JP2022038386A - 子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を利用する土壌改良材、並びに子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を利用する産廃生分解プラスチック、産廃有機物の分解方法。 - Google Patents

子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を利用する土壌改良材、並びに子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を利用する産廃生分解プラスチック、産廃有機物の分解方法。 Download PDF

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Abstract

Figure 2022038386000001
【課題】
生分解プラスチック廃棄物及び産廃有機物を、確実に分解させるとともに、土壌改良材としても機能させる。
【解決手段】
子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を予め共生させた環境で、生分解プラスチック廃棄物を放線菌により確実に分解させ、また、子嚢菌木材腐朽菌により、産廃有機物を分解させ、さらに、子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を付着させたペレット状生分解プラスチック廃棄物又は産廃有機物によって、放線菌が生息する土壌の水はけをよくし、子嚢菌木材腐朽菌による殺菌効果や根粒菌の空中窒素固定機能により、減農薬や減肥料の農業を実現するとともに、ペレット状生分解プラスチック廃棄物又は産廃有機物を確実に分解する。
【選択図】図4

Description

本発明は、生分解プラスチックPLA又は産業廃棄有機物に、子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を付着させた土壌改良材、並びに子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌の共生、共存利用、又はこれらの菌にさらに放線菌を共生、共存利用させることによる産廃生分解プラスチック又は産廃有機物の分解方法に関する。
植物が作る樹脂は自然が作るプラスチックといえるが、この自然プラスチックで微生物が分解出来ないものはない。しかし、現代の科学は、化学で分解できないプラスチックを作り続けてきた。
世界のプラスチック生産量は、1950年200万tだったのが、2015年の総生産量は3億8000万tであり、これまでの生産量を累積すると83億tに達する。この中で63憶tがゴミとして廃棄され、そのうちリサイクルされたプラスチックは僅か9%であり、12%が焼却され、大部分の79%は、埋め立てや自然界に投棄されたとみられている。
生分解出来ないプラスチックは、今後、何百年、何千年も分解されないまま自然環境に残留し、これらの一部は紫外線により酸化されて分解し、海洋プラスチックとなり地球生態系に甚大な影響を与えるまでになっている。
プラスチック生産は、年間50%増の勢いで増加し、このまま進めば2050年には累計330憶tのプラスチックが生産されることになり、プラスチック廃棄物の問題は、21世紀の人類が解決しなければならない大きな課題である。
そのような時代背景の中で、ようやく、世界が生分解プラスチック使用に方向転換する時代になってきた。生分解プラスチックとは、植物澱粉を原料にして作る「ポリ乳酸」プラスチックPLAのことで、本発明における「生分解プラスチック」は、この「ポリ乳酸」プラスチックPLAを指すものとする。このような脱プラスチックは、時代の要請であり、更に、循環型社会、脱炭素社会への移行は21世紀の大きな課題になっている。
更に、産業廃棄物のゴミはプラスチックのみでなく、例えば、衣料関連、繊維関連、紙パルプ関連、建築関連、介護関連産業からも、多様な有機物が大量発生し、その多くは燃えるゴミとして焼却処分されて、多量の炭酸ガス排出し、地球温暖化を誘起している。
しかし、現在の生分解プラスチック処理技術としては、今のところ産業用の堆肥施設で高温という特殊条件の下での微生物による分解くらいしか実用化されていない。このような特殊条件下での生分解では、今後増加する生分解プラスチック生産に伴う産廃生分解プラスチックの処理に対応できない。安易な焼却処分に依存するようでは、生分解プラスチックへの移行の意味がなさないばかりか、特殊な施設を必要とする分解技術ではコストの面からも生分解プラスチックへの移行が遅々として進まないということも想定される。
生分解プラスチックPLAの生分解技術は、現在のところ放線菌によるものがほとんどであるが(特許文献1、2)、この堆肥化技術の欠点は、大量処理のためには「高温条件下」という、自然界に普遍的に圃場に存在しない特殊な条件を必要とすることである(特許文献3)。つまり、特殊な施設を作らなければならないということである。
本発明者は、この思考がPLAの研究を遅速させていると考えた。なぜなら、「高温」条件という特殊な施設での分解は、世界中で何処にでも簡単に作れる施設ではないからである。貧しい国ほど廃プラのゴミの山に悩まされている状況を考えれば、常温の圃場でのPLA処理技術を発明開発することこそ、21世紀の社会が抱える廃プラの課題を解決するものであると確信した。
本発明者は、今後、産廃生分解プラスチックPLAが多くなることは時代の流れであることに着目して、先行技術を精査し、以下のような欠陥の問題点を見出した。
放線菌の複雑系の以下のような、土壌内生活、菌社会、菌ネットワークが考慮されていない。
(1)放線菌は、細菌であり、枯れ葉、植物死骸のリグニン、セルロースを分解出来ないため、自分では生きるための養分(炭素源)を調達できない。そのため、放線菌は土壌中で他の菌とグループを作り、リグニン、セルロース分解できる木材腐朽菌がキーパーソンの菌社会の中で生きる菌であり、木材腐朽菌の傘の下で生きてきた菌であること。
(2)放線菌は、木材腐朽菌の傘の下生きていれば、木材腐朽菌の菌糸のキチンをエサにすることで生存でき、木材腐朽菌とともに生きることで、木材腐朽菌の菌糸が調達する水分、糖、ミネラル、窒素などを調達していること。
(3)圃場に糸状菌、木材腐朽菌が生息、繁殖しない場合は殆ど休眠していること。
(4)放線菌は、菌社会では弱者菌である。このため多くの放線菌は生息エリアを確保するために抗生物質を具備し他の微生物からの侵入を抑止していること。
(5)放線菌は、細菌であり、細菌は圃場が乾燥すると直ぐに休眠して生存を図ること。
これまでの先行技術が、高温という特殊条件を必要とするのは、放線菌という単一な細菌を利用する技術だからである。菌自然界では単独で生きているわけではない。他の菌とグループ、派閥を作り、一つの菌社会を構築して、グループで活動している。
大切なことは、圃場で放線菌を生存、繁殖、永続的に定着させなければならないことである。生きた菌は、変化する自然の中で日々、刻々その生活を変化させて生き続けている。放線菌が生分解プラスチックPLAを分解するということは、放線菌の生活そのものである。放線菌が土壌内でどのように生活している菌なのか、この研究がないまま、単一の放線菌で生分解プラスチックの分解を試みても意味がない。上述したように、放線菌が生きている土壌内では「複雑系」の菌社会が構築され、放線菌のエサである糸状菌、木材腐朽菌が生きている土壌でなければ、放線菌は生存、繁殖、定着できない。したがって、放線菌より先に、エサである糸状菌、木材腐朽菌を圃場に生息、繁殖、定着させる必要がある。
つまり、放線菌は、ポリ乳酸プラスチックPLAを100%エサにして生きられる菌ではないので、そこに糸状菌の菌糸が無く、エサとなるキチンが無ければ飢えて死滅する。つまり圃場に永続的に定着できず、難分解性生分解プラスチックを最後まで分解できないという事態となる。
このことを自然界の放線菌の生活で説明する。図1のように放線菌4が生きている場所のほとんどは、土壌5の表面の多湿な枯れ落ち葉3の下である。今年落葉した新しい葉1のエリアには生息していない。リグニンを分解出来ず、乾燥にも弱いからである。新しい葉1のエリアはリグニンを分解できる白色木材腐朽菌2の占有支配エリアである。放線菌4は、非常に乾燥に弱いので、この木材腐朽菌のエリアの下層のエリアで生きており、乾燥している今年の枯れ落ち葉1の表面には生息しない。木材腐朽菌2が新しい枯れ葉1を先ず一番先に一次分解し、この崩壊した組織に放線菌4はようやく棲みつき、セルロースを分解して生育する。
このような自然環境を作り出すことができれば、放線菌を圃場に永続的に定着させることができ、放線菌によるポリ乳酸プラスチックの分解を継続的に行えるが、前述したように放線菌の主食はあくまでキチンなのでポリ乳酸プラスチックの分解は緩やかにしか行えない。
放線菌を永続的に定着させようとする試みとして、カニガラ等のキチン質を放線菌に配合することが提案されている(特許文献4)が、放線菌がキチンを食べつくし、他にキチンの供給源がなければ、放線菌は休眠状態となってしまうので、継続的な放線菌による生分解プラスチックの処理には結びつかない。
一方、産廃有機物の処理は、産廃有機物には多様なものがあるため、前述したように、これまではその多くを「焼却」で処分してきた。しかし、地球温暖化の抑止から炭酸ガス排出が世界的な問題として浮上する中で、産廃有機物の生分解が提唱される時代になった。
産廃有機物を生分解することはセルロースが主成分であることから、嫌気性細菌による「堆肥化」することで解決できる。しかし、産廃有機物の中には染色、着色された衣類、繊維、建築材、紙、段ボール、食器なども含まれ、これらの化学合成染料の中には、嫌気性細菌では分解されず土壌に残留して土壌を汚染するものある。
また、嫌気性細菌を利用した「堆肥化」では、産廃有機物のほとんどが窒素化合物を含まないことから、窒素源を添加する必要がある。この窒素源として、これまでは家畜の排泄物を利用してきたが、この方法では、バーク堆肥に見られるように醗酵腐敗熱が発生することから、悪臭を伴い、何回も切り返しを行い、数か月という時間を必要とした。したがって、産廃有機物を圃場で効率的に生分解するには、これまでのような嫌気性細菌による堆肥化ではなく、化学合成染料を分解できる能力を持つ菌を利用することが望ましい。
特開2005-336226号公報 特開2006-137917号公報 特開2005-298565号公報 特開平08-169148号公報
本発明は、PLAや産廃有機物を確実に安定して分解し、産廃有機物については、含有する有害物質についても分解する方法を提供するとともに、PLAや産廃有機物が分解される間、土壌改良に資することができる土壌改良剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、逆転の発想で、常温下で、放線菌がPLAを緩やかに分解するという難分解性を逆に利用して資源化することが有効と考えた。PLAを放線菌により自然環境下で穏やかに生分解させるのであれば、先ず放線菌のエサであるキチンを圃場で生産しなければならず、そのためには、キチン質を具備する白色木材腐朽菌を圃場で培養すればよい。
そこで、PLAを粉砕、又は粒状化し、これに、子嚢菌木材腐朽菌と根粒菌を担持させることで、このPLAの粒子、粉体は、圃場の排水性、保水性、通気性を永年にわたって改善するするととともに、担持させた二つの菌の相利共生によって巨大な菌叢が形成され、放線菌のエサである「キチン」が子嚢菌木材腐朽菌の菌糸に存在することから、投与されたPLAの粒子エリアに多量の放線菌が生息、定着するようになり、この放線菌によりPLAが徐々に分解される。
さらに、産廃有機物も、セルロースを分解することができる子嚢菌木材腐朽菌と空中窒素を固定できる根粒菌を担持させることで、嫌気性菌を使用することなく、分解することができ、上記PLAと同様に土壌改良材として機能させることができる。
本発明は、以上のようなゴミ問題を、産廃生分解プラスチック、及び産廃有機物を自然環境下における微生物により生分解させるという新たな技術で解決するものである。すなわち、生分解は、あくまでも地球に生息する微生物で炭酸ガスと水にして、地球に負荷を与えないで分解処理するという理念の下、本発明のさらなる目的は、微生物を利用して、産廃PLA、産廃有機物を土壌改良材に改変することで、全世界の寒帯から熱帯の圃場を産廃PLA、有機物の処理場にすることである。本発明では、単独で空中窒素固定可能な子嚢菌木材腐朽菌と根粒菌を使用するので、この土壌改良材を使用すれば、作物栽培を行うと共に、圃場内で窒素化合物を合成できるので、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が行うことが可能である。
本発明者は、従来の技術とは全く別な観点から、つまり自然界の菌社会から放線菌の生活を考察し、新たな分解技術を開発しなければならないという考えに至り、放線菌のエサになる糸状菌、木材腐朽菌の探索から着手した。木材ではなく土壌内に菌糸を伸ばし、生存、繁殖する木材腐朽菌でなければならない。そこで、土壌内に菌糸を伸ばす腐生菌 子嚢菌木材腐朽菌を探索した結果、「ラン菌」の中から子嚢菌白色木材腐朽菌の一種である新規な菌を発見した。新規発見した子嚢菌白色木材腐朽菌の子実体がチャワンダケの形状をしていることから、未同定菌のため世界の菌学会の定めに従って「Pezizales sp.」と記す。なお、この新規な菌は別途特許出願している(特願2019-164530号)。
上記Pezizales sp.菌は、ラン科植物と共生する子嚢菌白色木材腐朽菌であり、腐生型の「菌根菌」であって、南極、砂漠以外の世界中に約26000種も自生していることから、世界の圃場で本発明を実施するのに、最適な菌である。
しかし、環境破壊、地球温暖化問題は世界で急加速しており、生プラスチックへの移行は、今後急速に進行することが予想される。このような状況において、微生物や有害化学物質で汚染されたPLA、有機物産業廃棄物を継続的かつ確実に分解、解毒する技術の重要性は増すばかりである。そこで、本発明を世界で実施するための菌として、ランの腐生菌、子嚢菌木材腐朽菌以外の菌についてもさらに探求した。
全世界の圃場には「酸性土壌」図2と「塩基性土壌」図3があり、農業生産者は、これらの土壌にあった作物栽培が行なっていることを考えれば、本発明を実施するに当たり、一つの菌ではリスクが大きく、複数の菌を用意することで本発明の適用範囲を広げることができる。
そこで、本発明者らは、世界中の子嚢菌白色木材腐朽菌の中から、前記Pezizales sp.菌と近縁で、同じような特性を具備していると予想される中で最も著名な子嚢菌 菌根菌キノコであり、高級料理の食材として古来より世界中で食されてきたセイヨウショウロ科のイタリア産の「白トリュフ」(Tuber magnatum)を用いれば、空中窒素固定.を行なうのではないかと想定した。さらに、本発明者らは、Pezizales sp.菌が酸性土壌に自生するキノコであるが、この「白トリュフTuber magnatum」(以下「白トリュフ菌Tuber.」記す)キノコは、イタリア、フランスなどの塩基性アルカリ土壌に自生するキノコ菌であることにも着目した。また、白トリュフだけでなく、菌縁のTuber属キノコを含める場合は、「Tuber ssp」と記す。
そこで、この菌の主な原産国であるイタリアから輸入し、多様な試験を実施するため、この白トリュフ菌Tuber.子実体から、菌業界で普遍的に行われている平板培養で菌糸体を再生させ、その後、液体培養で菌糸体の大量生産を行ない供試材料とした。
本発明に用いる子嚢菌白色木材腐朽菌は、単独で空中窒素固定を行なえる能力を具備している菌根菌である。菌根菌は、根粒菌と共生して巨大な菌叢を形成すると同時に、圃場で栽培される作物と共生して生育を助ける菌である。この特性を求めて白トリュフ菌Tuber.を窒素の含まない培地で培養試験を行ったところ(試験1A、図4)、先行知見のPezizales sp.菌と同様に単独で空中窒素固定.を行なうことを確認した。
さらに、白トリュフ菌Tuber.が農業に広く使用されてきた汎用根粒菌と共生して巨大で強大な「菌叢」を形成することも確認した(試験24B、図5)。この知見は、本発明で使用する根粒菌が特定のRhizobium sp.でなくともよいことを実証するものである。この巨大な菌叢には放線菌のエサであるキチンが大量に含まれるため、放線菌を圃場に定着、定住させることができる。この白トリュフ菌Tuber.と汎用根粒菌を相利共生させることで白トリュフ菌Tuber.の生育速度がより早くなり、土壌内に巨大な共生菌叢を形成し放線菌の永続定住を可能にする。
これは、本発明を継続する上で非常に大切な要素で、この2者菌を使用することで、長時間かけて、PLAを確実に分解し有害物質を含む有機性産業廃棄物を無害化分解するとともに、本発明の二つ目の目的、効果である減肥料及び減農薬及び無農薬栽培をも可能にする。
この試験に使用した根粒菌は、日本のマメ科作物栽培で広く普及している汎用大豆根粒菌(商品名「まめぞう」、北海道十勝農業協同組合製)を使用した。また、根粒菌Rhizobium sp.は、既に多様な菌種が製品評価技術基盤機構NITEに寄託保存されている。
本発明に使用した根粒菌は、本発明が世界規模で実施することを目的にするものであるから、本発明者が発見した単独で空中窒素固定する特定のRhizobium sp.菌(特願 2019-164530号)に限定するものではなく、また、日本原産の根粒菌に限定するものでもない。Pezizales sp.菌が農業汎用根粒菌と共存して生育することが解ったことで、各国の地域に自生する根粒菌を使用できる可能性があることが解った(試験25B、図6)。
根粒菌には地域特異性があるため、世界各地での実施に当たっては、実施国に自生する根粒菌の中から単独で空中窒素固定し、上述した子嚢菌白色木材腐朽菌と共利共生する根粒菌を探索し、その菌を使用することが望ましい。
根粒菌には世界で数千種あるが、その中には単独で空中窒素固定.を全然行わない菌も非常に多くある。本発明実施で使用する根粒菌は「単独で空中窒素固定.」を行なう菌であることが絶対的必須条件である。
白トリュフ菌Tuber.はセイヨウショウロ科、セイヨウショウロ属に属する菌で、他に黒トリュフが著名であるが、最近の研究では近縁のTuber属菌は、近年、世界各エリアで新種が次々に発見され、北半球から南半球まで合わせると約160種が発見登録され、日本にも約15種自生しているといわれている。しかし、白トリュフ菌Tuber.の培養は「菌根菌」であることから極めて困難で、実用に供することが可能な菌糸体の大量培養、子実体培養は、今まで成功例がなかったが、本発明者らは、白トリュフについての多様な試行錯誤の結果、上述した方法により白トリュフ菌糸体の大量培養を実現することができた。
本発明では、白トリュフ菌Tuber.を使用したが、この菌は、近縁種である子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.菌と同じような特性を持っていることから、子嚢菌白色木材腐朽菌の中で「菌根菌」の特性を具備した他のセイヨウショウロ科、ショウロ科、チャワンダケ科菌の中にも、同様な菌が存在する可能性があり、本発明で用いた試験方法を利用すれば、本発明に適用可能な菌を見つけることが可能である。具体的には、チャワンダケ科の菌では、オオチャワンダケ、ベニチャワンダケ、クロチャワンダケ、タヌキノチャワンダケ、クリイロチャワンダケ、ニセクリイロチャワンダケが挙げられる。(これらの菌はいずれも近縁種であり、近年のゲノム解析でこれまでの分類による科、属が変化している菌が多く正確な同定分類は混乱しており、本発明に使用しているラン菌についても未同定菌であるため、その形状から推測してPezizales sp.と記している。)
本発明を全世界の圃場で実施するためには、白トリュフ菌Tuber. 又はPezizales sp.菌、及び根粒菌Rhizobium sp.の生息する懸濁液を製造(試験15A、図7)して用いることが望ましい。この懸濁液を予め圃場に散布し、上記菌を圃場に生息定着させた後に、PLA,有機物産廃から製造した粉体、粒体、ペレットを投与する、大面積圃場では現在急速にAIを利用した飛行機、ドローンによる農薬散布が普及しているが、同じように濃厚な本懸濁液を散布することができる。
本発明の問題解決するための望ましい手段は、白トリュフ菌Tuber.又はPezizales sp.及び根粒菌Rhizobium sp.の二者菌が世界の圃場の土壌で相利共生して菌糸を伸ばし、圃場に定住、定着し、永続的に同土壌内に棲息する放線菌のエサになるようにすることが基本技術である。より確実に目的達成する場合は、二者菌それぞれの自生地、特性から考察すると、酸性土壌エリアではPezizales sp.菌を使用、塩基性アルカリ土壌エリアでは、白トリュフ菌Tuber.を使用することが好ましい。
しかし、実際に多くの国で本発明を実施する場合は、多くの国の人々が知っているキノコである白トリュフ菌Tuberを使用することが普及を容易にする上からも白トリュフ菌Tuberを重用することがより望ましい。しかし、白トリュフ菌とPezizales sp.菌二つの子嚢菌木材腐朽菌を使用することも可能であることから、本発明者は、白トリュフ菌Tuber とPezizales sp.菌それぞれの菌の多様な試験を実施した(試験1Aから24B)。
種々の実験により判明した白トリュフ菌Tuber.の特性を以下に示す。
(1) アルカリ性土壌に産するキノコでありながら「強酸性土条件」で良好な生育を行う。
(2) ヨーロッパの乾燥したエリアに産するキノコであるが、液体培地で良好な生育を行い菌糸体のバイオフィルムを形成する。
(3) 普通汎用の多様な土着根粒菌と(大豆、えんどう根粒菌など)相利共生する。
(4) 0℃から50℃の広い温度エリアで良好な生育を行なう。
(5) 子嚢菌白色木材腐朽菌菌根菌でありながら土壌に菌糸を伸ばせる腐生型菌根菌である。
(6) 菌根菌でありながら宿主植物が無い状態でも、炭素源、窒素源、ミネラル源存在下、土壌内で生育できる。
(7) 強い抗菌力を具備して多様な微生物を不活性化する。
(8) 強力な多様な分解酵素を具備しリグニン、セルロースを分解しブドウ糖を産生する。その他の有機化合物を分解できる。土壌を清浄化できる。
(9) アルコール醗酵酵母菌を不活性化する。
(10) グループ菌のキーパーソン菌として多様な微生物菌社会を形成できるPezizales sp.菌、根粒菌、放線菌と共生できる。
(11) 乾燥、太陽光に耐える菌糸束で圃場に定着、定住できる。
(12) 高い濃度のイオン濃度土壌でも生育できる。
(13) 単独空中窒素固定を行なう。
本発明で使用する白トリュフ菌Tuber.は、以上のような多様な特性を具備しており、本発明が要求する生分解プラスチック廃棄物処理に適合した菌であることが解明した。
白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.が繁殖し菌糸を伸ばすためには、圃場に窒素源、炭素源、ミネラル源、温度、水分、空気が必須条件として必要とする。世界の全圃場で実施することを想定すると、窒素の欠乏した圃場も存在する。そこで本発明者は、マメ科植物との共生なしで単独で空中窒素固定を行う「根粒菌」の探索を行い、そして単独で空中窒素固定を行うRhizobium sp.菌を発見した(試験2)。
まず、これら子嚢菌白色木材腐朽菌 白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.と、根粒菌 Rhizobium sp.が共利共生により大繁殖することを確認した(試験1,2)。すなわち、圃場に一応単独で空中窒素固定可能なPezizales sp.又は白トリュフ菌Tuber.菌と単独で強力に空中窒素固定を行う根粒菌を共利共生させて生息させることで、Pezizales sp.又は白トリュフ菌Tuber.の窒素源を根粒菌が空中窒素固定で作る大量の窒素で賄うことができ、そうすれば、キチンを具備する白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.を永続的に圃場に定着させる窒素源を肥料施与しなくとも確保できることになる。
白色木材腐朽菌,白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.が繁殖し菌糸を伸ばすために必要な「炭素源」は、自然界では「枯れ落ち葉」「植物死骸」のリグニン、セルロースであるが、これを、世界の寒帯から熱帯の全圃場に投与することは現実的に不可能である。
そこで、本発明者は、高分子のリグニン、セルロースに代わる炭素源として、グルコース、サッカロース、マンニトールなどの糖を 白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌懸濁液に混入し、圃場に施与することを試みたところ、白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌は土壌内に超スピードで菌糸を伸ばすことを確認した(試験5)。
これまで土壌に糖を施与することは不可能であった。なぜなら、土壌には酵母菌が生息しており、糖を施与すれば、直ぐに酵母菌がアルコール醗酵を行い、アルコールを作るためである。このアルコールは植物の根を痛め、土壌生息菌の生息、繁殖をも抑止する。白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌懸濁液に糖を混入して成功した理由は、白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.が酵母菌を休眠、不活性化させる能力を具備していたからである(試験6B)。
さらに、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌は、産廃有機物を粒体、粉体、またはペレット化することで、無造作に分解し土壌化すること、及びこれまで分解不可能と言われた有害化合物をも分解することを確認した(試験21B)。
最後に新規に発見した子嚢菌木材腐朽菌 白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌、及び根粒菌Rhizobium sp.と、生分解プラスチックを分解する放線菌が、共存、共生し、自然界において、これらの菌が同じグループに属する菌であることも確認した(試験10B)。
圃場の土壌内における子嚢菌白色木材腐朽菌、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.と根粒菌の共生の状況を説明する。
土壌内では、先ず子嚢菌白色木材腐朽菌 白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌が、枯れ葉から糖を作り、それを根粒菌に供給し、糖を得た根粒菌は空中窒素固定を行ない、この窒素を 白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌に供給する。窒素を得た白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌は、更に菌糸を伸ばし、その菌糸に従う形で根粒菌は細胞分裂して増殖し、生息エリアを拡大する。この姿が土壌内で大きな「菌叢」となり、地表からも見ることができる。
図8は、子嚢菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.が、相利共生して増殖する過程を示す概念図である。(1)は、子嚢菌 白トリュフ Pezizales sp.菌の菌糸が伸び始めたころの状態で、根粒菌の数も少ない。子嚢菌 白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌の菌糸が伸びるにつれて根粒菌Rhizobium sp.も次々に生息エリアを拡大していき、(2)のように、根粒菌の数も多くなる。
圃場全体に、本発明の子嚢菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌の菌糸が張り巡らせられれば、根粒菌の数が増え、子嚢菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.によって、高効率で空中窒素固定が行なわれる。
この白色木材腐朽菌,トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌の菌糸の側に根粒菌、放線菌が棲めば、この水にありつくことができる。このような理由から、自然の地表では、白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌の菌糸の近くに多くの微生物がグループを形成し菌社会を形成している。白色木材腐朽菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌の菌糸が伸びれば、それにつれて根粒菌Rhizobium sp.や放線菌の生息エリアも拡大することになる。
本発明によれば、定期的に圃場に糖を投与することで本発明を構成するラン菌白色木材腐朽菌又は白トリュフ菌、根粒菌、放線菌の三者菌が永続的に圃場に定着し、放線菌による生分解性プラスチックPLA、産廃有機物を永続的に分解することが可能になる。具体的には、1リットル当たり10gの糖を溶解した溶液を、月1回のペースで、10アール当たり200リットル程度、散布すればよい。
<生分解プラスチックPLA粒子に子嚢菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.を担持させ土壌に投与した場合の各菌の関係>
図9は、生分解プラスチックPLA粒子に子嚢菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.を担持させ土壌に投与した場合の各菌の関係を示す模式図である。この土壌には生分解プラスチックPLAを分解する放線菌が生息している。この放線菌を圃場に定着させるには、糖分として、マンニトール、サッカロースなどを定期的に施与する必要がある。これをエサにして白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.とRhizobium sp.は繁殖定着し、この白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌のキチンを放線菌がエサとして食べることで、放線菌が繁殖し、圃場に定着する。このようにして圃場に定着した放線菌はPLAを緩やかに分解する。
本発明は、産廃生分解プラスチック、産廃有機物を粒体、粉体、またはペレット化し、これに木材腐朽菌と根粒菌を担持させた土壌改良材、及び木材腐朽菌と根粒菌を利用した産廃生分解プラスチック、産廃有機物の分解であるが、その目的に応じ以下の3種類作ることが考えられる。
イ.作物の生育まで考慮した土壌改良材
この改良材は、新発見した木材腐朽菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.及び根粒菌Rhizobium sp.を生分解プラスチック廃棄物粒子、粉体に担持させたもので、木材腐朽菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.の具備している空中窒素固定の他、微生物を休眠させる力、強力な分解力、作物の生育をサポートする菌根菌、光合成促進、光合成不足補完、ブドウ糖産生し作物の根にブドウ糖供給、ケイ酸供給、他の微生物との共生、0℃から40℃の土壌温度域での幅広い生育、超速の繁殖スピードなど、子嚢菌木材腐朽菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.と単独で空中窒素固定を行う根粒菌Rhizobium sp.の汎用根粒菌相利共生を利用することで、寒帯から熱帯まで世界のあらゆる圃場で実施できる。
ロ.産廃有機物のペレット化した土壌改良資材
産廃有機物にはほとんどの場合、雑菌が付着しており、その処理が必要となる。産廃有機物の場合、水洗浄は水を吸収することから困難なので、粉状に粉砕しペレットストーブのペレット製造機械によりペレット化することが好ましい。ペレット化するときの摩擦熱が100から150℃にもなるので、殆どの病害菌が死滅する。ペレットが冷却した後に、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.及びRhizobium sp.菌の懸濁液を噴霧するか、又はこれらの菌を含む粉体を担持させることで、産廃有機物が優良な土壌改良材となり、約2年で分解土壌化する(試験21)。
ハ.生分解プラスチック廃棄物又は産廃有機物の分解を主目的とする場合
理論的には、本発明の根粒菌と共利共生する木材腐朽菌が存在すれば、その菌叢を利用して目的が達成するが、木材腐朽菌として、根粒菌との共利共生による繁殖力が旺盛な、本発明の白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌を使用することにより確実に目的を達成できる。
具体的には、生分解プラスチック廃棄物又は産廃有機物に 白トリュフ菌又はラン菌Pezizales sp.,及びRhizobium sp.菌の懸濁液を噴霧するか、又はこれらの菌を含む粉体を担持させれば、産廃有機物は、白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌により分解され、生分解プラスチック廃棄物は、これを土壌中に投入することにより、白トリュフ菌Tuber,Pezizales sp.菌により産生されるキチン質により、土中の休眠状態の放線菌が活性化し、この活性化した放線菌により分解する。または、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌、及びRhizobium sp.菌の懸濁液を地面に噴霧し、予め土壌に白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.,及びRhizobium sp.菌を共利共生させた菌叢を形成しておき、この土壌中に生分解プラスチック廃棄物又は産廃有機物を投入しても、同容易な効果を得ることができる。
この場合、生分解プラスチック廃棄物又は産廃有機物を細かく裁断すれば、分解をより早めることができ、上記ロと同様、土壌改良材としての役目を果たすことになる。
菌もグループも必ず老化する。老化すれば生分解が遅々として進行しない事態に陥るので、菌グループを老化させないことが、本発明の最も重要な課題である。
継続して三者菌社会、グループを圃場に定着させる技術として、本発明者は圃場への「糖施与」という新規技術を開発した。
菌のグループも糖を炭素源として継続して生育しているように見えるが、子嚢菌白色木材腐朽菌,白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.の菌糸は、常にスクラップ・アンド・ビルドを行ない、古い菌糸を溶かし分解しながら新しく伸びるための養分にしている。
このようにして、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌は、グループのキーパーソンとしての役割を担っている。
本発明者が、本発明に糸状菌の子嚢菌白色木材腐朽菌を重用した理由は、この菌の菌糸が継続して伸びる点が、他の細菌と違うからである。細菌は菌糸を持たないため、自然界ではエリアのキーパーソン菌になれない。細菌は土壌1gに1億から10億も生存しているが、菌従属として休眠した状態で生きている。
白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌が新陳代謝し、古い菌糸を溶かし分解しなければ、細菌である放線菌は、休眠状態で生存を維持しているだけの菌でしかない。このような放線菌を常に活性化するには、上述したように圃場に糖を施与し、白トリュフ菌Tuber,.Pezizales sp.を常に活発に新陳代謝させることが必要である。
新規発見した子嚢菌白色木材腐朽菌、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌は、地球の地表を優占支配する強力な菌である。
この菌が目的以外のエリアに生息することを防止ななければならない場合、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌のエサになる炭水化物、糖を圃場に施与しなければ白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌は生育繁殖できないので制限することが可能である。
また、Pezizales sp.菌の毒性検査を日本食品分析センターに依頼したところ毒性なしとの検査結果が得られている。
一方、白トリュフ菌Tuber.は、白トリュフが、一般的な食材であり、世界のほとんどの国でその輸出入に植物検疫検査を必要としておらず、自国の土壌・環境に影響を及ぼさないキノコ類であるとされている。
産廃生分解プラスチックを破砕粒状化したものに、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌とRhizobium sp.菌の懸濁液を噴霧担持させ、これを圃場に施与し、定期的に糖溶液を施与すれば、排水性、保水性、通気性を保持した土壌に改良することができる。PLAは加水分解と、放線菌による分解で緩やかに分解される。このような土壌は、3者菌にとっても最適な生活空間、エリアである。また、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌とRhizobium sp.菌の単独空中窒素固定機能と有害菌の休眠化機能とにより、作物にとっても減肥料及び減農薬及び無農薬栽培できる圃場に改良できる。
さらに、木材腐朽菌、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌の分解力と、抗菌力(試験10A,16B)(図11、図10)を利用すれば、生分解プラスチック、産廃有機物に担持した色素、化学化合物のみならず、圃場に残留蓄積している過剰な窒素、残留農薬をも分解し、清浄な土壌に再生することができる。
放線菌、木材腐朽菌、根粒菌は著名な既知の菌であるが、この三者共生エリアに、生分解プラスチック廃棄物や産廃有機物由来の土壌改良材を投与することで、更に放線菌は活性化し、生分解する。
放線菌、木材腐朽菌、根粒菌グループとして大自然と同じような複雑系生態系を圃場に再現させることにより、放線菌を永続的に生息させ、生分解プラスチック廃棄物や産廃有機物を確実に分解することができる。
更に、根粒菌の研究を進めたところ、根粒菌には強い「地域特異性」があり、自生地域、国が異なれば、微妙に特性に違いがあるといわれており、日本の大豆圃場で使用されている大豆根粒菌と、アメリカ、ヨーロッパ、ブラジルの大豆圃場で使用されている大豆根粒菌がそれぞれ違う菌が使用されている。
この知見から、本発明者が、先に発見した単独で空中窒素固定を行ない、ラン菌Pezizales sp.と共利共生する特定の根粒菌Rhizobium sp.を、全世界で実施する上で多少のリスクが生じることが予想、懸念される。このことから、本発明者らは、白トリュフ菌Tuber.が普通農業で使用されている汎用根粒菌Rhizobiumと相利共生することを確認する試験を実施した。この根粒菌は、日本の北海道で大豆栽培に使用されている「大豆根粒菌」Rhizobiumである。この根粒菌は、マメ科植物の大豆と相利共生する根粒菌であり、他の植物宿主とは共生しないとされている菌である。根粒菌には宿主特異性があり、マメ科植物それぞれに供する根粒菌は定まっている。つまり、大豆根粒菌は「えんどう豆」、「落花生」、「レンゲソウ」とは共生しない。レンゲソウ根粒菌は落花生とは共生しない。これまでの先行研究は、この「宿主特異性」が固定観念となり、子嚢菌木材腐朽菌との共生の先行知見は殆どなかった。
本発明者は、特異な特性を持つ根粒菌Rhizobium sp.が子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.と相利共生し、空中窒素固定すること世界で初めて発見したが、(特願2019-164530号)更に研究を広くして普通の大豆と共生する根粒菌とPezizales sp.菌の「相利共生」試験を行った。
その結果、白トリュフTuber.菌と同じようにPezizales sp.菌とも相利共生を行ない、巨大なコロニーを形成することを、フラスコin vitro 試験、圃場試験で確認した。(試験25B、図6)
この試験により、本発明を全世界で実施普及する場合、本発明者が発見した単独で空中窒素固定.するRhizobium sp.を使用することが可能であるが、より望ましいのは実施国に自生するマメ科植物と相利共生して空中窒素固定.を行なう根粒菌の中から選択することである。
この技術で生分解プラスチックPLA,有機物産業廃棄物の処理を全世界の圃場で行いながら、同時に減肥料及び減農薬及び無農薬栽培が容易に行うことができる。
現在、PLA廃棄物を低コスト分解できる技術は世界のどこにもない状態であり、今後本発明は、21世紀社会が抱えるゴミ処理課題を解決する最も有効な技術となる。
自然界の放線菌の生活の模式図 世界の酸性土壌分布図 本発明実施エリア 世界の塩基性アルカリ土壌分布図 本発明実施エリア 白トリュフ菌Tuber空中窒素固定試験 白トリュフ菌Tuber、Pezizales sp.菌 Rhizobium sp.菌の土壌における共存、相利共生の巨大菌叢形成画像 Pezizales sp.と汎用Rhizobium sp.の相利共生試験 白トリュフ菌Tuber、Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.混合液製造 子嚢菌Pezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.が、相利共生して増殖する過程を示す概念図 生分解プラスチックPLA粒子に子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.を担持させ土壌に投与した場合の模式図 子嚢菌Pezizales sp.のアオカビ抗菌力試験 白トリュフ菌Tuber.の微生物抗菌試験 白トリュフ菌Tuber.土壌生育繁殖試験 白トリュフ菌Tuber.有機物分解能力試験 白トリュフ菌Tuber.と汎用根粒菌の相利共生試験 白トリュフ菌Tuber.強酸性条件下の生育繁殖試験 白トリュフ菌Tuber.強塩基性アルカリ条件下の育繁殖試験 白トリュフ菌Tuber.の低温、雪中条件下生育繁殖試験 白トリュフ菌Tuber.の高温条件下生育繁殖試験 白トリュフ菌Tuber.によるアルコール酸性酵母不活性化試験 白トリュフ菌Tuber.大量培養法確立 実施写真 汎用根粒菌Rhizobium sp.大量培養基礎試験 本発明土壌改良材による白菜栽培試験 本発明土壌改良材による菌根イソギクの生育試験 白トリュフ菌Tuber.単菌とTuber 菌 汎用根粒菌Rhizobium sp.共存混合培養におけるバイオフィルム生産試験 無肥料12年、巨大に生育したランとその株元に植えた大豆の写真 これらの土壌から採取した単独空中窒素固定能力を備えた子嚢菌Pezizales sp.及び根粒菌Rhizobium sp.の培養試験、及び子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験1 窒素含有培地におけるRhizobium sp.菌の生育試験 糖添加培養の急速繁殖試験 Pezizales sp.菌による酵母菌を休眠不活性化試験 子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験2 子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験3 子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験4 子嚢菌Pezizales sp.菌、根粒菌Rhizobium sp.菌、放線菌が共存して繁殖している状態を示す写真 子嚢菌Pezizales sp.を担持させたペレットの土壌改良剤としての機能を示す写真 産廃生分解プラスチックPLAを粉砕した粒体の写真 産廃生分解プラスチックPLAを粉砕した粉体の写真 土壌改良材の形態1 土壌改良材の形態2 Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧手段 産廃有機物ペレットでのバラ鉢植え栽培試験 産廃有機物ペレットでの蘭、シンビジューム鉢植え栽培試験 産廃有機物ペレットでのブルーベリー栽培試験 子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生圃場における糖施与による放線菌の生育試験 Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌を担持させた産廃有機物ペレットにおける二者菌の生育、繁殖試験 Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌による分解プラスチックPLA不織布の分解試験
試験1A<空中窒素固定能力を備えた子嚢菌木材腐朽菌白トリュフTuber ssp.の探索>
本発明者は、ラン科植物と共生する子嚢菌白色木材腐朽菌の中に単独空中窒素固定.を行なう菌が存在することを発見(特願2019-164530号)した。近縁菌である白トリュフ菌Tuber.にも同じように単独でも空中窒素固定能力があると予想して、ほとんど窒素を含まない下記の培地で白トリュフ菌Tuber.を培養した結果、図4に示されるようにコロニーを形成し、単独で空中窒素固定を固定することが判明した。

試用した培養基 培養基1
水 1000cc
リン酸第一カリウム 1g 和光純薬 1級
マンニトール 30g 和光純薬 1級
寒天 15g 和光純薬 1級
PH 6,0
試験2A<白トリュフ菌Tuber.の土壌生育試験>
圃場土壌に白トリュフ菌及び汎用根粒菌の懸濁液溶液を1m当たり1m500cc散布し、その後、糖溶液(水1000cc 白砂糖10g)を散布したところ、25日後に、図12(1)の写真のように、土壌に白トリュフ菌Tuberが生育繁殖した。
白トリュフ菌Tuber.は、カシなどの固葉広葉樹などの樹木と共生する「菌根菌」であり、相利共生する樹木の根が無い状態では生息、生育できない菌とされてきたが、本試験の結果、窒素源、ミネラル源、温度、水分、酸素が存在する土壌では良好な生育をすることを示唆するものである。
また、有機廃棄物由来のペレットに上記懸濁液を散布し、土壌表面に施与したところ、30日後に、図12(2)の写真のようにペレット表面に白トリュフ菌Tuber.は大繁殖した。
この特性は、本発明が圃場で生分解プラスチック、有機物産業廃棄物処理を行なえることを示唆している。
試験3A<白トリュフ菌Tuber.による有機物分解試験>
図13(1)の写真は、雑草を刈り取り、保存ビンに入れ白トリュフTuber ssp.菌懸濁液を散布して、25℃で培養した。写真は処理後5日目の分解状態である。
図13(2)の写真は、有機物産業廃棄物の段ボール、古紙をペレット化したものを300ccフラスコに入れ、白トリュフ菌Tuber.懸濁液を噴霧した後、25℃で培養した。写真は処理後20日の状態である。
白トリュフ菌Tuber.は子嚢菌白色木材腐朽菌であり、有機物産業廃棄物のリグニンを分解できる地球上で唯一の菌であるが、本試験で白トリュフ菌Tuber.にリグニン分解能力があることを示唆した。
試験4A<白トリュフ菌Tuber .菌と汎用根粒菌の共生試験>
図14(1)は、下記の培地に、白トリュフ菌Tuber.と汎用根粒菌Rhizobium sp.(市販品)を接種し、10日後の状態を示す。2つの菌が共生して培養基上に良好な生育をしていることがわかる。菌社会にはグループ、派閥があり、それ以外の菌とは共生しない。本発明は、白トリュフ菌Tuber.,と根粒菌Rhizobium sp.による相利共生を利用し、生分解プラスチックPLA廃棄物を生分解する放線菌のエサである白トリュフ菌Tuber.の菌糸を圃場全体に繁殖させることで達成する。

[培地組成]
水 1000cc
ハイポネックス 3g
糖 30g
寒天 15g
最低温度 5℃
最高 15℃
静置、明所培養。

図14(2)は、下記の液体培地に白トリュフ菌Tuber.と汎用根粒菌を接種したところ、15日後に、2者菌が同じ培養基で良好に生育し分厚いバイオフィルム(下方の白色が白トリュフ菌)を形成した。このバイオフィルムを、ミキサーなどで破砕し、水を加えることで多量の菌糸細片、根粒菌を含む懸濁液が生産できる。
全世界の農業圃場に本発明を実施するには、大量の菌が必要であるが、懸濁液とすることにより、小型飛行機やドローンなどを利用して、広範囲の圃場に簡単に散布することができる。

[培地組成]
水 1000cc
ハイポネックス 3g
糖 30g
試験5A<強酸性条件下での白トリュフ菌Tuber.菌生育試験>
図15(1)は、白トリュフ菌Tuber.の基本培地で培養した白トリュフ菌Tuber.のコロニー(菌叢)を示す。

[白トリュフ菌Tuber培地組成及び培養条件]
水 1000cc
ハイポネックス 3g
糖 30g
寒天 15g
最低温度 5℃
最高 15℃
静置、明所培養。

図15(2)は、白トリュフ菌Tuber.基本培地で形成したコロニー形成培養基に、PH3.5のピルビン酸溶液を5cc添加し、フラスコ内を強酸性条件にして培養した。写真は培養7日後の白トリュフ菌Tuber.の生育繁殖状態を示す。
世界の圃場には、酸性土壌のエリアが非常に大きな面積を占めている(図3)が、白トリュフ菌Tuber.は、このような圃場でも良好に生育、繁殖し、放線菌のエサである菌糸体キチンを常時生産できることを示唆している。
試験6A<強塩基性アルカリ条件下における白トリュフ菌Tuber.生育試験>
図16(1)は、白トリュフ菌Tuber.の基本培地に生育繁殖したコロニーを示す。
図16(2)は、写真(1)の状態のフラスコ内に「生石灰粒」を添加投入した状態(培養温度25℃)。これでフラスコ内は生石灰で強アルカリPH11になった。
図16(3)は、生石灰粒投入7日後の状態。白トリュフ菌Tuber.の菌糸は、驚くことに生石灰の粒子上でも生育した(培養温度25℃)。
白トリュフの原産は、石灰岩土壌のヨーロッパ、中国であることから、強いアルカリを示す土壌でも生育可能であることは予想されたことであるが、それを確認することができた。
試験7A<白トリュフ菌Tuber.の低温、雪中条件下の生育試験>
図17(1)は、殺菌した白トリュフ菌Tuber.基本培地に白トリュフ菌を接種し、培養フラスコを雪の中に埋めた状態。雪の中の温度は0℃から5℃であった。
図17(2)は、処理7日後の状態、右上の写真は拡大写真。写真のように巨大なコロニーを形成した。本試験によれば、世界の寒帯、温帯の冬期間においても、白トリュフ菌が繁殖することを示唆している。
試験8A<白トリュフ菌Tuber.の高温条件下による生育繁殖試験> (38)
図18(1)は、白トリュフ基本培地に白トリュフ菌Tuber.を接種し、この培養フラスコを温室内の棚に静置した状態を示す。この上に透明ビニールを被せ、フラスコ温度を日中、最高温度50℃、朝、最低25℃にした。
図18(2)は、上記フラスコの10日後の白トリュフ菌Tuber.の生育状態。全く高温の影響がなく至適温度である22℃の時と同じ生育、繁殖速度であった。
本試験により世界の熱帯、温帯の夏期でも高温の影響を受けないで白トリュフ菌Tuber.が生育できることが実証された。
試験9A<白トリュフ菌Tuber.によるアルコール醗酵酵母菌不活性化試験>
白トリュフ基本培地の殺菌培養基上に無菌的に白トリュフ菌Tuber.を接種し、その側に並行してアルコール醗酵酵母菌(酒粕由来酵母)を接種した。
培養温度25℃。静置、明所培養。写真(図19)は処理培養10日後の状態を示し、白トリュフ菌Tuber.の強い抗菌能力でアルコール醗酵酵母菌は、至適温度での培養であるが、生育は抑制され、コロニーを形成したがその後の生育は停止した。

本試験により、白トリュフ菌Tuber.が、糖をアルコール醗酵させる酵母菌を不活性化する能力を備えていることが実証されたことで、圃場に白トリュフ菌、根粒菌を定着、定住するための炭素源として「糖投与」が可能であることが証明された。
何故ならば、アルコール産生酵母をそのまま活性した状態の土壌に糖を投与すれば、糖をアルコールに転化して、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌を痛め、更に作物の根に大きなダメージを与えるからである。
試験10A<白トリュフ菌Tuber.の微生物抗菌試験>
白トリュフ菌Tuber.本培地作成後無殺菌解放状態で室内に放置。培養温度最低15℃、最高25℃の条件で、空中浮遊微生物繁殖試験を行った。
図11(1)は、白トリュフ菌糸体をすり鉢で細かに砕いたもの10ccを水100ccに添加し懸濁液を作成(無殺菌溶液)し、これを無殺菌の上記培養基に添加した。写真は7日後の状態を示し、空中浮遊微生物の胞子が培養基上に常時落下しているはずであるが、全然微生物のコロニーが形成されていない。白トリュフ菌が、空中浮遊微生物の落下胞子を不活性化し、発芽できないようにしているものと推測できる。
図11(2)は、上記無殺菌の培養基に予め「クロカビ菌」を接種しコロニーを形成させた後、上記白トリュフ菌懸濁液を添加し培養して7日目の状態。
白トリュフ菌がクロカビのコロニーを食べているように、コロニーの上に菌糸を伸ばし、菌の下剋上を行なっている。
図11(3)は、(2)と同じように「アオカビ」を接種しコロニーを形成させた後、上記白トリュフ菌懸濁液を添加し培養して7日目の状態。
抗生物質ペニシリンを産生、阻止円を構築して他の菌のエリア侵入を防止するアオカビであるが、白トリュフ菌は、このアオカビの阻止機構を無にして、アオカビを溶解してエサにして、アオカビ菌叢上に白トリュフ菌叢を形成している。
試験11A<白トリュフ菌Tuber .菌の大量培養実用化>
白トリュフの培養は、キノコ培養の中で「マツタケ」と並んで 最も困難で、子実体、菌糸体の大量培養に世界での成功例はない。
図20(1)は、白トリュフ基本培地上に取り出した白トリュフ子実体溶解菌糸体。
図20(2)は、(1)の溶解菌糸体から伸びた菌糸を培養した分離コロニー(菌叢)
図20(3)は、(2)の分離コロニーから菌糸体を採取して大量培養した状態。
試験12A<汎用根粒菌Rhizobium sp.の大量培養実用化>
図21(1)は、汎用根粒菌を市販の根粒菌資材(えんどう根粒菌)から、以下の培地を用いて分離培養した状態。また、下記の培地から寒天を除いたものを用いれば、汎用根粒菌のバイオフィルムが形成されるので、これを粉砕して懸濁液を製造することができる。

培養条件
根粒菌基本培地 培養基組成
ハイポネックス(ハイポネックス(株)社) 3g
グルコース 30g
寒天 15g
水 1000cc
培養温度
最低5℃ 最高40℃ 静置培養。
明所、温室内静置培養。

図21(2) 上記根粒菌基本培地で大量培養している写真

根粒菌Rhizobium sp.に地域特異性があるので、本発明で使用する根粒菌は、世界の国々に生息してものを使用することが理想である。上記の根粒菌基本培地を使用することで、世界中どこでも簡単にほとんどの根粒菌Rhizobium sp.を大量培養できる。
試験13A<本発明土壌改良材による白菜栽培試験>
本発明は、生分解プラスチックPLA、有機物産業廃棄物を全世界の圃場で白トリュフ菌Tuber.とPezizales sp.菌、根粒菌、放線菌で分解し、圃場を「生分解処理場化」と同時に、それらの廃棄物から上記の菌群を使用して「土壌改良材」を製造し、これを圃場に施与することで「減肥料及び減農薬及び無農薬栽培」を行ない、安全安心な食糧生産を行なうことである。そこで、白菜で本発明の土壌材を使用して白菜栽培試験を行った

図22(1)は、鉢 ポリ鉢 8号。無農薬栽培。培養土 赤玉中粒。有機物産業廃棄物ペレットに白トリュフ菌、根粒菌混合懸濁液散布した土壌改良材を約20%混合。肥料 ロング 80日型。1鉢に10g。
図22(2)は、生育中の写真(24日後)

赤玉土に有機物産業廃棄物から製造したペレットを混合で、白トリュフ菌根菌が白菜の根を菌根にすることで空中窒素固定.の窒素を利用して減肥料栽培に成功した。一般的な栽培では、1鉢30g必要であるが、10gで良好な生育を行った。
排水性、保水性、通気性。PHが理想的な状態になり良好な生育をした。
試験14A<本発明の土壌改良材使用による菌根イソギク育苗及び公園緑化>
作物には多年草作物がある。同じ場所で永年生き続けなければならない作物である。こういう作物栽培では、永年にわたって劣化しない土壌・・通気性、排水性、保水性、PH、浄化性、微生物活性が求められる。本試験では、多くの多年草作物の中から、環境緑化に栽植されている「菌根イソギク」を供試植物にして育苗と緑化試験を行った。

図23(1)は、土壌解消資材を赤玉土中粒に約20%混合して菌根イソギク育苗を行なった公園。
図23(2)は、白トリュフ菌と根粒菌の懸濁液をPLA廃棄物破砕粒子に担持したものを緑化するエリアの土壌に1m当たり約5L施与し、その後土壌と混和し、上記育苗の菌根イソギク苗を栽植した公園。劣悪な土壌であったが、排水性、保水性、通気性が改良され、PH6.0の土壌となり、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培の緑化に成功した公園。
PLA粒子は難分解性で、数年で放線菌で分解する。この期間、この土壌は良好な「排水性」「保水性」「通気性」「PH」が維持され、白トリュフ菌Tuber、根粒菌Rhizobium sp.,放線菌の菌社会が構築され、定期的に炭素源である「糖」投与によって菌群は永年にわたって圃場に定着、定住し、菌根イソギクの永年公園緑化は達成される。
<定期的な「糖」施与について>
糖は、白トリュフ菌、根粒菌の「エサ」である。このため約1から2ヶ月ごとに白砂糖、糖蜜などを水100ccに5g添加し、この溶液を1m当たり300cc土壌に散布する。この糖投与で、白トリュフ菌の菌糸は、圃場に無限大に伸びる。この菌糸基地を放線菌がエサにすることで、徐々にPLA粒子を分解する。数年で分解が終了することが理想である。この間に、新たに本資材を追加施与(1m当たり500cc程度)することで、圃場を永続的に生分解PLA,有機物産業廃棄物処理工場化することが可能になるばかりか、同時にこの圃場を減肥料及び減農薬及び無農薬栽培可能にすることができる。
試験15A<白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌 Rhizobium sp.菌混合液の製造試験>
本発明は、生分解プラスチックPLA、有機物廃棄物を粉体、粒状、ペレット状に加工したものに、白トリュフ菌Tuber.,Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌を担持させた土壌改良材使用して、放線菌のエサである菌糸体キチンを圃場で生産し、上記廃物を分解処理する分解法である。更に二つ目の目的は、上記菌を土壌に散布生育させることで、空中窒素固定を行い、更に白トリュフ菌Tuber、Pezizales sp.菌の強い抗菌力で、全世界の圃場で減肥料及び減農薬及び無農薬栽培を実施することである。
このためには、圃場投与、PLA、有機物廃物の担持するための3者菌混合溶液が必要である。
その3者混合溶液の製造試験を行った結果、本3者菌は、溶液の中で長期間共存生存することが確認することが出来た。本発明で、本溶液を長期間保存常温で保存可能であり、飛行機、ドローンによる空中散布を可能にしたことで、大面積圃場、遠距離圃場に適合するものとなった。この溶液の開発で本発明は全世界で実施可能になる。
図7(1)は、白トリュフ菌Tuber、Rhizobium sp.菌、Pezizales sp.菌の基準培養基で培養し生育した3者菌の菌叢。
図7(2)は、三者菌を殺菌水に添加し製造した3者菌混合溶液
図7(3)は、(2)のペットボトルを常温、暗黒状態で100日室内保存した溶液5ccを、培養基準培地に添加培養して発生した3者菌混合コロニーから分離培養した状態。
このコロニー形成で、三者菌全てが100日の液体中で生存したことが証明された。
3者菌が同一溶液、培地で生存、生育することが確認されたことで、本発明を確実に全世界の圃場で実施する目的を達成することができる。
試験16A<白トリュフ菌Tuber.の単独空中窒素固定試験>
本試験は、子嚢菌木材腐朽菌が単独で空中窒素固定することは、本発明者のPezizales sp.菌(特願2019-164530号)として知られているが、この菌と近縁のTuber ssp.菌でも同じように単独で空中窒素固定の能力検定するための試験である。
窒素を含まない培地に白トリュフ菌Tuber.を植菌して培養し、コロニーの形成の有無によって空中窒素固定する能力を判定した。
窒素の含まない培地で生育繁殖する場合は、空中窒素固定能力を具備していることになる。空中窒素固定菌の探索は、現在世界中でこの検索方法で行われている。
しかし、一つの菌で、全世界で実施するには、現実的に大きなリスクがある上に、圃場土壌には酸性土壌、アルカリ性土壌があり、その土壌に最適な菌が必要である。Pezizales sp.は酸性土壌性菌であることから、アルカリ性土壌に生息する白トリュフ菌Tuberを、以下の培地に接種し、最低温度10℃,最高25℃の室内で10日間、静置培養し、空中窒素固定.検定試験を実施した。
結果は、図4(1)のように、白トリュフ菌Tuber.の窒素の含まない培地で生育しコロニーを形成した。

試験培地 窒素を含まない培地
リン酸第一カリュウム 1g 和光純薬1級
グルコース 30g 和光純薬1級
水(精製水) 1000cc
PH 6,5
オートクレイブ 殺菌

この試験は、子嚢菌白色木材腐朽菌、菌根菌が、自然界では単独で空中窒素固定を行い窒素源としていることを示唆している。
このように、白トリュフ菌Tuberは自力で空中窒素固定.を行なえる菌であり、しかもリグニン、セルロースを分解して炭素源、エネルギー源を生産し、共利共生する根粒菌や元々土壌に棲息している放線菌に供給している強力な菌である。
試験17A<白トリュフ菌Tuber.単菌と、白トリュフ菌Tuber.、根粒菌Rhizobium sp.菌の液体培養におけるバイオフィルム生産比較試験>

図24(1)は、白トリュフ菌Tuber培養基本培地の液体培地における白トリュフ菌Tuber単菌の場合(右)のバイオフィルムとRhizobium sp.と共存培養した場合(左)のバイオフィルム形状、生産画像。
図24(2)は、白トリュフ菌Tuber.と根粒菌Rhizobium sp.の共存培養で形成したバイオフィルム。(拡大写真)
図24(3)は、白トリュフ菌Tuber.単菌液体培養で形成したバイオフィルム画像(拡大写真)。

写真が示すように明らかに、白トリュフ菌Tuber.単独の場合と、根粒菌Rhizobium sp.を共利共生した場合、形成する菌叢生育、形成に大きな違いが認められた。菌叢が厚く巨大であれば、当然放線菌のエサである菌糸体キチンが多く生産されるために、放線菌の圃場生息数は増加する。したがってPLA、有機物廃棄物の圃場処理能力はアップすると同時に、菌糸体には多量のアミノ酸が含有するから菌叢、放線菌の死骸によって土壌は肥沃化し、本発明の第二目的である減肥料栽培が可能な圃場になる。
試験1B<空中窒素固定能力を備えた子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.の発見>
図25(1)は、ラン栽培ハウス内に地植えを行い12年間にわたりヒマラヤの自生地の生態系を再現した、ラン科植物Cymbidium地植え栽培場であり、その土壌、菌根から採取した複数の菌を培養し複数のコロニーを得た。
次いで、窒素源を削除した下記の培養基を作成し、オートクレーブ殺菌し、冷却後上記のコロニーから採取した菌を割いて最低温度5℃、最高温度15℃の室内で静置培養した。
上記複数の菌のうち、唯一種、図26(1)のように、この窒素源を削減した培地上で繁殖コロニー形成した菌があり、それが、本発明の子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.である。その他の菌は、窒素源を削除した培養基では、コロニーを形成しなかった。

培養基1
水 1000cc
リン酸第一カリウム 1g
糖 30g
寒天 15g
PH 6.0
本菌を、窒素源を含む下記の培養基で、継代培養を数回行い多量の懸濁液を得た。この懸濁液を用い、後述する本発明の目的である産廃生分解プラスチック、有機物分解に必要となる多様な試験を行った。

培養基2
水 1000cc
硝酸カリウム 1g
リン酸第一カルシウム 1g
糖 30g
寒天 15g
PH 6.5
試験2B<単独空中窒素固定能力を備えた根粒菌Rhizobium sp.の発見>
さらに、上記無肥料12年、巨大に生育したランの株元に大豆を植え(図25(2))、これを囮にして多様なグループ菌を採取し、下記の培養基で培養し、その中から単独で空中窒素固定する2種類の根粒菌Rhizobium sp.菌を発見した(図26(2)、(3))。

培養基3
リン酸第一カリウム KH2PO4(和光純薬 試薬1級) 1g
マンニトール(和光純薬 試薬1級) 30g
寒天(和光純薬 試薬1級) 15g
精製水 1000cc
PH 6.5
300cc 3角フラスコ
通気ゴム栓
独空中窒素固定能力を備えた根粒菌Rhizobium sp.には、図26(2)に示す0℃~15℃の温度で育成が活発な冬型菌と、図26(3)に示す15℃~30℃で育成が盛んな夏型菌が見つかった。
試験3B<子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験1>
下記の培養基4を用いて、子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌単独と根粒菌Rhizobium sp.単独の培養実験に加え、これらの共生実験を行った。図26(4)は、子嚢菌Pezizales sp.単独、図26(5)は、根粒菌Rhizobium sp.単独の場合の菌叢である。同じ条件で、子嚢菌Pezizales sp.木材腐朽菌と根粒菌Rhizobium sp.を相利共生させると、図26(6)~(8)のように、添加順序を変えても、いずれも巨大菌叢を形成した。この菌叢の形成は、数10回の再現試験でも同じように確認できた。

培養基4
硝酸カリ(和光純薬 試薬1級) 1g
リン酸第二カルシウム(和光純薬 試薬1級) 1g
マンニトール(和光純薬 試薬1級) 30g
寒天(和光純薬 試薬1級) 15g
精製水 1000cc
PH 6.5
300cc 3角フラスコ
通気ゴム栓
培養温度 15~20℃
試験4B<窒素含有培地におけるRhizobium sp.菌の生育試験>
図27は、上述したRhizobium sp.の夏型菌(1)と冬型菌(2)を下記の培養基に摂取し10日後の状態である。このように、Rhizobium sp.の夏型菌と冬型菌のいずれも窒素含有培地において大きなコロニーを形成した。
空中窒素固定する根粒菌は、窒素含有量の多い圃場では生育しないといわれていたが、この実験により、本発明の根粒菌Rhizobium sp.は、どのような圃場でも十分生育することがわかった。

培養基5
硝酸カリ 1g
砂糖 30g
寒天 15g
水 1000cc
オートクレーブ殺菌
pH 6.5
培養温度 最低15℃,最高30℃
室内、静置培養
試験5B<糖添加培養の急速繁殖試験>
本発明の子嚢菌Pezizales sp.を、糖を添加した下記の培養基で培養したところ、非常に速い速度で繁殖し、図28(1)のように、6日後には液体培養液の表面の厚い子嚢菌Pezizales sp.のバイオフィルムが形成された。この速度は0℃~15℃でもほとんど変わらなかった。このことは、地球上のほとんどの地域で、本発明の子嚢菌Pezizales sp.が、他の微生物より早い速度で繁殖し、場所取り競争での覇者菌となる可能性を示唆している。
また、菌根菌は、植物と共生して生きる菌なので、これまで、液体培養には向いていないと考えられてきた。しかし、本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、液体培養が可能で、やがて図28(2)の様に巨大なバイオフィルムを形成する。このバイオフィルムを攪拌することで高濃度の懸濁液とすることができるので、後述する噴霧機を利用し広範囲の圃場への散布が容易となる。

培養基6
水 1000cc
硝酸カリ 1g
リン酸一カリウム 1g
PH 6.5
オートクレーブ 冷却後 子嚢菌Pezizales sp.菌接種
培養温度 最低温度15℃ 最高温度 30℃
室内静置培養。
試験6B<Pezizales sp.菌による酵母菌を休眠不活性化試験>
図29(1)は、水に菜種油粕を入れ、子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.の懸濁液を注入し、3~5日後、木材腐朽菌Pezizales sp.が、酵母菌や発酵腐敗菌を休眠不活性化して、木材腐朽菌Pezizales sp.のみ生育し、水面に木材腐朽菌のバイオフィルムを形成した状態を示す。この間、腐敗臭はなかった。
図29(2)は、菜種油粕に水分を与えて湿度(水分含有量)90wt%し、これに子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.と酵母菌を接種して培養し、5日後、全体にPezizales sp.のみ生育し、菌糸が繁殖した状態を示す。菜種油粕の層がこれ以上となると、株は嫌気状態となり菌糸は伸びない。
試験7B<子嚢菌白色木材腐朽菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験2>
図30は、産廃生分解プラスチックPLA(1)や産廃有機物(2)の粒子、ペレットに子嚢菌白色木材腐朽菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の懸濁液を担持させ、これを土壌に裁置し、10日後、これらの菌の共利共生によって巨大菌叢が形成された状態を示す。この巨大菌叢の主成分はキチンであり、生分解プラスチックを分解する土壌中の放線菌のエサとなる。また、この菌叢には多量の蛋白質も含有するので、この菌叢が死んだ後には、キチン、タンパク質に含有する多量の窒素が圃場に残り、減化学肥料農業が可能となるので、上記産廃生分解プラスチックPLA(1)や産廃有機物(2)の粒子、ペレットは土壌改良材としても機能することになる。
試験8B<子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生試験3>
図31(1)(2)はシャーレ内の培地(培養基2)の根粒菌Rhizobium sp.のコロニー(大きな円)の上で共生する子嚢菌Pezizales sp.のコロニー(中心の小さな円)を示す写真であり、これらの菌は、阻止円を作らないグループ菌であることがわかる。図31(3)は、培地の異なる位置に根粒菌Rhizobium sp.(左側)と子嚢菌Pezizales sp.(右側)のコロニーを形成させたもので、これらの菌の生育スピードはほぼ同じであった。図31(4)は、子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.が相利共生して形成した巨大な菌叢を示す。図31(5)は、培養基に添加した窒素と二つの菌が空中窒素固定した窒素を利用して立体的に形成された巨大な菌叢を示す。図31(6)は、子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.が相利共生して土壌中で形成した菌叢を示す。子嚢菌Pezizales sp.は、腐生菌根菌であり、エサがあれば土壌の中に菌糸をどこまでも伸ばせる能力を具備しているので、この特性を利用することで、糖1.5gで培養液50ccから菌体5g生産可能である。
試験9B<Pezizales sp.菌とRhizobium sp.菌の低温条件下での共生試験>
同時にPezizales sp.菌とRhizobium sp.を下記の培養基に接種し、10日間氷温に近い低温条件下で培養した。図32のようにこの低温条件下でも二つの菌は生育しコロニーを形成した。この試験によって、本発明は、寒帯の圃場でも実施可能であることが示された。

培養基7
リン酸第一カリウム 1g
硝酸カリウム 1g
砂糖 30g
寒天 15g
水 1000cc
オートクレイブ
300cc 三角フラスコ 通気栓。
培養温度 最低0℃ 最高5℃
試験10B<生分解プラスチックに構築された3者菌による菌社会>
図33は、生分解プラスチックにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌及び放線菌が共存して繁殖している状態を示す。Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌及び放線菌の3者菌を圃場内に人為的に構築すれば、生分解プラスチックは放線菌により継続的に分解される。
試験11B<子嚢菌Pezizales sp.を担持させたペレットの土壌改良剤としての機能>
産廃有機物や生分解プラスチックの粒子、ペレットに担持させる子嚢菌Pezizales sp.は、腐生型「菌根菌」である。この粒子、ペレットを土壌に施与し作物を栽培すると、作物の根は、「根毛」を持たない「菌根」になる。図34(1)は、Pezizales sp.と共生し根毛の無いランの菌根の写真であり、図34(2)は、Pezizales sp.と共生し根毛の無いトマトの根の写真である。これに対し、普通の土壌に植えたトマトの根は、図34(3)のように根毛を有する。
試験12B<産廃生分解プラスチックPLAを粉砕した粒体の調製>
図35は、本発明の粒体土壌改良材であり、産廃生分解プラスチックを水洗いした後、1から3cmの大きさに破砕し粒状に加工し、これにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧加工することにより調製される。粒の大きさを1から3cmの大きさにすることで、後述する粉状のものに比べ、放線菌による分解速速を少し遅らせることができる。この期間土壌の排水性、保水性、通気性を改善することができる。また、劣悪な土壌の場合は、この粒状のものを使用することで、放線菌の定着が安定し、生分解プラスチックPLA分解の目的と、減肥料及び減農薬及び無農薬栽培を同時に達成できる。
試験13B<産廃生分解プラスチックPLAを粉砕した粉体の調製>
図36は、本発明の粉体土壌改良材であり、産廃生分解プラスチックを水洗いした後、粉体に加工し、これにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧加工することにより調製される。粉体の大きさを30から100μにすることで、上記粒体のものと比べ、放線菌による分解を速くすることができる。早く分解したい場合は、このように微細な粒子にすればよい。
試験14B<土壌改良材の形態1>
図37は、生分解プラスチックや産廃有機物から調製される土壌改良材の形態を示すものである。(1)は、産廃PLAのフィラメントを粉砕して得られた粒子で、これにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧して土壌改良材とする。早く分解する必要があれば、この粒径を小さくすればよい。(2)は、段ボール、衣料のコットン、建築端材をミックスした産廃有機物のペレットであり、(3)のように生分解プラスチックと産廃有機物のペレットを混合して使用することもできる。生分解プラスチックと産廃有機物のペレットを混合した場合、産廃有機物ペレットは早く分解、PLA粒子は遅い分解で、遅速のバランスが非常に良い状態で土壌を改良する資材になる。
試験15B<土壌改良材の形態2>
図38は、他の土壌改良材の形態を示す。(1)は、上記産廃有機物のペレットで、これにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧して土壌改良材とする。(2)は、この土壌改良材を土壌に混入した状態を示し、(3)は、このペレットで植物(ラン科)を栽培したときの根の状態を示す。Pezizales sp.菌のリグニン、セルロース分解力で、ペレットにはインキ、染料、各種添加剤などの化学物質が含まれていたが、約2年で土壌に還った。
[Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧手段]
生分解プラスチックや産廃有機物のペレット、粒体にPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の培養懸濁液を噴霧するには、図39(1)に示されるような煙霧噴霧器を利用するのが望ましい。図39(2)のように、煙霧噴霧機では、液体を約40μの微細粒子にして噴霧するが、Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌は、30μ以下なので、これらの菌の懸濁液をそのまま噴霧することができる。具体的には、生分解プラスチックや産廃有機物のペレット、粒体の製造ラインの一部分に、煙霧機を設置して、Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の混合懸濁液を適宜散布すればよい。
試験16B<子嚢菌Pezizales sp.のアオカビ抗菌耐性力試験>
図10は、培養基にアオカビを繁殖させ、形成されたアオカビのコロニーの上に子嚢菌Pezizales sp.を接種したものを撮影した写真である。写真(2)は(1)の拡大写真であり、子嚢菌Pezizales sp.の菌糸が伸びて、アオカビエリアを侵食している状態を示している。本発明の子嚢菌Pezizales sp.は、その強い繁殖力でアオカビのような病害菌を休眠不活性化することができる。
試験17B<産廃有機物ペレットでのバラ鉢植え栽培試験>
図40は、産廃有機物のペレットにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の懸濁液を噴霧して担持させたものを培地として、バラを鉢植え栽培したところ、農薬を使用することなく開花したバラを撮影した写真である。ペレット状に加工された産廃有機物に、Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌を担持させたものは植物にとって最高の培養土となる。
試験18B<産廃有機物ペレットでの蘭、シンビジューム鉢植え栽培試験>
図41は、上記と同じ産廃有機物のペレットにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の懸濁液を噴霧して担持させたものを培地として、蘭、シンビジュームを鉢植え栽培したところ、農薬を使用することなく生育した蘭、シンビジュームを撮影した写真である。
試験19B<産廃有機物ペレットでのブルーベリー鉢植え栽培試験>
図42は、上記と同じ産廃有機物のペレットにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌の懸濁液を噴霧して担持させたものを培地として、ブルーベリーを鉢植え栽培したところ、農薬を使用することなく生育したブルーベリーを撮影した写真である。
ブルーベリーは、普通の畑では良く生育しないツツジ科の菌根植物であるが、産廃有機物から製造したペレットにPezizales sp.を担持させたもので栽培すると、Pezizales sp.菌は、自然の林床に生息する木材腐朽菌 菌根菌であることから、菌根植物であるブルーベリーも素晴らしい生育になる。また、ブルーベリーは冷涼な気候を好む植物であり、普通の土壌では猛暑の日には著しく光合成が減少し、夏負けが起こる。しかし、本発明のペレットを使用すれば、光合成減少を、産廃有機物中のリグニン、セルロースがPezizales sp.菌によって分解され「ブドウ糖」が産生され、このブドウ糖がPezizales sp.の菌糸によって根に供給されることで、補完するので、写真のように8月の猛暑の中でも中新梢が元気に生長し素晴らしい生育をする。
以上の試験例の結果によれば、他の多くの作物も、排水性、保水性、通気性が改善され、高温障害が少なくなり、耐寒性、耐乾性、耐病性が増し、作物の生育は良好になる。さらに、Pezizales sp.の抗菌力で病害の発生を抑えることで、無農薬、減農薬栽培が可能になる。
試験20B<子嚢菌Pezizales sp.と根粒菌Rhizobium sp.の相利共生圃場における糖施与による放線菌の生育試験>
図43は、枯れ草にPezizales sp.菌と根粒菌Rhizobium sp.の懸濁液及び糖(砂糖水)を散布し、その1か月後の状態を撮影した写真である。Pezizales sp.菌によって酵母菌が不活性化されるので、投与した糖(砂糖水)は、アルコールに代わることなく、そのまま炭素源としてPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌、放線菌に利用され、土壌の表面に3者菌の共存、共生した菌叢(白色部)が形成されている。
試験21B<Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌担持産廃有機物ペレットにおける菌の生育、繁殖試験>
図44(1)は、前記産廃有機ペレットにPezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌担持させ、菌が生育した状態の写真であり、Pezizales sp.菌とRhizobium sp.菌が共生して繁殖し、ペレットのリグニン、セルロースを分解している状況を示している。図44(2)は、約2年後の写真であり、有機物はほぼ完全に分解されて土壌に還った状況を示す。
試験22B<Pezizales sp.菌、Rhizobium sp.菌による生分解プラスチックPLA不織布の分解試験>
図45は、生分解プラスチックPLA不織布(1)を土壌に埋め込み、そのエリアにPezizales sp.菌とRhizobium sp.菌の懸濁液を散布し、1年後に前記不織布を掘り出したところ、(2)のように分解が進んでいた。これは、Pezizales sp.菌とRhizobium sp.菌の共利共生により繁殖し、Pezizales sp.菌の菌糸により生成したキチンにより、そのエリア内の土壌中に存在した休眠状態の放線菌が活性化、繁殖してPLA不織布が分解したものと考えられる。
試験23B<Tuber ssp.菌、Rhizobium sp.菌、Pezizales sp.菌の共存で土壌に形成する巨大菌叢>
図5(1)は、試験14で製造した有機廃棄物ペレット上に、試験15Aで製造した三種菌の混合液を、点々と散布して形成された菌叢を示す。
図5(2)は、試験14で製造した有機廃棄物ペレットを収納した鉢表面に、試験15Aで製造した三種菌の混合液を、散布して繁殖させた菌叢を示す。
図5(3)は、土壌が乾燥した場合、形成された菌叢は生育を停止し、雨により水分が補給されるのを待っている状態。
試験24B<Pezizales sp.菌と農業汎用根粒菌の相利共生試験>
根粒菌は、特定の宿主との相利共生する特性を有することで有名な共生菌である。本実験では、このような汎用根粒菌が、本発明で使用するPezizales sp.菌とも相利共生することを実証する。

下記の組成から成る培地300ccフラスコに分注し、オートクレーブ殺菌をした。この培養基に農業用汎用根粒菌(北海道十勝農業協同組合製の汎用根粒菌を接種した。
図6(1)は、接種した根粒菌が繁殖して形成された7日目コロニーの7日目の状態を示す。
図6(2)は、写真(1)の根粒菌コロニー上にPezizales sp.菌を接種して継続培養し、さらに10日経過後の状態を示す。この写真のように、汎用根粒菌とPezizales sp.菌は拒絶することなく共存し、根粒菌のコロニー上にPezizales sp.菌の分厚い菌叢(白色部分)を形成した。
図6(3)は、写真(1)に示されるPezizales sp.菌と農業汎用根粒菌が相利共生したフラスコに水を100cc注入して懸濁液を作り、これを圃場の土壌に注入し、感想を防ぐため段ボールで地表を覆った状態で10日後の状態を示す。Pezizales sp.菌が気中菌糸を盛んに伸ばし土壌に定着しようとしている。
図6(4)は、素焼きの鉢に、赤玉(中粒)を充填して十分潅水させた状態で、前記Pezizales sp.菌と農業汎用根粒菌の懸濁液を、鉢底から流れるほど十分注入した後、段ボールで被覆し乾燥を防いで、Pezizales sp.菌と農業汎用根粒菌を繁殖させ、15日後の状態を示す。
Pezizales sp.菌と農業汎用根粒は、相利共生して巨大は菌叢を形成していた。
懸濁液は、僅かに窒素分を含有しているが、この土でも巨大な菌叢を形成したことは、圃場土壌に僅かに窒素が存在すれば、上記2者菌は、相利共生して生存し続け巨大な菌叢を形成できることを示唆するものである。
巨大な菌叢が形成されれば、この菌叢のキチンが放線菌のエサとなり、圃場に放線菌が定着永住し、本発明のPLAや有機廃棄物、あるいそのペレットを継続的に分解処理することができる。
1 今年舞い落ちた枯れ落ち葉(木材腐朽菌が優占支配するエリア)
2 子嚢菌白色木材腐朽菌
3 前年の枯れ落ち葉の堆積層
4 放線菌(前々の枯れ落ち葉の湿ったところに生息)
5 土壌

Claims (8)

  1. 予め子嚢菌木材腐朽菌、根粒菌及び放線菌を共生させた土壌に、生分解プラスチック廃棄物及び/又は産業廃棄有機物を投入するか、又は予め子嚢菌木材腐朽菌、根粒菌及び放線菌を生分解プラスチック廃棄物及び/又は産業廃棄有機物に担持させた後に、放線菌が生息する土壌に投入し、する、生分解プラスチック廃棄物及び/又は産業廃棄有機物の分解方法。
  2. 生分解プラスチック廃棄物及び/又は産業廃棄有機物が、粉体、粒体、又はペレット状である請求項1記載の分解方法。
  3. 子嚢菌木材腐朽菌が、Tuber属に属するTuber ssp.菌及び/又はラン菌の一種でPezizales属に属し、窒素分を含まない培地で増殖可能なPezizales sp.菌である請求項1又は2記載の分解方法。
  4. 根粒菌が、空中窒素固定能力を具備した農業汎用根粒菌Rhizobium sp.菌である請求項1~3のいずれかに記載の分解方法。
  5. 粉体、粒体、又はペレット状の生分解プラスチック廃棄物及び/又は産業廃棄有機物に、子嚢菌木材腐朽菌及び根粒菌を付着させた土壌改良材。
  6. 子嚢菌木材腐朽菌が、Tuber属に属するTuber ssp.菌及び/又はラン菌の一種でPezizales属に属し、窒素分を含まない培地で増殖可能なPezizales sp.である請求項4記載の土壌改良材。
  7. 根粒菌が、空中窒素固定能力を具備した農業汎用根粒菌Rhizobium sp.菌である請求項5又は6記載の土壌改良材。
  8. Tuber属に属するTuber ssp.菌及び/又はラン菌の一種でPezizales属に属し、窒素分を含まない培地で増殖可能な子嚢菌木材腐朽菌Pezizales sp.、及び空中窒素固定能力を具備した農業汎用根粒菌Rhizobium sp.菌を含有する混合懸濁液。
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