JP2021041773A - 車両用ホイール - Google Patents
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Abstract
Description
このような車両用ホイールによれば、スポーク部のせん断中心が、ホイール中心線(ホイール幅方向の中心線)に近づく。これによりホイールは、上下荷重がかかった際のねじり剛性が向上する。また、このホイールは、スポーク部に溝部が形成されることによって、軽量化を図ることができる。
なお、参照する図において、「X」は、ホイール周方向、「Y」は、ホイール幅方向、「Z」は、ホイール径方向、をそれぞれ示している。また、以下の説明においては、ホイールを車両に取り付けた際に、車幅方向外側に位置して意匠面となる側をホイールの外側と称し、車幅方向内側をホイールの内側と称することがある。
以下では、まず車両用ホイールの全体構成について説明した後に、スポーク部を有するディスク部について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ホイールの斜視図であり、一部に切り欠き断面を有する図である。
図1に示すように、本実施形態の車両用ホイール1は、図示しないタイヤが組み付けられるリム部11と、図示しないアクスルハブ(ホイールハブともいう)に連結されるハブ取付部13と、ハブ取付部13とリム部11とを相互に接続する後記のディスク部12と、を備えている。
そして、リム部11は、これらのビードシート部11c同士の間で、ホイール径方向の内側(回転中心側)に向かって窪んだウェル部11bを有している。
ちなみに、ウェル部11bは、リム部11にタイヤを組み付ける際に、前記のビードを一旦落とし込むために用いられる。
本実施形態でのハブ取付部13は、具体的には、一端側のリムフランジ11aの位置よりも、ホイール幅方向Yの内側にシフトするように配置されている。言い換えれば、車両用ホイール1は、ディスク部12がハブ取付部13の周囲でホイール幅方向Yの内側に部分的に窪むように形成されている。
5つのボルト挿通孔13bには、前記したアクスルハブ(図示省略)側から延出する5つのスタッドボルト(図示省略)が挿通されると共に、各スタッドボルトの先端にナット(図示省略)がホイール幅方向Yの外側から螺合する。これにより、車両用ホイール1は、ハブ取付部13を介して車両(アクスルハブ)に取り付けられる。
次に、ディスク部12(図1参照)について説明する。
図2は、車両に取り付けた際にホイール外側から見た図1に示す車両用ホイール1の正面図である。つまり、図2は、車両用ホイール1の意匠面を表している。
図2に示すように、本実施形態でのディスク部12は、ハブ取付部13の周囲からリム部11に対して等間隔で放射状に延出する複数(本実施形態では5本)のスポーク部14を有して形成されている。
このことから本実施形態でのスポーク部14は、図1に示すように、リム部11側からリムフランジ11aの形成面と略同じ面内で車軸中心側に向かって延びる途中で内側に屈曲している。屈曲したスポーク部14は、傾斜しながら延びてハブ取付部13に接続されている。
なお、この大開口部19は、特許請求の範囲にいう「第1開口部」に相当する。
そして、本実施形態での大開口部19における開口縁10bは、ボルト挿通孔13bに隣接するように形成されている。ちなみに、本実施形態での開口縁10bの長さは、ボルト挿通孔13bの内径と略同じに設定されているが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、5つのスポーク部14のそれぞれには、意匠面側に凹部15が形成されている。この凹部15は、スポーク部14におけるホイール周方向Xの幅中央で、ホイール径方向Zに延びている。
凹部15は、車両用ホイール1のホイール幅方向Yの内側(図2の紙面の裏側)に窪むように形成されている。
図3に示すように、本実施形態での凹部15は、傾斜面形成部18と、溝部17と、小開口部16と、で構成されている。なお、小開口部16は、特許請求の範囲にいう「第2開口部」に相当する。
そして、傾斜面形成部18は、ホイール幅方向Yの内側に向かうほど、ホイール周方向Xの幅を徐々に狭めるように変位して相互に対向する一対の傾斜面20aを形成している。
つまり、図4に示すように、車両用ホイール1の意匠面側(外側)での傾斜面形成部18の開口幅W1が、内側での傾斜面形成部18の開口幅W2よりも大きくなるように傾斜面20aは傾斜している。
そして、傾斜面形成部18は、ホイール幅方向Yの内側で、溝部17と、小開口部16とに繋がっている。
図5は、図2の溝部17及び小開口部16付近の部分拡大図である。
図5に示すように、溝部17と、小開口部16とは、凹部15のホイール周方向Xの中央をホイール径方向Zに並ぶように形成されている。
具体的には、溝部17は、スポーク部14の内周側に形成され、小開口部16は、スポーク部14の外周側に形成されている。
つまり、溝部17は、スポーク部14とハブ取付部13との接合部に始まり、小開口部16との接合部で途切れている。
また、図3に示すように、このような溝部17のホイール径方向Zとホイール幅方向Yとに延びる側壁21aと、小開口部16のホイール径方向Zとホイール幅方向Yとに延びる側壁21bとは、相互に略同一平面内に形成されている。つまり、側壁21aと、側壁21bとは、ホイール径方向Zに面一になっている。
また、小開口部16(第2開口部)の内周側となる開口縁10dの幅L3は、大開口部19(第1開口部)の内周側となる開口縁10bの幅L4よりも狭くなっている。
つまり、車軸中心Cから小開口部16(第2開口部)の外周端までの長さL5は、車軸中心Cから大開口部19(第1開口部)の外周端までの長さL6よりも長くなっている。
そして、小開口部16(第2開口部)のホイール径方向Zにおける幅L7は、大開口部19(第1開口部)のホイール径方向Zにおける幅L8よりも狭くなっている。
また、小開口部16(第2開口部)が形成されている部分での凹部15の深さD1は、小開口部16(第2開口部)のホイール外側での小開口部16(第2開口部)のホイール周方向Xの開口幅W2よりも長くなっている(D1>W2)。
なお、本実施形態での凹部15の深さD1は、開口幅W2又は開口幅W3のうちの少なくとも一方よりも長くなる構成であればよい。
本実施形態でのこれらD1、W2及びW3の関係は、小開口部16(第2開口部)のホイール径方向Zにおける幅L7(図5参照)で示す全て領域において維持されるものを想定している。
また、車両用ホイール1は、リム部11のウェル部11bがディスク部12側にシフトしたものを想定しているが、ウェル部11bが反対側にシフトしたリバースホイールであってもよい。
また、車両用ホイール1は、ホイール自体が中実である鋳造品に限定されるものではなく、鍛造品又は中空部を有するプレス成型品であってもよい。
次に、本実施形態の車両用ホイール1の奏する作用効果について説明する。
本実施形態の車両用ホイール1は、スポーク部14の小開口部16(第2開口部)が、溝部17の外周側に設けられている。
このような車両用ホイール1によれば、ディスク部12の内周側に溝部17が形成されることによって、スポーク部14の断面積を確保することができる。
これにより車両用ホイール1は、ハブ取付部13とスポーク部14との繋ぎ目に発生する曲げモーメントの負荷を低減することができる。
また、車両用ホイール1によれば、ディスク部12の外周側に小開口部16(第2開口部)が形成されることによって、ホイールの軽量化を達成することができる。
このような車両用ホイール1によれば、車両走行時における走行風(空気)の粘性抵抗によって、小開口部16(第2開口部)におけるホイール幅方向Yの内側から外側に流れる空気の量を抑制することができる。これにより車両用ホイール1は、空力性能の悪化を抑制しつつ、軽量化をすることができる。
また、車両用ホイール1は、小開口部16(第2開口部)のホイール径方向Zの幅L7を、大開口部19(第1開口部)のホイール径方向の幅L8よりも狭くした構成によって、空力性能の悪化抑制をより確実に行うことができる。
このような車両用ホイール1によれば、開口幅W3が狭く、凹部15の深さD1が長く設定されることによって、走行風(空気)の粘性抵抗が高くなり、ホイール幅方向Yの内側から外側に空気が流れにくくなる。これにより車両用ホイール1は、空力性能の悪化抑制をより確実に行うことができる。
このような車両用ホイール1によれば、スポーク部14の長さを、より長くみせることができる。
このような車両用ホイール1によれば、スポーク部14における小開口部16(第2開口部)と溝部17との繋ぎ目に応力が集中することなく、接地したタイヤからの入力荷重を効率よく車両側(アクスル側)に伝えることができる。
このような車両用ホイール1によれば、スポーク部14を、より細くみせることができる。
前記実施形態では、凹部15は、意匠面側でスポーク部14に形成したが、本発明は、意匠面の反対側で凹部15をスポーク部14に形成する構成とすることができる。
11 リム部
12 ディスク部
13 ハブ取付部
14 スポーク部
15 凹部
16 小開口部(第2開口部)
17 溝部
18 傾斜面形成部
19 大開口部(第1開口部)
20a 傾斜面
21a 溝部の側壁
21b 小開口部(第2開口部)の側壁
L1 小開口部(第2開口部)の外周側におけるホイール周方向の幅
L2 大開口部(第1開口部)の外周側におけるホイール周方向の幅
L3 小開口部(第2開口部)の内周側におけるホイール周方向の幅
L4 大開口部(第1開口部)の内周側における幅
L5 車軸中心から小開口部(第2開口部)の外周端までの長さ
L6 車軸中心から大開口部(第1開口部)の外周端までの長さ
L7 小開口部(第2開口部)のホイール径方向の幅
L8 大開口部(第1開口部)のホイール径方向の幅
D1 凹部の深さ
W1 意匠面側での傾斜面形成部の開口幅
W2 意匠面の反対側での傾斜面形成部の開口幅
W3 小開口部(第2開口部)のホイール周方向の開口幅
X ホイール周方向
Y ホイール幅方向
Z ホイール径方向
Claims (6)
- ハブ取付部と、
タイヤを支持するリム部と、
前記ハブ取付部と前記リム部とを繋ぐように放射状に延びる複数のスポーク部と、を備え、
ホイール周方向に隣接する前記スポーク部同士の間に第1開口部を有し、
前記スポーク部のそれぞれには、ホイール周方向の幅中央に、内周側から外周側に延びる凹部が形成され、
前記凹部は、溝部と第2開口部とを有して構成され、
前記第2開口部は、前記溝部の外周側に設けられている
ことを特徴とする車両用ホイール。 - 前記第2開口部の外周側におけるホイール周方向の幅は、前記第1開口部の外周側におけるホイール周方向の幅より狭く、
前記第2開口部の内周側におけるホイール周方向の幅は、前記第1開口部の内周側における幅より狭く、
前記第2開口部のホイール径方向の幅は、前記第1開口部のホイール径方向の幅より狭いことを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイール。 - 前記第2開口部が形成されている部分での前記凹部の深さは、前記第2開口部のホイール内側での第2開口部のホイール周方向の開口幅、又は前記第2開口部のホイール外側での第2開口部のホイール周方向の開口幅の少なくとも一方よりも深いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ホイール。
- 車軸中心から前記第2開口部の外周端までの長さは、車軸中心から前記第1開口部の外周端までの長さよりも長いことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ホイール。
- ホイール径方向とホイール幅方向とに延びる前記凹部の側壁において、前記第2開口部の側壁と前記溝部の側壁とは、同一平面内に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用ホイール。
- 前記凹部は、意匠面側での開口がホイール内側よりも大きくなる傾斜面を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用ホイール。
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