JP2021038835A - 金属シール - Google Patents

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Abstract

【課題】2平面間を密封する金属シールに於て、塑性変形領域におけるセット高さに対する反力の増減が緩やかな金属シールを提供する。【解決手段】横断面形状が、中間基部3と、内径寄りの第1凸部11と、外径寄りの第2凸部12とを、備え、第1凸部11と第2凸部12は、各々、先端に円弧状頂部11A,12Aを有すると共に基底部13,14に向かって幅寸法W11,W12がしだいに増加する横断面形状である。【選択図】図2

Description

本発明は、金属シールに係り、特に、2平面間を密封するための金属シールに関する。
従来、図10に示した金属シール60を、本出願人が提案した(特許文献1参照)。即ち、この金属シール60は、相互に平行な第1平面P1 と第2平面P2 の間に介装され、全体が環状であり、横断面矩形状の中間基部63と、第1平面P1 に当接する内径寄りの断面半円形の第1凸部66と、第2平面P2 に当接する外径寄りの断面半円形の第2凸部67とを、有している。
そして、装着圧縮状態(使用状態)では、図10(B)に示すように、相互に接近する第1平面P1 と第2平面P2 から押圧力F61,F62によって、中間基部63の重心点G63を中心に「回転弾性変形」を生じ、その「回転弾性変形」に伴う弾発的反発力により、第1凸部66は第1平面P1 に圧接し、かつ、第2凸部67は第2平面P2 に圧接して、流体の密封作用を行うものであった。
このように、図10に示した従来の金属シール60は、第1・第2平面P1 ,P2 からの押圧力F61,F62が小さく、弾発付勢復元性に優れた金属シールであったが、被密封用流体の圧力が高い場合や、圧力の脈動が発生した場合、図10(B)の矢印Z方向に、第2凸部67が第2平面P2 から浮上り(2点鎖線参照)、矢印B67方向に流体洩れ(ブロ―バイ)を生ずる虞れがあることが、その後の試験の結果、判明した。
そこで、本出願人は、図12(A)(B)に示すような断面形状の金属シール62を提案した(特許文献2参照)。即ち、図12(A)に示すように、矩形状中間基部63の角部68,69に、横断面小三角形状の補助小突起64,65を、付設した。
言い換えると、図10(A)に示した断面形状をそのまま基本形状として、中間基部63における、第1平面P1 に対応する第1長辺部71の外方端71Aに、補助小突起64を付設し、さらに、中間基部63における、第2平面P2 に対応する第2長辺部72の内方端72Aに、補助小突起65を付設した。
特開2004− 52900号公報 特開2004−340315号公報
特許文献1記載の金属シールは、(上述のように)高圧の流体圧が作用するとブローバイによる流体洩れの虞れがあった。その改良発明としての特許文献2記載の金属シールは、そのようなブローバイ等による流体洩れを防止できるが、あくまでも、回転弾性変形領域内での使用であった。現実には、種々の使用状況・条件下で、密封(シール)性能を十分高く、しかも、常に安定して発揮させることが難しい場合があることも、最近、判明した。
そこで、本発明は、従来の特許文献1,特許文献2に記載の金属シールのような回転弾性変形領域内に限定せずに、塑性変形領域までも許容して、最近の厳しい使用状況・条件に十分対応できる金属シールの提供を一つの目的とする。
第1平面と第2平面の間に介装した金属シールを、この2平面の相互締付けによって、塑性変形領域内における十分な変形を起こすには、締付けボルトへの負荷が急増し、かつ、シール圧縮量に対する締付力(反力)が急激増加することも予想される。
このようなボルトの負荷の急増や、シール圧縮量に対する反力の急激増加を、抑制して、実用性のある金属シールを提供することを、本発明の他の目的とする。
本発明は、相互に平行な第1平面と第2平面の間に介装される全体が環状であって、横断面形状が略矩形の中間基部と、上記第1平面に当接する内径寄りの第1凸部と、上記第2平面に当接する外径寄りの第2凸部と、を備えた金属シールに於て、上記第1凸部及び第2凸部は、各々、先端に円弧状頂部を有すると共に上記中間基部に連設される基底部に向かって幅寸法がしだいに増加する横断面形状であり、しかも、上記中間基部における、上記第1平面・第2平面に対応する第1長辺部・第2長辺部の各中間位置には、第1副凸部・第2副凸部が、配設されている。
また、装着未圧縮状態から、上記第1平面と第2平面の相対的接近に伴って、回転モーメントを受けて、上記第1凸部と第1副凸部が上記第1平面に当接した横断面2点接触状態と、上記第2凸部と第2副凸部が上記第2平面に当接した横断面2点接触状態と、から成る4点接触状態に至るまでは、上記中間基部を中心に回転弾性変形を生ずるように構成され、上記4点接触状態から、さらに上記第1平面と第2平面からの押圧力を受けて、上記第1凸部と第1副凸部と第2凸部と第2副凸部、及び、その近傍部位の塑性変形を生ずるように構成した。
また、上記4点接触状態において、上記第2副凸部が上記第2平面に接することで描かれる第2副凸部接触円が、上記第1凸部・上記第1副凸部が上記第1平面に接することで描かれる第1凸部接触円・第1副凸部接触円によって形成された帯状円形リングの内部に、存在している。
また、上記4点接触状態において、上記第1副凸部が上記第1平面に接することで描かれる第1副凸部接触円が、上記第2凸部・上記第2副凸部が上記第2平面に接することで描かれる第2凸部接触円・第2副凸部接触円によって形成された帯状円形リングの内部に、存在している。
また、上記4点接触状態の横断面において、上記第2副凸部の先端の上記第2平面への接触点から、上記第2平面に対して90°を成すように立てた垂線に完全一致して乃至その近傍に、上記第1凸部の外周側稜線の延長線と、上記第1副凸部の内周側稜線の延長線との、交点が、存在するように、構成されている。
また、上記4点接触状態の横断面において、上記第1副凸部の先端の上記第1平面への接触点から、上記第1平面に対して90°を成すように立てた垂線に完全一致して乃至その近傍に、上記第2凸部の内周側稜線の延長線と、上記第2副凸部の外周側稜線の延長線との、交点が、存在するように、構成されている。
本発明によれば、金属シールを塑性変形させるために、第1・第2平面を締付けるための力が過大とならず、締付ボルトの外径も小さくて済み、これによって、シール装着機器のコンパクト化にも寄与できる。第1平面・第2平面に対して適切な接触面圧分布をもって各々2点で圧接し、優れた密封性を発揮する。
本発明の実施形態を示す全体の断面図であって、(A)は第1の実施形態を示す断面図、(B)は第2の実施形態を示す断面図である。 第1の実施形態の形状を説明するための拡大断面図である。 第1の実施形態の金属シールの4点接触状態を示した図であって、(A)は拡大断面説明図、(B)は(A)の要部を抽出して示した縮小平面図、(C)は(A)の要部を抽出して示した縮小底面図である。 第2の実施形態の形状を説明するための拡大断面図である。 第2の実施形態の金属シールの4点接触状態を示した拡大断面説明図である。 図7と図8に示す、接触面圧のグラフ図と、塑性変形後の断面図を、FEM解析にて求めるのに用いた金属シールの自由状態の形状と寸法を示す断面図であって、(A)は図8に対応する断面図、(B)は図7に対応する断面図である。 FEM解析にて得られた本発明の実施品についての最終締付圧縮状態の断面形状を示すと共に、第1・第2平面に対する接触面圧を示す図である。 FEM解析にて得られた比較例の最終締付圧縮状態の断面形状を示すと共に、第1・第2平面に対する接触面圧を示す図である。 本発明と比較例を比べて、セット高さに対する反力の大きさを示したグラフ図である。 従来例を示し、(A)は自由状態の全体断面図、(B)は最終圧縮状態(使用状態)を示す断面図である。 比較例を示す図であって、(A)は大きな締付力を与えて第1平面と第2平面に対して各2点接触させて全体を4点接触状態とした拡大断面説明図であり、(B)は(A)の要部を抽出して示した縮小平面図、(C)は(A)の要部を抽出して示した縮小底面図である。 他の従来例(比較例)を示す図であって、(A)は自由状態の全体断面図、(B)は圧縮使用状態を示す要部断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1(A)と図2及び図3(A)に示すように、本発明に係る金属シールSは、相互に平行な第1平面P1 と第2平面P2 の間に介装して使用され、全体が、円形や長円形や多角形等の環状である。そして、平行な上記2平面P1 ,P2 間を密封するものである。
例えば、(図示省略したが)シール凹溝内に装着されて、シール凹溝の底面と、蓋部材の下面とに、圧接して密封作用をなす。
そして、この金属シールSの横断面形状について説明すれば、略矩形の中間基部3と、第1平面P1 に当接する内径寄りの第1凸部11と、第2平面P2 に当接する外径寄りの第2凸部12と、を備えている。上記略矩形の中間基部3は、第1・第2平面P1 ,P2 に対して平行な長辺3A,3A───これを区別して、第1長辺部31・第2長辺部32と呼ぶ場合もある───と、それに直交する短辺3B,3Bから形成されるが、図例では、4角部の内で点対称位置の2角部に、小さな三角形状切欠き15,15が設けられている。
第1凸部11は、先端に所定半径Rの円弧状頂部11Aを有すると共に、上記中間基部3に連設される基底部13に向かって幅寸法W11がしだいに増加する横断面形状とされている。
また、第1凸部11は、切欠き15の存在しない(矩形状中間基部3の)直角状角部3Cにおける第1長辺部31側に連設されている。このようにして、第1凸部11は矩形状中間基部3の第1長辺部31の内径側の端部に配設されている。
また、(図2に示すように)第1凸部11の内周側稜線11Bは、中間基部3の内周側短辺3Bの延長線上に存在する。
第2凸部12は、先端に所定半径Rの円弧状頂部12Aを有すると共に、上記中間基部3に連設される基底部14に向かって幅寸法W12がしだいに増加する横断面形状とされている(図2では上下反転した山型に図示される)。
また、第2凸部12は、切欠き15の存在しない(矩形状中間基部3の)直角状角部3Dにおける第2長辺部32側に連設されている。このようにして、第2凸部12は矩形状中間基部3の第2長辺部32の外径側の端部に配設されている。
また、(図2に示すように)第2凸部12の外周側稜線12Cは、中間基部3の外周側短辺3Bの延長線上に存在する。
そして、図1(A)と図2と図3(A)に示した実施の形態に於ては、上記中間基部3における、第1平面P1 ・第2平面P2 に対応する第1長辺部31・第2長辺部32の各中間位置に、横断面三角形の第1副凸部21・第2副凸部22が、配設されている。
また、図1(B)と図4と図5に示した本発明の他の実施形態に於ては、横断面が台形の第1副凸部21・第2副凸部22が、第1長辺部31・第2長辺部32に、各々配設されている。
横断面三角形の第1副凸部21が第1長辺部31の「中間位置」に配設されているとは、次のように定義する。
即ち、図2に示す金属シールSの自由状態における断面に於て、切欠き15が形成される以前の第1長辺部31の長さ寸法───つまり、図2の金属シールSの横断面の幅寸法───をWo とすると共に、第1副凸部21の三角頂点21Pと、外径側短辺3Bとの(幅方向の)寸法をW21とすれば、次の数式〔数1〕を満たす場合を言う。
〔数1〕0.15・W0 ≦W21≦0.40・W0
また、横断面三角形の第2副凸部22が第2長辺部32の「中間位置」に配設されているとは、図2の自由状態断面に於て、切欠き15が形成される以前の第2長辺部32の長さ寸法───つまり、図2の金属シールSの横断面の前記幅寸法Wo ───に対して、(横断面三角形の)第2副凸部22の三角頂点22Pと、内径側短辺3Bとの(幅方向の)寸法をW22とすれば、次の数式〔数2〕を満たす場合を言うものと定義する。
〔数2〕0.15・W0 ≦W22≦0.40・W0
また、第1副凸部21と第2副凸部22が、図4に示すような横断面台形である実施形態に於て、前記「中間位置」に配設されているとは、次のように定義する。
図4に示した金属シールSを、装着未圧縮状態から、第1平面P1 と第2平面P2 の相対的接近に伴って、押圧力を受けて、第1副凸部21及び第2副凸部22が、各々、第1平面P1 ・第2平面P2 に当接して、図5に示す4点接触状態に至るが、その状態下で、図5で明らかな如く、横断面台形の第1副凸部21・第2副凸部22の台形上辺は微小傾斜角度βをもって(第1・第2)平面P1 ,P2 に接触する。
従って、第1副凸部21にあっては、横断面台形(の上辺)の外径側の一点21Kを、図2に示した頂点21Pに該当するものとして、前記W21を規定する。さらに、第2副凸部22にあっては、横断面台形の内径側の一点22Kを、図2に示した頂点22Pに該当するものとして、前記W22を規定する。このように、各寸法W21,W22を規定すれば、前記数式〔数1〕〔数2〕が、図5に示した実施形態にもそのまま適用できる。即ち、第1副凸部21・第2副凸部22が横断面台形である場合に、前記数式〔数1〕〔数2〕を充足すれば、第1副凸部21・第2副凸部22が、第1長辺部31・第2長辺部32の「中間位置に配設」されていると言える。
ところで、図10及び図12にて既に説明したように、従来の金属シール60,62は、基本的に金属の弾性変形領域内で使用されている。
これに対し、本願発明は、図2,図4にて説明した横断面形状であって、装着未圧縮状態から、第1平面P1 と第2平面P2 の相対的接近に伴って、押圧力を受けて、まず、図2から図3のように、あるいは、図4から図5に示すように、回転弾性変形を生ずるが、さらに、引続いて、図7に示す如く、第1凸部11と第1副凸部21と第2凸部12と第2副凸部22、及び、(断面における)その近傍部位が、塑性変形を生ずるように、構成されている。
具体的に説明すると、図2又は図4に示した自由状態の断面形状のままで、シール装着装置の内部の第1平面P1 と第2平面P2 の間に介装した装着未圧縮状態から、第1平面P1 と第2平面P2 を、(図外の)ボルト締付けによって、相対的に接近させてゆくと、まず、第1凸部11と第2凸部12のみが当接しつつ締付力(押圧力)を受けて、回転弾性変形を開始する。
引続き、ボルト締付けによって、第1・第2平面P1 ,P2 を相対的に接近させると、
第1凸部11と第1副凸部21が第1平面P1 に当接した横断面2点接触状態となると同時に、第2凸部12と第2副凸部22が第2平面P2 に当接した横断面2点接触状態とから成る4点接触状態(図3,図5参照)となる。このように4点接触状態に至るまでは、上記中間基部3(の重心点O3 )を中心に回転弾性変形を生ずるように構成されている。
このような作動(構成)は、従来の図12(A)(B)と同様であると言える。
しかしながら、本発明に係る金属シールSでは、図3,図5に示したような4点接触状態から、さらに、第1平面P1 と第2平面P2 を相対的に接近させていって、押圧力を受け続け、図7に示す如く、塑性変形を生ずるように構成されている。
図3(B)は、4点接触状態における同図(A)の要部のみを、抽出して示した縮小平面図である。
図3(B)に於て、R11は、図3(A)に示した第1凸部11が第1平面P1 に接する点を、上面から見て描いた第1凸部接触円である。
21は、第1副凸部21が第1平面P1 に接する点を、上面から見て描いた第1副凸部接触円である。
さらに、R22は、図3(A)に示した第2副凸部22が第2平面P2 に接する点を、上面から見て描いた第2副凸部接触円である。
この図3(B)から、以下のことが判る。つまり、図3(A)の4点接触状態に於て、第2副凸部接触円R22は、第1凸部接触円R11及び第1副凸部接触円R21によって形成された帯状円形リングR100 の内部に、存在する。
図3(B)に示したこのような特徴点は、後述する(従来例の場合を示す)図11(B)及び図12(C)と、対比することで、独自の作用・効果を発揮することが、明らかになるであろう。なお、図5に示した他の実施形態の4点接触状態にあっても、図3(B)(C)で説明したと同様の技術的構成となり、かつ、同じ作用効果が得られる。
次に、図3(C)は、4点接触状態における同図(A)の要部のみを、抽出して示した縮小底面図である。
図3(C)に於て、R12は、図3(A)に示した第2凸部12が第2平面P2 に接する点を、底面から見て描いた第2凸部接触円である。
21は、第1副凸部21が第1平面P1 に接する点を、底面から見て描いた第1副凸部接触円である。
さらに、R22は、図3(A)に示した第2副凸部22が第2平面P2 に接する点を、底面から見て描いた第2副凸部接触円である。
この図3(C)から、以下のことが判る。つまり、図3(A)の4点接触状態に於て、第1副凸部接触円R21が、第2凸部接触円R12と第2副凸部接触円R22によって形成された帯状円形リングR200 の内部に、存在する。
図3(C)に示したこのような特徴点は、後述する(従来例の場合を示す)図11(C)及び図12(D)と、対比することで、独自の作用・効果を発揮することが、明らかとなるであろう。
そして、図3(A)に於て、本発明のさらなる特徴点につき説明する。
即ち、図3(A)に示した4点接触状態の横断面において、第2副凸部22の先端(頂点22P)の第2平面P2 への接触点から、第2平面P2 に対して90°を成すように立てた垂線T1 を、(仮に)想定する。
そして、図3(A)に於て、第1凸部11の外周側稜線11Cの延長線Y11と、第1副凸部21の内周側稜線21Eの延長線Y21との交点をOとすると、この交点Oは、前記垂線T1 に一致して、垂線T1 上に存在する。
図3(A)に於ては、両延長線Y11,Y21の交点Oから第2平面P2 に下した垂線と、前記垂線T1 とが、一致し、同図中のεは、零であることを記載している。
なお、図2中の金属シールSの幅寸法W0 に対して、最大ε値は、0.15・W0 以内であれば良い。
言い換えると、第2平面P2 に対して90°を成すように立てた上記垂線T1 の近傍に、交点Oが存在しておれば十分である。
また、図3(A)に示すように、4点接触状態に於て、第1副凸部21の先端の第1平面P1 への接触点───頂点21Pが該当している───から、上記第1平面P1 に対して90°を成すように立てた垂線T2 を想定する。
そして、第2凸部12の内周側稜線12Bの延長線Y12と、第2副凸部22の外周側稜線22Eの延長線Y22との交点をOxとすると、この交点Oxは、前記垂線T2 に一致して、垂線T2 上に存在する。
図3(A)に於ては、交点Oxから第1平面P1 に直交する垂線と、前記垂線T2 とが、一致し、同図中のεは、零であることを記載している。
なお、金属シールSの幅寸法W0 に対して、最大ε値は、0.15・W0 以内であれば良い点は、図3(A)の交点Oについての場合と同じである。言い換えれば、第1平面P1 に対して90°を成す垂線T2 の近傍に、交点Oxが存在すれば、十分である。
次に、図5に於て、図3(A)の垂線T1 ,T2 は、台形状副凸部21,22の先端の一角部21K,22Kから第1・第2平面P1 ,P2 に対して垂直に立てる点、及び、交点Ox,Oが、夫々、垂線T1 の近傍にある───つまり、同図中の小さな寸法εをもって外れている───点以外は、図3(A)と同様の構成であるので、詳細説明を省略する。
ここで、図2,図4にもどって望ましい各部の寸法(寸法関係)について追加説明する。
第1凸部11・第2凸部12の外周・内周の稜線の成す角度をθとすれば、25°≦θ≦35°のように設定する。また、第1副凸部21・第2副凸部22の外周・内周の稜線の成す角度をθ’とすれば、50°≦θ’≦110°のように設定する。
矩形状の中間基部3の幅寸法と高さ寸法を、各々、W0 ,H0 とすれば、第1凸部11・第2凸部12の高さ寸法H11,H12は、次のように設定する。
〔数3〕0.25・H0 ≦H11≦0.5・H0
〔数4〕0.25・H0 ≦H12≦0.5・H0
また、第1凸部11・第2凸部12の基底部13,14の各々寸法を、W110 ,W120 とすれば、次のように設定する。
〔数5〕0.20・W0 ≦W110 ≦0.35・W0
〔数6〕0.20・W0 ≦W120 ≦0.35・W0
また、第1・第2副凸部21,22の高さ寸法を、各々、H21,H22とすれば、次のように設定する。
〔数7〕0.10・H0 ≦H21≦0.25・H0
〔数8〕0.10・H0 ≦H22≦0.25・H0
次に、図6(A)は本発明の一実施品の横断面の具体的寸法・形状を示すと共に、図6(B)は比較例(従来例)の横断面の具体的寸法・形状を例示している。図6(B)は、既に図10で説明した従来の金属シール60そのものであるが、これを回転弾性変形領域(図10(B)参照)を越えて、第1平面P1 と第2平面P2 の間隔寸法Hpを減少させてゆくと、図11に示した4点接触状態を経て、図8に示したような塑性変形領域に至り、大きな変形を起こす。
また、図8では、第1平面P1 と第2平面P2 の間隔寸法Hpを0.7mmまで減少した───即ち、金属シール60のセット高さGを0.7mmとした───最終締付圧縮状態(いわゆるセット状態)の金属シールの変形状態、及び、第1・第2平面P1 ,P2 に対する接触面圧を示す。
本発明に係る金属シールSの実施品(図6(A))では、図7に示すような、セット高さGを0.7mmとした最終締付圧縮状態(いわゆるセット状態)の金属シールSの断面形状、及び、接触面圧についてのFEM解析した結果を示す。
図7と図8を比較すれば、以下のことが判る。即ち、(i)第1平面P1 に対する接触面圧波形は、本発明実施品(図6(A),図2参照)では、第1副凸部21(図2参照)の波形が大きく、第1凸部11(図2参照)の波形が小さく出現している。(ii)第2平面P2 に対する接触面圧波形は、本発明実施品(図6(A),図2参照)では、第2副凸部22の波形が大きく、第2凸部12の波形が小さく出現している。(iii)比較例(図6(B)参照)では、第1凸部66の波形が、角部68の波形に比較すると、幅が広く、最大高さ(面圧)がやや低く、面積は僅かに大きい。(iv)比較例(図6(B)参照)では、第2凸部67の波形が、角部69の波形に比較すると、幅が広く、最大高さ(面圧)がやや低く、面積が僅かに大きい。(v)図7と図8のいずれにあっても、接触面圧は、4点接触状態の4点のいずれもが1000MPaを越えた十分高い値を示し、密封性能に関しては、十分である。
ところが、図9に示すように、横軸にセット高さG(mm)をとり、縦軸に第1平面P1 (第2平面P2 )が受ける反力F(kN)をとったグラフ図に於て、本発明と比較例とでは、著しい特性上の差異を示している。
図9について説明すれば、点線のグラフ線は、図6(B)に示した比較例に関する特性を示す。点P31は、第1平面P1 と第2平面P2 に対して第1凸部66 と第2凸部67が軽く接触した圧縮開始点を示す。(断面姿勢は、図10(A)が該当している。)
点P32は、4点接触開始点を示す。即ち、図10(B)に示す回転弾性変形を経て、図11(A)に示すように4点a,b,c,dにて、2平面P1 ,P2 に対して軽く接触した状態である。
ΔGbは、上記点P31から点P32に至るまでに、2平面P1 ,P2 の間隔寸法Hpを減少させるための移動量であり、かなり大きいことが判る。さらに、その移動量ΔGb中に、回転弾性変形のために反力ΔFを必要としている。
セット高さG(間隔寸法Hp)が点P32の4点接触状態から、図8に示した最終締付圧縮状態(最終セット状態)の点P33までは、急激な反力Fの増加がみられる。即ち、破線で示した比較例のグラフ線は、点P32から点P33までは急な勾配をもって、反力Fが増加する。しかも、点P32を越えても、グラフ線は急な勾配のままで、反力Fが増加し続けていることが判る。
これに対して、図9中に実線にて示した本発明の実施品(図6(A)参照)では、以下の通りである。つまり、点P36は、第1平面P1 と第2平面P2 に対して、第1凸部11と第2凸部12が軽く接触した圧縮開始点を示す。(断面姿勢は、図2と同じである。)
点P37は、4点接触開始点を示す。即ち、図3(A)に示すように、4点e,f,g,hにて、2平面P1 ,P2 に対して、軽く接触した状態である。
ΔGaは、上記点P36から点P37に至るまでに、2平面P1 ,P2 の間隔寸法Hpを減少させるための移動量であり、比較例の対応する前記移動量ΔGbよりも十分小さいことが判る。さらに、本発明実施品の移動量ΔGa中に、回転弾性変形のために、ほとんど反力を必要としない。
即ち、本発明の金属シールSにおいては、点P36から点P37に至るまでのセット高さ移動量ΔGa、及び、そのために要する(反力Fに対する)外力が、比較例の移動量ΔGb、及び、そのために要する外力ΔFに比べて、各々、十分小さいが故に、第1凸部11・第2凸部12が第1平面P1 ・第2平面P2 に対して擦れ傷を発生する虞れが、比較例よりも、著しく低減できる利点がある。
図9について、さらに説明すれば、実線グラフ線に於て、セット高さG(間隔寸法Hp)が点P37の4点接触状態から、図7に示した最終締付圧縮状態(最終セット状態)の点P38までは、比較例の実線グラフ線に比べて、極めて緩やかに反力Fが増加する。
即ち、実線で示した本発明の実施品のグラフ線は、点P37から点P38までは、緩やかな勾配をもって、反力Fが少しずつ増加する。
しかも、点P38を越えても、グラフ線は緩やかな勾配のままで、(あるいはさらに緩やかな勾配となりつつ)、反力Fがゆるりと増加し続けている。
従って、本発明によれば、シール性を発現した4点接触開始点P37から以降の圧縮に対し、反力(締付力)Fの増加が緩やかであるため(増加の割合が少ないため)、第1・第2平面P1 ,P2 ───つまり、フランジ面等───に傷が付くことを防止できる。さらには、締付けに要するボルトへの負担も低減でき、これに伴って、ボルトの径を小さくしたり、ボルトの本数を削減できて、装着の小型化とコストダウンを図り得る。さらに、2平面P1 ,P2 間の間隔寸法Hpが加工寸法誤差や温度・圧力等の使用条件等によってばらつきを生じることも実際の装置(機器)ではよくあり得る。しかしながら、図9に示した実線のグラフ線では、セット高さGが所定値よりも大小変化したとしても、反力Fがほとんど増減しないことを示し、密封性能等は安定して良好に維持できる。
なお、図12に示した、補助小突起64,65を有する従来の金属シール62については、図9に示すようなグラフ図を省略したが、同様の結果が得られている。
図9のグラフ図は、以上述べたように、本発明(の実施品)を比較例(従来例)と比べて多くの利点のあることを示しているが、その実線と破線で示した差異が生じた理由につき、以下、追加説明と分析を行う。
図11は比較例(従来例)を示し、本発明の実施例を示した図3と対比すべき図である。
図3(A)に示した4点e,f,g,hの平面接触状態において、図3(B)の平面図に示したように、第2副凸部22が第2平面P2 に接することで描かれた第2副凸部接触円R22が、上記4点接触状態において、上記第2副凸部22が上記第2平面P2 に接することで描かれる第2副凸部接触円R22が、上記第1凸部11・上記第1副凸部21が上記第1平面P1 に接することで描かれる第1凸部接触円R11・第1副凸部接触円R21によって形成された帯状円形リングR100 の内部に、存在している。
それに対して、図11(A)に於ては、4点a,b,c,dは、図3(A)の4点e,f,g,hが、各々、対応すると見ることができると共に、図11(B)は図3(B)に対応する(要部を抽出して示した)平面図である。
この図11(B)から、以下のことが判る。つまり、第1凸部66・第1角部68が第1平面P1 に接することで描かれる第1凸部接触円Ra・第1角部接触円Rbによって形成された帯状円形リングR'100の内部に、第2角部69が第2平面P2 に接することで描かれる第2角部接触円Rcが、存在しておらず、この第2角部接触円Rcは、上記帯状円形リングR'100の内周縁よりも、ラジアル内方向に、外れている。
図11(A)(B)に示したように、第2角部接触円Rcがラジアル内方向に外れていることによって、第1・第2平面P1 ,P2 から締付力F1 ,F2 を受けた際、金属シール60のc点に作用する力は、a点とb点に分散せず、(図11(A)に示す)真上のa点に伝達されて、直ちにc点とa点間の圧縮変形を生じて(図9に破線をもって示した)急勾配の反力Fの特性を示すと考えられる。
次に、図11(C)は図3(C)と対比すべき底面図である。
本発明の実施例では、図3(A)に示した4点e,f,g,hの平面接触状態において、図3(C)の平面図に示したように、上記第1副凸部21が上記第1平面P1 に接することで描かれる第1副凸部接触円R21が、上記第2凸部12・上記第2副凸部22が上記第2平面P2 に接することで描かれる第2凸部接触円R12・第2副凸部接触円R22によって形成された帯状円形リングR200 の内部に、存在している。
それに対して、比較例(従来例)では、図11(C)に示すように、第2凸部67・第2角部69が第2平面P2 に接することで描かれる第2凸部接触円Rd・第2角部接触円Rcによって形成された帯状円形リングR'200の内部に、第1角部68が第1平面P1 に接することで描かれる第1角部接触円Rbが、存在せず、この第1角部接触円Rbは、上記帯状円形リングR'200の外周縁よりも、ラジアル外方向に、外れている。
図11(A)(C)に示したように、第1角部接触円Rbがラジアル外方向に外れていることによって、第1・第2平面P1 ,P2 から締付力F1 ,F2 を受けた際、金属シール60のb点に作用する力は、d点とc点に分散せず、(図11(A)に示す)真下のd点に伝達されて、直ちにb点とd点間の圧縮変形を生じて(図9に破線をもって示した)急勾配の反力Fの特性を示すと考えられる。
次に、図12に示した他の比較例(従来例)にあっても、図11(B)(C)と同様の接触円Ra,Rb,Rc,Rdが描かれていることとなって、その結果、図9に於て、同様に破線グラフ線が描かれることとなる。
但し、図12に於けるb点,c点は、小さな三角形の補助小突起64,65の頂点とする。それ以外は、図11(A)と同様であるので、重複説明を省略する。
次に、図9に示したグラフ図に於て、本発明と比較例の差異が生じた他の根拠について以下考察する。
図3又は図5に於て、本発明では、上記4点接触状態の横断面において、上記第2副凸部22の先端の上記第2平面P2 への接触点から、上記第2平面P2 に対して90°を成すように立てた垂線T1 に完全一致して乃至その近傍に、上記第1凸部11の外周側稜線11Cの延長線Y11と、上記第1副凸部21の内周側稜線21Eの延長線Y21との、交点Oが、存在するように、構成されている。しかも、上記4点接触状態の横断面において、上記第1副凸部21の先端の上記第1平面P1 への接触点から、上記第1平面P1 に対して90°を成すように立てた垂線T2 に完全一致して乃至その近傍に、上記第2凸部12の内周側稜線12Bの延長線Y12と、上記第2副凸部22の外周側稜線22Eの延長線Y22との、交点Oxが、存在するように、構成されている。
このような構成によって、図7に示したような最終締付圧縮状態に於て、上下各々2個ずつの接触面圧波形による反力の位置が、図7の左右方向───全体のラジアル方向───にずれていることとなり、図9に実線のグラフ線で示されるような緩やかな勾配の反力特性が達成されている。
図3(A)と図7とを対比して、具体的に説明すれば、第2副凸部22に作用した(第2
平面P2 からの)締付力は、交点Oに向かって伝達されつつ左右稜線11C,21E(の内部)に沿うように分岐して、第1凸部11の頂部11A、及び、第1副凸部21へ、伝達される。
これを、比較例を示した図8と比べれば、判るように、図8の左下の波形による締付力は、左上の波形による締付力と、真向対立する。従って、図8では、図9の破線グラフ線の如く、急な勾配線が描かれたものと、考えられる。
本発明の実施例では、前述の如く、巧妙に左右稜線11C,21E(の内部)に沿うように、第2副凸部22の大きな締付力が2つに分岐してゆくため、(柔軟性を残して)図9に実線で示した緩やかな勾配となり、反力Fの急激な増加が生じない。
他方、第1副凸部21に作用した(第1平面P1 からの)締付力は、交点Oxに向かって伝達されつつ左右稜線12B,22E(の内部)に沿うように分岐して、第2凸部12の頂部12A、及び、第2副凸部22へ、伝達される。
これを、比較例を示した図8と比べれば、判るように、図8の右下の波形による締付力は、右上の波形による締付力と、真向対立する。従って、図8では、図9の破線グラフ線の如く、急な勾配線が描かれたものと、考えられる。
本発明の実施例では、前述の如く、巧妙に左右稜線12B,22E(の内部)に沿うように、第1副凸部21の大きな締付力が2つに分岐してゆくため、(柔軟性を残して)図9に実線で示した緩やかな勾配となり、反力Fの急激な増加が生じない。
ところで、図7に於て、大きな接触面圧を示している左下の波形4と右上の波形5は、各々、図3(A)の第2副凸部22と第1副凸部21の圧縮に伴って発生した面圧を示すと共に、(図8の比較例の如く、上下に衝突せずに)横断面に於て、斜め方向の下と上に配設される。これによって、横断面における回転変形を伴いつつ、面圧の上昇も緩やかとなって、図9に示した良好な結果が得られたと推察される。
さらに、図7に於て、左上の波形6と右下の波形7は、各々、図3(A)の第1凸部11と第2凸部12の圧縮に伴って発生した面圧を示し、(図8の比較例の如く、上下に衝突せずに)横断面に於て、ラジアル方向の内方・外方に、孤立して存在する。これによって、反力の上昇も十分緩やかとなり、図9に示した良好な結果が得られたものと推察される。
なお、本発明は、図示の実施例に限定されず設計変更自由であって、例えば、第1・第2副凸部21,22は、半円形や半楕円形等とすることもできる。
本発明は、以上詳述したように、相互に平行な第1平面P1 と第2平面P2 の間に介装される全体が環状であって、横断面形状が略矩形の中間基部3と、上記第1平面P1 に当接する内径寄りの第1凸部11と、上記第2平面P2 に当接する外径寄りの第2凸部12と、を備えた金属シールに於て、上記第1凸部11及び第2凸部12は、各々、先端に円弧状頂部11A,12Aを有すると共に上記中間基部3に連設される基底部13,14に向かって幅寸法W11,W12がしだいに増加する横断面形状であり、しかも、上記中間基部3における、上記第1平面P1 ・第2平面P2 に対応する第1長辺部31・第2長辺部32の各中間位置には、第1副凸部21・第2副凸部22が、配設されている構成であるので、図9のグラフ図に実線をもって示す如く、セット高さGに対して反力Fの増加が、緩やかであり、これによって、第1・第2平面P1 ,P2 によって形成されるセット間隔に差が生じても、反力Fは略同じ値に維持され、優れた密封性を維持できる。また、第1・第2平面P1 ,P2 に対して過大な面圧力を与えずに済み、フランジ等の傷付きを防止できる。
また、装着未圧縮状態から、上記第1平面P1 と第2平面P2 の相対的接近に伴って、回転モーメントを受けて、上記第1凸部11と第1副凸部21が上記第1平面P1 に当接した横断面2点接触状態と、上記第2凸部12と第2副凸部22が上記第2平面P2 に当接した横断面2点接触状態と、から成る4点接触状態に至るまでは、上記中間基部3を中心に回転弾性変形を生ずるように構成され、上記4点接触状態から、さらに上記第1平面P1 と第2平面P2 からの押圧力を受けて、上記第1凸部11と第1副凸部21と第2凸部12と第2副凸部22、及び、その近傍部位の塑性変形を生ずるように構成したので、第1平面P1 と第2平面P2 をボルト締付けによって極めてスムーズに、塑性変形に至るまで作業を行い得る。しかも、セット高さGのばらつきがあっても、安定した高い密封性能を発揮できる。
また、上記4点接触状態において、上記第2副凸部22が上記第2平面P2 に接することで描かれる第2副凸部接触円R22が、上記第1凸部11・上記第1副凸部21が上記第1平面P1 に接することで描かれる第1凸部接触円R11・第1副凸部接触円R21によって形成された帯状円形リングR100 の内部に、存在している構成としたので、(図3(A)(B)に示すように、)第2副凸部22の接触面圧による反力は、第1凸部11と第1副凸部21に分散しつつ伝達され、図9に示すように、セット高さGに対して反力Fの増加が緩やかな優れた反力特性が得られる。
また、上記4点接触状態において、上記第1副凸部21が上記第1平面P1 に接することで描かれる第1副凸部接触円R21が、上記第2凸部12・上記第2副凸部22が上記第2平面P2 に接することで描かれる第2凸部接触円R12・第2副凸部接触円R22によって形成された帯状円形リングR200 の内部に、存在している構成であるので、(図3(A)(C)に示すように、)第1副凸部21の接触面圧による反力は、第2凸部12と第2副凸部22に分散しつつ伝達され、図9に示すように、セット高さGに対して反力Fの増加が緩やかな優れた反力特性が得られる。
また、上記4点接触状態の横断面において、上記第2副凸部22の先端の上記第2平面P2 への接触点から、上記第2平面P2 に対して90°を成すように立てた垂線T1 に完全一致して乃至その近傍に、上記第1凸部11の外周側稜線11Cの延長線Y11と、上記第1副凸部21の内周側稜線21Eの延長線Y21との、交点Oが、存在するように、構成されているので、第2副凸部22に作用する大き目の反力は、稜線11Cと稜線21Eに沿うように分岐され、図7に示したような横断面における締付面圧が得られ、その結果、図9に於て、実線で示すように緩やかな勾配の優秀な反力特性の金属シールが得られる。
また、上記4点接触状態の横断面において、上記第1副凸部21の先端の上記第1平面P1 への接触点から、上記第1平面P1 に対して90°を成すように立てた垂線T2 に完全一致して乃至その近傍に、上記第2凸部12の内周側稜線12Bの延長線Y12と、上記第2副凸部22の外周側稜線22Eの延長線Y22との、交点Oxが、存在するように、構成されているので、第1副凸部21に作用する大き目の反力は、稜線12Bと稜線22Eに沿うように分岐され、図7に示したような締付面圧が得られ、その結果、図9に於て、実線で示すように緩やかな勾配の優秀な反力特性の金属シールが得られる。
3 中間基部
11 第1凸部
11A 円弧状頂部
11C 外周側稜線
12 第2凸部
12A 円弧状頂部
12B 内周側稜線
13 基底部
14 基底部
21 第1副凸部
21E 内周側稜線
22 第2副凸部
22E 外周側稜線
31 第1長辺部
32 第2長辺部
Ox 交点
交点
1 第1平面
2 第2平面
11 第1凸部接触円
12 第2凸部接触円
21 第1副凸部接触円
22 第2副凸部接触円
100 帯状円形リング
200 帯状円形リング
S 金属シール
1 垂線
2 垂線
11 幅寸法
12 幅寸法
11 延長線
12 延長線
21 延長線
22 延長線

Claims (6)

  1. 相互に平行な第1平面(P1 )と第2平面(P2 )の間に介装される全体が環状であって、横断面形状が略矩形の中間基部(3)と、上記第1平面(P1 )に当接する内径寄りの第1凸部(11)と、上記第2平面(P2 )に当接する外径寄りの第2凸部(12)と、を備えた金属シールに於て、
    上記第1凸部(11)及び第2凸部(12)は、各々、先端に円弧状頂部(11A)(12A)を有すると共に上記中間基部(3)に連設される基底部(13)(14)に向かって幅寸法(W11)(W12)がしだいに増加する横断面形状であり、
    しかも、上記中間基部(3)における、上記第1平面(P1 )・第2平面(P2 )に対応する第1長辺部(31)・第2長辺部(32)の各中間位置には、第1副凸部(21)・第2副凸部(22)が、配設されていることを特徴とする金属シール。
  2. 装着未圧縮状態から、上記第1平面(P1 )と第2平面(P2 )の相対的接近に伴って、回転モーメントを受けて、上記第1凸部(11)と第1副凸部(21)が上記第1平面(P1 )に当接した横断面2点接触状態と、上記第2凸部(12)と第2副凸部(22)が上記第2平面(P2 )に当接した横断面2点接触状態と、から成る4点接触状態に至るまでは、上記中間基部(3)を中心に回転弾性変形を生ずるように構成され、
    上記4点接触状態から、さらに上記第1平面(P1 )と第2平面(P2 )からの押圧力を受けて、上記第1凸部(11)と第1副凸部(21)と第2凸部(12)と第2副凸部(22)、及び、その近傍部位の塑性変形を生ずるように構成した請求項1記載の金属シール。
  3. 上記4点接触状態において、
    上記第2副凸部(22)が上記第2平面(P2 )に接することで描かれる第2副凸部接触円(R22)が、
    上記第1凸部(11)・上記第1副凸部(21)が上記第1平面(P1 )に接することで描かれる第1凸部接触円(R11)・第1副凸部接触円(R21)によって形成された帯状円形リング(R100 )の内部に、
    存在している請求項2記載の金属シール。
  4. 上記4点接触状態において、
    上記第1副凸部(21)が上記第1平面(P1 )に接することで描かれる第1副凸部接触円(R21)が、
    上記第2凸部(12)・上記第2副凸部(22)が上記第2平面(P2 )に接することで描かれる第2凸部接触円(R12)・第2副凸部接触円(R22)によって形成された帯状円形リング(R200 )の内部に、
    存在している請求項2記載の金属シール。
  5. 上記4点接触状態の横断面において、
    上記第2副凸部(22)の先端の上記第2平面(P2 )への接触点から、上記第2平面(P2 )に対して90°を成すように立てた垂線(T1 )に完全一致して乃至その近傍に、
    上記第1凸部(11)の外周側稜線(11C)の延長線(Y11)と、上記第1副凸部(21)の内周側稜線(21E)の延長線(Y21)との、交点(O)が、存在するように、構成されている請求項2,3又は4記載の金属シール。
  6. 上記4点接触状態の横断面において、
    上記第1副凸部(21)の先端の上記第1平面(P1 )への接触点から、上記第1平面(P1 )に対して90°を成すように立てた垂線(T2 )に完全一致して乃至その近傍に、
    上記第2凸部(12)の内周側稜線(12B)の延長線(Y12)と、上記第2副凸部(22)の外周側稜線(22E)の延長線(Y22)との、交点(Ox)が、存在するように、構成されている請求項2,3又は4記載の金属シール。
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