JP2021040525A - 新規子嚢菌Pezizales sp.,及び新規子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の共生を利用した減肥料栽培及び減農薬及び無農薬栽培方法 - Google Patents

新規子嚢菌Pezizales sp.,及び新規子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の共生を利用した減肥料栽培及び減農薬及び無農薬栽培方法 Download PDF

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清太 宇井
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Abstract

【課題】使用する肥料や農薬の使用量を減らした作物の栽培方法に有効な新規微生物Pezizales sp.の提供【解決手段】新規微生物を、植物の一部または全体に散布するか、植物を栽培する土壌又は直物Pezizales sp.を栽培している土壌に散布する。【選択図】図4

Description

本発明は、新規な子嚢菌Pezizales sp.及び当該子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の共生を利用した世界的規模の環境改善方法に関し、具体的には、これ等の菌を土壌や作物に散布することにより、作物の病原菌などを不活性化して減肥料栽培及び減農薬及び無農薬栽培を実現するものである。
近代農業は、「地球の陸生の植物は全て枯れ落ち葉の中に自生している。」という、大自然の何億年も行われてきた木材腐朽菌、白色木材腐朽菌による枯れ落ち葉、植物死骸の再生循環の法則を無視し、より多くの収穫を得るために短絡的に多肥料栽培を行ない、その結果、病害虫の大発生が起こり、農薬を散布しなければ農業は出来ない状態にまでなっている。
現在の食糧生産は、1906年ハーバーとボッシュによって発明された「空気からアンモニアを作る」と言われた革命的なハーバー、ボッシュ法によって合成されたアンモニアを利用する窒素肥料によって行なわれ、現在の人類の食糧支えている。現在世界のアンモニアは年間1億5000万t生産されているが、その80%が肥料生産である。しかし、この合成法は非常に多くのエネルギーを必要とし、1年間のアンモニア量を生産するために石油換算で 14000億キロリットルを使用しているといわれ、全世界の石油消費量の約10%に相当する。
現在の世界の農業はこのアンモニア肥料の施与で産業として成立しているが、多肥料栽培により大量の硝酸態窒素が土壌に残留し、窒素が微生物によって脱窒素化され、二酸化炭素の300倍といわれる温室効果ガスの酸化窒素が放出され、地球温暖化の大きな一因となっている。
食糧は最大のビジネスであり、一つの戦略物資でもある。農薬を使わない農業では利益を確保できないことから、現在、世界中で農薬依存の農業が行なわれており、現在の世界の食料は農薬によって確保されているといっても過言ではない。
しかし、化学農薬の多用は、食物に残留するばかりでなく、土壌に蓄積した化学農薬成分は現在の科学では分解不可能であり、農薬の土壌汚染は、河川汚染となり、やがて海洋汚染となり、地球に生態系に大きな影響を及ぼしている。更に、病害菌、害虫を殺菌、殺虫罪で死滅、根絶する方法は耐性菌を、耐性害虫を生み、もはや、化学農薬ではバナナの例のように対策不可能になった作物が現れるまでになっている。遺伝子組み換え、ゲノム編集育種など現代の科学の総力を投じて耐性菌に対抗しているが、更にそれを超えた耐性菌を生むという悪循環に陥っているのが現状である。
このまま、現在の多肥料、農薬依存の農業で食糧生産すれば、土壌への残留農薬、耐性菌や耐性害虫の発生、地球全体への環境汚染が進み、更に、化学肥料の原料となる窒素の需要の増加は、アンモニア合成法によるエネルギー消費の増大をもたらし、石油枯渇問題、今後の人口増加に対応した食糧生産の大きな影響を及ぼすことが予想される。
このように、化学農薬では病害虫を根絶できないばかりか、耐性菌、耐性害虫の発生を促進させ、食糧生産が減少する事態になりかねず、さらに化学肥料の原料となるアンモニアの製造には大量の化石燃料が消費されるので、今後も農業を安定的に継続して営むためには、化学肥料や農薬に頼らない農業が求められている。
根粒菌を土壌改良剤として利用することは、古くから行われている。例えば、秋に種をまき、翌年の春に、育ったレンゲ草の葉や茎をそのまま鋤き込んで肥料とするレンゲ草栽培は、レンゲ草の根の根粒内で根粒菌によって固定された窒素分を肥料として利用するものであり、さらに、根粒菌自体を種々の担体に担持させた土壌改善剤も数多く提案されている(特許文献1〜3)。
一方、木材腐朽菌も、土壌改善用有機肥料とするため、有機質汚泥の分解に利用することが提案され(特許文献4,5)、本発明者も、緑化植物を効率的に短期間の中に栽植、順化可能とし、その後は永年に亘って健全且つ経済的に維持・管理することができる新たな木材腐朽菌自体を含む基体を開発した(特許文献6,7)。
特開2018−042466号公報 特開2007−136123号公報 特開2006−020553号公報 特開2000−153298号公報 特開2000−072581号公報 特許第5607663号公報 特許第5607665号公報
しかしながら、従来行われてきた木材腐朽菌や根粒菌による土壌改良の効果は限定的であり、しかも、本発明のように木材腐朽菌と根粒菌を共生させて利用しようとする思想自体も存在しなかった。
本発明の目的は、空中窒素固定能力と強い抗菌力及び強い有機物及び化学合成物の分解力、更に植物の生育を助ける菌根菌性を具備した新規の木材腐朽菌を利用した土壌改良、及び新規の木材腐朽菌を、単独空中窒素固定能力を有する根粒菌と共生させ、その優れた繁殖力を利用して病原菌などの他の雑菌を休眠状態とし、あわせて、これらの菌が高効率で空気中より固定した窒素分を肥料として利用することにより、地球規模で土壌を改良し、化学肥料や農薬を使用しないか、著しく削減できる新規な菌、及びその菌を利用する技術を提供することである。
木材腐朽菌と根粒菌は、世界中のほとんど全ての圃場に生息、繁殖する菌であり、本発明で用いる木材腐朽菌と根粒菌も、一般の木材腐朽菌と根粒菌と同様、エサとして糖を定期的に施与することで、永続的に生育繁殖させ、定着させることができる。
上記したように、世界は成熟した産業構造の中で、エネルギー枯渇、環境汚染、食料の農薬汚染、分解不可能なゴミ、生態系破壊、耐性菌の発生、資源の枯渇など、人類誕生以来の重大な問題に直面し、現代の科学では、それを解決できない状態が続いている。
本発明者は、この問題を解決するのは、大自然に学び自然の生態系再現する中にあることを考察し、特に2億8000万年前に地球に誕生し、植物の枯れ落ち葉、死骸を分解し、地球の炭素循環システムを構築してきたリグニン、セルロースを分解出来る唯一の菌である木材腐朽菌に着目した。この木材腐朽菌には子嚢菌、担子菌があるが、これまで子嚢菌内の白色木材腐朽菌は重要視されなかった。
<空中窒素固定能力を備えた木材腐朽菌>
本発明者はラン栽培を行っているので、ラン科植物と共生する菌根菌、即ちラン菌がPezizales sp.であることを世界で初めて発見した。更に、発明者は子嚢菌Pezizales sp.の菌類の中から空中窒素固定能力と強い抗菌力及び強い有機物及び化学合成物の分解力、更に植物の生育を助ける菌根菌性を具備した菌、更に空中窒素固定を行う根粒菌と相利共生能力を具備した菌を発見できれば、現代の社会に内包する諸問題を解決できるのではないかと考察して探索した結果、ラン栽培圃場から空中窒素固定、抗菌、分解力、菌根菌及び根粒菌と相利共生するというという全ての目的に合致した能力を具備した、ラン菌の一種である菌を発見した。この菌は、その子実体の形状などから推察するとPezizales sp.に属する菌であるので、以下「Pezizales sp.」と記載する。子嚢菌Pezizales sp.で空中窒素固定を行なう菌は、今まで知られていなかった。
<空中窒素固定能力を有する木材腐朽菌探索培養試験>
以下の窒素源が存在しない培養基1,2でコロニーを形成した菌を、空中窒素固定能力を有する菌と判定した。

培養基1
第一リン酸カリウム KH2PO4(和光純薬 試薬1級) 1g
マンニトール(和光純薬 試薬1級) 30g
寒天(和光純薬 試薬1級) 15g
精製水 1000cc
PH 6.5
300cc 3角フラスコ
通気ゴム栓
培養温度 15から20℃

培養基2
水酸化カリ(苛性カリ)(和光純薬 試薬1級) 1g
リン酸第二カルシウム(和光純薬 試薬1級) 1g
マンニトール(和光純薬 試薬1級) 30g
寒天(和光純薬 試薬1級) 15g
精製水 1000cc
PH 7.0
300cc 3角フラスコ
通気ゴム栓
培養温度 15から20℃

上記の二つの培養基に特許5607665号(特許文献7)の技術で、ランの根に共生した菌根菌を培養したところ、1種類のPezizales sp.のコロニーが発生した。二つの培養基で再現試験を何回行っても同じようにコロニーが発生形成した。図1に、発生したコロニーの写真を示す。
この菌はPezizales菌に属する未同定菌である。そのため世界菌学会の定めに従って「子嚢菌Pezizales sp.」と表記する。
新規に発見した子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.は、ハウス内に地植えを行い12年間にわたりヒマラヤの自生地の生態系を再現した、ラン科植物Cymbidium地植え栽培の土壌、菌根から発見されたラン科植物に共生する菌根菌であり、ラン菌の一種である。
この菌根菌木材腐朽菌の培養は、本発明者の特許第56007663号(特許文献6)、特許第5607665号(特許文献7)を利用したが、この方法で得られた複数のコロニーを、特殊な培地、即ち窒素源を削除した水1000cc、リン酸一カリウム1g、糖30g、PH6.0、寒天15gからなる培地を作成し、オートクレイブ殺菌し、冷却後上記のコロニーから採取した菌を割いて最低温度5℃、最高温度15℃の室内で静置培養した。この窒素源を削減した培地上で繁殖コロニー形成した菌を、窒素源を含有する水1000cc、硝酸カリュウム1g、リン酸第一カルシュウム1g、糖30g、PH6.5寒天15gからなる培地で、継代培養を数回行い多量の懸濁液を得た。この懸濁液を用い、後述する本発明の目的である減肥料及び減農薬及び無農薬栽培に必要となる多様な試験を行った。
<単独空中窒素固定する根粒菌>
従来、根粒菌は、宿主特異性を具備しているので特定のマメ科植物とのみと相利共生し、単独空中窒素固定を行う根粒菌が存在するとは考えられていなかったが、根粒菌の空中窒素固定について、これを利用できれば、更に多量の空中窒素固定が見込めるので、根粒菌Rhizobium sp.の中から、マメ科植物と共生をしなくても単独で土壌内で空中窒素固定を行う菌を探索した。
菌根菌の探索で用いたのと同じ窒素削除培養基でRhizobium sp.大豆根粒菌、えんどう根粒菌根の中から単独でも空中窒素固定を行う菌探索を行った。その結果、2種類の単独で空中窒素固定する菌を発見した。図2にそのコロニーの写真を示す。
根粒菌は栄養従属細菌であるので、ほとんどの根粒菌は、これまでマメ科植物と共生して空中窒素固定を行い、この植物が枯れると同時に根粒菌は活性を失い休眠に入ってしまう。このように、根粒菌による空中窒素固定は、共生する植物が光合成する期間限定であった。本発明により、この空中窒素固定を期間限定ではなく、作物収穫後の圃場でも継続して空中窒素固定を行えるようにしたことで、空中窒素固定をより効率的に行い、肥沃な土壌にすることで減肥料栽培でも収穫を確保することが可能になった。
<新規発見の子嚢菌Pezizales sp.菌根菌と新規発見根粒菌共生、相利共生培養試験>
以下の培養基3で、新規発見の子嚢菌Pezizales sp.菌根菌と新規発見根粒菌共生、相利共生培養試験を行った。図3に、発生したコロニーの写真を示す。
(1)は、新規発見の根粒菌Rhizobium sp.コロニーに後から新規発見の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.を接種したもの。
(2)は、逆に新規発見の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.のコロニーに後から新規発見の根粒菌Rhizobium sp.菌を接種したもの。(1)とは形状が少し異なる。
(3)は、新規発見の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.単独で発生したコロニーで、薄く平面上に形成される。
写真から明らかなように、子嚢菌木材腐朽菌と根粒菌が相利共生したコロニーは、菌糸の生産量が子嚢菌Pezizales sp.単独(3)と比べ格段に多いことがわかる。また、相利共生関係でも微妙に変化があり、(1)と(2)を比べると、子嚢菌木材腐朽菌が地球地表のキーパーソン菌であり、根粒菌は木材腐朽菌が産生する糖が無ければ土壌内では休眠する細菌であることを示している。
さらに、これら共生菌叢の空中窒素固定能力試験を行った。
(ア)無窒素培地(このような圃場はない)における空中窒素固定.能力試験
地球の地表、圃場の土壌で窒素を全然含有しないエリアは存在しないが、新規発見菌の空中窒素固定.能力を証明検証するための試験であり、以下の培地を使用した。

リン酸第一カリウム 1g(和光純薬1級)
マンニトール 30g(和光純薬1級)
寒天 15g(和光純薬1級)
精製水 1000cc

Pezizales sp.、根粒菌共生菌のを上記培地に添加したところ、図3(4)に示されるように、接種3日後にコロニーを形成した(普通の菌はコロニーを作れない)。
このコロニー形成で相利共生した菌叢が、炭素源が存在する条件下で空中窒素固定していることが実証された。
(イ)少量の窒素を含有する培地(圃場再現)における空中窒素固定.能力試験
圃場の土壌には一般に全作物が吸収しなかった窒素が残留している。このような圃場におけるPezizales sp.と相利共生した菌叢の空中窒素固定能力試験であり、以下の培地を使用した。

硝酸カリ 1g(和光純薬1級)
リン酸カルシウム 1g(和光純薬1級)
マンニトール 30g(和光純薬1級)
寒天 15g(和光純薬1級)
精製水 1000cc

Pezizales sp.、根粒菌共生菌を上記培地に添加したところ、図3(5)に示されるように、接種3日後に巨大なコロニーを形成した。
根粒菌がマメ科植物と共生し、マメ科植物が、根粒菌という細菌と共生するようになったのは、これまで炭素と窒素の相利共生であるとされている。しかし、根粒菌はマメ科植物が生息しないエリアでも生きており、この場合、根粒菌は何処から炭素源を調達してきているはずである。大豆の原種のツルマメGlycine sojaは、一年草の植物であり、秋には枯れて、茎葉は地面に堆積する。この枯れた茎葉を分解する菌は、木材腐朽菌であり、この木材腐朽菌により枯れた茎葉のリグニン、セルロースから低分子のブドウ糖が作られる。
本発明者は、根粒菌が、このブドウ糖を炭素源にして生きてきたのではないかと仮説を立て、新規発見の子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌を共生させる試験を行った結果、子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌が共生し、巨大な共生、共存菌叢を形成することを発見したのである。
子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.が、相利共生することは、本発明者により初めて明らかにされたが、その共生関係は以下のように説明できる。
子嚢菌Pezizales sp.は炭素源、窒素源、ミネラル源、水分、温度、空気があれば理論的には何処までも菌糸伸ばすことが出来き、枯れ落ち葉、植物死骸を分解してブドウ糖を作る。一方、根粒菌は、空中窒素固定.した窒素を子嚢菌Pezizales sp.に供給する代わりに、ブドウ糖を援助してもらう。
このように、根粒菌はマメ科植物と共生しなくても、子嚢菌Pezizales sp.と相利共生することで繁殖できる。更に、根粒菌は細菌のため、土壌の乾燥には弱く、乾燥状態になると直ぐに休眠しなければならないが、子嚢菌Pezizales sp.の菌糸と共生することで、植物の根毛より10倍も吸水力の強い菌糸から水分を調達できる。
図4は、子嚢菌Pezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.が、相利共生して増殖する過程を示す概念図である。(1)は、子嚢菌Pezizales sp.菌の禁止が伸び始めたころの状態で、根粒菌の数も少ない。子嚢菌Pezizales sp.菌の菌糸が伸びるにつれて根粒菌Rhizobium sp.も次々に生息エリアを拡大していき、(2)のように、根粒菌の数も多くなる。
圃場全体に、本発明の子嚢菌Pezizales sp.菌の菌糸が張り巡らせられれば、根粒菌の数が増え、子嚢菌Pezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.によって、高効率で空中窒素固定が行なわれる。
また、根粒菌は乾燥で直ぐに休眠しなければならない水生細菌である。マメ科植物の根と共生するのは、炭素源の調達と、マメ科植物の根が吸収する水分調達の二つの目的があったはずである。この点、子嚢菌Pezizales sp.菌根菌木材腐朽菌の菌糸は、植物の根毛より強力な吸水力を持っており、この菌糸と根粒菌が共生すれば、根粒菌は水調達でも困ることはなくなる。本発明者が子嚢菌Pezizales sp.の中で菌根菌特性に焦点を合わせて探索した理由である。
植物の根毛は、水分、イオン形態の窒素、ミネラルを吸収できるが、分子形態のケイ酸、アミノ酸、ブドウ糖を吸収できない。更に根毛の吸水力は弱く、短命で常に生え代わっていなければ吸水出来ない。光合成が不足すると新しい根毛を作ることが出来なくなるので、根毛作物は少しの悪条件で生育が大きく影響される。そこで、大自然の植物生態系に生きている植物のほとんどは、悪条件でも生き残るために菌根菌と共生している。
この自生地の原理原則を圃場に再現することで安定した栽培が可能になるはずである。本発明が子嚢菌Pezizales sp.菌根菌木材腐朽菌を新規発見した意味は、植物にとって地球は優しくないという現実であり、こういう圃場で安定した収穫を得るには、菌根菌の力を借りて栽培することが自然界の理に適っているのである。
しかし、これまでの農業は、木材腐朽菌、菌根菌の有用性を無視し、家畜の排泄物や化学肥料を重要視してきたので、施肥しても、養分が作物に十分吸収されない結果、肥料過多の土壌となり、この自然との乖離の隙間に病害虫が侵入してきたといえる。本発明は自然界の植物生態系を人為的に再現する技術である。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌は、各種の試験から、以下の特性を有することが判明した。
1 単独で空中窒素固定を行う。
2 窒素源のある場合でも単独で空中窒素固定を行う。
3 根粒菌と相利共生して、二つの菌で高い効率で空中窒素固定を行う。
4 酵母菌、その他の多様な微生物、病害菌を休眠、不活性化する。根粒菌、放線菌などのグループ菌と共存し休眠させない。殺菌ではないので耐性菌を生まない。
5 根粒菌、放線菌などのグループ菌と菌社会作り菌ネットワークを構築する。
6 0℃から45℃の温度域で生育、繁殖する。
7 木材腐朽菌であり、菌糸を具備している。
8 菌糸は炭素源、窒素源、ミネラル源、水分、温度、空気があれば、理論的には何処までも伸びることが出来る。
9 腐生型菌根菌木材腐朽菌のため土壌中に菌糸を伸ばせる。
10 枯れ葉、植物死骸のリグニン、セルロースを分解して低分子リグニン、ブドウ糖を作る。緑肥、作物残渣、食品残渣、食品加工残渣、畜産排泄物を分解する。
11 菌根菌であり、多様な植物、作物に共生し、分子形態のブドウ糖、ケイ酸、アミノ酸及びミネラル、水分、酸素を作物に供給し生育をサポートし、光合成促進、光合成を補完し、悪条件下での作物の生育をサポートする。
12 菌根菌がケイ酸を吸収し作物に供給することによって、作物は堅固な組織になり、病害虫、紫外線、強風、乾燥、高温、低温に対する耐性が強化される。
13 生きている植物組織、細胞には寄生しない。
14 嫌気性腐敗菌が出す臭気を消臭する。
15 PH4.0からPH11までの強酸性から強アルカリ土壌で生育繁殖できる。
16 高イオン濃度土壌、水中でも生育繁殖できる。
17 寒帯、温帯、熱帯の世界中の圃場で生育繁殖できる。
18 グループに糖、窒素、ミネラル、水分、酸素を供給し援助するキーパーソン菌である。
19 毒性成分を含有しない。
20 リグニンを分解出来る白色木材腐朽菌としての特性を具備している。
21 土壌水分含有率80%から水中でも生存、生育、繁殖できる。
22 毒性成分を含有しない。人畜無害菌である。(日本食品分析センターで試験済み)
23 全世界の寒帯、温帯、熱帯の圃場で生存、生育、定着できる。
本発明の木材腐朽菌Pezizales sp.は、上記の特性を有し、繁殖力が旺盛で、多様な微生物を休眠、不活性化する特性を有することから、糖をアルコール醗酵する酵母菌をも休眠させることができる。土壌にこのPezizales sp.を生息させれば、作物の病原菌を休眠・不活性化することが可能で、農薬の使用を大幅に削減できる。
また、本発明の木材腐朽菌Pezizales sp.の抗菌力と共に、枯れ葉、植物死骸のリグニン、セルロースを分解ししてブドウ糖を作り、菌根菌の菌糸が植物、作物にブドウ糖を供給し、更に菌糸がケイ酸を根に供給することでケイ酸細胞、ケイ酸クチクラ層を作り、更に菌糸のキチンが作物に体内免疫システムを構築させることで、自生地の植物と同じように圃場でも病害菌、吸汁害虫のアブラムシ、スリップスなどの発生を抑止することができる。
さらに、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、細菌の藍藻の生育繁殖を抑止する能力を具備しており、この特性を利用すれば水耕栽培、植物工場、畜産設備、浄化槽などの浄化も可能である。
さらに、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、木材腐朽菌の強力な分解能力を利用して、農薬、化学合成化合物により汚染された土壌を清浄化することが可能になり、圃場の再生循環が可能になる。
土壌にこのPezizales sp.を生息させるための炭素源として、多様な糖、グルコース、サッカロース、果糖、マンニトールなどの精製糖、植物残渣糖を土壌に施与すると、Pezizales sp.がそれらの糖から産生するブドウ糖を、Pezizales sp.の菌糸を介して植物の根に供給することができる。これまでの知見では、植物の根は分子形態の糖を供給できないとされていたが、本発明の菌根菌木材腐朽菌Pezizales sp.は多様な植物、作物の根と共生する菌根菌であり、このため、多くの植物、作物の根を菌根にすることで、分子形態のブドウ糖、ケイ酸、アミノ酸が吸収されるものと考えられる。
<腐生型菌根菌について>
本発明者が菌根菌の中から腐生型菌根菌を選択したのは、共生植物の根がない圃場、土壌でも菌糸を伸ばせるという特性を持っているからである。菌根菌には内生菌根菌、外生菌根菌、腐生型菌根菌があるが、前二者菌は共生植物の根に共生する菌であり、本発明には適合しない。
さらに、本発明の木材腐朽菌Pezizales sp.は繁殖力が強く、後述する積層液体培養法により菌糸の大量生産が可能なので、この方法により菌糸由来のバイオフィルムを形成させ、キチン、タンパク質などを容易、且つ大量に製造することができる。例えば、キチンはカニ殻からキチンを製造しているが、カニの産業廃棄物利用での生産のため生産量が限定されている。しかし、本発明であれば世界中どこでも無限にキチンの生産が可能になる。更に、本発明の培養法では培養液50ccから5gのバイオフィルムを15℃の条件下で製造することが可能である。このバイオフィルムは、約2%、乾燥した菌体は、約50%弱の蛋白質を含有している。将来の人口増加時代においては蛋白源として人工肉の原料として有望である。
この方法に使用する木材腐朽菌Pezizales sp.としては、ゲノム編集した菌でもよく、本発明の方法では、エネルギーなしで培養可能な熱帯、亜熱帯エリアで培養すれば低コストで大量生産が可能である。
さらに、本発明の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.及び本発明の根粒菌Rhizobium sp.は、後述する液体積層培養法で簡単に培養でき、得られた培養菌の濃縮高濃度溶液は、AIを利用したドローン、ヘリコプター、トラクター、煙霧機等により大面積に散布できるので、大規模な減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能になる。
本発明のPezizales sp.は、日本食品分析センターによる試験で食品として安全であると証明されている。
現在、世界中で行われている汚水の浄化法はbacillus菌、その他の嫌気性、好気性菌を利用した活性汚泥浄化法が用いられている。しかしこの浄化法ではリグニンを分解出来ないため、浄化に長い時間を要している。本発明の木材腐朽菌Pezizales sp.は、水面の好気条件エリアにおいて、水温が0℃から40℃の温度域でリグニン、セルロースを分解(エサ)することを利用して、水面エリアに浮遊するリグニン、セルロースを成分とした汚泥物質を速やかに浄化することができる。汚水にPezizales sp.菌懸濁液を適宜投入すれば、汚水のリグニン、セルロースをエサ、炭素源として自己増殖を永続的に行う。また、木材腐朽菌Pezizales sp.の繁殖には窒素、ミネラルが必要であるが、汚水に含有される窒素、ミネラルで繁殖可能である。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.の優れた分解能力は、帯雨林伐採枝葉残渣及び圃場作物残渣を容易に分解するので、根粒菌Rhizobium sp.の相利共生を利用すれば、分解肥沃化による優れた圃場造成を可能する。
優れた子嚢菌Pezizales sp.を発見しても、圃場に定着できなければ成果を上げることは出来ない。通常、土壌中に酵母菌が生きている状態の圃場に糖を施与すれば、酵母は直ぐにアルコールを作り、作物の根に大きな被害を与えるが、本発明のPezizales sp.は、繁殖力が強く病原菌だけでなく酵母菌や他のほとんどの菌を不活性化し、施与された糖はすべてPezizales sp.の生育に利用されるので、圃場に安定的に定着させることができる。
全世界で栽培されている作物の種類は膨大であり、そのほとんどの作物が病害虫に犯される。菌の世界からみれば、病害菌に進化した菌は非常に少ない数であり、この少数菌が、多様な作物に被害をもたらすようになったのは、多肥料農業に依存した人間が作った人災ともいえる。大自然の植物生態系の中では、作物に寄生するような病害菌が生息しているが、繁殖するような条件にはなっておらず、病害菌は自生地の生態系の中では新参者菌であり、どちらかといえば弱い菌である。菌の世界も「場所取り競争」社会である。病害菌は、エサになる植物が芽生え始める温度になった時期に活性を始める(一部雪の下でも繁殖する雪腐れ菌もある)。本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、0℃で菌糸を伸ばしエリアを優占支配してしまうので、病害菌が活性する時期には、既に子嚢菌Pezizales sp.がエリアを支配しており、活性化できない。このように、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、低温でも生育が可能であり、温帯、寒帯の晩秋から早春に子嚢菌Pezizales sp.菌懸濁液を土壌、枝、芽、花芽に散布すれば病害菌は活性化することはなく、結果として作物には病気が発生しない。また、高温期の場合で、既に病害菌がエリアを支配している場合でも、この状態の圃場に本発明の子嚢菌Pezizales sp.菌懸濁液を土壌、葉、枝、果実に散布すれば、子嚢菌Pezizales sp.菌が、病害菌の生育エリアでも大繁殖し、超スピードで病害菌エリアを侵略支配してしまうので、殆どの病害菌は不活性化し、新たな胞子を作らない。
単一作物の連作が効率的であることから、大栽培の穀物では連作が行なわれている。このような圃場には、枯れ落ち葉、植物死骸、木材腐朽菌が無い場合がほとんどであり、作物残渣は病害発生の源になるということで焼却されている例も多く、大自然の植物生態系はない。このような土壌に化学肥料、畜産排泄物を施与して地力の増強、維持を図れば、病害菌の大繁殖を誘起することとなり、連作障害は作られた障害ともいえる。
一方、大自然に自生している多年草植物は芽生えた場所で永年生き続けるように、大自然に自生している植物には連作障害はない。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌と作物残渣を使用して、土壌を浄化し、空中窒素固定を行なえば、大自然の植物生態系を圃場に再現でき、連作障害を回避することができる。
水耕栽培、植物工場、畜産施設などの人工施設は清潔を目的にするものであるが、常に温度、湿度、養分がある状態が維持されているため、病害菌や藍藻の大繁殖する条件がそろっており、逆に非常に汚染される場合が多い。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌は、多様な微生物を休眠させるが、更に細菌である藍藻を休眠させ繁殖を抑止することができる。また、畜産の浄化槽も藍藻が繁殖し根絶が不可能になる場合が多いが、このような施設でも本発明の子嚢菌Pezizales sp.菌で清潔にすることができ、浄化槽内で嫌気性菌が出す臭気も、嫌気性細菌の腐敗で発生する臭気も、嫌気性菌を休眠させることで腐敗臭は発生しない。
現在、全世界では膨大な食品ロスがあり、例えば2018年の日本では一年間に192万トンもの食糧が廃棄され、その多くは焼却処理されている。その一部は、畜産排泄物とともに嫌気性細菌による腐敗発酵で堆肥化されて土壌に施与されてきたが、このことが逆に現在の病害虫被害を大きくしている面も否定できない。
新規発見した子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌によれば、これまでの腐敗菌による醗酵腐敗ではなく、好気性木材腐朽菌による有機物の分解で、大自然の生態系を再現した炭素循環による資材化することができる。この技術で作られた資材を圃場に投与すれば、圃場を減肥料及び減農薬及び無農薬栽培可能な圃場に改変することができる。
葉緑素のある葉、茎は、本発明の子嚢菌Pezizales sp.が好むエサであり、これらを食べて、ブドウ糖を作り、更に低分子リグニン、ケイ酸、腐植酸を土壌に残留する。このエリアに子嚢菌ezizales sp.及び根粒菌を相利共生させれば、病害菌を休眠させ、多量の空中窒素固定を行い、大自然の地表を再現した土壌を作ることが出来、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能な圃場になる。
次に本発明のRhizobium sp.を用いた各種試験を行った結果下記のような特性を具備していることが確認できた。
<根粒菌Rhizobium sp.の特性>
1 マメ科植物と共生なしで、単独で空中窒素固定を行う。
2 窒素のある条件下でも単独で空中窒素固定を行う。
3 子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌と相利共生を行う。
4 湿度80%から水中でも生存、生育、繁殖できる。
5 0℃から15℃生育適温の冬型、15から30℃生育適温の夏型根粒菌がある。
6 湿度70%以下で休眠する。
7 炭素源、窒素源、ミネラル源、水分、温度、空気があれば生育繁殖する。
8 人畜に有害な毒成分を含有しない。
これまでの知見は空中窒素固定能力具備した菌と、単独空中窒素固定する根粒菌の相利共生は知られていなかったが、これらの菌は、本発明の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.と相利共生することが判明した。このような菌を利用すれば、地球の熱帯、温帯寒帯の全エリアの方で減肥料及び減農薬及び無農薬栽培、更に生分解プラスチックを土壌改良に使用しながら生分解することも可能になる。
すなわち、子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の共生したコロニー、菌叢は、糸状菌と細菌の相利共生という菌社会であり、木材腐朽菌はエサと温度と水分と酸素があれば、理論的には何処までも菌糸を伸ばすことが出来る地球の最大に生物である。
この木材腐朽菌と繁殖範囲の狭い細菌の根粒菌が共生することで、根粒菌は遠くのエリアまで移動繁殖が可能になり、地球の陸上土壌を巨大な空中窒素固定工場にすることが可能となる。根粒菌がマメ科植物、特定の一部の植物とのみ共生するのであれば、空中窒素固定は限定的であるが、木材腐朽菌との共生であれば、有機物がある条件では空中窒素固定能力は無限になり、持続可能になる。このように、菌根菌木材腐朽菌との相利共生が発見されたことで、菌根菌の菌糸を介して根粒菌が単独で空中窒素固定で産生した窒素を、マメ科植物以外の多様な植物に供給可能になる。
更にPezizales sp.とRhizobium sp.菌の相利共生菌叢は巨大であり、この菌園の死滅後、菌糸に含まれる多量のキチン、タンパク質が土壌に残り蓄積され土壌が肥沃化され、本発明者が目的とする世界中の圃場をアンモニア工場にすることも可能である。
従来、我が国においては、水田にマメ科植物の一年草を栽培し根粒菌を繁殖させ減肥料でイネ栽培することが行われてきた。
本発明では、マメ科植物の栽培なしで水田に子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌を生息繁殖させることで、空中窒素固定を行なわせて減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が出来る。具体的には、取水口に子嚢菌Pezizales sp.及び根粒菌の懸濁液を収納したタンクを設置し、タンクより懸濁液を水田への流入水に滴下したり、懸濁液を噴霧し担持させたベントナイト粉末を水田に散布して水田全体に菌を放散する。菌はイネの茎に付着し、稲刈り後の株残渣、藁残渣に生息、繁殖、分解して水田を肥沃にする。また、イネの刈り取り前に、ドローンなどで空中から懸濁液を散布することで、イモチ病、紋枯れ病菌などを休眠させることが出来る。
本発明を大面積で実施する場合は、高濃度懸濁液をドローン、ヘリコプター、トラクター、散水設備などを利用して散布することが出来る。本発明の菌は繁殖力が強いので、10a当たり約10L前後の散布で、大面積の圃場に子嚢菌Pezizales sp.及び根粒菌Rhizobium sp.を繁殖させることが出来る。
全世界の圃場の中には積雪地帯が膨大な面積を占めている。このエリアには冬型の作物、穀物、牧草などが栽培されている。積雪の下は多湿、冷温、暗黒という条件が長期間継続するが、このような条件を好む病害菌として、雪腐れ病菌などがある。これらの病原菌は低温、多湿で生育繁殖できる能力を持っており、積雪下で繁殖するために農薬を散布できず、甚大な被害が出ることもある。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌は0℃でも大繁殖し、その生育スピードは雪腐れ菌よりも早いので、積雪前に子嚢菌Pezizales sp.及び根粒菌冬型菌の懸濁液を施与すれば、積雪下の病害菌を休眠させることが出来るので、積雪地帯においても冬型作物の減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能となる。
圃場への病害菌伝播は、種子、球根、苗木などの播種、栽植に起こる場合が多く、これを防ぐには、種子、球根、苗木などを、圃場へ搬入する前に、予め子嚢菌Pezizales sp.及び根粒菌Rhizobium sp.の懸濁液に浸漬することで目的を達成することができる。この場合、同時に根粒菌も担持されるので、圃場に二つの菌を生息させることが出来き、その後、定期的な糖施与で、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能になる。
本発明目的の一つは子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌と根粒菌の相利共生による温室効果ガス排出抑制効果である。この新規発見した二つの菌による効率的な空中窒素固定により、世界規模で圃場を云わばアンモニア工場にすることで大幅に化学肥料の使用を削減することが可能になり、それが、間接的ではあるがハーバー・ボッシュ アンモニア合成法に必要なエネルギー消費を大幅に削減につながる可能性がある。更に、全世界の圃場では作物残渣を焼却処分しているが、この作物残渣を子嚢菌Pezizaで分解し土壌に還元することで、農業による温室効果ガス排出を大幅に減らすことが出来る。作物残渣、森林木材残渣は、土壌に還すことが植物生態系の原理原則に適った処理法である。
本発明の目的に汚染土壌、汚染水の浄化がある。全世界の植物、作物生産の現場では、多肥栽培による硝酸態窒素の残留蓄積、化学合成化合物農薬の残留、更に灌水、潅漑水の汚染、富窒素含有による藍藻の大発生による汚染が深刻化し、硝酸塩による圃場荒廃による砂漠化は進行し膨大な面積なっている。この圃場喪失が熱帯雨林の開墾農地化を加速させている。
この汚染土壌の浄化は、現在の科学技術でも困難であるが、本発明の子嚢菌Pezizales sp.及び根粒菌Rhizobium sp.は、土壌に蓄積した硝酸塩を窒素源として、圃場に大繁殖し、硝酸塩を除去するとともに、子嚢菌Pezizales sp.は、これまで分解不可能な化学合成化合物も分解するので、作物は健全に生育する。
さらに、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は水中でも生育する菌であり、水中の汚染物質である有機物、化学合成化合物を分解、ラン藻を休眠させることで水浄化する。これで荒廃した圃場を再生し減肥料及び減農薬及び無農薬栽培可能な圃場に改変することができる。
また、新規発見子嚢菌木材腐朽菌と新規発見根粒菌Rhizobium sp.は水中でも生育繁殖できる特性を利用して、稲などの水生作物の減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能になり、これ等の菌の生育温度が0℃から40℃の特性を利用することで寒帯、温帯、熱帯の全てのエリアの圃場で減肥料及び減農薬及び無農薬栽培を可能にする。
果樹は多年草植物なので永年栽培すると地面に落葉した枯れ葉が病気の伝染源となり、病害菌の根絶は困難になるので、農薬依存の果樹栽培が行なわれている。また、土壌の肥沃の為に、果樹園では草生栽培が行なわれているが、草刈り後の残渣に本発明の子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の懸濁液を散布することで、病害菌を不活性化させると同時に、土壌の肥沃化が可能となる。本発明の子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.を使用することにより、すべての果樹園で減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能になる。
本発明を最大規模に実施するためには、本発明の子嚢菌Pezizales sp.菌、根粒菌Rhizobium sp.を低コストで大量に増殖させることが必要である。本発明のPezizales sp.及びRhizobium sp.は繁殖力が強く、本発明者が開発した液体培養法で容易に培養させることができるが、多少の炭素源と培養温度確保のエネルギーを必要とする。これらの調達を考えれば、熱帯エリアでサトウキビなどの作物残渣の糖を使用することが考えられる。
この相利共生用の炭素源(エサ)として、グルコース、果糖、サッカロース、マンニトール、その他の精製糖を土壌に施与すると、菌根菌木材腐朽菌がそれらの糖から産生するブドウ糖を、菌根菌木材腐朽菌の菌糸が根に供給することは上述したとおりである。また、糖施与しないエリアは生育、繁殖できないため、目的以外のエリアでの生息、繁殖を防止できることが可能である。
空中窒素固定能力を有する木材腐朽菌探索培養試験の結果を撮影した写真 単独空中窒素固定する根粒菌探索培養試験の結果を撮影した写真 新規発見の子嚢菌Pezizales sp.菌根菌と新規発見根粒菌共生、相利共生培養試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.が、相利共生して増殖する過程を示す概念図 子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌のアオカビ休眠能確認試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.白色木材腐朽菌の耐アルカリ試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.白色木材腐朽菌の耐強酸試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の0℃付近の温度域による生育繁殖試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.による低温期における根圏微生物、病原菌の休眠不活性化試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.による高温期における根圏微生物、病原菌の休眠不活性化試験の結果撮影した写真 高温期における子嚢菌Pezizales sp.の葉圏、空中浮遊微生物、病原菌 休眠不活性化試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌の桃せん孔細菌病の病害菌に対する休眠効果試験の結果を撮影した写真 ブドウの空中浮遊病害菌の胞子休眠試験の結果を撮影した写真 果樹(桃)草生栽培による減肥料及び減農薬及び無農薬栽培試験の結果撮影した写真 嚢菌Pezizales sp.白色木材腐朽菌による芝草、芝生減肥料、無農薬栽培試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.,根粒菌Rhizobium sp.懸濁液による種子浸漬又は播種後灌水 病害菌不活性化試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.菌根菌木材腐朽菌の生分解速度検定培養試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.による藍藻抑止試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.生体植物組織への不寄生試験の結果を撮影した写真 果実鮮度保持試験の結果を撮影した写真 果実糖度アップ試験の結果を撮影した写真 シンビジューム合成補完試験の結果を撮影した写真 イチゴの光合成補完試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.による薬草、朝鮮人参の栽培試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.懸濁液散布による樹木樹勢回復試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.の糖添加培養の急速繁殖試験の結果を撮影した写真 木材腐朽菌菌根菌の液体積層培地及び大量培養工程を説明する概念図 哺乳類動物の尿を利用した子嚢菌Pezizales sp.菌の培養試験の結果を撮影した写真 子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌の栄養源として油粕による生育繁殖試験の結果を撮影した写真
本発明の木材腐朽菌Pezizales sp.の特性を確認するために行った試験例を以下に示す。
<子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌のアオカビ休眠能確認試験>
アオカビは、ペニシリンという抗生物質を産生して、他の菌のエリア侵入を防御する阻止円を形成する強力な細菌である。そこで、培養基に予めアオカビを繁殖させておき、その後にアオカビのコロニーの上に本発明の子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌を接種した。図5の写真は接種後7日後の状態を撮影した写真であるが、子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.がアオカビコロニー上で自らのコロニーを形成し、特に写真(2)の拡大写真によれば、その後周囲に菌糸を伸ばしアオカビエリアを浸食していることがわかる。
このように、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、アオカビを含むほとんどの細菌を休眠させるとこができると考えられる。
<本発明の無農薬栽培では、耐性菌は作らない>
これまでの病害菌と科学の戦いは、「殺菌」することで科学が勝利してきた。しかし、フィリピンのバナナ園における耐性病害菌や、我が国におけるリンゴの耐性菌黒星病、桃の「せん孔細菌病」の耐性菌などの、抗生物質の効果が無い、農薬が効かない、耐性菌、耐性害虫の発生により、科学の「殺菌」による戦いに限界があることが明らかになった。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、多様な微生物を「休眠」させることで、病害から作物に病気がかからないようにするものである。エリアに絶対王者菌が生息していれば、他の微生物は忖度、休眠して生存を維持するという微生物社会の法則を利用したものであり、耐性菌を作ることはない。
<子嚢菌Pezizales sp.白色木材腐朽菌の耐アルカリ試験>
PH11の強アルカリ軽石を本発明の子嚢菌Pezizales sp.懸濁液に浸漬させた後、オートクレイブ殺菌した固体培養基で培養し目視観察した。
図6(1)のように、本発明の子嚢菌Pezizales sp.のようにPH11の強アルカリ軽石粒子でも生育繁殖することが確認された。子嚢菌Pezizales sp.は、その後、図6(2)のように、PH11の軽石に担持した菌より生育した菌糸が伸びて培養基全面にコロニーを形成した。
<子嚢菌Pezizales sp.白色木材腐朽菌の耐酸性試験>
強酸性で寒天が固化しないよう、下記の液体培地で本発明の子嚢菌Pezizales sp.を培養した。
[培地]
リン酸カリウム 1g
硝酸カリ 1g
水 1000cc
以上の水溶液を希塩酸水でpH4.0に調整後オートクレイブで殺菌した。
この液体培地に子嚢菌Pezizales sp.懸濁液を2cc添加し、最低15℃、最高30℃の室内で静置培養した。
結果を図7に示す。左端は子嚢菌Pezizales sp.懸濁液を添加しない液体培地。左から2番目はpH試薬でpH4.0を示している。右の2つの容器が子嚢菌Pezizales sp.懸濁液を添加しない液体培地で、いずれも菌が繁殖して白濁している。
<子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の0℃付近の温度域による生育繁殖試験>
寒帯温帯の積雪エリアの圃場でも積雪下で高温時と同じようなスピード繁殖する能力を具備いることを確かめるため、培養基1,2,3を用い、雪の中にフラスコを埋めて氷温下で培養した。その結果、新規に発見したPezizales sp.及びRhizobium sp.(低温活性菌)は、0℃から5℃の雪中で、15℃条件下での培養時の繁殖速度と差異が無いほどに繁殖した。結果を図8に示す。
この試験によって寒帯、温帯圃場で生育繁殖可能な菌であることが実証され、このエリアの減肥料及び減農薬及び無農薬栽培に利用できる菌であることが解明された。世界の圃場で減肥料及び減農薬及び無農薬栽培を実施する場合には、そのエリアによって根粒菌を使い分けることがより効率的に空中窒素固定出来る。
<子嚢菌Pezizales sp.による低温期における根圏微生物、病原菌の休眠不活性化試験>
子嚢菌Pezizales sp.の低温機における活性を調べるため、早春期に以下のような試験を行った。
サクランボの花芽を枝ごと3〜5cmmカットしたものを、本発明の子嚢菌Pezizales sp.懸濁液に2分浸漬後、硝酸カリ、第一リン酸カルシュウム、糖を含む寒天培地に置床し、最低温度3℃、最高温度15℃の室内で静置培養した。
図9は1週間後の状態を撮影した写真で、いずれの試料も白色の子嚢菌Pezizales sp.菌木材腐朽菌のコロニーが発生し、それ以外の微生物のコロニーは一つも見られなかった。
サクランボの花芽には、多様な微生物が付着していたはずであるが、子嚢菌Pezizales sp.菌は0℃でも生育繁殖するため、花芽は子嚢菌Pezizales sp.の優占繁殖で、多様な微生物は全て休眠したものと思われる。
<子嚢菌Pezizales sp.による高温期における根圏微生物、病原菌の休眠不活性化試験>
新規発見のPezizales sp.が0℃という他の菌が活性化しない低温期での低温活性能力でエリアを支配出来ることが判ったが、高温期の場合は、既に他の微生物も活性化している。この場合新規に発見したPezizales sp.が高温期でも他の菌を不活性化出来るのかを調べた。
培養基3を300ccフラスコに約50cc注入し、通気性のあるゴム栓で蓋をいてオートクレイブして滅菌した。
供試材料として、永年野菜を栽培してきた圃場の土壌を5g精製水100ccに添加して調製した懸濁養液Aと、Pezizales sp.の培養繁殖したコロニーとその培養基を5g採取して100ccの精製水に添加して調製した懸濁液Bを用意した。
ついで、滅菌した培養基3に、懸濁液A及びBを混合した混合懸濁液を3cc添加したものを「処理区」、懸濁液Aのみを3cc添加したものを「無処理区」とし、20から28℃の温度下で静置培養試験を行った。その結果を図10に示す。写真から明らかなように、新規発見のPezizales sp.を含む「処理区」では、Pezizales sp.が逸早く繁殖し、白色のPezizales sp.のコロニーのみしか発生しなかったが、Pezizales sp.を含まない「無処理区」では、多様な微生物のコロニーが発生した。
この試験によって、新規に発見したPezizales sp.は、高温期において先に活性している多様な微生物を不活性化できる能力を具備していることが実証され、熱帯、亜熱帯、及び温帯、寒帯の夏の高温期でもPezizales sp.による減肥料及び減農薬無農薬栽培が可能であることを示すものである。
<高温期における子嚢菌Pezizales sp.の葉圏、空中浮遊微生物、病原菌休眠不活性化試験>
露地栽培の桃の葉を用意し、Pezizales sp.懸濁養液に浸漬したものを「処理区」、そのままのものを「無処理区」とし、それぞれの葉を殺菌処理した培養基3上に置床し、20〜30℃で室内静置培養を行った。結果を図11に示す。写真から明らかなように、(1)無処理区の桃の葉には、葉の表面に付着した空中浮遊微生物の多様なコロニーが発生したが、(2)処理区にはPezizales sp.のコロニーしか発生しなかった。
この試験で、新規発見したPezizales sp.は葉圏の葉、花、果実、枝に付着している微生物、病害菌を休眠不活性化することが実証された。他の作物の葉でも同じ試験を何回も行ったが同じような結果になった。
<子嚢菌Pezizals sp.木材腐朽菌の桃せん孔細菌病の病害菌に対する休眠効果試験>
現在まで永年作物栽培されてきた圃場、果樹園では、病害菌が優占支配しており、いきおい、農薬依存の栽培をしなければ収穫出来ない状態となっている。更に困ったことは、農薬が効かない耐性菌、害虫が既に生まれていることであり、日本でもリンゴの黒星病、桃のせん孔細菌病に耐性菌が生まれ、農薬では防除不可能と云われている。
ここでは実際にせん孔細菌病に罹病した桃の葉を使用し、本発明の子嚢菌Pezizales sp.がかかる病害菌を休眠させることができるかを調べた。
せん孔細菌病に罹病した桃の葉(図12(1))を子嚢菌Pezizales sp.の懸濁希釈液に5分間浸漬し、その後、培養基に置床し、最低18℃、最高30℃の室内で静置培養した。図12(2)は1か月後、(3)は42日後の状態を示す。これらの写真から明らかなように培養基は白色の子嚢菌Pezizales sp.が優占支配し、病害菌は休眠している。
<ブドウの空中浮遊病害菌胞子休眠試験>
不織布果実袋に、子嚢菌Pezizals sp.懸濁液を水で50倍に希釈した 50倍希釈液を噴霧後、日陰乾燥したものを使用してブドウ果実10個に図13(1)のように袋がけを行った。収穫までは、20日おきに100倍希釈液を樹木全体に噴霧散布した。
3か月後に収穫したブドウはすべて図13(2)に示されるように病害菌による被害は全くなかった。このように、本発明のPezizales sp.により、ブドウの無農薬、減肥料栽培が可能となる。
<果樹 桃 草生栽培による減肥料及び減農薬及び無農薬栽培>
3月30日 子嚢菌Pezizales sp.培養懸濁液50倍希釈液(白砂糖添加)
圃場地面、枝、幹全体に噴霧散布(図14(1))
4月30日 同上
5月30日 同上 (図14(2))
6月15日 草刈後子嚢菌Pezizales sp.懸濁液50倍噴霧散布。(図14(3))
7月15日 同上 刈り取られた草は完全分解
8月15日 桃収穫 (図14(4))
収穫された桃は、細菌斑点落葉病、縮葉病、灰色カビ病などの病害菌による被害は全くなかった。
<子嚢菌Pezizales sp.白色木材腐朽菌による芝草、芝生減肥料、無農薬栽培>
4月下旬に図15(4)の状態の工場緑地の芝生を草刈し、全面に30日間隔で子嚢菌Pezizales sp.懸濁液を散布した。その結果、芝刈り作業(図15(3))により発生するサッチは、子嚢菌Pezizales sp.により素早く分解されるとともに、芝草の病害菌を休眠させるので、農薬を使用しなくても芝草を青々とした状態に保つことができた(図15(1)(2))。
<子嚢菌Pezizales sp.,根粒菌Rhizobium sp.懸濁液による種子浸漬又は播種後灌水 病害菌不活性化試験>
病害の中には種皮に付着した病害菌から発病伝染して、苗、本圃で病気が大発生する場合が多い。これまでは、種子浸漬用農薬による消毒や、温熱水浸漬による病害菌殺菌を行ってきた。
ここでは、子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の懸濁液に浸漬することで、子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.を付着させ、根圏で病害菌休眠不活性化と同時に空中窒素固定を行い、発芽後の生育を促進させることや、病害の発病を防止することができるかを検証した。
種子を子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の懸濁液に浸漬し、発芽させた(図16(1))。このように処理した種子(写真右側)と処理しない種子(写真左側)を同時に播種したものと生育させたところ、懸濁液の浸漬処理を施した種子のほうが、明らかに生育が勝っていた(図16(2))。これは、子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.により、根圏で病害菌の休眠不活性化と同時に空中窒素固定が行なわれ、発芽後の生育が促進されたことを示すものである。
挿し穂の場合も、懸濁液に浸漬した後、培養基に挿して育成すれば、無病苗を大量に育成することができる。
<子嚢菌Pezizales sp.菌菌根菌木材腐朽菌の生分解速度検定培養試験>
試験材料としてサトウキビのバカスを用い、この材料にPezizales sp.の希釈懸濁液を噴霧散布し、経時変化を調べた。結果を図17(1)(2)に示す。
サトウキビのバカスにはリグニンやセルロースが含まれているが、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、これらの難分解性有機物質も分解して土壌に還すことができることが判明した。
さらに、トマト残渣にC100倍希釈液散布後ビニール袋に入れて分解状態を観察した。なお、ビニール袋は、保湿、通気するために開口しておいた。
図17(3)は散布直後の状態、(4)は4日後、菌の繁殖状態を示し、(5)は11日後の状態を示す。
<子嚢菌Pezizales sp.による藍藻抑止試験>
藍藻は病害菌ではないが原始的な光合成細菌であり、光がある条件では自ら作るエネルギーで爆発的に増殖できる特性を持つ。25℃以上の高温になると水分のあるところで大繁殖して、水槽、水耕栽培施設を緑に汚す、非常に厄介な微生物であり、根絶はほとんどできない細菌である。
河川から採取した汚水を500ccのペットボトルに充填したものを「無処理区」、同じ汚水500ccにPezizales sp.懸濁液5cc添加したものを「処理区」とし、25℃から35℃の室内で培養(明所培養)した。その結果を図18(1)(2)に示す。3月後、「無処理区」の汚水には藍藻が発生していたが、「処理区」の汚水には藍藻の発生は見られなかった。
さらに、湿潤箇所における藍藻の抑止効果を調べるため、ハウス棚下地面にコットン不織布を敷き、これを「無処理区」とし、コットン不織布に30の50倍溶液を噴霧し、その上にラン藻を担持させた不織布を貼りつけ、これを「処理区」として、ハウス棚下の地面に無処理区と並べて敷いた。一月後のコットン不織布の写真が図18(3)である。左側の「処理区」のコットン不織布は、右側の「無処理区」と比べ、ほとんど藍藻が発生していなかった。本試験で、本発明のPezizales sp.が藍藻の繁殖を抑止できることが実証された。
<子嚢菌Pezizales sp.の生体植物組織への不寄生試験>
サクランボの発芽時と開花時(図19(1)、(2))に、子嚢菌Pezizaceae sp.培養懸濁液を噴霧散布したが、図19(3)の写真のように通常通り開花し、花弁の変化もなかった。
子嚢菌Pezizaceae sp.は、強力な有機物分解能力を具備しているが、この菌は生きている植物細胞組織には寄生しないことが分かった。花弁などに付着した病害菌は子嚢菌Pezizaceae sp.により休眠するので、本方法によれば完全無農薬栽培が可能となる。
<Pezizales sp.による果実鮮度保持試験>
リンゴ、ミカンなどは収穫してから長い期間貯蔵され出荷される場合が多く、この期間内にミカンなど柑橘類ではアオカビなどが大発生する場合が多い。
本実験では、新規発見したPezizales sp.による果実鮮度保持能力を調べた。
11月に収穫した温州ミカンに、翌年の6月にPezizales sp.懸濁溶液を散布した(図20(1))。約9か月後の写真を図20(2)に示す。写真から明らかなように、外観はほとんど変わりなく、アオカビも発生しなかった。そして、Pezizales sp.のコロニーも発生しなかったことから、本発明のPezizales sp.は、果実も生体組織と同様寄生しないことが判った。
<果実糖度アップ試験>
サクランボの樹木及び土壌にPezizales sp.懸濁液を散布し、完全無農薬栽培を行った。摘みなしで葉陰でも果実の着色は抜群で、新枝の伸長も理想的で、収穫したサクランボの糖度は25度で、平均して約3度アップした。 図21に収穫直前の写真を示す。
<光合成補完試験>
子嚢菌Pezizales sp.土壌灌注により蘭 シンビジュームを地植えし、Pezizales sp.のエサとなるブドウ糖を根に供給したところ、シンビジュームは、完全減肥料、無農薬栽培で順調に生育した。その写真を図22(1)に示す。
同時に植えた露地イチゴに、春先に子嚢菌Pezizales sp.培養懸濁液を、10日間隔を置いて2回散布した。最初に散布してから約3週間後の写真を図23(1)に示す。図23(2)は、子嚢菌Pezizales sp.培養懸濁液を散布しなかったイチゴで、発育状況が明らかに劣っている。
これは、本来吸収できないブドウ糖を、子嚢菌Pezizales sp.による菌根によりシンビジュームやイチゴが吸収できたことを示すものである。
<子嚢菌Pezizales sp.による薬草、朝鮮人参の栽培>
世界的な健康志向から漢方薬原料の薬草の不足のため、薬草を農作物栽培技術で栽培されるようになっている。多肥栽培、農薬依存の栽培を薬草栽培に行った場合は、自然界で育った野草薬草の成分と大きく乖離し、薬効成分が少なくなったり、組織内の化学肥料成分、農薬成分まで残留する可能性がある。
朝鮮人参を自生地再現培養土に植え、Pezizaceae sp懸濁液を15日間隔で葉面、根圏に噴霧散布した。朝鮮人参は枯れ落ち葉の中に自生している。この枯れ落ち葉を分解する菌が白色木材腐朽菌Pezizaceae spである。
自生地再現した栽培法を行なえば、減肥料及び無農薬で、山取り人参と同じ成分の朝鮮人参を作ることが可能である。朝鮮人参の7年後の発育状況を撮影した写真を図24に示す。
<子嚢菌Pezizales sp.懸濁液散布による樹木 樹勢 回復試験>
子嚢菌Pezizales sp.により酵母菌を休眠させれば、土壌に砂糖を添加してもアルコールを作らない。そこで、子嚢菌Pezizales sp.懸濁液に砂糖を添加し、土壌施与や葉面散布することが出来る活性剤とした。糖を添加すれば子嚢菌Pezizales sp.菌は高分子の炭素化合物の砂糖から低分子のブドウ糖を作ることが出来き、更に子嚢菌Pezizales sp.は菌根菌であり、その菌根菌の菌糸はブドウ糖を作物、植物の根に供給できるので、作物光合成不足分をこのブドウ糖で補完することが出来る。更に、葉面散布すれば、葉面からブドウ糖を吸収できる。
図25(1〜4)の写真は、樹齢100年余のキリシマツツジの老木であり、その[1]、[2]の表示のある枝部分に子嚢菌Pezizales sp.懸濁液を葉面散布した。各枝部分の一年後の写真が図25(5〜7)である。散布した枝[1]、[2]と散布しない枝[3]には明瞭な差異がある。この活性剤を利用すれば、果樹などの収穫年数を大幅に延長でき、改植時期を遅らせることもできる。また隔年結果を回避できるので、永年にわたって安定した収穫ができる。
<子嚢菌Pezizales sp.の糖添加培養の急速繁殖試験>
本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、0℃、雪の中でも生育するが、液体培地、固形培地、土壌内での繁殖スピードも他の微生物より速い。
水1000ccに、硝酸カリ1g、リン酸一カリウム1g サッカロース30g 寒天15gを溶解した、PH6.5の溶液を得た。この溶液を高温殺菌し、冷却して培地とし、子嚢菌Pezizales sp.を接種した(図26(1))。
図26(2)に示されるように、最高30℃ 最低18℃の条件下でわずか6日後には、培地の表面に厚いPezizales sp.のバイオフィルムが形成された。
<木材腐朽菌菌根菌の液体積層培地及び大量培養試験>
菌根菌の培養はマツタケの例を見るまでもなく、ほとんどの菌根菌の培養は成功しておらず、液体培地での菌根菌大量培養は困難であった。
本発明のPezizales sp.とRhizobium sp.は、図27に記載される方法により、大量に培養することが可能である。
(1)水(井戸水、水道水)1000ccに炭素源、窒素源、ミネラル源で調合した培養液を80から100℃で殺菌し、冷却後、広口の浅い培養槽2内に注入する。
(2)培養基3の固形培地で増殖したPezizales sp.、あるいはPezizales sp.とRhizobium sp.の混合菌叢を(1)の培養槽内の培養液に移植する。
(3)15℃から30℃の温度で静置培養すると、培養液の表面にバイオフィルム4が形成される。
(4)形成されたバイオフィルム4上に(1)の培養液5をさらに添加し、(3)と同様に聖地培養すると、この新たに添加した培養液の表面にバイオフィルム6が形成される。
(5)(3)及び(4)を繰り返すと複数層のバイオフィルムが形成されるので、これを回収しミキサーで微細に破砕することにより、高密度のPezizales sp.溶液が得られる。
<哺乳類動物の尿を利用した子嚢菌Pezizales sp.菌の培養試験>
子嚢菌Pezizales sp.菌による全世界の圃場における減肥料及び減農薬及び無農薬栽培を実施する場合、低コストで大量培養を行う必要がある。以上のことから、哺乳類動物の尿、排泄物を培養液にして培養増殖する試験を行なった。
試験は、人間の「尿」200ccにPezizales sp.菌懸濁液20ccを添加、13〜25℃の室内で静置培養した。結果を図28に示す。この写真から明らかなように、本発明のPezizales sp.は、人間の尿でも十分培養できることがわかった。
<子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌の栄養源として油粕による生育繁殖 試験>
油粕、米ぬか、コーヒー粕、茶殻などは炭素源として子嚢菌木材腐朽菌の繁殖用に有効である。再生循環で減肥料及び減農薬及び無農薬栽培を行う場合、これらの廃棄物も有用な資源として使用する。木材腐朽菌の繁殖資材として活用する試験である。これまでは嫌気性菌を使用してきたが、本試験では好気性菌木材腐朽菌を使用した試験である。
水に菜種油粕を入れ、子嚢菌木材腐朽菌の懸濁液を注入したところ、図29(1)のように、木材腐朽菌が嫌気性菌細菌の醗酵腐敗菌を休眠不活性化して、水面に木材腐朽菌のバイオフィルムを形成した。腐敗臭はしなかった。
図29(2)は、菜種油粕に水分を与えて湿度90%し、これに子嚢菌木材腐朽菌を接種して3日後の状態を示し、全体に菌糸が繁殖していることがわかる。子嚢菌木材腐朽菌は、好気性菌なので油粕の厚さは約10cmとした。これ以上の厚さに入れると、下部は嫌気条件となり菌糸は伸びない。
酒粕、米ぬか、コーヒー粕なども同じように子嚢菌木材腐朽菌で分解することができ、これらを圃場の好気条件の地表に施与すれば、木材腐朽菌の増殖用窒素源、炭素源、ミネラル源となり、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培用の資材になる。
<子嚢菌Pezizales sp懸濁液の広い面積への大量散布試験>
本発明のPezizales sp.菌、あるいはPezizales sp.とRhizobium sp.を液体積層培地法により大量培養して得られた高濃度菌の懸濁液は、ドローン、農業用ヘリコプター、無人トラクターに搭載した散布手段により、大面積に散布することができる。ドローンを使用した散布試験では、10Lの懸濁液を10aの圃場に散布することができた。
<子嚢菌Pezizales sp懸濁液の広い空間への大量散布試験>
ハウス栽培における減農薬、無農薬栽培に子嚢菌Pezizales sp.懸濁液散布は減農薬及び無農薬栽培に非常に有効である。ハウス内の広大な空間に本発明の懸濁液を散布するには煙霧噴霧機が有効である。この煙霧の粒子は約40ミクロンであるのに対し、子嚢菌Pezizales sp.菌懸濁液の菌糸体の大きさは約30ミクロンであり、菌糸を煙霧状の液滴として噴霧散布することができる。
約10aのイチゴハウス内に本発明の子嚢菌Pezizales sp.懸濁液10Lを散布する時間は約10分であった。
本発明の子嚢菌Pezizales sp.懸濁液の状態であれば、煙霧噴霧機による噴霧が有効であるが、固体のまま散布する場合には、軽石などの多孔質粉粒体に担持させることが有効である。このような基材を利用することにより、植穴や畝場など特定の場所への散布が確実に行え、球根や塊根にまぶすことにより、子嚢菌Pezizales sp.や根粒菌Rhizobium sp.を確実に必要個所に施与することができる。
また、土壌に混和させれば、土壌に子嚢菌Pezizales sp.や根粒菌Rhizobium sp.を大繁殖させることができ、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が可能である。
本発明は新規発見の子嚢菌Pezizaceae sp 木材腐朽菌を使用した減肥料及び減農薬及び無農薬栽培に関するものであるが、空中窒素固定能力を具備し、ほとんどの微生物を「休眠」「不活性化」する抗菌作用を具備しているので、減肥料、無農薬農業を可能にする。
本発明の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.菌は強力な分解能力を具備しており、世界的な流れとして今後増加するであろう生分解プラスチック、生分解できる有機物素材を新発見のPezizales sp.を利用すれば、低温条件下でも強い分解能力で、早いスピードで分解して土壌化して、再生循環社会を構築できる。食品ゴミ、食品加工廃棄物処理にも威力を発揮する。
以上のように、本発明はエネルギー、食糧、産業廃棄物処理、環境など現代の社会が内包している大きな課題、問題にかかわり、菌糸が産生するキチン、タンパク質は繊維、紙、3Dプリンター、人工肉、化粧品、医薬品など、多様な応用分野が存在する。
1 フィルター
2 広口 浅い培養槽
3 培養液
4 Pezizales sp. バイオフィルム(菌叢)
5 新たに添加した培養液
6 新たな培養液表面に形成されたバイオフィルム
7 新たに添加した培養液
8 7の培養液表面に形成したバイオフィルム

Claims (7)

  1. ラン菌の一種でPezizales属に属し、窒素分を含まない培地で増殖可能なPezizales sp.。
  2. Rhizobium属の根粒菌と共生した請求項1記載のPezizales sp.。
  3. 請求項1に記載されるPezizales sp.を、水性培養液で培養して水面にバイオフィルムを形成させ、形成されたバイオフィルムの上面にさらに水性培養液を追加注入して追加注入した培養液の水面にさらにバイオフィルムを形成させ、この水性培養液の追加注入とその水面のバイオフィルムの形成を複数回繰り返すことを特徴とするPezizales sp.の増殖方法。
  4. Pezizales sp.が、Rhizobium属の根粒菌と共生している請求項3の増殖方法。
  5. 請求項1のPezizales sp.を、植物の一部又は全体に散布するか、又は植物が栽培される土壌か栽培されている土壌に散布することを特徴とする植物の栽培方法。
  6. Pezizales sp.が、Rhizobium属の根粒菌と共生している請求項5の植物の栽培方法。
  7. 請求項1のPezizales sp.を、汚染された水又は土壌に添加し、汚染成分を分解させることを特徴とする、汚染された水又は土壌の浄化方法。
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