JP2021038323A - 粉体塗料、潤滑皮膜、及び部品 - Google Patents

粉体塗料、潤滑皮膜、及び部品 Download PDF

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Abstract

【課題】VOCレスであり、潤滑性の耐久性に優れた皮膜を形成することができる粉体塗料、その硬化物からなる潤滑皮膜、潤滑皮膜が形成された部品を提供する。【解決手段】潤滑皮膜形成粒子10から構成された粉体塗料1、その硬化物からなる潤滑皮膜、潤滑皮膜が形成された部品である。潤滑皮膜形成粒子10は、熱硬化性エポキシ樹脂から構成された母材2と、この母材2中に含まれる潤滑性粒子3とを有する。潤滑性粒子3は、ポリテトラフルオロエチレン粒子31と、このポリテトラフルオロエチレン粒子を被覆する被覆樹脂32とを有する。被覆樹脂32は、極性基を有するポリマーから構成された樹脂及びエポキシ樹脂の硬化物の少なくとも一方を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑皮膜形成粒子から構成された粉体塗料、その硬化物からなる潤滑皮膜、潤滑皮膜が形成された部品に関する。
潤滑塗料は、被塗物の耐磨耗性、潤滑性能を確保するために用いられている。ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂は、非粘着性、低摩擦性、耐熱性に優れ、潤滑剤として用いられている。具体的には、フッ素樹脂微粉末が有機溶剤に分散された塗料が用いられる。
例えば特許文献1には、第三種有機溶剤と、この有機溶剤に可溶な水酸基含有フッ素共重合体とからなる硬化型フッ素塗料用組成物が開示されている。
特許第5188008号公報
特許文献1の塗料用組成物は、有機溶剤を含む。有機溶剤は揮発性有機化合物(つまり、VOC)に相当する。これに対し、粉体塗料は、粉末状であり、溶剤を含有していない。そのため、VOCレスを実現できる。
しかし、ポリテトラフルオロエチレンは樹脂と親和し難く凝集し易い。そのため、潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレンを含む粉体塗料は、ポリテトラフルオロエチレンが表面で凝集した皮膜を形成する。つまり、ポリテトラフルオロエチレンが表面に凝集して存在し、ポリテトラフルオロエチレンが内部にはほとんど存在しない皮膜が形成される。ポリテトラフルオロエチレンが表面に偏って存在する潤滑皮膜では、例えば摩耗などにより表面に偏在するポリテトラフルオロエチレンが失われると潤滑性が損なわれるため、耐摩耗性能が不十分になる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、VOCレスであり、潤滑性の耐久性に優れた皮膜を形成することができる粉体塗料、その硬化物からなる潤滑皮膜、潤滑皮膜が形成された部品を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、潤滑皮膜形成粒子(10)から構成された粉体塗料(1)であって、
上記潤滑皮膜形成粒子(10)は、熱硬化性エポキシ樹脂から構成された母材(2)と、該母材中に含まれる潤滑性粒子(3)とを有し、
上記潤滑性粒子(3)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子(31)と、該ポリテトラフルオロエチレン粒子を被覆する被覆樹脂(32)とを有し、
上記被覆樹脂が極性基を有するポリマーから構成された樹脂及びエポキシ樹脂の硬化物の少なくとも一方を含有する、粉体塗料にある。
本発明の他の態様は、上記粉体塗料における上記熱硬化性エポキシ樹脂の硬化物から構成された皮膜本体(40)と、該皮膜中に分散された複数の上記潤滑性粒子とを有する、潤滑皮膜(4)にある。
本発明のさらに他の態様は、被塗物(51)と、
該被塗物の表面に形成された上記潤滑皮膜と、有する、部品(5)にある。
上記粉体塗料は、潤滑皮膜形成粒子から構成された粉体であり、有機溶剤を含有していない。そのため、粉体塗料はVOCレスである。また、上記粉体塗料によれば、ポリテトラフルオロエチレン粒子が表面だけでなく、内部にまで分散された潤滑皮膜を形成することができる。そのため、たとえ皮膜表面の潤滑性が失われても、皮膜内部に存在するポリテトラフルオロエチレン粒子によって潤滑性が保持される。つまり、上記粉体塗料によれば、潤滑性が損なわれにくく、耐久性に優れた潤滑皮膜が形成される。
上記潤滑皮膜は、有機溶剤を含んでおらず、VOCレスである。また、潤滑皮膜は、上記粉体塗料により形成され、ポリテトラフルオロエチレン粒子が皮膜表面だけでなく内部にまで分散して存在している。そのため、潤滑皮膜の潤滑性が損なわれにくい。上記部品の表面に形成された潤滑皮膜についても同様である。
以上のごとく、上記態様によれば、VOCレスであり、潤滑性の耐久性に優れた皮膜を形成することができる粉体塗料、その硬化物からなる潤滑皮膜、潤滑皮膜が形成された部品を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、潤滑皮膜形成粒子の断面模式図(a)、(a)における母材の模式図(b)。 実施形態1における、粉体塗料が塗布された被塗物の断面模式図(a)、(a)における粉体塗料が溶融した状態を示す模式図(b)、(b)における溶融状態の粉体塗料が乾燥固化した状態を示す模式図(b)、(c)における粉体塗料が硬化した状態を示す模式図(d)。 実施形態1における、ポリテトラフルオロエチレン粒子が分散された溶融樹脂の模式図(a)、(a)における溶融樹脂が硬化した状態を示す模式図(b)、(b)における硬化物を粉砕した状態を示す模式図(c)。 実施形態1における、潤滑性粒子が分散された、溶融状態の母材の模式図(a)、(a)における母材が乾燥固化した状態を示す模式図(b)、(b)における固化物を粉砕した状態を示す模式図(c)。 実施形態2における、部品の断面模式図(a)、(a)の潤滑皮膜の拡大図(b)、(b)における皮膜本体の架橋構造を示す模式図(c)。 比較形態1における、粉体塗料が塗布された被塗物の断面模式図(a)、(a)における粉体塗料が溶融した状態を示す模式図(b)、(b)における溶融状態の粉体塗料が乾燥固化した状態を示す模式図(c)、(c)における乾燥固化した粉体塗料が硬化した状態を示す模式図(d)。 比較形態1における、潤滑皮膜の表面状態を電子顕微鏡写真にて示す図。 実験例1における、4種類の粉体塗料を用いて作製した潤滑皮膜の表面状態を電子顕微鏡写真にて示す図。 実験例2における、ポリテトラフルオロエチレンの配合量が0、10wt%、20wt%の潤滑皮膜の表面及び断面を電子顕微鏡写真にて示す図。 実験例2における、ポリテトラフルオロエチレンの配合量が30wt%、40wt%、50wt%の潤滑皮膜の表面及び断面を電子顕微鏡写真にて示す図。
(実施形態1)
粉体塗料に係る実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1(a)に示されるように、粉体塗料1は、1つ以上の潤滑皮膜形成粒子10から構成され、具体的には多数の潤滑皮膜形成粒子10から構成される。潤滑皮膜形成粒子10は、母材2と潤滑性粒子3とを有する。
滑皮膜形成粒子10では、母材2が少なくとも1つの潤滑性粒子3を含む。図1(a)に示すように、潤複数の潤滑性粒子3が母材2中に分散されていてもよい。
母材2は、熱硬化性エポキシ樹脂から構成される。熱硬化性エポキシ樹脂は、例えば所定温度以上の加熱により硬化物を生成できるように構成されている。つまり、熱硬化性エポキシ樹脂は、少なくとも完全には熱硬化していないエポキシ樹脂であり、具体的には未硬化状態のエポキシ樹脂である。
図1(b)に示すように、母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂は、例えば主剤21と硬化剤22とを含有する。熱硬化性エポキシ樹脂は、少なくとも主剤21と硬化剤22とを含有する、エポキシ樹脂用の硬化性組成物である。主剤21と硬化剤22との組合せは特に限定されないが、硬化後にエポキシ樹脂の硬化物を生成する組合せを用いる。
主剤21としては、エポキシモノマー、エポキシプレポリマー等を使用することができる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、硬化剤22としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、チオール系硬化剤、ジシアンジアミド、ポリアミド系硬化剤、ポリメルカプタン類、フェノール/ノボラック樹脂等を使用することができる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
主剤21としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノール類由来の構造単位を有するエポキシプレポリマーを用いることが好ましく、硬化剤22としては、ブロックイソシアネート、アミン系、酸無水系を用いることが好ましい。この場合には、常温では未硬化であるが、加熱により硬化開始温度に達すると硬化するという効果が得られる。主剤21としては、ビスフェノールA型プレポリマー、硬化剤22としては、ブロックイソシアネートを用いることがより好ましい。
また、熱硬化性エポキシ樹脂は、硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、三級アミン、アミン塩、イミダゾール、ホスフィン、ホスホニウム塩等を使用することができる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性エポキシ樹脂としては、主剤21、硬化剤22等を配合して調整した組成物を用いることもできるし、市販品を用いることもできる。
母材2は、添加剤をさらに含有することができる。添加剤としては、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、レベリング剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。着色顔料としては、カーボンブラック、TiO2、Fe23、ZnO等が挙げられる。体質顔料としては、SiO2、BaSO4、タルク、CaCO3等が挙げられる。防錆顔料としては、Zn3(PO4)2、Ca3(PO4)2、Ba(BO2)2、AlPO4等が挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系重合物、アクリルシリコーン系重合物、シリコーン等が挙げられる。
熱硬化性エポキシ樹脂の温度150℃での溶融粘度は、10mPa・s以下であることが好ましい。この場合には、粉体塗料1の製造時に、熱硬化性エポキシ樹脂の中に潤滑性粒子3を均一に分散させることができる。また、粉体塗料1の使用時に、PTFE粒子31を含む潤滑性粒子3が凝集して皮膜表面に析出することをより抑制できる。これにより、PTFE粒子31がより均一に分散された潤滑皮膜4を形成することができる。熱硬化性エポキシ樹脂の溶融粘度がより低くなるなるほど、潤滑性粒子3がより均一に熱硬化性エポキシ樹脂中に分散されるため、熱硬化性エポキシ樹脂の温度150℃での溶融粘度は、10mPa・s以下であることがより好ましく、7.4mPa・s以下であることがさらに好ましい。一方、粉体塗料を用いて潤滑皮膜を形成させる際に、平滑な皮膜を形成させることができるという観点からは、熱硬化性エポキシ樹脂の温度150℃での溶融粘度は、5mPa・s以上であることが好ましい。
熱硬化性エポキシ樹脂の温度150℃での溶融粘度は、動的粘弾性測定装置(レオメータ)を用いて次のようにして測定される。2枚のプレート間、コーン−プレート間に熱硬化性エポキシ樹脂をセットし150℃に加熱する。上部プレートにトルクをかけると回転によるせん断応力が熱硬化性エポキシ樹脂に働き、その結果として生じるひずみ、またはひずみ速度(せん断速度)を測定することで粘度を算出する。
潤滑性粒子3は、ポリテトラフルオロエチレン粒子31と被覆樹脂32とを有する。ポリテトラフルオロエチレンのことを、以下適宜「PTFE」という。PTFE粒子31は、PTFEから構成された粒子である。被覆樹脂32は、少なくとも1つのPTFE粒子31を被覆し、複数のPTFE粒子31を被覆していてもよい。換言すれば、被覆樹脂32が母材であり、潤滑性粒子3では、母材中に1つ以上のPTFE粒子31が分散されているということができる。なお、この場合には、潤滑性粒子3を含む、潤滑皮膜形成粒子10の母材2のことを「第1母材」といい、PTFE粒子31を含む母材(つまり、被覆樹脂32)のことを「第2母材」ということができる。潤滑性粒子3中では複数のPTFE粒子31が凝集していてもよい。
PTFE粒子31の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば1〜10μmであることが好ましい。この場合には、摺動相手材へのPTFE粒子の移着による潤滑性付与効果、摩擦係数安定化による摺動性能向上という効果が得られる。この効果が向上するという観点から、PTFE粒子31の平均粒子径は、1〜5μmであることがより好ましい。本明細書において、平均粒子径は、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における体積積算値50%での粒径である。
被覆樹脂32は、極性基を有するポリマーから構成された樹脂及びエポキシ樹脂の硬化物の少なくとも一方を含有する。極性基を有するポリマーから構成された樹脂及びエポキシ樹脂の硬化物と、潤滑皮膜形成粒子10の母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂とは良好な親和性を示す。つまり、PTFE粒子31は、被覆樹脂32に覆われることによって熱硬化性エポキシ樹脂に対する濡れ性が向上し、潤滑皮膜形成粒子10の母材2中に均一に分散される。そして、潤滑皮膜形成時には、潤滑皮膜形成粒子10が皮膜表面だけでなく、内部まで分散される。また、極性基を有するポリマーから構成された樹脂は、PTFEとの親和性も良好であるため、潤滑性粒子3の製造時に、PTFE粒子31の含有量のばらつきの少ない潤滑性粒子3を製造することができる。
極性基は、炭素、水素以外の原子を含む官能基であり、極性基を有するポリマーは、例えば極性基を有するモノマーから構成されている。極性基は、例えば、水酸基、カルボキシ基、酸エステル基、ハロゲン基、有機酸基、スルフォン基等である。
上記極性基を有するポリマーから構成された樹脂は、水酸基、カルボキシ基、及び有機酸基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を含有するフッ素樹脂の硬化物であることが好ましい。この場合には、潤滑性粒子3の被覆樹脂32と潤滑皮膜形成粒子10の母材2との親和性がより向上すると共に、被覆樹脂32とPTFE粒子31との親和性も向上する。その結果、潤滑性粒子3の皮膜表面への偏在がより抑制され、潤滑性粒子3がより均一に分散された潤滑皮膜4を形成することができる。
フッ素樹脂としては、例えばPTFE以外の樹脂であり、具体的には、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(つまり、PFA)、四フッ化エチレンと六フッ化エチレンとの共重合体(つまり、FEP)、四フッ化エチレンとエチレンとの共重合体(つまり、ETFE)等を用いることができる。さらに、フッ素樹脂としては、水酸基などの極性基がポリマー鎖に付与された変性フッ素樹脂を用いることができる。
被覆樹脂32は、熱硬化性樹脂の硬化物を含むことが好ましい。この場合には、潤滑皮膜4の形成にあたり、加熱により、被覆樹脂32を溶融させることなく潤滑皮膜形成粒子10の母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂を溶融させることができる。その結果、皮膜形成時に、PTFE粒子31が被覆樹脂32に覆われた状態をより確実に保持したまま皮膜中に分散される。つまり、皮膜形成時に、PTFE粒子31が被覆樹脂32に覆われた潤滑性粒子3の形態をより保持し易くなる。したがって、潤滑性粒子3の皮膜表面への偏在がより抑制され、潤滑性粒子3がより均一に分散された潤滑皮膜4を形成することができる。
潤滑性粒子3の平均粒子径は、10〜20μmであることが好ましい。この場合には、製造時に潤滑性粒子3を母材2へ均一に分散させることができる。この効果が向上するという観点から、潤滑性粒子3の平均粒子径は、10〜14μmであることがより好ましい。
潤滑皮膜形成粒子10中のポリテトラフルオロエチレン粒子31の含有量は10〜30重量%であることが好ましい。この場合には、皮膜表面への潤滑性粒子3の偏在がより抑制され、潤滑性粒子3がより均一に分散された潤滑皮膜4を形成することができる。この効果がより向上するという観点から、潤滑皮膜形成粒子10中のポリテトラフルオロエチレン粒子31の含有量は、15〜25wt%であることがより好ましく、17.5〜22.5wt%であることがさらに好ましい。
粉体塗料1を用いた潤滑皮膜4の形成方法について説明する。図2(a)に示されるように、まず、粉体塗料1を被塗物51に塗布する。塗布は、コロナガン、トリボガンを使用した静電粉体塗装法、流動浸漬法等の粉体塗装によって行われる。コロナガンを用いて、粉体塗料1及び被塗物51をそれぞれ正負の逆電荷に帯電させて塗装することが好ましい。この場合には、被塗物51への粉体塗料のつきまわり性が向上する。被塗物51への粉体塗料のつきまわり性が向上する。粉体塗料1を塗布することにより、図2(a)に示すように、例えば多数の潤滑皮膜形成粒子10を被塗物51に付着させることができる。
次に、例えば加熱により、粉体塗料1を溶融させる。具体的には、潤滑皮膜形成粒子10の母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂を溶融させる。その結果、図2(b)に示すように、潤滑性粒子3が溶融した母材2a中に分散される。PTFE粒子31は被覆樹脂32に覆われて潤滑性粒子3を形成しているため、PTFE粒子31が溶融した母材2a中で凝集することを防止できる。
次に、図2(c)に示すように、溶融した粉体塗料1を冷却して固化させる。具体的には、溶融した母材2aを固化させる。また、固化時には、必要に応じて表面を平滑化させる。図2(c)に示すように、潤滑性粒子3は母材の固化物2b中に分散される。
次に、加熱により、母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させる。このようにして、図2(d)に示すように、被塗物51の表面に潤滑皮膜4を形成することができる。潤滑皮膜4は、皮膜本体40と潤滑性粒子3とを有する。皮膜本体40は、潤滑皮膜形成粒子10の母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂の硬化物から構成されている。PTFE粒子31を含む潤滑性粒子3は、皮膜本体40中に分散されている。
上記のごとく、潤滑皮膜4の形成時には、潤滑皮膜形成粒子10の母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂を溶融させ、固化させ、硬化させる。PTFE粒子31は、被覆樹脂32に被覆された状態の潤滑性粒子3として母材2中に存在しているため、凝集して表面に偏在しにくい。したがって、PTFE粒子31が表面だけでなく内部まで存在する潤滑皮膜4を形成することができる。
潤滑性粒子3は、次のようにして製造される。図3(a)に示すように、まず、被覆樹脂32の溶融物320にPTFE粒子31を分散させる。被覆樹脂32がエポキシ樹脂を含む場合には、主剤21と硬化剤22とを少なくとも含む溶融物320中にPTFE粒子31を分散させる。図3(a)に示すように、複数のPTFE粒子31が溶融物320中で凝集していてもよい。
また、被覆樹脂32が極性基を有するポリマーから構成された樹脂を含有する場合には、その樹脂の溶融物320にPTFE粒子31を分散させる。極性基を有するポリマーから構成された樹脂が熱可塑性樹脂である場合であって、そのガラス転移温度が上述の潤滑皮膜形成粒子10の母材2を構成する熱硬化性エポキシ樹脂の融点よりも低い場合には、さらに熱硬化性樹脂を添加することが好ましい。つまり、極性基を有するポリマーから構成された熱可塑性樹脂と、未硬化の熱硬化性樹脂との混合物の溶融物320にPTFE粒子31を分散させることが好ましい。この場合には、加熱により熱硬化性樹脂の硬化物を含む被覆樹脂32を形成させることができるため、潤滑皮膜形成粒子10の製造時や潤滑皮膜4の形成時における加熱により、被覆樹脂32が変形したり、溶融したりすることを防ぐことができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性エポキシ樹脂を用いることができ、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、高機能型エポキシ樹脂、高分子量型エポキシ樹脂を用いることができる。高機能型エポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、アルキルフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
次に、図3(b)に示すように、溶融物を硬化させる。これにより、PTFE粒子31が分散された被覆樹脂32の硬化物321を得ることができる。
次に、硬化物321を粉砕して造粒する。このようにして、図3(c)に示すように、潤滑性粒子3を得ることができる。
フッ素樹脂は、PTFE粒子31と良好な親和性を示す。そのため、被覆樹脂32がフッ素樹脂を含有する場合には、被覆樹脂32の溶融物320にPTFE粒子31がより均一に分散される。そのため、溶融物の硬化、粉砕後には、潤滑性粒子3中に含まれるPTFE粒子31の含有量のばらつきを小さくすることができる。その結果、潤滑皮膜形成粒子10中におけるPTFE粒子31の含有量のばらつきも少なくなる。これにより、潤滑皮膜形成時には、PTFE粒子31がより均一に分散された潤滑皮膜4を形成させることができる。
被覆樹脂32とPTFE粒子31との配合割合は、重量比で50〜70:30〜50(但し、被覆樹脂32:PTFE粒子)であることが好ましい。この場合には、摺動相手材へのPTFE粒子の移着による潤滑性付与効果、摩擦係数安定化等による摺動性能向上効果が得られる。この効果を向上させるという観点から、被覆樹脂32とPTFE粒子31との配合割合は、重量比で50〜65:35〜50であることがより好ましく、50〜60:40〜50であることがさらに好ましい。
潤滑皮膜形成粒子10は、次のようにして製造される。図4(a)に示すように、まず、熱硬化性エポキシ樹脂の溶融物2aに潤滑性粒子3を分散させる。次いで、図4(b)に示すように、例えば冷却により溶融物を固化させる。これにより、潤滑性粒子が分散された熱硬化性エポキシ樹脂の固化物(つまり、母材2)が得られる。溶融、固化にあたっては、熱硬化性エポキシ樹脂は硬化させないことが好ましい。
次に、潤滑性粒子3が分散された熱硬化性エポキシ樹脂の固化物を粉砕して造粒する。このようにして、図4(c)示すように、潤滑皮膜形成粒子10を得ることができる。
潤滑皮膜形成粒子10の平均粒子径は、20〜50μmであることが好ましい。この場合には、粉体塗料を被塗物に塗布して潤滑皮膜を形成させる際に、均一な膜厚の潤滑皮膜を形成させることができる。この効果が向上するという観点から、潤滑皮膜形成粒子10の平均粒子径は、25〜35μmであることがより好ましい。
(実施形態2)
潤滑皮膜4が形成された部品5の実施形態について説明する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図5(a)に示すように、部品5は、被塗物51とその表面に形成された潤滑皮膜4とを有する。被塗物の材質は特にされないが、鋼などの金属が挙げられる。被塗物51は、部品本体であり、図5(a)では図示を省略するが、その表面に潤滑皮膜4との密着性を効用させるためのプライマー層(つまり、下地層)を有していてもよい。下地層としては、例えばエポキシ樹脂用のものを形成することができる。具体的には、リン酸塩皮膜などの化成皮膜を用いることができる。
部品本体は、例えば、電磁バルブ、アクセルペダル、リレーシャフトである。
潤滑皮膜4は、実施形態1の粉体塗料1を用いて形成されたものである。潤滑皮膜4は、実施形態1と同様にして形成される。
図5(a)に示すように、潤滑皮膜4は、皮膜本体40と潤滑性粒子3とを有し、多数の潤滑性粒子3が皮膜本体40に分散されている。図5(b)に示すように、潤滑性粒子3がPTFE粒子31を含むため、PTFE粒子31も皮膜本体40に分散されている。図5(c)に示されるように、皮膜本体40は、熱硬化性エポキシ樹脂の硬化物から構成されている。皮膜本体40では、主剤21と硬化剤22との硬化反応により、エポキシ樹脂の架橋構造が形成されている。
部品5は、PTFE粒子31を含む潤滑性粒子3が分散された潤滑皮膜4を有している。PTFE粒子31は、潤滑皮膜4の表面だけでなく内部にも存在している。そのため、表面の潤滑性が良好であり、皮膜の摩耗等によりたとえ表面に存在するPTFE粒子31が損なわれても、内部に存在するPTFE粒子31が潤滑性を発揮できる。つまり、潤滑皮膜4は、潤滑性の耐久性に優れる。
潤滑皮膜4を有する部品5は、貧潤滑環境下で用いられる摺動部品に好適である。貧潤滑環境とは、潤滑剤となり得るオイル等が極端に少ないドライ環境のことである。
(比較形態1)
粉体塗料9の比較形態について説明する。図6(a)に示すように、本形態の粉体塗料9は、熱硬化性エポキシ樹脂粒子91とPTFE粒子92とを有する。粉体塗料9中に熱硬化性エポキシ樹脂粒子91とPTFE粒子92とが別体として存在する。
潤滑皮膜の形成にあたっては、図6(a)に示すように、まず、粉体塗料9を被塗物51に塗布する。次に、図6(b)に示すように、加熱により、熱硬化性エポキシ樹脂粒子91を溶融させる。これにより、熱硬化性エポキシ樹脂の溶融物91aにPTFE粒子92が分散される。次に、自然冷却させることにより、溶融物91aを固化させる。これにより、PTFE粒子92が熱硬化性エポキシ樹脂の固化物91b中に保持される。
次に、加熱により、熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させる。これにより、図6(d)に示されるように、エポキシ樹脂の硬化物からなる皮膜本体910が形成される。皮膜本体910には、PTFE粒子92が分散される。このようにして潤滑皮膜90が形成される。本形態では、PTFE粒子92が、熱可塑性樹脂粒子の溶融物91a中や、溶融物の固化時に、凝集しやすい。そのため、潤滑皮膜90において、PTFE粒子92が皮膜表面に偏在しやすくなる。
例えば、溶融時の温度を低くしたり、その加熱時間を短くすることにより、PTFE粒子92の皮膜表面での凝集、偏在を抑制することができる。しかし、この場合であっても、図7に示すように、PTFE粒子92は、凝集して、表面に多く偏在する。図7では、白い部分がPTFE粒子92を示し、濃灰色〜黒色部分が、皮膜本体910のエポキシ樹脂を示す。
なお、図7は、本形態の潤滑皮膜90の表面の電子顕微鏡写真である。電子顕微鏡写真は、日本FEI社製の環境制御型電子顕微鏡E−SEMを用いて、倍率:300倍、潤滑皮膜表面へのAuスパッタリング膜有りという条件で撮影したものである。
(実験例1)
本例は、各種粉体塗料1を用いて、被塗物51の表面に潤滑皮膜4を形成し、皮膜中でのPTFE粒子の分散性を比較評価する。
まず、潤滑皮膜形成粒子10の母材2用の熱硬化性エポキシ樹脂として、温度150℃における溶融粘度が7.4mPa・sの粒子状の母材組成物Aを準備した。母材組成物Aは、ビスフェノールA型の未硬化のエポキシ樹脂を86wt%、ジシアンジアミドを12wt%、カーボンブラックを1wt%、SiO2を1wt%含有する。母材組成物Aは平均粒子径が30μmであり、硬化後の鉛筆硬度が2Hである。なお、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4:2002年4月に準じて測定される。
また、母材2用の熱硬化性エポキシ樹脂として、温度150℃における溶融粘度が10mPa・sの粒子状の母材組成物Bを準備した。母材組成物Bは、ビスフェノールA型の未硬化のエポキシ樹脂を86wt%、ジシアンジアミドを12wt%、カーボンブラックを1wt%、SiO2を1wt%含有する。母材組成物Bは平均粒子径が30μmであり、硬化後の鉛筆硬度がHである。なお、溶融粘度、鉛筆硬度は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子量、構造等を変化させることにより調整することができる。母材組成物Aと母材組成物Bについても、エポキシ樹脂を調整することにより、溶融粘度及び鉛筆硬度の調整を行っている。
また、潤滑性粒子3の被覆樹脂32を形成するための組成物として、組成物Cを準備した。組成物Cは、ビスフェノールA型の未硬化のエポキシ樹脂を30wt%、平均粒子径1μmのPFA樹脂を20wt%、フッ素系界面活性剤を5wt%、メチルイソブチルケトンを45wt%含有する。また、PTFE粒子31としては、ダイキン製の乳化重合PTFEを準備した。PTFE粒子31の平均粒子径は5μmである。
本例の潤滑性粒子3の作製手順は以下の通りである。まず、組成物CとPTFE粒子31とを重量比で50:50(ただし、組成物C:PTFE粒子)で混合した。混合には、(株)カワタ製のミキサー「SPM−2」を用いた。次に、混合物を常温で混練した。混練には、(株)入江商会の混練機「PNV−1H」を用いた。混練条件は、ニーダー(具体的には、撹拌子)の回転速度:64rpm、混練時間:10分である。このようにして、PTFE粒子31が分散された被覆樹脂32(具体的には、組成物C)の溶融物320を得た。次に、溶融物を固化させて粉砕し易い形状に成形した後、温度140〜150℃で30〜60分間加熱することにより、被覆樹脂32を硬化させた。その後、被覆樹脂32の硬化物321を粉砕し、潤滑性粒子3を得た。粉砕には、(株)セイシン企業「SP−2」を用いた。粉砕条件は、ハンマーの回転速度:21900rpm、粉砕粒径:10μmである。
次に、以下の手順により、粉体塗料1を作製した。まず、母材組成物A:80wt%と、上記手順により作製した潤滑性粒子3:20wt%とをミキサーにて混合して混合物を得た。混合条件は、ミキサーの回転速度:1400rpm、混合時間:30分である。次に、混合物の溶融混練を行った。混練は、混練機の槽内温度:140℃、ニーダー(具体的には回転子)の回転速度:64rpm、混練時間:30分という条件で行った。
次に、自然冷却により、溶融混練物を固化させて粉砕し易い形状に成形した。自然冷却は、常温(具体的には25℃)で2時間行った。その後、固化物を粉砕し、潤滑皮膜形成粒子10から構成された粉体塗料1を得た。このようにして得られた粉体塗料1を実施例1とする。
また、本例では、母材組成物Aの代わりに母材組成物Bを用い、その他は実施例1と同様にして、粉体塗料1を作製した。この粉体塗料1を実施例2とする。
また、潤滑性粒子3の代わりに被覆樹脂32で被覆されていないPTFE粒子31を用い、その他は実施例1と同様にして粉体塗料1を作製した。この粉体塗料1を比較例1とする。
また、潤滑性粒子3の代わりに被覆樹脂32で被覆されていないPTFE粒子31を用い、母材組成物Aの代わりに母材組成物Bを用い、その他は実施例1と同様にして粉体塗料1を作製した。この粉体塗料1を比較例2とする。
次に、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の粉体塗料1を用いて、被塗物51に潤滑皮膜4を形成した。潤滑皮膜4の形成方法は、実施形態1と同様であり、コロナガンを用いて被塗物51に潤滑皮膜4を形成した。潤滑皮膜4中のPTFE粒子31の含有量は、20wt%である。
次に、電子顕微鏡にて各潤滑皮膜4の表面を観察した。電子顕微鏡写真を図8に示す。電子顕微鏡は、日本FEI社製の環境制御型電子顕微鏡E−SMを用いた。観察条件は、倍率:300倍、潤滑皮膜表面へのAuスパッタリング膜有りという条件で撮影したものである。
図8より知られるように、比較例1及び比較例2では、PTFE粒子31の凝集物が皮膜表面に多く偏在していた。これは、比較例1及び比較例2では、PTFE粒子31が被覆樹脂32により被覆されていないためであると考えられる。なお、電子顕微鏡写真で白色〜薄い灰色の部分がPTFE粒子31である。
これに対し、実施例1及び実施例2では、皮膜表面にPTFE粒子31の凝集物がほとんど存在していない。実施例1及び実施例2では、PTFE粒子31は、皮膜表面だけでなく、皮膜内部まで存在している。そのため、たとえ皮膜表面のPTFE粒子31が失われても、皮膜内部に存在するPTFE粒子31が潤滑性を発揮することができる。図8に示されるように、実施例1は、実施例2に比べてPTFE粒子31の皮膜表面での凝集がさらに抑制されている。したがって、熱硬化性エポキシ樹脂の温度150℃での溶融粘度は10mPa・s以下であることが好ましく、7.4mPa・s以下であることがより好ましい。
(実験例2)
本例では、粉体塗料1におけるPTFE粒子31の含有量を検討する。まず、潤滑皮膜形成粒子10中のPTFE粒子31の含有量が異なる6種類の粉体塗料1を実験例1と同様にして準備した。母材組成物としては、実験例1における母材組成物Aを用いた。本例における各粉体塗料1は、PTFE粒子31を含む潤滑性粒子3と母材組成物Aとの配合を変更した点を除いては、実験例1と同様にして作製した。本例の粉体塗料1は、潤滑皮膜形成粒子10中にPTFE粒子31をそれぞれ0、10wt%、20wt%、30wt%、40wt%、50wt%含有する。
各粉体塗料1を用いて、実験例1と同様にして、被塗物51の表面に潤滑皮膜4を形成した。なお、被塗物51は、下地層を有しており、潤滑皮膜4は、被塗物51の下地層上に形成した。被塗物は、普通鋼基材(つまり、SPCC基材)と、その上に形成されたリン酸亜鉛皮膜から構成されている。
次に、潤滑皮膜4の表面を電子顕微鏡にて観察した。観察条件は、実験例1と同様である。本例では、さらに潤滑皮膜4を形成した被塗物51の断面を電子顕微鏡にて観察した。観察結果を図9及び図10に示す。
図9及び図10に示されるように、本例では、被覆樹脂32に覆われたPTFE粒子31から構成された潤滑性粒子3を用いているため、PTFE粒子31は皮膜表面だけでなく、皮膜内部にも存在している。PTFE粒子31の含有量を増やすと、皮膜全体に含まれるPTFE量が増えるため、皮膜表面のPTFE粒子31も増大し、PTFE粒子31が内部よりも皮膜表面に偏在する傾向がある。皮膜表面及び皮膜内部にバランスよくPTFE粒子31を分散させるという観点からは、PTFE粒子31の含有量は、潤滑皮膜形成粒子10中に10〜30wt%であることが好ましい。同様の観点から、潤滑皮膜形成粒子10中のPTFE粒子31の含有量は、15〜25wt%であることがより好ましく、17.5〜22.5wt%であることがさらに好ましい。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 粉体塗料
10 潤滑皮膜形成粒子
2 母材
3 潤滑性粒子
31 PTFE粒子
32 被覆樹脂
4 潤滑皮膜
40 皮膜本体
5 部品
51 被塗物

Claims (6)

  1. 潤滑皮膜形成粒子(10)から構成された粉体塗料(1)であって、
    上記潤滑皮膜形成粒子(10)は、熱硬化性エポキシ樹脂から構成された母材(2)と、該母材中に含まれる潤滑性粒子(3)とを有し、
    上記潤滑性粒子(3)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子(31)と、該ポリテトラフルオロエチレン粒子を被覆する被覆樹脂(32)とを有し、
    上記被覆樹脂が、極性基を有するポリマーから構成された樹脂及びエポキシ樹脂の硬化物の少なくとも一方を含有する、粉体塗料。
  2. 上記熱硬化性エポキシ樹脂の温度150℃での溶融粘度が10mPa・s以下である、請求項1に記載の粉体塗料。
  3. 上記極性基を有するポリマーから構成された上記樹脂が、水酸基、カルボキシ基、及び有機酸基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を含有するフッ素樹脂の硬化物である、請求項1又は2に記載の粉体塗料。
  4. 上記潤滑皮膜形成粒子中の上記ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量が10〜30重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体塗料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体塗料における上記熱硬化性エポキシ樹脂の硬化物から構成された皮膜本体(40)と、該皮膜中に分散された複数の上記潤滑性粒子とを有する、潤滑皮膜(4)。
  6. 被塗物(51)と、
    該被塗物の表面に形成された、請求項5に記載の潤滑皮膜と、有する、部品(5)。
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