JP2023176796A - ショベル - Google Patents

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裕介 佐野
Yusuke Sano
圭二 本田
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Abstract

【課題】所望のパイロット圧を実現するために必要なパイロット油の量が、吐出可能なパイロット油の量を上回る場合にも、油圧アクチュエータの動きを安定させることができること。【解決手段】ショベル100は、制御弁174のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する電磁弁31CLと、バケットシリンダ9を操作する電気式のバケット操作レバー(右操作レバー26R)と、バケット操作レバーの操作量に応じて電磁弁31CLの開口面積を制御するコントローラ30と、を備える。コントローラ30は、所定の操作量でバケット操作レバーが操作された場合、制御弁174を含む複数の制御弁が同時に動くときの電磁弁31CLの開口面積と、制御弁174のみが動くときの電磁弁31CLの開口面積と、を異ならせるように構成されている。【選択図】図4C

Description

本開示は、ショベルに関する。
従来、電気式操作レバーを備えたショベルが知られている(特許文献1参照。)。
国際公開第2021/025172号
上述の電気式操作レバーは、油圧アクチュエータに流出入する作動油の流れを制御するスプール弁を動かすために、パイロットポンプとスプール弁との間のパイロットラインに設けられた電磁弁の開口面積を変化させてスプール弁に作用するパイロット圧を調整できるように構成されている。
しかしながら、電気式操作レバーは、複数のスプール弁を同時に動かすために複数の電磁弁の開口面積を同時に大きくすると、パイロット圧を所望の大きさまで適時に増大させることができなくなり、ひいては、油圧アクチュエータの動きを不安定にしてしまうおそれがある。所望のパイロット圧を実現するために必要なパイロット油の量が、パイロットポンプが吐出可能なパイロット油の量を上回るためである。
そこで、所望のパイロット圧を実現するために必要なパイロット油の量が、吐出可能なパイロット油の量を上回る場合にも、油圧アクチュエータの動きを安定させることができることが望ましい。
本開示の実施形態に係るショベルは、下部走行体と、前記下部走行体に旋回自在に搭載された上部旋回体と、前記上部旋回体に搭載されたメインポンプと、第1油圧アクチュエータと前記メインポンプとの間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第1スプール弁と、前記第1スプール弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第1電磁弁と、前記第1油圧アクチュエータを操作する電気式の第1操作レバーと、前記第1操作レバーの操作量に応じて前記第1電磁弁の開口面積を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、所定の第1操作量で前記第1操作レバーが操作された場合、前記第1スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの前記第1電磁弁の開口面積と、前記第1スプール弁のみが動くときの前記第1電磁弁の開口面積と、を異ならせるように構成されている。
上述のショベルは、所望のパイロット圧を実現するために必要なパイロット油の量が、吐出可能なパイロット油の量を上回る場合にも、油圧アクチュエータの動きを安定させることができる。
本開示の実施形態に係るショベルの側面図である。 本開示の実施形態に係るショベルの上面図である。 ショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す図である。 アームシリンダの操作に関する油圧システムの一部の図である。 ブームシリンダの操作に関する油圧システムの一部の図である。 バケットシリンダの操作に関する油圧システムの一部の図である。 旋回油圧モータの操作に関する油圧システムの一部の図である。 左走行油圧モータの操作に関する油圧システムの一部の図である。 右走行油圧モータの操作に関する油圧システムの一部の図である。 電磁弁の開口面積の変化の一例を示す図である。 電磁弁の開口面積の変化の別の一例を示す図である。 電磁弁の開口面積の変化の更に別の一例を示す図である。
最初に、図1及び図2を参照して、本開示の実施形態に係る掘削機としてのショベル100について説明する。図1はショベル100の側面図であり、図2はショベル100の上面図である。
本実施形態では、ショベル100の下部走行体1は被駆動体としてのクローラ1Cを含む。クローラ1Cは、下部走行体1に搭載されている走行油圧モータ2Mによって駆動される。但し、走行油圧モータ2Mは、電動アクチュエータとしての走行用電動発電機であってもよい。具体的には、クローラ1Cは左クローラ1CL及び右クローラ1CRを含む。左クローラ1CLは左走行油圧モータ2MLによって駆動され、右クローラ1CRは右走行油圧モータ2MRによって駆動される。下部走行体1は、クローラ1Cによって駆動されるため、被駆動体として機能する。
下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。被駆動体としての旋回機構2は、上部旋回体3に搭載されている旋回油圧モータ2Aによって駆動される。但し、旋回油圧モータ2Aは、電動アクチュエータとしての旋回用電動発電機であってもよい。上部旋回体3は、旋回機構2によって駆動されるため、被駆動体として機能する。
上部旋回体3には被駆動体としてのブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には被駆動体としてのアーム5が取り付けられ、アーム5の先端に被駆動体及びエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。エンドアタッチメントは、アーム5の先端に取り付けられる部材であり、ブレーカ、グラップル、又はリフティングマグネット等であってもよい。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントATの一例である掘削アタッチメントを構成する。ブーム4はブームシリンダ7で駆動され、アーム5はアームシリンダ8で駆動され、バケット6はバケットシリンダ9で駆動される。
ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケット6にはバケット角度センサS3が取り付けられている。
ブーム角度センサS1はブーム4の回動角度を検出する。本実施形態では、ブーム角度センサS1は加速度センサであり、上部旋回体3に対するブーム4の回動角度であるブーム角度を検出できる。ブーム角度は、例えば、ブーム4を最も下げたときに最小角度となり、ブーム4を上げるにつれて大きくなる。
アーム角度センサS2はアーム5の回動角度を検出する。本実施形態では、アーム角度センサS2は加速度センサであり、ブーム4に対するアーム5の回動角度であるアーム角度を検出できる。アーム角度は、例えば、アーム5を最も閉じたときに最小角度となり、アーム5を開くにつれて大きくなる。
バケット角度センサS3はバケット6の回動角度を検出する。本実施形態では、バケット角度センサS3は加速度センサであり、アーム5に対するバケット6の回動角度であるバケット角度を検出できる。バケット角度は、例えば、バケット6を最も閉じたときに最小角度となり、バケット6を開くにつれて大きくなる。
ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2及びバケット角度センサS3はそれぞれ、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ、ジャイロセンサ、加速度センサとジャイロセンサの組み合わせ等であってもよい。
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。動力源は、電動モータであってもよい。また、上部旋回体3には、室外警報器45A、物体検知装置70、測位装置85、機体傾斜センサS4、及び旋回角速度センサS5等が取り付けられている。キャビン10の内部には、操作装置26、コントローラ30、表示装置40、及び室内警報器45B等が設けられている。なお、本書では、便宜上、上部旋回体3における、ブーム4が取り付けられている側を前方とし、カウンタウェイトが取り付けられている側を後方とする。
コントローラ30は、処理回路の一例であり、ショベル100を制御するための制御装置として機能する。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、RAM、NVRAM、及びROM等を備えたコンピュータで構成されている。そして、コントローラ30は、各機能に対応するプログラムをROMから読み出してRAMにロードし、対応する処理をCPUに実行させる。
表示装置40は、画像情報を表示できるように構成されている。図示例では、表示装置40は、有機ELディスプレイであり、ショベル100の操作者に画像情報を提示できるように構成されている。
室外警報器45Aは、キャビン10の外部に向けて音を出力できるように構成されている。図示例では、室外警報器45Aは、室外スピーカであり、ショベル100の周囲で作業する作業者の注意を喚起するための音を出力できるように構成されている。
室内警報器45Bは、キャビン10の内部に向けて音を出力できるように構成されている。図示例では、室内警報器45Bは、室内スピーカであり、ショベル100を操作する操作者の注意を喚起するための音を出力できるように構成されている。
物体検知装置70は、ショベル100の周囲に存在する物体を検知するように構成されている。物体は、例えば、人、動物、車両、建設機械、建造物、又は穴等である。物体検知装置70は、例えば、超音波センサ、ミリ波レーダ、撮像装置、又は赤外線センサ等である。撮像装置は、例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ、LIDAR、又は距離画像センサ等である。本実施形態では、物体検知装置70は、上部旋回体3の上面後端に取り付けられた後方カメラ70B、キャビン10の上面前端に取り付けられた前方カメラ70F、上部旋回体3の上面左端に取り付けられた左方カメラ70L、及び上部旋回体3の上面右端に取り付けられた右方カメラ70Rを含む。
物体検知装置70は、ショベル100の周囲に設定された所定領域内の所定物体(例えば人)を検知できるように構成されていてもよい。例えば、物体検知装置70は、人と人以外の物体とを区別して検知できるように構成されていてもよい。
測位装置85は、ショベル100の位置を計測するように構成されている。本実施形態では、測位装置85は、電子コンパスを組み込んだGNSS受信機であり、受信したGNSS信号に基づいてショベル100の緯度、経度、及び高度を算出して出力し、且つ、ショベル100の向きを算出して出力する。
機体傾斜センサS4は所定の平面に対する上部旋回体3の傾きを検出するように構成されている。本実施形態では、機体傾斜センサS4は、水平面に関する上部旋回体3の前後軸回りの傾斜角及び左右軸回りの傾斜角を検出する加速度センサである。上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、例えば、互いに直交してショベル100の旋回軸上の一点であるショベル中心点を通る。
旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。本実施形態では、旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサである。旋回角速度センサS5は、レゾルバ又はロータリエンコーダ等であってもよい。旋回角速度センサS5は、旋回速度及び旋回角度の少なくとも一方を出力するように構成されていてもよい。この場合、旋回速度及び旋回角度の少なくとも一方は旋回角速度から算出されてもよい。
以下では、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、機体傾斜センサS4、及び旋回角速度センサS5の任意の組み合わせは、集合的に姿勢センサとも称される。
次に、図3を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図3は、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す図である。図3は、機械的動力伝達系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系を、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示している。
ショベル100の油圧システムは、主に、エンジン11、ポンプレギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作センサ29、コントローラ30、及び制御弁60等を含む。
図3において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14から、センターバイパス管路CB又はパラレル管路PCを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給するように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
ポンプレギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。本実施形態では、ポンプレギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによってメインポンプ14の吐出量(押し退け容積)を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26を含む油圧制御機器にパイロット油を供給するように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を低下させた後で操作装置26及び電磁弁31(図4A~図4F参照)等に作動油をパイロット油として供給する機能を備えていてもよい。換言すれば、メインポンプ14は、パイロットポンプとして利用されてもよい。この場合、メインポンプ14と電磁弁31のそれぞれとの間を繋ぐパイロットラインには絞りが設けられ、メインポンプ14が吐出する作動油は、その絞りによって減圧されて電磁弁31のそれぞれに供給される。そして、減圧された作動油は、パイロット油として使用される。このように、メインポンプ14は、パイロットポンプとして利用され得る。
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171~176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行油圧モータ2ML、右走行油圧モータ2MR、及び旋回油圧モータ2Aを含む。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。本実施形態では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに向けて供給する。パイロットポートのそれぞれに向けて供給されるパイロット油の圧力(パイロット圧)は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作センサ29は、操作者による操作装置26の操作の内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダルの操作方向及び操作量を角度の形で検出する角度センサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、角度センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
メインポンプ14は、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。そして、左メインポンプ14Lは、左センターバイパス管路CBL又は左パラレル管路PCLを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、右メインポンプ14Rは、右センターバイパス管路CBR又は右パラレル管路PCRを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
左センターバイパス管路CBLは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁171、173、175L、及び176Lを通る作動油ラインである。右センターバイパス管路CBRは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁172、174、175R、及び176Rを通る作動油ラインである。
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行油圧モータ2MLへ供給し、且つ、左走行油圧モータ2MLが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行油圧モータ2MRへ供給し、且つ、右走行油圧モータ2MRが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
左パラレル管路PCLは、左センターバイパス管路CBLに並行する作動油ラインである。左パラレル管路PCLは、制御弁171、173、又は175Lの何れかによって左センターバイパス管路CBLを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル管路PCRは、右センターバイパス管路CBRに並行する作動油ラインである。右パラレル管路PCRは、制御弁172、174、又は175Rの何れかによって右センターバイパス管路CBRを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
ポンプレギュレータ13は、左ポンプレギュレータ13L及び右ポンプレギュレータ13Rを含む。左ポンプレギュレータ13Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量(押し退け容積)を制御する。具体的には、左ポンプレギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節して吐出量(押し退け容積)を減少させる。右ポンプレギュレータ13Rについても同様である。これは、吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収パワー(吸収馬力)がエンジン11の出力パワー(出力馬力)を超えないようにするためである。
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R、及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁176のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁173のパイロットポートに導入させる。
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右パイロットポートにパイロット油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左パイロットポートにパイロット油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左パイロットポートにパイロット油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右パイロットポートにパイロット油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、制御弁173の左パイロットポートにパイロット油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、制御弁173の右パイロットポートにパイロット油を導入させる。このように、左操作レバー26Lは、前後方向に操作される場合に「アーム操作レバー」として機能し、左右方向に操作される場合に「旋回操作レバー」として機能する。
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁175のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁174のパイロットポートに導入させる。
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、制御弁175Rの右パイロットポートにパイロット油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの右パイロットポートにパイロット油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左パイロットポートにパイロット油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、制御弁174の右パイロットポートにパイロット油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、制御弁174の左パイロットポートにパイロット油を導入させる。このように、右操作レバー26Rは、前後方向に操作される場合に「ブーム操作レバー」として機能し、左右方向に操作される場合に「バケット操作レバー」として機能する。
走行レバー26Dは、クローラ1Cの操作に用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、左クローラ1CLの操作に用いられる。左走行レバー26DLは、左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁171のパイロットポートに導入させる。右走行レバー26DRは、右クローラ1CRの操作に用いられる。右走行レバー26DRは、右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁172のパイロットポートに導入させる。
吐出圧センサ28は、左吐出圧センサ28L及び右吐出圧センサ28Rを含む。左吐出圧センサ28Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。右吐出圧センサ28Rについても同様である。
操作センサ29は、操作センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL、及び29DRを含む。操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向及びレバー操作量(レバー操作角度)等である。同様に、操作センサ29LBは、操作者による左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RAは、操作者による右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RBは、操作者による右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DLは、操作者による左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DRは、操作者による右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を角度の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、操作センサ29の出力を受信し、必要に応じてポンプレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。
ここで、絞り18と制御圧センサ19を用いたネガティブコントロール制御について説明する。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19は左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。
左センターバイパス管路CBLには、最も下流にある制御弁176Lと作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。そのため、左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左ポンプレギュレータ13Lを制御するための制御圧を発生させる。左制御圧センサ19Lは、この制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は、この制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、この制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、この制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増大させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
具体的には、図3で示されるようにショベル100における油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態の場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス管路CBLを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増大させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を許容最小吐出量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス管路CBLを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lに至る量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を低下させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を流入させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、コントローラ30は、右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御する。
上述のような構成により、図3の油圧システムは、待機状態においては、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス管路CBで発生させるポンピングロスを含む。また、図3の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。
制御弁60は、操作装置26の有効状態と無効状態とを切り換えるように構成されている。操作装置26の有効状態は、操作者が操作装置26を操作することで関連する被駆動体を動かすことができる状態であり、操作装置26の無効状態は、操作者が操作装置26を操作しても関連する被駆動体を動かすことができない状態である。
本実施形態では、制御弁60は、パイロットポンプ15と操作装置26とを繋ぐパイロットラインCD1の連通状態と遮断状態とを切り換え可能な電磁弁である。具体的には、制御弁60は、コントローラ30からの指令に応じてパイロットラインCD1の連通状態と遮断状態とを切り換えるように構成されている。
制御弁60は、不図示のゲートロックレバーに連動するように構成されていてもよい。具体的には、ゲートロックレバーが押し下げられたときにパイロットラインCD1を遮断状態にし、ゲートロックレバーが引き上げられたときにパイロットラインCD1を連通状態にするように構成されていてもよい。但し、制御弁60は、ゲートロックレバーに連動してパイロットラインCD1の連通状態と遮断状態とを切り換え可能な電磁弁とは別の電磁弁であってもよい。
次に、図4A~図4Fを参照し、コントローラ30がアクチュエータを動作させるための構成について説明する。図4A~図4Fは、油圧システムの一部を抜き出した図である。具体的には、図4Aは、アームシリンダ8の操作に関する油圧システム部分を抜き出した図であり、図4Bは、ブームシリンダ7の操作に関する油圧システム部分を抜き出した図である。図4Cは、バケットシリンダ9の操作に関する油圧システム部分を抜き出した図であり、図4Dは、旋回油圧モータ2Aの操作に関する油圧システム部分を抜き出した図である。図4Eは、左走行油圧モータ2MLの操作に関する油圧システム部分を抜き出した図であり、図4Fは、右走行油圧モータ2MRの操作に関する油圧システム部分を抜き出した図である。
図4A~図4Fに示すように、油圧システムは、電磁弁31を含む。電磁弁31は、電磁弁31AL~31FL及び31AR~31FRを含む。
電磁弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートとを接続する管路に配置され、開口面積を変更することにより、その管路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、電磁弁31は、電磁比例弁であり、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、コントローラ30は、操作者による操作装置26の操作に応じ、又は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できる。そして、コントローラ30は、電磁弁31が生成するパイロット圧を、対応する制御弁のパイロットポートに作用させることができる。
この構成により、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われている場合に加え、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。また、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われている場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータの動作を強制的に停止させることができる。
例えば、図4Aに示すように、左操作レバー26Lは、アーム5を操作するために用いられる。具体的には、左操作レバー26Lは、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、前後方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁176のパイロットポートに作用させる。より具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向(後方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの右側パイロットポートと制御弁176Rの左側パイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向(前方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの左側パイロットポートと制御弁176Rの右側パイロットポートに作用させる。
操作装置26にはスイッチSWが設けられている。本実施形態では、スイッチSWは、スイッチSW1及びスイッチSW2を含む。スイッチSW1は、左操作レバー26Lの先端に設けられた押しボタンスイッチである。操作者は、スイッチSW1を押しながら左操作レバー26Lを操作できる。スイッチSW1は、右操作レバー26Rに設けられていてもよく、キャビン10内の他の位置に設けられていてもよい。スイッチSW2は、左走行レバー26DLの先端に設けられた押しボタンスイッチである。操作者は、スイッチSW2を押しながら左走行レバー26DLを操作できる。スイッチSW2は、右走行レバー26DRに設けられていてもよく、キャビン10内の他の位置に設けられていてもよい。
操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
電磁弁31ALは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31ALを介して制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31ARは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31ARを介して制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31ALは、制御弁176L及び制御弁176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。同様に、電磁弁31ARは、制御弁176L及び制御弁176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31ALを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31ALを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作に応じ、或いは、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、アーム5を閉じることができる。このように、電磁弁31ALは、「アーム閉じ用電磁弁」として機能する。
また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31ARを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31ARを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作に応じ、或いは、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、アーム5を開くことができる。このように、電磁弁31ARは、「アーム開き用電磁弁」として機能する。
また、この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作が行われている場合であっても、必要に応じて、制御弁176の閉じ側のパイロットポート(制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポート)に作用するパイロット圧を減圧し、アーム5の閉じ動作を強制的に停止させることができる。操作者によるアーム開き操作が行われているときにアーム5の開き動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
或いは、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作が行われている場合であっても、必要に応じて、電磁弁31ARを制御し、制御弁176の閉じ側のパイロットポートの反対側にある、制御弁176の開き側のパイロットポート(制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポート)に作用するパイロット圧を増大させ、制御弁176を強制的に中立位置に戻すことで、アーム5の閉じ動作を強制的に停止させてもよい。操作者によるアーム開き操作が行われている場合にアーム5の開き動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
また、以下の図4B~図4Fを参照しながらの説明を省略するが、操作者によるブーム上げ操作又はブーム下げ操作が行われている場合にブーム4の動作を強制的に停止させる場合、操作者によるバケット閉じ操作又はバケット開き操作が行われている場合にバケット6の動作を強制的に停止させる場合、及び、操作者による旋回操作が行われている場合に上部旋回体3の旋回動作を強制的に停止させる場合、についても同様である。また、操作者による走行操作が行われている場合に下部走行体1の走行動作を強制的に停止させる場合についても同様である。
また、コントローラ30は、アーム操作(アーム閉じ操作及びアーム開き操作)の応答性を良くするため、アーム操作が行われる前から微小なパイロット圧を制御弁176の両側のパイロットポートに作用させるように構成されていてもよい。ブーム操作(ブーム上げ操作及びブーム下げ操作)等の他の操作についても同様である。すなわち、コントローラ30は、より多くのパイロット油を使用することにより、油圧アクチュエータの応答性を高めることができる。
また、図4Bに示すように、右操作レバー26Rは、ブーム4を操作するために用いられる。具体的には、右操作レバー26Rは、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、前後方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁175のパイロットポートに作用させる。より具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向(後方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁175Lの右側パイロットポートと制御弁175Rの左側パイロットポートに作用させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向(前方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁175Rの右側パイロットポートに作用させる。
操作センサ29RAは、操作者による右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
電磁弁31BLは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31BLを介して制御弁175Lの右側パイロットポート及び制御弁175Rの左側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31BRは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31BRを介して制御弁175Rの右側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31BLは、制御弁175L及び制御弁175Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。また、電磁弁31BRは、制御弁175Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者によるブーム上げ操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31BLを介し、制御弁175Lの右側パイロットポート及び制御弁175Rの左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるブーム上げ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31BLを介し、制御弁175Lの右側パイロットポート及び制御弁175Rの左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるブーム上げ操作に応じ、或いは、操作者によるブーム上げ操作とは無関係に、ブーム4を上げることができる。このように、電磁弁31BLは、「ブーム上げ用電磁弁」として機能する。
また、コントローラ30は、操作者によるブーム下げ操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31BRを介し、制御弁175Rの右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるブーム下げ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31BRを介し、制御弁175Rの右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるブーム下げ操作に応じ、或いは、操作者によるブーム下げ操作とは無関係に、ブーム4を下げることができる。このように、電磁弁31BRは、「ブーム下げ用電磁弁」として機能する。
また、図4Cに示すように、右操作レバー26Rは、バケット6を操作するためにも用いられる。具体的には、右操作レバー26Rは、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、左右方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁174のパイロットポートに作用させる。より具体的には、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向(左方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁174の左側パイロットポートに作用させる。また、右操作レバー26Rは、バケット開き方向(右方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁174の右側パイロットポートに作用させる。
操作センサ29RBは、操作者による右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
電磁弁31CLは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31CLを介して制御弁174の左側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31CRは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31CRを介して制御弁174の右側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31CLは、制御弁174を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。同様に、電磁弁31CRは、制御弁174を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者によるバケット閉じ操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31CLを介し、制御弁174の左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるバケット閉じ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31CLを介し、制御弁174の左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるバケット閉じ操作に応じ、或いは、操作者によるバケット閉じ操作とは無関係に、バケット6を閉じることができる。このように、電磁弁31CLは、「バケット閉じ用電磁弁」として機能する。
また、コントローラ30は、操作者によるバケット開き操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31CRを介し、制御弁174の右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者によるバケット開き操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31CRを介し、制御弁174の右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者によるバケット開き操作に応じ、或いは、操作者によるバケット開き操作とは無関係に、バケット6を開くことができる。このように、電磁弁31CRは、「バケット開き用電磁弁」として機能する。
また、図4Dに示すように、左操作レバー26Lは、旋回機構2を操作するためにも用いられる。具体的には、左操作レバー26Lは、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、左右方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁173のパイロットポートに作用させる。より具体的には、左操作レバー26Lは、左旋回方向(左方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁173の左側パイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、右旋回方向(右方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁173の右側パイロットポートに作用させる。
操作センサ29LBは、操作者による左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
電磁弁31DLは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31DLを介して制御弁173の左側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31DRは、コントローラ30が出力する制御指令(電流指令)に応じて動作する。そして、パイロットポンプ15から電磁弁31DRを介して制御弁173の右側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31DLは、制御弁173を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。同様に、電磁弁31DRは、制御弁173を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者による左旋回操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31DLを介し、制御弁173の左側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者による左旋回操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31DLを介し、制御弁173の左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者による左旋回操作に応じ、或いは、操作者による左旋回操作とは無関係に、旋回機構2を左旋回させることができる。このように、電磁弁31DLは、「左旋回用電磁弁」として機能する。
また、コントローラ30は、操作者による右旋回操作に応じ、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31DRを介し、制御弁173の右側パイロットポートに供給できる。また、コントローラ30は、操作者による右旋回操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31DRを介し、制御弁173の右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、操作者による右旋回操作に応じ、或いは、操作者による右旋回操作とは無関係に、旋回機構2を右旋回させることができる。このように、電磁弁31DRは、「右旋回用電磁弁」として機能する。
また、図4Eに示すように、左走行レバー26DLは、左クローラ1CLを操作するために用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、前後方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁171のパイロットポートに作用させる。より具体的には、左走行レバー26DLは、前進方向(前方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁171の左側パイロットポートに作用させる。また、左走行レバー26DLは、後進方向(後方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁171の右側パイロットポートに作用させる。
操作センサ29DLは、操作者による左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を電気的に検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
電磁弁31ELは、コントローラ30が出力する電流指令に応じて動作する。そして、電磁弁31ELは、パイロットポンプ15から電磁弁31ELを介して制御弁171の左側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31ERは、コントローラ30が出力する電流指令に応じて動作する。そして、電磁弁31ERは、パイロットポンプ15から電磁弁31ERを介して制御弁171の右側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31EL、31ERは、制御弁171を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者による左前進操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31ELを介し、制御弁171の左側パイロットポートに供給できる。すなわち、左クローラ1CLを前進させることができる。また、コントローラ30は、操作者による左後進操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31ERを介し、制御弁171の右側パイロットポートに供給できる。すなわち、左クローラ1CLを後進させることができる。このように、電磁弁31ELは、「左前進用電磁弁」として機能し、電磁弁31ERは、「左後進用電磁弁」として機能する。
また、図4Fに示すように、右走行レバー26DRは、右クローラ1CRを操作するために用いられる。具体的には、右走行レバー26DRは、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を利用し、前後方向への操作に応じたパイロット圧を制御弁172のパイロットポートに作用させる。より具体的には、右走行レバー26DRは、前進方向(前方向)に操作された場合に、操作量に応じたパイロット圧を制御弁172の右側パイロットポートに作用させる。また、右走行レバー26DRは、後進方向(後方向)に操作された場合には、操作量に応じたパイロット圧を制御弁172の左側パイロットポートに作用させる。
操作センサ29DRは、操作者による右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を電気的に検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
電磁弁31FLは、コントローラ30が出力する電流指令に応じて動作する。そして、電磁弁31FLは、パイロットポンプ15から電磁弁31FLを介して制御弁172の左側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31FRは、コントローラ30が出力する電流指令に応じて動作する。そして、電磁弁31FRは、パイロットポンプ15から電磁弁31FRを介して制御弁172の右側パイロットポートに導入されるパイロット油によるパイロット圧を調整する。電磁弁31FL、31FRは、制御弁172を任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調整可能である。
この構成により、コントローラ30は、操作者による右前進操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31FLを介し、制御弁172の右側パイロットポートに供給できる。すなわち、右クローラ1CRを前進させることができる。また、コントローラ30は、操作者による右後進操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油を、電磁弁31FRを介し、制御弁172の左側パイロットポートに供給できる。すなわち、右クローラ1CRを後進させることができる。このように、電磁弁31FLは、「右前進用電磁弁」として機能し、電磁弁31FRは、「右後進用電磁弁」として機能する。
また、ショベル100は、バケットチルト機構を自動的に動作させる構成を備えていてもよい。この場合、バケットチルト機構を構成するバケットチルトシリンダに関する油圧システム部分は、ブームシリンダ7の操作に関する油圧システム部分等と同じように構成されてもよい。
また、操作装置26の形態として電気式操作レバーに関する説明を記載したが、電気式操作レバーではなく油圧式操作レバーが採用されてもよい。この場合、油圧式操作レバーのレバー操作量は、圧力センサによって圧力の形で検出されてコントローラ30へ入力されてもよい。また、油圧式操作レバーとしての操作装置26と各制御弁のパイロットポートとの間には電磁弁が配置されてもよい。電磁弁は、コントローラ30からの電気信号に応じて動作するように構成される。この構成により、油圧式操作レバーとしての操作装置26を用いた手動操作が行われると、操作装置26は、レバー操作量に応じてパイロット圧を増減させることで各制御弁を移動させることができる。
コントローラ30は、複数の電磁弁31を同時に動かす場合に、複数の電磁弁31のそれぞれの開口面積を調整できるように構成されている。図示例では、コントローラ30は、電磁弁31AL~電磁弁31FL及び電磁弁31AR~電磁弁31FRのうちの少なくとも二つを同時に動かす場合のそれぞれの開口面積と、それらの少なくとも二つのそれぞれを個別に動かす場合のそれぞれの開口面積と、を異ならせることができるように構成されている。また、図示例では、コントローラ30は、電磁弁31に対する電流指令の値(電流値)を小さくすることによって電磁弁31の開口面積を小さくするように構成されている。但し、コントローラ30は、電磁弁31に対する電流指令の値(電流値)を大きくすることによって電磁弁31の開口面積を小さくするように構成されていてもよい。また、コントローラ30は、スイッチSWが押された状態で操作装置26が操作されているときに電磁弁31の開口面積を調整できるように構成されていてもよい。
具体的には、所定のレバー操作量でアーム閉じ操作、ブーム上げ操作、及びバケット閉じ操作の同時操作(以下、「第1複合操作」とする。)が行われた場合、コントローラ30は、「バケット閉じ用電磁弁」としての電磁弁31CLの開口面積と、所定のレバー操作量でバケット閉じ操作が単独で行われた場合の電磁弁31CLの開口面積とを異ならせてもよい。
図5は、アーム閉じ操作、ブーム上げ操作、及びバケット閉じ操作のそれぞれが単独で行われた場合の「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31AL、「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BL、及び「バケット閉じ用電磁弁」としての電磁弁31CLのそれぞれの開口面積と、第1複合操作が行われた場合の電磁弁31AL、電磁弁31BL、及び電磁弁31CLのそれぞれの開口面積との関係を示す。なお、図5は、理解を容易にするため、各操作レバーのレバー操作量が70%のときの各電磁弁の開口面積を示している。図6及び図7についても同様である。図示例では、アーム閉じ操作が行われるときのアーム操作レバー(左操作レバー26L)のレバー操作量は、左操作レバー26Lが中立位置にあるときに0%となり、左操作レバー26Lが後方に最大限に傾けられているときに100%となる。ブーム操作レバー及びバケット操作レバーについても同様である。
具体的には、図5の左端の図は、時刻t1においてアーム操作レバーを70%のレバー操作量でアーム閉じ方向に単独で操作したときに「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31ALの開口面積が値A1になることを示している。
また、図5の左から二番目の図は、時刻t2においてブーム操作レバーを70%のレバー操作量でブーム上げ方向に単独で操作したときに「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積が値A1になることを示している。
また、図5の左から三番目の図は、時刻t3においてバケット操作レバーを70%のレバー操作量でバケット閉じ方向に単独で操作したときに「バケット閉じ用電磁弁」としての電磁弁31CLの開口面積が値A1になることを示している。
また、図5の右端の図は、時刻t4において、アーム操作レバーを70%のレバー操作量でアーム閉じ方向に操作し、且つ、ブーム操作レバーを70%のレバー操作量でブーム上げ方向に操作し、且つ、バケット操作レバーを70%のレバー操作量でバケット閉じ方向に操作したときに、一点鎖線で示すように「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31ALの開口面積が値A1になり、且つ、同じ一点鎖線で示すように「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積が値A1になり、且つ、二点鎖線で示すように「バケット閉じ用電磁弁」としての電磁弁31CLの開口面積が値A2になることを示している。
すなわち、図5は、アーム閉じ操作が単独で行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積と第1複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積とが同じであることを示している。また、図5は、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と第1複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積とが同じであることを示している。一方で、図5は、第1複合操作が行われたときのバケット閉じ用電磁弁の開口面積が、バケット閉じ操作が単独で行われたときのバケット閉じ用電磁弁の開口面積よりも小さくなることを示している。
図5に示す例では、コントローラ30は、優先度の高い電磁弁31(電磁弁31AL及び電磁弁31BL)に対してはレバー操作量に応じた電流値をそのまま出力し、他の電磁弁31(電磁弁31CL)に対してはレバー操作量に応じた電流値を所定割合で低減させた電流値を出力している。
このように、コントローラ30は、第1複合操作が行われたときのバケット閉じ用電磁弁の開口面積を、バケット閉じ操作が単独で行われたときのバケット閉じ用電磁弁の開口面積よりも小さくすることにより、第1複合操作が行われたときのブーム4及びアーム5の動きを安定化させることができる。すなわち、コントローラ30は、第1複合操作が行われたときのバケット6の動きを鈍化させることにより、第1複合操作が行われたときのブーム4及びアーム5の動きを安定化させることができる。
第1複合操作が行われたときに必要とされるパイロット油の量が、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油の量を上回ってしまい、アーム閉じ用電磁弁及びブーム上げ用電磁弁の少なくとも一方を通過するパイロット油の量が不足してしまうのを抑制できるためである。
なお、図5に示す例では、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、アーム閉じ操作が単独で行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積と、アーム閉じ操作とブーム上げ操作とが同時に行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積と、第1複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積と、を同じにするように構成されている。また、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、アーム閉じ操作とブーム上げ操作とが同時に行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、第1複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積と、を同じにするように構成されている。
しかしながら、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、アーム閉じ操作が単独で行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積と、アーム閉じ操作とブーム上げ操作とが同時に行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積、及び、第1複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積のそれぞれと、を異ならせるように構成されていてもよい。また、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、アーム閉じ操作とブーム上げ操作とが同時に行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積、及び、第1複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積のそれぞれと、を異ならせるように構成されていてもよい。
また、所定のレバー操作量でブーム上げ操作及び左旋回操作の同時操作(以下、「第2複合操作」とする。)が行われた場合、コントローラ30は、「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積と、所定のレバー操作量でブーム上げ操作が単独で行われた場合の電磁弁31BLの開口面積とを異ならせてもよい。
図6は、ブーム上げ操作及び左旋回操作のそれぞれが単独で行われた場合の「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BL、及び、「左旋回用電磁弁」としての電磁弁31DLのそれぞれの開口面積と、第2複合操作が行われた場合の電磁弁31BL及び電磁弁31DLのそれぞれの開口面積との関係を示す。
具体的には、図6の左端の図は、時刻t11においてブーム操作レバーを70%のレバー操作量でブーム上げ方向に単独で操作したときに「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積が値A3になることを示している。
また、図6の左から二番目の図は、時刻t12において旋回操作レバーを70%のレバー操作量で左旋回方向に単独で操作したときに「左旋回用電磁弁」としての電磁弁31DLの開口面積が値A3になることを示している。
また、図6の右端の図は、時刻t13において、ブーム操作レバーを70%のレバー操作量でブーム上げ方向に操作し、且つ、旋回操作レバーを70%のレバー操作量で左旋回方向に操作したときに、一点鎖線で示すように「左旋回用電磁弁」としての電磁弁31DLの開口面積が値A3になり、且つ、二点鎖線で示すように「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積が値A4になることを示している。
すなわち、図6は、左旋回操作が単独で行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積と第2複合操作が行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積とが同じであることを示している。一方で、図6は、第2複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積が、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積よりも小さくなることを示している。
図6に示す例では、コントローラ30は、優先度の高い電磁弁31(電磁弁31DL)に対してはレバー操作量に応じた電流値をそのまま出力し、他の電磁弁31(電磁弁31BL)に対してはレバー操作量に応じた電流値を所定割合で低減させた電流値を出力している。
このように、コントローラ30は、第2複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積を、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積よりも小さくすることにより、第2複合操作が行われたときの上部旋回体3の左旋回動作を安定化させることができる。すなわち、コントローラ30は、第2複合操作が行われたときのブーム4の動きを鈍化させることにより、第2複合操作が行われたときの上部旋回体3の左旋回動作を安定化させることができる。
第2複合操作が行われたときに必要とされるパイロット油の量が、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油の量を上回ってしまい、左旋回用電磁弁を通過するパイロット油の量が不足してしまうのを抑制できるためである。
なお、図6に示す例では、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、左旋回操作が単独で行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積と、第2複合操作が行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積と、を同じにしながら、第2複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積を、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積よりも小さくするように構成されている。
しかしながら、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、第2複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、を同じにしながら、第2複合操作が行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積を、左旋回操作が単独で行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積よりも小さくするように構成されていてもよい。
或いは、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、左旋回操作が単独で行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積と、第2複合操作が行われたときの左旋回用電磁弁の開口面積と、を同じにしながら、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、第2複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、を同じにするように構成されていてもよい。
また、所定のレバー操作量でアーム閉じ操作、ブーム上げ操作、及び右旋回操作の同時操作(以下、「第3複合操作」とする。)が行われた場合、コントローラ30は、「右旋回用電磁弁」としての電磁弁31DRの開口面積と、所定のレバー操作量で右旋回操作が単独で行われた場合の電磁弁31DRの開口面積とを異ならせてもよい。
図7は、アーム閉じ操作、ブーム上げ操作、及び右旋回操作のそれぞれが単独で行われた場合の「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31AL、「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BL、及び「右旋回用電磁弁」としての電磁弁31DRのそれぞれの開口面積と、第3複合操作が行われた場合の電磁弁31AL、電磁弁31BL、及び電磁弁31DRのそれぞれの開口面積との関係を示す。
具体的には、図7の左端の図は、時刻t21においてアーム操作レバーを70%のレバー操作量でアーム閉じ方向に単独で操作したときに「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31ALの開口面積が値A5になることを示している。
また、図7の左から二番目の図は、時刻t22においてブーム操作レバーを70%のレバー操作量でブーム上げ方向に単独で操作したときに「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積が値A5になることを示している。
また、図7の左から三番目の図は、時刻t23において旋回操作レバーを70%のレバー操作量で右旋回方向に単独で操作したときに「右旋回用電磁弁」としての電磁弁31DRの開口面積が値A5になることを示している。
また、図7の右端の図は、時刻t24において、アーム操作レバーを70%のレバー操作量でアーム閉じ方向に操作し、且つ、ブーム操作レバーを70%のレバー操作量でブーム上げ方向に操作し、且つ、旋回操作レバーを70%のレバー操作量で右旋回方向に操作したときに、一点鎖線で示すように「右旋回用電磁弁」としての電磁弁31DRの開口面積が値A5になり、且つ、同じ一点鎖線で示すように「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLの開口面積が値A5になり、且つ、二点鎖線で示すように「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31ALの開口面積が値A6になることを示している。
すなわち、図7は、右旋回操作が単独で行われたときの右旋回用電磁弁の開口面積と第3複合操作が行われたときの右旋回用電磁弁の開口面積とが同じであることを示している。また、図7は、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と第3複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積とが同じであることを示している。一方で、図7は、第3複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積が、アーム閉じ操作が単独で行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積よりも小さくなることを示している。
図7に示す例では、コントローラ30は、優先度の高い電磁弁31(電磁弁31BL及び電磁弁31DR)に対してはレバー操作量に応じた電流値をそのまま出力し、他の電磁弁31(電磁弁31AL)に対してはレバー操作量に応じた電流値を所定割合で低減させた電流値を出力している。
このように、コントローラ30は、第3複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積を、アーム閉じ操作が単独で行われたときのアーム閉じ用電磁弁の開口面積よりも小さくすることにより、第3複合操作が行われたときのブーム4の動き及び上部旋回体3の右旋回動作を安定化させることができる。すなわち、コントローラ30は、第3複合操作が行われたときのアーム5の動きを鈍化させることにより、第3複合操作が行われたときのブーム4の動き及び上部旋回体3の右旋回動作を安定化させることができる。
第3複合操作が行われたときに必要とされるパイロット油の量が、パイロットポンプ15が吐出するパイロット油の量を上回ってしまい、右旋回用電磁弁及びブーム上げ用電磁弁の少なくとも一方を通過するパイロット油の量が不足してしまうのを抑制できるためである。
なお、図7に示す例は、第3複合操作が行われた場合に関するが、所定のレバー操作量でバケット閉じ操作、ブーム上げ操作、及び右旋回操作の同時操作(以下、「第4複合操作」とする。)が行われた場合等にも同様に適用され得る。
例えば、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、右旋回操作が単独で行われたときの右旋回用電磁弁の開口面積と、第4複合操作が行われたときの右旋回用電磁弁の開口面積と、を同じにし、且つ、ブーム上げ操作が単独で行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、第4複合操作が行われたときのブーム上げ用電磁弁の開口面積と、を同じにしながら、第4複合操作が行われたときのバケット閉じ用電磁弁の開口面積を、バケット閉じ操作が単独で行われたときのバケット閉じ用電磁弁の開口面積よりも小さくするように構成されていてもよい。
また、図5~図7に示す例では、コントローラ30は、複数の電磁弁31を同時に動かす場合に、複数の電磁弁31のうちの一つの開口面積を調整するように構成されているが、複数の電磁弁31のうちの少なくとも二つの開口面積を調整するように構成されていてもよい。
例えば、コントローラ30は、優先度によらずに、複数の電磁弁31のうちの少なくとも二つの開口面積を同じ比率で一律に低減させるように構成されていてもよい。具体的には、コントローラ30は、レバー操作量が同じという条件下で、第1複合操作が行われたときのアーム閉じ用電磁弁、ブーム上げ用電磁弁、及びバケット閉じ用電磁弁のそれぞれの開口面積を、アーム閉じ操作、ブーム上げ操作、及びバケット閉じ操作のそれぞれが単独で行われたときのアーム閉じ用電磁弁、ブーム上げ用電磁弁、及びバケット閉じ用電磁弁のそれぞれの開口面積を同じ比率で一律に低減させた値に調整するように構成されていてもよい。
上述のように、本開示の実施形態に係るショベル100は、図1~図3に示すように、下部走行体1と、下部走行体1に旋回自在に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載されたメインポンプ14と、上部旋回体3に搭載されたパイロットポンプ15と、第1油圧アクチュエータ(バケットシリンダ9)とメインポンプ14との間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第1スプール弁(制御弁174)と、第1スプール弁(制御弁174)のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第1電磁弁(電磁弁31CL(図4C参照))と、第1油圧アクチュエータ(バケットシリンダ9)を操作する電気式の第1操作レバー(バケット操作レバー(右操作レバー26R))と、第1操作レバー(バケット操作レバー(右操作レバー26R))の操作量に応じて第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積を制御する制御装置(コントローラ30)と、を備えている。そして、制御装置(コントローラ30)は、図5に示すように、所定の第1操作量で第1操作レバー(バケット操作レバー(右操作レバー26R))が操作された場合、第1スプール弁(制御弁174)を含む複数のスプール弁(制御弁174と制御弁171~制御弁173、制御弁175、及び制御弁176のうちの少なくとも一つ)が同時に動くときの第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積と、第1スプール弁(制御弁174)のみが動くときの第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積と、を異ならせるように構成されている。
図5に示す例では、コントローラ30は、70%のレバー操作量でバケット操作レバーが操作された場合、制御弁174~制御弁176が同時に動くときの電磁弁31CLの開口面積の値A2を、制御弁174のみが動くときの電磁弁31CLの開口面積の値A1よりも小さくするように構成されている。
但し、制御装置は、所定の第1操作量で第1操作レバーが操作された場合、第1スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの第1電磁弁の開口面積を、第1スプール弁のみが動くときの第1電磁弁の開口面積よりも大きくするように構成されていてもよい。
このような構成により、ショベル100は、所望のパイロット圧を実現するために必要なパイロット油の量が、パイロットポンプ15が吐出可能なパイロット油の量を上回る場合にも、油圧アクチュエータの動きを安定させることができる。
なお、上述の構成は、油圧アクチュエータの応答性を高めるためにレバー操作が行われる前からスプール弁の両側のパイロットポートのそれぞれに所定のパイロット圧を作用させておく機能を実行する場合等、所望のパイロット圧を実現するために必要なパイロット油の量が増大する場合に有効である。また、ショベル100の制御が複雑化するにつれて電磁弁31の数も増加する傾向にあるが、上述の構成は、このような傾向にも対応できるという利点がある。
また、ショベル100は、図1~図3に示すように、第2油圧アクチュエータ(ブームシリンダ7)とメインポンプ14との間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第2スプール弁(制御弁175)と、第2スプール弁(制御弁175)のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第2電磁弁(電磁弁31BL(図4B参照))と、第2油圧アクチュエータ(ブームシリンダ7)を操作する電気式の第2操作レバー(ブーム操作レバー(右操作レバー26R))と、を備えていてもよい。そして、制御装置(コントローラ30)は、第2操作レバー(ブーム操作レバー(右操作レバー26R))の操作量に応じて第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積を制御するように構成され、且つ、図5に示すように、所定の第2操作量で第2操作レバー(ブーム操作レバー(右操作レバー26R))が操作された場合、第2スプール弁(制御弁175)を含む複数のスプール弁(制御弁175と制御弁176)が同時に動くときの第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積と、第2スプール弁(制御弁175)のみが動くときの第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積と、を同じにするように構成されていてもよい。
図5に示す例では、コントローラ30は、70%のレバー操作量でブーム操作レバーが操作された場合、制御弁174~制御弁176が同時に動くときの電磁弁31BLの開口面積の値A1と、制御弁175のみが動くときの電磁弁31BLの開口面積の値A1と、を同じにするように構成されている。
このような構成により、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータに対応する電磁弁31については、二つ以上の単独操作で構成される複合操作が行われているか否かにかかわらず、単独操作が行われているときと同じようにレバー操作量に応じて開口面積を変化させることができる。そのため、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータについては、二つ以上の単独操作で構成される複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とが過度に変化してしまうのを抑制できる。
また、ショベル100では、制御装置(コントローラ30)は、図6に示すように、所定の第2操作量で第2操作レバー(ブーム操作レバー(右操作レバー26R))が操作された場合、第2スプール弁(制御弁175)を含む複数のスプール弁(制御弁173と制御弁175)が同時に動くときの第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積と、第2スプール弁(制御弁175)のみが動くときの第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積と、を異ならせるように構成されていてもよい。
図6に示す例では、コントローラ30は、70%のレバー操作量でブーム操作レバーが操作された場合、制御弁173と制御弁175とが同時に動くときの電磁弁31BLの開口面積の値A4を、制御弁175のみが動くときの電磁弁31BLの開口面積の値A3よりも小さくするように構成されている。
このような構成により、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータ(例えばブームシリンダ7)に対応する電磁弁31(例えば電磁弁31BL)については、複合操作の内容に応じ、開口面積を調整するか否かを切り換えることができる。そのため、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータについては、複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とが過度に変化してしまうのを抑制することもできるし、複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とを積極的に変化させることもできる。
図示例では、コントローラ30は、「ブーム上げ用電磁弁」としての電磁弁31BLについては、第1複合操作(アーム閉じ操作とブーム上げ操作とバケット閉じ操作との組み合わせ)が行われたときには、複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とが同じになるように開口面積を調整し、第2複合操作(ブーム上げ操作と左旋回操作との組み合わせ)が行われたときには、複合操作のときの応答性が単独操作のときの応答性よりも低くなるように開口面積を調整している。
第1スプール弁(制御弁174)と第2スプール弁(制御弁175)とが同時に動く場合、第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積の減少率と第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積の減少率とは同じであってもよい。なお、第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積の減少率は、例えば、第1スプール弁(制御弁174)と第2スプール弁(制御弁175)とを含む複数のスプール弁が同時に動くときの第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積を、第1スプール弁(制御弁174)のみが動くときの第1電磁弁(電磁弁31CL)の開口面積で除した値である。第2電磁弁(電磁弁31BL)の開口面積の減少率についても同様である。
このような構成により、制御装置(コントローラ30)は、複合操作が行われた場合に、複数の電磁弁31の開口面積のそれぞれを、単独操作が行われた場合の開口面積よりも小さくするときであっても、複数の油圧アクチュエータの動作速度のバランスが崩れてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
また、ショベル100は、図1~図3に示すように、第3油圧アクチュエータ(アームシリンダ8)とメインポンプ14との間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第3スプール弁(制御弁176)と、第3スプール弁(制御弁176)のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第3電磁弁(電磁弁31AL)と、第3油圧アクチュエータ(アームシリンダ8)を操作する電気式の第3操作レバー(アーム操作レバー(左操作レバー26L))と、を備えていてもよい。そして、制御装置(コントローラ30)は、第3操作レバー(アーム操作レバー(左操作レバー26L))の操作量に応じて第3電磁弁(電磁弁31AL)の開口面積を制御するように構成され、且つ、所定の第3操作量で第3操作レバー(アーム操作レバー(左操作レバー26L))が操作された場合、第3スプール弁(制御弁176)を含む複数のスプール弁(制御弁174と制御弁175と制御弁176)が同時に動くときの第3電磁弁(電磁弁31AL)の開口面積と、第3スプール弁(制御弁176)のみが動くときの第3電磁弁(電磁弁31AL)の開口面積と、を同じにするように構成されていてもよい。
図5に示す例では、コントローラ30は、70%のレバー操作量でアーム操作レバーが操作された場合、制御弁174~制御弁176が同時に動くときの電磁弁31ALの開口面積の値A1と、制御弁176のみが動くときの電磁弁31ALの開口面積の値A1と、を同じにするように構成されている。
このような構成により、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータに対応する電磁弁31については、三つ以上の単独操作で構成される複合操作が行われているか否かにかかわらず、単独操作が行われているときと同じようにレバー操作量に応じて開口面積を変化させることができる。そのため、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータについては、三つ以上の単独操作で構成される複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とが過度に変化してしまうのを抑制できる。
また、ショベル100では、制御装置(コントローラ30)は、図7に示すように、所定の第3操作量で第3操作レバー(アーム操作レバー(左操作レバー26L))が操作された場合、第3スプール弁(制御弁176)を含む複数のスプール弁(制御弁173、制御弁175、及び制御弁176)が同時に動くときの第3電磁弁(電磁弁31AL)の開口面積と、第3スプール弁(制御弁176)のみが動くときの第3電磁弁(電磁弁31AL)の開口面積と、を異ならせるように構成されていてもよい。
図7に示す例では、コントローラ30は、70%のレバー操作量でアーム操作レバーが操作された場合、制御弁173と制御弁175と制御弁176とが同時に動くときの電磁弁31ALの開口面積の値A6を、制御弁176のみが動くときの電磁弁31ALの開口面積の値A5よりも小さくするように構成されている。
このような構成により、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータ(例えばアームシリンダ8)に対応する電磁弁31(例えば電磁弁31AL)については、複合操作の内容に応じ、開口面積を調整するか否かを切り換えることができる。そのため、制御装置(コントローラ30)は、特定の油圧アクチュエータについては、複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とが過度に変化してしまうのを抑制することもできるし、複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とを積極的に変化させることもできる。
図示例では、コントローラ30は、「アーム閉じ用電磁弁」としての電磁弁31ALについては、第1複合操作(アーム閉じ操作とブーム上げ操作とバケット閉じ操作との組み合わせ)が行われたときには、複合操作のときの応答性と単独操作のときの応答性とが同じになるように開口面積を調整し、第3複合操作(アーム閉じ操作とブーム上げ操作と右旋回操作との組み合わせ)が行われたときには、複合操作のときの応答性が単独操作のときの応答性よりも低くなるように開口面積を調整している。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
1・・・下部走行体 1C・・・クローラ 1CL・・・左クローラ 1CR・・・右クローラ 2・・・旋回機構 2A・・・旋回油圧モータ 2M・・・走行油圧モータ 2ML・・・左走行油圧モータ 2MR・・・右走行油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 13・・・ポンプレギュレータ 14・・・メインポンプ 15・・・パイロットポンプ 17・・・コントロールバルブユニット 18・・・絞り 19・・・制御圧センサ 26・・・操作装置 26D・・・走行レバー 26DL・・・左走行レバー 26DR・・・右走行レバー 26L・・・左操作レバー 26R・・・右操作レバー 28・・・吐出圧センサ 29・・・操作センサ 30・・・コントローラ 31・・・電磁弁 40・・・表示装置 60・・・制御弁 70・・・物体検知装置 70B・・・後方カメラ 70F・・・前方カメラ 70L・・・左方カメラ 70R・・・右方カメラ 85・・・測位装置 100・・・ショベル 171~176・・・制御弁 CD1・・・パイロットライン S1・・・ブーム角度センサ S2・・・アーム角度センサ S3・・・バケット角度センサ S4・・・機体傾斜センサ S5・・・旋回角速度センサ

Claims (6)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体に旋回自在に搭載された上部旋回体と、
    前記上部旋回体に搭載されたメインポンプと、
    第1油圧アクチュエータと前記メインポンプとの間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第1スプール弁と、
    前記第1スプール弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第1電磁弁と、
    前記第1油圧アクチュエータを操作する電気式の第1操作レバーと、
    前記第1操作レバーの操作量に応じて前記第1電磁弁の開口面積を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、所定の第1操作量で前記第1操作レバーが操作された場合、前記第1スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの前記第1電磁弁の開口面積と、前記第1スプール弁のみが動くときの前記第1電磁弁の開口面積と、を異ならせるように構成されている、
    ショベル。
  2. 第2油圧アクチュエータと前記メインポンプとの間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第2スプール弁と、
    前記第2スプール弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第2電磁弁と、
    前記第2油圧アクチュエータを操作する電気式の第2操作レバーと、を備え、
    前記制御装置は、前記第2操作レバーの操作量に応じて前記第2電磁弁の開口面積を制御するように構成され、且つ、所定の第2操作量で前記第2操作レバーが操作された場合、前記第2スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの前記第2電磁弁の開口面積と、前記第2スプール弁のみが動くときの前記第2電磁弁の開口面積と、を同じにするように構成されている、
    請求項1に記載のショベル。
  3. 第2油圧アクチュエータと前記メインポンプとの間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第2スプール弁と、
    前記第2スプール弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第2電磁弁と、
    前記第2油圧アクチュエータを操作する電気式の第2操作レバーと、を備え、
    前記制御装置は、前記第2操作レバーの操作量に応じて前記第2電磁弁の開口面積を制御するように構成され、且つ、所定の第2操作量で前記第2操作レバーが操作された場合、前記第2スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの前記第2電磁弁の開口面積と、前記第2スプール弁のみが動くときの前記第2電磁弁の開口面積と、を異ならせるように構成されている、
    請求項1に記載のショベル。
  4. 前記第1スプール弁と前記第2スプール弁とが同時に動く場合、前記第1電磁弁の開口面積の減少率と前記第2電磁弁の開口面積の減少率とは同じである、
    請求項3に記載のショベル。
  5. 第3油圧アクチュエータと前記メインポンプとの間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第3スプール弁と、
    前記第3スプール弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第3電磁弁と、
    前記第3油圧アクチュエータを操作する電気式の第3操作レバーと、を備え、
    前記制御装置は、前記第3操作レバーの操作量に応じて前記第3電磁弁の開口面積を制御するように構成され、且つ、所定の第3操作量で前記第3操作レバーが操作された場合、前記第3スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの前記第3電磁弁の開口面積と、前記第3スプール弁のみが動くときの前記第3電磁弁の開口面積と、を同じにするように構成されている、
    請求項2又は3に記載のショベル。
  6. 第3油圧アクチュエータと前記メインポンプとの間を繋ぐ作動油ラインに設けられた第3スプール弁と、
    前記第3スプール弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を制御する第3電磁弁と、
    前記第3油圧アクチュエータを操作する電気式の第3操作レバーと、を備え、
    前記制御装置は、前記第3操作レバーの操作量に応じて前記第3電磁弁の開口面積を制御するように構成され、且つ、所定の第3操作量で前記第3操作レバーが操作された場合、前記第3スプール弁を含む複数のスプール弁が同時に動くときの前記第3電磁弁の開口面積と、前記第3スプール弁のみが動くときの前記第3電磁弁の開口面積と、を異ならせるように構成されている、
    請求項2又は3に記載のショベル。
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