JP2021039968A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る半導体装置の一例を、図1に示す。図1の例では、基板303上に、基板303側から順にn型半導体層301bとn型半導体層とは異なる組成を有するp型半導体層301aと、電極302を備えている。
まず、本発明に係る積層構造体が有するタンタル酸リチウムを主成分とする基板について説明する。
本発明に係る半導体装置におけるn型半導体層の結晶性酸化物半導体膜は、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物半導体膜である。結晶性酸化物半導体膜は、通常、金属と酸素から構成されるが、金属成分としては、例えば、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びコバルトから選ばれる1種又は2種以上の金属を含んでもよい。特に、本発明においては、金属としてインジウム、アルミニウム及びガリウムから選ばれる1種以上の元素を含有することが好ましい。なお、結晶性酸化物半導体膜はベータガリア構造であれば、単結晶でも多結晶でもよい。
本発明に係る半導体装置におけるp型半導体層は、六方晶の結晶構造を有する金属化合物である。金属化合物は、銅(Cu)、ロジウム(Rh)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)及びチタン(Ti)から選ばれる1種以上の金属を含有する金属酸化物であることが好ましい。金属酸化物は、デラフォサイト、酸化ロジウムまたはオキシカルコゲナイドであることがさらに好ましい。このようなものは、結晶性がより高いp型半導体層を有し、半導体特性のより高い半導体装置となる。
本発明に係る半導体装置は、タンタル酸リチウムを主成分として含む基板上に、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含むn型半導体層を形成する工程と、六方晶の結晶構造を有する金属化合物を主成分として含むp型半導体層を形成する工程を含む方法により製造されるものであって、少なくとも、基板と、n型半導体層と、前記n型半導体層とは異なる組成を有するp型半導体層と、電極とを備える半導体装置であって、前記基板は、タンタル酸リチウムを主成分として含み、前記n型半導体層は、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含み、前記p型半導体層は、六方晶の結晶構造を有する金属化合物を主成分として含む半導体装置であることを特徴とする。このような半導体装置を製造することが可能な製造装置、又は、半導体装置の製造方法に用いることが可能な製造装置について、以下、説明する。
原料水溶液104aには、ガリウムの他、例えば、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びコバルトから選ばれる1種又は2種以上の金属を含んでもよい。特に、金属として、インジウム、アルミニウム及びガリウムから選ばれる1種以上の元素を含有することが好ましい。前記金属を錯体又は塩の形態で、水に溶解又は分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩などが挙げられる。また、上記金属を、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸等に溶解したものも塩の水溶液として用いることができる。溶質濃度は0.01〜1mol/Lが好ましい。
ミスト化部120では、原料溶液104aを調整し、前記原料溶液104aをミスト化してミストを発生させる。ミスト化手段は、原料溶液104aをミスト化できさえすれば特に限定されず、公知のミスト化手段であってよいが、超音波振動によるミスト化手段を用いることが好ましい。より安定してミスト化することができるためである。
搬送部109は、ミスト化部120と成膜部140とを接続する。搬送部109を介して、ミスト化部120のミスト発生源104から成膜部140の成膜室107へと、キャリアガスによってミストが搬送される。搬送部109は、例えば、供給管109aとすることができる。供給管109aとしては、例えば石英管や樹脂製のチューブなどを使用することができる。
成膜部140では、ミストを加熱し熱反応を生じさせて、基板110の表面の一部又は全部に成膜を行う。成膜部140は、例えば、成膜室107を備え、成膜室107内には基板110が設置されており、該基板110を加熱するためのホットプレート108を備えることができる。ホットプレート108は、図2に示されるように成膜室107の外部に設けられていてもよいし、成膜室107の内部に設けられていてもよい。また、成膜室107には、基板110へのミストの供給に影響を及ぼさない位置に、排ガスの排気口112が設けられてもよい。
キャリアガス供給部130は、キャリアガスを供給するキャリアガス源102aを有し、キャリアガス源102aから送り出されるキャリアガス(以下、「主キャリアガス」という)の流量を調節するための流量調節弁103aを備えていてもよい。また、必要に応じて希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源102bや、希釈用キャリアガス源102bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁103bを備えることもできる。
次に、以下、本発明に係る製造方法の一例を説明する。本発明に係る半導体装置の製造方法は、タンタル酸リチウムを主成分として含む基板上に、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含むn型半導体層を形成する工程と、六方晶の結晶構造を有する金属化合物を主成分として含むp型半導体層を形成する工程を含む方法である。各層の形成は、特に、ミストCVD法で行うことが好ましい。ミストCVD法は、簡便な方法であり、低コスト、高生産性で半導体装置を製造できるからである。
基板を結晶性酸化物半導体膜から剥離してもよい。剥離手段は特に限定されず、公知の手段であってもよい。例えば、機械的衝撃を与えて剥離する手段、熱を加えて熱応力を利用して剥離する手段、超音波等の振動を加えて剥離する手段、エッチングして剥離する手段、レーザーリフトオフなどが挙げられる。前記剥離によって、結晶性酸化物半導体膜を自立膜として得ることができる。
半導体装置を構成するために必要となる電極の形成は、一般的な方法を用いることができる。すなわち、蒸着、スパッタ、CVD、めっきなどの他、樹脂等と一緒に接着させる印刷法など、いずれを用いてもかまわない。電極材料としては、Al、Ag、Ti、Pd、Au、Cu、Cr、Fe、W、Ta、Nb、Mn、Mo、Hf、Co、Zr、Sn、Pt、V、Ni、Ir、Zn、In、Ndなどの金属の他、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロールなどの有機導電性化合物、いずれを用いてもかまわないし、これらの2種以上の合金、混合物でもかまわない。電極の厚さは、1〜1000nmが好ましく、より好ましくは10〜500nmである。
タンタル酸リチウム単結晶基板上に、n型半導体層としてβ−Ga2O3、p型半導体層としてα−Rh2O3を順次形成した積層体を作製し、評価を行った。製造条件は以下のとおりである。
基板 : 信越化学工業社製タンタル酸リチウム単結晶基板
直径4インチ(100mm)、厚さ600μm、c面
鏡面仕上げ
n型半導体層 : β−Ga2O3
p型半導体層 : α−Rh2O3
成膜方法 : ミストCVD法
原料水溶液 : 臭化ガリウム0.05mol/L
酸化ゲルマニウム5×10−4mol/L
臭化水素酸10%
キャリアガス : N2、4L/m
希釈ガス : N2、20L/m
成膜温度 : 408℃
成膜時間 : 60分
成膜方法 : ミストCVD法
原料水溶液 : ロジウム(III)アセチルアセトナート0.05mol/L
キャリアガス : N2、4L/m
希釈ガス : N2、20L/m
成膜温度 : 408℃
成膜時間 : 60分
得られた積層体を、以下の条件でアニール処理した。
アニール温度 : 700℃
アニール時間 : 3時間
雰囲気 : N2
XRD : CuKα線
サファイア基板上に、n型半導体層としてα−Ga2O3を形成した積層体を作製した。製造条件は以下のとおりである。なお、p型半導体層は成膜しなかった。
基板 : 並木精密宝石社製、サファイア基板
直径4インチ(100mm)、厚さ600μm、c面
鏡面仕上げ
n型半導体層 : α−Ga2O3
原料水溶液 : 臭化ガリウム0.05mol/L
酸化ゲルマニウム5×10−4mol/L
臭化水素酸10%
キャリアガス : N2、4L/m
希釈ガス : N2、20L/m
成膜温度 : 408℃
成膜時間 : 60分
得られた積層体を、以下の条件でアニール処理した。
アニール温度 : 700℃
アニール時間 : 3時間
雰囲気 : N2
102b…希釈用キャリアガス源、 103a…流量調節弁、
103b…流量調節弁、 104…ミスト発生源、 104a…原料溶液、
105…容器、 105a…水、 106…超音波振動子、 107…成膜室、
108…ホットプレート、 109…搬送部、 109a…供給管、
110…基板、 112…排気口、 116…発振器、
120…ミスト化部、130…キャリアガス供給部、140…成膜部、
300…半導体装置、 301a…p型半導体層、 301b…n型半導体層、
302…電極、 303…基板。
Claims (12)
- 少なくとも、基板と、n型半導体層と、前記n型半導体層とは異なる組成を有するp型半導体層と、電極とを備える半導体装置であって、
前記基板は、タンタル酸リチウムを主成分として含み、
前記n型半導体層は、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含み、
前記p型半導体層は、六方晶の結晶構造を有する金属化合物を主成分として含むものであることを特徴とする半導体装置。 - 前記結晶性酸化物半導体が、インジウム、アルミニウム及びガリウムから選ばれる1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記金属化合物が、銅(Cu)、ロジウム(Rh)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)及びチタン(Ti)から選ばれる1種以上の金属を含有する金属酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 前記金属酸化物が、デラフォサイト、酸化ロジウムまたはオキシカルコゲナイドであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 前記金属化合物が、亜鉛(Zn)及び/又はアルミニウム(Al)を含有する金属硫化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 前記金属硫化物が、ZnS又はCuAlS2であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 前記n型半導体層上に前記p型半導体層が積層されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記半導体装置がパワーデバイスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記半導体装置が、ショットキーバリアダイオード(SBD)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、接合電界効果トランジスタ(JFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)又は発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 半導体装置の製造方法であって、
タンタル酸リチウムを主成分として含む基板上に、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含むn型半導体層を形成する工程と、
六方晶の結晶構造を有する金属化合物を主成分として含むp型半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記n型半導体層を形成する工程において、前記n型半導体層をミストCVD法により成長することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記n型半導体層を形成する工程と前記p型半導体層を形成する工程を、ミストCVD法により連続して行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の半導体装置の製造方法。
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