JP2008538566A - 環境ストレスに対する植物の抵抗性および耐性を促進するためのn−アセチルシステインアミド(nacアミド) - Google Patents

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Abstract

強力な抗酸化物質N−アセチルシステインアミド(NACアミド)、または生理学的に許容されるその誘導体、塩、あるいはエステルは、極端な気温、干ばつ、湿度、霜、雨、および様々な害虫や病原体の存在および侵入を含む環境による生物的および非生物的ストレスに対する、植物および作物の有害反応を軽減あるいは予防するために、局所的あるいは外来的に植物あるいはその一部に塗布される。前記環境ストレスにより、生物細胞内に酸化ストレスおよびフリーラジカルの相関生成(および集積)が生じ、それにより植物細胞および植物組織が破壊され、植物の死につながる。NACアミドは、植物の成長および生存能力全般に悪影響を及ぼす前記酸化ストレスおよびフリーラジカル生成を軽減、予防、緩和、あるいはそうでなければ拮抗する。

Description

発明の技術分野
本発明は、一般的に、植物の害虫、病原菌、悪天候、土壌、成長および維持の状況を含むがこれらに限定されない様々な環境ストレスに対して、植物あるいは作物がより抵抗性または耐性になることを可能にする環境的に安全な抗酸化物質の使用による、植物あるいは作物の処理に関する。
発明の背景
多くの生命体と同様に、植物は、生物的および非生物的な様々な環境ストレスおよび攻撃にさらされている。生物的ストレスは、昆虫、クモ類、線虫などの害虫、および細菌、ウイルス、菌およびマイコプラズムなどの病原菌を含む。非生物学的ストレスは、干ばつ、霜、過剰降雨、湿度および熱などの極端な気温および気象条件を含む。毎年、上記ストレスにより、作物生産の被害および減少に起因して、数十億ドルに値する植物損害が生じている。したがって、価値ある植物および作物にかかる上記ストレスの有害作用の制御は、経済的および環境的な問題である。
第二次世界大戦以降、生物的および非生物的な環境ストレスの要因から植物を保護するための取り組みには、主に、合成有毒科学薬品(農薬等)を使用している。農薬の年間使用量は、544000000キロ以上に増加している。しかし、農薬を市場に出すには多くの費用がかかり、したがって、広範な使用に対しても費用がかかる。その上、農薬はその環境に残存する特性、また、潜在的な毒性により、動物および人間の健康に対して、危険を今尚与えつづけている。
農薬の使用に伴った経済的費用および健康危機により、植物および作物を保護する代替戦略が、かつてないほど重要視されるようになっている。上記代替戦略の一つは、植物の防衛機能を増大させる方法を探求および開発することである。そのために、多数の害虫と農薬と環境ストレスに対する耐性を与えるタンパク質、合成酵素およびポリペプチドを発現するために、植物は、分子学的に処理されている。
特定のストレス刺激が病原菌に対する植物の耐性を増大させることは、以前から知られている。例えば、MullerおよびBorgesが1940年に、フィトアレキシンを発見した。(引用(Muller,K.O.and Borges,H.Arb.Biol.Reichsanst Land−u Forstwiss.23:189−231(1940))。フィトアレキシンの発見により、植物による誘導可能な防御反応として観測されてきたものへの生化学的説明が可能になった。様々な生物的あるいは非生物的ストレス(つまり、外部誘導物質)への露出は、植物によるフィトアレキシンの合成および蓄積をもたらす。これらのフィトアレキシンは摂食阻害および抗生物質的性質を示し、それらは、植物にとっては防御となるが、逆に、真菌、細菌、高等植物細胞、また動物細胞に対しては有毒である。(J.Ebel,Phytoalexin Synthesis:The Biochemical Analysis of the Inductive Process,Ann.Rev.Phytopathol,24:235−64,1986).例えば、これらの外部誘導物質は、フィトアレキシンに加え、プロテアーゼ阻害物質およびホルモン類似体などの、その他の化学的防御機能も誘発することがある。研究されている生物的外部誘導物質は、Phytophthora megasperma var. sojae (真菌)(Klarman,W.L.,Netherlands Jour.Plant Pathol,74:171−175(1968)と、Chamberlain,D.W.andJ.D.Paxton,Phytopathology,58:1349−1350(1968))と、Meloidogyne incognita(線虫)(Kaplan,D.et al,Physiol.Plant Pathol.,16:309−318,1980)と、Psedomonas syringae pv. glycinea(細菌)(Holliday,MJ.et al,Physiol.Plant Pathol.,18:279−287,1981)と、いくつかの昆虫の種(Kogan,M.andJ.Paxton,in:P.A.Hedin(ed.),Plant Resistance to Insects,Amer.Chem.Soc,Wash.,D.C.1983)と、Tetranychus urticae(ダニ)(Hildebrand,D.F.et al.,Jour.Econ.Entomol.,79:1459−1465,1986)、およびEpilachna varivestis(昆虫)(Chiang,H.S.et al.,Jour.Chem.Ecol.,13:741−749,1987)を含む。
上記生物的外部誘導物質は、実験上は植物の耐性の増大を示しているが、それら自身が、害虫あるいは植物の病原である場合がある。その上、実用に必須な濃度内で均一の活性を示す生物的外部誘導物質の大規模生産は、絶好の条件下においてさえ、困難かつ費用がかかる。したがって、現在、生物的外部誘導物質は、有毒農薬に対する満足できる代替物として考えられていない。
非生物的外部誘導物質は、殺菌剤と殺菌剤分解生成物の中で特定されてきた(Reilly,JJ. and W.L.Klarman,Phytopathology,62:1113−1115,1972)。マネブ、エチレンジアミン、ポリエチレン(チオカルバモイル)、一硫化(PTM)とベノミールは、前記殺菌剤の代表的なものである。紫外線照射は、大豆に対して活性がある。(Bridge,M.A.and W.L.Klarman,Phytopathology,63:606−609,1973)。その他の非生物的外部誘導物質は、塩化第二水銀(Moesta,P.and H.Grisebach,286:710−711,1980)、アシフルオルフェンおよびオキシフルオルフェン除草剤(Komives,T.およびJ.E.Casida,Jour.Agric.Food Chem.,31:751−755,1983)、ジチオスレイトール(DTT)とN―エチルマレイミド(NEM)、P−ヒドロキシ水銀安息香酸(PHMB)およびP−クロロ水銀ベンゼンスルフォン酸(PMBS)(Stoessel,P.Planta,160:314−319,1984)、およびグルカン分子(Grisebach,H.et al.,UCLA Symp.Mol Cell Biol.,Ser.22:275−290,1985)を含む。残念ながら、これらの実験上での非生物的外部誘導物質は、環境に残存し、植物および動物生命体に有害である。したがって、これらの化合物と物質は、研究には役立つが、既存の有害農薬による問題を回避も減少もしない。
農業および関連事業の各種用途に応じて、多種多様の外来性の化学物質で植物を処理することが好ましい。本明細書中で定義された外来性の化学物質は、天然に得られたものであれ合成により得られたものであれ、この物質が何らかの所望の生物学的活性を発現する植物の一つ以上の部位にこの物質を送達することを意図してかまたはこの物質の送達をもたらすように、この植物に適用される化学物質である。外来性の化学物質の例には、化学殺虫剤(除草剤、殺藻剤、殺菌剤、殺菌薬、殺ウイルス剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤および軟体動物駆除剤など)、植物成長調整剤、肥料および栄養剤、殺精剤、枯れ葉剤、乾燥剤、それらの混合物などが含まれるが、これらに限定されない。
多くの外来性の化学物質または薬剤は、植物の茎葉(例えば、通常地表に出ている葉およびその他の非木質部)に適用され、適用部分の近くかまたは離れた場所のいずれかに、植物の作用点を有する。そのような物質または薬剤は、葉面散布された外来性化学物質と呼ばれている。外来性の物質または薬剤の生物学的効果が植物に利用され、そして植物において機能的に有効である作用点に到達するために、好ましくは、外来性の葉面散布物質または薬剤は、効率良く、且つ効果的に適用または注入される。理想としては、物質または薬剤が、生物的効果の一貫性を損なうことなく縮小時間内に適用されるのが好ましい。殺虫剤、特に除草剤の使用の低減への農産業が受けている圧力は、例えば、Weed Technology,8:331−386(1994)に記録されている1993年のWeed Science Society of Americaのシンポジウムに関する論文により証明されている。使用量の低減により、処理される単位面積当たりのコスト削減になるため、環境だけでなく経済的利益にもつながる。
除草組成物は、植物の代謝過程に影響を与えることにより除草効果を促進すると仮定されている化学的共力剤(synergist)を含むことが、記載されている。前記化学的共力剤は、6−ベンジルアミノプリンと、ジベレリン酸と、2−クロロエチルホスホン酸を含み、これらは全て、それ自体で植物の成長調整活性を有することが公知である。例えば、グリフォセート除草剤組成物が適用される前に、同時にジベレリン酸が成長途中の植物に適用された場合、グリフォセートの除草効果が上がることが報告されている。しかし、除草剤を適用する数日前、または時には数週間前に共力剤を適用する必要があるため、6−ベンジルアミノプリン、ジベレリン酸、および2−クロロエチルホスホン酸等の共力剤の使用には限度がある。その他の共力剤は、除草剤と同時に適用できるが、共力剤に対し、外来性の化学物質重量が、1:1または2:1の様に、高濃度の場合のみ有効である。
外来性化学物質(特に除草剤)における葉面散布された組成物の生物学的効果の信頼性を上げるための広く実践されている方法とは、アンモニウム塩(硫化アンモニウム等)を含む促進剤を、適用する組成物に加えることである。促進された生物学的効果は使用毎に保証されていないが、前記方法の低コストは、生物学的効果がたとえほんの僅か(例えば、5回のうち1回だけ前記方法が用いられる)だけ促進されたとしても、それでも価値はあるということを意味し、この方法を実践している者には周知のことである。
促進剤を併用して、局所的に、あるいは植物または作物の茎葉に供給するために、局所的または葉面散布された外来性物質の効力の信頼性を可能にしながら、同時に物質および促進剤共に低使用率で用いることが好まれている。外来性の化学物質の生物学的効果は、植物の生細胞または生組織内への物質の送達により左右される。従って、植物の様々な生物学的過程を刺激する低率促進剤が使用される(例えば、Sampsonの特許文献1を参照)。本特許は、添加剤が農薬作用の向上目的で使用できることを開示する。前記添加剤は、代謝エネルギーを供給するための、または、アミノ酸およびヌクレオチドの前駆物質としての炭水化物源または有機酸と、代謝過程を促進するビタミンまたはコエンザイムと、核酸合成を刺激する核酸前駆物質と、成長過程に必須の前駆体分子としての脂肪酸(あるいはそれに分解することのできる脂肪または油)と、タンパク合成の構成単位であるアミノ酸と、塗布された殺虫剤または、さらに効果を発揮するその他の物質を与える為のそのような方法により代謝に影響を及ぼす天然に存在する植物成長調整物質を含む。除草剤の場合、本特許は、「成長および適用された化学物質の摂取を促進する事で、特に古く、根を張った雑草に対して、多くの除草剤の活性の促進が可能である」と開示している。葉面散布された外来性の科学物質の生物学的効果を促進するであろうその他の薬剤は、促進剤としてのアントラキノン化合物の使用に関連している。(RJ.Brinkerらの特許文献2)
植物において、酸化ストレスは、紫外線によるストレスと、病原菌侵入(過敏侵入)と、除草剤作用と、酸素および栄養不足を含む、多種多様の環境要因によって誘導される。植物細胞内における酸素不足は、生理学的に一過性低酸素と、無酸素と、再酸素負荷の3つの異なる状態を生じる。(非特許文献1)。活性酸素種(ROS)、つまり過酸化水素および超酸化物は、低酸素症および、再酸素負荷の結果として産生される。脂質(膜内の不飽和脂肪酸の酸化による)と、タンパク質(変性)と、炭水化物および核酸は、フリーラジカルによる破壊を受け易い主な細胞成分である。低酸素により誘導された酸化ストレスの結果は、組織および/または無酸素に対する耐性と、無酸素と、膜特性と、内因性抗酸化物質と、抗酸化物質の内容と、抗酸化物質システムに反応を誘導する能力とにより異なる。植物の抗酸化物質システムには、アスコルビン酸と、グルタチオン(GSH)と、トコフェロールなどの低分子多抗酸化物質と、抗酸化物質および、SODとペルオキシターゼと、カラターゼなどのROS相互合成酵素の誘導型の再生を伴う。抗酸化物質は、協調ネットワークとして挙動し、そこでは一連のレドックス反応とアスコルビン酸とGSHとの間、アスコルビン酸とフェノール性化合物との間の相互関係とが知られている(非特許文献2)。しかし、酸素不足ストレス下において、植物系の抗酸化物質は、植物細胞の抗酸化物質の防御の強化には、必ずしも常に有効的または効率的でない事も知られている。したがって、植物の天然の抗酸化状況は、ROS化合物を取り除き、酸素欠乏およびその他の環境ストレスから植物を保護するために不十分であり得る。
当該分野において必要とされるのは、上記記載の促進剤の有無に関わらず、通常、植物の抗酸化物質システムに有害作用をもたらす有害な環境ストレスおよび薬剤に対して植物を保護する、安全かつ経済的に植物を処理するための新たな化合物および方法である。そのような化合物および方法は、それ自体が最適に安全であり、適用以降環境に長期間残存せず、農業的に便利な小規模および大規模両方のスケールで、容易かつ/または手軽に適用できるべきである。
米国特許第4,436,547号明細書 米国特許第6,172,004号明細書 O.Blokhina et al.,2003,Ann.Bot.(London),91:179−194 O.Blokhina ら、2003,Ann.Bot.(London),91:179−194
発明の概要
本発明は、過剰な温度と、干ばつと、湿度と、霜と、降雨と、様々な害虫と病原菌の存在および侵入を含む環境による生物的および非生物的ストレスに対する植物および作物の有害反応を削減あるいは予防するために、局所的または外来的に植物またはその部分に適用される、抗酸化物質N−アセチルシステインアミド(NACアミド)または生理学的に許容されるその誘導体、塩、あるいはエステルの使用を提供する。前記環境ストレスにより、酸化ストレスおよび植物細胞内のフリーラジカルの相関生成(および蓄積)が生じる場合がある。NACアミドは、植物の成長および生存率全般に損傷を与える酸化ストレスおよびフリーラジカル生成を、減少、防御、緩和、あるいはそうでなければ拮抗させる。
本明細書中に記載の、目的のNACアミドは、生物分解可能で、非殺虫性、非毒性、環境適合性の抗酸化物質である。NACアミドの使用は、環境ストレス、害虫、および病原菌の非常に実用的な制御を実現しながら、同時に、毒性の殺虫剤に一般的に存在する問題を回避する。環境に安全な抗酸化物質であるNACアミドの有効な量を植物または作物の表面に適用することで、その植物または作物の生理学的な防御機能をブーストし、支持し、強化することと等価な、植物または作物の組織反応および防御反応が引き出される。したがって、植物または作物の一部分の処理により、植物全体の防御反応が引き出される。NACアミドの防御反応を引き出す有効性は、投与する水溶性NACアミド単独で、一つ以上の促進剤または本明細書中に記載の他の抗酸化化合物と併用して、および/または無反応、膜透過性担体内に分散されることで、促進され得る。
本発明の一側面は、植物および作物にNACアミド抗酸化物質を含む化合物を投与して、植物および作物を極端な環境から保護する方法を提供する。NACアミドは水溶性であり、例えば噴霧して外来的に投与されるか、あるいは局所的に適用される。本発明の目的のため、NACアミドの組成物または調製物は、外来性の薬剤で植物および作物を処理するために設計された、周知の、または新たに開発された器具、機器、機械を用いて適用される。空中散布もまた、包含される。
本発明のその他の側面は、病虫害と病原菌の駆除用の植物の処理のための、NACアミドを含む、環境に安全で効果的な組成物の使用を提供する。関連する側面において、本発明は、植物処理用にNACアミドを含む組成物を用いる病虫害および病原菌の駆除方法を提供し、その方法は、使用および製造において容易且つ経済的である。
本発明のさらなる側面は、植物または植物の茎葉に噴霧あるいは局所的に適用するための、NACアミドを含む水溶性組成物または生成物を提供し、それらは、植物内に吸収され、極端な熱(干ばつ)、湿度、降雨(洪水、雪)、霜、雹、塩分、ミネラル、害虫、および病原菌のうちの一つ以上から植物を保護および/または耐性化する。
本発明のその他の側面は、外来性の抗酸化物質、NACアミド、あるいは塩、またはそのエステルの誘導体を単独または一つ以上の促進剤と併用する植物の処理過程であって、(a)植物の表面または茎葉にNACアミド、またはその誘導体を適用するステップと(b)生物学的に有効な量のNACアミドを含有する組成物を該植物表面または茎葉に適用するステップを含む処理過程を含む。促進剤が使用された場合、そのような薬剤は、たとえば、NACアミドの生物学的効果を実質的に拮抗あるいは弱めない、実質的に非植物毒性量(例えば、少なくとも約0.25g/ha)で使用される。
その側面のうちの一つにおいて、本発明は、環境による生物的または非生物的ストレスに対する植物の抵抗性または耐性を増加させる方法であって、植物の前記抵抗性または耐性の誘導に効果的な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を前記植物の表面に投与するステップを含む方法を提供する。
その他の側面において、本発明は、一つ以上の害虫、病原菌、および環境による非生物的ストレスに対する植物の抵抗性または耐性を増加するための方法であって、植物の抵抗性または耐性の増加に効果的な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を含む溶液を、植物の地表に出ている表面に噴霧するステップを含む方法を提供する。
さらにその他の側面において、本発明は、1つ以上の害虫、病原菌および環境による非生物的ストレスに対する植物の抵抗性または耐性を増加する方法であって、植物の抵抗性または耐性の増加に充分な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を植物の茎に適用するステップを含む方法を提供する。
さらなる側面ににおいて、本発明は、外来性のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)、あるいはその誘導体、塩またはエステルを、単独で、あるいは一つ以上の促進剤を用いて、植物または作物を処理する方法であって、(a)植物の表面または茎葉にNACアミド、またはその誘導体、塩、あるいはエステルを含む組成物を適用するステップと、(b)生物学的に有効な量のNACアミドを含有する組成物を該植物表面または茎葉に適用するステップとを含む方法を提供する。関連した側面において、NACアミドは水溶性である。さらに関連した側面において、(a)の組成物は、実質的にNACアミドの生物学的効果を拮抗または予防しない、実質的に非植物毒性の量の促進剤を有する。
その他の実施態様において、本発明は、環境ストレスもしくは生理学的ストレスの影響を受け易いか、または環境ストレスもしくは生理学的ストレスにさらされている植物によって産生されるGSHをNACアミドが補完する方法および組成物を提供する。本側面によると、NACアミドの供給により、植物は、かつて抵抗能力がなかったストレスに耐えることが可能になる。関連した側面において、NACアミドの供給により、形質転換植物は自然の環境に生存し、成長することが可能になる。
他の側面において、本発明は、酸素を与えられていないか、または与えられていなかった植物に、NACアミドを供給する方法を提供する。本側面において、活性酸素種の生成または蓄積が防御または拮抗される。
他の側面ににおいて、本発明は、サルチル酸結合タンパク2(SABP2)と相互作用するNACアミドを提供し、それらは共に、環境ストレス、生理的ストレス、酸化ストレスと、損傷から、植物を保護および防御するために、植物の天然の防御組織および免疫組織を、ブースト、支持、促進または強化することが出来る。関連した側面において、本明細書中に記載の種々の環境ストレスと、生物学的ストレスと、酸化ストレスと、損傷から、植物を保護および防御する植物の天然の防御組織および免疫組織を、保護、ブースト、支持、促進、または強化するために、NACアミドは、植物ホルモン、細胞内メッセンジャーまたは細胞外メッセンジャーとして働く。
その側面の一つにおいて、本発明は、種子、果実、植物または植物関連製品(例えば、紙用のパルプ)の一つ以上に含まれる抗酸化物質または植物化学物質の含量および量を増加するために、NACアミドを使用する方法を提供する。本側面に従い、この方法は、動物またはヒトの消費のためにより健康的で、かつより経済的および商業的に有用(例えば、1エーカー当たり、より高収量のエタノール、またはより高収量の収穫可能な食料もしくは有用な食料)な、植物、種子、果実または植物製品をもたらす。
本発明によって与えられるさらなる実施態様、特性、および利点は、以下の説明および例証によって明白となる。
発明の詳細
本発明は、環境ストレスに対し、さらなる抵抗性または耐性を可能にするために、効率的且つ環境に安全である抗酸化物質のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を、単独または他の薬剤と併用して使用することに関する。
N−アセチルシステイン(NAC)のアミド形態である、グルタチオンN−アセチルシステインアミド(NACアミド)は、新種の低分子量チオール抗酸化物質およびCu2+キレート物質である。NACアミドは、そのフリーラジカルのスカベンジャーとしての役割において、細胞破壊に対する防護効果を与える。哺乳類の赤血球(RBC)において、NACアミドは、t−ブチルヒドロキシペルオキシド(BuOOH)誘発の細胞内酸化を阻害し、そしてBuOOH誘発のチオールの減少およびRBC内のヘモグロビン酸化を遅延させることが示されている。NACアミドの外部適用によるチオール減少RBCのこの回復は、NACを用いて発見されたものよりも、顕著に大きなものであった。NACとは異なり、NACアミドは、ヘモグロビンを酸化から保護した。(L.Grinberg ら、Free Radic Biol Med.,2005 Jan 1,38(l):136−45)。無細胞系において、NACは、酸化グルタチオン(GSSG)と反応し、還元グルタチオン(GSH)を産生することが示されている。NACアミドは、容易に細胞膜を透過し、細胞内GSHを補完し、細胞のレドックス機構へ組み入れることにより、細胞を酸化から保護する。その中性カルボキシル基のために、NACアミドは、脂溶性および細胞の浸透性という、強化された特色を持つ。(例えば、D.Atlasらの米国特許第5,874,468号を参照)。NACアミドは、NACおよびGSHよりも、細胞膜および血液脳関門を横断することにも優れている。
NACアミドは、タンパク質およびDNAの合成、輸送、酵素作用、代謝、およびフリーラジカル媒介損傷からの細胞の保護を含む、多くの重要な生物学的現象において、直接的あるいは間接的に機能する。NACアミドは、細胞内での適切な酸化状態の維持を担う、強力な細胞抗酸化物質である。NACアミドは殆どの細胞により合成することが出来、酸化生体分子を活性還元体へと再利用することが出来る。抗酸化物質として、NACアミドは、GSH以上ではないにせよ、同等に効果的である。
本発明において、植物に対するストレスは、植物の抗酸化物質系が対抗および克服のために求められる、酸化的損傷および酸素不足を含むことを意図している。本発明は、活性酸素種を除去するため、ならびに酸化ストレスが細胞脂質、タンパク質、合成酵素、炭水化物、および核酸に及ぼす影響から植物細胞を保護するために、NACアミドが、GSH産物を置き換え、あるいは補完するための抗酸化物質として供給される方法および組成物を含有する。
本発明の一様態において、環境に安全且つ効果的な量の抗酸化物質NACアミドあるいはその誘導体を植物の表面に投与することにより、害虫または病原菌に対する植物の抵抗性を強化するための方法が提供される。植物の表面へのNACアミドの投与により、植物または作物内の組織的防御反応を誘導する。植物の表面への使用には、葉、茎、根、花、種、茎葉等が含まれる。その上、NACアミドは植物の根系に浸漬するか、効果的な量の水溶性NACアミドを含む溶液、組成物もしくは生成物を植物に噴霧するか、あるいは、植物の茎、葉、茎葉などに、適した担体に含まれたNACアミドを直接塗布する方法を含む(ただし必ずしもこれに限定されない)、様々な方法で適用される。植物という表現には、多種多様の作物を包含すると理解されるものである。
その他の実施形態において、本発明は、水溶性NACアミド抗酸化物質を含む組成物または生成物を植物および作物に投与し、極端な環境から植物および作物を保護する方法を包含する。NACアミドは、例えば、噴霧あるいは、その他の局所使用により、外来的に投与あるいは適用される。本発明の目的において、NACアミドの組成物または生成物は、外来性の薬剤を使用して植物および作物を処理するために設計された既知あるいは、新たに開発された道具、装置および機械とを用いて適用されることができる。NACアミドを含有する組成物あるいは製剤で植物の表面を払い落としたり、ほこりを払うような、空中散布も包含される。
その他の実施形態において、本発明は、病害虫および病原菌を駆除する植物処理のためのNACアミドを含む、環境に安全且つ効果的な組成物の使用を包含する。関連実施形態において、本発明は、植物および作物の処理のために、使用および製造に容易かつ経済的であるNACアミドを含む組成物および生成物を使用する病虫害および病原菌を駆除する方法を提供する。
その他の実施形態において、本発明は、植物に吸収され、過剰な熱(干ばつ)、湿度、降雨(洪水、雪)、霜、雹、塩分ミネラル、害虫および病原菌の一つ以上から植物を保護および/または耐性化するNACアミドを含む水溶性組成物または生成物を、植物および植物の茎葉および表面に噴霧あるいは局所的に適用することを包含する。この実施形態において、本発明は、外生抗酸化物質、NACアミドおよびその誘導体を、単独あるいは一つ以上の促進剤と併用して、(a)植物の表面または茎葉にNACアミド、またはその誘導体を適用するステップと、(b)生物学的に有効な量のNACアミドを含有する組成物を該植物表面または茎葉に適用するステップとを含む植物を処理する方法を含む。促進剤も使用することができる。その場合、NACアミドの生物学的効果を実質的に拮抗あるいは減少させない量の非植物毒性量(例えば、少なくとも約0.25g/ha)の促進剤を用いる。促進剤は、基本的に使用比の低い状態で、外生的に葉面散布されたNACアミドの有効性の信頼性を促進する。
一つの実施形態において、促進剤は、六員の炭素環(この環における2つの炭素原子に結合した、二重結合酸素原子と、2つのフェニル環(この六員の炭素環に縮合しており、この環の1つ以上において1つ以上の置換基を含む)とを有する)として定義されるアントラキノン化合物である。酸素原子は、パラ位に存在する。すなわち炭素六員環で、対角線状に直接結合される。アントラキノン化合物の最適な分類および種類は、RJ. Brinkerらの米国特許第6,172,004号に記載されている。促進剤としてのアントラキノン化合物の場合、「実質的に植物毒性でない」とは、もし、NACアミドなしでアントラキノン化合物が使用された場合でも、深刻な被害、成長減退、除草効果および、容易に目立った兆候に影響を及ぼさないということを意味する。
本発明の方法において、抗酸化物質であるNACアミドを含む組成物あるいは製剤の適用とともに促進剤が使用される場合、NACアミド組成物または製剤の適用、およびアントラキノン化合物のような促進剤の適用は、連続的あるいは同時に生じることができる。同時に適用された場合、NACアミドを含有する組成物または製剤、および促進剤は、そのような適用に適した単一組成物の組成物となり得る。
本発明の別の実施態様では、NACアミド抗酸化物質を備える植物処理組成物が提供されるが、この組成物は、事前に塗布溶剤に希釈、分散、または溶解され、あるいはされずに植物の茎葉に塗布されるとき、外来的に適用されたNACアミドは、1つ以上の生物的および生物的環境ストレスに対し、植物を保護あるいは耐性化する生物学的に有効な量である。通常、本発明の組成物に適する適用溶剤は水である。環境ストレスには、生物的および非生物的ストレスが含まれる。生物的環境ストレスは、昆虫、クモ類、および線虫などの害虫、また細菌、ウイルス、真菌、およびマイコプラズマなどの病原菌が含まれるが、これらに制限されない。非生物的環境ストレスは、干ばつ、霜、過剰な降雨、湿度、熱などの極端な気温および気象条件、また土壌あるいは成長培地などの過剰な塩分やミネラル、または栄養不足などのストレスを引き起こす生理的条件を含むが、これらに制限されない。
本発明におけるNACアミドの適用と併せて、アントラキノンなどの促進剤を使用することにより、いくつかの利益と効果が得られる。利益の1つとしては、本発明により、NACアミド組成物の効果の信頼性を促進する、茎葉に適用される外来性のNACアミド組成物により植物を処理するための過程が提供されることである。さらに、茎葉に適用されるNACアミドの効果の信頼性は、例えば約0.25〜約250g/haなど、非常に低い使用比で植物において促進され、そのため、中でも重要な効果として、NACアミド自体の充填量を減少させ過ぎることなく、濃縮組成物に促進剤を含むことが経済的に実行可能となる。本発明のさらなる利益は、かかる組成物に含めるための適当なアントラキノン化合物の選択によって、現在採用されるものよりも、特定の使用に適応するNACアミド抗酸化物質を含む組成物が提供されることである。
別の実施態様では、本発明は、NACアミドが、酸化ストレスを含む1つ以上の環境あるいは生理的ストレスを受けてきたか、あるいは曝されてきた植物により生成されるGSHを補完する方法および組成物を含む。NACアミドの提供により、植物は、以前は耐えることのできなかったストレスに耐えることができる。この方法に従うと、NACアミドは、ストレスを受けた植物で天然に産生される抗酸化物質を補完することが可能であり、あるいは植物の天然の抗酸化系が不具合であったり、損傷していたり、阻害されていたり、完全または十分な機能が果たせない場合に、植物の抗酸化系に必要な抗酸化成分を提供することが可能である。
本発明は、自然成長植物、あるいは種子、果実、切り枝(つまり植物材料)などその一部、および形質転換植物、あるいは種子、果実、切り枝(つまり形質転換植物材料)などその一部に提供され、これらの植物および植物材料が、自然環境あるいは人工環境において存続し、成長することを可能とする、NACアミドを含む。
別の実施態様では、本発明は、環境ストレス、塩分の増加、またはその他の悪条件により酸素不足の、あるいは以前から酸素不足である植物に、NACアミドを供給することにより、活性酸素種の生成あるいは蓄積を予防または拮抗する方法を含む。植物にNACアミドを供給することは、GSH産生のような植物自体の抗酸化系が機能を妨げられていたり不能である場合に、特に有用である。本実施態様に従うと、NACアミドは、ストレスに曝されてきた植物におけるGSH産生の刺激を補完し、NACアミド処理を施した植物を、通常であれば耐えることができなかった、例えば限られた量のGSH抗酸化物質によるストレスに耐えさせることが可能である。本実施態様は、特に形質転換植物に適用することができる。形質転換植物にNACアミドを供給することは、多くの場合かかる植物が、酸化ストレスを含む環境損傷およびストレスを受けて、内部でGSHを産生することができないと認められてきたことから、かかる植物が存続および成長することを可能とする。
別の実施態様では、本発明は、NACアミドがサリチル酸結合タンパク質2(SABP2)と相互作用する方法を含む。NACアミドとSABP2の双方は、共に植物の天然の防御および免疫系を向上、改善、促進または増強し、環境的、生理的、および酸化的なストレスおよび損傷に対して植物を保護し、防御することができる。さらに、NACアミドは、植物ホルモン、あるいは細胞内メッセンジャーまたは細胞外メッセンジャーとして機能し、植物の天然の防御および免疫系を保護、向上、改善、促進、刺激、増強し、さまざまな環境的、生理的、および酸化的なストレスおよび損傷に対して植物を保護し、防御し得る。
別の実施態様では、本発明は、植物にNACアミドを添加し、種子、果実、全植物体、植物部位、または植物に由来するまたは植物から作成された生成物のうち1つ以上における、抗酸化物質または植物化学物質の含有量あるいは量を増加させる方法を含む。例えば、NACアミドで植物を処理することにより、植物自体、種子、果実、植物部位、あるいは植物に由来するまたは植物から得られた生成物は、動物あるいはヒトによる消費用としてより健康的になり、また、例えばより高収率のエタノール、あるいはエーカー当りより高収率の収穫可能または有用な食材などにより、経済的および商業的により有用となる。例えば、本発明の実施により、紙用のパルプは、さらに商業的に有用な作成が可能となる。
NACアミドは、例えば植物および作物の成長および/または生成のための肥料、その他の抗酸化物質、その他の化学物質、あるいはその他の添加剤など、本方法の有用性を促進し得る他の材料および化合物との組み合わせで、使用あるいは生産され得る。特に有用なことは、そのような添加剤または補助材料、および化合物は、環境、ヒトを含む動物、消費、および曝露に対して毒性がなく安全であることである。
本発明によるNACアミドを含む組成物は、本明細書中では噴霧組成物とする、すぐに適用可能な希釈溶液あるいは分散液の形態をとることができ、また液体および固体濃縮物が、水またはその他の担体に希釈、分散、あるいは溶解されて、かかる噴霧組成物を提供する。液体および固体濃縮物を作成する際、NACアミドは、通常、製造者によって適切な処方成分と混合される。かかる成分は、当業者には周知であり、具体的な用途に依存して選択される。例となるさらなる成分には、溶媒、界面活性剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、不凍剤、防腐剤などが含まれるが、これらに制限されない。本発明の実施態様では、提供される過程は、NACアミドの濃縮組成物を作成する際に、促進化合物あるいは薬剤を添加するステップを含む。濃縮組成物は、のちに水に希釈、溶解、または分散され、噴霧組成物が作成される。これは植物の茎葉あるいは表面に噴霧することにより適用され、それによりNACアミドを供給し、環境ストレスに対する植物の耐性を保護、向上させる。
NACアミドに加え、アントラキノン化合物などの促進剤あるいは化合物が水に溶けやすい場合、簡単な水溶液として液体濃縮物が提供される。一方、促進剤あるいは化合物が水に溶けにくい場合、液体濃縮物の形成の分野では、さまざまな方法が公知である。これには、混合物にNACアミドおよび促進剤を含有する、乳剤、懸濁濃縮物、および水性乳剤が含まれる。
特に興味深いのは、NACアミドが水溶性であり、促進剤あるいは化合物が油溶性である状況である。かかる状況では、乳剤状の濃縮組成物は、水相および油相を有して形成されるが、NACアミドは主に水相に存在し、促進剤あるいは化合物は主に油相に存在し、また乳剤は、1つ以上の乳化剤により安定化される。油相は、農業化学物質処方の技術分野で既知の多数の有機油および溶媒のうちいずれかをさらに含むが、これにはパラフィン系および芳香油、あるいはステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、またはオレイン酸メチルなどの脂肪酸アルキルエステルが含まれる。あるいは、油相は、促進剤または化合物自体を含むことができる。本発明の乳剤組成物は、水中油型マクロ乳剤およびミクロ乳剤、油中水型または転化乳剤、および水中油中水型複合乳剤を含む。
理論に縛られることを意図しないが、本発明は、NACアミドが、その生物学的効果のために少なくとも部分的に、植物における浸透性移動に依存する場合に、有用な利益を提供することができる。植物における浸透性移動は、木部導管内、細胞間隙、および細胞壁を含むアポプラスト(非生物)経路を経由し、篩部要素、およびプラスモデスムによりシンプラストで接続される細胞から成るその他の組織を含むシンプラスト(生物)経路を経由し、あるいはアポプラスト経路とシンプラスト経路とを両方経由しておこなわれる。茎葉塗布した浸透性NACアミドの場合、最も重要な経路は篩部であり、本発明は、篩部可動性のNACアミドについて利益をもたらすことができる。
水溶性NACアミドは、生物活性イオンおよび生物的に不活性あるいは比較的不活発な対イオンを備える塩の形態で存在することができる。かかる塩は、いかなる対イオンも除き、約300を下回る分子量を有することができる。ある例では、NACアミドは、他の外来性の化学物質あるいはその塩と併せて、植物または作物に適用してよい。他の外来性化学物質の低分子量塩の中でも特に適切なものは、除草剤、植物成長調節因子、および線虫駆除剤であり、特に生物活性イオン中に、アミン、カルボン酸、ホスホン酸塩、あるいはホスフィン酸塩官能基を有するものが適切である。かかる塩の中で最も望ましいものは、生物活性イオン中に、アミン基、カルボン酸基、およびホスホン酸塩あるいはホスフィン酸塩基のいずれかを有するものであり、これにはグリフォセートの塩およびグルフォシネートの塩が含まれる。
本発明の方法で使用することのできる除草剤の例としては、アミノトリアゾール、アスラム、ベンタゾン、ビアラホス、パラコートなどのビピリジル、ブロマシル、クロピラリド、セトキシジムなどのシクロヘキセノンズ、ジカンバ、アシフルオルフェン、フォメサフェンおよびオキシフルオルフェンなどのジフェニルアセチレン、ホサミン、グルフォシネート、グリフォセート、ブロモキシニルなどのヒドロキシベンゾニトリル、イマゼタピルなどのイミダゾリノン、イソキサベン、2,4-Dなどのフェノキシ、キザロホップなどのフェノキシプロピオネイト、ピクロラム、フルオメツロンなどの置換ウレアーゼ、クロリムロン、クロルサルファロン、ハロスルフロンおよびスルホメツロンなどのスルホニル尿素、およびアトラジンおよびメトリブジンなどのトリアジンが含まれるが、これに限定されない。本発明の方法により使用するための篩部可動性の除草剤には、アミノトリアゾール、アスラム、ビアラホス、クロピラリド、シクロヘキセノンズ、ジカンバ、グルフォシネート、グリフォセート、イミダゾリノン、フェノキシ、フェノキシプロピオネイト、ピクロラムおよびスルホニル尿素が含まれるが、これに限定されない。
上記の除草剤およびその他の除草剤の除草活性な誘導体も、本明細書中に記載する方法により適用される場合、本発明の範囲内である。除草活性な誘導体は、最も通常では塩またはエステルであるがこれに限らない、除草剤のわずかな構造修飾である任意の化合物であり、その化合物は、親除草剤の本質的活動を維持するが、親除草剤と同等の潜在能力を必ずしも有さない。常にではないが通常、誘導体は、処理される植物に侵入する前あるいは後に、親除草剤に転換され、体内で活性薬に転換されるプロドラッグに類似している。1つ以上の除草剤あるいは除草活性の誘導体、またはその他の成分とNACアミドの混合物あるいは複合製剤も、本発明により意図される範囲内にある。
NACアミドは、多くの環境ストレスに対して植物を保護および耐性化する形で、優れた利益を提供するが、本発明の方法は、必要であるかあるいは所望される場合、NACアミドとともに、アスコルビン酸、トコフェロール、還元グルタチオンおよびその誘導体、およびシステイン(ハーフシスチン)などの環境的に安全な別の分類の抗酸化物質を1つ以上含むことができる。アスコルビン酸塩は、抗酸化物質および還元活性あるいは機能を有する、アスコルビン酸の全ての形態、異性体および誘導体(ビタミン「C」またはL−アスコルビン酸を含む)を含んでよい。トコフェロールは、ビタミン「E」(2,5,7,8−テトラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリドシル)−6−クロマノール)、抗酸化物質あるいは還元活性を有するトコフェロールの全ての異性体、抗酸化物質および還元活性あるいは機能を有する全てのトコフェロールエステルとその他の誘導体を含む。
本発明の液体および乾燥濃縮製剤は、NACアミドを含有する組成物または製剤に加え、促進剤あるいは化合物を備えるかあるいは備えずに、任意でその他の所望のまたは有用な成分を含むことができる。その他の有用な成分は、比較的疎水性である植物の葉の表面に噴霧水溶液を保持するのを助け、また組成物および製剤が、葉やその他の植物部位のろう状の外層(外皮)に浸透し、葉やその他の植物部位内の生物組織に接触するよう支持する界面活性剤を含んでよい。界面活性剤は、その他の有用な機能も果たすことができるが、これには適用される組成物の1つ以上の要素が、安定した均質な製剤に組み込まれることを可能とする乳化剤としての役目が含まれる。
さまざまな異なる種類あるいは化学的分類の界面活性剤が、本発明の組成物に使用できる。非イオン、陰イオン、陽イオン、両性種、あるいはこれらの種のうち一つ以上の組み合わせは全て、特定の状況で有用である。非イオン界面活性剤の中で、例となる分類には、エトキシル化第1級または第2級アルコール、あるいはアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルおよびアルキルアリールエーテル、エトキシル化脂肪酸、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、グリセリルアルキルエステル、ショ糖エステル、アルキルポリグリコシドなどのポリオキシアルキレンアルキルエステルなどが含まれる。陽イオン界面活性剤の中で、例となる分類には、エトキシル化脂肪族アミン、4級アンモニウム界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルアミンなどのポリオキシアルキレン第3アルキルアミンが含まれる(例として、PCT公報第WO96/32839に開示される、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルアミン参照)。両性界面活性剤の中で、例となる望ましい分類には、ポリオキシアルキレンアルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキル置換アミノ酸などが含まれる。
本発明の組成物に有用な界面活性剤の疎水性部分は、基本的に炭化水素ベースであることができ、あるいはシリコン原子を例えばシロキサン基の形態で、フッ素原子を例えば部分的にフッ素化されたアルキル、またはペルフルオロアルキル基として含むことができる。ここで有用な界面活性剤の炭化水素鎖は、通常約8〜20、あるいは約12〜18の炭素原子を有し、これらは分岐であってもそうでなくてもよく、飽和であってもそうでなくてもよい。本発明の組成物に有用な界面活性剤のポリオキシアルキレン部分は、ポリオキシエチレンあるいはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン鎖であることが望ましい。上記の分類に限定されることなく、当業者が適切な界面活性剤を選択することができる標準的な参照文献には、「Handbook of Industrial Surfactants」(第2版、1997年、Gower発行)、「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」(北米および国際版、1997年、MC Publishing Company発行)、「International Cosmetic Ingredient Dictionary」(第6版、1995年、(または現行版)、第1および2巻、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association発行)が含まれる。
本発明による組成物のその他の任意の要素には、適用される組成物および製剤の色、粘度、ゲル化特性、氷点、吸湿性、粘結性、溶解率、分散性、あるいはその他の特徴を変更する薬剤または要素が含まれる。
NACアミドを含有する製剤の要素として促進化合物を提供する代わりに、前記化合物を別の組成物で提供することができる。かかる場合には、促進化合物を備える組成物は、通常NACアミドを含有する組成とタンク混合される。タンク混合された組成物は、2つの濃縮組成物を水に希釈、溶解、または分散して、1回分の噴霧組成物として、使用者によって調製される。2つの濃縮組成物の一方は、NACアミドを含有する組成物を含有し、他方は例えばアントラキノンなどの促進化合物を含有する。2つの濃縮組成物は、個別に、ツインパックで、またはその他の複合包装形態で供給することができる。本発明の特定の実施例として、1つ以上界面活性剤と共に促進化合物を有するかあるいは有さないNACアミドを含有する組成物を含む濃縮組成物が包含される。かかる組成物は、必要に応じてあるいは所望により、植物の茎葉への適用前に、他の物質とタンク混合する場合のアジュバントとして有用である。
あるいは、アントラキノンなどの促進化合物、あるいはその組成物は、NACアミドのあらゆる市販製剤の茎葉適用前後に、前処理あるいは後処理として、例示的に使用することができる。促進化合物が、前処理あるいは後処理として茎葉に塗布される場合、この処理とNACアミドを含有する組成物塗布との間隔は、促進化合物が、組成物におけるNACアミドの効果の信頼性を促進させるものであるべきである。かかる間隔は、「効果的期間」と称される。効果的期間を構成するものは、数ある要素の中でも、具体的な植物種、促進化合物によりさまざまである。説明のための例としては、0〜約96時間の間隔、あるいは0〜約24時間の間隔効果的期間となり得るが、これに限定されない。連続適用が用いられる場合は、望ましい順序では、NACアミドを含有する組成物の前に、促進化合物を適用する。NACアミド、促進化合物、および植物種のあらゆる組み合わせに対する最適な間隔は、当該分野で慣習的に実行される先行試験により、容易に判断できる。
NACアミドを含有する組成物、製剤、あるいは処方の生物学的に有効な適用率の選択も、通常の農業実践者の技術の範囲内である。個々の植物の状態だけでなく、気候や成長条件も本発明の方法の実行により得られる結果に影響することは、当業者には当然のことである。当業者は、特定の環境条件のもとで与えられた環境ストレスに対する保護あるいは耐性を獲得するために、特定の種に対し、特定の成長段階において効果的なNACアミド適用率を選択することができる。
本発明の方法では、NACアミド、さらに具体的には、水溶性のNACアミドあるいはその水溶性の塩を含有する組成物または製剤が、NACアミドが抗酸化物質または植物成長調節因子として生物学的に有効である、任意の全ての植物種に使用可能である。これは、世界中の非常に幅広い種類の植物を包含する。同様に、NACアミドを含有する本発明の組成物は、NACアミドが生物学的に有効である、任意の全ての植物種に適用することができる。例えば、本発明の方法および組成物が使用可能な一年生広葉種には、Abutilon theophrasti(イチビ)、Amaranthus spp.(アカザ)、Borreria spp.(スズカケノキ)、Brassica spp.(アブラナ、カノーラ、カラシナなど)、Commelina spp.(ツユクサ)、Erodium spp.(オランダフウロ)、Helianthus spp.(ヒマワリ)、Ipomea spp.(アサガオ)、Kochia scoparia(ホウキギ)、Malva spp.(アオイ)、Polygonum spp.(ソバカズラ、タデなど)、Portulaca spp.(スベリヒユ)、Salsola spp.(ロシアアザミ)、Sida spp.(キンゴジカ)、Sinapis arvensis(ノガラシ)、そしてXanthium spp.(オナモミ)が含まれるが、これに限定されない。さらに、本発明の方法および組成物が使用可能な一年生狭葉種には、Avena fatua(カラスムギ)、Axonopus spp.(チジミシバ)、Bromus tectorum(ヤセチャヒキ)、Digitaria spp.(メヒシバ)、Echinochloa crus−galli(イヌエビ)、Eleusine indica(オヒシバ)、Lolium multiflorum(1年性ライグラス)、Oryza sativa(コメ)、Ottochioa nodosa(ミズオオバコ)、Paspalum notatum(バヒアグラス)、Phalaris spp.(カナリークサヨシ)、Setaria spp.(アワ)、Triticum aestivum(コムギ)およびZea mays(トウモロコシ)が含まれるが、これに限定されない。
本発明の方法および組成物が使用可能な多年生広葉種には、Artemisia spp.(ヨモギ)、Asclepias spp.(トウワタ)、Cirsium arvense(セイヨウトゲアザミ)、Convolvulus arvensis(セイヨウヒルガオ)およびPueraria spp.(くず)が含まれるが、これに限定されない。本発明の方法および組成物が使用可能な多年生狭葉種には、Brachiaria spp.(イネ)、Cynodon dactylon(バミューダグラス)、Cyperus esculentus(ショクヨウガヤツリ)、Cyperus rotundus(ハマスゲ)、Elymus repens(ヒメカモジグサ)、Imperata cylindrica(チガヤ)、Lolium perenne(ペレニアルライグラス)、Panicum maximum(ギニアグラス)、Paspalum dilatatum(シマスズメノヒエ)、Phragmites spp.(アシ)、Sorghum halepense(ジョンソングラス)およびTypha spp.(ガマ)が含まれるが、これに限定されない。本発明の方法および組成物が使用可能な、上に記されないその他の多年生種には、Equisetum spp.(つくし)、Pteridium aquilinum(ワラビ)、Rubus spp.(ブラックベリー)およびUlex europaeus(ハリエニシダ)が含まれるが、これに限定されない。
以下の実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明を限定する目的で含まれるものではない。
実施例1
スイートコーン、ツルナシインゲン、ブロッコリー、およびゼラニウムを、10−5M水溶液のNACアミドで処理する。NACアミドは、例えば、D.Atlasらによる、米国特許第6,420,429号(この内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるように調製される。水のみで処理される対照植物も含まれる。処理は、植物の地表に出ている表面全体に1回噴霧し、流出点まで完全に湿らせることにより遂行する。処理後、事前に選択された時間(72、96、120、168時間)に、無作為に選ばれた葉を、各植物(処理あるいは対照)から選択し、各葉から切り取った標準化した円板を生物学的検定し、誘導性の防御反応の程度を測定する。この生物学的検定は、処理される植物対対照植物(HO処理)からの標準葉円板に対する摂食の選択肢であるT.niあるいはO.nubilalisの四齢幼虫を、2選択肢のペトリ皿に、標準環境条件のもとで、24時間以下で付与することから成る。(Chiang,H.S.ら、Jour.Chem.Ecol.、13:741−49(1987))。処理あるいは対照当りに少なくとも15回の反復試験が、実施される。電子面積測定を使用して、円板当りの侵蝕された面積をcmで測定し、前述のNACアミドによる処理が長期的防御反応を実現することを判断する。
実施例2
別の実験では、処理が、水噴霧にアスコルビン酸(5×10−6M)あるいはビタミンE(200IU/リットル)などのNACアミドと促進剤の組み合わせを伴う点以外は、例1と同様の手順である。NACアミド処理は、処理される植物に防御反応を提供する。NACアミドとビタミンCまたはEその他の抗酸化物質との組み合わせによる植物の処理は、NACアミド単体で観察されるよりも優れた残効性を有する防御反応を実現する。実施例1および2では、塗布方法は、NACアミド水溶液で植物の地表に出ている表面を流出点まで完全に湿らせる噴霧である。塗布が、根系を浸漬することによって、あるいは植物の種子を浸すことによりおこなわれてもよいことは明らかである。NACアミドの水溶液の使用は、その他の溶媒の使用を排除するものではない。NACアミドを希釈あるいは分散できるいかなる非植物毒性の非反応剤も、十分であり、本発明に含まれると考えられる。実際に、所定の植物表面に付着する希釈剤は、非反応性であり、膜透過性であり、またNACアミドを酸化に対し防御し、防御反応を誘導するために、NACアミドを含有する組成物の能力を促進する傾向がある。噴霧の濃度は、例示に限定される必要がない。噴霧効果は、10−6〜10−4Mの間の濃度で期待できるため、狭い範囲の噴霧濃度は要求されない。
実施例3
別の研究では、2つの処理レベルのNACアミドを、各コリウス植物の茎の根元周囲に巻かれる1cm幅のバンドエイドの、1ミリリットルのパラフィン(白)油に塗布する。対照の処理は、バンドエイドに1ミリリットルのパラフィン油である。アッセイ間隔は、72、120、168、および224時間である。この実験のその他の側面は、上述のとおりである。全身的防御反応が、達成され得る。NACアミドが、重鉱物油などの非反応性、膜透過性キャリアに分散される場合、防御反応が促進される。キャリアとしてパラフィン油を使用することができるが、白油あるいは流動ワセリンなど、他の種類の油を採用することもできる。使用される特定の種類のキャリアに関わらず、キャリアが、NACアミドの抗酸化物質特性を反応する可能性のある安定剤やその他の材料を含有しないことを確認するための注意が必要である。
実施例4
地上35cmにおける幹周が10センチメートル(cm)、高さ4メートルのFraxinus spp.(セイヨウトネリコ)、Quercus spp.(オーク)、およびGleditsia triacanthos L.(アメリカサイカチ)の木の処理は、1cm当り0.5mlのNACアミドを含有するパラフィン油を有する10×8.3cmの幹を縛るガーゼ包帯によって、対照(ストレスを受けていない)木で侵蝕される葉面積と比較し、アッセイ昆虫であるMalacosoma disstria Hubner(天幕毛虫)あるいはLymantria disoar L.(マイマイガ幼虫)に侵蝕される葉面積(cm)の量を減少(P<0.05以上)させることが予測される。NACアミドの残効性は、処理当り4〜14日であると予測される。茎包帯を介して塗布される抗酸化物質の用量を決定する手順は、RJ.Brinklerらにより、米国特許第6,172,004号に開示されている。
実施例5
ハイスループット・スクリーニング(HTS)プロトコルを使用して、NACアミド抗酸化物質により、生物的および非生物的ストレスに対し、保護あるいは耐性化する特性を判定し得る。HTSは、除草処方により処理され、続いて土壌面から1センチメートルの高さに刈られたオオムギ植物における再生量を、影響尺度で選別する。HTS選別の実際の手順を説明する。
3〜5個のオオムギ種子を、50%のMetro−Mix350、25%のSAl砂、25%のBacto Mixを含有する50平方ミリメートルの鉢に設置する。さらに、3.53kg/mの比率でOsmocote(登録商標)肥料を塗布する。鉢は、全試験期間を通して、地下潅漑により給水する。出芽の直後に、鉢を、鉢当り2つの植物となるよう手作業で整える。12〜14時間の光周期と日中/夜間温度範囲29℃/21℃から成る温室条件を採用する。
オオムギが約5インチから12〜15センチの高さとなったら(一般的に種蒔きの8〜9日後)、植物を、所望のNACアミド処方により処理する。塗布は、172kPaの圧力で作動する8001Eフラットファンノズル、または166kPaの圧力で作動する9501Eフラットファンノズルのいずれかを備えるトラック式噴霧機を使用して実行する。噴霧容量は、1ヘクトエーカー当たり187リットルに等しい。処理された植物は、温室に戻す。処理48時間後、NACアミドで処理されたものおよび未処理の対照を含む全ての植物を、土壌面から1センチメートルの高さに刈る。
それぞれ2つの植物を含む6つの鉢を使用して、各処理の効果を判定する。植物が刈られた3日後、植物はオオムギの再生を定量的に測定する。オオムギの再生は、オオムギが刈られた地点から新芽の先端までを測定する。各植物は、個別に測定する。記録された処理植物の高さは、個々の12の植物の平均高である。所望される場合、差異分析(ANOVA)を使用して、95%の信頼性区間で、統計学的分析がおこなわれる。
希釈水性のNACアミドを含有する組成物を、試験植物を処理するために使用する。水性組成物は、一般的にNACアミドの溶液を水に分散することにより調整する。促進剤は、特定であるがさまざまな比率を獲得するように含まれる。つまり、NACアミドの比率に比例して変化する、NACアミドに対する規定の比率として組み込まれるのではなく、NACアミドの比率とは無関係に変化する。それぞれの事例における促進剤の比率は、g/haで与えられる。各実験は、特定の塗布率における、特定のNACアミド濃度、また使用する際には特定の促進剤の濃度を使用して実行する。試験は、促進剤を用いてあるいは用いずに、NACアミドの種類と量を変化させることにより実行する。例えば、単一の促進剤が使用される各試験について、NACアミドと促進剤の両方の濃度を変化させる。
本明細書で引用される特許出願、公開された出願、特許、刊行物、および参考文献の全ての内容は、本発明が関連する技術分野の記載をより完全に説明するために、参考として本明細書中に援用される。
上記の方法および組成物には、上述の本発明の範囲および精神から逸脱することなく、さまざまな変更を加えることができる。上記の記載に含まれる対象、添付図面に示される対象、あるいは添付請求項に定義される対象の全ては、説明を目的とし、限定するものではないと解釈するよう意図される。

Claims (64)

  1. 生物的または非生物的な環境ストレスに対する植物の抵抗性または耐性を強化する方法であって、該植物の抵抗性または耐性を誘導するために有効な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を、該植物の表面に投与するステップを含む、方法。
  2. 前記生物的な環境ストレスは、一つ以上の害虫あるいは病原菌から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記害虫は昆虫、クモ類、または線虫を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記病原菌は、細菌、ウイルス、真菌、またはマイコプラズマを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記非生物的な環境ストレスは、極端な気温または気象条件である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ストレスは、干ばつ、霜、雨、雹、湿度、湿気、あるいは熱の一つ以上を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ストレスは、過剰塩分、過剰無機物、土壌の栄養不足、成長培地の栄養不足を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 一つ以上の促進剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記一つ以上の促進剤は、アントラキノン化合物、アスコルビン酸塩、トコフェロール、ビタミンCまたはビタミンEを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記植物の表面は、前記植物の茎葉、葉、茎、根、花、芽および柄を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記NACアミドは、前記植物の根系に浸漬するか、該植物に噴霧するか、あるいは該植物の表面への直接塗付により投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 一つ以上の害虫、病原菌、あるいは非生物的な環境ストレスに対する植物の抵抗性または耐性を強化するための方法であって、該植物の抵抗性または耐性を強化するのに有効な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を含む溶液を、該植物の地表に出ている表面に噴霧するステップを含む、方法。
  13. 前記NACアミドは、10−6と10−4M間の量で存在する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記害虫は、昆虫、クモ類、または線虫を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記病原菌は、細菌、ウイルス、真菌またはマイコプラズムを含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記非生物的な環境ストレスは、極端な気温あるいは気象条件である、請求項12に記載の方法。
  17. 前記ストレスは、干ばつ、霜、雨、雹、湿気、湿度、あるいは熱の一つ以上含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ストレスは、過剰塩分、過剰無機物、土壌の栄養不足、成長培地の栄養不足を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 促進剤をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  20. 前記促進剤は、アントラキノン化合物、アスコルビン酸塩、トコフェロール、ビタミンCまたはビタミンEから選択された一つ以上の環境的に安全な抗酸化剤を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 害虫、病原菌、あるいは非生物的な環境ストレスの一つ以上に対する植物の抵抗性または耐性を強化するための方法であって、該一つ以上の害虫、病原菌または非生物的な環境ストレスに対する該植物の抵抗性または耐性を強化するのに充分な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を、植物の茎に塗布するステップを含む、方法。
  22. 前記害虫は、昆虫、クモ類、または線虫を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記病原菌は、細菌、ウイルス、真菌またはマイコプラズムを含む、請求項21に記載の方法。
  24. 前記非生物的な環境ストレスは、極端な気温あるいは気象条件である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記ストレスは、干ばつ、霜、雨、雹、湿度、湿気あるいは熱の一つ以上を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ストレスは、過剰塩分、過剰無機物、土壌の栄養不足、成長培地の栄養不足を含む、請求項24に記載の方法。
  27. 一つ以上の促進剤をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  28. 前記一つ以上の促進剤は、アントラキノン化合物、アスコルビン酸塩、トコフェノール、ビタミンCまたはビタミンEを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 外来性のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)またはその誘導体、塩、またはエステルを、単独かあるいは一つ以上の促進剤と併用して、植物または作物を処理する過程であって、(a)該植物または作物の表面または茎葉にNACアミド、またはその誘導体、塩またはエステルを含む組成物を塗布するステップと、(b)生物学的に有効な量の該NACアミド含有組成物を、該植物または作物の表面または茎葉に塗布するステップと、を含む、過程。
  30. 前記NACアミドは水溶性である、請求項29に記載の過程。
  31. 前記促進剤は、前記NACアミドの生物学的効果を実質的に拮抗あるいは抑制しない、実質的な非植物毒量で存在する、請求項29に記載の過程。
  32. 前記一つ以上の促進剤は、アントラキノン化合物、アスコルビン酸塩、トコフェノール、ビタミンC、またはビタミンEの一つ以上を含む、請求項29に記載の過程。
  33. 前記植物あるいは作物の表面は、葉、茎、根、花、芽および柄を含む、請求項29に記載の方法。
  34. 前記NACアミドは、前記植物あるいは作物の根系を浸漬するか、該植物あるいは作物に噴霧するか、あるいは該植物または作物の表面への直接塗布により塗布される、請求項29に記載の方法。
  35. 植物あるいは植物材料内で天然に産生されるグルタチオンを補完することにより、該植物あるいは植物材料の、酸化的ストレスに耐える能力を強化する方法であって、酸化的ストレスに耐えるために該植物あるいは植物材料の能力を強化するのに有効な量のNACアミドを、該植物あるいは植物材料に供給するステップを含む、方法。
  36. 前記植物または植物材料は、形質転換植物あるいは植物材料である、請求項34に記載の方法。
  37. 前記植物材料は、種,果実、あるいは該植物の切り枝から選択される、請求項34に記載の方法。
  38. 前記NACアミドが、前記植物あるいは植物材料によるグルタチオン産生欠損を置き換える、請求項34に記載の方法。
  39. 前記NACアミドが、前記植物あるいは植物材料によるグルタチオン産生を補完する、請求項34に記載の方法。
  40. 前記NACアミドは、前記植物の根系を浸漬するか、該植物あるいは植物材料に噴霧するか、あるいは該植物あるいは植物材料の表面への直接塗布により与えられる、請求項34に記載の方法。
  41. 環境ストレスと、生理的ストレスと、酸化的ストレスと損傷から植物を保護あるいは防御するために、該植物の天然の防御および免疫系を強化する方法であって、該植物を保護あるいは防御するために有効な量のNACアミドを、サリチル酸結合タンパク2(SABP2)と併用して該植物に与えるステップを含む、方法。
  42. SABP2と併用される前記NACアミドは、前記植物の根系を浸漬するか、該植物に噴霧するか、あるいは該植物の表面への直接塗布により与えられる、請求項41に記載の方法。
  43. 消費のためにより健康的な植物、植物部位、植物材料あるいはその産物を生産する方法であって、該植物、前記植物部位、あるいは植物材料内に天然に産生される抗酸化物質の含有量あるいは量を増加または強化するのに効果的な量のNACアミドで、該植物、植物部位、あるいは植物材料を処理するステップを含む、方法。
  44. 前記植物材料は、種または果実である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記植物部位は、前記植物の切り枝である、請求項43に記載の方法。
  46. 前記植物生成物は、果肉である、請求項43に記載の方法。
  47. 前記植物、植物部位、あるいは植物材料は、該植物の根系を浸漬するか、該植物、植物部位、あるいは植物材料に噴霧するか、あるいは該植物、植物部位、あるいは植物材料の表面への直接塗布により、NACアミドで処理される、請求項43に記載の方法。
  48. 植物処理組成物あるいは製剤であって、生物的あるいは非生物的な環境ストレスに対する植物の抵抗性または耐性の強化に有効な量のN−アセチルシステインアミド(NACアミド)を含む、植物処理組成物あるいは製剤。
  49. 前記生物的な環境ストレスは、害虫あるいは病原菌の一つ以上から選択される、請求項48に記載の組成物。
  50. 前記害虫は、昆虫、クモ類、あるいは線虫から選択される、請求項49に記載の組成物。
  51. 前記原菌は、細菌、ウイルス、真菌、またはマイコプラズムから選択される、請求項49に記載の組成物。
  52. 前記非生物的な環境ストレスは、極端な気温あるいは気象条件である、請求項48に記載の組成物。
  53. 前記ストレスは、干ばつ、霜、雨、雹、湿度、湿気、あるいは熱の一つ以上から選択される、請求項52に記載の組成物。
  54. 一つ以上の促進剤をさらに含む、請求項48に記載の組成物。
  55. 前記一つ以上の促進剤は、アントラキノン化合物、アスコルビン酸塩、トコフェノール、ビタミンCあるいはビタミンEを含む、請求項54に記載の組成物。
  56. 前記促進剤は、前記NACアミドの生物的効果を実質的に拮抗あるいは抑制しない、実質的に非植物毒量で存在する、請求項54に記載の組成物。
  57. 前記NACアミドが水溶性である、請求項48に記載の組成物。
  58. 追加成分をさらに含む、請求項48に記載の組成物。
  59. 前記追加成分は、溶媒、界面活性剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、不凍剤、または防腐剤を含む、請求項58に記載の組成物。
  60. 前記追加成分は、除草剤、植物成長調整剤、または殺線虫剤を含む、請求項58に記載の組成物。
  61. 希釈された、すぐに適用可能な溶液および分散物である、請求項48に記載の組成物。
  62. 濃縮組成物である、請求項48に記載の組成物。
  63. 前記濃縮組成物は、固体あるいは液体濃縮物である、請求項62に記載の組成物。
  64. 前記濃縮組成物は、水溶液、乳剤濃縮物、懸濁濃縮物、水性乳剤、水中油型乳剤、油中水型乳剤、あるいは水中油中水型乳剤からなる群から選択される、請求項62に記載の組成物。
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