JP5410640B2 - 植物の育成方法およびそれに使用する組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、植物を育成する方法およびそれに使用する組成物に関する。具体的には、本発明は、農業用の殺菌剤、殺虫剤、又は除草剤等を使用しない自然農法に関する。
従来、殺菌剤、殺虫剤、又は除草剤等の農薬を極力使わない農法として、堆肥を重視した有機農法、土壌菌の改良を目指したEM農法、品種を人工的に改良する遺伝子組換え農法などが考えられ、試験研究が繰り返されて発達してきた。このような有機農法が発達してきた理由は、農業従事者の健康を守るとともに汚染された食物から消費者を守ることが重視されるようになったためである。
ところで、有機農法では過剰な窒素を含む栄養を与えるために病害虫に弱くなりやすく、また雑草との競合に負けるため殺菌剤、殺虫剤、又は除草剤等を使わない農法に移行するのが困難であるという問題点がある。また、肥料を一切与えず雑草を含む様々な植物と共生させる自然栽培は、他の植物の根や自然な微生物が作り出す栄養によって自然で美味しい作物を無農薬で作ることを可能にしたが、収穫量が少なく、また手間がかかり生産性が低いことが問題であった。加えて自然栽培では、植生の組み合わせのノウハウなどの深い専門的な知識も必要となってしまう。
さらに、有機農法などにおいては、例えば、特許文献1や2などのように、より自然に近い発酵堆肥を利用したり、自然物から作られた抗菌剤を葉面散布するなど、安全性を高める数々の工夫がされてきた。しかし、それらは単に外部から植物を抗菌したり外部から栄養を与えたりするなどの手段であって、植物の生命力を高める農法ではない。つまり、これらの農法は、植物の生命力を高めることによって植物自身に耐病原菌性、耐害虫性、耐雑草性等を獲得させる手段ではなかった。
一方、自然栽培農法と呼ばれる農法では、自然栽培が可能になるまで5年以上の期間が必要であり、病害虫対策や雑草処理などに加えて、植生戦略など高度な知識や技術を必要とする。 また、人手を要するわりに生産効率が低いため収量が少なく、高価で且つ生産量が少ないといった問題点もある。
さらに、従来のこれらの技術は、自然免疫の活性を意図的かつ積極的に利用するものではなかった。
特許第2911076号 特開2004−91425
Stachelhaus T,et al.,J.Biol.Chem.,273(1998)22773−22781 Gruenewald S,et al.,Appl.Environ.Microbiol.,70(2004)3282−3291
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、病害虫に強くまた雑草との競合にも強い生命力を持つ植物を育成する方法を提供することを目的とする。また、堆肥に頼らなくても収穫量が多く生産性の高い植物を育成する方法(自然免疫活性化農法)を提供することを目的とする。
さらに、本願発明に係る方法(自然免疫活性化農法)により、育成対象の植物に耐塩分性および耐除草剤性を持たせることを目的とする。
本発明は、植物免疫増強組成物が植物対して各種ストレス耐性を与え、上記課題を効果的に解決し得るという知見に基づくものである。本発明者らは、植物免疫増強組成物を実際に農作物や園芸用の草花、及び果樹を含む植物に与えると、植物の病害虫に対する抵抗力を増強させるだけでなく、光合成が盛んになり、根が伸長し、その根に強固なバイオフィルムが形成され、根からの栄養成分の吸収が促進され、植物の生理活動が活性化されることを見出した。
したがって、本発明の第一の主要な観点によれば、外的又は内的ストレスに対する免疫又は生理活性が増強した植物を育成する方法であって、目的の植物に、有胞子好気性細菌の胞子形成に伴う細胞融解で生じる免疫賦活物質を有する植物免疫増強組成物を適用する工程を有し、前記免疫賦活物質は、前記有胞子好気性細菌を培養し、得られた培養液を飢餓状態におくことにより当該細菌を内胞子化させ、さらにその培養液から当該内胞子化された細菌を含む不純物を除去することによって得られるものであり、前記有胞子好気性細菌はMRE共生菌群である、ことを特徴とする、方法が提供される。
このような構成によれば、植物が本来有する生理活性が増強された植物を提供することができる。また、本発明によれば、植物が有する自然免疫による抗菌、抗ウイルス、抗真菌作用等を強化することができ、さらに液胞オートファジーを活性化させることにより、光合成の増加やミトコンドリアの活動を促すことができる。そしてこれにより、植物自身の生理活性により十分に成長できるため、外部からの栄養源の供給を極力減らすことができる。
また、本発明の一実施形態によれば、このような方法において、前記適用する工程は、前記植物免疫増強組成物を前記植物が生息する土壌又は植物栽培用培地に散布するものであり、これにより前記植物免疫増強組成物が前記植物の根に吸収されるものである。
また、本発明の別の実施形態によれば、このような方法において、前記適用する工程は、前記植物免疫増強組成物を前記植物の葉に塗布するものである。
また、本発明の他の実施形態によれば、このような方法において、前記植物は、抗病原菌作用、抗害虫作用、塩分耐性、除草剤耐性からなる群から選択される形質を獲得するものである。
また、本発明の更に他の実施形態によれば、このような方法において、前記外的又は内的ストレスは、病原菌、害虫、ウイルス、高濃度塩分、強光、紫外線、高温、低温、乾燥、重金属、大気汚染ガスからなる群から選択されるものである。
また、本発明の更に別の実施形態によれば、このような方法において、前記植物は、葉物野菜、花芽野菜、鱗頚野菜、茎野菜、実物野菜、根菜類からなる群から選択される植物、穀物又は豆類を作る植物、果実をつける植物、観賞用花をつける植物、薬用植物からなる群から選択されるものである。この場合、前記植物は、イネ、サツマイモ、ミリオンゴールド、グロキシニア、ミカン、ミニトマト、リンゴ、長ネギ、レンコン、オクラ、アズキ、ササギ、ダイズ、サトイモ、ジャガイモ、スナックエンドウ、シシトウ、ネギ、キュウリ、ナス、むらさきつる菜、ゴーヤ、カキ、ショウガ、フキ、ウメ、ブルーベリー、ポポ、トウガラシ、ダイコン、カブ、ブロッコリー、水菜、白菜、そら豆からなる群から選択されるものであることが好ましい。
また、本発明の更に別の実施形態によれば、このような方法において、前記植物免疫増強組成物は、100〜1000倍に希釈されるものである。
また、本発明の他の実施形態によれば、このような方法において、前記適用する工程は、1〜3週間に1回の割合で行われるものである。
また、本発明の別の実施形態によれば、このような方法において、前記植物は、畑作、水田、水耕栽培、自然栽培、及び温室栽培からなる群から選択される形態で育成されるものである。
本発明の第二の主要な観点によれば、上述の方法によって育成された植物が提供される。
さらに、本発明の第三の主要な観点によれば、外的又は内的ストレスに対する免疫又は生理活性が増強した植物を育成するための植物免疫増強組成物であって、前記植物免疫増強組成物は、有胞子好気性細菌の胞子形成に伴う細胞融解で生じる免疫賦活物質を有するものであり、前記免疫賦活物質は、前記有胞子好気性細菌を培養し、得られた培養液を飢餓状態におくことにより当該細菌を内胞子化させ、さらにその培養液から当該内胞子化された細菌を含む不純物を除去することによって得られるものであり、前記有胞子好気性細菌は、MRE共生菌群であることを特徴とする、組成物が提供される。
本発明の一実施形態によれば、このような組成物において、前記植物は、抗病原菌作用、抗害虫作用、塩分耐性、除草剤耐性からなる群から選択される形質を獲得するものである。
また、本発明の別の一実施形態によれば、このような組成物は、100〜1000倍に希釈されるものである。
本発明の第四の主要な観点によれば、上述の組成物を含む肥料が提供される。
また、本発明の第五の主要な観点によれば、上述の組成物を含む培土が提供される。
また、本発明の第六の主要な観点によれば、上述の組成物と植物の種子とを含む植物栽培キットが提供される。
なお、上記した以外の本発明の特徴及び顕著な作用・効果は、次の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
図1は、本願発明の一実施形態において、植物免疫増強組成物を用いた場合と用いない場合とにおけるイネの育成を比較する写真である。 図2は、本願発明の一実施形態において、植物免疫増強組成物を用いた場合と用いない場合とにおけるサツマイモの育成を比較する写真である。 図3は、本願発明の一実施形態において、植物免疫増強組成物を用いた場合と用いない場合とにおけるミリオンゴールドの育成を比較する写真である。 図4は、本願発明の一実施形態において、植物免疫増強組成物を用いた場合と用いない場合とにおけるグロキシニアの育成を比較する写真である。
以下に、本願発明に係る一実施形態および実施例を、図面を参照して説明する。
まず、植物細胞に焦点を当てると、本願発明において、内胞子(スポア)を形成する好気性細菌を内胞子化させ、さらにその培養液から当該内胞子化された細菌を含む不純物を除去することによって得られる植物免疫増強組成物による自然免疫の活性化が、自然免疫と分子レベルで密接に関連した液胞オートファジーを活性化させていると考えられる。植物の液胞は細胞の解毒をする機能を持つことで知られている細胞内器官の一つであるが、同時に老朽化した葉緑体やミトコンドリアなどの細胞内器官をオートファゴゾームという膜で包んで液胞に移送し、液胞の特殊な酵素であるプロセッシング酵素でバルク分解する機能を持っていることも知られている。強い紫外線を含む太陽光線を常に浴びて光合成を行う宿命を負う植物にとって、葉緑体やミトコンドリアなどの細胞器官は常に太陽光線で生じる一重項酸素などのフリーラジカルにさらされダメージを受けており、その老朽化した細胞内器官を分解処理し再生させる液胞オートファジーはなくてはならない存在となっている。また、太陽光線で生じるフリーラジカルは細胞内の様々な物質を酸化させて、生体にとっての毒物に変えるため、これらの酸化毒を処理するために液胞内にはポリフェノールなどの抗酸化物質が分泌され解毒されることになる。
すなわち、本願発明においては、上述の植物免疫増強組成物の働きにより、自然免疫と分子的に密接に関連した液胞オートファジーが活性化される。そして、この液胞オートファジーによって、老朽化した葉緑体(光合成を担う細胞内器官)や老朽化したミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)を特殊な膜(オートファゴゾーム)で囲み液胞に移送させて、液胞の強力なプロセシング酵素で分解処理することになる。そして、上記のようにフリーラジカルによって損傷を受け又は老朽化された葉緑体やミトコンドリアが分解処理されることで、葉緑体やミトコンドリアが再生し若返ることができるようになり、これによって光合成が活発になると考えられる。
この光合成で作られた糖を始めとする有機成分が、酸素と共に根に送られ根の成長を促すことになる。このとき低分子で電荷や極性を持たない前記植物免疫増強組成物は容易に葉から根に移動できるので根の自然免疫も活性化されると推定される。
活性化された根の細胞からは有機酸・糖分・分解酵素・抗菌物質などが盛んに分泌される。この分泌された有機酸などによって土壌中に豊富に存在する不溶化した燐化合物やカリウム塩を溶かし出し、植物自身の栄養を作り出すことになる。例えば、松の根などは岩を溶かす力を持っていることで知られているほど強力である。
また、根は自然免疫の働きで、自身に有害な土壌菌に対し様々な抗菌物質や分解酵素を放出して免疫防御するとともに、自身に有益な菌には糖分や酸素などを与えて呼び寄せ、根を包み込んで保護するバイオフィルムを形成させる。窒素を固定する多くの菌群が見つかり始めていることから、この自ら作り出した有用な菌群によるバイオフィルムは根による窒素成分の取得に大きな貢献をしているものと思われる。
このように、植物自身が地中の不溶化した栄養物を分解して燐酸、カリウム、窒素などの栄養を作り出すことにより、堆肥を減らすことが可能であり、また雑草との競合に優勢となる。
本願発明に係る方法において、上述の植物免疫増強組成物は、植物の細胞膜またはエンドゾームに存在するTLR(トールライクレセプター)、細胞内部の細胞質に存在するNLR(ノッドライクレセプター)、またはRLR(Rigライクレセプター)等の自然免疫を活性化させる受容体を刺激するものである。具体的に、本願発明において、内胞子を形成する好気性グラム陽性菌とグラム陰性菌から成る細菌群の低分子分解物が、植物免疫増強組成物として利用される。
ここで、自然免疫とは、一般に、上述の植物免疫増強組成物によって自然免疫の受容体が刺激を受けて抗菌・抗ウイルス物質を放出する仕組みを指す。また、植物の自然免疫として、植物の老化防止や細胞内解毒において重要な役割を果たす液胞またはリソゾームを利用したオートファジーの仕組みや、抗ウイルスや植物器官の形成に重要な役割を果たす植物細胞のアポトーシスの仕組みが、自然免疫の分子レベルでのメカニズムにおいて密接に関係していることが解明されつつある。つまり、植物の自然免疫は、細菌、カビ、ウイルスなどの外敵から身を守る働きをすると同時に、オートファジーやアポトーシスの仕組みを使って、外敵に加えて、内敵である細胞の老化防止や細胞内の解毒に貢献している。
このように自然免疫活性化は植物の細菌、ウイルス、カビ等に対する抵抗力を増強する働きに加えて、オートファジーやアポトーシスの働きを活発にさせることで植物の生理活性が高まり、老化した葉緑体やミトコンドリアが液胞オートファジーにより除去されて若返り、これにより光合成が活発になる。よって、上述の植物免疫増強組成物は、植物の生命力を増大させる働きを有する。
具体的には、PCT/JP2010/001120に記載された免疫増強組成物が植物に対する自然免疫リガンドとして著しい働きを有することを見出したことを通じて、自然栽培に近く生産性の高い農法(自然免疫活性化農法)をなし得ている。これは、有機肥料や土壌菌などを与えて育てる農法ではなく、農作物の生命力を高めて植物自身の力で病気を克服し必要な栄養を自ら作り出す農法である。これにより、農薬や除草剤を極力使用しないばかりか、作物の増収をもたらし、さらに糖度や酸度等が増加した果実、穀物、野菜などを提供することを可能にする。
また、この植物免疫増強組成物を使用した植物を育成する方法は害虫を寄せ付けない性質もあることが明らかになった。すなわち、本願発明に係る方法は有機肥料を極力少なくすることができるため窒素成分を植物が過剰摂取することがない。害虫は一般に作物の葉から分泌される窒素成分に引き寄せられ集まるため、窒素成分を求めて集まる害虫の被害が少なくなる。窒素過多の有機肥料を多く与えて作物を大きく育てる農法では、害虫を誘引してしまい被害も増大する。しかし、本願発明に係る方法では有機肥料を極力抑制することが可能であるため、害虫被害が少なくなる。
このように、本願発明に係る方法は、上記課題を解決することができ、さらに、あらゆる農耕形態、例えば畑作、水田、温室栽培、屋内水耕栽培、自然栽培、キッチン菜園などに適応可能であり、有機栽培、自然栽培、水耕栽培や遺伝子組換え作物などにも適用することができる。
また、上述したように、本発明によれば、植物免疫増強組成物を利用して、各種ストレス耐性又は抵抗性植物を育成する方法が提供される。そして、この好気性細菌は内胞子を形成するものであれば特に制限されるものではなく、好ましくはMRE共生菌群である。また、本発明に係る方法において使用される好気性細菌は、1又はそれ以上の好気性細菌からなる混合菌群であっても良い。
ここで、前記MRE共生菌群は、バシラスsp.(Bacillus sp.)(FERM BP−11209、識別番号MK−005)、リシニバシラス フシフォルミス(Lysinibacillus fusiformis)(FERM BP−11206、識別番号MK−001)、バシラス ソノレンシス(Bacillus sonorensis)(識別番号MK−004)、リシニバシラスsp.(Lysinibacillus sp.)(FERM BP−11207、識別番号MK−002)、及びコマモナスsp.(Comamonas sp.)(FERM BP−11208、識別番号MK−003)から成るものであり、いずれも好気性の細菌類である。
本発明に係る方法では、形成された内胞子が沈殿した後の溶液を、0.2μmのメンブレンと0.02μmのフィルターで濾過することにより、残存した極微量の培養細胞と残存浮遊する内胞子(スポア)とを除去し、その溶液をエアレーション(曝気)することによって得られた溶液が、植物を各種ストレス耐性にし得ることを利用している。本発明者らは、この溶液が植物育成に適していることを見出し、本発明を成し得たものである。
本願発明に係る「植物免疫増強組成物」は、好気性グラム陽性菌・好気性グラム陰性菌などの菌体を、3000Da以下(好ましくは1000Da〜300Da)の低分子領域まで母細胞融解酵素群やリソゾーム酵素群によって分解することで得られる。特に、MRE菌の母細胞融解酵素群を利用することによってMRE菌を分解して生成される植物免疫増強組成物は動物(特にヒト)において優れた生理活性を示すが、本願発明においては、植物に対しても様々な優れた効果を発揮することを見出している。
本願発明においては、好気性グラム陽性菌および好気性グラム陰性菌の双方または一方を含む共生菌体の培養し、その内胞子化(スポア化)を促進することで母細胞融解酵素群を誘導させ菌体の低分子分解を行う。具体的には、最初に、好気性のグラム陽性菌または好気性グラム陰性菌などの単独または混合菌群の培養液において、培養PH6.0〜6.8、培養温度25℃〜30℃で、かつエアレーションにより溶存酸素濃度0.1mg/L〜1.0mg/Lの培養条件下で液体培養する。菌の栄養物としては、魚粉・米ぬか・油カス・肉汁および硫酸マグネシュウムやシリカなどを含むミネラルを与える。混合菌群の場合は、菌相互の安定な共生関係を構築するのを待つ。
菌の培養が安定化したら、その栄養細胞状態にある菌群を別の曝気培養槽に分別し培養を続ける。次に分別した曝気培養槽でエアレーション(曝気)を続行しつつ、シリカを除く一切の栄養を絶ち飢餓状態下に置く。残存栄養物がなくなる頃、窒素成分の枯渇をトリガーにスポア化(内胞子化)が起こり、液が透明化してゆく。スポア化が完了したことを確認した上で、エアーレーション(酸素供給)を止め暫く静置すると暫くしてスポア(内胞子)は一斉に沈殿を始め透明な上澄み液を得る。こうして得られた上澄み液をメンブレンで濾過し、植物用の自然免疫リガンド原液を得る。必要に応じて、さらに0.02μmのフィルターで濾過する。
本願発明に係る方法においては、上澄み液、メンブレン濾過液、0.02μmのフィルターによる濾過液のいずれも利用できる。
好ましい菌群は、PCT/JP2010/001120号に開示したMRE共生菌群(MK−001、MK−002、MK003、MK−004、MK−005)であるが、MRE共生菌群に限定されるものではない。
好気性グラム陽性菌では、Baccilus属、Sporelactobacillus属、Paenibacillus属、Aneurinibacillus属、また、高度耐塩好アルカリ性のOceanobacillus属などがあり、詳しくはBacillus alcel、Bacillus cirulans、Bacillus licheniformis、Bacillus megaterium、Bacillus pumilus、Bacillus subtillis、Bacillus thuringiensis、Bacillus lentimorbus、Bacillus alvei、Bacillus macerans、Bacillus polymyxa、Bacillus popilliae、Bacillus coagulans、Bacillus stearothermophilus、Bacillus thermoruber、Bacillus acidocaldarius、Bacillus acidoterestris、Bacillus aycloheptainicus、Bacillus alginalyticus、Bacillus azotoforians、Bacillus badius、、Bacillus pasteurii、Bacillus aminovrans、Bacillus marinus、Bacillus pusteurii、Bacillus sphaericus、Bacillus benzoevorans、Bacillus fastidiosus、Bacillus nagunoensisなどを含む菌群が利用できる。
また、好気性グラム陰性菌では、Comamonas属など非病原性有胞子好気性グラム陰性菌の性質を持つ菌群が利用できる。
例えば、MRE共生菌群を利用した場合には、上述の内胞子を形成する好気性細菌の集まりであるMRE共生菌群(MK−001、MK−002、MK003、MK−004、MK−005)の培養液1mを同一形状の1.2mの2つの培養曝容器に入れ、溶存酸素濃度0.5mg/L〜1.2mg/Lになるようにエアレーション(曝気)を行う。その一つを培養細胞槽、他の一つをスポア化槽と名付けた。培養細胞槽には、魚粉500g、米ぬか500g、油カス250g、肉汁50gを最小限の栄養物として与え培養PH6.0〜6.8および培養温度25℃〜35℃の培養条件下でエアレーションを加え培養を続行した。一方、スポア化槽では一切の栄養を絶って飢餓状態下に置き、さらに25℃〜35℃の条件下でエアレーションを加え続けると窒素成分の枯渇をトリガーに内胞子化が始まる。培養液の透明度が増すのを待ってエアレーション(酸素供給)を止めると、内胞子は一斉に沈殿を始め透明な溶液になる。この溶液を0.2μmのメンブレンで濾過し、さらに0.02μmのフィルターにかけたものを、再度良く洗浄したスポア化槽に入れて、分解力実験の準備を整えた。ここで、MRE菌をスポア化した液からフィルターによって残存母細胞とスポアを除去したものをMRE濾過液と呼ぶことにする。従って、MRE濾過液には菌もスポアもほとんどない状態といえ、当該MRE濾過液には免疫賦活物質が存在する。本発明は、この免疫賦活物質を利用するものである。なお、本明細書において、「MRE濾過液」、「スポア化後の溶液」、「スポア化後の菌の存在しない溶液」等の表現を使用することがあるが、特に言及する場合を除き、いずれも植物免疫増強組成物を有する溶液を指すものとする。
本願発明において、上述の溶液に適用するメンブレン及びフィルターの大きさは特に制限されるものではない。例えば、メンブレンは1μm、0.7μm、0.5μm、0.3μmであっても良く、好ましくは0.2μmである。また、フィルターは、0.15μm、0.1μm、0.07μm、0.05μm、0.03μmであっても良く、好ましくは0.02μmである。
また、本願発明においては、上述の2つの培養細胞槽とスポア化槽を使用して、両方とも溶存酸素濃度0.5mg/L〜1.2mg/Lになるようにエアレーション(曝気)を行いつつ、以下の実験を行っている。
以上のようにして得られた植物免疫増強組成物は、植物の種類や成長段階によって原液を100倍〜1000倍に希釈して使用されるが、好ましい効果が得られるものであれば特に限定されるものではない。例えば、植物の種類や成長段階に応じて100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍に希釈することが可能である。
また、植物免疫増強組成物を植物に適用する方法は、葉面散布(塗布)、土壌又は植物栽培用培地に散布することにより根に吸収させる、種子を浸す、等の方法があるが、適切な量および濃度の植物免疫増強組成物が植物に吸収される方法であれば特に限定されるものではない。
また、その適用の頻度および回数は、好ましくは1〜3週間に1回の割合で行われるが、植物の種類や成長段階によって適宜変更可能である。例えば、2、3日おきに1回とすることもできる。さらに、種子の状態、播種後から収穫まで、いずれの成長段階においても適用可能である。
植物の種類による希釈液散布濃度は次の通りである。
Figure 0005410640
このように散布された植物免疫増強組成物は、1000Da以下の極性と電荷のない成分が大部分であるため、葉面や根などの表面から容易に吸収され得る。吸収された植物免疫増強組成物は、葉面や根などの自然免疫活性を高めることにより抗菌抗ウイルス物質または抗カビ酵素などの誘導放出力が高まることになる。マクロファージや好中球などの免疫のための食細胞を持たない植物は、多様な抗菌物質を分泌する。植物ディフェンシン(抗菌ペプチド)、レクチン(糖鎖に結合)、抗カビ分解酵素(キチン分解酵素やベータグルカン分解酵素など)などが植物の抗菌物質として知られている。
例えば、イネの葉からはファイトアレキシンと総称されるものとして、モミラクトンとサクラネチンという抗菌物質が1種類ずつ、ファイトカサンが5種類、オリザレキシンが7種類全部で15種類発見されている。イネの他には、ダイズのグリセオリン、ジャガイモのリシチン、エンドウマメのピサチン、インゲンマメのファゼオリン、ダイコンのアリルイソチオネート、ニンニクのアリシン、ばら科のアミグダリン(青酸へ変化)などなど250以上の植物の抗菌物質が知られている。また、低分子の抗菌物質も含めて食細胞のような動的な自然免疫系を持たない植物は、抗菌ペプチド、レクチン、低分子抗菌物質など多様な抗菌物質を分泌する能力を持っている。
これらの抗菌物質は、植物、動物、微生物が共通に有する自然免疫センサー(受容体)を活性化させることで動物のインターフェロンアルファやインターフェロンベータ等の警報物質を分泌させ、近隣細胞に知らせる仕組みをもっている。その分泌された警報物質を感知して多くの近隣細胞が一斉に抗菌抗ウイルス物質や抗カビ酵素を放出すると考えられている。自然免疫センサーには、細胞表面には動物のTLR(Toll Like Recepter)、細胞内部にはNLR(Nod Like Recepter)およびRLR(RIG−I like Receptor)等、同じ働きをする自然免疫センサーが存在する。例えば、細胞膜にはFLS2、Xa21、CLV1〜3、Aw9などの自然免疫センサー(受容体)が見つかっており、細胞内部にRPS4やRPS2などの自然免疫内部センサー(受容体)が発見されている。
本発明の植物免疫増強組成物は、ヒトや動物ばかりでなく植物の葉や根などの細胞の自然免疫センサー(受容体)を刺激し、自然免疫を活性化するものである。ウイルスは、DNA型ウイルスもRNA型ウイルスも動植物細胞内の遺伝子にもぐり込みその仕組みを使って増殖するため、抗菌ペプチドやレクチンや自然抗体などの抗菌物質では細胞内に潜入したウイルスを除去することができない。動物では、移動可能な自然免疫細胞であるナチュラルキラー細胞やナチュラルキラーT細胞、又はリンパ球免疫細胞であるキラーT細胞(脊椎動物のみ)などがウイルス感染細胞のアポトーシス(プログラム自然死)を誘導することができるが、植物ではこのような移動可能な自然免疫細胞が存在しない。そのため、植物細胞では、ウイルスも一緒に自らの細胞自身をアポトーシス(自殺)させる機能が発達している。自然免疫はその分子的なメカニズムでアポトーシスと深く結びついているために、植物免疫増強組成物はウイルス感染に対するアポトーシス誘導を活発にさせることができる。
また、自然免疫は、細胞内解毒を行うオートファジー機構とも分子的なメカニズムで深く結びついているために、自然免疫活性を高める植物免疫増強組成物は同時に植物細胞内のプロセシング酵素の働きによる液胞オートファジーの活性を高めることができる。
植物における液胞オートファジーは、植物細胞の老朽化した葉緑体や老朽化したミトコンドリアを分解する。そのため、正常な葉緑体やミトコンドリアが分裂して新しい葉緑体やミトコンドリアを生みだし置き換わる。これにより、植物細胞が若返るため、光合成の働きが活発になり糖などの栄養が多量に生み出されて根や茎や葉のエネルギー産生や細胞分裂が活発になる。この老朽化した葉緑体やミトコンドリアが若返ることで、若い芽が伸びるように光合成の効率が高まる。
光合成の効率が高まることによって増加した糖や炭水化物は、栄養分として根に送られることになる。葉から吸収された酸素や植物免疫増強組成物も導管や気管を通じて根に送られるため、根を構成する細胞の自然免疫の活性化によって抗菌、抗カビ、抗ウイルス物質や抗菌酵素の分泌が盛んになる。これらの抗菌物質の分泌により植物に有害な菌は抗菌されることになる。
また、糖などの栄養分は必要に応じて有機酸などに変えられ、酸素やアミノ酸と共に根から分泌される。これらは、糖やアミノ酸などの栄養物を求めて集まる植物にとって有益な土壌菌(バクテリア)を増やすこととなり、増殖した土壌菌は10〜100ミクロンのバイオフィルムを形成し植物の根を防御することになる。根から分泌された有機酸は、植物の根が呼び寄せた土壌菌(バクテリア)と共に、土壌中に存在する不溶化された燐、カリウム、微量ミネラル等を可溶化して植物に必要な栄養を作り出す。また、これらのバクテリアは、空気中の窒素や土壌中に存在する有機窒素を固定又は分解して、硝酸塩などの栄養に変える働きをすることが知られている。
つまり、植物の根は、抗菌物質の分泌やバクテリアを集めるための糖分や酸素などの栄養分の分泌などによって、土壌菌を積極的にコントロールしていることが分かる。すなわち、花が蜜を分泌してミツバチを呼び寄せるように、根は自分に好ましいバクテリアを集める仕組みを有する。
生命力を増した根は自ら必要な栄養を求めて根をどこまでも成長させる。その根から得た燐、カリウム、窒素、微量ミネラルなどを使って葉や茎や花や実を成長させることができる。
すなわち、本発明の植物免疫増強組成物によって、アポトーシスの仕組みを含む植物の自然免疫が刺激され、液胞オートファジーが活性化することにより老朽化した葉緑体やミトコンドリアが排除され、植物の細胞内解毒が促進され植物細胞が若返る。これにより、光合成や植物の生理機構が活性化し、同時に根からの有機酸、糖分、アミノ酸、酸素、特殊分解酵素などが分泌されることで土壌菌を植物に都合の良いように管理する。また、土壌中に不溶化された燐、カリウム、窒素などを可溶化することで栄養を生み出すようになる。
本発明は、植物免疫増強組成物を使用することによって、自然免疫による抗菌、抗ウイルス、抗真菌作用の強化と同時に、液胞オートファジーを活性化させることで光合成の著しい増加やミトコンドリアの活動を促すものである。さらに丈夫な根を発達させて土壌中の栄養を積極的に生み出し吸収することで、植物の生命力(生理活性)を著しく高めるものである。その結果、従来の農法で重視されてきた窒素、燐酸、カリウムや植物に必要なミネラルなどの肥料を著しく減らすことが可能となる。
有機農法と異なり、土壌菌群の働きにより窒素分などの肥料を減らすことができるため、葉から分泌される窒素分を求めて飛来する害虫の被害を少なくすることができる。また、自然免疫を活性化することで、根からの分泌物により土壌菌をコントロールできるため、EM菌のように外から人工的に与えることを必要としない。
このように、植物免疫増強組成物を使用した農法は、肥料や土壌菌を積極的に与える農法から脱却し、生命力を高めて自らの力で根を発達させて栄養を作り出す生命力豊かな自然な農法に転換することを可能にする。
しかも、土壌中から植物によって生み出される栄養には、従来の肥料には含まれていない亜鉛などの微量ミネラルが含まれるため、生育効果が高まり、収穫量が多いばかりではなく、甘味や酸味が加わる。自然免疫力が高まるため、病害虫にも強いことは言うまでもない。
また、本発明は、自然栽培農法の観点からみても著しい利点を有する。ここで自然栽培農法は、雑草を含む多種類の植物を共生させて栽培する農法を意味しており、雑草の根の力で土壌から栄養を生み出させて、それを利用して作物を育てる方法である。病気に強く、過剰な窒素成分を吸収しないために害虫も誘引することが少なく、しかも生命力が強く作物の味も良い。しかし、収穫量が少なく、手間がかかるため、価格も高くなってしまう。
本発明の植物免疫増強組成物を使用した方法は、極めて自然栽培農法に近い作物が効率の良い従来の畑や田んぼで育てることができ、そして自然栽培農法はもちろん従来の農法に比べても収穫量が大幅に増加するという特徴を有する。さらに、本発明の植物免疫増強組成物を使用した方法によって、塩分耐性や除草剤耐性等を備えた植物を得ることができる。
本発明者らは、台風によってパパイヤ畑が海水に侵されたことから塩分耐性について発見した。多くのパパイヤが枯れてしまったのに対して、本発明の植物免疫増強組成物を散布したパパイヤ畑においては、被害を受けず実をならすことができた。その後、砂漠の塩害地においても、本願発明に係る方法によって麦が育つことが実証された。さらに以下の実施例に示したように、穴のないバケツでミニトマトを育てて、毎日海水をかけ続けて育てても、植物免疫増強組成物によって活性化した作物は枯れずに立派なミニトマトを付けるという結果が得られている。
このメカニズムについては、植物の根の細胞にあるナトリウムイオンチャネルやカリウムイオンチャネルの働きによって根自身が高いナトリウムイオン勾配を形成していることが解明されている(J.Exp.Bot.55,939−949 Peng,Y.H.,Zhu,Y.F.,Mao,Y.Q.,Wang,S.M.,Su,W.A.and Tang,Z.C.(2004) "Alkali grass resists salt stress through high and an endodermis barrier to")。また、わずか150〜200μmのバイオフィルムが塩素の侵入を強固に阻んでいるという報告もされている。
本発明では、植物の根の細胞自身によるトランスポータやナトリウムポンプを通じてナトリウムイオン侵入の阻止や処理の働きを強めると共に、根によるバイオフィルムの形成を活発にして不必要な塩素イオンの侵入をブロックする働きを活発にすることで、塩分耐性を獲得するものと推測される。
すなわち、本発明に係る方法は、台風や高潮などが原因の海水による冠水、砂漠化の緑化に伴う塩害、塩水を使用した栽培等においても利用することができる。また、乾燥地における保湿力の増大、砂地での団塊保湿化の増大も発見された。
また、本発明者らは、本願発明に係る方法を使用して育てた植物が除草剤耐性を有することを見出した。除草剤を撒いた後の田んぼのあぜ道の雑草に本発明の植物免疫増強組成物を散布すると、その雑草は、農薬が撒かれていても枯れることはなかった。また、ゴルフ場のグリーンに高濃度の除草剤を散布した後、本発明の植物免疫増強組成物を散布すると、グリーンの芝は枯れることはなかった。
本発明の植物免疫増強組成物を除草剤と混ぜても除草剤の分解は起こらないことも確かめられた。本発明の植物免疫増強組成物により、液胞による解毒効果が高まり、除草剤耐性が得られたと考えられる。このことは、以下の実施例によっても確認されている。
現在までの研究において、植物の液胞における除草剤解毒分解の一つのメカニズムが解明されており、植物には除草剤耐性をもたらす解毒の仕組みが存在することが示されている。本発明においては、液胞オートファジーなどの細胞内解毒や、解毒のために形成された除草剤抱合物が液胞に移送されて特別な分解酵素で分解されるメカニズムが活性化し、除草剤耐性を発現するものと考えられる。
本願発明に係る方法において、上記除草剤としては、シマジン、アトラジン、ラウンドアップなどが挙げられるが、商用として一般に流通する除草剤であれば特に限定されるものではない。
本発明の植物免疫増強組成物により植物の自然免疫を活性化することで、菌やウイルスやカビなどに耐性を持ち、害虫や雑草との競合にも強い作物を作ることに成功した。本発明に係る方法によって作られた作物は、生命力(生理活動)が高いため、自然栽培に近い農法であるにもかかわらず根を深く張り、その根から有機酸、糖分、酸素、抗菌物質、または特殊な分解酵素などを分泌することができる。同時に、土壌菌を選別して土壌菌と共同して土壌成分から自らに必要な燐、カリウム、窒素、又はミネラルなどの栄養物を作り出すことで収穫量を飛躍的に増加させることができる。すなわち、本願発明に係る方法によれば、殺菌剤、殺虫剤、除草剤等をほとんど使わずに、糖度、酸度、又は旨味成分を増加させ、ミネラル豊富な農作物を高い効率で得ることができる。
また、本発明に係る方法は、自然栽培に近い農法であるために、田んぼや畑などには、カエル、ドジョウ、タニシを始めとする水生動物や水生昆虫、また藻類を含む多様な生物が生息することができる。また、夏から秋にかけて無数のトンボが飛び交い、鷺の一団が訪れる自然豊かな田園を回復させることができた。すなわち、本発明に係る方法は生物多様性を回復することもでき、地球環境の保持に貢献する。
また、本発明に係る方法は、自然栽培に近い農法にもかかわらず効率的な農作業が可能であり、また雑草との競合に強い作物ができるため、完全な除草を必要としない。さらに、自然栽培に近い農法であるため、微量ミネラルや抗酸化栄養素などを含む栄養価の高い作物を作ることができる。また、本発明に係る方法によって作られる果実は、糖度と酸味を増すと共に旨みやコクといった味の深みが増す。
また、本願発明に係る方法において、育成対象となる植物または農産物としては、稲(米)・黒米や赤米や緑米や香り米を含む古代米・小麦・大麦・燕麦・ライムギ・ハト麦・キビ・アワ・ヒエ・トウモロコシなどの穀物類、ダイズ・アズキ・ササゲ・インゲン豆・落花生・エンドウ豆・ソラ豆・レンズ豆・ヒヨコ豆・タマリンドなどを含む豆類、ネギ・レタス・キャベツ・白菜・ほうれん草・小松菜・水菜・キクナ・タカナ・セロリ・ワケギ・タイサイ・チンゲンサイなどを含む葉物野菜、ブロッコリー・花野菜などの花芽野菜、玉ねぎ・ニンニク・ラッキョウなどの鱗頚野菜、アスパラガス・コールラビ・タケノコなどの茎野菜、きゅうり・なす・ヒーマン・トマト・かぼちゃな・スイカ・メロン・イチゴ・トウガラシなどの実物野菜、大根・カブ・蓮根・人参・ごぼう・さつま芋・自然薯・山芋などの根菜類、みかん・りんご・ぶどう・ナシ・もも・柿・さくらんぼ・マンゴ・キウイ・バナナ・パイナップル・パパイヤ・ブルーベリー・アボガドなどの果実類、茶類や藤・つつじ・木蓮・バラ・など花木を含む樹木類、ラン・コスモス・菊・グロキシニア・ユリ・ベコニア・アザレア・シクラメン・スズラン・チューリップ・百日草・マーガレット・ゼラニウム・キンセンカ・ガーベラ・スイートピー・アイリス・カーネーション・シンビジューム・クレマチス・ハナショウブ・セントポーリア・桜草などを含む草花類やマリーゴールド・ラベンダー・セージ・ミント・タイム・ローズマリー・フェネル・ヤロウ・レモンバーム・サフラン・チコリ・バジル・オレガノ・セントジョーンズワート・アルカネット・アロエ・ジンジャーなどを含むハーブ類、サイコ・トウキ・シャクヤ・甘草・葛・麻黄・生姜・ドクダミ・アシタバ・イカリソウ・イタドリ・ウツボグサ・オオバコ・オナモミ・ガマ・ヨモギ・クズ・キキョウ・ゲンノシヨウコ・ジャノヒゲ・スギナ・スミレ・センブリ・タンポポ・ツルナ・ツワブキ・ハコベ・ユキノシタ・リンドウなどを含む薬草類などが挙げられるが、一般に育成可能な植物であれば特に限定されるものではない。
農耕形態としては畑作・水田・水耕栽培・自然栽培・温室栽培・キッチン菜園など様々な農耕形態に適応可能である。
また、本発明の一実施形態において、本願発明にかかる植物免疫増強組成物は、従来の肥料や培土に混合されることができる。この場合、従来の肥料や培土は、各種植物の育成に適したものであれば特に限定されるものではない。また、本願発明にかかる植物免疫増強組成物は、上述の通り、各種植物の育成に適用可能であるため、様々な植物の種子と共に植物栽培キットとすることもでき、植物の種子としては、上述の本願発明にかかる植物免疫増強組成物が適用可能な植物の種子であることが好ましい。
(実施例1)
イネ
苗床を2面用意し、コシヒカリの籾を2群に分けて片方には通常の籾を撒き他方には籾を200倍に希釈した植物免疫増強組成物に浸したものを撒いた。苗床で苗が10cmほど育ったときに、植物免疫増強組成物で処理した苗にのみさらに300倍に希釈した植物免疫増強組成物を全面散布した。できあがった苗を、隣り合った同じような田んぼ2面に田植えをし、植物免疫増強組成物を使って育てているイネの田んぼに植物免疫増強組成物原液を反当り20リットルの割合で流し入れた。その後植物免疫増強組成物を使わない田んぼは収穫まで通常の栽培を行った。植物免疫増強組成物で育てている田んぼは、その後、2週間に1度の間隔で植物免疫増強組成物を500倍に希釈して葉面散布をし、出穂時に田んぼに植物免疫増強組成物原液を反当り20リットルの割合で流し入れた。出穂後は収穫までに200倍希釈で2回葉面散布した。
その結果、通常の農法では図1aのような作柄であったのに対し、植物免疫増強組成物を用いたイネは図1bのように穂が長く垂れて米粒も大きく数も多かった。この図からも分かるように、稲刈りの時期になっても青々とした葉が目立っているほど生命力に溢れていた。そして、この米は精米し炊飯すると、モチモチ感のあるご飯となった。
さらに、植物免疫増強組成物を用いて育てたイネでは茎も太く根が田んぼの堅い土を突き破って地中深く伸びていた。
通常のイネと植物免疫増強組成物を用いた方法により育てたイネの「分結数」「一本の穂に実った米粒数」「一株の収穫米粒数」の結果を表したのが以下の表である。
Figure 0005410640
通常のイネに対して植物免疫増強組成物を用いた方法により育てたイネは分結数で1.34倍、一つの穂になる米粒の数では1.29倍、一株の収穫量は1.74倍という結果を得た。また、体内で重要な働きをする亜鉛の含有量も通常の玄米で1.8mgに対し植物免疫増強組成物を用いた方法によって育てた玄米では2.7mgと大幅に増加していた。
(実施例2)
サツマイモ
図2aのようなサツマイモを2個入手して右側のものに植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を300倍に希釈して3日に1度全面散布した。その結果、図2bのように植物免疫増強組成物を散布したもののほうが明らかに葉も大きく葉数も増えて生い茂るようになった。サツマイモを掘って比較すると図2cのように植物免疫増強組成物を散布したものの根が著しく発達していた。
(実施例3)
花の咲き方1 ミリオンゴールド
図3aのような同じ大きさのミリオンゴールドの苗を2つ入手した。左側の苗に植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を300倍に希釈して3日に1度全面散布し続けた。図3bと図3cは同じものを角度を変えて撮ったものであるが、明らかに花や葉の数が著しく増加している。
(実施例4)
花の咲き方2 グロキシニア
図4aのような満開のグロキシニアの鉢植えを2個購入した。やがて花が終わり、図4bのように2つのグロキシニアの花は咲かなくなった。そのような左側の鉢植えに植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を300倍に希釈して3日に1度全面散布し続けた。その結果、図4cのように右側の花はそのまま開花せずにいたが、植物免疫増強組成物を散布した左側のグロキシニアは再び花を付けた。その後、右側の花は3回以上花をつけてはしぼみを繰り返した。
(実施例5)
ミカン
痩せた土地に生えているミカンの木に例年3〜4個の実がなり、その実は水気がなくパサパサしていた。植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を200倍に希釈して3週間に1度の間隔で葉面および幹に散布した。その結果、痩せた土地で肥料も与えないのに22個の甘いおいしいミカンの果実ができた。
(実施例6)
ミニトマトの糖度
ミニトマトを温室でバケツに土を入れ同じような苗を10本育てた。比較のため5本は通常の農法による栽培を行い、別の5本は植物免疫増強組成物の発酵原液を300倍にして毎日全面散布を行った。その結果、以下の表のように糖度の明らかな向上が見られた。また、酸度も上昇した。糖度と酸度の向上により本願発明に係る方法によるミニトマトは通常の農法のものより明らかにおいしく感じられた。
Figure 0005410640
(実施例7)
リンゴ
リンゴの開花、受粉、結実後に植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を200倍に希釈して葉面および幹に散布した。その後、収穫までに2〜3週間間隔で散布した。その結果、リンゴの実の糖度が従来と比べて著しく上昇した。また、樹木も元気になった。
(実施例8)
長ネギ
連作障害で赤さび病が発生した土地で長ネギを育てた。連作障害でネギは細く大きくならない状態であった。発芽後、植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を300倍に希釈して2週間に1度の間隔で全面散布した。その結果、散布しなかったネギは連作障害で細く小さなネギであったが、散布したものは太く大きくなった。また、植物免疫増強組成物を用いたものはほとんど赤さび病になることはなかった。
(実施例9)
レンコン
レンコンの沼に植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の原液を2000倍の希釈になるように流し入れた。その後、ハスの葉に300希釈したものを2週間に1度葉面散布した。蓮根は大きく立派になりそこから細く長い大量の根が張っていた。レンコンの味は通常と同じであった。
(実施例10)
塩分耐性
穴のないポリバケツでミニトマトを苗から4本育てた。40cm程に育ったときにそのうちの2本のみに植物免疫増強組成物の原液を300倍に希釈して毎日全面散布を行った。花がいくつか咲き終わった時点で4本全部に毎日海水を500ml、バケツの土に流し込んだ。植物免疫増強組成物を散布しなかった方は枯れてしまったが、植物免疫増強組成物を散布し続けた方は立派に実がなって収穫が得られた。この4本とは別の植物免疫増強組成物を散布して育てたミニトマトと比べても大きさや数など遜色はなかった。
(実施例11)
除草剤耐性
植物免疫増強組成物を30倍に薄めて、除草剤の分解実験をした。除草剤のシマジン50%とアトラジン50%を通常の散布濃度に調整して、2台のプランターに植えた芝生にそれぞれ除草剤を散布した。30分後に、片方の芝生のみ、水で30倍に薄めた植物免疫増強組成物を散布した。24時間後にその状況を調べた結果、植物免疫増強組成物を散布した芝は青々として何事もなく、一方、植物免疫増強組成物を散布しなかった方は変色を始めていた。その後、7日後には植物免疫増強組成物を散布した芝は元気で、植物免疫増強組成物を散布しなかった芝は完全に枯れていた。
(実施例12)
農薬および除草剤耐性
除草剤を始めとする農薬散布を続けたため弱った夏ミカンの木が、立ち枯れ寸前の状態で、幹根元から1.2m程の幹の半分が腐って削がれたように欠損していた。実は1個付けることがやっとできる状態であった。植物免疫増強組成物の原液を500倍に希釈して葉面と幹と根もと周辺に1週間に1度10ヵ月散布した。その結果、幹に生気が戻り、葉が生き生きして多くなり、大きな夏ミカンの実を12個ほど付けるようになった。
(実施例13)
オクラ
本願発明に係る方法で育てた「オクラ」は通常よりも木が著しく大きくなり、通常の収穫限を越えた10月まで採取できた。
(実施例14)
アズキ及びササギ
本願発明にかかる方法で育てた「アズキ」も「ササギ」も大粒なものができた。収穫も多く、また通常よりも根の張り具合も伸びていた。
(実施例15)
エダマメ
本願発明に係る方法で育てたエダマメ(ダイズ)はサヤが大きくなった。根の張り具合も強くなった。
(実施例16)
サトイモ
本願発明に係る方法で育てたサトイモは、比較のため通常の農法で育てたサトイモよりも大きくなった。
(実施例17)
ジャガイモ
本願発明に係る方法で育てたジャガイモは、通常のものより大きく育った。
(実施例18)
スナックエンドウ
本願発明に係る方法で育てたスナックエンドウは、木が太くなり、長期間にわたり大きな実を付けた。
(実施例19)
シシトウ
本願発明に係る方法で育てたシシトウは、通常のものよりも大きなものが、数多く実を付けた。また、12月後半になっても実を付けた。
(実施例20)
その他
ねぎ・きゅうり・なす・むらさきつる菜・ゴーヤ・柿・しょうが・ふき・梅・ブルーベリー・ポポ・とうがらし・大根・カブ・ブロッコリー・水菜・白菜・そら豆を、本願発明に係る方法で育てた場合も、作物が大きく味も向上し収穫量も上がるという結果を得た。また、根が発達し病害虫にも強くなった。
(実施例21)
植物免疫増強組成物(MRE発酵液)の製造
MRE共生菌群の培養は、好気性グラム陽性菌の一般的な培養方法で培養を行う。1.2立法メ−トルの培養曝気槽に1000リットルの水と入れエアレーション(曝気)を行う。その培養曝気槽に魚粉3kg、米ぬか3kg、油カス1.6kg、肉汁350gを栄養物として与え、さらに硫酸マグネシュウムやシリカなどのミネラルを適量加える。さらに菌体を投入し、培養PH6.0〜6.8および培養温度25℃〜35℃の培養条件下で、かつ溶存酸素濃度0.5mg/?〜1.2mg/?になるようにエアレーション(曝気)を加えながらMRE共生菌培養する。
菌の十分な増殖と安定化を待って、MRE共生菌群の一切の栄養を絶って飢餓状態下に置き、さらに15℃〜35℃の条件下でエアレーションを加え続けると窒素成分の枯渇をトリガーにMRE共生菌群の内胞子化が始まる。培養液の透明度が一気に増すのを待ってエアレーション(酸素供給)を止めると、内胞子は一斉に沈殿を始め透明な上澄み液を得る。
こうして得られた上澄み液をさらに0.2μのメンブレンで加圧ろ過し、免疫賦活物質を含有したMRE分解液を得る。エアレーションを止めるタイミングは、また、位相差顕微鏡でスポア化が完了したことを確認した上で行うことができる。
その他、本発明は、さまざまに変形可能であることは言うまでもなく、上述した一実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。

Claims (16)

  1. 外的又は内的ストレスに対する免疫又は生理活性が増強した植物を育成する方法であって、
    目的の植物に、有胞子好気性細菌の胞子形成に伴う細胞融解で生じる免疫賦活物質を有する植物免疫増強組成物を適用する工程を有し、前記免疫賦活物質は、前記有胞子好気性細菌を培養し、得られた培養液を飢餓状態におくことにより当該細菌を内胞子化させ、さらにその培養液から当該内胞子化された細菌を含む不純物を除去することによって得られるものであり、
    前記有胞子好気性細菌はMRE共生菌群である、
    ことを特徴とする、方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記適用する工程は、前記植物免疫増強組成物を前記植物が生息する土壌又は植物栽培用培地に散布するものであり、これにより前記植物免疫増強組成物が前記植物の根に吸収されるものである
    ことを特徴とする、方法。
  3. 請求項1記載の方法において、
    前記適用する工程は、前記植物免疫増強組成物を前記植物の葉に塗布するものである
    ことを特徴とする、方法。
  4. 請求項1記載の方法において、
    前記植物は、抗病原菌作用、抗害虫作用、塩分耐性、除草剤耐性からなる群から選択される形質を獲得するものである
    ことを特徴とする、方法。
  5. 請求項1記載の方法において、
    前記外的又は内的ストレスは、病原菌、害虫、ウイルス、高濃度塩分、強光、紫外線、高温、低温、乾燥、重金属、大気汚染ガスからなる群から選択されるものである
    ことを特徴とする、方法。
  6. 請求項1記載の方法において、
    前記植物は、葉物野菜、花芽野菜、鱗頚野菜、茎野菜、実物野菜、根菜類からなる群から選択される植物、穀物又は豆類を作る植物、果実をつける植物、観賞用花をつける植物、薬用植物からなる群から選択されるものである
    ことを特徴とする、方法。
  7. 請求項6記載の方法において、
    前記植物は、イネ、サツマイモ、ミリオンゴールド、グロキシニア、ミカン、ミニトマト、リンゴ、長ネギ、レンコン、オクラ、アズキ、ササギ、ダイズ、サトイモ、ジャガイモ、スナックエンドウ、シシトウ、ネギ、キュウリ、ナス、むらさきつる菜、ゴーヤ、カキ、ショウガ、フキ、ウメ、ブルーベリー、ポポ、トウガラシ、ダイコン、カブ、ブロッコリー、水菜、白菜、そら豆からなる群から選択されるものである
    ことを特徴とする、方法。
  8. 請求項1記載の方法において、
    前記植物免疫増強組成物は、100〜1000倍に希釈されるものである
    ことを特徴とする、方法。
  9. 請求項1記載の方法において、
    前記適用する工程は、1〜3週間に1回の割合で行われるものである
    ことを特徴とする、方法。
  10. 請求項1記載の方法において、
    前記植物は、畑作、水田、水耕栽培、自然栽培、及び温室栽培からなる群から選択される形態で育成されるものである
    ことを特徴とする、方法。
  11. 外的又は内的ストレスに対する免疫又は生理活性が増強した植物を育成するための植物免疫増強組成物であって、
    前記植物免疫増強組成物は、有胞子好気性細菌の胞子形成に伴う細胞融解で生じる免疫賦活物質を有するものであり、
    前記免疫賦活物質は、前記有胞子好気性細菌を培養し、得られた培養液を飢餓状態におくことにより当該細菌を内胞子化させ、さらにその培養液から当該内胞子化された細菌を含む不純物を除去することによって得られるものであり、
    前記有胞子好気性細菌は、MRE共生菌群である
    ことを特徴とする、組成物。
  12. 請求項11記載の組成物において、
    前記植物は、抗病原菌作用、抗害虫作用、塩分耐性、除草剤耐性からなる群から選択される形質を獲得するものである
    ことを特徴とする、組成物。
  13. 請求項11記載の組成物において、
    この組成物は、100〜1000倍に希釈されるものである
    ことを特徴とする、組成物。
  14. 請求項11記載の組成物を含む肥料。
  15. 請求項11記載の組成物を含む培土。
  16. 植物の種子と請求項11記載の組成物とを含む、植物栽培キット。
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