JP2014193558A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 波形が異なる複数種類のフラッシング用駆動信号でフラッシング動作を行わせる場合において、待機時間を作ることなく合理的に所定のフラッシング動作を実行し得る液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 圧力発生室内のインクを吐出させるノズル開口を備えた液体噴射ヘッド本体と、インクの通常吐出を行わせる通常吐出用駆動信号S1の他にフラッシング用駆動信号S2を生成するとともに、フラッシング用駆動信号S2で前記圧力発生手段を駆動させてフラッシング動作を行わせる制御手段とを有する液体噴射装置であって、前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号S2は、複数種類のインクに共通の波形の標準フラッシング用駆動信号S21と、インクの種類に固有の波形の個別フラッシング用駆動信号S22とを1周期中に直列に含み、標準フラッシング用駆動信号S21と個別フラッシング用駆動信号S22を含む周期を所定回数繰り返してフラッシングを行うように制御する。
【選択図】 図5
【解決手段】 圧力発生室内のインクを吐出させるノズル開口を備えた液体噴射ヘッド本体と、インクの通常吐出を行わせる通常吐出用駆動信号S1の他にフラッシング用駆動信号S2を生成するとともに、フラッシング用駆動信号S2で前記圧力発生手段を駆動させてフラッシング動作を行わせる制御手段とを有する液体噴射装置であって、前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号S2は、複数種類のインクに共通の波形の標準フラッシング用駆動信号S21と、インクの種類に固有の波形の個別フラッシング用駆動信号S22とを1周期中に直列に含み、標準フラッシング用駆動信号S21と個別フラッシング用駆動信号S22を含む周期を所定回数繰り返してフラッシングを行うように制御する。
【選択図】 図5
Description
本発明は液体噴射装置に関し、特にフラッシングを行う場合に適用して有用なものである。
液体噴射装置として、記録媒体を紙送り方向へ送りながら記録データに従ってインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドともいう)からインク滴(液体)を吐出して印刷を行うインクジェット式記録装置が知られている。記録ヘッドは、圧電素子の変位により圧力発生室のインクを加圧してノズル開口から外部に吐出させている。このため、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度上昇やインク固化、ノズルへの塵埃付着や気泡混入等によりノズルに目詰まりが生じる場合がある。そこで、インクジェット式記録装置では、非印刷領域において記録ヘッドのノズル形成面をキャッピング手段で封止し、このキャッピング手段内に吸引ポンプでインクを吸引排出し、記録ヘッドのノズル形成面をワイピング手段で払拭(ワイピング)し清掃している。また、インクジェット式記録装置は、ノズル開口から非印刷領域(フラッシング領域)にインクを吐出するフラッシング(空吐出動作)と呼ばれる動作も行っている(例えば特許文献1参照)。
かかるフラッシングの際には所定のフラッシング用駆動信号(フラッシング用にインクを吐出するための駆動信号)で圧電素子を駆動することにより圧力発生室のインクを加圧している。ここで、インクには、標準的に用いられるブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の他に、印刷用途によっては、ホワイト(W)やシルバーメタリック(SM)等の機能性インクを用いる場合を考える。その場合、標準的に用いられるインクを吐出する記録ヘッドのフラッシングの際には共通の波形の標準フラッシング用駆動信号を用いることができるが、ホワイト(W)やシルバーメタリック(SM)等の機能性インクを吐出する記録ヘッドのフラッシングの際には波形が異なる個別フラッシング用駆動信号を用いる必要がある。ホワイト(W)やシルバーメタリック(SM)等のインクは、標準的に用いられるインクに較べて粘性等の物性値が大きく異なり、圧電素子を大きく変位させる等の個別の対応が必要であるからである。
そこで、従来におけるホワイト(W)やシルバーメタリック(SM)等の機能性インクを吐出する記録ヘッドを含む場合のフラッシングは、図8に示すような波形のフラッシング用駆動信号を用いて行っている。図8に示すように、従来のフラッシング用駆動信号は、標準的に用いられるブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)用の標準フラッシング用駆動信号S01、ホワイトフラッシング用駆動信号S02、シルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03の3種類の駆動信号を有しており、まず標準フラッシング用駆動信号S01を用いて所定周期M(Mは自然数で、例えばM=250)のフラッシング動作を行わせ、続いてホワイトフラッシング用駆動信号S02を用いて所定周期のホワイトインクのフラッシング動作を行わせ、その後シルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03を用いて所定周期Mのシルバーメタリックインクのフラッシング動作を行わせている。なお、ここではホワイトフラッシング用駆動信号S02およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03が個別フラッシング用駆動信号である。
そこで、従来におけるホワイト(W)やシルバーメタリック(SM)等の機能性インクを吐出する記録ヘッドを含む場合のフラッシングは、図8に示すような波形のフラッシング用駆動信号を用いて行っている。図8に示すように、従来のフラッシング用駆動信号は、標準的に用いられるブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)用の標準フラッシング用駆動信号S01、ホワイトフラッシング用駆動信号S02、シルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03の3種類の駆動信号を有しており、まず標準フラッシング用駆動信号S01を用いて所定周期M(Mは自然数で、例えばM=250)のフラッシング動作を行わせ、続いてホワイトフラッシング用駆動信号S02を用いて所定周期のホワイトインクのフラッシング動作を行わせ、その後シルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03を用いて所定周期Mのシルバーメタリックインクのフラッシング動作を行わせている。なお、ここではホワイトフラッシング用駆動信号S02およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03が個別フラッシング用駆動信号である。
しかしながら、図8に示すフラッシング用駆動信号でフラッシングを行った場合には、例えば標準フラッシング用駆動信号S01によりフラッシングを行い、次に個別フラッシング用駆動信号によりフラッシングを行うまで、すなわちホワイトフラッシング用駆動信号S02およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03でフラッシングを行うまではフラッシング動作が休止され、待機しているので、その間にホワイトインクやシルバーメタリックインクが増粘してしまうという問題があった。そして、例えば標準フラッシング用駆動信号S01によりフラッシングを行った後、個別フラッシング用駆動信号によるフラッシングが終了するまで、すなわちホワイトフラッシング用駆動信号S02およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S03でのフラッシングが終了するまではフラッシング動作が休止され、待機しているので、その間にブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のインクが増粘してしまうという問題があった。
なお、このような問題は、インクを噴射するインクジェット式記録装置だけではなく、他の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明は、上記従来技術に鑑み、複数種類のフラッシング用駆動信号でフラッシング動作を行わせる場合において、待機時間を減らしてフラッシング動作を実行し得る液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の構成は、液体が充填される圧力発生室、駆動信号の供給により前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段および前記圧力変化に伴い前記圧力発生室内の液体を吐出させるノズル開口を備えた液体噴射ヘッド本体と、前記液体の通常吐出を行わせる通常吐出用駆動信号とフラッシング用駆動信号とを生成するとともに、前記フラッシング用駆動信号で前記圧力発生手段を駆動させてフラッシング動作を行わせる制御手段とを有する液体噴射装置であって、
前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号は、第1液体の第1フラッシング信号と、第2液体の第2フラッシング信号とを1周期中に直列に含み、
前記フラッシング動作は、前記フラッシング用駆動信号を所定周期繰り返してフラッシングを行う動作であることを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、1周期の期間に第1フラッシング信号、第2フラッシング信号が含まれるので、1周期に一回は必ずフラッシング動作が行われ、次のフラッシング動作までに待機する時間が極めて短く、ほぼ連続的にフラッシング動作が行われる。したがって、次のフラッシング動作までの待機時間で液体が固化してしまうというような不都合を未然に回避し得る。また、フラッシング期間の短縮化も図ることができ、装置の全体的なスループットの向上を図ることもできる。さらに、1周期中に必ず液体の吐出モードを有するので、増粘防止を目的とした微振動波形等を挿入する必要もない。
前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号は、第1液体の第1フラッシング信号と、第2液体の第2フラッシング信号とを1周期中に直列に含み、
前記フラッシング動作は、前記フラッシング用駆動信号を所定周期繰り返してフラッシングを行う動作であることを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、1周期の期間に第1フラッシング信号、第2フラッシング信号が含まれるので、1周期に一回は必ずフラッシング動作が行われ、次のフラッシング動作までに待機する時間が極めて短く、ほぼ連続的にフラッシング動作が行われる。したがって、次のフラッシング動作までの待機時間で液体が固化してしまうというような不都合を未然に回避し得る。また、フラッシング期間の短縮化も図ることができ、装置の全体的なスループットの向上を図ることもできる。さらに、1周期中に必ず液体の吐出モードを有するので、増粘防止を目的とした微振動波形等を挿入する必要もない。
また、本発明の他の態様は、液体が充填される圧力発生室、駆動信号の供給により前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段および前記圧力変化に伴い前記圧力発生室内の液体を吐出させるノズル開口を備えた液体噴射ヘッド本体と、前記液体の通常吐出を行わせる通常吐出用駆動信号とフラッシング用駆動信号とを生成するとともに、前記フラッシング用駆動信号で前記圧力発生手段を駆動させてフラッシング動作を行わせる制御手段とを有する液体噴射装置であって、前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号は、第1液体の第1フラッシング信号と、第2液体の第2フラッシング信号とを1周期中に含み、前記第1フラッシング信号と第2フラッシング信号とをそれぞれ含む周期を並列的に所定回数繰り返してフラッシングを行うように制御するものであることを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、第1フラッシング信号と、第2フラッシング信号とを個別に1周期中に含み、第1フラッシング信号と第2フラッシング信号とをそれぞれ含む周期を並列的に所定回数繰り返してフラッシングを行っているので、上記態様よりもさらにフラッシング動作中の待機時間が短縮され、その分さらに効果的に液体の固化を防止し得る。
本態様によれば、第1フラッシング信号と、第2フラッシング信号とを個別に1周期中に含み、第1フラッシング信号と第2フラッシング信号とをそれぞれ含む周期を並列的に所定回数繰り返してフラッシングを行っているので、上記態様よりもさらにフラッシング動作中の待機時間が短縮され、その分さらに効果的に液体の固化を防止し得る。
ここで、第2フラッシング用駆動信号は、ホワイトインクをフラッシング吐出させるためのホワイトフラッシング用駆動信号と、シルバーメタルインクをフラッシング吐出させるための、前記ホワイトフラッシング用駆動信号とは波形が異なるシルバーメタルフラッシング用駆動信号のうち少なくとも1種類を含ませることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。同図に示すように、本形態に係るインクジェット式記録装置Iは、詳しくは後述するインクジェット式記録ヘッド本体(以下、単に記録ヘッド本体ともいう)10を有しており、さらに記録ヘッド本体10にインクを供給する供給手段を構成するインクカートリッジ2が着脱可能に設けられている。記録ヘッド本体10を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。同図に示すように、本形態に係るインクジェット式記録装置Iは、詳しくは後述するインクジェット式記録ヘッド本体(以下、単に記録ヘッド本体ともいう)10を有しており、さらに記録ヘッド本体10にインクを供給する供給手段を構成するインクカートリッジ2が着脱可能に設けられている。記録ヘッド本体10を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。
記録ヘッド本体10は、それぞれブラックインクおよび所定のカラーインクを吐出する。ここで、本形態におけるインクにはブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の他に、ホワイト(W)やシルバーメタリック(SM)等の機能性インクも含まれる。
また、キャリッジ軸5の一端部近傍には、駆動モーター6が設けられており、駆動モーター6の軸の先端部には外周に溝を有する第1のプーリー6aが設けられている。さらに、キャリッジ軸5の他端部近傍には、駆動モーター6の第1のプーリー6aに対応する第2のプーリー6bが回転可能に設けられており、これら第1のプーリー6aと第2のプーリー6bとの間には環状でゴム等の弾性部材からなるタイミングベルト7が掛けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力がタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッド本体10を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って主走査方向に移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図示しない紙送りモーターの駆動力により回転できるようになっており、給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて副走査方向に搬送される。
非印字領域に配設されたフラッシング領域41ではフラッシング動作に伴い、記録ヘッド本体10から吐出されたインクを吸収材(図示せず)に吸収させるようになっている。すなわち、フラッシング時には、キャリッジ軸5に沿いキャリッジ3とともに記録ヘッド本体10がフラッシング領域41に移動し、このフラッシング領域41でフラッシング動作(空吐出)を行う。かかるフラッシング動作に関しては後に詳述する。
次に、上述のようなインクジェット式記録装置Iに搭載されるインクジェット式記録ヘッド本体について説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるインクジェット式記録ヘッド本体の一例を示す断面図である。図2に示すインクジェット式記録ヘッド本体10は、縦振動型の圧電素子18を有するタイプであり、流路基板11には、複数の圧力発生室12が並設され、流路基板11の厚さ方向(図中の上下方向)の両側は、各圧力発生室12に対応してノズル開口13を有するノズルプレート14と、振動板15とにより封止されている。ここで、ノズル開口13は、径が開口に向かって漸小されるテーパー形状に形成されている。
また、流路基板11には、各圧力発生室12毎にそれぞれインク供給口16を介して連通されて複数の圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド17が形成されている。マニホールド17にはケースヘッド23および振動板15を貫通してインクを導入するインク供給路24の一方(図中、下端側)の開口部が臨んでいる。インク供給路24の他方(図中、上端側)の開口部は流路25を介してインクを貯留しているインクカートリッジ2に連通されている。
ここで、振動板15は、例えば樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜28と、この弾性膜28を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板29との複合板で形成されており、弾性膜28側が流路基板11に接合されている。例えば、本形態では、弾性膜28は、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムからなり、支持板29は、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。また、振動板15の各圧力発生室12に対向する領域内には、圧電素子18の先端部が当接する島部30が設けられている。この圧電素子18の先端面は、接着剤によって島部30に接合されている。すなわち、振動板15の各圧力発生室12の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部31が形成されて、この薄肉部31の内側にそれぞれ島部30が設けられている。また、本形態では、振動板15のマニホールド17に対向する領域に、薄肉部31と同様に、支持板29がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜28のみで構成されるコンプライアンス部32が設けられている。コンプライアンス部32は、マニホールド17内の圧力変化が生じた時に、コンプライアンス部32の弾性膜28が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド17内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
さらに、圧電素子18は、圧電材料19と、電極形成材料20、21とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層され、振動に寄与しない不活性領域が固定基板22を介してケースヘッド23に固着されている。なお、固定基板22と、振動板15、流路基板11及びノズルプレート14とは、ケースヘッド23を介して一体的に固定されている。
このように構成されたインクジェット式記録ヘッド本体(以下、記録ヘッド本体ともいう)10では、インクカートリッジ2に連通される流路25およびインク供給路24を介してマニホールド17にインクが供給され、インク供給口16を介して各圧力発生室12に分配される。かかる状態で駆動信号に基づき圧電素子18に電圧を印加することにより圧電素子18を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子18と共に変形されて(図中上方向に引き上げられて)圧力発生室12の容積が広げられ、圧力発生室12内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口13に至るまでの内部をインクで満たした後、駆動信号に基づき圧電素子18の電極形成材料20及び21に印加していた電圧を反転させると、圧電素子18が伸張されて圧力発生室12の容積を収縮させる。これにより、圧力発生室12の内部圧力が高まりノズル開口13からインク滴が吐出される。すなわち、本形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として縦振動型の圧電素子18が設けられている。
図3は記録ヘッド本体10をノズルプレート14側から見たノズル配列を示す説明図である。同図に示すように、本形態における記録ヘッド本体10では、フラッシングを標準フラッシング用駆動信号で行い得るブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)を吐出するノズル開口13からなるノズル列K,C,M,Yが図中上側から主走査方向Xに沿って並設されており、下端部にフラッシングを個別フラッシング用駆動信号で行うホワイト(W)およびシルバーメタリック(SM)を吐出するノズル列W,SMが図中上側から順に並設されている。
図4はインクジェット式記録装置Iの制御系を示すブロック線図である。同図に示すように、インクジェット式記録装置I内には、インクジェット式記録装置Iの制御を行う制御部110が設けられている。制御部110は、CPU111と、装置制御部112と、容量性負荷である圧電素子18を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部113とを備えている。
かかる制御系において、CPU111からキャリッジ3(図1参照)の移動を示す信号が装置制御部112に入力されると、装置制御部112は、駆動モーター6を駆動させてキャリッジ3をキャリッジ軸5に沿って移動させるとともに、CPU111からの記録シートS(図1参照)の搬送を示す信号が入力され、装置制御部112は、給紙ローラー(図示せず)を駆動して記録シートSを搬送させる。
一方、駆動信号生成部113は、CPU111から各種の駆動信号を生成するためのデータとともに、吐出モードであるか、フラッシングモードであるかを判断して各モードに適合する駆動信号を記録ヘッド本体10に送出する。かくして、記録ヘッド本体10の各圧電素子18に駆動信号を選択的に印加し、インクを吐出させる。ここで、本形態においては、所定の印刷等を行うための通常吐出用駆動信号S1とフラッシング動作を行わせるためのフラッシング用駆動信号S2の2種類の駆動信号が生成される。このため、本形態における駆動信号生成部113は、2種類の駆動信号のいずれか一方を選択する切替器114を有するとともに、通常吐出信号生成部113Aおよびフラッシング信号生成部113Bを有している。そして、通常吐出信号生成部113Aからは通常吐出用駆動信号S1が、フラッシング信号生成部113Bからは、フラッシング用駆動信号S2がそれぞれ出力される。通常吐出用駆動信号S1またはフラッシング用駆動信号S2のいずれか一方の選択のための切替はCPU111からの制御信号により、切替器114で行う。
ここで、フラッシング用駆動信号S2は、後に詳述するが、本形態では標準フラッシング用駆動信号S21および個別フラッシング用駆動信号S22を含む。さらに、本形態の場合には個別フラッシング用駆動信号S22が、ホワイトフラッシング用駆動信号S221とシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222とを含む。標準フラッシング用駆動信号S21は、標準的なインクであるブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)を吐出するノズル列K、C、M、Y(図3参照)のフラッシングを行う際に用いる。個別フラッシング用駆動信号S22は、標準的なインクとは物性値等が異なるインクに関するフラッシングを行う場合に用いる信号で、本形態では、ホワイトインクを吐出するノズル列W(図3参照)、シルバーメタリックインクを吐出するノズル列SM(図3参照)のフラッシングを行う際に用いる。
かくして、通常吐出信号生成部113Aからは通常吐出用駆動信号S1が、フラッシング信号生成部113Bからは、標準フラッシング用駆動信号S21、ホワイトフラッシング用駆動信号S221およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222がそれぞれ出力される。
図5は図4の駆動信号生成部113で生成される各駆動信号の波形の例を示す波形図である。通常吐出用駆動信号S1は、図5(a)に示すように、本形態の場合、1周期内に微振動部S1Vから始まりラージドット用の駆動部S1L、ミドルドット用の駆動部S1Mおよびスモールドット用の駆動部S1Sを有する信号である。ここで、微振動とは、ノズル開口13からインク滴を吐出させることなく圧力発生室12内のインクを振動させることをいう。これは、特に外気に触れて乾燥しやすい、ノズル開口13近傍のインクを振動させて高粘度化を防止するために行う。
フラッシング用駆動信号S2は、図5(b)に示すように、1周期の期間に、順に標準フラッシング用駆動信号S21、個別フラッシング用駆動信号S22のホワイトフラッシング用駆動信号S221およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222が含まれており、かかる1周期分のフラッシング用駆動信号S2が所定回数(例えばM回)繰り返される。ここで、標準フラッシング用駆動信号S21、個別フラッシング用駆動信号S22であるホワイトフラッシング用駆動信号S221およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222は、CPU111から供給される制御信号に基づきそれぞれの時間要素を適宜設定することでそれぞれに最適な波形となるように成形される。ここで、標準フラッシング用駆動信号S21は、通常吐出用駆動信号S1が、ラージドット用の駆動部S1L、ミドルドット用の駆動部S1Mおよびスモールドット用の駆動部S1Sを有する信号であるのに対し、駆動部S1L、S1M、S1Sのいずれか1つのみを有する信号として成形し得る。なお、1周期の期間に、各駆動信号をどの順番で並べるかは任意であり、1周期の期間に各駆動信号を一回ずつ含めるものに限られず、少なくとも一種の駆動信号を複数回含めてもよい。具体的には、1周期の期間に順に、ホワイトフラッシング用駆動信号S221、シルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222、ホワイトフラッシング用駆動信号S221、標準フラッシング用駆動信号S21が含まれており、かかる1周期分のフラッシング用駆動信号S2が所定回数繰り返されるようにしてもよい。
このように、本形態では1周期の期間に標準フラッシング用駆動信号S21、個別フラッシング用駆動信号S22であるホワイトフラッシング用駆動信号S221およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222が含まれるので、1周期に一回は必ずフラッシング動作が行われ、次のフラッシング動作までに待機する時間が極めて短く、ほぼ連続的にフラッシング動作が行われる。したがって、次のフラッシング動作までの待機時間でインクが固化してしまうというような不都合を未然に回避し得る。したがって、図8に示す従来のフラッシング動作の場合において必要とされていた微振動波形を挿入する必要もない。
また、本形態によれば、1周期の期間内でフラッシング動作によりインクが吐出されるノズル列K、C、M、Yとノズル列W,SMを図3に示すように離すことができ、隣接するノズル列間で連続吐出が行われた場合に発生し易いインク滴の回り込みに起因するノズルプレート14面へのミスト状のインク滴の付着も有効に防止し得る。
上記実施の形態においては、標準フラッシング用駆動信号S21と個別フラッシング用駆動信号S22は1個の回路を用いて直列に出力させるようにしたが、回路を2個用意すれば、標準フラッシング用駆動信号S21と個別フラッシング用駆動信号S22とを並列に出力させることもできる。この場合の制御系を図6に、また図6の制御系において生成されるフラッシング用駆動信号S2の波形を図7に示す。なお、図6および図7において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図6に示すように、本形態における駆動信号生成部115は、通常吐出信号生成部113A、標準フラッシング信号生成部113Cおよび個別フラッシング信号生成部113Dを有している。そして、標準フラッシング信号生成部113Cからは、標準フラッシング用駆動信号S21が、個別フラッシング信号生成部113Dからはホワイトフラッシング用駆動信号S221およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222からなる個別フラッシング用駆動信号S22がそれぞれ出力される。通常吐出用駆動信号S1かフラッシング用駆動信号S2(標準フラッシング用駆動信号S21および個別フラッシング用駆動信号S22)のいずれか一方の選択はCPU111からの制御信号に基づき切替器116で行う。
本形態によれば、図7(a)に示す標準フラッシング用駆動信号S21が1周期毎に繰り返され、同時に図7(b)に示すホワイトフラッシング用駆動信号S221およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号S222からなる個別フラッシング用駆動信号S22が1周期毎に繰り返されて所定のフラッシングが行われる。
したがって、本形態の場合がさらに待機時間を減じることができ、さらに良好にフラッシング動作に伴うインクの固化を回避し得る。ただ、回路が増える分コストは高騰する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限るものでは勿論ない。上述の実施の形態や以下の変形例を適宜組み合わせてもよい。例えば、どのインクをどのようなフラッシング用駆動信号にするかは、インクに応じて適宜設計する事項である。また、フラッシング用駆動信号は、標準フラッシング用駆動信号、ホワイトフラッシング用駆動信号およびシルバーメタリックフラッシング用駆動信号の3種類としたが、2種類でもよく、また4種類以上でも良い。もちろん、使用する全てのインク毎にフラッシング用駆動信号を用意してもよい。フラッシング波形の必要に応じ適宜設定し、いずれにしても複数種類のフラッシング用駆動信号が1周期に含まれ、該1周期を単位として繰り返すフラッシング用駆動信号であればよい。
上記実施の形態に係るインクジェット式記録ヘッド本体は圧電素子を有するヘッド本体であるが、所謂静電アクチュエーターなどの他の駆動素子を有するヘッド本体等にも同様に適用できる。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、記録ヘッド本体10がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、インクジェット式記録ヘッド本体が装置本体4に固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、いわゆるライン式記録装置にも勿論適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド本体全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッド本体にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッド本体としては、例えばプリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
I インクジェット式記録装置、 10 記録ヘッド本体(インクジェット式記録ヘッド本体)、 12 圧力発生室、 13 ノズル開口、 18 圧電素子、 110 制御部、 113,115駆動信号生成部、 114,116 切替器、 S1 通常吐出用駆動信号、 S2 フラッシング用駆動信号、 S21 標準フラッシング用駆動信号、 S22 個別フラッシング用駆動信号、 S221 ホワイトフラッシング用駆動信号、 S222 シルバーメタリックフラッシング用駆動信号
Claims (3)
- 液体が充填される圧力発生室、駆動信号の供給により前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段および前記圧力変化に伴い前記圧力発生室内の液体を吐出させるノズル開口を備えた液体噴射ヘッド本体と、前記液体の通常吐出を行わせる通常吐出用駆動信号とフラッシング用駆動信号とを生成するとともに、前記フラッシング用駆動信号で前記圧力発生手段を駆動させてフラッシング動作を行わせる制御手段とを有する液体噴射装置であって、
前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号は、第1液体の第1フラッシング信号と、第2液体の第2フラッシング信号とを1周期中に直列に含み、
前記フラッシング動作は、前記フラッシング用駆動信号を所定周期繰り返してフラッシングを行う動作であることを特徴とする液体噴射装置。 - 液体が充填される圧力発生室、駆動信号の供給により前記圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段および前記圧力変化に伴い前記圧力発生室内の液体を吐出させるノズル開口を備えた液体噴射ヘッド本体と、前記液体の通常吐出を行わせる通常吐出用駆動信号とフラッシング用駆動信号とを生成するとともに、前記フラッシング用駆動信号で前記圧力発生手段を駆動させてフラッシング動作を行わせる制御手段とを有する液体噴射装置であって、
前記制御手段で生成するフラッシング用駆動信号は、第1液体の第1フラッシング信号と、第2液体の第2フラッシング信号とを1周期中に含み、前記第1フラッシング信号と第2フラッシング信号とをそれぞれ含む周期を並列的に所定回数繰り返してフラッシングを行うように制御するものであることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項1または請求項2に記載する液体噴射装置において、
前記第2フラッシング信号は、ホワイトインクをフラッシング吐出させるためのホワイトフラッシング用駆動信号と、シルバーメタルインクをフラッシング吐出させるための、前記ホワイトフラッシング用駆動信号とは波形が異なるシルバーメタルフラッシング用駆動信号のうち少なくとも1種類を含むことを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013070725A JP2014193558A (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | 液体噴射装置 |
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JP2017065038A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | ブラザー工業株式会社 | 印刷装置及び印刷装置制御プログラム |
JP2017065037A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | ブラザー工業株式会社 | 印刷装置及び印刷装置制御プログラム |
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2013
- 2013-03-28 JP JP2013070725A patent/JP2014193558A/ja active Pending
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