JP2014184682A - 液体噴射装置の制御方法および液体噴射装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシング動作における液体の引込の際に気泡も一緒に引込み、気泡が内在する液体を振動させることにより効率的なフラッシングを行なうことができる液体噴射装置の制御方法を提供する。
【解決手段】インク36を噴射させるノズル21と、ノズルに連通しインクが充填される圧力発生室と、インクに圧力変化を生じさせる圧電素子と、圧電素子を制御する制御部と、を有する液体噴射ヘッドの制御方法であって、ノズルは、少なくとも第1開口21Aおよび第1開口よりも圧力発生室側に設けられ第1開口の開口径よりも大きい第2開口21Bとを有し制御部は、第1開口と第2開口の境界よりも圧力発生室側にインクのメニスカスMを位置させるように圧力発生室を膨張させて、インクの内部に気泡37を取り込み、圧力発生室を収縮させることによって、気泡と共に液体を排出させる。
【選択図】図7

Description

本発明は液体噴射装置の制御方法および液体噴射装置の制御装置に関し、特にフラッシングを行なう場合に適用して有用なものである。
液体噴射装置に搭載されノズルを介して液体を吐出する液体噴射ヘッドの代表例として、例えば圧電アクチュエーターの変位による圧力を利用してノズルからインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドが知られている。この種のインクジェット式記録ヘッドは、一般に、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成された流路形成基板の一方面側に圧電アクチュエーターを設け、この圧電アクチュエーターを変形させることで圧力発生室内のインクを加圧してノズルからインク滴を吐出させている。
かかるインクジェット式記録ヘッドでは、高粘度化したインク等による異物がノズルの内周面等に付着する場合があり、かかる異物を除去すべく、定期的にフラッシングを行なっている。フラッシングではインクが無駄に廃棄、消費されるので、少ない回数のフラッシングで十分効果的な異物除去機能を発揮させることが肝要である。フラッシング回数が少ないほど、無駄に廃棄、消費されるインクが少なくて済むからである。特に液体を吐出するノズルが、液体噴射面側で外部に開口する第1開口および該第1開口の開口径よりも大きい圧力発生室側の第2開口を有するノズルの場合には、通常のフラッシングではノズル内周面に付着した異物を除去するのが困難である。
なお、液体噴射ヘッドのインク流路の異物を行なう洗浄方法等を開示する従来技術として特許文献1がある。
特開2005−271266号公報
従来技術に係るフラッシングは、引込んだインクを単に吐出させているだけであるため、少ない回数のフラッシングでは、十分に付着物を除去することができず、フラッシング回数の増加を招来していた。このため、その分フラッシングにより廃棄されるインクが増加し、コストパフォーマンスの悪化を招来していた。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、液体であればインク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑み、フラッシング動作における液体の引込の際に気泡も一緒に引込み、気泡が内在する液体を振動させることにより効率的なフラッシングを行なうことができる液体噴射装置の制御方法および液体噴射装置の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射させるノズルと、前記ノズルに連通し液体が充填される圧力発生室と、前記液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を制御する制御部と、を有する液体噴射ヘッドの制御方法であって、前記ノズルは、少なくとも第1開口および第1開口よりも前記圧力発生室側に設けられ該第1開口の開口径よりも大きい第2開口とを有し、前記制御部は、前記第1開口と第2開口の境界よりも前記圧力発生室側に液体のメニスカスを位置させるように圧力発生室を膨張させて、前記液体の内部に気泡を取り込み、前記圧力発生室を収縮させることによって、前記気泡と共に液体を排出させることを特徴とする液体噴射装置の制御方法にある。
本態様によれば、高周波数のフラッシング用の駆動信号によりノズル内の液体が振動するが、液体内に気泡を含んだ状態で前記振動を生起させているので、効率的にノズルの内周面に付着する異物を除去し得る。この結果、少ないフラッシング回数で良好な異物の排除を行うことができる。したがって、クリーニングに較べて廃棄するインクが少なくてすみ、少ないインクでノズルの吐出能力の回復が可能となり、コストパフォーマンスを向上させ、経済的なフラッシング動作を実現し得る。
本発明の他の態様は、液体を噴射させるノズルと、前記ノズルに連通し液体が充填される圧力発生室と、前記液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を制御する制御部と、を有する液体噴射ヘッドの制御装置であって、前記ノズルは、少なくとも第1開口および第1開口よりも前記圧力発生室側に設けられ該第1開口の開口径よりも大きい第2開口を有し、前記制御部は、前記第1開口と第2開口の境界よりも前記圧力発生室側に液体のメニスカスを位置させるように圧力発生室を膨張させて、前記液体の内部に気泡を取り込み、前記圧力発生室を収縮させることによって、前記気泡と共に液体を排出させるように前記圧力発生手段を制御することを特徴とする液体噴射装置の制御装置にある。
本態様によれば、液体内に気泡を含んだ状態で高周波数のフラッシング用駆動信号によりノズル内の液体に振動を生起させているので、効率的にノズルの内周面に付着する異物を除去し得る。この結果、少ないフラッシング回数で良好な異物の排除を行うことができる。したがって、クリーニングに較べて廃棄するインクが少なくてすみ、少ないインクでノズルの吐出能力の回復が可能となり、コストパフォーマンスを向上させ、経済的なフラッシング動作を実現し得る。
液体噴射装置の構成を示す模式的斜視図。 実施の形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 図2の平面図。 図3のA―A′線断面図。 液体噴射装置の制御系の構成を示すブロック線図。 液体噴射装置のフラッシング用の駆動信号の波形を示す波形図。 フラッシング用の波形とメニスカスの関係を示す説明図。 フラッシングシミュレーションに用いた波形を示す波形図。 図8の各部に対応するメニスカスの態様を示すシミュレーション画像。 図8の各部に対応するメニスカスの態様を示すシミュレーション画像。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、インクジェット式記録装置(以下、記録装置ともいう)の一例を示す概略図である。図1に示すように、記録ヘッドユニット1A及び1Bは、液体吐出装置としてのインクジェット式記録装置Iに設けられている。即ち、記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インクジェット式記録装置Iのキャリッジ3に搭載され、キャリッジ3は、インクジェット式記録装置Iの装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出する。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図1中は図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
図2は、図1に示す記録ヘッドユニット1A,1Bが内蔵するインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドともいう)の概略構成を示す分解斜視図であり、図3は、図2の平面図であり、図4は図3のA−A′線断面図である。
図2〜図4に示すように、記録ヘッド10の流路形成基板11は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンからなり、本形態における振動部となる弾性膜50が形成されている。流路形成基板11には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板11の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板30のマニホールド部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。かくして本形態では、流路形成基板11に、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられていることになり、圧力発生室12にインクが充填される。
また、流路形成基板11の一方の面である開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。ここで、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等で好適に構成することができる。また、本形態におけるノズル21は小径ノズル21Aおよび大径ノズル21Bが軸方向で連続する、いわゆる二段ノズルとして形成してある。すなわち、小径ノズル21Aは液体噴射面側で外部に開口する第1開口を有しており、大径ノズル21Bは小径ノズル21Aよりも圧力発生室12側に形成されており、第1開口の開口径よりも大きい第2の開口を有している。
流路形成基板11の反対側の開口面には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、例えば厚さ30〜50nm程度の酸化チタン等からなり弾性膜50等の第1電極60の下地との密着性を向上させるための密着層56が設けられている。なお、弾性膜50上に、必要に応じて酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜が設けられていてもよい。
さらに、この密着層56上には、第1電極60と、厚さが2μm以下、好ましくは0.3〜1.5μmの薄膜である圧電体層70と、第2電極80とが、積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、本形態における圧力発生手段であり、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、密着層56、第1電極60及び必要に応じて設ける絶縁体膜が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50や密着層56を設けなくてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
かかる圧電素子300の個別電極である第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、弾性膜50上や必要に応じて設ける絶縁体膜上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
圧電素子300が形成された流路形成基板11上、すなわち、第1電極60、弾性膜50や必要に応じて設ける絶縁体膜及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板11の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。また、流路形成基板11の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板11に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板11と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、必要に応じて設ける絶縁体膜等)にマニホールド100と各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板11の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本形態では、流路形成基板11と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成してある。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられており、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍が、貫通孔33内に露出するように構成してある。
一方、保護基板30上には、後に詳述する制御部(図2〜図4には図示せず)で制御されて圧電素子300を駆動する駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
かかる記録ヘッド10では、図示しない外部のインク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの駆動信号にしたがい、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧が印加され、弾性膜50、密着層56、第1電極60及び圧電体層70を撓み変形させることにより、振動部として機能する弾性膜50を介して各圧力発生室12内のインクに前記変形に伴う振動を伝達させる。この結果、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル21からインク滴が吐出される。
図5はインクジェット式記録装置Iの制御系を示すブロック線図である。同図に示すように、インクジェット式記録装置I内には、インクジェット式記録装置Iの制御を行う制御部110が設けられている。制御部110は、CPU111と、装置制御部112と、容量性負荷である圧電素子300の駆動回路であるヘッド制御部113とを備えている。
さらに詳言すると、CPU111からキャリッジ3(図1参照)の移動を示す信号が装置制御部112に入力されると、装置制御部112は、駆動モーター6を駆動させてキャリッジ3をキャリッジ軸5に沿って移動させるとともに、CPU111からの記録シートS(図1参照)の搬送を示す信号が装置制御部112に入力され、装置制御部112は、供給ローラー23を駆動して記録シートSを搬送させる。
一方、ヘッド制御部113には、CPU111からヘッドの駆動信号S1を生成するためのアナログ信号S2及び当該ヘッド制御部113の動作の制御を行う制御信号S3が入力される。この結果、ヘッド制御部113はインクジェット式記録ヘッド10の各圧電素子300に駆動信号S1を選択的に印加してインクを吐出させる。ここで、インクジェット式記録ヘッド10は図示しないドライバーICがCPU111からヘッド制御信号を供給されて各圧電素子300を選択的に駆動させる。
本形態におけるインクジェット式記録装置Iのフラッシングの際には、フラッシング用の駆動信号S4を使用する。図6はフラッシング用の駆動信号S4の一例を示す波形図である。同図に示すように、駆動信号S4は、収縮要素A1により圧電素子300(図2参照;以下同じ)を駆動して圧力発生室12(図2参照;以下同じ)の容積を縮小させることによりノズル21(図2参照;以下同じ)からインク滴を吐出させる。その後、維持要素A2で一定時間吐出動作の終了時点の状態を維持した後、膨張要素A3により圧電素子300を駆動して圧力発生室12の容積を膨張させることによりインクを圧力発生室12側に引込む。この際、膨張要素A3は短時間で、急激に大きく電位が変化する波形とすることで、インクのメニスカスが小径ノズル21Aと大径ノズル21Bとの境界部位まで引込まれるようにしている。このように膨張要素A3を形成することでインクの引込みに伴い気泡を取り込むようになっている(気泡の取込み態様に関しては図6に基づき後に詳説する)。膨張要素A3による所定の引込み動作が終了した時点で駆動信号S4は維持要素A4で膨張要素A3の終了時の状態を所定時間維持し、その後収縮要素A5によりフラッシング用のインク吐出を行なわせる。
ここで、図6に点線で示すように、膨張要素A3′による引込みを弱くし、引込み動作に伴うインクのメニスカスの移動が小径ノズルの途中に止まった場合には、膨張要素A3′の終了後、維持要素A4′を経て収縮要素A5′に移行させた場合でも気泡を取り込むことはできない。この点の動作に関しても、図7に基づき後に詳説する。
図7は駆動信号S4の波形とノズル21におけるインクによるメニスカスの関係を示す説明図である。図6に示すように、収縮要素A1によるインク滴の吐出後に維持要素A2を経て膨張要素A3により急激にメニスカスMを引込むと、メニスカスMは小径ノズル21Aと大径ノズル21Bの境界部分である段差部よりも圧力発生室側に至る位置まで引込まれる。このとき、図7(a)に示すように、ノズル21内の軸方向に関する中心部におけるインク36は、図7(a)中に矢印で示すように、圧力発生室12側(図7中では上方;以下同じ)へ引き込まれるのに対し、ノズル21の内周面近傍のインク36はノズル21の内周面との流体抵抗等により中心部のインクの動きに追従できず小径ノズル21Aとの段差部に向かう。この結果、メニスカスMは圧力発生室側に大きく膨らむ。かかる状態で維持要素A4を経て駆動信号S4の収縮要素A5が供給されると、図7(b)に示すように、ノズル21の中心部と内周面近傍とのインク36の流方向の相違に起因してメニスカスMの凹部が形成され、この凹部に空気(気泡37)が取り込まれる。
その後、図7(c)に矢印で示すように、収縮要素A5においてインク36の流が揃ってノズル21の外部に向かうようになると、気泡37が完全にインク36内に取り込まれる。かくして本形態におけるフラッシング動作に伴うインク36の吐出は気泡37をインク内に内包した状態で行われる。かかる吐出は高周波で繰り返される。この結果、気泡37を含むインク36がノズル21内でその軸方向で振動され、ノズル21の内周面に付着して固化したインクを含む異物を剥離させてノズル21の外部に吐出させることができる。かかる振動は、インク36のみによるものではなく、インク36内に気泡37を内包させた状態で行われるので、インク36を効率的に振動させることができる。この結果、少ないフラッシング回数で良好な異物の排除を行うことができる。この結果、クリーニングに較べて廃棄するインクが少なくてすみ、少ないインクでノズルの吐出能力の回復が可能となる。
一方、図6に点線で示すような膨張要素A3′および維持要素A4′を経た後、収縮要素A5′で圧電素子300を駆動した場合には、図7(a)に対応させた状態である図7(d)に示すように、インク36を引込む膨張要素A3′が終了した時点でのメニスカスMは小径ノズル21Aの途中に止まる。かかる状態から維持要素A4′を経て収縮要素A5′に移行した場合、図7(b)および図7(c)に対応させた状態は、図7(e)および図7(f)に示すようになる。すなわち、メニスカスMが小さく振動するだけで、気泡37を巻込んでの振動ではない。このため、高周波数で振動させてもノズル21の内周面の異物を排除するには至らない。
このように本形態は、気泡37を巻込むことができるような膨張要素A3でメニスカスMを引込むことが必須であるが、これはメニスカスMを一気に小径ノズル21Aと大径ノズル21Bの境界部位まで引込むことで実現できる。
次に、特定のフラッシング用の駆動信号を印加して圧電素子を駆動した場合のシミュレーション結果について説明しておく。図8は当該フラッシングシミュレーションに用いた駆動波形を示す波形図、図9および図10は図8の各部に対応するメニスカスの態様を示すシミュレーション画像である。なお、図9および図10中、図7と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように駆動信号S5はインクの吐出を行う収縮要素、維持要素、インクの引込みを行う膨張要素、維持要素、再度インクの引込みを行う膨張要素、維持要素、インクの吐出を行う収縮要素が高周波数で繰り返される波形となっている。本例は、圧力発生室の膨張によるインクの引込みを膨張要素の途中に維持要素を含む二段の膨張要素で行うようになっている。図9および図10は図8の符号A〜Iにそれぞれ対応させてある。ここで、符号Fに対応する維持要素のシミュレーション画像は図10(f−1)〜図10(f−4)へと時系列に並べてある。
これらの図を参照すれば、図10(f−3)の状態でインク36に対する気泡37の取込みが開始され、図10(g)および図10(h)ではインク36に気泡37が完全に囲まれ、図10(i)において気泡37を取り込んだインク36が吐出される様子が明示されている。
本シミュレーション結果を参照すれば、駆動信号S5を用いてフラッシング動作を行なうことにより、図10(i)に示すように気泡37を完全に包み込んだインクを高周波数で振動させることができることが明確になった。
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態における記録装置Iは、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電素子を用いた圧電アクチュエーターを具備するもので説明したが、これに限定する必要はない。例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子を用いた圧電アクチュエーター等を使用することもできる。
さらに、図1に示す実施の形態は、記録シートSの搬送方向と交差する方向(主走査方向)に移動するキャリッジ3に記録ヘッドユニット1A,1Bを搭載し、記録ヘッドユニット1A,1Bを主走査方向に移動させながら印刷を行う、いわゆるシリアル型のインクジェット式記録装置であるがこれに限るものではない。記録ヘッドが固定されて記録シートSを搬送するだけで印刷を行う、いわゆるライン式のインクジェット記録装置であっても、勿論構わない。
また、上記実施の形態では、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ
)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体
有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
I 記録装置(インクジェット式記録装置)、 1A、1B 記録ヘッドユニット、
10 記録ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)、 12 圧力発生室、 21 ノズ
ル開口、 21A 小径ノズル、 21B 大径ノズル、36 インク、 37 気泡、110 制御部、 300 圧電素子、 S4,S5 駆動信号、 M メニスカス

Claims (2)

  1. 液体を噴射させるノズルと、前記ノズルに連通し液体が充填される圧力発生室と、前記液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を制御する制御部と、を有する液体噴射ヘッドの制御方法であって、
    前記ノズルは、少なくとも第1開口および第1開口よりも前記圧力発生室側に設けられ該第1開口の開口径よりも大きい第2開口とを有し、
    前記制御部は、前記第1開口と第2開口の境界よりも前記圧力発生室側に液体のメニスカスを位置させるように圧力発生室を膨張させて、前記液体の内部に気泡を取り込み、前記圧力発生室を収縮させることによって、前記気泡と共に液体を排出させることを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
  2. 液体を噴射させるノズルと、前記ノズルに連通し液体が充填される圧力発生室と、前記液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を制御する制御部と、を有する液体噴射ヘッドの制御装置であって、
    前記ノズルは、少なくとも第1開口および第1開口よりも前記圧力発生室側に設けられ該第1開口の開口径よりも大きい第2開口を有し、
    前記制御部は、前記第1開口と第2開口の境界よりも前記圧力発生室側に液体のメニスカスを位置させるように圧力発生室を膨張させて、前記液体の内部に気泡を取り込み、前記圧力発生室を収縮させることによって、前記気泡と共に液体を排出させるように前記圧力発生手段を制御することを特徴とする液体噴射装置の制御装置。
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