JP2021041577A - 液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示品質を向上させることが可能な液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置を提供する。【解決手段】液滴吐出ヘッド11は、液滴を吐出する吐出ノズル20と、液滴を吐出しないダミーノズル21と、を有するノズルプレート31と、液体を収容する液室23と、液室23内の液体に圧力を付与するアクチュエーター41と、液室23に液体を供給する供給流路26と、を備え、ダミーノズル21の流路抵抗は吐出ノズル20の流路抵抗に比べて大きい。【選択図】図3
Description
本発明は、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置に関する。
近年、インクジェット技術を多様な用途に展開する活動が活発化しており、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出される被記録媒体として、例えば、毛羽立った布帛や立体物など凹凸を有する媒体に微小なインク等の液体を高い解像度で精度良く着弾させる技術が望まれている。上記媒体に対して液滴を吐出するためには、ヘッドと記録媒体とが干渉しないように被記録媒体とのギャップ(PG間ギャップ)を大きくする必要がある。しかし、液滴の吐出速度は飛翔中に空気抵抗の影響で減速する。特に、液滴が微小になるほど空気抵抗の影響を受けやすく大きく減速し、媒体に到達出来ずに浮遊するまたは、ミスト化するおそれがある。すなわち、上記媒体に対して微小な液滴を高い精度で着弾させるためには、吐出速度を高める必要がある。液室容積を変化させてノズルから液滴を吐出する方式において、吐出速度を速くするためには、液室容積を変形する速度を速くする必要がある。
例えば、液室の容積を変化させる圧力発生素子として、縦振動する圧電素子を使用した場合、液室容積速度を速めるために圧電素子に電圧を急速に印加することが効果的である。しかし、電圧印加を急にすると、吐出した後に残留する液室内の無用な振動が大きくなる。残留振動が大きくなると、着弾する液滴の形状がばらつき、連続吐出時に吐出安定性が損なわれるおそれがある。残留振動を抑制する手法の1つとして、例えば、特許文献1には、圧電素子に印加された電圧の放電時間を長くする液滴吐出ヘッドが開示されている。
しかしながら、放電時間を長く、すなわち液室の変形速度を遅くすると液滴の吐出速度が低下するため、大きなギャップにおいて高い着弾精度を実現するための吐出速度を高めるという本来の目的を達成することができないという課題がある。
本願の液滴吐出ヘッドは、液体を収容する液室と、液室から供給された液体を液滴として吐出する第1ノズルと、液室から供給された液体を液滴として吐出しない第2ノズルと、液室内の液体に圧力を付与するアクチュエーターと、液室に液体を供給する供給流路と、を備え、第2ノズルの流路抵抗は第1ノズルの流路抵抗に比べて大きいことを特徴とする。
本願の液滴吐出ヘッドは、液体を収容する液室と、液室から供給された液体を液滴として吐出する第1ノズルと、液室から供給された液体を液滴として吐出しない第2ノズルと、液室内の液体に圧力を付与するアクチュエーターと、液室に液体を供給する供給流路と、第2ノズルの開口を覆う被膜と、を備えることを特徴とする。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、第2ノズルの最小径は第1ノズルの最小径に比べて小さいことが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、第2ノズルの断面積は第1ノズルの断面積に比べて小さいことが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、液室から供給された液体を液滴として吐出しない第3ノズルを備えることが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、第1ノズルおよび第2ノズルは連通路に接続され、連通路は液室に接続されていることが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、液室の液体を流出する流出流路を備える、ことが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、連通路の液体を流出する流出流路を備える、ことが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、アクチュエーターは、圧電素子であり、液室の壁面内の一部は、振動板で形成され、アクチュエーターは振動板を挟んで液室の反対側に配置される、ことが好ましい。
上記の液滴吐出ヘッドにおいて、アクチュエーターは、圧電素子であり、液室の壁面の少なくとも2面は、圧電素子で形成される、ことが好ましい。
本願の液滴吐出装置は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、被記録媒体に液滴を吐出する上記に記載の液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドのノズルをクリーニングするメンテナンス手段と、を備えることを特徴とする。
上記の液滴吐出装置において、メンテナンス手段は、キャップとワイパーとを備え、ワイパーのワイピング方向からみて、第1ノズルと第2ノズルとが重ならない、ことが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態)
図1は、印刷システムを構成する液滴吐出制御装置としてのコンピューター91および液滴吐出装置としてのプリンター92の概略構成を説明する図である。プリンター92は、用紙、布、フィルム等の被記録媒体93に画像を印刷する。コンピューター91は、プリンター92と通信可能に接続される。そして、コンピューター91は、その画像に応じた印刷データをプリンター92に出力し、プリンター92は被記録媒体93に画像を印刷する。このコンピューター91には、アプリケーションプログラムやプリンタードライバー等のコンピュータープログラムがインストールされている。
図1は、印刷システムを構成する液滴吐出制御装置としてのコンピューター91および液滴吐出装置としてのプリンター92の概略構成を説明する図である。プリンター92は、用紙、布、フィルム等の被記録媒体93に画像を印刷する。コンピューター91は、プリンター92と通信可能に接続される。そして、コンピューター91は、その画像に応じた印刷データをプリンター92に出力し、プリンター92は被記録媒体93に画像を印刷する。このコンピューター91には、アプリケーションプログラムやプリンタードライバー等のコンピュータープログラムがインストールされている。
プリンター92は、ヘッドユニット1と、搬送手段としての搬送機構94と、制御部95(図2参照)と、第1タンク971と、メンテナンス手段としてのクリーニングユニット96と、キャリッジ97とを有する。制御部95については、後述する。
ヘッドユニット1は、ヘッド制御部6および液滴吐出ヘッド11を有する。液滴吐出ヘッド11は、キャリッジ97に搭載され、キャリッジ97の被記録媒体93と対向する面に複数のノズルがキャリッジ移動方向と交差して配列され、液体を被記録媒体93に対して吐出する。液体は、吐出するときに物質が液相である状態の材料であれば良く、ゾル、ゲルなどのような液状態の材料も液体に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能性材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども液体に含まれる。例えば、インク、液晶乳化剤、金属ペーストなどが挙げられる。また、ヘッド制御部6は、キャリッジ97の内部に設けられ、制御部95と電気的に接続される。ヘッド制御部6は、液滴吐出ヘッド11からの液滴の吐出を制御する制御部である。
搬送機構94は、キャリッジ移動機構941および被記録媒体搬送機構942を有する。キャリッジ移動機構941は、モーター943を駆動させ、ヘッドユニット1を備えたキャリッジ97をキャリッジ移動方向に移動させる。キャリッジ97がキャリッジ移動方向に往復運動し、液滴吐出ヘッド11が印刷データに基づいて液体を吐出することでプリンター92は被記録媒体93に画像を印刷する。被記録媒体搬送機構942は、モーター944により被記録媒体93を搬送方向に搬送する。この搬送方向は、キャリッジ移動方向と交差する方向である。
第1タンク971は、キャリッジ97に搭載され、流入路973(図2参照)を通じて液滴吐出ヘッド11に供給される液体を収容する。第1タンク971は大気圧に比べてわずかに負圧になるように、内部に圧力調整機構を内蔵するように構成されている。液滴吐出ヘッド11に供給された液体は、液滴吐出ヘッド11内のアクチュエーター41(図2参照)を駆動させることで被記録媒体93へ吐出される。
クリーニングユニット96は、第2タンク962と、キャップ963と、ワイパー964とを有する。第2タンク962は、液滴吐出ヘッド11から排出された液体を、流出流路としての排出路961(図2参照)を通じて収容する。第2タンク962は、ポンプ965(図2参照)を有する。ポンプ965は、キャップ963内を減圧することにより、排出路961を通じて液滴吐出ヘッド11から液体を吸引する。
液滴吐出ヘッド11と接触するキャップ963は、排出路961と液滴吐出ヘッド11との間に配置される。ポンプ965は第2タンク962を介してキャップ963内を減圧し、増粘した液体を液滴吐出ヘッド11から吸引する。これにより、液滴吐出ヘッド11はノズル内の液体の増粘や、液室内に沈降成分が堆積することを抑制できる。また、液滴吐出ヘッド11から液体を吸引する前にワイパー964により後述する液滴吐出ヘッド11のノズルプレート31(図3参照)の表面をワイピングしても構わない。これにより、ノズルプレート31の表面に付着した液体を取り除くことができる。なお、ワイピングの方向は、搬送方向または、搬送方向と交差する方向であっても構わない。
図2は、コンピューター91およびプリンター92の概略構成を説明するブロック図である。まず、コンピューター91の構成について簡単に説明する。コンピューター91は、出力インターフェイス(以降、出力IF911と称する。)と、CPU912と、メモリー913とを有する。
出力IF911は、プリンター92との間でデータの受け渡しを行う。CPU912は、コンピューター91の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリー913は、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成され、CPU912が使用するコンピュータープログラムを格納する。このメモリー913に格納されるコンピュータープログラムは、アプリケーションプログラムやプリンタードライバーなどがある。そして、CPU912は、コンピュータープログラムに従って各種の制御を行う。
プリンタードライバーは、画像データを印刷データに変換させるプログラムなどである。この印刷データをプリンターへ出力する。印刷データは、プリンターが解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データ(SI)とを有する。コマンドデータとは、プリンター92に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データ(SI)は、印刷される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは、画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。印刷データにおける画素データ(SI)は、被記録媒体93上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。
つぎに、プリンター92内部の制御部95の構成について簡単に説明する。制御部95は、入力インターフェイス951(以降、入力IF951と称する。)と、CPU952と、メモリー953と、駆動信号生成回路957と、搬送機構駆動回路954と、印字タイミング生成回路955と、ポンプ駆動回路958と、クリーニングユニット駆動回路959と、を有する。入力IF951は、外部装置であるコンピューター91との間で、データの受け渡しを行う。CPU952は、プリンター92の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリー953は、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成され、CPU952が使用するコンピュータープログラムを格納する。そして、CPU952は、メモリーに記憶されているコンピュータープログラムに従い、各回路を制御する。
コンピュータープログラムは、駆動信号生成プログラムと、搬送機構駆動プログラムと、印字タイミング生成プログラムと、第1ポンプ駆動プログラムと、第2ポンプ駆動プログラムなどである。
駆動信号生成回路957は、クロック信号(CK)が入力されると駆動信号を生成する。駆動信号生成回路957は、2種類以上の駆動信号を周期的に生成し、ヘッド制御部6へ出力する。
搬送機構駆動回路954は、モーター943、944などを介して搬送機構94の搬送量を制御する。例えば、キャリッジ移動機構941(図1参照)のモーター943を回転させ、キャリッジ97(図1参照)をキャリッジ移動方向に搬送する。この時、モーター943に付属するリニアエンコーダー945は、モーター943の回転量からキャリッジ97の搬送量を算出し、印字タイミング生成回路955に出力する。印字タイミング生成回路955は、搬送量に基づいて、クロック信号(CK)を生成し、ヘッド制御部6および搬送機構駆動回路954へ出力する。
ポンプ駆動回路958は、ポンプ965を駆動させ、第2タンク962の圧力を制御する。ポンプ965は、液滴吐出ヘッド11のクリーニング時にキャップ内部を減圧し、増粘した液体を液滴吐出ヘッド11から吸引する。液滴吐出ヘッド11のクリーニング動作前には、クリーニングユニット駆動回路959が、モーター967を駆動させ、ワイパー964(図1参照)により液滴吐出ヘッド11のノズルプレート31(図3参照)の表面をワイピングする。また、モーター966を駆動させ、キャップ963(図1参照)と液滴吐出ヘッド11のノズルプレート31の表面とを密着させる。アクチュエーター41およびスイッチ回路66については後述する。
図3は、実施形態に係る液滴吐出ヘッド11の概略構成を説明する図である。図4は、図3の液滴吐出ヘッド11のノズルプレート31をZ方向から見た概略図である。図3及び図4に示すように、液滴吐出ヘッド11は、ノズルプレート31と流路形成基板32と振動板33とアクチュエーター41とを有する。流路形成基板32には、連通路22と、液室23と、流路抵抗部24と、共通液室25と、が形成される。
液室23は、流路形成基板32に凹部を形成し、凹部の開口が振動板33によって封止されることで構成される空間である。液体は、供給流路26、共通液室25、流路抵抗部24を通って、液室23に供給される。そして、連通路22、第1ノズルとしての吐出ノズル20を介して外部に吐出される。すなわち、液室23は、連通路22と流路抵抗部24に連通する。
振動板33は、流路形成基板32に固定され、液室23の壁面の一部を構成する。振動板33は、Z方向に撓み変形可能な板状部材、即ち、ダイアフラムである。
アクチュエーター41は、振動板33上に配置され、ベース基板34に固定される。アクチュエーター41には、フレキシブルケーブル42が電気的に接続され、ヘッド制御部6(図2参照)からの信号に基づいて伸縮する。ベース基板34の剛性は、振動板33の剛性に比べて高いため、アクチュエーター41の伸縮に伴い振動板33がZ方向に変位する。実施形態では、アクチュエーター41は、印加された電圧に応じて伸縮する圧電素子、即ち、ピエゾ素子によって構成される。すなわち、アクチュエーター41は振動板33を挟んで液室23の反対側に配置される。
ノズルプレート31には、その表面に複数の吐出ノズル20の開口と複数の第2ノズルとしてのダミーノズル21の開口とが形成されている。吐出ノズル20の開口は、例えば、Y軸方向に沿って2列に配置され、ダミーノズル21の開口も、Y軸方向に沿って2列に配置される。ダミーノズル21を液体が通る流路抵抗は、吐出ノズル20を液体が通る流路抵抗と比べて大きい。具体的には、ダミーノズル21の開口の直径は、吐出ノズル20の開口の直径よりも小さい。
図5は、ヘッド制御部6の概略構成を説明するブロック図である。ヘッド制御部6は、第1シフトレジスター611,612,613(SR1)と、第2シフトレジスター62(SR2)と、LAT回路631,632,633と、選択信号生成回路64と、デコーダー(Decoder)651,652,653と、スイッチ回路661,662,663とを備える。各スイッチ回路661,662,663は、アクチュエーター411,412,413にそれぞれ接続される。
ヘッド制御部6には、制御部95(図2参照)からクロック信号(CK)と、ラッチ信号(LAT)と、チェンジ信号(CH)と、第1駆動信号(COM−A)と、画素データ(SI)および設定データ(SP)を含む設定信号とが入力される。なお、第1駆動信号(COM−A)は、アクチュエーター41(図2参照)に印加される。
クロック信号(CK)に同期して設定信号がヘッド制御部6に入力されると、画素データ(SI)が第1シフトレジスター611,612,613(SR1)に、設定データ(SP)が第2シフトレジスター62(SR2)にそれぞれセットされる。そして、ラッチ信号(LAT)のパルスに応じて、画素データ(SI)がLAT回路631,632,633に、設定データ(SP)が選択信号生成回路64にそれぞれラッチされる。
選択信号生成回路64は、設定データ(SP)とチェンジ信号(CH)とに基づいて、複数の選択信号を生成する。デコーダー651,652,653は、LAT回路631,632,633にラッチされた画素データ(SI)に応じて、選択信号生成回路64より入力された複数の選択信号の内1つを選択する。選択された選択信号は、スイッチ信号としてデコーダー651,652,653から出力される。
スイッチ回路661,662,663には第1駆動信号(COM−A)およびスイッチ信号が入力される。例えば、スイッチ信号がHレベルのとき、スイッチ回路661,662,663はON状態になり、第1駆動信号(COM−A)がアクチュエーター411,412,413へ印加される。スイッチ信号がLレベルのとき、スイッチ回路661,662,663はOFF状態になり、第1駆動信号(COM−A)がアクチュエーター411,412,413へ印加されない。
次に、吐出制御方法について説明する。図6は、スイッチ回路66(図2参照)より入力された第1駆動信号(COM―A)に基づいて実行されるアクチュエーター41(図2参照)のタイミングチャートの一例である。図6の横軸は、時間[sec]を示し、縦軸は、アクチュエーター41に印加される電圧[V]を示す。正の電圧がアクチュエーター41に印加された時、アクチュエーター41は収縮し、液室23(図3参照)の容積を拡大する。なお、このタイミングチャートは吐出ノズル20から液体を液滴として吐出する一連の液滴吐出制御を表す。
図7Aから図7Eは、液滴吐出制御に伴う吐出ノズル20内のメニスカスの状態を説明する断面図である。なお、図7Aに示す図は、図6に示すAの時点でのメニスカスの状態を示している。図7Bに示す図は、図6に示すBからCの時点でのメニスカスの状態を示している。図7Cに示す図は、図6に示すCの時点でのメニスカスの状態を示している。図7Dに示す図は、図6に示すDからEの時点でのメニスカスの状態を示している。図7Eに示す図は、図6に示すEの時点でのメニスカスの状態を示している。
図6に示すように液滴吐出ヘッド11は、一連の吐出制御の中で各期間t0〜t4の5つの工程を実行する。期間t0およびt4は待機状態であり、アクチュエーター41には電位がかかっていない。期間t1は、吐出ノズル20内のメニスカスを液室23側へ引き込む、引き込み工程である。期間t2は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持する待機工程である。期間t3は、アクチュエーター41が振動板33を−Z方向に変位させ、吐出ノズル20内の液体を加圧し液滴を吐出する押し込み工程である。期間t4は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持し、液体が吐出ノズル20に供給されるリフィル工程であり、次吐出の信号が印加されるまでこの状態で待機している。なお、待機中にはノズル内の液体乾燥による局所的な粘度上昇を防ぐために、吐出しない程度の電圧で振動を加えて搖動させても良い。
期間t0の初期状態では、図7Aに示すように、吐出制御が開始される前の吐出ノズル20内の液体は、第1タンク971の負圧と吐出ノズル20のメニスカス耐圧のバランスにより液室23側にわずかに凹形状になるように維持されている。
期間t1の引き込み工程では、図7Bに示すように、アクチュエーター41が収縮することによって、振動板33が+Z方向に変位する。これにより、液室の容積が拡大し、液室23内の圧力が低下する。この引き込み工程において吐出ノズル20内のメニスカスは液室23側へ引き込む方向に作用する。
期間t2の待機工程では、ヘッド制御部6がアクチュエーター41の印加電圧を一定に保持することで振動板33の位置は保持される。この間、期間t1におけるアクチュエーター41の駆動により発生した圧力波は液室23の固有振動数Tcで振動する。
メニスカスの引込みが最大になった時点で期間t3の押し込み工程を開始し、アクチュエーター41が待機状態まで伸張することによって、振動板33が−Z方向に変位する。アクチュエーター41の伸張により、図7Cに示すように、液室23内の液体には、瞬間的に大きなエネルギーが付与され圧力波が発生する。この圧力波は液室23から吐出ノズル20内の液体に伝播し、図7Dに示すように、吐出ノズル20内の液体が加圧され、液滴Dが吐出される。吐出速度は、期間t3が短いほど、すなわち、電圧を復帰させる時の傾きが急なほど速くすることが出来る。
さらに、このとき、期間t3で発生した圧力波と、期間t1で発生した圧力波と重畳することがより好ましい。これにより、吐出速度を可及的に速くすることができる。
期間t4のリフィル工程では、図7Eに示すように、振動板33の位置は保持される。このとき、吐出ノズル20内のメニスカスは連通路22からの液体の供給により安定状態に戻る。
図8Aは、液滴吐出ヘッド11における吐出ノズル20の連通路22側の開口の圧力変動を示したグラフであり、図8Bは、液滴吐出ヘッド11からダミーノズル21を取り除いた場合における吐出ノズル20の連通路22側の開口の圧力変動を示したグラフである。縦軸は、初期状態を基準とした時の圧力変動[Pa]であり、横軸は時間[sec]である。
吐出ノズル20の開口出口の直径は、30[μm]とし、ダミーノズル21の開口出口の直径は、8.5[μm]とした。即ち、ダミーノズル21の開口の最小径は、吐出ノズル20の開口の最小径に比べて小さい。また、ダミーノズル21の開口の断面積は、吐出ノズル20の開口の断面積に比べて小さいともいえる。図8Aおよび図8Bにおける期間Aに観測された圧力変動は、吐出ノズル20内の液体を意図的に吐出させるための圧力振動を示している。期間Aにおいて、ダミーノズル21の有無による正の圧力の最大値は約4MPaである。そのため、ダミーノズル21の有無に依らず速い吐出速度、例えば、30m/s以上の吐出速度が得られる。図8Aおよび図8Bにおける期間Bに観測された圧力変動は、吐出ノズル20内の残留振動を示している。図8Bにおける期間Bでは、吐出後に最大9[MPa]の残留振動が発生し、多数の意図しない液滴、いわゆるサテライトが多数発生した。一方、図8Aにおける期間Bでは、吐出後の残留振動が約4〜5[MPa]と図8Bの半分に抑えることができるため、液滴吐出後の意図しない複数のサテライトや、ノズルプレート31への液体付着、ミストなどを抑制することができる。
図9Aは、吐出速度と、ダミーノズル21の開口の直径との関係の試験結果を示すグラフであり、図9Bは、残留する最大圧力変動と、ダミーノズル21の開口の直径との関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。ここで、図9Bにおける圧力変動とは、図8Aや図8Bの期間Bにおける1つ目の圧力変動である。吐出ノズル20の開口の直径は、図8Aと同様である。
吐出ノズル20から吐出される液滴の吐出速度は、ノズルプレート31をY方向からストロボスコープによって所定の周期で撮像し、得られた複数枚の画像を用いて、液滴D(図10B参照)が吐出ノズル20から吐出された直後の画像と、所定周期経過した画像とを比較し、液滴Dの−Z方向の頂点の移動距離から平均速度を算出する。図7Dのように1滴の液滴D、またはサテライトが1滴で、かつ、ミスト状に浮遊することなくメイン液滴Dと同軸線上に飛翔して吐出される吐出状態を○、図10A乃至図10Cで示された吐出状態を×(吐出不良)と判定した。図10Aおよび図10Bについての説明は後述する。
図9Aから読み取れるように、ダミーノズル21の開口の直径が9[μm]以下では、吐出速度は大きく低下せず、ダミーノズル21の開口の直径が12[μm]以上では、吐出速度は徐々に低下している。これは、吐出ノズル20の開口の直径に対してダミーノズル21の開口の直径が大きくなると、ダミーノズル21がアクチュエーター41から付与される圧力波を吸収する割合が大きくなるためである。
また、ダミーノズル21の開口の直径が6[μm]以下では、吐出不良が発生している。これは、図9Bから読み取れるように、液滴が吐出された後の圧力変動が吐出不良が生じていないダミーノズル21の開口の直径の範囲に比べて大きいためである。すなわち、吐出ノズル20の開口の直径に対するダミーノズル21の開口の直径の比が20[%]以上40[%]以下であれば、ダミーノズル21が吐出速度に与える影響を抑えつつ、良好な吐出状態を得ることができる。
図10Aおよび図10Bは、図6に示すD乃至Eの時点でのメニスカスの状態を示している。図10Aでは残留振動によって、液滴が分離する前に次の吐出が始まってしまい、数珠状の液柱Cとなって吐出される。この様な吐出状態となると、被記録媒体93に吐出される液量にばらつきが生じる。また、液柱Cの後方がノズル側へ引き戻される力が先頭の液滴の飛翔に影響して減速してしまう、場合によってはノズル内に戻って不吐出となってしまう等の画質低下が生じてしまう。図10BではサテライトSが液滴Dの吐出後に吐出ノズル20内の液体から多数分離されている。この様な吐出状態となると、被記録媒体93の予期しない領域に複数のサテライトSが着弾するという不具合が生じる。また、極めて速度の遅いサテライトが浮遊し、ノズルプレート31に付着し、吐出方向が曲がっている、液滴が吐出できないという不具合が生じる。
図10Cでは、図10BのようにサテライトSが吐出された後のメニスカスの状態を示している。残留した圧力振動によるメニスカスの振動が吐出ノズル20内の液体と分離できずにサテライトS’は吐出ノズル20の開口に付着している。この様な吐出状態となると、吐出ノズル20の開口に付着したサテライトS’と、吐出ノズル20から吐出される液体とが接触し、液滴の吐出方向が曲がってしまい、ノズル内に気泡を巻き込んで不吐出となるおそれがある。これにより、液滴の着弾ズレやドット抜けが発生し、画質が低下する。
以上述べたように、本実施形態に係る液滴吐出ヘッド11によれば、液滴を吐出しないダミーノズル21が、吐出ノズル20と接続される連通路22に接続されていることにより、吐出ノズル20から液滴が吐出された後の吐出ノズル20内の残留振動を抑制することができる。これにより、画質低下や吐出の不安定を起こさずに吐出速度を高めることができ、ヘッドとの間に大きなギャップが必要な被記録媒体93に対して高い着弾精度を実現することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
上記実施形態では、図4に示す液滴吐出ヘッド11のノズルプレート31のように、1つの連通路22に対して1つのダミーノズル21が連通されていると説明したが、図11Aに示すノズルプレート311のように、1つの連通路22に対して第2ノズル及び第3ノズルを含む複数のダミーノズル211を連通していても構わない。ダミーノズル211の直径を大きくとると、メニスカスの耐圧が下がり、吐出ノズル20の振動等の外的な要因による圧力変動等で気泡を巻込むおそれが増加する。そのため、ダミーノズル211の直径は適正なコンプライアンスが得られる範囲で可能な限り小さいことが望まれる。ダミーノズル211のコンプライアンスは、ダミーノズル211の数に比例するため、仮に図4のダミーノズル211の開口の直径と、図9A及び図9Bのダミーノズル211の開口の直径とが同じであると仮定した場合、図11の液滴吐出ヘッド12では、メニスカス耐圧を維持しつつ、コンプライアンスを2倍に増加させることができる。逆に、ダミーノズル211の数を増やすことで、その分直径を小さくしても同等のコンプライアンスが得られるため、メニスカス耐圧を増やし、より外乱に強くすることができる。
上記実施形態では、図4に示す液滴吐出ヘッド11のノズルプレート31のように、1つの連通路22に対して1つのダミーノズル21が連通されていると説明したが、図11Aに示すノズルプレート311のように、1つの連通路22に対して第2ノズル及び第3ノズルを含む複数のダミーノズル211を連通していても構わない。ダミーノズル211の直径を大きくとると、メニスカスの耐圧が下がり、吐出ノズル20の振動等の外的な要因による圧力変動等で気泡を巻込むおそれが増加する。そのため、ダミーノズル211の直径は適正なコンプライアンスが得られる範囲で可能な限り小さいことが望まれる。ダミーノズル211のコンプライアンスは、ダミーノズル211の数に比例するため、仮に図4のダミーノズル211の開口の直径と、図9A及び図9Bのダミーノズル211の開口の直径とが同じであると仮定した場合、図11の液滴吐出ヘッド12では、メニスカス耐圧を維持しつつ、コンプライアンスを2倍に増加させることができる。逆に、ダミーノズル211の数を増やすことで、その分直径を小さくしても同等のコンプライアンスが得られるため、メニスカス耐圧を増やし、より外乱に強くすることができる。
(変形例2)
上記実施形態では、図4のように、ダミーノズル21の開口形状を円と説明したが、図12に示す液滴吐出ヘッド13のノズルプレート312のように、ダミーノズル212の開口形状は長円や、楕円であっても構わない。ダミーノズル212の開口形状が長円状である場合、ダミーノズル212のメニスカス耐圧は長円の短径でほぼ決定する。そのため、長円の短径が円形状のダミーノズル212の開口の直径と同様であると仮定した場合、ダミーノズル212のメニスカス耐圧を低下させることなく、コンプライアンスを増加させることができる。これにより、より効率的に吐出ノズル20内の残留振動を抑制できる。なお、ダミーノズル212の開口は、円や長円、楕円に限定されず、多角形であっても構わない。
上記実施形態では、図4のように、ダミーノズル21の開口形状を円と説明したが、図12に示す液滴吐出ヘッド13のノズルプレート312のように、ダミーノズル212の開口形状は長円や、楕円であっても構わない。ダミーノズル212の開口形状が長円状である場合、ダミーノズル212のメニスカス耐圧は長円の短径でほぼ決定する。そのため、長円の短径が円形状のダミーノズル212の開口の直径と同様であると仮定した場合、ダミーノズル212のメニスカス耐圧を低下させることなく、コンプライアンスを増加させることができる。これにより、より効率的に吐出ノズル20内の残留振動を抑制できる。なお、ダミーノズル212の開口は、円や長円、楕円に限定されず、多角形であっても構わない。
(変形例3)
上記実施形態では、図3のように、液室23の液体は、連通路22から吐出ノズル20を通って外部へ吐出されると説明したが、図13に示す液滴吐出ヘッド14の流路形成基板321のように、連通路22に連通する流出流路としての流出路28を介して循環流路29へ流出する構成である。第1タンク971には、第1タンク971内の液体を加圧する第2ポンプ(図示しない)が内蔵されている。また、循環流路29は、図示しない第3タンクに接続に接続されている。第3タンクには、第3ポンプが内蔵され、第3タンク内の内圧は、大気圧に対して負圧に設定される。そして、吐出ノズル20から吐出されずに循環流路29へと流れた液体は、第3タンクに流入する。第1タンクと第3タンクは、図示しない流路で接続されており、第3タンクの液量が図示しない検出素子で一定以上に到達した時に、第3タンク内の液体は、第1タンクへ流入する。供給流路26内の液体には大気圧に比べて高い圧力が付与され、流出路28内の液体には大気圧に比べて負の圧力が付与される。吐出ノズル20内の液体には大気圧に比べてわずかに負の圧力(例えば-500Pa)が付与され、吐出ノズル20内のメニスカスは液室23側に凹んだ状態で維持されている。この場合、液室23から循環流路29に向かう液体の流れを生じさせることができるため、液室23内から吐出ノズル20または、ダミーノズル21にかけての液体の増粘を抑制できる。なお、連通路22における流出路28の開口とダミーノズル21との距離は、連通路22における流出路28の開口と吐出ノズル20との距離に比べて短いことが好ましい。液滴が吐出されないダミーノズル21は吐出ノズル20に比べて内部の液体が増粘しやすいため、上記構成とすることで、ダミーノズル21内の液体の増粘を抑制できる。なお、流出路28は、連通路22ではなく液室23に接続されても構わない。
上記実施形態では、図3のように、液室23の液体は、連通路22から吐出ノズル20を通って外部へ吐出されると説明したが、図13に示す液滴吐出ヘッド14の流路形成基板321のように、連通路22に連通する流出流路としての流出路28を介して循環流路29へ流出する構成である。第1タンク971には、第1タンク971内の液体を加圧する第2ポンプ(図示しない)が内蔵されている。また、循環流路29は、図示しない第3タンクに接続に接続されている。第3タンクには、第3ポンプが内蔵され、第3タンク内の内圧は、大気圧に対して負圧に設定される。そして、吐出ノズル20から吐出されずに循環流路29へと流れた液体は、第3タンクに流入する。第1タンクと第3タンクは、図示しない流路で接続されており、第3タンクの液量が図示しない検出素子で一定以上に到達した時に、第3タンク内の液体は、第1タンクへ流入する。供給流路26内の液体には大気圧に比べて高い圧力が付与され、流出路28内の液体には大気圧に比べて負の圧力が付与される。吐出ノズル20内の液体には大気圧に比べてわずかに負の圧力(例えば-500Pa)が付与され、吐出ノズル20内のメニスカスは液室23側に凹んだ状態で維持されている。この場合、液室23から循環流路29に向かう液体の流れを生じさせることができるため、液室23内から吐出ノズル20または、ダミーノズル21にかけての液体の増粘を抑制できる。なお、連通路22における流出路28の開口とダミーノズル21との距離は、連通路22における流出路28の開口と吐出ノズル20との距離に比べて短いことが好ましい。液滴が吐出されないダミーノズル21は吐出ノズル20に比べて内部の液体が増粘しやすいため、上記構成とすることで、ダミーノズル21内の液体の増粘を抑制できる。なお、流出路28は、連通路22ではなく液室23に接続されても構わない。
(変形例4)
上記実施形態では、図3のように、アクチュエーター41が液室23の壁面の一部を形成する振動板33上に配置されると説明したが、図14の液滴吐出ヘッド15のように、アクチュエーター414が液室231の壁面の一部を構成しても構わない。すなわち、アクチュエーター414の変形モードが縦モード型やユニモルフ型ではなく、せん断モードである。液滴吐出ヘッド15は、基板35と、ノズルプレート31と流路形成基板322とアクチュエーター414とを有する。基板35にはアクチュエーター414およびヘッド制御部6(図2参照)が実装されている。
上記実施形態では、図3のように、アクチュエーター41が液室23の壁面の一部を形成する振動板33上に配置されると説明したが、図14の液滴吐出ヘッド15のように、アクチュエーター414が液室231の壁面の一部を構成しても構わない。すなわち、アクチュエーター414の変形モードが縦モード型やユニモルフ型ではなく、せん断モードである。液滴吐出ヘッド15は、基板35と、ノズルプレート31と流路形成基板322とアクチュエーター414とを有する。基板35にはアクチュエーター414およびヘッド制御部6(図2参照)が実装されている。
アクチュエーター414は、基板35に接合された第1圧電素子415と第1圧電素子415に接合された第2圧電素子416とから構成され、第1圧電素子415と第2圧電素子416との分極方向は互いに対向する。
液室231は、第1圧電素子415の+X方向及び、−Z方向の面が開口した凹部である。第1圧電素子415の+X方向の開口面には流路形成基板322が接合され、液室231の壁面の一部を形成する。すなわち、液室231の壁面の少なくとも2面は、圧電素子で形成される。アクチュエーター414で構成された液室231の壁面には、電極が被膜されている。流路形成基板322には供給流路261が形成され、供給流路261は液室231に連通する。
ノズルプレート31はアクチュエーター414と流路形成基板322に接合され、複数の吐出ノズル20の開口と複数のダミーノズル21の開口とが形成されている。吐出ノズル20の開口は、Y軸方向に沿って配置され、ダミーノズル21の開口も、Y軸方向に沿って配置される。
第1圧電素子415および第2圧電素子416は、ヘッド制御部6からの信号に基づきせん断変形し、液室231内の容積が減少することで、吐出ノズル20から液体が吐出される。
上記構成を有することで、実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例5)
上記実施形態では、図3のように、ダミーノズル21内の液体は、外気と液面で接触していると説明したが、図15の液滴吐出ヘッド16のように、ダミーノズル21の開口が、被膜としてのフィルム44で覆う構成としても構わない。フィルム44は、例えばポリイミドフィルムのように、耐液性に優れ、かつ柔軟な薄膜で形成される。これにより、ダミーノズル21内の液体が外気と接することがなく、また外乱による気泡の巻き込みのリスクがないため、ダミーノズル21内の液体が増粘することを抑制し、吐出の安定した吐出ヘッドを提供することができる。これにより、連続吐出時に吐出安定性が損なわれることなく、吐出速度を高めることができ、ヘッドとのギャップを大きくすることが必要な被記録媒体に対して高い着弾精度を実現することができる。また、ダミーノズル内の液体が外気と接することを防止でき、ノズル内の液体が増粘することを抑制することができる。また、ダミーノズル21の連通路22側の開口に対してフィルム44を形成する場合に比べて、残留振動を抑制することができる。これは、残留振動時に圧力波がダミーノズル21内を往復することで、ダミーノズル21の流路抵抗が残留振動を減衰させるためである。
上記実施形態では、図3のように、ダミーノズル21内の液体は、外気と液面で接触していると説明したが、図15の液滴吐出ヘッド16のように、ダミーノズル21の開口が、被膜としてのフィルム44で覆う構成としても構わない。フィルム44は、例えばポリイミドフィルムのように、耐液性に優れ、かつ柔軟な薄膜で形成される。これにより、ダミーノズル21内の液体が外気と接することがなく、また外乱による気泡の巻き込みのリスクがないため、ダミーノズル21内の液体が増粘することを抑制し、吐出の安定した吐出ヘッドを提供することができる。これにより、連続吐出時に吐出安定性が損なわれることなく、吐出速度を高めることができ、ヘッドとのギャップを大きくすることが必要な被記録媒体に対して高い着弾精度を実現することができる。また、ダミーノズル内の液体が外気と接することを防止でき、ノズル内の液体が増粘することを抑制することができる。また、ダミーノズル21の連通路22側の開口に対してフィルム44を形成する場合に比べて、残留振動を抑制することができる。これは、残留振動時に圧力波がダミーノズル21内を往復することで、ダミーノズル21の流路抵抗が残留振動を減衰させるためである。
(変形例6)
上記変形例1では、ダミーノズル211を2つ有していたが、図16Aおよび図16Bのように、液滴吐出ヘッド17、18は、さらにより小径にして多数のダミーノズル213、214を吐出ノズル20の周囲に設置しても構わない。これにより、変形例1と同様の効果を得ることができる。
上記変形例1では、ダミーノズル211を2つ有していたが、図16Aおよび図16Bのように、液滴吐出ヘッド17、18は、さらにより小径にして多数のダミーノズル213、214を吐出ノズル20の周囲に設置しても構わない。これにより、変形例1と同様の効果を得ることができる。
(変形例7)
上記実施形態では、図6のように、期間t0、t4において電圧が印加されない駆動波形としたが、図17のように、期間t0、t4において中間電圧が印加されても構わない。期間t1は、吐出ノズル20内のメニスカスを液室23側へ引き込む、引き込み工程である。期間t2は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持する待機工程である。期間t3は、アクチュエーター41が振動板33を−Z方向に変位させ、吐出ノズル20内の液体を加圧し液滴を吐出する押し込み工程である。このとき、アクチュエーター41は中間電位を超えて押し込まれる。期間t5は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持する待機工程である。期間t1は、アクチュエーター41を中間電位まで戻す、収縮工程である。期間t4は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持し、液体が吐出ノズル20に供給されるリフィル工程であり、次吐出の信号が印加されるまでこの状態で待機している。なお、期間t1の引き込み工程および期間t2の待機工程は、省略することが可能である。この場合、吐出後の残留振動をある程度抑制することは可能であるが、所望する吐出速度を得るには不十分である。
上記実施形態では、図6のように、期間t0、t4において電圧が印加されない駆動波形としたが、図17のように、期間t0、t4において中間電圧が印加されても構わない。期間t1は、吐出ノズル20内のメニスカスを液室23側へ引き込む、引き込み工程である。期間t2は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持する待機工程である。期間t3は、アクチュエーター41が振動板33を−Z方向に変位させ、吐出ノズル20内の液体を加圧し液滴を吐出する押し込み工程である。このとき、アクチュエーター41は中間電位を超えて押し込まれる。期間t5は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持する待機工程である。期間t1は、アクチュエーター41を中間電位まで戻す、収縮工程である。期間t4は、アクチュエーター41が振動板33の位置を保持し、液体が吐出ノズル20に供給されるリフィル工程であり、次吐出の信号が印加されるまでこの状態で待機している。なお、期間t1の引き込み工程および期間t2の待機工程は、省略することが可能である。この場合、吐出後の残留振動をある程度抑制することは可能であるが、所望する吐出速度を得るには不十分である。
(変形例8)
上記実施形態においてワイパー964(図1参照)のワイピングの方向は、搬送方向または、搬送方向と交差する方向であっても構わないと説明したが、ワイパー964のワイピング方向からみて、吐出ノズル20とダミーノズル21とが重ならないことが好ましい。例えば、図4のノズルプレート31に対してワイピングを実行する場合、ワイピングの方向はY軸方向となる。これにより、ダミーノズル21内の増粘液体が吐出ノズル20内部に混入することを抑制でき、液滴吐出ヘッド11の吐出安定性を高めることができる。
上記実施形態においてワイパー964(図1参照)のワイピングの方向は、搬送方向または、搬送方向と交差する方向であっても構わないと説明したが、ワイパー964のワイピング方向からみて、吐出ノズル20とダミーノズル21とが重ならないことが好ましい。例えば、図4のノズルプレート31に対してワイピングを実行する場合、ワイピングの方向はY軸方向となる。これにより、ダミーノズル21内の増粘液体が吐出ノズル20内部に混入することを抑制でき、液滴吐出ヘッド11の吐出安定性を高めることができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の液滴吐出ヘッドでは、液体を収容する液室と、液室から供給された液体を液滴として吐出する第1ノズルと、液室から供給された液体を液滴として吐出しない第2ノズルと、液室内の液体に圧力を付与するアクチュエーターと、液室に液体を供給する供給流路と、を備え、第2ノズルの流路抵抗は前記第1ノズルの流路抵抗に比べて大きいことを特徴とする。
この構成によれば、流路抵抗が大きく液滴が吐出されない第2ノズルを有しているため、第1ノズルから液滴が吐出された後の第1ノズル内部の残留振動を抑制することができる。これにより、連続吐出時に吐出安定性が損なわれることなく、吐出速度を高めることができ、大きなギャップが必要な被記録媒体に対して高い着弾精度を実現することができる。
本願の液滴吐出ヘッドでは、液体を収容する液室と、液室から供給された液体を液滴として吐出する第1ノズルと、液室から供給された液体を液滴として吐出しない第2ノズルと、液室内の液体に圧力を付与するアクチュエーターと、液室に液体を供給する供給流路と、第2ノズルの開口を覆う被膜と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第2ノズルの開口が被膜で覆われているため、第1ノズルから液滴が吐出された後の第1ノズル内部の残留振動を抑制することができる。これにより、連続吐出時に吐出安定性が損なわれることなく、吐出速度を高めることができ、大きなPG間ギャップが必要な被記録媒体に対して高い着弾精度を実現することができる。また、第2ノズル内の液体が外気と接することを防止でき、第2ノズル内の液体が増粘することを抑制することができる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、第2ノズルの最小径は第1ノズルの最小径に比べて小さいことが好ましい。
この構成によれば、流路抵抗が大きく液滴が吐出されない第2ノズルを有しているため、上記と同様の効果を得ることができる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、第2ノズルの断面積は前記第1ノズルの断面積に比べて小さいことが好ましい。
この構成によれば、流路抵抗が大きく液滴が吐出されない第2ノズルを有しているため、第2ノズルの流路抵抗が第1ノズルの流路抵抗に比べて高くなり、第1ノズルから液滴が吐出される際に第2ノズルから液体が漏れることを防止できる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、前記液室から供給された前記液体を液滴として吐出しない第3ノズルを備えることが好ましい。
この構成によれば、吐出ノズルに対して液滴を吐出しないダミーノズルを複数有するため、コンプライアンスの面積を増加させることができる。これにより、より効率的に第1ノズル内部の残留振動を抑制できる。なお、ダミーノズルは3つ以上でも構わない。
上記の液滴吐出ヘッドでは、第1ノズルおよび第2ノズルは連通路に接続され、連通路は液室に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、流路抵抗が大きく液滴が吐出されない第2ノズルを有しているため、上記と同様の効果を得ることができる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、液室の液体を流出する流出流路を備える、ことが好ましい。
この構成によれば、液室の液体を流出する流出流路を備えるため、液室内の液体の増粘を抑制できる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、連通路の液体を流出する流出流路を備える、ことが好ましい。
この構成によれば、連通路の液体を流出する流出流路を備えるため、液室内から第1ノズルまたは、第2ノズルにかけての液体の増粘を抑制できる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、アクチュエーターは、圧電素子であり、液室の壁面内の一部は、振動板で形成され、アクチュエーターは振動板を挟んで液室の反対側に配置される、ことが好ましい。
この構成によれば、流路抵抗が大きく液滴が吐出されない第2ノズルを有しているため、上記と同様の効果を得ることができる。
上記の液滴吐出ヘッドでは、アクチュエーターは、圧電素子であり、液室の壁面の少なくとも2面は、圧電素子で形成される、ことが好ましい。
この構成によれば、上記と同様の効果を得ることができる。
本願の液滴吐出装置では、被記録媒体を搬送する搬送手段と、被記録媒体に液滴を吐出する上記に記載の液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドのノズルをクリーニングするメンテナンス手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、流路抵抗が大きく液滴が吐出されない第2ノズルを有しているため、上記と同様の効果を得ることができる。
上記の液滴吐出装置では、メンテナンス手段は、キャップとワイパーとを備え、ワイパーのワイピング方向からみて、第1ノズルと第2ノズルとが重ならない、ことが好ましい。
この構成によれば、ワイパーのワイピング方向からみて、第1ノズルと第2ノズルとが重ならないため、第2ノズル内の増粘液体が第1ノズル内部に混入することを抑制でき、液滴吐出ヘッドの吐出安定性を高めることができる。
1…ヘッドユニット、6…ヘッド制御部、11,12,13,14,15,16,17,18…液滴吐出ヘッド、20…第1ノズルとしての吐出ノズル、21,211,212,213,214…第2ノズルとしてのダミーノズル、23,231…液室、24…流路抵抗部、25…共通液室、26,261…供給流路、31,311,312…ノズルプレート、32,321,322…流路形成基板、33…振動板、34…ベース基板、41,411,412,413,414…アクチュエーター、415…第1圧電素子、416…第2圧電素子、42…フレキシブルケーブル、44…被膜としてのフィルム、611,612,613…第1シフトレジスター、62…第2シフトレジスター、631,632,633…LAT回路、64…選択信号生成回路、651,652,653…デコーダー、66,661,662,663…スイッチ回路、91…コンピューター、92…液滴吐出装置としてのプリンター、93…被記録媒体、94…搬送手段としての搬送機構、95…制御部、96…メンテナンス手段としてのクリーニングユニット、97…キャリッジ、911…出力IF、912,952…CPU、913,953…メモリー、941…キャリッジ移動機構、942…被記録媒体搬送機構、943,944,966,967…モーター、945…リニアエンコーダー、951…入力IF、954…搬送機構駆動回路、955…印字タイミング生成回路、957…駆動信号生成回路、958…ポンプ駆動回路、959…クリーニングユニット駆動回路、961…流出流路としての排出路、962…第2タンク、963…キャップ、964…ワイパー、965…第1ポンプ、971…第1タンク、973…流入路、D…液滴、S,S′…サテライト、C…液柱。
Claims (12)
- 液体を収容する液室と、
前記液室から供給された前記液体を液滴として吐出する第1ノズルと、前記液室から供給された前記液体を液滴として吐出しない第2ノズルと、
前記液室内の液体に圧力を付与するアクチュエーターと、
前記液室に液体を供給する供給流路と、を備え、
前記第2ノズルの流路抵抗は、前記第1ノズルの流路抵抗に比べて大きい、液滴吐出ヘッド。 - 液体を収容する液室と、
前記液室から供給された前記液体を液滴として吐出する第1ノズルと、前記液室から供給された前記液体を液滴として吐出しない第2ノズルと、
前記液室内の液体に圧力を付与するアクチュエーターと、
前記液室に液体を供給する供給流路と、
前記第2ノズルの開口を覆う被膜と、を備える、液滴吐出ヘッド。 - 前記第2ノズルの最小径は前記第1ノズルの最小径に比べて小さい、請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第2ノズルの断面積は前記第1ノズルの断面積に比べて小さい、請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記液室から供給された前記液体を液滴として吐出しない第3ノズルを備える、請求項1ないし4に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第1ノズルおよび前記第2ノズルは連通路に接続され、
前記連通路は前記液室に接続されている、請求項1ないし5に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記液室の液体を流出する流出流路を備える、請求項1ないし6に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記連通路の液体を流出する流出流路を備える、請求項6に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記アクチュエーターは、圧電素子であり、
前記液室の壁面内の一部は、振動板で形成され、
前記アクチュエーターは前記振動板を挟んで前記液室の反対側に配置される、請求項1ないし8に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記アクチュエーターは、圧電素子であり、
前記液室の壁面の少なくとも2面は、前記圧電素子で形成される、請求項1ないし8に記載の液滴吐出ヘッド。 - 被記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記被記録媒体に液滴を吐出する請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドのノズルをクリーニングするメンテナンス手段と、を備える、液滴吐出装置。 - 前記メンテナンス手段は、キャップとワイパーとを備え、
ワイパーのワイピング方向からみて、第1ノズルと第2ノズルとが重ならない、請求項11に記載の液滴吐出装置。
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JP2019164294A Pending JP2021041577A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021041577A (ja) |
-
2019
- 2019-09-10 JP JP2019164294A patent/JP2021041577A/ja active Pending
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