタッチメントATと、油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータへ流れる作動油を制御する制御弁と、メインポンプ14と、リリーフ弁50と、コントローラ30と、を備えている。コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧がリリーフ弁50のリリーフ圧で維持されるように、メインポンプ14の吐出量を制御する。【選択図】図1

Description

本開示は、掘削機としてのショベルに関する。
従来、メインポンプの吐出側の油路における作動油の圧力を所定の圧力以下に抑えるためのリリーフ弁を備えたショベルが知られている(特許文献1参照。)。
メインポンプの吐出側の油路における作動油の圧力が所定の圧力であるリリーフ圧に達した状態であるリリーフ状態では、メインポンプが吐出する作動油の一部は、リリーフ弁を介して作動油タンクに排出される。このリリーフ状態は、油路内の作動油の圧力が最大となっている状態であり、ショベルが最も大きな力を出せる状態である。
特開平11−336705号公報
しかしながら、リリーフ状態では、作動油の一部がリリーフ弁を介して作動油タンクに排出されるため、エネルギ損失が発生している。
そこで、エネルギ損失を抑えながらも、作業に必要な力を出すことができるショベルを提供することが望ましい。
本発明の実施形態に係るショベルは、上部旋回体と、下部走行体と、ブーム及びアームを含むアタッチメントと、油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータへ流れる作動油を制御する制御弁と、油圧ポンプと、リリーフ弁と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記油圧ポンプの吐出圧が前記リリーフ弁のリリーフ圧で維持されるように、前記油圧ポンプの吐出量を制御する。
上述の手段により、エネルギ損失を抑えながらも、作業に必要な力を出すことができるショベルが提供される。
本発明の実施形態に係るショベルの側面図である。 図1のショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す図である。 メインポンプの吐出圧と吐出量の時間的推移の概要を示す図である。 本発明の別の実施形態に係るショベルの側面図である。 図4のショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す図である。 アームシリンダの動作速度とメインポンプの吐出量の時間的推移の概要を示す図である。
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る掘削機としてのショベル100について説明する。図1はショベル100の側面図である。本実施形態では、下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。下部走行体1は、走行用油圧モータ2Mによって駆動される。走行用油圧モータ2Mは、左側のクローラを駆動する左走行用油圧モータ2ML、及び、右側のクローラを駆動する右走行用油圧モータ2MR(図1では不可視)を含む。旋回機構2は、上部旋回体3に搭載されている旋回用油圧モータ2Aによって駆動される。但し、旋回用油圧モータ2Aは、電動アクチュエータとしての旋回用電動発電機であってもよい。
上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。アーム5の先端には、浚渫バケット、法面バケット、グラップル、ブレーカ、又はリフティングマグネット等がエンドアタッチメントとして取り付けられていてもよい。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントATを構成する。ブーム4はブームシリンダ7で駆動され、アーム5はアームシリンダ8で駆動され、バケット6はバケットシリンダ9で駆動される。
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。また、上部旋回体3には、コントローラ30が取り付けられている。なお、本書では、便宜上、上部旋回体3における、ブーム4が取り付けられている側を前側とし、カウンタウェイトが取り付けられている側を後側とする。
コントローラ30は、ショベル100を制御するための制御装置である。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を備えたコンピュータで構成されている。そして、コントローラ30は、様々な機能に対応するプログラムを不揮発性記憶装置から読み出し、対応するプログラムをCPUに実行させることで、それらの様々な機能を実現するように構成されている。
次に、図2を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図2は、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す。図2は、機械的動力伝達系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系を、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示している。
ショベル100の油圧システムは、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブ17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作圧センサ29、コントローラ30、及びエンジン回転数調整ダイヤル75等を含む。
図2において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14から、センターバイパス油路40及びパラレル油路42の少なくとも1つを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブ17に供給するように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、電気制御式の油圧ポンプである。具体的には、メインポンプ14は、斜板式可変容量型の油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御する。本実施形態では、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調整してメインポンプ14の1回転当たりの押し退け容積を制御することでメインポンプ14の吐出量を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26を含む油圧制御機器に作動油を供給するように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブ17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を減少させた後で操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
コントロールバルブ17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブ17は、一点鎖線で示すように、制御弁171〜176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブ17は、制御弁171〜176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171〜176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行用油圧モータ2ML、右走行用油圧モータ2MR、及び旋回用油圧モータ2Aを含む。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。本実施形態では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力であるパイロット圧は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作圧センサ29は、操作装置26を介した操作の内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作圧センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26としてのレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力(操作圧)の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、操作圧センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
メインポンプ14は、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。そして、左メインポンプ14Lは、左センターバイパス油路40L又は左パラレル油路42Lを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、右メインポンプ14Rは、右センターバイパス油路40R又は右パラレル油路42Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
左センターバイパス油路40Lは、コントロールバルブ17内に配置された制御弁171、173、175L、及び176Lを通る作動油ラインである。右センターバイパス油路40Rは、コントロールバルブ17内に配置された制御弁172、174、175R、及び176Rを通る作動油ラインである。
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ2MLへ供給し、且つ、左走行用油圧モータ2MLが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行用油圧モータ2MRへ供給し、且つ、右走行用油圧モータ2MRが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回用油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
左パラレル油路42Lは、左センターバイパス油路40Lに並行する作動油ラインである。左パラレル油路42Lは、制御弁171、173、及び175Lの何れかによって左センターバイパス油路40Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル油路42Rは、右センターバイパス油路40Rに並行する作動油ラインである。右パラレル油路42Rは、制御弁172、174、及び175Rの何れかによって右センターバイパス油路40Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
レギュレータ13は、左レギュレータ13L及び右レギュレータ13Rを含む。左レギュレータ13Lは、コントローラ30からの制御指令を受け、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調整することによって左メインポンプ14Lの吐出量を制御できるように構成されている。この吐出量を制御する機能は、パワー制御機能又は馬力制御機能と称される。具体的には、コントローラ30からの制御指令に応じて動作する左レギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増加に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調整して1回転当たりの押し退け容積を減少させることで吐出量を減少させる。右レギュレータ13Rについても同様である。吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収パワー(例えば吸収馬力)がエンジン11の出力パワー(例えば出力馬力)を超えないようにするためである。
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R、及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁176のパイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁173のパイロットポートに作用させる。
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、制御弁173の左パイロットポートに作動油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、制御弁173の右パイロットポートに作動油を導入させる。
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁175のパイロットポートに作用させる。また、右操作レバー26Rは、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁174のパイロットポートに作用させる。
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、制御弁175Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、制御弁174の左パイロットポートに作動油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、制御弁174の右パイロットポートに作動油を導入させる。
走行レバー26Dは、クローラの操作に用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、左側のクローラの操作に用いられる。左走行レバー26DLは、左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁171のパイロットポートに作用させる。右走行レバー26DRは、右側のクローラの操作に用いられる。右走行レバー26DRは、右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁172のパイロットポートに作用させる。
吐出圧センサ28は、吐出圧センサ28L及び吐出圧センサ28Rを含む。吐出圧センサ28Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。吐出圧センサ28Rについても同様である。
操作圧センサ29は、操作圧センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL、及び29DRを含む。操作圧センサ29LAは、左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向及びレバー操作量(レバー操作角度)等である。
同様に、操作圧センサ29LBは、左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29RAは、右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29RBは、右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29DLは、左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29DRは、右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、操作圧センサ29の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させてもよい。
また、コントローラ30は、絞り18と制御圧センサ19を用いた省エネルギ制御としてのネガティブコントロール制御を実行するように構成されている。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19は左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。本実施形態では、制御圧センサ19は、ネガティブコントロール圧センサとして機能する。省エネルギ制御は、メインポンプ14による無駄なエネルギ消費を抑制するためにメインポンプ14の吐出量を減少させる制御である。
左センターバイパス油路40Lには、最も下流にある制御弁176Lと作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。そのため、左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左レギュレータ13Lを制御するための制御圧(ネガティブコントロール圧)を発生させる。左制御圧センサ19Lは、この制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は、この制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調整することで、ネガティブコントロール制御によって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、この制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、この制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増加させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
具体的には、図2で示されるようにショベル100における油圧アクチュエータが動作可能であっても何れも操作されていない場合(ゲートロックが解除状態であっても油圧アクチュエータが操作されていない場合)、すなわち、ショベル100が待機状態にある場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス油路40Lを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増加させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量をスタンバイ流量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス油路40Lを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。スタンバイ流量は、待機状態のときに採用される所定の流量であり、例えば、許容最小吐出量である。一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁は、左絞り18Lに至る作動油の流量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を減少させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増加させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を流入させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、コントローラ30は、右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御する。
上述のようなネガティブコントロール制御により、図2の油圧システムは、待機状態においては、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス油路40で発生させるポンピングロスを含む。また、図2の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。
リリーフ弁50は、センターバイパス油路40における作動油の圧力が所定のリリーフ圧を超えたときに作動油を作動油タンクに放出するように構成されている。センターバイパス油路40における作動油の圧力の過度の上昇は、油圧システムを構成する油圧機器又は構造物の破損をもたらすおそれがあるためである。図2に示す例では、リリーフ弁50は、センターバイパス油路40と作動油タンクとを繋ぐ油路43に配置されている。また、油路43にはチェック弁51が配置されている。
チェック弁51は、作動油タンクからセンターバイパス油路40への作動油の流れを止めるように構成されている。図2に示す例では、チェック弁51は、作動油タンクから左センターバイパス油路40Lへの作動油の流れを止める左チェック弁51Lと、作動油タンクから右センターバイパス油路40Rへの作動油の流れを止める右チェック弁51Rとを含む。
油路43は、中央油路43C、左油路43L、及び右油路43Rを含む。左油路43Lは、左センターバイパス油路40Lと中央油路43Cとを繋ぐ油路であり、右油路43Rは、右センターバイパス油路40Rと中央油路43Cとを繋ぐ油路である。
図2に示す例では、リリーフ弁50は、中央油路43Cに配置され、左チェック弁51Lは、左油路43Lに配置され、右チェック弁51Rは、右油路43Rに配置されている。
このように、図2の油圧システムは、1つのリリーフ弁50で左センターバイパス油路40Lと右センターバイパス油路40Rのそれぞれにおける作動油を作動油タンクに放出できるように構成されている。但し、油圧システムは、左センターバイパス油路40Lにおける作動油を作動油タンクに放出するための左リリーフ弁と、右センターバイパス油路40Rにおける作動油を作動油タンクに放出するための右リリーフ弁とを別々に備えていてもよい。この場合、左リリーフ弁は、左センターバイパス油路40Lと作動油タンクとを繋ぐ左油路に配置され、右リリーフ弁は、右センターバイパス油路40Rと作動油タンクとを繋ぐ右油路に配置される。
エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン11の回転数を調整するためのダイヤルである。エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン回転数の設定状態を示すデータをコントローラ30に送信する。本実施形態では、エンジン回転数調整ダイヤル75は、SPモード、Hモード、Aモード、及びIDLEモードの4段階でエンジン回転数を切り換えできるように構成されている。SPモードは、作業量を優先したい場合に選択される回転数モードであり、最も高いエンジン回転数を利用する。Hモードは、作業量と燃費を両立させたい場合に選択される回転数モードであり、二番目に高いエンジン回転数を利用する。Aモードは、燃費を優先させながら低騒音でショベル100を稼働させたい場合に選択される回転数モードであり、三番目に高いエンジン回転数を利用する。IDLEモードは、エンジン11をアイドリング状態にしたい場合に選択される回転数モードであり、最も低いエンジン回転数を利用する。エンジン11は、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定された回転数モードのエンジン回転数で一定回転するように制御される。
次に、図3を参照し、コントローラ30がメインポンプ14の吐出量を制御する機能(以下、「吐出量制御機能」とする。)の一例について説明する。図3は、地面を掘削するためのバケット閉じ操作が行われた場合に吐出量制御機能が実行されるときの右メインポンプ14Rの吐出圧Pdと吐出量Qdの時間的推移の概要を示す。そのため、以下の説明は、コントローラ30が右メインポンプ14Rの吐出圧Pdに基づいて吐出量Qdを制御する場合に関するが、コントローラ30が左メインポンプ14Lの吐出圧に基づいて吐出量を制御する場合についても同様に適用される。また、バケット開き操作、アーム閉じ操作、アーム開き操作、ブーム上げ操作、ブーム下げ操作、又は旋回操作が行われたときに吐出量制御機能が実行される場合についても同様に適用される。また、エンドアタッチメントとしてグラップルが取り付けられている構成では、グラップルの掴み操作が行われた場合に吐出量制御機能が実行される場合についても同様に適用される。また、他のエンドアタッチメントが取り付けられている構成で吐出量制御機能が実行される場合についても同様に適用される。
具体的には、図3(A)は、吐出量制御機能が実行されるときの吐出圧Pdの時間的推移の概要を実線で示し、吐出量制御機能が実行されないときの吐出圧Pdの時間的推移の概要を点線で示している。同様に、図3(B)は、吐出量制御機能が実行されるときの吐出量Qdの時間的推移の概要を実線で示し、吐出量制御機能が実行されないときの吐出量Qdの時間的推移の概要を点線で示している。
吐出量制御機能が実行されない場合、バケット閉じ操作が行われると、右メインポンプ14Rの吐出量Qdは、右操作レバー26Rのレバー操作量に応じて増加する。掘削抵抗が大きい場合には、右メインポンプ14Rの吐出量Qdは、図3(B)の点線で示すように、右操作レバー26Rのレバー操作量に応じて急増する。
右メインポンプ14Rの吐出量Qdが急増すると、制御弁174を通ってバケットシリンダ9のボトム側油室に流入する作動油の流量も急増してバケットシリンダ9が伸長し、バケット6が閉じられる。バケット6が閉じられると、掘削抵抗が急増し、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdは急増する。
吐出圧Pdが急増すると、コントローラ30は、吐出圧Pdと吐出量Qdとの積で表される右メインポンプ14Rの吸収パワーがエンジン11の出力パワーを超えないようにパワー制御機能を実行し、吐出量Qdを急減させる。吐出量Qdが急減すると、制御弁174を通ってバケットシリンダ9のボトム側油室に流入する作動油の流量も急減してバケットシリンダ9の伸長が鈍化し、バケット6の閉じ速度が急減する。バケット6の閉じ速度が急減すると、掘削抵抗が急減し、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdは急減する。
吐出圧Pdが急減すると、コントローラ30は、パワー制御機能により、吐出量Qdを再び急増させる。吐出量Qdが急増すると、制御弁174を通ってバケットシリンダ9のボトム側油室に流入する作動油の流量も急増してバケットシリンダ9の伸長が促進され、バケット6の閉じ速度が急増する。バケット6の閉じ速度が急増すると、掘削抵抗が再び急増し、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdは再び急増する。
このように、吐出量制御機能が実行されない場合、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdは、図3(A)に示すように、急激な増減を繰り返しながら増加していく。同様に、右メインポンプ14Rの吐出量Qdは、図3(B)に示すように、急激な増減を繰り返しながら増加していく。右メインポンプ14Rは、吸収パワーがエンジン11の出力パワーを超えない限り、右操作レバー26Rのレバー操作量によって決まる吐出量まで吐出量Qdを増加させようとするためである。
その後、時刻t1において、吐出圧Pdがリリーフ圧Prに達すると、右メインポンプ14Rが吐出する作動油の一部は、リリーフ弁50を通じて作動油タンクに放出される。すなわち、右メインポンプ14Rが吐出する作動油の油圧エネルギの一部は、バケット6の閉じ動作のために利用されることなく捨てられてしまう。
吐出圧Pdがリリーフ圧Prを超えた後も、吐出量Qdは、パワー制御機能により、吐出圧Pdと吐出量Qdとの積で表される右メインポンプ14Rの吸収パワーがエンジン11の出力パワーを超えない限り、右操作レバー26Rのレバー操作量に応じて増加する。すなわち、リリーフ弁50を通じて作動油タンクに放出される作動油の流量(以下、「リリーフ流量」とする。)が増えたとしても、右メインポンプ14Rの吸収パワーがエンジン11の出力パワーを下回る限り、吐出量Qdは制限されない。また、操作者は、リリーフ弁50を通じて作動油が無駄に作動油タンクに放出されていることを認識したとしても、レバー操作量をどの程度減少させれば、右メインポンプ14Rに最大限の力を発揮させながらリリーフ流量を抑えることができるのかを判断できない。そのため、操作者は、多くの場合、リリーフ弁50を通じた作動油の無駄な放出を継続させてしまう。なお、図3(B)の斜線領域は、無駄に放出されてしまう作動油の体積、すなわち、バケットシリンダ9の伸長に利用されない作動油の体積を表している。
吐出量制御機能は、この無駄に捨てられてしまう作動油を減らすことができる。すなわち、吐出量制御機能は、右メインポンプ14Rに最大限の力を発揮させながらもリリーフ流量を抑えることができる。
吐出量制御機能が実行される場合、コントローラ30は、時刻t1において吐出圧Pdがリリーフ圧Prに達した後、吐出圧Pdがリリーフ圧Prで維持されるように、吐出量Qdを制御する。具体的には、コントローラ30は、右レギュレータ13Rに適切な制御指令を適切なタイミングで出力することで、判定圧としてのリリーフ圧Prを吐出圧Pdが上回った場合に吐出量Qdを減少させ、判定圧としてのリリーフ圧Prを吐出圧Pdが下回った場合に吐出量Qdを増加させる。なお、コントローラ30は、吐出圧Pdがリリーフ圧Prを上回った場合には吐出量Qdを許容最小吐出量に減少させてもよい。また、判定圧は、クラッキング圧等、リリーフ圧Prより低い圧力であってもよい。
この構成により、吐出量制御機能を備えたコントローラ30は、メインポンプ14に最大限の力を発揮させながらもリリーフ流量を抑えることができる。その結果、コントローラ30は、エネルギ損失を抑えることができ、ひいては、エンジン11の燃費を改善できる。また、コントローラ30は、リリーフ弁50を通って作動油タンクに放出される作動油の流量を抑えることで、作動油がリリーフ弁50を通過することによる作動油の温度の上昇を抑えることができ、ひいては、油圧システムのヒートバランス性能を向上させることができる。また、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧の過度の上昇を抑えることで、エンジン負荷を低減させることができる。また、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧の過度の上昇を抑えることで、油圧アクチュエータの動作速度の急増を抑えることができ、ひいては、ショベル100の操作性及び安定性を向上させることができる。
なお、ショベル100の操作者は、寒冷地で油圧駆動系の暖機を行う場合に、リリーフ弁50を通じた作動油の放出を意図的に行う場合がある。操作者は、例えば、バケット6を最も閉じた状態で更にバケット閉じ操作を継続することで、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdをリリーフ圧Pr以上にし、リリーフ弁50を通過する作動油の流量を増加させる。リリーフ弁50で圧力損失を発生させることで、リリーフ弁50を通過する作動油の温度を上昇させるためである。
しかしながら、吐出量制御機能が実行されると、リリーフ弁50を通って放出される作動油の流量が抑制されてしまうため、操作者は、油圧駆動系の暖機を効率的に実行できない。
そこで、コントローラ30は、油圧駆動系の暖機が行われていると判定した場合には、吐出量制御機能を実行しないように構成されていてもよい。例えば、コントローラ30は、上述のようにバケット閉じ操作による油圧駆動系の暖機が行われている場合、予め設定された時間を超えてバケット閉じ操作が継続されたと判定したときに、実行中の吐出量制御機能を停止させてもよい。バケット閉じ操作は、例えば、右操作レバー26Rの左方向へのフルレバー操作である。フルレバー操作は、例えば、操作レバーが中立状態(非操作状態)にあるときのレバー操作量を0%とし、操作レバーが最も倒されたときのレバー操作量を100%としたときに、レバー操作量が90%以上となる操作を意味する。
この場合、右メインポンプ14Rの吐出量Qdは、吐出量制御機能が停止されるまでは、吐出圧Pdがリリーフ圧Prで維持されるように制御される。しかしながら、吐出量制御機能が停止されると、吐出圧Pdが判定圧としてのリリーフ圧Prを超えたとしても、右メインポンプ14Rの吸収パワーがエンジン11の出力パワーを超えない限り、吐出量Qdは、レバー操作量に応じた量まで増加する。そのため、リリーフ流量は、吐出量制御機能が実行されていたときよりも増加する。その結果、リリーフ弁50を通過する作動油の温度上昇が促進され、ひいては、油圧駆動系の暖機が促進される。
コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧が所定の判定圧(リリーフ圧)以上である状態が予め設定された時間を超えて継続したと判定した場合に、実行中の吐出量制御機能を停止させてもよい。或いは、コントローラ30は、油温センサの出力に基づき、作動油の温度が所定の温度より低いと判定した場合には、吐出量制御機能を実行しないように構成されていてもよい。
次に、図4及び図5を参照し、本発明の別の実施形態に係るショベル100について説明する。図4(A)はショベル100の左側面図であり、図4(B)はショベル100の上面図である。図5は、図4のショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す。
図4のショベル100は、主に、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、機体傾斜センサS4、旋回角速度センサS5、シリンダ圧センサ、物体検知装置70、及び撮像装置80を備える点で、図1のショベル100と異なる。図5の油圧システムは、油圧シリンダにシリンダ圧センサが取り付けられている点で、図2の油圧システムと異なる。
ブーム角度センサS1は、ブーム4の回動角度であるブーム角度θ1を検出するように構成されている。図4に示す例では、ブーム角度θ1は、例えば、ブーム4を最も下降させた状態からの回動角度である。そのため、ブーム角度θ1は、ブーム4を最も上昇させたときに最大となる。
アーム角度センサS2は、アーム5の回動角度であるアーム角度θ2を検出するように構成されている。アーム角度θ2は、例えば、アーム5を最も閉じた状態からの回動角度である。そのため、アーム角度θ2は、アーム5を最も開いたときに最大となる。
バケット角度センサS3は、バケット6の回動角度であるバケット角度θ3を検出するように構成されている。バケット角度θ3は、例えば、バケット6を最も閉じた状態からの回動角度である。そのため、バケット角度θ3は、バケット6を最も開いたときに最大となる。
図4に示す例では、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3のそれぞれは、加速度センサとジャイロセンサの組み合わせで構成されている。但し、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3のそれぞれは、加速度センサのみで構成されていてもよい。また、ブーム角度センサS1は、ブームシリンダ7に取り付けられたストロークセンサであってもよく、ロータリエンコーダ、ポテンショメータ、又は慣性計測装置等であってもよい。アーム角度センサS2及びバケット角度センサS3についても同様である。
機体傾斜センサS4は、所定の平面に対する上部旋回体3の傾斜を検出するように構成されている。図4に示す例では、機体傾斜センサS4は、水平面に関する上部旋回体3の前後軸回りの傾斜角(ロール角)及び左右軸回りの傾斜角(ピッチ角)を検出する加速度センサである。上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、例えば、互いに直交してショベル100の旋回軸上の一点であるショベル中心点を通る。
旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。図4に示す例では、旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサである。旋回角速度センサS5は、レゾルバ又はロータリエンコーダ等であってもよい。旋回角速度センサS5は、旋回速度を検出してもよい。旋回速度は、旋回角速度から算出されてもよい。
シリンダ圧センサは、例えば、ブームボトム圧センサS7B、ブームロッド圧センサS7R、アームボトム圧センサS8B、アームロッド圧センサS8R、バケットボトム圧センサS9B、及びバケットロッド圧センサS9Rを含む。
ブームボトム圧センサS7Bは、ブームシリンダ7のボトム側油室における作動油の圧力であるブームボトム圧を検出するように構成されている。ブームロッド圧センサS7Rは、ブームシリンダ7のロッド側油室における作動油の圧力であるブームロッド圧を検出するように構成されている。
アームボトム圧センサS8Bは、アームシリンダ8のボトム側油室における作動油の圧力であるアームボトム圧を検出するように構成されている。アームロッド圧センサS8Rは、アームシリンダ8のロッド側油室における作動油の圧力であるアームロッド圧を検出するように構成されている。
バケットボトム圧センサS9Bは、バケットシリンダ9のボトム側油室における作動油の圧力であるバケットボトム圧を検出するように構成されている。バケットロッド圧センサS9Rは、バケットシリンダ9のロッド側油室における作動油の圧力であるバケットロッド圧を検出するように構成されている。
物体検知装置70は、ショベル100の周囲に存在する物体を検知するように構成されている。物体は、例えば、人、動物、車両、建設機械、建造物、壁、柵、又は穴等である。物体検知装置70は、例えば、単眼カメラ、超音波センサ、ミリ波レーダ、ステレオカメラ、LIDAR、距離画像センサ、又は赤外線センサ等である。本実施形態では、物体検知装置70は、キャビン10の上面前端に取り付けられた前センサ70F、上部旋回体3の上面後端に取り付けられた後センサ70B、上部旋回体3の上面左端に取り付けられた左センサ70L、及び、上部旋回体3の上面右端に取り付けられた右センサ70Rを含む。
物体検知装置70は、ショベル100の周囲に設定された所定領域内の所定物体を検知するように構成されていてもよい。すなわち、物体検知装置70は、物体の種類を識別できるように構成されていてもよい。例えば、物体検知装置70は、人と人以外の物体とを区別できるように構成されていてもよい。
撮像装置80は、ショベル100の周囲を撮像するように構成されている。本実施形態では、撮像装置80は、上部旋回体3の上面後端に取り付けられた後カメラ80B、キャビン10の上面前端に取り付けられた前カメラ80F、上部旋回体3の上面左端に取り付けられた左カメラ80L、及び、上部旋回体3の上面右端に取り付けられた右カメラ80Rを含む。
後カメラ80Bは後センサ70Bに隣接して配置され、前カメラ80Fは前センサ70Fに隣接して配置され、左カメラ80Lは左センサ70Lに隣接して配置され、且つ、右カメラ80Rは右センサ70Rに隣接して配置されている。
撮像装置80が撮像した画像は、キャビン10内に設置された表示装置に表示される。撮像装置80は、俯瞰画像等の視点変換画像を表示装置に表示できるように構成されていてもよい。俯瞰画像は、例えば、後カメラ80B、左カメラ80L、及び右カメラ80Rのそれぞれが出力する画像を合成して生成される。
撮像装置80は、物体検知装置70として利用されてもよい。この場合、物体検知装置70は省略されてもよい。
次に、図6を参照し、コントローラ30がメインポンプ14の吐出量を制御する機能である吐出量制御機能の別の一例について説明する。図6は、地面を掘削するためのバケット閉じ操作が行われた場合に吐出量制御機能が実行されるときの右メインポンプ14Rの吐出圧Pd及び吐出量Qdとバケットシリンダ9の伸長速度vとの時間的推移の概要を示す。そのため、以下の説明は、コントローラ30がバケットシリンダ9の伸長速度vに基づいて右メインポンプ14Rの吐出量を制御する場合に関するが、コントローラ30が他の油圧アクチュエータの動作速度に基づいて左メインポンプ14L又は右メインポンプ14Rの吐出量を制御する場合についても同様に適用される。例えば、バケットシリンダ9の収縮速度、アームシリンダ8の伸縮速度、ブームシリンダ7の伸縮速度、又は、旋回用油圧モータ2Aの回転速度等に基づいて左メインポンプ14L又は右メインポンプ14Rの吐出量を制御する場合についても同様に適用される。
具体的には、図6(A)は、吐出量制御機能が実行されるときの吐出圧Pdの時間的推移の概要を実線で示し、吐出量制御機能が実行されないときの吐出圧Pdの時間的推移の概要を点線で示している。また、図6(B)は、吐出量制御機能が実行されるときの吐出量Qdの時間的推移の概要を実線で示し、吐出量制御機能が実行されないときの吐出量Qdの時間的推移の概要を点線で示している。同様に、図6(C)は、吐出量制御機能が実行されるときの伸長速度vの時間的推移の概要を実線で示し、吐出量制御機能が実行されないときの伸長速度vの時間的推移の概要を点線で示している。
吐出量制御機能が実行されない場合、バケット閉じ動作が行われているときに、時刻t1において掘削抵抗が増加すると、バケットボトム圧が増加し、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdも、図6(A)の点線で示すように増加する。
そして、バケットボトム圧が増加すると、右メインポンプ14Rの吐出量Qdは、ネガティブコントロール制御により、図6(B)の点線で示すように減少させられる。バケットシリンダ9のボトム側油室に流入する作動油の流量が減少し、右絞り18Rを通過する作動油の流量が増加するためである。
そして、バケットシリンダ9のボトム側油室に流入する作動油の流量が減少すると、バケットボトム圧及び吐出圧Pdは減少し、バケットシリンダ9の伸長速度v(バケット6の閉じ速度)も減少する。このとき、ショベル100の操作者は、多くの場合、右操作レバー26Rのバケット閉じ方向へのレバー操作量を増加させる。伸長速度vが減少した分だけ伸長速度vを増加させるためである。
そして、時刻t2において、右操作レバー26Rがバケット閉じ方向へ更に倒されると、ネガティブコントロール制御によって減少していた吐出量Qdは、図6(B)の点線で示すように増加に転じる。制御弁174のPTポートの開口面積が減少し、右絞り18Rを通過する作動油の流量が減少するためである。
その結果、バケットボトム圧は、掘削抵抗が減少しない限り、再び増加に転じ、吐出圧Pdも、図6(A)の点線で示すように再び増加に転じる。そして、伸長速度vも、図6(C)の点線で示すように再び増加に転じる。
このとき、レバー操作量(吐出量Qd)の増加が大きいほど、すなわち、バケットシリンダ9のボトム側油室に流入する作動油の流量が大きいほど、バケットボトム圧は急激に増加する。しかしながら、右メインポンプ14Rが吐出する作動油のほとんどは、バケットシリンダ9のボトム側油室に流入できず、制御弁174のPTポートを通って作動油タンクに排出される。そのため、伸長速度vは、瞬間的には増加するが、ネガティブコントロール制御により吐出量Qdがその直後に減少してしまうため、実質的にはほとんど増加しない。
そして、伸長速度vがほとんど増加しないと、ショベル100の操作者は、多くの場合、右操作レバー26Rのバケット閉じ方向へのレバー操作量を更に増加させる。このようにして、レバー操作量の増加、バケットボトム圧(吐出圧Pd)の増加、伸長速度vの瞬間的な増加、ネガティブコントロール制御による吐出量Qdの減少、及び伸長速度vの減少の順で各事象が繰り返されてしまう。
なお、伸長速度vの瞬間的な増加は、エンジン負荷の増加をもたらし、伸長速度vの増減の繰り返しは、ショベル100の機体の不安定化をもたらしてしまう。
また、操作者は、基本的に、右操作レバー26Rのレバー操作量を変えることで吐出量Qdを増減させることができるが、吐出量Qdの増減に対するバケットシリンダ9の反応は、伸長速度v及び掘削抵抗等に応じて常に変化する。そのため、操作者は、実際に右操作レバー26Rを操作するまでは、そのときの状況に適した吐出量Qdをもたらす適切なレバー操作量を知ることはできない。
吐出量制御機能は、このような適切なレバー操作量を知ることができないという事実に起因するバケットシリンダ9の不安定な動きを抑えることができる。すなわち、吐出量制御機能は、そのときの状況に適した速度でバケット6を閉じさせることができる。
吐出量制御機能が実行される場合、コントローラ30は、バケットシリンダ9の伸長速度vに応じて右メインポンプ14Rの吐出量Qdを調整する。
具体的には、コントローラ30は、バケット角度θ3を検出するバケット角度センサS3、又は、バケットシリンダ9の伸縮量を検出するバケットシリンダストロークセンサ等の出力に基づいてバケットシリンダ9の伸長速度vを取得する。図6に示す例では、コントローラ30は、バケット角度センサS3の出力に基づいてバケット6の回動角速度を算出し、更に、バケット6の回動角速度に基づいてバケットシリンダ9の伸長速度vを算出している。
或いは、コントローラ30は、バケットボトム圧センサS9B及びバケットロッド圧センサS9Rの少なくとも一方の出力に基づいてバケットシリンダ9の伸長速度vを算出してもよい。
或いは、コントローラ30は、物体検知装置70の1つである前センサ70Fの出力に基づいてバケットシリンダ9の伸長速度vを算出してもよく、撮像装置80の1つである前カメラ80Fが撮像した画像に公知の画像処理を施すことでバケットシリンダ9の伸長速度vを算出してもよい。
或いは、コントローラ30は、上述の様々な装置の出力の任意の組み合わせに基づいてバケットシリンダ9の伸長速度vを算出してもよい。
そして、コントローラ30は、例えば、バケットシリンダ9の伸長速度vの増加率(伸長加速度)が減少しているときに右メインポンプ14Rの吐出量Qdを減少させ、バケットシリンダ9の伸長速度vの増加率(伸長加速度)が増加しているときに右メインポンプ14Rの吐出量Qdを増加させるように構成されている。
そのため、右メインポンプ14Rの吐出量Qdは、図6(B)の実線で示すように、吐出量制御機能が実行されない場合(点線で示す推移)に比べて小さい変動幅で増加しながら、時刻t3において、右操作レバー26Rのレバー操作量に応じた吐出量Qtに達する。バケットシリンダ9の伸長速度vは、図6(C)の実線で示すように、吐出量制御機能が実行されない場合(点線で示す推移)に比べて小さい変動幅で増加しながら、時刻t3において、所望の伸長速度vtに達する。また、右メインポンプ14Rの吐出圧Pdは、図6(A)の実線で示すように、吐出量制御機能が実行されない場合(点線で示す推移)に比べて小さい変動幅で増加しながら、時刻t3において、現在の掘削抵抗に応じた吐出圧Ptに達する。
このように、コントローラ30は、吐出量制御機能を実行して吐出量Qdを制御した場合であっても、吐出量制御機能を実行しない場合とほぼ同じタイミングである時刻t3で、吐出量Qdをレバー操作量に応じた吐出量Qtに到達させることができる。また、コントローラ30は、吐出量制御機能を実行して吐出量Qdを制御した場合であっても、吐出量制御機能を実行しない場合とほぼ同じタイミングである時刻t3で、吐出圧Pdを現在の掘削抵抗に応じた吐出圧Ptに到達させることができる。更に、コントローラ30は、吐出量制御機能を実行して吐出量Qdを制御した場合であっても、吐出量制御機能を実行しない場合とほぼ同じタイミングである時刻t3で、バケットシリンダ9の伸長速度vを所望の伸長速度vtに到達させることができる。なお、時刻t3以降においては、すなわち、吐出量Qdが吐出量Qtに達し、吐出圧Pdが吐出圧Ptに達し、且つ、伸長速度vが伸長速度vtに達した後においては、吐出量Qd、吐出圧Pd、及び伸長速度vは、吐出量制御機能が実行されているか否かにかかわらず同じように推移する。したがって、コントローラ30は、吐出量制御機能を実行することで、バケットシリンダ9の動きを鈍化させたり、掘削力を弱めたりすることはない。その上で、コントローラ30は、時刻t3に至るまでの期間において、すなわち、吐出量Qdが吐出量Qtに達し、吐出圧Pdが吐出圧Ptに達し、且つ、伸長速度vが伸長速度vtに達するまでの期間において、バケットシリンダ9の動作に寄与することなく無駄に作動油タンクに排出されてしまう作動油の流量を抑えることができる。
なお、コントローラ30は、バケットボトム圧センサS9Bの出力に応じて右メインポンプ14Rの吐出量Qdを調整してもよい。例えば、コントローラ30は、バケットボトム圧が所定圧を上回る場合に吐出量Qdを減少させてもよい。バケット閉じ動作が行われている際にバケットボトム圧が所定圧を上回る場合には、コントローラ30は、吐出量Qdを増加させたとしても、バケット6の閉じ速度を瞬間的に増加させることしかできず、却ってショベル100の機体の不安定化をもたらすのみであると判定できるためである。このように、コントローラ30は、バケット閉じ動作が行われている際にバケットボトム圧の時間的推移を監視することで、吐出量Qdを適切に調整できる。すなわち、コントローラ30は、少なくとも一時的には操作者による右操作レバー26Rのレバー操作量とは無関係に吐出量Qdを制御することで、吐出量Qdが過度に増加してしまうのを防止できる。
また、図6に示す例では、コントローラ30は、吐出圧Pdがリリーフ圧Prよりも顕著に低い吐出圧Ptになるように吐出量Qdを調整しているが、吐出圧Pdがリリーフ圧Prになるように吐出量Qdを調整してもよい。
この構成により、吐出量制御機能を備えたコントローラ30は、メインポンプ14の吐出量が無駄に増加されてしまい、追加的に吐出された作動油が油圧アクチュエータの動作に寄与しないばかりか、却って油圧アクチュエータの動きを不安定にしてしまうのを防止できる。すなわち、コントローラ30は、油圧アクチュエータの動作状況に応じた適切な吐出量を実現できる。その結果、コントローラ30は、エネルギ損失を抑えることができ、ひいては、エンジン11の燃費を改善できる。また、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧の過度の上昇を抑えることで、エンジン負荷を低減させることができる。また、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧の過度の上昇を抑えることで、油圧アクチュエータの動作速度の急増を抑えることができ、ひいては、ショベル100の操作性及び安定性を向上させることができる。
また、吐出量制御機能を備えたコントローラ30は、メインポンプ14の吐出量が無駄に増加されてしまうのを防止できるため、油圧アクチュエータに流入できずに制御弁のPTポートを通じて作動油タンクに排出されてしまう作動油の流量を抑えることができる。すなわち、コントローラ30は、油圧アクチュエータの動作に寄与することなく無駄に作動油タンクに排出されてしまう作動油の流量を抑えることができる。その結果、コントローラ30は、エネルギ損失を抑えることができ、ひいては、エンジン11の燃費を改善できる。
また、吐出圧Pdがリリーフ圧Prよりも顕著に低い吐出圧Ptになるように吐出量Qdを調整することは、吐出量制御機能によって決まる吐出量Qdが、パワー制御機能によって決まる吐出量Qdよりも小さいことを意味する。すなわち、コントローラ30は、エンジン11の出力パワーよりも顕著に小さいレベルでメインポンプ14の吸収パワーを維持しながら、油圧アクチュエータの動作状況に応じた適切な吐出量を実現できる。
上述のように、本発明の実施形態に係るショベル100は、例えば図1〜図3に示すように、上部旋回体3と、下部走行体1と、ブーム4及びアーム5を含むアタッチメントとしての掘削アタッチメントATと、油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータへ流れる作動油を制御する制御弁171〜176と、油圧ポンプとしてのメインポンプ14と、リリーフ弁50と、制御装置としてのコントローラ30と、を備えている。そして、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧がリリーフ弁50のリリーフ圧で維持されるように、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。
また、本発明の実施形態に係るショベル100では、例えば図4〜図6に示すように、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出圧がリリーフ弁50のリリーフ圧以下の所定範囲内の圧力となるように、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。
具体的には、コントローラ30は、作動油をリリーフ弁50から放出させない状態で、油圧アクチュエータを所望の速度で動かすための必要最低限の吐出圧及び吐出量を実現するように構成されている。より具体的には、コントローラ30は、増減を繰り返す伸長加速度で動作していたバケットシリンダ9が略一定の伸長加速度で動作するように、伸長速度vに応じて右メインポンプ14Rの吐出量を増減するように構成されている。
上述のような構成により、ショベル100は、エネルギ損失を抑えながらも、作業に必要な力を出すことができる。
また、コントローラ30は、望ましくは、メインポンプ14の吸収パワーが駆動源としてのエンジン11の出力パワー未満となるようにメインポンプ14の吐出量を制御するパワー制御機能を有する。そして、コントローラ30は、吐出量制御機能によって決まる吐出量Qdが、パワー制御機能によって決まる吐出量Qdよりも小さくなるように構成されている。
この構成により、コントローラ30は、エンジン11の出力パワーよりも顕著に小さいレベルでメインポンプ14の吸収パワーを維持しながらも、メインポンプ14に最大限の力を発揮させ、且つ、リリーフ流量を抑えることができる。また、コントローラ30は、エンジン11の出力パワーよりも顕著に小さいレベルでメインポンプ14の吸収パワーを維持しながら、油圧アクチュエータの動作状況に応じた適切な吐出量を実現できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
例えば、上述の実施形態では、コントローラ30は、パワー制御機能を実行することで、図3の点線で示すような吐出圧Pdの急激な増減の繰り返しが発生するのを抑制しているが、吐出量制御機能を実行することで、このような吐出圧Pdの急激な増減の繰り返しが発生するのを抑制してもよい。例えば、コントローラ30は、吐出量制御機能を実行することで、パワー制御機能に制限を加えてもよい。具体的には、コントローラ30は、パワー制御機能を実行する際に導き出される最大許容吐出量から所定量を差し引いた値を目標吐出量として算出し、吐出量Qdがその目標吐出量となるように吐出量Qdを調整してもよい。なお、最大許容吐出量は、例えば、エンジン11の出力パワーを吐出圧Pdで除算することで導き出される。
このように、コントローラ30は、パワー制御機能によってメインポンプ14の吸収パワーがエンジン11の出力パワーと等しくなるように吐出量Qdを調整するのではなく、吐出量制御機能によってメインポンプ14の吸収パワーがエンジン11の出力パワーよりも僅かに低い状態で維持されるように吐出量Qdを調整してもよい。
その結果、コントローラ30は、吐出圧Pdが急減したときにパワー制御機能によって吐出量Qdが最大許容吐出量まで急増してしまうのを抑制でき、ひいては、吐出量Qdの急増によって吐出圧Pdが急増してしまうのを抑制できる。すなわち、コントローラ30は、図3の点線で示すような吐出圧Pdの急激な増減の繰り返しが発生するのを抑制できる。
或いは、コントローラ30は、制御周期毎に算出される目標吐出量の増分を制限する吐出量制御機能を実行することによって、パワー制御機能に制限を加えてもよく、所定期間にわたって吐出量Qdの増加を禁止或いは制限する吐出量制御機能を実行することによって、パワー制御機能に制限を加えてもよい。
このようにして、吐出量制御機能は、無駄に捨てられてしまう作動油を減らすことができる。すなわち、吐出量制御機能は、右メインポンプ14Rに最大限の力を発揮させながらもリリーフ流量を抑えることができる。なお、リリーフ流量を抑えることは、吐出量制御機能によって決まる吐出量Qdが、パワー制御機能によって決まる吐出量Qdよりも小さいことを意味する。すなわち、コントローラ30は、エンジン11の出力パワーよりも顕著に小さいレベルでメインポンプ14の吸収パワーを維持しながらも、メインポンプ14に最大限の力を発揮させ、且つ、リリーフ流量を抑えることができる。
また、上述の実施形態では、コントローラ30は、レギュレータ13に制御指令を出力し、メインポンプ14の斜板傾転角を調整してメインポンプ14の1回転当たりの押し退け容積を制御することでメインポンプ14の吐出量を制御する。しかしながら、コントローラ30は、エンジン回転数を増減させることで、メインポンプ14の吐出量を制御してもよい。具体的には、コントローラ30は、エンジン回転数を低減させることでメインポンプ14の吐出量を減少させ、且つ、エンジン回転数を増加させることでメインポンプ14の吐出量を増加させてもよい。或いは、コントローラ30は、レギュレータ13による吐出量の制御と、エンジン回転数の増減による吐出量の制御とを併用してもよい。
また、上述の実施形態では、コントローラ30は、基本的に、ネガティブコントロール制御を利用してメインポンプ14の吐出量を増減させているが、ポジティブコントロール制御又はロードセンシング制御等の他の制御を利用してメインポンプ14の吐出量を増減させてもよい。
また、上述の実施形態では、油圧式パイロット回路を備えた油圧式操作システムが開示されている。例えば、左操作レバー26Lに関する油圧式パイロット回路では、パイロットポンプ15から左操作レバー26Lへ供給される作動油が、左操作レバー26Lのアーム開き方向への操作によって開閉されるリモコン弁の開度に応じた流量で、制御弁176のパイロットポートへ伝達される。或いは、右操作レバー26Rに関する油圧式パイロット回路では、パイロットポンプ15から右操作レバー26Rへ供給される作動油が、右操作レバー26Rのブーム上げ方向への操作によって開閉されるリモコン弁の開度に応じた流量で、制御弁175のパイロットポートへ伝達される。
但し、このような油圧式パイロット回路を備えた油圧式操作システムではなく、電気式パイロット回路を備えた電気式操作システムが採用されてもよい。この場合、電気式操作システムにおける電気式操作レバーのレバー操作量は、例えば、電気信号としてコントローラ30へ入力される。また、パイロットポンプ15と各制御弁のパイロットポートとの間には電磁弁が配置される。電磁弁は、コントローラ30からの電気信号に応じて動作するように構成される。この構成により、電気式操作レバーを用いた手動操作が行われると、コントローラ30は、レバー操作量に対応する電気信号に応じて電磁弁を制御してパイロット圧を増減させることで各制御弁を移動させることができる。
1・・・下部走行体 2・・・旋回機構 2A・・・旋回用油圧モータ 2M・・・走行用油圧モータ 2ML・・・左走行用油圧モータ 2MR・・・右走行用油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 13・・・レギュレータ 14・・・メインポンプ 15・・・パイロットポンプ 17・・・コントロールバルブ 18・・・絞り 19・・・制御圧センサ 26・・・操作装置 28・・・吐出圧センサ 29・・・操作圧センサ 30・・・コントローラ 40・・・センターバイパス油路 42・・・パラレル油路 43・・・油路 50・・・リリーフ弁 51・・・チェック弁 70・・・物体検知装置 75・・・エンジン回転数調整ダイヤル 80・・・撮像装置 100・・・ショベル 171〜176・・・制御弁 AT・・・掘削アタッチメント S1・・・ブーム角度センサ S2・・・アーム角度センサ S3・・・バケット角度センサ S4・・・機体傾斜センサ S5・・・旋回角速度センサ S7B・・・ブームボトム圧センサ S7R・・・ブームロッド圧センサ S8B・・・アームボトム圧センサ S8R・・・アームロッド圧センサ S9B・・・バケットボトム圧センサ S9R・・・バケットロッド圧センサ

Claims (6)

  1. 上部旋回体と、
    下部走行体と、
    ブーム及びアームを含むアタッチメントと、
    油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータへ流れる作動油を制御する制御弁と、
    油圧ポンプと、
    リリーフ弁と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記油圧ポンプの吐出圧が前記リリーフ弁のリリーフ圧で維持されるように、前記油圧ポンプの吐出量を制御する吐出量制御機能を有する、
    ショベル。
  2. 上部旋回体と、
    下部走行体と、
    ブーム及びアームを含むアタッチメントと、
    油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータへ流れる作動油を制御する制御弁と、
    油圧ポンプと、
    リリーフ弁と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記油圧ポンプの吐出圧が前記リリーフ弁のリリーフ圧以下の所定範囲内の圧力となるように、前記油圧ポンプの吐出量を制御する吐出量制御機能を有する、
    ショベル。
  3. 前記制御装置は、前記油圧アクチュエータの動作速度に基づき、前記油圧ポンプの吐出量を制御する、
    請求項2に記載のショベル。
  4. 前記制御装置は、前記油圧アクチュエータにおける作動油の圧力が所定の圧力以上の場合に、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる、
    請求項3に記載のショベル。
  5. 前記制御装置は、油圧駆動系の暖機の際には、前記油圧ポンプの吐出量を減少させない、
    請求項1に記載のショベル。
  6. 前記制御装置は、前記油圧ポンプの吸収パワーが駆動源の出力パワー未満となるように前記油圧ポンプの吐出量を制御するパワー制御機能を有し、
    前記吐出量制御機能によって決まる吐出量は、前記パワー制御機能によって決まる吐出量より小さい、
    請求項1乃至5の何れかに記載のショベル。
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