JP2021036577A - 圧粉磁芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気損失が低く、かつ、透磁率の高い圧粉磁芯を提供する。【解決手段】圧粉磁芯100は、複数の軟磁性鉄基粒子10と、各軟磁性鉄基粒子10の表面にそれぞれ設けられた被覆層20と、被覆層20間に設けられた介在層40と、軟磁性鉄基粒子10間に配置されたナノ粉体30と、を備える。被覆層20は、Fe,Si,O,B,及びNを含む化合物の層であり、ナノ粉体30は、Fe,Si,Zr,Co,Al,Mg,Mn,及びNiからなる群から選択される少なくとも一つの元素と、Oと、Nと、を含む化合物の粉体である。【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁芯に関する。
チョークコイルやリアクトル、モータ、インダクタなどの電子部品は、電気機器の小型化、軽量化にともない、電子部品に用いられる磁性材料には、低い磁気損失(コアロス)と高い透磁率が求められている。透磁率の向上及び磁気損失の低減を目指して種々の圧粉磁芯が開発されている。
例えば、特許文献1には、ビッカース硬度(Hv)が230≦Hv≦1000の範囲である金属磁性材料と圧縮強度が10000kg/cm(980.07MPa)以下である絶縁材とを含む複合磁性材料に関する技術が開示されている。
特許文献2には、高抵抗かつ高磁束密度のシリカ系絶縁被覆圧粉磁芯およびその製造方法と電磁気回路部品に関する技術が開示されている。
WO2010/082486号公報 特開2017−188678号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、高い成形密度を得るために絶縁材を減らすと金属粒子同士の接触を防げなくなり、磁気損失を低くすることが難しかった。特許文献2の技術では金属粒子間に1μm以下の薄い粒界層を均一に形成することが難しく、高い透磁率と低いコアロスを同時に得ることは難しかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、磁気損失が低く、かつ、透磁率の高い圧粉磁芯を提供することを目的とする。
本発明にかかる圧粉磁芯は、複数の軟磁性鉄基粒子と、各前記軟磁性鉄基粒子の表面にそれぞれ設けられた被覆層と、前記被覆層間に設けられた介在層と、前記軟磁性鉄基粒子間に配置されたナノ粉体と、を備える。そして、前記被覆層は、Fe,Si,O,B,及びNを含む化合物の層であり、前記ナノ粉体は、Fe,Si,Zr,Co,Al,Mg,Mn,及びNiからなる群から選択される少なくとも一つの元素と、Oと、Nと、を含む化合物の粉体である。
ここで、前記ナノ粉体は、Fe、Si、O、及びNを含む化合物の粉体であることができる。
また、前記ナノ粉体の平均粒径が10〜200nmであることができる。
また、前記被覆層の平均厚みは1〜100nmであることができる。
また、前記軟磁性鉄基粒子の平均粒径が1〜100μmであることができる。
また、前記軟磁性鉄基粒子がFe−Si合金粒子であり、前記圧粉磁芯のみかけ密度が6.6g/cm以上であることができる。
本発明によれば、磁気損失が低く、かつ、透磁率の高い圧粉磁芯が提供される。
図1は、本発明の実施形態にかかる圧粉磁芯の拡大断面図である。
(圧粉磁芯)
本発明の実施形態にかかる圧粉磁芯について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる圧粉磁芯の拡大断面図である。
本発明の実施形態にかかる圧粉磁芯(コア)100は、複数の軟磁性鉄基粒子10と、各軟磁性鉄基粒子10の表面にそれぞれ設けられた被覆層20と、被覆層20間に設けられた介在層40と、軟磁性鉄基粒子10間に配置されたナノ粉体30と、を備える。
(軟磁性鉄基粒子)
軟磁性鉄基粒子とは、軟磁性を有し、かつ、粒子中の元素のうち最大の原子分率を示す元素がFeである粒子である。Feの原子分率は50at%以上であることができる。
軟磁性鉄基材料の例は、純鉄、カルボニル鉄(carbonyl iron)、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−N化合物、Fe−Ni合金、Fe−C化合物、Fe−B化合物、Fe−Co合金、Fe−Al−Si合金、Fe−Al−Cr合金、Fe−Al−Mn合金、Fe−Al−Ni合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Si−Mn合金、Fe−Si−Ni合金である。軟磁性鉄基材料は、結晶性材料であっても良く、アモルファス材料、ナノ結晶材料であってもよい。
軟磁性鉄基粒子10の平均粒径は、特に限定されないが、1〜100μmであることができる。平均粒径の下限は、3μmでもよく、5μmでもよい。上限は50μmでもよく、30μmでもよい。
なお、軟磁性鉄基粒子10の平均粒径は、圧粉磁芯断面の電子顕微鏡写真(例えばSEM)において軟磁性鉄基粒子の30個の断面積をそれぞれ求め、それぞれ等面積円相当径を算出し、算術平均して求めることができる。
なお、軟磁性鉄基粒子10は、その内部に被覆層20の界面に沿って、1又は複数の酸化領域10aを有していてもよい。例えば、酸化領域10aは球形状を有していることができ、界面から500nmの深さの領域内に存在することができる。酸化領域10aの径は、1〜20nmであることができる。この径は、後述するナノ粉体の径と同様にして測定できる。軟磁性鉄基粒子10の内部に酸化領域10aを含むことにより、電気抵抗率が高くなり、粒子内の渦電流損失が低減される。酸化領域10aの径が1nm未満であると、渦電流損失を低減する効果が低くなる。酸化領域の径が20nmを超えると、透磁率が低下する傾向がある。
(被覆層)
被覆層20は、軟磁性鉄基粒子10の表面を被覆している。被覆層20は、軟磁性鉄基粒子10の全面を被覆することが好適である。
被覆層20の平均厚みは、1nm以上であることができ、5nm以上であることが好適であり、10nm以上であることが更に好適である。被覆層20の平均厚みは、100nm以下とすることができ、70nm以下とすることが好適である。被覆層20が厚すぎると、加圧成形後の密度が低下しやすくなる一方、薄すぎると、加圧成形時に軟磁性鉄基粒子10同士の接触を招く場合がある。
被覆層20の平均厚みは以下のようにして求めることができる。断面写真から10個の軟磁性鉄基粒子をランダムに選択する。断面写真において各軟磁性鉄基粒子と被覆層の界面に沿って等間隔に配置した10点で、被覆層の厚みをそれぞれ測定し、各軟磁性鉄基粒子の被覆層毎に算術平均Aをとる。10個の軟磁性鉄基粒子の被覆層の算術平均Aを、さらに算術平均する。
前記被覆層は、電気絶縁性を有する層であり、少なくとも、Fe,Si,O,B,及びNを含む化合物の層である。これにより、軟磁性鉄基粒子10との密着性が高くなり、また、絶縁性も高くなる。
(介在層)
介在層40は、被覆層20間に充填された層であり、被覆層20を有する軟磁性鉄基粒子10同士を結着している。介在層40の材料の例は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂である。介在層は、熱可塑性樹脂であってもよいが、熱硬化性樹脂であることが好適である。また、介在層の少なくとも一部又は全部が、当該樹脂の熱分解物でもよい。
(ナノ粉体)
ナノ粉体30は、軟磁性鉄基粒子10間に配置されている。すなわち、ナノ粉体30は、被覆層20内に配置されていてもよいし、介在層40内に配置されていてもよいし、被覆層20と介在層40との界面に配置されていてもよい。
ナノ粉体30の平均粒径は200nm以下である。平均粒径の上限は200nmであってよく、150nmであってよく、100nmであることが好ましく、80nmであることがより好ましい。平均粒径の下限は特にないが、1nmでよく、5nmであることが好ましく、10nmであることがより好ましい。ナノ粉体30の粒径は、複合粒子の断面の電子顕微鏡写真(例えばTEM)における等面積円相当径であり、平均粒径は30個程度のナノ粒子の粒径の算術平均とすることができる。
ナノ粉体30は、Fe,Si,Zr,Co,Al,Mg,Mn,及びNiからなる群から選択される少なくとも一つの元素と、O(酸素)と、N(窒素)とを含む化合物の粉体である。このような金属元素及び/又は半金属元素の酸窒化物であることにより、電気絶縁性及び靱性が確保されて好ましい。特に、N(窒素)を含むことで酸化物に比して靱性が向上して、加圧後でも軟磁性粒子同士の接触を抑制しやすくなる。
ナノ粉体は、化合物または複合粒子群であることができる。例として、化合物はSiON粉(例えば、SiO粉)、AlON粉、SiAlON粉、ZrON粉であることができる。
ナノ粉体30は、Fe、Si、O、及びNを含む化合物の粉体であることが好適である。ナノ粉体30が、Fe及びSiを含む化合物であることでさらに磁性を呈することが出来るので、透磁率などの磁気特性がより向上する。
ナノ粒子の分散性に関する指標として、圧粉磁芯のTEM断面におけるナノ粉体の面積比率が挙げられる。面積比率は、TEM断面写真における、軟磁性鉄基粒子間の面積(被覆層と介在層の面積)に対するナノ粒子の合計の面積の比率(ナノ粒子の合計の面積/軟磁性鉄基粒子間の面積)は、10%以上50%以下の間が好ましく、10%以上40%以下の間がより好ましい。この面積比率が50%以下の場合、圧粉磁芯の密度が高くなる。面積比率が10%以上の場合、圧粉磁芯の絶縁性が良くなる。TEM断面写真の軟磁性鉄基粒子間の面積は、0.01μmから0.1μmとなるように設定することが好ましい。
軟磁性鉄基粒子がFe−Si合金粒子の場合、圧粉磁芯100のみかけ密度は6.6g/cm以上であることができ、6.7g/cm以上であることもできる。軟磁性鉄基粒子がFe−Ni−Si合金粒子の場合、圧粉磁芯100のみかけ密度は7.3g/cm以上であることが好適である。軟磁性鉄基材料がカルボニル鉄などFeを99.5質量%以上含む粒子である場合、圧粉磁芯100のみかけ密度は6.9g/cm以上であることが好適である。圧粉磁芯100に含まれる軟磁性鉄基粒子10の充填率は88%以上であることが好適である。圧粉磁芯の充填率については後述する。
圧粉磁芯の形状に特に限定はない。例えば、トロイダル(環状)コア、U字型などのカットコア、モータ、インダクタ用の積層コアなどであることができる。
(作用効果)
本実施形態にかかる圧粉磁芯によれば、被覆層20が、Fe、Si,O,B,Nを含むことにより、軟磁性鉄基粒子10間の電気絶縁性が高められる。また、軟磁性鉄基粒子10間に、特定の金属の酸窒化物などのナノ粉体30が介在するので、酸化物粒子などが介在するよりも、靭性があり高圧プレス後でも軟磁性粒子間の隙間を確保しやすく、軟磁性鉄基粒子間の接触が抑制され、電気絶縁性を高くしつつ軟磁性鉄基粒子間の隙間を小さくすることができる。
これにより、透磁率を高めつつ、磁気損失を低減することができる。
(圧粉磁芯の製造方法)
圧粉磁芯の製造方法の第1の例(ナノ粉体外部添加)について説明する。
まず、軟磁性鉄基粒子と、BN粉と、ナノ粉体との混合粉を用意する。球状の軟磁性鉄基粒子を用いることが好ましい。球状にすることで、軟磁性鉄基粒子10同士の近接点が少なくなり、電気絶縁性を確保しやすい。
BN粉の平均粒径は軟磁性鉄基粒子より十分小さいことが好適であり、例えば、20nm〜4μmであることができる。BNは、六方晶(h−BN)であることが好適である。軟磁性鉄基粒子及びBN粉の平均粒径は、湿式のレーザー回折・散乱法により測定された体積基準の粒度分布のD50である。
次に、混合粉を、窒素中で400〜700℃程度で熱処理する。これにより、各軟磁性鉄基粒子の表面に、ナノ粉体30を包含した被覆層20が形成され、複合粒子が得られる。
続いて、得られた複合粒子群と、バインダ原料と、を混合して混合物を得る。必要に応じて、バインダ原料中の溶媒を乾燥させる。
続いて、必要に応じて、混合物に潤滑剤を混合してもよい。潤滑剤の例は、ステアリン酸亜鉛である。
次に、圧粉磁芯の形状に対応する空隙を有する金型内に、上記の混合物を充填し、加圧成形して、所望の形状の圧粉磁芯を得る。金型の内面にも、あらかじめ、潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。
加圧成形の際の圧力も特に限定されないが、981〜1570MPaとすることができる。
また、加圧成形後、または、加圧成形中に必要に応じて加熱して、バインダ原料の硬化、及び/又は、軟磁性鉄基粒子のアニールを行ってもよい。
つづいて、圧粉磁芯の製造方法の第2の例(ナノ粉体内部合成)について説明する。
本実施形態では、軟磁性鉄基粒子とBN粉との混合物を、窒素中で800〜1100℃、好ましくは、900〜1000℃程度で熱処理することにより、軟磁性鉄基粒子と、軟磁性鉄基粒子の表面に設けられた被覆層20と、被覆層20内に配置されたナノ粉体30と、を有する複合粒子を得る。ナノ粉体30は、軟磁性鉄基粒子に由来して形成することができるので、外部から添加する必要は無い。
以降の工程は、第一の方法と同様である。
(実施例1)
平均粒径5μmのガスアトマイズFe−Si(4.5質量%)合金粉と平均粒径4μmのBN粉と、平均粒径180nmのSiON粉とを用意した。Fe−Si合金粉とBN粉とSiON粉とを、50:10:1の重量比で混合して粉体混合物を得た。
次に、粉体混合物をるつぼに入れ、窒素雰囲気中500℃30分の熱処理を行い、Fe−Si合金粉の表面に、B,O,N,Fe,Siを含む化合物の被覆層、及び、当該被覆層内に配置されたSiONのナノ粉体を有する複合粒子を得た。
アルコールにより、複合粒子に残る未反応のBN粉及び遊離するSiON粉を除去した。
得られた複合粒子群にシリコーン樹脂を1重量%加えて混合し、乾燥した。乾燥物に、潤滑材(ステアリン酸亜鉛)を0.1重量%加えてさらに混合した。最終混合物の5gを、ステアリン酸亜鉛を予め塗布した金型内に充填し、成形圧1570MPaでプレスした。その後、900℃、30分間窒素雰囲気中でアニールして、圧粉磁芯としてのトロイダルコアを得た。トロイダルコアの充填率、みかけ密度、磁気損失、及び、比透磁率を以下のようにして測定した。
充填率(A)は、トロイダルコアに含まれる金属及び半金属元素の組成に基づいて計算される真密度(B)に対する、トロイダルコアのみかけ密度(C)の比(A=C/B*100)に基づいて計算した。
真密度(B)は、トロイダルコアに含まれる金属および半金属元素の質量比と各元素の密度との積の合計から算出した。例えば、実施例1,実施例6,実施例7の軟磁性鉄基粒子では以下のように計算される。
実施例1〜5、比較例1,2のFe−Si(4.5質量%)合金粒子の場合、[7.87×(100.0−4.5)+2.33×4.5]/100=7.62g/cmとなる。
実施例6、比較例3,4のFe−Ni(47.0質量%)−Si(1.0質量%)合金粒子の場合、[7.87×(100.0−47.0−1.0)+8.90×47.0+2.33×1.0]/100=8.30g/cmとなる。
実施例7、比較例5,6のFe(99.5質量%)粒子の場合、7.87×0.995=7.83g/cmとなる。
みかけ密度はトロイダルコアの寸法と重さを測定することにより算出した。
透磁率は以下のように測定した。LCRメータ(アジレント・テクノロジー社製4284A)と直流バイアス電源(アジレント・テクノロジー社製42841A)により、周波数20kHzにおける圧粉磁芯のインダクタンスを測定し、インダクタンスから圧粉磁芯の室温における透磁率を算出した。直流重畳磁界が8000A/mの場合について測定した。
磁気損失は以下のように測定した。岩崎通信機社製BHアナライザー(SY8258)を用い、最大50mTの正弦波交流磁界を印可し、室温における500kHzにおける損失を測定した。
磁気損失は1200kW/m以下であることが好ましく、比透磁率は45以上であることが好ましい。
圧粉磁心の断面におけるナノ粉体の面積比率(ナノ粒子の合計の面積/軟磁性鉄基粒子間の面積)を測定した。日本FEI社製のFIB(Nova200i)により圧粉磁芯をカットして薄片試料を作製し、JEOL社製のSTEM−EDS(JEM2100FCS)により観察した。STEMにより観察したSTEM画像をイノテック社製画像解析ソフト(Pixs2000Pro(ver2.2.2))により軟磁性鉄基粒子間の面積とナノ粉体の面積をそれぞれ測定した。一つの圧粉磁芯の断面に対して異なる場所を撮影したTEM写真を5枚用意し、それぞれにおいて面積比率を測定し、算術平均値を求めた。
(比較例1)
Fe−Si合金粉とBN粉の重量比を、1:1とすること、およびSiON粉を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトロイダルコアを得た。
(比較例2)
平均粒径5μmのガスアトマイズFe−Si(4.5質量%)合金粉にFe−Si粉の重量に対して2重量%のSiON粉とFe−Si粉の重量に対して1重量%のリン酸を含むアルコール溶液を供給し、その後アルコールを乾燥させて、Fe−Si合金粉の表面に、ナノ粉体を含むリン酸鉄被覆層を形成した。これ以降は、実施例1と同様として比較例2のトロイダルコアを得た。
(実施例2)
平均粒径5μmのガスアトマイズFe−Si(4.5質量%)合金粉と平均粒径4μmのBN粉とを用意した。Fe−Si合金粉とBN粉とを、5:1の重量比で混合して粉体混合物を得た。
次に、粉体混合物をるつぼに入れ、窒素雰囲気中900℃30分の熱処理を行い、Fe−Si合金粉の表面に、B,O,N,Fe,Siを含む化合物の被覆層、及び、当該被覆層内に配置された、O,N,Si,Feを含む化合物のナノ粉体を形成させて複合粒子を得た。これ以降は、SiON粉末を加えないこと以外実施例1と同様にして、実施例2のトロイダルコアを得た。
(実施例3)
平均粒径10μmのガスアトマイズFe−Si(4.5質量%)粉を用いること以外は、実施例2と同様にして、実施例3のトロイダルコアを得た。
(実施例4)
Fe−Si合金粉とBN粉の重量比を、1:1とすること以外は、実施例2と同様にして、実施例3のトロイダルコアを得た。
(実施例5)
Fe−Si合金粉とBN粉の重量比を、100:1とすること以外は、実施例2と同様にして、実施例3のトロイダルコアを得た。
(実施例6)
平均粒径5μmのガスアトマイズFe−Ni(47.0質量%)−Si(1.0質量%)合金粉と平均粒径4μmのBN粉とを用意した。Fe−Ni−Si合金粉とBN粉とを、5:1の重量比で混合して粉体混合物を得た。
次に、粉体混合物をるつぼに入れ、窒素雰囲気中1100℃60分の熱処理を行い、Fe−Ni−Si合金粉の表面に、B,O,N,Fe,Siを含む化合物の被覆層、及び、当該被覆層内に配置された、O,N,Si,Feを含む化合物のナノ粉体を形成させて複合粒子を得た。
アルコールにより、複合粒子に残る未反応のBN粉を除去した。
得られた複合粒子群にシリコーン樹脂を1重量%加えて混合し、乾燥した。乾燥物に、潤滑材(ステアリン酸亜鉛)を0.1重量%加えてさらに混合した。最終混合物の5gを、ステアリン酸亜鉛を予め塗布した金型内に充填し、成形圧1570MPaでプレスした。その後、600℃、30分間窒素雰囲気中でアニールして、圧粉磁芯としてのトロイダルコアを得た。
(比較例3)
軟磁性鉄基粒子を実施例6のFe−Ni−Si合金粉とすること、Fe−Ni−Si合金粉とBN粉の重量比を、1:1とすること、およびSiON粉を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。その後、アニール条件を600℃、30分とすること以外は実施例1と同様にして、比較例3のトロイダルコアを得た。
(比較例4)
実施例6のFe−Ni−Si合金粉にFe−Ni−Si粉の重量に対して2重量%のSiON粉とFe−Ni−Si粉の重量に対して1重量%のリン酸を含むアルコール溶液を供給し、その後アルコールを乾燥させて、Fe−Ni−Si粉の表面に、ナノ粉体を含むリン酸鉄被覆層を形成した。これ以降は、実施例6と同様として比較例4のトロイダルコアを得た。
(実施例7)
粒径4μmのカルボニル鉄粉(Fe99.5質量%)と、粒径4μmのBN粉と、TEOS(SiO(C)4)と、を用意した。カルボニル粉とBN粉およびTEOSを、5:1:0.01の重量比で混合して粉体混合物を得た。
次に、粉体混合物をるつぼに入れ、窒素雰囲気中750℃30分の熱処理を行い、カルボニル鉄粉の表面に、B,O,N,Fe,Siを含む化合物の被覆層、及び、当該被覆層内に配置された、O,N,Si,Feを含む化合物のナノ粉体を形成させて複合粒子を得た。
アルコールにより、複合粒子に残る未反応のBN粉を除去した。
得られた複合粒子群にシリコーン樹脂を1重量%加えて混合し、乾燥した。乾燥物に、潤滑材(ステアリン酸亜鉛)を0.1重量%加えてさらに混合した。最終混合物の5gを、ステアリン酸亜鉛を予め塗布した金型内に充填し、成形圧980MPaでプレスした。その後、750℃、30分間窒素雰囲気中でアニールして、圧粉磁芯としてのトロイダルコアを得た。
(比較例5)
軟磁性鉄基粒子を実施例7のカルボニル鉄粉とすること、カルボニル鉄粉とBN粉の重量比を1:1とすること、およびSiON粉を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、複合粒子を作製した。その後、成形圧を980MPa、アニール条件を750℃、30分とすること以外は実施例1と同様にして、比較例5のトロイダルコアを得た。
(比較例6)
実施例7のカルボニル鉄粉にカルボニル鉄粉の重量に対して2重量%のSiON粉とカルボニル鉄粉の重量に対して1重量%のリン酸を含むアルコール溶液を供給し、その後アルコールを乾燥させて、カルボニル鉄粉の表面に、ナノ粉体を含むリン酸鉄被覆層を形成した。これ以降は、実施例7と同様として比較例6のトロイダルコアを得た。
条件及び結果を表1及び表2に示す。なお、被覆層及びナノ粉体の化合物の組成は、STEM−EDSによる線分析および点分析により確認した。日本FEI社製のFIB(Nova200i)により圧粉磁芯から薄片試料を作製し、JEOL社製のSTEM−EDS(JEM2100FCS)により観察した。被覆層層の厚さは10個の粒子の各10点を測定し、平均値を求めた。
ナノ粒子の粒径は圧粉磁芯断面のTEM画像をフリーウェアであるQMP(ver.2.0.1)により解析し、粒子の面積に等しい円の直径として測定し、30個の平均を求めた。
Figure 2021036577

Figure 2021036577
実施例1〜7では、高い比透磁率と低い磁気損失とを両立できるトロイダルコアが得られた。一方、比較例1〜7では、比透磁率が十分に高くならなかった。
10…軟磁性鉄基粒子、20…被覆層、30…ナノ粉体、40…介在層、100…圧粉磁芯。

Claims (6)

  1. 複数の軟磁性鉄基粒子と、
    各前記軟磁性鉄基粒子の表面にそれぞれ設けられた被覆層と、
    前記被覆層の間に設けられた介在層と、
    前記軟磁性鉄基粒子の間に配置されたナノ粉体と、を備え、
    前記被覆層は、Fe,Si,O,B,及びNを含む化合物の層であり、
    前記ナノ粉体は、Fe,Si,Zr,Co,Al,Mg,Mn,及びNiからなる群から選択される少なくとも一つの元素と、Oと、Nと、を含む化合物の粉体である、圧粉磁芯。
  2. 前記ナノ粉体は、Fe、Si、O、及びNを含む化合物の粉体である、請求項1記載の圧粉磁芯。
  3. 前記ナノ粉体の平均粒径が10〜200nmである、請求項1又は2に記載の圧粉磁芯。
  4. 前記被覆層の平均厚みは1〜100nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧粉磁芯。
  5. 前記軟磁性鉄基粒子の平均粒径が1〜100μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧粉磁芯。
  6. 前記軟磁性鉄基粒子がFe−Si合金粒子であり、前記圧粉磁芯のみかけ密度が6.6g/cm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧粉磁芯。

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